特許第6596122号(P6596122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596122
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】光学スイッチ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20191010BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20191010BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G06F1/20 C
   H05K7/20 R
   H05K7/20 B
   G06F1/20 B
   G06F1/16 312S
   G06F1/16 312M
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-116195(P2018-116195)
(22)【出願日】2018年6月19日
(65)【公開番号】特開2019-21304(P2019-21304A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年6月19日
(31)【優先権主張番号】62/534847
(32)【優先日】2017年7月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/876572
(32)【優先日】2018年1月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝榮
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 玉年
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 坤憲
(72)【発明者】
【氏名】李 國▲うぇい▼
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0013936(US,A1)
【文献】 特開2010−206122(JP,A)
【文献】 特開2014−164058(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0092354(US,A1)
【文献】 特開2009−152428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16−1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入された光学トランシーバを収容するように操作可能である開放した前端、及び対向する後端を有する第1のトランシーバブラケットと、
前記光学トランシーバに接続されるように操作可能であるコネクタ回路を有するプリント回路基板と、
前記光学トランシーバが前記第1のトランシーバブラケットに挿入される場合に、前記光学トランシーバと互いに接触するように、前記第1のトランシーバブラケットに取り付けられる前端放熱器であって、熱インタフェース材料を含む前記前端放熱器と、
前記熱インタフェース材料を覆う金属箔層と、
前記第1のトランシーバブラケットの前記後端に近く、前記第1のトランシーバブラケットの前記後端に向かう斜面を有する後端放熱器と、
前記前端放熱器と前記後端放熱器とを接続するヒートパイプと、
を含む光学スイッチ。
【請求項2】
前記金属箔層は、銅である請求項に記載の光学スイッチ。
【請求項3】
前記前端放熱器は、カム構造を前端位置と後端位置との間に保持するように移動させることのできるスロットを含む請求項1に記載の光学スイッチ。
【請求項4】
前記前端放熱器は、バネをストッパーと前記カム構造との間に保持する請求項に記載の光学スイッチ。
【請求項5】
前記第1のトランシーバブラケットの下に位置し、挿入された光学トランシーバを収容するように操作可能である開放した前端、及び対向する後端を有する第2のトランシーバブラケットと、
前記第2のトランシーバブラケットの下に位置し、前記第2のトランシーバブラケットに挿入された前記光学トランシーバに接触するように操作可能である底部前端放熱器と、
を更に含む請求項1に記載の光学スイッチ。
【請求項6】
前記第2のトランシーバブラケットの前記後端に近い後端放熱器を更に含む請求項に記載の光学スイッチ。
【請求項7】
