(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との前記反応器熱リンケージが、燃焼熱を、前記酸素燃焼反応器から、前記酸素燃焼反応器において形成される煙道ガスから、前記燃焼熱によって加熱される熱水もしくは蒸気から、またはそれらの組み合わせから、前記アンモニア合成ユニットに燃焼熱を伝達する、ボイラーループを備える、請求項1に記載の酸素燃焼システム。
前記精製アンモニア流が、前記煙道ガス処理システムと流体連通しており、前記煙道ガスから汚染物質を除去するために、前記アンモニア分離ユニットにおいて分離される前記アンモニアの少なくとも一部分が、前記煙道ガス処理システムにおいて使用される、請求項1に記載の酸素燃焼システム。
前記二酸化炭素捕捉ユニットにおいて捕捉される二酸化炭素及び前記精製アンモニア流の中の前記アンモニアから尿素流を生成するために尿素を合成する、尿素合成ユニットを更に備える、請求項1に記載の酸素燃焼システム。
前記尿素流及び前記精製アンモニア流のうちの少なくとも1つが、前記煙道ガス処理システムと流体連通しており、前記精製アンモニア流の中の前記アンモニアの少なくとも一部分、または前記尿素流の中の前記尿素の少なくとも一部分、または双方が、前記煙道ガス処理システムにおいて前記煙道ガスから汚染物質を除去するために使用される、請求項5に記載の酸素燃焼システム。
前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との前記反応器熱リンケージが、燃焼熱を、前記酸素燃焼反応器から、前記酸素燃焼反応器において形成される煙道ガスから、前記燃焼熱によって加熱される熱水もしくは蒸気から、またはそれらの組み合わせから、前記アンモニア合成ユニットに燃焼熱を伝達する、ボイラーループを備え、
前記熱エネルギーを伝達するステップが、前記燃料混合物を燃焼させ、前記アンモニアが合成されている間に、前記ボイラーループを通して熱伝達流体を循環させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
炭素に束縛された世界では、エネルギー効率及びCO
2の捕捉が、持続可能な未来のためにCO
2排出物を制御する際に大きな役割を果たす。エネルギーに対する世界的な要求の高まりは、環境保護の推進と絶えず対立した状態にある。この問題の組み合わせは、エネルギー効率が良いだけでなく、CO
2及び汚染物質の排出物も低減させるシステムの継続的な開発を必要とする。エネルギー効率の良いシステムは、多くの場合、システムの統合及びエネルギー束の管理の成果である。
【0003】
CO
2の捕捉を伴う酸素燃焼は、CO
2を捕捉し、数多くの汚染物質を防止しながら、燃料と純酸素とを燃焼させる手法である。酸素燃焼は、燃料を燃焼させるために実質的に純酸素を使用し、煙道ガスが実質的に窒素を含まない状態にし、主に、CO
2及び水を廃棄物または煙道ガスとして伴う。次いで、最小のエネルギーペナルティで水を凝縮させ、CO
2流を回収するために、煙道ガスを冷却することが可能である。窒素分子及び酸素分子の存在下での典型的な燃焼過程は、酸化窒素(NO
x)、すなわち、世界中で排出物の法制化につながっている有害な汚染物質を発生させる。
【0004】
大部分の化石燃料はまた、これらの燃料が燃焼または酸化したときに酸化硫黄(SO
x)汚染物質の形成につながる、硫黄化合物も含有する。精製装置流において、精製装置において生成される水素は、液体燃料を水素処理し、例えば、硫黄含有率を低減させるために使用することができる。また、燃焼後のSO
xの除去のために、複数の過程も存在する。例えば、煙道ガス流の中へのアンモニア注入が、NO
x及びSO
x排出物を低減させることが分かっている。それでも、そのような燃焼後の過程では、アンモニアを購入しなければならず、またはエネルギーコスト及び財政コストの双方において別個の供給源から取り出さなければならない。
【0005】
高められたエネルギー効率で動作し、また、CO
2などの温室効果ガスならびにNO
x及び/またはSO
xなどの汚染物質の有害排出物の生成をより少なくする、燃料燃焼システムに対する継続的な必要性が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼システムの実施形態は、
図1〜
図3を参照して説明される。いくつかの実施形態によれば、酸素燃焼システム1、2、3は、空気送給物流100を酸素流101及び窒素流500に分離する、空気分離ユニット10を含むことができる。酸素燃焼システム1、2、3はまた、アンモニアならびに随意に未反応の窒素及び水素を含有する粗製アンモニア流501を形成するために、水素送給物流600からのアンモニア及び空気分離ユニット10からの窒素流500を合成する、アンモニア合成ユニット50も含むことができる。酸素燃焼システム1、2、3は更に、精製アンモニア流503を形成するために、アンモニア合成ユニット50において形成される粗製アンモニア流501を凝縮し、任意の未反応の窒素及び水素からアンモニアを分離する、アンモニア分離ユニット51を含むことができる。酸素燃焼システム1、2、3は更に、例えば水を加熱し、熱水または水蒸気を形成するために使用することができる燃焼熱を発生させるために、空気分離ユニット10からの酸素流101の存在下で、燃料送給物流200からの燃料を燃焼させる、酸素燃焼反応器20を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱統合が酸素燃焼システムの中に存在する。少なくとも1つの熱統合を、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952、空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951、または双方から選択することができる。
【0012】
酸素燃焼システムの一実施形態は、
図1において提供される。空気分離ユニット10は、空気送給物流100を酸素流101及び窒素流500に分離する。空気分離ユニット10は、空気の窒素成分及び酸素成分を酸素流101及び窒素流500などの別個の流れに分離することができる、任意のタイプの装置を含むことができる。例えば、空気分離ユニット10は、極低温蒸留装置を含むことができ、そこでは、酸素、窒素などの空気の成分ならびに不活性ガス及び二酸化炭素などの他の微量成分が選択的に蒸留されるまで、空気が冷却され、液化される。全般的に、極低温蒸留装置は、冷凍サイクルを必要とし、それによって、熱エネルギーまたは熱を空気から除去し、装置から廃棄しなければならない。圧力スイング吸着法、真空スイング吸着法、または膜技術を用いるような、空気の液化を含まない他の分類の分離装置もまた、空気分離ユニット10として使用することができる。そのようなタイプの分離装置によって使用される過程の熱力学もまた、熱の廃棄を含む。空気分離ユニット10を出る酸素流101は、酸素が富化され、空気よりも高い酸素の体積含有率を有し、約21体積%の酸素を含有する。いくつかの例示的な実施形態において、酸素流101は、25体積%を超えるO
2、40体積%を超えるO
2、50体積%を超えるO
2、60体積%を超えるO
2、70体積%を超えるO
2、または75体積%を超えるO
2を含有することができる。更なる例示的な実施形態において、酸素流101は、例えば、80体積%〜100体積%のO
2、90体積%〜100体積%のO
2、95体積%〜100体積%のO
2、または95体積%〜99.9体積%のO
