特許第6595961号(P6595961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595961
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】段積集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/52 20060101AFI20191010BHJP
   B65G 57/30 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B65B35/52
   B65G57/30
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-179340(P2016-179340)
(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公開番号】特開2018-43763(P2018-43763A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2018年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】筒井 利和
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良平
【審査官】 村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−273427(JP,A)
【文献】 特開2003−026129(JP,A)
【文献】 実開昭57−181715(JP,U)
【文献】 特開昭59−001326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/52
B65G 57/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全周にわたって縁部を有する上部開放した容器に内容物が収納され、前記上部開放を蓋フィルムで覆うとともにその蓋フィルムの外周縁が前記縁部に熱シールされた状態の物品を、上下の向きを反転することなく前記物品の前記蓋フィルムの上に、別の前記物品の前記容器を載せるように上下に積み重ねる装置であって、
順次供給される前記物品の前記縁部を支持し、前記物品を上下方向に移動させて複数個を段積する段積バケット装置と、
前記段積バケット装置内に段積された前記物品を押送して搬出するフィンガーコンベア装置と、
前記フィンガーコンベア装置で押送される段積された複数の前記物品をそれぞれ搬送するための複数の搬送路と、
を備え、
前記フィンガーコンベア装置は、間欠移動する一対の前フィンガーと後フィンガーを備え、その一対の前フィンガーと後フィンガーは、前記段積バケット装置内で一時停止し、
前記段積バケット装置は、前記一時停止している前記前フィンガーと前記後フィンガーで挟まれる空間内で、前記物品を上下方向に移動して段積を行うようにし、
前記段積バケット装置内で一時停止した前記前フィンガーと前記後フィンガーは、前記段積バケット装置の外に移動して、段積された複数の前記物品を、それぞれ対応する前記搬送路上に移し替え、その搬送路上を移動させるようにし、複数の前記搬送路の搬出端から搬出される前記物品の前記容器が、一つ下に位置する前記物品の前記蓋フィルムの上に載ることで集積されるように構成したことを特徴とする段積集積装置。
【請求項2】
複数の前記搬送路の少なくとも一部は、傾斜するスロープガイドであり、
その複数の前記搬送路の搬入側の上下の間隔より、搬出側の上下の間隔を狭く構成したことを特徴とする請求項1に記載の段積集積装置。
【請求項3】
前記スロープガイドの傾斜角度を変更する角度調整装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の段積集積装置。
【請求項4】
前記搬送路の下方に搬送ベルトコンベア装置を配置し、
その搬送ベルトコンベア装置の搬送面の下流側は、前記搬送路の搬出端よりも下流側に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の段積集積装置。
【請求項5】
前記段積バケット装置は、前記物品を上昇移動させながら段積することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の段積集積装置。
【請求項6】
前記段積バケット装置の上流側に配置され、前記物品を搬送するコンベア装置を備え、
そのコンベア装置の搬送面を前記段積バケット装置内に位置させ、前記コンベア装置で搬送される前記物品をそのまま前記段積バケット装置内に供給するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の段積集積装置。
【請求項7】
