【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、多数の製品キャビティ列を備える食品成形ドラムであって、各列が1つまたは多数の製品キャビティを備えている、食品成形ドラムにおいて、該製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材として設けられている、食品成形ドラムによって達成されることになる。
【0006】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である、
【0007】
本発明は、食品成形装置の一部である食品成形ドラムに関する。この食品成形ドラムは、その外面に多数の製品キャビティを有している。製品キャビティは、ドラムの周囲に向かって開いており、該製品キャビティ内において、食品塊が食製品、例えば、パティに成形されることになる。この食品成形ドラムは、本発明によれば、多数の製品キャビティ列を備えており、各列は、並んで配置された1つまたは多数の製品キャビティを備えている。これらの列は、本発明のドラムの中心軸と平行に配列されている。製造中、ドラムが回転し、1つの位置において、1つの列の製品キャビティが食品塊によって充填され、下流の位置において、1つの列に位置する製品キャビティから成形された食品塊が排出される。続いて、1つのキャビティ列における製品キャビティが再び充填され、以後、前述のステップが繰り返されることになる。充填中に製品キャビティを通気するために、および/または製品の排出を助長するために、製品キャビティは、少なくとも部分的に多孔質材料、例えば、ガス透過性の焼結金属から作製されており、該多孔質材料を介して製品キャビティが通気され、または該多孔質材料を通してガス、例えば、空気が放出され、成形された製品を製品キャビティの表面から離脱させることができる。好ましくは、多孔質材料は、互いに相互接続された孔/流路を備えている。
【0008】
食品成形ドラムは、さらに好ましくは、流路を備えている。この流路は、ドラムの長手方向に、すなわち、ドラムの中心軸と平行に延在しており、好ましくは、ドラムの一端から他端に延在している。各流路を介して、循環空気を、例えば、周囲に放出することができ、および/または成形された製品を排出するために、圧縮ガスをキャビティ内に送り込むことができる。加えて、洗浄流体を流路および/または製品キャビティの多孔質材料内に送り込むことができる。
【0009】
少なくとも部分的に多孔質の製品キャビティは、1つまたは複数の多孔質部材として設けられており、キャビティは、多孔質材料に形成された凹部である。多孔質部材は、好ましくは、円筒または円筒セグメントである。多孔質部材は、内側ドラムの周囲の全体にわたって延在していてもよいし、またはインサートであってもよい。インサートは、好ましくはドラム状の構造体に挿入され、次いで、固定されるようになっている。各セグメントは、1つまたは複数のキャビティ列を備えているとよい。
【0010】
多孔質部材は、型ドラムの一部である。型ドラムは、塊供給システムによって送達される食材、例えば、肉の塊から製品、例えば、パティを成形するために用いられるものである。ドラムは、1つまたは複数のキャビティを有する1つまたは複数の列を備えており、製品キャビティ壁は、少なくとも部分的に多孔質構造を有している。成形装置および/または洗浄装置および/または貯蔵ユニットに対して型ドラムを容易に脱着させるために、および型ドラムを成形装置および/または洗浄装置および/または貯蔵ユニット間で移動させるために、可動ユニットが用いられるようになっている。
【0011】
本発明の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、多孔質部材は、少なくとも1つの接合位置において、内側円筒に直接的または間接的に接続されており、該接合位置における多孔質部材の表面の孔は、少なくとも部分的に閉鎖されている。
【0012】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0013】
接合位置における多孔質材料の孔を閉鎖することによって、接合材料、例えば、接着剤またはろう付け剤が多孔質材料内に浸透しないことが確実になる。
【0014】
好ましくは、各多孔質部材は、インサートとして設けられている。インサートは、内側部材のようなドラムの凹部内に少なくとも部分的に挿入され、この部材に接合されることになる。この接合は、好ましくは、ろう付けまたは半田付けによって行なわれる。代替的または付加的に、各インサートは、インサートおよびドラムおよび/またはドラムの内側部材間において、形状接続、圧力接続、および/または摩擦接続によって、ドラムに接続されてもよい。
【0015】
本発明の他の進歩的なまたは好ましい実施形態によれば、ドラムの先端に隣接する多孔質部材の表面の孔は、少なくとも部分的に閉鎖されている。
【0016】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0017】