2などの、純酸素または実質的に純酸素とすることができる。酸素流101の正確な酸素含有率は、空気分離ユニット10の動作パラメータ及び構成に基づいて調整可能とすることができ、また、酸素燃焼反応器20の動作上の必要性に基づいて選択することもできる。随意に、燃料を燃焼させるためのバーナーを含む酸素燃焼反応器20のチャンバの中などの、酸素燃焼反応器20において、噴霧化源800から酸素流101に噴霧化媒体を加えることができる。一実施形態において、噴霧化媒体は、例えば、蒸気または二酸化炭素を含むことができる。噴霧化媒体は、酸素燃焼反応器20における燃料のより完全でより効果的な燃焼を促進することができる。空気分離ユニット10を出る窒素流500は、例えば、80体積%〜100体積%のN
2、90体積%〜100体積%のN
2、95体積%〜100体積%のN
2、または95体積%〜99.9体積%のN
2などの、純窒素または実質的に純窒素とすることができる。
【0013】
アンモニア合成ユニット50は、ハーバー法、改良されたハーバー法、または任意の他の工業用アンモニア合成過程を使用して水素及び窒素からアンモニアを合成する、任意の工業規模の装置または容器とすることができる。ハーバー法によれば、水素及び窒素からのアンモニア合成は、高圧(例えば、15MPa〜25MPa)及び高温(例えば、300℃〜550℃)で、1つ以上の触媒床を通じて行うことができる。水素送給物源600の水素は、独立した供給源から供給することができ、または酸素燃焼システム1が使用されている精製装置の他の部分における石油関連の過程により取り出すことができる。水素及び窒素のアンモニアへの変換反応は、発熱であり、熱は、反応器床において発生する。それでも、窒素及び水素を反応温度まで加熱するために、初期熱が必要である。アンモニア合成ユニット50を通る水素送給物源600からの水素及び窒素流500からの窒素の1回の通過は、一般的に、供給源ガスのアンモニアへの完全な変換をもたらさない。よって、アンモニア分離ユニット51に送給される粗製アンモニア流501が形成される。粗製アンモニア流501は、アンモニア、未反応の窒素及び/または水素、ならびに潜在的に、水素流500の中に存在し得る空気から取り出される少量の他のガスを含有する。
【0014】
アンモニア分離ユニット51は、アンモニア合成ユニット50において形成される粗製アンモニア流501の少なくとも一部分を凝縮し、粗製アンモニア流501の中に存在する任意の未反応の窒素及び水素または他のガスからアンモニアを分離し、そして、アンモニアを精製アンモニア流503の中へ導く。いくつかの実施形態において、アンモニア分離ユニット51は、粗製アンモニア流501の中のアンモニアだけを凝縮する。アンモニア合成反応の変換率が低いので、液体アンモニアを凝縮し、回収するために、粗製アンモニア流501をアンモニアの沸点(約−33℃)未満まで冷却し、その後に、全体的な変換率を高めるために、ガス状態のままである粗製アンモニア流501の水素、窒素、及び/または他の成分を、再循環ライン502を通して再循環させて、アンモニア合成ユニット50に戻すことができる。アンモニアを凝縮するために、アンモニア分離ユニット51において粗製アンモニア流501から熱を除去するための低温シンクが必要である。いくつかの実施形態において、精製アンモニア流503は、アンモニア回収流505及びアンモニア洗浄流504に分割することができる。アンモニア回収流505の中のアンモニアは、酸素燃焼システム1の外部での任意の更なる目的のために収集するか、または使用することができる。アンモニア洗浄流504の中のアンモニアは、下で更に詳細に説明されるように、煙道ガスから汚染物質を除去するために使用することができる。他の実施形態において、精製アンモニア流503は、分割されない場合があり、また、アンモニア回収流505を通して収集するためだけ、またはアンモニア洗浄流504を通して煙道ガスを洗浄するためだけに使用される場合がある。
【0015】
酸素燃焼反応器20は、燃焼熱を発生させるために、空気分離ユニット10からの酸素流101の存在下で、燃料送給物流200からの燃料を燃焼させる。酸素燃焼反応器20は、純酸素または実質的に純酸素の中で燃料が燃えるときに到達する温度で燃料を燃焼させるのに適している、任意の装置とすることができる。例示的な実施形態において、燃料は、例えば天然ガスなどの任意のタイプの化石燃料、または任意のタイプの可燃性バイオマスとすることができる。富化酸素の中で、例えば空気よりも高い酸素の体積含有率(約21体積%)を有する酸素流101の中で、純酸素の中で、または実質的に純酸素の中で燃料を燃焼させることは、一般的に、発生する汚染物質がより少なく、煙道ガスの主な成分は、CO
2及びH
2Oである。また、煙道ガスに窒素が存在しない、または実質的に存在しないので、NO
x汚染物質が大幅に低減される。いくつかの実施形態において、酸素燃焼反応器20は、ボイラーとすることができ、よって、燃料の燃焼によって発生する燃焼熱を、例えば水などの流体を加熱するために、または気化させるために使用することができる。次いで、高温のまたは気化した液体(例えば、熱水または蒸気など)を、例えばタービンなどの発電システムにエネルギーを提供するために、または下で更に詳細に論じるように、酸素燃焼システム1自体の熱統合を提供するために、酸素燃焼システム1の他の外部で燃焼熱を伝達するために使用することができる。
【0016】
酸素燃焼システム1は更に、少なくとも1つの熱統合を含む。上で説明されるように、酸素燃焼システム1の種々の動作は、熱を生成するか、または熱を必要とする。例えば、酸素燃焼反応器20における燃料の燃焼は、相当量の熱を生成する。一方で、アンモニア合成ユニット50におけるアンモニアの合成は、窒素及び水素を反応温度まで上昇させるための熱を必要とする。同様に、空気分離ユニット10における空気の分離は、蒸留過程中に、液体窒素の沸点(78K、−195℃)よりも低い温度から液体空気を加温することを含むことができる。一方で、アンモニア分離ユニット51における粗製アンモニア流501からのアンモニアの凝縮は、粗製アンモニア流501の温度をアンモニアの沸点(約−33℃)まで下げるために、粗製アンモニア流501から熱を破棄する必要がある。酸素燃焼システム1の少なくとも1つの熱統合は、余分な熱を有する1つの構成要素が、追加的な熱が必要な構成要素に余分な熱を提供することを可能にするために、または別の意味において、既に冷たい1つの構成要素が、別の熱い構成要素がより冷たくなるのを補助することを可能にするために、または既に熱い1つの構成要素が、別のより冷たい構成要素がより熱くなることを補助することを可能にするために、酸素燃焼システム1の種々の構成要素の熱の必要性を利用する。
【0017】
いくつかの実施形態において、酸素燃焼システム1の少なくとも1つの熱統合は、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952を含むことができる。反応器熱リンケージ925、952は、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との間の熱連通を確立するための、任意の工業的に実現可能な機構として構成することができる。具体的には、反応器熱リンケージは、燃料の燃焼中に酸素燃焼反応器20によって生成される燃焼熱を、アンモニア合成ユニット50に向かって導くための機構を提供し、該機構は、窒素流500からの窒素及び水素送給物流600からの水素を、アンモニアの合成を行うのに適している温度にするために熱を必要とする。いくつかの実施形態において、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952は、アンモニア合成ユニット50に熱を伝達するボイラーループとすることができる。ボイラーループの中へ入る燃焼熱は、酸素燃焼反応器20自体から(酸素燃焼反応器20の中のチャンバなどから)、酸素燃焼反応器20の中に形成される煙道ガスから、酸素燃焼反応器20によって加熱された任意の熱水または蒸気の少なくとも一部分から、またはそれらの組み合わせから得ることができる。