特許第6595928号(P6595928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6595928作業用車両のオペレータキャビン取付構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595928
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】作業用車両のオペレータキャビン取付構造
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   E02F9/16 C
   E02F9/16 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-27650(P2016-27650)
(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-145604(P2017-145604A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150154
【氏名又は名称】株式会社竹内製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(72)【発明者】
【氏名】加納 輝明
(72)【発明者】
【氏名】林 洋平
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−162979(JP,A)
【文献】 特開平09−133116(JP,A)
【文献】 特開2001−163267(JP,A)
【文献】 実開平02−043776(JP,U)
【文献】 米国特許第05570867(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00−9/18
E02F 9/24−9/28
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、
前記車体フレームに設けられた走行装置と、
前記車体フレーム上に取り付けられ、操作室を形成するオペレータキャビンと、
前記車体フレームに設けられた作業装置とを備える作業用車両において、前記車体フレームへの前記オペレータキャビンの取付構造であって、
前記車体フレームの上面と前記オペレータキャビンの下面との間に設けられる第1防振ゴムと、
前記車体フレームの下面側に設けられて上下方向に延びる支持軸部材と、
前記支持軸部材に下方へ抜け止め状態で挿通されて、前記車体フレームの下面に対して前記支持軸部材に沿って上下方向に相対移動自在に設けられた支持プレートと、
前記支持プレートの上面に載置支持されて前記支持プレートの上面と前記車体フレームの下面との間に設けられる第2防振ゴムとを備え、
前記オペレータキャビン、前記第1防振ゴム、前記車体フレーム、前記第2防振ゴムおよび前記支持プレートの順に上方から挿通されたボルト部材および前記ボルト部材に螺合するナット部材によって締め付けることにより、前記車体フレームに対して前記第2防振ゴムおよび前記支持プレートが前記支持軸部材に沿って上方に相対移動して前記第2防振ゴムの上面が前記車体フレームの下面に当接し、前記オペレータキャビンが前記車体フレームに取り付けられることを特徴とする作業用車両のオペレータキャビン取付構造。
【請求項2】
前記ナット部材が前記支持プレートの下面に接合され、前記支持プレートおよび前記ナット部材が一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の作業用車両のオペレータキャビン取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用車両において操作室を形成するオペレータキャビンの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
このような作業用車両の一例として、タイヤもしくはクローラからなる走行装置を車体フレームの左右にそれぞれ設け、左右の走行装置の作動速度を異ならせることによって進行方向の転換を行うスキッドステアローダが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このようなスキッドステアローダは、車体フレームに上下揺動自在にアームを設け、車体フレームおよびアームに跨設されたアームシリンダを伸縮させてアームを上下揺動させることによりアームの先端部に着脱自在に取り付けられたアタッチメント(作業装置)を上下に移動させて作業を行うように構成されている。