特許第6596145号(P6596145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6596145
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】定張力アンカーリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B63B 21/16 20060101AFI20191010BHJP
   B63B 21/00 20060101ALI20191010BHJP
   B63B 21/18 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B63B21/16
   B63B21/00 Z
   B63B21/18
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-245588(P2018-245588)
(22)【出願日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年12月27日
(31)【優先権主張番号】201811003944.9
(32)【優先日】2018年8月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517220748
【氏名又は名称】中国科学院広州能源研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】盛 松偉
(72)【発明者】
【氏名】黄 碩
(72)【発明者】
【氏名】王 坤林
(72)【発明者】
【氏名】吝 紅軍
(72)【発明者】
【氏名】王 振鵬
(72)【発明者】
【氏名】張 亜群
【審査官】 福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−076497(JP,U)
【文献】 特開2006−326529(JP,A)
【文献】 特表2002−520214(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157229(JP,U)
【文献】 特開2002−166876(JP,A)
【文献】 実開昭54−116398(JP,U)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2018−0002427(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 21/00
B63B 21/04 − 21/22
B63B 21/26 − 21/29
B63B 21/30 − 21/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上の浮体に取り付けられる定張力アンカーリングシステムであって、
アンカーと、アンカーチェーンと、アンカーウインチと、牽引ロープと、負荷重量物と、チェーンストッパーとを備え、前記浮体には、前記牽引ロープと前記負荷重量物とを収容するための収容空間が設けられ、前記浮体には、前記負荷重量物を投出するための投出スイッチが設けられ、前記アンカーウインチは、前記浮体に設けられ、前記アンカーチェーンは、一端が前記アンカーに接続され、他端が前記アンカーウインチのローラを経由した後で前記牽引ロープの一端に接続され、前記牽引ロープの他端が前記負荷重量物に接続され、前記チェーンストッパーは、前記浮体に設けられ、前記アンカーウインチの前記アンカーに位置し、前記アンカーチェーンをクリップ或いは挟持し、正常作業時には、前記牽引ロープと重量物とは前記収容空間に格納され、前記アンカー、前記アンカーチェーン、及び前記アンカーウインチが正常のアンカーリング作業を実施し、前記アンカーチェーンが下ろされた後で前記チェーンストッパーを介して前記アンカーチェーンを固定し、波風が増大するときには、前記チェーンストッパーの前記アンカーチェーンに対する固定を解除し、前記投出スイッチをオンにすることで前記負荷重量物を下方へ投出し、前記牽引ロープを介して前記アンカーチェーンを緩衝することを特徴とする定張力アンカーリングシステム。
【請求項2】
支持装置を更に備え、