前記光学トランシーバと前記熱インタフェース材料とを接触させるように、前記前端放熱器に位置するカム構造を更に含む請求項に記載の光学スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学トランシーバに用いられる放熱器構造に関する。より具体的に、本開示は、熱伝達を改善するようにカム構造と箔材料を有する、光学トランシーバのブラケットへの挿入によるせん断損傷を減少する傾斜した放熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティングの出現に伴い、分散型ネットワークシステムは広く採用されている。ネットワークシステムは、データを交換するサーバ、スイッチ及び他の部品を含む多くの接続設備を含む。従来、このような設備同士の接続は、通常、有線接続であったが、速度及びデータ量に対する要求により、現在、より高速な光信号ケーブルが使用されるようになる。例えば、現在、光学システムは、伝送速度が10ギガビット/秒(Gigabit per second;Gbps)を超え、100ギガビット/秒に達して、データ容量及び速度の向上の要求が満たされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光信号は、光信号を必要とする電子部品を含む送信機によって送受信される。光トランシーバは、光アクティブ装置に合わせた光コネクタによって光信号を送受信する。光アクティブ装置は、それぞれ半導体材料からなる発光装置及び光受信装置である。光トランシーバは、電子部品と、光コネクタを収容する光レセプタクルと、を含む。光トランシーバの1つのタイプとしては、プラグイン光トランシーバがある。このような光トランシーバは、光スイッチ装置内のプリント回路基板に設けられたトランシーバブラケットに対して挿抜することができる。トランシーバは、電気プラグをブラケットの光コネクタに接合させる。光トランシーバを使用すると、消費電力が比較的大きくなるので、光トランシーバにおける電子装置及び光装置に熱が生成する。従って、効果的な放熱機構が必要となる。
【0004】
図1は、光学トランシーバに用いられる光学スイッチ10を示す。光学スイッチ10は、ハウジング14の前側に取り付けられる複数のトランシーバブラケット12を含む。各トランシーバブラケット12の何れも、光学信号を光学スイッチ10に接続するための光学トランシーバを収容することができる。トランシーバは、そのうちの1つのトランシーバブラケット12における前開口から挿抜することができる。トランシーバの後端に電気プラグがある。トランシーバは、このプラグとブラケットの他端における光学コネクタとを接合することで、光学スイッチ10におけるホストシステムに電気的に接続させることができる。トランシーバによる熱を放散するように、トランシーバブラケット12の頂部に一連の放熱器16が設けられる。ジグ18は、放熱器16とトランシーバブラケット12とを結合させる。
【0005】
トランシーバブラケットは、トランシーバが放熱器16に接触することを可能にして、トランシーバによる熱を放散するように設計される。このようなブラケット設計では、放熱器16がトランシーバの上に取り付けられるため、放熱器16の底部は、熱を放散するように、挿入されたトランシーバに接触する。放熱器16は、挿入されたトランシーバに向かうボトム側に傾斜した表面を有するように設計される。従って、トランシーバがトランシーバブラケット12に挿入される場合、トランシーバは、傾斜した表面に接触し放熱器16を持ち上げて、放熱器16と接触する。放熱器16は、トランシーバとの間に接触力を発生するようにジグ18を有するが、トランシーバとの接触が不適切な接触面を常に有する。例えば、トランシーバの頂面や放熱器16の傾斜した接触表面の何れの粗さも熱伝達効率に影響する。そして、トランシーバや放熱器16の何れの接触表面も金属であるが、それらの間の接触表面が滑らかではないため、表面に隙間がある。隙間により、いくつかのポイントのみが接触ポイントとなるため、比較的な低い熱伝達効率となる。トランシーバと放熱器16との接触表面を増加するために、トランシーバの接触表面に、熱インタフェース材料を使用して放熱器との接触熱抵抗を改善することができる。しかしながら、このような設計では、トランシーバがブラケットに挿入される場合、トランシーバと放熱器16との間の接触によるせん断力は、熱インタフェース材料を損害することがある。
【0006】
従って、トランシーバブラケットに挿入された光トランシーバからの熱を外へ伝達させるように、より良好な空気循環を可能にする放熱器構成を必要とする。また、トランシーバと放熱器との間の最大の接触を可能にするトランシーバブラケットの構成を必要とする。また、トランシーバブラケットに対するトランシーバの繰り返した挿抜による剪断損傷を防止するトランシーバブラケットの構成を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一部の実施例によると、挿入された光学トランシーバを収容するように操作可能である開放した前端、及び対向する後端を有する第1のトランシーバブラケットと、光学トランシーバに接続されるように操作可能であるコネクタ回路を有するプリント回路基板と、挿入された光学トランシーバと互いに接触するように、第1のトランシーバブラケットに取り付けられる前端放熱器と、第1のトランシーバブラケットの後端に近く、第1のトランシーバブラケットの後端に向かう斜面を有する後端放熱器と、前端放熱器と後端放熱器とを接続するヒートパイプと、を含む光学スイッチを提供する。
