特許第6596192号(P6596192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596192
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20191010BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20191010BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 623C
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 650M
   G09G3/20 611E
   G09G3/20 660U
   G09G3/20 660V
   G02F1/133 550
【請求項の数】29
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-82679(P2014-82679)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2014-215613(P2014-215613A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0044345
(32)【優先日】2013年4月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】洪 碩 夏
(72)【発明者】
【氏名】張 大 光
(72)【発明者】
【氏名】金 炳 善
(72)【発明者】
【氏名】金 相 美
(72)【発明者】
【氏名】閔 雄 圭
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲ヒュン▼ 植
(72)【発明者】
【氏名】金 基 根
(72)【発明者】
【氏名】李 京 遠
【審査官】 越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−165118(JP,A)
【文献】 特開平04−304420(JP,A)
【文献】 特開平07−318901(JP,A)
【文献】 特開2002−116739(JP,A)
【文献】 特開2005−292793(JP,A)
【文献】 特開2006−129105(JP,A)
【文献】 特開2012−042951(JP,A)
【文献】 特開2013−037366(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/139656(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート線、データ線、及びゲート線とデータ線に接続されている薄膜トランジスタを含む複数の画素を含み、映像データによって映像を表示する表示パネルと;
前記データ線に接続されており、正のデータ電圧と負のデータ電圧を印加するデータ駆動部と;
前記ゲート線に接続されるゲート駆動部と;
前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部を制御する信号制御部と;を含み、
前記信号制御部は、前記映像データが動画を表示する場合には、動画の周波数で前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部を駆動させ、前記映像データが静止画を表示する場合には、低周波数の静止画の周波数で前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部を駆動させ、
前記信号制御部は、前記静止画を表示する場合に、前記映像データの代表値を基準として、前記薄膜トランジスタの漏洩電流について、前記正のデータ電圧が印加されるときの正の漏洩電流と、前記負のデータ電圧が印加されるときの負の漏洩電流とが互いに同一になるように制御し、
前記ゲート線の数は、前記複数の画素がゲート線に沿って配列された画素行の数よりも、一つ多く、各画素行に属する複数の画素は、向かって上方から隣接するゲート線、及び、向かって下方から隣接するゲート線に、交互に接続され、これにより、各画素行にて、奇数番目の画素と、偶数番目の画素とは、互いに異なるゲート線に接続され、
前記表示装置は第1ゲートオフ電圧及第2ゲートオフ電圧を生成するゲートオフ電圧生成部をさらに含み、このゲートオフ電圧生成部は、第1入力端が奇数番目のゲート線に接続され、第2入力端が偶数番目のゲート線に接続され、前記第1入力端と、前記第2入力端とは、同一の極性信号に対応して、前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧の一方及び他方をそれぞれゲート線へと出力し、
前記第1ゲートオフ電圧は固定された電圧レベルを有し、
前記第2ゲートオフ電圧は前記代表値に基づいて変化する電圧レベルを有する、表示装置。
【請求項2】
前記代表値は、1フレームの間に全ての前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす、請求項1に記載の表示装置。
【数1】
【請求項3】
前記代表値は、1フレームの間に当該ゲート線に接続された前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす、請求項1に記載の表示装置。
【数2】
【請求項4】
前記代表値は、各階調に対して加重値を付与した後、前記加重値と階調値とをかけた値の平均値である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記加重値は、中間階調を中心に、中間階調より高い階調の側と、中間階調より低い階調の側とで、互いに対称の値を有する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ゲートオフ電圧生成部は、前記第1ゲートオフ電圧を生成する第1部分と、前記第2ゲートオフ電圧を生成する第2部分とが区分されており、
前記第1部分及び前記第2部分は、電源電圧を抵抗で分圧して、それぞれ前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧を生成し、
前記第1部分及び前記第2部分のうちの可変するゲートオフ電圧を出力する部分にはデジタル可変抵抗が含まれている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1ゲートオフ電圧と共通電圧との間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧は、前記第2ゲートオフ電圧と前記負のデータ電圧との間の電圧差である負のソース/ゲート間の電圧と同じ値を有する、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記動画を表示するときに、前記正のソース/ゲート間の電圧と、前記負のソース/ゲート間の電圧とは、同じ値を有する、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧だけ低くする、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルには共通電圧が印加され、
前記共通電圧は、前記動画の周波数及び前記静止画の周波数によって変化する値を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1ゲートオフ電圧は、前記正のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加され、
前記第2ゲートオフ電圧は、前記負のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1ゲートオフ電圧は、前記共通電圧に基づいて変化する電圧レベルを有し、
前記第2ゲートオフ電圧は、前記代表値に基づいて変化する電圧レベルを有する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1ゲートオフ電圧と前記共通電圧との間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧は、前記第2ゲートオフ電圧と前記負のデータ電圧との間の電圧差である負のソース/ゲート間の電圧と同じ値を有する、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記正のソース/ゲート間の電圧と、前記負のソース/ゲート間の電圧とは、前記動画を表示するときにも同じ値を有する、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1ゲートオフ電圧と前記共通電圧との間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧が一定になるように変化する前記共通電圧によって前記第1ゲートオフ電圧が変化する、請求項12に記載の表示装置。
