【文献】
「CR天才バカボンV」,YouTube [online] [video],2010年 7月30日,主に3:10〜3:37を参照。,[2019年1月10日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=Joz9WwtsgP0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0013】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、
図1、
図6、
図10又は
図11を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図10及び
図11は、特定演出の実行期間の或るタイミングにおいて演出表示装置80に表示される平面画像を示す図である。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、動画表示部と、当り遊技の当否を判定する当否判定手段と、特定演出を実行する場合において動画表示部に動画を表示させる演出制御手段を備える。
【0014】
動画表示部は、遊技機10に係る動画を表示可能な表示装置であり、
図1では動画表示部として演出表示装置80が例示されている。
当否判定手段は、当り遊技の当否を判定する機能構成であり、
図6では当否抽選部131が例示されている。ここで当り遊技とは、本実施形態では特別電動役物(アタッカー)が連続作動する大当り遊技のことであるが、特別電動役物が単独作動する小当り遊技が含まれてもよい。
演出制御手段は、遊技機10に係る演出を実行可能な機能構成であり、
図6では演出制御部210が例示されている。また、演出制御手段は、演出図柄を変動表示させた後に演出図柄を停止表示させることによって当否判定手段による判定結果を報知する図柄変動演出を、動画表示部に表示させる。
【0015】
特定の図柄変動演出の変動表示期間において、表示形態が線状であるライン(例えば、ライン86a)が動画表示部に表される。
特定の図柄変動演出における変動表示期間に含まれる一のタイミングに演出図柄の少なくとも一部である重畳部がラインの後方に重畳して視認されるように表される(例えば、
図10参照)。
また、特定の図柄変動演出における変動表示期間に含まれ一のタイミングとは異なる他のタイミングに重畳部がラインの前方に重畳して視認されるように表される(例えば、
図11参照)。
【0016】
ここで、上記の一のタイミングと他のタイミングとが連続している場合、演出図柄の動きがラインを基準として後方から前方(または前方から後方)に移動しているように遊技者を錯覚させることができる。すなわち、実際には平面画像を連続的に表示している演出図柄の変動表示であるにも関わらず、遊技者は立体動画であるかのように錯覚する。このような視覚効果にともなって演出効果が高まるので、遊技者の興趣向上を図ることができる。
【0017】
ここで「表示形態が線状であるライン」とは、動画上に表示される構成要素であって、表示上の形態が線状に維持されるものをいう。ただし、ここでいう線状とは、細長い形状のもの全般を指し、一定程度の幅を持つ帯状又はその幅が部分によって異なる形状(例えば、三角形状)等も含まれる。
【0018】
ここで「重畳部がラインの後方(又は前方)に重畳して視認されるように表される」とは、重畳部とラインとが前後に重なっているように遊技者に視認される表示態様をいう。従って、必ずしも表示上の階層(レイヤー)が重畳部とラインとで異なる必要はなく、同じ階層に重畳部とラインとが描かれてもよい。
【0019】
ここで「一のタイミングと他のタイミングとが連続している」とは、一のタイミングに表示される平面画像と他のタイミングに表示される平面画像とを切り替えた場合に遊技者が動画再生と認識しうる程度に一のタイミングと他のタイミングの時間間隔が短いことをいう。
一般的な動画再生において、1秒あたりに30枚の平面画像を表示するものとされ、この場合には一のタイミングと他のタイミングの時間間隔は1/30秒になる。ただし、これは一具体例であって、一のタイミングと他のタイミングの時間間隔がこれより短い場合や長い場合にも、上記の要件を満たす限りにおいて、一のタイミングと他のタイミングとは連続しているものとみなすことができる。
また、「一のタイミングと他のタイミングとが連続している」場合において、「一のタイミング」において表示される平面画像のコマと「他のタイミング」において表示される平面画像のコマとが必ずしも連続するコマである必要はない。すなわち、「一のタイミング」と「他のタイミング」の間に表示されるコマに別の平面画像が差し込まれてもよい。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
【0020】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図3を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図3は、遊技機10内に配設される図柄表示装置90を示す図である。
図4は、遊技機10が備える操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。
【0021】
遊技機10は、
図1又は
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0022】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0023】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部にプッシュボタン37が配設されている。プッシュボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0024】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0025】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されている。演出表示装置80は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで「演出図柄」とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、演出表示装置80に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄又はそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者は演出表示装置80に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、演出表示装置80は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
演出表示装置80としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
【0026】
演出表示装置80は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側及び右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、演出表示装置80には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄がスクロールすることにより、演出図柄が演出表示装置80の表示領域に変動表示される。
【0027】
図柄表示装置90は、演出表示装置80の右下側など、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示装置90は、複数のランプが配列されてなり、発光するランプの配列によって種々の情報を示す。本実施形態において、当該ランプには、発光ダイオード(以下、LEDと称す)が利用される。本実施形態における図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、及び普通図柄表示装置93を含んでいる。
