特許第6596172号(P6596172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6596172官能性オレフィンベースのポリマーの生成のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596172
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】官能性オレフィンベースのポリマーの生成のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 8/00 20060101AFI20191010BHJP
   C08F 2/01 20060101ALI20191010BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20191010BHJP
   B01J 19/20 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   C08F8/00
   C08F2/01
   C08F10/00 510
   B01J19/20
【請求項の数】10
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-557282(P2018-557282)
(86)(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公表番号】特表2019-502812(P2019-502812A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】US2016065802
(87)【国際公開番号】WO2017131869
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2018年7月25日
(31)【優先権主張番号】62/289,001
(32)【優先日】2016年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユ フェン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンブリー リチャード ディー
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド マイケル エフ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】メアー ジョゼフ エイ
(72)【発明者】
【氏名】イェ リチャード チェンーミン
(72)【発明者】
【氏名】グ レミン
(72)【発明者】
【氏名】シャファー ティモシー ディー
(72)【発明者】
【氏名】ライト パメラ ジェイ
【審査官】 中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/175938(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/051885(WO,A2)
【文献】 米国特許第04714747(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0071619(US,A1)
【文献】 特表2011−528053(JP,A)
【文献】 特許第6423544(JP,B2)
【文献】 特開平02−095426(JP,A)
【文献】 特表2006−519897(JP,A)
【文献】 特公昭45−008423(JP,B1)
【文献】 特表2009−511690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00−2/60,6/00−246/00
B01J 19/00−19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
官能性オレフィンベースのポリマーを生成するための合成システムであって、
(i)混合セクション、脱液化セクション、及び急冷セクションを含むオレフィンベースのポリマーを生成するための重合ゾーンであって、該重合ゾーンの前記脱液化セクションが、該セクションの第1の端部から第2の端部まで連続的に減少する定められた断面積を有する前記重合ゾーン、
(ii)混練機又は押出機を含み、前記重合ゾーンの下流にあって該重合ゾーンと流体連通する脱揮ゾーン、及び
(iii)前記脱揮ゾーンの下流にあって該脱揮ゾーンと流体連通する官能化ゾーン、を備えている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記官能化ゾーンは、
a.第1の押出機、
b.前記第1の押出機の下流にあって該第1の押出機と流体連通する第1の官能化混練機、
c.前記第1の官能化混練機の下流にあって該第1の官能化混練機と流体連通する第2の押出機、
d.前記第2の押出機の下流にあって該第2の押出機と流体連通する第2の官能化混練機、及び
e.前記第2の官能化混練機の下流にあって該第2の官能化混練機と流体連通する第3の押出機、を備えている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の押出機は、前記オレフィンベースのポリマーを圧縮して加熱するようになったスクリュー押出機であり、
前記第1の官能化混練機は、該第1の官能化混練機の中に導入されるガス状反応物を維持するようになった密封容器である、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の押出機は、前記第1の官能化混練機内の材料の容積を調整して前記第2の混練機の中への材料の流量を与えるようになった1軸スクリュー押出機である、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の官能化混練機及び前記第2の官能化混練機は、フック及び回転パドルの相互噛み合いアレイを含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記混合セクションは、ほぼ円筒形のハウジング、第1の端部に近い入口、及び反対側の第2の端部に近い出口を有し、該混合セクションは、該ハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトを含み、かつ該該回転可能シャフトから半径方向外向きに延びる少なくとも2つの剪断パドルを備えている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記混合セクションは、ほぼ円筒形のハウジング、第1の端部に近い入口、及び反対側の第2の端部に近い出口を有し、該混合セクションは、該ハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトを含み、該ハウジングは、該ハウジングに固定されて該回転可能シャフトに向けて内向きに延びる少なくとも2つの混練フックを備えている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記脱液化セクション及び前記急冷セクションは、第1の端部に近い入口及び反対側の第2の端部に近い出口を有する脱液化−急冷押出機内に収容され、該押出機は、該押出機内に軸線方向に位置決めされて複数の螺旋状フライト構成を含むシャフトアセンブリを含み、該押出機は、該複数のフライト構成によって定められる複数の処理セクションを含み、該処理セクションは、連続的に減少する断面積を有する脱液化−圧密セクション、該脱液化−圧密セクションの下流の密封セクション、該密封セクションの下流の脱揮セクション、該脱揮セクションの下流の急冷セクション、及び該急冷セクションの下流の搬送セクションを備えている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記脱液化セクションは、重合反応炉内に収容され、
前記脱液化セクションは、第2の端部よりも大きい第1の端部を有するほぼ切頭円錐形のハウジングの形態の連続的に減少する断面積を有し、該第1の端部は、該脱液化セクションへの入口及び該第2の端部に出口を構成し、該脱液化セクションは、該切頭円錐形ハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトを含み、かつ該回転可能シャフトから半径方向に延びる少なくとも1つのほぼ螺旋状のフライトを備えている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記重合ゾーンは、前記オレフィンベースのポリマーを圧縮するための圧密セクションを更に備えている、
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその開示の全体が組み込まれる2016年1月29日出願の米国特許出願第62/289,001号の利益及びそれに対する優先権を主張するものである。
【0002】
この開示は、オレフィンベースのポリマー、好ましくはオレフィン派生エラストマー(例えば、ブチルゴム)を合成し、かつバルク相でポリマーを官能化するための簡素化されたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ある一定の重合方法では、液体又はガス状モノマーは、重合生成物があまり溶けない希釈剤の存在下で重合される。その結果、固体重合生成物がポリマー粒子又は凝集体の形態で分散されたスラリが形成される。多くのこれらの方法では、希釈剤は、ポリマー凝集体から離れる熱の伝達を容易にする。
【0004】
これらの方法は技術的に有用であるが、これらの重合方法は、いくつかの課題を呈している。最初に、得られるスラリは、比較的高い粘性を有する場合があり、これは、混合及び熱伝達を抑制し、かつポリマー特性、反応炉作動性に悪影響を与える可能性があり、反応炉汚染を引き起こす場合がある。この比較的高い粘性はまた、生成されているスラリの固形成分含有量を実際に制限する。同じく、反応が希釈剤の存在下で起こるので、ポリマー及びポリマー凝集体を希釈剤から分離し、かつ最終的にポリマー生成物を脱液化して乾燥させる必要がある。
【0005】
当業者が認めるように、この種の重合は、典型的には、適度な容積の希釈剤を使用して流体条件を維持するのに混合する連続攪拌式タンク反応炉内で行われる。重合に続いて、多くの場合に有機溶媒である希釈剤は、従来の溶媒剥離技術によって除去される。例えば、溶媒は、蒸気脱溶媒化技術を使用することによって重合生成物から剥離することができ、これは、乾燥させる必要がある湿潤生成物を生成する。これらの従来の方法、並びにこれらの方法に使用する機器は、エネルギ集約型かつ高価である可能性がある。
【0006】
重合に続いて、得られるポリマー生成物を官能化することが多くの場合に望ましい。例えば、ブチルゴムのようなイソブチレンベースのエラストマーは、1又は2以上のマルチオレフィンの重合から派生する僅かな割合の不飽和を含有する。この不飽和は、一般的に、ポリマー鎖全体を通してランダムに分散される。その結果、イソブチレンベースのエラストマーの反応性及び結果的にそれらの硬化速度は、高度不飽和天然及び合成ゴムよりも実質的に小さい。イソブチレンベースのエラストマーの硬化特性を改善する努力において、イソブチレンベースのエラストマーは、ハロゲン化を通じて多くの場合に官能化される。
