(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記伝導部材は、前記被加熱体の凹部に対して、予め定められた一の方向のみから取り付けるように構成される、ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のヒータ装置。
前記被加熱体の凹部に前記伝導部材を取り付けた状態で、該被加熱体と該伝導部材とを前記ヒータが被覆した場合、前記伝導部材の一部が前記被加熱体と当接するように構成される、ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載のヒータ装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[本発明の一の実施態様に係るヒータ装置]
以下、本発明の一の実施形態に係るヒータ装置について図を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るヒータ装置を、被加熱体に装着した状態で示す斜視図である。
図2は、
図1におけるII−II線における断面を示す図である。
図3は、
図1におけるIII−III線における断面を示す図である。
【0017】
本実施形態に係るヒータ装置10は、加熱を要し、凹凸形状を有する被加熱体30に取り付けて加熱するヒータ装置10であって、前記被加熱体30の凹部350に取り付けるように構成される熱伝導性の伝導部材120と、前記被加熱体30の凹部350に前記伝導部材120を取り付けた状態で、該被加熱体30と該伝導部材120とを被覆して加熱するように構成されるヒータ110と、を含み、前記被加熱体30の凹部350に前記伝導部材120を取り付けて、該被加熱体30と該伝導部材120とを前記ヒータ110が被覆した状態で、前記ヒータ110の一部が前記被加熱体30の凸部360と当接するように構成される、ヒータ装置10であることを特徴とする。
【0018】
ここで、加熱を要し、一の方向からみて凹凸形状を有する被加熱体30は、流体を輸送する配管320と、流体の流れを調節するための弁を収容する弁箱310と、を含んで構成されることとしてもよい。以下、被加熱体30は、流体を輸送する配管320と、流体の流れを調節するための弁を収容する弁箱310と、を含んで構成されることとして説明する。
【0019】
図1、2、3に示されるように、被加熱体30は、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成するシート状のヒータ110によって覆われている。
【0020】
図1、2、3における、加熱を要し、一の方向からみて凹凸形状を有する被加熱体30は、流体の流れを調節するための弁を収容する複数の弁箱310A、310B、310Cと、それぞれの弁箱310A、310B、310Cをつなぎ流体を輸送する配管320A、320Bと、を含んで構成される三連バルブである。
【0021】
被加熱体30の凹凸形状に関してより具体的に説明すると、
図2に示される側面方向、
図3に示される鉛直方向からみると、被加熱体30の一部を構成する弁箱310A、310B、310Cが備えられる部分が、被加熱体30の凸部360に相当し、被加熱体30の一部を構成する配管320A、320Bが備えられる部分が、被加熱体30の凹部350に相当する。
【0022】
より詳細には、弁箱310A、310B、310C自体が凸部360であり、弁箱310A、310B、310Cと配管320A、320Bとの段差によって凹部350が形成されており、凹部350について換言すると、弁箱310A、310B、310Cのうち配管320A、320Bに接続される側の面と配管320A、320B表面とによって画定される領域のことである。
【0023】
なお、各弁箱310A、310B、310Cの上部には、弁の駆動を制御するためのアクチュエータ510A、510B、510Cが取り付けられている。アクチュエータ510A、510B、510Cは加熱される必要のないものであるため、被加熱体30には含まれないこととする。
【0024】
図2、3に示される三連バルブのような被加熱体30を、伝導部材120を備えることなくシート状のヒータ110で単に覆うと、被加熱体30の一部を構成する配管320A、320Bが備えられる部分である凹部350に空隙ができることとなる。このような空隙が存在すると、ヒータからの熱が空隙中で冷やされ、熱効率は低下することとなる。
