(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオンを含有してなる金属イオン含有セルロース繊維と、パルプ繊維と、を繊維全体に対して合計50質量%を超えて含む水解紙ワイパーであって、
炭素数1〜3の1価アルコールの配合率が10質量%未満である洗浄液を含む水解紙ワイパー。
さらにカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、及びポリビニルアルコールの群から選ばれる一種以上からなる水溶性バインダーを含む請求項1記載の水解紙ワイパー。
さらに、水溶性Ca塩、水溶性Mg塩、水溶性Zn塩、及びホウ酸の群から選ばれる1種類以上のバインダー不溶化剤を含有する請求項1又は2に記載の水解紙ワイパー。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る水解紙ワイパーは、表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオンを含有してなる金属イオン含有セルロース繊維と、パルプ繊維と、を繊維全体に対して合計50質量%を超えて含み、炭素数1〜3の1価アルコールの配合率が10質量%未満である洗浄液を含む。
【0011】
この金属イオン含有セルロース繊維は、セルロース繊維表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を導入した酸化セルロース繊維に対し、金属化合物水溶液を接触させることによって得ることができる。また、本発明の実施形態に係る水解紙ワイパーの製造方法としては、酸化セルロース繊維を含む原料を抄造したシートに上記金属化合物水溶液を接触させる方法の他、予め酸化セルロース繊維に金属イオンを含有させ、この金属イオン含有セルロース繊維を含む原料を抄造する方法を例示することできる。
【0012】
上記酸化セルロース繊維は、N−オキシル化合物を触媒に用いて木材パルプなどのセルロース繊維を酸化することにより製造できる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にカルボキシル基またはカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維が得られる。原料のセルロースは天然セルロースが好ましい。上記酸化反応は、水中で行うことが好ましい。反応におけるセルロース繊維の濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。N−オキシル化合物の量は、反応系に対し0.1〜4mmol/L程度であればよい。反応には公知の共酸化剤を用いてもよい。共酸化剤の例には、ジ亜ハロゲン酸またはその塩が含まれる。共酸化剤の量は、N−オキシル化合物1molに対して1〜40molが好ましい。
反応温度は4〜40℃が好ましく、室温がより好ましい。反応系のpHは8〜11が好ましい。酸化の度合いは、反応時間、N−オキシル化合物の量等により適宜調整できる。
このようにして得た酸化セルロース繊維は、表面に酸基が存在し、内部にはほとんど酸基は存在しない。これはセルロース繊維が結晶性であるため、酸化剤が繊維の内部にまで拡散しにくいためと考えられる。
【0013】
カルボキシル基とは−COOHで表される基をいい、カルボキシレート基とは−COO−で表される基をいう。酸化セルロース繊維を製造する際のカルボキシレート基のカウンターイオンは特に限定されない。そして、後述する金属のイオンが上記カウンターイオンと置き換わってカルボキシレート基とイオン結合する。また、カルボキシル基は金属イオンとして銅イオンと配位すると思われる。カルボキシル基またはカルボキシレート基を合わせて「酸基」ともいう。
酸基の含有量は、特開2008−001728号公報の段落0021に開示されている方法によって測定できる。すなわち、精秤した乾燥セルロース試料を用いて0.5〜1質量%のスラリー60mLを調製し、0.1mol/Lの塩酸水溶液によってpHを約2.5とする。その後、0.05mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して電気伝導度測定を行う。測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階を示すまでに消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下式を用いて酸基量X1を求める。
X1(mmol/g)=V(mL)×0.05/セルロースの質量(g)
【0014】
上記セルロース繊維の酸基の量は、0.2〜2.2mmol/gが好ましい。酸基の量が0.2mmol/g未満であると、セルロース繊維表面に存在する金属イオンの量が十分でなく、消臭機能に劣る場合がある。酸基の量が2.2mmol/gを超えると、水解紙ワイパーの抄紙の際のろ水性が悪化し、脱水負荷が大きくなる場合がある。