また、車体フレームの上部には、操作室を形成する箱状のオペレータキャビンが取り付けられており、このオペレータキャビン内に設けられた操作レバーや操作ペダルを操作することにより、上記の走行装置および作業装置を作動させて車両の走行や作業を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5718513号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような作業用車両では、車体フレームからの振動や衝撃がオペレータキャビンに伝達されるのを防ぐために、車体フレームの上下に防振ゴムを設け、上側防振ゴム、車体フレームおよび下側防振ゴムの順に上方から挿通させたボルトおよびナットによって締め付けた防振支持構造を備え、この防振支持構造(上側防振ゴム)の上にオペレータキャビンを載せ、オペレータキャビンを防振支持構造にボルト固定することにより、オペレータキャビンが車体フレームに取り付けられていた。しかしながら、このような取付構造では、下側防振ゴムを手で押さえながら、ボルトを挿通させてナットを螺合させて防振支持構造を設け、それからオペレータキャビンを防振支持構造にボルト固定しなくてはならず、作業工程が多いという課題があった。また、このように作業工程が多いため、防振ゴムを交換するのも大変な作業となっていた。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、オペレータキャビンを取り付けるときの作業工程が少なく、防振ゴムの交換作業も簡単に行うことができる作業用車両のオペレータキャビン取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、車体フレームと、前記車体フレームに設けられた走行装置と、前記車体フレーム上に取り付けられて操作室を形成するオペレータキャビンと、前記車体フレームに設けられた作業装置(例えば、実施形態におけるローダ装置20)とを備える作業用車両において、前記車体フレームへの前記オペレータキャビンの取付構造である。その上で、前記車体フレームの上面と前記オペレータキャビンの下面との間に設けられる第1防振ゴムと、前記車体フレームの下面側に設けられて上下方向に延びる支持軸部材(例えば、実施形態における支持ボルト54)と、前記支持軸部材に下方へ抜け止め状態で挿通されて、前記車体フレームの下面に対して前記支持軸部材に沿って上下方向に相対移動自在に設けられた支持プレートと、前記支持プレートの上面に載置支持されて前記支持プレートの上面と前記車体フレームの下面との間に設けられる第2防振ゴムとを備える。そして、前記オペレータキャビン、前記第1防振ゴム、前記車体フレーム、前記第2防振ゴムおよび前記支持プレートの順に上方から挿通されたボルト部材(例えば、実施形態における取付ボルト55)および前記ボルト部材に螺合するナット部材(例えば、実施形態における取付ナット56)によって締め付けることにより、前記車体フレームに対して前記第2防振ゴムおよび前記支持プレートが前記支持軸部材に沿って上方に相対移動して前記第2防振ゴムの上面が前記車体フレームの下面に当接し、前記オペレータキャビンが前記車体フレームに取り付けられるように構成される。
【0007】
上記構成の作業用車両のオペレータキャビン取付構造において、前記ナット部材が前記支持プレートの下面に接合され、前記支持プレートおよび前記ナット部材が一体に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る作業用車両のオペレータキャビン取付構造によれば、車体フレームの下面に対して上下方向に相対移動自在な支持プレートが設けられ、この支持プレートの上面に第2防振ゴムが載置支持されるように構成されている。そのため、第2防振ゴムを手で押さえている必要がなく、支持プレート上に第2防振ゴムを載置し、車体フレーム上に載置された第1防振ゴムの上にオペレータキャビンを載せ、これらをボルトおよびナットで締め付けるだけでオペレータキャビンを取り付けることができ、作業工程が少ない取付構造とすることができる。また、第1および第2防振ゴムを交換するときも、ボルトおよびナットを取り外し、オペレータキャビンを持ち上げるだけで、第1および第2防振ゴムを引き抜いて新たな防振ゴムに交換することができ、交換作業も簡単に行うことができる。
【0009】
上記構成のオペレータキャビン取付構造において、ナット部材が支持プレートの下面に接合されて一体に形成される構成とすれば、ナットを手で押さえていることなく、上方からボルトを挿通させて締め付けるだけでオペレータキャビンを取り付けることができ、より簡単な取付構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を適用したクローラ式スキッドステアローダの側面図である。
図2】上記スキッドステアローダを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図3】上記スキッドステアローダを構成する車体フレームおよびオペレータキャビンの正面図である。
