(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガラスリボンを処理方向に搬送する工程をさらに含み、前記接触させる工程が、前記付着したガラスリボン及びガラス物品が少なくとも約1m/sの速度で搬送される間に起こる、請求項1又は2に記載の方法。
(i)前記ガラス物品を前記ガラスリボンから分離する前に、前記ガラスリボンが、そこに付着した複数の成形ガラス物品を含む、及び/又は(ii)前記ガラス物品が容器であり、該容器の口が前記ガラス物品及び前記ガラスリボンの付着領域に近接する、
請求項1から3いずれか1項に記載の方法。
(i)前記レーザビームの前記焦線が、前記付着領域にのみ接触するのに十分な長さを有する;及び/又は(ii)前記レーザが前記付着領域に接触する間に前記ガラスリボン及び前記レーザビームの前記焦線が移動する、
請求項1から6いずれか1項に記載の方法。
前記レーザ分離システムが、(i)前記レーザビームを収束するよう操作可能な光学アセンブリを含む;及び/又は(ii)環状経路に前記レーザビームを移動させるよう操作可能な1つ以上の移動ミラーを含む、
請求項10記載のガラスリボン設備。
前記レーザビームが、(i)約1kHzから2MHzまでの繰返し周波数を有し、バーストごとに2〜25パルスを含む;及び/又は(ii)前記付着領域をレーザビームの焦線と接触させ、前記付着領域が、前記レーザビームにより穿孔され、互いに1から25マイクロメートル離れた複数の穿孔が形成される、
請求項1から9又は12いずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、レーザ処理を利用してガラス物品を製造する装置及び方法の実施の形態が詳細に参照され、その例が添付の図面に示される。可能な場合はいつでも、図面の全体に亘って同じ参照番号は同じ又は類似の部品を称するために使用される。ガラス物品を製造する装置のある実施の形態が、
図1に示され、レーザ処理を利用してガラスリボンに付着したガラス物品を分離するガラスリボン設備が示される。概して、ガラスリボン設備は、ガラス物品を成形する形成工程に続き、ガラスリボンに付着した成形ガラス物品を製造してもよい。例えば、ガラスリボン設備は、実質的に中空であり、ガラスリボン中の孔に対応する容器の開口においてガラスリボンに付着するガラス容器を製造してもよい。ガラス物品の製造を完了するために、ガラス物品は、ガラスリボンから分離される。ある実施の形態において、ガラス物品は、ガラス物品及びガラスリボンの付着領域におけるレーザビームとの接触を介してガラスリボンから分離され、これはここでレーザ処理と称されてもよい。レーザ処理は、単独で又は他の製造工程と共に使用されて、ガラス物品及びガラスリボンの付着領域においてガラスを切断し、それによりガラス物品をガラスリボンから分離し得る。レーザ処理は、ガラス物品が付着したガラスリボンをレーザビームの焦線と接触させる工程を含み、焦線はガラスリボンの平面に実質的に垂直である。例えば、焦線は、分離されたガラス物品の口の外縁に対応するガラス物品の開口の周りに閉ループを描いてもよい。
【0013】
ガラスリボンからガラス物品を分離するためにレーザ処理を利用することにより、破片のサイズ及び破片の総量の点で、破片(すなわち、ガラスのかけら、小片、断片等)が実質的に減少し得る。さらに、成形中に高い成形温度にガラス物品をさらす必要なく比較的低い温度でガラス製造工程全体を行ってもよく、これによりガラス物品内に収容される物質と接触する際のガラス物品の耐久性が強化され得る。ガラス物品を製造する方法及び装置の様々の実施の形態が、添付の特許請求の範囲を特に参照しながらここに記載される。
【0014】
図1を参照すると、ガラスリボン設備100が概略的に示される。概して、ガラスリボン110は、ローラ114により形成され、処理方向118(
図1の左から右)にコンベヤ116上で搬送される。ガラス112は、ガラス112をガラスリボン110に再成形するローラ114に接触する前に溶融される。ガラスリボン110は概して、処理方向118に長さを有し、その長さよりずっと小さい厚さ(ローラ114間の領域により特定される)を有する。厚さは、ガラスリボン110の表面111と裏面113との間の距離により定められる。ガラスリボン110の表面111及び裏面113は、実質的に平面である。ガラスリボン110が処理方向に移動すると、より熱いガラス112が成形されてガラスリボン110を形成し、ガラスリボン110の既存部分が処理方向118に沿って移動してガラスリボン110が連続的に作成される。ガラスリボン110は、コンベヤ116上に載ってもよく、コンベヤ116は処理方向118に移動し、処理方向118にガラスリボン110を搬送する。ある実施の形態において、コンベヤ116はチェーンを含み、少なくともガラス物品200の直径の大きさである穴を有する。しかしながら、コンベヤ116は、ガラスリボン110を処理方向118に沿って移動させるのに適切な任意の機械的装置でもよい。
【0015】