【0025】
図2、3に示されるように、本実施形態におけるヒータ装置10は、このような被加熱体30の凹部350に熱伝導性の伝導部材120を取り付け、ヒータ110の一部を伝導部材120に当接して備える(例えば
図2、3における符号Aの場所)こととしてもよい。凹部350に熱伝導性の伝導部材120を取り付けることによって、又、凹部350に熱伝導性の伝導部材120を取り付け、更にヒータ110の一部を伝導部材120に当接して備えることによって、ヒータ110から発せられた熱は伝導部材120を介して、被加熱体30に伝わることとなる。これによって、ヒータ装置10は、より効率良く被加熱体30を加熱することとなる。
【0026】
また、
図3に示されるように、ヒータ110の他の一部が被加熱体30の凸部360と直接当接して備える(例えば
図3における符号Bの場所)ことによって、ヒータ110から発せられた熱が直接被加熱体30に伝えられることとなる。これによって、本実施形態に係るヒータ装置10の熱効率は更に高まることとなる。
【0027】
すなわち、本実施形態に係るヒータ装置を用いることによって、加熱を要し、凹凸形状を有する被加熱体の加熱方法であって、前記被加熱体の凹部に熱伝導性の伝導部材を取り付け、ヒータで該被加熱体と該伝導部材とを被覆し、前記ヒータの一部を前記被加熱体の凸部と当接させ、前記ヒータから発せられる熱によって、前記被加熱体と当接する前記ヒータの前記一部から前記被加熱体を直接加熱するとともに、前記ヒータのうち前記一部を除く部位から前記被加熱体を、前記伝導部材を介して加熱する、被加熱体の加熱方法が実現される。
【0028】
更に、
図2に示されるように、本実施形態に係るヒータ装置10は、被加熱体30の凹部350に伝導部材30を取り付けた状態で、該被加熱体30と該伝導部材120とをヒータ110が被覆した場合、伝導部材120の一部が被加熱体30と当接するように構成されている(例えば
図2における符号Cの場所)こととしてもよい。これによって、本実施形態に係るヒータ装置10の熱効率は更に高まることとなる。
【0029】
次に、本実施形態に係るヒータ装置の各構成について説明する。
【0030】
図4は、本実施形態に係るヒータ装置の一部を構成するヒータを示す斜視図である。
図5は、
図4におけるV−V線における断面の一例を示す図である。
【0031】
図4に示されるように、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成するヒータ110は、シート形状を有していることとしてもよい。また、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成するヒータ110は、可撓性若しくは柔軟性を有し、被加熱体等の周囲を自在に包囲することが可能に構成されている。
【0032】
この様なシート形状を有するヒータ110を、少なくとも1以上用いて被加熱体等の周囲を被覆することとなる。
【0033】
本実施形態に係るヒータ装置の一部を構成するヒータ110は、包囲体112と、包囲体112の内部に備えられる発熱体111とを含んで構成されていることとしてもよい。
【0034】
例えば
図4に示されるように、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成するヒータ110は、ヒータ110全体から熱が発せられるように、発熱体111として発熱線(電熱線)がヒータ内部全体に敷設されている。また、発熱線は、外部電源に接続されるプラグ112を介し電気が供給されることにより、熱を発する。
【0035】
また、
図5に示されるように、ヒータ110は包囲体112として、被加熱体30と対向する側に備えられる内層112Aと、被加熱体30と対向する側とは反対側に備えられる外層112Bとを、それぞれ別の材料にて形成されることとしてもよい。
【0036】
包囲体112を構成する内層112A及び外層112Bのそれぞれは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)等のフッ素系樹脂からなるフッ素樹脂製シート、あるいは前記のフッ素系樹脂の繊維を編んだフッ素樹脂繊維製クロス(織布)、又はガラス繊維、アルミナ繊維等に代表される無機繊維からなる無機繊維製クロス(織布)、又は前述の無機繊維製クロスにフッ素系樹脂をコーティング処理することによって得られるフッ素樹脂コーティング無機繊維製クロス等で形成されることとしてもよい。