前記物品は、レトルト食品であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の段積集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段積集積装置に関するもので、例えばレトルト米飯その他のレトルト食品等の縁付きのトレー状の容器に内容物が収納されるとともに上方開口部位を蓋フィルムで覆った物品を上下に積み重ねる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばレトルト米飯を複数個重ねた状態で包装する場合、包装機本体の上流側に例えば特許文献1などに開示された物品集積排出装置(段積集積装置)を配置した包装システムを構築する。そして、上流側から例えば一列で搬送されてくるレトルト米飯をその装置にて、上下に重ねて段積した後、その段積された集合物品を包装機本体に向けて排出し、包装機本体にて集合物品を包装フィルムで包み込み、所定部位をシールして包装体を製造する。
【0003】
特許文献1に開示された装置は、以下のような構成をとる。物品(X)の搬送コンベア(10)と、搬送コンベアから投入された物品を共通集積経路(12)内にて集積する一方、集積物品(Y)を排出位置に位置付ける集積コンベア(18)を備える。集積コンベアは一対の無端ベルト(22)を備え、これら無端ベルトは搬送コンベアの幅方向(左右)に互いに離間し、その一対の無端ベルトに集積半体(30h)をそれぞれ対向する位置に設ける。対向する集積半体により、物品の底面の左右両側を支持する集積座(30)を構成する。そして、特許文献1の第5図等に示すように、搬送コンベアの終端から共通集積経路内に物品投入されたとき、集積座は投入された物品を受け取ることができ、そして、物品の投入が繰り返される度に集積座を一段ずつ下降さることで、当該投入された物品はその前の処理で集積座の上に載せられた物品の上に集積され、集積物品(Y)が形成される。そして、所定数の物品が集積したところで集積座を搬出位置まで下降し、後方に待機しているプッシャ(38)を前進させて、集積座の上に載せられている集積品を包装機に向けて押し出すようにしている。なお、括弧書きの数字は、特許文献1で記載されている符号である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−205716
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された装置における集積・搬送対象の物品を、本発明の対象とするレトルト米飯等の物品に適用した場合、以下に示す問題が生じる。例えばレトルト米飯は、縁付きの上部開放したトレー内に米飯を充填供給し、上部開放した部位を蓋フィルムで覆うとともに、その蓋フィルムの周縁を、トレーの上端縁の全周に渡って外側に突出する縁部にシールして密封する包装形態をとっている。この際トレーに供給される米飯は炊きたてであるため温度が高く、トレー内のガスが膨張することで蓋フィルムが膨らむが、米飯が冷えるに連れて蓋フィルムの膨らみも減少していく。このため、米飯の冷却の程度によって、蓋フィルムがトレーの縁よりも上側に出っ張っていたり、面一になっていたり、下側にへこんでいたりする。その結果、レトルト米飯を上下に積み重ねると、安定性が悪く、倒れやすくなる。よって、集積品をプッシャで押し出すと、その押し出しの際に荷崩れを生じるおそれがある。
【0006】
上記の問題は、レトルト米飯等のレトルト食品に限らず、例えば、トレー状の容器の上部開口部位を蓋フィルムで覆った物品は、蓋フィルムが湾曲して窪むような場合、同様の問題を生じる。
【0007】
特に、積み重ねる物品の個数が多くなったり、物品の高さが高くなったりすると、係る問題は顕著になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の段積集積装置は、(1)全周にわたって縁部を有する上部開放した容器に内容物が収納され、前記上部開放を蓋フィルムで覆うとともにその蓋フィルムの外周縁が前記縁部に熱シールされた状態の物品を、上下の向きを反転することなく前記物品の前記蓋フィルムの上に、別の前記物品の前記容器を載せるように上下に積み重ねる装置であって、順次供給される前記物品の前記縁部を支持し、前記物品を上下方向に移動させて複数個を段積する段積バケット装置と、前記段積バケット装置内に段積された前記物品を押送して搬出するフィンガーコンベア装置と、前記フィンガーコンベア装置で押送される段積された複数の前記物品をそれぞれ搬送するための複数の搬送路と、を備え、フィンガーコンベア装置は、間欠移動する一対の前フィンガーと後フィンガーを備え、その一対の前フィンガーと後フィンガーは、前記段積バケット装置内で一時停止し、前記段積バケット装置は、前記一時停止している前記前フィンガーと前記後フィンガーで挟まれる空間内で、前記物品を上下方向に移動して段積を行うようにし、前記段積バケット装置内で一時停止した前記前フィンガーと前記後フィンガーは、前記段積バケット装置の外に移動して、段積された複数の前記物品を、それぞれ対応する前記搬送路上に移し替え、その搬送路上を移動させるようにし、複数の前記搬送路の搬出端から搬出される前記物品の前記容器が、一つ下に位置する前記物品の前記蓋フィルムの上に載ることで集積されるように構成した。フィンガーコンベア装置は、実施形態のオーバーヘッドコンベア装置28に対応する。搬送路は、実施形態のスロープガイド35や、搬送ベルトコンベア装置30の搬送面等に対応する。