【0008】
本開示の一部の実施例によると、前端放熱器は、光学トランシーバが第1のトランシーバブラケットに挿入される場合に光学トランシーバと接触するように、熱インタフェース材料を含む。
【0009】
本開示の一部の実施例によると、金属箔層は、熱インタフェース材料を覆う。
【0010】
本開示の一部の実施例によると、金属箔は、銅である。
【0011】
本開示の一部の実施例によると、前端放熱器は、カム構造を前端位置と後端位置との間に保持するように移動させることのできるスロットを含む。
【0012】
本開示の一部の実施例によると、前端放熱器は、バネをストッパーとカム構造との間に保持する。
【0013】
本開示の一部の実施例によると、第1のトランシーバブラケットの下に位置し、挿入された光学トランシーバを収容するように操作可能である開放した前端、及び対向する後端を有する第2のトランシーバブラケットと、第2のトランシーバブラケットの下に位置し、第2のトランシーバブラケットに挿入された光学トランシーバに接触するように操作可能である底部前端放熱器と、を更に含む。
【0014】
本開示の一部の実施例によると、第2のトランシーバブラケットの後端に近い後端放熱器を更に含む。
【0015】
本開示の一部の実施例によると、光学トランシーバを収容するように操作可能である開放した前端、及び対向する後端を有するトランシーバブラケットと、トランシーバブラケットに取り付けられ、光学トランシーバの接触表面に接触するように熱インタフェース材料を含む前端放熱器と、光学トランシーバでコネクタを収容するようにコネクタ電子回路を有するプリント回路基板と、光学トランシーバと熱インタフェース材料を接触させるように、前端放熱器の中に位置するカム構造と、を含む光学スイッチを提供する。
【0016】
本開示の一部の実施例によると、光学トランシーバを収容するように操作可能である開放した前端、及び対向する後端を有するトランシーバブラケットと、トランシーバブラケットに取り付けられ、光学トランシーバの接触表面に接触するように熱インタフェース材料を含む前端放熱器と、前記光学トランシーバでコネクタを収容するようにコネクタ電子回路を含むプリント回路基板と、トランシーバブラケットの後端に近く、トランシーバブラケットの後端に向かう斜面を有する後端放熱器と、光学トランシーバと熱インタフェース材料を接触させるように前端放熱器の中に位置するカム構造と、熱インタフェース材料を覆う金属箔層と、を含む光学スイッチを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示は、例示的な実施形態の以下の説明を添付の図面と組み合わせることで、よりよく理解される。
図1】従来技術による光学スイッチを示す斜視図である。
図2】光学スイッチにおけるトランシーバブラケットを示す断面斜視図であり、放熱器の形がよりよい空気流動を可能にする。
図3A図2におけるトランシーバブラケット及び放熱器を示す断面斜視図であり、トランシーバがトランシーバブラケットの中に挿入される。
図3B図2におけるトランシーバブラケット及び放熱器を示す側面図であり、トランシーバがトランシーバブラケットの中に挿入される。
図4A図2における光学スイッチを示す上部斜視図であり、外部ブレードを有するトランシーバブラケット及び放熱器を示す。
図4B図2における光学スイッチを示す上部断面斜視図であり、明確にするために、外部ブレードのないトランシーバブラケット及び放熱器を示す。
図4C図2における光学スイッチを示す底部断面斜視図であり、トランシーバブラケット及び放熱器を示す。
図4D図3における光学スイッチの底部放熱器を示す拡大斜視図である。
図5A図2におけるトランシーバブラケットを示す側面図であり、トランシーバが部分的にトランシーバブラケットの中に挿入される。
図5B図2におけるトランシーバブラケットを示す側面図であり、トランシーバが完全に挿入される場合にトランシーバと放熱器との間の接触を促進するようにカム構造を有する。
図6A図2における放熱器の1つを示す斜視図である。
図6B図6Aにおける放熱器を示す側面図であり、熱インタフェース材料と金属箔層を有する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、様々な修正及び代替形態が可能であり、いくつかの代表的な実施例は、例示を介して図面に示されており、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、本開示は開示された特定の形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の精神及び範囲内に入るすべての修正、均等物及び代替物を含むものである。