【請求項16】
前記正のソース/ゲート間の電圧は、前記動画の周波数のときと、前記静止画の周波数のときとで、互いに同一である、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧だけ低くする、請求項11に記載の表示装置。
【請求項18】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧だけ低くする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
信号制御部が外部から入力データの印加を受ける段階と、
前記信号制御部は、前記入力データが動画であるか、または静止画であるかを区分する段階と、
前記入力データが静止画である場合には、前記信号制御部が、静止画の周波数で表示パネル、ゲート駆動部、及びデータ駆動部を駆動することで静止画を表示するようにし、動画である場合には、動画の周波数で前記表示パネル、前記ゲート駆動部、及び前記データ駆動部を駆動することで動画を表示するようにする段階と、を含み、
前記静止画を表示するときには、前記ゲート駆動部は前記ゲート線に順次にゲートオン電圧を印加し、前記ゲートオン電圧が印加されない区間には第1ゲートオフ電圧及び第2ゲートオフ電圧のいずれか一つの電圧を印加し、
前記第1ゲートオフ電圧は、前記正のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加し、
前記第2ゲートオフ電圧は、前記負のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加し、
前記第2ゲートオフ電圧は、前記入力データの代表値に基づいて変化する電圧レベルを有するようにし、
前記ゲート線の数は、前記複数の画素がゲート線に沿って配列された画素行の数よりも、一つ多く、各画素行に属する複数の画素は、向かって上方から隣接するゲート線、及び、向かって下方から隣接するゲート線に、交互に接続され、これにより、各画素行にて、奇数番目の画素と、偶数番目の画素とは、互いに異なるゲート線に接続され、
前記表示装置は、前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧を生成するゲートオフ電圧生成部をさらに含み、このゲートオフ電圧生成部は、第1入力端が奇数番目のゲート線に接続され、第2入力端が偶数番目のゲート線に接続され、前記第1入力端と、前記第2入力端とは、同一の極性信号に対応して、前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧の一方及び他方をそれぞれゲート線へと出力し、
前記第1ゲートオフ電圧は固定された電圧レベルを有し、
前記第2ゲートオフ電圧は前記代表値に基づいて変化する電圧レベルを有するようにする、表示装置の駆動方法。
【請求項20】
前記信号制御部は、前記入力データが動画であるか、または静止画であるかを区分する段階では、外部からPSR信号の印加を受けて区分する、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項21】
前記代表値は、1フレームの間に全体の前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【数3】
【請求項22】
前記代表値は、1フレームの間に当該ゲート線に接続された前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【数4】
【請求項23】
前記代表値は、各階調に対して加重値を付与した後、前記加重値と前記階調とをかけた値の平均値である、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項24】
前記加重値は、中間階調を中心に、中間階調より高い階調の側と、中間階調より低い階調の側とで、互いに対称の値を有する、請求項23に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項25】
前記第1ゲートオフ電圧と共通電圧との間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧が、前記第2ゲートオフ電圧と前記負のデータ電圧間の電圧差である負のソース/ゲート間の電圧と、同じ値を有するようにする、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項26】
前記正のソース/ゲート間の電圧と、前記負のソース/ゲート間の電圧とが、前記動画を表示するときにも同じ値を有するようにする、請求項25に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項27】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧だけ低くする段階をさらに含む、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項28】
前記表示パネルには共通電圧が印加され、
前記共通電圧が、前記動画の周波数及び前記静止画の周波数によって変化する値を有するようにする、請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項29】
前記第1ゲートオフ電圧と前記共通電圧との間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧が一定になるように変化する前記共通電圧によって前記第1ゲートオフ電圧が変化するようにする、請求項28に記載の表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその駆動方法に関し、より詳しくは、消費電力を節減することができ、フリッカが視認されないようにする表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、幅広く利用されるコンピュータモニタ、テレビ、携帯電話機などには表示装置が必要である。表示装置には、陰極線管表示装置、液晶表示装置、プラズマ表示装置などがある。
【0003】
このような表示装置は表示パネル及び信号制御部を含む。信号制御部は、外部から印加された映像信号と共に、表示パネルを駆動するための制御信号を生成して、表示パネルに伝送して表示装置を駆動する。
【0004】
表示パネルが表示する映像は、大きく、静止画と動画とに区分される。表示パネルは、1秒当たり複数のフレームを示し、このとき、各フレームが有する映像データが同一であれば静止画を表示するようになる。また、各フレームが有する映像データが異なれば動画を表示するようになる。
【0005】
このとき、信号制御部は、表示パネルが動画を表示するときだけでなく、静止画を表示するときにも、グラフィック処理装置から同一の映像データが毎フレームごとに伝送されて、消費電力が多く消費されるという問題点があった。そのため、静止画の場合には、動画より低い駆動周波数で表示パネルを動作させて消費電力を減らす多様な表示装置が開発されている。しかし、低い駆動周波数で表示される映像は、漏洩電流によってフリッカが視認されて、表示品質が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、フリッカが視認されず表示品質が低下することなく、消費電力を節減することができる、表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために本発明の実施形態による表示装置は、ゲート線、データ線、及びゲート線とデータ線に接続されている薄膜トランジスタを含む複数の画素を含み、映像データによって映像を表示する表示パネルと;前記データ線に接続されており、正のデータ電圧と負のデータ電圧を印加するデータ駆動部と;前記ゲート線に接続されているゲート駆動部と;前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部を制御する信号制御部と;を含み、前記信号制御部は、前記映像データが動画を表示する場合には、動画の周波数で前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部を駆動させ、前記映像データが静止画を表示する場合には、低周波数の静止画の周波数で前記データ駆動部及び前記ゲート駆動部を駆動させ、前記信号制御部は、前記静止画を表示する場合に、前記映像データの代表値を基準として前記薄膜トランジスタの漏洩電流が、前記正のデータ電圧が印加されるときの正の漏洩電流と、前記負のデータ電圧が印加されるときの負の漏洩電流とが、互いに同一になるように制御される。
【0008】
前記代表値は、1フレームの間に全体の前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす。
【0009】
【数1】
【0010】