【0028】
図3に示すように、第1特別図柄表示装置91は8個のLEDから構成され、第2特別図柄表示装置92の左側に位置する。また、第2特別図柄表示装置92は8個のLEDから構成され、第1特別図柄表示装置91の右側に位置する。第1特別図柄表示装置91及び第2特別図柄表示装置92はLEDの発光パターンにより特別図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。
普通図柄表示装置93は第1特別図柄表示装置91及び第2特別図柄表示装置92より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
【0029】
なお、
図3に示すように、図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、及び普通図柄表示装置93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄に係る図柄変動ゲーム及び普通図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留されている乱数の数や大当り遊技のラウンド回数等の情報も表示しうる。
【0030】
ここで「特別図柄」とは、第1特別図柄及び第2特別図柄の総称である。
「第1特別図柄」は、第1特別図柄表示装置91に表示するために選択されうるデータ群、又は、第1特別図柄表示装置91に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
「第2特別図柄」は、第2特別図柄表示装置92に表示するために選択されうるデータ群、又は、第2特別図柄表示装置92に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
また、ここで「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」とは、特別電動役物65又は特別電動役物66(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果(当りの当否抽選結果)を示すために、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特定の特別図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、「特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行」とは、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における特別図柄に係る図柄変動ゲームの表示(変動表示及び停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
なお、本実施形態において単に図柄変動ゲームと称する場合には、特別図柄に係る図柄変動ゲームを意味する。
【0031】
ここで「普通図柄」とは、普通図柄表示装置93に表示するために選択されうるデータ群、又は普通図柄表示装置93に表示されうる図柄(普通図柄表示装置93におけるLEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
また、「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」とは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果(普通図柄当りの当否抽選結果)を示すために、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に特定の普通図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、「普通図柄に係る図柄変動ゲームの実行」とは、普通図柄表示装置93における普通図柄に係る図柄変動ゲームの表示(変動表示及び停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
【0032】
本実施形態において、図柄表示装置90に配列される複数のランプはLEDとするが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても
図3に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
【0033】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央から視て内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、くぎ状のものをいう。
【0034】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0035】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW7等)が配設されている。なお、以下の説明において「入賞」とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できない位置に配置されており、
図1及び
図2においては図示されていない。
【0036】
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0037】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部(演出表示装置80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球をカウントスイッチSW1で検知することにより、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
【0038】
第2始動口59は、遊技領域50aの右側(演出表示装置80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球をカウントスイッチSW2で検知することにより、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0039】
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されている。作動ゲート63は、入球した遊技球をカウントスイッチSW4で検知することにより、普通図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、カウントスイッチSW4の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球は零である。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも、本明細書では「入球」と称する場合がある。
【0040】
大入賞口55は、第2始動口59の左下側(演出表示装置80の下側)に配置されている。大入賞口55の開口部は、ソレノイドコイルSOL1の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。
大入賞口55の後方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW7が配置されている。カウントスイッチSW7が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
【0041】
大入賞口56は、第2始動口59の下方(演出表示装置80の右下側)に配置されている。大入賞口56の開口部は、ソレノイドコイルSOL2の作動により開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。
