(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である位置管理システム100の構成を示す図である。位置管理システム100は、親機110、子機120、及び管理サーバ130を備える。位置管理システム100は、空港内でTT車140に伴って移動可能なドーリー150の位置を管理するためのシステムである。
図1では、TT車140は1台しか示されていないが、空港には、複数台のTT車140がある。また、
図1では、1台のTT車140に3台のドーリー150が連結された例が示されているが、TT車140に連結されるドーリー150の数はこれに限られず、2台以下であってもよいし、4台以上であってもよい。
【0013】
親機110は、TT車140(移動体)に設置される。親機110は、TT車140に連結されているドーリー150に関する情報を、ドーリー150に設置されている子機120から取得する。子機120からの情報の取得は、例えば、赤外線通信等の近距離無線通信を用いて行うことができる。そして、親機110は、ドーリー150の位置に関する情報であるドーリー位置情報を管理サーバ130に送信する。管理サーバ130への送信は、例えば、携帯電話回線を用いて行われる。具体的には、親機110は、携帯電話の基地局160と通信を行うことにより、インターネット170を介して管理サーバ130に情報を送信することができる。
【0014】
子機120は、ドーリー150(物体)に設置される。子機120は、ドーリー150に関する情報を、TT車140に設置されている親機110に送信する。子機120は、例えば、ドーリー150が移動している間、ドーリー150に関する情報であるドーリー情報(物体情報)を定期的に送信することができる。ドーリー情報には、例えば、ドーリーの識別子であるドーリーIDや、ドーリー150の現在位置を示す位置情報、ドーリー150に搭載されるコンテナ180(搭載物)の状態を示す搭載物情報等が含まれる。
【0015】
管理サーバ130は、TT車140に設置された親機110から受信するドーリー位置情報を記憶する。管理サーバ130では、ドーリー位置情報に基づいて、ドーリー150の位置や状態の把握等が行われる。
【0016】
図2は、親機110の構成の一例を示す図である。親機110は、電源部200、位置センサ210、移動センサ220、プロセッサ230、メモリ240、近距離通信インタフェース250、及び無線通信インタフェース260を備える。
【0017】
電源部200は、親機110の各要素に電力を供給する。電源部200は、例えば、充電式のバッテリーから電力を取得してもよいし、TT車140から電力を取得してもよい。
【0018】
位置センサ210は、現在位置を示す位置情報を出力可能なセンサである。位置センサ210は、例えば、GPS受信機である。なお、子機120が後述する位置センサ310を備える場合、親機110は位置センサ210を備えなくてもよい。
【0019】
移動センサ220は、移動状態を検出可能なセンサである。移動センサ220は、例えば、加速度センサや角速度センサである。なお、親機110は移動センサ220を備えなくてもよい。
【0020】
プロセッサ230は、メモリ240に格納されたプログラムを実行することにより、各種機能を実現することができる。親機110において実現される機能については後述する。
【0021】
メモリ240は、プログラムやデータを記憶するための記憶装置である。メモリ240は、例えば、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを含む。
【0022】
近距離通信インタフェース250は、子機120との間で近距離無線通信を行うためのインタフェースである。近距離通信インタフェース250での通信には、例えば、赤外線やBluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)等を用いることができる。
【0023】
無線通信インタフェース260は、基地局160との間で無線通信を行うためのインタフェースである。無線通信インタフェース260での通信には、例えば、携帯電話回線や無線LAN(Local Area Network)等を用いることができる。無線通信インタフェース260の消費電力量は、一般的に、近距離通信インタフェース250の消費電力量より多い。
【0024】
図3は、子機120の構成の一例を示す図である。子機120は、電源部300、位置センサ310、移動センサ320、搭載物センサ330、プロセッサ340、メモリ350、及び近距離通信インタフェース360を備える。
【0025】
電源部300は、子機120の各要素に電力を供給する。電源部300は、例えば、充電式のバッテリーから電力を取得する。電源部300は、太陽光発電や、ドーリー150の走行に伴う発電を利用して、バッテリーを充電してもよい。電源部300は、子機120の全ての要素に常に電力を供給しておく必要はない。例えば、子機120は、ドーリー150の停止時には、移動センサ320のみに電力を供給し、移動センサ320によりドーリー150の移動が検出されると、他の要素に電力を供給してもよい。