ボイラーループは、酸素燃焼反応器20から熱を受け取り、次いで、その熱をアンモニア合成ユニット50に廃棄する、例えば水などの熱伝達流体を含有することができる。ボイラーループとの間の熱伝達は、熱交換器のフィンまたはコイルを通すなどの、任意の実用的な手段によって達成することができる。ボイラーループの中の熱伝達流体は、例えばポンプによるなどの、任意の実用的な手段によってボイラーループ内を循環させることができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、酸素燃焼システム1の少なくとも1つの熱統合は、空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951を含むことができる。分離器熱リンケージ915、951は、空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との間で熱伝達を確立するための、任意の工業的に実現可能な機構として構成することができる。具体的には、分離器熱リンケージは、アンモニアが粗製アンモニア流501から凝縮されている間に、アンモニア分離ユニット51から離れるように熱を導くための機構を提供する。この様式での熱の伝達は、空気分離ユニット10において分離されている液化空気の大幅に低い温度によって促進される。したがって、そのような実施形態において、空気分離ユニット10は、アンモニア分離ユニット51の低温シンクになる。いくつかの実施形態において、空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951は、アンモニア分離ユニット51から熱を除去する分離器ループとすることができる。それによって、アンモニア分離ユニット51からの熱は、分離器ループに進入し、空気分離ユニット10において廃棄される。分離器ループは、適切に低い氷点を有する熱伝達流体を含有することができ、それによって、熱伝達流体は、アンモニア分離ユニット51から熱を受け取り、その熱を空気分離ユニット10において廃棄する。分離器ループとの間の熱伝達は、熱交換器のフィンまたはコイルを通すなどの、任意の実用的な手段によって達成することができる。分離器ループの中の熱伝達流体は、例えばポンプによるなどの、任意の実用的な手段によって分離器ループ内を循環させることができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、酸素燃焼システム1の少なくとも1つの熱統合は、上で説明されるようなアンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952、及び上で説明されるような空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951の双方を含むことができる。
【0020】
空気分離ユニット10、酸素燃焼反応器20、アンモニア合成ユニット50、及びアンモニア分離ユニット51に加えて、いくつかの実施形態による酸素燃焼システム1はまた、酸素燃焼反応器20における燃料の燃焼によって形成される煙道ガスを処理する、煙道ガス処理システム30も含むことができる。煙道ガスは、煙道ガス流102を通って酸素燃焼反応器20を出ることができる。酸素燃焼反応器20において燃焼している燃料のタイプに依存して、また、燃料または酸素流101の中に存在し得る汚染物質のタイプにも依存して、煙道ガス流102は、微粒子、NO
x及びSO
xガス、または重金属などの種々の汚染物質を含有し得る。これらの汚染物質は、空気または環境の中への汚染物質の放出を回避するために、好ましくは、煙道ガス流から洗浄される。いくつかの実施形態において、精製されたアンモニア流503は、煙道ガス処理システム30と流体連通することができ、アンモニア分離ユニット51において分離されるアンモニアの少なくとも一部分は、煙道ガスから汚染物質を除去するために、煙道ガス処理システム30において使用することができる。煙道ガス処理システム30においてアンモニアを使用するために、アンモニア洗浄流504を含むように精製アンモニア流503を分割することができ、該アンモニア洗浄流は、煙道ガス処理システム30に向けることができる。次いで、アンモニア洗浄流504からのアンモニアは、煙道ガスからNO
x種を除去するために、選択的触媒還元(SCR)または電子ビーム煙道ガス処理(EBFGT)などの処理において使用することができる。一般に、煙道ガスからNO
x、SO
x、及び重金属などの汚染物質を除去するための例示的なシステムは、米国特許第8,323,602号及び同第5,695,616号の各明細書において、及び欧州特許第2156878号及び同第0818232号の各明細書において説明されている。
【0021】
煙道ガス処理システム30において処理される煙道ガスは、洗浄流103を通って煙道ガス処理システム30を出ることができる。洗浄流103は、二酸化炭素(CO
2)、水を含有することができ、また場合により、窒素及び不活性ガスも含有することができる。そのような場合、CO
2は、煙道ガス流102において酸素燃焼反応器20を出て、次に、煙道ガス処理システム30がCO
2を出力する。いくつかの実施形態において、洗浄流103は、単に大気に排出することができる。他の実施形態において、洗浄流103は、捕捉流105を通して二酸化炭素捕捉ユニット40の中へ導くことができる。他の実施形態において、洗浄流は、燃料の燃焼温度を加減するために、洗浄流103の成分(例えば、CO
2及び水など)を酸素燃焼反応器20に戻して加える、反応器再循環流104の中へ導くことができる。他の実施形態において、洗浄流103は、洗浄流103の第1の部分が、二酸化炭素捕捉ユニット40においてCO
2を捕捉するための捕捉流105の中へ流れ、一方で、洗浄流103の第2の部分が反応器再循環流104の中へ流れるように、分割することができる。
【0022】
二酸化炭素捕捉ユニット40において、1つが酸素燃焼システム1に存在する場合、捕捉流105は、例えば水などの捕捉流105の任意の追加的な成分から捕捉流105の中の二酸化炭素を分離するために、例えば冷却することによって処理することができる。例示的な実施形態において、二酸化炭素は、ガスの状態で捕捉することができ、一方で、水は、液体状態に凝縮される。次いで、二酸化炭素は、酸素燃焼システム1の内部または外部で更に使用するために、二酸化炭素回収流400から回収することができ、水は、水回収流300から放出するか、または再使用することができる。例えば、一実施形態において、二酸化炭素回収流400から回収される二酸化炭素は、噴霧化源800を介して酸素燃焼反応器20の中へ導かれる噴霧化媒体として、酸素燃焼システム1の内部で再使用することができる。二酸化炭素捕捉ユニット40を通過した後に捕捉流105の中に残る任意の追加的なガス、一般的に窒素及びアルゴンなどの希ガスだけを、システム排気孔499を通して酸素燃焼システム1から通気させることができる。
図1の酸素燃焼システム1は、追加的に、
図1にはそれらを明確に示すことができない場合であっても、当業者に容易に理解されるはずである構成を使用する圧縮器、再循環ファン、ポンプ、及びコントローラなどの処理装置の実現形態を必要とする場合があることを理解されたい。
【0023】
いくつかの実施形態において、二酸化炭素捕捉ユニット40が酸素燃焼システム1に含まれるときに、酸素燃焼システム1は更に、少なくとも1つの捕捉ユニット熱統合を含むことができる。上で述べられるように、二酸化炭素捕捉ユニット40は、二酸化炭素回収流400からの水を凝縮するために、煙道ガスを低温に冷却することによって動作させることができる。例えば、煙道ガスは、二酸化炭素回収システム400の中のCO