【0007】
オレフィンベースのポリマーに対して多くの官能化方法が提案されているが、ほとんどの商業的な方法は、オレフィンベースのポリマーを液相で官能化する。例えば、引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第3,099,644号明細書は、イソブチレンベースのエラストマーが溶液にある間のイソブチレンベースのエラストマーの臭素化のための方法を教示している。イソブチレンコポリマーの官能化は、引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,670,582号明細書にも説明されている。
【0008】
商習慣に反して、バルク相オレフィンベースのポリマーを使用する方法を通して官能性オレフィンベースのポリマーを生成する可能性が提案されている。引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,513,116号明細書及び米国特許第4,563,506号明細書は、ブチルゴムがバルク相にある間に連続流れデバイス内でブチルゴムを臭素化剤と接触させることによるブチルゴムの連続臭素化の方法を教示している。具体的には、これらの特許は、連続流れデバイスが、ブチルゴムに変形を受けさせることができる混練機、押出機、及び連続混合機を含むことができることを教示している。これらの連続流れデバイスは、ブチルゴムが臭素化剤と接触している第1の反応ゾーンと臭素化反応の副産物が臭素化ブチルゴム生成物から放出されて連続流れデバイスから除去される下流中和ゾーンとを含む複数の反応ゾーンを含むようになっている。
【0009】
オレフィンベースのポリマーを生成するための全体的方法を簡素化し、かつ得られるポリマー生成物を官能化する少なくとも1つの方法が提案されている。WO 2015/051885A2は、ブチルゴムを形成するための溶媒中のイソブチレン及びイソプレンの共重合によるハロブチルゴムの生成の方法を教示しており、溶媒は、懸濁方法に対して不溶性であり(例えば、クロロメタン)、又は溶解方法及びその後のブチルゴムのハロゲン化に対して溶解性である(例えば、イソペンタン、ペンタン、ヘキサン)場合がある。この開示によると、少なくともハロゲン化は、ハロゲン化混練機内でハロゲン化剤、特に塩素又は臭素を使用して実施しなければならない。WO 2015/051885A2は、イソブチレン及びイソプレンの共重合が共重合混練機内で行うことができることを開示している。これに代えて、イソブチレン及びイソプレンの共重合及びその後のブチルゴムのハロゲン化は、両方とも組合せ混練機内で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,099,644号明細書
【特許文献2】米国特許第5,670,582号明細書
【特許文献3】米国特許第4,513,116号明細書
【特許文献4】米国特許第4,563,506号明細書
【特許文献5】WO 2015/051885A2
【特許文献6】WO 2008/003605A1
【特許文献7】米国特許第5,506,316号明細書
【特許文献8】WO 2016/069,121
【特許文献9】PCT/US2016/041462
【特許文献10】WO 2016/175938
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、オレフィンベースのポリマーの生成のための従来のスラリ重合方法及びこれらの方法に使用する機器は、エネルギ集約的かつ高価である可能性があるので、かつこれらの重合方法から得られるポリマー生成物をポリマー生成物がバルク相に留まっている間に官能化する継続的な要求が残っているので、バルク相での得られるポリマー生成物のスラリ重合及び官能化を効率的に行うことができるシステム及び方法に対する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、オレフィンベースのポリマーの生成及びバルク相での得られるポリマー生成物の官能化のための重合、特にスラリ重合を効率的に行うことができるシステム及び方法に対する必要性を満足させる新しい統合重合及び官能化システム及び方法に関する。
【0013】
本明細書に説明するのは、官能性オレフィンベースのポリマーを生成するための合成システムであり、システムは、重合ゾーンと、重合ゾーンの下流で重合ゾーンと流体連通する脱揮ゾーンと、脱揮ゾーンの下流にあって脱揮ゾーンと流体連通する官能化ゾーンとを含む。重合ゾーンは、一般的に、少なくとも混合セクション、脱液化セクション、及び急冷セクションを含み、かつセクションの第1の端部から第2の端部まで連続的に減少する定められた断面積を有する少なくとも1つのセクションを有する。
【0014】
同じく本明細書に説明するのは、官能性オレフィンベースのポリマーを生成する方法である。本方法は、重合反応炉内で触媒の存在下で少なくとも1つのオレフィンモノマーと好ましくは少なくとも1つのコモノマーとを含むモノマー混合物を最初に重合させてオレフィンベースのポリマーを含む重合混合物を形成する段階を含む。その後に、本方法は、任意的に、重合混合物を脱液化する段階及び/又は急冷する段階、次に、オレフィンベースのポリマーの官能化する段階を含む。一般的に、オレフィンベースのポリマーを官能化する段階は、混練機反応炉内で実質的にバルク相にあるオレフィンベースのポリマーを官能化剤と反応させて官能性ポリマーと官能化反応の副産物とを生成する段階を含む。多くの場合に、モノマー混合物は、少なくとも1つのC4からC7オレフィンモノマーと、少なくとも1つの非共役脂肪族ジエン、非イソプレン共役脂肪族ジエン、芳香族ジエン、又はアリールモノマーとを含む。これ代えて又はこれに加えて、モノマー混合物は、2又は3以上のC4からC7モノオレフィンモノマーを含む場合がある。更にこれに代えて、モノマー混合物は、C3オレフィンモノマー、C2オレフィンモノマー、及び任意的に少なくとも1つのジエンモノマーを含む場合がある。
【0015】
本発明の開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲に関してより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】官能性オレフィンベースのポリマー合成システムの概略図である。
図2A】第1の重合ゾーンの断面概略図である。
図2B】第2の重合ゾーンの俯瞰斜視図である。
図2B-1】脱液化−急冷押出機の側面切り欠き斜視図である。
図3】官能化ゾーン及び官能化方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
現在説明している発明に適用可能な定義は、以下に説明する通りである。
【0018】
本明細書に使用する時の用語「エラストマー」は、一般的に、「大きい変形から回復することができ、それが煮沸溶剤中で本質的に不溶性である(しかし、膨張することができる)状態に修正することができる又は既にそうである材料」のASTM D1566定義と一致するポリマーを指す。本明細書に使用する時の用語「エラストマー」は、用語「ゴム」と同義的に使用することができる。エラストマーは、DSCによって測定することができず、又はそれをDSCによって測定することができるとしても80℃よりも低い、又は20℃よりも低い、又は0℃よりも低い融点を有することができる。エラストマーは、DSCによって測定する時に−50℃又はそれよりも低いTgを有することができる。例示的エラストマーは、ゲル浸透クロマトグラフによって決定されるように10未満、これに代えて5未満、これに代えて2.5未満の分子量分布(Mw/Mn)、200,000から2,000,000までの範囲の例示的粘性の平均分子量、及び25,000〜750,000の範囲の例示的な数の平均分子量によって特徴付けることができる。
【0019】
本明細書に使用する時の用語「マルチオレフィン」は、2又は3以上の二重結合を有するあらゆるモノマーを指す。
【0020】
本明細書に使用する時の用語「アリールモノマー」は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどのような芳香族化合物のリング構造特性を形成し、典型的には、その構造内に交互二重結合(「不飽和」)を保有する炭化水素基を含むモノマーを指す。従って、アリール基は、化学式から1又は2以上の水素をアリール及び/又はビニル基と置換することによって芳香族化合物から派生する基であり、例えば、アルキルスチレンを形成する。
【0021】
本明細書に使用する時の用語「オレフィンベースのポリマー」は、オレフィン、すなわち、オレフィンモノマー、及び任意的にそれと共に共重合可能なモノマーを含むモノマーの重合から派生するポリマーを指し、これは、オレフィンから派生する少なくとも50モル%反復単位を含む。用語「オレフィンベースのポリマー」は、用語「オレフィン派生ポリマー」と同義的に使用することができる。本発明の好ましいオレフィンベースのポリマーは、オレフィンベースのエラストマーである。便宜上、用語「ゴム」は、オレフィンベースのエラストマーを指すように本明細書では使用することができる。
【0022】
用語「イソオレフィンベースのエラストマー」は、(a)少なくとも1つのC4からC7イソオレフィンモノマー及び少なくとも1つのマルチオレフィンモノマーの重合から派生するコポリマーと、(b)C4からC7イソオレフィンモノマーの重合から派生するホモポリマーと、(c)C4からC7イソオレフィン及びアルキルスチレンの重合から派生するランダムコポリマーとを指す。
【0023】
「イソオレフィンベースのエラストマー」のタイプは、イソブチレンからの少なくとも70モル%反復単位を含むエラストマーを指す「イソブチレンベースのエラストマー」を含む。これらのポリマーは、イソブチレン派生単位のようなC4イソモノオレフィン派生単位及び少なくとも1つの他の重合可能単位のランダムコポリマーとして説明することができる。
【0024】
用語「プロピレンコポリマー」は、エラストマーであり、適度な結晶化度を有し、かつプロピレン派生単位及びエチレン、より高いαオレフィン、及び/又は任意的にジエン派生単位から派生する5〜50重量%の1又は2以上の単位を保有するランダムコポリマーを指すのに使用することができる。
【0025】
用語「エチレンコポリマー」は、エラストマーであり、適度な結晶化度を有し、かつエチレン派生単位、プロピレン、より高いαオレフィン、及び/又は任意的にはジエン派生単位から派生する5〜50重量%の1又は2以上の単位を保有するランダムコポリマーを指すのに使用することができる。
【0026】
エラストマーに対する用語「バルク相」は、103〜109Pa−secの範囲の室温においてゼロ剪断下の動粘性を有する固相内のエラストマー又は可塑化液体と混ぜたエラストマーを意味する。本発明のいずれの実施形態でも、バルク相エラストマーは、これに代えて、104〜109Pa−secの範囲の室温においてゼロ剪断下の動粘性を有することができる。用語「バルク相」はまた、溶媒及び/又は希釈剤の30重量%未満を含有するポリマー塊を指すのに使用することができる。
【0027】