【0037】
また、内層112A及び外層112Bのそれぞれは、上記フッ素系樹脂以外に、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフタルアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン等の、耐熱性を有しフッ素系樹脂より低融点の樹脂で形成されることとしてもよい。
【0038】
また、包囲体112の厚さは、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、0.1〜8mmが適当であり、0.1〜5mmが好適であり、0.1〜2mmがさらに好適である。
【0039】
また、発熱体111は、ワット密度が0.15W/cm2以上であれば特に制限はなく、例えば、通電によって発熱するニクロム線やスレンレス線等の発熱線(電熱線)で形成されることとしてもよい。
【0040】
また、上述の電熱線は電気的に絶縁されることが好ましい。こうした絶縁は、電熱線にガラス繊維、アルミナ繊維等に代表される無機繊維からなる無機繊維製スリーブを被覆する、あるいは、樹脂をコーティングすることによって実現される。また、電熱線に代えて、カーボン製発熱体やセラミックス製発熱体を使用してもよい。
【0041】
ここで、本発明において、ワット密度とは、電力密度とも呼ばれ、ジャケットヒータの単位表面積(cm
2)あたりの電気容量(W)で表現されるヒータの表面負荷(W/cm
2)の度合いのことをいう。一般的に、ワット密度の数値が大きければ、ヒータの表面温度は高くなり、逆に、ワット密度の数値が小さければ、ヒータの表面温度は低くなる。
【0042】
また、ワット密度の上限に特に制限はないが、0.5W/cm
2以下であればよく、具体的には、0.15〜0.5W/cm
2であればよく、0.17〜0.5W/cm
2、0.20〜0.5W/cm
2、0.25〜0.5W/cm
2とすることもできる。
【0043】
なお、電熱線は、支持体(図示なし)に所望のパターンに縫い糸で縫い付けられることとしてもよい。支持体は、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維等に代表される無機繊維からなる無機繊維製クロスを用いることとしてもよい。
【0044】
また、隣接する電熱線同士の間隔(以下、ピッチともいう。
図4における間隔P)は、10〜35mm程度に設定されることとしてもよく、好ましくは均熱性を確保するため、40〜70mm、又は45〜60mmに設定されることとしてもよい。
【0045】
また、
図5に示されるように、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成するヒータ110は、断熱材113を備えることとしてもよい。断熱材113はガラスファイバーやセラミックファイバー、シリカファイバー等を集成し、ニードル加工を施した無機繊維マットによって形成されることとしてもよい。
【0046】
また、断熱材113の厚さに特に制限はなく、例えば5〜100mmであることとしてもよいし、5〜50mmであることとしてもよいし、8〜30mmであることとしてもよい。
【0047】
次に、本実施形態に係るヒータ装置の一部を構成する伝導部材120について説明する。
図6は、本実施形態に係るヒータ装置の一部を構成する伝導部材を、被加熱体に装着した状態で示す分解斜視図である。伝導部材120は、前述のように被加熱体30の凹部350に取り付けるように構成される。
【0048】
すなわち、伝導部材120は、加熱を要し、一の方向からみて凹凸形状を有する被加熱体30に取り付けて加熱するヒータ装置10に用いられる伝導部材120であって、前記被加熱体30の凹部350に取り付けるように構成される。
【0049】
また、装着性と高める観点から、伝導部材120は被加熱体30の凹部350に対して、予め定められた一の方向のみから取り付けるように構成されている。より具体的には、本実施形態の伝導部材120は、
図6における矢印α方向より、被加熱体30の凹部350に嵌合するように備えることができる。