最終的にガラス物品200の材料となるガラスリボン110を形成するために利用されるガラスは、ガラス物品200の所望の形状に成形するのに適切な任意のガラスでよい。例えば、ガラスは、アルカリアルミノシリケートガラス又はアルカリ土類アルミノシリケートガラスのようなアルミノシリケートガラスでもよい。ある実施の形態において、ガラス物品200の形成後に機械的強化のためにガラス組成物がイオン交換を受けることができるように、ガラスはイオン交換可能でもよい。実施の形態において、ガラス組成物は、ASTM標準E438.92により定められる「タイプ1a」又は「タイプ1b」ガラス組成物でもよい。ある実施の形態において、タイプ1a及びタイプ1bガラスは、医薬用途での使用に適切な化学的耐久性を有する。実施の形態において、ガラス組成物は、約1.0モル%超のホウ素及び/又は限定されることなくB
2O
3を含むホウ素含有化合物を含んでもよい。他の実施の形態において、ガラス物品が形成されるガラス組成物は、約1.0モル%以下のホウ素の酸化物及び/又はホウ素含有化合物を含む。これらの実施の形態のいくつかにおいて、ガラス組成物中のホウ素の酸化物及び/又はホウ素含有化合物の濃度は、約0.5モル%以下、約0.4モル%以下、又は約0.3モル%以下でもよい。これらの実施の形態のいくつかにおいて、ガラス組成物中のホウ素の酸化物及び/又はホウ素含有化合物の濃度は、約0.2モル%以下、又は0.1モル%以下でもよい。他の実施の形態において、ガラス組成物は、ホウ素及びホウ素含有化合物を実質的に含まない。
【0016】
ガラスリボン110は処理方向118に搬送され、
パリソン142がブローヘッド140により形成される。ブローヘッド140は、処理方向118にガラスリボン110と概略同じ速度で移動し、ガラスリボン110の表面111と接触してもよい。ブローヘッド140は、空気のような気体をガラスリボン110中に吹き込み、処理方向118にガラスリボン110と共に移動する
パリソン142を形成する。ここで用いたように、「
パリソン」とは、限定されることなく、ガラスリボン110の上方に位置するブローヘッド140により吹き込まれる気体のような機械的力により、ガラスリボン110の一部から形成される垂れ下がりガラスを称する。
パリソン142は、ガラスリボン110から垂れ下がり、ブローヘッド140から吹き込まれる気体により少なくとも一部引き延ばされる。
パリソン142は、主としてブローヘッド140からの気体及び重力により形作られる。
パリソン142は中空でもよく、ブローヘッド140により形成されるガラスリボン110中の孔においてガラスリボン110に結合されてもよい。
【0017】
その後、
パリソン142は、ガラス物品200に成形される。ある実施の形態において、
パリソン142は、
パリソン142と並んで移動するペースト型160により被包される。ペースト型160は、一緒になって
パリソン142を封入する2つの側面を有してもよい。実施の形態において、ペースト型160は、ガラスリボン110を移動させるコンベヤ116と同じ速度で処理方向118に移動し、
パリソン142を形成したブローヘッド140と概して一列に並ぶ。ペースト型160は、形成されるガラス物品200の外形に適合する内部形状を有する。ペースト型160が
パリソン142の周りに配置されると、ブローヘッド140は
パリソン142内に気体を吹き込み続け、
パリソン142が膨張して、ペースト型160の内部形状を充填し、したがってガラス物品200の所望の形状を形成する。
パリソン142は、ペースト型160内に膨張してペースト型の内壁に接触し、
パリソン142内の気体により占められる領域がガラス物品の中空内部202を形成する(
図3に示される)。したがって、
パリソン142は、ペースト型160の内部でガラス物品200に形作られ変形される。実施の形態において、ガラス物品200は、外縁においてペースト型の形状に合わせた壁201を有し、壁201の全領域の周りに比較的均一の厚さを有してもよい。
【0018】
図1に示されるように、複数のブローヘッド140及びペースト型160は、連続的なガラスリボン110に接触するように連続的に循環される。したがって、ブローヘッド140、ペースト型160、及びガラスリボン110を移動するコンベヤ116は全て、概略同じ速度で移動する。
【0019】
様々の適合形状を有するペースト型160を、広範な形状及びサイズを有するガラス物品200を製造するために利用してもよい。ガラス物品200は、容器(すなわちガラスビン)の形状を有するものとして
図1に示されるが、ガラス物品200は、限定されることなく、カートリッジ、注射器、注射筒、バキュテナー(vacutainer)、アンプル、ボトル、フラスコ、薬瓶、管、ビーカ、バルブ、ボウル、キャニスタ、カプセル、ジャー、タンク等を含む他の形状を有してもよいことが理解されるべきである。
【0020】
パリソン142がガラス物品200の形状に吹き込まれた後、ペースト型160が開き、ガラスリボン110から垂れ下がる成形ガラス物品200から外される。ペースト型160が取り外されると、ガラス物品200の形状及びサイズは、ガラスリボン110から分離される最終ガラス物品200のものとなる。その後、ブローヘッド140がガラスリボン110から外され、ガラスリボン110及び付着したガラス物品200のみが残る。ガラスリボン110及びガラス物品200は、コンベヤ116により処理方向118に移動され続ける。その後、ガラス物品200は、硬い固体に冷却される。冷却は、周囲条件にさらされることにより徐々にでもよく、強制冷却処理でもよい。