【0009】
本発明によれば、段積バケット装置は、段積バケット装置内で待機している前フィンガーと後フィンガーの間の空間内に、物品を上下方向に移動して順次重ね、所定数を段積みする。段済み処理後、前フィンガーと後フィンガーが移動し、段積した各物品をそれぞれ対応する次段の搬送路に移し替える。そして、段積された複数の物品の前後に位置する前フィンガーと後フィンガーは、そのまま前進移動することで、各物品は、それぞれの搬送路の上を移動し、その後、搬送路から搬出される。そして、各搬送路から搬出された各物品は、一緒に搬送されてきた一つ下に位置する物品の上に乗り、複数個の物品が集積される。
【0010】
このように、前フィンガーと後フィンガーの間の空間内で物品の段積みが行われており、段積バケット装置から段積した複数の物品を押し出す後フィンガーは、段積された複数の物品に接触可能となり、複数の物品に対して全体的に押送するともに、押し出される物品の前方には前フィンガーが位置している。よって、段積バケット装置からの搬出、搬送路上の移動並びに搬送路から搬出して物品の上に他の物品を重ねるといった一連の処理を、処理対象の複数の物品が一対の前フィンガーと後フィンガーの間の空間内に挟み込んだ状態で行われるため、荷崩れしない。
【0011】
例えば、積み重ねた複数の物品を搬送する際に、プッシャなどで下方の物品のみを押すと、上の方に積み重ねられた物品が取り残されて荷崩れするおそれがあるが、本発明では、係る事態の発生を可及的に抑制できる。
【0012】
また、例えば、容器の上部開口を閉塞する蓋フィルムは、容器内の内容物の上面との位置関係等により、平坦にならないことがある。係る場合、複数の物品を上下に載せて積み重ねると、蓋フィルムの形状が不定で、物品を複数個積み重ねると、まっすぐに積み重ならず積み重ねた物品を全体で見ると湾曲する形態となり、安定せず、荷崩れしやすい状態となるが、本発明では前フィンガーと後フィンガーにより前後方向の荷崩れが抑制できる。
【0013】
(2)複数の前記搬送路の少なくとも一部は、傾斜するスロープガイドであり、その複数の前記搬送路の搬入側の上下の間隔より、搬出側の上下の間隔を狭く構成するとよい。このようにすると、例えば、搬送路の搬入側では、物品の高さよりも上下の搬送路の間隔を大きくすることで、各物品をスムーズに搬送路内に移し替えることができる。そして、各搬送路から搬出される物品が、一つ下の物品の上に乗る際の落下距離を短くすることができるので良い。特に、搬出側の間隔を、物品の高さとほぼ等しくすると、落下距離はほぼ0になるので、搬出して各物品の上に乗る際の衝撃も少なくなり、蓋フィルムが傷つくなどの容器・蓋フィルムの損傷を抑制できるので好ましい。
【0014】
(3)前記スロープガイドの傾斜角度を変更する角度調整装置を備えるとよい。このようにすると、処理対象の物品の高さに応じて傾斜角度を調整することで、異なる高さの物品に対応することができるので好ましい。
【0015】
(4)前記搬送路の下方に搬送ベルトコンベア装置を配置し、その搬送ベルトコンベア装置の搬送面の下流側は、前記搬送路の搬出端よりも下流側に位置するようにするとよい。このようにすると、最下方を移動する物品は、搬送ベルトコンベア装置の搬送面に対向した状態で移動し、スムーズに搬送ベルトコンベア装置上に移動する。さらに、その最下方を移動し搬送ベルトコンベア装置の上に乗って移動する物品の上に一緒に移動してきた他の物品が、積み重ねられる。よって、搬送路の搬出端よりも下流側に位置する搬送路の搬送面は、複数の物品が積み重ねられて集積された状態の物品群の搬送面となるので好ましい。
【0016】
(5)前記段積バケット装置は、前記物品を上昇移動させながら段積みするように構成すると良い。このようにすると、段積みする個数に関係なく、最下方の物品の搬送高さを一定にできるので好ましい。
【0017】
(6)前記段積バケット装置の上流側に配置され、前記物品を搬送するコンベア装置を備え、そのコンベア装置の搬送面を前記段積バケット装置内に位置させ、前記コンベア装置で搬送される前記物品をそのまま前記段積バケット装置内に供給するように構成するとよい。コンベア装置は、実施形態では、分離コンベア装置21に対応する。このようにすると、搬送コンベアが、物品を段積バケット装置まで搬送する機能と、その搬送してきた物品を段積バケット装置内の所望位置に供給・セットする機能を備える。よって、例えば