【0050】
また、本実施形態の伝導部材120は、被加熱体30に対し鉛直方向下側より、被加熱体30の凹部350に嵌合するように備えることとしてもよい。
【0051】
また、伝導部材120は、被加熱体30の凹部の形状に対応する凸部121を有するものである。また、
図6に示されるように、被加熱体30の凹部350が複数存在する場合、伝導部材120は、被加熱体30の複数の凹部350の形状に対応する複数の凸部121を有するものであることとしてもよい。
【0052】
そして、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成する伝導部材120は、被加熱体30の複数の凹部350の形状に対応する複数の凸部121と、該複数の凸部121をつなぐ連結部122と、を含んで構成されることとしてもよい。
【0053】
また、伝導部材120は、被加熱体30の凸部360の少なくとも1つの面が露出するように、被加熱体30の凹部350に伝導部材120の凸部121を取り付けるように構成され、被加熱体30の露出する少なくとも1つの面は、ヒータ110の一部と当接することとしてもよい。
【0054】
また、伝導部材120は、被加熱体30の凹部350の形状に対応する凸部121と、該凸部121と連結される連結部122とを含み、伝導部材120の連結部122は、被加熱体30の凸部360と当接するように構成され、伝導部材120の連結部122には、伝導部材120を被加熱体30に固定するための固定部127が備えられることとしてもよい。換言すれば固定部127は、被加熱体30に対して伝導部材120を位置決め可能に構成される。
【0055】
かかる固定部127は、例えば被加熱体30と伝導部材120とを固定するネジ127a及びネジ穴120bで実現されることとしてもよいし、あるいは被加熱体30と伝導部材120との間に介在される、被加熱体30と伝導部材120とを固定する接着材層(図示なし)にて実現されることとしてもよい。
【0056】
また、
図6に示されるように固定部127は、被加熱体30の鉛直方向下側に位置し、被加熱体30と伝導部材120との位置を被加熱体30の鉛直方向下側から固定することとしてもよい。
【0057】
後述するが伝導部材120は、高い熱伝導性を有するという理由から金属で形成されることとしてもよい。この場合、金属製の伝導部材120は、重量が大きいものとなるため、被加熱体30に荷重がかかることとなる。
【0058】
例えば被加熱体30が
図6に示されるように、配管310と弁箱320とを含むもので構成される場合、配管310の周方向に負荷がかかると、配管310と弁箱320との接続に影響を与える可能性が生じ好ましくない。
【0059】
固定部127が、被加熱体30の鉛直方向下側に位置し、被加熱体30と伝導部材120との位置を被加熱体30の鉛直方向下側から固定することによって、被加熱体30の一部を構成する配管310の周方向に対する負荷が軽減され、配管310と弁箱320との接続に対する影響を回避することとなる。
【0060】
また、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成する伝導部材120は、被加熱体30の凹部350の形状を埋めるように予め形成された一の部材のみからなるものであることとしてもよい。
【0061】
すなわち、前述した伝導部材120の凸部121と、伝導部材120の連結部122とが一体に成型された一の部材のみからなるものであることとしてもよい。より具体的には、伝導部材120が金属によって形成される場合、鍛造や鋳造等の製造方法を用いて、伝導部材120の凸部121と、伝導部材120の連結部122とが一体に成型された一の部材のみからなるものを形成することとしてもよい。また、伝導部材120は、伝導部材120の凸部121と、伝導部材120の連結部122とが接着剤や固定具等により一体に成型された一の部材のみからなるものであることとしてもよい。
【0062】
このように、伝導部材120が一の部材で構成されることによって、装着性が更に高まり、また、伝導部材120内での熱の伝搬効率が高まり好ましい。
【0063】