前記代表値は、1フレームの間に当該ゲート線に接続された前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす。
【0011】
【数2】
【0012】
前記代表値は、各階調に対して加重値を付与した後、前記加重値と前記階調とをかけた値の平均値でありうる。
【0013】
前記加重値は、中間階調を中心に、中間階調より高い階調及び中間階調より低い階調の両側が対称の値を有してもよい。
【0014】
前記ゲート駆動部は、前記ゲート線に順次にゲートオン電圧を印加し、ゲートオン電圧が印加されない区間には第1ゲートオフ電圧及び第2ゲートオフ電圧のいずれか一つの電圧を印加してもよい。
【0015】
前記表示装置は、前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧を生成するゲートオフ電圧生成部をさらに含み、前記ゲートオフ電圧生成部は、前記第1ゲートオフ電圧を生成する第1部分と、前記第2ゲートオフ電圧を生成する第2部分が区分されており、前記第1部分及び前記第2部分は電源電圧を抵抗で分圧して、それぞれ前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧を生成し、前記第1部分及び前記第2部分のうちの可変するゲートオフ電圧を出力する部分には、デジタル可変抵抗が含まれてもよい。
【0016】
前記第1ゲートオフ電圧は、前記正のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加され、前記第2ゲートオフ電圧は、前記負のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加されてもよい。
【0017】
前記第1ゲートオフ電圧は固定された電圧レベルを有し、前記第2ゲートオフ電圧は前記代表値に基づいて変化する電圧レベルを有してもよい。
【0018】
前記第1ゲートオフ電圧と共通電圧間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧は、前記第2ゲートオフ電圧と前記負のデータ電圧間の電圧差である負のソース/ゲート間の電圧と同じ値を有してもよい。
【0019】
前記動画を表示するときに、前記正のソース/ゲート間の電圧と、前記負のソース/ゲート間の電圧とは、同じ値を有してもよい。
【0020】
前記第1ゲートオフ電圧が印加されるゲート線と、前記第2ゲートオフ電圧が印加されるゲート線とは、互いに隣接してもよい。
【0021】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧ほど低くしてもよい。
【0022】
前記表示パネルには共通電圧が印加され、前記共通電圧は前記動画の周波数及び前記静止画の周波数によって変化する値を有してもよい。
【0023】
前記ゲート駆動部は、前記ゲート線に順次にゲートオン電圧を印加し、ゲートオン電圧が印加されない区間には第1ゲートオフ電圧及び第2ゲートオフ電圧のいずれか一つの電圧を印加してもよい。
【0024】
前記表示装置は、前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧を生成するゲートオフ電圧生成部をさらに含み、前記ゲートオフ電圧生成部は、前記第1ゲートオフ電圧を生成する第1部分と、前記第2ゲートオフ電圧を生成する第2部分とが区分されており、前記第1部分及び前記第2部分は、電源電圧を抵抗で分圧して、それぞれ前記第1ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧を生成し、前記第1部分及び前記第2部分のうちの可変するゲートオフ電圧を出力する部分にはデジタル可変抵抗が含まれてもよい。
【0025】
前記第1ゲートオフ電圧は、前記正のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加され、前記第2ゲートオフ電圧は、前記負のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加されてもよい。
【0026】
前記第1ゲートオフ電圧は、前記共通電圧に基づいて変化する電圧レベルを有し、前記第2ゲートオフ電圧は、前記代表値に基づいて変化する電圧レベルを有してもよい。
【0027】
前記第1ゲートオフ電圧と前記共通電圧間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧は、前記第2ゲートオフ電圧と前記負のデータ電圧間の電圧差である負のソース/ゲート間の電圧と同じ値を有してもよい。
【0028】
前記動画を表示するときに、前記正のソース/ゲート間の電圧と、前記負のソース/ゲート間の電圧とは、同じ値を有してもよい。
【0029】
前記第1ゲートオフ電圧と前記共通電圧間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧が一定になるように変化する前記共通電圧によって前記第1ゲートオフ電圧が変化してもよい。
【0030】
前記正のソース/ゲート間の電圧は、前記動画の周波数のときと前記静止画の周波数のときも互いに同一であってもよい。
【0031】
前記第1ゲートオフ電圧が印加されるゲート線と、前記第2ゲートオフ電圧が印加されるゲート線とは、互いに隣接してもよい。
【0032】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧ほど低くしてもよい。
【0033】
本発明の実施形態による表示装置の駆動方法は、信号制御部が外部から入力データの印加を受ける段階と、前記信号制御部はm前記入力データが動画であるか、または静止画であるかを区分する段階と、前記入力データが静止画である場合には、前記信号制御部が静止画の周波数で表示パネル、ゲート駆動部、及びデータ駆動部が静止画を表示するようにし、動画である場合には、動画の周波数で前記表示パネル、前記ゲート駆動部、及び前記データ駆動部が動画を表示するようにする段階と、を含み、前記静止画を表示するときには、前記ゲート駆動部は前記ゲート線に順次にゲートオン電圧を印加し、前記ゲートオン電圧が印加されない区間には第1ゲートオフ電圧及び第2ゲートオフ電圧のいずれか一つの電圧を印加し、前記第1ゲートオフ電圧は、前記正のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加し、前記第2ゲートオフ電圧は、前記負のデータ電圧が印加される画素と接続されている前記ゲート線に印加し、前記第2ゲートオフ電圧は、前記入力データの代表値に基づいて変化する電圧レベルを有するようにする。
【0034】
前記信号制御部は、前記入力データが動画であるか、または静止画であるかを区分する段階は、外部からPSR信号の印加を受けて区分してもよい。
【0035】
前記代表値は、1フレームの間に全体の前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす。
【0036】
【数3】
【0037】
前記代表値は、1フレームの間に当該ゲート線に接続された前記画素に印加される映像データの平均階調値で、下記の数学式1を満たす。
【0038】
【数4】
【0039】
前記代表値は、各階調に対して加重値を付与した後に、前記加重値と前記階調とをかけた値の平均値としてもよい。
【0040】
前記加重値は、中間階調を中心に、中間階調より高い階調及び中間階調より低い階調の両側が対称の値を有してもよい。
【0041】
前記第1ゲートオフ電圧は固定された電圧レベルを有し、前記第2ゲートオフ電圧は前記代表値に基づいて変化する電圧レベルを有するようにしてもよい。
【0042】
前記第1ゲートオフ電圧と共通電圧間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧は、前記第2ゲートオフ電圧と前記負のデータ電圧間の電圧差である負のソース/ゲート間の電圧と同じ値を有するようにしてもよい。
【0043】
前記正のソース/ゲート間の電圧と、前記負のソース/ゲート間の電圧とは、前記動画を表示するときにも同じ値を有するようにしてもよい。
【0044】
前記第1ゲートオフ電圧が印加されるゲート線と、前記第2ゲートオフ電圧が印加されるゲート線とは、互いに隣接してもよい。
【0045】
データ電圧が印加されないデータ維持区間で前記データ線に印加される電圧をキックバック電圧ほど低くする段階をさらに含んでもよい。
【0046】
前記表示パネルには共通電圧が印加され、前記共通電圧は前記動画の周波数及び前記静止画の周波数によって変化する値を有するようにしてもよい。
【0047】