内側部材への多孔質部材の接合の後、得られたドラムアセンブリは、好ましくは、さらに機械加工されることになる。好ましくは、ドラムアセンブリの外径は、その最終直径に機械加工され、および/またはドラムの外周の孔は、閉鎖され、および/または閉鎖状態で保持されるべきである。このステップ、例えば、研磨によってまたは追加的な機械加工ステップによって、ドラムは、その最終直径を得ることになる。
【0018】
孔は、例えば、適切な砥石車および適切な研磨パラメータを用いる研磨によって閉鎖されてもよく、および/または、好ましくは深圧延によって閉鎖されてもよい。深圧延中、圧延要素、例えば、ボール、好ましくは、ローラが、閉鎖される多孔質表面、またはドラムアセンブリの場合、ドラムの外面に押し付けられる。ローラによって生じた圧縮が接触領域に応力をもたらし、これによって、この領域が降伏点を超え、型ドラムの表面層に塑性変形が生じる。多孔質インサートの孔は、この作用によって閉鎖されることになる。追加的な利点は、表面層の密度が高まることによって、この層の強度および耐摩耗性が増大することである。ここで、このドラムは、貯蔵される。ドラムの注文が生じた時点で、所望の製品キャビティが機械加工によって形成されることになる。
【0019】
追加的または代替的に、多孔質部材の孔は、ショットピーニングによって少なくとも部分的に閉鎖されるようになっている。ショットピーニングは、多孔質材料の表面の孔を閉鎖するためにおよび/または残留層をもたらすために用いられる冷間加工プロセスである。ショットピーニングは、
塑性変形をもたらすのに十分な力によってショット(丸い金属、ガラス、またはセラミック粒子)を表面に衝突させることを含んでいる。ショットピーニングは、
摩滅よりはむしろ
塑性の機構によって機能し、具体的には、各粒子が孔を閉鎖する
ボールピーンハンマーとして機能する点を除けば、
サンドブラストと同様である。
【0020】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0021】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、型ドラムは、内側円筒と、少なくとも1つの多孔質部材と、円筒と多孔質部材との間の少なくとも1つのリブとを備えており、リブは、形状嵌合および/または圧力嵌合または接着剤結合によって円筒に接続されている。
【0022】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0023】
好ましくは、リブは、ろう付けによって、多孔質部材および/または内側円筒に接続されている。
【0024】
各リブを利用することによって、多孔質部材と内側円筒との間に一定の距離をもたらすことができ、多孔質部材を支持し、流路をもたらし、および/または多孔質材料を通る流体流れを少なくとも部分的に遮ることができる。
【0025】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、多孔質部材は、リブを部分的に収容する凹部を備えており、該リブは、好ましくは2つの製品キャビティ間の流体交換を低減させるようになっている。
【0026】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0027】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、内側円筒と、少なくとも1つの多孔質部材と、円筒と多孔質セグメントとの間の少なくとも1つのリブと、を備える食品成形ドラムであって、リブ内に流路が設けられている、食品成形ドラムである。
【0028】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0029】
リブ内の流路は、好ましくは、多孔質材料に向かって開いている。流路の断面積は、例えば、U字状またはV字状に形作られている。この流路は、例えば、圧力媒体または真空源に接続されている。真空に起因して、1つのキャビティ列から次のキャビティ列に流れようとする空気を少なくとも低減させることができる。
【0030】
本発明の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、食品成形ドラムは、多数の好ましくは多孔質の製品キャビティ列を備えており、ドラムは、ドラムを回転させるための少なくとも2つの形状嵌合手段をさらに備えており、該形状嵌合手段は、互いに異なる形状を有することができるようになっている。
【0031】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0032】
ドラムの一部である形状嵌合手段は、回転手段、例えば、モータおよび/またはギアボックスに付随して設けられた対応する形状嵌合手段と協働するようになっている。形状嵌合手段は、回転手段からのモーメントをドラムに伝達させるものである。ドラムの形状嵌合手段、従って、回転手段の形状嵌合手段が、互いに異なる少なくとも2つの形状嵌合手段から構成されているので、ドラムは、食品成形装置の回転手段にのみ接続可能になっている。従って、回転手段の回転位置に対するドラムの回転位置は、一定であり、本発明の装置の制御システムによって検知されることになる。
