特許第6596143号(P6596143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6596143
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   A63F5/04 605B
   A63F5/04 602A
【請求項の数】7
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2018-223794(P2018-223794)
(22)【出願日】2018年11月29日
【審査請求日】2019年1月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】藤根 英史
【審査官】 山本 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−249077(JP,A)
【文献】 特開2017−209310(JP,A)
【文献】 特開2016−049285(JP,A)
【文献】 特開2002−248213(JP,A)
【文献】 特開2014−064678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列を有する図柄表示手段と、前記複数の可変表示列それぞれに対応してその可変表示を停止させる停止操作手段とを有し、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技用価値が付与される遊技機において、
遊技者による賭け数指示操作手段の操作に基づいて、前記遊技用価値の賭け数を設定する賭け数設定手段と、
遊技者が所持する前記遊技用価値のデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段の記憶内容の書き換えを行う書換手段と、
前記記憶手段の記憶内容に基づいて、遊技者が所持する前記遊技用価値に関する情報を特定可能に報知する報知手段と、
前記報知手段の報知態様を決定する報知態様決定手段と、
を備え、
1回の遊技を行うのに所定量の前記遊技用価値の賭け数が必要であり、
前記記憶手段に記憶された前記遊技用価値は、外部の補充手段からの供給により補充可能であり、
前記書換手段は、前記賭け数設定手段により賭け数が設定された場合は、前記記憶手段の記憶内容を前記賭け数設定手段によって設定された賭け数分を減じた値に書き換えるとともに、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに基づいて前記遊技用価値が付与された場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該付与された分を増やした値に書き換え、さらに、前記補充手段からの前記遊技用価値の供給があった場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該供給分だけ増やした値に書き換え、
前記報知態様決定手段は、
全ての前記可変表示列の可変表示が停止している状態であって、前記賭け数指示操作手段が操作される前の状態である賭け数設定待ち状態では、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量以上である第1の場合と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ないが、前記補充手段から前記遊技用価値の供給を受けると当該所定量を超える状態である第2の場合とで異なる報知態様に決定し、
前記賭け数設定待ち状態で前記賭け数指示操作手段が操作されたときは、前記第1の場合の報知態様とも、前記第2の場合の報知態様とも異なる報知態様に決定する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列を有する図柄表示手段と、前記複数の可変表示列それぞれに対応してその可変表示を停止させる停止操作手段とを有し、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技用価値が付与される遊技機において、
遊技者による賭け数指示操作手段の操作に基づいて、前記遊技用価値の賭け数を設定する賭け数設定手段と、
遊技者が所持する前記遊技用価値のデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段の記憶内容の書き換えを行う書換手段と、
前記記憶手段の記憶内容に基づいて、遊技者が所持する前記遊技用価値に関する情報を特定可能に報知する報知手段と、
前記報知手段の報知態様を決定する報知態様決定手段と、
を備え、
1回の遊技を行うのに所定量の前記遊技用価値の賭け数が必要であり、
前記記憶手段に記憶された前記遊技用価値は、外部の補充手段からの供給により補充可能であり、
前記書換手段は、前記賭け数設定手段により賭け数が設定された場合は、前記記憶手段の記憶内容を前記賭け数設定手段によって設定された賭け数分を減じた値に書き換えるとともに、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに基づいて前記遊技用価値が付与された場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該付与された分を増やした値に書き換え、さらに、前記補充手段からの前記遊技用価値の供給があった場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該供給分だけ増やした値に書き換え、
前記報知態様決定手段は、
前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量以上である場合と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ないが、前記補充手段に記憶されている前記遊技用価値を加えると前記所定量以上となる場合と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少なく、かつ、前記補充手段にある前記遊技用価値を加えても前記所定量よりも少ない場合とでそれぞれ異なる報知態様に決定することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記報知手段による報知は、少なくとも全ての前記可変表示列が停止してから、次の遊技を行うための前記賭け数指示操作手段の操作が行われるまでは継続することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記賭け数指示操作手段が操作されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ない場合は、前記補充手段から自動的に前記記憶手段に前記遊技用価値が供給されたあと、前記賭け数設定手段により前記所定量の前記遊技用価値の賭け数が設定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定量が、第1所定量と、該第1所定量よりも多い第2所定量を含む複数種類あり、
前記賭け数指示操作手段が操作されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記第1所定量よりも多いが、前記第2所定量よりも少ない場合は、前記補充手段から自動的に前記記憶手段に前記遊技用価値が供給されたあと、前記賭け数設定手段により前記第2所定量の前記遊技用価値の賭け数が設定されることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量に満たず、かつ、前記補充手段にある前記遊技用価値の供給を受けてもなお前記所定量に満たないときに、前記賭け数指示操作手段が操作された場合は、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値のデータが前記所定量よりも少ないことを特定可能な情報を報知する不足時報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記賭け数指示操作手段は、前記所定量の前記遊技用価値の賭け数を指示する最大ベットボタンであり、
前記報知手段は、点灯色を変更可能な前記最大ベットボタンの照明ランプであり、
前記報知手段の報知態様の変更は、前記照明ランプの点灯色を変更することにより行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の遊技機。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコホールなどの遊技場に設置される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機のひとつであるスロットマシンでは、当該スロットマシンにCRユニット(遊技媒体貸し機)が通信回線を通じて接続される。このCRユニットにプリペイドカードが挿入され、カードに応じて設定された貸出可能なメダル数に関する情報が記憶される。一方、スロットマシンでは、最大50枚のメダルの貯蔵(クレジット)が可能となっており、クレジット表示器に貯蔵されたメダルの枚数が表示される。そして、クレジットがなくなるまでは、MAXベットボタンの操作により、メダルの投入を行わずにゲームが行えるようになっている。ここで、クレジットの残りが1ゲームに必要なメダル数を下回った場合は、MAXベットボタンの操作を無効化するものがある。この種のスロットマシンでは、CRユニットの貸出ボタンを押すことで、クレジットのメダルを補充できるが、クレジット表示器の表示の確認およびCRユニットの貸出ボタンの操作により、遊技が中断してしまうため、遊技者の興趣が低下するおそれがあった。そこで、特許文献1に記載のスロットマシンでは、クレジットの残りが1ゲームに必要なメダル数を下回っている状態でMAXベットボタンが操作された場合は、CRユニットから自動的にクレジット(最大50枚)のメダルを補充(自動貸出)するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29365号公報(段落0029〜0030、図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンでは、自動貸出が行われる場合は、スロットマシンからCRユニットに自動貸出の要求信号が送信され、自動貸出が行われたあとにMAXBETボタンが有効となる。この場合、自動貸出が行われる場合とクレジットに十分にメダルがある場合とで、スタートレバー操作が有効となるタイミングに差が生じるため、遊技者の操作のリズムが崩れる。例えば、遊技者がクレジットに十分にメダルがあると思ってスタートレバーを操作したが、自動貸出中の操作として無効化される場合があり、遊技意欲が減退するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、外部の補充手段から遊技機に遊技用価値の補充が可能な遊技機において、外部からの補充が必要な状態であることが分かる報知を行うことで、遊技の進行の円滑化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明にかかる遊技機は、複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列を有する図柄表示手段と、前記複数の可変表示列それぞれに対応してその可変表示を停止させる停止操作手段とを有し、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技用価値が付与される遊技機において、遊技者による賭け数指示操作手段の操作に基づいて、前記遊技用価値の賭け数を設定する賭け数設定手段と、遊技者が所持する前記遊技用価値のデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶内容の書き換えを行う書換手段と、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、遊技者が所持する前記遊技用価値に関する情報を特定可能に報知する報知手段と、前記報知手段の報知態様を決定する報知態様決定手段とを備え、1回の遊技を行うのに所定量の前記遊技用価値の賭け数が必要であり、前記記憶手段に記憶された前記遊技用価値は、外部の補充手段からの供給により補充可能であり、前記書換手段は、前記賭け数設定手段により賭け数が設定された場合は、前記記憶手段の記憶内容を前記賭け数設定手段によって設定された賭け数分を減じた値に書き換えるとともに、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに基づいて前記遊技用価値が付与された場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該付与された分を増やした値に書き換え、さらに、前記補充手段からの前記遊技用価値の供給があった場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該供給分だけ増やした値に書き換え、前記報知態様決定手段は、全ての前記可変表示列の可変表示が停止している状態であって、前記賭け数指示操作手段が操作される前の状態である賭け数設定待ち状態では、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量以上である第1の場合と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ないが、前記補充手段から前記遊技用価値の供給を受けると当該所定量を超える状態である第2の場合とで異なる報知態様に決定し、前記賭け数設定待ち状態で前記賭け数指示操作手段が操作されたときは、前記第1の場合の報知態様とも、前記第2の場合の報知態様とも異なる報知態様に決定することを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、記憶手段に記憶されている遊技用価値が1遊技に必要な所定量以上である場合と、所定量よりも少ない場合とで報知手段による報知態様が異なるため、遊技者は記憶手段に記憶されている遊技用価値の状況を把握し易くなり、遊技を円滑に行うことができる。なお、報知態様決定手段は、記憶手段に記憶されている遊技用価値が所定量以上である場合と、記憶手段に記憶されている遊技用価値が所定量よりも少ないが、補充手段にある遊技用価値が所定量以上である場合とで異なる報知態様に決定するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明にかかる他の遊技機は、複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列を有する図柄表示手段と、前記複数の可変表示列それぞれに対応してその可変表示を停止させる停止操作手段とを有し、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技用価値が付与される遊技機において、遊技者による賭け数指示操作手段の操作に基づいて、前記遊技用価値の賭け数を設定する賭け数設定手段と、遊技者が所持する前記遊技用価値のデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶内容の書き換えを行う書換手段と、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、遊技者が所持する前記遊技用価値に関する情報を特定可能に報知する報知手段と、前記報知手段の報知態様を決定する報知態様決定手段とを備え、1回の遊技を行うのに所定量の前記遊技用価値の賭け数が必要であり、前記記憶手段に記憶された前記遊技用価値は、外部の補充手段からの供給により補充可能であり、前記書換手段は、前記賭け数設定手段により賭け数が設定された場合は、前記記憶手段の記憶内容を前記賭け数設定手段によって設定された賭け数分を減じた値に書き換えるとともに、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに基づいて前記遊技用価値が付与された場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該付与された分を増やした値に書き換え、さらに、前記補充手段からの前記遊技用価値の供給があった場合は、前記記憶手段の記憶内容を当該供給分だけ増やした値に書き換え、前記報知態様決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量以上である場合と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ないが、前記補充手段に記憶されている前記遊技用価値を加えると前記所定量以上となる場合と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少なく、かつ、前記補充手段にある前記遊技用価値を加えても前記所定量よりも少ない場合とでそれぞれ異なる報知態様に決定するようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、記憶手段に記憶されている遊技用価値が1遊技に必要な所定量以上である場合と、所定量よりも少ない場合とで報知手段による報知態様が異なるため、遊技者は記憶手段に記憶されている遊技用価値の状況を把握し易くなり、遊技を円滑に行うことができる。また、報知手段による報知態様により、記憶手段に記憶されている遊技用価値が所定量よりも少ない場合と、さらに外部の補充手段にある遊技用価値を加えても所定よりも少ない場合とを区別して把握できるため、より遊技を円滑に行うことができる。また、遊技者が記憶手段に所定量以上の遊技用価値が記憶されていると思って、遊技の開始操作を行うことを未然に防止することができる。
【0010】
また、前記報知手段による報知は、少なくとも全ての前記可変表示列が停止してから、次の遊技を行うための前記賭け数指示操作手段の操作が行われるまでは継続するようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、記憶手段の記憶内容を把握した上で賭け数指示操作手段を操作することができる。ここで、前記報知手段による報知を、例えばスピ−カー等の所定の音声出力手段の音声出力により行う場合(例えば効果音やセリフが出力される)には、出力される音声が周囲に拡散することになる。このため、前記報知手段による報知は、例えばランプやLEDなど所定の発光部材の発光態様(例えば発光色または発光パターン)により行うと良く、この場合、報知手段による報知が主に遊技者に向けて行われるため、周囲の遊技客に対して迷惑が掛かることが無くなる。
【0012】
また、前記賭け数指示操作手段が操作されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ない場合は、前記補充手段から自動的に前記記憶手段に前記遊技用価値が供給されたあと、前記賭け数設定手段により前記所定量の前記遊技用価値の賭け数が設定されるようにしてもよい。
【0013】
この構成によれば、記憶手段に記憶されている遊技用価値が所定量よりも少ない場合に、賭け数指示操作手段が操作されると、自動的に補充手段から自動的に補充されるため、遊技者が補充手段から記憶手段への遊技用価値の補充を指示するという手間を省くことができる。さらに、自動的に所定量の賭け数も設定されるため、より遊技を円滑に行うことができる。
【0014】
また、前記所定量が、第1所定量と、該第1所定量よりも多い第2所定量を含む複数種類あり、前記賭け数指示操作手段が操作されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記第1所定量よりも多いが、前記第2所定量よりも少ない場合は、前記補充手段から自動的に前記記憶手段に前記遊技用価値が供給されたあと、前記賭け数設定手段により前記第2所定量の前記遊技用価値の賭け数が設定されるようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、第2所定量の賭け数で遊技を行おうとして賭け数指示操作手段を操作したのにもかかわらず、第1所定量の賭け数で遊技が行われるのを防止することができる。
【0016】
また、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量に満たず、かつ、前記補充手段に記憶されている分の前記遊技用価値の供給を受けてもなお前記所定量に満たないときに、前記賭け数指示操作手段が操作された場合は、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値のデータが前記所定量よりも少ないことを特定可能な情報を報知する不足時報知手段をさらに備えていてもよい。
【0017】
この構成によれば、補充手段に記憶されている遊技用価値を加えても1遊技に必要な遊技用価値に満たないときに、賭け数指示操作手段が操作された場合は、さらに不足時報知手段でその旨が報知されるため、補充手段に遊技用価値を補充しなければならない状態であることを確実に把握することができる。
【0018】
また、前記賭け数指示操作手段は、前記所定量の前記遊技用価値の賭け数を指示する最大ベットボタンであり、前記報知手段は、点灯色を変更可能な前記最大ベットボタンの照明ランプであり、前記報知手段の報知態様の変更は、前記照明ランプの点灯色を変更することにより行ってもよい。
【0019】
この構成によれば、記憶手段の状態を、賭け数の設定に必要な最大ベットボタンの操作時に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態にかかる遊技機の一例であるスロットマシンとメダル貸出ユニットの正面図である。
図2】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3図2のメイン制御基板、サブ制御基板およびメダル管理制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
図4】スロットマシンの通信システムを示すブロック図である。
図5】払出表示器を示す図である。
図6】払出表示器によるエラー表示リストを示す図である。
図7】所持メダル表示器およびエラー表示ランプを示す図である。
図8】エラー表示ランプによるエラー表示リストを示す図である。
図9】最大ベットスイッチ操作時のメダル管理制御基板の記憶メダル数の推移を示す図である。
図10】1、2、3枚賭け仕様の最大ベットスイッチ操作時のメダル管理制御基板の記憶メダル数の推移を示す図である。
図11】1、3枚賭け仕様の最大ベットスイッチ操作時のメダル管理制御基板の記憶メダル数の推移を示す図である。
図12】カード挿入時のBETランプの点灯色の推移を示す図である。
図13】カード残高が無い状態から残高が補充されるまでのBETランプの点灯色の推移を示す図である。
図14】メダル投入処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
本発明の一実施形態について、図1図14を参照して説明する。
【0022】
(スロットマシンシステム)
まず、スロットマシンシステムについて図1および図4を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態にかかるスロットマシンとメダル貸出ユニットの正面図、図4がスロットマシンシステムを示すブロック図である。
【0023】