前記第1ゲートオフ電圧と前記共通電圧間の電圧差である正のソース/ゲート間の電圧が一定になるように変化する前記共通電圧によって前記第1ゲートオフ電圧が変化するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、スイッチングトランジスタから発生する漏洩電流の値をデータ電圧の極性に関係なく一定に発生するようにして、極性反転のときにフリッカが視認されないようにする。その結果、低い駆動周波数を使用して表示パネルを駆動してもフリッカが視認されなくて、表示品質が向上し、消費電力を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置のブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置に印加される電圧グラフである。
図9】本発明の一実施形態によるゲート線及び画素の接続関係を示した図面である。
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置における駆動周波数による電圧関係を示した図面である。
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置内のゲートオフ電圧生成部の回路図である。
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置内のゲート駆動部の回路図である。
図13】本発明の一実施形態に係る表示装置でデータ電圧を変動させる波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0051】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0052】
以下、本発明の実施形態による表示装置について、図1を参照して詳細に説明する。
【0053】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置のブロック図である。
【0054】
本発明の一実施形態に係る表示装置100は、図1に示すように、映像を表示する表示パネル300と、表示パネル300を駆動するデータ駆動部500と、ゲート駆動部400と、データ駆動部500及びゲート駆動部400を制御する信号制御部600とを含む。また、図1では表示装置100の外部に位置するグラフィック処理部(GPU;10)も示している。
【0055】
グラフィック処理部10は、表示装置100で表示する映像に対するデータである入力データ(input data)と、当該映像が静止画であるか、または動画であるかを区分する区分信号であるPSR(panel self refresh)信号とを提供する。グラフィック処理部10の入力データ及びPSR信号の印加を受けた表示装置100は、入力データに応じた映像を表示する動作を行う。このとき、PSR信号に基づいて静止画であると判明した場合に、表示装置100は自ら既存のフレームの映像を再び表示するようにすることができる。
【0056】
以下、表示装置100の各部分について詳細に説明する。
【0057】
先ず、表示パネル300について説明する。以下で表示パネル300は液晶表示パネルを中心に説明する。しかし、本発明が適用可能な表示パネル300は、液晶表示パネル以外に有機発光表示パネル、電気泳動表示パネル、プラズマ表示パネルなどの多様な表示パネルが用いられる。
【0058】
表示パネル300は、複数のゲート線G1〜Gn+1と、複数のデータ線D1〜Dmとを含む。複数のゲート線G1〜Gn+1は図1中において横方向に延長されており、複数のデータ線D1〜Dmは、複数のゲート線G1〜Gn+1と絶縁して、交差しながら図1中において縦方向に延長されている。
【0059】
一つのゲート線G1〜Gn+1及び一つのデータ線D1〜Dmは一つの画素PXと接続されている。画素PXはマトリックス状に配列されており、一つの各画素PXは、薄膜トランジスタ、液晶キャパシタ、及び維持キャパシタを含んでもよい。薄膜トランジスタの制御端子は一つのゲート線G1〜Gn+1に接続され、薄膜トランジスタの入力端子は一つのデータ線D1〜Dmに接続され、薄膜トランジスタの出力端子は液晶キャパシタの一側端子(画素電極)及び維持キャパシタの一側端子に接続されてもよい。液晶キャパシタの他側端子は共通電極に接続され、維持キャパシタの他側端子は維持電圧Vcstの印加を受ける。実施形態によっては、薄膜トランジスタのチャネル層は非晶質シリコン、ポリシリコン、または酸化物半導体であってもよい。
【0060】
一行の画素PXは、その上及び下に位置する一対のゲート線に交互に接続されてもよい。即ち、ゲート線G1〜Gn+1のいずれか一つは、上側に位置した画素と下側に位置した画素に交互に接続された構造を有してもよい。
【0061】
このような構造によれば、一つの画素行に属する奇数番目画素と偶数番目画素は互いに異なるゲート線に接続されてもよい。このとき、データ線D1〜Dmそれぞれは一つの列に沿って位置する画素と接続される。
【0062】
ゲート線G1〜Gn+1は、画素行の数(n)より一つ多い個数を有してもよい。図1の実施形態で、第一のゲート線G1の上側には画素行が存在しなくて、下側に位置する画素行だけと交互に接続されており、n+1番目ゲート線Gn+1は、下側には画素行が存在しなくて、上側に位置する画素行だけと交互に接続されてもよい。
【0063】
信号制御部600は、外部から入力される入力データ(input data)、PSR信号 及びその制御信号、例えば、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、メインクロック信号MCLK、及びデータイネーブル信号DEなどに応答して液晶表示パネル300の動作条件に適するように処理した後、映像データDAT、ゲート制御信号CONT1、データ制御信号CONT2、及びクロック信号を生成して出力する。
【0064】
ゲート制御信号CONT1は、ゲートオン電圧Vonの出力開始を指示する垂直同期開始信号STV、及びゲートオン電圧Vonの出力時期を制御するゲートクロック信号CPVなどを含んでもよい。
【0065】
データ制御信号CONT2は、映像データDATの入力開始を指示する水平同期開始信号STH、及びデータ線D1〜Dmに当該データ電圧の印加を指示するロード信号TPなどを含んでもよい。
【0066】
信号制御部600は、ゲート制御信号CONT1とデータ制御信号CONT2を使用して、ゲート駆動部400とデータ駆動部500が表示パネル300で静止画と動画をそれぞれ静止画の周波数と動画の周波数で表示するようにする。ここで、連続する複数のフレームが同一の映像データを有していれば静止画を表示するようになり、互いに異なる映像データを有していれば動画を表示するようになる。動画であるか静止画であるかは、PSR信号によって信号制御部600が区分することができる。
【0067】
信号制御部600は、静止画を表示するときに映像を表示する静止画の周波数を、動画を表示するときに映像を表示する動画の周波数より低い低周波数(静止画の周波数)で表示するようにしてもよい。静止画の周波数は動画の周波数の2/3以下の値を有してもよく、1Hz以上の値を有してもよい。
【0068】
表示パネル300の複数のゲート線G1〜Gn+1はゲート駆動部400と接続されており、ゲート駆動部400は、信号制御部600から印加されたゲート制御信号CONT1に応じてゲートオン電圧Vonが順次に印加される。
【0069】
ゲート線G1〜Gn+1にゲートオン電圧Vonが印加されない区間にはゲートオフ電圧Voffが印加されるが、ゲートオフ電圧Voffは少なくとも二つの電圧レベルを有する。本発明の実施形態では動画を表示するとき、及び静止画のうちの正の極性のデータ電圧が印加される画素に印加される第1ゲートオフ電圧Voff1と、静止画のうちの負の極性のデータ電圧が印加される画素に印加される第2ゲートオフ電圧Voff2を含む。第1ゲートオフ電圧Voff1と第2ゲートオフ電圧Voff2はそれぞれ変化する電圧レベルを有してもよく、本発明の実施形態では第1ゲートオフ電圧Voff1は固定された電圧レベルを有し、第2ゲートオフ電圧Voff2は印加されるデータ電圧の値(代表値)によって変化する電圧レベルを有する。ここで、データ電圧の代表値は映像データDATの代表値であってもよい。
【0070】
本発明の実施形態では、第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2は静止画を表示するときに区分されて印加され、動画を表示するときは第1ゲートオフ電圧Voff1だけが印加される。しかし、実施形態によっては動画を表示するときにも第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2が区分されて印加されてもよい。
【0071】
表示パネル300の複数のデータ線D1〜Dmはデータ駆動部500と接続されており、データ駆動部500は信号制御部600からデータ制御信号CONT2及び映像データDATの伝達を受ける。データ駆動部500は、階調電圧生成部(図示せず)で生成された階調電圧を利用して映像データDATをデータ電圧に変換し、これをデータ線D1〜Dmに伝達する。データ電圧は、正の極性のデータ電圧と負の極性のデータ電圧を含む。正の極性のデータ電圧と負の極性のデータ電圧は、フレーム、行または列を基準に交互に印加されて反転駆動する。このような反転駆動は、動画の表示または静止画の表示の両方に全て適用される。