用語「混練機」は、混練に適応するあらゆる手段を指すのに使用することができる。用語混練機は、限定ではないが「混練機容器」と同義的に使用することができる。
【0028】
用語「フック」は、好ましくは、湾曲又は屈曲形状で捕捉、引っ張り、又は把持に適応する材料、例えば、金属を指すのに使用することができる。
【0029】
用語「フライト」は、シャフトアセンブリの軸線方向部分の下に長手方向に延びるシャフトアセンブリに対して共通線又は角に沿ったパドル又はフックのグループ分け又はシリーズを指すのに使用することができる。
【0030】
用語「物理的に異なる成分」は、脱液化セクション又は脱液化−圧密セクション内に生じる重力に対して作用する絞り込んで圧縮する作用及び/又は搬送作用組合せによって分離することができる材料を指す。
【0031】
用語「疑似液相」は、ポリマーが(i)1rad/sよりも大きいか又はそれに等しい交差角周波数(ωc)又は(ii)1rad/s未満のωcのいずれか及び1.2x105Pa未満のプラトー弾性率(GN)を有するポリマーの流動状態を指す。
【0032】
用語「可塑化液体」は、本明細書に説明するオレフィンベースのポリマーを膨張又は軟化することができる炭化水素液体又は油を指す。可塑化液体は、望ましくは、本明細書に説明するポリマー又は官能化剤とあまり反応しない。いずれの実施形態でも、可塑化液体は、化学式Cxyを有する炭化水素液体を含むことができ、ここで、ヘキサン、イソヘキサン、ペンタン、イソペンタン、及びシクロヘキサンのようにxは5〜20、及びyは12〜42である。
【0033】
「中和剤」とも呼ばれる場合がある用語「中和化合物」は、副産物の望ましくない属性を防止又は最小にする目的のために本発明の方法からの反応副産物と反応又は相互作用する化合物を指す。例えば、中和化合物を使用して臭化水素と反応又は相互作用させることができる。例示的中和化合物は、以下に限定されないが、アルカリ及びアルカリ土類カルボン酸塩(例えば、ステアリン酸カルシウム及びナトリウム)、水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム)、酸化物(例えば、酸化マグネシウム)、エポキシド、C8からC24エポキシ化エステルのようなエポキシ化エステル、エポキシ化大豆油、及び有機酸の無機塩を含む。
【0034】
「安定剤」とも呼ばれる場合がある用語「安定化化合物」は、オレフィンベースのポリマーが受ける可能性がある望ましくない反応又は相互作用を防止又は最小にする目的のために本明細書に説明するオレフィンベースのポリマーに導入することができる化合物を指す。例えば、安定剤は、以下に限定されないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第二級芳香族アミン、ベンゾフラノン、及びヒンダードアミン系光安定剤(HALS)のようなヒンダードフェノールのような酸化防止剤を含むことができる。他の安定剤は、カルボン酸(例えば、ステアリン酸のような脂肪酸)、9.0未満のpKaを有する鉱酸及び有機酸(例えば、フェノール、クエン酸、一カリウムリン酸、及び過塩素酸)、及び酸性官能基を有するポリマー樹脂のようなあらゆる有機プロトン供与体を指すアイオノマー安定剤を含むことができる。更に他の安定剤は、WO 2008/003605A1に説明するような立体障害ニトロキシルエーテル及び立体障害ニトロキシルラジカルを含む遊離基捕捉剤を含む。
【0035】
本発明の態様は、重合ゾーン100と、重合ゾーン100の下流でライン130を通じて重合ゾーン100と流体連通する脱揮ゾーン300と、脱揮ゾーン300の下流でライン140を通じて脱揮ゾーン300と流体連通する官能化ゾーン400とを示す図1を参照して説明することができる。典型的には、モノマー及び任意的には1又は2以上のコポリマーを含むモノマー混合物ストリームは、ライン110を通じて重合ゾーン100に誘導され、触媒ストリームは、ライン120を通じて重合ゾーン100に誘導される。これに代えて、触媒ストリームのモノマー及び/又は成分は、非反応性ストリームとして混合されて導入することができる。
【0036】
モノマー混合物
重合ゾーン100に誘導されたモノマー混合物の組成は、モノマー混合物を重合することによって生成されるポリマーの望ましい構造に依存している。一般的に、生成されたポリマーは、オレフィンベースのポリマー、より好ましくは、オレフィンベースのエラストマーを含む。そのような態様では、モノマー混合物は、典型的には、少なくとも1つのオレフィンモノマーと任意的にはそれと共に共重合可能な1又は2以上のコモノマーを含む。
【0037】
好ましいオレフィンモノマーは、以下に限定されないが、モノオレフィン及びマルチオレフィンを含む。例示的モノオレフィンは、以下に限定されないが、エチレン及びプロピレンのようなノルマルオレフィン、及びイソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ブテン、2−ブテン、メチルビニルエーテル、インデン、ビニルトリメチルシラン、ヘキセン、及び4−メチル−1−ペンテンのようなイソオレフィンを含む。好ましいマルチオレフィンは、脂肪族化合物又は芳香族化合物とすることができる。例示的マルチオレフィンは、米国特許第5,506,316号明細書に開示するような以下に限定されないがイソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチル−フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ピペリレン、アロオシメン、及び他のモノマー(例えば、アルキルスチレン)を含む。
【0038】
好ましくは、生成されたオレフィンベースのエラストマーは、イソオレフィンベースのエラストマー、理想的にはイソブチレンベースのエラストマーを含む。そのような態様では、モノマー混合物は、典型的には、少なくとも1つのC4からC7オレフィンモノマー、好ましくは、C4からC7イソオレフィンモノマーを含む。多くの場合に、モノマー混合物は、少なくとも1つのC4からC7イソオレフィンモノマー及び少なくとも1つのマルチオレフィンモノマーを含む。多くの場合に、モノマー混合物は、2又は3以上のC4からC7オレフィンモノマー、好ましくは、2つのC4からC7イソオレフィンモノマー、理想的には2つのC4からC7モノオレフィンモノマーを含む。任意的には、モノマー混合物は、追加のコモノマーを含むことができる。好ましい任意的な追加のコモノマーは、以下に限定されないが、非共役脂肪族ジエン、非イソプレン共役脂肪族ジエン、芳香族ジエン、アリールモノマー、及びこれらの組合せを含む。特定の態様では、生成されたオレフィンベースのエラストマーは、少なくとも80%、又は少なくとも86.5%、又はこれに代えて95重量%までのC4からC7イソオレフィンモノマー及び約5%〜約20重量%のアルキルスチレンモノマーを含むモノマー混合物を重合することによって得られる。
【0039】
これに代えて、生成されたオレフィンベースのエラストマーは、プロピレン又はエチレンコポリマーを含む。そのような態様では、モノマー混合物は、典型的にプロピレン及び/又はエチレン、任意的にC4からC10αオレフィン、及び任意的にジエン成分を含む。好ましいC4からC10αオレフィンは、以下に限定されないが、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンを含む。好ましくは、ジエン成分は非共役である。好ましい非共役ジエン成分は、以下に限定されないが、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、エチリジエンノルボルネン(「ENB」)、ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン(「VNB」)、及びこれらの組合せを含む。
【0040】
触媒
再度図1を参照すると、1又は2以上の触媒及び/又は触媒成分が、重合ゾーン100に誘導される。選択された触媒及び/又は触媒成分は、モノマー混合物を重合することによって生成されるポリマーの望ましい構造に依存している。いずれの実施形態でも、1又は2以上の触媒及び/又は触媒成分は、サポートされ(すなわち、不均質)又は可溶性(均質性)とすることができる。適切な触媒及び触媒成分は、Ziegler−Natta触媒、理想的にはメタロセン触媒、Lewis Acid触媒、及びFriedel−Crafts触媒を含む。
【0041】
重合ゾーン
図1を続けて参照すると、モノマー混合物及び1又は2以上の触媒及び/又は触媒成分は、重合ゾーン100に移送される。好ましくは、重合ゾーン100は、スラリ重合方法において形成されるような多相組成物を有利に合成して単離するようになっている。
【0042】
一般的に、重合ゾーン100は、作動的に異なるセクションから構成される。各セクションは、正の全体正味流れで前方に重合ゾーン100の内容物を搬送するようになっているが、各セクションは、一意的に、意図する力をその中の内容物に付与し、それによって異なる目標を達成するようになっている。典型的には、作動的に異なるセクションは、モノマー混合物、触媒、ポリマー生成物、及び任意的な希釈剤が混合され、逆混合され、及び/又は混練されてオレフィンベースのポリマーを含む重合混合物を形成する混合セクションと、重合混合物の物理的に異なる成分を分離することができる脱液化セクションと、その内容物が急冷剤を導入しながら混合される急冷セクションとを含む。任意的には、重合ゾーン100は、以下に限定されないが、その内容物が圧縮力を受けることができる圧密セクション、主としてその内容物を搬送するようになった1又は2以上の搬送セクション、セクション内の材料の流れを制限してあらゆる空隙を充填し、それによって密封セクションのすぐ上流部分と他の下流部分の間にシールを生成するようになった1又は2以上の密封セクション、及び/又はその内容物を低減圧力及び/又は温度上昇に露出し、それによって脱揮セクション内で低沸点成分を気化させてこれらを他の成分から分離するようになった脱揮セクションを含む更に別のセクションを含むことができる。多くの場合に、重合ゾーン100の1又は2以上の作動的に異なるセクションは、様々な上述の機能を実施するように構成することができる。例えば、重合ゾーン100は、重合混合物の物理的に異なる成分も両方を分離すると同時にその内容物を圧縮力に露出するように構成された脱液化−圧密セクションを含むことができる。いずれの実施形態でも、重合ゾーン100は、好ましくは、セクションの第1の端部から第2の端部まで連続的に減少する定められた断面積を有する少なくとも1つのセクションを有する。
【0043】
重合ゾーン100の作動的に異なるセクションの各々は、セクションのそれぞれの機能を実施するようになったいずれかの容器又は容器の組合せに収容することができ、どの容器も1又は2以上の温度制御デバイス及び/又は1又は2以上の圧力制御デバイスを含むことができる。典型的には、重合100内の少なくとも1つの容器は、重合反応炉である。好ましくは、重合反応炉は、ハウジング及びハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトアセンブリを含む。
【0044】