図4】上記車体フレームおよびオペレータキャビンの左側面図である。
図5図3における矢印V‐Vで示す位置の断面図である。
図6図5における丸印Aの部分の拡大断面図である。
図7】上記オペレータキャビンの車体フレームへの取付構造を説明するための模式図である。
図8図3における矢印VIII‐VIIIで示す位置の断面図である。
図9】上記スキッドステアローダに搭載される作動油タンクの前方斜視図である。
図10】上記スキッドステアローダに搭載される作動油タンクの後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、アームの先端にバケットを装着したクローラ式のスキッドステアローダ(以下、クローラローダと称する)に、本発明を適用した例について説明する。
【0012】
クローラローダ1は、図1および図2に示すように、無端状の履帯3を有して構成される左右一対の走行装置5,5と、これら走行装置5,5が左右に取り付けられた車体フレーム9と、車体フレーム9に取り付けられたローダ装置20と、車体フレーム9の上部に
設けられたオペレータキャビン11とを有して構成されている。
【0013】
ローダ装置20は、オペレータキャビン11の前後左右を囲むように配設されたアーム21と、オペレータキャビン11の左右両側において車体フレーム9およびアーム21に跨って設けられた左右一対のコントロールリンク22と、コントロールリンク22の後側において車体フレーム9およびアーム21に跨って設けられた左右一対のアームシリンダ23と、アームシリンダ23の後側において車体フレーム9およびアーム21に跨って設けられた左右一対のリフトリンク24と、アーム21の前端部にブラケット29aを介して取り付けられたバケット29とを有して構成される。左右一対のコントロールリンク22、アームシリンダ23およびリフトリンク24は左右対称に設けられており、コントロールリンク22、アームシリンダ23およびリフトリンク24を介してアーム21が車体フレーム9に取り付けられている。コントロールリンク22の両端部はそれぞれ、枢結ピンにより車体フレーム9およびアーム21に枢結されている。
【0014】
車体フレーム9の左右後部にはそれぞれ、アームシリンダ23およびリフトリンク24の基端部を車体フレーム9に取り付けるためのアームポスト30(アーム取付部)が設けられている。左右のアームポスト30はそれぞれ、内部空間を有する箱状に形成されている。左右のアームポスト30の内部空間にはそれぞれ、左右に延びる第1枢結軸31および第2枢結軸32が配設されており、第1枢結軸31によりアームシリンダ23の基端部が枢結され、第2枢結軸32によりリフトリンク24の基端部が枢結されている。アームシリンダ23およびリフトリンク24の先端部もそれぞれ、左右に延びる第3および第4枢結軸33,34によりアーム21の後部に枢結されている。アームシリンダ23およびリフトリンク24の基端部を枢結する第1および第2枢結軸31,32には、ローダ装置20を用いて作業を行うときに大きな力が作用する。そのため、左右のアームポスト30はそれぞれ、ボックス構造になって剛性、強度を大きくしており、第1および第2枢結軸31,32の左右端部をそれぞれ支持する構造となっている。
【0015】
このようにアーム21がコントロールリンク22、アームシリンダ23およびリフトリンク24を介して車体フレーム9(アームポスト30)に取り付けられているため、アームシリンダ23を伸縮作動させることにより、図1に示すようにアーム21を車体フレーム9に対して上下に揺動可能になっている。左右のアームポスト30には、このようにアーム21を上下揺動させるときのアーム21、コントロールリンク22、アームシリンダ23およびリフトリンク24と干渉しないように、アームポスト30の前面および上面に開口部が形成されている。
【0016】
アーム21の先端部には、上下に揺動自在にブラケット29aが枢結されており、そのブラケット29aにバケット29が着脱自在に取り付けられている。ブラケット29aおよびアーム21に跨って左右一対のバケットシリンダ28が設けられている。バケット29(ブラケット29a)は、左右のバケットシリンダ28を伸縮作動させることにより、アーム21に対して上下に揺動可能になっている。
【0017】
オペレータキャビン11は、図3および図4にも示すように、作業者が中に入ることが可能な内部空間を有した箱状に形成され、車体フレーム9の上部に取り付けられて操作室を形成している。オペレータキャビン11は、車両前方側が開口しており、その開口部に上下にスライド開閉自在な前扉11aが設けられている。オペレータキャビン11内の操作室には、作業者が車両前方に向いて着座するオペレータシート(図示せず)が設けられており、このオペレータシートの左右に、走行装置5,5およびローダ装置20の駆動を操作するための操作レバー(図示せず)や操作ペダル13,13(図5および図8を参照)が配設されている。