【0033】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、多数の製品キャビティ列を備えており、各列が1つまたは多数の製品キャビティを備えており、製品キャビティは、相互接続孔を有する多孔質材料から作製された1つまたは複数の少なくとも部分的に多孔質の部材として設けられており、該部材は、少なくとも1つの接続領域において内側部材に直接的または間接的に接続されており、この接続は、接着剤接続および/または形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段によってなされている、食品成形ドラムである。
【0034】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0035】
本発明のこの主題によれば、多孔質部材は、内側部材、例えば、内側円筒のリブに直接的または間接的に接続されている。この接続は、接着剤接続および/または形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段とすることができる。特に、例えば、半田付けおよび/またはろう付けによる接着剤接続と形状接続および/または圧力接続および/または摩擦接続との組合せが好ましい。
【0036】
形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段は、金属および/またはプラスチック材料から作製することができる。形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段の材料は、多孔質部材とドラムまたはドラムのリブとの間に(後で固化する)液体として挿入されてもよい。
【0037】
内側部材は、好ましくは、円筒、好ましくは、多孔性部材が接続される凹みおよび/またはリブを有する円筒である。
【0038】
多孔質部材と内側部材との間の可能な形状接続および/または圧力接続および/または摩擦接続は、国際特許出願公開第2012/107236号、特にその
図13および対応する記述に開示されている。この特許出願の開示内容は、参照することによってここに含まれ、本特許出願の開示の一部をなすものとする。
【0039】
各多孔質部材は、1つまたは複数の個別の形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段によって、内側部材に固定されてもよいし、または1つの形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段が、多数の多孔質部材を内側部材を固定するようになっていてもよい。好ましくは、1つの形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段は、多数の多孔質部材を貫通しており、さらに好ましくは、内側部材を全軸方向長さにわたって貫通している。
【0040】
好ましくは、形状嵌合手段および/または圧力嵌手段合および/または摩擦嵌合手段は、多孔質部材と形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段および/または内側部材との間に予張力をもたらすようになっている。これは、例えば、主要な部材および/または多孔質材料の開口の直径よりも大きい直径を有する形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段をもたらすことによって、達成することができる。形状手段および/または圧力手段および/または摩擦手段は、この開口内に圧入され、これによって、内側部材に対して多孔質部材に予張力を与えることができる。
【0041】
好ましくは、各多孔質部材は、内側部材における2つの形状嵌合手段および/または圧力嵌合手段および/または摩擦嵌合手段によって、固定されるようになっている。
【0042】
本発明の他の進歩的なまたは好ましい概念によれば、食品成形ドラムは、多数の好ましくは多孔質の製品キャビティ列を備えており、該ドラムは、成形装置に回転可能に軸支されるようになっており、該ドラムは、その先端の少なくとも1つに切頭円錐を備えている。
【0043】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0044】
食品成形ドラムが食品成形装置内に配置された後、好ましくは、この円錐は、食品成形装置、好ましくは、食品成形装置の側部に設けられた円錐に少なくとも部分的に形状嵌合し、これによって、食品成形ドラムを回転させるトルクをもたらすことになる。
【0045】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、それ故、シール部材、好ましくは、柔軟プレートと食品成形ドラムとを有する食品成形装置であって、その駆動側および支持側に成形食品ドラム用の切頭円錐を備えている、食品成形装置である。
【0046】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0047】