前記支持装置は、前記アンカーウインチの外側且つ前記アンカー及び/又は前記牽引ロープの軸線方向の下方に設けられ、正常作業時には、前記支持装置は前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープに接触せず、波風が増大し且つ前記投出スイッチがオンにされたときには、前記支持装置は、持ち上げ機構によって持ち上げられ、前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープに接触し、前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープを持ち上げて前記アンカーウインチのローラから切り離させることを特徴とする請求項1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【請求項3】
回り止めを更に備え、
前記アンカーチェーンの外径が前記牽引ロープの外径より大きく、前記回り止めは、支持座及び逆止蓋を備え、前記支持座には、前記牽引ロープの外径より大きく且つ前記アンカーチェーンの外径より小さい深さの逆止溝が設けられ、前記支持座は、前記浮体に設けられ、前記チェーンストッパーと前記アンカーウインチの間に位置し、前記逆止蓋の一端が前記支持座にヒンジ連結され、前記逆止蓋における平面が前記支持座上に被覆されることにより、前記逆止溝に前記牽引ロープのみが通過可能である逆止孔が形成され、前記逆止蓋の他端が前記支持座にロッキングされ、正常作業時には、前記逆止蓋が開放され、前記アンカーチェーンが下ろされた後で前記チェーンストッパーを介して前記アンカーチェーンを固定し、波風が増大するときには、前記チェーンストッパーの前記アンカーチェーンに対する固定を解除して前記逆止蓋を閉鎖することを特徴とする請求項1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【請求項4】
前記収容空間は、前記浮体の内部に設けられるチャンバであり、前記投出スイッチは、海底と前記収容空間とを連通させる水門であることを特徴とする請求項1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【請求項5】
前記収容空間は、前記浮体の外側に設けられる固定機構であり、前記投出スイッチは、前記固定機構において前記負荷重量物に接続されるクランプ機構であり、前記牽引ロープは、前記固定機構における巻取器に巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【請求項6】
前記支持装置は、支持ローラ及び持ち上げ機構を備え、前記持ち上げ機構は、油圧により駆動され、その上方に前記支持ローラが設けられ、前記持ち上げ機構は、前記支持ローラの上下移動を制御し、前記支持ローラは、前記アンカーウインチの側面に位置するとともに、前記アンカー及び/又は前記牽引ロープの軸線方向の下方に位置することを特徴とする請求項2に記載の定張力アンカーリングシステム。
【請求項7】
前記浮体は、船舶、浮上ステージであることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の定張力アンカーリングシステム。
【請求項8】
前記負荷重量物の重量と前記牽引ロープの長さとは、浮体設計極限動作状況における波条件に応じてマッチング設定を行なうことを特徴とする請求項7に記載の定張力アンカーリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーリング技術分野に関し、具体的に定張力アンカーリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶及び海上浮体は長期間海洋で稼動するが、海上嵐ひいては台風が頻繁に発生するため、嵐の襲撃は、船舶及び海上浮体に対して最大の脅威となる。毎年、船舶と浮体とが、嵐及び台風から有効に逃げられないことによって引き起こされる人員の死傷、財産の損失、水域の環境汚染等の災害は、数え切れられない。現在、船舶及び浮体で主に採用される減災方法は、単に回避したりアンカーリングシステムの配置を拡大したりすることである。如何にして船舶及び浮体を、嵐ひいては台風の中で耐えさせるかは、海洋工業分野で常に努力され解決されようとしても、いまだ有効で操作しやすくて低コストで解決することができていない。
【0003】