図4に示すように、スロットマシンシステムは、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200(本発明の「補充手段」に相当)と、ホールコンピュータHPとで構成されている。スロットマシン1では、メダル貸出ユニット200から枚数データの形式で所持メダル表示器26(メダル管理制御基板83)に送られ、メダル管理制御基板83による枚数データ管理により、遊技が実行される。
【0024】
また、本実施の形態では、スロットマシンシステムにおいて、遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データはメダル管理制御基板83のメモリ85(図2参照)に記憶されている。そして、後で詳細に説明するように、スロットマシン1のベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8(本発明の「賭け数指示操作手段」に相当)の押下により所定枚数分の賭け数が設定されると、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから、賭け数である所定枚数分の枚数データが減算される。また、入賞することによりスロットマシン1から遊技者に対して所定の利益として所定の払出枚数のメダルが付与される場合には、本実施の形態では、メダルが払い出される代わりに、メダル管理制御基板83のメモリ85(図2参照)に記憶されている枚数データに、所定の払出枚数分の枚数データが加算されることにより、遊技者にメダルが疑似払出される。つまり、このスロットマシン1では、遊技媒体としてのメダルを使用せず、メダルの投入と払出の代わりに枚数データという遊技価値を用いて遊技を行う。
【0025】
また、各種遊技情報がメイン制御基板63から外部端子板91を介してホールコンピュータHPに送信される。各種遊技情報は、例えば、前面パネル2の開放状態、メダルの疑似投入枚数に関する情報、疑似払出枚数に関する情報、エラー発生情報、設定変更中である旨の情報、設定確認状態である旨の情報、ボーナス状態中である旨の情報、入賞・再遊技役・ボーナス役に入賞した旨の情報、各リール6L,6M,6Rが停止した旨の情報などである。
【0026】
なお、メイン制御基板63と貸出端子板90とを接続した上で、外部端子板91を介して送信される各種遊技情報の一部または全部を、外部端子板91ではなく貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信するようにしてもよい。この場合、メダル貸出ユニット200からホールコンピュータHPに当該情報を送信するようにしてもよい。さらに、メイン制御基板63と貸出端子板90とは直接接続せずに、当該情報を、メイン制御基板63からメダル管理制御基板83と貸出端子板90とを介してメダル貸出ユニット200に送信するようにしてもよい。なお、各種遊技情報の全部を、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信する場合は、外部端子板91を無くすことができる。また、一部の情報を、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信する場合は、当該一部の情報を外部端子板91に伝送するための配線等が不要になるため、メイン制御基板63の設計自由度が向上する。
【0027】
また、メダル管理制御基板83と、メダル貸出ユニット200とは、貸出端子板90を介して双方向で情報のやり取りが行われる。
【0028】
また、メイン制御基板63は、払出表示器46にメダルの疑似払出枚数を表示したり、エラー種別情報を表示したりする際の制御を行う。また、メダル管理制御基板83は、メモリ85の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている遊技に使用可能なメダル枚数に関する枚数データ(遊技者の所持メダルの枚数データ)に基づいて、遊技者の所持メダルの枚数を所持メダル表示器26に表示する際の制御と、メダル管理制御基板83に関わるエラーをエラー表示ランプ30a,30b,30cで表示する際の制御と、最大ベットスイッチ8用の照明ランプ8aの点灯制御とを行う。以下では、まず、メダル貸出ユニット200について詳細に説明した後に、スロットマシン1について詳細に説明する。
【0029】
(メダル貸出ユニット)
図1図4に示すように、メダル貸出ユニット200は、遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で遊技者に貸し出すものであり、ユニット情報表示装置210、現金投入ユニット(図示省略)、カード挿入排出装置220、貸出スイッチ230a、返却スイッチ230b、離席スイッチ230c、ユニット制御装置240を備えている。
【0030】
ユニット情報表示装置210は、ユニット制御装置240において記憶されている現金残高(度数)、メダル管理制御基板83から送信される枚数データに基づく所持メダル枚数、挿入されたメダルカードに記憶されている所持メダル枚数などを表示するものである。ユニット情報表示装置210は、例えば、複数の7セグメントLEDにより構成されたり、液晶表示器により構成されたりする。ここで、現金残高とは、投入された現金の残高である。メダル管理制御基板83から送信される枚数データに基づく所持メダル枚数とは、例えば、後述する返却スイッチ230bの操作に基づき、メダル管理制御基板83のメモリ85に保持されている枚数データ(遊技者の所持メダルデータ)がユニット制御装置240に送信された際の、当該枚数データに応じたメダル枚数である。
【0031】
現金投入ユニットは、メダル貸出ユニット200からメダルを借り受けるために紙幣等の現金が投入されるものであり、遊技者により投入された現金を検出する。そして、遊技を開始するために現金が現金投入ユニットに投入されると、ユニット制御装置240のデータ保持手段241に投入された金額に応じたメダル数(例えば1000円=50枚)が残高データとして記憶されることによりメダルの貸し出しが可能な状態になる。また、メダルが貸し出されると、貸し出されたメダル枚数分がデータ保持手段241に記録された枚数から減算されて残高データが更新される。その後、更に現金が現金投入ユニットに投入されると、その金額に応じたメダル数がデータ保持手段241に記憶された枚数に加算されて残高データが更新される。なお、現金が投入された場合は、カード挿入排出装置220に収納されている無記録状態の複数のメダルカードのうちの一枚に、投入された金額を直接記録し、その後の現金残高を当該カードで管理するようにしてもよい。なお、メダルカードには、残高データのほか、個人情報などが記録されていることから、残高データが「0」のカードであっても、個人情報などの残りの情報は記録された状態となる。
【0032】
なお、データ保持手段241は、残高データを投入された現金の金額に関するデータ(金額データ)と、当該金額に応じたメダル数のデータ(枚数データ)の両方の形式で記憶するようにしてもよい。この場合、金額データの更新については、メダルの貸し出しがあった場合は、当該貸出枚数を金額に換算し、記憶していた金額データから当該貸し出した金額を減算して更新する。また、残高データを投入金額に応じたメダル数(枚数データ)で記憶するのに代えて、金額データで記憶するようにしてもよい。この場合も、データ保持手段241は、貸し出しがあった際、当該貸出枚数を金額に換算して残高データの更新を行うとよい。
【0033】
ユニット制御装置240は、メダル貸出ユニット200全体の制御を行うものであり、現金投入ユニットに現金が投入された場合に、もしくは、カード挿入排出装置220にメダルの借り受けに使用可能な金額や枚数データが記録されたメダルカードが挿入された場合に、遊技者にメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。また、ユニット制御装置240は、遊技を終了するときに遊技者の操作等でメダルカードを遊技者に返却することになるが、その際にメダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ(返却データ)とデータ保持手段241に記憶された所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DP(図7参照)それぞれの点灯データとに基づいて返却するメダル枚数を決定し、決定した返却メダルの枚数をカード挿入排出装置220に収納されているメダルカードに記憶された枚数データが示すメダル枚数に加算することによって当該枚数データが更新される。なお、カード挿入排出装置220に収納されているメダルカードに枚数データの形式でメダルを返却する処理は、後述する返却手段246により行われ、この詳細については後述する。ユニット制御装置240は、データ保持手段241、貸出手段242、減算手段243、加算手段244、点灯データ管理手段245、返却手段246、送受信手段247を備えている。
【0034】
データ保持手段241は、メダル管理制御基板83から送信される後述する返却データに基づく枚数データ、メダル管理制御基板83から送信される後述する精算データに基づく枚数データ、メダル管理制御基板83から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DP(図7参照)それぞれの点灯データ、投入された現金の残高に関する残高データ(現金の残高に応じた枚数データ)等を保持するものである。
【0035】
貸出手段242は、貸出スイッチ230aが押下された場合は、データ保持手段241に記憶されている残高データを基に、所定貸出枚数(例えば、50枚)分の枚数データを、送受信手段247を介してメダル管理制御基板83に送信することにより、遊技者に遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で貸し出すものである。また、貸出手段242は、貸出スイッチ230aが押下された場合のほか、貸出端子板90を介して受信したメダル管理制御基板83からのメダル要求信号を送受信手段247が受信した場合も、所定貸出枚数(例えば、50枚)分の枚数データ(貸出枚数データ)を、メダル管理制御基板83に送信する。ただし、貸出手段242は、メダル管理制御基板83からのメダル要求信号を受信したのにもかかわらず、データ保持手段241に記録された残高データが所定貸出枚数に満たない場合は、残高不足を通知するための信号(残高不足通知信号)をメダル管理制御基板83に送信する。なお、貸出手段242は、所定時間(例えば割込処理の時間間隔)毎にデータ保持手段241に記録された残高データをメダル管理制御基板83に送信するようにしてもよい。
【0036】
なお、メダル貸出ユニット200からメダル管理制御基板83に貸し出される枚数データ(貸出枚数データ)は、例えば、貸出メダルであることを示すヘッダ部と、貸出メダルの枚数情報を示すデータ部と、データ部のチェックサムの結果を示すチェックサム部とから成るコマンドデータ(複数バイト)で構成することができる。また、残高不足通知信号も、同様の構成である。
【0037】
また、貸出スイッチ230aが押下されたこと、または、メダル管理制御基板83からのメダル要求信号を受信したことに基づいて、貸出手段242により枚数データ(貸出枚数データ)がメダル管理制御基板83に送信された場合には、後述する減算手段243により、当該貸し出した枚数分がデータ保持手段241に記憶されている残高データ(枚数データ)から減算されて当該残高データが更新される。なお、当該メダル要求信号は、例えば、メダルの貸出要求であることを示すヘッダ部と、要求する貸出枚数(例えば、50枚)情報を示すデータ部と、データ部のチェックサムの結果を示すチェックサム部とから成るコマンドデータ(複数バイト)で構成することができる。また、貸し出した枚数分がデータ保持手段241に記憶されている残高データ(枚数データ)から減算された後、これに伴って枚数データ(貸出枚数データ)が送信されるようにしてもよい。
【0038】
また、貸出手段242は、所持メダルが残った状態のメダルカードがカード挿入排出装置220に挿入された場合は、その枚数に応じた枚数データを、メダル管理制御基板83に送信することにより、遊技者に遊技に使用可能なメダルを枚数データの形式で貸し出す。また、貸出スイッチ230aが押下された際、貸出手段242は、枚数データをメダル管理制御基板83に送信した場合には、当該メダルカードの枚数データ(所持メダル)をクリアする。
【0039】
なお、本実施の形態では、貸出手段242からメダル管理制御基板83へのデータの送信は、貸出端子板90を介して行われる(図4参照)。このように、遊技者に対してメダルが枚数データの形式で貸し出される。また、この実施形態では、所持メダルが記憶されたメダルカードを挿入した場合は、自動的にその全枚数分の枚数データがメダル管理制御基板83に送信されるようにしたが、貸出スイッチ230aの押下を契機として、メダル管理制御基板83に送信するようにしてもよい。また、貸出スイッチ230aを押下する度に一部のメダルの枚数データ(例えばメダル50枚分の枚数データ)をメダル管理制御基板83に送信するようにしてもよい。
【0040】
減算手段243は、メダル管理制御基板83への枚数データの送信に基づいて、データ保持手段241に記憶されている残高データ(枚数換算データ)から貸出枚数データに応じた枚数を減算して当該残高データを更新するものである。
【0041】
加算手段244は、現金が現金投入ユニットに投入されると、データ保持手段241に記憶されている残高データ(枚数換算データ)に投入金額に応じた枚数データを加算したり、精算スイッチ80が操作された場合に、データ保持手段241に記憶されている枚数データ(残高データではない方の枚数データ)に、メダル管理制御基板83側から送信される精算データ(所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ)を加算したりして当該残高データを更新するものである。
【0042】
点灯データ管理手段245は、送受信手段247がメダル管理制御基板83から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DP(図7参照)それぞれの点灯データを受信すると、データ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPの点灯データそれぞれを、受信した対応するセグメントの点灯データに書き換えるものである。
【0043】
この実施の形態では、所持メダル表示器26の表示内容が変わるタイミング、つまり、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Gそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データが変わるタイミングは、(1)貸出スイッチ230aが押下された場合や挿入/排出口220aに枚数が0でない枚数データが記憶されているメダルカードが挿入された場合(枚数データの貸出)、(2)メダルの疑似投入がされた場合、(3)メダルの疑似払出がされた場合、(4)精算スイッチ80が操作された場合、(5)返却スイッチ230bが押下された場合(枚数データの返却)である。このとき、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Gそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データは、メダル貸出ユニット200へも供給されている。
【0044】
上記の(1)から(4)の場合、データ保持手段241に記憶される点灯データの更新が後述する返却手段246により禁止されていない期間である。このため、点灯データ管理手段245は、例えば所定時間(例えば割込処理の時間間隔)毎にメダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Gそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データをデータ保持手段241に記憶させて、データ保持手段241に記憶されている点灯データの更新を行う。このように、データ保持手段241に記憶される各セグメントの点灯データは、所持メダル表示器26の表示内容が変化していないときは、所定のタイミングで、変化していない点灯データで更新記憶され、表示内容が変化したときは変化するタイミングとほぼ同じタイミングで変化する。
【0045】
一方、(5)の場合、返却操作を受付けてから返却処理における照合が終了するまでの期間は、データ保持手段241に記憶されている点灯データの更新が後述する返却手段246により禁止されている期間である。このため、点灯データ管理手段245は、例えば所定時間(例えば割込処理の時間間隔)毎にメダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Gそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データをデータ保持手段241に更新記憶させず、データ保持手段241に記憶されている点灯データの更新を行わない。したがって、データ保持手段241に記憶されている各セグメントの点灯データは、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データを維持することになり、後述する返却手段246は後述する照合に返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データを利用することが可能になっている。そして、照合が終了した後、データ保持手段241に記憶されている点灯データの更新が後述する返却手段246により禁止されていない期間となる。このため、点灯データ管理手段245は、例えば所定時間(例えば割込処理の時間間隔)毎にメダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から出力される所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Gそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データをデータ保持手段241に記憶させて、データ保持手段241に記憶されている点灯データの更新を行う。このように、データ保持手段241に記憶される各セグメントの点灯データは、所持メダル表示器26の表示内容が変化していないときは、所定のタイミングで、変化していない点灯データで更新記憶され、表示内容が変化したときは変化するタイミングとは異なるタイミングで変化する。
【0046】
なお、所持メダル表示器26の表示内容が変化した場合のみ、データ保持手段241に記憶される各セグメントの点灯データを更新するようにしてもよい。
【0047】
この実施形態では、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれに、点灯データを供給するための信号線(信号線の本数は、5(7セグメントディスプレイの個数)×8(1個の7セグメントディスプレイを構成するセグメントの個数)=40)が設けられている。なお、例えば、セグメントを点灯させる場合の点灯データは「1(High)」、消灯させる場合の点灯データは「0(Low)」とする。
【0048】
そして、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から所持メダル表示器26にかけての上記の40本の信号線それぞれを途中で分岐し、分岐した信号線それぞれを、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に接続する。これにより、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データが、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からメダル貸出ユニット200にパラレルに供給されることになる。メダル貸出ユニット200では、点灯データ管理手段245により、データ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPの点灯データそれぞれが、供給された対応するセグメントの点灯データに書き換えられる。
【0049】
なお、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データの、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からメダル貸出ユニット200への供給は、上記に限ったものではなく、例えば次のようなものであってもよい。メダル管理制御基板83またはメダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)に、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DP毎に、点灯データを出力する出力端子を2つ設け、一方の出力端子を所持メダル表示器26に接続し、他方の端子を、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に接続するようにしてもよい。
【0050】
また、データ保持手段241に記憶される所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPの点灯データの記憶形式は限定されず、どのセグメントディスプレイのどのセグメントが点灯しているのか消灯しているのかが分かる形式であれば何でもよい。
【0051】
返却手段246は、返却スイッチ230bを押下する返却操作を受付けると、返却操作を受付けてから返却処理における照合が終了するまでの期間、データ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データの更新を禁止する。なお、返却手段246は、当該期間の経過後に各点灯データの更新を許可する。ただし、ここでの照合は、データ保持手段241に記憶されている各点灯データに基づくメダル枚数と、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からの後述する返却データに基づくメダル枚数との照合である。
【0052】
返却操作を契機として各点灯データの更新が禁止された後、後述する送受信手段247によって、メダル管理制御基板83に、返却スイッチ230bが操作された旨の情報が送信される。メダル管理制御基板83では、管理CPU81は、メモリ85の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づいて返却メダルの枚数に関する返却データを作成して、返却データを、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200へ出力する。この返却データは後述する送受信手段247によって受信される。
【0053】
返却手段246は、メダル管理制御基板83から返却データを受け取ると、返却メダルの枚数を示す枚数データをデータ保持手段241に記憶させる。なお、返却操作タイミングは、疑似投入、疑似払出、貸出により、所持メダル表示器26に表示されている所持メダル枚数が最後に更新されてから返却操作までのタイミングを含む。また、例えば、返却手段246はデータ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データからどのセグメントが点灯しているかを特定し、点灯するセグメントの位置から表示中所持メダルの枚数を算出することができる。