大入賞口56の奧方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW8が配置されている。カウントスイッチSW8が大入賞口56に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
【0042】
大入賞口55は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中における特別電動役物65の開動作によって開放され、これに伴い、大入賞口55への遊技球の入球が許容される。
大入賞口56は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中における特別電動役物66の開動作によって開放され、これに伴い、大入賞口56への遊技球の入球が許容される。
本実施形態において、特別電動役物65及び特別電動役物66は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開動作しうるように構成されている。但し、特別電動役物65又は特別電動役物66は、第1始動口57への入球又は第2始動口59への入球のいずれか一方に起因する大当り遊技においてのみ開動作しうるように構成されていてもよい。
第1始動口57への入球又は第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技が行われる場合にも、遊技者は賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、遊技球が第2流路Yから転動するときには、第1流路Xから転動するときよりも、大入賞口55又は大入賞口56に入球しやすくなるように各種障害物が配置されている。
【0043】
普通入賞口67(67a、67b)は、演出表示装置80の左下部に配置されている。普通入賞口67aの後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配置されており、普通入賞口67aに入球した遊技球をカウントスイッチSW5で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。普通入賞口67bの後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW6が配置されており、普通入賞口67bに入球した遊技球をカウントスイッチSW6で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。
【0044】
上述したように、各入賞口の後方には各入賞口に入球した遊技球を検知する各カウントスイッチが配置されている。具体的には、カウントスイッチSW1は第1始動口57への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW2は第2始動口59への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW4は作動ゲート63への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW5は普通入賞口67aへの遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW6は普通入賞口67bへの遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW7は大入賞口55への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW8は大入賞口56への遊技球の入賞を検出する。
【0045】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入賞しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
ここで「アウト球」とは、遊技領域50aから排出された遊技球である。
本実施形態では、このアウト球を検出する手段として、アウト口スイッチSW9が設けられている。アウト口スイッチSW9は、アウト口69及び各入賞口に入球した遊技球の流路(図示せず)に配置されている。これにより、アウト口スイッチSW9は、アウト口69に落入した遊技球又はいずれかの入賞口に入球した遊技球をアウト球として検知する。アウト口スイッチSW9は、アウト球の検知ごとに検知信号を出力してもよいし、所定数のアウト球が検知される度に、検知信号を出力してもよい。
【0046】
図4に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、上述のプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38a、38b、38c、38d、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン38e、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン38fなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0047】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、遊技機10の制御構成について説明する。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図5、
図6で図示される各構成及び各機能は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成及び機能の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0048】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、
図6に図示している機能を含む種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図6に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0049】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0050】
図6には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、情報伝送部110、特図保留制御部115、普図保留制御部116、特図抽選制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、変動パターン付与部160、普図抽選制御部170、普通電役制御部180、特別電役制御部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
特図抽選制御部130は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理しこれらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。大当り遊技は、役物連続作動装置が特別電動役物65又は特別電動役物66を連続して作動させている遊技状態である。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
変動パターン付与部160は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを付与する。変動パターン付与部160によって付与された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210(サブ制御基板200)に伝達されて演出表示装置80における表示演出(リーチ演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターンを示す情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0051】
演出制御部210は、情報伝送部110を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0052】