嵐が到来したとき、全ての船舶が適切な波風回避海域を見つけ出せるとは限らない。従来のアンカーリングシステムは、嵐においてチェーンがすぐに直線状に引っ張られる。長波中に、もし船舶が嵐の中で浪とともに後退しているがアンカーチェーンが既に直線状に引っ張られた状態にある場合には、船舶の移動で発生した巨大な運動エネルギーが消費されずその結果として、アンカーが外れたり、アンカーチェーンが断裂したりして、船舶の暴走や災難の発生に繋がってしまう。アンカーチェーンの直径を増加させてアンカーチェーンを大きくして鉄アンカーの構造を改良した船舶と浮体とが一部存在するが、その目的はアンカーリング力を増加することにある。このような技術は、高いなアンカーリングコストでアンカーリングシステムの能力を向上させるが、嵐ひいては台風中に潰される可能性を根本的に変えることができない。海流と長波の作用のもとで、緩衝能力を有するチェーンは、海流によって締め付けられ、伸縮不可能なアンカーチェーンは、台風の長波の下で、直線状に引っ張られて断裂する恐れがある。一部の非航行浮上ステージは、大きな弾性を有するロープ係留材を追加したり、アンカーリングシステムに錘とフロートとを追加したりして、アンカーリングシステムにおける弾性要素を増加させている。上記技術は、アンカーリングシステムの弾性不足の状況を緩和するが、浮体の運動距離の増加につれて、その弾性要素の有効緩衝能力が消耗されて最終的に剛性状態に達する。こうして、アンカーリングシステムは、依然としてアンカー外れ及びチェーン断裂の脅威にさらされる。そして、アンカーリング力は、浮上ステージのチェーン回収方向と逆であり、大きさが等しい。アンカーリング力が増加すると、浮上構造が受ける力も増加し、構造自身の安全性も大きな脅威にさらされる。構造に作用する力が大きくなり過ぎると、船舶と浮上ステージ構造が壊れ船舶を沈没させてしまう恐れがある。そのため、どのようなアンカーリング技術を採用して船舶と浮体を嵐ひいては台風の中で耐えさせるかという課題は、いまだ有効に解決されていない。
【0004】
船舶及び浮体の破壊を頻繁に引き起こす主な原因は、風力、海流と長波の作用の下、従来の純アンカーチェーンシステムと、弾性要素を追加した改良型アンカーリングシステムとの何れも、長さと弾性とに限度があるため、悪海洋状況においてアンカーリングシステムが直線状に引っ張られることや、アンカーリング力の迅速な増加、アンカーリング材料が破断値を超えること、アンカーリングシステムが断裂して失効すること、船舶と浮体との漂い、乗り上げ、衝突等の事故の発生を回避できない。また、強すぎるアンカーリングシステムを設置すると、嵐の中で船舶と浮上構造とが受ける力が同様に増加し、船舶や浮体の局所が損傷する確率は増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、船舶、浮体、およびそのアンカーリングシステムが嵐の中でほぼ一定の張力を維持し、アンカーリングシステムが直線状に引っ張られることと構造が受ける力が大きすぎることとによって破壊される可能性を完全に排除するために、定張力アンカーリングシステムを提供する。本発明の解決策は、船舶と浮体との嵐の中での運転規則及び船舶と浮体とが受ける力に基づいて正確に分析されたものである。海洋の中にある船舶と浮体とは、嵐の中で、主に3種の作用力を受ける。第1種は、方向がほぼ一定である風力であり、第2種は、方向がほぼ一定である海流作用力であり、第3種は、発振作用である波の力である。第1種及び第2種の力は、定方向定常力に類似し、船形及び浮体の形状が基本的に特定できる場合に、アンカーリングシステムによって抵抗することしかできないが、緩和不可能である。そこで、アンカーリングシステムの設計は、上記2種の作用力に対して安全に抵抗しなければならない。第3種の作用力は、上記2種とは異なる。波は、発振運動し、海洋中で波を構成する水質点がその中心の周りに略楕円軌跡運動をし、波の中にある浮体が波エネルギーとともに発振運動し、異なる形式の浮上構造の、波エネルギーでの振幅が異なる可能性があるが、運動形式が基本的に変動しない。そのため、波の中において、浮体が大幅に後方へ運動するが、1つの完全な波の周期から見ると、浮体は、また基本的に原点位置に復帰し、浮体は、水質点と類似して波エネルギーで発振運動を発生する。嵐と台風とが超長波に属し、長波の作用の下で、浮体が波とともに運動する。波長が長すぎるため、浮体が後方へ運動して終点に至る前に、定長風力と海流力の多重作用の下で、アンカーリングシステムが既に直線状に引っ張られる。浮上構造の巨大な運動エネルギーが引き続きアンカーリングシステムに加えられ、直線状に引っ張られたアンカーリングシステムにはもはや緩衝距離がないため、巨大なエネルギーが、アンカーリング材料、及び、アンカーと浮体との接続点に作用すると、その結果、破壊に至る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の解決手段を講じる。