2の初期濃度に応じて、二酸化炭素回収システム400の中に存在し得る予想される不純物のタイプ及び量に応じて、更には、酸素燃焼システム1の内部または外部で使用するために回収され、使用される任意のCO
2の所望の純度に応じて、−30℃〜−55℃などの温度まで冷却することができる。このように、二酸化炭素捕捉ユニット40は、酸素燃焼システム1の他の構成要素の低温シンクとして利用することができる。いくつかの例示的な実施形態において、酸素燃焼システム1は、捕捉ユニット熱統合として、二酸化炭素捕捉ユニット40と空気分離ユニット10との間に、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941を含むことができる。他の例示的な実施形態において、酸素燃焼システム1は、捕捉ユニット熱統合として、二酸化炭素捕捉ユニット40とアンモニア分離ユニット51との間に、アンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ956、965を含むことができる。更に他の例示的な実施形態において、酸素燃焼システム1は、捕捉ユニット熱統合として、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941及びアンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ956、965の双方を含むことができる。
【0024】
存在するときには、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941などの少なくとも1つの捕捉ユニット熱統合、アンモニア分離器との捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954、または双方を、該当する場合に、二酸化炭素捕捉ユニット40と空気分離ユニット10またはアンモニア分離ユニット51との間の熱連通を確立するための、任意の工業的に実現可能な機構として構成することができる。具体的には、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941は、空気が空気送給物流100から凝縮されている間に、空気分離ユニット10から離れるように熱を導くための機構を提供することができる。同様に、アンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954は、アンモニアが粗製アンモニア流501から凝縮されている間に、アンモニア分離ユニット51から離れるように熱を導くための機構を提供することができる。空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941及びアンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954の双方において、熱の伝達は、二酸化炭素捕捉ユニット40において凝縮されている二酸化炭素の大幅に低い温度によって促進される。したがって、捕捉ユニットの熱統合によって、二酸化炭素捕捉ユニット40は、空気分離ユニット10またはアンモニア分離ユニット51の低温シンクになる。少なくとも1つの捕捉ユニット熱統合は、所望の熱伝達をもたらすことができる任意の工業的に実現可能な熱伝達ループとして構成することができる。そのような熱伝達ループは、例えば適切に低い凝固点を有する熱伝達流体を含有することができる。熱伝達ループとの間の熱伝達は、熱交換器のフィンまたはコイルを通すなどの、任意の実用的な手段によって達成することができる。分離器ループの中の熱伝達流体は、例えばポンプによるなどの、任意の実用的な手段によって熱伝達ループ内を循環させることができる。
【0025】
図2を参照すると、上で説明される酸素燃焼システムは、追加的に、統合された尿素合成酸素燃焼システム2として構成することができる。統合された尿素合成酸素燃焼システム2は、
図1の酸素燃焼システム1の構成要素を含むことができ、加えて、尿素合成ユニット60を含むことができる。尿素合成ユニット60が存在するときには、アンモニア回収流505の中のアンモニアの少なくとも一部分が尿素前駆体アンモニア流507を通して尿素合成ユニット60に導かれるように、アンモニア回収流505を分割することができる。尿素合成ユニット60によって必要とされない任意の残りのアンモニアは、アンモニア回収流505からアンモニア回収出口506まで導くことができる。次いで、尿素回収流700から回収することができる尿素を形成するために、尿素前駆体アンモニア流507を、尿素合成ユニット60において、二酸化炭素回収流400からのCO
2と組み合わせることができる。尿素は、一般的に例えば150℃〜250℃などの高い温度、及び例えば12MPa〜40MPaなどの高い圧力を伴い得る、任意のよく知られている過程パラメータを使用して、尿素合成ユニット60において形成することができる。尿素合成中には、一般的に、H
2N−CO−ONH
4などのカルバミン酸アンモニウムを形成するために、2モル部のアンモニアを1モル部のCO
2と組み合わせ、次いで、尿素及び水を産生するために、脱水される。この反応によって形成される尿素は、小球化、粒状化、ペレット化、またはコンパクティングなどの更なる処理を受けさせることができる、水溶液または溶融物であり得る。
図2の統合された尿素合成酸素燃焼システム2は、追加的に、
図2にはそれらを明確に示すことができない場合であっても、当業者に容易に理解されるはずである構成を使用する圧縮器、再循環ファン、ポンプ、及びコントローラなどの処理装置の実現形態を必要とする場合があることを理解されたい。
【0026】
いくつかの実施形態において、統合された尿素合成酸素燃焼システム2は更に、
図1の酸素燃焼システム1に関して上で説明されるように、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941、アンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954、または双方を含むことができる。更なる実施形態において、統合された尿素合成酸素燃焼システム2はまた、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941、アンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954の有無にかかわらず、尿素合成ユニット60と酸素燃焼反応器10との間に、尿素合成熱リンケージ926、962などの、尿素合成熱統合も含むことができる。尿素合成熱リンケージ926、962を適所に伴うことで、酸素燃焼反応器10からの余分な熱は、尿素前駆体アンモニア流507の中のアンモニア及び二酸化炭素回収流400からの二酸化炭素を、尿素を形成するためのそれらの反応を促進または可能にする反応温度にするためのエネルギー源として使用することができる。このことにより、尿素合成ユニット60における任意の想定される追加的な加熱ユニットは、より少ないエネルギーを使用するように設計することができ、更には、完全に排除することもできる。尿素合成熱リンケージ926、962は、酸素燃焼反応器10から尿素合成ユニット60への所望の熱伝達をもたらすことができる、任意の工業的に実現可能な熱伝達ループとして構成することができる。そのような熱伝達ループは、例えば沸点などの適切な熱的特性を有する熱伝達流体を含有することができる。熱伝達ループとの間の熱伝達は、熱交換器のフィンまたはコイルを通すなどの、任意の実用的な手段によって達成することができる。分離器ループの中の熱伝達流体は、例えばポンプによるなどの、任意の実用的な手段によって熱伝達ループ内を循環させることができる。
【0027】
