特許第6596469号(P6596469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6596469撮像モジュール、撮像モジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596469
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】撮像モジュール、撮像モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20191010BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20191010BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   A61B1/04 530
   H04N5/225 500
   H04N5/225 700
   H05K1/18 Z
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-140297(P2017-140297)
(22)【出願日】2017年7月19日
(65)【公開番号】特開2019-17811(P2019-17811A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】石塚 健
(72)【発明者】
【氏名】石橋 健一
(72)【発明者】
【氏名】臼田 秀秋
【審査官】 奥田 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−014906(JP,A)
【文献】 実開昭60−039276(JP,U)
【文献】 特開2000−232957(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/081720(WO,A1)
【文献】 特開2001−043739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/04
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、前記撮像素子の撮像面とは逆の背面側に前記背面から前記撮像面とは反対の側へ延出するように設けられた基板とを有し、
前記撮像素子の前記背面に設けられた電極パッドと前記基板の主面に設けられた電極パッドの前記撮像素子側の前端部とが導電性接続材部を介して電気的に接続され、
前記基板の前記電極パッドの前端部にはその先端から窪む切欠部が形成されており、
前記導電性接続材部は、前記撮像素子の前記電極パッドと前記基板の前記電極パッドの前端部表面とを接続する部分と、前記撮像素子の前記電極パッドと前記切欠部内周面とを接続する部分とを有する撮像モジュール。
【請求項2】
前記撮像素子は前記背面における前記基板の前記撮像素子側の前端部を介して両側に前記電極パッドを有し、
前記基板の前記基板の両側の主面にそれぞれ設けられた前記電極パッドの前端部が前記導電性接続材部を介してそれぞれ前記撮像素子の前記電極パッドと電気的に接続されている請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記基板の主面の前端部において互いに隣り合う前記電極パッド間に電気絶縁性のパッド間絶縁壁部を有する請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記基板の主面の前端部において互いに隣り合う前記電極パッドの前記切欠部は、隣り合う前記電極パッドのそれぞれの先端を含む範囲が互いに対向する側から窪む形状に形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記基板は、前記電極パッドに前記切欠部から後側へ離隔させて設けられたケーブル接続用端子と、前記電極パッドの前記導電性接続材部と前記ケーブル接続用端子との間の位置に設けられた電子部品接続端子とを有する請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記基板の前記電極パッドの前記切欠部から後側へ離隔した位置に接続された電気ケーブルをさらに有する請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記電気ケーブルは同軸ケーブルであり、前記基板の主面に、前記同軸ケーブルの内部導体が後端部に接続された前記電極パッドと、前記同軸ケーブルの外部導体が後端部が接続された前記電極パッドとを有し、前記同軸ケーブルの内部導体が接続された前記電極パッドの後端部は、前記同軸ケーブルの外部導体が接続された前記電極パッドの後端部よりも前側に位置する請求項6に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
撮像素子の撮像面とは逆の背面に設けられた電極パッドに形成されたはんだ端子に、基板の主面に設けられた電極パッドに形成されたはんだ端子を当接させて、前記撮像素子の背面側に前記背面から前記撮像面とは反対の側へ延出する向きで配置した前記基板を前記撮像素子に対して位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程での前記基板の前記撮像素子に対する位置決め状態を保ったまま、前記撮像素子の前記はんだ端子と前記基板の前記はんだ端子とを加熱溶融して一体化後、冷却固化させて、前記撮像素子の前記電極パッドと前記基板の前記電極パッドとを電気的に接続する導電性接続材部を形成する撮像素子実装工程とを有し、
前記基板の前記はんだ端子は前記基板の前記電極パッドの前記撮像素子側の前端部に形成され、前記基板の前記電極パッドの前端部及び前記はんだ端子には前記撮像素子側の前端から窪む切欠部が形成され、
前記位置決め工程では、前記基板の前記電極パッドの前端部及び前記はんだ端子の前記切欠部に臨む縁部を前記撮像素子の前記はんだ端子に当接させて前記基板を前記撮像素子に対して位置決めし、
前記撮像素子実装工程では、前記撮像素子の前記電極パッドと前記基板の前記電極パッドの前端部表面とを接続する部分と、前記撮像素子の前記電極パッドと前記切欠部内周面とを接続する部分とを有する前記導電性接続材部を形成する撮像モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記位置決め工程では、前記基板の前記撮像素子側の前端部を、前記撮像素子の前記背面に互いに離隔させて設けられた複数のはんだ端子の間に配置して、前記基板の両側の主面に設けられた前記電極パッドの前端部及び前記はんだ端子の前記切欠部に臨む縁部を前記撮像素子の前記はんだ端子に当接させて前記基板を前記撮像素子に対して位置決めする請求項8に記載の撮像モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡等に使用可能な撮像モジュールであって、固体撮像素子を配線基板を介して電気ケーブルに電気的に接続した構成の撮像モジュール、撮像モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡にあっては、固体撮像素子(以下、単に撮像素子とも言う)を配線基板を介して電気ケーブル先端に電気的に接続した構成の撮像モジュールが多く採用されている。