本開示は、多くの異なる形態で実施することができる。代表的な実施例は図面に示されており、ここで詳細に説明する。本開示は、本公開の原理的な例示又は説明であり、本開示の広範な態様を説明される実施形態に限定することを意図するものではない。これに関して、要約、発明内容、及び実施形態で開示されているが、請求項に明示的に記載されていない要素及び制限は、含意、推論又はその他の方法によって、個別又は集合的に請求項に組み込まれるべきではない。この実施形態の説明の目的のために、単数形は、特に断らない限り、複数形を含み、逆もまた同様であり、「含む」という単語の意味は「含むがこれに限定されない」である。さらに、「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「おおよそ」等のような近似用語によって、「近いか近似する」、「3%〜5%以内」、「許容される製造公差内」又はそれらの如何なる合理的な組み合わせを示すことができる。
【0019】
図2は、光学スイッチ100を示す断面斜視図である。光学スイッチ100は、ハウジング110を含む。ハウジング110は、パネル114に取り付けられて光学トランシーバを挿入するための1組のトランシーバブラケット112を有する。この1組のトランシーバブラケット112は、2列のベリーツーベリー(belly−to−belly)的に配置されるブラケットを含む。ハウジング110の頂板116は、一連の放熱器ブレード120をその中から延伸させる孔を含む。放熱器ブレード120は、放熱器に接続される。放熱器ブレード120を含む放熱器は、トランシーバブラケット112に挿入されるトランシーバに接触し、トランシーバによる熱をハウジング110の外部周囲の空気に伝導する。ジグ(未図示)は、放熱器とトランシーバブラケット112に挿入されるトランシーバとの間に接触力を発生させる。ハウジング110の対向する底板118は、この1組のトランシーバブラケット112を囲む。
【0020】
上記のように、トランシーバブラケット112は、頂部ブラケット132と底部ブラケット134を含む一連のベリーツーベリー式ブラケットを含み、その中の各ブラケットの何れも光学トランシーバを収納することができる。プリント回路基板140は、コネクタ電子素子142、144を支持するように頂部ブラケット132と底部ブラケット134の後端に位置して、コネクタ電子素子142、144がプリント回路基板140の反対側に取り付けられる。頂部ブラケット132と底部ブラケット134に挿入されたトランシーバは、コネクタ電子素子142、144と接触する。コネクタ電子素子142、144は、光学信号を受信して光学信号をそれぞれ頂部ブラケット132と底部ブラケット134の一方に挿入されるトランシーバに伝送する。
【0021】
頂部前端放熱器150は、頂部ブラケット132に挿入されるトランシーバに接触するように、ハウジング110の中に取り付けられる。底部前端放熱器152は、底部ブラケット134に挿入されるトランシーバに接触するように、ハウジング110の中に取り付けられる。頂部前端放熱器150は、放熱器ブレード120を支持する放熱器の1つである。頂部後端放熱器160は、頂部ブラケット132の後端の付近に位置し、且つ底部放熱器162は、底部ブラケット134の後端の付近に位置する。ヒートパイプ170は、頂部前端放熱器150の中に挿入され、且つ頂部前端放熱器150と頂部後端放熱器160との間に熱を伝導する。別のヒートパイプ172は、底部前端放熱器152に挿入され底部前端放熱器152と底部後端放熱器162との間に熱を伝導する。この実例において、各ヒートパイプ170、172の何れも銅系ハウジングであり、当該銅系ハウジングの中に放熱器の間で移転可能な二相液体を含む。
【0022】
図3A図3Bは、図2における光学スイッチ100を示す側面図であり、頂部ブラケット132に挿入された光学トランシーバ300を示す。図3A図3Bにおいて、図2に示すものと同じ素子は同じ符号で示す。図3A図3Bに示すように、別のトランシーバ302は、底部ブラケット134に挿入される。図3Bに示すように、頂部ブラケット132は、開放した前端310、及びコネクタ電子素子142と近接する対向する後端312を含む。頂部パネル314は、トランシーバ300が頂部前端放熱器150に接触することを可能にする開口316を含む。底部パネル318は、側壁及び頂部パネル314と共に、挿入されたトランシーバ300を収容する頂部ブラケット132を形成する。
【0023】
類似的に、底部ブラケット134は、開放した前端320、及びコネクタ電子素子144に近い対向する後端322を含む。底部パネル324は、トランシーバ302が底部前端放熱器152に接触することを可能にする開口326を含む。頂部パネル328は、側壁及び底部パネル324と共に、挿入されたトランシーバ302を収容する底部ブラケット134を形成する。