【0054】
返却手段246は、データ保持手段241に記憶されている返却メダルの枚数データと、データ保持手段241に記憶されている表示中所持メダルの枚数データとを照合し、照合結果に基づいて枚数データの形式でメダルを返却する、返却処理を行う。
【0055】
ただし、照合の結果、返却メダルの枚数データと表示中所持メダルの枚数データとが一致している場合、返却手段246は、返却メダルの枚数データが示すメダル枚数を、メダルカードに記憶されている枚数データが示すメダル枚数に加算して当該枚数データを更新する、返却処理を行う。
【0056】
一方、照合の結果、返却メダルの枚数データと表示中所持メダルの枚数データとが一致していない場合、返却手段246は、返却処理においてエラー処理を行う。なお、エラー処理として、例えば、メダルカードに枚数データの形式でメダルを返却することなくエラー報知を行うようにしてもよい。また、表示中所持メダルの枚数をメダルカードに記憶されている枚数データが示す枚数に加算して当該枚数データを更新するようにしてもよく(表示中所持メダルの枚数分だけの返却)、この場合にエラー報知を行ってもよいし、エラー報知を行わなくてもよい。また、返却処理を完了させないようにしてもよい。
【0057】
返却手段246は、メダルカードにメダルを枚数データの形式で返却した場合には、データ保持手段241に保持されている枚数データ(返却メダルの枚数データ、表示中所持メダルの枚数データ)を初期化する。
【0058】
送受信手段247は、メダル管理制御基板83からの各種情報を受信するとともに、メダル管理制御基板83に各種情報を送信するものである。メダル管理制御基板83から受信する情報としては、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づく返却データ、精算データ、および、エラー情報並びにメダル要求信号などである。また、メダル管理制御基板83に送信する情報としては、各スイッチ230a〜230cの操作状態に関する情報、データ保持手段241に記憶されている残高データに関する情報(残高不足通知信号を含む)などである。
【0059】
カード挿入排出装置220は、挿入/排出口220aからメダルカードが挿入された場合は、当該カードを収納するとともに、返却スイッチ230bや離席スイッチ230cが操作された場合は、所定の情報が記録されたメダルカードを挿入/排出口220aから排出するものである。
【0060】
(スロットマシン)
続いて、スロットマシン1の構成の概略について、図1を参照して説明する。
【0061】
本実施形態におけるスロットマシン1では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作により、遊技を開始させるための所定条件を成立させるためにメダルの疑似投入が行われる。また、メダルの疑似投入により所定枚数分の賭け数が設定されて所定条件が成立したことを条件として、遊技者によりスタートスイッチ9が操作されると、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6R(本発明の「図柄表示手段」に相当)が回転を開始する。また、各ストップスイッチ10L,10M,10R(本発明の「停止操作手段」に相当)の操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止する。このときの停止図柄表示結果が所定の入賞態様であれば、予め定められた所定の払出枚数分のメダルの疑似払出が行われることにより1回の遊技が終了する。ここで、メダルの疑似投入とは、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データを、当該遊技の賭け数に応じたメダル枚数が減じられた枚数データに書き換えることをいう。また、メダルの疑似払出とは、当該遊技で入賞した場合に、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データを、入賞役に応じて設定されたメダル枚数が加算された枚数データに書き換えることをいう。
【0062】
なお、疑似投入が行われ、枚数データが減じられた場合であってもスタートスイッチ9の操作が行われるまでは、設定された賭け数を変更することができ、これに応じて賭け数及び枚数データが適宜更新され、スタートスイッチ9を操作すると賭け数として設定された分が遊技に供されることとなる。例えば、最大ベットスイッチ8を操作することで賭け数として「3」が設定されるとともに、枚数データからは「3」が減じられる。その後、賭け数を「1」に変更する場合、ベットスイッチ7を操作することで賭け数として「1」が設定されるとともに、枚数データには「2」が戻る(加算される)こととなる。ただし、この実施形態では、1ゲームの規定枚数が「3」に設定されているため、賭け数が「1」の状態では、スタートスイッチ9の操作が無効とされ、遊技が行えないようになっている。
【0063】
スロットマシン1は、例えば、図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、前面が開放された箱型の筐体の前面が前面パネル2により開閉自在に閉塞され、この前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右回転リール6L,6M,6Rが配置されている。
【0064】
左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、所定の個数の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄が含まれている。なお、各回転リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープが回転リールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各回転リール6L,6M,6Rが回転すると、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各回転リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全ての回転リール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
【0065】
また、各回転リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各回転リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成される左、中、右リールモータ27L,27M,27R(図2参照:本発明の「図柄表示手段」に相当)が連結されている。また、各回転リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体内の後壁に固定されて設けられており、各回転リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体内に配設されている。
【0066】
また、操作板3には、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、レバー状のスタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10R、精算スイッチ80が設けられている。ベットスイッチ7は、遊技者がメダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから1枚分ずつのメダルの疑似投入を指示する操作を行うためのものである。最大ベットスイッチ8は、遊技者がメダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから1ゲーム(遊技)あたりの投入枚数(規定枚数:3枚に設定されている)のメダルの疑似投入を指示する操作を行うためのものである。精算スイッチ80は、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている所持メダルに応じた枚数データをメダル貸出ユニット200側に送信することを指示する操作を行うためのものである。また、最大ベットスイッチ8は、例えばフルカラーLEDで構成された照明ランプ8aを備えており、この実施形態では、赤色、青色、緑色の3色で照明可能となっている。
【0067】
スタートスイッチ9は、遊技者が各回転リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させる操作を行うためのものである。左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、遊技者が左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる操作を行うためのものである。なお、スタートスイッチ9は、メダル管理制御基板83のメモリ85に記憶されている枚数データから所定枚数分のメダルの疑似投入(所定枚数が減算された枚数データへの書き換え)が行われた後、有効化されるように設定されている。また、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、スタートスイッチ9の操作により回転開始した各回転リール6L,6M,6Rが所定の加速期間が経過して定速回転するようになった後に有効化されるように設定されている。なお、メダルの疑似投入が行われたときに、STARTランプ(図示省略)の点灯制御が行われ、スタートスイッチ9の操作が有効となったことが報知される。このSTARTランプは、スタートスイッチ9が操作されたときに消灯制御が行われる。
【0068】
本実施の形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要な賭け数(規定枚数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。
【0069】
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行ったりするための液晶表示器14(本発明の「不足時報知手段」に相当)が設けられている。
【0070】
また、正面板4の上方の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
【0071】
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部21が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部22が設けられている。各ランプ部21,22それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
【0072】
また、表示窓5の右下方には、遊技者が所有する遊技価値(枚数データ)に応じたメダルの枚数を表示するための所持メダル表示器26が配設されている。この所持メダル表示器26は、図7に示すように、5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bで構成され、5桁のメダル枚数が表示可能になっている。5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bは、それぞれ、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントA〜Gと、小数点となる小さな丸い1つのセグメントDPとが組み合わされた計8つのセグメントA〜G、DPを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。
【0073】
上述したように、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から、5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれに、点灯データを供給するための信号線(信号線の本数は40)が設けられている。
【0074】
そして、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)から所持メダル表示器26にかけての上記の40本の信号線それぞれを途中で分岐し、分岐した信号線それぞれを、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に接続する。これにより、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データが、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からメダル貸出ユニット200にパラレルに供給されることになる。メダル貸出ユニット200では、点灯データ管理手段245により、データ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPの点灯データそれぞれが、供給された対応するセグメントの点灯データに書き換えられる。
【0075】
また、所持メダル表示器26の隣りには、メダル管理制御基板83に関連するエラー表示を行うための3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cが配設される。
【0076】
また、表示窓5の左下方には、メダルの疑似払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。この払出表示器46は、図5に示すように、2個の7セグメントディスプレイSEG1A〜SEG2Aで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。2個の7セグメントディスプレイSEG1A〜SEG2Aは、それぞれ、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントA〜Gと、小数点となる小さな丸い1つのセグメントDPとが組み合わされた計8つのセグメントA〜G、DPを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。
【0077】
メイン制御基板63のメインCPU61(払出表示器制御手段107)から、2個の7セグメントディスプレイSEG1A〜SEG2Aそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれに、点灯データを供給するための信号線(信号線の本数は、2(7セグメントディスプレイの個数)×8(1個の7セグメントディスプレイを構成するセグメントの個数)=16)が設けられている。なお、例えば、セグメントを点灯させる場合の点灯データは「1(High)」、消灯させる場合の点灯データは「0(Low)」とする。
【0078】
(スロットマシンの電気的な構成の概略)
スロットマシン1の電気的な構成の概略について、図1も参照しつつ図2を参照して説明する。図2はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0079】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール6L,6M,6Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール6L,6M,6Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール6L,6M,6Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。このスロットマシン1では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、各リール6L,6M,6Rそれぞれに設定された0〜20番の図柄のコマ番号のうち、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓5の中段に位置するように構成されている。
【0080】
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。リセットスイッチ52は、操作ボックス49内に設けられ、設定変更中は1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。電源スイッチ50は、電源のON、OFFを切り換えるものであり、操作ボックス49内に設けられている。
【0081】
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73、遊技で疑似投入と疑似払出を行うためのメダルの所持数を管理する管理CPU81が実装されたメダル管理制御基板83とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。また、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83とは各種の情報が双方向で送信される。また、メダル管理制御基板83からサブ制御基板73に対して各種遊技情報が一方向で送信される。なお、メダル管理制御基板83とサブ制御基板73とは、各種遊技情報が双方向で送信されるようにしてもよい。
【0082】
メイン制御基板63(またはメダル管理制御基板83)からメダル貸出ユニット200に送信される情報としては、例えば、後述する精算データ、メダル要求信号、メダルの貸出枚数データを受信した場合の貸出確認情報(例えば、正常なら「00」、異常なら「01」)、一定期間ごとに送信される遊技情報(例えば、総疑似投入枚数、総疑似払出枚数、遊技状態、エラー状態など)などがある。一方、メダル貸出ユニット200からメイン制御基板63(またはメダル管理制御基板83)に送信される情報としては、貸出枚数データ、残高不足通知の情報、一定時間ごとに送信されるユニット情報(例えば、エラー情報、カード挿入情報)などがある。
【0083】
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されている。例えば、RAM65は、遊技に供する疑似投入枚数に関するデータを記憶する記憶領域や、疑似投入が可能であるか否かを示すデータを記憶する記憶領域などが設定されている。
【0084】
また、メイン制御基板63のROM67は予め設定されたデータ(図3の役抽選テーブル671など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶するものである。
【0085】
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、抽選手段102(図3参照)による役抽選結果(後述する役の入賞に必要な情報も含む)に関する情報、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0086】
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14やスピーカ15,16などの演出機器の制御を行う。
【0087】
また、メダル管理制御基板83のメモリ85は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、メダル管理制御基板83の管理CPU81は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU61から送信される情報や、メダル貸出ユニット200から送信されるメダル情報に基づいて遊技で疑似投入/払出されるメダルの枚数データ(所持メダルデータ)を管理する。また、管理CPU81は、メモリ85に記憶している枚数データに応じたメダル枚数(所持メダル)を所持メダル表示器26に表示する制御を行う。また、メインCPU61から送信される情報に基づいて、エラー表示ランプ30a,30b,30cの点灯制御を行う。また、管理CPU81は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づいて、最大ベットスイッチ8用の照明ランプ8aの点灯制御を行う。
【0088】
また、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200の返却スイッチ230bが押下された旨の信号を受信すると、メモリ85に記憶されている枚数データに基づく返却メダルの枚数に関する返却データをメダル貸出ユニット200に送信する。このとき、管理CPU81は、メモリ85に記憶されている枚数データをクリアする。また、管理CPU81は、精算スイッチ80が押下された旨の信号をメイン制御基板63から受信すると、メモリ85に記憶されている枚数データに基づく精算メダルの枚数に関する精算データをメダル貸出ユニット200に送信する。このとき、管理CPU81は、メモリ85に記憶されている枚数データをクリアする。
【0089】
また、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200の離席スイッチ230cが押下された旨の信号を受信すると、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8が操作されるか否かにかかわらず、メダルの疑似投入を禁止する制御を行う。つまり、離席スイッチ230cが押下された場合は、一時的に遊技ができない状態となる。なお、離席スイッチ230cが押下されると、1枚のメダルカードが挿入/排出口220aから排出される。遊技者が離席から復帰して当該メダルカードを挿入/排出口220aに挿入すると、その旨の信号が管理CPU81に送信される、管理CPU81は、この信号に基づいてメダルの疑似投入の禁止制御を解除する。この場合、メダルカードにID情報を記憶させておき、離席スイッチ230cが操作された場合は、当該ID情報を、例えばデータ保持手段241で記憶する。そして、遊技者が帰ってきてメダルカードが挿入された際に、ID情報の照合を行い、一致すれば、その旨の情報をメダル管理制御基板83に送信し、これによりメダルの疑似投入の禁止制御が解除される。
【0090】
また、メイン制御基板63、サブ制御基板73、メダル管理制御基板83、貸出端子板90それぞれは、外部から容易にアクセスできないように、カシメ機構を有する個別の基板ケース内に封印されている。不正行為を防止するための各基板の接続方法としては、それぞれに実装されたコネクタにより、直接基板間接続(BtoB接続)する方法、物理的アクセスの他に、電磁波ノイズの影響を抑えるワイヤカバーで被覆された信号線を用いて接続する方法、信号線を遊技者から視認し難い場所から引き回す方法、基板間の通信信号を暗号化する方法、各基板に設けたID情報を、定期的またはエラー発生時にやり取りする方法などがある。なお、基板それぞれに実装されたコネクタにより両基板を接続する場合は、基板の視認性が低下する積層接続ではなく、横並びに接続し、接続箇所を含めた基板ユニットとしてカバーすることでアクセスを困難にするとよい。
【0091】
(メイン制御基板)
メイン制御基板63の機能について図3を参照して説明する。
【0092】
(1)遊技制御手段100