この種の撮像モジュールには、配線基板にフレキシブル配線板を用いたもの(例えば特許文献1)、及び配線基板に多層基板を用いたもの(例えば特許文献2、3)がある。
【0003】
特許文献1には、貫通配線が形成された撮像素子を用い、可撓性基板の撮像素子が実装された中間部を介して両側の部分(延設部)を撮像素子とは反対の側に曲げ、可撓性基板の延設部に接続された信号ケーブルと撮像素子とを可撓性基板の配線を介して電気的に接続した構造の撮像モジュール(撮像装置)が開示されている。
特許文献2には、垂直向き基板の背面に水平向き基板を有するT字型の多層基板と、撮像素子外周部及び撮像素子背面に結合された垂直向き基板の背面のそれぞれに設けられたボンディングパッド間を電気的に接続する配線パターン付きのフィルムとを用いる撮像モジュール(固体撮像装置)が開示されている。この撮像モジュール(固体撮像装置)では、多層基板の配線の水平向き基板に位置する部分に接続された信号ケーブルと撮像素子とを、多層基板の配線と配線パターン付きのフィルムの配線パターンとを介して電気的に接続する。
特許文献3には、コアを有する多層基板を用い、多層基板の側面に露出する電極部材に接続された撮像素子及び配線ケーブルを多層基板のコアを介して電気的に接続した構成の撮像モジュール(撮像装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−217887号公報
【特許文献2】特開2000−199863号公報
【特許文献3】特許第5926890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、コ字状に屈曲成形した可撓性基板の内側にブロックを接着固定したものを用いる構成も開示している。この構成であれば、可撓性基板の形状を安定に保つことができ、可撓性基板の中間部への撮像素子の実装精度を確保できる。しかしながら、この構成では、撮像素子の実装精度の確保のためには高精度に加工したブロックを必要とし、また、ブロックに対する可撓性基板の固定も正確に行なう必要があるため組み立てに手間が掛る。
【0006】
特許文献2、3の開示技術では、多層基板の構造が複雑であり、多層基板自体の作製が容易でない。
特許文献2の撮像モジュール(固体撮像装置)のT字型の多層基板は極めて多くの層が必要であり、小型化に不向きである上、大幅なコスト増の要因になる。また、基板の貼り合わせによりT字型に作製する手法であれば層数は減少するが、貼り合わせ位置精度の確保や、貼り合わせのための接着剤の染み出し量の安定化が困難であり、充分な精度を保って製造することは容易で無い。
特許文献3の多層基板は、製造に多くのプロセスを要すること、小型化の点では狭い範囲に複数の電極部材が配置されるため電極部材を切断する際に電極部材が延伸してショートする可能性が高いこと、から製造は極めて困難である。
【0007】
本発明の態様が解決しようとする課題は、撮像素子を基板に実装する際の、基板端子に対する撮像素子端子の位置決めを容易かつ確実に行なえる撮像モジュール、撮像モジュールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では以下の態様を提供する。
第1の態様の撮像モジュールは、撮像素子と、前記撮像素子の撮像面とは逆の背面側に前記背面から前記撮像面とは反対の側へ延出するように設けられた基板とを有し、前記撮像素子の前記背面に設けられた電極パッドと前記基板の主面に設けられた電極パッドの前記撮像素子側の前端部とが導電性接続材部を介して電気的に接続され、前記基板の前記電極パッドの前端部にはその先端から窪む切欠部が形成されている。
前記撮像素子は前記背面における前記基板の前記撮像素子側の前端部を介して両側に前記電極パッドを有し、前記基板の前記基板の両側の主面にそれぞれ設けられた前記電極パッドの前端部が前記導電性接続材部を介してそれぞれ前記撮像素子の前記電極パッドと電気的に接続されていても良い。
前記基板の主面の前端部において互いに隣り合う前記電極パッド間に電気絶縁性のパッド間絶縁壁部を有していても良い。
前記基板の主面の前端部において互いに隣り合う前記電極パッドの前記切欠部は、隣り合う前記電極パッドのそれぞれの先端を含む範囲が互いに対向する側から窪む形状に形成されていても良い。
前記基板は、前記電極パッドに前記切欠部から後側へ離隔させて設けられたケーブル接続用端子と、前記電極パッドの前記導電性接続材部と前記ケーブル接続用端子との間の位置に設けられた電子部品接続端子とを有していても良い。
前記基板の前記電極パッドの前記切欠部から後側へ離隔した位置に接続された電気ケーブルをさらに有していても良い。
前記電気ケーブルは同軸ケーブルであり、前記基板の主面に、前記同軸ケーブルの内部導体が後端部に接続された前記電極パッドと、前記同軸ケーブルの外部導体が後端部が接続された前記電極パッドとを有し、前記同軸ケーブルの内部導体が接続された前記電極パッドの後端部は、前記同軸ケーブルの外部導体が接続された前記電極パッドの後端部よりも前側に位置していても良い。
第2の態様の撮像モジュールの製造方法は、撮像素子の撮像面とは逆の背面に設けられた電極パッドに形成されたはんだ端子に、基板の主面に設けられた電極パッドに形成されたはんだ端子を当接させて、前記撮像素子の背面側に前記背面から前記撮像面とは反対の側へ延出する向きで配置した前記基板を前記撮像素子に対して位置決めする位置決め工程と、前記位置決め工程での前記基板の前記撮像素子に対する位置決め状態を保ったまま、前記撮像素子の前記はんだ端子と前記基板のはんだ端子とを加熱溶融して一体化後、冷却固化させて、前記撮像素子の前記電極パッドと前記基板の前記電極パッドとを電気的に接続する導電性接続材部を形成する撮像素子実装工程とを有し、前記基板の前記はんだ端子は前記基板の前記電極パッドの前記撮像素子側の前端部に形成され、前記基板の前記電極パッドの前端部及び前記はんだ端子には前記撮像素子側の前端から窪む切欠部が形成され、前記位置決め工程では、前記基板の前記電極パッドの前端部及び前記はんだ端子の前記切欠部に臨む縁部を前記撮像素子の前記はんだ端子に当接させて前記基板を前記撮像素子に対して位置決めする。