食品成形ドラムおよび/または食品成形装置の切頭円錐を利用して、食品成形ドラムを食品成形装置に心出し、取付け、好ましくは、締付け、および/または固定することができる。
【0048】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、多数の多孔質製品キャビティ列を有する多孔性部材(78)を備えており、各列が多数の多孔質製品キャビティを備えており、ガスを用いて、キャビティを洗い流し、および/または成形された製品をキャビティから取り出し、および/または流体を用いて、キャビティを洗浄するようになっており、多孔質部材は、2つの列間および/または2つの通路間において多孔質部材を通るガスおよび/または流体の交換を可能にするように設計されている、食品成形ドラムである。
【0049】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0050】
この流体流れに起因して、2つのキャビティ列間のガス交換が可能である。付加的または代替的に、洗浄流体を1つのキャビティ列から他のキャビティ列に多孔質部材を通して流すこともできる。
【0051】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、多数の多孔質製品キャビティを有す多孔質部材を備えており、各列が多数の多孔質製品キャビティを備えており、該ドラムは、さらに減圧源を備えており、この減圧源は、2列の領域内において多孔質部材に接続されており、例えば、成形された製品の排出中に2つの互いに隣接する列間のガス交換を低減させるようになっていることを特徴とする、食品成形ドラムである。
【0052】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0053】
好ましくは、成形された製品は、ガス、好ましくは、空気を型キャビティの底および/または側壁を通して放出することによって、型キャビティから取り出されるようになっている。この放出中、空気が非意図的に隣接する列に入ることを避けるために、負圧が互いに隣接する2つのキャビティ列間の領域または空間に加えられることが可能になっている。
【0054】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、食品成形ドラムおよびドラムの周面に当接する柔軟プレートを備える食品成形装置であって、ドラムおよび/または柔軟プレートは、識別手段を備えており、該識別標識に基づいて、装置の操作パラメータが自動的に設定されるようになっており、および/または柔軟プレートおよびドラムが適合しているかどうかが検証されるようになっている、食品成形装置である。
【0055】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0056】
柔軟プレートは、ドラムの半径方向表面に当接し、食品塊がキャビティに充填されるときに通るマニホールドの周りに延在し、食品塊のためのシールとして機能する。プレートは、食品成形ドラムの表面に加圧される。プレートは、柔軟であり、これによって、ドラムの表面との接触面積が最大化されることになる。
【0057】
この実施形態によれば、柔軟プレートおよび/または食品成形ドラムは、識別標識、例えば、RFID,バーコード、などを備えている。この識別標識は、手動によってまたは自動的に食品成形装置の制御システム内に入力可能になっている。この識別標識に基づいて、食品成形ドラムが柔軟プレートに適合しているかどうか、例えば、柔軟プレートの長さおよび/または幅が食品成形ドラムに適合しているかどうかを検証することが可能である。もし適合していないなら、食品成形装置は、始動せず、および/または警告が発せられることになる。
【0058】
代替的または付加的に、食品成形装置の操作パラメータ、例えば、製品の送給圧、ドラムの回転速度、製品を型キャビティから取り出すために各キャビティに放出されるガスの量、充填が完了した後に維持または設定される圧力、および/または製品がドラムから取り外される回転位置は、自動的に設定されるようになっている。これによって、食品成形装置の操作中に、機械の作業員の労力を減らし、および/または間違いおよび/または事故を避けることができる。
【0059】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、多孔質部材を備えており、該多孔質部材は、互いに接合された互いに異なる2つの質を有しており、食品成形ドラムの表面の層は、この外層の内側の層よりも低い多孔質を有している、食品成形ドラムである。
【0060】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0061】
本発明のこの実施形態によれば、多孔質部材の外層は、好ましくは、内層よりも高密度構造を有しており、例えば、箔、圧延プレート、または薄壁管とすることができる。これは、多孔質部材の外周の孔を閉鎖するプロセスステップが省かれるので、有利である。また、互いに異なる粉末をモールド内に供給し、加圧および焼結によって2層構造体をもたらすことによって、多孔質部材からなる層構造、例えば、多孔質ドラムを作製することもできる。この場合、外層が少なくとも本質的に閉鎖され、これによって、圧縮空気がこの層を通して流出することができなくなっている。焼結プロセス後、多孔質基部は、外層に付着する。多孔質キャビティは、所望のキャビティ位置において外層および内層を少なくとも部分的に除去することによって、作製される。
