特許第6595917号(P6595917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595917
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】食品成形概念
(51)【国際特許分類】
   A22C 7/00 20060101AFI20191010BHJP
   A21C 11/04 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   A22C7/00 Z
   A21C11/04
【請求項の数】25
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2015-555739(P2015-555739)
(86)(22)【出願日】2014年2月3日
(65)【公表番号】特表2016-506730(P2016-506730A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2014052050
(87)【国際公開番号】WO2014118368
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2016年12月19日
(31)【優先権主張番号】13153652.6
(32)【優先日】2013年2月1日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13163855.3
(32)【優先日】2013年4月16日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13169224.6
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13188962.8
(32)【優先日】2013年10月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514054823
【氏名又は名称】ジーイーエイ・フード・ソリューションズ・バーケル・ベスローテン・フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100179154
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 真衣
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100184424
【弁理士】
【氏名又は名称】増屋 徹
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ヘルヴェン,ヘンドリクス・ペトルス・ヘラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】シェーンマーケルズ,ペトルス・フーベルトゥス・マリア
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−536927(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/107236(WO,A2)
【文献】 特開2004−085877(JP,A)
【文献】 特開2004−224135(JP,A)
【文献】 特開2011−078423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 7/00
A21C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の製品キャビティ列(2’)を備える食品成形ドラム(1)であって、各列(2’)が1つまたは多数の製品キャビティ(2−I〜2−V)を備えている食品成形ドラム(1)において、前記製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材(78)として設けられ、食品成形ドラム(1)はさらに、内側円筒(75)と、少なくとも1つの多孔質部材(78)と、前記円筒(75)と前記多孔質部材との間の少なくとも1つのリブ(76)とを備えており、前記リブ(76)は、形状嵌合および/または圧力嵌合または接着剤結合によって前記円筒に接続され、前記多孔質の部材は、インサート(78)として設けられ、各インサートは、2つのリブ(76)に接続されており、各リブは、前記ドラムの全長にわたって延在する複数の凹部(72a)を備えていることを特徴とする、食品成形ドラム。
【請求項2】
前記ドラム(1)の先端(3,4)に隣接する前記多孔質部材(78)の表面の孔は、少なくとも部分的に閉鎖されていることを特徴とする、請求項1に記載の食品成形ドラム。
【請求項3】
前記多孔質部材(78)の前記孔は、深圧延および/またはショットピーニングによって少なくとも部分的に閉鎖されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の食品成形ドラム。
【請求項4】
前記多孔質部材は、前記リブ(76)を部分的に収容する凹部(74)を備えており、前記リブは、2つの製品キャビティ列(2’)間の流体交換を低減させるようになっていることを特徴とする、請求項に記載の食品成形ドラム。
【請求項5】
前記リブ(76)内に流路(79)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項6】
多数の多孔質の製品キャビティ列(2’)を備えており、前記ドラムは、前記ドラムを回転させるための少なくとも2つの形状嵌合手段(7)をさらに備えており、前記形状嵌合手段(7)は、互いに異なる形状を有していることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項7】
多数の多孔質の製品キャビティ列(2’)を備えており、前記ドラムは、成形装置に回転可能に軸支されるようになっており、前記ドラムは、その先端(3,4)の少なくとも1つに切頭円錐(16,17)を備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項8】
多数の多孔質の製品キャビティ列(2’)を有する多孔質部材(78)を備えており、各列(2’)が多数の多孔質製品キャビティ(2−I〜2−V)を備えており、ガスを用いて、前記キャビティを洗い流し、および/または成形された製品を前記キャビティから取り出すようになっており、および/または流体を用いて、前記キャビティを洗浄するようになっており、前記多孔質部材は、2つの列(2’)間および/または2つの通路(8)間において前記多孔質部材を通るガスおよび/または流体の交換を可能にするように設計されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項9】
多数の多孔質の製品キャビティ列(2’)を有する多孔質部材(78)を備えており、各列(2’)が多数の多孔質製品キャビティ(2−I〜2−V)を備えており、前記ドラムは、さらに減圧源を備えており、この減圧源は、2つの列間の領域において前記多孔質部材に接続されており、例えば、成形された製品の排出中に2つの互いに隣接する列(2’)間のガス交換を低減させるようになっていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項10】
孔質部材(78)を備えており、前記多孔質部材(78)は、互いに接合された互いに異なる多孔率を有する2つの層を備えており、前記食品成形ドラムの表面の前記層は、前記外層の内側の層よりも低い多孔率を有していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項11】
多数の製品キャビティ列(2’)を備えており、各列(2’)が1つまたは多数の製品キャビティ(2−I〜2−V)を備えており、前記製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材(78)として設けられており、前記部材(78)は、少なくとも1つの接続領域(72a,74)において内側部材(75,77)に直接的または間接的に接続されており、前記接続は、接着剤接続および/または形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段(72a,74)によってなされている、請求項1〜10のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項12】
形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段(72a,74)は、前記ドラムを全軸長にわたって貫通していることを特徴とする、請求項11に記載の食品成形ドラム。
【請求項13】
形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段(72a,74)は、前記多孔質部材と前記形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段(72a,74)および/または前記内側円筒またはリブ(76)との間に予張力をもたらすようになっていることを特徴とする、請求項11または12の1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項14】
各多孔質部材(78)は、2つ以上の形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段(72a,74)によって固定されていることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項15】
内側部材および多孔質部材を備えており、前記多孔質部材(78)は、粉末材料から作製された2つの層(70,71)を備えていることを特徴とする、請求項〜14のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項16】
前記多孔質部材は、前記内側部材にその場で作製されるようになっていることを特徴とする、請求項15に記載の食品成形ドラム。
【請求項17】
内側部材および多孔質部材(78)を備えており、前記多孔質部材(78)は、前記多孔質部材(78)を支持する透過性構造部材(72b)を備えていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項18】
前記透過性構造部材(72b)は、ワイヤメッシュであることを特徴とする、請求項17に記載の食品成形ドラム。
【請求項19】
前記透過性構造部材(72b)は、2つのリブ(76)間に設けられていることを特徴とする、請求項17または18の1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項20】
前記透過性構造部材(72b)は、前記ドラムの全長にわたって延在していることを特徴とする、請求項18または19の1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項21】
前記多孔質インサートの外面の前記孔は、溶射によってもたらされる被膜によって封止されていることを特徴とする、請求項〜20のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項22】
前記ドラムは、エンドキャップ(3’,4’)を備えており、前記キャップ(3’,4’)は、前記ドラムを回転させる形状嵌合手段および/または摩擦嵌合手段(7)および/または放出流体および/または洗浄流体のための入口および/または出口(163)を備えていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項23】
内側円筒(75)と、少なくとも1つの多孔質部材(78)と、前記円筒(75)と前記多孔質部材との間の少なくとも1つのリブ(76)とを備えており、前記リブ(76)は、形状嵌合および/または圧力嵌合および/または接着剤結合によって前記円筒に接続されており、前記リブ(76)は、前記円筒(75)に対して移動可能に設けられていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1つに記載の食品成形ドラム。
【請求項24】
前記リブが変形可能に設けられていることを特徴とする、請求項23に記載の食品成形ドラム。
【請求項25】
前記各リブ(76)が2つの部分として設けられていることを特徴とする、請求項23または24の1つに記載の食品成形ドラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の製品キャビティ列を備える食品成形ドラムであって、各列が多数の製品キャビティを備えている、食品成形ドラムにおいて、該製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材として設けられている、食品成形ドラムに関する。さらに、本発明は、食品成形ドラムを備える食品成形装置、および多孔性部材に関する。加えて、本発明は、ドラムを移送する可動ユニット、およびドラムを取り換える方法または食品成形装置を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品成形ドラムは、食品塊からパティのような食製品を成形する機械に利用されている。このような装置は、例えば、特許文献1に記載されている。しかし、この文献に記載されている食品成形ドラムは、製造するのが困難であり、かつ衛生上の問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,205,837号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、最新の技術による装置の欠点を有しない食品成形ドラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、多数の製品キャビティ列を備える食品成形ドラムであって、各列が1つまたは多数の製品キャビティを備えている、食品成形ドラムにおいて、該製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材として設けられている、食品成形ドラムによって達成されることになる。
【0006】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である、
【0007】
本発明は、食品成形装置の一部である食品成形ドラムに関する。この食品成形ドラムは、その外面に多数の製品キャビティを有している。製品キャビティは、ドラムの周囲に向かって開いており、該製品キャビティ内において、食品塊が食製品、例えば、パティに成形されることになる。この食品成形ドラムは、本発明によれば、多数の製品キャビティ列を備えており、各列は、並んで配置された1つまたは多数の製品キャビティを備えている。これらの列は、本発明のドラムの中心軸と平行に配列されている。製造中、ドラムが回転し、1つの位置において、1つの列の製品キャビティが食品塊によって充填され、下流の位置において、1つの列に位置する製品キャビティから成形された食品塊が排出される。続いて、1つのキャビティ列における製品キャビティが再び充填され、以後、前述のステップが繰り返されることになる。充填中に製品キャビティを通気するために、および/または製品の排出を助長するために、製品キャビティは、少なくとも部分的に多孔質材料、例えば、ガス透過性の焼結金属から作製されており、該多孔質材料を介して製品キャビティが通気され、または該多孔質材料を通してガス、例えば、空気が放出され、成形された製品を製品キャビティの表面から離脱させることができる。好ましくは、多孔質材料は、互いに相互接続された孔/流路を備えている。