前記位置決め工程では、前記基板の前記撮像素子側の前端部を、前記撮像素子の前記背面に互いに離隔させて設けられた複数のはんだ端子の間に配置して、前記基板の両側の主面に設けられた前記電極パッドの前端部及び前記はんだ端子の前記切欠部に臨む縁部を前記撮像素子の前記はんだ端子に当接させて前記基板を前記撮像素子に対して位置決めしても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様に係る撮像モジュール、撮像モジュールの製造方法によれば、撮像素子背面の電極パッドに形成されたはんだ端子に、撮像素子背面から撮像素子撮像面とは反対の側へ延出する向きの基板の基板の主面に設けられた電極パッドの前端部をはんだ付けする際に、基板の電極パッド前端部の切欠部を、撮像素子背面側のはんだ端子に対する基板の電極パッド前端部の位置決めに利用できる。
撮像素子背面のはんだ端子にはんだ付けする基板の電極パッド前端部にはんだ端子を設ける場合は、基板の電極パッド前端部及びこの電極パッド前端部に設けられたはんだ端子に、その前端から窪む切欠部が形成された構成を採用できる。この構成を採用した場合は、基板の電極パッド前端部及びはんだ端子の切欠部に臨む縁部を撮像素子背面側のはんだ端子に当接させることで、撮像素子背面側のはんだ端子に対して基板の電極パッド前端部(及びはんだ端子)の位置決めを容易に精度良く行なうことができる。
【0010】
また、基板主面の電極パッド前端部の切欠部は、撮像素子背面側の電極パッドと基板主面の電極パッド前端部とを電気的に接続するはんだ部の少なくとも一部を収容でき、はんだ部の切欠部内に収容された部分を切欠部内周面に接合一体化させることができる。その結果、例えば基板主面の電極パッド前端部に切欠部が無く、撮像素子背面側の電極パッドと基板主面の電極パッド前端部とを電気的に接続するはんだ部を、基板主面の電極パッド前端部の表面(基板とは反対側の面)のみに接合一体化させる場合に比べて、撮像素子の基板主面の電極パッド前端部に対する浮き上がる方向の剥がれ強度(剥がれ方向の耐力)を高めることができ、撮像素子と基板との間の電気的接続の長期安定維持、信頼性向上に有効に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像モジュールを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図2図1の撮像モジュールを製造する製造方法の位置決め工程にて基板電極端子を素子電極端子に当接させた状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図3図1の撮像モジュールを製造する製造方法の撮像素子実装工程を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る撮像モジュールの製造方法に使用する撮像素子及び基板を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図5】図の撮像モジュールの製造方法の位置決め工程にて基板電極端子を素子電極端子に当接させた状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る撮像モジュールであり、図5の状態から撮像素子実装工程を実施して得られる撮像モジュールを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図7】撮像モジュール及び撮像モジュールの製造方法に使用する基板の変形例を示す平面図である。
図8図7の基板を用いた撮像モジュールの製造方法において、位置決め工程にて基板の電極端子(基板電極端子)を撮像素子の素子電極端子に当接させた状態を示す平面図である。
図9図8の状態から撮像素子実装工程を行なって組み立てた撮像モジュールを示す平面図である。
図10図7の基板の複数の電極パッド(基板電極パッド)の互いに隣り合う前端部間に電極パッド間絶縁壁部を設けた構成の基板を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図11図10の基板に撮像素子を実装して組み立てた撮像モジュールを示す平面図である。
図12図6(a)、(b)の撮像モジュールの基板の電極パッド(基板電極パッド)に電子部品接続端子を設けた構成の撮像モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図13】同軸ケーブルの内部導体が後端部に接続された内部導体用電極パッドと、同軸ケーブルの外部導体が後端部に接続された外部導体用電極パッドとが設けられた構成の基板、この基板を用いて組み立てられた撮像モジュールを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る撮像モジュール、撮像モジュールの製造方法について、図面を参照して説明する。
なお、図1(a)、(b)〜図13(a)、(b)にXYZ直交座標系を設定した。
本明細書では、以下、XYZ直交座標系における、X方向を幅方向、Y方向を前後方向、Z方向を高さ方向として説明する。
【0013】
図1(a)、(b)は本発明の実施形態に係る撮像モジュール10の一例を示す。
図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)は図1(a)、(b)の撮像モジュール10の製造方法を説明する図である。
図1(a)、(b)に示すように、撮像モジュール10(第1実施形態の撮像モジュール)は、撮像素子11と、撮像素子11の撮像面11aとは逆の背面11b側に背面11bから後側(撮像面11aとは反対の側)へ延出するように設けられた基板12とを有する。
【0014】
撮像素子11はブロック状に形成された素子本体11cを有する。撮像素子11の撮像面11aは素子本体11cの前端面に位置する。撮像素子11の背面11bは素子本体11cの前端面とは反対側の面(背面)である。以下、撮像素子11の背面11bを、素子本体11cの背面とも言う。
撮像素子11は、素子本体11cの背面11bに形成された電極パッド11d(以下、素子電極パッド、とも言う)を有している。
【0015】
基板12の一対の主面の片方には、その幅方向(X方向)の互いに離隔する複数箇所(図1(a)、(b)では2箇所)に前後方向(Y方向)に延在する電極パッド12a(以下、基板電極パッド、とも言う)が形成されている。
基板12は、電気絶縁性の絶縁板12bと、絶縁板12bの両側の主面の片方に形成された電極パッド12aとを有する。基板12の主面は絶縁板12bの主面である。
一方、撮像素子11の背面11bの素子電極パッド11dは、基板12前端部(撮像素子側の端部)における複数の基板電極パッド12aに対応させて複数設けられている。
【0016】
図1(a)、(b)に示す撮像モジュール10は、各基板電極パッド12aの前端部(撮像素子側の端部)と素子電極パッド11dとが熱溶融性の導電性接続材部13によって接合されかつ電気的に接続され、撮像素子11が基板12に実装された構成となっている。導電性接続材部13は、基板電極パッド12a前端部と素子電極パッド11dとの間に設けられて、基板電極パッド12a前端部と素子電極パッド11dとを電気的に接続し、かつ互いに接合固定する。