図3を参照すると、上で説明される統合された尿素合成酸素燃焼システム2は更に、尿素煙道ガス処理システム3として構成することができる。尿素煙道ガス処理システム3は、酸素燃焼システム1及び統合された尿素合成酸素燃焼システム2の構成要素を含むことができ、加えて、尿素回収流700を改良または加えることができる。一実施形態において、尿素回収流700は、完全に尿素洗浄流701に導くことができ、該尿素洗浄流は、汚染物質を除去するために尿素を使用する洗浄技術において使用するための煙道ガス処理システム30の中へ尿素を加える。そのような実施形態において、尿素洗浄流701からの尿素は、アンモニア洗浄流504からのアンモニアに加えて、またはその代わりに使用することができる。すなわち、尿素洗浄流701及びアンモニア洗浄流504のうちの少なくとも1つは、煙道ガス処理システム30と流体連通することができ、よって、精製アンモニア流503からのアンモニアの少なくとも一部分、または尿素回収流700からの尿素の少なくとも一部分、または双方を、煙道ガス処理システム30の中の煙道ガスから汚染物質を除去するために使用することができる。他の実施形態において、尿素回収流700の第1の部分は、尿素洗浄流701に向けることができ、一方で、尿素回収流700の第2の部分は、尿素収集流702に向けることができ、よって、煙道ガス処理システム30の動作によって必要とされない任意の尿素を、尿素煙道ガス処理システム3の外部で他の目的に使用することができる。
図3の尿素煙道ガス処理システム3は、追加的に、
図3にはそれらを明確に示すことができない場合であっても、当業者に容易に理解されるはずである構成を使用する圧縮器、再循環ファン、ポンプ、及びコントローラなどの処理装置の実現形態を必要とする場合があることを理解されたい。
【0028】
いくつかの実施形態において、尿素煙道ガス処理システム3は更に、
図1の酸素燃焼システム1または
図2の統合された尿素合成酸素燃焼システム2に関して各々上で説明されるように、空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941、アンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954、尿素合成熱リンケージ926、962、これらのうちの2つの任意の組み合わせ、またはこれらの全てを含むことができる。
【0029】
このように、
図1の酸素燃焼システム1、
図2の統合された尿素合成酸素燃焼システム2、及び
図3の尿素煙道ガス処理システム3の種々の実施形態を説明してきた。これらのシステムは、空気の窒素成分及び酸素成分をアンモニア合成、酸素燃焼、及び随意に尿素合成に同時に送給するために有効に利用するだけでなく、いくつかの実施形態では、酸素燃焼から生じる煙道ガスを清浄にするためにもアンモニア及び/または尿素を有効に使用する。統合されたシステムにおいてアンモニア及び/または尿素が発生するときには、それらが煙道ガスの洗浄及び煙道ガスからの汚染物質の除去に使用するために必要とされるか、または所望されるときに、該アンモニア及び/または尿素を外部の供給源から調達する必要はない。加えて、これらのシステムは、アンモニア合成ユニットと酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージ、空気分離ユニットとアンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージ、または双方などの、該システムの少なくとも1つの熱統合を通して、熱エネルギーを有効に利用する。この様式における熱合成は、アンモニアを凝縮するための冷却システム、またはアンモニア合成の際に水素及び酸素を加熱するための加熱器などの、酸素燃焼システムにおける追加的な構成要素に対する必要性を排除することができ、それによって、いかなる熱統合も伴わない別個の燃焼、アンモニア合成、及び尿素合成システムと比較して、本明細書の実施形態による酸素燃焼システムの全体的な二酸化炭素排出量を潜在的に少なくする。
【0030】
酸素燃焼システムのいくつかの実施形態を説明してきたが、以下、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法の種々の実施形態を説明する。いくつかの実施形態において、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は、上で説明される実施形態による
図1の酸素燃焼システム1、
図2の統合された尿素合成酸素燃焼システム2、または
図3の尿素煙道処理システム3を使用して行うことができる。
【0031】
下で説明される方法の実施形態に適用することができる酸素燃焼システム1、2、3の構成要素に関して、全般的に
図1〜
図3を参照すると、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は、空気分離ユニット10によって、空気送給物流100を酸素流101及び窒素流500に分離することを含むことができる。酸素流101は、酸素燃焼反応器20に流すことができ、窒素流500は、アンモニア合成ユニット50に流すことができる。アンモニア合成ユニット50の中の窒素流500は、アンモニアを合成し、アンモニア及び随意に窒素または水素を含有する粗製アンモニア流501を形成するために、水素送給物流600と組み合わせることができる。粗製アンモニア流501は、粗製アンモニア流501の中の任意の未反応の窒素または水素から粗製アンモニア流501の中のアンモニアを分離し、精製アンモニア流503を形成するように、アンモニア分離ユニット51において凝縮することができる。本方法は更に、燃料混合物を形成するために、燃料送給物流200からの燃料と空気分離ユニット10からの酸素流101とを組み合わせることを含むことができる。燃料混合物は、燃焼熱を発生させるために、酸素燃焼反応器20において燃焼させることができ、該燃焼熱は、随意に、外部で直接使用するために、または熱水もしくは蒸気を生成するために水に伝達することができる。本方法は更に、燃料混合物を燃焼させ、アンモニアが合成されている間に、少なくとも1つの熱統合を通して熱エネルギーを伝達することを含むことができる。少なくとも1つの熱統合は、アンモニア合成ユニットと酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージ、空気分離ユニットとアンモニア分離ユニットとの分離熱リンケージ、または双方から選択することができる。
【0032】
空気送給物流100は、酸素燃焼システム1、2、3で用いられる空気分離ユニット10のタイプに適用することができる任意の方法を使用して、空気分離ユニット10によって分離することができる。例示的な実施形態において、空気送給物流100は、極低温蒸留により、圧力スイング吸着法により、真空スイング吸着法により、または膜技術により、空気分離ユニット10によって分離することができ、これらは全て当業者の理解の範囲内である。酸素流101は、例えば80体積%〜100体積%のO
2、または90体積%〜100体積%のO
2、または90体積%〜99体積%のO
2などの、純酸素または実質的に純酸素を含有することができる。同様に、窒素流は、例えば80体積%〜100体積%のN
2、または90体積%〜100体積%のN
2、または90体積%〜99体積%のN
2などの、純窒素または実質的に純窒素を含有することができる。
【0033】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、酸素流101を酸素燃焼反応器20に流すことを含むことができる。酸素流101を酸素燃焼反応器20に流すために、酸素流101は、例えばポンプまたは圧縮器で加圧することができる。