【0008】
食品成形ドラムは、さらに好ましくは、流路を備えている。この流路は、ドラムの長手方向に、すなわち、ドラムの中心軸と平行に延在しており、好ましくは、ドラムの一端から他端に延在している。各流路を介して、循環空気を、例えば、周囲に放出することができ、および/または成形された製品を排出するために、圧縮ガスをキャビティ内に送り込むことができる。加えて、洗浄流体を流路および/または製品キャビティの多孔質材料内に送り込むことができる。
【0009】
少なくとも部分的に多孔質の製品キャビティは、1つまたは複数の多孔質部材として設けられており、キャビティは、多孔質材料に形成された凹部である。多孔質部材は、好ましくは、円筒または円筒セグメントである。多孔質部材は、内側ドラムの周囲の全体にわたって延在していてもよいし、またはインサートであってもよい。インサートは、好ましくはドラム状の構造体に挿入され、次いで、固定されるようになっている。各セグメントは、1つまたは複数のキャビティ列を備えているとよい。
【0010】
多孔質部材は、型ドラムの一部である。型ドラムは、塊供給システムによって送達される食材、例えば、肉の塊から製品、例えば、パティを成形するために用いられるものである。ドラムは、1つまたは複数のキャビティを有する1つまたは複数の列を備えており、製品キャビティ壁は、少なくとも部分的に多孔質構造を有している。成形装置および/または洗浄装置および/または貯蔵ユニットに対して型ドラムを容易に脱着させるために、および型ドラムを成形装置および/または洗浄装置および/または貯蔵ユニット間で移動させるために、可動ユニットが用いられるようになっている。
【0011】
本発明の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、多孔質部材は、少なくとも1つの接合位置において、内側円筒に直接的または間接的に接続されており、該接合位置における多孔質部材の表面の孔は、少なくとも部分的に閉鎖されている。
【0012】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0013】
接合位置における多孔質材料の孔を閉鎖することによって、接合材料、例えば、接着剤またはろう付け剤が多孔質材料内に浸透しないことが確実になる。
【0014】
好ましくは、各多孔質部材は、インサートとして設けられている。インサートは、内側部材のようなドラムの凹部内に少なくとも部分的に挿入され、この部材に接合されることになる。この接合は、好ましくは、ろう付けまたは半田付けによって行なわれる。代替的または付加的に、各インサートは、インサートおよびドラムおよび/またはドラムの内側部材間において、形状接続、圧力接続、および/または摩擦接続によって、ドラムに接続されてもよい。
【0015】
本発明の他の進歩的なまたは好ましい実施形態によれば、ドラムの先端に隣接する多孔質部材の表面の孔は、少なくとも部分的に閉鎖されている。
【0016】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0017】
内側部材への多孔質部材の接合の後、得られたドラムアセンブリは、好ましくは、さらに機械加工されることになる。好ましくは、ドラムアセンブリの外径は、その最終直径に機械加工され、および/またはドラムの外周の孔は、閉鎖され、および/または閉鎖状態で保持されるべきである。このステップ、例えば、研磨によってまたは追加的な機械加工ステップによって、ドラムは、その最終直径を得ることになる。
【0018】
孔は、例えば、適切な砥石車および適切な研磨パラメータを用いる研磨によって閉鎖されてもよく、および/または、好ましくは深圧延によって閉鎖されてもよい。深圧延中、圧延要素、例えば、ボール、好ましくは、ローラが、閉鎖される多孔質表面、またはドラムアセンブリの場合、ドラムの外面に押し付けられる。ローラによって生じた圧縮が接触領域に応力をもたらし、これによって、この領域が降伏点を超え、型ドラムの表面層に塑性変形が生じる。多孔質インサートの孔は、この作用によって閉鎖されることになる。追加的な利点は、表面層の密度が高まることによって、この層の強度および耐摩耗性が増大することである。ここで、このドラムは、貯蔵される。ドラムの注文が生じた時点で、所望の製品キャビティが機械加工によって形成されることになる。
【0019】
追加的または代替的に、多孔質部材の孔は、ショットピーニングによって少なくとも部分的に閉鎖されるようになっている。ショットピーニングは、多孔質材料の表面の孔を閉鎖するためにおよび/または残留層をもたらすために用いられる冷間加工プロセスである。ショットピーニングは、塑性変形をもたらすのに十分な力によってショット(丸い金属、ガラス、またはセラミック粒子)を表面に衝突させることを含んでいる。ショットピーニングは、摩滅よりはむしろ塑性の機構によって機能し、具体的には、各粒子が孔を閉鎖するボールピーンハンマーとして機能する点を除けば、サンドブラストと同様である。
【0020】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0021】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、型ドラムは、内側円筒と、少なくとも1つの多孔質部材と、円筒と多孔質部材との間の少なくとも1つのリブとを備えており、リブは、形状嵌合および/または圧力嵌合または接着剤結合によって円筒に接続されている。
【0022】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0023】
好ましくは、リブは、ろう付けによって、多孔質部材および/または内側円筒に接続されている。
【0024】
各リブを利用することによって、多孔質部材と内側円筒との間に一定の距離をもたらすことができ、多孔質部材を支持し、流路をもたらし、および/または多孔質材料を通る流体流れを少なくとも部分的に遮ることができる。
【0025】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、多孔質部材は、リブを部分的に収容する凹部を備えており、該リブは、好ましくは2つの製品キャビティ間の流体交換を低減させるようになっている。
【0026】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0027】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、内側円筒と、少なくとも1つの多孔質部材と、円筒と多孔質セグメントとの間の少なくとも1つのリブと、を備える食品成形ドラムであって、リブ内に流路が設けられている、食品成形ドラムである。
【0028】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0029】
リブ内の流路は、好ましくは、多孔質材料に向かって開いている。流路の断面積は、例えば、U字状またはV字状に形作られている。この流路は、例えば、圧力媒体または真空源に接続されている。真空に起因して、1つのキャビティ列から次のキャビティ列に流れようとする空気を少なくとも低減させることができる。
【0030】
本発明の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、食品成形ドラムは、多数の好ましくは多孔質の製品キャビティ列を備えており、ドラムは、ドラムを回転させるための少なくとも2つの形状嵌合手段をさらに備えており、該形状嵌合手段は、互いに異なる形状を有することができるようになっている。
【0031】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0032】
ドラムの一部である形状嵌合手段は、回転手段、例えば、モータおよび/またはギアボックスに付随して設けられた対応する形状嵌合手段と協働するようになっている。形状嵌合手段は、回転手段からのモーメントをドラムに伝達させるものである。ドラムの形状嵌合手段、従って、回転手段の形状嵌合手段が、互いに異なる少なくとも2つの形状嵌合手段から構成されているので、ドラムは、食品成形装置の回転手段にのみ接続可能になっている。従って、回転手段の回転位置に対するドラムの回転位置は、一定であり、本発明の装置の制御システムによって検知されることになる。
【0033】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、多数の製品キャビティ列を備えており、各列が1つまたは多数の製品キャビティを備えており、製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材として設けられており、該部材は、少なくとも1つの接続領域において内側部材に直接的または間接的に接続されており、この接続は、接着剤接続および/または形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段によってなされている、食品成形ドラムである。
【0034】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0035】
本発明のこの主題によれば、多孔質部材は、内側部材、例えば、内側円筒のリブに直接的または間接的に接続されている。この接続は、接着剤接続および/または形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段とすることができる。特に、例えば、半田付けおよび/またはろう付けによる接着剤接続と形状接続および/または圧力接続および/または摩擦接続との組合せが好ましい。
【0036】
形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段は、金属および/またはプラスチック材料から作製することができる。形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段の材料は、多孔質部材とドラムまたはドラムのリブとの間に(後で固化する)液体として挿入されてもよい。
【0037】
内側部材は、好ましくは、円筒、好ましくは、多孔性部材が接続される凹みおよび/またはリブを有する円筒である。
【0038】
多孔質部材と内側部材との間の可能な形状接続および/または圧力接続および/または摩擦接続は、国際特許出願公開第2012/107236号、特にその図13および対応する記述に開示されている。この特許出願の開示内容は、参照することによってここに含まれ、本特許出願の開示の一部をなすものとする。
【0039】
各多孔質部材は、1つまたは複数の個別の形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段によって、内側部材に固定されてもよいし、または1つの形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段が、多数の多孔質部材を内側部材を固定するようになっていてもよい。好ましくは、1つの形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段は、多数の多孔質部材を貫通しており、さらに好ましくは、内側部材を全軸方向長さにわたって貫通している。
【0040】
好ましくは、形状嵌合手段および/または圧力嵌手段合および/または摩擦嵌合手段は、多孔質部材と形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段および/または内側部材との間に予張力をもたらすようになっている。これは、例えば、主要な部材および/または多孔質材料の開口の直径よりも大きい直径を有する形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段をもたらすことによって、達成することができる。形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段は、この開口内に圧入され、これによって、内側部材に対して多孔質部材に予張力を与えることができる。
【0041】
好ましくは、各多孔質部材は、内側部材における2つの形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段によって、固定されるようになっている。
【0042】
本発明の他の進歩的なまたは好ましい概念によれば、食品成形ドラムは、多数の好ましくは多孔質の製品キャビティ列を備えており、該ドラムは、成形装置に回転可能に軸支されるようになっており、該ドラムは、その先端の少なくとも1つに切頭円錐を備えている。
【0043】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0044】
食品成形ドラムが食品成形装置内に配置された後、好ましくは、この円錐は、食品成形装置、好ましくは、食品成形装置の側部に設けられた円錐に少なくとも部分的に形状嵌合し、これによって、食品成形ドラムを回転させるトルクをもたらすことになる。
【0045】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、それ故、シール部材、好ましくは、柔軟プレートと食品成形ドラムとを有する食品成形装置であって、その駆動側および支持側に成形食品ドラム用の切頭円錐を備えている、食品成形装置である。
【0046】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0047】
食品成形ドラムおよび/または食品成形装置の切頭円錐を利用して、食品成形ドラムを食品成形装置に心出し、取付け、好ましくは、締付け、および/または固定することができる。
【0048】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、多数の多孔質製品キャビティ列を有する多孔性部材(78)を備えており、各列が多数の多孔質製品キャビティを備えており、ガスを用いて、キャビティを洗い流し、および/または成形された製品をキャビティから取り出し、および/または流体を用いて、キャビティを洗浄するようになっており、多孔質部材は、2つの列間および/または2つの通路間において多孔質部材を通るガスおよび/または流体の交換を可能にするように設計されている、食品成形ドラムである。
【0049】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0050】
この流体流れに起因して、2つのキャビティ列間のガス交換が可能である。付加的または代替的に、洗浄流体を1つのキャビティ列から他のキャビティ列に多孔質部材を通して流すこともできる。
【0051】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、多数の多孔質製品キャビティを有す多孔質部材を備えており、各列が多数の多孔質製品キャビティを備えており、該ドラムは、さらに減圧源を備えており、この減圧源は、2列の領域内において多孔質部材に接続されており、例えば、成形された製品の排出中に2つの互いに隣接する列間のガス交換を低減させるようになっていることを特徴とする、食品成形ドラムである。
【0052】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0053】
好ましくは、成形された製品は、ガス、好ましくは、空気を型キャビティの底および/または側壁を通して放出することによって、型キャビティから取り出されるようになっている。この放出中、空気が非意図的に隣接する列に入ることを避けるために、負圧が互いに隣接する2つのキャビティ列間の領域または空間に加えられることが可能になっている。