【0026】
位置センサ310は、現在位置を示す位置情報を出力可能なセンサである。位置センサ310は、例えば、GPS受信機である。なお、親機110が位置センサ210を備える場合、子機120は位置センサ310を備えなくてもよい。
【0027】
移動センサ320は、移動状態を検出可能なセンサである。移動センサ320は、例えば、加速度センサや角速度センサ等である。なお、子機120は移動センサ320を備えなくてもよい。
【0028】
搭載物センサ330は、ドーリー150に搭載される搭載物の状態を検出可能なセンサである。搭載物センサ330は、例えば、赤外線センサやRFIDリーダー、重量センサ等である。搭載物センサ330は、例えば、搭載物の有無や、搭載物のIDを検出することができる。なお、子機120は搭載物センサ330を備えなくてもよい。
【0029】
プロセッサ340は、メモリ350に格納されたプログラムを実行することにより、各種機能を実現することができる。子機120において実現される機能については後述する。
【0030】
メモリ350は、プログラムやデータを記憶するための記憶装置である。メモリ350は、例えば、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを含む。
【0031】
近距離通信インタフェース360は、親機110との間で近距離無線通信を行うためのインタフェースである。近距離通信インタフェース360での通信には、例えば、赤外線やBluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)等を用いることができる。なお、近距離通信インタフェース360は、能動的に情報を送信するものでなくてもよい。例えば、近距離通信インタフェース360は、パッシブ型のIC(Integrated Circuit)タグであってもよい。
【0032】
図4は、親機110において実現される機能部の一例を示す図である。親機110は、TT車ID記憶部400、ドーリー情報取得部410、ドーリー情報記憶部420、移動判定部430、及び位置情報送信部440を備える。これらの各部は、例えば、メモリ240の記憶領域を用いたり、メモリ240に格納されたプログラムをプロセッサ230が実行したりすることにより実現することができる。
【0033】
TT車ID記憶部400は、TT車140の識別子であるTT車IDを記憶する。TT車ID記憶部400に記憶されるTT車IDは、書き換え可能とすることができる。
【0034】
ドーリー情報取得部410(物体情報取得部)は、ドーリー150に設置されている子機120からドーリー情報を取得し、ドーリー情報記憶部420に格納する。ドーリー情報取得部410は、例えば、子機120から定期的に送信されるドーリー情報を受信してもよいし、子機120から能動的にドーリー情報を取得してもよい。なお、ドーリー情報取得部410は、取得したドーリー情報のうち、TT車140に連結されていると特定されたドーリー150のドーリー情報のみをドーリー情報記憶部420に格納する。ドーリー情報は、例えば、ドーリーID、位置情報、移動情報、及び搭載物情報を含む。位置情報は、ドーリー150の現在位置を示す情報である。位置情報には時刻情報も含まれる。移動情報は、ドーリー150の移動状態(移動方向、移動速度、移動加速度、等)を示す情報である。搭載物情報は、ドーリー150に搭載されている搭載物に関する情報(搭載物の有無、搭載物のID、等)である。ドーリー情報は、バッテリーの状態を示すバッテリー情報を含んでもよい。なお、ドーリー情報におけるドーリーID以外の情報は、必須ではない。
【0035】
移動判定部430は、ドーリー150の移動状態を判定する。具体的には、移動判定部430は、親機110が設置されたTT車140に連結されたドーリー150を特定する。例えば、移動判定部430は、ドーリー情報を取得したドーリー150を、連結されたドーリー150であると特定することができる。
【0036】
ところで、空港内には多数のドーリー150があるため、TT車140の親機110は、連結されていないドーリー150のドーリー情報を取得する可能性がある。そこで、移動判定部430は、例えば、親機110の移動センサ320の検出結果と、子機120から取得した移動情報とに基づいて、TT車140に連結されたドーリー150を特定することができる。
【0037】
図5は、TT車140に連結されたドーリー150を特定する様子の一例を示す図である。