プッシャなどの別途の供給装置が不要となるので構成が簡略化するとともに、コンベア装置上を移動するだけで物品は所望位置にセットされるため、迅速に処理できる高速化に対応できるので好ましい。
【0018】
(7)前記物品は、レトルト食品とするとよい。レトルト食品は、特に実施形態のようにレトルト米飯とすると良い。例えばレトルト米飯は、米飯の温度によって蓋フィルムが膨らんだりへこんだりして形状が一定でない。そのため、レトルト米飯等のレトルト食品を上下に積み重ねると、安定性が悪く、荷崩れしやすくなるが、本発明では、前フィンガーと後フィンガーにより荷崩れが抑制されるので良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、レトルト米飯その他の物品を、荷崩れすること無く複数個を段積・集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る段積集積装置の好適な一実施形態を示す平面図である。
図2】その正面図である。
図3】その側面図である。
図4】段積バケット装置の概略構成を示す図である。
図5】段積処理時における前フィンガーと後フィンガーの機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0022】
本実施形態の段積集積装置における処理対象のレトルト米飯1は、トレー状の容器2内に、レトルト処理された状態の米等が収納されており、容器2の上部開放面が蓋フィルム3で被覆され、密封された状態となっている。容器2の上端は、外側に向けて突出した縁部2aが全周にわたって形成される。蓋フィルム3は、その外周縁が縁部2aと接触し、その接触部位にて熱シールされる。
【0023】
本実施形態の段積集積装置は、個々のレトルト米飯1を前後で接触してつながった状態の一列縦隊で搬送する第一搬送装置11から先頭のレトルト米飯1を1個ずつ取り出す切り出し搬送装置12と、切り出し搬送装置12で切り出されて搬出されたレトルト米飯1を上下に積み重ねる段積バケット装置13と、段積バケット装置13で積み重ねられた状態の所定数のレトルト米飯1を当該段積バケット装置13から取り出して第二搬送装置14上に集積する取出装置15等を備える。
【0024】
第一搬送装置11は、例えばベルトコンベア装置やスリップトルクコンベア装置で構成する。レトルト米飯1は、例えば前後に接触した状態でベルトコンベア装置のエンドレスベルトの上に置かれ、エンドレスベルトの回転に追従して前進移動する。
【0025】
切り出し搬送装置12は、第一搬送装置11の下流側に配置される分離コンベア装置21と、その分離コンベア装置21の搬入側近傍の左右両側に配置された一対のスターホイール22を備える。分離コンベア装置21は、例えばベルトコンベア装置から構成され、そのエンドレスベルト21aで構成される搬送路は、第一搬送装置11の搬送方向と同一直線上に配置する。よって、第一搬送装置11から搬出されるレトルト米飯1は、そのまま分離コンベア装置21上に順次移載し、分離コンベア装置21上を移動する。
【0026】
スターホイール22は、90度間隔で4つのホイール22aを有する。左右一対のスターホイール22は、同期して回転し、対となるホイール22a同士が、左右からレトルト米飯1を挟み込む。スターホイール22の回転に伴い、対となるホイール22aは、同期して公転移動し、レトルト米飯1を対となるホイール22aで下流側に向けて搬出する。例えばスターホイール22の回転数を速くしたり、間欠回転したりすることで、後続のレトルト米飯1から切り離し、ホイール22aから離れたレトルト米飯1は、その切り離された状態のまま分離コンベア装置21上を移動する。
【0027】
分離コンベア装置21の下流端側に、段積バケット装置13を配置する。段積バケット装置13は、分離コンベア装置21の搬送方向の左右両側において垂直平面内で回転するエンドレスベルト24と、そのエンドレスベルト24の回転駆動を案内するプーリ25と、エンドレスベルト24の外面に所定ピッチで取り付けられたバケット片26を備える。プーリ25は、仮想の直角三角形の頂点に配置し、3つのプーリ25にエンドレスベルト24を掛け渡す。3つのプーリ25は、下側に2個配置し、仮想の直角三角形の斜辺が、分離コンベア装置21に対して外側に位置する。これにより、左右のエンドレスベルト24の対向する面は、垂直面に位置し、当該垂直面が上昇するように所定のプーリ25を回転駆動する。左右のエンドレスベルト24に取り付けられた複数のバケット片26は、上記の垂直面を上昇移動する際、対向するバケット片26同士が同じ高さ位置を維持して上昇する。この同じ高さ位置にある一対のバケット片26が、レトルト米飯1の容器2の縁部2aを下側から支持し、バケット片26の上昇に伴い当該支持したレトルト米飯1を上昇移動させる。
【0028】