【0054】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、食品成形ドラムおよびドラムの周面に当接する柔軟プレートを備える食品成形装置であって、ドラムおよび/または柔軟プレートは、識別手段を備えており、該識別標識に基づいて、装置の操作パラメータが自動的に設定されるようになっており、および/または柔軟プレートおよびドラムが適合しているかどうかが検証されるようになっている、食品成形装置である。
【0055】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0056】
柔軟プレートは、ドラムの半径方向表面に当接し、食品塊がキャビティに充填されるときに通るマニホールドの周りに延在し、食品塊のためのシールとして機能する。プレートは、食品成形ドラムの表面に加圧される。プレートは、柔軟であり、これによって、ドラムの表面との接触面積が最大化されることになる。
【0057】
この実施形態によれば、柔軟プレートおよび/または食品成形ドラムは、識別標識、例えば、RFID,バーコード、などを備えている。この識別標識は、手動によってまたは自動的に食品成形装置の制御システム内に入力可能になっている。この識別標識に基づいて、食品成形ドラムが柔軟プレートに適合しているかどうか、例えば、柔軟プレートの長さおよび/または幅が食品成形ドラムに適合しているかどうかを検証することが可能である。もし適合していないなら、食品成形装置は、始動せず、および/または警告が発せられることになる。
【0058】
代替的または付加的に、食品成形装置の操作パラメータ、例えば、製品の送給圧、ドラムの回転速度、製品を型キャビティから取り出すために各キャビティに放出されるガスの量、充填が完了した後に維持または設定される圧力、および/または製品がドラムから取り外される回転位置は、自動的に設定されるようになっている。これによって、食品成形装置の操作中に、機械の作業員の労力を減らし、および/または間違いおよび/または事故を避けることができる。
【0059】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、多孔質部材を備えており、該多孔質部材は、互いに接合された互いに異なる2つの質を有しており、食品成形ドラムの表面の層は、この外層の内側の層よりも低い多孔質を有している、食品成形ドラムである。
【0060】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0061】
本発明のこの実施形態によれば、多孔質部材の外層は、好ましくは、内層よりも高密度構造を有しており、例えば、箔、圧延プレート、または薄壁管とすることができる。これは、多孔質部材の外周の孔を閉鎖するプロセスステップが省かれるので、有利である。また、互いに異なる粉末をモールド内に供給し、加圧および焼結によって2層構造体をもたらすことによって、多孔質部材からなる層構造、例えば、多孔質ドラムを作製することもできる。この場合、外層が少なくとも本質的に閉鎖され、これによって、圧縮空気がこの層を通して流出することができなくなっている。焼結プロセス後、多孔質基部は、外層に付着する。多孔質キャビティは、所望のキャビティ位置において外層および内層を少なくとも部分的に除去することによって、作製される。
【0062】
好ましい実施形態では、外層は、インサートの端面の一方または両方において少なくとも部分的に周方向に設けられている。周方向両端面における外層は、インサートおよび/またはドラムの他の部分間の接合に有利である。インサートの2つの軸方向端面における外層は、この位置においてインサートを封止するので有利である。
【0063】
外層は、例えば、箔またはプレートであってもよいし、またはモールド内に互いに異なる粉末を供給し、加圧および焼結によって閉構造をもたらすことによって、作製することができる。焼結プロセスの後、多孔質基部は、外層に付着することになる。
【0064】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、内側円筒と、少なくとも1つの多孔質部材と、円筒と多孔質部材との間の少なくとも1つのリブとを備えており、リブは、形状嵌合および/または圧力嵌合および/または接着剤結合によって、円筒に接続されており、リブは、円筒に対して移動可能に設けられている、食品成形ドラムである。
【0065】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0066】
2つの多孔質セグメント間のリブの移動および/または変形に起因して、リブは、焼結プロセス後またはその最中の多孔性セグメントの収縮中に、多孔質セグメントに追従することができる。
【0067】
従って、リブと多孔質材料との間の接続、特に材料結合は、損傷されずおよび/または過剰な負荷を受けないことになる。円筒に対するリブの動きは、好ましくは、回転である。
【0068】
好ましくは、リブは、変形可能に設けられている。これは、比較的低弾性係数の比較的軟質な材料からなるリブおよび/または比較的薄いリブおよび/または所望の方向におけるリブの変形を改良する凹み、ノッチなどのような構造手段によって、達成することができる。
【0069】
本発明の進歩的なまたは好ましい実施形態によれば、各リブは、2つの部分として設けられている。
【0070】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0071】
2つの部品は、好ましくは、鏡面対称になっており、いずれもドラムの全長にわたって延在している。両部品は、好ましくは、円筒に接続されている。好ましくは、2つの部品間に間隙が設けられており、該間隙は、好ましくは、半径方向に延在している。多孔質材料の収縮中に、この間隙の大きさ、特に、その幅が増大する。好ましくは、間隙は、収縮が終了した後、溶接によって閉鎖および/または充填されるようになっている。
【0072】
好ましい実施形態では、2つのリブ間の多孔質部材が圧縮されるように、間隙の大きさが収縮の程度を超えて増大されるようになっている。これは、例えば、機械的または熱的な力によって、達成することができる。続いて、この間隙は、例えば、溶接材料によって充填され、これによって、間隙がその所望の形状に固定され、その結果、多孔質セグメントが圧縮状態に維持されることになる。
【0073】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、食品成形ドラムは、スピンドルを中心として回転するようになっており、該スピンドルは、好ましくは、ドラムと一緒に取り外されるように設計されている、食品成形装置である。
【0074】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0075】
本発明のこの実施形態によれば、食品成形ドラムは、本発明の食品成形装置に接続されたスピンドルを中心として回転するようになっている。食品成形ドラムが、例えば、製品交換または洗浄目的のために取り外されねばならない場合、ドラムは、スピンドルと一緒に取り外されるようになっている。スピンドルを取り外す前に、スピンドルは、食品成形装置から離脱されねばならない。
【0076】
ドラムと一緒にスピンドルを取り外すことは、食品成形装置を良好に洗浄することができる点、およびスピンドルを利用してドラムを移送台車上に支持することができる点において、有利である。
【0077】
好ましくは、スピンドルは、支持構造体およびドラム用軸受を備える製造支持手段の一部である。この製造支持手段は、食品成形ドラムを食品成形装置上に支持するようになっている。さらに好ましくは、この製造支持手段の全体が、ドラムと一緒に取り外されるようになっている。
【0078】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、シール部材、好ましくは、柔軟プレートと、軸受によってスピンドルに軸支された食品成形ドラムとを備えており、シール部材および軸受は、力閉鎖システムをもたらすように機械的に接続されている、食品成形装置である。
【0079】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0080】
シール部材、例えば、柔軟プレートは、ドラムの半径面に当接し、食品塊がキャビティに充填されるときに通るマニホールドの周りに延在しており、食品塊のためのシールとして機能する。プレートは、食品成形ドラムの表面に加圧される。プレートは、柔軟であり、これによって、ドラムの表面との接触面積が最大化されることになる。
【0081】
閉鎖力システムに起因して、食品成形装置のフレームに吸収される力が減少し、および/またはシール部材とドラムの半径方向周囲と接触がより緊密になる。
【0082】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、食品成形ドラムの一部である多孔質部材であって、ドラムの中心軸と平行に延在する埋設された流路および/または支持領域を備えている、多孔質部材である。
【0083】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0084】
本発明のこの実施形態によれば、多孔質材料は、埋設された流路を備えている。この流路は、多孔質材料の孔ではなく、好ましくはドラムの回転軸と平行に延在して1つの列の型キャビティを互いに流体接続する通路である。このような流路を介して、ガスを1つの列の型キャビティに供給し、製品をこれらの型キャビティから排出させることができ、および/またはこの流路を介して、充填中に型キャビティを通気させることができる。流路は、好ましくは、多孔質材料または多孔質部材を作製するために用いられる形状部の一部に機械加工によって形成されるようになっている。
【0085】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、ドラムを移送する可動ユニットであって、製造支持手段用の支持フレームを備えており、製造支持手段は、スピンドルおよびスピンドルを軸支する支持構造体を備えている、可動ユニットである。
【0086】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0087】
可動ユニットは、製造支持手段の全体を取り付けることができる支持フレームを備えるように、設計されている。この製造支持手段は、好ましくは、型ドラムが貯蔵装置内に貯蔵されている場合および/またはドラムが洗浄ユニット内において洗浄されている場合、可動ユニットに残されている。
【0088】
本発明の他の主題は、食品成形ドラムの製造支持構造体が接続されるフレームを備える食品成形装置において、食品成形ドラムを取り換える方法であって、ドラムは、製造支持手段と一緒に取り換えられるようになっている、方法である。
【0089】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0090】
本発明の他の主題は、回転する食品成形ドラムを軸支するスピンドルを備える食品成形装置を洗浄する方法であって、該スピンドルは、洗浄する前に、好ましくは、ドラムと一緒に取り外されるようになっている、方法である。
【0091】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0092】
本発明の他の主題は、多数の型キャビティ列を有する型ドラムを備える食品成形装置を運転する方法であって、各列は、周囲圧に対して正圧または負圧の媒体を受けることができる通路に接続されている、方法において、互いに隣接する2つの通路において、1つの通路は、正圧の媒体を受け、隣接する通路は、負圧の媒体を受けるようになっていることを特徴とする、方法である。
【0093】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。この実施形態によれば、あるキャビティ列からの製品の排出中に、隣接する列における製品が、製品キャビティから非意図的に取り外されることが回避されることになる。
【0094】
本発明の他の主題は、内側円筒および焼結された粉末から作製された多孔質部材を備える食品成形ドラムを作製する方法であって、粉末は、内側円筒および/または内側円筒の一部であるリブに直接供給されるようになっている、方法である。
【0095】
本発明のこの実施形態によれば、多孔質材料の焼結は、その場で、すなわち、内側部材、例えば、ドラムの内側円筒に対して行なわれるようになっている。粉末、例えば、金属粉末の加圧および焼結の後、多孔質構造体がもたらされ、次いで、製品キャビティを形成し、および/または表面の孔を閉鎖することができる。
【0096】
多孔質部材は、単片または複数片から作製された円筒であってもよいし、または、各々が1つまたは複数のリブ間および/または上方に配置された多数のインサートであってもよい。
【0097】
多孔質部材は、好ましくは、焼結された材料、好ましくは、焼結された金属から作製されている。
【0098】
各リブは、内側部材と一緒の単一片として設けられてもよいし、または各リブは、例えば、接着剤接続によって内側部材に取付けられてもよい。
【0099】
好ましくは、内側部材の回転軸は、鉛直軸と平行に配置されるようになっている。
【0100】
本発明の好ましい実施形態によれば、多孔質材料は、2つ以上の層を備えている。2つの層は、同じ材料から作製されてもよいし、または互いに異なる材料から作製されてもよい。しかし、さらに好ましくは、材料が互いに異なっているとよい。好ましくは、2つの層は、それらの多孔率が互いに異なっている。好ましくは、2つの層は、同軸に設けられるとよい。
【0101】
好ましくは、2つの層は、連続的に作製されるようになっている。最初、内層が作製され、次いで、外層が作製される。その後、型キャビティがこれらの多孔質層に機械加工によって形成されることになる。
【0102】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、内側円筒と、多数のリブと、焼結された粉末から作製され、2つのリブ間にそれぞれ設けられている多孔質部材と、を備える食品成形ドラムを作製する方法であって、リブは、多孔質部材の焼結中または後に、特に収縮力に起因して、内側円筒に対して移動し、および/または変形するようになっている、方法である。
【0103】
好ましくは、特にリブ間またはリブの2つの部分間において、リブの移動および/または変形によって生じたリブ内またはリブ間の間隙が、閉鎖されるようになっている。これは、例えば、溶接材料のような充填材料を供給し、さらに好ましくは、その後で機械加工することによって、達成することができる。
【0104】
本発明の他の主題は、内側部材および多孔質部材を備えており、多孔質部材は、粉末材料から作製された2つの層を備えている、型ドラムである。
【0105】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0106】
これらの層は、同じ材料から作製されてもよいし、または互いに異なる材料から作製されてもよい。これらの層は、同じようにまたは異なって、例えば、熱処理および/または圧力処理されてもよい。
【0107】
好ましくは、これらの層は、少なくとも部分的に同軸に設けられ、外層は、内層よりも低い多率率を有している。さらに好ましくは、外層の材料は、内層の材料よりも強く圧縮されるようになっている。
【0108】
さらに他の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、多孔質部材は、その場で内側部材に対して作製されるようになっている。
【0109】