【0018】
図5図7に示すように、オペレータキャビン11は、車体フレーム9との間に第1防振ゴム51を挟んで車体フレーム9に取り付けられており、この第1防振ゴム51等により車体フレーム9からの振動や衝撃がオペレータキャビン11に伝達されるのを防ぐように構成されている。このオペレータキャビン11の取付構造は、車体フレーム9の上面とオペレータキャビン11の下面との間に設けられる第1防振ゴム51と、車体フレーム9の下面に設けられた支持プレート53と、支持プレート53の上面に載置支持されて支持プレート53の上面と車体フレーム9の下面との間に設けられる第2防振ゴム52とを有して構成される。
【0019】
支持プレート53は、2本の支持ボルト54により車体フレーム9の下面に取り付けられている。支持プレート53には、2本の支持ボルト54がそれぞれ挿通される2つの挿通孔53aが上下貫通して形成されており、この挿通孔53aの内径が支持ボルト54の外径よりも大きく形成されている。そのため、支持プレート53は、2本の支持ボルト54に沿って(車体フレーム9の下面に対して)上下方向に相対移動自在に吊り下げられた状態で取り付けられている。
【0020】
オペレータキャビン11、第1防振ゴム51、車体フレーム9、第2防振ゴム52および支持プレート53には、取付ボルト55が挿通されるボルト挿通孔57が上下貫通して形成されている。支持プレート53の下面には、ボルト挿通孔57と整合した位置に取付ボルト55と螺合する取付ナット56が接合されており、支持プレート53と取付ナット56が一体に形成されている。第1防振ゴム51、車体フレーム9および第2防振ゴム52に形成されたボルト挿通孔57は、円筒状のカラー部材58が挿入可能な内径に形成されており、当該ボルト挿通孔57にカラー部材58が挿入され、そのカラー部材58の内部を取付ボルト55が挿通されるように構成されている。
【0021】
このように構成された取付構造では、まず、車体フレーム9の上面に第1防振ゴム51を置くとともに、支持プレート53の上面に第2防振ゴム52を置き、第1防振ゴム51、車体フレーム9および第2防振ゴム52のボルト挿通孔57に上方からカラー部材58を挿入する。次に、第1防振ゴム51の上面にオペレータキャビン11を載せ、オペレータキャビン11の上面との間に平ワッシャー59aおよびスプリングワッシャー59bを差し込んで上方から取付ボルト55をボルト挿通孔57およびカラー部材58内に挿入する。そして、取付ボルト55の先端部を支持プレート53に一体形成された取付ナット56に螺合させて締め付けていくことにより、支持プレート53が2本の支持ボルト54に沿って上方に移動し、第2防振ゴム52の上面が車体フレーム9の下面に当接した状態となる。そして、さらに取付ボルト55および取付ナット56により締め付けることにより、上方からオペレータキャビン11、第1防振ゴム51、車体フレーム9、第2防振ゴム52、支持プレート53の順に並んだ状態でオペレータキャビン11が車体フレーム9に固定されて取り付けられる。このような取付構造は、オペレータキャビン11の前端下部の左右2箇所にそれぞれ設けられている。
【0022】
このようなオペレータキャビン11の取付構造によれば、車体フレーム9の下面に対して上下方向に相対移動自在な支持プレート53が設けられ、この支持プレート53の上面に第2防振ゴム52が載置支持されるように構成されている。そのため、第2防振ゴム52を手で押さえている必要がなく、支持プレート53上に第2防振ゴム52を載置し、車体フレーム9上に載置された第1防振ゴム51の上にオペレータキャビン11を載せ、これらを取付ボルト55を挿入して締め付けるだけでオペレータキャビン11を取り付けることができ、作業工程が少ない取付構造とすることができる。また、第1および第2防振ゴム51,52を交換するときは、取付ボルト55を取り外し、オペレータキャビン11を若干持ち上げて第1防振ゴム51との間に隙間を設け、ボルト挿通孔57からカラー部材58を引き抜くだけで、第1防振ゴム51および第2防振ゴム52を取り外して新しい
防振ゴムに交換することができ、交換作業も簡単に行うことができる。
【0023】
また、取付ナット56が支持プレート53の下面に接合されて一体に形成されているため、取付ナットを手で押さえていることなく、取付ボルト55を挿通させて締め付けるだけでオペレータキャビン11を取り付けることができ、より簡単な取付構造とすることができる。
【0024】
クローラローダ1は、図1および図2に示すように、車体フレーム9の後部(オペレータキャビン11の後方位置)に、ディーゼルエンジンEG(以下、エンジンEGと称する)が設けられている。走行装置5、アームシリンダ23およびバケットシリンダ28は、このエンジンEGにより駆動された油圧ポンプからの作動油を受けて駆動されるように構成されている。エンジンEGは、上方がエンジンカバー15により覆われており、後方がリアドア16により覆われている。エンジンカバー15は、前端部に設けられたヒンジ機構(図示せず)を用いて車体フレーム9に対して上下方向に開閉可能に設けられている。リアドア16は、左端部に設けられた上下一対のヒンジ機構17を用いて車体フレーム9に対して横開き開閉可能に設けられている。