また、基板12は、導電性接続材部13によって、撮像素子11に対して撮像素子11の背面11bから後側へ延出する向きに支持されている。
【0017】
導電性接続材部13は、例えばはんだ等の融点が450℃よりも低い熱溶融性の導電性金属材料(合金を含む)である。導電性接続材部13は、例えばフラックスの含有等によって、溶融状態から冷却固化させることで導体金属同士を接合しかつ電気的に接続するものである。
【0018】
図1(a)、(b)に示すように、基板電極パッド12a前端部には、その先端(前端)から窪む切欠部12cが形成されている。図1(a)、(b)に示す切欠部12cは基板電極パッド12a前端から窪む半円状に形成されている。図1(a)、(b)に示す切欠部12cは基板電極パッド12a前端部の幅方向両端部の間に形成されている。
基板電極パッド12aはその全体が絶縁板12bの主面に位置する。基板電極パッド12a前端部の幅方向両端部、すなわち、基板電極パッド12a前端部の切欠部12cを介して幅方向両側の部分の前端は、絶縁板12bの前端に位置する。基板電極パッド12a前端部の切欠部12cの基板電極パッド12a厚み方向(高さ方向に一致)の片側は絶縁板12bによって塞がれている。
【0019】
図1(a)、(b)において、切欠部12cは導電性接続材部13に覆われている。また、切欠部12cは、導電性接続材部13の形成材料によって埋め込まれている。切欠部12c内周面には、導電性接続材部13の切欠部12c内に位置する部分が固着されている。
【0020】
図1(a)、(b)に仮想線(二点鎖線)で示すように、基板電極パッド12aの後端部には、電気ケーブル14の導体14aを接続(電気的に接続)することができる。基板電極パッド12aの後端部には、電気ケーブル14の導体14aを接続するための熱溶融性のケーブル接続用端子12dが設けられている。ケーブル接続用端子12dの形成材料は、例えばはんだ等の、導電性接続材部13の形成材料として採用可能なものを用いることができる。ケーブル接続用端子12dは、その形成材料を基板電極パッド12a後端部の絶縁板12bとは反対の表面側に肉盛りして形成されている。
【0021】
図1(a)、(b)に示すように、電気ケーブル14は導体14aの側周を覆う被覆14bを有する。基板電極パッド12a後端部には、電気ケーブル14の被覆14b先端に露出させた導体14aがケーブル接続用端子12dの形成材料によって接合固定(ケーブル接続用端子12dの加熱溶融(リフロー)後の冷却固化による固定)され電気的に接続される。
【0022】
なお、図1(a)、(b)では、基板電極パッド12a後端部に半球状に形成されたケーブル接続用端子12dを例示した。但し、ケーブル接続用端子は半球状のものに限定されず、例えば基板電極パッド12a後端部に概ね一定層厚の層状に形成されたものであっても良い。
【0023】
電気ケーブル14の導体14aの基板電極パッド12a後端部への電気的接続は、熱溶融性のケーブル接続用端子12dを利用するものに限定されず、例えば、導電性接着剤を使用して行なっても良い。導電性接着剤を使用する場合は、例えば、ケーブル接続用端子12dにかえて基板電極パッド12a後端部に導電性接着剤を肉盛りしたケーブル接続用端子を設けておく。そして、このケーブル接続用端子への電気ケーブル14の導体14aの接触状態を保ったままケーブル接続用端子を加熱硬化させることで、電気ケーブル14の導体14aをケーブル接続用端子を介して基板電極パッド12a後端部に接合固定する。
【0024】
撮像モジュールは、基板電極パッド12aの後端部に導体14aを接合固定し電気的に接続した電気ケーブル14を含んでいても良い。
基板電極パッド12aの後端部に接続された電気ケーブル14の導体14aは、基板電極パッド12a及び素子電極パッド11dを介して撮像素子11の素子本体11cの電気回路と電気的に接続される。
【0025】
図2(a)、(b)は、互いに接続する前の状態の撮像素子11及び基板12を示す。
図2(a)、(b)において、撮像素子11は、素子電極パッド11dに突出形成された熱溶融性の電極端子11e(以下、素子電極端子、とも言う)を有する。
図2(a)、(b)に示す素子電極端子11e以外の構成は、図1(a)、(b)の状態(撮像素子11を基板12に実装した状態)における撮像素子11と同様である。
【0026】
素子電極端子11eは、導電性接続材部13に採用可能な形成材料を用いて形成されている。素子電極端子11eは、その形成材料を、素子電極パッド11dの背面側(撮像面11aとは反対の側。後側)に肉盛りして半球状に形成されている。素子電極端子11eには、例えばはんだバンプ等を採用できる。
【0027】
図2(a)、(b)に示す基板12の基板電極パッド12aの前端部には熱溶融性の電極端子12e(以下、基板電極端子、とも言う)が設けられている。
図2(a)、(b)に示す基板12の基板電極端子12e以外の構成は、図1(a)、(b)の状態(撮像素子11を基板12に実装した状態)における基板12と同様である。
【0028】
基板電極端子12eは、導電性接続材部13に採用可能な形成材料を用いて形成されている。基板電極端子12eは、その形成材料を基板電極パッド12a前端部の絶縁板12bとは反対の表面側に肉盛りして形成されている。基板電極端子12eには、例えばはんだバンプ等を採用できる。
【0029】
なお、基板電極パッド12aは、絶縁板12bの主面にその前端から後側に向かって延在形成されている。基板電極パッド12a前端部は絶縁板12bの前端部(基板12の前端部)に位置する。
【0030】
基板電極端子12eの一部は、基板電極パッド12a前端部の切欠部12c(以下、基板パッド切欠部、とも言う)に臨む縁部に沿って形成されている。
基板電極端子12eには、基板パッド切欠部12c内周(切欠部12cに臨む基板電極パッド12a縁部)に沿って、前端から窪む切欠部12fが形成されている。以下、基板電極端子12eの切欠部12fを、電極端子切欠部、あるいは基板電極端子切欠部、とも言う。
【0031】
基板電極パッド12a前端部への基板電極端子12eの形成は、まず、その形成材料を加熱溶融状態で切欠部12cを形成済みの基板電極パッド12a前端部の表面側に設置するか、あるいは、基板電極パッド12a前端部の表面側に固化状態で設けた基板電極端子形成材料を加熱溶融させて、基板電極パッド12a前端部の表面側に加熱溶融状態の基板電極端子形成材料を設けた状態とする。ここで、加熱溶融状態の基板電極端子形成材料は、その表面張力によって基板パッド切欠部12c内周に沿って窪む切欠部が形成された形状とする。
次いで、切欠部が形成された形状の基板電極端子形成材料を冷却固化させ、切欠部12fを有する基板電極端子12eを得る。
【0032】