【0024】
図3Bに示すように、トランシーバ300は、略長方形である主体330を有する。この長方形の主体330は、接触表面332及び後端コネクタインタフェース334を含む。トランシーバ300が頂部ブラケット132に挿入される場合、後端コネクタインタフェース334が回路基板140の頂部に取り付けられるコネクタ電子素子142に接続される。トランシーバ302は、略長方形である主体340を有する。この長方形の主体340は、接触表面342及び後端コネクタインタフェース344を含む。トランシーバ302が底部ブラケット134に挿入される場合、後端コネクタインタフェース344は回路基板140の底部に取り付けられるコネクタ電子素子144に接続される。光学トランシーバ300、302は、それぞれ光学コネクタ、トランシーバ光学器件、内部プリント回路基板及び熱インタフェース材料を有する。
【0025】
図3A図3Bに示すように、隙間350は、ハウジング110の底部前端放熱器152と底板118との間に形成される。トランシーバ300における電子素子による熱は、頂部前端放熱器150に伝導され、図2に示す放熱器ブレード120によってハウジング110の外へ放散される。トランシーバ302の電子素子からの熱は、底部前端放熱器152に伝導される。放熱器150、152からの熱は、ヒートパイプ170、172によって放熱器160、162に伝送される。
【0026】
図4Aは、光学スイッチ100の頂部斜視図であり、ブレード120を有する上部放熱器150、160の外部配置を示す。図4Aは、放熱器150とトランシーバブラケット112との間に接触力を発生させるジグ410を示す。図4Bは、光学スイッチ100の頂部断面斜視図であり、明確にするために、上部放熱器150、160の外部ブレードの配置を示さない。図4Cは、光学スイッチ100の底部断面斜視図であり、底部放熱器152、162の配置を示す。図4Dは、底部後端放熱器162とトランシーバブラケット112の拡大図である。図4A図4Dにおいて、図2図3A図3Bと同じ素子は、同じ素子符号で示す。図2図4Dに示す後端放熱器160、162は、光学スイッチ100におけるトランシーバブラケットの配置の冷却能力を増加することを可能にする。図3A図4Dに示すように、頂部後端放熱器160は、頂部ブラケット132及び挿入されたトランシーバ300に向かう斜面360を有する。頂部後端放熱器160の対向する後面370は、頂部後端放熱器160からの気流をハウジング110の後端から外へ伝送する。底部後端放熱器162は、底部ブラケット134と挿入されたトランシーバ302に向かう斜面362を有する。底部後端放熱器162の対向する後面372は、底部後端放熱器162からの気流をハウジング110の後端から外へ伝送する。ファンのような冷却装置は、放熱器から対向する後面370、372への空気流動を促進するように、ハウジング110の中間位置から放熱器160、162の後端までに取り付けられてもよい。
【0027】
図3A図4Dに示すベリーツーベリーのトランシーバ構造設計は、それぞれ頂部後端放熱器160と底部後端放熱器162の斜面360、362を含む。斜面360、362は、気流をガイドし放熱器の表面面積を増加して、気流を放熱器160、162のすべての領域へ拡散させる。放熱器160、162は、ヒートパイプ170、172からの熱がより大きい伝導面積を有することを可能にする。図3Bは、挿入されるトランシーバ300の頂部にあり且つ放熱器150と放熱器160を流れる空気流動を示す矢印380が図示される。図3Bは、空気が放熱器152と放熱器162を流れる矢印382も示す。
【0028】
図2における光学スイッチ100のハウジング110におけるトランシーバとブラケット構造は、いくつかの他の特徴を有しトランシーバと放熱器との間の接触を改善し、有害のせん断力を防止することができる。図5Aは、図2における光学スイッチ100の側面拡大図であり、トランシーバ300が部分的に頂部ブラケット132に挿入される。図5Bは、図2における光学スイッチ100の側面拡大図であり、トランシーバ300が完全に頂部ブラケット132に挿入される。図5A図5Bにおいて、図2図4Dと同じ素子は、同じ素子符号を有する。
【0029】
図5Aに示すように、トランシーバ300が部分的に頂部ブラケット132に挿入される場合、トランシーバ300の接触表面332と放熱器150との間に隙間がある。図5Bに示すように、トランシーバが完全に頂部ブラケット132に挿入される場合、図5Aにおける後端コネクタインタフェース334は、コネクタ電子素子142と接続する。熱インタフェース材料500層は、放熱器150の底部に位置する。図5Bに示すように、トランシーバ300が完全に頂部ブラケット132に挿入される場合、熱インタフェース材料500は、トランシーバ300の接触表面332に接触し、熱を放熱器150に伝導する。図5A図5Bに解釈されるように、ハウジング110は、ダブルカム構造を含み、トランシーバ300が完全に頂部ブラケット132に挿入される場合、このダブルカム構造によってトランシーバ300と放熱器150との間の接触を促進することができる。