【0034】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、窒素流500をアンモニア合成ユニット50に流すことを含むことができる。窒素流500はまた、アンモニア合成ユニット50への注入のために、例えば圧縮器または他の好適な装置で加圧することもできる。
【0035】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、アンモニアを合成し、アンモニア及び随意に未反応の窒素または水素を含有する粗製アンモニア流501を形成するために、アンモニア合成ユニット50において窒素流500と水素送給物流600とを組み合わせることを含むことができる。アンモニアを合成することは、追加的に、アンモニア合成ユニットの中の窒素及び水素の混合物の温度を反応温度まで上昇させること、窒素及び水素の混合物を反応圧力まで加圧すること、または双方を含むことができる。全般的に、アンモニア合成に適している反応圧力及び反応温度は、アンモニア合成ユニット50の構成及び構造などのいくつかの因子、及び随意に、アンモニア合成ユニット50に加えられ得る触媒などの任意の反応改良剤の有無に依存し得る。限定的でない例示的な実施形態において、アンモニア合成に適切な反応温度は、300℃〜550℃とすることができ、アンモニア合成に適切な反応圧力は、15MPa〜25MPaとすることができる。他の反応温度及び反応圧力が適切であり得ること、及びそのような反応温度及び反応圧力の選択が当業者の理解の範囲内であることを理解されたい。
【0036】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、アンモニア分離ユニット51において粗製アンモニア流501の少なくとも一部分を凝縮することを含むことができる。いくつかの実施形態では、粗製アンモニア流501の中のアンモニアだけが、例えば−33℃未満などの、アンモニアの沸点未満に粗製アンモニア流を冷却することによって凝縮される。次いで、精製アンモニア流503を形成するために、未反応の窒素または水素から液化アンモニアを分離することができる。
【0037】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、燃料混合物を形成するために、送給物流200からの燃料と酸素流101とを組み合わせることと、次いで、燃焼熱を発生させるために、酸素燃焼反応器20において燃料混合物を燃焼させることとを含むことができる。燃料混合物は、酸素燃焼反応器20の内部で、または酸素燃焼反応器20の外部で形成することができる。
【0038】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、燃料混合物を酸素燃焼反応20において燃焼させ、アンモニアがアンモニア合成ユニット50において合成されている間に、酸素燃焼システム1、2、3の少なくとも1つの熱統合を通した熱などの、熱エネルギーを伝達することを含むことができる。少なくとも1つの熱統合は、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952、空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951、または双方から選択することができる。
【0039】
少なくとも1つの熱統合が反応器熱リンケージ925、952を含むいくつかの実施形態において、反応器熱リンケージ925、952は、酸素燃焼反応器20自体から(例えば、酸素燃焼反応器20の中のチャンバから)、酸素燃焼反応器20において形成される煙道ガスから、酸素燃焼反応器20からの燃焼熱によって加熱された熱水または蒸気から、またはそれらの任意の組み合わせから、アンモニア合成ユニット50に熱を伝達するボイラーループとして構成することができる。熱エネルギーを伝達することは、次いで、燃料混合物を燃焼させ、アンモニアが合成されている間に、ボイラーループを通して熱伝達流体を循環させることを含むことができる。ボイラーループの熱伝達流体は、ガスまたは液体などの流体、例えば水または蒸気とすることができる。
【0040】
少なくとも1つの熱統合が空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951を含むいくつかの実施形態において、分離器熱リンケージ915、951は、アンモニア分離ユニットから空気分離ユニットに熱を伝達する分離器ループとして構成することができる。熱エネルギーを伝達することは、次いで、燃料混合物を燃焼させ、アンモニアが合成されている間に、分離器ループループを通して熱伝達流体を循環させることを含むことができる。分離器ループの熱伝達流体は、ガスまたは液体などの流体とすることができ、熱伝達流体が分離器ループを自由に循環することを可能にするための適切な沸点及び凝固点を有する。
【0041】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱統合は、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952、及び空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951の双方を含むことができる。上で説明される実施形態のように、反応器熱リンケージ925、952は、ボイラーループとして構成することができ、分離器熱リンケージ915、951は、分離器ループとして構成することができる。そのような実施形態において、熱エネルギーを伝達することは、燃料混合物を燃焼させ、アンモニアが合成されている間に、ボイラーループを通して第1の熱伝達流体を循環させること、及び分離器ループを通して第2の熱伝達流体を循環させること、の双方を含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、アンモニア合成ユニット50と酸素燃焼反応器20との反応器熱リンケージ925、952、空気分離ユニット10とアンモニア分離ユニット51との分離器熱リンケージ915、951、または双方に加えて、酸素燃焼システム1、2、3の少なくとも1つの追加的な熱統合を通しての熱などの、熱エネルギーを伝達することを含むことができる。少なくとも1つの追加的な熱統合は、
図1の酸素燃焼システム1、
図2の統合された尿素合成酸素燃焼システム2、または
図3の尿素煙道ガス処理システム3に関して各々上で説明されるように、空気分離ユニット10と二酸化炭素捕捉ユニット40との間のアンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ914、941、アンモニア分離ユニット51と二酸化炭素捕捉ユニット40との間のアンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ945、954、尿素合成ユニット60と酸素燃焼ボイラー20との間の尿素合成熱リンケージ926、962、これらのうちの2つの任意の組み合わせ、またはこれらの全てを含むことができる。これらの熱統合のいずれかにおける熱エネルギーの伝達は、それぞれの熱リンケージとしての役割を果たす熱伝達ループを通して熱伝達流体を循環させることを含むことができる。
【0043】
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、煙道ガス処理システム30において、酸素燃焼反応器20における燃料の燃焼によって形成される煙道ガスを処理することを含むことができる。煙道ガスを処理することは、煙道ガスから汚染物質を除去することを含むことができ、また、煙道ガスから汚染物質を除去するために、アンモニア洗浄流504からなどの、精製されたアンモニア流503の中のアンモニアの少なくとも一部分を使用することも含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、酸素燃焼反応器20における燃料の燃焼によって形成される煙道ガスを処理するために使用される煙道ガス処理システム30は、二酸化炭素を出力する。そのような実施形態において、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、例えば、洗浄された煙道ガスの中に存在する水が凝縮し、CO