なお、基板電極端子形成材料は、加熱溶融状態における基板電極パッド12aに対する濡れ性が良好で、冷却固化によって基板電極パッド12a表面にしっかりと固着されるものを採用する。絶縁板12bは、その主面の、加熱溶融状態の基板電極端子形成材料の濡れ性が低く、加熱溶融状態から冷却固化させた基板電極端子形成材料が固着しないものを採用する。その結果、基板電極パッド12a前端部に設けた加熱溶融状態の基板電極端子形成材料に、基板パッド切欠部12c内周に沿って窪んだ部分を容易に形成でき、電極端子切欠部12fを有する基板電極端子12eを容易に得ることができる。
【0033】
図2(a)、(b)に示す基板電極端子12eの切欠部12fは、基板電極端子12eの前端から、半円状の基板パッド切欠部12c内周(切欠部12cに臨む基板電極パッド12a縁部)に沿って半円状に窪む凹部である。基板電極端子12eは、基板電極パッド12aの切欠部12cに臨む端縁の全長にわたって存在するように形成されている。
【0034】
図2(a)、(b)に示す基板電極端子12eは基板電極パッド12a前端部の全体に形成されている。基板電極端子12eは電極端子切欠部12fを有する概ね半球状(一部切り欠き半球状)に形成されている。基板電極端子切欠部12f内周は、基板電極パッド12aの基板パッド切欠部12cに臨む縁部に沿う凹形に湾曲して形成されている。基板電極端子12eの内周部は、基板電極パッド12a前端部の半円状の切欠部12cに臨む縁部の全体にわたって延在形成されている。
【0035】
図2(a)、(b)に示す基板電極端子12eの切欠部12fは、具体的には、基板パッド切欠部12cから基板12の絶縁板12bとは反対の側に行くにしたがって内径が増大するテーパ状に形成されている。
但し、電極端子切欠部12fは、基板12厚み方向(高さ方向)において内径一定の構成も採用可能である。
【0036】
図1(a)、(b)に示す撮像モジュール10は、図2(a)、(b)に示す基板12の基板電極パッド12aの前端部に撮像素子11の素子電極パッド11dを導電性接続材部13によって接続(電気的に接続)、接合固定して基板12に撮像素子11を実装したものである。基板電極パッド12a前端部に対する素子電極パッド11dの接続は、基板電極パッド12a前端部及び素子電極パッド11dのそれぞれに設けられた電極端子11e、12eを互いに当接させた状態で加熱溶融(リフロー)によって一体化したものを冷却固化して導電性接続材部13を形成することにより実現される。
【0037】
図2(a)、(b)に示す基板12及び撮像素子11を用いて撮像モジュール10を製造する(第1実施形態の撮像モジュールの製造方法)には、まず、図3(a)、(b)に示すように、撮像素子11の電極端子11eを基板電極端子12eの切欠部12fに挿入し基板電極端子12eに当接させて、撮像素子11を基板12に対して位置決めする位置決め工程を行う。
【0038】
位置決め工程では、例えば、支持具によって所定位置に支持された撮像素子11に対して、その背面側に配置した基板12を、撮像素子背面11bに対して垂直の向きを保ったまま撮像素子背面11bに向かって前進させることで、基板電極端子切欠部12fに挿入した素子電極端子11eに基板電極端子12eを当接させる。
【0039】
図3(a)、(b)に示すように、位置決め工程では、半球状の素子電極端子11eの基板電極端子切欠部12fに挿入した部分を、基板電極端子12eのその切欠部12f内周面に当接させる。
素子電極端子11eは、基板電極端子切欠部12f内周面の高さ方向(Z方向)に垂直の断面の前後方向最後部に当接される。
基板電極端子切欠部12fは、その高さ方向(Z方向)に垂直の断面において、半球状の素子電極端子11eを挿入して前後方向最後部に当接させることを可能とする湾曲半径を確保した内周面を有する半円状に形成されている。
【0040】
図3(a)、(b)に示す位置決め工程では、具体的には,素子電極端子11eを基板パッド切欠部12c及び基板電極端子切欠部12fに挿入し、素子電極端子11eの基板電極端子切欠部12fに挿入した部分を基板電極端子切欠部12f内周面に当接させ、かつ基板パッド切欠部12cに挿入した部分を絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させる。
素子電極端子11eを基板電極端子切欠部12f内周面及び絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させたとき、基板12前端は撮像素子11の背面11b(以下、撮像素子背面、とも言う)との間に僅かなクリアランス(図示略)を介して撮像素子背面11bに接近配置されるか、あるいは撮像素子背面11bに当接される。
【0041】
基板パッド切欠部12cには、素子電極端子11eの基板電極端子切欠部12fに挿入した部分よりも素子電極パッド11d側の部分の周方向の一部が、基板パッド切欠部12c前端部に挿入される。また、基板パッド切欠部12cは、基板電極端子切欠部12f内周面に当接させた素子電極端子11eの基板パッド切欠部12cに挿入された部分を絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接可能とするべく、その前端部に充分な幅方向(X方向)寸法を確保して形成されている。
【0042】
図2(a)、(b)に示す半円状の基板パッド切欠部12cの前端部の幅方向寸法は、素子電極端子11eの基板パッド切欠部12cに挿入される部分(基板電極端子切欠部12f内周面及び絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させたときに基板パッド切欠部12cに挿入される部分)の外径と概ね同等に確保される。基板パッド切欠部12cの前端部の幅方向寸法は、素子電極端子11eの基板パッド切欠部12cに挿入される部分を絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接可能な大きさであればよく、素子電極端子11eの基板パッド切欠部12cに挿入される部分の外径と同等、同等よりも若干小さい、同等よりも若干大きい、のいずれでも良い。
【0043】
図3(a)、(b)に示すように、位置決め工程では、半球状の素子電極端子11eを基板電極端子切欠部12fの内周面及び絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させ、撮像素子11背面側に配置された基板12を支持具等を用いて撮像素子11から後側(撮像面11aとは反対の側)へ延出する向きに保つ。
【0044】
図3(a)、(b)に示すように、位置決め工程にて、素子電極端子11eを基板電極端子12eの切欠部12fに挿入(図3(a)、(b)では基板パッド切欠部12cにも挿入)することは、基板12の撮像素子11に対する幅方向の位置決めを容易にする。
