(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596166
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】調整可能な頭部装着型構造
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
H04R1/10 103
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-545163(P2018-545163)
(86)(22)【出願日】2016年12月31日
(65)【公表番号】特表2019-511862(P2019-511862A)
(43)【公表日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】CN2016114039
(87)【国際公開番号】WO2017197897
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2018年8月27日
(31)【優先権主張番号】201610321929.3
(32)【優先日】2016年5月14日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515132700
【氏名又は名称】チンタオ ゴーアテック テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO GOERTEK TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ワン,フゥーヂィェン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ロン
(72)【発明者】
【氏名】ツゥイ,ツェンセン
【審査官】
冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−050581(JP,A)
【文献】
特開2011−082851(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第105049980(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04R 5/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体化された上部シース、溝状ブラケット及び下部シースを含む調整可能な頭部装着型構造であって、
それぞれの一端が前記溝状ブラケット内に設けられた第一ヘッドバンド及び第二ヘッドバンドと、前記第二ヘッドバンドに固定接続された弾性シートと、ボタンとをさらに含み、
前記第一ヘッドバンドの端部と、前記第二ヘッドバンドの端部とがオーバーラップして設けられており、前記第一ヘッドバンドが、前記溝状ブラケットに固定接続されており、前記第一ヘッドバンドの前記端部に、その長手方向に沿って延びる摺動空洞が設けられており、前記摺動空洞における長手方向に沿って延びる側辺に、複数の位置規制スロットが間隔を空けて設けられており、前記第二ヘッドバンドの前記端部に切欠きが設けられており、
前記弾性シートが、接続部と、前記接続部に接続され、前記切欠き内に位置し、U字状をなした曲げ部とを含み、前記曲げ部が、前記摺動空洞内に挿入されるとともに、一つの前記位置規制スロット内にスナップ嵌めされており、
前記溝状ブラケットの前記位置規制スロットに近い側壁に、その長手方向に沿って延びる長尺状の貫通孔が設けられており、
前記ボタンが、前記溝状ブラケット内に設けられ、前記曲げ部に接続されており、前記長尺状の貫通孔を貫いた押圧部と、前記押圧部に接続されたバッフル板とを含み、
前記バッフル板と前記第二ヘッドバンドとの間に固定接続構造が設けられている、
ことを特徴とする調整可能な頭部装着型構造。
【請求項2】
前記曲げ部の前記位置規制スロットに近い側壁に、接続孔が設けられており、前記バッフル板に、前記接続孔内に挿入される接続柱が設けられており、前記接続柱と前記バッフル板との間に、押さえ板がさらに設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項3】
前記接続柱の周囲にU字状の保持壁が設けられており、前記保持壁の対向した両側壁の外側の間の距離が、前記切欠きの前記第二ヘッドバンドの長手方向に沿った幅と同じであり、前記保持壁の長さが、前記切欠きの前記第二ヘッドバンドの幅方向に沿った長さよりも大きく、前記保持壁の各側壁に、前記切欠き内に挿入される延伸部がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項4】
前記押圧部、前記バッフル板、前記押さえ板、前記接続柱、前記保持壁及び前記延伸部が一体に射出成形されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項5】
前記固定接続構造が、前記バッフル板上に間隔を空けて設けられたリブと、そのリブに対応させて前記第二ヘッドバンドの側辺に設けられたスナップイン溝とを含むか、又は、前記バッフル板上に間隔を空けて設けられたスナップイン溝と、そのスナップイン溝に対応させて前記第二ヘッドバンドの側辺に設けられたリブとを含み、前記リブが、対応する前記スナップイン溝内にスナップ嵌めされる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項6】