本発明のその場手段によれば、多孔質部材は、好ましくは、焼結によって内側部材に対して作製されるようになっており、多孔質層は、別体として作製されてその後に互いに取り付けられるようになっていない。内側部材からの多孔質部材の分解は、多孔質部材を破壊しない限り、不可能である。
【0110】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0111】
好ましくは、各多孔質部材は、2つの層を備えており、これらの層は、さらに好ましくは、その場で作製されるようになっている。
【0112】
本発明の他の主題は、本発明のプロセスによって偉える食品成形ドラムである。
【0113】
本発明の他の進歩的なまたは好ましい主題は、食品材料の塊から製品を成形するためのシステムであって、本発明の食品成形装置および/または本発明の可動ユニットおよび/または製造支持手段および/またはドラムおよび/または本発明の洗浄装置および/または貯蔵ユニットを備えている、システムである。
【0114】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0115】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、本発明の食品成形装置、製造支持手段、および食品成形ドラムを備える食品成形システムである。
【0116】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0117】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、可動ユニットおよび製造支持手段を備える移送システムである。
【0118】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0119】
食品成形ドラムは、製造支持手段と一緒に食品成形装置から取り外され、洗浄ユニットおよび/または貯蔵ユニットに移動可能になっている。
【0120】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、洗浄装置および食品成形ドラムを備える洗浄システムである。
【0121】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0122】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、貯蔵ユニットおよび食品成形ドラムを備える貯蔵システムである。
【0123】
以下、図1図20cによって、本発明を開示する。これらの説明は、本発明の保護の範囲を制限するものではない。これらの説明は、本発明の全ての実施形態に同じように適用されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1】本発明の食品成形装置を示す図である。
図2-8】本発明の食品成形ドラムの種々の実施形態を示す図である。
図9】インサートの製造を示す図である。
図10】本発明の食品成形装置を示す図である。
図11-12】可動ユニットを示す図である。
図13】製造支持手段の詳細を示す図である。
図14a-14e】食品成形装置におけるドラムの固定を示す図である。
図15】食品成形装置の支持側および駆動側におけるドラムの固定を示す図である。
図16a-16b】食品成形装置の流体制御を示す図である。
図17-19b】食品成形ドラムの洗浄を示す図である。
図20a-20c】成形された製品の排出を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0125】
図1は、成形装置29と、塊を成形装置に供給するための塊供給システム100と、塊を型ドラム1に分配するための食品塊送給部材101とを有するレイアウトを示している。製造中に塊の漏れを防ぐために、型ドラムの表面を密封するようにドラムの表面の周りに当接するシール部材が設けられている。型ドラム1は、製品キャビティ2を備えている。型ドラムは、一端に駆動側19を備えている。駆動側19は、モータ手段に接続されており、該モータ手段は、好ましくは、成形装置内に配置されている。以下、支持側とも呼ばれる反対側18において、ドラムは、成形装置のフレームに支持されている。
【0126】
ドラム1は、基本的に、内側部材77および少なくとも部分的に多孔質のインサートを備えている。この例では、内側部材は内側円筒75および多数のリブ76を備えている。互いに隣接する2つのリブは、この例では、凹部を形成している。インサートは、好ましくは、内側部材77の凹部内に不可逆的に固定されている。好ましい固定技術に関して、国際特許出願公開第2012/107236号を参照されたい。この文献の内容は、参照することによって、ここに含まれ、本開示の一部をなすものとする。
【0127】
型ドラムは、好ましくは、2つの主部、すなわち、内側部材77および多孔質インサート78を備えている。この例では、内側部材77は、内側円筒75(例えば、厚肉の好ましくはステンレス鋼管75)および1つまたは複数のリブ76を備えている。リブ76および内側円筒は、例えば、回転鋳造された一部品として設けられてもよいし、または管として設けられてもよく、この場合、2つのリブ76間の必要な凹部は、機械加工、好ましくは、フライス加工によって得られることになる。内側部材は、ステンレス鋼管であってもよく、この場合、必要なドラム設計、例えば、リブ76は、予め鋳造されたものであってもよいし、または単一品として焼結されたものであってもよい。図2aは、内側部材77の他の実施形態を示している。内側円筒75は、例えば、厚肉のステンレス鋼管とすることができる。このステンレス鋼管は、回転鋳造によって作製されてもよいし、または市販の管であってもよい。リブは、接着接続、例えば、溶接、好ましく、レーザー溶接によってステンレス鋼管に接続されることになる。
【0128】
リブ76を管に接続した後、このプリアセンブリは、好ましくは、機械加工前の状態にある。多孔質インサート78も、好ましくは、機械加工前の状態にあり、この後、両者は、例えば、真空炉内におけるろう付けによって、互いに固定して接続されることになる。接着剤またはステンレス鋼エポキシのような他の接合手段も可能である。溶接、好ましくは、レーザー溶接が用いられてもよい。インサートは、ドラムの外面/外径において、インサートの全長にわたってリブ76に溶接されることになる。溶接前、接着剤またはステンレス鋼エポキシのような他の接合手段を用いて、インサートとリブとの間の接触領域が封止されてもよい。この接合手段は、食品産業における使用が認可されていなければならなく、かつ製造中および/または洗浄中に外力、圧力、温度、および/または化学薬品に対して耐性を有していなければならない。
【0129】
図2bには、本発明のさらに他の実施形態が示されている。管75,リブ76,およびインサート78の全てが、一回の段取りにおいて、好ましくは、ろう付けによって互いに接続されている。これによって、特に機械加工時間が著しく節約される。この段取りにおいて、リブを機械加工する必要がない。加えて、溶接応力によるアセンブリの変形が回避される。ろう付け材料は、リブ76と管75との間およびリブ76とインサート78との間に施されることになる。
【0130】
用いられる接合機構に依存して、インサートの孔は、好ましくは、接合位置73において閉鎖され、これによって、例えば、接合材料が多孔質材料内に侵入するのを防ぐことができる。さらにドラムの外面に現れるインサートの表面の孔および/またはインサートの両先端の孔も閉鎖することができる。内側円筒75へのリブ76の接着プロセス、好ましくは、ろう付けおよび/またはリブ76へのインサート78の接着の後、型ドラムは、好ましくは、さらに機械加工されることになる。例えば、ドラムの両先端3,4の一方または両方が、好ましくは、機械加工され、および必要に応じておよび/またはまだ機械加工されていないときに、ドラム先端3,4に開いている多孔質インサート78の孔が、好ましくは、閉鎖されるとよい。この閉鎖は、例えば、後述する深圧延および/または溶射によって行うことができる。
【0131】
例えば、洗浄液を各通路8に分配する分配手段9が、好ましくは、管75内および/または多孔質インサート78内に機械加工によって形成され、および/またはトルクをドラムに伝達する形状嵌合手段7が、好ましくは、管75内に機械加工によって形成されるようになっている。
【0132】
図2cは、インサートを用いることなく、内側部材77の2つのリブ76間の凹部内に粉末を直接供給することによって、ドラムを製造する実施形態を示している。加圧および焼結の後、多孔質構造体が得られ、該多孔質構造に製品キャビティ2が形成され、および/または表面の孔が閉鎖されることになる。多孔質材料とリブとの間の接触面に主に依存して、リブは、多孔質材料とリブとの間の接続を改良する凹部72aを備えることができる。
【0133】
通路8を形成するために、各列ごとに、充填材/挿入物68を空間保持体として用いることができる。この空間保持体は、多孔質材料を焼結によって得るための粉末が通路8用の空間に入るのを避けるものである。この充填材/挿入物は、好ましくは、粉末の加圧中外力に耐えることができる硬質材料である。さらに好ましくは、充填材/挿入物は、加圧後および焼結前にこれらの充填材/挿入物が多孔質構造体を損傷することなく除去されるために、通路から容易に取り除かれることが可能な微粒子材料である。
【0134】
他の実施形態では、図2c−2から図2c−4に示されているように、多孔質構造体の下に通路8を形成するために、気体および/または流体透過性構造体72bが用いられている。透過性構造体は、加圧および/または焼結の前および/またはその最中、および/またはその後、すなわち、後続のドラムの機械加工中および/またはドラムによる成形品の製造中に、多孔質粉末を支持することになる。この支持構造体は、空気および/または洗浄流体が多孔質構造体に入り、および/または多孔構造から出ることを可能にするために、ガス、特に、空気および/または流体に対して透過性でなければならない。好ましくは、支持構造体の透過性は、多孔質材料の透過性よりも大きい。しかし、好ましくは、この透過性は、インサートを焼結によって得るための粉末が支持構造体によって支持される程度に小さいものである。この透過性支持構造体は、例えば、基本的に意図される多孔性構造体の透過性よりも大きい透過性を有するワイヤメッシュに基づいて作製することができる。これは、空気および/または流体、特に、洗浄流体がこの透過性構造体によって遮らえることを防ぐためである。ワイヤメッシュは、例えば、0.4mm直径のワイヤを有することができる。メッシュ構造は、例えば、200μmの透過率を有している。選択された透過性構造体、例えば、ワイヤメッシュが粉末加圧中の負荷に耐えるのに十分剛性でない場合、該透過性構造体は、好ましくは、透過性構造の多数の層、さらに好ましくは、例えば、炉内の焼結によって互いに接続される透過性構造の多数の層からなる層部をもたらすことによって、補強されてもよい。しかし、得られる透過性構造体は、得られる多孔性構造体の透過率よりも依然として大きい透過率を有するべきである。
【0135】
通路8は、好ましくは、ドラムの全長にわたって均一な断面を有している。従って、リブ76および管75の外径に対するワイヤメッシュの位置も、好ましくは、均一である。図2c−3および図2c−4は、透過性構造体、ここでは、ワイヤメッシュの外端を受け入れ、これによって、透過性構造体の位置、ここでは、高さをリブの位置に固定する手段、ここでは、凹部72cが設けられている実施形態を示している。これによって、通路8の均一な高さが確実に得られることになる。付加的または代替的に、透過性構造体は、材料嵌合、例えば、溶接によって、リブに接続されてもよい。透過性構造体は、他の位置「M」、ここでは、2つのリブ間の通路の中心に支持されてもよい。これは、例えば、延長部、例えば、多数の(好ましくは丸形状の)ロッドを管75の外径に(好ましくはその全長にわたって)設けることによって、具体的には、これらのロッドを、例えば、それらのヘッド端において、管75の外径に接続することによって、達成されることになる。ワイヤメッシュは、溶接または接着によって、これらの延長部に接続されるとよい。後続のステップにおいて、延長部を含む通路領域を、充填材料、例えば、粉末材料によって充填することができる。この充填材料は、多孔性材料を焼結によって得るための粉末の加圧中外力に耐えることができるものである。加圧後および焼結後に、この充填材料は、除去されねばならない。
【0136】
図2hにおいて説明するように、多孔質材料を透過性構造体とモールドの外側部材69との間に供給するとき、用いられる粉末が透過性構造体内に侵入する可能性がある。しかし、これは、好ましくは、多孔質構造体を作製するための粉末の平均直径よりも小さい開口を有する適切な透過性構造体を選択することによって、回避することができる。
【0137】
成形品の製造中に、多孔質構造体には、ドラムの外面のみならず、下方から、例えば、通路8からも、負荷が加えられることになる。比較的弱い多孔質構造体は、変形してリブと透過性構造体との間の接続によって、その場に保持されることになる。透過性構造体の機械的特性は、好ましくは、ドラムの全長にわたってワイヤメッシュをリブに対して材料嵌合、好ましくは、溶接することによって、さらに高めることができる(72d参照)。
【0138】
ドラムの製造の最終ステップにおいて、ドラムアセンブリの外径は、その最終直径に機械加工され、まだ機械されていないときに、ドラムの外周の孔が閉鎖され、および/または閉鎖状態で維持されることになる。このステップにおいて、例えば、研磨または追加的な機械加工ステップによって、ドラムは、その最終直径を得ることになる。
【0139】
例えば、適切な研磨パラメータに基づく適切な砥石車を用いる研磨によって、孔を閉鎖することができる。あるいは、例えば、深圧延によって、孔を閉鎖することができる。深圧延中、圧延要素、例えば、球、好ましくは、ローラのような円筒の要素が、閉鎖される多孔質表面に押し付けられ、またはドラムアセンブリの場合、好ましくは、ドラムアセンブリのリブ76を含む外面に対して押し付けられることになる。ローラによってもたらされた圧縮が多孔質材料および/またはリブ76の表面に応力を生じさせ、この応力が降伏点を超えて、型ドラムの表面層に塑性変形をもたらすことになる。多孔質インサートの孔は、この深圧延によって閉鎖されることになる。深圧延の追加的な利点は、表面層の密度を高め、これによって、この層の強度および耐摩耗性を増大させることにある。成形食品の製造中に、食品塊送給部材101のシール部材が、型ドラム1の外面に比較的高圧力下で作用するようになっている。深圧延の結果として、型ドラムの寿命が高められることになる。
ドラムの外面を封止する噴射プロセス、好ましくは、溶射プロセスの使用を記載する国際特許出願公開第2012/107236号を参照されたい。このプロセスにおいて、比較的薄い層が部分的に多孔質外面に施され、この層が多孔質構造体を閉鎖する。その後、所望の表面粗さ、寸法、および公差を達成するために、この層が機械加工されることになる。
この層は、必ずしも金属層である必要がない。食品機械に用いられることが認可されている限り、他の材料が用いられてもよい。さらに、ドラムに加えられる負荷に耐えるのに十分な機械的特性を有する材料が選択されるべきであり、この層は、シール部材、切断部材、および処理された塊によって加えられる外層への摩擦力に起因する摩耗に対して耐性を有するべきである。
【0140】
作製済みのドラムを貯蔵することができる。いったんドラムの注文があったなら、所望の製品キャビティが、ドラムの円筒面に機械加工によって形成されることになる。
【0141】