遊技制御手段100は、メダルレスのスロットマシン1において実行される遊技を制御するためのものである。このスロットマシン1の遊技では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されてメダルの疑似投入の指示があると、メダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、疑似投入の枚数分、減じられた枚数データに書き換えられる。このとき、書き換えたことを特定可能な情報が、メダル管理制御基板83からメイン制御基板63に送信され、これにより賭け数が設定される。また、スタートスイッチ9の操作がされるまでは賭け数の変更が可能であって、これに応じてメダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データも更新されることとなる。そして、所定枚数の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、まず、当選か否かを決定する抽選手段102による乱数抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が開始する。
【0093】
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、当該操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応した回転リール6L,6M,6Rのうちのいずれかの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、所定枚数のメダルの疑似払出、メダル管理制御基板83のメモリ85の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ(所持メダルデータ)の減算を行うことなく次回の遊技を実行可能なリプレイ、などの所定の利益が遊技者に対して付与される。
【0094】
(2)投入制御手段101
投入制御手段101(本発明の「賭け数設定手段」に相当)は、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、メダル管理制御基板83と連携して所定枚数のメダルの疑似投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。このとき、投入制御手段101は、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、その旨を特定可能な情報をメダル管理制御基板83に送信する。当該情報を受信したメダル管理制御基板83は、所持メダル枚数記憶領域851(本発明の「記憶手段」に相当)に記憶されている枚数データを、賭け数に応じた枚数が減じられた枚数データに書き換え、その旨を特定可能な情報をメイン制御基板63に送信する。メダル管理制御基板83からの情報を受信すると、投入制御手段101は、スタートスイッチ9の操作を有効化する。一方、投入制御手段101は、枚数データを書き換えた旨を特定可能な情報を受信するまでは、スタートスイッチ9の操作は無効化する。
【0095】
(3)抽選手段102
抽選手段102は、本実施の形態では、スタートスイッチ9の操作を契機に、小役、再遊技役、ボーナス役を含む複数の役のいずれかに当選かまたはハズレかの抽選を行うためのものである。また、抽選手段102は、乱数発生手段、乱数抽出手段、抽選テーブル、および抽選判定手段を備えている。乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(本実施の形態では、例えば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。この乱数発生手段は、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を抽出するもので、乱数発生手段が発生させた乱数をスタートスイッチ9の操作を契機として抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ9が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
【0096】
役抽選テーブル671は、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものである。抽選判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数と、抽選テーブルとを照合して、抽出された乱数が、複数の抽選結果のいずれに該当するかを判定するものである。
【0097】
(4)停止制御手段103
停止制御手段103は、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と抽選手段102の抽選結果とに基づき、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。本実施の形態では、抽選手段102による抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であった場合に、停止制御手段103は、遊技者がストップスイッチ10L,10M,10Rを操作したタイミングが適切であれば、後述の判定手段104により当選した役に入賞したと判定されるように、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行う。なお、ストップスイッチ10L,10M,10Rの遊技者による操作態様としては、前述の操作タイミングに限らず、いずれのストップスイッチ10L,10M,10Rを最初に操作したか等の操作順序であってもよい。また、当選役の種類によっては、ストップスイッチ10L,10M,10Rが遊技者によりどのようなタイミングで操作されても、当該当選役に対応した入賞態様で停止図柄が表示されるように、各回転リール6L,6M,6R上での各図柄の配置位置が設定されている。
【0098】
(5)判定手段104
判定手段104は、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により全ての回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄の表示態様を判定するものである。本実施の形態では、各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段104により判定される。なお、入賞と判定される表示態様は、当選役毎に異なる表示態様が予め定められている。
【0099】
(6)払出制御手段105
払出制御手段105は、判定手段104により停止図柄表示結果が所定の入賞と判定された場合、メダル管理制御基板83と連携して所定の払出枚数のメダルの疑似払出を行うものである。具体的には、払出制御手段105は、スロットマシン1から疑似払出されたメダル枚数分の枚数データに関する情報をメダル管理制御基板83に送信する。メダル管理制御基板83は、当該情報を受信した場合、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、疑似払出されたメダルの枚数が加算された枚数データに書き換える。なお、これらの処理の一部または全部をメダル管理制御基板83で行うようにしてもよい。
【0100】
(7)エラー検知手段106
エラー検知手段106は、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラーが発生したか否かを検知するものである。エラー検知手段106が検知するエラーには、例えば、RWMエラー、リールエラー、メイン制御・メダル管理制御通信エラー、メダル管理制御エラー、ユニット通信エラー、メダル枚数上限エラー等が該当する。これらのエラーが発生した場合は、当該エラーの発生に基づいてエラー処理に移行し、遊技が中止される。
【0101】
各エラーには、それぞれ種類を分類するためのエラーコード(上記の順番にE0、E1、E2、EA、EC、EF)が設定されている。これらのエラーについては、図6を参照して後述する。
【0102】
(8)払出表示器制御手段107
払出表示器制御手段107は、払出表示器46の表示を制御するものである。具体的には、払出表示器制御手段107は、当選役に入賞した際、払出表示器46に当該入賞役に設定されたメダルの払出枚数が表示されるように払出表示器46を制御する。
【0103】
図5に示すように、払出表示器46は、2つの7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aを有する。2個の7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aは、いずれも8箇所の点灯可能なセグメントA〜G、DPから構成されており、数字(0〜9)や、A、C、E、Fなどの一部のアルファベットが表示可能となっている。したがって、例えば、1枚の払い出しが得られる役に入賞した場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、B、C、D、E、Fが点灯するとともに(「0」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントB、Cが点灯(「1」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。
【0104】
また、払出表示器46では、エラーが発生した場合は、そのエラー種別を識別可能なエラー表示も行われる。この場合、エラー発生時点でエラー表示をしても良いし、エラー発生に基づいたエラー処理へ移行し、遊技が中止された場合にエラー表示をしても良い。払出表示器制御手段107は、エラー表示の制御も行う。エラー表示は、エラー検知手段106が検知したエラー種別に基づいて行われる。以下、各エラーの内容と、払出表示器46による表示態様について図6を参照して説明する。
【0105】
RWMエラー(エラーコード:E0)は、RWM((Read Write Memory)読み出し書き込みメモリであって、RAM(Random Access Memory)随時書き込み読み出しメモリとも言う)のバックアップ不良等が発生している状態である。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントA、B、C、D、E、Fが点灯(「0」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aの全セグメントの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、スロットマシン1の設定値を再入力することにより解除できる。
【0106】
リールエラー(エラーコード:E1)は、回胴(リール)位置検出エラー(左・中・右位置センサ55L,55M、55Rによる位置検出エラー)であって、左・中・右リール6L,6M,6Rの停止処理中に電源断になった場合や、左・中・右リール6L,6M,6Rの停止処理中のリールユニットの故障等により左・中・右リール6L,6M,6Rの位置検出に関するエラーが発生している状態である。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントB、Cが点灯(「1」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aの全セグメントの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、リセットスイッチ52を押下することにより解除することができる。
【0107】
メイン制御・メダル管理制御通信エラー(エラーコード:E2)は、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83との間の通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、両基板を接続する信号線の破損や、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントA,B、D,E、Gが点灯(「2」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aの全セグメントの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。その他、エラー原因の解消後にリセットスイッチ52を押下することにより、エラー解除できる構成であってもよい。
【0108】
メダル管理制御エラー(エラーコード:EA)は、メダル管理制御基板83に不良等が発生している状態であって、具体的には、メダル管理制御基板83のメモリ85のデータ不良であったり、メイン制御基板63に送信される信号に異常が発生したりしている状態である。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントA、B、C、E、F、Gが点灯(「A」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aの全セグメントの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。
【0109】
ユニット通信エラー(エラーコード:EC)は、メダル管理制御基板83と、メダル貸出ユニット200との通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、メダル管理制御基板83と貸出端子板90との間の信号線の破損、貸出端子板90とメダル貸出ユニット200との間の信号線の破損、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントA,D、E,Fが点灯(「C」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aの全セグメントの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。その他、エラー原因の解消後にリセットスイッチ52を押下することにより、エラー解除できる構成であってもよい。
【0110】
メダル枚数上限エラー(エラーコード:EF)は、メダル管理制御基板83で計数可能なメダル枚数の上限に到達している状態である。この実施形態では、計数可能なメダルの上限値が60000枚に設定されており、これを超えると当該エラーが発生する。この場合、払出表示器制御手段107は、7セグメントディスプレイSEG1AのセグメントA、D、E、F、Gが点灯するとともに(「E」を表示)、7セグメントディスプレイSEG2AのセグメントA,E、F,Gが点灯(「F」を表示)するように払出表示器46の制御を行う。また、払出表示器制御手段107は、当該エラーが解除されると両7セグメントディスプレイSEG1A,SEG2Aの全セグメントの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、メダル貸出ユニット200の返却スイッチ230bを押して、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、メダルカードに移し、所持メダル枚数記憶領域851をクリアすることにより解除することができる。また、払出制御手段105は、メダルの疑似払出の際に上限を超える状況となった場合は、一旦上限までの分の疑似払出を行い、エラー解除後に残り分の疑似払出を行う。
【0111】
また、メダル枚数上限エラーについては、例えば、所持メダル枚数記憶領域851の記憶領域が60000枚分の容量で設定されている場合は、所持メダルの枚数データが59999枚分のデータ量に到達したときに当該エラーを発生させるようにしてもよい。また、例えば、1ゲームで得られる最大のメダル枚数が15枚であるときは、所持メダルの枚数データが60000−15=59985枚分のデータ量を超えると当該エラーを発生させるようにしてもよい。さらに、メダルカードに記憶されている所持メダルの枚数データが、所定のデータ量(例えば、59985枚)を超えている場合、当該カードが挿入/排出口220aに挿入された場合も当該エラーが発生するようにしてもよい。
【0112】
また、リール6L,6M,6Rが回転中に、例えば、59985枚分のデータ量を超える枚数データ(所持メダル)が記憶されているメダルカードが挿入/排出口220aに挿入された場合は、その遊技の終了後にメダル枚数上限エラーを払出表示器46に表示する。さらに、当該ゲームでメダルの疑似払出にかかる役に入賞した場合、払出制御手段105は、当該エラーが解除されるまで、疑似払出の処理を中断する。
【0113】
なお、その他のエラーとして、サブ通信エラー、液晶通信エラー、誤入賞エラーがある。サブ通信エラーはメイン制御基板63とサブ制御基板73との間の通信に異常がある状態である。液晶通信エラーは、サブ制御基板73からの信号が液晶表示器14に入力されていない状態である、誤入賞エラーは、当選していない役の図柄組合せが入賞ライン上に停止している状態である。これらのエラーについても、払出表示器46にエラーコードが表示されるが説明は省略する。
【0114】
(9)コマンド作成手段108
コマンド作成手段108は、抽選手段102の役抽選結果に関する情報、通常遊技状態やボーナス遊技状態などの遊技状態の種類に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するコマンド送信手段109によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
【0115】
また、コマンド作成手段108は、管理CPU81(メダル管理制御基板83)の状態や、管理CPU81が取得したメダル貸出ユニット200の状態を示す情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドも生成する。例えば、コマンド作成手段108は、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶している枚数データが、1ゲームを行うのに必要な所定値(この実施形態では3枚)よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されている残高データに基づく枚数データを加えても1ゲームを行うのに必要な所定値よりも少ない場合は、その旨を通知するコマンドを作成する。
【0116】
(10)コマンド送信手段109
コマンド送信手段109は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、抽選手段102の役抽選結果、各リール6L,6M,6Rの回転・停止状態、払出制御手段105によるメダルの疑似払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
【0117】
(11)メダル管理送受信手段110
メダル管理送受信手段110は、メダル管理制御基板83に各種情報を送信するとともに、メダル管理制御基板83からの各種情報を受信するものである。メダル管理送受信手段110は、メダル管理制御基板83に、例えば、入賞役に関する情報やベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8の操作に関する情報などの各種情報を送信する。一方、メダル管理制御基板83からは、例えば、疑似払出に関する情報、メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230a、返却スイッチ230b、離席スイッチ230cの操作に関する情報、メダル管理制御基板83のエラーに関する情報、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されているメダルカードの残高データに関する情報などの各種情報を受信する。なお、この実施形態では、遊技制御手段100、抽選手段102、停止制御手段103、判定手段104、コマンド作成手段108、コマンド送信手段109などによる遊技の制御に関する信号を扱う部品と、投入制御手段101、払出制御手段105、払出表示器制御手段107、メダル管理送受信手段110などによるメダルの疑似投入、疑似払出制御に関する信号を扱う部品とは、メイン制御基板63上の部品配置領域が分離している。
【0118】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について図3を参照して説明する。図3のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出や各種エラー報知、返却処理を行っている旨の報知等を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図2参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0119】
(1)コマンド受信手段150
図3のコマンド受信手段150は、メイン制御基板63のコマンド送信手段109により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段150は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
【0120】
(2)演出内容決定手段151
図3の演出内容決定手段151は、コマンド受信手段150により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、抽選手段102の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器14に表示される動画を決定したり、スピーカ15,16から流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22の光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
【0121】
演出内容決定手段151が決定する演出のより具体的な例として、メダルの疑似投入時に、所持メダルの状況に応じて行われるメダル不足報知演出がある。当該報知演出は、液晶表示器14を用いて行われるもので、表示画面に例えば、「現金かメダルカードを挿入してください」などの文字が表示される演出である。
【0122】
(3枚賭け専用の場合のメダル不足報知演出)
例えば、図9に示すように、賭け数が設定されていない場合において、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚以上の場合は、1ゲームを行うのに必要な枚数データを所持していることになるため、メダル不足報知演出は行われない。つまり、通常のゲームの流れであり、メダル貸出ユニット200の残高データの有無にかかわらず、最大ベットスイッチ8が操作されると、3枚の賭け数が投入制御手段101により設定され、スタートスイッチ9が有効となる。スタートスイッチ9が操作されると、各リール6L,6M,6Rの回転が開始され、ゲームスタートとなる。
【0123】
一方、賭け数が設定されていない場合において、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚に満たない場合は、1ゲームを行うのに必要な枚数データを所持していないことになる。この場合、メダル貸出ユニット200に残高データがある場合は、メダル不足報知演出は行われないが、残高データがない場合はメダル不足報知演出が行われる。
【0124】