前記摺動空洞の側辺に、複数の突起が間隔を空けて設けられており、前記複数の突起のうちの隣接する二つの突起の間、及び、最も外側の突起とそれに隣接する前記摺動空洞の側壁との間には、それぞれ、前記複数の位置規制スロットのうちの一つが形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項7】
前記摺動空洞の長さが、前記長尺状の貫通孔の長さ以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項8】
前記摺動空洞が、前記第一ヘッドバンドを貫通した長方形の孔であるか、又は、前記第一ヘッドバンドの側面に設けられた長尺状のスロットである、
ことを特徴とする請求項7に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【請求項9】
前記弾性シートが、一体に曲げ成形された金属シートである、
ことを特徴とする請求項1に記載の調整可能な頭部装着型構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部装着型製品の技術分野に属し、特に、調整可能な頭部装着型構造に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発達とユーザの需要の増大に伴い、頭部装着型ヘッドフォンの頭部装着部に対する要求が高まっている。ユーザが異なることによって、頭部装着部の長さに対する要求が異なり、クランプ力の大きさに対する要求も異なる。従来の調整可能な頭部装着型製品は、長さの調整が実現できるが、その主な欠点としては、位置調整後にその位置を決めておくことが難しいという点である。つまり、頭部装着部が所要の長さになる位置を維持することができず、最終的にクランプ力が不安定になり、利用者に不快感を与え、利用者に多大な不便をかけてしまうことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の頭部装着部の長さの調節が不便であり、位置調整完了後に位置決めができないという問題を解決するための調整可能な頭部装着型構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記のように実現される。一体化された上部シース、溝状ブラケット及び下部シースを含む調整可能な頭部装着型構造であって、それぞれの一端が前記溝状ブラケット内に設けられた第一ヘッドバンド及び第二ヘッドバンドと、前記第二ヘッドバンドに固定接続された弾性シートと、ボタンとをさらに含み、前記第一ヘッドバンドの端部と、前記第二ヘッドバンドの端部とがオーバーラップして設けられており、前記第一ヘッドバンドが、前記溝状ブラケットに固定接続されており、前記第一ヘッドバンドの前記端部に、その長手方向に沿って延びる摺動空洞が設けられており、前記摺動空洞における長手方向に沿って延びる側辺に、複数の位置規制スロットが間隔を空けて設けられており、前記第二ヘッドバンドの前記端部に切欠きが設けられており、前記弾性シートが、接続部と、前記接続部に接続され、前記切欠き内に位置し、U字状をなした曲げ部とを含み、前記曲げ部が、前記摺動空洞内に挿入されるとともに、一つの前記位置規制スロット内にスナップ嵌めされており、前記溝状ブラケットの前記位置規制スロットに近い側壁に、その長手方向に沿って延びる
長尺状の貫通孔が設けられており、前記ボタンが、前記溝状ブラケット内に設けられ、前記曲げ部に接続されており、前記
長尺状の貫通孔を貫いた押圧部と、前記押圧部に接続されたバッフル板とを含み、前記バッフル板と前記第二ヘッドバンドとの間に固定接続構造が設けられている。
【0005】
好ましくは、
前記曲げ部の前記位置規制スロットに近い側壁に、接続孔が設けられており、前記バッフル板に、前記接続孔内に挿入される接続柱が設けられており、前記接続柱と前記バッフル板との間に、押さえ板がさらに設けられている。
【0006】
好ましくは、前記接続柱の周囲にU字状の保持壁が設けられており、前記保持壁の対向した両側壁の外側の間の距離が、前記切欠きの前記第二ヘッドバンドの長手方向に沿った幅と同じであり、前記保持壁の長さが、前記切欠きの前記第二ヘッドバンドの幅方向に沿った長さよりも大きく、前記保持壁の各側壁に、前記切欠き内に挿入される延伸部がそれぞれ設けられている。
【0007】
好ましくは、前記押圧部、前記バッフル板、前記押さえ板、前記接続柱、前記保持壁及び前記延伸部が一体に射出成形されている。
【0008】
好ましくは、前記固定接続構造が、前記バッフル板上に間隔を空けて設けられたリブと、そのリブに対応させて前記第二ヘッドバンドの側辺に設けられたスナップイン溝とを含むか、又は、前記バッフル板上に間隔を空けて設けられたスナップイン溝と、そのスナップイン溝に対応させて前記第二ヘッドバンドの側辺に設けられたリブとを含み、前記リブが、対応する前記スナップイン溝内にスナップ嵌めされる。
【0009】
好ましくは、前記摺動空洞の側辺に、複数の突起が間隔を空けて設けられており、前記複数の突起のうちの隣接する二つの突起の間、及び、最も外側の突起とそれに隣接する前記摺動空洞の側壁との間には、それぞれ、前記複数の位置規制スロットのうちの一つが形成されている。
【0010】
好ましくは、前記摺動空洞の長さが、前記