【0021】
次に、
図2及び3を参照すると、ガラスリボン110及びガラス物品200は、ブローヘッド140及びペースト型160の解除後が示される(
図1の右方向の領域)。概して、ペースト型160による成形後、ガラス物品200は、付着領域222においてガラスリボン110の裏面113から吊るされる。付着領域222は、ガラスリボン110からガラス物品200が分離された後の残存ガラスリボン110とガラス物品200との間の境界を定める(ガラス物品200の縁部)。ある実施の形態において、成形ガラス物品200は、開口209を有する実質的に中空の容器である。開口209は、ガラスリボン110中の孔を定め、これは、
パリソン142を作製するためにガラスリボン110中に導かれた気体によりブローヘッド140によって最初に作製された。
【0022】
ある実施の形態において、ガラス物品は、ガラス物品200の内部202(容器の中空領域)を取り囲む壁201を有する。ガラス物品200の口211は、ガラス物品200の開口209により定められ、これはガラスリボン110中の孔である。口211は、ガラス物品200及びガラスリボン110の付着領域222に近接してよい。付着領域222は、ガラスリボン110中の孔の縁部に隣接する領域を含んでもよい(開口209により定められる)。例えば、付着領域222は、円柱形状でもよく、ガラス物品200の口211の外縁134を定める。付着領域222は、開口209よりも大きい直径を有し、開口209を取り囲み、ガラス物品200がガラスリボン110から分離されるとガラス物品200の口211が形成される。ある実施の形態において、ガラスリボン110は、ブローヘッド140との接触により生じる表面111における凹部を有し、この凹部は凹部側縁132(
図2及び3に示されるように環状でもよい)及び凹部底縁135により定められる。付着領域222は、凹部側縁132と開口209との間でもよい。凹部底縁135は、ガラス物品200の口211の頂部の少なくとも一部を定め得る。
【0023】
ここに記載される実施の形態において、ガラス物品200は、付着領域にレーザビーム220を接触させることにより、付着領域222においてガラスリボン110から分離され、これはここで時にレーザ処理と称される。レーザビーム、並びにその動き、焦点、及び経路に作用し得る付随機構は、ここでレーザ分離システムと集合的に称される。付着領域222にレーザビーム220を接触させることを単独で、又は他の製造工程と共に利用して、ガラスリボン110からガラス物品200を切り出し、ガラスリボン110をガラス物品200から分離してもよい。
【0024】
レーザビーム220との接触により、付着領域222の切断、穿孔、切除、又は他の機械的強度の変更が生じ得る。概して、レーザビーム220は、付着領域222の機械的強度を変えるために付着領域222の特定の領域において一定の強度を有しなければならない。レーザビーム220は、付着したガラスリボン110及びガラス物品200を穴開け、切断、分離、穿孔、又は他の処理をするために、付着領域222中に小さい(マイクロメートル以下)「穴」を作製するように動作可能である。より詳細には、例えば1064nm、532nm、355nm、又は266nmの波長を有する超短波(すなわち、10
−10から10
−15秒まで)のパルスレーザビーム220が、レーザビーム220の焦線223として示されるように、付着領域222に欠陥を生じるのに必要な閾値を超えるエネルギー密度まで集中される。レーザビーム220は、約1kHzから4MHzまで、又は1kHzから2MHzまで、又は別の実施の形態では、約10kHzから約650kHzまでの範囲の繰返し周波数を有してもよい。処理を繰り返すことにより、所定の経路(すなわち付着領域222)に沿って並んだ一連のレーザ誘発欠陥が、付着したガラスリボン110及びガラス物品200に作製される。レーザ誘発特徴を互いに十分近く間隔を取ることにより、付着領域222内に機械的に弱い制御領域が作製され、付着領域222は、一連のレーザ誘発欠陥により定められる経路に沿って(機械的に又は熱的に)正確に破砕又は分離される(
図2及び3に示されるように、点線が付着領域222を示す)。超短波レーザパルスに続き、必要に応じて、二酸化炭素(CO
2)レーザ又は他の熱応力供給源により、ガラスリボン110からのガラス物品200の完全自動分離を達成してもよい。ガラスリボン110からガラス物品200を分離するのに適用できる代表的なレーザシステムは、その開示がここに参照されることにより全体的に組み込まれる、「ARRANGEMENT AND METHOD FOR LASER-BASED PROCESSING OF FLAT SUBSTRATES (GLASS CUTTING)」と題される米国特許出願第61752489号に詳細に記載される。
【0025】
レーザビーム220の波長は、レーザ処理される物質(すなわち、付着領域222)がレーザの波長に透過性となるように選択されてもよい。レーザ供給源の選択はまた、付着領域222に多光子吸収(MPA)を誘発する能力に依存してもよい。