例えば、基板電極端子切欠部12fに挿入された素子電極端子11eに基板電極端子切欠部12fの内周面が線接触する場合は、素子電極端子11eの基板電極端子切欠部12fへの挿入によって基板12の撮像素子11に対する幅方向の位置決めを完了できる。
また、基板電極端子切欠部12fに挿入された素子電極端子11eに基板電極端子切欠部12fの内周面の極狭い範囲が基板電極端子12eに実質的に点接触する場合は、基板12の撮像素子11に対する幅方向の概略位置決めを行える。
【0045】
基板電極端子12eの切欠部12fに挿入した素子電極端子11eを基板電極端子12e(具体的にはその切欠部12f内周面)に当接させることは、基板12の撮像素子11に対する前後方向の位置決めを実現する。
素子電極端子11eの基板パッド切欠部12cに挿入された部分を基板12の絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させることは、基板12の撮像素子11に対する高さ方向(Z方向)の位置決めを実現する。
【0046】
したがって、位置決め工程では、素子電極端子11eを基板パッド切欠部12c及び基板電極端子切欠部12fに挿入して、素子電極端子11eを基板電極端子切欠部12fの内周面及び絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させることで、基板12の撮像素子11に対する幅方向、前後方向、高さ方向の位置決めを容易かつ確実に行える。
【0047】
基板12は、外力によって曲げが生じにくく板状の状態を安定に保つリジッド基板である。基板12は、位置決め工程において板状の状態を安定に保つ。したがって、位置決め工程にて、素子電極端子11eを基板電極端子12eの切欠部12fに挿入し、素子電極端子11eを基板電極端子切欠部12fの内周面及び絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させることで、基板12の撮像素子11に対する位置決めを容易かつ確実に行える。
【0048】
図2(a)、(b)に示す基板12を用いた位置決め工程では、基板12の片面(片方の主面)の複数の電極パッド12aの切欠部12c及び電極端子切欠部12fに素子電極端子11eを挿入し、素子電極端子11eを基板電極端子12e及び絶縁板12bの基板パッド切欠部12cに露呈する部分に当接させる。
基板12の複数の電極パッド12aの切欠部12c及び電極端子切欠部12fに素子電極端子11eを挿入し、素子電極端子11eを基板電極端子12e及び基板パッド切欠部12cに露呈する絶縁板12bに当接させることは、基板12の撮像素子11に対する位置決め精度の確保、基板12の撮像素子11に対する向きの安定維持に有効に寄与する。
【0049】
位置決め工程が完了したら、支持具等を用いて、基板12の撮像素子11に対する位置及び向きを保ったまま、素子電極端子11e及び基板電極端子12eを加熱溶融(リフロー)して一体化させた後、冷却固化して導電性接続材部13(図1(a)、(b)参照)を形成する撮像素子実装工程を行う。
撮像素子実装工程が完了すれば、導電性接続材部13によって素子電極パッド11dと基板電極パッド12aとの間の電気的接続が確実に確保されるとともに、基板12が導電性接続材部13によって撮像素子11に対して撮像素子背面11bの後側へ延出する向きに支持される。その結果、撮像モジュール10が組み立てられ、撮像モジュール10の製造が完了する。
【0050】
基板電極パッド12a後端部への電気ケーブル14の導体14aの接合固定及び電気的接続は、例えば撮像素子実装工程の完了後に行なうが、撮像素子実装工程と並行してケーブル接続用端子12dを加熱溶融(リフロー)して行なっても良い。
基板電極パッド12a後端部への電気ケーブル14の導体14aの接合固定、電気的接続は、位置決め工程の前、位置決め工程と撮像素子実装工程との間、に行なっても良い。
【0051】
図2(a)、(b)に示す基板12のその前後方向における電極端子12eとケーブル接続用端子12dとの間には電気絶縁性の前後絶縁壁部15が設けられている。
前後絶縁壁部15は樹脂等の電気絶縁性材料によって形成されている。前後絶縁壁部15は、例えば、絶縁板12b主面に設けられた樹脂層、あるいは絶縁板12bの一部が絶縁板12b主面に突出された突部等によって形成される。
前後絶縁壁部15は、基板12の主面にその幅方向に延在形成されている。
前後絶縁壁部15は、基板電極パッド12aの延在方向(前後方向)における基板電極端子12eとケーブル接続用端子12dとの間の中央部を覆っている。前後絶縁壁部15は、互いに当接させた状態で加熱溶融させた基板電極端子12e及び素子電極端子11eの形成材料(導電性接続材部13の形成材料)がその流動によってケーブル接続用端子12dに達することを防止する。前後絶縁壁部15は、加熱溶融状態の導電性接続材部13の形成材料がケーブル接続用端子12dに達して、ケーブル接続用端子12dによる電気ケーブル14の導体14aと基板電極パッド12a後端部との間の電気的接続に影響を与えることを防止できる。
なお、基板12は前後絶縁壁部15を有していない構成も採用可能である。
【0052】
図1(a)、(b)に示すように、撮像素子実装工程において、導電性接続材部13の基板電極パッド切欠部12cに入り込んだ部分は基板電極パッド切欠部12c内周面に固着される。導電性接続材部13は、基板電極パッド12a前端部表面と素子電極パッド11dとを覆って基板電極パッド12a前端部と素子電極パッド11dとの間を接続する部分と、基板電極パッド切欠部12c内周面と素子電極パッド11dとの間を接続する部分とを有する。このため、撮像モジュール10では、工程流動等によって撮像素子11と基板12との間に変位力が作用しても、基板電極パッド12a前端部と素子電極パッド11dとの間を接続する導電性接続材部13の断線が生じにくい。
【0053】
前端部に切欠部12cが形成された基板電極パッド12aを有する基板12を採用し、基板電極パッド12aと素子電極パッド11dとを接続する導電性接続材部13に、基板電極パッド12a前端部表面と素子電極パッド11dとを覆って基板電極パッド12a前端部と素子電極パッド11dとの間を接続する部分と、基板電極パッド切欠部12c内周面と素子電極パッド11dとの間を接続する部分とを確保した構成は、基板電極パッド12aと素子電極パッド11dとの間の電気的接続の安定維持、長期信頼性の向上に有利である。
【0054】
図4(a)、(b)〜図6(a)、(b)に示すように、撮像モジュールは、前端部に切欠部12cが形成された電極パッド12aを両側の主面に有する基板12Aを用い、基板12Aの各電極パッド12aの前端部をそれぞれ撮像素子の背面11bの電極パッド11dに導電性接続材部13を用いて接合固定し電気的に接続して組み立てても良い。
【0055】