長尺状の貫通孔の長さ以上である。
【0011】
好ましくは、前記摺動空洞が、前記第一ヘッドバンドを貫通した長方形の孔であるか、又は、前記第一ヘッドバンドの側面に設けられた
長尺状のスロットである。
【0012】
好ましくは、前記弾性シートが、一体に曲げ成形された金属シートである。
【発明の効果】
【0013】
上記技術案を用いているため、本発明による調整可能な頭部装着型構造は、一体化された上部シース、溝状ブラケット及び下部シースを含み、また、それぞれの一端が溝状ブラケット内に設けられた第一ヘッドバンド及び第二ヘッドバンドと、弾性シートと、ボタンとをさらに含み、第一ヘッドバンドの端部と、第二ヘッドバンドの端部とがオーバーラップして設けられており、第一ヘッドバンドが、溝状ブラケットに固定接続されており、第一ヘッドバンドの端部に、その長手方向に沿って延びる摺動空洞が設けられており、摺動空洞における長手方向に沿って延びる側辺に、複数の位置規制スロットが間隔を空けて設けられており、第二ヘッドバンドの端部に切欠きが設けられており、弾性シートが、第二ヘッドバンドに固定接続された接続部と、接続部に接続され、切欠き内に位置し、U字状をなした曲げ部とを含み、曲げ部が、摺動空洞内に挿入されるとともに、一つの位置規制スロット内にスナップ嵌めされており、溝状ブラケットの位置規制スロットに近い側壁に、その長手方向に沿って延びる
長尺状の貫通孔が設けられており、ボタンが、溝状ブラケット内に設けられ、曲げ部に接続されており、
長尺状の貫通孔を貫いた押圧部と、押圧部に接続されたバッフル板とを含み、バッフル板と第二ヘッドバンドとの間に固定接続構造が設けられている。これにより、頭部装着部の長さを調整する必要がある場合には、ボタンの押圧部を押圧すると、ボタンが曲げ部に接続されているので、曲げ部が押圧されて弾性変形して、位置規制スロットから外れる。このとき、ボタンを
長尺状の貫通孔の方向にスライドさせると、ボタンのバッフル板が第二ヘッドバンドに固定接続されているので、ボタンが第二ヘッドバンドを伴って溝状ブラケットの延伸方向に沿って移動することができ、第一ヘッドバンドと第二ヘッドバンドとのオーバーラップ長が変わるようになる。これによって、頭部装着部の全長を変えることができ、頭部装着部の長さの調整が容易に実現可能となる。そして、適切な位置に移動して、ボタンの押圧部を解放すると、曲げ部の弾性力により、曲げ部がもう一つの位置規制スロットにスナップ嵌めされて、位置決めが実現される。したがって、第一ヘッドバンドと第二ヘッドバンドとの間の相対的な長さは変化しなくなるので、頭部装着部の位置調整後に位置決めができないという問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例による調整可能な頭部装着型構造の分解構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施例による調整可能な頭部装着型構造の断面構造を示す模式図である。
【
図3】
図2においてA箇所を拡大した構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例による調整可能な頭部装着型構造のボタンの立体構造を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施例による調整可能な頭部装着型構造の弾性シートの立体構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術案及び利点がさらに明確になるように、以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。ここに記載された具体的な実施例は、本発明を解釈するためにのみ用いられ、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0016】
図1乃至
図5から分かるように、本発明の一実施例による調整可能な頭部装着型構造は、順番に一体化された上部シース11、溝状ブラケット13及び下部シース12を含み、上部シース11が溝状ブラケット13のノッチ側に設けられており、下部シース12が溝状ブラケット13の溝底面側に設けられている。具体的に、上部シース11及び下部シース12の側辺近傍の位置に、複数のスナップジョイントがそれぞれ設けられており、それらに対応して、溝状ブラケット13の溝壁の内側に複数のスナップイン溝が設けられている。また、本実施例の調整可能な頭部装着型構造は、それぞれの一端が溝状ブラケット13内に設けられた第一ヘッドバンド14及び第二ヘッドバンド15と、第二ヘッドバンド15に固定接続された弾性シート16と、溝状ブラケット13内に設けられ、弾性シート16の曲げ部162に接続されたボタン17とをさらに含む。第一ヘッドバンド14の端部と、第二ヘッドバンド15の端部とがオーバーラップして設けられている。第一ヘッドバンド14は、溝状ブラケット13に固定接続されており、具体的には、ネジによって溝状ブラケット13との接続が実現されている。第一ヘッドバンド14の上記端部には、その長手方向に沿って延びる摺動空洞141が設けられており、摺動空洞141における長手方向に沿って延びる側辺に、複数の位置規制スロット142が間隔を空けて設けられている。第二ヘッドバンド15の上記端部には、切欠き151が設けられている。