【0062】
好ましい実施形態では、外層は、インサートの端面の一方または両方において少なくとも部分的に周方向に設けられている。周方向両端面における外層は、インサートおよび/またはドラムの他の部分間の接合に有利である。インサートの2つの軸方向端面における外層は、この位置においてインサートを封止するので有利である。
【0063】
外層は、例えば、箔またはプレートであってもよいし、またはモールド内に互いに異なる粉末を供給し、加圧および焼結によって閉構造をもたらすことによって、作製することができる。焼結プロセスの後、多孔質基部は、外層に付着することになる。
【0064】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、内側円筒と、少なくとも1つの多孔質部材と、円筒と多孔質部材との間の少なくとも1つのリブとを備えており、リブは、形状嵌合および/または圧力嵌合および/または接着剤結合によって、円筒に接続されており、リブは、円筒に対して移動可能に設けられている、食品成形ドラムである。
【0065】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0066】
2つの多孔質セグメント間のリブの移動および/または変形に起因して、リブは、焼結プロセス後またはその最中の多孔性セグメントの収縮中に、多孔質セグメントに追従することができる。
【0067】
従って、リブと多孔質材料との間の接続、特に材料結合は、損傷されずおよび/または過剰な負荷を受けないことになる。円筒に対するリブの動きは、好ましくは、回転である。
【0068】
好ましくは、リブは、変形可能に設けられている。これは、比較的低弾性係数の比較的軟質な材料からなるリブおよび/または比較的薄いリブおよび/または所望の方向におけるリブの変形を改良する凹み、ノッチなどのような構造手段によって、達成することができる。
【0069】
本発明の進歩的なまたは好ましい実施形態によれば、各リブは、2つの部分として設けられている。
【0070】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0071】
2つの部品は、好ましくは、鏡面対称になっており、いずれもドラムの全長にわたって延在している。両部品は、好ましくは、円筒に接続されている。好ましくは、2つの部品間に間隙が設けられており、該間隙は、好ましくは、半径方向に延在している。多孔質材料の収縮中に、この間隙の大きさ、特に、その幅が増大する。好ましくは、間隙は、収縮が終了した後、溶接によって閉鎖および/または充填されるようになっている。
【0072】
好ましい実施形態では、2つのリブ間の多孔質部材が圧縮されるように、間隙の大きさが収縮の程度を超えて増大されるようになっている。これは、例えば、機械的または熱的な力によって、達成することができる。続いて、この間隙は、例えば、溶接材料によって充填され、これによって、間隙がその所望の形状に固定され、その結果、多孔質セグメントが圧縮状態に維持されることになる。
【0073】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、食品成形ドラムは、スピンドルを中心として回転するようになっており、該スピンドルは、好ましくは、ドラムと一緒に取り外されるように設計されている、食品成形装置である。
【0074】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0075】
本発明のこの実施形態によれば、食品成形ドラムは、本発明の食品成形装置に接続されたスピンドルを中心として回転するようになっている。食品成形ドラムが、例えば、製品交換または洗浄目的のために取り外されねばならない場合、ドラムは、スピンドルと一緒に取り外されるようになっている。スピンドルを取り外す前に、スピンドルは、食品成形装置から離脱されねばならない。
【0076】
ドラムと一緒にスピンドルを取り外すことは、食品成形装置を良好に洗浄することができる点、およびスピンドルを利用してドラムを移送台車上に支持することができる点において、有利である。
【0077】
好ましくは、スピンドルは、支持構造体およびドラム用軸受を備える製造支持手段の一部である。この製造支持手段は、食品成形ドラムを食品成形装置上に支持するようになっている。さらに好ましくは、この製造支持手段の全体が、ドラムと一緒に取り外されるようになっている。
【0078】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、シール部材、好ましくは、柔軟プレートと、軸受によってスピンドルに軸支された食品成形ドラムとを備えており、シール部材および軸受は、力閉鎖システムをもたらすように機械的に接続されている、食品成形装置である。