図5に示す例では、TT車140Aにドーリー150A1,150A2が連結され、TT車140Bにドーリー150B1,150B2が連結されている。ドーリー150B1,150B2は、TT車140Bに連結されているものの、TT車140Aにも近い位置にある。そのため、TT車140Aの親機110は、ドーリー150A1,150A2のドーリー情報に加えて、ドーリー150B1,150B2のドーリー情報も取得する可能性がある。そこで、TT車140Aの親機110は、ドーリー情報に含まれる移動情報(移動方向、移動速度、移動加速度、等)に基づいて、TT車140Aに連結されたドーリー150A1,150A2を特定してもよい。具体的には、例えば、TT車140の親機110は、TT車140Aと略同一の方向に略同一の速度で移動しているドーリー150A1、150A2を、TT車140Aに連結されたドーリーであると特定することができる。TT車140Bの親機110も、同様に、TT車140Bと略同一の方向に略同一の速度で移動しているドーリー150B1、150B2を、TT車140Bに連結されたドーリーであると特定することができる。
【0038】
なお、TT車140に連結されて移動するドーリー150の特定手法はこれに限られない。例えば、前述したように、移動判定部430は、ドーリー情報を取得した全てのドーリー150を、連結されたドーリー150であると特定してもよい。この場合、実際には連結されていないドーリー150のドーリー情報は、途中から取得できなくなる可能性が高い。移動判定部430は、途中から一部のドーリー150のドーリー情報を取得できなくなった場合、当該ドーリー150は連結されていないと判断することができる。連結されたドーリー150を特定する際に、ドーリー情報の信号強度(親機110が子機120から受信する電波の信号強度(RSSI)。以下同じ。)を用いてもよい。また、移動判定部430は、ドーリー情報を取得した全てのドーリー150の情報をTT車140の操縦者に提示し、操縦者の入力により、連結されたドーリー150を特定してもよい。
【0039】
また、移動判定部430は、ドーリー150が連結された後に、ドーリー150の連結が解除されたことを判定することができる。例えば、移動判定部430は、連結されたドーリー150を特定した後に、連結されたドーリー150からドーリー情報を所定時間以上取得できない場合に、ドーリー150の連結が解除されたと判定することができる。なお、連結解除の判定手法はこれに限られない。例えば、移動判定部430は、TT車140の位置とドーリー150の位置とが所定距離以上離れた場合に、ドーリー150の連結が解除されたと判定してもよい。また例えば、移動判定部430は、TT車140の移動状態とドーリー150の移動状態とが略同一の状態から異なる状態に変化した場合に、ドーリー150の連結が解除されたと判定してもよい。
【0040】
さらに、移動判定部430は、子機120から取得されるドーリー情報に基づいて、連結されたドーリー150の並び順を判定してもよい。例えば、移動判定部430は、ドーリー情報に含まれる位置情報に基づいて、ドーリー150の並び順を判定することができる。また、移動判定部430は、ドーリー情報の信号強度や、親機110と子機120の間の通信時間に基づいて、ドーリー150の並び順を判定することができる。
【0041】
位置情報送信部440は、親機110の位置センサ210又は子機120の位置センサ310で取得された位置情報、子機120から取得されたドーリー情報、及び移動判定部430の判定結果に基づいて、連結されたドーリー150の位置を示すドーリー位置情報(物体位置情報)を管理サーバ130に送信する。位置情報送信部440は、少なくとも、TT車140に伴うドーリー150の移動が終了した際(即ち、ドーリー150の連結が解除された際)のドーリー150の位置を示すドーリー位置情報を管理サーバ130に送信する。さらに、位置情報送信部440は、TT車140にドーリー150が連結中である際に、ドーリー150の位置を示すドーリー位置情報を管理サーバ130に送信してもよい。ドーリー位置情報は、例えば、TT車ID、ドーリーID、位置情報、連結状態(連結中又は連結解除)を示す連結情報、並び順を示す情報、及び搭載物情報を含む。なお、ドーリー位置情報におけるドーリーID及び位置情報以外の情報は、必須ではない。
【0042】
図6は、子機120において実現される機能部の一例を示す図である。子機120は、ドーリーID記憶部600及びドーリー情報送信部610を備える。これらの各部は、例えば、メモリ350の記憶領域を用いたり、メモリ350に格納されたプログラムをプロセッサ340が実行したりすることにより実現することができる。
【0043】
ドーリーID記憶部600は、ドーリー150の識別子であるドーリーIDを記憶する。ドーリーID記憶部600に記憶されるドーリーIDは、書き換え可能とすることができる。
【0044】
ドーリー情報送信部610(物体情報送信部)は、ドーリー情報を親機110に送信する。ドーリー情報送信部610は、例えば、定期的にドーリー情報を送信してもよい。また、ドーリー情報送信部610は、親機110からの要求に応じてドーリー情報を送信してもよい。子機120では、電源部300の制御により、ドーリー150が移動している際にドーリー情報送信部610に電力を供給し、ドーリー150が停止している際にドーリー情報送信部610への電力供給を停止することができる。