<特図抽選について>
以下、特図抽選に関わる機能構成について詳述する。
【0053】
特図保留制御部115は、第1始動口57の入賞を少なくとも含む始動条件の成立を契機として乱数M1を取得して保留させる。また、特図保留制御部115は、第2始動口59の入賞を少なくとも含む始動条件の成立を契機として乱数M2を取得して保留させる。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口57の入賞が検知されかつ他の始動条件が満たされていると乱数M1を取得し、専用の記憶領域に格納(保留)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されかつ他の始動条件が満たされていると乱数M2を取得し、専用の記憶領域に格納(保留)させる。当該他の始動条件には、例えば、乱数M1又は乱数M2の保留上限数に達していないことなどがある。
乱数M1の保留上限数又は乱数M2の保留上限数は予め定められており、本実施形態では乱数M1及び乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。但し、各保留上限数は限定されない。
以降、第1始動口57又は第2始動口59の入賞を検知することを一つの条件として、その後に何らかの処理を実行することを、「第1始動口57又は第2始動口59の入賞を契機として何らかの処理を実行する」といった表現を行う場合もある。よって、当該入賞が検知されたとしても、必ずしも当該何らかの処理が実行されなくてもよい。
【0054】
特図保留制御部115は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。
なお、後述する当否抽選部131は、乱数M1と乱数M2とが共に保留されている場合、乱数M2を先に用いて当否抽選するように構成されている。このような処理を、以下の説明において優先処理と称する場合がある。
【0055】
優先処理は、特図保留制御部115による制御で実現されている。
特図保留制御部115は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに係る制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、特図保留制御部115は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。特図保留制御部115により読み出された乱数は、後述の当否抽選部131により用いられて、当否抽選が行われる。結果、当否抽選部131においても乱数M1よりも乱数M2が優先的に処理されることになる。
【0056】
特図保留制御部115は保留されている乱数の数をそれぞれについて監視してもよい。この場合、特図保留制御部115は、監視している乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
【0057】
特図抽選制御部130は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する処理を行う機能部であり、当否抽選部131、特図選択部132等を有している。
当否抽選部131は、特図保留制御部115により取得された乱数M1又は乱数M2を用いて大当り遊技の当否抽選を行う。換言すれば、当否抽選部131は、カウントスイッチSW1及びカウントスイッチSW2による遊技球の検知を少なくとも一つの条件として当否判定を行う。
なお、上述のように、カウントスイッチSW1及びカウントスイッチSW2は、遊技領域50aに設けられた始動口(第1始動口57、第2始動口59)に入賞した遊技球を検出する始動検出手段である。
【0058】
特図選択部132は、当否抽選部131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択する。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152によって、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に表示される。
【0059】
<普図抽選について>
以下、普図抽選に関わる機能構成について詳述する。
【0060】
普図抽選制御部170は普通図柄に係る図柄変動ゲームを司る機能部であり、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する機能部である。
【0061】
普図保留制御部116は、カウントスイッチSW4によって作動ゲート63の入賞が検知されると、乱数M3を取得して専用の記憶領域に格納(保留)させる。ここで乱数M3は、開放抽選部171による抽選に用いられる乱数である。保留可能な乱数M3の上限数である保留上限数は予め定められており、本実施形態において保留上限数は4個と設定されている。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄に係る図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
【0062】
普図保留制御部116は保留されている乱数M3の数を監視している。また、普図保留制御部116は、監視している乱数M3の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出してもよい。
【0063】
開放抽選部171は、普図保留制御部116によってから読み出された乱数M3を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、開放抽選部171によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
開放抽選部171による抽選に当選したとき、普通電役制御部180はソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0064】
普図選択部172は、開放抽選部171による抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を図柄表示制御部150(普通図柄表示制御部153)に伝達して普通図柄表示装置93に表示させる。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
【0065】
普通電役制御部180は、変短制御部142によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部180の制御は、後述する変短制御部142による変短状態の付与に起因して変動する。
【0066】
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する機能であり、確変制御部141と変短制御部142と大当り制御部145とを有している。
【0067】
ここで「確変状態」とは、当否抽選部131による大当りの当否抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になることをいう。
また、「変短状態」とは、以下の少なくとも一つが行われることをいう。
(i)普通電動役物61の開放抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の一回当たりの開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放抽選の当選に応じて普通電動役物61が開放される回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が短縮される。
【0068】
確変制御部141は、大当り制御部145によって実行される少なくとも一部の大当り遊技が終了したとき、確変状態を付与する。
確変制御部141は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて確変状態の終了条件が成立した場合、または確変状態にて実行される特別図柄に係る図柄変動ゲームにて大当り遊技に当選した場合には、確変状態から通常遊技状態へと移行させる。