2がガス状態のまま残されるまで、煙道ガス処理システム30からの洗浄された煙道ガスを冷却することによってなどの、二酸化炭素捕捉ユニット40において二酸化炭素を補足することを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、二酸化炭素捕捉ユニット40において捕捉される任意の二酸化炭素の少なくとも一部分は、尿素反応混合物を形成するために、精製アンモニア流503の中のアンモニアと組み合わせることができる。本方法は、次いで、例えば、尿素合成ユニット60(
図2及び
図3)において尿素反応混合物から尿素を合成することを含むことができる。本方法はまた、尿素合成反応を開始するか、または維持することを可能にするために、アンモニア、CO
2、または尿素反応混合物を、例えば12MPa〜40MPaまで加圧すること、及びアンモニア、CO
2、または尿素反応混合物を、150℃〜250℃まで加熱することも含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法は更に、煙道ガス処理システム30において煙道ガスを処理することを含むことができ、煙道ガスを処理することは、煙道ガスから汚染物質を除去するために、精製アンモニア流503からのアンモニアの少なくとも一部分、尿素回収流700(
図3を参照されたい)の中の尿素の少なくとも一部分、または双方を使用することを含む。そのような実施形態において、煙道ガス処理システム30は、アンモニア、尿素、または双方を用いて、NO
x、SO
x、微粒子、及び他の不純物を除去するための、上で説明されるような技術を含むことができる。
【0047】
このように、熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法の種々の実施形態を説明してきた。本方法は、
図1の酸素燃焼システム1、
図2の統合された尿素合成酸素燃焼システム2、
図3の尿素煙道ガス処理システム3、それらの修正物、または他の適切な酸素燃焼システムを使用して行うことができる。これらの方法は、空気の窒素成分及び酸素成分をアンモニア合成、酸素燃焼、及び随意に尿素合成に同時に送給するために有効に利用するだけでなく、いくつかの実施形態では、酸素燃焼から生じる煙道ガスを清浄にするためにもアンモニア及び/または尿素を有効に使用する。統合されたシステムにおいてアンモニア及び/または尿素が発生するときには、それらが煙道ガスの洗浄及び煙道ガスからの汚染物質の除去に使用するために必要とされるか、または所望されるときに、該アンモニア及び/または尿素を外部の供給源から調達する必要はない。加えて、本明細書の実施形態によるシステムを用いることによって、本方法は、アンモニア合成ユニットと酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージ、空気分離ユニットとアンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージ、または双方などの、酸素燃焼システムにおいて少なくとも1つの熱統合を通して、熱エネルギーを有効に利用する。この様式における熱合成は、アンモニアを凝縮するための冷却システム、またはアンモニア合成の際に水素及び酸素を加熱するための加熱器などの、酸素燃焼システムにおける追加的な構成要素に対する必要性を排除することができ、それによって、いかなる熱統合も伴わない別個の燃焼、アンモニア合成、及び尿素合成システムと比較して、本明細書の実施形態による酸素燃焼システムの全体的な二酸化炭素排出量を潜在的に少なくする。
【0048】
当業者には、特許請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される実施形態に種々の修正及び変更を行うことができることが明らかになるはずである。したがって、そのような修正及び変更が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入る限り、本明細書は、本明細書で説明される種々の実施形態の修正及び変更を対象とすることが意図される。
【0049】
以下、本発明の実施の形態を項分け記載する。
【0050】
実施形態1
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼システムであって、
空気送給物流を酸素流及び窒素流に分離する、空気分離ユニットと、
アンモニアならびに随意に未反応の窒素及び水素を含有する粗製アンモニア流を形成するために、水素送給物流からの前記アンモニア及び前記空気分離ユニットからの前記窒素流を合成する、アンモニア合成ユニットと、
精製アンモニア流を形成するために、前記アンモニア合成ユニットにおいて形成される前記粗製アンモニ流の少なくとも一部分を凝縮し、任意の未反応の窒素及び水素から前記アンモニアを分離する、アンモニア分離ユニットと、
燃焼熱を発生させるために、前記空気分離ユニットからの前記酸素流の存在下で、燃料送給物流からの燃料を燃焼させる、酸素燃焼反応器と、
前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージ、前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージ、または双方から選択される、少なくとも1つの熱統合と、
を備える、酸素燃焼システム。
【0051】
実施形態2
前記少なくとも1つの熱統合が、前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージを備える、実施形態1に記載の酸素燃焼システム。
【0052】
実施形態3
前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との前記反応器熱リンケージが、燃焼熱を、前記酸素燃焼反応器から、前記酸素燃焼反応器において形成される煙道ガスから、前記燃焼熱によって加熱される熱水もしくは蒸気から、またはそれらの組み合わせから、前記アンモニア合成ユニットに燃焼熱を伝達する、ボイラーループを備える、実施形態2に記載の酸素燃焼システム。
【0053】
実施形態4
前記少なくとも1つの熱統合が、前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージを備える、実施形態1に記載の酸素燃焼システム。
【0054】
実施形態5
前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの前記分離器熱リンケージが、前記アンモニア分離ユニットから前記空気分離ユニットに熱を伝達する、分離器ループを備える、実施形態4に記載の酸素燃焼システム。
【0055】
実施形態6
前記酸素燃焼反応器において前記燃料の燃焼によって形成される煙道ガスを処理する、煙道ガス処理システムを更に備える、実施形態1に記載の酸素燃焼システム。
【0056】
実施形態7
前記精製アンモニア流が、前記煙道ガス処理システムと流体連通しており、前記煙道ガスから汚染物質を除去するために、前記アンモニア分離ユニットにおいて分離される前記アンモニアの少なくとも一部分が、前記煙道ガス処理システムにおいて使用される、実施形態6に記載の酸素燃焼システム。
【0057】
実施形態8
前記煙道ガス処理システムが、二酸化炭素を出力し、前記酸素燃焼システムが更に、前記煙道ガス処理システムにおいて発生する前記二酸化炭素を捕捉する、二酸化炭素捕捉ユニットを更に備える、実施形態6に記載の酸素燃焼システム。