好ましくは、混合セクションは、重合反応炉に収容され、かつほぼ円筒形のハウジング、第1の端部に近い入口、及び反対側の第2の端部に近い出口を有する。典型的には、混合セクションは、反応炉の回転可能シャフトから半径方向に延びる少なくとも2つの剪断パドルを含む。これ代えて又はこれに加えて、混合セクションは、混合セクションハウジングに固定されて反応炉の回転可能シャフトの方向に内向きに延びる少なくとも2つの混練フックを含むことができる。
【0045】
多くの場合に、脱液化セクション及び任意的に圧密セクションはまた、重合反応炉に収容される。典型的には、重合反応炉の脱液化セクションは、第2の端部よりも大きい第1の端部を有するほぼ切頭円錐形のハウジングを有する。好ましくは、より大きい第1の端部は、脱液化セクションへの入口を構成し、出口は、脱液化セクションの第2の端部に位置付けられる。理想的には、脱液化セクションへの入口は、混合セクションの反対側の第2の端部と同延である。典型的には、脱液化セクションは、反応炉の回転可能シャフトから半径方向に延びる少なくとも1つのほぼ螺旋状のフライトを含む。脱液化セクションが重合反応炉と共に収容される場合に、重合ゾーン100は、一般的に、反応炉の下流に材料放出装置を含む。そのような態様では、急冷セクションは、一般的に、材料放出装置に収容される。
【0046】
脱液化セクションが重合反応炉と共に収容されない場合に、重合ゾーン100は、好ましくは、反応炉の下流に位置付けられた脱液化−急冷押出機を含む。一般的に、脱液化−急冷押出機は、押出機内に軸線方向に位置決めされたハウジング及びシャフトアセンブリを含み、ここでシャフトアセンブリは、複数の螺旋状フライト構成を含む。そのような態様では、押出機は、脱液化セクション、急冷セクション、及び任意的には圧密セクションのような複数のフライト構成によって定められる複数の処理セクションを含む。任意的には、押出機の脱液化セクションはまた、圧密セクションとして機能することができる(すなわち、押出機は、組合せ脱液化−圧密セクションを含む)。
【0047】
重合ゾーン100のための2つの好ましい構成は、図2A、2B、及び2B−1に示されている。重合反応炉18とも呼ばれる場合がある反応炉18に収容された混合セクション、脱液化セクション、及び圧密セクションを含む第1の重合ゾーン、及び反応炉18の下流の材料放出装置132に収容された急冷セクションは、図2Aを参照して説明することができる。
【0048】
反応炉18は、一般的に、ハウジング22及びハウジング22内に軸線方向に位置決めされたシャフトアセンブリ24を含む。ハウジング22は、側壁42、側壁72、及び側壁82を含む。いずれの実施形態でも、シャフトアセンブリ24は回転可能にすることができ、軸受の使用によって回転に対して適切に支持することができるが、これらは示されていない。シャフトアセンブリ24は、望ましい速度でシャフト24を回転させるために適切な駆動源26に機械的に取りつけることができる。多くの場合に、シャフト24は、図2Aに示すように、単一駆動源に機械的に取りつけられ、これに代えて、シャフト24は、シャフト24の両端にある2つの異なる駆動源に機械的に取りつけられる。
【0049】
反応炉18の混合セクション30は、反応炉の内容物を混合、逆混合、及び/又は混練し、それによって反応炉の内容物と反応炉内の混合要素の間に比較的高い面接触を生成するようになっている。ハウジング22は、混合セクション30内に側壁42を含む。混合セクション30内の反応炉18の側壁42及び/又は端壁は、1又は2以上の開口部を含むことができる。例えば、図2Aに示すように、入口46が、シャフトアセンブリ24に対して半径方向の側壁42に設けられる。混合セクション30内の反応炉18の側壁42及び/又は端壁は、1又は2以上の出口を含むことができる。例えば、及び図2Aに示すように、出口48は、シャフトアセンブリ24に対して半径方向の側壁42内に設けられる。多くの場合に、出口48は、反応炉からの蒸気ストリームの除去を可能にするようになっており、それによって反応炉内の材料の蒸発冷却に備えることができる。当業者が認めるように、入口及び出口の場所は、選択に基づいて変更することができる。例えば、反応炉18の端壁内に入口又は出口(図示せず)を含むことを望ましいとすることができる。
【0050】
好ましくは、混合セクション30内の望ましい混合及び混練は、フック及びパドル混練配置によって達成される。例えば、混合セクション30は、2又は3以上の混練パドルを含むことができる。シャフトアセンブリ24は、シャフトアセンブリの軸線方向部分から半径方向に延びるパドル、例えば、パドル62の1又は2以上のフライトを含むことができる。多くの場合に、シャフトアセンブリ24は、混合セクション30内にパドルの3から10のフライト、又はこれに代えて混合セクション30内に4から8のフライトを含むことができる。いずれの実施形態でも、パドルの各フライトは、少なくとも1から100までのパドルを収容することができ、又は各フライトは1から20のパドルを収容することができ、又は各フライトは、2から10のパドルを収容することができ、又は各フライトは、2から8のパドルを収容することができる。
【0051】
いずれの実施形態でも、パドル62は、混合セクション30の側壁42に固定されたフック64と併せて作動するように構成されて配置される。好ましくは、シャフトアセンブリ24が回転すると、パドル62は、フック64に隣接して通過する。フック、例えば、フック64も、混合セクション30の軸線方向長さに沿ってフライトで配置される。フックのフライトの数は、パドルの各フライト内のパドルの数を含む様々なファクタに依存する場合がある。
【0052】
チャネル66とも呼ばれる場合がある空間66は、混合セクション30(すなわち、軸線方向部分及びパドル62)内のシャフトアセンブリ24と側壁42、並びにフック64の内径の間に存在する。好ましくは、側壁42はほぼ円筒形であり、従って、断面積(すなわち、シャフトアセンブリ24に対して横断する面積)は、混合セクション30の軸線方向長さを通して一定又は実質的に一定である。
【0053】
反応炉18の脱液化セクション32は、反応炉の内容物内の物理的に異なる成分を分離して成分のうちの1つが混合セクション30に移動又は逆流することを可能にするようになっている。例えば、固体は、脱液化セクション32内で液体から分離することができる。同様に、粘性液体は、脱液化セクション32内の低粘性液体から分離することができる。ハウジング22は、脱液化セクション32内に側壁72を含む。脱液化セクション32内のシャフトアセンブリ24は、そこから延びる螺旋状フライト102を含む。チャネル106とも呼ばれる場合がある空間106は、脱液化セクション32(すなわち、軸線方向部分及び螺旋状フライト102)内のシャフトアセンブリ24と側壁72の内径の間に存在する。多くの場合に、物理的に異なる材料の分離は、少なくとも部分的には、螺旋状フライト102の先端と側壁72の内径の間に存在する場合がある間隙によって達成することができる。いずれの実施形態でも、螺旋状フライト102は、液体の流れを混合セクション30に戻すことを可能にするように適応させることができる。
【0054】
チャネル106は、脱液化セクション32内のシャフトアセンブリ24の長さに沿ってどの点においてもその断面積(シャフトアセンブリ24の軸線方向長さに対して横断する)によって定めることができる。典型的には、脱液化セクション32の第1の端部内のチャネル106の断面積は、脱液化セクション32の第2の端部内のチャネル106の断面積よりも大きい。理想的には、チャンバ106の断面積は、セクションの第1の端部からセクションの第2の端部まで連続的に減少する。セクションの第1の端部から第2の端部までの減少率は、一定又は変動する場合がある。当業者が認めるように、重力の力と共にチャネル106の断面積のこの減少は、脱液化セクション32から混合セクション30までの液体の逆流を容易にすることになる。液体の逆流は、水平面に対する傾斜角αで反応炉18を置くことによって支援することができる。一般的にかつ図2Aに示すように、セクションの第1の端部から第2の端部までのチャンバ106の断面積の減少は、脱液化セクション32内の切頭円錐形の側壁72を使用することによって達成することができる。
【0055】
反応炉18の圧密セクション34は、このセクション内の材料を圧縮するようになっており(すなわち、セクションは圧力を生成するようになっており)、圧縮は、材料の絞り込みと同一視され、材料から液体又はガスを除去又は放出することができる。ハウジング22は、圧密セクション34内に側壁82を含む。脱液化セクション32のように、圧密セクション32内のシャフトアセンブリ24は、そこから延びる螺旋状フライト112を含むことができる。チャネル116とも呼ばれる場合がある空間116は、圧密セクション34(すなわち、軸線方向部分及び螺旋状フライト112)内のシャフトアセンブリ24と側壁82の内径の間に存在する。脱液化セクション32のように、第3のセクション34内のチャネル116は、圧密セクション34内のシャフトアセンブリ24の長さに沿ってどの点においてもその断面積(シャフトアセンブリ24の軸線方向長さに対して横断する)によって定めることができる。
【0056】
圧密セクション34内の圧縮は、いくつかの方法で達成することができる。例えば、圧密セクション34内のチャネル116の平均断面積は、脱液化セクション32内のチャネル106の平均断面積よりも小さくすることができる。圧縮はまた、圧縮34内のフライト112の相対間隔によって達成することができる。
【0057】
多くの場合に、第3のセクション34内のチャネル116の断面積は、セクションの第1の端部から第2の端部まで減少する。これに代えて、第3のセクション34内のチャネル116の断面積は、セクションの第1の端部から第2の端部まで一定又は実質的に一定である。
【0058】
材料放出装置132に収容された急冷セクション36は、急冷剤を導入しながらセクションの内容物を混合するようになっている。図2Aに示すように、材料放出装置132は、例えば、2軸スクリュー押出機とすることができる。そのような態様では、急冷セクション36内の混合は、押出混合を含む。いずれの実施形態でも、急冷剤は、ポート134を通じて材料放出装置132の中に導入することができる。
【0059】
図2Aに示す重合ゾーン構成は、引用によって本明細書に組み込まれる本出願人に譲渡されたWO 2016/069,121を参照して更に理解することができる。
【0060】
重合反応炉230と呼ばれる場合がある反応炉230に収容された混合セクション、及び反応炉230の下流で脱液化−急冷押出機260と呼ばれる場合がある押出機260に収容された組合せ脱液化−圧密セクション及び急冷セクションを含む第2の適切な重合ゾーン構成220は、図2B及び2B−1を参照して説明することができる。これらのセクションに加えて、この第2の構成の押出機260は、2つの搬送セクション、密封セクション、及び脱揮セクションを含む。図2B−1に最もよく示すように、反応炉230は、反応炉230の出口開口部232及び押出機260の入口開口部258を通じて押出機260と流体連通する。出口開口部232は、入口開口部258に直接嵌合することができる。これに代えて、出口開口部232は、適切な導管(図示せず)を通じて入口開口部258に接続することができる。この構成の結果、反応炉230内の材料は、更に処理するために押出機260に移送することができる。更に、この構成は、反応炉230と押出機260の間の材料の双方向の流れを可能にする。