【0026】
付着領域222における穿孔は、時間的に互いに近く間隔を取られた高エネルギーの超短パルスの単一「バースト(burst)」で行ってもよい。レーザパルス幅は、10
−10s以下、又は10
−11s以下、又は10
−12s以下、又は10
−13s以下でもよい。例えば、レーザパルス幅は、約1ピコ秒から約100ピコ秒まで、又は別の実施の形態では、約5ピコ秒から約20ピコ秒まで(例えば〜10ピコ秒)でもよい。これらの「バースト」は、高い繰返し周波数(例えばkHz又はMHz)で繰り返されてもよい。各「バースト」は、複数パルスを含んでもよい(例えば、2パルス、3パルス、4パルス、5パルス、10パルス、15パルス、20パルス、25パルス又はより多く)。各「バースト」間の時間はずっと長く、約100kHzのレーザ繰返し周波数についてしばしば10μ秒である。ある実施の形態において、バースト繰返し周波数は、約1kHzから約200kHzまでの範囲にある。正確なタイミング、パルス幅、及び繰返し周波数は、レーザデザインに依存して変化し得るが、高強度の短いパルス(すなわち、約15ピコ秒未満)は、この技術で良好に作用することが示されてきた。(バーストすること又はパルスバーストを生じることは、パルスの放出が均一で安定な流れではなくむしろパルスのタイトクラスターであるレーザ操作の一種である)。
【0027】
レーザ及び/又は付着領域の動き(すなわち、処理方向118におけるガラスリボン110の動き)の制御により、レーザに関する付着領域の速度を制御することによって、穿孔を間隔を開けて正確に配置してもよい。ある実施の形態において、単一経路において、レーザを使用し、表面損傷及び破片生成がほとんどなく(約75μm未満、又はさらに約50μm未満)、付着領域222に亘って高度に制御された実線の穿孔を生じることができる。これは、ガラス厚を完全に穿孔するのに複数経路がしばしば必要であり、大量の破片が切除工程から生じ、より広範囲に亘る表面下損傷(約100μm未満)及び端部チッピングが生ずる、物質を除去するためのスポット集光レーザの典型的な使用とは対照的である。
【0028】
したがって、単一の高エネルギーバーストパルスを使用して付着領域222に、微視的な(すなわち、約0.5μm未満、又はさらに約100nm未満の直径)細長い「穴」(穿孔又は欠陥線とも称される)を生成することが可能である。これらの個々の穿孔は、数百キロヘルツ(例えば、毎秒数十万の穿孔)の周波数で生成できる。したがって、付着領域222とレーザビーム220との間の相対移動により、これらの穿孔は互いに隣接して配置できる(所望のようにサブマイクロメートルから数マイクロメートルまで変化する空間的分離)。この空間的分離は、切断を容易にするために選択される。例えば、穿孔又は損傷の軌道は、1から25マイクロメートルで互いに分離して間隔を開けてもよく、ある実施の形態において間隔は好ましくは3マイクロメートル以上、例えば3〜12マイクロメートル、又は例えば5〜10マイクロメートル、又は10〜20マイクロメートルである。レーザビーム220は、例えばベッセルビームでもよい。
【0029】
例えば、300mm/秒の直線的切断速度を達成するために、3マイクロメートルの穴ピッチは、少なくとも100kHzのバースト繰返し周波数を有するパルスバーストレーザに対応する。600mm/秒の切断速度について、3マイクロメートルのピッチは、少なくとも200kHzのバースト繰返し周波数を有するバースト−パルスレーザに対応する。200kHzで少なくとも40μJ/バーストを生じ、600mm/秒の切断速度で切断するパルスバーストレーザは、少なくとも8ワットのレーザパワーを有する必要がある。したがって、より高い切断速度は、より高いレーザパワーをも必要とする。
【0030】
例えば、3μmピッチ(穿孔間に3マイクロメートルの間隔)及び40μJ/バーストで0.4m/秒の穿孔速度でガラスに穿孔するために、少なくとも5ワットのレーザが必要であり、3μmピッチ及び40μJ/バーストで0.5m/秒の切断速度は、少なくとも6ワットのレーザを必要とする。したがって、好ましくはパルスバーストpsレーザのレーザパワーは6ワット以上であり、より好ましくは少なくとも8ワット以上であり、さらにより好ましくは少なくとも10ワット以上である。例えば、4μmピッチ(欠陥線の間隔、又は損傷軌跡間の間隔)及び100μJ/バーストで0.4m/秒の切断速度を達成するために、少なくとも10ワットのレーザが必要であり、4μmピッチ及び100μJ/バーストで0.5m/秒の切断速度を達成するために、少なくとも12ワットのレーザが必要である。例えば、3μmピッチ及び40μJ/バーストで1m/秒の切断速度を達成するために、少なくとも13ワットのレーザが必要である。また、例えば、4μmピッチ及び400μJ/バーストで1m/秒の切断速度は、少なくとも100ワットのレーザを必要とする。損傷軌跡間の最適なピッチ及び正確なバーストエネルギーは、材料に依存し、経験的に特定してもよい。ピッチが長すぎると(>50μm、及びあるガラスでは>25μm)、「制御されないマイクロクラック」が生じ得る−すなわち、穴から穴へマイクロクラックが伝播する代わりに、異なる経路に沿ってマイクロクラックが伝播し、ガラスが異なる(所望でない)方向に割れる。