【0072】
静止画の周波数で表示される静止画は、画素の液晶キャパシタClcに一回充電された電圧が長い間維持される。即ち、静止画を表示するときには静止画の周波数で映像を表示し、静止画の周波数が動画の周波数より小さいため、画素にデータ電圧が一回印加されると、相対的に長い間データ電圧が印加されない。特に、静止画の周波数が10Hz以下の低周波である場合には、データ電圧が印加される時間(以下、データ印加区間という)は非常に短く、印加されたデータ電圧に応じた映像を維持する時間(以下、データ維持区間という)は非常に長くなる。このとき、液晶キャパシタClcと接続されているスイッチング素子の薄膜トランジスタには漏洩電流が発生する。そのため、液晶キャパシタClcの充電された電圧は、漏洩電流によって時間が経過するほど低下する。特に、静止画の場合には、データ印加区間が短い上にデータ維持区間が長いために、液晶キャパシタClcに充電された電圧の低下の幅が大きくなり、フリッカと視認されるようになる。
【0073】
動画の場合にも漏洩電流によって液晶キャパシタに充電された電圧が低下するが、動画の周波数が十分に大きくて、次のデータ電圧が液晶キャパシタClcに早く印加されるので、実際の漏洩電流による輝度変化が視認されない。その結果、本発明の一実施形態で動画を表示する場合には、第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2のいずれか一つ(第1ゲートオフ電圧Voff1)だけが用いられてもよい。
【0074】
本実施形態の内容を総合すれば、信号制御部600でPSR信号に基づいて動画を表示する場合には、1フレームの間に動画の周波数で表示パネル300が動画を表示するようにする。このとき、ゲートオン電圧は各ゲート線G1〜Gn+1に順次印加され、各ゲート線G1〜Gn+1でゲートオン電圧が印加されない区間にはゲートオフ電圧が印加される。ゲートオフ電圧としては第1ゲートオフ電圧Voff1を使用し、第1ゲートオフ電圧Voff1は固定されたレベルを有してもよい。一方、データ電圧としては正の極性の電圧と負の極性の電圧とが交互に印加される。
【0075】
一方、信号制御部600でPSR信号に基づいて静止画を表示する場合には、1フレームの間に動画の周波数より低い静止画の周波数で表示パネル300が映像を表示するようにする。このとき、各ゲート線G1〜Gn+1にはゲートオン電圧(動画を表示するときと同一のレベルを有する)が順次に印加され、一つのゲート線に接続されている複数の画素には正の極性のデータ電圧及び負の極性のデータ電圧のいずれか一つだけが印加される。正の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、負の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第2ゲートオフ電圧Voff2が印加される。第2ゲートオフ電圧Voff2は各ゲート線別に互いに異なるレベルの電圧を有してもよい。第2ゲートオフ電圧Voff2の電圧値は、画素に含まれている薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極との間の電圧(以下、GS電圧Vgsという)が、第1ゲートオフ電圧Voff1及び正の極性のデータ電圧が印加されたときと同一になるようにする電圧を有するように定められる。つまり、第2ゲートオフ電圧Voff2(ゲート電極に印加される電圧)と負の極性のデータ電圧(ソース電極に印加される電圧)との間のGS電圧Vgsと、第1ゲートオフ電圧Voff1(ゲート電極に印加される電圧)と正の極性のデータ電圧(ソース電極に印加される電圧)との間のGS電圧Vgsと、が同一となるように定められる。但し、一つのゲート線に接続された画素の数が多いので、第2ゲートオフ電圧Voff2はゲート線に接続された全ての画素に印加される映像データ(またはデータ電圧)の代表値を算出し、代表値を基準に定められる。これについては図2乃至図7で詳細に説明する。一方、データ電圧としては正の極性の電圧と負の極性の電圧がフレームを基準に交互に印加される。
【0076】
以上のような本発明の実施形態は、一つのゲート線に接続された画素に同一の極性のデータ電圧が印加される。このような画素配列構造は多様にすることができ、以下、図1の画素配列について説明する。
【0077】
図1において、一行の画素PXはその上及び下に位置する一対のゲート線に交互に接続されている。また、ゲート線G1〜Gn+1も当該ゲート線の上側に位置した画素と下側に位置した画素に交互に接続された構造を有する。図1の実施形態では、第一のゲート線G1の上側には画素行が存在しなくて、下側に位置する画素行だけと交互に接続されている。また、ゲート線G1〜Gn+1は画素行の数(n)より一つ多い個数を有する。図1を参照すれば、第一のゲート線G1は一番目画素行の奇数番目画素列に位置する画素と接続され、第2のゲート線G2は二番目画素行の奇数番目画素列及び一番目画素行の偶数番目画素列と接続されている。このとき、データ線D1〜Dmそれぞれは一つの列に沿って位置する画素と接続される。
【0078】
このように一つの画素行に属する奇数番目画素と偶数番目画素が互いに異なるゲート線に接続されている接続構造は、データ線に印加されるデータ電圧が同一の極性を有しても、表示パネル300の全体ではドット反転のように表示されるようにする長所がある。
【0079】
以下、図2乃至図7を参照して、二つのゲート電圧Voff1、Voff2が有する特徴について説明する。
【0080】
図2乃至図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置で極性による電圧関係を示した図面である。
【0081】
先ず、図2に示したように、静止画を表示する場合、隣接したゲート線は互いに異なるゲートオフ電圧を印加する。即ち、第1ゲートオフ電圧Voff1と第2ゲートオフ電圧Voff2が交互に印加される。正の極性のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、負の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第2ゲートオフ電圧Voff2が印加される。一方、ゲートオン電圧は互いに同一の電圧値を有する。
【0082】
第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2は、図3に示すような特性を有する。
【0083】
図3では、一つの画素を基準に正の極性のデータ電圧Vdata+と負の極性のデータ電圧Vdata−が印加されるときの第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2の電圧関係が示されている。
【0084】
正の極性のデータ電圧Vdata+と負の極性のデータ電圧Vdata−は、共通電圧Vcomを基準に互いに同一の電圧差を有し、図3では、正の極性のデータ電圧Vdata+と共通電圧Vcom間の電圧差はVds+に示しており、負の極性のデータ電圧Vdata−と共通電圧Vcom間の電圧差はVds−に示している。
【0085】
正の極性のデータ電圧Vdata+が印加されるときには第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、このときの薄膜トランジスタのソースとゲートの間の電圧Vgsは、図3でVgs+に示したことと同じである。また、負の極性のデータ電圧Vdata−が印加されるときには第2ゲートオフ電圧Voff2が印加されるので、薄膜トランジスタのソースとゲートの間の電圧Vgsは、図3でVgs−に示したことと同じである。
【0086】
第1ゲートオフ電圧Voff1と第2ゲートオフ電圧Voff2は、正の極性のデータ電圧が印加されるときの薄膜トランジスタのソースとゲートの間の電圧(Vgs+;以下、正のソース/ゲート間の電圧という)と、負の極性のデータ電圧が印加されるときのソースとゲートの間の電圧(Vgs−;以下、負のソース/ゲート間の電圧という)とが、互いに同じ値を有するように設定されている。本発明の実施形態では、第1ゲートオフ電圧Voff1を定められたレベルの電圧に固定させ、第2ゲートオフ電圧Voff2を画像データの値(代表値)によって変動するようにする。
【0087】
このとき、図3を参照すれば、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+は、第1ゲートオフ電圧Voff1と共通電圧Vcom間の電圧であり、負のソース/ゲート間の電圧Vgs−は、第2ゲートオフ電圧Voff2と負の極性のデータ電圧Vdata−間の電圧である。
【0088】
これは、漏洩電流を考慮するときのソース/ゲート間の電圧Vgsは、データ電圧が印加されるデータ印加区間での電圧値ではない、データ維持区間での電圧値であるためである。