さらに下側の2個のプーリ25の高さ位置は、分離コンベア装置21のエンドレスベルト21aによる搬送面よりも所定距離上方に位置する。これにより、例えば、図4に示すように、分離コンベア装置21上を移動するレトルト米飯1が段積バケット装置13の設置位置に到ると、エンドレスベルト24の回転に伴い公転移動する所定のバケット片26が、分離コンベア装置21の搬送面となるエンドレスベルト21a上に直接載っているレトルト米飯1の容器2の縁部2aに接近し(図4(a))、その後、左右のバケット片26が当該縁部2aに接触して支持し(図4(b))、上昇させる(図4(c))。このようにして、段積バケット装置13内において複数のレトルト米飯1を上下に段積みする。
【0029】
本実施形態の段積集積装置は、図4(a)に示すようにエンドレスベルト21aにより前進移動するレトルト米飯1が段積バケット装置13の設置位置に至ると、レトルト米飯1の前進移動が一時停止し、バケット片26による支持・上昇移動を待つ一時停止機能を備える。一時停止機能を設けると、レトルト米飯1が水平方向に移動せずに停止した状態で、下方からバケット片26がレトルト米飯1の容器2の縁部2aに接触し持ち上げることができるので、当該接触して持ち上げる際に、レトルト米飯1にストレスがかからずに位置ずれすること無くスムーズに上昇させることができるので好ましい。
【0030】
係る一時停止機能は、例えば、レトルト米飯1の位置に応じて分離コンベア装置21のエンドレスベルト21aの回転を一時停止するようにしたり、段積バケット装置13の下流側にエンドレスベルト21aの搬送路を遮るストッパー部材を配置し、レトルト米飯1が当該ストッパー部材に接触して前進移動を抑止されることで段積バケット装置13の位置で停止するようにしたりする構成を採ると良い。ストッパー部材を用いると、分離コンベア装置21は連続運転させても所望の位置でレトルト米飯1を一時停止できるので、分離コンベア装置21の運転制御が簡単になるので良い。
【0031】
また本実施形態におけるバケット片26の配置ピッチは、処理対象のレトルト米飯1の最大高さと同じかそれ以上に設定する。これにより、高さの異なるレトルト米飯1に対しても、バケット片26のピッチを調整すること無く同じ構成の段積バケット装置13により対応し、段積することができるので良い。
【0032】
好ましくは、バケット片26の配置ピッチは、処理対象のレトルト米飯1の最大高さよりも一定のマージンを設けて広くすると良い。すなわち、レトルト米飯1は、容器2の縁部2aの形状も安定せず、水平に延びずに上方や下方に向けて傾斜することがあり、縁部2aを支持して昇降する段積バケット装置13を用いると、各バケット片26で支持されるレトルト米飯1の上下の相対位置が、バケット片26の配置ピッチとずれるおそれがある。バケット片26の配置ピッチを広く設定しておくことで、最大高さのレトルト米飯1を段積した際、縁部2aの変形があっても上下のレトルト米飯1が接触するのを抑制できるので良い。
【0033】
さらに本実施形態では、段積バケット装置13はレトルト米飯1を上昇移動しながら段積みするようにしたため、段積バケット装置13内へのレトルト米飯1の搬入高さ位置と、分離コンベア装置21におけるレトルト米飯1の搬送高さを等しくし、分離コンベア装置21の下流端を段積バケット装置13内に位置させるようにした。これにより、分離コンベア装置21にて搬送されるレトルト米飯1は、そのまま段積バケット装置13内の所望の搬入位置に位置される。よって、分離コンベア装置21上のレトルト米飯1を段積バケット装置13内に供給するプッシャその他の供給装置が不要となる。
【0034】
また、段積バケット装置13は、分離コンベア装置21のエンドレスベルト21a上に置かれているレトルト米飯1を持ち上げるようにしたため、レトルト米飯1の高さに関係なく、段積バケット装置13は同じ動きでレトルト米飯1を持ち上げることができるとともに、レトルト米飯1もエンドレスベルト21a上で待っている状態から持ち上げられるので、ストレスが無く損傷等も生じないので良い。
【0035】
取出装置15は、段積されたレトルト米飯1を搬送するオーバーヘッドコンベア装置28と、その段積されたレトルト米飯1の搬送路を形成するスロープガイド装置29及び搬送ベルトコンベア装置30等を備える。搬送ベルトコンベア装置30は、スロープガイド装置29の設置領域並びにそれよりも下流側に突出させた領域に渡って形成する。
【0036】
オーバーヘッドコンベア装置28は、前後に配置されたプーリ31と、そのプーリ31に掛け渡された段付きベルト32と、その段付きベルト32の外面に取り付けられた複数組の前フィンガー33と後フィンガー34を備えて構成される。前フィンガー33と後フィンガー34は、それぞれ段付きベルト32のベルト面に対し、直交する方向に延びるように取り付けられる。また、対を構成する前フィンガー33と後フィンガー34の間隔tは、レトルト米飯1の前後長t1に応じた長さとしている(図5等参照)。前後長に応じた長さは、例えば当該前後長とほぼ等しい長さである。
【0037】