これによって最終的に、残ったマイクロクラックがガラスを弱める傷として作用するので、分離したガラス部分の強度が低下する。各穿孔を形成するのに使用されるバーストエネルギーが高すぎると(例えば、>2500μJ/バースト、及びある実施の形態において>500μJ/バースト)、隣接する穿孔のすでに形成されたマイクロクラックの「回復」又は再溶融が起こり、ガラスの分離が妨げられる。したがって、少なくともある実施の形態において、バーストエネルギーは<2500μJ/バースト、例えば≦500μJ/バーストであることが好ましい。また、使用するバーストエネルギーが高すぎると、著しく大きいマイクロクラックが形成され、分離後に部品のエッジ強さを低下させる傷が生じ得る。バーストエネルギーが低すぎると(<40μJ/バースト)、ガラス内に感知できるほどの損傷軌跡が形成されず、したがって、非常に高い分離強度が生じる又は穿孔の輪郭に沿って分離することが全くできなくなる。ある実施の形態において、パルスレーザは、10W〜100Wのレーザパワーを有する。
【0031】
ある実施の形態によれば、ボリュメトリックパルスエネルギー密度は、0.01〜0.6μJ/μm
3の範囲内でもよい。コーニングゴリラ(登録商標)のようなガラスについてと比較して、アルカリ性ガラスを穿孔するためにはずっと高い(5から10倍高い)ボリュメトリックパルスエネルギー密度(μJ/μm
3)が必要であることが見出された。これは、例えば、好ましくはバーストごとに少なくとも2パルスでパルスバーストレーザを使用し、アルカリ土類ボロ−アルミノシリケートガラス(低アルカリ又は無アルカリ)内に約0.05μJ/μm
3以上、例えば少なくとも0.1μJ/μm
3、例えば0.1〜0.5μJ/μm
3のボリュメトリックエネルギー密度を提供することにより、達成できる。他のガラスについて、ボリュメトリックエネルギー密度は、0.01〜0.1μJ/μm
3、又は0.05〜0.1μJ/μm
3の範囲内でもよい。したがって、レーザは、バーストごとに少なくとも2パルスでパルスバーストを生じることが好ましい。例えば、ある実施の形態において、パルスレーザは、10W〜150W(例えば、10〜100W)のレーザパワーを有し、バーストごとに少なくとも2パルス(例えば、バーストごとに2〜25パルス)でパルスバーストを生じる。ある実施の形態において、パルスレーザは、25W〜60Wのパワーを有し、バーストごとに少なくとも2〜25パルスでパルスバーストを生じ、レーザバーストにより生じる隣接欠陥線又は穿孔の間の周期性又は距離は、2〜10マイクロメートルである。
【0032】
ある実施の形態において、レーザビーム220は、所定の長さを有し、付着領域を物質的に変化(すなわち、穿孔又は切断)するのに十分な強度を有する、焦線223のような焦点領域を含む。焦線223を形成するために、光学アセンブリを介してレーザを伝送してもよい。焦線223を生じるのに適用できる適切な光学アセンブリ、並びにこれらの光学アセンブリを内部に適用できる代表的な光学設備は、その開示がここに参照されることにより全体的に組み込まれる、「STACKED TRANSPARENT MATERIAL CUTTING WITH ULTRAFAST LASER BEAM OPTICS, DISRUPTIVE LAYERS AND OTHER LAYERS」と題される米国特許出願第61917092号に詳細に記載される。例えば、レーザビームのビーム経路に配置される光学アセンブリは、レーザビームをビーム伝播方向に沿う焦線182に変形するように構成され、レーザビーム焦線223は、0.1mmから100mmまでの範囲の長さを有してもよい。例えば、
図3に示されるように、レーザビーム220は、付着領域222に接触する所定の長さの焦線223を含む。
【0033】
図2及び3に示されるように、焦線223のような、レーザビーム220の焦点領域は、ガラスリボン110の平面に実質的に垂直でもよい。焦線223は、ガラスリボン110の表面111上の付着領域222に入射してもよい。例えば、ある実施の形態において、ガラスリボン110は、例えば少なくとも約1m/sの速度で処理方向118に移動してもよく、レーザビーム220の焦線223は、経路中を移動し、付着領域222に接触し、付着領域222を穿孔してもよい。例えば、焦点領域は、ガラスリボン110に関して環状の方向に移動してもよく、
図2に示されるように焦線223により閉ループが形成されてもよく、環は付着領域222を示す。レーザ処理が起こる間、焦線223及びガラスリボン110は動いていてもよい。しかしながら、他の実施の形態において、ガラスリボン110又は焦線223は、静止してもよい。ある実施の形態において、焦線223の動きは、ガルボミラー、MEMSミラー、又は同様の走査ミラー210により制御されてもよい。
【0034】
次に