【0089】
即ち、図4を参照すれば、正のデータ電圧が印加された場合と負のデータ電圧が印加された場合の漏洩電流の互いに異なる特性が示されている。
【0090】
図4の(A)に示したように正(+)のデータ電圧が印加された場合には、液晶キャパシタClc側に正の電圧が印加されているので、薄膜トランジスタにおいてソースはデータ線側になる。また、データ維持区間でデータ線に印加される電圧Vdataは共通電圧Vcom値を有し、ゲート線(図4の(A)においてはN番目(Nth)のゲート線)に印加される電圧Vgate値は第1ゲートオフ電圧Voff1を有するので、薄膜トランジスタでソース/ゲート間の電圧Vgsは、図3に示したように第1ゲートオフ電圧Voff1と共通電圧Vcom間の電圧である。
【0091】
一方、図4の(B)に示したように負(−)のデータ電圧が印加された場合には、液晶キャパシタClc側に負の電圧が印加されているので、薄膜トランジスタにおいてソースは液晶キャパシタClc側になる。また、液晶キャパシタClcに貯蔵された電圧は印加された負のデータ電圧Vdata−であり、ゲート線(図4の(B)においてはN+1番目((N+1)th)のゲート線)に印加される電圧Vgate値は第2ゲートオフ電圧Voff2を有するので、薄膜トランジスタでソース/ゲート間の電圧Vgsは、図3に示したように第2ゲートオフ電圧Voff2と負のデータ電圧Vdata−間の電圧である。
【0092】
本発明の実施形態では、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+と、負のソース/ゲート間の電圧Vgs−とが同じ値を有するように、第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2を設定する。第1ゲートオフ電圧Voff1は、一般に使用されるゲートオフ電圧値をそのまま用いることができ、第2ゲートオフ電圧Voff2値は、映像データの値(代表値)に基づいて調節し、その結果、二つのソース/ゲート間の電圧Vgsを一致させることができる。
【0093】
二つのソース/ゲート間の電圧Vgsと漏洩電流Ids間の関係は図5に示されている。
【0094】
図5のグラフにおいて、横軸はソース/ゲート間の電圧Vgsであり、縦軸は漏洩電流Idsであり、一つの薄膜トランジスタを基準に測定されたグラフである。
【0095】
図5に示されたグラフのように、ソース/ゲート間の電圧Vgsによって互いに異なる漏洩電流Idsが発生するが、正のデータ電圧が印加されるときのソース/ゲート間の電圧Vgs+と、負のデータ電圧が印加されるときのソース/ゲート間の電圧Vgs−とが、互いに異なる値を有すると、互いに異なる漏洩電流を有して、表示輝度が変化する程度の差が発生する。動画を表示する場合には、十分に高い周波数で画素に新たなデータ電圧を印加するので、漏洩電流が大きくなくて問題が視認されない。しかし、静止画を表示する場合には、低周波数で駆動されるため画素に新たなデータ電圧が印加されるまで長い時間がかかって、使用者にフリッカと視認される可能性が高い。
【0096】
図5では、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+と、負のソース/ゲート間の電圧Vgs−とが異なる場合には、漏洩電流の量も差があることを示している。つまり、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+と負のソース/ゲート間の電圧Vgs−との間にΔVgsの差がある場合には、その場合の漏洩電流にはΔIdsの差がある。
【0097】
一方、図6及び図7では、液晶キャパシタClcに充電された電圧の変化を示している。図6及び図7においては、横軸は時間であり、縦軸は液晶キャパシタClcに充電された電圧である。図6では、ゲートオフ電圧Voffとして−9Vを使用しており、図7では、ゲートオフ電圧Voffとして−11Vを使用しており、低周波数で1Hzに駆動しながら図1の実施形態による表示装置でテストした結果である。
【0098】
図6において、正のデータ電圧(正極性)が印加される場合は漏洩電流が少ないが、負のデータ電圧(負極性)が印加される場合では漏洩電流が大きいことを確認できる。つまり、図6において、正のデータ電圧(正極性)が印加される場合は、漏洩電流に起因するデータ電圧の時間的変化が小さい。一方、負のデータ電圧(負極性)が印加される場合は、漏洩電流に起因するデータ電圧の時間的変化が、正のデータ電圧(正極性)が印加される場合のデータ電圧の時間的変化に比べて大きい。また、図7において、正のデータ電圧(正極性)が印加される場合は漏洩電流が大きいが、負のデータ電圧(負極性)が印加される場合では漏洩電流が少ないことを確認できる。つまり、図7において、正のデータ電圧(正極性)が印加される場合は、漏洩電流に起因するデータ電圧の時間的変化が大きい。一方、負のデータ電圧(負極性)が印加される場合は、漏洩電流に起因するデータ電圧の時間的変化が、正のデータ電圧(正極性)が印加される場合のデータ電圧の時間的変化に比べて小さい。
【0099】
したがって、図6のゲートオフ電圧Voffを第1ゲートオフ電圧Voff1にし、図7のゲートオフ電圧Voffを第2ゲートオフ電圧Voff2にして、正のデータ電圧及び負のデータ電圧が発生する全ての場合で漏洩電流を小さくすることを示している。
【0100】
即ち、図6及び図7の場合を考慮すれば、第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2は、各極性で漏洩電流の値自体を小さくするように設定されてもよい。図6及び図7に示したような実施形態は、映像データの代表値を考慮せずに、実験によって第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2値が漏洩電流の値を一定水準以下に小さくする電圧値に設定されてもよい。
【0101】
即ち、第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2は、各極性でソース/ゲート間の電圧Vgsを同一にするか、または使用者が視認できないほどの差を有するようにするか、または各極性で漏洩電流値自体が一定水準以下(10%以下)となるように設定することができる。
【0102】
実際、ゲート線に接続されている画素は複数個が接続されているので、完全に正のソース/ゲート間の電圧Vgs+と、負のソース/ゲート間の電圧Vgs−とを一致させることが困難であるため、全体的に使用者が視認できないほどに設定することができる。
【0103】
以下、ゲート線に接続されている複数の画素に印加されるデータ電圧(または映像データ)の代表値を算出し、それを利用して第2ゲートオフ電圧Voff2を設定して、静止画の周波数で動作しても表示品質が低下しないようにする実施形態について、図8を参照して説明する。
【0104】
図8は、本発明の一実施形態に係る表示装置に印加される電圧グラフである。
【0105】
先ず、一つのゲート線に接続されている複数の画素に1フレームの間に印加されるデータ電圧の代表値を算出する。
【0106】
代表値としては多様な実施形態が適用され、中間階調値を用いるか、または平均値を用いるか、または加重値(weight)を利用して計算された値を用いてもよい。
【0107】
中間階調値は1フレームの間に全体画素に印加される映像データの中間階調値を用いるか、、1フレームの間に当該ゲート線に接続された画素に印加されるデータの中間階調値を用いるか、またはブラックとホワイトの中間階調(例えば、総64階調の場合32階調)を用いてもよい。このような実施形態では第2ゲートオフ電圧Voff2値も固定されるようになって、信号処理が簡便であるが、フリッカを補償するのが困難であるという短所がある。
【0108】
平均値は、1フレームの間に全体画素に印加されるデータの平均階調値を用いるか、1フレームの間に当該ゲート線に接続された画素に印加されるデータの平均階調値を使用してもよい。
【0109】
先ず、1フレームの間に全体画素に印加される映像データの平均値を使用することができる。このような実施形態は、代表値として使用される平均値が全体画素に対するものであるため、1フレームごとに第2ゲートオフ電圧Voff2は固定される。即ち、1フレーム別に第2ゲートオフ電圧Voff2を算出すれば十分である。但し、代表値は画面全体の特性の平均であるため、各行別の特性とは異なり、そのため実際にゲートオフ電圧が印加される当該画素行の画素の特性との差によってフリッカが視認される可能性がある。
【0110】
一方、1フレームの間に一つのゲート線に接続された画素に印加される映像データの平均値を使用することもできる。この場合にはライン(ゲート線)別に第2ゲートオフ電圧Voff2値を求めるデータ処理容量が増加し、ライン別に偏差が発生するという短所があるが、各画素行の画素特性が反映されていて、フリッカが視認される可能性が最も小さい。
【0111】
最後に、代表値を算出するとき、加重値(weight)を付与して算出することができる。