また、被加熱体30が本実施形態の例のように、流体を輸送する配管320と、前記流体の流れを調節するための弁を収容する弁箱310と、を含んで構成されている場合、伝導部材120に備えられる、被加熱体30の凹部350の形状に対応する凸部121には、該配管320の形状に沿って形成される切欠123が形成されている。
【0064】
伝導部材120の切欠123に、被加熱体30の一部を構成する配管320を収容することによって、配管320の略全周にわたって伝導部材120から放射される熱に晒されることとなり、熱効率が高まることとなる。
【0065】
ここで、本実施形態に係るヒータ装置10においては、熱効率を高める上で、ヒータ110の一部が被加熱体30と、ヒータ110の他の一部が伝導部材120と、当接するように構成されることが重要である。
【0066】
したがって、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成する伝導部材120は、被加熱体30の凹部350に伝導部材120を取り付けた状態において、被加熱体120の一部が露出していることが重要である。より具体的には、凹凸形状を有する被加熱体30に伝導部材120を取り付けた状態において、被加熱体30の一部である凸部360が露出した状態となるように、伝導部材120を取り付けることが重要である。
【0067】
なお、伝導部材120は、被加熱体30以外の部材を覆うことなく取り付けられることとしてもよい。すなわち、本実施形態に係るヒータ装置10の一部を構成する伝導部材120は、加熱を要する被加熱体30以外の部材を避けて備えられることとしてもよい。
【0068】
より具体的に説明すると、
図6において、弁箱310の上方には弁箱内に備えられる弁の開閉を制御するアクチュエータ510が備えられている。アクチュエータ510は、加熱を必要としないものであるため、伝導部材120は、アクチュエータ510を覆うことなく取り付けられる。
【0069】
また、
図6に示されるように、伝導部材120には、被加熱体30の温度を検知するための検知部130を更に備えることとしてもよい。
図6を参照すると、伝導部材120には、上記説明した被加熱体30の一部(
図6における配管320)の形状に沿って形成される切欠123の他に、加熱状態をモニタリングするための検知部130を収容する第2の切欠124が形成されている。検知部130は、例えば熱電対であることとしてもよい。
【0070】
このように、伝導部材に第2の切欠124を設け、該第2の切欠124に検知部130を設けることによって、被加熱体30に近接する位置の温度状態をモニタリングすることができる。なお、検知部130によってモニタリングされた温度データに基づいて、ヒータ110の制御を行うことは、ヒータ装置10が使用された際のエネルギー効率を高める上で有益である。
【0071】
検知部130は、
図6に示されるように、伝導部材120の連結部122に備えられることとしてもよい。すなわち、伝導部材120の連結部122には、検知部130の形状に対応する第2の切欠124が形成され、検知部130は、第2の切欠124の内部に収容されて備えられることとしてもよい。
【0072】
また、伝導部材120に形成される第2の切欠124は、例えば
図6に示されるように、被加熱体30の凸部360(
図6における弁箱310に相当)と直接接する伝導部材120の一の面125と反対側の、他の面126に形成されることとしてもよい。この場合、検知部130は、伝導部材120を介して被加熱体30の温度をモニタリングすることとなる。
【0073】
また、伝導部材120に形成される第2の切欠124は、被加熱体30の凸部360(
図6における弁箱310に相当)と直接接する伝導部材120の一の面125に形成されることとしてもよい。この場合、検知部130は、伝導部材120を介さず被加熱体30の温度を直接モニタリングすることとなる。
【0074】
また
図6に示されるように、伝導部材120に形成される第2の切欠124は、複数備えられることとしてもよい。また、ヒータ装置10は、伝導部材120に形成される複数の第2の切欠124それぞれに対応する、複数の検知部130が備えられることとしてもよい。
【0075】
図6には、伝導部材120に形成される第2の切欠124が、被加熱体30の複数の凸部360(
図6における弁箱310に相当)と直接接する伝導部材120の一の面125と反対側の、他の面126における、該複数の凸部360に近接する位置に複数形成されていることが示されている。