図4及び5を参照すると、ある実施の形態において、複数のミラーを使用して、レーザビーム220を付着領域222と接触させるように所望の方向に移動させてもよい。ある実施の形態において、光源レーザ188は、1つ以上の移動ミラー195、197により反射されてもよい。光源レーザ188の第一部分192は、下向きに方向付けられてもよく(ガラスリボン110に垂直)、第一ミラー195により反射されて水平に方向付けられる光源レーザ188の第二部分194を形成してもよい。光源レーザ188の第二部分194は、第二ミラー197により反射されて光源レーザ188の第三部分196を形成してもよく、これは、下向きに方向付けられて光学アセンブリ184上に入射する。第一ミラー195は、光源レーザ188の第一部分192の入射点にある軸の周りに回転してもよい。したがって、第二部分194は、第一ミラー195から出て、回転して円198の経路に接触する。第二ミラー197は、円198の経路の周りの環状経路中を移動し、回転する第二部分194を連続的に反射する。第三部分196が光学アセンブリ184上に連続的に入射するように、光学アセンブリ184は、第二ミラー197と同じ速度で円199の経路の周りを第二ミラー197の真下で移動する。この配置において、第三部分196は、その移動中に円筒形状を形成してもよく、光学アセンブリ184を介して伝送されるレーザの移動のために円筒形状に形を変えてもよい。別の実施の形態において、光学アセンブリは、第一部分192上に配置され、レーザビームの集束領域は一つ以上のミラーにより方向付けることができた。付着領域222と接触するレーザビーム220の環状経路を使用して、口211の外縁134のために丸い形状を切断してもよい。さらに、リボン設備100中に組み込まれる際に、光源レーザ188は、円を形成するように操作できるが、ガラスリボン110の移動に続くように処理方向118に移動することもできる。
【0035】
ある実施の形態において、レーザビーム220の焦線223のような焦点領域は、付着領域222のみを接触するのに十分な長さを有する。例えば、焦線223は、ガラス物品200の本体207のような、ガラス物品200の他の部分に入射が生じないような長さを有する。例えば、ガラス物品200の本体207は、ガラス物品200の口211の外縁134より大きい直径を有してもよい。このような構成では、焦線223が無制限に伸長すると、焦線223はガラス物品200の本体207に接触し、おそらく本体207を切断する。
【0036】
レーザビーム220による接触後、ガラス物品200は自然とガラスリボン110から分離し、
図3に示されるようにガラスリボン110から落下してもよい。他の実施の形態において、分離は、追加の熱処理又は追加のレーザ処理により生じてもよい。ある実施の形態において、分離は、付着領域222がレーザビーム220との接触により穿孔された直後に自然と生じてもよい。そのような分離は、ガラス中に存在する機械的応力により生じてもよい。例えば、比較的高い熱膨張係数を有するガラスは、穿孔領域においてより高い応力負荷を生じ、それにより連続的な割れ線及び自然な分離が生じる。別の実施の形態において、分離は、穿孔後に付着領域222を冷却することにより生じてもよい。例えば、付着領域222におけるガラスは、放熱を吸収する黒体により、又は付着領域222上又はその近くで冷たい空気又は他の気体を吹き込むことにより、冷却してもよい。別の実施の形態において、穿孔後にガラス物品の頂部に空気圧を加えることにより、分離を行ってもよい。例えば、第2の一連のブローヘッドは、ガラスリボン110の表面111上に空気を吹きかけてもよい。したがって、空気は下方に吹かれ、吹かれた空気の力により分離が生じ得る。別の実施の形態において、穿孔後にガラス物品200上に機械的力を下方にかけ、分離を生じてもよい。例えば、ガラス物品200の底部に真空をかける、又はガラス物品200に機械的装置を取り付け下方に引っ張ることができる。
【0037】
図4は、付着領域222を穿孔及び/又は切断するのに十分な強度を有する焦線182を形成する集束レーザの実施の形態を概略的に示す。付着領域222上に入射するレーザビーム220中に焦線182を形成するために、光源レーザ188は、光学アセンブリ184を介して伝送されてもよい。例えば、光源レーザ188のビーム経路中に配置された光学アセンブリ184は、ビーム伝播方向に沿って観察して、光源レーザ188を焦線223に変形するよう構成され、レーザビーム焦線223は、0.1mmから100mmまでの範囲の長さを有する。例えば、
図4に示されるように、丸い又はディスク形状の光学アセンブリ184を利用して、光源レーザ188を収束し、所定の長さの焦線223を形成してもよい。ミラーは
図4に示されないが、焦線223の略垂直な配置を維持しながら、光源レーザ188及び/又は光学アセンブリ184の位置を変えるために組み込まれてもよい。少なくともいくつかの実施の形態によれば、焦線223は、ベッセルビーム焦線である。
【0038】
ここに記載されるガラス物品200を形成するための方法及び装置は、医薬品、食品、飲料、及び他の消費物質のための容器としての機能を果たすガラス物品200を形成するために特に適切であり得る。ある実施の形態において、ガラス物品200は、ガラスリボン110からガラス物品200を分離する際に形成される破片を実質的に含まない。ガラス切断からのガラス破片の場合、例えば、容器内に保存された物質(すなわち、医薬品、食品、及び/又は飲料)と混合されたガラスの摂取又は注入による消費は、使用者に有害となり得る。
【0039】