【0061】
図2Bに示すように、反応炉230は、一般的に、ハウジング240及びハウジング240内に軸線方向に位置決めされたシャフトアセンブリ236を含む。ハウジング234は側壁238を含む。いずれの実施形態でも、シャフトアセンブリ236は回転可能にすることができ、図示していない軸受の使用によって回転に対して適切に支持することができる。シャフトアセンブリ236は、望ましい速度でシャフトアセンブリ236を回転するために適切な駆動源235に機械的に取りつけることができる。多くの場合に、シャフトアセンブリ236は、図2Bに示すように単一駆動源に機械的に取りつけられ、及び示していない代わりの構成でシャフトアセンブリ236は、シャフト236の両端で2つの異なる駆動源に機械的に取りつけることができる。
【0062】
反応炉230の長さ全体内に収容された混合セクション270は、反応炉230の内容物を混合、逆混合、及び/又は混練し、それによって反応炉の内容物と反応炉内の混合要素の間に比較的高い面接触を生成するようになっている。混合セクション270の側壁238及び/又は端壁は、1又は2以上の開口部を含むことができる。例えば、図2Bに示すように、入口243は、シャフトアセンブリ236に対して半径方向の側壁238に設けられる。同様に、混合セクション270の側壁238及び/又は端壁は、1又は2以上の出口を含むことができる。例えば、及び図2Bに示すように、出口245は、シャフトアセンブリ236に対して半径方向の側壁238内に設けられる。多くの場合に、出口245は、反応炉から蒸気ストリーム(ガスストリームとも呼ばれる)の除去を可能にするようになっており、それによって反応炉内の材料の蒸発冷却に備えることができる。
【0063】
好ましくは、混合セクション270内の望ましい混合、混練、及び/又は整粒は、フック及びパドル混練配置によって達成することができる。例えば、混合セクション270は、2又は3以上の混練パドルを含むことができる。シャフトアセンブリ236は、軸線方向部分、及びシャフトアセンブリの軸線方向部分から半径方向に延びるパドル248の1又は2以上のフライトを含むことができる。いずれの実施形態でも、シャフトアセンブリ236は、パドルの3から10のフライト、又はこれに代えて4から8のフライトを含むことができる。
【0064】
いずれの実施形態でも、パドル248は、側壁238に固定されたフック250と併せて作動するように構成されて配置される。典型的には、シャフトアセンブリ236が回転すると、パドル248は、フック250に隣接して通過する。フック、例えば、フック250も、反応炉230の軸線方向長さに沿ってフライトで配置される。フックのフライトの数は、パドルの各フライト内のパドルの数を含む様々なファクタに依存する場合がある。
【0065】
チャネル252とも呼ばれる場合がある空間252は、シャフトアセンブリ236(すなわち、軸線方向部分及びパドル248)と側壁238、並びにフック250の内径の間に存在する。好ましくは、側壁238はほぼ円筒形であり、従って、断面積(すなわち、シャフトアセンブリ236に対して横断する面積)は、混合セクション270の軸線方向長さを通して一定又は実質的に一定である。
【0066】
ここで脱液化−急冷押出機260に移り、ハウジング264及びシャフトアセンブリ262を含む押出機260を示す図2Bを参照されたい。ハウジング264は側壁268を含む。押出機260の側壁268及び/又は端壁は、1又は2以上の開口部を含むことができる。例えば、出口開口部277は、押出機260の端壁内に設けられる。上述のように、押出機260は、ハウジング264内に入口開口部258を含む。図示していない追加の入口も、側壁268に設けることができる。同様に、押出機260の側壁268及び/又は端壁は、1又は2以上の出口を含むことができる。例えば、出口275は、側壁268内に設けられる。多くの場合に、出口275は、押出機260からガスストリームの除去を可能にするようになっており、ガスストリームは、例えば、押出機260の少なくとも一部分のガス抜きにより開始することができる。好ましくは、側壁268はほぼ円筒形であり、従って、断面積(すなわち、シャフトアセンブリ262に対して横断する面積)は、押出機260の軸線方向長さを通して一定又は実質的に一定である。
【0067】
シャフトアセンブリ262は、コアシャフト(図示せず)によって担持されてそれによって駆動されるネジ要素(例えば、以下に説明するようなネジ要素272)を含む。いずれの実施形態でも、コアシャフト及び従ってシャフトアセンブリ262は回転可能にすることができ、図示していない軸受の使用によって回転に対して適切に支持することができる。コアシャフトは、望ましい速度でシャフトアセンブリ262を回転するために適切な駆動源261に機械的に取りつけることができる。多くの場合に、コアシャフトは、単一駆動源に機械的に取りつけられ、かつ示していない他の構成でコアシャフトは、コアシャフトの両端で2つの異なる駆動源に機械的に取りつけることができる。
【0068】
各作動的に異なるセクション内に、ネジ要素272は、1又は2以上のフライトを有する螺旋要素を含み、ここでフライトは、フライトベース278及びフライト先端279を含む。チャネル276と呼ばれる場合がある空間276は、ネジ要素272の間隙内に存在する。チャネル276は、シャフトアセンブリ262の軸に沿ってどの点においても、一般的に割り込み環帯の形態の断面積に基づいて特徴付けることができる。当業者が認めるように、断面積は、ルート直径(フライトベース278の直径によって定められる)とフライト直径(フライト先端279の直径によって定められる)とも呼ばれる場合があるクレスト直径との間の差であるチャネル深さの関数である。チャネル276はまた、それぞれのフライト先端279の間の距離であるそれぞれのチャネル(フライトピッチとも呼ばれる)の幅に基づいて特徴付けることができる。
【0069】
押出機260の第1の搬送セクション270は、押出機260の第1の壁から離れるように脱液化−圧密セクション280の方向に材料を能動的に搬送するようになっている。図2B−1に示すように、第1の圧密セクション270内のネジ要素272は、1又は2以上のフライトを有する螺旋要素を含み、ここでフライトは、フライトベース278及びフライト先端279を含む。一般的に、当業者は、第1の搬送セクション270の搬送要件がセクションの第1の端部から離れてこのセクションの第2の端部まで第1の搬送セクション270内の材料を押圧するほど十分な圧力を発生するように機能することができるフライト先端279間の比較的高い距離によって従来の設計を満足することができることを認識するであろう。
【0070】
脱液化−圧密セクション280は、押出機260の内容物内の物理的に異なる成分を分離して成分のうちの1つが入口258の方向に移動又は逆流する(液体の場合のように)ことを可能にするようになっている。従って、脱液化−圧密セクション280は、材料の双方向の流れを提供するようになっている。例えば、固体は、脱液化−圧密セクション280内で液体から分離することができる。同様に、粘性液体は、脱液化−圧密セクション280内の低粘性液体から分離することができる。
【0071】
全体的に図2B−1に示すように、チャネル276のチャネル深さは、脱液化セクション280の第1の端部から第2の端部まで減少する。好ましくは、チャネル深さの減少率は、平滑かつ連続的である。いずれの実施形態でも、減少率は、セクションの第1の端部内の環状断面積対第2の端部内の環状断面積の比に関して定めることができる。例えば、減少率は、1.2:1〜5:1という第1の端部内の断面積対第2の端部内の断面積の比によって表すことができる。
【0072】
すなわち、脱液化−圧密セクション280を通じたチャネル深さ及びフライトピッチの減少の結果、脱液化−圧密セクション280内で処理されている材料は、ネジ要素272の作動(すなわち、回転)によってセクションの第1の端部から第2の端部まで材料が移動し、従って、材料の絞り込み及び圧縮をもたらす圧力増加を受ける。液体の逆流は、水平面に対する傾斜角αに押出機260を置くことによって支援することができる。
【0073】
押出機260の密封セクション290は、このセクション内のあらゆる空隙を充填し、それによって脱液化−圧密セクション280と脱揮セクション320のような押出機260の他の下流部分の間にシールを生成するようになっている。一般的に、当業者は、密封セクション290の密封要件をこのセクション内の比較的狭いか又は小さいダムチャネルを生成することによって満足させることができ、その結果、脱液化−圧密セクション280から密封セクション290の中に搬送される材料がダムチャネル内で緊密に圧縮され、それによって脱揮セクション320のような下流部分内の材料から脱液化急冷セクション280内の材料を分離するシールを形成することになることを認めるであろう。
【0074】
押出機260の脱揮セクション320は、低圧ゾーンを提供するようになっており、低圧は、材料の逆流が密封セクション290横切って上流を流れるのを確実に防止又は抑制し、脱揮セクション320内の材料の蒸発冷却を行い、より高い蒸気圧を有するこれらの材料からより低い蒸気圧を有する材料を切り離すことができる。
【0075】
当業者が認めるように、与えられたシャフト速度では、チャネル深さ及びフライトピッチは、押出機260のあらゆるセクション内の搬送機能を決定する。特に隣接するセクション(例えば、密封セクション290及び急冷セクション340)に対する脱揮セクション320内のチャネル深さ及びフライトピッチは、押出機260のこの部分が作動して一部が充填され、それによってヘッド空間を維持することができることを保証する比較的高い搬送機能を提供する。別の言い方をすれば、脱揮セクション320は、材料を押圧するか又は搬送し、材料よりも速い速度で脱揮セクション320に給送されるように設計される。その結果、より低い蒸気圧を有する材料は、ヘッド空間の補助により高い蒸気圧を有する材料から切り離すことができる。
【0076】
脱揮セクション320は、開口部、例えば、開口部275を含むことができ、これは、上述のように、揮発性の弱い材料から切り離されたこれらの揮発性材料などの脱揮セクション320からの揮発性材料の除去を可能にする。
【0077】
急冷セクション340は、押出機260内の材料を能動的に混合し、それによって急冷セクション340にある押出機260内に導入することができる急冷剤のような添加剤の急速分散を可能にするようになっている。
【0078】
いずれの実施形態でも、活発な混合は、急冷セクション340内のチャネル276の浅い深度、並びに比較的低いフライトピッチによって提供することができ、当業者は、これが正の下流方向に材料の比較的遅い速度を提供し、それによって急冷セクション340内の混合時間を増すことになることを認めるであろう。添加剤は、入口358のような1又は2以上の入口を通じて急冷セクション340の中に導入することができる。
【0079】