上記の構成のオーバーヘッドコンベア装置28は、間欠駆動する。そして、対を構成する所定の前フィンガー33と後フィンガー34が、段積バケット装置13の設置位置に位置するタイミングで一時停止する。つまり、一時停止している前フィンガー33と後フィンガー34は、上昇移動するバケット片26の前後に位置する(図5等参照)。さらに、係る段積バケット装置13に位置する前フィンガー33と後フィンガー34の先端は、分離コンベア装置21のエンドレスベルト21aの搬送面から所定距離以上上方に離れた位置に設定している。この所定距離は、少なくともレトルト米飯1の高さhよりも長い距離にしている。これにより、段積バケット装置13内に一対の前フィンガー33と後フィンガー34が一時停止して待機している状態でも、分離コンベア装置21のエンドレスベルト21a上のレトルト米飯1は、後フィンガー34の下を通過して前フィンガー33と後フィンガー34の間に位置する。
【0038】
また、レトルト米飯1は、分離コンベア装置21の搬送方向の左右両側がバケット片26により支持されて、段積バケット装置13内を上昇移動するが、この上昇移動する際、レトルト米飯1は、前フィンガー33と後フィンガー34との間の空間内を移動する。よって、レトルト米飯1の当該搬送方向の前後が、前フィンガー33と後フィンガー34によりガイドされて上昇する。よって、レトルト米飯1は、当該前後方向の移動は抑止され、前後方向を含め水平面内での位置ずれをすること無く、安定して上昇する。
【0039】
さらに、本実施形態では、前フィンガー33は、左右方向に所定の間隔を置いて平行に配置した2枚のフィンガー片33aを、連結部材33bで連結して構成され、レトルト米飯1の前面側の2カ所に接触するようにしている。同様に、後フィンガー34は、後フィンガー34は、左右方向に所定の間隔を置いて平行に配置した2枚のフィンガー片34aを、連結部材34bで連結して構成され、レトルト米飯1の後面側の2カ所に接触するようにしている。このように、前後2箇所ずつで接触することで、レトルト米飯1を安定してガイドすることができる。
【0040】
段積バケット装置13内に所定数のレトルト米飯1が段積みされたら、一時停止している前フィンガー33と後フィンガー34は、前進移動を開始し、後フィンガー34にて上下に段積している所定数のレトルト米飯1を押送し、段積バケット装置13から次段のスロープガイド装置29側に搬出する。
【0041】
スロープガイド装置29は、段積された複数のレトルト米飯1の搬送路を構成する複数のスロープガイド35と、スロープガイド35の傾斜角度を調整する角度調整装置36を備える。スロープガイド35は、左右一対のL字プレートから構成される。L字プレートの水平面が、レトルト米飯1の容器2の縁部2aを受ける下方傾斜状の搬送路となる。左右一対のL字プレートの水平面の先端同士の距離は、レトルト米飯1の容器2の幅とほぼ等しくし、スロープガイド35上にレトルト米飯1が置かれた状態では、L字プレートの水平面の先端は、容器2の側面に近接した状態となる。これにより、搬送路に沿って前進移動するレトルト米飯1の左右方向の移動を抑止し、スムーズに前進移動するようにしている。
【0042】
スロープガイド35の上流側端部35aは、段積バケット装置13の近傍に位置させ、所定の機枠等に回転可能に軸受け支持させる。スロープガイド35の上流側端部35aは、段積バケット装置13のバケット片26の配置ピッチと等間隔に配置する。これにより、所定数のレトルト米飯1を段積した段積バケット装置13のバケット片26が一時停止すると、各バケット片26で支持されているレトルト米飯1は、各スロープガイド35に対向する。よって、そのバケット片26が一時停止した状態で、オーバーヘッドコンベア装置28の前フィンガー33と後フィンガー34が前進移動すると、各バケット片26に支持された各レトルト米飯1は、それぞれが対向する各スロープガイド35上に移動する。
【0043】
そして、バケット片26の一時停止する位置は、レトルト米飯1の容器2の縁部2aの位置が、スロープガイド35を構成するL字プレートの水平面の高さ位置に合うようにすると良い。具体的には、例えば、バケット片26の上面が、スロープガイド35の上流側端部35aの当該L字プレートの水平面(上面)とほぼ等しい高さ位置にすると良い。このようにすると、後フィンガー34により段積バケット装置13から押し出されたレトルト米飯1は、スムーズにスロープガイド装置29上に移し替えられ、移し替え時の段差による落下供給などによる衝撃を受けることがないので好ましい。
【0044】
さらに各レトルト米飯1は、各後フィンガー34により押されてスロープガイド35に沿って前進移動する。スロープガイド35は、下方傾斜状になっているので、各スロープガイド35上を移動するレトルト米飯1は、前進移動しながら下降する。さらに、複数のスロープガイド35の傾斜角度は、上側ほど大きくしている。これにより、上下に段積された複数のレトルト米飯1は、単位長さ前進移動したときの下降移動距離は、上にあるものほど大きくなる。よって、下流側に行くほど、上下のレトルト米飯1の距離は接近する。また、レトルト米飯1の前側には、前フィンガー33が位置しているため、レトルト米飯1の前進移動の際に、レトルト米飯1が後フィンガー34の移動速度よりも速く前方に移動することが抑止される。よって、複数のレトルト米飯1は、上下方向に一直線上に配置・整列された状態で前進移動する。