本実施形態における確変状態の終了条件は、確変状態に移行してから100回の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われることである。
【0069】
変短制御部142は、大当り制御部145によって実行される大当り遊技が終了したとき、変短状態を付与する。
変短制御部142は、すべての大当り遊技の終了時に通常遊技状態から変短状態へと移行させ、変短状態の終了条件が成立する特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて、変短状態から通常遊技状態へと移行させる。
本実施形態における変短状態は、変短状態に移行してから100回の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われることを終了条件としている。本実施形態においては全ての大当り遊技の終了時に変短状態が付与されるので、各大当り遊技の終了時からその後に行われた特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数が100回に達するまで変短状態が維持される。
【0070】
上記の確変制御部141と変短制御部142について整理すると、以下のように換言できる。すなわち、確変制御部141と変短制御部142は、大当り制御部145によって実行される大当り遊技の少なくとも一部を契機として遊技者にとって有利な確変状態および変短状態(有利遊技状態)に移行させる。
【0071】
大当り制御部145は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの当選に起因して大当り遊技を実行する機能部である。換言すれば、大当り制御部145は、当否抽選部131によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否抽選部131によって大当り遊技に当選した場合、大当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92に停止表示された後(特別図柄に係る図柄変動ゲームが終了した後)に、大当り制御部145は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55及び大入賞口56に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55または大入賞口56に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55または大入賞口56が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55または大入賞口56が開放される。
【0072】
大当り制御部145は、前段で述べたように制御するために、ラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。
特別電役制御部190は、大当り制御部145から受けた指令に従って、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。
特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
或いは、特別電役制御部190は、特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口56に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW8の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL2を作動させて特別電動役物66を閉鎖させる。
【0073】
大当り制御部145は、演出制御部210(サブ制御基板200)にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部145は大当り遊技を終了させる。
【0074】
<図柄表示と演出表示について>
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、または普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
【0075】
演出制御部210は、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出表示が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の変動を1セットとする演出表示が実行される場合もある。前者の代表例はいわゆる連続演出と称される演出表示であり、後者の代表例はいわゆる擬似連演出と称される演出表示である。
【0076】
上記で述べた特別図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示との対応性を担保するため、変動パターン付与部160は変動パターンを定める。
より詳細には、変動パターン付与部160は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを定め、変動パターンを図柄表示制御部150及び演出制御部210に伝達する。図柄表示制御部150は伝達された変動パターンに応じて特別図柄に係る図柄変動ゲームを表示させ、また演出制御部210は伝達された変動パターンに応じて演出表示を表示させることによって、これらの対応性を担保している。
【0077】
また、上記の説明において、変動パターン付与部160によって定められる変動パターンは変動時間情報を少なくとも含む旨を説明した。この他にも、変動パターンには、リーチ演出をするかバラケ目にするかを示す情報等が含まれてもよい。
【0078】
演出制御部210は、情報伝送部110を介して変動パターンを含むコマンドを受け付けると、当該変動パターンに基づいて演出図柄の変動表示を伴う演出を演出表示装置80に表示させる。
【0079】
図7は、演出制御部210によって実行される演出図柄(例えば、演出図柄81a、演出図柄81b、演出図柄81c)の変動表示が演出表示装置80において行われている実施態様の一具体例を示す図である。
演出制御部210は、演出図柄の変動表示が表示される領域を囲うように縁部85を演出表示装置80に表示させる。縁部85は、演出表示装置80(動画表示部)の表示領域の縁を示しているとも換言できる。なお、縁部85上の各所には、宝玉を模した模様(宝玉模様83a〜83h)が付されている。演出制御部210は、原則として、縁部85を演出表示装置80に表示した状態で種々の演出を実行するように構成されているので、縁部85は遊技者にとって見慣れた表示になりうる。
また、演出制御部210は、演出表示装置80の下方であって、縁部85に重畳する位置に保留表示(例えば、保留表示82a、保留表示82b、保留表示82c、保留表示82d)を表示させる。ここで保留表示とは、特図保留制御部115によって監視されている乱数の数を示す演出画像である。
図7には、4個の保留表示が演出表示装置80に表示されている実施態様が示されており、各保留表示は古銭を模したものである。
【0080】
本発明に係る特定演出の実施態様について、
図8から
図14を用いて説明する。
図8から
図14は、特定演出の実行期間の或るタイミングにおいて演出表示装置80に表示される平面画像を示す図である。
以下、各図面を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明において演出図柄81a、演出図柄81b及び演出図柄81cによる変動表示のことを「図柄変動演出」と称する場合がある。
【0081】
まず、特定の図柄変動演出に係る変動表示が開始されると、演出表示装置80には表示形態が線状であるライン86aが左右方向(横断的に)表示されることによって、演出表示装置80の表示領域が上下に分割される(
図8参照)。