【0030】
放熱器150の底部は、放熱器150をカム構造520に対して運動するようにカイドする前端スロット510及び後端傾斜したスロット512を含む。カム構造520は、垂直に固定され、放熱器150は、スロット510、512のガイドによってカム構造520に対して垂直に移動する。カム構造520は、トランシーバ300端部に隣接する接触部522を有する。バネ530の一端は、カム構造520に接触する。バネ530の他端は、ストッパー532に固定される。図5Aに示すように、トランシーバ300が部分的に頂部ブラケット132に挿入される場合、熱インタフェース材料500とトランシーバ300との間に小さい間隙がある。カム構造520とスロット510とが接触するため、放熱器150は、トランシーバ300より高い位置にある。図5Bに示すように、トランシーバ300を頂部ブラケット132の途中エンドに押し付けた後で、後端コネクタインタフェース334は、コネクタ電子素子142に接合される。カム構造520がスロット512に対して移動するため、放熱器150は、トランシーバ300に対して下がる。下がった後の位置で、熱インタフェース材料500は、トランシーバ300の接触表面332に接触する。
【0031】
トランシーバ300を頂部ブラケット132に押し込むことで、カム構造520は、図5A中に示す前端スロット510から図5Bに示す傾斜したスロット512に押し込まれる。このように、熱インタフェース材料500は、接触表面332に接触するように下に移動する。ジグ410は、放熱器150に接続され下への圧力を放熱器150に提供する。バネ530のカム構造520を前へ押し付ける力はジグ410の下への圧力より大きい。従って、図5Aに示すように、放熱器150はトランシーバ300との間に隙間を形成するように上げられる。図5Bにおいて、カム構造520は、前端スロット510における最初の位置に押し戻される。ジグ410は、放熱器150を下へ押してトランシーバに接触させるように下への圧力を提供する。図5Bに示すように、トランシーバ300が完全に頂部ブラケット132に挿入される場合、バネ530は、カム構造520の接触部522とストッパー532との間に圧縮される。トランシーバ300が頂部ブラケット132から取り外される場合、トランシーバ300は、バネ530による推力によってカム構造520を前端スロット510の最初の位置に押し戻す。従って、放熱器150は、トランシーバ300から離れるように上げられる。トランシーバ300の挿抜する接触途中で、熱インタフェース材料500を損害する可能性のあるせん断力を防止する。
【0032】
カム構造520の前端カム構造540は、最初の位置と図5Bに示すロック位置との間に押しつけられ、最初の位置は、図5Aに示すように、トランシーバ300が完全に挿入されていない場合の傾斜した前板542に対する位置を指す。前端カム構造540は、さらに下へ放熱器150を押し付けて、接触表面332を熱インタフェース材料500に接触させる。
【0033】
図5A図5Bに示す頂部ブラケット132に用いられるカム構造と類似して、ダブルカム構造400は、図4Dに示す底部ブラケット134に用いられてもよい。カム構造400は、底部ブラケット134で上へ放熱器152を押し付けることができ、これによって接触表面342と底部前端放熱器152との間の接触を実現させる。熱インタフェース材料(未図示)も底部前端放熱器152に付けられて、接触表面342との更なる大きい接触を提供する。
【0034】
上記のように、図5A図5Bにおけるトランシーバ300と放熱器150における熱インタフェース材料500との間の典型の金属接触は、トランシーバ300を挿抜する時に繰り返して接触することによって熱インタフェース材料500の損壊をもたらす。トランシーバ300と熱インタフェース材料500との間の接触を低下させて、このように、図5A図5Bにおける放熱器150への熱を減少させる。図6A図6Bは、図5A図5Bに示す放熱器150を示す斜視図と拡大側面図である。図6Bは、底面602を有するベース600を含む放熱器150を示す。ベース600は、放熱器150からの放熱に寄与する複数の冷却ブレード610を支持する。
【0035】