なお、本実施例においては、摺動空洞141が、第一ヘッドバンド14を貫通した長方形の孔である一例を示したが、無論、第一ヘッドバンド14の側面に設けられた長いスロットであってもよい。弾性シート16は、接続部161と、その接続部161に接続され、切欠き151内に位置する曲げ部162とを含む。曲げ部162は、摺動空洞141内に挿入されるとともに、一つの位置規制スロット142内にスナップ嵌めされている。接続部161は、具体的に、ネジによって第二ヘッドバンド15との接続が実現されている。溝状ブラケット13の位置規制スロット142に近い側壁には、その長手方向に沿って延びる長い貫通孔131が設けられている。ボタン17は、長い貫通孔131を貫いた押圧部171と、押圧部171に接続されたバッフル板172とを含む。バッフル板172と第二ヘッドバンド15との間には、固定接続構造が設けられている。
【0017】
頭部装着部の長さを調整する必要がある場合には、ボタン17の押圧部171を押圧すると、ボタン17が曲げ部162に接続されているので、曲げ部162が押圧されて弾性変形して、位置規制スロット142から外れる。このとき、ボタン17を長い貫通孔131の方向にスライドさせると、ボタン17のバッフル板172が第二ヘッドバンド15に固定接続されているので、ボタン17が、第二ヘッドバンド15を伴って溝状ブラケット13の延伸方向に沿って移動することができ、第一ヘッドバンド14と第二ヘッドバンド15とのオーバーラップ長が変わるようになる。これによって、頭部装着部の全長を変えることができ、頭部装着部の長さの調整が容易に実現可能となる。頭部装着部の長さが変化すれば、対応する弧度が変化し、異なる押圧力が発生するようになる。そして、適切な位置に移動して、ボタン17の押圧部171を解放すると、曲げ部162の弾性力により、曲げ部162がもう一つの位置規制スロット142にスナップ嵌めされて、位置決めが実現される。したがって、第一ヘッドバンド14と第二ヘッドバンド15との間の相対的な長さは変化しなくなるので、頭部装着部の位置調整後に位置決めができないという問題が解決される。
【0018】
本実施例において、上記の固定接続構造は、バッフル板172上に間隔をあけて設けられたリブ175と、そのリブ175に対応させて第二ヘッドバンド15の側辺に設けられたスナップイン溝152とを含み、リブ175が、対応するスナップイン溝152内にスナップ嵌めされ、バッフル板172を第二ヘッドバンド15に固定接続する。無論、スナップイン溝をバッフル板172に設け、リブを第二ヘッドバンド15の側辺に設けて、リブを対応するスナップイン溝内にスナップ嵌めしてもよい。
【0019】
本実施例において、曲げ部162はU字状をなしており、曲げ部162の位置規制スロット142に近い側壁には、接続孔163が設けられている。バッフル板172には、接続孔163内に挿入される接続柱173が設けられており、接続柱173とバッフル板172との間に、押さえ板174がさらに設けられている。ボタン17の押圧部171が押圧されると、押さえ板174が曲げ部162を押圧し、接続柱173によりボタン17と弾性シート16の曲げ部162との接続が実現され、押圧時における歪みの発生が防止される。
【0020】
接続柱173の周囲にはU字状の保持壁176が設けられており、その対向した両側壁の外側の間の距離が、切欠き151の第二ヘッドバンド15の長手方向に沿った幅と同じであり、かつ、保持壁176の長さが、切欠き151の第二ヘッドバンド15の幅方向に沿った長さよりも大きくなっている。さらに、保持壁176の各側壁には、切欠き151内に挿入される延伸部177がそれぞれ設けられている。このような構成により、ボタン17と第二ヘッドバンド15との接続性能を向上させることができる。
【0021】
さらに、押圧部171、バッフル板172、押さえ板174、接続柱173、保持壁176及び延伸部177が一体に射出成形されている。
【0022】
本実施例において、摺動空洞141のその長手方向に沿って延びる側辺には、複数の突起が間隔を空けて設けられており、それらの突起のうちの隣接する二つの突起の間、及び、最も外側の突起とそれに隣接する摺動空洞141の側壁との間には、それぞれ、複数の位置規制スロット142のうちの一つが形成されている。
【0023】
本実施例において、摺動空洞141の長さは、長い貫通孔131の長さ以上である。これにより、長い貫通孔131の長さを十分に活用することができ、また、調整可能な長さ範囲も、長い貫通孔131の長さ範囲内に制限される。
【0024】
本実施例において、弾性シート16は、一体に曲げ成形された金属シートである。これにより、弾性シート16の加工及び製造が容易となり、生産効率を向上させることができる。
【0025】
上記したのは、あくまでも本発明の好ましい実施例であり、本発明を限定するものではない。本発明の精神及び原則内になされたいかなる補正、均等的置換及び改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0026】
11…上部シース
12…下部シース
13…溝状ブラケット
131…長い貫通孔
14…第一ヘッドバンド
141…摺動空洞
142…位置規制スロット
15…第二ヘッドバンド
151…切欠き
152…スナップイン溝
16…弾性シート
161…接続部
162…曲げ部
163…接続孔
17…ボタン
171…押圧部
172…バッフル板
173…接続柱
174…押さえ板
175…リブ
176…保持壁
177…延伸部