【0007】
定張力アンカーリングシステムは、提供され、海上の浮体に取り付けられ、アンカーと、アンカーチェーンと、アンカーウインチと、牽引ロープと、負荷重量物と、チェーンストッパーとを備え、前記浮体には、前記牽引ロープと前記負荷重量物とを収容するための収容空間が設けられ、前記浮体には、前記負荷重量物を投出するための投出スイッチが設けられ、前記アンカーウインチは、前記浮体に設けられ、前記アンカーチェーンは、一端が前記アンカーに接続され、他端が前記アンカーウインチのローラを経由した後で前記牽引ロープの一端に接続され、前記牽引ロープの他端が前記負荷重量物に接続され、前記チェーンストッパーは、前記浮体に設けられ、前記アンカーウインチの前記アンカー側に位置し、前記アンカーチェーンをクリップ或いは挟持し、正常作業時には、前記牽引ロープと重量物とは前記収容空間に格納され、前記アンカー、前記アンカーチェーン、及び前記アンカーウインチが正常のアンカーリング作業を実施し、前記アンカーチェーンが下ろされた後で前記チェーンストッパーを介して前記アンカーチェーンを固定し、波風が増大するときには、前記チェーンストッパーの前記アンカーチェーンに対する固定を解除し、前記投出スイッチをオンにすることで前記負荷重量物を海底まで下方へ投出し、前記牽引ロープを介して前記アンカーチェーンを緩衝する。
【0008】
上記解決手段の改良として、支持装置を更に備え、前記支持装置は、前記アンカーウインチの外側且つ前記アンカー及び/又は前記牽引ロープの軸線方向の下方に設けられ、正常作業時には、前記支持装置は前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープに接触せず、波風が増大し且つ前記投出スイッチがオンにされたときには、前記支持装置は、持ち上げ機構によって持ち上げられ、前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープに接触し、前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープを持ち上げて前記アンカーウインチのローラから切り離させる。
【0009】
上記解決手段の改良として、回り止めを更に備え、前記アンカーチェーンの外径が前記牽引ロープの外径より大きく、前記回り止めは、支持座及び逆止蓋を備え、前記支持座には、前記牽引ロープの外径より大きく且つ前記アンカーチェーンの外径より小さい深さの逆止溝が設けられ、前記支持座は、前記浮体に設けられ、前記チェーンストッパーと前記アンカーウインチの間に位置し、前記逆止蓋の一端が前記支持座にヒンジ連結され、前記逆止蓋における平面が前記支持座上に被覆されることにより、前記逆止溝に前記牽引ロープのみが通過可能である逆止孔が形成され、前記逆止蓋の他端が前記支持座にロッキングされ、正常作業時には、前記逆止蓋が開放され、前記アンカーチェーンが下ろされた後で前記チェーンストッパーを介して前記アンカーチェーンを固定し、波風が増大するときには、前記チェーンストッパーの前記アンカーチェーンに対する固定を解除して前記逆止蓋を閉鎖する。
【0010】
上記解決手段の改良として、前記収容空間は、前記浮体の内部に設けられるチャンバであり、前記投出スイッチは、海底と前記収容空間とを連通させる水門である。
【0011】
上記解決手段の改良として、前記収容空間は、前記浮体の外側に設けられる固定機構であり、前記投出スイッチは、前記固定機構において前記負荷重量物に接続されるクランプ機構であり、前記牽引ロープは、前記固定機構における巻取器に巻き付けられている。
【0012】
上記解決手段の改良として、前記支持装置は、支持ローラ及び持ち上げ機構を備え、前記持ち上げ機構は、油圧により駆動され、その上方に前記支持ローラが設けられ、前記支持ローラの上下移動を制御し、前記支持ローラは、前記アンカーウインチの側面に位置するとともに、前記アンカー及び/又は前記牽引ロープの軸線方向の下方に位置する。
【0013】
上記解決手段の改良として、前記浮体は、船舶、浮上ステージである。
【0014】