【0045】
図7は、管理サーバ130において実現される機能部の一例を示す図である。管理サーバ130は、位置情報受信部700、位置情報記憶部710、検索受付部720、ドーリー情報出力部730、運航情報記憶部740、予約受付部750、及び予約情報記憶部760を備える。管理サーバ130は、メモリ及びプロセッサを備えるコンピュータであり、
図7に示す各部は、例えば、メモリの記憶領域を用いたり、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0046】
位置情報受信部700は、親機110からドーリー位置情報を受信し、位置情報記憶部710に格納する。
【0047】
検索受付部720は、ドーリー150の位置を確認するための検索要求をユーザから受け付ける。検索要求には、例えば、ドーリーIDが含まれる。また、位置情報記憶部710に、連結解除されたドーリー150だけでなく、連結中のドーリー150のドーリー位置情報も格納される場合、検索要求には、連結状態(連結中又は連結解除)を指定する情報が含まれてもよい。
【0048】
ドーリー情報出力部730は、位置情報記憶部710に格納されているドーリー位置情報に基づいて、ドーリー150の位置や連結状態を示す情報を出力する。情報の出力には任意の形式を採用することができる。例えば、情報の出力形式は、ディスプレイへの表示や、ネットワーク経由でのデータ送信、紙への印刷等を用いることができる。ドーリー情報出力部730は、例えば、ドーリー位置情報に基づいて、各ドーリー150の位置を画面表示することができる。位置情報記憶部710に、連結中のドーリー150のドーリー位置情報も格納されている場合、ドーリー情報出力部730は、連結状態を識別可能に、ドーリー150の位置を、空港のマップ上に表示することができる。また、ドーリー情報出力部730は、搭載物の状態や、子機120のバッテリーの状態等を出力してもよい。
【0049】
運航情報記憶部740には、飛行機の運航予定情報(便名、日時、離発着空港、ターミナル、ゲート、使用機材、等)が格納される。
【0050】
予約受付部750は、ドーリー150の使用を予約するための予約要求をユーザから受け付ける。例えば、予約受付部750は、ドーリー情報出力部730の出力結果に基づいて、連結解除された(即ち、使用されていない)ドーリー150の使用の予約を受け付けることができる。また、予約受付部750は、ドーリー150の予約をするための参考情報として、運航情報記憶部740に記憶されている運航予定情報をユーザに提供することができる。例えば、ユーザは、ドーリー情報出力部730から出力される情報と、運航予定情報とを参照して、特定のフライトで使用するドーリー150を予約することができる。予約受付部750は、確定した予約情報を、予約情報記憶部760に格納する。
【0051】
図8は、位置管理システム100における処理の一例を示すフローチャートである。
図8には、親機110及び子機120における処理が示されている。
【0052】
まず、子機120の処理から説明する。子機120では、移動センサ320の検出結果により、ドーリー150の移動が検出されると(S801)、電源部300が、子機120の各要素への電力供給を開始する(S802)。位置センサ310が現在位置を取得し(S803)、移動センサ320が移動状態を検出する(S804)。ドーリー情報送信部610は、ドーリー情報を親機110に送信する(S805)。移動センサ320の検出結果に基づいて、ドーリー150の移動中は(S806:移動中)、現在位置の取得(S803)、移動状態の検出(S804)、及びドーリー情報の送信(S805)が繰り返し実行される。
【0053】
移動センサ320がドーリー150の移動停止を検出すると(S806:移動停止)、位置センサ310が現在位置を取得し(S807)、ドーリー情報送信部610がドーリー情報を親機110に送信する(S808)。そして、電源部300は、移動センサ320以外の各要素への電力供給を停止する(S809)。移動停止の検出後に、現在位置を取得してドーリー情報を送信することにより、TT車140に伴うドーリー150の移動が終了した際のドーリー150の正確な位置情報を親機110に送信することができる。なお、ドーリー位置情報は移動中に繰り返し送信されているため、移動停止の検出後にドーリー情報を送信しない構成としてもよい。
【0054】
次に、親機110の処理を説明する。親機110では、位置センサ210が現在位置を取得し(S811)、移動センサ220が移動状態を検出する(S812)。ドーリー情報取得部410が、ドーリー情報を子機120から受信すると(S813)、移動判定部430が、ドーリー150の連結を判定する(S814)。ドーリー150が連結されていない間(S814:未連結)、現在位置の取得(S811)、移動状態の検出(S812)、及びドーリー情報の受信(S813)が繰り返し実行される。