従来のガラスリボン設備は、機械的処理により、ガラス物品200をそれが付着したガラスリボン110から分離し得る。そのような処理により、200マイクロメートル超のガラスチップが生じ得る。しかしながら、ここに記載されるレーザ処理方法及び装置により、200マイクロメートル超のガラスチップ又は他の破片を形成することなく、ガラスリボン110からガラス物品200が分離され得る。例えば、様々の実施の形態において、レーザ処理からの破片は、例えば約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、約25マイクロメートル未満、又は約10マイクロメートル未満とサイズが小さくなり得る。ここで用いたように、ガラス破片は、形成された破片の任意の単一ピースの任意の方向において最長の長さとして測定される。
【0040】
理論にとらわれることなく、ここに記載される型形成処理により、ガラス物品形成に使用されるのにより低い温度が可能となり、したがって、ここに記載されるガラス物品中のガラス層間剥離の傾向が減少し得る。特に、医薬品又は他の組成物を収容するためのいくつかのガラス物品は、アルカリホウケイ酸ガラスのような、化学的耐久性及び低い熱膨張を示すことが知られているガラス組成物から通常は形成される。アルカリホウケイ酸ガラスは、良好な化学的耐久性を示す一方で、容器製造者は、ガラス容器中に含まれる溶液中に分散されるシリカに富むガラスフレークを観察した。この現象は、層間剥離と称される。溶液が長期間(数カ月から数年)ガラス表面と直接接触して保存される際に特に、層間剥離が起こる。したがって、良好な化学的耐久性を示すガラスは、層間剥離に必ずしも耐性ではないかもしれない。
【0041】
層間剥離は、従来の形成処理中にガラスを容器形状に再成形するのに使用される比較的高い温度にガラスをさらす際に、アルカリホウケイ酸ガラス中に生じる相分離によるものと仮定されてきた。さらに、ガラス容器の内面からのシリカに富むガラスフレークの層間剥離は、形成された状態でのガラス容器の組成的特徴によるものと考えられている。特に、アルカリホウケイ酸ガラスの高いシリカ含有量により、ガラスは、従来の形成処理のために比較的高い溶融及び形成温度を有することとなる。しかしながら、ガラス組成物中のアルカリ及びホウ酸塩成分は、ずっと低い温度で溶融及び/又は気化する。特に、ガラス中のホウ酸塩種は、大いに揮発性であり、従来の方法を使用してガラスを形成及び再形成するのに必要な高い温度でガラスの表面から気化する。
【0042】
特に、いくつかの処理において、ガラスストックは、高温でガラス容器に再形成され、より多くの揮発性ホウ酸塩種をガラスの表面の部分から気化させる。この気化がガラス容器の内容積内で生じると、気化したホウ酸塩種はガラス容器表面の他の領域に再堆積され、特にガラス容器の内側の表面付近の領域(すなわち、ガラス容器の内表面における又はそれに直接隣接するそれらの領域)に関して、ガラス容器表面に組成の不均一性を生じる。しかしながら、ここに記載されるリボン設備処理は、ガラス成形のために低温で使用してもよく、したがってホウ素は実質的に気化されないかもされないことが見出された。
【0043】
本開示を参照して、ガラス容器のようなここに記載されるガラス物品は、破片を少なくしながらガラスリボン設備により急速に製造し得ることが理解されるべきである。そのようなガラス物品は、医薬組成物の保存を含む多くの目的に所望な特性を有し得る。
【0044】
特許請求の範囲の事項の精神及び範囲を逸脱せずに、ここに記載される実施の形態に様々の修正及び変更をしてもよいことが当業者に明らかであろう。したがって、本明細書は、そのような修正及び変更が添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内である限り、ここに記載される様々の実施の形態の修正及び変更に及ぶことが意図される。
【0045】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0046】
実施形態1
成形ガラス物品を作製する方法であって、該方法が:
実質的に平面の表面及び実質的に平面の裏面を含むガラスリボンを形成する工程;
前記ガラスリボンのガラスを含む
パリソンを形成する工程であって、該
パリソンは前記ガラスリボン中に形成された孔において前記ガラスリボンに付着し、前記
パリソンは、前記ガラスリボンの前記孔において開口を有する中空であり、前記ガラスリボンの前記
裏面から伸長する、工程;
ガラス物品を形成するために前記
パリソンを成形する工程であって、前記ガラス物品は付着領域において前記ガラスリボンに付着し、前記付着領域は前記孔の縁部に近接する領域を含み、前記付着領域は前記ガラス物品の縁部を定める、工程;
前記付着領域をレーザビームにより穿孔するように、前記付着領域を前記レーザビームの焦線と接触させる工程であって、前記焦線は、前記ガラスリボンの平面に実質的に垂直である、工程;及び
前記付着領域において前記ガラスリボンから前記ガラス物品を分離する工程、
を含む、方法。
【0047】
実施形態2
前記成形ガラス物品が、開口を含む実質的に中空の容器であり、前記開口が前記ガラスリボン中の孔である、実施形態1記載の方法。
【0048】
実施形態3