図2d〜図2fは、その場で、ここでは、多孔質部材78を作製するための粉末を内側部材77の2つのリブ76間の各凹部に直接供給することによって、多孔質部材78を製造する他の実施形態を示している。図2dは、本発明の好ましい実施形態を示している。ここでは、リブ76は、凹部72aを備えている。リブと多孔質材料との間の接続部の全強度は、リブの凹部によって改良されることになる。これらの凹部は、任意選択的である。リブと多孔質部材との間の摩擦を増大させる手段を設けることも可能である。凹部は、多孔質構造体がリブの凹部に形状嵌合および/または圧力嵌合するように、形作られており、これによって、多孔質部材70とリブとの間の形状嵌合および/または圧力嵌合を改良することができる。凹部の数は、多孔質部分の寸法および/またはドラムの製造および清浄中の負荷に依存することになる。
【0142】
多孔質層70,71をその場で製造するために、内側部材77は、その中心軸が好ましくは垂直に配置されるように、位置決めされる。多孔質層70は、粉末をモールドに加えることによって作製される。モールド、例えば、円筒は、各列ごとに通路8をもたらすために、内側部材77、好ましくは、充填材/挿入物68を受け入れることになる。粉末とリブとの間の接合に依存して、多孔質構造体を得るために、粉末が(予)加圧および/または(予)焼結されてもよい。続いて、外層71が作製される。外層71は、好ましくは、内側層70よりも低多孔率を有する構造、例えば、高密度構造を有しており、好ましくは、異なるモールド内に異なる粉末を加えることによって作製され、このモールド内に、内側部材77および付随する内側多孔質層70が配置される。従って、外層のための粉末は、内側部材および内側多孔質部材と型との間の間隙内に挿入されることになる。
【0143】
図2eに示されているドラムは、焼結プロセスによって仕上げられてもよい。その後、キャビティが、型ドラムの外周に、好ましくは、両層70,71に機械加工によって形成されることになる。
【0144】
焼結プロセスの後、ドラムの直径は、好ましくは、ドラムの所望の直径を超えている。好ましくは、後続の機械加工ステップにおいて、該ドラムは、その最終直径および/またはその最終形状を得ることになる。図2fは、焼結プロセスの後およびその後のドラムの製造中に行なわれた外径のさらなる機械加工の後のドラムを示している。ドラムの最終直径は、この機械加工によってもたらされる。この実施形態の利点は、高密度の外層がもたらされている結果として、該ドラムの外面の孔を機械加工ステップなどによって閉鎖する必要がないことにある。
【0145】
図2gは、内側部材77の好ましい実施形態を示している。
【0146】
図2hのモールド72は、内側部材77および充填材/挿入物68からなっており、好ましくは、プレス内に垂直に配置されている。モールドの外側部材69は、円筒状であり、好ましくは、その直径が可逆的に縮小可能になっている。通路用の空間をもたらす充填材/挿入物68が、2つのリブ間に設けられている。内側部材77がモールドの外側部材69内に位置決めされた後、内側部材77と外側モールド部材69との間の間隙が粉末によって充填される。続いて、外側部材が縮径され、これによって、粉末が圧縮され、相互接続孔を有する多孔質構造体が作製されることになる。焼結材料を得るために、圧縮中および/またはその後に熱を加えることができる。図2hのこの実施形態によれば、高密度層71を設けることなく、必要に応じて、高密度外層を設けることができる。
【0147】
図2iは、多孔質構造体を作製するための供給された粉末の圧縮を示している。矢印によって示されている内力が加えられている。この内力は、例えば、加圧流体によって与えられる。この内力は、内側部材が外側モールド部材69の外周へのプレス力によって変形するのを防ぐことになる。内側部材77の剛性および外側モールド部材69への印加力によっては、これらの内力は、必ずしも必要ではない。印加された外力は、好ましくは可逆的に、外側モールド部材69を縮径し、これによって、粉末を圧縮し、型部材70が得られることになる。好ましくは、多孔質部材70を炉内において焼結する前に、通路8をもたらすための充填材/挿入物68が除去されることになる。他の実施形態(図示せず)では、ドラムは、一体片として焼結され、その場で内側部材77に接続されるようになっている。
【0148】
好ましくは、互いに異なる粉末を用いて、外側多孔質部材71および内側多孔質部材70を作製してもよく、その製造プロセスは、1つまたは複数の加圧ステップおよび/または焼結ステップから構成することができる。代替的に、両多孔層70,71に対して同一粉末を用いてもよく、この場合、この粉末材料は、異なって圧縮されることになる。
【0149】
図2jは、リブ76の凹部72aおよび多孔質インサート78の凹部74を有する実施形態を示している。接合剤が接着剤(嫌気性エポキシ基接着剤など)である場合、最適な接合間隙が、小さな凹部72aおよび/または74によって生じることになる。図2jにおけるここでは円状の大きい凹部74を用いて、液体接合剤をこの凹部および全ての接続された凹部に供給するようになっている。接合剤は、好ましくは、凹部74から溝状間隙72a内に流れる。接合材は、多孔質部材78が2つのリブ間に挿入された後、間隙72a,74内に供給、好ましくは、加圧される。硬化の後、この大きい凹部は、形状および/または圧力および/または摩擦手段として機能し、これによって、多孔質インサートが製造プロセス中または洗浄プロセス中にドラムから離脱するのを防ぐことができる。
【0150】
図2jは、本発明のさらに他の実施形態を説明するために用いることができる。すなわち、インサートの固定は、機械的固定手段および接着手段の組合せによって、さらに改良される。好ましい実施形態では、接着手段が、凹部72a,74内に施される。次いで、インサートが2つのリブ間に配置され、機械的な係止手段、ここでは、ピン(図示せず)が、大きな凹部74、図2jでは、円状凹部内に挿入され、これによって、形状嵌合接続が得られることになる。接着手段が施された場合、過剰な接着手段は、ドラムの外面の方向において小さな凹部72aを介して除去することができる。係止ピン/係止手段は、好ましくは、インサート内の凹部74および/またはリブ76よりもいくらか大きい直径を有しており、該係止ピン/係止手段をこの凹部内に挿入することによって、多孔質材料は、変形し、多孔質部材および/または機械的係止部材および/または内側部材間に予張力をもたらすことができる。
【0151】
他の実施形態では、封止材/シール部材と組合せて、機械的固定具を用いることができる。機械的固定具は、製造中および洗浄中に力を受け、これによって、封止材/シール手段が、いくつかの部品の製造中の公差によって生じる小さい間隙を閉じることになる。用いられる封止材によっては、係止ピンを挿入するための大きな凹部72a,74のみが必要であり、小さい凹部72a,74は、もはや必要ではない。
図2kは、最適な接合間隙を達成するために小さい凹部しか有していない他の実施形態を示している。この実施形態では、接合剤は、多孔質インサートをドラム内に組み込む前に、接合面に塗布されることになる。
【0152】
上記の2つの実施形態において、接合剤が通路8に溜まるのを防ぐために、多孔質インサートが通路8に露出する箇所において、どのような接合間隙もインサート78とリブ76との間に存在しないようになっている。
【0153】
図2l〜図2qは、シート金属管71および多孔質部70を備える外側部材77aを有するドラムを製造する方法を示している。多孔質部70を作製するための粉末は、外側部材77aの2つのリブ76間の凹部内に直接供給されるようになっている。図2lは、薄肉シート金属管71および複数のリブ76から実質的になるサブアセンブリを示している。リブ76は、良好な接続および/または多孔質構造体とリブとの間の良好な形状嵌合および/または圧力嵌合を得るために、凹部および/または(例えば、図2dに示されている)凸部72aを備えていてもよい。次の製造ステップ(図2m参照)において、シート金属管およびリブ76は、モールド72内に、好ましくは垂直に配置され、次いで、粉末をモールドに加えることによって、多孔質部70が得られることになる。モールドは、外側部材77aと好ましくは柔軟材料から作製された内側部材69aとを含んでいる。粉末が、円筒71,69aとリブ76との間の中空空間に加えられることになる。矢印は、例えば、加圧流体によって生じた内力を示している。モールド部材69aを粉末に向かって加圧することによって、加えられた粉末が圧縮され、その後、多孔質構造体の焼結が行なわれることになる。外側部材77aが加圧中に変形することを防ぐために、必要に応じて、外力(図示せず)が加えられてもよい。
【0154】
外側部材77aは、この後、図2qに示されているように、接続手段(図示せず)、例えば、溶接、半田付け、ろう付け、および/または接着および/または機械接続などのような接着継手によって、内側部材77に接続されることになる。シート金属外層71の存在によって、ドラムの外面の孔を閉鎖する必要がない。製品キャビティが、後で外側部材に機械加工によって形成されることになる。各製品キャビティは、シート金属層71を貫通するが、多孔質構造体を貫通しないようになっている。
【0155】
通路8は、図2pに示されているように、リブ76が内側部材77に形成されている結果として得られることになる。内側部材77に代わって、通路8は、外側部材77aの一部であってもよい。充填材/挿入物68は、これらの通路を形成するために必要である。
【0156】
図2rは、ドラムを製造する他の実施形態を示している。最終ドラムは、内側部材と、リブ、好ましくは、ワイヤメッシュのような支持体および多孔質構造体のサブアセンブリとからなっている。
【0157】
ワイヤメッシュが用いられる場合、第1の製造ステップにおいて、ワイヤメッシュのセグメント72bが、それぞれ、2つのリブに接続、好ましくは、溶接される。これらのリブは、好ましくは、リブの正確な位置を確保するために、モールド内に配置される。次のステップにおいて、リブおよびワイヤメッシュのこのサブアセンブリが、プレス内に配置される。内側モールド部材69aの設計に依存して、空気および/または洗浄流体を放出するための通路用空間をもたらすために、充填材/挿入物68を設けることができる。続いて、ワイヤメッシュおよびリブと焼結プレスの外周69との間の間隙に焼結粉末を充填させ、加圧プロセスを開始させることができる。好ましくは、個々の多孔質部分が、それぞれ、2つのリブ間にもたらされる。すなわち、多孔質焼結部分は、2つのリブ76間に挿入されることになる。焼結の後、焼結材料の収縮によって、サブアセンブリの外寸法が、加圧後のサブアセンブリの外径よりも小さくなる、すなわち、その内径が縮小する。後続のステップにおいて、一実施形態によれば、リブ、好ましくは、ワイヤメッシュおよび多孔性構造体のサブアセンブリは、機械加工される必要がある。すなわち、サブアセンブリを内側部材77の外径に接続することを可能にするために、サブアセンブリの内径を拡げる必要がある。
【0158】
内側部材77は、内側円筒を備えている。サブアセンブリは、好ましくは、内側部材の周りに滑動によって挿通され、これらは、製造中および洗浄中外力に耐えるために、互いに剛性接続されることになる。この接続は、当業者に知られている接続手段、例えば、ボルトによって達成することができるが、溶接および/または機械的接続のような他の接続手段も、該接続手段が衛生要件および/または機械的要件を満たす限り、可能である。例えば、この出願の図4に示されているようなエンドキャップ3’,4’を用いることによって、例えば、エンドキャップの凹部へのリブの位置を固定することによって、ドラムの剛性をさらに改良することができる。
【0159】
他の実施形態では、リブと(好ましくは、ワイヤメッシュのような)支持構造体とのサブアセンブリのみならず、内側部材77も焼結プレス内に配置されてもよい。炉内においておよび/または加圧中にリブと内側部材との間に材料接合をもたらす適切な粉末または他の材料が、リブと内側部材との間に供給されてもよい。焼結プロセス中、リブおよび支持構造体への多孔質粉末の接続のみならず、リブと内側部材との間の接続も生じることになる。
【0160】
図2sは、本発明の型ドラムの他の実施形態を示している。前述の実施形態において述べたような単一リブは、ドラムの全長に沿って内側ドラムの外周に沿って延在する2つ以上の小さいリブ76に置き換えられてもよい。小さいリブは、各々、好ましくは、柔軟に内側部材に接続され、および/または収縮による力によって変位および/または変形するように、それ自体が柔軟になっている。図2sにおいて、リブは、好ましくは、内側部材77を焼結プレス内に位置決めする前に、ドラムの回転軸と平行の方向に沿った位置「W」における溶接シームまたは多数の溶接点によって、内側部材77に接続されるようになっている。溶接は、例えば、収縮による力を受けるときに、多孔質構造体の方向に運動、例えば、回転するように行なわれる。
【0161】
焼結プロセス中、多孔質構造体が、それぞれ、リブに付着することになる。図2tは、収縮後の状態を示している。リブと多孔質構造体との接合によって、各リブ76は、多孔質構造体が収縮中にもたらす運動に追従するように強いられることになる。2つのリブ76間の間隙は、好ましくは、例えば、溶接によって後で閉鎖されることになる。この間隙が比較的大きい場合、溶接部の収縮がリブを有する多孔質材料の接合の破断および/または溶接部のクラックを防ぐために、最初、第1の充填材料が間隙内に加えられてもよい。1つのリブをなす2つの部分は、それぞれ、鏡面対称で設けられている。
【0162】
図2sから、加圧後に、好ましくは、リブ76の外周から半径方向に延在する小さい間隙が多孔質構造体内に生じることが、さらに分かるだろう。これは、モールドを充填する前に、多孔質材料の小さい帯片を除去するかまたは非付着材料をリブの上に加えることによって、もたらされる。この間隙は、多孔質構造体の収縮中にリブがその初期位置に付着することを防ぐことになる。しかし、多孔質材料がリブ間にのみ設けられ、かつ各多孔質セグメントが2つのリブ間の他のセグメントと別に設けられる場合、このような間隙は、必要ではない。
【0163】
図2uは、リブと焼結多孔質材料との間の接続の損傷を防ぐさらに他の実施形態を示している。ここでは、リブ76は、焼結中、特に、多孔質材料の収縮中、多孔質構造体の運動に追従することができる2つの部分を備えている。好ましくは、収縮中にリブが多孔質構造体の運動に追従することを可能にするために、小さい間隙がリブの上に形成されている。ここでは、リブの各部分は、U字状断面を有しており、1つのリブをなす2つの部分は、鏡面対称で設けられている。
【0164】
図2vは、単一リブ76を用いることができる本発明のドラムの他の実施形態を示している。このリブは、例えば、内側部材に接続、例えば、剛性的に溶接されている。内側部材に接続されていないリブの上側から分かるように、溝/間隙90が中心線、すなわち、リブの対称線に沿って、好ましくは、ある高さにわたって設けられ、これによって、リブが2つの部分に分割されているが、このリブの基部92には、溝/間隙90が延在していない。この溝/間隙は、好ましくは、リブの全長にわたって延在している。従って、各リブは、2つの小さい柔軟セグメントを備えている。好ましくは、基部92またはリブ76の他の部分に1つまたは複数の凹み、例えば、ノッチ91を設けることによって、これらのより小さいセグメントは、さらに柔軟になり、特に、収縮中の多孔質構造体の運動に追従することが可能になる。
【0165】