図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10A(第2実施形態の撮像モジュール)の撮像素子11Aは、その背面11bに、基板12Aの両面の電極パッド12aの個々に対応して設けられた電極パッド11dを有する。図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10Aにおいて、基板12Aの各電極パッド12aの前端部は、それぞれ撮像素子11Aの電極パッド12aに導電性接続材部13を介して接合固定され、電気的に接続されている。
【0056】
図4(a)、(b)は、図6(a)、(b)の撮像モジュール10Aの製造に用いる撮像素子11A及び基板12Aを示す。
図4(a)、(b)に示す基板12Aは、図2(a)、(b)に示した基板12の両側の主面に、前端部に切欠部12cが形成された電極パッド12a、基板電極端子12eを設けたものである。基板12Aの各主面(絶縁板12bの両側の主面)のそれぞれにおける電極パッド12a、基板電極端子12eの形状、配置等の構成は、図2(a)に示した基板12と同様である。また、ケーブル接続用端子12d、前後絶縁壁部15を有することも図2(a)に示した基板12と同様である。
【0057】
撮像素子11Aは、基板12の両側の主面の電極パッド12aに対応させて複数の電極パッド11d及び電極端子11eが背面11bに設けられている点のみが図2(a)、(b)に示す撮像素子11と異なる。
【0058】
図4(a)、(b)に示す撮像素子11A及び基板12Aを用いて図6(a)、(b)の撮像モジュール10Aを製造する(第2実施形態の撮像モジュールの製造方法)には、まず、図5(a)、(b)に示すように、基板12Aを撮像素子11Aに対して位置決めする位置決め工程を行なう。次いで、位置決め工程にて互いに当接させた素子電極端子11e及び基板電極端子12eとを加熱溶融(リフロー)後、冷却固化させて導電性接続材部13(図6(a)、(b)参照)を形成する撮像素子実装工程を行なう。
【0059】
図5(a)、(b)に示すように、撮像素子11Aの背面11b側には、基板12Aの一方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eと、基板12Aの他方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eとが、高さ方向(Z方向)に互いに離隔させて設けられている。
基板12Aの一方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eと、基板12Aの他方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eとの間の離隔距離は、基板12Aの絶縁板12bの板厚と同じか僅かに大きく設定されている。
【0060】
位置決め工程では、基板12Aを、基板12Aの一方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eと、基板12Aの他方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eとの間にその後側から挿入する。
【0061】
素子電極端子11eは、素子電極端子11e間への基板12Aの挿入によって、基板12Aの各電極パッド12aの切欠部12c及び電極端子切欠部12fに挿入可能、かつ基板パッド切欠部12cに露呈する絶縁板12bに当接させることが可能である。基板パッド切欠部12cは、基板12Aの両側の主面の互いに対応する位置に形成されている。基板12Aは、素子電極端子11e間への挿入によって、絶縁板12bのその両側の主面の互いに対応する位置の基板パッド切欠部12cに露呈する部分(前端部)を素子電極端子11e間に挿入でき、絶縁板12bをその厚み方向両側に配置された素子電極端子11eによって撮像素子11Aに対して高さ方向(Z方向)に位置決めできる。
【0062】
素子電極端子11e間に挿入した基板12Aの絶縁板12bは、その厚み方向両側の素子電極端子11eの一方または両方に当接させた構成、両方の素子電極端子11eのいずれにも当接させていない構成、のいずれも採用可能である。
素子電極端子11e間の離隔距離は基板12Aの絶縁板12bの板厚と同じか僅かに大きく、素子電極端子11e間に挿入された基板12Aを撮像素子11Aに対して高さ方向に位置決め可能に設定されている。このため、素子電極端子11e間に挿入された基板12Aは、その絶縁板12bの素子電極端子11eに対する当接、離間に関係無く、撮像素子11Aに対して高さ方向に位置決めされる。
【0063】
図5(a)、(b)に示すように、位置決め工程が完了したとき、基板12Aは、基板12Aの一方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eと、基板12Aの他方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eとの間に挟み込まれるように配置される。このとき、より詳細には、基板12Aの絶縁板12bが、その両面の電極パッド12aの切欠部12cにそれぞれ挿入された素子電極端子11eの間に挟み込まれるように配置される。
その結果、位置決め工程では、基板12Aを、基板12Aの一方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eと、基板12Aの他方の主面の基板電極端子12eに当接される素子電極端子11eとの間に挿入するだけで、基板12Aの撮像素子11Aに対する高さ方向(Z方向)の位置決めを簡単かつ確実に行える。
【0064】
位置決め工程では、素子電極端子11e間への基板12Aの挿入によって、基板12Aの各電極パッド12aの切欠部12c及び電極端子切欠部12fに素子電極端子11eを挿入し、素子電極端子11eを基板電極端子12e(具体的には、電極端子切欠部12f内周面)に当接させる。また、位置決め工程では、基板12Aの絶縁板12bにおけるその両側の主面の互いに対応する位置に形成された基板パッド切欠部12cに露呈する部分(前端部)を素子電極端子11e間に挿入する。
その結果、位置決め工程では、基板12A前端部を素子電極端子11e間に挿入し、素子電極端子11eに電極端子切欠部12f内周面を当接させるだけで、電極端子切欠部12fの内周面形状及び素子電極端子11e間への絶縁板12bの挿入によって、基板12Aの撮像素子11Aに対する幅方向、前後方向、高さ方向の位置決めを実現できる。
【0065】
位置決め工程において、基板12Aは、撮像素子11Aの後側に撮像素子11Aから後側へ延在するように設けられる。
また、位置決め工程では、支持具等を用いて、基板12Aを撮像素子11Aに対してその背面11bから後側(撮像面11aとは反対の側)へ延出する向きに保つ。
【0066】