すなわち、賭け数が設定されていない場合において、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが0〜2枚であって、メダル貸出ユニット200に残高データがある場合は、最大ベットスイッチ8が操作されると、メダル貸出ユニット200(貸出手段242)から自動的に所定貸出枚数(例えば50枚)の枚数データがメダル管理制御基板83に送信される。そして、所持メダル枚数記憶領域851に当該枚数データが加算されるとともに(メダルの補充)、投入制御手段101により3枚の賭け数が設定され、スタートスイッチ9が有効となる。スタートスイッチ9が操作されると、各リール6L,6M,6Rの回転が開始され、ゲームスタートとなる。
【0125】
一方、賭け数が設定されていない場合において、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが0〜2枚であって、メダル貸出ユニット200に残高データがない場合は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データと、メダル貸出ユニット200に記録されている残高データとを合せても、1ゲームに必要な賭け数(3枚)に満たない。この状態で最大ベットスイッチ8が操作されると、メダル不足報知演出が行われる。そして、現金が投入されるか、1ゲームに必要なメダルの枚数データが記憶されているメダルカードが挿入/排出口220aに挿入されるまで、スタートスイッチ9の操作が無効となる。
【0126】
既に賭け数が設定されている場合(1枚または2枚)において、最大ベットスイッチ8が操作された場合は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データと合わせると3枚以上となる場合は、通常のゲームの流れであり、メダル貸出ユニット200の残高データの有無にかかわらず、最大ベットスイッチ8が操作されると、3枚の賭け数が投入制御手段101により設定され、スタートスイッチ9が有効となる。
【0127】
また、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データと合わせても3枚に満たない場合において、メダル貸出ユニット200に残高データがある場合は、上記した3枚賭け専用機と同様となる。すなわち、最大ベットスイッチ8が操作されると、メダル貸出ユニット200(貸出手段242)から自動的に所定貸出枚数(例えば50枚)の枚数データがメダル管理制御基板83に送信されることで、スタートスイッチ9の操作が有効となる。一方、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データと合わせても3枚に満たない場合において、メダル貸出ユニット200に残高データがない場合は、メダル不足報知演出が行われる。そして、現金が投入されるか、1ゲームに必要なメダルの枚数データが記憶されているメダルカードが挿入/排出口220aに挿入されるまで、スタートスイッチ9の操作が無効となる。
【0128】
(1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けがある場合のメダル不足報知演出)
次に、例えば遊技状態によって、1ゲームを行うのに必要な賭け数が、1枚の場合と、2枚の場合と、3枚の場合とがある遊技機について、図10を参照して説明する。この場合、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚以上の場合は、既存の賭け数の設定状態によらず、どの遊技状態でも1ゲームを行うのに必要な賭け数以上の枚数データが所持メダル枚数記憶領域851に記憶されていることになるため、メダル不足報知演出は行われない。つまり、通常のゲームの流れであり、メダル貸出ユニット200の残高データの有無にかかわらず、最大ベットスイッチ8が操作されると、3枚の賭け数が投入制御手段101により設定され、スタートスイッチ9が有効となる。スタートスイッチ9が操作されると、各リール6L,6M,6Rの回転が開始され、ゲームスタートとなる。
【0129】
所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚に満たない場合は、遊技状態の種類およびメダル貸出ユニット200の残高データの有無によってメダル不足報知演出が行われるか否かが異なる。例えば、最大ベットスイッチ8が操作されたときの遊技状態で必要とされる賭け数と、既存の賭け数と所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データとを合わせた枚数と比較した場合に、既存の賭け数と所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データとを合わせた枚数の方が多い場合は、メダル不足報知演出は行われない。一方、これらを比較した場合に、既存の賭け数と所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データとを合わせた枚数の方が少ない場合は、メダル貸出ユニット200に残高データがある場合を除き、メダル不足報知演出が行われる。メダル貸出ユニット200に残高データがある場合は、3枚賭け専用機と同様に、最大ベットスイッチ8が操作されると、自動的にメダル貸出ユニット200からメダル(枚数データ)が補充されるとともに、賭け数が設定され、スタートスイッチ9が有効となる。
【0130】
(1枚賭けと3枚賭けがある場合のメダル不足報知演出)
遊技状態によって、1ゲームを行うのに必要な賭け数が、1枚の場合と、3枚の場合とがある遊技機について、メダル不足報知演出が行われるか否かは、図11に示すように、上記した1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けがある場合と同様である。
【0131】
つまり、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚以上の場合は、既存の賭け数の設定状態によらず、どの遊技状態でも1ゲームを行うのに必要な賭け数以上の枚数データが所持メダル枚数記憶領域851に記憶されていることになるため、メダル不足報知演出は行われない。
【0132】
一方、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚に満たない場合は、遊技状態の種類およびメダル貸出ユニット200の残高データの有無によってメダル不足報知演出が行われるか否かが異なる。例えば、最大ベットスイッチ8が操作されたときの遊技状態で必要とされる賭け数と、既存の賭け数と所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データとを合わせた枚数と比較した場合に、既存の賭け数と所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データとを合わせた枚数の方が多い場合は、メダル不足報知演出は行われない。一方、これらを比較した場合に、既存の賭け数と所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データとを合わせた枚数の方が少ない場合は、メダル貸出ユニット200に残高データがある場合を除き、メダル不足報知演出が行われる。メダル貸出ユニット200に残高データがある場合は、最大ベットスイッチ8が操作されると、自動的にメダル貸出ユニット200からメダル(枚数データ)が補充されるとともに、賭け数が設定され、スタートスイッチ9が有効となる。
【0133】
そして、演出内容決定手段151は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を液晶表示制御手段152および音声制御手段153に送信する。
【0134】
(3)液晶表示制御手段152
図3の液晶表示制御手段152は、演出内容決定手段151から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器14に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。例えば、液晶表示制御手段152は演出内容決定手段151から送信されるデータに基づいて上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別にフラッシュさせる。
【0135】
(4)音声制御手段153
図3の音声制御手段153は、演出内容決定手段151から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ15,16から音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。例えば、音声制御手段153は、演出内容決定手段151から送信されるデータに基づいてスピーカ16から再遊技役の入賞音を鳴らしたり、スピーカ16からメダルの投入音を鳴らしたりする。
【0136】
(メダル管理制御基板)
次に、メダル管理制御基板83について図3を参照して説明する。図3のメダル管理制御基板83は、メイン制御基板63等から送信された各種情報を受信し、メダルの疑似払出に関する処理や疑似投入に関する処理などを行うものである。メダル管理制御基板83は、メモリ85(図2参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0137】
(1)受信手段300
受信手段300は、メイン制御基板63から送信される、メダルの疑似投入の指示や、入賞役にかかる疑似払出枚数に関する情報などの各種情報を受信するとともに、メダル貸出ユニット200から送信されるスイッチ230a,230b,230cに関する情報などの各種情報を受信するものである。受信手段300は、メイン制御基板63から送信される情報や、メダル貸出ユニット200から送信される情報を受信すれば、情報の種類に応じてメダル管理制御基板83が備える各機能に通知を行う。なお、受信手段300については、メイン制御基板63からの情報を受信する手段と、メダル貸出ユニット200からの情報を受信する手段とが別々の手段であってもよい。
【0138】
また、この実施形態では、メダルの疑似投入枚数や、入賞役にかかる疑似払出枚数に関する情報は、1枚ごとに1パルス分の信号により送信されるが、枚数に応じたデータを一括で送信するようにしてもよい。
【0139】
(2)メダル表示制御手段301
メダル表示制御手段301は、メイン制御基板63からの情報や、メダル貸出ユニット200からの情報に基づいて、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが示すメダル枚数を、遊技者が所持するメダル枚数として表示させるように所持メダル表示器26を制御するものである。メダル表示制御手段301は、記憶領域書換手段301aを備えている。
【0140】
記憶領域書換手段301a(本発明の「書換手段」に相当)は、メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230aが操作された旨の情報を受信した場合、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、所定貸出枚数(この実施形態では50枚)が加算された枚数データに書き換える。なお、メダル管理制御基板83には、図示省略のバックアップ電源が設けられるとともに、所持メダル枚数記憶領域851のデータをバックアップするメモリが設けられており、例えば、電断や所持メダル枚数記憶領域851に不具合等が発生しても、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されているデータを復元できるように構成されている。また、所持メダル枚数記憶領域851のデータとバックアップメモリのデータが異なっている状態が何度か連続していると判断すれば、不正行為が行われた可能性があるとして、エラー報知(上述したメイン制御・メダル管理制御通信エラー等)を行ってもよい。
【0141】
また、記憶領域書換手段301aは、所定枚数のメダルが記憶されているメダルカードがメダル貸出ユニット200の挿入/排出口220aに挿入されて当該メダルカードに記憶されているメダル枚数を受信した場合、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、メダルカードに記憶されているメダル枚数が加算された枚数データに書き換える。
【0142】
また、ベットスイッチ7や最大ベットスイッチ8の操作により、メイン制御基板63から疑似投入の指示に関する情報を受信した場合、記憶領域書換手段301aは、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、ベットスイッチ7,8の種類に応じたメダルを減算した枚数データに書き換える。書き換え後は、その旨がメイン制御基板63に送信され、これによりスタートスイッチ9の操作が有効になる。
【0143】
また、メダル表示制御手段301は、ベットスイッチ7や最大ベットスイッチ8の操作により、メイン制御基板63から疑似投入の指示に関する情報を受信した際、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データから規定される所持メダル枚数が、ベットスイッチ7,8の種類に応じて設定されたメダル数よりも少ない場合は、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200にメダル要求信号を送信する。
【0144】
記憶領域書換手段301aは、メダル要求信号の送信に基づき、メダル貸出ユニット200の貸出手段242から所定貸出枚数(例えば、50枚)の枚数データが送信された旨の情報を受信した場合、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、所定枚数(この実施形態では50枚)が加算された枚数データに書き換えるとともに、ベットスイッチ7,8の種類に応じたメダルを減算した枚数データに書き換える。書き換え後は、その旨がメイン制御基板63に送信され、遊技制御手段100により賭け数が設定され、これによりスタートスイッチ9の操作が有効になる。
【0145】
つまり、この実施形態では、最大ベットスイッチ8が操作されたときに、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ(メダル数)が、1ゲームに必要な所定値(3枚)よりも少ない場合は、貸出スイッチ230aが操作されなくてもメダル貸出ユニット200から自動的にメダルが補充され、スタートスイッチ9の操作が有効になる。
【0146】
ただし、メダル要求信号を送信したのにもかかわらず、メダル貸出ユニット200から枚数データが送信されなかった場合、すなわち、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されている残高データが、所定貸出枚数に満たない場合(例えば、残高「0」)は、送信手段304によりその旨の情報がメイン制御基板63に送信される。この場合、スタートスイッチ9の操作は無効のまま、メイン制御基板63からサブ制御基板73にその情報が送信され、液晶表示器14により遊技者にその旨が報知される。
【0147】
また、当選役の入賞により、メイン制御基板63から疑似払出の指示に関する情報を受信した場合、記憶領域書換手段301aは、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、入賞役の種類に応じて設定された払出枚数を加算した枚数データに書き換える。ただし、再遊技役に入賞しても、記憶領域書換手段301aは、所持メダル枚数記憶領域851の枚数データの書き換えを行わない。なお、再遊技役に入賞した場合、メイン制御基板63からは、外部端子板91を介して、所定枚数分のパルス信号がホールコンピュータHPに送信される。例えば、3枚賭けのゲームで再遊技役に入賞した場合は、ホールコンピュータHPに向けて所定幅のパルス信号が3回発信される。一方、3枚の払い出しが得られる小役に入賞した場合も、ホールコンピュータHPに向けて特定幅のパルス信号が3回発信される。この実施形態では、小役入賞時と再遊技役入賞時とでパルス幅が異なる信号としている。したがって、ホールコンピュータHP側で、小役入賞に基づくパルス信号であるか、再遊技役入賞に基づくパルス信号であるかの識別が可能である。
【0148】
また、受信手段300がメダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合、後述する送信手段304が所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づいて返却メダルの枚数に関する返却データを作成し、作成した返却データを、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信する。返却データは、例えば、返却メダルの枚数であることを示すヘッダ部と、返却枚数(所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数)を示すデータ部と、ヘッダ部とデータ部のチェックサムの結果を示すチェックサム部とから成るコマンドで形成することができる。
【0149】
メダル貸出ユニット200では、返却手段246により前述した返却処理が行われる。記憶領域書換手段301aは、送信手段304による返却データの送信終了後に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ0枚の枚数データに書き換える。これにより、メダル表示制御手段301から出力される、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの点灯データは更新されることになる。ここで、返却手段246による上記の照合前に、メダル表示制御手段301から出力される、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの点灯データは更新されることになるが、返却手段246は上述したように返却操作を受付けてから照合が終了するまでの期間、データ保持手段241に保持されている各セグメントの点灯データの更新を禁止しているので、返却手段246は上記の照合にデータ保持手段241に保持されている返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データを用いることが可能である。
【0150】
また、精算スイッチ80が操作された場合送信手段304が所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づいて精算メダルの枚数に関する精算データを作成し、作成した精算データを、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に送信する。記憶領域書換手段301aは、送信手段304による精算データの送信終了後に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ0枚の枚数データに書き換える。精算データは、例えば、精算メダルの枚数であることを示すヘッダ部と、精算枚数(所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数)を示すデータ部と、ヘッダ部とデータ部のチェックサムの結果を示すチェックサム部とから成るコマンドで形成することができる。なお、賭け数が設定されている状態で精算スイッチ80が操作された場合、投入制御手段101により、賭け数のキャンセルが行われるとともに、精算データとして、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに当該賭け数の枚数データが加算された枚数データが作成される。
【0151】
なお、メダル返却時の記憶領域書換手段301aによる所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データの更新は、上記に限定されるものではなく、例えば次のようなものであってもよい。メダル貸出ユニット200が返却データの受信を終了した場合に、メダル貸出ユニット200からメダル管理制御基板83に返却データの受信を終了した旨の情報を送信し、記憶領域書換手段301aは、受信手段300により当該情報が受信された場合に、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ0枚の枚数データに書き換えるようにしてもよい。これにより、メダル表示制御手段301から出力される、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの点灯データは更新されることになる。また、記憶領域書換手段301aは、返却データをメダル貸出ユニット200に送信する際に、1パルス毎に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが示すメダル枚数から1減算して当該枚数データを更新するようにしてもよい。この場合、1パルス毎に、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが更新されるのに伴い、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの点灯データは更新されることになる。
【0152】
メダル表示制御手段301は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを基に、当該枚数データが示すメダル枚数が所持メダル表示器26に表示されるように、5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを作成する。そして、メダル表示制御手段301は、管理CPU81(メダル表示制御手段301)から所持メダル表示器26にかけて設けられた上記の40本の信号線を利用し、作成された各点灯データを各セグメントに供給する。これにより、所持メダル表示器26は所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが示すメダル枚数を表示することになる。この際、作成された各点灯データは、40本の信号線それぞれを分岐した信号線を利用して、メダル貸出ユニット200にも供給されることになる。メダル貸出ユニット200では、点灯データ管理手段245により、データ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPの点灯データそれぞれが、供給された対応するセグメントの点灯データに書き換えられる。なお、この実施形態では、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれに供給する点灯データは、返却スイッチ230bに対する返却操作とは無関係に、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からメダル貸出ユニット200に供給されるようになっている。
【0153】
なお、枚数データが0枚となった場合は、「0」を表示するようにしても良いし、消灯させるようにしてもよい。
【0154】
なお、この実施形態では、メダル貸出ユニット200とメダル管理制御基板83との通信に異常がある場合や、メダル管理制御基板83に異常がある場合以外は、どのタイミングで返却スイッチ230bが操作されても、メダルカードが挿入/排出口220aから排出される。例えば、リール6L,6M,6Rが回転している場合は、当該ゲームで疑似投入されたメダルは返却されないが、疑似投入により所定枚数が減じられた枚数データ、すなわち、回転中に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づく返却メダルの枚数に関する返却データが、メダル貸出ユニット200に送信される。また、上記した異常以外のエラーが発生している状態であっても、返却スイッチ230bが操作されると、同様のメダル返却処理が行われる。