他の図示されない実施形態では、インサートがドラムの設計に用いられるようになっている。インサートは、焼結モールド内において作製される。モールドの底壁は、好ましくは、支持体、例えば、ワイヤメッシュを備えており、好ましくは、(ドラムの軸の方向に延在する)両側壁が、それぞれ、シート金属または帯片を備えている。次いで、好ましくは、ワイヤメッシュとシート金属または帯片との間においてモールド内の凹部が粉末によって充填される。粉末の加圧後、インサートは、ワイヤメッシュ、シート金属および/または帯片および多孔質構造体から構成されることになる。次のステップにおいて、インサートは、焼結される。収縮によって、インサートの外寸法が、縮小する。後続のステップにおいて、外側壁が機械加工され、これによって、ドラムの最終設計に依存して、インサートは、内側部材の内側円筒および/または内側部材のリブに接続されることになる。機械加工された外側壁は、カムおよび/または凹部を備えることができ、これによって、インサートは、リブに対して良好に配置されることになる。さらに、これらのカム/凹部は、ドラム内の位置へのインサートの機械的な保持を助長する。後続のステップの1つにおいて、外面の孔が閉鎖されることになる。
【0166】
図3は、型ドラム1の実施形態を示している。各製品キャビティ2は、型ドラムの少なくとも1つの通路8に接続されており、底壁10および側壁11からなっている。
【0167】
通路8は、好ましくは、ドラムの第1の先端3から第2の先端4に延在している。通路8を介して、ガスを1つの型キャビティ列に供給し、成形された食品を各キャビティから排出し、および/またはキャビティの充填中にキャビティを通気するようになっている。加えて、通路を洗浄するために、洗浄流体を各通路8内に送り込み、および/または型キャビティを洗浄するために、洗浄流体を多孔質材料を通して各キャビティ内に流すようになっている。好ましくは、ドラムは、円錐部16,17を一端または両端3,4に備えている。円錐部16,17は、例えば、図1に示されているように、ドラムを成形装置内に組み込み、かつ固定するためのものである。保護リム6が、好ましくは、ドラムの一方または両方の外端3,4に一体化されている。各リム6は、例えば、ドラムが貯蔵ユニット内に配置されたとき、ドラム、特に、多孔質材料の外面を保護するものである。このリムは、内側円筒の一部であってもよいし、または多孔質部材78の一部であってもよい。形状嵌合手段7が、好ましくは、製造中にドラムを成形装置内において回転させるために、設けられている。ドラムは、大きな内側開口20を備えている。内側開口20は、この例では、円筒状である。この開口20は、好ましくは、第1の端3から第2の端4に延在している。
【0168】
分配器9が、好ましくは、洗浄目的のために設けられている。分配器9は、この例では、内側円筒75の少なくとも1つの先端3,4および多孔質インサート78に一体化されたリング状溝である。国際特許出願公開第2012/084215号を参照されたい。この特許出願は、参照することによって、ここに含まれ、その開示内容は、本出願の開示の一部をなすものとする。ドラム内における分配器の使用が、国際特許出願公開第2012/084215号に記載されている。
【0169】
内側部材は、内側管およびリブを有しており、これらのリブは、2つのリブ間に配置された多孔質材料と一緒にドラムの外面に延在している。このような内側部材を用いることによって、排出中、空気/流体が、他の製品キャビティ列に漏れることがない。その結果、空気の消費が低減する。これが、この設計の主な利点である。
【0170】
図4は、型ドラム1のさらに他の実施形態を示している。この実施形態では、分配器9は、フランジ部、ここでは、ドラムの第2の先端4に一体化されている。分配器は、この例では、先端のフランジ部の円筒部の周方向に延在する多数の、ここでは、3つの長い孔状開口9を備えている。これは、十分な洗浄を確実にするための多量の洗浄流体をドラムの通路8内に供給することができるので、有利である。
【0171】
エンドキャップを備えるドラムを示す国際特許出願公開第2012/107236号の図58を参照されたい。図4’において、エンドキャップ3’および/または4’は、それぞれ、ドラムの前端および後端に設けられている。形状嵌合手段7は、エンドキャップ4’の一部とすることができ、図4による実施形態において形状嵌合手段として意図された凹部は、洗浄装置において洗浄流体のための分配器9として用いられるようになっている。エンドキャップを用いることによって、本明細書に記載されているカバー81(図11および図16a参照)を用いる必要がなく、これによって、成形装置に対するドラムの脱着が簡素化される。さらに、異なる厚みの多孔質構造体の使用に関して、融通性を高めることができる(厚みは、成形される食製品の寸法に依存して、略18mm〜55mm間で変更させることができる)。多孔質構造体の選択された厚みとは無関係に、洗浄流体用の入口/出口163、ここでは、エンドキャップにおける流体流れ用長孔が、ドラムアセンブリのヘッド端の同じ位置に開いている。さらに、入口/出口163は、反対側においても、ドラムの通路8内に開くように設計されている。多孔構造体の厚みと無関係に、円錐16(駆動側)および円錐17(支持側)が、エンドキャップの一部として設けられている。これらの円錐16,17は、同一寸法とすることができる。
【0172】
図5aには、型キャビティ列2’ごとに多数の通路8a,8b,8cを有する実施形態が示されている。多孔質インサートの多孔質構造体は、これらの通路に向かって開いている。通路8a〜8cは、多孔質インサートの材料の凹部によって形成されている。これは、例えば、機械加工によって達成することができるが、好ましくは、これらの通路は、インサートの製造中に型の一部とすることによって形成されている。図3および図4の実施形態と比較して、図5aによる実施形態は、以下の点、すなわち、流体流れ、例えば、加圧ガスおよび/または洗浄液体を一つの列2’における通路8a〜8cの全てではなく1つまたは複数のみに供給することになり、一つの列2’の各型キャビティの所望の領域にのみ導くことができる点において、有利である。これによって、制限された量の流体流れしか供給する必要がない。成形装置の流体消費が低減することになる。また、流体を一つの列2’の全ての通路8a〜8cを通って同時に導くこともでき、この場合、該流体は、全ての製品キャビティの底壁および側壁に流れることになる。
【0173】
付加的または代替的に、比較的弱い多孔質インサートを支持する少なくとも1つの支持領域14が設けられてもよい。その結果、製品キャビティの下の多孔質構造体の厚みを、この多孔質構造体が運転中に変形するおそれをもたらすことなく、薄くすることができる。
【0174】
好ましくは、全ての成形された食製品が、キャビティ2−I〜2−IVから実質的に同時に離脱されるようになっている。図5bは、2つのキャビティ列2’を備えるインサートのために設計された多数の、ここでは、5つの通路8を有する実施形態を示している。任意の2つの列2’における製品が特定の順序で排出されることを達成するために、流体、ここでは、加圧ガスをいつ、どの通路に供給するかの選択を行うことができる。
【0175】
成形された製品の排出に関して、例えば、最初に、流体を製品キャビティの底に導き、次いで、製品キャビティの側壁に導き、これによって、最初に、成形された製品の底と多孔性構造体との間の接着力を除去し、次いで、成形された製品の側壁と多孔質構造との間の接着力を除去することが有利である。図6は、このような実施形態を示している。インサートの多孔質構造体は、通路8a,8cに向かって開いている。通路8bの多孔質壁8bhが開いており、多孔質壁8bvは、閉じている。孔の閉鎖は、機械加工によって行うことができるが、インサートの製造中にモールド内に異なる粉末を用いることによって行うこともできる。プレート15が、製品キャビティが配置された各位置において、流体絞り部として機能している。プレート15は、好ましくは、開口、例えば、円孔を有する帯片である。プレート15は、例えば、接合手段によって壁8bhに固定して接続されており、キャビティの底壁に開いた凹部を備えている。通路8bに最初に流体、例えば、加圧ガスを供給することによって、任意の列の製品キャビティの底に最初に流体を供給することが達成される。一定時間後、流体を通路8a,8cに供給し、その結果、側壁および/または底壁の残っている部分に流体を供給し、成形された食製品をキャビティから排出させることができる。空気を1つまたは複数の通路に同時にまたは時間を遅らせて導く他の実施形態も可能である。
【0176】
図7は、型ドラム1の他の実施形態を示している。これらの実施形態は、各々、内側管75および比較的大きい多孔質部材78、好ましくは、2つまたは3つの多孔質部材78から構成されている。図7aは、ドラムが製品キャビティ2.I〜2.IVを有する偶数の列2’を備えるときに用いることができるアセンブリを示している。ドラムは、ここでは、2つの多孔質部材78しか備えていない。図7bは、製品キャビティ2.I〜2.IVを有する奇数の列2’に用いることができる3つの多孔質部材78を備えるドラムを示している。通路8を形成するために、および多孔質部材78を内側管75に対して同心位置に保持するために、リブ76が設けられている。好ましくは、多孔質部材間の接合を付加的に改良するために、リブ76bが設けられている。図7cは、リブ76aが設けられていない点および外面の全体が多孔質部材から構成されている点を除けば、図7aと同様のドラムを示している。これは、以下の点、すなわち、研磨でなく、深圧延によって、多孔質部材78の外周における多孔質材料の孔を閉鎖することができる点において、有利である。多孔質でないリブ76a,76bがインサートに点在しているとき、深圧延を用いると、不確実な結果、例えば、ドラムの非円形外径をもたらす可能性がある。
【0177】
多孔質部材の外周における孔の均一な封止を達成するためのショットピービング、好ましくは、ロボットによって制御されたショットピーニングは、リブを有する場合にでも用いることができる技術である。
【0178】
図7a〜図7cのインサートは、好ましくは、インサートの前端の互いに接続される箇所に接合部材を施すことによって、互いに接続されている。
【0179】
成形された食製品を排出する設計によっては、互いに隣接する2つのキャビティ列間にバリアが存在しないと、有利なことがある。この構成によれば、一列の食製品の排出中に、流体、例えば、空気が、自由に多孔質構造を介して隣接するキャビティ列2’に流れ、さらに隣接通路8内に流れることができる。すでに空になったキャビティ列の多孔質構造体は、例えば、この流体によって洗浄され、充填されたばかりのキャビティ列の通路は、流体、例えば、空気によってすでに満たされていることになる。多孔質構造体の厚み、多孔質構造体の開口率および/または成形された製品と製品キャビティとの間の接着性にもよるが、互いに隣接するキャビティ列2’間の流体流れが、成形された製品の望ましくない排出をもたらすことはないだろう。流体の少なくとも部分的に自由な流れは、多孔質部材の接触面をリブ76の位置の上方にずらして配置することによって、達成することができる(図7d参照)。これは、図7eの構成、すなわち、多孔質部材78の外径および/または内径において、多孔質部材78を溶接、好ましくは、TIGによって互いに接続する構成によっても、同じように達成することができる。
【0180】
図7fにおいて、リブ76が、各々、互いに隣接する2つのキャビティ列間に設けられている。各リブ76は、該リブによってもたらされた1つの通路79または各通路79を有している。各通路は、好ましくは、個別に減圧接続部に接続されており、これによって、例えば、一つの列におけるガスの放出による成形された製品の排出中に、隣接するキャビティ列へのガスの横断流れが少なくとも低減されることになる。
【0181】
図7a〜図7fの全ての実施形態において、リブ76は、好ましくは、接合手段によって、管75および/または多孔質部材78に接続されている。
【0182】
図7gは、図2図6による実施形態と同様の実施形態であるが、互いに隣接する2つのキャビティ列間の流体流れが望ましくなく、その結果、例えば、空気の漏れ、過剰な空気消費、および/またはキャビティ列への空気流れを生じる場合に用いられる、実施形態を示している。
【0183】
多孔質部材78内の凹部74および/またはリブ76は、1つの通路から他の通路への空気流に対する抵抗体として機能する。
【0184】
図7gに示されているドラム設計は、ドラムの組立に有利である。図7gに示されているように、第1のリブ76bをそれぞれインサート78の凹部内に接続し、他の組のリブ76をそれぞれ管75の凹部75内に配置する。続いて、これらのプレアセンブリを互いにすべり込ませることによって、ドラムが得られることになる。リブ76bは、好ましくは、面取り部を備えている。
【0185】
多孔質材料を介して1つの通路から他の通路への空気流れを少なくとも低減させる他の好ましい設計または進歩的な設計として、多孔質構造体の2つの製品列間の箇所を、食品業界において用いることが認可され、かつ製造中および洗浄中の環境(洗浄剤、洗浄温度、など)に対して耐性を有する材料によって、含浸させる方法が挙げられる。
【0186】
図8は、ドラムの異なる実施形態を示している。この実施形態は、内側円筒75および比較的小さい多孔質部材から構成されている。好ましくは、各製品キャビティ列2’は、個別の多孔質部材78を有している。
【0187】
型ドラムの強度および剛性は、内側部材77の寸法によっておよび多孔質部材78の設計によって決定される。多孔質材料の制限された強度特性および剛性特性によって、互いに隣接する2つのリブ76間に支持手段(図示せず)を設けることが必要になる場合がある。
【0188】
図9は、インサート78の製造に関するいくつかの実施形態を示している。
前述のドラム実施形態の1つにおけるインサートは、種々の方法によって作製することができる。第1に、インサートは、例えば、好ましくはステンレス鋼粉末の等方圧加工によって作製された焼結多孔質管からセグメントを鋸切断、フライス加工、または水噴射切断などによって分断することによって、作製することができる。第2に、インサートは、ステンレス鋼粉末を予め形作られたモールド内に垂直方向に加圧し、その後、この予め形作られたインサートを焼結することによって、作製することができる。例えば、図7のドラム実施形態のインサートは、好ましくは、多孔質管から作製されており、図3図4および図8に示されているインサートは、垂直方向加圧インサートから作製されている。
【0189】
図9aでは、インサート78は、例えば、外層71を有する多孔質焼結材料の等圧加圧管から作製した多孔質基部70からなっている。外層71は、等圧加圧管の多孔質と異なる多孔質を有している。この外層は、好ましくは、高密度構造を有しており、例えば、好ましくはスレンレス鋼から作製された箔、圧延プレート、または厚肉管とすることができる。これは、ドラムの外周の孔を閉じるプロセスを省くことになるので、有利である。また、外層は、異なる粉末を型内に供給し、その後、加圧および焼結し、その結果として閉構造をもたらすことによって、作製することもできる。重要なのは、焼結プロセスの後、多孔質基部70が外層71に付着することである。
【0190】
図9bは、インサート78を有するドラムの2つの実施形態を示している、インサート78の多孔質基部70は、例えば、垂直方向加圧によって形作られている。各インサートは、外層71とインサートの両ヘッド端に周方向に沿って配置される外層とを設けることによって、作製されている。両ヘッド端の外層は、リブとして利用することができ、および/またはインサートを内側部材75に固定するために利用することができる。リブは、好ましくは、内側部材と多孔質インサートとの間に空間をもたらすようになっている。この空間は、製品を排出するためのガスの流路としておよび/または多孔質インサートを洗浄するための洗浄流体の流路として利用することができる。各外層は、例えば、箔またはプレートであってもよいし、または異なる粉末をモールド内に供給し、その後、加圧および焼結し、その結果として閉構造をもたらすことによって、作製されてもよい。重要なのは、焼結プロセスの後、多孔質基部70が外層71に付着することである。図9cは、いかにインサートがモールド72を用いて作製されるかを示している。各セグメントの少なくとも1つ、好ましくは、全ての外層がモールド72内に配置される。その後、焼結材料の粉末が、モールド72および外層71によってもたらされたキャビティ内に充填される。好ましくは、この粉末が、加圧および焼結される。焼結中、焼結粉末は、外層に接着によっておよび/または機械的に接合されることになる。続いて、インサートは、好ましくは、接着剤接合によっておよび/または機械的接合によって、ドラムの内側部材に固定される。最後のステップにおいて、周方向外層の外面が機械加工され、これによって、ドラムの最終径を得ることができる。最終ステップとして、製品キャビティが、好ましくは、機械加工、好ましくは、フライス加工によって形成され、外層が得られる。ドラムの半径方向周面における外側層71に起因して、各セグメントの外周の孔は、閉鎖される必要がない。