【0015】
次に、上記酸化セルロース繊維に対し、上記金属の化合物を含む水溶液を接触させ、金属化合物に由来する金属イオンが、カルボキシレート基とイオン結合を形成する。なお、カルボキシル基は電離してカルボキシレート基を経て金属イオンとイオン結合するか、上述のように金属イオンと配位すると思われる。
金属化合物水溶液とは、金属塩の水溶液である。金属塩の例には、錯体(錯イオン)、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩が含まれる。金属塩は水溶性であることが好ましい。
金属化合物の接触方法に関しては、予め調製したセルロース繊維の分散液と金属化合物水溶液を混合してもよく、セルロース繊維を含む分散液を基材の上に塗布して膜とし、当該膜に金属化合物水溶液を添加して含浸させてもよい。このとき、膜は基板上に固定されたままであってもよいし、基板から剥離された状態であってもよい。
金属化合物水溶液の濃度は特に限定されないが、セルロース繊維100質量部に対して10〜80質量部が好ましく、30〜60質量部がより好ましい。
金属化合物を接触させる時間は適宜調整してよい。接触させる際の温度は特に限定されないが20〜40℃が好ましい。また、接触させる際の液のpHは特に限定されないが、pHが低いと、カルボキシル基に金属イオンが結合しにくくなるため、7〜13が好ましく、pH8〜12が特に好ましい。
【0016】
酸化セルロース繊維が金属イオンを含有(配位)していることは、走査型電子顕微鏡像、及び強酸による抽出液のICP発光分析で確認できる。つまり、金属イオンは走査型電子顕微鏡像では存在を確認できず、一方でICP発光分析では金属を含有していることを確認できる。これに対し、例えば上記金属がイオンから還元されて金属粒子として存在している場合は、走査型電子顕微鏡像または透過型電子顕微鏡像でも金属粒子を確認することができるので、金属粒子の有無を判定できる。また、走査型電子顕微鏡像と元素マッピングによっても金属イオンの有無を判定できる。つまり、走査型電子顕微鏡像では金属イオンを確認できないが、元素マッピングをすることで金属イオンが存在することを確認できる。
金属イオンとして、Ag及びCuの群から選ばれる1種以上のイオンを用いることにより、抗菌機能が付与される。一方、セルロース繊維の酸基のすべてに金属粒子が結合しなくても良く、残存した酸基も臭い成分であるアンモニア等を中和することができ、消臭機能が発揮される。
【0017】
パルプ繊維としては、例えば針葉樹パルプ(NBKP)又は広葉樹パルプ(LBKP)などのバージンパルプや、古紙から再生した古紙パルプを用いることができる。これらパルプは衛生用紙の要求品質に合わせて、適宜所定の種類及び配合割合で適宜配合される。
湿潤シートの剛性が高く、手持ち感を向上し、拭き掃除を行いやすくする観点から、パルプ繊維としては針葉樹パルプ(NBKP)のみとすることが好ましい。
【0018】
本発明の実施形態に係る水解紙ワイパーは、金属イオン含有セルロース繊維とパルプ繊維とを繊維全体に対して合計50質量%を超えて含み、さらに、必要に応じて他の繊維を含む抄紙原料を抄紙して製造することができる。なお、繊維全体に対する金属イオン含有セルロース繊維とパルプ繊維の合計割合は、水解紙ワイパーを水洗して水溶性成分(バインダー等)を溶解除去した後の組成物の乾燥重量と、金属イオン含有セルロース繊維とパルプ繊維の合計の乾燥重量とから求める。
【0019】
抄紙原料は、要求品質及び操業の安定のために様々な薬品を添加(内添)してもよく、これら薬品としては、柔軟剤、嵩高剤、染料、分散剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、歩留向上剤などが挙げられる。
特に、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)、及びポリビニルアルコールの群から選ばれる一種以上からなる水溶性バインダーからなる水溶性バインダーを含むと、後述のように錯体を形成して湿潤強度を向上させることができる。
【0020】
洗浄液は、水解紙ワイパーに含浸されている。水解紙ワイパーが上記した金属イオン含有セルロース繊維を含むことで、洗浄液中の炭素数1〜3の1価アルコールの配合率が低くても、セルロース繊維中の金属イオンが除菌効果を発揮し、除菌性能の低下を抑制できる。又、洗浄液中の炭素数1〜3の1価アルコールの配合率を低減できるので、アルコール類による刺激が少ない。
洗浄液中の炭素数1〜3の1価アルコールの配合率が、洗浄液全体に対して10質量%以上であると、アルコール類による刺激が生じる。
なお、洗浄液は、水解紙ワイパーの乾燥重量に対して130〜180質量%含まれているとよい。
洗浄液の割合は、水解紙ワイパーのそのままの重量と、水解紙ワイパーの乾燥重量との差分を洗浄液の重量とみなして求める。
【0021】