【0045】
さらに本実施形態では、角度調整装置36を備えており、各スロープガイド35の傾斜角度を変更可能としている。係る傾斜角度は、レトルト米飯1の高さに合わせて調整する。具体的には、各スロープガイド35の下流側端部35bの配置ピッチが、レトルト米飯1の高さにほぼ等しい距離に設定する。これにより、各スロープガイド35から搬出されるレトルト米飯1は、上下に近接した状態となり、スムーズに直下のレトルト米飯1の上に乗ることができ、荷崩れを可及的に抑制できる。そして、レトルト米飯1が一つ下のレトルト米飯1の上に乗る際に、落下に伴う衝撃もほとんど無く、上側のレトルト米飯1の容器2の底で、下側のレトルト米飯1の蓋フィルム3を傷つけるおそれも無くなるので良い。
【0046】
角度調整装置36は、本実施形態ではパンタグラフのようなリンク機構を備える伸縮装置を用いる。リンク機構を構成するリンク36aの中央同士を接続するピン継ぎ手36bの部分を、各スロープガイド35を構成するL字プレートの垂直面に連結する。連結箇所は、下流側近くの適宜位置としている。これにより、リンク機構が伸縮することで、スロープガイド35のピン継ぎ手36bに連結された部位が昇降し、当該スロープガイド35は、上流側端部35aを中心に正逆回転し、傾斜角度が変化する。よって、本実施形態では、異なる高さのレトルト米飯1に対しても、傾斜角度を調整することで、荷崩れや傷など付けること無く各レトルト米飯1の上に順次載せて集積することができる。
【0047】
搬送ベルトコンベア装置30は、上流側は、スロープガイド35の上流側端部35aと同様に段積バケット装置13の近くに位置させ、搬出部となる下流側は、スロープガイド装置29の下流端からさらにレトルト米飯1の前後長さ分程度突出させた範囲に位置させる。段積バケット装置13で段積された複数のレトルト米飯1のうちの最下方位置にあるレトルト米飯1は、複数のスロープガイド35のうちの最下方のスロープガイド35のL字プレートで支持され、レトルト米飯1の底面が、搬送ベルトコンベア装置30の搬送面に対向する。本実施形態では、複数の異なる高さのレトルト米飯1に対応しており、処理対象の最大高さのレトルト米飯1が当該最下方のスロープガイド35に支持された際に、そのレトルト米飯1の底面は、搬送ベルトコンベア装置30の搬送面に近接或いは接触するようにしている。最大高さ以外のレトルト米飯1が最下方のスロープガイド35に支持された状態では、搬入側においては、レトルト米飯1の底面は、レトルト米飯1の高さに応じて搬送ベルトコンベア装置30の搬送面から離れて上方に位置する。
【0048】
搬送ベルトコンベア装置30は、オーバーヘッドコンベア装置28と同期して回転駆動し、搬送ベルトコンベア装置30の移動速度は、前フィンガー33と後フィンガー34の移動速度と等しくしている。また、本実施形態では、処理対象のレトルト米飯1が、最大高さの場合、角度調整装置36により角度が適宜に調整された状態では、最下方のスロープガイド35は、水平状態になる。これにより、例えば最大高さのレトルト米飯1を搬送する場合であって、最下方のレトルト米飯1の底面が搬送ベルトコンベア装置30の搬送面に接触している場合、当該レトルト米飯1は、搬送ベルトコンベア装置30と後フィンガー34の両方から搬送力を受け、前進移動する。また、最下方のレトルト米飯1が最大高さ以外の場合、スロープガイド35は下方傾斜しており、搬入側においてレトルト米飯1の底面と、それに対向する搬送ベルトコンベア装置30の搬送面との距離は、下流側に移動するにつれて徐々に接近する。そして、この下流側に移動する際、レトルト米飯1の底面は、搬送面の同じ位置に対向した状態のまま移動する。
【0049】
そして、スロープガイド装置29の設置領域を過ぎた最下方のレトルト米飯1は、スロープガイド35の支持から離脱し、搬送ベルトコンベア装置30の搬送面上を移動する。レトルト米飯1の高さを問わずスロープガイド35の搬出側ではレトルト米飯1の底面と搬送ベルトコンベア装置30の搬送面とは接触或いは近接しているので、レトルト米飯1は、スムーズに搬送面上に移る。さらにこの最下方のレトルト米飯1の上には、スロープガイド装置29から搬出される所定数のレトルト米飯1が乗る。以後、上下に接触した状態で積み重ねられた複数のレトルト米飯1は、搬送ベルトコンベア装置30の搬送力を受けて前進移動する。この前進移動する際、本実施形態では、前フィンガー33と後フィンガー34が、集積された複数のレトルト米飯1を前後から挟んだ状態で移動する。よって、集積された複数のレトルト米飯1は、荷崩れなど起こすこと無く搬送ベルトコンベア装置30に沿って前進移動する。また、スロープガイド装置29の下流側の搬送ベルトコンベア装置30の左右両側には、ガイド壁38が配置される。このガイド壁38により、集積された複数のレトルト米飯1が左右方向に荷崩れすることも抑制される。