【0112】
加重値(weight)を利用して計算された値は、各階調別に加重値を付与して加重値と階調とをかけた値の平均を求めた値であり、下記の数学式1によって計算できる。
【0113】
【数5】
【0114】
上記の数学式1において、グレイ平均値は、加重値を利用して計算された代表値を示し、GrayLevelは、階調値を示し、グレイ別加重値は、各階調別に付与される加重値で、パネルの電圧に対する階調(または透過率)のグラフにおける変化率の値であってもよい。電圧に対する階調(または透過率)のグラフは、中間階調での変化率が最も大きく、加重値もそれに伴って最も大きくてもよい。また、加重値は中間階調を中心に、中間階調値よりも高い階調と中間階調値よりも低い階調との両側が対称の値を有してもよい。数学式1では256階調の場合を例として用いたが、それ以外の階調も用いられる。
【0115】
加重値に対する値の一例は、下記の表1の通りである。
【0116】
【表1】
【0117】
表1による加重値は、中間階調を中心に高階調と低階調とは対称の関係を有する。実施形態によっては、隣接した階調間の加重値の差の値が中間階調側に向かうほど大きくなる関係を有してもよい。即ち、1階調と2階調の加重値の差は0.05であるが、中間階調の128階調に近くなるほど差が大きくなってもよい。
【0118】
以上の加重値は、人が認知する階調による光の変化量を考慮した加重値であるため、これを含む代表値も人の認知能力による特性を含む。その結果、フリッカの視認特性をさらに低くすることができる。
【0119】
以上では代表値を定める多様な実施形態について説明した。各実施形態は長所と短所を有しており、表示装置の特性に基づいて一定の短所を有しても、それらのいずれか一つの実施形態が適用されて用いられてもよい。また、代表値を定める方法は、以上に説明された方法以外の多様な方法が用いられてもよい。
【0120】
以上のような多様な実施形態のいずれか一つの方式によって映像データの代表値が定められれば、当該ゲート線は代表値に対して正の極性のデータ電圧と負の極性のデータ電圧が印加されるとき、薄膜トランジスタのソース/ゲート間の電圧Vgsが互いに一定の値を有するように第2ゲートオフ電圧Voff2を設定し、これを利用して静止画を表示する。
【0121】
第2ゲートオフ電圧Voff2は、ゲート線ごとに互いに異なる値を有してもよく、1フレームごとに異なる値を有してもよい。
【0122】
図8では、互いに異なるフレームで第2ゲートオフ電圧Voff2が変化するのが示されている。
【0123】
図8に示したように、本実施形態では第1ゲートオフ電圧Voff1は一般に使用されるゲートオフ電圧値を使用して固定されており、共通電圧Vcomも一定の値を有するので、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+は毎フレームごとに同じ値を有する。
【0124】
これに反し、負のソース/ゲート間の電圧Vgs−は、第2ゲートオフ電圧Voff2と負のデータ電圧Vdata−間の電圧であるため、毎フレームごとにまたは行ごとに変化する値を有してもよい。
【0125】
図8に示している負のデータ電圧Vdata−は、1フレームに対する映像データの代表値を示し、代表値による負のデータ電圧Vdata−が変化することによって第2ゲートオフ電圧Voff2も変化するようにして、二つの極性におけるソース/ゲート間の電圧Vgsを一定化するように第2ゲートオフ電圧Voff2を設定して駆動する。図8で正のデータ電圧Vdata+も1フレームに対する映像データの代表値を示す。この代表値もフレームによって変化してもよいが、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+と関係なくて変動しない場合を例示した。
【0126】
一方、実施形態によっては、ゲート線と画素の接続関係は図1と異なる接続関係を有することもできる。
【0127】
そのうちの一例が図9に示されている。
【0128】
図9は、本発明の一実施形態によるゲート線及び画素の接続関係を示した図面である。
【0129】
図9では、図1と異なって一つのゲート線と一つの行の画素が互いに接続されている構造を有する。一つのゲート線に接続されている一つの行の画素には同一の極性のデータ電圧が印加されるので、図9に示したように行反転方式でデータ電圧が印加される。このとき、正のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には第1ゲートオフ電圧Voff1が印加される。また、負のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には第2ゲートオフ電圧Voff2が印加される。
【0130】
図9に示した通りの構造では画素行の数とゲート線の数が同一であってもよい。
【0131】
以下、図10乃至図12を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。
【0132】
先ず、図10を参照して、共通電圧Vcomが駆動周波数(動画の周波数、静止画の周波数)によって変動する実施形態について説明する。
【0133】
図10は、本発明の一実施形態に係る表示装置における駆動周波数による電圧関係を示した図面である。
【0134】
図10では、N番目フレームでは動画の周波数(normal(60hz)で示されている場合)で駆動し、N+1番目フレームからは静止画の周波数(low frequencyに示されている場合)で駆動するようになるタイミング図が示されている。
【0135】
図10の実施形態は、表示装置の共通電圧Vcomが駆動周波数によって変動するという点が特徴であり、動画の周波数のときより静止画の周波数のときに共通電圧が落ちるのが示されている。
【0136】
しかし、共通電圧Vcomが変化すると、それによって第1ゲートオフ電圧Voff1も変化するようにして、正のソース/ゲート間の電圧Vgs+を変動させる。その結果、静止画の周波数で静止画を表示するときにも、負のソース/ゲート間の電圧Vgs−と正のソース/ゲート間の電圧Vgs+とは一定の値を有するようにする。
【0137】
一方、図10の実施形態では、動画の周波数のときのソース/ゲート間の電圧Vgsが、静止画の周波数のときのソース/ゲート間の電圧Vgsとも同一になるように設定されている。動画の周波数のときにはデータ電圧が度々印加されるので、漏洩電流による表示品質の欠陥が使用者に視認されない可能性があるが、図10の場合には一例として、互いに一致させる実施形態も用いられることを示している。
【0138】
図10に示したように、共通電圧Vcomが変動する場合には第1ゲートオフ電圧Voff1の値が変化する。一方、第2ゲートオフ電圧Voff2は、図10に示されたこととは異なって代表値によって変更されてもよい。
【0139】
本発明の実施形態によってゲートオフ電圧Voffを変動させるゲートオフ電圧生成部の構造については、図11に示されている。
【0140】
図11は、本発明の一実施形態に係る表示装置内のゲートオフ電圧生成部の回路図である。
【0141】
図11では、信号制御部600の制御によって可変抵抗を利用してゲートオフ電圧Voffを変動させる構造が示されている。
【0142】
ゲート電圧生成部450は、信号制御部600の制御によってゲートオン電圧及びゲートオフ電圧を生成する。本発明の実施形態によるゲート電圧生成部450は、一つのゲートオン電圧と二つのゲートオフ電圧を生成し、少なくとも一つのゲートオフ電圧の電圧レベルは、ゲート線ごとに変動して互いに異なる電圧レベルを有してもよい。
【0143】
本発明の実施形態では、ゲート電圧生成部450と信号制御部600はI2C通信規格によって接続されており、I2C通信規格によって制御信号の印加を受け、制御信号によってゲートオン電圧及び二つのゲートオフ電圧Voff1、Voff2を生成する。信号制御部600は、二つのゲートオフ電圧Voff1、Voff2のうちの少なくとも一つを変更するために、共通電圧Vocmの電圧値または映像データの代表値を考慮し、これによって変更させることができる。
【0144】
ゲート電圧生成部450が二つのゲートオフ電圧Voff1、Voff2を生成する構造については、図11に詳細に示されている。
【0145】
ゲートオフ電圧の電圧レベルは、電源電圧AVDDの電圧レベルを抵抗で分圧して決定される。即ち、デジタル可変抵抗(DVR;digital variable resistor)と抵抗ストリングRSによって一端を基準として抵抗が分れ、分れた抵抗にかかる電圧で電源電圧AVDDが分圧される。分圧された電源電圧AVDDは、一対のダイオードを通ってゲート電圧生成部450から出力されてゲート駆動部400に伝達される。ここで、デジタル可変抵抗DVRの値は、信号制御部600の制御によって抵抗値が変化し、それに基づいて出力されるゲートオフ電圧が変化して出力される。デジタル可変抵抗DVRの値は、信号制御部600の内側または外側に位置するルックアップテーブルLUTに保存されていてもよい。即ち、共通電圧Vocmの電圧値または映像データの代表値を考慮し、それによってルックアップテーブルLUTでデジタル可変抵抗DVRの値を選択して適用させることができる。