上記解決手段の改良として、前記負荷重量物の重量と前記牽引ロープの長さとは、浮体設計極限動作状況における波条件に応じてマッチング設定を行なう。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記浮体の海洋嵐での受力分析、特に浮体の波浪作用の下での運動受力分析に基づいて、台風の接近に耐えうる定張力アンカーリングシステムを提供する。本発明は、以下の有利な作用効果を有する。台風の長波の作用の下で、浮体がアンカーリングシステムの後方へ大きく牽引するとき、アンカーリング力が徐々に増大する。アンカーリング力が所定値に達すると、アンカーリングシステムは、浮体に格納された負荷重量物を自動的に解放し、浮体が波の作用の下でほぼ一定のアンカーリング力の下で後方へ移動することを許容して、浮体移動距離を大きくして、エネルギーをリリースする。アンカーリングシステムと浮体とが受ける力を軽減することで、アンカーリングシステムと浮体とを保護する。波の運動の後半周期に、浮体が波とともに復帰し、アンカーリングシステムが締め付けから緩めへと変化し、アンカーリングシステムの受力が小さくなる。アンカーリングシステムの受力が所定値より小さいとき、アンカーリングシステムが負荷重量物の重力作用の下で一部のアンカーチェーンを自動的に回収し、アンカーリングシステムの長さを短くし、ほぼ一定の受力を保持する。波が往復発振し、アンカーリングシステムを放出したり回収したりして、ほぼ一定の引張力を常に保持する。波周期において、波長が長くて波の力が大きくても、効果的にアンカーリングを放出、回収することにより、浮体は台風の災害性の天候であっても常に一定の張力を保持し、アンカーリングシステムと浮体の安全を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1の定張力アンカーリングシステムの構造模式図。
図2】実施例2の支持装置の非動作状態の構造模式図。
図3】実施例2の支持装置の動作状態の構造模式図。
図4】実施例3の回り止めの定張力アンカーリングシステムでの位置の模式図。
図5】実施例3の回り止めの構造模式図。
図6】実施例4の定張力アンカーリングシステムの構造模式図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面及び実施例を組み合わせて本発明を更に説明する。理解できるように、ここで記述される具体的な実施例は、単に本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する制限ではない。また、更に説明すべきことは、記述の便宜上、全部の内容ではなく、本発明に関連する部分のみが図面に示される。
【0018】
(実施例1)
図1に示すように、定張力アンカーリングシステムは、海上の浮体1に取り付けられ、アンカー2、アンカーチェーン3、アンカーウインチ4、牽引ロープ5、負荷重量物6、及びチェーンストッパー7を備えている。前記浮体1には、牽引ロープ5と負荷重量物6とを収容するための収容空間が設けられている。浮体1には、負荷重量物6を投出するための投出スイッチが設けられている。前記アンカーウインチ4は、浮体1に設けられている。前記アンカーチェーン3は、一端がアンカー2に接続され、他端がアンカーウインチ4のローラを経由した後で牽引ロープ5の一端に接続されている。前記牽引ロープ5の他端は、負荷重量物6に接続されている。前記チェーンストッパー7は、浮体1に設けられ、アンカーウインチ4のアンカー2側に位置しており、アンカーチェーン3をクリップ或いは挟持している。正常作業時には、牽引ロープ5と重量物とは収容空間に格納され、アンカー2、アンカーチェーン3、及びアンカーウインチ4が正常のアンカーリング作業を実施し、アンカーチェーン3が下ろされた後でチェーンストッパー7を介してアンカーチェーン3を固定する。波風が増大するときには、チェーンストッパー7のアンカーチェーン3に対する固定を解除し、投出スイッチをオンにすることで負荷重量物6を下方へ海底上まで投出して、牽引ロープ5を介してアンカーチェーン3を緩衝する。前記収容空間は、浮体1の内部に設けられるチャンバ8である。前記投出スイッチは、海底と収容空間とを連通させる水門9である。前記浮体1は、船舶、浮上ステージである。前記牽引ロープ5は、鋼ロープである。
【0019】
(実施例2)