当該図柄変動演出における演出図柄81a、演出図柄81b及び演出図柄81cは、ライン86aの後方から前方に向けて飛び出してくるかのように演出制御部210によって変動表示される。このとき、各演出図柄の少なくとも一部である重畳部がライン86aの後方に重畳している状態からラインの前方に重畳している状態に遷移する。
上記のように、特定の図柄変動演出に係る変動方向(スクロール方向)である前後方向は、ライン86aが延在する方向である左右方向に交差するようになっている。換言すれば、ライン86aは、当該図柄変動演出における演出図柄の変動方向に交差するように演出表示装置80に表示される。
【0082】
より具体的に、演出表示装置80の中央に表示される演出図柄81bの変動表示を例にして、
図9から
図12を用いて説明する。
図9は、演出表示装置80の左右に表示される演出図柄81a及び演出図柄81cが仮停止表示されている状態を示している。ここで仮停止表示とは、演出制御部210が演出図柄の変動表示を完全に停止させる前に、当該演出図柄を微動している状態で表示することである。仮停止表示された後には、仮停止表示されている演出図柄がそのまま停止表示に至る場合もあれば、再変動して異なる演出図柄が停止表示する場合もある。なお、
図9又は
図10に表されている演出図柄の左上隅および右下隅に示す表記は、その演出図柄が仮停止表示されていることを示すものである。
図9に示すように、演出図柄81a及び演出図柄81cは同じ数字図柄「7」で仮停止表示されており、いわゆるリーチ状態になっている。すなわち、本変形例で説明している当該図柄変動演出は、大当り遊技に当選する期待度(当選するか否か)を示唆するリーチ演出である。
【0083】
図10は、当該図柄変動演出における変動表示期間の或るタイミング(一のタイミング)に演出図柄81bの一部がライン86aの後方に重畳して視認されるように仮停止表示されている状態を示している。
ここで仮停止表示されている演出図柄81bは数字図柄「7」であって、このまま停止表示されれば大当り遊技が報知されるため、遊技者は演出図柄81bがそのまま停止表示に至ることを期待する。
【0084】
図11及び
図12は、当該図柄変動演出によって大当り遊技が報知される場合に演出表示装置80に停止表示されうる平面画像を示す図である。
この場合、当該図柄変動演出における変動表示期間の或るタイミング(他のタイミング)に演出図柄81bの一部がライン86aの前方に重畳して視認されるように仮停止表示される(
図11参照)。ここで他のタイミングは一のタイミングの直後であって、互いのタイミングは連続しているものとする。遊技者は、当該タイミングにおいて、演出図柄81bがライン86aの後方から前方に向けて飛び出してくるかのように錯覚し、興趣が喚起される。
そして、演出図柄81a、演出図柄81b及び演出図柄81cが数字図柄「7」のまま演出表示装置80に停止表示され、大当り遊技が報知される(
図12参照)。
【0085】
なお、上記の錯覚効果をより際立たせるためには、演出表示装置80の表示領域上におけるライン86aの表示位置が、一のタイミングにおいても他のタイミングにおいても共通であることが望ましい。より詳細には、ライン86aは、演出図柄が変動表示される以前から演出表示装置80に表示され、少なくとも表示されてから一のタイミングまたは他のタイミングのうち後の方が到来するまで表示位置が維持されることが好ましい。
【0086】
図13及び
図14は、当該図柄変動演出によって大当り遊技の当選が否定される場合に演出表示装置80に停止表示されうる平面画像を示す図である。
この場合、当該図柄変動演出における変動表示期間にわたって演出図柄81bがライン86aの後方であるかのように仮停止表示されたま、演出表示装置80の下方に落下する(
図13参照)。
そして、演出図柄81a及び演出図柄81cについては数字図柄「7」のままであるものの、演出図柄81bについては数字図柄「6」に変化して演出表示装置80に停止表示され、はずれた旨が報知される(
図14参照)。
【0087】
以上のように、本実施形態に係る特定演出の実行期間に表示される演出図柄の変動表示には、演出表示装置80の表示領域上の表示位置が特定演出の実行期間にわたって不変である基準物としてのライン86aが表されている。
特定演出の実行期間に含まれる一のタイミングに動画の一部として表示される平面画像(例えば、
図10参照)には、演出図柄の少なくとも一部である重畳部が基準物の後方に重畳して視認されるように表される。特定演出の実行期間に含まれ一のタイミングとは異なる他のタイミングに動画の一部として表示される平面画像(例えば、
図11参照)には、重畳部が基準物の前方に重畳して視認されるように表される。
ここで、上記の一のタイミングと他のタイミングとが連続しているので、対象物の動きが基準物を基準として後方から前方(または前方から後方)に移動しているように遊技者を錯覚させることができる。すなわち、実際には平面画像を連続的に表示していることによって行われている演出図柄の変動表示であるにも関わらず、遊技者は立体動画であるかのように錯覚する。このような視覚効果にともなって演出効果が高まるので、遊技者の興趣向上を図ることができる。
【0088】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図15又は
図16を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0089】
図15は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、
図15又は
図16に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0090】
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0091】
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部115による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部115による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部115によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
すなわち、ステップS102の肯定とステップS104の否定とが、上述の第1特別図柄又は第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件の成立を意味する。
【0092】
ステップS102からステップS108までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS110)、その始動口入球時処理は終了となる。
【0093】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄による図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄による図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0094】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0095】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否抽選部131による当否抽選や特図選択部132による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
【0096】
そして、特図保留制御部115は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン付与部160は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
【0097】
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
【0099】
本発明に係る特定演出の実施態様の変形例について、