【0155】
また、疑似払出処理が行われている途中で、返却スイッチ230bが操作された場合や、貸出スイッチ230aが操作されて、メダルの貸出処理が行われている最中に返却スイッチ230bが操作された場合などのように、返却処理と他の処理が重複した場合は、(i)先に開始された一方の処理が終了するまで、他方の処理を待つ、(ii)他の処理が行われている間、返却スイッチ230bの操作を無効化する、(iii)返却処理と他の処理に優先順位をつけ、優先順位が高い方の処理を優先させる、という(i)〜(iii)のいずれかの方法を採用することができる。
【0156】
(3)エラー表示ランプ制御手段302
エラー表示ランプ制御手段302は、3つのエラー表示ランプ30a,30b,30c点灯/消灯を制御することにより、メダル管理制御基板83に関連するエラーを報知するものである。エラーの種類は、3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cの点灯/消灯の組み合わせで判別できるようになっている。なお、メダル管理制御基板83で検知可能なエラーが生じた場合も、その旨の情報がメイン制御基板63に送信され、遊技が中止される。
【0157】
3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cは、所持メダル表示器26の隣りに配設されるとともに、縦1列に配列されている。以下、上段のエラー表示ランプ30aを第1エラー表示ランプ30a、中段のエラー表示ランプ30bを第2エラー表示ランプ30b、下段のエラー表示ランプ30cを第3エラー表示ランプ30cという場合もある。
【0158】
メダル管理制御基板83に関連するエラーとしては、メダル管理制御エラー、ユニット通信エラー、メダル枚数上限エラー、メイン制御・メダル管理制御通信エラー、メイン制御基板エラーなどが挙げられる。以下、図8を参照して各エラーについて説明する。
【0159】
メダル管理制御エラーは、メダル管理制御基板83からメイン制御基板63に不良等が発生している状態であって、具体的には、メダル管理制御基板83のメモリ85のデータ不良であったり、メイン制御基板63に送信される信号に異常が発生したりしている状態である。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第1エラー表示ランプ30aと第2エラー表示ランプ30bとの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。
【0160】
ユニット通信エラーは、メダル管理制御基板83と、メダル貸出ユニット200との通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、メダル管理制御基板83と貸出端子板90との間の信号線の破損、貸出端子板90とメダル貸出ユニット200との間の信号線の破損、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第1エラー表示ランプ30aの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。その他、エラー原因の解消後にリセットスイッチ52を押下することにより、エラー解除できる構成であってもよい。
【0161】
メダル枚数上限エラーは、メダル管理制御基板83で計数可能なメダル枚数の上限に到達している状態である。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第2エラー表示ランプ30bの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、メダル貸出ユニット200の返却スイッチ230bを押して、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを、メダルカードに移し、所持メダル枚数記憶領域851をクリアすることにより解除することができる。
【0162】
メイン制御・メダル管理制御通信エラーは、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83との間の通信に異常が発生している状態である。発生原因としては、例えば、両基板を接続する信号線の破損や、コネクタ抜け等が挙げられる。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第1エラー表示ランプ30aと、第3エラー表示ランプ30cの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、エラー原因の解消後に、スロットマシン1の設定変更操作を行うことにより解除することができる。
【0163】
メイン制御基板エラーは、メイン制御基板63側にエラーが発生している状態である。この場合、エラー表示ランプ制御手段302は、第3エラー表示ランプ30cの点灯制御を行う。また、エラー表示ランプ制御手段302は、当該エラーが解除されると、全てのエラー表示ランプ30a,30b,30cの消灯制御を行う。なお、当該エラーは、メイン制御基板63のエラーが解除されることにより解除される。このように本実施形態では、何らかのエラーが生じると、メダル管理制御基板83が制御を行うエラー表示ランプ制御手段302及び、メイン制御基板63が制御を行う払出表示器46にてエラー報知されることとなる。
【0164】
(4)ベットランプ照明制御手段303
ベットランプ照明制御手段303(本発明の「報知態様決定手段」に相当)は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データや、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されている残高データ、並びに遊技の進行状況に基づいて、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8a(本発明の「報知手段」に相当)の点灯/消灯および点灯色を制御するものである。
【0165】
遊技を始める前、すなわち、現金の投入がなく、かつ、所定枚数のメダルの枚数データが記憶されているメダルカードがメダル貸出ユニット200の挿入/排出口220aに挿入される前は、データ保持手段241に記憶されている枚数データが「0」枚で、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されているメダルの枚数データが「0」枚である。このとき、ベットランプ照明制御手段303は、照明ランプ8aの消灯制御を行う(図12参照)。また、この場合は、メイン制御基板63(例えば、遊技制御手段100)によりSTARTランプの消灯制御が行われる。これにより、最大ベットスイッチ8を操作しても遊技を始めることができない状態であることが報知される。なお、STARTランプは、スタートスイッチ9の操作が有効となっている状態では点灯し、スタートスイッチ9の操作が無効となっている状態では消灯するようになっている。
【0166】
次に、例えば、メダル100枚に相当する枚数データ(残高データ)が記憶されたメダルカードがメダル貸出ユニット200の挿入/排出口220aに挿入されたとする。この場合、メダル貸出ユニットのデータ保持手段241にメダル100枚に相当する枚数データが記憶される。
【0167】
この実施形態では、貸出スイッチ230aが押されるまでは、メダル貸出ユニット200からメダル管理制御基板83に枚数データが送信されないようになっているため、メダルカードが挿入されても、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データは「0」枚のままである。ただし、メダルカードが挿入されると、メダル貸出ユニット200の送受信手段247からメダル管理制御基板83に残高データに関する情報が送信される。ベットランプ照明制御手段303は、送受信手段247からの残高データに関する情報を受信手段300が受信すると、照明ランプ8aを緑色に点灯させる制御を行う。すなわち、ベットランプ照明制御手段303は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームに必要なメダル枚数である3枚よりも少ない場合であっても、メダル貸出ユニット200側に残高データがある場合は、照明ランプ8aを消灯から緑色に点灯させる。
【0168】
続いて、メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230aが操作されると、貸出手段242により、50枚のメダルに相当する枚数データ(貸出枚数データ)がメダル管理制御基板83に送信される。このとき、減算手段243は、データ保持手段241に記憶されている残高データ(100枚の枚数データ)から貸出枚数データ(50枚)に応じた貸出料金を減算し、当該残高データを更新する。メダル管理制御基板83では、50枚の枚数データを受信すると、記憶領域書換手段301aにより、所持メダル枚数記憶領域851の記憶データが「0」枚の枚数データから50枚の枚数データに書き換えられる。ベットランプ照明制御手段303は、所持メダル枚数記憶領域851の記憶データが50枚の枚数データに書き換えられると、照明ランプ8aの点灯色を緑色から赤色に変更する制御を行う。すなわち、ベットランプ照明制御手段303は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが「0」枚から1ゲームを行うのに必要な3枚を超える枚数データである場合は、遊技中を除き、照明ランプ8aを赤色に点灯させる制御を行う。
【0169】
照明ランプ8aが赤色に点灯している場合に最大ベットスイッチ8が操作された場合、投入制御手段101により3枚のメダルの賭け数が設定される。最大ベットスイッチ8が操作されると、その旨を特定可能な情報がメダル管理制御基板83に送信される。当該情報を受信したメダル管理制御基板83(記憶領域書換手段301a)は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ(50枚)を、ベット数に応じた枚数が減じられた枚数データ(47枚)に書き換える。3枚の賭け数が設定された場合、ベットランプ照明制御手段303は、赤色に点灯制御していた照明ランプ8aの消灯制御を行う。また、3枚の賭け数が設定されると、メイン制御基板63によりSTARTランプの点灯制御が行われる。これにより、1ゲームを開始するための条件が成立し、スタートスイッチ9の操作が有効となる。
【0170】
3枚の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、各リール6L,6M,6Rの回転が開始し、メイン制御基板63によりSTARTランプの消灯制御が行われる(第1ゲームの開始)。この状態では、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8aとSTARTランプの両方が消灯しており、各リール6L,6M,6Rが停止して当該ゲームが終了するまで、最大ベットスイッチ8の操作と、スタートスイッチ9の操作とが無効となる。全てのリール6L,6M,6Rが定速回転となるとストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が有効となる。
【0171】
各ストップスイッチ10L,10M,10Rが操作され、全てのリール6L,6M,6Rが停止すると第1ゲームが終了する。このとき、例えば、当該ゲームの役抽選結果がハズレの場合は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが「47」のまま維持される。一方、当該ゲームでいずれかの役に入賞した場合は、その役に応じて設定された入賞枚数の枚数データが記憶領域書換手段301aにより加算される。
【0172】
第1ゲームが終了すると、投入制御手段101により賭け数がクリアされるとともに、次のゲーム(第2ゲーム)の賭け数が設定可能な状態となる。このとき、ベットランプ照明制御手段303は、照明ランプ8aを消灯状態から赤色に点灯させる制御に切り替える。これにより、遊技者は次のゲーム(第2ゲーム)の賭け数の設定が可能な状態になったことが分かる。
【0173】
第1ゲームの役抽選結果がハズレであり、第2ゲームの賭け数設定のための最大ベットスイッチ8が操作されると第2ゲームの賭け数(3枚)が設定される。このとき、第1ゲームと同様に、その旨を特定可能な情報がメダル管理制御基板83に送信されるとともに、当該情報を受信したメダル管理制御基板83では、記憶領域書換手段301aにより、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ(47枚)が、ベット数に応じた枚数が減じられた枚数データ(44枚)に書き換えられる。3枚の賭け数が設定された場合、ベットランプ照明制御手段303は、前のゲームと同様に、赤色に点灯制御していた照明ランプ8aの消灯制御を行う。また、3枚の賭け数が設定されると、メイン制御基板63によりSTARTランプの点灯制御が行われる。これにより、1ゲーム(第2ゲーム)を開始するための条件が成立し、スタートスイッチ9の操作が有効となる。
【0174】
スタートスイッチ9が操作されてから、第2ゲームが終了するまでのベットランプ照明制御手段303の制御は、第1ゲームでスタートスイッチ9が操作されてから、第1ゲームが終了するまでの制御と同様である。さらに、第3ゲーム以降のベットランプ照明制御手段303の制御も、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームの賭け数(3枚)よりも少なくなるまでは、第2ゲームでのベットランプ照明制御手段303の制御と同様となる。
【0175】
そして、ゲームが繰り返し行われた結果、所定のゲーム(Xゲーム)が終了した時点で、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが例えば「0」枚となったとする。このとき、ベットランプ照明制御手段303は、全てのリール6L,6M,6Rが停止したときに、照明ランプ8aを消灯状態から緑色に点灯させる制御に切り替える(図13参照)。照明ランプ8aが緑色に点灯している状態は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データでは、1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)に満たないが、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されている残高データを加えると、賭け数(3枚)を超えるということを示している。
【0176】
Xゲームが終了し、照明ランプ8aが緑色の点灯制御されている状態で、最大ベットスイッチ8が操作された場合、その旨を特定可能な情報が、送信手段304(メダル管理制御基板83)からメダル貸出ユニット200に送信される。当該情報を受信した場合、メダル貸出ユニット200(貸出手段242)は、50枚のメダルに相当する枚数データ(貸出枚数データ)をメダル管理制御基板83に送信する。このとき、減算手段243は、データ保持手段241に記憶されている残高データ(50枚の枚数データ)から貸出枚数データ(50枚)に応じた貸出料金を減算し、当該残高データを更新する(残高0に更新)。
【0177】
メダル管理制御基板83(記憶領域書換手段301a、送信手段304)は、50枚の枚数データを受信すると、所持メダル枚数記憶領域851の記憶データを「0」枚の枚数データから50枚の枚数データに書き換え、その旨を特定可能な情報をメイン制御基板63に送信する。当該情報をメイン制御基板63が受信すると、投入制御手段101により、1ゲームに必要な賭け数(3枚)が設定され、その旨を特定可能な情報がメダル管理制御基板83に送信される。
【0178】
メダル管理制御基板83(記憶領域書換手段301a)は、当該情報を受信すると、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データ(50枚)を、ベット数に応じた枚数が減じられた枚数データ(47枚)に書き換える。このとき、ベットランプ照明制御手段303は、緑色に点灯制御していた照明ランプ8aの消灯制御を行う。また、3枚の賭け数が設定されると、メイン制御基板63によりSTARTランプの点灯制御が行われる。これにより、1ゲーム(X+1ゲーム)を開始するための条件が成立し、スタートスイッチ9の操作が有効となる。
【0179】
すなわち、この実施形態では、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームに必要な賭け数よりも小さいが、メダル貸出ユニット200に記憶されている残高データを加えると賭け数を超える場合において、最大ベットスイッチ8が操作されると、自動的に所持メダル枚数記憶領域851に枚数データが補充されるとともに、自動的に賭け数が設定される。
【0180】
X+1ゲームのスタートスイッチ9が操作されてから、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームに必要な賭け数よりも少なくなるゲーム(Yゲーム)までのベットランプ照明制御手段303の制御は、上記した第2ゲームからXゲームまでの制御と同様である。ただし、Yゲームにおいて、全てのリール6L,6M,6Rが停止した際、ベットランプ照明制御手段303は、照明ランプ8aの消灯制御を青色に点灯させる制御に切り替える。照明ランプ8aの青色の点灯は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームに必要な賭け数(3枚)よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200の残高データを加えても賭け数(3枚)よりも少ないことを示している。
【0181】
なお、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームに必要な賭け数(3枚)よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200の残高データを加えても賭け数(3枚)よりも少ない状態では、その旨を特定可能な情報が、送信手段304からメイン制御基板63に送信され、さらに、メイン制御基板63からサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73は、当該情報を受信すると、液晶表示器14に、例えば「メダルがありません。補充してください。」などの文字を表示して、遊技者に現金の投入またはメダルカードの挿入を促す。
【0182】
Yゲームが終了したあと、例えば、メダル100枚に相当する枚数データ(残高データ)が記憶されたメダルカードが新たにメダル貸出ユニット200の挿入/排出口220aに挿入された場合、または、メダル100枚に相当する現金が現金投入ユニットに投入された場合は、メダル貸出ユニットのデータ保持手段241にメダル100枚に相当する枚数データが記憶される。このとき、その旨を特定可能な情報が、メダル貸出ユニット200からメダル管理制御基板83に送信される。メダル管理制御基板83が当該情報を受信した場合、ベットランプ照明制御手段303は、照明ランプ8aの青色の点灯制御から、緑色の点灯制御に切り替える。Y+1ゲーム以降のベットランプ照明制御手段303の制御は、上記したX+1ゲーム以降の制御と同様である。
【0183】
(5)送信手段304
送信手段304は、メダル貸出ユニット200の各種スイッチの操作状態に関する情報や記憶領域書換手段301aによる所持メダル枚数記憶領域851の枚数データの書き換え完了の情報(疑似投入や疑似払出が完了した旨の情報)や、メダル管理制御基板83が検知できるエラー状態に関する情報などの各種情報をメイン制御基板63に送信するとともに、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づく返却メダルの枚数に関する返却データなどの各種情報をメダル貸出ユニット200に送信するものである。
【0184】
(動作)
次に、本実施の形態におけるメダル投入処理の一例について図14を参照しつつ説明する。図14は、スロットマシンにおいて遊技が行われる際のメダル投入処理を示すフローチャートである。
【0185】
まず、投入制御手段101は、最大ベットスイッチ8が操作されたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、投入制御手段101は、最大ベットスイッチ8が操作されていないと判定した場合は、操作されるまで待機する(ステップS1のNO)。ステップS1において最大ベットスイッチ8が操作されたと判定した場合、投入制御手段101は、その旨を特定可能な情報をメダル管理制御基板83に送信する(ステップS2)。
【0186】
次に、メダル表示制御手段301は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームを行うのに必要な3枚を超える枚数データであるか否かを判定する(ステップS3)。
【0187】
ここで、メダル表示制御手段301は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームを行うのに必要な3枚を超える枚数データであると判定した場合(ステップS3でYES)、記憶領域書換手段301aが、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データから1ゲームの賭け数である3枚を減じた枚数データに書き換える。そして、その旨を特定可能な情報をメイン制御基板63に送信し、処理が終了する(ステップS4)。
【0188】
一方、ステップS3において、メダル表示制御手段301は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが、1ゲームを行うのに必要な3枚を超える枚数データでないと判定した場合(ステップS3でNO)、メダル貸出ユニット200にメダル要求信号を送信する(ステップS5)。
【0189】
メダル貸出ユニット200においてメダル要求信号を受信すると、貸出手段242は、データ保持手段241に記録されている残高データがあるか否かを判定する(ステップS6)。貸出手段242は、データ保持手段241に記憶されている残高データがあると判定した場合(ステップS6でYES)、メダル50枚に相当する枚数データをメダル管理制御基板83に送信する(ステップS7)。このとき、減算手段243によりデータ保持手段241に記録されている残高データから送信した枚数データに基づく金額を減じた残高データに更新する。
【0190】
貸出手段242により枚数データが送信されると、メダル貸出ユニット200から枚数データが送信された旨を特定可能な情報が、メダル管理制御基板83からメイン制御基板63を介してサブ制御基板73に送信され(ステップS8)、ステップS4に進む。なお、当該情報を受信したサブ制御基板73は、液晶表示器14を制御してその旨を報知するようにしてもよい。
【0191】