【0050】
搬送ベルトコンベア装置30の下流側端部と、第二搬送装置14上との間には、渡り板部40が設けられる。前フィンガー33と後フィンガー34は、第二搬送装置14の設置領域まで、レトルト米飯1を挟んだ状態で進む。これにより、集積された複数のレトルト米飯1は、前フィンガー33と後フィンガー34により安定した集積した姿勢を保持しながら渡り板部40から第二搬送装置14上に進む。
【0051】
第二搬送装置14は、搬送ベルトコンベア装置30の搬送方向に対して直交する方向に搬送するバケットコンベアを有する。上述したようにオーバーヘッドコンベア装置28の前フィンガー33と後フィンガー34で搬送される集積された複数のレトルト米飯1は、当該バケットコンベアのバケット内に位置し、その状態でバケットコンベアのバケットが前進移動する。これにより、集積された複数のレトルト米飯1は、第二搬送装置14を構成するバケットコンベアのバケットにてオーバーヘッドコンベア装置28の搬送方向に対して直交する方向に搬送され、前フィンガー33と後フィンガー34から離れる。また、第二搬送装置14の下流側には、バケットコンベアの上方に複数の押送フィンガーを備えたコヤグラコンベアを配置する。バケットコンベアで直交方向に搬送したあと、集積された複数のレトルト米飯1をコヤグラコンベアで横方向に引き出し、包装機本体の供給コンベアに送り出す。このように、集積した複数のレトルト米飯1を順次供給し、当該包装機本体にて集積した複数のレトルト米飯1を包装する。
【0052】
上述した実施形態では、角度調整装置36を設け、スロープガイド35の傾斜角度を調整可能にしたが、本発明はこれに限ることはなく、角度調整装置36を設けずにスロープガイド35の傾斜角度を固定として良い。但し、実施形態のように傾斜角度を調整可能とすると、異なる高さのレトルト米飯1であっても、それぞれ適切な傾斜角度にすることができるので好ましい。
【0053】
段積バケット装置13か搬出された物品の搬送路として下方傾斜状のスロープガイド35を用いたが、本発明はこれに限ることは無く、水平面状の搬送路としても良い。但し、実施形態のように傾斜させた方が、搬送路・スロープガイド35から搬出されたレトルト米飯1が、一つ下のレトルト米飯1の上に乗る際に、落下距離を少なくできるので好ましい。
【0054】
また、上述した実施形態では、段積バケット装置13では、レトルト米飯1を上昇移動させながら段積みさせるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、下降移動させながら段積みさせても良い。但し、実施形態のように、上昇移動させる方が、段積する個数に関係なく最下方のレトルト米飯1の搬送面を一定にできるので好ましく、また、段積みバケット装置に対して搬送してくるレトルト米飯1の搬送面の高さと、段積した最下方のレトルト米飯1の搬送面の高さの高低差を少なくできるので好ましい。
【0055】
上述した実施形態では、最下方のスロープガイド35が、他のスロープガイド35と同様に角度調整可能に構成したが、本発明はこれに限ることはなく、最下方のスロープガイドは角度調整せずに固定設置したものとしても良い。また、上述した実施形態では、最下方のスロープガイド35は、処理対象のレトルト米飯1が最大高さの場合、水平状態に設定したが、本発明はこれに限ることはなく、下方傾斜状にしても良い。下方傾斜状にすることで、レトルト米飯1のスロープガイド35上への搬入がスムーズに行えるので良い。一方、実施形態のように水平にすると、各スロープガイド35の傾斜角度を緩やかにできるので良い。すなわち、複数のスロープガイド35は、最下方のスロープガイド35をベースに上に行くほど角度が大きくなる。そこで、水平、すなわち、0度をベースとすることで、傾斜角度が急になるのを抑制できるのでよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、処理対象の物品はレトルト米飯1について説明したが、本発明はこれに限ることは無く、他のレトルト食品や、その他の物品に適用できる。但し、レトルト食品、特にレトルト米飯は、蓋フィルムの形状が不定となるので、集積した際に荷崩れを起こしやすいという課題が顕著に出るので、本発明を好ましく適用できるので良い。
【0057】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0058】
1 レトルト米飯
11 第一搬送装置
12 切り出し搬送装置
13 段積バケット装置
14 第二搬送装置
15 取出装置
28 オーバーヘッドコンベア装置
29 スロープガイド装置
30 搬送ベルトコンベア装置
33 前フィンガー
34 後フィンガー
35 スロープガイド
36 角度調整装置
図1
図2
図3
図4
図5