洗浄液がさらに、水溶性Ca塩、水溶性Mg塩、水溶性Zn塩、及びホウ酸の群から選ばれる1種類以上のバインダー不溶化剤を含有することが好ましい。
水溶性Ca塩、水溶性Mg塩、水溶性Zn塩は、洗浄液をシートに含浸させた際、上述のCMC又はCMC−Naと錯体を生成し、不溶化する。ホウ酸は上述のポリビニルアルコールと錯体を生成し、不溶化する。これら不溶化された錯体は不溶性のバインダーとなって使用中の水解紙ワイパーを高強度化し、湿潤強度を向上させる。使用後、水解紙ワイパーが水中に投棄されると、錯体が多量の水と接触し、電離して水溶化する。
【0022】
水溶性Ca塩、水溶性Mg塩、水溶性Zn塩としては、それぞれ塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸亜鉛を例示できる。
水溶性バインダー及びバインダー不溶化剤の配合量は、上述の錯体を形成できる量であればよいが、例えば繊維全体に対して1.0〜10.0質量%含まれているとよい。水溶性バインダー及びバインダー不溶化剤は、化学的手法により定量可能である。
【0023】
水解紙ワイパーのJIS P 8124に従う坪量を例えば60〜120g/m
2とすることができる。又、水解紙ワイパーの強度として、乾燥時のMD方向の引張り強さDMDが260N/m以上、乾燥時のCD方向の引張り強さDCDが100N/m以上であることが好ましい。なお、MD方向(流れ方向)は抄紙方向である。DMDはより好ましくは220〜500N/m、DCDはより好ましくは110〜200N/mである。
DMD及びDCDは、JIS P8113に従って、同JIS「5 装置」に準拠の引張試験機を用い、調湿をせずに試験片幅30mm、つかみ長さ100mm、引張速度毎分100mmの条件で測定する。
【0024】
水解紙ワイパーのJIS-P4501に基づく1枚当たりのほぐれ易さが100秒以下であることが好ましい。ほぐれ易さが100秒を超えると水解性が低下し、トイレ周辺の清掃用ワイパー等としてふさわしくない場合がある。
ほぐれ易さが80秒以下であることがより好ましい。なお、ほぐれ易さの下限は0秒である。
【0025】
本発明の実施形態に係る水解紙ワイパーは、公知の抄紙法により製造することができる。まず、金属イオン含有セルロース繊維と、パルプと(さらに必要に応じて他の繊維や薬剤)を適宜混合してなる抄紙原料を原料タンクから供給し、さらに白水により希釈して紙料を調製する。この紙料を脱気スクリーニング除塵後、ファンポンプでストックインレットに送る。ストックインレットは、抄紙機のワイヤー全幅に、均一でフロック(小さな塊)がなく、流れ縞を生じないように繊維をよく分散させた紙料を、適正な濃度、速度、角度でワイヤー上に供給する。ストックインレットとしては、高所に大気開放で設置されるヘッドボックス、加圧式、ハイドローリック式などがあるがいずれを採用しても良い。そして、ストックインレットからワイヤー及びフェルトの間に紙料をジェット吐出し、フェルト上にシート(ウェブ、湿紙)を形成する。
【0026】
ワイヤー及びフェルトの間に形成されたウェブは、プレッシャーロールでヤンキードライヤーに密着転送される。次に、ウェブはヤンキードライヤー及びヤンキードライヤーフードにより乾燥され、さらにクレーピングドクターによりクレーピング処理されながらヤンキードライヤーから剥がされ、リールドラムを介してリールに巻き取られる。ヤンキードライヤーは、ウェブを乾燥させるための鋳鉄又は鋳鋼製のドラムであり、外径は一般には2.4〜6mである。
ここで、クレーピングは、紙を縦方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮してクレープと称される波状の皺を形成する方法であり、紙に嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。そして、ヤンキードライヤーとリールの速度差(リールの速度≦ヤンキードライヤーの速度)により、クレーピングドクターでクレープが形成される。クレープの特性は、上記速度差にもよるが、ヤンキードライヤー上の原紙の坪量が7〜40g/m
2であれば、リール上での坪量は概略9〜50g/m
2となり、ヤンキードライヤー上の坪量より大きくなる。
ヤンキードライヤーとリールの速度差に基づくクレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
クレープの品質やクレーピングの操業性は、クレープ率によってほぼ決まり、本発明において、クレープ率は10〜50%の範囲が好適である。
【0027】
さらに、クレープを付与されたシートを適宜2枚以上に重ねてエンボス加工を施した後に、所定のシート形状に裁断し、パッケージ寸法に折り畳み、折り畳んだ状態で洗浄液を含侵させ、包装して水解紙ワイパー製品を製造することができる。
なお、水解紙ワイパーは、2〜4枚重ねとすると好ましい。
このように、シートの折り畳み加工後に洗浄液を含侵させることで、含浸後に折り畳み加工を行う場合に比べ、シート破れが発生し難く生産性の低下を抑制できる。