急冷セクション340内での望ましい活発な混合は、上述のように達成することができるが(すなわち、浅いチャネル深度及び浅いフライトピッチ)、当業者は、複数の代わりの構成を使用して望ましい高い剪断混合を達成することができる。上記で示唆したように、急冷セクション340内の強力な混合は、押出機260内で処理されている材料と添加材料の急速及び均質混合を可能にし、一方で下流方向に十分な搬送を維持する。
【0080】
搬送セクション360は、押出機260内で処理されている材料を押出機260から外に搬送するようになっている。一般的に、当業者は、このセクションの搬送要件が押出機260内の材料を出口277から外に押圧するほど十分な圧力を発生するように機能することができる比較的高いフライトピッチによって従来の設計を満足することができることを認識するであろう。
【0081】
図2Bに示す重合ゾーン構成は、引用によって本明細書に組み込まれる2016年7月8日出願の本出願人に譲渡されたPCT出願番号PCT/US2016/041462を参照して更に理解することができる。
【0082】
重合ゾーン100に対して選択された構成に関係なく、本発明各々の合成システムを使用する官能性オレフィンベースのポリマーを生成する方法は、典型的には、最初に重合混合物を形成するようにモノマー混合物を重合する段階と、次に、重合混合物の他の成分から単離された安定したポリマー生成物を最終的に提供するように機能する一連の順次段階を重合混合物に受けさせる段階とを含む。特に、重合混合物は、一般的に、脱液化段階及び急冷段階を受ける。多くの場合に、重合混合物はまた、圧縮段階及び/又は脱揮段階を受ける。
【0083】
これらの発明的方法中に、重合反応物(例えば、モノマー混合物)、触媒及び/又は触媒成分、及び任意的に溶媒又は希釈剤は、一般的に、材料入力段階において重合反応炉に最初に装填される。これらの様々な材料は、従来の給送機器を使用して反応炉に装填することができる。反応炉の内側に入ると、反応物は、好ましくは、顆粒状態のポリマー生成物を含む重合混合物を形成するように混合段階内で反応(例えば、重合)を受けながら混合及び/又は混練される。好ましくは、重合は、溶液及びスラリ(懸濁)システムのうちの少なくとも1つにおいて行われる。そのような態様では、重合は、少なくとも1つの不活性希釈剤の存在下で行われる。好ましい不活性希釈剤は、以下に限定されないが、アルカン、クロロアルカン、シクロアルカン、芳香族化合物、HFC及びHFOを含む。多くの場合に、希釈剤は、ハロゲンと一置換又は多置換される。理想的には、希釈剤は塩化メチルである。これに代えて、重合は、バルク相で又は実質的にバルク相で希釈剤がない場合に行うことができる。
【0084】
典型的には、モノマー混合物は、約−150℃〜約100℃の範囲の温度で重合される。生成されたオレフィンベースのポリマーがイソオレフィンベースのエラストマーを含む場合に、モノマー混合物は、好ましくは、約−100℃〜約0℃の範囲、より好ましくは、約−80℃〜約−40℃、及び理想的には約−60℃〜約−50℃の範囲で重合される。生成されたオレフィンベースのポリマーがポリプロピレン又はエチレンベースのコポリマーを含む場合に、モノマー混合物は、好ましくは、約−20℃〜約175℃、より好ましくは、約−10℃〜約1500℃、及び理想的には約0℃〜約80℃の範囲で重合される。いずれの実施形態でも、モノマー混合物は、好ましくは、約0.1バール〜約100バールの範囲の圧力で重合される。
【0085】
重合混合物は、多くの場合に、重合反応炉内で更に別の処理段階を受ける。そのような態様では、重合混合物は、重合混合物の固体及び/又は粘性液体成分が少なくとも部分的に希釈剤から分離され、希釈剤を混合セクションに逆流させる反応炉内の脱液化セクションに搬送される。次に、重合生成物は、絞り込み力が、このゾーン内の重合生成物空隙及び自由空間を低減して排除し、重合生成物から希釈剤を更に追い出す反応炉内の圧密セクションに搬送することができる。次に、搬送力及び材料流れは、好ましくは、顆粒状態で反応炉からの生成物の放出を強制する。任意的には、反応炉からの生成物の放出は、下流押出機のような材料放出装置によって助けられる。いずれの実施形態でも、重合混合物は、急冷剤が材料放出装置内に課せられる急冷段階を受ける場合がある。
【0086】
これに代えて、重合混合物は、(a)ポリマーが一方向に搬送されるが希釈剤が反対方向に流れることができる双方向の流れを可能にしながらポリマー内に同伴される希釈剤をポリマーから分離させるように脱液化圧縮段階内の重合混合物を圧縮及び脱液化する段階と、(b)脱揮段階においてポリマーを低減圧力に露出し、それによってポリマー内に同伴されるあらゆる希釈剤又はモノマーの少なくとも一部分を気化させる段階と、(c)ポリマーを剪断及び混合に露出しながら急冷段階において急冷剤をポリマーに導入する段階と、(d)脱液化−急冷押出機から外にポリマーを搬送する段階とを含む順次的一連の段階に重合混合物又はその一部分を受けさせることによって脱液化−急冷押出機内で更に別の処理段階を受ける。
【0087】
材料放出装置又は脱液化−急冷押出機から放出された状態で、ポリマー生成物は、以下に説明するように、脱揮ゾーン300及び官能化ゾーン400のような下流仕上及び/又は修飾段階を更に受けるようにライン130を通じて重合ゾーン100から外に誘導される。
【0088】
脱揮ゾーン
再度図1を参照すると、オレフィンベースのポリマーを含むストリームは、典型的には、ライン130を通じて重合ゾーンから離れて脱揮ゾーン300に誘導される。一般的に、脱揮ゾーンは、その内容物を低減圧力及び/又は温度上昇に露出し、それによって脱揮ゾーン内の低沸点成分を気化させてこれらを他の成分から分離してバルク相のオレフィンベースのポリマーを生成するようになった少なくとも1つの押出機又は混練機を含む。
【0089】
官能化ゾーン
図1を続いて参照すると、バルク相のオレフィンベースのポリマーを含むストリームは、ライン310を通じて脱揮ゾーン300から離れて官能化ゾーン400に誘導される。官能化ゾーン400に対して適切な構成は、図3を参照して説明することができる。図3は、第1の押出機420と、第1の押出機420の下流で第1の押出機420と流体連通する第1の混練機440と、第1の混練機440の下流で第1の混練機440と流体連通する第2の押出機460と、第2の押出機460の下流で第2の押出機460と流体連通する第2の混練機480と、第2の混練機480の下流で第2の混練機480と流体連通する第3の押出機500とを含む官能化ゾーン400を示している。図3に示すように、官能化ゾーン400の様々な構成要素は、適切な導管を使用して相互接続される。これに代えて、構成要素のうちの2又は3以上は、互いに直接に接続することができる。これらの構成要素のいずれも、1又は2以上の温度制御デバイス及び/又は1又は2以上の圧力制御デバイスを含むことができる。
【0090】
一般的に、第1の混練機440及び第2の混練機480は、順番にバルク相オレフィンベースのポリマーを処理するようになっている。反応炉混練機440と呼ばれる場合がある第1の混練機440は、典型的には、オレフィンベースのポリマーが官能化剤と反応する反応のために反応容器として機能を果たすようになっている。副産物除去混練機480と呼ばれる場合がある第2の混練機480は、第1の混練機440で生成される官能性ポリマーを更に処理し、官能性ポリマーから反応副産物を分離するようになっている。
【0091】
上述のように、第1及び第2の混練機440及び480は、バルク相オレフィンベースのポリマーを処理する。可塑剤は、多くの場合に、オレフィンベースのポリマーの処理を助けるために追加される。これに代えて、バルク相オレフィンベースのポリマーは、可塑化液体を実質的に欠く場合があり、ここで実質的に欠くということは、本発明の実施にそれほどの影響を与えない可塑化液体のその量又はそれ未満を指す。
【0092】
第1の混練機440は、第1の押出機420によって入口442で給送することができる。典型的には、第1の押出機420の配置及び作動は、いくつかの目標を達成するように設計される。最初に、第1の押出機420は、入口442において第1の混練機440に給送する導管430の少なくとも一部分の断面積全体を占める圧縮された連続固体の塊の中に入口422を通じて押出機420に給送することができるオレフィンベースのポリマーを変換するように配置されて作動される。その結果、導管430を通じて第1の混練機440に給送されるポリマーは、入口442において第1の混練機440を密封するように機能する。更に、押出機は、オレフィンベースのポリマーを疑似液相に変換することができる。例えば、第1の押出機420を作動させて、第1の混練機440内で処理するために疑似液相にポリマーを入れるのに望ましい温度までゴムの温度を修正する。いずれの実施形態でも、温度を調節してポリマーの凝集塊を形成することができる。多くの場合に、第1の押出機420は、ポリマーの温度を約20〜約200℃、これに代えて約40〜約175℃、これに代えて約50〜約80℃の温度に調節し、選択された特定の温度は、ポリマー依存性であることになる。
【0093】
いずれの実施形態でも、第1の押出機420は、ゴムを第1の混練機440に給送するのに十分な速度で作動させることができる。多くの場合に、第1の混練機440内のゴムの滞留時間は、少なくとも2分、これに代えて少なくとも3分、これに代えて少なくとも4分、及びこれに代えて少なくとも5分である。いずれの実施形態でも、第1の混練機440内の滞留時間は、約3〜約15分、これに代えて約4〜約12分、及びこれに代えて約5〜約10分とすることができる。
【0094】
本発明の実施形態は、必ずしも第1の押出機420の構成によって制限されるとは限らない。例えば、第1の押出機420は、1軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機のようなネジ型押出機とすることができる。これに代えて、第1の押出機420は、リング押出機又はスクリューコンベヤとすることができる。更に他の実施形態では、第1の押出機420は、溶融ポンプ又は歯車ポンプを含むことができる。
【0095】
いずれの実施形態でも、第1の押出機420は、第1の押出機420内への1又は2以上の添加材料及び/又は可塑化液体の導入に使用することができる1又は2以上の入口428を含むことができる。そのような添加材料は、中和化合物、安定化化合物、又は中和及び安定化化合物の両方を含むことができる。
【0096】
上記で示唆したように、第1の混練機440は、入口442を通じてポリマーを受け入れ、出口444を通じて官能性ポリマーを放出する。いずれの実施形態でも、第1の混練機440は、任意的には、官能化剤もガスである時に搬送又は移送ガス(例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、フルオロ及びクロロカーボン、並びにヒドロフルオロ及びヒドロクロロカーボン)と共に、官能化剤を第1の混練機440の中に導入するための入口447を含むことができる。
【0097】
官能化剤は、塩素化剤又は臭素化剤のようなハロゲン化剤とすることができる。ハロゲン化剤の例は、以下に限定されないが、臭素、塩素、塩化臭素、スルフリル臭化物、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ヨードベンゼン臭化物、次亜臭素酸ナトリウム、硫黄臭化物及びN−ブロモコハク酸イミドを含む。追加の好ましい官能化剤は、無水物、アゾジカルボキシレート、トリアゾリンジオン、過酸、オゾン、アジド、及び塩化スルフェニルを含む。