ステップS6において、貸出手段242が、データ保持手段241に記憶されている残高データがないと判定した場合(ステップS6でNO)、その旨を特定可能な情報を、メダル管理制御基板83に送信するとともに(ステップS9)、メダル管理制御基板83からメイン制御基板63を介してサブ制御基板73に送信する(ステップS10)。なお、当該情報を受信したサブ制御基板73は、液晶表示器14を制御してその旨を報知する。
【0192】
ステップS10に続いて、メダル管理制御基板83は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データをメイン制御基板63に送信し、処理が終了する(ステップS11)。このとき、メイン制御基板63(投入制御手段101)は、1ゲームを行うのに必要な枚数に満たない枚数データを受信しているが、当該枚数データに応じた賭け数の設定を行う。
【0193】
したがって、この実施形態によれば、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な3枚以上の場合は、ベットランプ照明制御手段303により照明ランプ8aが赤色に点灯制御がなされる。一方、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な3枚よりも少ないが、メダル貸出ユニット200(データ保持手段241)に記録されている残高データがある場合は、ベットランプ照明制御手段303により照明ランプ8aを緑色に点灯する制御が行われる。このようにすると、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8aの点灯色を見れば、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な賭け数以上であるか否かを容易に把握することができる。
【0194】
また、照明ランプ8aが緑色に点灯している場合は、最大ベットスイッチ8を操作することでメダル貸出ユニット200から疑似投入するための枚数データが補充されること認識できる。したがって、遊技者が所持メダル枚数記憶領域851に十分な枚数データがあると思ってスタートスイッチ9を操作する行為を減らすことができる。その結果、メダル貸出ユニット200による枚数データの補充中の操作としてスタートスイッチ9が無効化されることで、遊技意欲が減退するのを防止できる。
【0195】
さらに、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な3枚よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200に記憶されている残高データから規定される枚数データを加算しても1ゲームを行うのに必要な3枚よりも少ない場合は、ベットランプ照明制御手段303により照明ランプ8aを青色に点灯する制御が行われる。このように、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8aの点灯色を見れば、所持メダル枚数記憶領域851だけでなく、メダル貸出ユニット200の残高データの状態も把握することができるため、遊技の進行の円滑化を図ることができる。
【0196】
また、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な3枚よりも少ないが、メダル貸出ユニット200に残高データがある場合に、最大ベットスイッチ8が操作された場合は、貸出手段242により自動的に枚数データが補充され、賭け数(3枚)が設定されるため、遊技を円滑に行うことができる。
【0197】
また、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な3枚よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200にも残高データがない状態で最大ベットスイッチ8が操作された場合は、液晶表示器14でその旨が報知されるため、所持メダル枚数記憶領域851の状態と、メダル貸出ユニット200の残高データの状態とを確実に把握することができる。
【0198】
また、所持メダル表示器26を構成する複数の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データがスロットマシン1のメダル管理制御基板83の管理CPU81からメダル貸出ユニット200に出力され、返却スイッチ230bに対する返却操作を契機としてメダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを基に返却メダルの枚数に関する返却データがスロットマシン1のメダル管理制御基板83の管理CPU81からメダル貸出ユニット200に出力される。そして、メダル貸出ユニット200では、返却データを受信した場合に、返却手段246は返却データに基づく枚数データと点灯データに基づく枚数データとを照合して照合結果に基づいて枚数データを返却する。このように、返却手段246は返却データを受信した場合にだけ返却処理を行っているので、遊技毎に遊技者が所有する遊技価値を把握するための処理が不要となって処理負荷の軽減が図られる。
【0199】
また、スロットマシン1では、メダル管理制御基板83ではメモリ85の所持メダル枚数記憶領域851で枚数データを記憶し、メダル貸出ユニット200ではデータ保持手段241で所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを記憶する。所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データに基づいて所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを把握することができる。このことから、スロットマシン1のメダル管理制御基板83及びメダル貸出ユニット200それぞれで枚数データを記憶していることと等価になる。このため、スロットマシン1のメダル管理制御基板83及びメダル貸出ユニット200の一方に異常が発生しても、枚数データが完全に失われず、枚数データが失われることに対する耐性が強くなる。
【0200】
また、スロットマシン1では、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)は、所持メダル表示器26を構成する複数の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データをメダル貸出ユニット200に出力する。また、スロットマシン1では、メダル管理制御基板83の管理CPU81(送信手段304)は、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データに基づく返却メダルの枚数に関する返却データをメダル貸出ユニット200に出力する。所持メダル表示器26の5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データから、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを把握することができる。このことから、スロットマシン1のメダル管理制御基板83の管理CPU81からメダル貸出ユニット200に、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが2系統の出力で行われていることと等価である(一方は、点灯データの出力系統、他方は、返却データの出力系統)。このため、返却手段246は、メダルの枚数データの返却を正しく行うことができる可能性が高くなる。
【0201】
また、スロットマシン1のメダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からメダル貸出ユニット200に、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データがパラレルに出力されるようになっている。このため、パラレルに出力される点灯データ数が多くなって各点灯データがどのセグメントに対応するかが分かりにくくなるため、不正を行うことが難しくなる。
【0202】
また、返却操作タイミングでの点灯データが返却操作から返却処理における照合が終了するまで維持されることにより、返却手段246は、返却操作タイミングでの各点灯データを用いた枚数データの返却処理を行うことができ、正しく枚数データの返却を行うことができる。
【0203】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0204】
例えば、上記した実施形態では、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されている残高データが、所定貸出枚数に満たない(例えば、残高「0」)状態で、最大ベットスイッチ8が操作された場合は、その旨が液晶表示器14で報知されるようにしたが、報知手段は適宜変更可能である。例えば、正面板4の一部にメダルが不足している旨を意味する文字を印刷し、当該部分を演出用ランプで照明して報知してもよい。また、音声によりその旨を報知してもよい。
【0205】
また、上記した実施形態では、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データの状況を、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8aの点灯色の種類で報知するようにしたが、当該報知を、例えば、液晶表示器14の表示画面やスピーカ15,16の音声、演出用ランプを利用して行ってもよい。この場合、報知態様決定手段による決定は、液晶表示器14に表示される映像の種類を決定することや、スピーカ15,16から出力される音声内容や効果音の種類を決定すること、演出用ランプの発光パターンの種類を決定することである。
【0206】
また、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)よりも少なく、かつ、メダル貸出ユニット200のデータ保持手段241に記憶されている残高データが、所定貸出枚数に満たない(例えば、残高「0」)状態になると、照明ランプ8aが青色に点灯するようにしたが、この場合は、現金等の補充がなければ、遊技が行えない状態である。そのため、従来のように、このような状態では照明ランプ8aを消灯させることにより、遊技が行えない状態である旨を報知してもよい。
【0207】
所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)よりも少ないが、メダル貸出ユニット200に残高データがある状態で最大ベットスイッチ8が操作された場合は、メダル貸出ユニット200から自動的に枚数データが送信され、賭け数が設定されるようにしたが、メダル貸出ユニット200にまだ残高データがある場合に再度最大ベットスイッチ8が操作された場合は、メダル貸出ユニット200から、さらに枚数データ(例えば、さらに50枚の相当する枚数データ)が送信されるようにしてもよい。
【0208】
また、上記した実施形態では、投入制御手段101により、1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)の設定が行われた場合は、照明ランプ8aが消灯するようにしたが、スタートスイッチ9が操作されるまでは、点灯状態を維持するようにしてもよい。
【0209】
また、上記した実施形態では、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)よりも少ないが、メダル貸出ユニット200に残高データがある状態で最大ベットスイッチ8が操作された場合は、メダル貸出ユニット200からの枚数データの補充と、賭け数の設定の両方が行われるようにしたが、当該状態で最大ベットスイッチ8が操作されると、メダル貸出ユニット200からの枚数データの補充が行われ、再度最大ベットスイッチ8が操作されると、賭け数の設定が行われるようにしてもよい。この場合、一度最大ベットスイッチ8が操作されると照明ランプ8aが緑色の点灯から赤色の点灯に変化させ、2回目の最大ベットスイッチ8が操作されると、所持メダル枚数記憶領域851の枚数データが、50枚から47枚に減算されるようにするとよい。
【0210】
また、上記した実施形態では、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)よりも少ない状態で、最大ベットスイッチ8が操作された場合は、メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230aが操作された場合と同じ50枚に相当する枚数データが送信されるようにしたが、異なるようにしてもよい。例えば、1ゲームを行うのに必要な賭け数(3枚)に相当する枚数データが送信されるようにしてもよい。また、賭け数(3枚)に不足する分の枚数データが送信されるようにしてもよい。不足分だけしか補充されないようにしても、補充は最大ベットスイッチ8の操作により自動的に行われることから、遊技者にとって操作負担が増加することはない。
【0211】
また、メダルが補充される場合の賭け数の設定方法は、適宜変更可能である。例えば、最初に補充される前に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数分の賭け数の設定を行い、次にメダル貸出ユニット200からの補充後に不足分の賭け数を設定するようにしてもよい。
【0212】
また、メダル貸出ユニット200からの枚数データの送信(メダル補充)については、最大ベットスイッチ8が操作された場合に、賭け数の設定により所持メダル枚数記憶領域851が減算された枚数分だけ、その都度メダル貸出ユニット200から補充されるようにしてもよい。この場合、メダルが補充される場合と補充されない場合とで遊技のリズム変わることがなくなるため、違和感なく遊技を行うことができる。
【0213】
また、メダル貸出ユニット200の残高データの有無により、照明ランプ8aの点灯色を変えなくてもよい。このようにしても、所持メダル枚数記憶領域851に記憶される枚数データが、1ゲームに必要な賭け数以上であるか否かの判定は可能である。
【0214】
また、メダル管理制御基板83からサブ制御基板73への信号の送信を、メイン制御基板63を介して行うようにしてもよい。
【0215】
また、上記した実施形態では、図1に示すように、メダル貸出ユニット200がスロットマシン1の右側に配置されているが、左側に配置されていてもよい。
【0216】
また、上記した実施形態において、所持メダル表示器26に疑似メダル払出枚数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。この場合、払出表示器24や払出表示器制御手段107はなくてもよい。
【0217】
また、現金投入ユニットはなくてもよく、メダルカードに記憶されている所持メダル枚数のみを用いて遊技を行うようにしてもよい。
【0218】
また、上記した実施形態では、返却スイッチ230bが操作された場合は、メダル管理制御基板83で記憶されている所持メダルの枚数データがメダル貸出ユニット200に送信され、データ保持手段241と合算された枚数データが返却されるようにしたが、返却スイッチ230bが操作された場合は、メダル貸出ユニット200側で記憶されている枚数データ分だけ、返却されるようにしてもよい。この場合、メダル管理制御基板83側の枚数データの払い出しを望む場合は、先に精算スイッチ80を押してメダル貸出ユニット200側に枚数データを移しておけばよい。
【0219】
また、照明ランプ8aの点灯制御を、メイン制御基板63かサブ制御基板73で行うようにしてもよい。
【0220】
また、この実施形態では、返却データや精算データは、上記したデータ(ヘッダ部+データ部+チェックサム部)に限らず、例えば、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが示す枚数分のパルスからなる信号により構成されていてもよい。
【0221】
また、1遊技を行うのに必要な賭け数は3枚のみに限らず、複数種類(例えば、1枚、2枚、3枚の3種類)あってもよい。この場合、1遊技を行うのに必要な賭け数が、遊技状態に応じて異ならせてもよい。
【0222】
また、上記した実施形態では、例えば、返却スイッチ230bが押下されると、所持メダル枚数記憶領域851の枚数データを一括でメダル貸出ユニット200側に送信するようにしたが、当該データを複数回に分けて送信するようにしてもよい。
【0223】
また、1ゲームの賭け数が1枚と3枚の2種類の場合において、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが3枚以上の場合に、最大ベットスイッチ8が操作された場合は、賭け数3枚が設定され、2枚以下の場合は、賭け数1枚が設定されるようにしてもよい。そして、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが最小の賭け数(1枚)に満たないときに最大ベットスイッチ8が操作された場合に、自動貸出機能を作動させるようにしてもよい。
【0224】
また、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1遊技に必要な賭け数に満たない場合に、最大ベットスイッチ8が操作されると、自動的にメダル貸出ユニット200から補充用の枚数データが送信されるが、このときの操作態様(例えば、操作回数や押圧時間)が、メダル貸出ユニット200からの補充を受けずに所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データの範囲で遊技を行う場合(補充なし遊技)の操作態様と異なるようにしてもよい。例えば、所持メダル枚数記憶領域851に十分な枚数データが記憶されている状態では、1回の押下(短時間)で賭け数が設定されるが、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データが1遊技に必要な賭け数に満たない場合では、最大ベットスイッチ8が一定時間を超えて継続して押下された場合や、最大ベットスイッチ8が一定時間内に複数回操作された場合に、メダル貸出ユニット200から自動的に補充されるようにしてもよい。なお、メダル貸出ユニット200から枚数データが自動的に補充され、賭け数(3枚)が設定されたときは、その時点でSTARTランプが点灯し、遊技が可能である旨が報知されるとともに、スタートスイッチ9が有効化される。
【0225】
また、本発明において、「図柄組合せに応じて遊技用価値が付与される」とは、具体的には、実際にメダルが払い出される動作は含まれず、このような物理的な遊技媒体の払出動作に代えて、例えば、図柄組合せに対応して予め設定される払出枚数を示す枚数データとして遊技者に付与されるものであり、例えば、枚数データを、メダル管理制御基板83の所持メダル枚数記憶領域851に記憶されているデータに、遊技者の操作(例えば、精算操作)によって取り出し可能な状態で加算(記憶)することである。
【0226】
また、本発明において、「遊技者が所持する遊技用価値に関する情報を特定可能に報知する」とは、例えば、1回の遊技を行うのに必要な賭け数に対して、遊技者が遊技用価値をどの程度所持しているか(どの程度所持メダル枚数記憶領域851に記憶されているか)を遊技者が識別可能に報知することである。
【0227】
また、本発明において、「外部の補充手段からの供給により補充可能」とは、具体的には、メダル現物を外部の補充手段(メダル補給ユニット)から所定通路樋部材を介して供給されることは含まれず、例えば、遊技機と外部の補充手段(メダル貸出ユニット)とを予め所定の通信用ケーブルを介して通信可能に接続しておき、賭け数として設定可能な枚数データを当該補充手段から受信し、この枚数データを所持メダル枚数記憶領域851の枚数データに加算することである。
【0228】
また、本発明において、「賭け数設定手段により所定量の遊技用価値の賭け数が設定される」とは、例えば、1種類の賭け数(例えば3枚のみ)が設けられている場合は、その賭け数(3枚)が設定されることである。また、例えば複数種類の賭け数(例えば、1枚、2枚、3枚)が設けられている場合は、これらのいずれかの賭け数が設定されることである。また、複数種類の賭け数が設定されている場合において、その中で最大の賭け数が優先的に設定されるようにしてもよい。
【0229】
また、本発明において、「記憶手段に記憶されている遊技用価値のデータが所定量よりも少ないことを特定可能な情報を報知する」とは、例えば、メダル貸出ユニット200の残高データが不足している旨を示す内容を報知するものであってもよいし、メダル貸出ユニット200の残高データが不足しているために現金の投入を遊技者に促す内容を報知するものであってもよい。
【0230】
また、上記した実施形態では、所持メダル表示器26が5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bから構成されるとしたが、これに限定されるものではなく、5個以外の7セグメントディスプレイから構成されるとしてもよい。
【0231】
また、この実施形態では、返却操作を受付けてから返却処理における照合が終了するまでの期間ではデータ保持手段241に記憶されている各セグメントの点灯データが変更されない(維持される)仕組みとして、当該期間ではデータ保持手段241に記憶されている各セグメントの点灯データの更新を禁止するようにしているが、これに限定されるものでなく、例えば次のようなものであってもよい。例えば、メダル貸出ユニット200において、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを保持回路で保持するようにし、返却操作を受付けてから返却処理における照合が終了するまでの期間では、保持回路に状態を保持させるための信号を供給し(各セグメントの点灯データをラッチ)、それ以外の期間では保持回路に状態を保持させるための信号を供給しない(保持回路の状態が変更可)ようにしてもよい。ただし、保持回路は、少なくともメダル貸出ユニット200に供給される各セグメントの点灯データを保持するように配置されていればよく、所持メダル表示器26に供給される各セグメントの点灯データは保持されるようにしてもしなくてもよい。なお、保持回路として、例えばフリップフロップ回路を例に挙げることができるが、これ以外であってもよい。
【0232】
なお、上記した実施形態における各セグメントの点灯データの更新を禁止する期間を、返却操作を受付けてから返却処理における照合が終了するまでの期間を少なくとも含む、例えば返却操作を受付けてから返却処理が終了するまでの期間等であってもよく、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データに基づくメダル枚数を照合に使用することができる期間とするのがよい。同様に、上記した変形例における各セグメントの点灯データをラッチする期間を、返却操作を受付けてから返却処理における照合が終了するまでの期間を少なくとも含む、例えば返却操作を受付けてから返却処理が終了するまでの期間等であってもよく、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データに基づくメダル枚数を照合に使用することができる期間とするのがよい。
【0233】
また、上記した実施形態では、返却手段246での上記の照合に、返却操作がされたタイミングでの各セグメントの点灯データを使用できる仕組みをメダル貸出ユニット200側に設けるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、次のようにスロットマシン1のメダル管理制御基板83側に設けるようにしてもよい。