前記付着領域が、円筒形状であり、前記ガラス物品の口の外縁を定める、実施形態1又は2記載の方法。
【0049】
実施形態4
前記ガラスリボンを処理方向に搬送する工程をさらに含み、前記接触させる工程が、前記付着したガラスリボン及びガラス物品が少なくとも約1m/sの速度で搬送される間に起こる、実施形態1から3いずれかに記載の方法。
【0050】
実施形態5
前記ガラス物品を前記ガラスリボンから分離する前に、前記ガラスリボンが、そこに付着した複数の成形ガラス物品を含む、実施形態1から4いずれかに記載の方法。
【0051】
実施形態6
前記ガラス物品が容器であり、該容器の口が前記ガラス物品及び前記ガラスリボンの付着領域に近接する、実施形態1から5いずれかに記載の方法。
【0052】
実施形態7
少なくとも1つのローラで前記ガラスリボンを成形する工程をさらに含む、実施形態1から6いずれかに記載の方法。
【0053】
実施形態8
前記レーザビームが、約1ピコ秒から約100ピコ秒までのパルス幅を有する、実施形態1から7いずれかに記載の方法。
【0054】
実施形態9
前記レーザビームが、約1kHzから4MHzまでの繰返し周波数を有する、実施形態1から8いずれかに記載の方法。
【0055】
実施形態10
前記ガラス物品及び前記ガラスリボンが、前記レーザビームの波長に透過性である、実施形態1から9いずれかに記載の方法。
【0056】
実施形態11
前記レーザビームの前記焦線が、前記付着領域にのみ接触するのに十分な長さを有する、実施形態1から10いずれかに記載の方法。
【0057】
実施形態12
前記ガラス物品の本体が、前記ガラス物品の口の外縁よりも大きい直径を有する、実施形態11記載の方法。
【0058】
実施形態13
前記レーザが前記付着領域に接触する間に前記ガラスリボン及び前記レーザビームの前記焦線が移動する、実施形態1から12いずれかに記載の方法。
【0059】
実施形態14
前記方法が、約200マイクロメートル超のガラスチップ又は他の破片を形成しない、実施形態1から13いずれかに記載の方法。
【0060】
実施形態15
前記レーザビームの前記焦線が、前記ガラスリボンに関して環状方向に移動する、実施形態1から14いずれかに記載の方法。
【0061】
実施形態16
ガラス物品を形成するガラスリボン設備であって、該ガラスリボン設備が:
ガラスリボンを形成するためのローラ;
前記ガラスリボンを搬送するためのコンベヤ;
前記ガラスリボン中に
パリソンを形成するためのブローヘッド;
前記
パリソンを前記ガラス物品に形作るためのペースト型;及び
レーザビームの焦線を含むレーザ分離システムであって、前記焦線が、記ガラスリボンを穿孔するのに十分な強度を有し前記ガラスリボンの平面に実質的に垂直である、
ガラスリボン設備。
【0062】
実施形態17
前記レーザ分離システムが、前記レーザビームを収束するよう操作可能な光学アセンブリを含む、実施形態16記載のガラスリボン設備。
【0063】
実施形態18
前記レーザ分離システムが、環状経路に前記レーザビームを移動させるよう操作可能な1つ以上の移動ミラーを含む、実施形態16又は17記載の方法。
【0064】
実施形態19
前記レーザビームが、約1kHzから2MHzまでの繰返し周波数を有する、実施形態16、17又は18記載の方法。
【0065】
実施形態20
成形ガラス物品を作製する方法であって、該方法が:
実質的に平面の表面及び実質的に平面の裏面を含むガラスリボンを形成する工程;
前記ガラスリボンのガラスを含む
パリソンを形成する工程であって、該
パリソンは前記ガラスリボン中に形成された孔において前記ガラスリボンに付着し、前記
パリソンは、前記ガラスリボンの前記孔において開口を有する中空であり、前記ガラスリボンの前記
裏面から伸長する、工程;
ガラス物品を形成するために前記
パリソンを成形する工程であって、前記ガラス物品は付着領域において前記ガラスリボンに付着し、前記付着領域は前記孔の縁部に近接する領域を含み、前記付着領域は前記ガラス物品の縁部を定める、工程;
前記付着領域をレーザビームにより穿孔するように、前記付着領域を前記レーザビームの焦線と接触させる工程であって、前記焦線は、前記ガラスリボンの平面に実質的に垂直であり、
前記レーザビームは、約1ピコ秒から約100ピコ秒までのパルス幅を有し;
前記レーザビームは、約1kHzから2MHzまでの繰返し周波数を有し;
前記ガラス物品及び前記ガラスリボンは、前記レーザビームの波長に透過性である、
工程;及び
前記付着領域において前記ガラスリボンから前記ガラス物品を分離する工程、
を含む、方法。
【0066】
実施形態21
前記レーザビームが、約1kHzから2MHzまでの繰返し周波数を有する、実施形態1から8いずれかに記載の方法。
【0067】
実施形態22
前記レーザビームが、約1kHzから2MHzまでの繰返し周波数を有し、バーストごとに2−25パルスを含む、実施形態1から8、20又は21いずれかに記載の方法。
実施形態23
前記レーザビームが、前記付着領域をレーザビームの焦線と接触させ、前記付着領域が、前記レーザビームにより穿孔され、互いに1から25マイクロメートル離れた複数の穿孔が形成される、実施形態1から8、20、21又は22いずれかに記載の方法。