【0025】
上記油圧ポンプから吐出される作動油を貯留する作動油タンク70は、図5および図8に示すように、オペレータキャビン11内の操作室の下方(オペレータシートの右斜め下方)の車体フレーム9に設けられている。作動油タンク70は、図9および図10に示すように、作動油を内部に貯留する略直方体形状のタンク本体71と、タンク本体71内の作動油を油圧ポンプに供給するための流出口72と、タンク本体71内に設けられ、流出口72から流出する作動油を浄化する流出側オイルフィルタ73と、油圧ポンプから吐出された作動油をタンク本体71内に戻すための流入口74と、タンク本体71内に設けられ、流入口74から流入した作動油を浄化する流入側オイルフィルタ75と、タンク本体71の前面上部に前方に延びて設けられ、タンク本体71に作動油を補給するための給油ホース76と、タンク本体71の前面上部(給油ホース76の側方)に設けられ、タンク本体71内に貯留されている作動油の油量(貯留量)を表示する作動油レベルゲージ77(作動油メータ)と、タンク本体71内の作動油を排出するための排出管78とを有して構成される。
【0026】
作動油タンク70(タンク本体71)は、上述したようにオペレータキャビン11内の操作室の下方(オペレータシートの右斜め下方)に配設されている。そして、図5および図8に示すように、タンク本体71から前方に延びる給油ホース76は、操作室内の操作ペダル13の右側方(オペレータシートに座った作業者の足元スペースの右側方)の車体フレーム9内を前方に延び、給油ホース76の先端部の給油口76aが、作動油タンク70から離れた位置である車体フレーム9の外側の前面右上部(前扉11aの下方位置)に設けられている。給油口76aには着脱自在なキャップ部材76bが取り付けられており、給油口76aおよびキャップ部材76bを覆うカバー部材79が車体フレーム9にボルトにより着脱自在に取り付けられている(図3も参照)。
【0027】
タンク本体71の前面に設けられた作動油レベルゲージ77は、オペレータシートに座った作業者の足元スペース(オペレータシートの下方位置)に前方から視認可能なように配設されており、給油口76aから作動油を補給するときに、オペレータキャビン11の前扉11aの透明部を通して(もしくは前扉11aを開けた状態で)作動油レベルゲージ77を視認可能なように配置されている。そして、この作動油レベルゲージ77を見て作動油タンク70(タンク本体71)内に貯留されている作動油の貯留量を知ることができるように構成されている。排出管78の先端部の排出口は、車体フレーム9の前部下面に設けられており、この排出口から作動油タンク70内の作動油を排出することができるようになっている。
【0028】
このようなクローラローダ1によれば、作動油レベルゲージ77が給油口76aから作動油を補給しているときに視認可能な位置に設けられているため、作動油レベルゲージ77を目視確認しながら同時に作動油の補給を行うことができる。また、給油口76が操作室の前方の車体フレーム9の外側に設けられ、作動油レベルゲージ77がオペレータキャビン11(操作室)内のオペレータシートの下方位置に設けられている。そのため、作動油レベルゲージ77がオペレータキャビン11内の目に付きやすい場所に配置されるので、作動油の貯留量の点検忘れを少なくすることができる。また、給油口76aが車体フレーム9の外側に配設されるので、補給時に車体フレーム9内が作動油によって汚れることを防ぐことができる。
【0029】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、取付ナット56が支持プレート53の下面に接合されて一体に形成されている構成について説明したが、取付ナット56は支持プレート53と一体に形成されていなくてもよい。
【0030】
また、上述の実施形態では、本発明をクローラローダ1に適用した場合について説明したが、本発明は、クローラローダ以外の作業用車両、例えばパワーショベル等の他の作業用車両に適用することもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 クローラローダ(作業用車両)
5 走行装置
9 車体フレーム
11 オペレータキャビン
20 ローダ装置(作業装置)
51 第1防振ゴム
52 第2防振ゴム
53 支持プレート
55 取付ボルト(ボルト部材)
56 取付ナット(ナット部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10