【0055】
ドーリー150の連結が検出されると(S814:連結)、位置センサ210が現在位置を取得し(S815)、移動センサ220が移動状態を検出する(S816)。さらに、ドーリー情報取得部410が、連結中のドーリー150の子機120からドーリー情報を受信する(S817)。そして、位置情報送信部440は、連結中のドーリー150のドーリー位置情報を管理サーバ130に送信する(S818)。ドーリー150が連結中の間(S819:連結中)、現在位置の取得(S815)、移動状態の検出(S816)、ドーリー情報の受信(S817)、及びドーリー位置情報の送信(S818)が繰り返し実行される。
【0056】
移動判定部430によって、ドーリー150の連結解除が検出されると(S819:連結解除)、ドーリー情報取得部410は、ドーリー150が移動を停止した際のドーリー情報を受信する(S820)。そして、位置情報送信部440は、連結解除されたドーリー150のドーリー位置情報を管理サーバ130に送信する(S821)。その後は、処理の先頭に戻り、次にドーリー150が連結されるまで、現在位置の取得(S811)、移動状態の検出(S812)、及びドーリー情報の受信(S813)が繰り返し実行される。
【0057】
以上、本実施形態について説明した。本実施形態では、各ドーリー150に設置された子機120は、近距離無線通信等の消費電力量の比較的少ない通信手段により、ドーリー情報をTT車140に設置された親機110に送信する。そして、親機110が、携帯電話回線等の通信網を介して、TT車140から連結が解除された際のドーリー150の位置を示すドーリー位置情報を管理サーバ130に送信する。これにより、ドーリー150における電力消費量を低減させたうえで、TT車140に伴うドーリー150の移動が終了した際のドーリー150の位置を管理することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態において説明したように、TT車140に連結中のドーリー150の位置を示すドーリー位置情報が管理サーバ130に送信されてもよい。これにより、TT車140に連結されて移動中のドーリー150の位置も把握することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、管理サーバ130に送信されるドーリー位置情報に、ドーリー150に搭載されている搭載物に関する搭載物情報を含めることができる。これにより、搭載物(例えば、コンテナ)の位置も把握することができる。
【0060】
また、本実施形態では、ドーリー150の移動を検出し、ドーリー150が移動を開始するとドーリー情報送信部610への電力の供給を開始し、ドーリー150の移動が終了するとドーリー情報送信部610への電力の供給を停止することができる。これにより、ドーリー150における電力消費量をさらに低減させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、ドーリー150の移動情報(移動方向や移動速度等)に基づいて、複数のドーリー150のうち、TT車140に伴って移動するドーリー150を特定することができる。そして、TT車140の親機110は、特定したドーリー150(連結されたドーリー150)のドーリー位置情報を管理サーバ130に送信することができる。これにより、空港内のように、多数のドーリーが近接して存在する可能性がある環境において、TT車140に連結されたドーリー150の判定精度を高めることができる。
【0062】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0063】
例えば、本実施形態では、TT車140に設置された親機110において、TT車140に伴うドーリー150の移動状態(連結中/連結解除)を判定することとしたが、管理サーバ130においてドーリー150の移動状態を判定してもよい。この場合、TT車140に設置された親機110は、ドーリー150の移動状態にかかわらず、ドーリー150の位置を示すドーリー位置情報を管理サーバ130に送信すればよい。管理サーバ130では、親機110から受信したドーリー位置情報の履歴に基づいて、ドーリー150の移動状態(連結中/連結解除)を判定することができる。例えば、管理サーバ130は、ドーリー150の位置情報が変化すると、ドーリー150がTT車140に連結されて移動していると判定することができる。また、ドーリー150の位置情報が変化しない状態が所定時間継続すると、TT車140に伴うドーリー150の移動が終了した(連結解除された)と判定することができる。
【0064】
また、本実施形態では、ドーリー150の位置を管理する例を示したが、本発明において位置を管理する対象はドーリー150に限られず、移動体に伴って移動する任意の物体に適用することができる。例えば、緊急輸送車(移動体)に伴って移動する血液や臓器の収容容器(物体)の位置管理に適用することができる。