【0076】
また、伝導部材120は、20℃における熱伝導率が1.0W/(m・K)以上の材料によって形成されていることとしてもよい。伝導部材120は、20℃における熱伝導率が1.0W/(m・K)以上の材料によって形成されることによって、本願発明の効果を更に高めることとなる。
【0077】
また、伝導部材120は、20℃における熱伝導率が100W/(m・K)以上の材料によって形成されていることとしてもよいし、20℃における熱伝導率が200W/(m・K)以上の材料によって形成されていることとしてもよい。
【0078】
また、伝導部材120は、具体的には金属で形成されることとしてもよい。より具体的には、伝導部材は、アルミニウムによって形成されることとしてもよい。例えば伝導部材120が、アルミニウム等の鉄等と比較して軽い金属で構成されることによって、被加熱体30に取り付けた際の荷重を軽減することができ好ましい。
【0079】
上記説明した、ヒータ装置10は、凹凸形状を有する被加熱体30を効率よく加熱するヒータ装置である。
【0080】
[本発明の他の実施態様に係るヒータ装置]
以下に、被加熱体40を加熱する他の実施態様に係るヒータ装置20について説明する。なお、他の実施態様に係るヒータ装置20が加熱する被加熱体40の形状は、上記説明した一の実施態様に係るヒータ装置10が加熱する被加熱体10の形状と異なるものである。
【0081】
他の実施態様に係るヒータ装置20の一部を構成する伝導部材220は、加熱対象となる被加熱体40に対応した形状を有することとなる。すなわち、他の実施態様に係るヒータ装置20は、被加熱体の形状が異なる点において上記一の実施態様に係るヒータ装置10と異なっている。
【0082】
他の実施態様に係るヒータ装置20の伝導部材40以外の構成については、上記一の実施態様に係るヒータ装置10の構成と同様のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0083】
図7は、他の実施形態に係るヒータ装置を、被加熱体に装着した状態で示す斜視図である。
図8は、
図7におけるVIII−VIII線における断面を示す図である。
図9は、
図7におけるIX−IX線における断面を示す図である。
【0084】
被加熱体40は、流体の流れを調節するための弁を収容する一つの弁箱410と、弁箱410の両側に備えられる流体を輸送する配管420A、420Bと、を含んで構成される。
【0085】
なお、弁箱410の上部には、弁の駆動を制御するためのアクチュエータ510Dが取り付けられている。アクチュエータ510Dは加熱される必要のないものであるため、被加熱体40には含まれないこととする。
【0086】
被加熱体40を
図8、9の方向からみると、弁箱410の両側に配管が備えられているために、弁箱410の両側に凹部450が備えられることとなる。このような被加熱体40を、例えばシート状のヒータ110で単に覆うと、弁箱410に近接する部分の凹部450を効率よく加熱することが困難なものとなる。
【0087】
図8、9に示されるように、他の実施形態におけるヒータ装置20は、このような被加熱体40の凹部450に熱伝導性の伝導部材220を取り付け、ヒータ110の一部を伝導部材220に当接して備える(例えば
図8、9における符号Aの場所)こととしてもよい。
【0088】
凹部350に熱伝導性の伝導部材120を取り付け、又、凹部350に熱伝導性の伝導部材120を取り付け更にヒータ110の一部を伝導部材220に当接して備えることよって、ヒータ110から発せられた熱は伝導部材220を介して、被加熱体40に伝わることとなる。これによって、ヒータ装置10は、より効率良く被加熱体40を加熱することとなる。
【0089】
また、
図9に示されるように、ヒータ110の他の一部は被加熱体40の凸部460と直接当接して備えられる(例えば
図9における符号Bの場所)。
【0090】
これによって、ヒータ110から発せられた熱が直接被加熱体40に伝えられることとなる。これによって、他の実施形態に係るヒータ装置20の熱効率は更に高まることとなる。
【0091】
更に、
図8に示されるように、本実施形態に係るヒータ装置20は、被加熱体40の凹部450に伝導部材40を取り付けた状態で、該被加熱体40と該伝導部材220とをヒータ110が被覆した場合、伝導部材220の形状は、伝導部材220の一部が被加熱体40と当接するように構成されている(例えば