【0079】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0080】
シール部材、例えば、柔軟プレートは、ドラムの半径面に当接し、食品塊がキャビティに充填されるときに通るマニホールドの周りに延在しており、食品塊のためのシールとして機能する。プレートは、食品成形ドラムの表面に加圧される。プレートは、柔軟であり、これによって、ドラムの表面との接触面積が最大化されることになる。
【0081】
閉鎖力システムに起因して、食品成形装置のフレームに吸収される力が減少し、および/またはシール部材とドラムの半径方向周囲と接触がより緊密になる。
【0082】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、食品成形ドラムの一部である多孔質部材であって、ドラムの中心軸と平行に延在する埋設された流路および/または支持領域を備えている、多孔質部材である。
【0083】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0084】
本発明のこの実施形態によれば、多孔質材料は、埋設された流路を備えている。この流路は、多孔質材料の孔ではなく、好ましくはドラムの回転軸と平行に延在して1つの列の型キャビティを互いに流体接続する通路である。このような流路を介して、ガスを1つの列の型キャビティに供給し、製品をこれらの型キャビティから排出させることができ、および/またはこの流路を介して、充填中に型キャビティを通気させることができる。流路は、好ましくは、多孔質材料または多孔質部材を作製するために用いられる形状部の一部に機械加工によって形成されるようになっている。
【0085】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な実施形態は、ドラムを移送する可動ユニットであって、製造支持手段用の支持フレームを備えており、製造支持手段は、スピンドルおよびスピンドルを軸支する支持構造体を備えている、可動ユニットである。
【0086】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0087】
可動ユニットは、製造支持手段の全体を取り付けることができる支持フレームを備えるように、設計されている。この製造支持手段は、好ましくは、型ドラムが貯蔵装置内に貯蔵されている場合および/またはドラムが洗浄ユニット内において洗浄されている場合、可動ユニットに残されている。
【0088】
本発明の他の主題は、食品成形ドラムの製造支持構造体が接続されるフレームを備える食品成形装置において、食品成形ドラムを取り換える方法であって、ドラムは、製造支持手段と一緒に取り換えられるようになっている、方法である。
【0089】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0090】
本発明の他の主題は、回転する食品成形ドラムを軸支するスピンドルを備える食品成形装置を洗浄する方法であって、該スピンドルは、洗浄する前に、好ましくは、ドラムと一緒に取り外されるようになっている、方法である。
【0091】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0092】
本発明の他の主題は、多数の型キャビティ列を有する型ドラムを備える食品成形装置を運転する方法であって、各列は、周囲圧に対して正圧または負圧の媒体を受けることができる通路に接続されている、方法において、互いに隣接する2つの通路において、1つの通路は、正圧の媒体を受け、隣接する通路は、負圧の媒体を受けるようになっていることを特徴とする、方法である。
【0093】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。この実施形態によれば、あるキャビティ列からの製品の排出中に、隣接する列における製品が、製品キャビティから非意図的に取り外されることが回避されることになる。
【0094】
本発明の他の主題は、内側円筒および焼結された粉末から作製された多孔質部材を備える食品成形ドラムを作製する方法であって、粉末は、内側円筒および/または内側円筒の一部であるリブに直接供給されるようになっている、方法である。
【0095】
本発明のこの実施形態によれば、多孔質材料の焼結は、その場で、すなわち、内側部材、例えば、ドラムの内側円筒に対して行なわれるようになっている。粉末、例えば、金属粉末の加圧および焼結の後、多孔質構造体がもたらされ、次いで、製品キャビティを形成し、および/または表面の孔を閉鎖することができる。
【0096】
多孔質部材は、単片または複数片から作製された円筒であってもよいし、または、各々が1つまたは複数のリブ間および/または上方に配置された多数のインサートであってもよい。
【0097】
多孔質部材は、好ましくは、焼結された材料、好ましくは、焼結された金属から作製されている。
【0098】
各リブは、内側部材と一緒の単一片として設けられてもよいし、または各リブは、例えば、接着剤接続によって内側部材に取付けられてもよい。