【0058】
実施形態9
前記空気分離ユニットと前記二酸化炭素捕捉ユニットとの間の空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ、前記アンモニア分離ユニットと前記二酸化炭素捕捉ユニットとの間のアンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ、または双方から選択される、少なくとも1つの捕捉ユニットの熱統合を更に備える、実施形態8に記載の酸素燃焼システム。
【0059】
実施形態10
前記二酸化炭素捕捉ユニットにおいて捕捉される二酸化炭素及び前記アンモニア流の中の前記アンモニアから尿素流を生成するために尿素を合成する、尿素合成ユニットを更に備える、実施形態8に記載の酸素燃焼システム。
【0060】
実施形態11
前記尿素流及び前記アンモニア流のうちの少なくとも1つが、前記煙道ガス処理システムと流体連通しており、前記精製アンモニア流の中の前記アンモニアの少なくとも一部分、または前記尿素流の中の前記尿素の少なくとも一部分、または双方が、前記煙道ガス処理システムにおいて前記煙道ガスから汚染物質を除去するために使用される、実施形態10に記載の酸素燃焼システム。
【0061】
実施形態12
前記空気分離ユニットと前記二酸化炭素捕捉ユニットとの間の空気分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ、前記アンモニア分離ユニットと前記二酸化炭素捕捉ユニットとの間のアンモニア分離器と捕捉ユニットとの熱リンケージ、前記尿素合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との間の尿素合成の熱リンケージ、またはそれらの組み合わせから選択される、少なくとも1つの追加的な熱統合を更に備える、実施形態10に記載の酸素燃焼システム。
【0062】
実施形態13
前記酸素燃焼反応器において燃焼させる前記燃料が、化石燃料またはバイオマスである、実施形態1に記載の酸素燃焼システム。
【0063】
実施形態14
熱統合されたアンモニア合成を伴う酸素燃焼を行うための方法であって、
空気分離ユニットで、空気送給物流を酸素流及び窒素流に分離するステップと、
前記酸素流を酸素燃焼反応器に流すステップと、
前記窒素流をアンモニア合成ユニットに流すステップと、
アンモニアを合成し、前記アンモニア及び随意に窒素または水素を含有する粗製アンモニア流を形成するために、前記アンモニア合成ユニットにおいて前記窒素流を水素送給物流と組み合わせるステップと、
アンモニア分離ユニットにおいて、前記粗製アンモニア流の少なくとも一部分を凝縮するステップと、
精製アンモニア流を形成するために、前記粗製アンモニア流の中の任意の未反応の窒素または水素から前記組成アンモニア流の中の前記アンモニアを分離するステップと、
燃料混合物を形成するために、燃料流からの燃料と前記酸素流とを組み合わせるステップと、
燃焼熱を発生させるために、前記酸素燃焼反応器において前記燃料混合物を燃焼させるステップと、
前記燃料混合物を燃焼させ、前記アンモニアが合成されている間に、少なくとも1つの熱統合を通して熱エネルギーを伝達するステップであって、前記少なくとも1つの熱統合が、前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージ、前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージ、または双方から選択される、熱エネルギーを伝達するステップと、
を有してなる、方法。
【0064】
実施形態15
前記少なくとも1つの熱統合が、前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージを備え、
前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との前記反応器熱リンケージが、燃焼熱を、前記酸素燃焼反応器から、前記酸素燃焼反応器において形成される煙道ガスから、前記燃焼熱によって加熱される前記熱水もしくは蒸気から、またはそれらの組み合わせから、前記アンモニア合成ユニットに燃焼熱を伝達する、ボイラーループを備え、
前記熱エネルギーを伝達するステップが、前記燃料混合物を燃焼させ、前記アンモニアが合成されている間に、前記ボイラーループを通して熱伝達流体を循環させるステップを含む、実施形態14に記載の方法。
【0065】
実施形態16
前記少なくとも1つの熱統合が、前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージを備え、
前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの前記分離器熱リンケージが、前記アンモニア分離ユニットから前記空気分離ユニットに熱を伝達する、分離器ループを備え、
前記熱エネルギーを伝達するステップが、前記燃料混合物を燃焼させ、前記アンモニアが合成されている間に、前記分離ループを通して熱伝達流体を循環させるステップを含む、実施形態14に記載の方法。
【0066】
実施形態17
前記少なくとも1つの熱統合が、前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との反応器熱リンケージ、及び前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの分離器熱リンケージの双方を備え、
前記アンモニア合成ユニットと前記酸素燃焼反応器との前記反応器熱リンケージが、前記酸素燃焼反応器において形成される煙道ガスから、前記燃焼熱によって加熱された熱水もしくは蒸気から、またはそれらの組み合わせから、前記アンモニア合成ユニットに燃焼熱を伝達する、ボイラーループを備え、
前記空気分離ユニットと前記アンモニア分離ユニットとの前記分離器熱リンケージが、前記アンモニア分離ユニットから前記空気分離ユニットに熱を伝達する、分離器ループを備え、
前記熱エネルギーを伝達するステップが、前記燃料混合物を燃焼させ、前記アンモニアが合成されている間に、前記ボイラーループを通して第1の熱伝達流体を循環させ、前記分離器ループを通して第2の熱伝達流体を循環させるステップを含む、実施形態14に記載の方法。
【0067】
実施形態18
煙道ガスから汚染物質を除去するために、前記酸素燃焼反応器において前記燃料の前記燃焼によって形成された前記煙道ガスを煙道ガス処理システムにおいて処理するステップを更に有し、前記煙道ガスを処理するステップが、前記煙道ガスから前記汚染物質を除去するために、前記精製アンモニア流の中の前記アンモニアの少なくとも一部分を使用するステップを含む、実施形態14に記載の方法。
【0068】
実施形態19
煙道ガスから汚染物質を除去するために、前記酸素燃焼反応器において前記燃料の前記燃焼によって形成された前記煙道ガスを煙道ガス処理システムにおいて処理するステップであって、二酸化炭素を出力する、前記煙道ガスを処理するステップと、
二酸化炭素捕捉ユニットにおいて前記二酸化炭素を捕捉するステップと、
尿素反応混合物を形成するために、前記二酸化炭素捕捉ユニットにおいて捕捉される前記二酸化炭素の少なくとも一部分と、前記アンモニア流の中の前記アンモニアとを組み合わせるステップと、
尿素合成ユニットにおいて、前記尿素反応混合物から尿素を合成するステップと、
を更に有する、実施形態14に記載の方法。
【0069】
実施形態20
前記煙道ガス処理システムにおいて前記煙道ガスを処理するステップは、前記煙道ガスから前記汚染物質を除去するために、前記精製アンモニア流の中の前記アンモニアの少なくとも一部分、前記尿素流の中の前記尿素の少なくとも一部分、または双方を使用するステップを有する、実施形態19に記載の方法。