図8における符号Cの場所)こととしてもよい。これによって、他の実施形態に係るヒータ装置20の熱効率は更に高まることとなる。
【0092】
図10は、他の実施形態に係るヒータ装置の一部を構成する伝導部材を、被加熱体に装着した状態で示す分解斜視図である。伝導部材220は、前述のように被加熱体40の凹部450に取り付けるように構成される。
【0093】
すなわち、伝導部材220は、加熱を要し、一の方向からみて凹凸形状を有する被加熱体40に取り付けて加熱するヒータ装置20に用いられる伝導部材220であって、前記被加熱体40の凹部450に取り付けるように構成される。
【0094】
また、装着性と高める観点から、伝導部材220は被加熱体40の凹部450に対して、予め定められた一の方向のみから取り付けるように構成されている。より具体的には、本実施形態の伝導部材220は、
図10における矢印α方向より、被加熱体40の凹部450に嵌合するように備えることができる。
【0095】
また、伝導部材220は、被加熱体40の凹部の形状に対応する凸部221を有するものである。また、
図10に示されるように、被加熱体40の凹部450が複数存在する場合、伝導部材220は、被加熱体40の複数の凹部450の形状に対応する複数の凸部221を有するものであることとしてもよい。
【0096】
そして、本実施形態に係るヒータ装置20の一部を構成する伝導部材220は、被加熱体40の複数の凹部450の形状に対応する複数の凸部221と、該複数の凸部221をつなぐ連結部222と、を含んで構成されることとしてもよい。
【0097】
すなわち、本実施形態に係るヒータ装置20の一部を構成する伝導部材220は、被加熱体40の凹部450の形状を埋めるように予め形成された一の部材のみからなるものであることとしてもよい。
【0098】
このように、伝導部材220が一の部材で構成されることによって、装着性が更に高まり、また、伝導部材220内での熱の伝搬効率が高まり好ましい。
【0099】
そして、被加熱体40が本実施形態の例のように、流体を輸送する配管420と、前記流体の流れを調節するための弁を収容する弁箱410と、を含んで構成されている場合、伝導部材220に備えられる、被加熱体40の凹部450の形状に対応する凸部221には、該配管420の形状に沿って形成される切欠223が形成されている。
【0100】
伝導部材420の切欠223に、被加熱体40の一部を構成する配管420を収容することによって、配管420の略全周にわたって伝導部材220から放射される熱に晒されることとなり、熱効率が高まることとなる。
【0101】
上記説明した、ヒータ装置20は、凹凸形状を有する被加熱体40を効率よく加熱するヒータ装置である。
【0102】
なお、被加熱体40において、弁箱410と配管420とを接続する継手430が弁箱410に対して小さいものである場合、継手430を配管420の一部とみなし、継手430と配管420とを、伝導部材220で覆うこととしてもよい。
【0103】
図11は、他の実施形態に係るヒータ装置を、被加熱体に装着した状態の変形例を示す断面図である。
【0104】
このように、伝導部材220を被加熱体40の凹部450に取り付けたヒータ装置20は、凹凸形状を有する被加熱体40を効率よく加熱するヒータ装置である。
【0105】
なお、前記本実施形態、他の実施形態の構成に限定されず、本発明の趣旨の範囲でヒータ装置の各構成は変更可能である。例えば被加熱体の凹凸形状に関して、被加熱体として例えば弁体自体が凹凸形状を有する場合には弁体の凹部に対して伝導部材(凸部)が対応するように構成することが可能である。またヒータ装置の伝導部材は、被加熱体の凹部(例えば配管周りの領域)に対応する凸部のみを備えて構成されることが可能である。その他、上記実施形態では、固定部が、被加熱体の鉛直方向下側(換言すれば底面側)に位置し、被加熱体と伝導部材との位置を被加熱体の鉛直方向下側から固定するように構成される場合について説明したが、これに限らず、固定部は、被加熱体の所定部位(例えば側面側部位や上面側部位)に位置し、被加熱体と伝導部材との位置を被加熱体の所定部位側(例えば側面側や上面側)から固定するように構成されることも可能である。