【0146】
図11では、第1ゲートオフ電圧Voff1と第2ゲートオフ電圧Voff2が生成されるルート上に全てデジタル可変抵抗DVRを含んでいて、二つのゲートオフ電圧のレベルが全て変化可能である。しかし、実施形態によって一つのゲートオフ電圧だけが変化する場合には、変化しないゲートオフ電圧側にはデジタル可変抵抗DVRが含まれていなくてもよい。また、各ゲートオフ電圧は、スイッチSW信号によってゲートオフ電圧が出力されるか、または出力されないように調節されてもよい。スイッチSW信号も信号制御部600の制御によって印加されてもよい。
【0147】
以下、図12を参照して、ゲート駆動部400に印加された二つのゲートオフ電圧が各ゲート線に印加される詳細構造について説明する。
【0148】
図12は、本発明の一実施形態に係る表示装置内のゲート駆動部の回路図である。
【0149】
ゲート電圧生成部450から印加された第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2は、ゲート駆動部400の一対の入力端420、421に入力される。ここで、第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2のうちの少なくとも一つは、フレーム別または行別に変化する電圧値を有してもよい。
【0150】
入力端420、421は極性信号POLの印加も受け、極性信号POLによって入力端420、421が第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2のいずれか一つのゲートオフ電圧を出力するようにする。ここで、入力端420、421はマルチプレクサ(multiplexer)に形成されてもよい。
【0151】
ここで、極性信号POLは、1フレームごとに変化する信号であってもよく、一番目の画素または画素行のデータ電圧の極性を示す信号であってもよい。
【0152】
本実施形態において、第1入力端420は、極性信号POLが正である場合には第1ゲートオフ電圧Voff1が出力されるようにし、極性信号POLが負である場合には第2ゲートオフ電圧Voff2が出力されるようにする。また、第2入力端421は、極性信号POLが正である場合には第1ゲートオフ電圧Voff1が出力されるようにし、極性信号POLが負である場合には第2ゲートオフ電圧Voff2が出力されるようにする。
【0153】
これによって、極性信号POLが正である場合には、第1のゲート線には第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、第2のゲート線には第2ゲートオフ電圧Voff2が印加される。
【0154】
その結果、正の極性のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、負の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第2ゲートオフ電圧Voff2が印加されるようにしてもよい。
【0155】
一方、ゲート駆動部400は複数のステージ410を含み、各ステージ410は、クロック信号CPVと開始同期信号STV、または前段ゲート線のゲートオン電圧によって順次にゲートオン電圧を各ゲート線に出力する。ゲートオン電圧が出力されない区間には第1ゲートオフ電圧Voff1及び第2ゲートオフ電圧Voff2が交互に印加される。
【0156】
以上のように、低周波数の静止画の周波数で駆動されるとき、画素に含まれているスイッチング素子の薄膜トランジスタの漏洩電流を一定にするために、正の極性のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、負の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第2ゲートオフ電圧Voff2が印加されるようにする。
【0157】
一方、動画の周波数で駆動されるときにも、正の極性のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、負の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第2ゲートオフ電圧Voff2が印加されるようにしてもよい。
【0158】
以下、画素に含まれているスイッチング素子である薄膜トランジスタの漏洩電流を一定にするために、薄膜トランジスタのソースとドレインの間の電圧Vdsを正の極性のデータ電圧が印加されるときと、負の極性のデータ電圧が印加されるときを、同一にする実施形態について、図13を参照して説明する。
【0159】
図13は、本発明の一実施形態に係る表示装置でデータ電圧を変動させる波形図である。
【0160】
画素に含まれているスイッチング素子の薄膜トランジスタのソース側とドレイン側の電圧差によっても漏洩電流の大きさが変化する。正のデータ電圧が印加されるときと負のデータ電圧が印加されるときのソースとドレインの間の電圧Vdsの大きさが異なると、漏洩電流の大きさが異なるようになる。動画の周波数で動画を表示するときには漏洩電流の差によってフリッカが視認されないが、低周波数の静止画の周波数で静止画を表示する場合にはフリッカが視認される。
【0161】
静止画の周波数でフリッカが視認される場合について、図13の(A)を参照して説明する。図13の(A)では、一つのデータ線に接続されている画素に充電された電圧の大きさの変化を示しており、同一の階調を表示するときに正のデータ電圧または負のデータ電圧が印加された場合を共通電圧Vcomの上下にそれぞれ示している。ここで、Vpixel+は、正のデータ電圧が充電された画素電極の電圧を示し、Vpixel−は、負のデータ電圧が充電された画素電極の電圧を示す。
【0162】
図13の(A)を見ると、薄膜トランジスタのソースとドレインの間の電圧Vdsは、正の極性のとき(Vds+)と負の極性のとき(Vds−)とが互いに異なる値を有する。これは、データ電圧が画素に印加されるアクティブ区間(active period;データ印加区間)が終了するとき、ゲートオン電圧がゲートオフ電圧(第1または第2ゲートオフ電圧)に落ちながら、画素電極に充電されている電圧も落ちる。このように落ちた電圧をキックバック電圧という。このとき、データ線は、データ電圧が印加されない維持区間でフローティング状態にされるか、または共通電圧Vcomに準ずる電圧レベルを有する。正のデータ電圧が充電された画素電極の電圧(Vpixel+)も下方に落ち、負のデータ電圧が充電された画素電極の電圧(Vpixel−)も下方に落ちるので、図13の(A)に示したように電圧が印加されないデータ線(共通電圧の電圧レベルを有する)と画素電極間の電圧差(薄膜トランジスタのソースとドレインの間の電圧Vds)は、極性によって非常に大きい差を現す。その結果、漏洩電流の大きさが異なるようになり、低周波数の静止画の周波数で映像を表示する場合には、フリッカが使用者に視認され得る。
【0163】
そのため、本発明の一実施形態では、図13の(B)に示したように、データ線にデータ電圧が印加されないブランク区間(blank period;データ維持区間)では、データ線の電圧を共通電圧Vcomからキックバック電圧ほど低くして、正の極性での薄膜トランジスタのソースとドレインの間の電圧Vds+と、負の極性での薄膜トランジスタのソースとドレインの間の電圧Vds−とが、互いに一致するようにする。
【0164】
その結果、両極性での漏洩電流が同一になって、互いにフリッカと視認されないことができる。
【0165】
図13の実施形態は、図1乃至図3及び図8乃至図12の実施形態と共に適用されることもできる。
【0166】
即ち、図13の実施形態のように、データ線にデータ電圧が印加されないブランク区間(blank period)には、データ線の電圧を共通電圧Vcomからキックバック電圧ほど低くするだけでなく、図3図8及び図10に示したように正の極性のデータ電圧が印加される画素と接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第1ゲートオフ電圧Voff1が印加され、負の極性のデータ電圧が印加される画素が接続されているゲート線には、ゲートオン電圧が印加されない区間に第2ゲートオフ電圧Voff2が印加されるようにしてもよい。
【0167】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0168】
10 グラフィック処理部
100 表示装置
300 表示パネル
400 ゲート駆動部
410 ステージ
420、421 入力端
450 ゲート電圧生成部
500 データ駆動部
600 信号制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13