【0098】
上記で考察したように、第1の混練機440はポリマーを処理するが、ポリマーは、官能化剤との反応を受ける。好ましくは、官能化剤は、バルク相及び疑似液相にあるポリマーと反応する気相反応物である。システムの適切な作動に従って官能化剤とポリマーの間の反応は、ポリマーの面で又は官能化剤がポリマーの中に浸透するか又は溶解すると起こる。いずれの実施形態でも、未反応の官能化剤、官能化反応のガス副産物、及び移送ガスも、出口449で除去することができる。これらのガスのうちの1又は2以上はまた、ガスループ(図示せず)を通じて再循環させることができる。
【0099】
いずれの実施形態でも、第1の混練機440内のポリマー及び/又は官能化ゴムの温度は、約20〜約200℃、これに代えて約40〜175℃、及びこれに代えて約50〜約80℃の温度に維持することができ、選択された特定の温度範囲は、ポリマー依存性であることになる。
【0100】
いずれの実施形態でも、第1の混練機440は、圧力増加の下で又は真空の下で作動させることができる容器を指す密封容器とすることができる。いずれの実施形態でも、第1の混練機440は、約0.5〜約10気圧(50〜1015kPa)、これに代えて約0.8〜約5気圧(80〜510kPa)、及びこれに代えて約1〜約2気圧(100〜205kPa)の圧力で作動させることができる。好ましくは、第1の混練機440内の温度及び圧力は、ガス官能化剤の技術的に有用な量が気相で維持される環境を提供するように維持される。同様に、第1の混練機440内の温度及び圧力は、典型的には、官能化反応のガス副産物の技術的に有用な量が気相で維持される環境を提供するように維持される。
【0101】
ポリマーと官能化剤の間の反応を容易にするために、第1の混練機440は、ポリマー塊を変形して未反応ポリマーを官能化剤に露出するようになっている。別の言い方をすれば、第1の混練機440内のポリマー塊は、破壊されて向け直され、それによって固体ポリマー塊の新たな面を提供し、それによって未反応ポリマーを官能化剤に露出する。
【0102】
いずれの実施形態でも、第1の混練機440内の官能化反応の処理及び促進化は、第1の混練機440内の混練要素の配置によって提供することができる。いずれの実施形態でも、第1の混練機440は、固定フック及び回転パドルを含むことができる。第1の押出機420のように、第1の混練機440は、可塑化液体又は添加化合物(例えば、安定化及び/又は中和化合物)を第1の混練機440内のポリマーに導入するのに使用することができる1又は2以上の入口441を含むことができる。
【0103】
ここでもまた、ポリマーは、第2の押出機460と流体連通する出口444を通じて第1の混練機440を出る。第2の押出機460は、いくつかの目標を達成するようになっており、かつそのように作動される。最初に、放出押出機460とも呼ばれる場合がある第2の押出機460は、第1の混練機440から放出された官能性ポリマー生成物を圧縮して蓄積し、第2の押出機460の断面積を満たし、それによって第1の混練機440の出口444にシールを提供する。以下でより詳細に説明するように、第2の混練機480は、第1の混練機440よりも低い圧力で作動する。同じく、第2の押出機460は、第1の混練機440内のポリマーの量を調節するように第1の押出機420と併せて作動する。
【0104】
第2の押出機460は、第2の混練機480と流体連通し、導管470を通じて入口482を通じて第2の混練機480に官能性ポリマー給送する。第2の押出機460は、第2の混練機480に官能性ポリマーを給送して、第2の混練機480内の官能性ポリマーの容積を望ましいレベルに維持するのに十分な速度で作動される。多くの場合に、第2の混練機480内のゴムの滞留時間は、少なくとも2分、これに代えて少なくとも3分、これに代えて少なくとも4分、及びこれに代えて少なくとも5分である。いずれの実施形態でも、第2の混練機480内の滞留時間は、約2〜15分、これに代えて約4〜12分、及びこれに代えて約5〜10分とすることができる。
【0105】
本発明の実施形態は、必ずしも第2の押出機460の構成によって制限されるとは限らない。例えば、第2の押出機460は、1軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機のようなネジ型押出機とすることができる。これに代えて、第2の押出機460は、リング押出機又はスクリューコンベヤとすることができる。更に他の実施形態では、第2の押出機460は、溶融ポンプ又は歯車ポンプを含むことができる。いずれの実施形態でも、第2の押出機460は、1又は2以上の入口465を含み、添加化合物(例えば、安定化及び/又は中和化合物)又は可塑化液体を第2の押出機460の中に導入することができる。
【0106】
多くの場合に、第2の混練機480内の官能性ポリマーの温度は、約20〜200℃、これに代えて約40〜約175℃、及びこれに代えて約50〜約80℃の温度に維持され、選択された特定の温度範囲は、ポリマー依存性であることになる。いずれの実施形態でも、第2の混練機480は、圧力増加の下で又は真空の下で作動させることができる容器を指す密封容器とすることができる。いずれの実施形態でも、第2の混練機480は、1気圧(100kPa)未満、これに代えて0.5気圧(50kPa)未満、これに代えて0.1気圧(10kPa)未満、これに代えて0.07気圧(7kPa)未満、これに代えて0.05気圧(5kPa)未満、及びこれに代えて0.03気圧(3kPa)未満の圧力で作動させることができる。いずれの実施形態でも、第2の混練機480は、約0.02〜約2気圧(2〜205kPa)、これに代えて約0.03〜約1気圧(3〜100kPa)及びこれに代えて約0.05〜約0.5気圧(5〜50kPa)の圧力で作動させることができる。好ましくは、第2の混練機480内の温度及び圧力は、官能化反応のガス副産物の技術的に有用な量が気相で維持される環境を提供するように維持される。
【0107】
いずれの実施形態でも、第2の混練機480は、官能化反応のガス副産物、並びに他の移送ガスを第2の混練機480から除去することができる出口488を含むことができる。いずれの実施形態でも、第2の混練機480はまた、窒素のような移送ガスを第2の混練機480の中に注入することができる任意的なガス入口490を含むことができる。これらの移送ガスを使用して、出口488を通じて副産ガスの除去を容易にすることができる。これらの移送ガスのうちの1又は2以上はまた、ガスループ(図示せず)通して再循環させることができる。
【0108】
上記で考察したように、第2の混練機480は、官能性ポリマー生成物から副産ガスを分離するために官能性ポリマーを処理する。当業者が認めるように、これらの副産ガスは、以下に限定されないが、臭化水素、塩化水素のようなハロゲン化水素、及びハロゲン化溶媒又は希釈剤を含むことができる。
【0109】
官能性ポリマーからの副産ガスの分離を容易にするために、第2の混練機480は、官能性ポリマー塊を変形して露出し、それによって固体官能性ポリマー塊で捕捉又は同伴されたガス状材料(例えば、システムに使用する副産ガス又は揮発可塑剤/有機物)の放出を容易にするようになっている。いずれの実施形態でも、第2の混練機480内の官能性ポリマーからの副産ガスの分離の処理及び促進化は、第2の混練機480内の混練要素の配置によって提供することができる。いずれの実施形態でも、第2の混練機480は、固定フック及び回転パドルを含むことができる。第2の混練機480は、可塑化液体又は添加化合物(例えば、安定化及び/又は中和化合物)を第2の混練機480内のポリマーに導入するのに使用することができる1又は2以上の入口494を含むことができる。
【0110】
官能性ポリマーは、第3の押出機500と流体連通する出口484を通じて第2の混練機480を出る。第3の押出機500は、いくつかの目標を達成するようになっており、かつそのように作動される。最初に、第3の押出機500は、第2の混練機480から放出された官能性ポリマー生成物を圧縮して蓄積し、それによって第3の押出機500の断面積を満たし、それによって第2の混練機480の出口484にシールを提供する。このシールはいくつかの目的を果たす。例えば、第2の混練機480は、第3の混練機500よりも低い圧力で作動する。第3の押出機500は、第2の混練機480内の官能性ポリマーの量を調節するように第2の押出機460と併せて作動する。
【0111】
本発明の実施形態は、必ずしも第3の押出機500の構成によって制限されるとは限らない。例えば、第3の押出機500は、1軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機のようなネジ型押出機とすることができる。これに代えて、第3の押出機500は、リング押出機又はスクリューコンベヤとすることができる。更に他の実施形態では、第3の押出機500は、溶融ポンプ又は歯車ポンプを含むことができる。
【0112】
いずれの実施形態でも、第3の押出機500は、添加材料(例えば、安定化及び/又は中和化合物)又は可塑化液体を第3の押出機500の中に導入するのに使用することができる1又は2以上の入口508を含むことができる。第3の押出機500はまた、第2の混練機480からのガス状材料の除去と同様にあらゆる揮発性材料の除去のための出口を含むことができる。第1及び第2の押出機420、460のように、第3の押出機500は、それが第2の混練機480から除去されて下流に送られると、官能性ポリマーの望ましい熱プロファイルを維持するように構成することができる。
【0113】
いずれの実施形態でも、第3の押出機500は、官能性ポリマーを更に下流の仕上げ工程に給送することができる。いずれの実施形態でも、下流の仕上げ段階は、当業技術で公知のタイプのペレット化、荷造り、及び包装作業を含むことができる。
【0114】
図3に示す官能化ゾーン構成は、引用によって本明細書に組み込まれる本出願人に譲渡されたWO 2016/175938を参照して更に理解することができる。
【0115】
開示する官能化システム及び方法を実施するのに、第3の押出機500から得られる官能性ポリマーは、0.05〜15重量%の官能化剤、又はこれに代えて0.1〜8重量%の官能化剤、又はこれに代えて0.5〜5重量%の官能化剤、又はこれに代えて1〜3重量%の官能化剤を含有する。オレフィンベースのポリマーがイソブチレンベースのエラストマーである場合に、官能化イソブチレンベースのエラストマーは、0.1〜10重量%のハロゲン、又はこれに代えて0.5〜5重量%のハロゲン、又はこれに代えて1〜2.5重量%のハロゲンを含むことができる。これに代えて、官能化イソブチレンベースのエラストマーは、少なくとも80%、又は少なくとも86.5重量%、又はこれに代えて95重量%までのイソブチレン派生単位、約5〜20重量%のアルキルスチレン派生単位、及び約0.5〜2.5重量%のハロゲンを含有するランダムコポリマーを含むことができる。
【0116】
特定の実施形態