【0191】
図9による実施形態のいずれにおいても、焼結プロセスの後、インサートの一部の表面は、外部に開通しないようになっている。
【0192】
図10図19は、可動ユニット、成形装置、洗浄装置、および貯蔵ユニットの実施形態を示している。
【0193】
図10から分かるように、成形装置29は、駆動側19および型ドラム(図示せず)のための支持側19を備えている。駆動側19は、製造中に型ドラムを回転させる駆動要素を備えている。駆動側は、型ドラム1を回転させるモータおよび/またはギアボックスを備えている。支持側18において、ドラムは、製造中、フレーム23に対して支持されるようになっている。
【0194】
図11は、可動ユニット60を示している。可動ユニット60は、型ドラムを洗浄ユニットから製造ユニットまたは貯蔵ユニットに移送し、またはその逆に、型ドラムを製造ユニットまたは貯蔵ユニットから洗浄ユニットに移送するものである。可動ユニットは、所謂、製造支持手段45を離脱可能に備えている。この製造支持手段については、図13においてさらに詳細に説明する。この例では、製造支持手段は、カバー80を備えており、型ドラム1は、製造支持手段45に固定されるようになっている。カバー80は、ドラムの先端3を密封し、および/または流体を該先端3に供給するものである。カバー80は、図示されているように、別の部品であってもよいが、製造支持手段45の支持構造体51の一体部品であってもよい。
【0195】
図12の可動ユニット60は、フレーム63と、製造支持手段45および型ドラム1を支持する支持フレーム62とを備えている。この支持フレーム62は、位置合わせ機構61を備えている。位置合わせ機構61は、成形装置、洗浄装置、および/または貯蔵ユニットに対する製造支持手段および型ドラム1の角度を調整するものである。成形装置29、洗浄装置、および/または貯蔵ユニットに対する型ドラム1の高さを調整するために、好ましくは、高さ調整部64が用いられている。さらに、可動ユニットは、好ましくは、アダプタ67を備えている。アダプタ67は、例えば、回転ノブ65によって回転可能になっている。アダプタ67は、製造支持手段45の連結ヘッド57に形状嵌合および/または圧力嵌合によって接続可能になっている。これは、例えば、型ドラム1を成形装置29の駆動側19に固定するために、行なわれる。さらに、可動ユニットは、好ましくは、位置決め手段66を備えている。位置決め手段66は、可動ユニット60を成形装置29および/または洗浄装置および/または貯蔵ユニットに対して位置決めするものである。製造支持手段45を可動ユニット60に固定する手段(図示せず)が設けられていてもよい。
【0196】
図13には、製造支持手段45が示されている。製造支持手段は、ドラムを可動ドラムに支持するのみならず、ドラムを成形装置29の支持側18にも支持するものである。製造支持手段は、成形装置から取り外されるようになっている。製造支持手段は、好ましくは、その一端に、軸受付きの支持構造体51を備えており、該軸受は、好ましくは、ハウジング46内に設けられている。好ましくは、支持構造体は、図13に示されているように、製造支持手段を成形装置に位置合わせし、および/または接続するための構造体を備えている。製造支持手段は、スピンドル52をさらに備えている。スピンドルナット53および連結ヘッド57は、好ましくは、スピンドル52の一部である。スピンドル52の一端は、この例では、ハウジング46内に設けられた前述の軸受に支持されている。連結ヘッド57を時計方向に回転させることによって、スピンドルナット53が成形装置の一部である駆動シャフト21に接続されることになる。従って、スピンドル52および型ドラム1は、成形装置29の駆動側19に固定されることになる。スピンドル52へのドラムの付加的な支持および/または案内をもたらすために、支持ディスク54が設けられてもよい。さらに、製造支持手段は、型ドラム1を製造支持手段45に固定するための係止手段56を備えているとよい。レバー55によって、係止手段56を作動/作動停止することができる。型ドラムを支持側18および/または駆動側19において成形装置に締め付けるために、張力ナット58が利用されてもよい。張力ナット58は、好ましくは、製造支持手段の一部でもある。さらに、張力ナット58は、好ましくは、スピンドル52、従って、型ドラムが非意図的に可動ユニット60から取り外されるのを防ぐことになる。張力ナット58がスピンドルから取り外されるのを防ぐ手段が設けられてもよい。ドラムが洗浄装置内に配置されたとき、製造支持手段は、好ましくは、可動ユニットにとどまっている。
【0197】
ドラムを貯蔵ユニットから取り上げる前に、好ましくは、カバー80が、ドラムの第1の先端3に配置されるようになっている。製造支持手段45がすでに取り付けられている可動ユニット60を準備し、ドラムが、例えば、スピンドル52を型ドラムの内側開口20内に挿入することによって、これらの支持製造手段上に配置される。続いて、ドラムは、好ましくは、移送中に製造支持手段45からすべり落ちないように、製造支持手段45に固定される。これは、例えば、レバー55を回転させ、これによって、係止手段56を係止位置にもたらすことによって、行うことができる。カバー81(図11参照)が、型ドラムの第2の先端4に配置される。他の実施形態では、カバー81は、成形装置29の駆動側19において流体制御部材82の一体部分とすることができる。ここで、可動ユニット60を成形装置29に移動させ、位置決め手段66を介して正しい位置に配置させ、成形装置に接続することができる。
【0198】
図14は、成形装置内の型ドラム1の取付けを示している。この図による実施形態では、製造支持手段45は、図13に示されているように、製造支持手段を成形装置に位置合わせし、および/または接続する支持構造体51を備えている。図14aにおいて、製造支持手段45は、成形装置の支持側18上の1つまたは複数のパイロットピン24上をすべることになる。図14bにおいて、ドラムの駆動側の円錐17が、円錐駆動シャフト22に接触する。型ドラム1の形状嵌合手段7は、駆動シャフト21の対応する形状嵌合手段に対応していなければならない。形状嵌合手段が、例えば、図3および図4におけるような互いに異なるカムのように、互いに異なって設計されている場合、ドラムは、成形装置の駆動シャフト21に対して単一の角位置においてのみ嵌合することになる。図示されていない他の実施形態によれば、形状嵌合手段7に代わって、ドラムは、円錐17,22間の摩擦力によって駆動されるようになっている。この場合、成形装置内へのドラムの装填が簡素化されることになる。好ましくは、かじりを防ぐために、円錐17は、ステンレス鋼から作製され、円錐22は、真鍮のような他の材料から作製されている。さらなる摩擦をもたらすために、円錐17をドラムの外周に配置することも可能であり、これによって、円錐17を円錐22に移動させながら、ドラムを成形装置内に容易に装填することができる。この場合、図14に示されている設計は、再設計される必要がある。図14cは、設定位置、ここで、ドラム1の円錐17と駆動シャフト21の円錐22との間にわずかな間隙が存在する位置に、手動によって移動した型ドラム1を示している。張力ナット58が、スピンドル52の反対側の位置に配置されている。図14dは、回転ノブ45を時計方向に回転することによって、アダプタ67、連結ヘッド57、およびスピンドルナット53が駆動シャフト21のネジ部25に締め付けられる状態を示している。
この締付けの間、駆動シャフト21は、停止位置にある。ネジ部25を締め付けるかまたは緩めるために必要なトルクに依存して、ギアボックスのギア比は、駆動シャフト21が回転するのを防ぐのに十分なものとすることができる。ギア比が十分に高くないとき、ブレーキ手段または他の機械手段を備える駆動モータを用いることによって、駆動シャフトの回転を止めることができる。
【0199】
図14eは、型ドラム1を成形装置29に固定する最終ステップを示している。円錐17,22間の隙間をなくすために、およびドラムの円錐17と成形装置29の駆動側19の駆動シャフトの円錐22との間およびドラムの円錐16と(成形装置29の支持側18における製造手段45の一部である)軸受ハウス46の円錐59との間に予張力を与えるために、好ましくは、予設定値が設定されているトルクレンチによって、張力ナット68をここでは時計方向に回転させることになる。ドラム1は、その最終位置にあり、次いで、駆動側19に締め付けられ、かつ固定され、成形装置29の支持側18にも締め付けられ、かつ固定される。このステップは、可動ユニットが図14eに示されているように製造手段に接続されている間に行うことができるが、張力ナット58の制限されたアクセス性を考慮し、製造支持手段45と可動ユニット60との間の接続を離脱させることによって(図示せず)、可動ユニットをまず成形装置から離れる方に移動させることが好ましい。
【0200】
代替的実施形態では、スピンドル52および張力ユニット58は、互いに固定されていてもよいし、または単一部品として作製されていてもよい。連結ヘッド57を時計方向に回転させることによって、円錐17,22間および円錐16,59間の隙間が除かれると共に円錐17,22間および円錐16,59間に予張力が加えられるまで、スピンドル52および張力ナット58が回転することになる。
【0201】
製造手段を成形装置に位置合わせし、および/または接続する支持構造体51が製造手段に設けられていない実施形態では、軸受を成形装置のフレーム23に接続し、および/または締付けすることによって、ドラムを成形装置の支持側18に締付け、かつ固定することができる。
【0202】
他の好ましい実施形態では、ドラムは、手動によって成形装置に締め付けられないようになっており、好ましくは、空圧駆動アクチュエータによって成形装置に手締め付けられるようになっている。この実施形態では、アクチュエータは、ドラムの軸方向に駆動可能なロッドに接続されている。このロッドおよびスピンドル52は、互いに係留可能になっている。ドラムが成形装置内に装填され、ロッドがスピンドルに係留されるとすぐに、アクチュエータが作動され、ロッド、従って、スピンドルを引っ張り、これによって、円錐17,22間および円錐16,59間の隙間が除かれる。アクチュエータに所望の力を加えることによって、ドラムは、成形装置に十分に締め付けられ、かつ固定されることになる。ドラムの離脱は、前述のステップと逆のステップによって、行うことができる。
【0203】
成形プロセス中、特に、シール部材が、ドラムの外面に高い機械力をもたらすことになる。これらの力を吸収しなければならない構成要素は、大きな寸法を有し、かつ比較的重くなる。このシール部材をドラムの軸受に直接接続することによって、所謂、力閉鎖(force-closed)システムがもたらされる。これによって、機械力を吸収する構成要素を小さく、かつ軽くすることができる。
【0204】
成形装置は、以下の場合にのみ、すなわち、ドラムが、例えば、円錐16,17,22,59および形状嵌合手段7の寸法の適切な選択によって、駆動側19において駆動シャフト21からおよび支持側18において製造手段45から離脱できないように位置決めされ、かつ固定された場合にのみ、開始されることになる。スピンドル52および張力ナット58が十分に締め付けられず、または成形装置の操作中に緩んだときであっても、ドラムは、好ましくは、抜け落ちないようになっている。カバーは、好ましくは、危険状況を防ぎ、型ドラムが成形装置内に固定されたときにのみ固定され、または製造支持手段45が成形装置に固定されたときにのみ閉鎖されるようになっている。カバーが閉鎖されたときのみ、センサが作動し、成形装置を開始することができる。
【0205】
図15には、製造支持手段45およびドラム駆動手段が示されている。駆動側19において、駆動シャフト21は、駆動モータ34、好ましくは、ギアボックス35によって駆動されるようになっている。ギアボックス35は、ここでは、中空シャフト31を備えており、駆動シャフト21は、軸受33に支持されている。軸受33は、好ましくは、軸受ハウス32内、さらに好ましくは、ギアボックス(図示せず)の各側に位置している。成形装置29の支持側18において、型ドラムは、軸受47によって軸支されている。軸受47は、好ましくは、軸受ハウス46内に組み込まれており、製造支持手段45の一部をなしている。軸受の要件の1つは、運転中の作用力に耐え、成形装置内において用いられるのに適していることである。軸受を備える軸受ハウス、潤滑、軸受の組立/分解、シール手段、および軸受ハウスの総合設計の実施形態は、好ましい実施形態であり、この図に示されている実施形態に制限されるものではない。
【0206】
図16aは、成形装置29からドラム1への流体制御および/またはドラム1から成形装置29への流体制御の実施形態を示している。流体は、好ましくは、ガス、さらに好ましくは、加圧ガスである。支持側18のカバー80は、通路8を閉鎖し、ドラムと一緒に回転するようになっている。このカバーは、流体が1つの通路から他の通路に流れるのも阻止する。カバー81が図16に示されているような別部品である場合、このカバーは、ドラムが成形装置29内に配置される前に、駆動側19においてドラムに接続されねばならない。カバー81は、ドラムと一緒に回転し、ドラム内の通路の寸法をより小さい開口に縮小させ、これによって、流体が2つ以上の通路に同時に流れるのを防ぐために用いられている。カバー81内の流路の数は、好ましくは、型ドラム1のキャビティ列2’の数に基づいて決められる。
【0207】
図16bは、いくつかの部品からなる流体制御部材82を示している。流体制御部材82は、固定手段、例えば、リング要素83内のバヨネット接続部84を介して、成形装置の駆動側19に固定することができる。他の主部品は、接触リング85、バネ要素86、カウンターリング87、および調整ロッド88である。調整ロッド88は、任意選択的であり、放出位置を手動によって変化させるために用いることができる。放出位置は、成形される製品の大きさおよび/または形状によって、主に決定されるようになっている。好ましくは、放出位置は、排出される製品の連続する列がそれぞれ等距離で送出コンベヤ上に位置するように、弁を介して変更されることが可能である。通路への空気(流体)供給の開始時期は、極めて重要であり、この開始時期は、連続する列の各々において同一であるべきである。ドラムの速度を変更するとき、ドラム内の排出されるキャビティ列の位置に対する空気供給のこの開始時期は、通路内に生じる圧力の慣性によっても変更されねばならない。この開始時の変更は、操作パネルを介して手動によって行なわれてもよいが、好ましくは、ドラムの速度に関して自動的に調整されることになる。ドラムの速度が大きくなると、空気供給の開始時期を早めねばならない。