【0234】
例えば、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合に、所定時間、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを基に所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを作成するのを禁止して、当該所定時間経過後に各セグメントの点灯データを作成するのを許可するようにする。または、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合に、所定時間、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを更新するのを禁止して、所定時間経過後に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データの更新を許可するようにしてもよい。なお、この場合は、記憶領域書換手段301aは例えば返却データの送信終了時や返却手段246から返却処理が終了した旨の情報を受信した場合に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを0枚の枚数データに書き換えるようにする。このようにすることにより、所定時間が経過するまでは、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データがメダル貸出ユニット200へ出力され続けることになる。ここで、所定時間は、例えば、管理CPU81がメダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信してからメダル貸出ユニット200の返却手段246による上記の照合が終了するまでに要する時間を基に決定するようにするとよい。
【0235】
また、例えば、上記の照合が終了した場合に、メダル貸出ユニット200が、照合が終了した旨の情報をメダル管理制御基板83に送信するようにする。管理CPU81は、メダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合に、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを基に所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを作成するのを禁止し、メダル貸出ユニット200から照合が終了した旨の情報を受信した場合に、各セグメントの点灯データを作成するのを許可するようにする。または、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合に、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを更新するのを禁止し、メダル貸出ユニット200から照合が終了した旨の情報を受信した場合に、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データの更新を許可するようにしてもよい。なお、この場合は、記憶領域書換手段301aは例えば返却データの送信終了時や返却手段246から返却処理が終了した旨の情報を受信した場合に所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データを0枚の枚数データに書き換えるようにする。このようにすることにより、管理CPU81が、返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信してから、照合が終了した旨の情報を受信するまでの間、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データがメダル貸出ユニット200へ出力され続けることになる。
【0236】
また、例えば、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データが伝達する信号線のうちの例えばメダル管理制御基板83に設けられた部分に保持回路を設けて点灯データを保持するようにする。そして、管理CPU81は、メダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合に、所定時間、保持回路に状態を保持させるための信号を供給し(各セグメントの点灯データをラッチ)、それ以外の期間では保持回路に状態を保持させるための信号を供給しない(保持回路の状態が変更可)ようにする。このようにすることにより、所定時間が経過するまでは、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データがメダル貸出ユニット200へ出力され続けることになる。ここで、所定時間は、例えば、管理CPU81がメダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信してからメダル貸出ユニット200の返却手段246による上記の照合が終了するまでに要する時間を基に決定するようにするとよい。ただし、保持回路は、少なくともメダル貸出ユニット200に供給される各セグメントの点灯データを保持するように配置されていればよく、所持メダル表示器26に供給される各セグメントの点灯データは保持されるようにしてもしなくてもよい。なお、保持回路として、例えばフリップフロップ回路を例に挙げることができるが、これ以外であってもよい。
【0237】
また、例えば、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データが伝達する信号線のうちの例えばメダル管理制御基板83に設けられた部分に保持回路を設けて点灯データを保持するようにする。また、上記の照合が終了した場合に、メダル貸出ユニット200が、照合が終了した旨の情報をメダル管理制御基板83に送信するようにする。管理CPU81は、メダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信した場合に、保持回路に状態を保持させるための信号を供給し(各セグメントの点灯データをラッチ)、メダル貸出ユニット200から照合が終了した旨の情報を受信した場合、保持回路に状態を保持させるための信号を供給するのを止める(保持回路の状態が変更可)ようにしてもよい。このようにすることにより、管理CPU81が、返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信してから、照合が終了した旨の情報を受信するまでの間、返却操作タイミングでの各セグメントの点灯データがメダル貸出ユニット200へ出力され続けることになる。ただし、保持回路は、少なくともメダル貸出ユニット200に供給される各セグメントの点灯データを保持するように配置されていればよく、所持メダル表示器26に供給される各セグメントの点灯データは保持されるようにしても、しなくてもよい。なお、保持回路として、例えばフリップフロップ回路を例に挙げることができるが、これ以外であってもよい。
【0238】
また、メダル管理制御基板83またはメダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)に、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DP毎に、点灯データを出力する出力端子を2つ設け、一方の出力端子を所持メダル表示器26に接続し、他方の端子を、貸出端子板90を介してメダル貸出ユニット200に接続する場合は、例えば、次のようなものであってもよい。メダル貸出ユニット200に供給される各セグメントの点灯データが、例えば、返却操作がされた旨の情報を受けてから所定時間の間保持されるようにしてもよく、この場合、所持メダル表示器26に供給される各セグメントの点灯データは保持されても、されなくてもよい。ここで、所定時間は、例えば、管理CPU81がメダル貸出ユニット200から返却スイッチ230bが操作された旨の情報を受信してからメダル貸出ユニット200の返却手段246による上記の照合が終了するまでに要する時間を基に決定するようにするとよい。
【0239】
また、上記した実施形態では、返却手段246での上記の照合に、返却操作がされたタイミングでの各セグメントの点灯データを使用できる仕組みを、データ保持手段241に記憶されている各セグメントの点灯データが返却操作されてから返却手段246での上記の照合が終了するまでの期間に維持される(変更されない)仕組みとしているが、これに限定されるものではなく、例えば次のような仕組みであってもよい。
【0240】
例えば、返却スイッチ230bが押下されて返却操作がされた場合、返却手段246は、メダル管理制御基板83の管理CPU81に返却スイッチ230bが操作された旨の情報を送信する前に、データ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを基に表示中所持メダルの枚数を算出し、算出した表示中所持メダルの枚数を示す枚数データをデータ保持手段241に記憶させるようにする。これにより、上記の照合時における、データ保持手段241に記憶されている表示中所持メダルの枚数を示す枚数データは、返却操作タイミングに所持メダル表示器26に表示されている枚数を示す枚数データとなる。
【0241】
また、上記実施形態では、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データがパラレルにメダル管理制御基板83の管理CPU81からメダル貸出ユニット200へ供給されるようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、次のようなものであってもよい。所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜Gそれぞれの点灯データがパラレルにメダル管理制御基板83の管理CPU81からメダル貸出ユニット200へ供給されるようにしてもよい(7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5BそれぞれのセグメントDPの点灯データはメダル管理制御基板83の管理CPU81からメダル貸出ユニット200へ供給されない)。なお、この場合、7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5BそれぞれのセグメントDPの点灯データが管理CPU81から所持メダル表示器26に供給されてもよいし、供給されなくてもよい。
【0242】
なお、上記した実施形態および上記の変形例において、所持メダルの枚数の表示に用いられているセグメントは所持メダル表示器26を構成する複数の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPのうち、セグメントDPを除くセグメントである。このため、所持メダル表示器26を構成する複数の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPのうち、少なくとも、セグメントDPを除くセグメントの点灯データが所持メダル表示器26およびメダル貸出ユニット200に供給されるようにする。
【0243】
また、上記した実施形態では、所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データを返却スイッチ230bに対する返却操作とは無関係に、メダル管理制御基板83の管理CPU81(メダル表示制御手段301)からメダル貸出ユニット200に供給されるようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば次のようなものであってもよい。返却スイッチ230bに対する返却操作があり、返却スイッチ230bに対する返却操作があった旨の情報がメダル貸出ユニット200からメダル管理制御基板83の管理CPU81に送信され、管理CPU81が当該情報を受信した場合に所持メダル表示器26を構成する5個の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データをメダル貸出ユニット200に送信するようにしてもよい。なお、この場合にはメダル貸出ユニット200側で所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データをバックアップすることはできないものの、これに関連する以外の実施形態の効果を奏することができる。
【0244】
また、上記した実施形態において、スロットマシン1でのエラーやメダル貸出ユニット200でのエラーを契機としてデータ保持手段241に記憶されている所持メダル表示器26を構成する複数の7セグメントディスプレイSEG1B〜SEG5Bそれぞれの複数のセグメントA〜G、DPそれぞれの点灯データの更新を禁止するようにしてもよい。
【0245】
また、上記した実施形態では、所持メダルの管理をメダル管理制御基板83で行ったが、例えば、メイン制御基板63に、管理CPU81やメモリ85を実装するなど、メダル管理制御基板83の機能を、メイン制御基板63に搭載する構成であってもよい。
【0246】
また、上記した実施形態では、貸出スイッチ230a、返却スイッチ230b、離席スイッチ230cをメダル貸出ユニット200に設ける構成について説明したが、これらの一部または全部をスロットマシン1側に設けるようにしてもよい。
【0247】
また、上記した実施形態では、メイン制御基板63とメダル管理制御基板83とを個別のケースで封印するようにしたが、同一ケースで封印するようにしてもよい。
【0248】
また、上記した実施形態は、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200とホールコンピュータHPとより構成されるスロットマシンシステムに適用した例であるが、これ以外も、本発明は、以下に示す通り、ホールコンピュータHPとは所定の接続端子板(例えば外部端子板91)を介して接続可能であるものの、所定の接続端子板(例えば貸出端子板90)を備えずにメダル貸出ユニット200と接続されないスロットマシン1であって、メダルの疑似投入または擬似払出の代わりに、遊技価値としてのメダルを投入または払出が行われる一般的なスロットマシンにも適用可能である。言い換えると、本発明に係る報知手段による報知は、メダル貸出ユニット200に対応するスロットマシン1以外にも、メダル貸出ユニット200に対応しないスロットマシン1にも適用可能である。
【0249】
具体的には、複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列(例えば回転リール6L、6M,6R)を有する図柄表示手段と、前記複数の可変表示列それぞれに対応してその可変表示を停止させる停止操作手段(例えば左ストップスイッチ10L、中ストップスイッチ10M、右ストップスイッチ10R)とに加え、所定の遊技用価値(例えばメダル)を投入可能なメダル投入部(例えばメダル投入口)と、メダル投入部より投入される遊技用価値を貯留すると共に貯留した遊技用価値を所定のメダル排出部(例えばメダル払出口)より排出するメダル払出装置(例えばホッパー装置)とを有し、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技用価値(例えばメダル)が付与される遊技機(例えばスロットマシン1)である。
【0250】
そして、当該遊技機は、遊技者による賭け数指示操作手段(例えば最大ベットスイッチ8、ベットスイッチ7)の操作に基づいて、前記遊技用価値の賭け数を設定する賭け数設定手段(例えば投入制御手段101)と、所謂クレジットとして預けられる遊技媒体の数を記憶する記憶手段(例えばメイン制御基板63のメインRAM65)と、前記記憶手段の記憶内容(例えば残りクレジット枚数)の書き換えを行う書換手段(例えばメインCPU61により実行されるクレジット枚数を制御する処理プログラム)と、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、遊技者が所持する前記遊技用価値に関する情報を特定可能に報知する報知手段(例えば最大ベットスイッチ8に対応する最大ベットボタンに内蔵されて複数の色で発光可能な照明ランプ)と、前記報知手段の報知態様(例えば照明ランプの発光色や発光パターン)を決定する報知態様決定手段(例えばメインCPU61またはサブCPU71により実行される照明ランプの発光を制御する処理プログラム)と、を備えている。
【0251】
そして、当該遊技機は、1回の遊技を行うのに所定量の前記遊技用価値の賭け数(例えば「1」を含む「1または3」)が必要であり、前記書換手段は、前記賭け数設定手段により賭け数が設定される場合(例えば最大ベットスイッチ8が操作されてクレジットから賭け数が設定される場合)、前記記憶手段の記憶内容を前記賭け数設定手段によって設定された賭け数分を減じた値に書き換える(例えば賭け数として「3」が設定されるときには残りクレジット数を示すデータから「3」を減算する)。また、前記書換手段は、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに基づいて前記遊技用価値が付与される場合、所定数(例えば50)を上限として、前記記憶手段の記憶内容を当該付与された分を増やした値に書き換える(例えば10枚の払出がある場合に残りクレジット数を示すデータに「10」を加算する)。また、前記書換手段は、当該遊技機に設けられメダル投入口から前記遊技用価値の供給(例えばメダルの投入)があった場合、所定数(例えば50)を上限として、前記記憶手段の記憶内容を当該供給分だけ増やした値に書き換える(例えば10枚の払出があっても残りクレジット数を示すデータが「43」であると「7」だけ増加した「50」に書き換えられる)。
【0252】
なお、前記記憶手段の記憶内容(例えば残りクレジット枚数)が上限に達すると、前記記憶手段による前記記憶手段の記憶内容の書き換えは行わず、別途の払出制御手段(例えばメインCPU61により実行されるメダルの払出を制御する処理プログラム)により制御されるメダル払出装置(例えばホッパー装置)によって、遊技機に形成されるメダル排出部から、上限を超えた分の前記遊技用価値の払出(例えばメダル3枚の払出)が行われる。
【0253】
特に、当該遊技機の前記報知態様決定手段は、
i)前記賭け数指示操作手段の操作が受付可能な状態(例えば1回の遊技終了後から遊技が開始されるまでの期間)にあって前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量以上である場合(例えば残りクレジット枚数が賭け数を満たす枚数以上である場合)と、
ii)前記賭け数指示操作手段の操作が受付可能な状態(例えば1回の遊技終了後から遊技が開始されるまでの期間)にあって前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が無い場合(例えば0枚の場合)と、
iii)前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値に関わらず、前記賭け数指示操作手段の操作が受付不可能な状態(例えば1回の遊技が開始されてから終了するまでの期間)にある場合と、
で異なる報知態様に決定し、前記報知手段の報知態様により、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値の状態(例えば賭け数指示操作手段を操作して賭け数を設定できる状態であるか、メダルの投入行為を行う必要がある状態であるか)を遊技者へ報知する。
【0254】
例えば、予め定められた賭け数が「1又は3」である場合、1回の遊技が終了した時点での残りクレジット枚数が「3枚以上」である場合は照明ランプを「赤色」に発光させ、1回の遊技が終了した時点での残りクレジット枚数が「0枚」である場合は照明ランプを「青色」に発光させ、1回の遊技が開始されると、赤色または青色に発光した照明ランプを「消灯」させる。
【0255】
この様な遊技機では、前記報知手段の報知態様を通じて前記賭け数指示操作手段の操作が行える状態にあるか否か、と共に、前記メダル投入部よりメダルを投入すべき状態にあるか否か、を事前に判別できるため、無駄となる前記賭け数指示操作手段の操作や前記メダル投入部へのメダル投入行為を遊技者へ回避させることができる。なお、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量を十分に超えているときには、通常、1回の遊技が終了すると次の遊技を行うために前記賭け数指示操作手段が操作される。したがって、遊技終了後の遊技者の視線は前記賭け数指示操作手段に移ることから、前記報知手段は、前記賭け数指示操作手段に設けると良い。
【0256】
さらに、当該遊技機では、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が無い場合の報知態様で前記報知手段が報知されている状態(例えば照明ランプが青色に発光している状態)において前記賭け数指示操作手段が操作された場合には、前記報知手段とは異なる第2の報知手段(たとえば照明ランプよりも大きな液晶表示器14)によって、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用価値が前記所定量よりも少ないことを特定可能な情報を報知(例えばメダルの投入が必要な旨のメッセージを液晶表示器14の液晶画面に出力)すると良い。
【0257】
また、上記した実施形態の内容と上記した変形例の内容と適宜組み合わせても良い。
【0258】
そして、複数種類の図柄を可変表示する可変表示列を複数有する表示手段と、可変表示列それぞれの可変表示を停止させる停止操作手段とを備え、全ての可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技者に遊技価値を付与する遊技機に本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0259】
1…スロットマシン、6L,6M,6R…回転リール、7…ベットスイッチ、8…最大ベットスイッチ、8a…照明ランプ、10L,10M,10R…ストップスイッチ、14…液晶表示器、101…投入制御手段、200…メダル貸出ユニット、301a…記憶領域書換手段、303…ベットランプ照明制御手段303、851…所持メダル枚数記憶領域851
【要約】
【課題】外部の補充手段から遊技機に遊技用価値の補充が可能な遊技機において、外部からの補充が必要な状態であることが分かる報知を行うことで、遊技の進行の円滑化を図る。
【解決手段】スロットマシン1は、遊技者が所持するメダル枚数が所持メダル枚数記憶領域851に記憶され、メダルの増減の度に当該領域のデータが書き換えられる。所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データで規定されるメダル数が1ゲームの賭け数よりも多い場合は、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8aを赤色に点灯させる。一方、所持メダル枚数記憶領域851に記憶されている枚数データで規定されるメダル数が1ゲームの賭け数よりも少ない場合は、最大ベットスイッチ8の照明ランプ8aを緑色に点灯させる。
【選択図】図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14