図17から
図20を用いて説明する。
図17から
図20は、変形例に係る特定演出の実行期間の或るタイミングにおいて演出表示装置80に表示される平面画像を示す図である。
上記の実施形態に係る特定演出は、演出図柄の変動表示そのものであるが、のに対して、本変形例に係る特定演出は演出図柄の変動表示を演出表示装置80の隅部に縮小して行われる演出である点において、上記の実施形態と相違する。
【0100】
図17は、演出制御部210によって実行される演出図柄(例えば、演出図柄81d〜81p)の変動表示が演出表示装置80において行われている実施態様の一具体例を示す図である。
図17は、分割モードと称される特定の演出モードに係る演出図柄の変動表示を示すものであり、ライン86a及びライン86bによって分割された演出表示装置80の4つの表示領域のそれぞれで演出図柄の変動表示がされている。
このように、演出制御部210は、分割モードにおいて4つに分割された表示領域に個別に演出を行うことが可能である。ただし、分割モード中に行われる図柄変動ゲームの少なくとも一部において、演出制御部210は複数の表示領域に跨がった演出を行うことが可能である。
【0101】
演出制御部210は、分割モードにおいて、演出表示装置80の表示領域を分割するライン86a及びライン86bを表示させる。ライン86a及びライン86bは十字状に組み合わせて構成され、ライン86aとライン86bと縁部85とによって包囲されている4つの表示領域が、分割モードにおける各表示領域として視認される。すなわち、ライン86a及びライン86bが演出表示装置80に表示されていることによって、演出表示装置80の表示領域が複数に分割されている。
なお、ライン86a及びライン86bには、縁部85に付されている宝玉模様83a〜83hと同種の模様(宝玉模様83i〜83k)が描かれている。また、ライン86a及びライン86bがクロスしている部分には、宝玉模様83a〜83hと同種の模様を複数組み合わせて構成される模様(宝玉模様83n)が描かれている。
【0102】
ここで演出モードとは、演出制御部210によって遷移されうる演出状態であって、複数回の図柄変動ゲームにわたって滞在しうるものである。換言すれば、演出制御部210は、複数の演出モードのいずれかに遷移させうるモード遷移手段として機能し、ライン86a及びライン86bは、特定の演出モードである分割モードに遷移している場合において演出表示装置80に表示される。
【0103】
図18は、分割モードにおいて複数の表示領域に跨がって行われる演出(特定演出)の実行期間の或るタイミングにおいて演出表示装置80に表示される平面画像を示す図である。
演出制御部210は、当該演出を実行する場合には、演出図柄の変動表示の一部(例えば、演出図柄81d、演出図柄81e及び演出図柄81fの変動表示)を演出表示装置80の左上隅部に縮小して表示させると共に、残りの表示領域を用いてキャラクター84aが槍84bを振り回す様が描かれている動画を演出表示装置80に再生させる。
図18に示すように、当該タイミングにおいて、キャラクター84aは4つに分割された表示領域を超えて表示される。換言すれば、特定演出に係る対象物であるキャラクター84aは、特定演出の実行期間の少なくとも一部において、ライン86a及びライン86bの表示によって分割されている表示領域の複数に跨がって表される。また、複数の領域に跨がって表示されているキャラクター84aは、ライン86a及びライン86bの後方に重畳しているように表示されている。
【0104】
図19は、分割モードにおいて複数の表示領域に跨がって行われる演出(特定演出)の実行期間の或るタイミング(上記の一のタイミング)において演出表示装置80に表示される平面画像を示す図である。
図19に示すように、当該タイミングにおいても、複数の領域に跨がって表示されているキャラクター84aは、ライン86a及びライン86bの後方に重畳しているように視認される表示が維持されている。より具体的には、演出制御部210は、当該タイミングにおいて、槍84bの一部がライン86bの後方に重畳しているように表示し、槍84bの一部及び槍84bを持つキャラクターの手84cの一部がライン86aの後方に重畳しているように表示する。
【0105】
図20は、分割モードにおいて複数の表示領域に跨がって行われる演出(特定演出)の実行期間の或るタイミング(上記の他のタイミング)において演出表示装置80に表示される平面画像を示す図である。
図20に示すように、当該タイミングにおいて、複数の領域に跨がって表示されているキャラクター84aは、ライン86a及びライン86bの前方に重畳しているように視認される表示に変化する。より具体的には、演出制御部210は、当該タイミングにおいて、槍84bの一部がライン86bの前方に重畳しているように表示し、槍84bの一部及び槍84bを持つキャラクターの手84cの一部がライン86aの前方に重畳しているように表示する。
【0106】
図19に示す平面画像における槍84b及びキャラクターの手84cと、
図20に示す平面画像における槍84b及びキャラクターの手84cとは、表示上の座標位置がほぼ変わらないにも関わらず、ライン86a及びライン86bを基準として前後に異なる。なお、この変化の前後にわたって、キャラクター84aの主たる部分(例えば、顔を示す部分や胴体を示す部分)は、ライン86a及びライン86bを基準として後方に維持される。
換言すれば、本実施形態に係る対象物は、特定演出の実行期間に表示される動画内で動作するキャラクター84aであり、キャラクター84aの一部である重畳部が、一のタイミングにラインの後方に表され、他のタイミングにラインの前方に表され、キャラクター84aのうち重畳部を除く部分が、一のタイミングにおいても他のタイミングにおいてもラインの後方に表される。
これにより、
図19に示す平面画像を視認した直後に
図20に示す平面画像を視認した遊技者は、槍84b及びキャラクターの手84cが立体的に飛び出したかのような錯覚を起こす。或いは、
図20に示す平面画像を視認した直後に
図19に示す平面画像を視認した遊技者は、槍84b及びキャラクターの手84cが立体的に引っ込んだかのような錯覚を起こす。
【0107】
また、本変形例に係る分割モードでは、ライン86aとライン86bと縁部85とによって包囲されている表示領域が複数であることをもって、演出表示装置80の表示領域が複数に分割されており、ライン86aとライン86bと縁部85とには双方に共通する装飾表示(宝玉模様83a〜83n)が含まれている。
これにより、対象物を立体的に見せるための基準物として機能するライン86aとライン86bが、一見して意味を持たない表示(縁部85)と一体的なものとして遊技者に視認されるので、対象物を立体的に見せる効果がより強く発揮される。
なお、本実施形態に係る演出制御部210は、少なくともライン86aとライン86bとが表示されている期間、すなわち分割モードの滞在期間にわたって、演出表示装置80の表示領域の縁を示す縁部85を演出表示装置80に表示させるものとする。
【0108】
以上のように、本変形例に係る特定演出の実行期間に表示される動画には、演出表示装置80の表示領域上の表示位置が特定演出の実行期間にわたって不変である基準物としてのライン86a及びライン86bと、表示形態が変化する対象物としてのキャラクター84aと、が表されている。
ここで「表示形態が変化する対象物」とは、動画上に表示される対象物であって、動画が再生されている期間において表示上の形態(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)が変化しているように遊技者に視認されるものをいう。換言すれば、「表示形態が変化する対象物」とは、その形態が静止画像のコマ送りによって変化しているように遊技者に視認されるものである。
【0109】
特定演出の実行期間に含まれる一のタイミングに動画の一部として表示される平面画像には、対象物の少なくとも一部である重畳部が基準物の後方に重畳して視認されるように表される。特定演出の実行期間に含まれ一のタイミングとは異なる他のタイミングに動画の一部として表示される平面画像には、重畳部が基準物の前方に重畳して視認されるように表される。