図2図3に示すように、実施例1とは異なり、支持装置10を更に備えている。前記支持装置10は、アンカーウインチ4の外側且つアンカー2及び/又は牽引ロープ5の軸線方向の下方に設けられている。正常作業時には、支持装置10は、アンカーチェーン3及び/又は牽引ロープ5に接触しない。波風が増大し且つ投出スイッチがオンにされたときには、支持装置10は、持ち上げ機構11によって持ち上げられてアンカーチェーン3及び/又は牽引ロープ5に当接し、アンカーチェーン3及び/又は牽引ロープ5を持ち上げてアンカーウインチ4のローラから切り離させる。前記支持装置10は、持ち上げ機構11及び支持ローラ12を備える。前記持ち上げ機構11は、油圧により駆動され、その上方に前記支持ローラ12が設けられ、支持ローラ12の上下移動を制御する。前記支持ローラ12は、アンカーウインチ4の側面に位置するとともに、アンカー2及び/又は牽引ロープ5の軸線方向の下方に位置する。
【0020】
(実施例3)
図4図5に示すように、実施例2とは異なり、回り止め13を更に備えている。前記アンカーチェーン3の外径は牽引ロープ5の外径より大きい。前記回り止め13は、支持座14及び逆止蓋15を備えている。前記支持座14には、牽引ロープ5の外径より大きく且つアンカーチェーン3の外径より小さい深さの逆止溝16が設けられている。前記支持座14は、浮体1に設けられ、チェーンストッパー7とアンカーウインチ4の間に位置している。前記逆止蓋15の一端は支持座14にヒンジ連結され、逆止蓋15が支持座14上に被覆することにより、逆止溝16に牽引ロープ5のみが通過可能である逆止孔が形成される。逆止蓋15の他端は支持座14にロッキングされ、正常作業時には、逆止蓋15が開放され、アンカーチェーン3が下ろされた後でチェーンストッパー7を介してアンカーチェーン3を固定する。波風が増大するときには、チェーンストッパー7のアンカーチェーン3に対する固定を解除して逆止蓋15を閉鎖する。前記支持装置10は、単一の支持ローラ12構造を採用し、アンカーウインチ4の他方側に設けられている。
【0021】
(実施例4)
図6に示すように、実施例1とは異なり、前記収容空間は、浮体1の外側に設けられる固定機構17である。前記投出スイッチは、固定機構17において負荷重量物6に接続されるクランプ機構18である。前記牽引ロープ5は、固定機構17における巻取器19に巻き付けられている。
【0022】
上記実施例は、単に本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものであり、当業者が本発明の内容を理解したうえで実施可能であることを目的とし、本発明の保護範囲を制限するわけではない。本発明の内容の要旨に従ってなされた等価の変化や修飾は、何れも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【0023】
(付記)
(付記1)
海上の浮体に取り付けられる定張力アンカーリングシステムであって、
アンカーと、アンカーチェーンと、アンカーウインチと、牽引ロープと、負荷重量物と、チェーンストッパーとを備え、前記浮体には、前記牽引ロープと前記負荷重量物とを収容するための収容空間が設けられ、前記浮体には、前記負荷重量物を投出するための投出スイッチが設けられ、前記アンカーウインチは、前記浮体に設けられ、前記アンカーチェーンは、一端が前記アンカーに接続され、他端が前記アンカーウインチのローラを経由した後で前記牽引ロープの一端に接続され、前記牽引ロープの他端が前記負荷重量物に接続され、前記チェーンストッパーは、前記浮体に設けられ、前記アンカーウインチの前記アンカーに位置し、前記アンカーチェーンをクリップ或いは挟持し、正常作業時には、前記牽引ロープと重量物とは前記収容空間に格納され、前記アンカー、前記アンカーチェーン、及び前記アンカーウインチが正常のアンカーリング作業を実施し、前記アンカーチェーンが下ろされた後で前記チェーンストッパーを介して前記アンカーチェーンを固定し、波風が増大するときには、前記チェーンストッパーの前記アンカーチェーンに対する固定を解除し、前記投出スイッチをオンにすることで前記負荷重量物を下方へ投出し、前記牽引ロープを介して前記アンカーチェーンを緩衝することを特徴とする定張力アンカーリングシステム。
【0024】
(付記2)
支持装置を更に備え、