図6Bに示すように、放熱器150は、底面602における金属箔層620を含み、底面602が熱インタフェース材料500とトランシーバ300の接触表面332の接触との間に位置する。この実施例において、金属箔層620は、銅であるが、例えばアルミニウムのような他の類似的な材料を使用してもよい。図5Bに示すように、熱インタフェース材料500は、頂部ブラケット132においてトランシーバ300を挿抜することによるせん断損傷を避けるように保護される。金属箔層620は、トランシーバ300の接触表面332と放熱器150との間の接触を増加する。類似的に、金属箔層は、図4Dに示す底部前端放熱器152における熱インタフェース材料に挿入されてもよく、これによって、接触表面342との接触を増加してせん断力の損傷から放熱器152における熱インタフェース材料を保護する。
【0036】
従って、上記図2図6Bにおけるトランシーバブラケット及び放熱器の構造は、より効果的に熱を放熱器に伝導することを可能にする。ダブルカム構造と熱インタフェース材料の組み合わせによって、トランシーバと放熱器との間の接触がより大きくなり、従ってトランシーバがブラケットに挿入される時に熱伝達を増加する。トランシーバがブラケットから取り外される場合、カム構造は、放熱器を上げることによって熱インタフェース表面を保護する。熱インタフェース材料を覆う金属箔層は、金属耐摩耗性によるせん断力の損傷から熱インタフェース材料を保護する。
【0037】
本開示で使用される用語「素子」、「モジュール」、「システム」などは、一般的に、コンピューターに関するエンティティを指し、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、或いは1つ又は複数の特定機能を有する操作機械に関するエンティティを含む。例えば、素子は、プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ)上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム及び/又はコンピュータであってもよいが、これらに限定されない。説明として、コントローラで動作するアプリケーションとコントローラの両方を素子とすることができる。1つ又は複数の素子がプロセス及び/又は実行スレッド内に存在することができ、素子は1台のコンピュータに位置し、及び/又は2台以上のコンピュータ間に分散されることができる。また、「装置」は、特別に設計されたハードウェアで表われ、その上でソフトウェアを実行して特別に作られた一般的なハードウェアによって、ハードウェアを特定の機能を実行可能にすし、コンピュータの可読媒体に格納されたソフトウェア、又はその組合せである。
【0038】
コンピュータ設備は、一般的に、コンピュータ可読記憶媒体及び/又は通信媒体を含むことができる様々な媒体を含有し、ここで2つの用語は本文では互いに異なるように以下のように使用される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な任意の利用可能な記憶媒体であってもよく、一般に、非一時的な性質であり、揮発性及び不揮発性媒体、リムーバブル媒体及び非リムーバブル媒体を含むことができる。限定ではなく実施例として、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、プログラムモジュール、構造化データ、又は非構造化データなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術と組み合わせて実現することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電子消去書き込みメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他の記憶技術、読み出し専用メモリコンパクトディスク(CD−ROM)、デジタル多用途オーディオ光ディスク(DVD)又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶設備、又は所望の情報を格納するために使用され得る他の有形及び/又は非一時的メディアを含むがこれらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数の地域又は遠隔コンピュータ装置によってアクセスされてもよく、例えば、アクセス要求、問い合わせ、又は他のデータ検索プロトコルを介して、媒体格納情報に関する様々な操作に用いられる。
【0039】
本明細書で使用する用語は、特定の実施例のみを説明するためのものであり、本開示を限定するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「1つ」及び「前記」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、実施形態及び/又は請求項における用語「含む」、「有する」、「備える」又はそれらの変形の使用の文脈において、そのような用語は、用語「含む」と同様の態様で包括的なものであることが意図される。