【0099】
好ましくは、内側部材の回転軸は、鉛直軸と平行に配置されるようになっている。
【0100】
本発明の好ましい実施形態によれば、多孔質材料は、2つ以上の層を備えている。2つの層は、同じ材料から作製されてもよいし、または互いに異なる材料から作製されてもよい。しかし、さらに好ましくは、材料が互いに異なっているとよい。好ましくは、2つの層は、それらの多孔率が互いに異なっている。好ましくは、2つの層は、同軸に設けられるとよい。
【0101】
好ましくは、2つの層は、連続的に作製されるようになっている。最初、内層が作製され、次いで、外層が作製される。その後、型キャビティがこれらの多孔質層に機械加工によって形成されることになる。
【0102】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、内側円筒と、多数のリブと、焼結された粉末から作製され、2つのリブ間にそれぞれ設けられている多孔質部材と、を備える食品成形ドラムを作製する方法であって、リブは、多孔質部材の焼結中または後に、特に収縮力に起因して、内側円筒に対して移動し、および/または変形するようになっている、方法である。
【0103】
好ましくは、特にリブ間またはリブの2つの部分間において、リブの移動および/または変形によって生じたリブ内またはリブ間の間隙が、閉鎖されるようになっている。これは、例えば、溶接材料のような充填材料を供給し、さらに好ましくは、その後で機械加工することによって、達成することができる。
【0104】
本発明の他の主題は、内側部材および多孔質部材を備えており、多孔質部材は、粉末材料から作製された2つの層を備えている、型ドラムである。
【0105】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0106】
これらの層は、同じ材料から作製されてもよいし、または互いに異なる材料から作製されてもよい。これらの層は、同じようにまたは異なって、例えば、熱処理および/または圧力処理されてもよい。
【0107】
好ましくは、これらの層は、少なくとも部分的に同軸に設けられ、外層は、内層よりも低い多率率を有している。さらに好ましくは、外層の材料は、内層の材料よりも強く圧縮されるようになっている。
【0108】
さらに他の好ましいまたは進歩的な実施形態によれば、多孔質部材は、その場で内側部材に対して作製されるようになっている。
【0109】
本発明のその場手段によれば、多孔質部材は、好ましくは、焼結によって内側部材に対して作製されるようになっており、多孔質層は、別体として作製されてその後に互いに取り付けられるようになっていない。内側部材からの多孔質部材の分解は、多孔質部材を破壊しない限り、不可能である。
【0110】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0111】
好ましくは、各多孔質部材は、2つの層を備えており、これらの層は、さらに好ましくは、その場で作製されるようになっている。
【0112】
本発明の他の主題は、本発明のプロセスによって偉える食品成形ドラムである。
【0113】
本発明の他の進歩的なまたは好ましい主題は、食品材料の塊から製品を成形するためのシステムであって、本発明の食品成形装置および/または本発明の可動ユニットおよび/または製造支持手段および/またはドラムおよび/または本発明の洗浄装置および/または貯蔵ユニットを備えている、システムである。
【0114】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0115】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、本発明の食品成形装置、製造支持手段、および食品成形ドラムを備える食品成形システムである。
【0116】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0117】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、可動ユニットおよび製造支持手段を備える移送システムである。
【0118】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0119】
食品成形ドラムは、製造支持手段と一緒に食品成形装置から取り外され、洗浄ユニットおよび/または貯蔵ユニットに移動可能になっている。
【0120】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、洗浄装置および食品成形ドラムを備える洗浄システムである。
【0121】
本発明のこの実施形態の開示内容は、本発明の他の進歩的な実施形態にも適用され、その逆も同様である。
【0122】
本発明の他の好ましいまたは進歩的な主題は、貯蔵ユニットおよび食品成形ドラムを備える貯蔵システムである。
【0123】
以下、
図1〜
図20cによって、本発明を開示する。これらの説明は、本発明の保護の範囲を制限するものではない。これらの説明は、本発明の全ての実施形態に同じように適用されることになる。