空気供給は、好ましくは、迅速操作弁を必要とする。開始時を除いて、弁は、好ましくは、連続する列の各々に略同一の空気を送達するべきである。これは、成形された製品が連続する列ごとに異なって排出され、これによって、成形された製品が送出コンベヤ上に一列になって適切に配置されないことを防ぐためである。加えて、弁の迅速な閉鎖によって、製造中の空気消費量および/または操作パネルの設定値によって駆動される流体制御部材を介する空気消費が少なくなる。接触リング85が、カバー81に直接接触するようになっている。接触リング85は、ドラムへの流体を制御する凹部および通路を備えている。バネ要素、例えば、空気ベローズ、シリンダー、圧縮バネ、などが接触リング85をカバー81に直接接触させ、流体の漏れを防ぐことになる。接触リング85とカバー81との間の摩擦は、これらの部品が余りに早く摩耗しないように可能な限り低く抑えられていなければならない。さらに好ましい実施形態では、これは、カバー81に対して制限された接触面積しか有しないより小さい接触リング85によって、達成されることになる。
【0208】
図17は、フード160を備える洗浄装置140を示している。フード160は、型ドラムの脱着を行うために開くことができ、洗浄プロセス中、閉鎖するようになっている。フードは、洗浄プロセスを点検するための窓を備えることができる。製造支持手段45および型ドラム1が取り付けられた可動ユニット60を準備し、その型ドラムが、装填側141から洗浄装置140内に装填される。型ドラムは、製造支持手段が外に位置する状態で、洗浄装置内に配置される。型ドラムは、係止手段56を作動停止するレバー55によって、製造支持手段から離脱されてもよい。ドラムが洗浄装置40内に配置された後、製造支持手段を有する可動ユニットが取り外されることになる。製造支持手段45は、可動ユニット上に残されており、例えば、他のドラムを貯蔵ユニットから取り上げ、この型ドラムを成形装置29内に装填するのに用いることができる。食製品の製造中に洗浄装置内のドラムの洗浄プロセスが完了し、製造支持手段45がまだ成形装置内において用いられているとき、この洗浄されたドラムは、第2の利用可能な製造支持手段または軸受が内蔵されていない簡素化された手段と一緒になった可動ユニットによって、洗浄装置から取り外すことができる。
【0209】
洗浄装置140は、洗浄プロセス中に用いられる流体を加熱するための加熱要素を備えることができる。殆どの場合、工場は、温水栓をすでに有しているので、温度制御弁およびどのような加熱要素も必要とせず、その結果、洗浄ユニットのためのコストを抑えることができる。
洗浄剤が不足している結果として、ドラム1が所定の洗浄プロセスによって洗浄されないことを防ぐために、好ましくは、レベル検出器付き洗浄剤容器が、設けられている。洗浄剤レベルが余りに低いとき、洗浄装置は、開始せず、これは、操作パネルおよび/または信号ランプによって示されることになる。
【0210】
図18aおよび図18bは、洗浄装置の第1の実施形態を示している。ドラムが洗浄装置内の所定位置に配置された後、カバーおよび/または固定手段143が、各先端に接触するまで、ドラムに向かって移動される。固定手段によって、カバーは、ドラムに固定可能である。ドラムとの接触側において、カバー手段143は、好ましくは、シール手段144を備えている。カバーは、好ましくは、内側シール手段145内に設けられたディスクをさらに備えている。これらのシール手段によって、好ましくは、洗浄流体を放出開口146に導くことが確実になる。分配器側142には、カバー手段150が設けられている。外側シール手段151および内側シール手段152の両方が、好ましくは、洗浄流体が洗浄される型ドラムの通路8に導かれないことを防ぐことになる。
【0211】
図18bは、1つまたは複数の流路153を示している。流路153は、カバー手段150内に組み入れられており、洗浄流体をドラムのリング状分配器9に導き、そこから通路8内にさらに導くようになっている。供給される洗浄流体の量は、主に流路153の寸法、分配器の寸法、ドラム内の通路の寸法、インサートの多孔率、およびポンプの大きさに依存している。
【0212】
形状嵌合手段7,12を型ドラム1が単一の回転位置においてのみ洗浄装置に嵌合するように設計することによって、ドラムの分配器内に開いた流路153を比較的大きくすることができる。
【0213】
好ましい洗浄プロセスを記載している国際特許出願公開第2012/084215号を参照されたい。この文献は、参照することによってここに含まれ、本開示の一部をなすものとする。洗浄中、型ドラムは、停止している。すなわち、洗浄中、型ドラムは、回転せず、多数のノズルを有する噴霧手段161が、駆動手段162を介して、ドラムを中心として回転するようになっている。噴霧手段161は、流体供給流路156に接続されている。ノズルの運転時間、ノズルの回転速度、および用いられる洗浄流体は、標準値であってもよいし、または、例えば、ドラムの汚染に依存して選択されてもよい。型ドラムの通路8を洗浄するために、放出開口146は、開いていなければならない。多孔質製品キャビティ2が洗浄されねばならないとき、放出開口146は、閉鎖していなければならない。従って、放出開口は、弁(図示せず)に接続されており、該弁は、洗浄プロセスを自動化するために、例えば、PLCを介して操作されるようになっている。
【0214】
好ましくは、流体供給部157が洗浄流体を流路155に導き、さらにそこから型ドラムの内側開口20に導くようになっている。ドラムの内側開口の洗浄は、任意選択的であり、内側開口を洗浄流体によって充填するか、または洗浄流体を所定時間にわたって流すことによって、行うことができる。カバー143が駆動手段を備えているとき、洗浄流体の連続流れを利用することもでき、これは、カバー143を開閉することによって、制御することができる。
【0215】
図19aおよび図19bは、洗浄装置140の第2の実施形態を示している。この洗浄装置140は、図4において説明したドラムに基づいている。図18との違いは、ドラムの分配器9がドラムの第2の先端4においてフランジ部内に一体化されていることである。この実施形態では、分配器の設計によって、より多量の洗浄流体を循環させることができる。当業者であれば、洗浄流体が、好ましくは、洗浄プロセス中に再循環されること、および流路が粒子を洗浄流体から濾過するフィルターを備えてもよいことを理解するだろう。洗浄流体は、好ましくは、水である。この水は、加熱器によって加熱されてもよいし、および/または化学物質が型ドラムの汚染に依存して添加されてもよい。1つまたは複数のドラムの洗浄の後、洗浄流体は、好ましくは、少なくとも部分的に再生されるようになっている。
【0216】
洗浄装置140の第3の実施形態では、カバー手段150は、流体ストッパ158を有することなく設けられている。この場合、ドラムの内側開口は、該内側開口を洗浄流体によって充填し、一定時間にわたって洗浄流体に浸すことによって、洗浄することができる。カバー143が駆動手段を備えているとき、流体の連続流れを利用することもできる。流体の連続流れは、カバー143を開放および/または閉鎖することに制御することができる。
【0217】
図20は、成形された食製品をキャビティから排出するいくつかの実施形態を示している。図20aに示されているように、型ドラム、例えば、図7fによる型ドラムの回転中に、ガス、ここでは、圧縮ガスが、排出位置にあるキャビティ列の通路8に供給されることになる(矢印P参照)。ガスは、多孔質構造体を介して、隣接するキャビティ列にも流れることになる(矢印FF参照)。図20bにおいて、流路79aは、比較的低圧力、例えば、周囲圧、好ましくは、減圧(真空)に通じる領域に接続されている(矢印V参照)。流路79aの減圧は、流体が流路8aから隣接流路8bに流れことを防ぎ、さらに具体的には、多孔質構造体内の流体を除去することによって、流体が多孔質構造体を通って製品キャビティ列8bに流れるのを防ぐことになる(矢印FFb)。この実施形態では、流体が依然として流路8cに流れることになるが(矢印FFc参照)、これは、流路79bを比較的低圧の領域に接続することによって、防ぐことができる。図20cは、型ドラム、好ましくは、図7a〜図7eによる型ドラムを示している。ここでは、通路8bは、多孔質構造体内の流体を除去するために、比較的低圧力の領域に接続されている。もし列8cの多孔質構造体への流体流れが望ましくないなら、この通路 も、低圧の領域に接続させることができる。
【0218】
ドラムは、好ましくは、識別手段(図3および図4の符号12参照)を備えており、成形装置は、認識手段(図14aの符号13参照)を備えており、洗浄装置は、認識手段(図18bおよび図19bの符号13参照)を備えており、好ましくは、貯蔵ユニットも同様である。
【0219】
図3および図4において、形状嵌合手段7は、多数、ここでは、3つのカムとして設計されているが、少なくとも1つのカムは、大きさおよび/または形状が異なっている。その結果、ドラムは、1つの回転位置においてのみ、成形装置および/または洗浄装置内に嵌合することになる。特に、成形装置において、ドラムの回転を常にドラムの同じ位置において停止することが好ましい。成形装置の充填プロセスおよび/または排出プロセスを制御するために、成形装置内における型ドラムの回転位置の正確な情報を利用することができる。
【0220】
識別手段12、好ましくは、RFIDは、形状嵌合手段7の1つのカムに配置されることになる。その結果、どのドラムがどの時間枠中に成形装置に接続されたかを認識することができる。従って、製造中、ドラムの正確な位置を知ることができ、製造中および洗浄中、予めプログラム化されたメニューを有する画面を自動的にポップアップすることができ、製造パラメータおよび洗浄パラメータ(プロセスパラメータ、具体的には、どの洗浄流体をどの時間枠中に用いることができるかを示すパラメータ)を記録することができる。簡素化された態様では、識別手段12に代わって、カムがドラムに設けられていてもよい。成形装置は、認識手段13に代わって、センサを備えることができる。従って、製造中、ドラムの正確な位置を知ることができる。用いられるドラムのメニューは、手動によって選択されねばならない。製造パラメータおよび洗浄パラメータを記録することができる。
【0221】
簡素化されたID、例えば、成形装置に彫られた固有の番号によってドラムを位置決めする場合、ユーザーがこのID番号を手動によって操作パネルに入力すると、操作パラメータを含むメニューがポップアップするようになっている。
ドラムが洗浄装置に配置されたとき、ドラムのIDを手動によって操作パネルに入力した後、洗浄パラメータおよび/または所定の洗浄手順を含むメニューがポップアップすることになる。
【0222】
成形装置および洗浄装置において認識手段を有しない好ましい実施形態では、ドラムは、RFIDタグを備えていてもよい。このタグは、情報を記憶するためのメモリを備えている。ドラムが成形装置内に配置されたとき、タグの情報が、例えば、操作パネル/制御ユニットへの手動操作によって、読み取られる。この情報は、操作パラメータに関するメニュー/レシピを含むことができ、および/または成形装置の前回の運転に関する情報も含んでいる。成形装置による製造の後、読み取られた情報のみならず、終了した製造運転に関する情報も、タグのメモリに自動的に送信され、かつ記憶されることになる。ドラムが洗浄装置内において洗浄されるとき、タグのこの情報は、例えば、操作パネル/制御ユニット内への手動操作によって、読み取られることになる。この情報は、この特定のドラムの洗浄パラメータおよび/または所定の洗浄手順に関するメニュー/レシピ、および/または前回の洗浄操作に関する情報を含むことができる。洗浄の後、読み取られた情報および終了した洗浄操作に関する情報をタグのメモリに自動的に送信し、かつ記憶することができる。
【0223】
このように、ユーザーは、常に、製造運転の履歴および/または洗浄操作の履歴を検証し、特定のドラムが所定の洗浄手順(日時、プロセス、用いられた洗浄流体)によって洗浄されたかどうかを検証することができる。
【0224】
前述の実施形態の全てにおいて、仮に好ましくない場合であっても、製造メニューおよび/または製造履歴を成形装置のメモリに記憶することができ、洗浄メニューおよび/または所定の洗浄手順および/または洗浄履歴および/または用いられた洗浄流体の量を洗浄装置のメモリに記憶することができる。
【符号の説明】
【0225】
1 型ドラム
2−I〜2−V 製品キャビティ
2’キャビティ列
3 第1の先端(左側)
3’先端3のエンドキャップ
4 第2の先端(右側)
4’先端4のエンドキャップ
6 保護リム
7 形状嵌合手段
8 通路
9 分配器
10 底壁
11 側壁
12 識別手段
13 認識手段
14 インサート支持領域
15 流体絞り部
16 切頭円錐(支持側)
17 切頭円錐(駆動側)
18 支持側(成形装置)
19 駆動側(成形装置)
20 ドラムの内側開口
21 成形装置の駆動シャフト
22 成形装置の円錐駆動シャフト
23 成形装置のフレーム/フレーム部材
24 成形装置のパイロットピン
25 駆動シャフトのネジ部
29 成形装置
31 ギアボックス内の中空シャフト
32 軸受ハウス(駆動側)
33 軸受(駆動側)
34 駆動モータ
35 ギアボックス
45 製造支持手段
46 軸受ハウス(支持側)
47 軸受(支持側)
51 支持構造体
52 スピンドル
53 スピンドルナット(スピンドル52の一部)
54 支持ディスク
55 レバー
56 係止手段
57 連結ヘッド(スピンドル52の一部)
58 張力ナット
59 軸受ハウスの円錐
60 可動ユニット
61 位置合わせ機構
62 支持フレーム
63 可動ユニットのフレーム
64 高さ調整部
65 ノブ
66 位置決め手段
67 アダプタ
68 充填材、挿入物
69 モールドの外側部材、焼結プレスの外周
69a モールドの内側部材
70 多孔質基部、多孔質層、多孔質部材
71 層
72 モールド
72a 形状嵌合手段、リブ76の凹部
72b 透過性支持構造体
72c ワイヤメッシを収容するリブ76の凹部
72d ワイヤメッシュをリブに接続する溶接部
73 接合位置
74 多孔質インサート78の凹部
75 内側円筒、管
76 リブ
77 内側部材
77a 外側部材
78 (部分的)多孔質インサート、(部分的)多孔質セグメント、(部分的)多孔質部材
79 流路
80 支持側のカバー
81 駆動側のカバー
82 流体制御部材
83 リングセグメント
84 バヨネット接続部
85 接触リング
86 バネ要素
87 カウンターリング
88 調整ロッド
90 間隙、溝
91 凹み、ノッチ
92 基部
100 塊供給システム
101 食品塊送給部材
140 洗浄装置
141 装填側(洗浄装置)
142 分配器側(洗浄装置)
143 カバー手段、固定手段
144 カバー手段143用外側シール手段
145 カバー手段143用内側シール手段
146 放出開口
150 カバー手段
151 カバー手段150用外側シール手段
152 カバー手段150用内側シール手段
153 分配器への流路
155 ドラムの内側開口への流路
156 流体供給部、噴霧手段
157 ドラムの内側開口への流体供給部
158 流体ストッパ
160 フード
161 噴霧手段
162 噴霧手段161用駆動手段
163 排出流体および/または洗浄流体用入口、溝
図1
図2a
図2b
図2c
図2c-2】
図2c-3】
図2c-4】
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図2j
図2k
図2l
図2m
図2n
図2p
図2q
図2r
図2s
図2t
図2u
図2v
図3
図4
図4-1】
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図8
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図15
図16a-16b】
図17
図18a
図18b
図19a
図19b
図20a
図20b
図20c