前記支持装置は、前記アンカーウインチの外側且つ前記アンカー及び/又は前記牽引ロープの軸線方向の下方に設けられ、正常作業時には、前記支持装置は前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープに接触せず、波風が増大し且つ前記投出スイッチがオンにされたときには、前記支持装置は、持ち上げ機構によって持ち上げられ、前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープに接触し、前記アンカーチェーン及び/又は前記牽引ロープを持ち上げて前記アンカーウインチのローラから切り離させることを特徴とする付記1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【0025】
(付記3)
回り止めを更に備え、
前記アンカーチェーンの外径が前記牽引ロープの外径より大きく、前記回り止めは、支持座及び逆止蓋を備え、前記支持座には、前記牽引ロープの外径より大きく且つ前記アンカーチェーンの外径より小さい深さの逆止溝が設けられ、前記支持座は、前記浮体に設けられ、前記チェーンストッパーと前記アンカーウインチの間に位置し、前記逆止蓋の一端が前記支持座にヒンジ連結され、前記逆止蓋における平面が前記支持座上に被覆されることにより、前記逆止溝に前記牽引ロープのみが通過可能である逆止孔が形成され、前記逆止蓋の他端が前記支持座にロッキングされ、正常作業時には、前記逆止蓋が開放され、前記アンカーチェーンが下ろされた後で前記チェーンストッパーを介して前記アンカーチェーンを固定し、波風が増大するときには、前記チェーンストッパーの前記アンカーチェーンに対する固定を解除して前記逆止蓋を閉鎖することを特徴とする付記1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【0026】
(付記4)
前記収容空間は、前記浮体の内部に設けられるチャンバであり、前記投出スイッチは、海底と前記収容空間とを連通させる水門であることを特徴とする付記1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【0027】
(付記5)
前記収容空間は、前記浮体の外側に設けられる固定機構であり、前記投出スイッチは、前記固定機構において前記負荷重量物に接続されるクランプ機構であり、前記牽引ロープは、前記固定機構における巻取器に巻き付けられていることを特徴とする付記1に記載の定張力アンカーリングシステム。
【0028】
(付記6)
前記支持装置は、支持ローラ及び持ち上げ機構を備え、前記持ち上げ機構は、油圧により駆動され、その上方に前記支持ローラが設けられ、前記持ち上げ機構は、前記支持ローラの上下移動を制御し、前記支持ローラは、前記アンカーウインチの側面に位置するとともに、前記アンカー及び/又は前記牽引ロープの軸線方向の下方に位置することを特徴とする付記2に記載の定張力アンカーリングシステム。
【0029】
(付記7)
前記浮体は、船舶、浮上ステージであることを特徴とする付記1から6の何れか一つに記載の定張力アンカーリングシステム。
【0030】
(付記8)
前記負荷重量物の重量と前記牽引ロープの長さとは、浮体設計極限動作状況における波条件に応じてマッチング設定を行なうことを特徴とする付記7に記載の定張力アンカーリングシステム。
【符号の説明】
【0031】
1-浮体、2-アンカー、3-アンカーチェーン、4-アンカーウインチ、5-牽引ロープ、6-負荷重量物、7-チェーンストッパー、8-チャンバ、9-水門、10-支持装置、11-持ち上げ機構、12-支持ローラ、13-回り止め、14-支持座、15-逆止蓋、16-逆止溝、17-固定機構、18-クランプ機構、19-巻取器。
【要約】      (修正有)
【課題】定張力アンカーリングシステムの提供。
【解決手段】定張力アンカーリングシステムが浮体1に取り付けられ、アンカー2、アンカーチェーン3、アンカーウインチ4、牽引ロープ5、負荷重量物6とチェーンストッパー7を備える。牽引ロープと負荷重量物とを収容するための収容空間が浮体に設けられる。負荷重量物を投出するためにアンカーウインチが設けられ、アンカーチェーンは一端がアンカーに、他端はアンカーウインチのローラを経由後に牽引ロープの一端に接続され、チェーンストッパーはアンカー側に位置する。正常作業時には牽引ロープと重量物とが収容空間に格納されアンカー、アンカーチェーンとアンカーウインチでアンカーリング作業を行い、アンカーチェーンが下ろされた後でアンカーチェーンを固定し、波風が増大時には、チェーンストッパーによる固定を解除し、負荷重量物を海底へ投出し、牽引ロープを介してアンカーチェーンを緩衝する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6