【0040】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、一般的な辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、ここで明示的に定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0041】
本開示の様々な実施例を上記で説明したが、これらは単なる例示であり限定するものではないことを理解されたい。本開示の精神又は範囲から逸脱しない限り、本明細書に従って開示された実施例に対する様々な変更を行うことができる。従って、本開示の広さ及び範囲は、上記の実施例のいずれによっても制限されるべきではない。代わりに、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従って定義されるべきである。
【0042】
本開示は、1つ又は複数の実施形態に関して図示及び説明されているが、本明細書及び添付の図面を読んで理解すると、当業者によって同等の変更及び修正が想到される。さらに、本開示の特定の特徴は、いくつかの実施形態のうちの1つのみに関して開示されているかもしれないが、そのような特徴は、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせてもよく、これは、任意の所与の又は特定の適用に望ましい及び有利であることがある。
【0043】
本開示の実施例は、挿入された光学トランシーバを収容することができる開放した前端、及び対向する後端を有する第1のトランシーバブラケットを有する光学スイッチである。プリント回路基板は、光学トランシーバに接続されるためのコネクタ回路を有する。前端放熱器は、第1のトランシーバブラケットに取り付けられる。前端放熱器は、挿入された光学トランシーバと互いに接触する。後端放熱器は、第1のトランシーバブラケットの後端に近い。後端放熱器は、第1のトランシーバブラケットの後端に向かう傾斜した表面を有する。ヒートパイプは、前端放熱器と後端放熱器とを接続する。
【0044】
別の実施例は、光学トランシーバを収容することに用いられる開放した前端、及び対向する後端を含むトランシーバブラケットを有する光学スイッチである。前端放熱器は、トランシーバブラケットの上方に取り付けられ且つ光学トランシーバの接触表面に接触するように熱インタフェース材料を含む。プリント回路基板は、光学トランシーバにおけるコネクタを収容するようにコネクタ電子回路を有する。前端放熱器におけるカム構造は、トランシーバと熱インタフェース材料と接触させる。
【0045】
別の実施例は、光学トランシーバを収容するように用いられる開放した前端、及び対向する後端を含むトランシーバブラケットを有する光学スイッチである。前端放熱器は、トランシーバブラケットの上方に取り付けられ且つ光学トランシーバの接触表面に接触するように熱インタフェース材料を含む。プリント回路基板は、光学トランシーバにおけるコネクタを収容するようにコネクタ電子回路を有する。後端放熱器は、トランシーバブラケット後端に向かう傾斜した表面を有する。前端放熱器におけるカム構造は、トランシーバと熱インタフェース材料を接触させる。金属箔層は、熱インタフェース材料を覆う。
【0046】
上記の概要は、本開示の各実施例又はあらゆる態様を表すことを意図するものではない。むしろ、前述の要約は、ここに記載された新規な態様及び特徴のいくつかの例を提供するに過ぎない。添付の図面及び添付の特許請求の範囲と関連して、そして上記の本開示を実施するための代表的な実施例及び態様を参照する場合、本開示の上記の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明からより明らかになる。
【符号の説明】
【0047】
10、100 光学スイッチ
12 ブラケット
14、110 ハウジング
16、150、152、160、162 放熱器
18、410 ジグ
112 トランシーバブラケット
114 パネル
116 頂板
118 底板
120 ブレード
132 頂部ブラケット
134 底部ブラケット
140 回路基板
142、144 コネクタ電子素子
170、172 ヒートパイプ
300、302 トランシーバ
320、310 前端
322、312 後端
314、328 頂部パネル
316、326 開口
318、324 底部パネル
330、340 主体
332、342 接触表面
334、344 後端コネクタインタフェース
350 隙間
360、362 斜面
370、372 後面
380、382 矢印
400 カム構造
500 熱インタフェース材料
510、512 スロット
520 カム構造
522 接触部
530 バネ
532 ストッパー
540 前端カム構造
542 前板
600 ベース
602 底面
610 冷却ブレード
620 金属箔層
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B