ここで、上記の一のタイミングと他のタイミングとが連続しているので、対象物の動きが基準物を基準として後方から前方(または前方から後方)に移動しているように遊技者を錯覚させることができる。すなわち、実際には平面画像を連続的に表示している動画であるにも関わらず、遊技者は立体動画であるかのように錯覚する。このような視覚効果にともなって演出効果が高まるので、遊技者の興趣向上を図ることができる。
【0110】
なお、上記の特定演出が実行されることによって示唆される内容は特に制限されないが、例えば、大当り当選に係る期待度を示唆するものであってもよいし、特定のリーチ演出(スペシャルリーチ演出)への発展を示唆するものであってもよいし、保留表示の変化を示唆するものであってもよい。
<その他の変形例について>
ここまで
図1から
図20を用いて説明される実施形態又は変形例に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0111】
上記の実施形態では、パチンコ遊技機である遊技機10によって本発明が実施される実施態様を説明したが、回胴式遊技機によって本発明が実施されてもよい。
【0112】
上記の実施形態では、分割モードと称する特定の演出モードにおいて特定演出を実行する実施態様を述べたが、本発明の実施はこのような演出モードに制限されず、演出制御部210によって移行されうる複数の演出モードのうち、分割モードを除く他の演出モードのいずれかにおいて動画中の対象物を遊技者に立体的なものと錯覚させる特定演出が実行されうる。
【0113】
上記の変形例の説明に用いた
図18から
図20に基づいて、分割モードに係る演出表示装置80の表示領域は4つに分割される旨を説明したが、演出表示装置80の表示領域は、分割モードにおいて、より少ない数に分割されてもよいし、より多い数に分割されてもよい。
また、
図18から
図20において、ライン86a又はライン86bの端部と縁部85とが接するように図示したが、ライン86a又はライン86bの端部は必ずしも縁部85に接する必要はない。すなわち、分割モードにおける各表示領域はラインによって完全に分離されている必要はなく、各表示領域はラインによって概ね分離しているものと視認されるもの(一部が繋がっているもの)も含まれる。
【0114】
上記の変形例では、
図19の平面画像に係る表示タイミング(一のタイミング)の直後に
図20の平面画像に係る表示タイミング(他のタイミング)が到来する実施態様、
図20の平面画像に係る表示タイミングの直後に
図19の平面画像に係る表示タイミングが到来する実施態様のいずれも特定演出の実行態様になりうる旨を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、重畳部がラインの前後に出たり引っ込んだりを交互に繰り返す演出を特定演出として演出制御手段は実行可能である。換言すれば、一のタイミングから他のタイミングが連続して到来した後に、他のタイミングから一のタイミングが連続して到来する特定演出、または、他のタイミングから一のタイミングが連続して到来した後に、一のタイミングから他のタイミングが連続して到来する特定演出、の少なくとも一方が演出制御手段によって実行されてもよい。
【0115】
上記の実施形態の説明においては各図に図示する機能構成を前提として説明したが、本発明の各構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよい。従って、本発明の遊技機の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0116】
上記の実施形態の説明において複数のフローチャートを用いた。これらのフローチャートは、順番に記載された複数のステップを含むものであるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番やタイミングを、図示した一つの態様に限定するものではない。このため、本発明を実施するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数のステップの実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
【0117】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)当り遊技の当否を判定する当否判定手段と、演出図柄を変動表示させた後に前記演出図柄を停止表示させることによって前記当否判定手段による判定結果を報知する図柄変動演出を、動画表示部に表示させる演出制御手段と、を備え、特定の図柄変動演出の変動表示期間において、表示形態が線状であるラインが前記動画表示部に表され、前記特定の図柄変動演出における変動表示期間に含まれる一のタイミングに前記演出図柄の少なくとも一部である重畳部が前記ラインの後方に重畳して視認されるように表され、前記特定の図柄変動演出における変動表示期間に含まれ前記一のタイミングとは異なる他のタイミングに前記重畳部が前記ラインの前方に重畳して視認されるように表され、前記一のタイミングと前記他のタイミングとが連続していることを特徴とする遊技機。
(2)前記ラインは、図柄変動演出における前記演出図柄の変動方向に交差するように前記動画表示部に表示される(1)に記載の遊技機。
(3)前記動画表示部の表示領域上における前記ラインの表示位置が、前記一のタイミングにおいても前記他のタイミングにおいても共通である(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記ラインは、前記演出図柄が変動表示される以前から前記動画表示部に表示され、少なくとも表示されてから前記一のタイミングまたは前記他のタイミングのうち後の方が到来するまで表示位置が維持される(3)に記載の遊技機。
(a)前記演出制御手段は、少なくとも前記ラインが表示されている期間にわたって、前記動画表示部の表示領域の縁を示す縁部を当該動画表示部に表示させており、前記ラインと前記縁部とに包囲されている表示領域が複数であることをもって、前記動画表示部の表示領域が複数に分割されており、前記ラインと前記縁部とには双方に共通する装飾表示が含まれている(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(b)前記対象物は、前記特定演出の実行期間に表示される動画内で動作するキャラクターであり、前記キャラクターの一部である前記重畳部が、前記一のタイミングに前記ラインの後方に表され、前記他のタイミングに前記ラインの前方に表され、前記キャラクターのうち前記重畳部を除く部分が、前記一のタイミングにおいても前記他のタイミングにおいても前記ラインの後方に表される(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(c)前記一のタイミングから前記他のタイミングが連続して到来した後に、前記他のタイミングから前記一のタイミングが連続して到来する前記特定演出、または、前記他のタイミングから前記一のタイミングが連続して到来した後に、前記一のタイミングから前記他のタイミングが連続して到来する前記特定演出、の少なくとも一方が前記演出制御手段によって実行されることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(d)特定演出を実行する場合において動画表示部に動画を表示させる演出制御手段を備え、前記特定演出の実行期間に表示される動画には、当該動画表示部の表示領域上の表示位置が前記特定演出の実行期間にわたって不変である基準物と、表示形態が変化する対象物と、が表されており、前記特定演出の実行期間に含まれる一のタイミングに動画の一部として表示される平面画像には、前記対象物の少なくとも一部である重畳部が前記基準物の後方に重畳して視認されるように表され、前記特定演出の実行期間に含まれ前記一のタイミングとは異なる他のタイミングに動画の一部として表示される平面画像には、前記重畳部が前記基準物の前方に重畳して視認されるように表され、前記一のタイミングと前記他のタイミングとが連続していることを特徴とする遊技機。