【0028】
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
【実施例】
【0029】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。
【0030】
<金属イオン含有セルロース繊維の製造>
乾燥重量で5.00gの未乾燥の針葉樹漂白クラフトパルプ、39mgの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)及び514mgの臭化ナトリウムを水500mlに分散させた後、15質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1gのパルプ(絶乾)に対して次亜塩素酸ナトリウムの量が5.5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は3MのNaOH水溶液を滴下してpHを10.0に保った。pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗、ろ過を2回繰り返し、固形分量15質量%の水を含浸させたTEMPO酸化セルロース繊維を得た。
このTEMPO酸化セルロース繊維はその表面にカルボキシル基またはカルボキシレート基を有する。金属イオンを含有する前のTEMPO酸化セルロース繊維の酸基量(酸化セルロース繊維1g当たり)を表1に示す。
【0031】
次に、得られたTEMPO酸化セルロース繊維(この時点では金属イオンを含有していない)を解繊(叩解)し、得られた叩解後のTEMPO酸化セルロース繊維に対し、表1に示すpHと濃度(TEMPO酸化セルロース繊維1g当たり)の金属塩水溶液を加えて撹拌した。これにより、TEMPO酸化セルロース繊維に金属イオンを担持させた。
なお、
図1に、実施例に用いた金属イオン含有セルロース繊維の透過型電子顕微鏡像を示す。
【0032】
<水解紙ワイパーの抄紙>
次に、金属イオン含有セルロース繊維と、パルプ(NBKP及びLBKP)とを、表2に示す配合比で配合してパルプスラリーを調製し、さらに表2の水溶性バインダーを、繊維全体に対して5質量%配合したものを抄紙して各実施例の水解紙ワイパーを製造した。
比較例1〜3として、金属イオン含有セルロース繊維を配合せず、パルプのみのパルプスラリーを調製したこと以外は、各実施例と同様に水解紙ワイパーを製造した。
そして、1価アルコールとしてエチルアルコールを用い、さらにプロピレングリコールを洗浄液全体の2質量%添加し、さらに表2に示すバインダー不溶化剤を含む洗浄液を、乾燥状態の水解紙ワイパーに対して150質量%含浸させた。なお、バインダー不溶化剤を、洗浄液全体に対して4.0質量%配合した。
【0033】
なお、各実施例の水解紙ワイパーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、紙の繊維のみが確認された。また、各実施例の水解紙ワイパーにつき、強酸で溶解した後の抽出液のICP((高周波誘導結合プラズマ)発光分析を行い、いずれも金属が含有されていることが確認された。以上のことより、各実施例の水解紙ワイパーは酸化セルロース繊維に金属イオンを含有していることがわかる。
【0034】
得られた水解紙ワイパーにつき、以下の評価を行った。
<坪量>
得られた水解紙ワイパーの坪量を、JIS P 8124に従って測定したところ、90gsmであった。
<強度>
得られた水解紙ワイパーのDMD及びDCDを、JIS P8113に従い、上記した条件の通り測定した。
【0035】
<水解性>
JIS P4501に従い、同JIS「4.2 試験条件」に従って調湿した1枚の水解紙ワイパー試料のほぐれやすさを測定した。
<除菌性能>
一般社団法人日本衛生材料工業連合会「除菌性能試験」の方法に従って評価した。数値(除菌活性値)が2.0以上であれば問題ない。
<臭気>
モニター20人につき、水解紙ワイパーの臭気の官能評価をした。評価が○であれば、実用上問題はない。
○:刺激臭を感じる人が0〜1人
△:刺激臭を感じる人が2〜5人
×:刺激臭を感じる人が6人以上
【0036】
得られた結果を表1、表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
表2から明らかなように、各実施例の場合、水解性及び除菌性能に優れ、アルコール類による刺激が少ないものとなった。
一方、洗浄液中の1価アルコールの配合率を10質量%未満とすると共に、金属イオン含有セルロース繊維を含まない比較例1の場合、除菌性能が劣った。
洗浄液中の1価アルコールの配合率が10質量%以上であると共に、金属イオン含有セルロース繊維を含まない比較例2,3の場合、アルコール類による刺激臭が目立った。又、洗浄液中の1価アルコールの配合率が比較例2より少ない比較例3の場合、除菌性能も劣った。