段落A:官能性オレフィンベースのポリマーを生成するための合成システムは、オレフィンベースのポリマーを生成するための混合セクション、脱液化セクション、及び急冷セクションを含む重合ゾーンであって、重合ゾーンの少なくとも1つのセクションが、このセクションの第1の端部から第2の端部まで連続的に減少する定められた断面積を有する上記重合ゾーンと、混練機又は押出機を含み、上述の重合ゾーンの下流にあってこの重合ゾーンと流体連通する脱揮ゾーンと、この脱揮ゾーンの下流にあってこの脱揮ゾーンと流体連通する官能化ゾーンとを含む。
【0117】
段落B:上述の官能化ゾーンが第1の押出機と、この第1の押出機の下流にあってこの第1の押出機と流体連通する第1の混練機と、この第1の混練機の下流にあってこの第1の混練機と流体連通する第2の押出機と、この第2の押出機の下流にあってこの第2の押出機と流体連通する第2の混練機と、この第2の混練機の下流にあってこの第2の混練機と流体連通する第3の押出機とを含む段落Aのシステム。
【0118】
段落C:上述の第1の押出機がオレフィンベースのポリマーを圧縮して加熱するようになったスクリュー押出機であり、上述の第1の官能化混練機がこの第1の官能化混練機の中に導入されるガス状反応物を維持するようになった密封容器である段落Bのシステム。
【0119】
段落D:上述の第2の押出機が上述の第1の官能化混練機内の材料の容積を調整して上述の第2の混練機への材料の流量を与えるようになった1軸スクリュー押出機である段落B又はCのシステム。
【0120】
段落E:上述の第1の官能化混練機及び上述の第2の官能化混練機がフック及び回転パドルの相互噛み合いアレイを含む段落B〜Dの1又はいずれかの組合せのシステム。
【0121】
段落F:上述の第2の官能化混練機が上述の第1の官能化混練機よりも低い圧力で作動する段落B〜Eのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0122】
段落G:上述の混合セクションがほぼ円筒形のハウジング、第1の端部に近い入口、及び反対側の第2の端部に近い出口を有し、上述の混合セクションが上述のハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトを含み、かつこの回転可能シャフトから半径方向外向きに延びる少なくとも2つの剪断パドルを含む段落A〜Fのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0123】
段落H:上述の混合セクションがほぼ円筒形のハウジング、第1の端部に近い入口、及び反対側の第2の端部に近い出口を有し、上述の混合セクションが上述のハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトを含み、上述のハウジングがこのハウジングに固定されて上述の回転可能シャフトの方向に内向きに延びる少なくとも2つの混練フックを含む段落A〜Gのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0124】
段落I:上述の脱液化セクション及び上述の急冷セクションが第1の端部に近い入口及び反対側の第2の端部に近い出口を有する脱液化−急冷押出機に収容され、上述の押出機がこの押出機内に軸線方向に位置決めされて複数の螺旋状フライト構成を含むシャフトアセンブリを含み、上述の押出機が複数のフライト構成によって定められる複数の処理セクションを含み、上述の処理セクションが連続的に減少する断面積を有する脱液化−圧密セクションと、脱液化圧縮ゾーンの下流の密封セクションと、密封ゾーンの下流の脱揮ゾーンと、脱揮ゾーンの下流の急冷ゾーンと、急冷ゾーンの下流の搬送ゾーンとを含む段落A〜Hのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0125】
段落J:上述の脱液化セクションが重合反応炉に収容され、上述の脱液化セクションが第2の端部よりも大きい第1の端部を有するほぼ切頭円錐形のハウジングの形態の連続的に減少する断面積を有し、上述の第1の端部が上述の脱液化セクションへの入口及び上述の第2の端部での出口を構成し、上述の脱液化セクションが上述の切頭円錐形のハウジング内に軸線方向に位置決めされた回転可能シャフトを含み、かつ回転可能シャフトから半径方向に延びる少なくとも1つのほぼ螺旋状フライトを含む段落A〜Iのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0126】
段落K:上述の重合ゾーンがオレフィンベースのポリマーを圧縮するための搬送セクションを更に含む段落A〜Jのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0127】
段落L:上述の重合ゾーンが顆粒状態のオレフィンベースのポリマーを生成するようになっている段落A〜Kのいずれか1つ又はいずれかの組合せのシステム。
【0128】
段落M:(i)2又は3以上のC4からC7モノオレフィンモノマー又は(ii)少なくとも1つのC4からC7オレフィンモノマーのいずれか、及び少なくとも1つの非共役脂肪族ジエン、非イソプレン共役脂肪族ジエン、芳香族ジエン、又はアリールモノマーを含み、重合反応炉内の触媒又は触媒成分の存在下で重合されてオレフィンベースのポリマーを含む重合混合物を形成するモノマー混合物を重合する段階と、任意的に重合混合物を脱液化する段階及び/又は急冷する段階と、オレフィンベースのポリマーを官能化する段階であって、官能化する段階が実質的にバルク相のオレフィンベースのポリマーを第1の混練機反応炉内の官能化剤と反応させて官能性ポリマー及び官能化反応の副産物を生成する段階を含む上記官能化する段階とを含む官能性オレフィンベースのポリマーを生成する方法。
【0129】
段落N:オレフィンベースのポリマーが顆粒状態で重合反応炉を出る段落Mの方法。
【0130】
段落0:官能化がハロゲン化を含む段落M又はNの方法。
【0131】
段落P:官能化がマレイン化を含む段落M〜Oのいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法。
【0132】
段落Q:オレフィンベースのポリマーを官能化剤と反応させる上述の段階がオレフィンベースのポリマーが約20〜約200℃の温度及び約0.5〜約10気圧の圧力にある時に行われる段落M〜Pのいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法。
【0133】
段落R:オレフィンベースのポリマーが(i)1rad/sよりも大きいか又はそれに等しい交差角周波数(ωc)又は(ii)1rad/s未満のωc及び1.2x105Pa未満のプラトー弾性率(GN)を有する段落M〜Qのいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法。
【0134】
段落S:第2の混練機反応炉内での官能化反応の副産物の少なくとも一部分からの官能性ポリマーの分離を更に含む段落M〜Rのいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法。
【0135】
段落T:上述の分離する段階が約20〜約200℃の温度及び約0.02〜約2気圧の圧力で行われる段落Sの方法。
【0136】
段落U:重合が溶液及びスラリシステムのうちの少なくとも一方で行われる段落M〜Tのいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法。
【0137】
段落V:モノマー混合物、触媒、ポリマー、及び希釈剤が混練及び/又は整粒を受け、それによって重合反応炉内に重合混合物を形成する段落Uの方法。
【0138】
段落W:重合混合物が上述の官能化の前に脱液化、急冷、及び脱揮を受ける段落U又はVの方法。
【0139】
段落X:上述の脱液化する段階、上述の急冷する段階、及び上述の脱揮する段階が、重合混合物又はその一部分を(a)ポリマーが一方向に搬送され、一方で希釈剤を反対方向に流すことができる双方向の流れを可能にしながらポリマー内に同伴される希釈剤をポリマーから分離させるように重合混合物を圧縮する段階と、(b)脱液化−急冷押出機内の材料の流れを制限し、それによって脱液化−急冷押出機の上流部分と下流部分の間にシールを生成する段階と、(c)ポリマーを低減圧力に露出し、それによってポリマー内に同伴されるあらゆる希釈剤又はモノマーの少なくとも一部分を気化させる段階と、(d)ポリマーを剪断及び混合に露出しながら急冷剤をポリマーに導入する段階と、(e)脱液化−急冷押出機から外にポリマーを搬送する段階とを含む順次的な一連の段階に露出することによって脱液化−急冷押出機内で重合混合物を処理する段階を含む段落Wの方法。
【0140】
段落Y:上述の脱液化する段階が上述の重合反応炉の脱液化セクション内の希釈剤の少なくとも一部分からのポリマー生成物の分離を含み、それによってポリマーが一方向に搬送され、一方で希釈剤を反対方向に流すことができる段落Xの方法。
【0141】
段落Z:モノマー混合物が実質的にバルク相で重合される段落M〜Tのいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法。
【0142】
段落AA:重合反応炉内の触媒又は触媒成分の存在下でC3オレフィンモノマー、C2オレフィンモノマー、及び任意的に少なくとも1つのジエンモノマーを含むモノマー混合物を重合させてオレフィンベースのポリマーを含む重合混合物を形成する段階と、任意的に重合混合物を脱液化する段階及び/又は急冷する段階と、オレフィンベースのポリマーを官能化する段階であって、官能化する段階が第1の混練機反応炉内で実質的にバルク相のオレフィンベースのポリマーを官能化剤と反応させて官能性ポリマー及び官能化反応の副産物を生成する段階を含む上記官能化する段階とを含む官能性オレフィンベースのポリマーを生成する方法。
【0143】
本明細書に開示する例示的形態を詳細に説明したが、様々な他の実施形態が開示の精神及び範囲から逸脱することなく明らかであり、当業者によって容易に行うことができることは理解されるであろう。従って、本明細書に添付する特許請求の範囲は、本明細書に説明する実施例及び説明に限定されるように意図しておらず、むしろ特許請求の範囲は、本明細書の特許性かつ新規性の全ての特徴を包含するように解釈され、本発明の開示が関係する当業者によってその均等物として取扱われることになる全ての特徴を含む。
【0144】
「引用による組み込み」原理が当て嵌まる全ての行政管轄体に対して、試験方法、特許公開、特許、及び参照論文の全ては、これらの全体又はこれらを参照する関連部分のいずれかの引用によって本明細書に組み込まれる。
【0145】
多くの下限及び多くの上限が本明細書で列挙される時にあらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が考えられている。用語「comprising」は、用語「including」と同義である。同様に、組成、要素、又は成分の群が移行句「comprising」に先行される時にいつでも組成、1つの成分、又は複数の成分の列挙「から本質的に構成される」、「から構成される」、「から構成される群から選択される」、又はそれに先行「している」移行句と同じ組成又は成分の群を考えており、逆も同様であることが理解される。
図1
図2A
図2B
図2B-1】
図3