位置決め工程が完了したら、支持具等を用いて、基板12Aの撮像素子11Aに対する位置及び向きを保ったまま撮像素子実装工程を実施して導電性接続材部13(図6(a)、(b)参照)を形成する。撮像素子実装工程では、素子電極端子11e及び基板電極端子12eを加熱溶融(リフロー)して一体化させた後、冷却固化して導電性接続材部13を形成する。
撮像素子実装工程が完了すれば、導電性接続材部13によって素子電極パッド11dと基板電極パッド12aとの間の電気的接続が確実に確保されるとともに、基板12Aが導電性接続材部13によって撮像素子11Aに対して撮像素子11Aから後側へ延出する向きに支持される。その結果、撮像モジュール10Aが組み立てられ、撮像モジュール10Aの製造が完了する。
【0067】
基板電極パッド12a後端部への電気ケーブル14の導体14aの接続(電気的接続)、接合固定は、基板電極パッド12a後端部に熱溶融性の導電性金属材料あるいは導電性接着剤によって形成されたケーブル接続用端子を利用して、第1実施形態の撮像モジュールの製造方法と同様に実施できる。
【0068】
図7図8図9は、変形例の基板12Bを用いる例を示す。
なお、図7図8図9において、図1図6と同様の構成部分には共通の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0069】
図7に示す基板12Bは、図4(a)、(b)に示す基板12Aについて、その両側の主面の電極パッドを、図4(a)、(b)に示す電極パッド12aとは前端部の切欠部形状が異なる電極パッド12a1、12a2(基板電極パッド)に変更したものである。
図7に示すように、基板12Bは、主面に、その前端から後側へ延在形成された複数(図7では2つ)の電極パッド12a1、12a2を有する。電極パッド12a1、12a2の主面前端部(主面の基板前端部に位置する部分)において互いに隣り合う前端部には切欠部12g、12h(基板パッド切欠部)が形成されている。
【0070】
図7に示す基板12Bの基板パッド切欠部12g、12hは、主面前端部において互いに隣り合う電極パッド12a1、12a2(基板電極パッド)の前端部に、それぞれの前端(先端)を含む範囲が互いに対向する側から窪む形状に形成されている。各基板パッド切欠部12g、12hは、基板電極パッド12a1、12a2前端部の互いに対向する側の部分にその前端から後側へ窪むように形成されている。
【0071】
図7は、撮像素子11A(第2実施形態にて説明した撮像素子)を実装前の基板12Bを示す。
図7の状態の基板12Bの互いに隣り合う一対の電極パッド12a1、12a2前端部には熱溶融性の基板電極端子12e1、12e2が設けられている。互いに隣り合う一対の電極パッド12a1、12a2前端部にそれぞれ形成された基板電極端子12e1、12e2(隣り合う基板電極端子)には、基板パッド切欠部12g、12h内周面に沿う内周形状の切欠部12i、12j(基板電極端子切欠部)が形成されている。基板パッド切欠部12g、12hは、主面前端部において互いに隣り合う電極パッド12a1、12a2(基板電極パッド)の前端部に、それぞれの前端(先端)を含む範囲が互いに対向する側から窪む形状に形成されている。
なお、基板電極端子12e1、12e2の形成材料には、第1実施形態の基板電極端子の形成に使用可能なものが採用される。
【0072】
図9は、図7の撮像素子11Aを基板12Bに実装して組み立てた撮像モジュール10Bを示す。
図7の撮像素子11A及び基板12Bを用いて撮像モジュール10Bを組み立てる(撮像モジュールの製造方法)には、基板電極端子12e1、12e2を素子電極端子11eに当接させて基板12Bを撮像素子11Aに対して位置決めする位置決め工程(図8参照)と、位置決め工程の後、撮像素子11Aに対する基板12Bの位置決め状態を保ったまま、基板電極端子12e1、12e2及び素子電極端子11eを加熱溶融(リフロー)後、冷却固化させて導電性接続材部13(図9参照)を形成する撮像素子実装工程とを行なう。
【0073】
基板12Bはその両面(両側の主面)に、図7に示す一対の電極パッド12a1、12a2及び基板電極端子12e1、12e2を有している。
なお、基板電極端子12e1、12e2は、第1、第2実施形態にて例示した基板電極端子12eと同様の形成手法によって電極パッド12a1、12a2前端部に形成される。
【0074】
位置決め工程では、撮像素子11Aの後側に配置した基板12Bを撮像素子11Aから後側へ延出する向きを保ったまま撮像素子背面11bに向かって前進させ、基板12Bの前端部を、基板12Bの一方の主面の基板電極端子12e1、12e2を当接させる素子電極端子11eと、基板12Bの他方の主面の基板電極端子12e1、12e2を当接させる素子電極端子11eとの間に挿入して、基板12Bを撮像素子11Aに対して高さ方向に位置決めする。
【0075】
また、位置決め工程では、図8に示すように、撮像素子11Aへの基板12Aの前進によって、基板12Bの各主面の基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jのそれぞれに素子電極端子11eを1つずつ挿入し、素子電極端子11eに基板電極端子12e1、12e2(具体的にはその切欠部12i、12j後端部内周面)を当接させる。
基板12Aの主面前端部において互いに隣り合う電極パッド12a1、12a2前端部の基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12j(基板電極端子切欠部)には、撮像素子11に互いに離隔させて設けられている素子電極端子11eを挿入する。
【0076】
位置決め工程では、素子電極端子11eに基板電極端子12e1、12e2(具体的にはその切欠部12i、12j後端部内周面)を当接させることで、電極端子切欠部12i、12j内周面によって、基板12Bを撮像素子11Aに対して前後方向及び幅方向に位置決めできる。
【0077】
図7に示すように、基板12Aの主面前端部において互いに隣り合う一対の基板電極パッド12a1、12a2前端部の切欠部12g、12hの内周面は、基板電極パッド12a1、12a2前端から後側に行くにしたがって隣り合う相手側の基板電極パッドに接近するように湾曲形成された内側面部12kと、内側面部12kの前後方向後端から基板電極パッド幅方向に延在する後端内面部12mとを有する。後端内面部12mは、基板電極パッド前端部において、一対の基板電極パッド12a1、12a2前端部間の領域に臨む側面から内側面部12k後端まで延在形成されている。
【0078】
基板12Aの主面前端部において互いに隣り合う一対の基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jは、基板電極端子12e1、12e2に基板パッド切欠部12g、12hの内周面に沿う形状に形成されている。基板電極端子切欠部12i、12jは、それぞれの前端を含む範囲が互いに対向する側から窪む形状に形成されている。
【0079】
基板電極端子切欠部12i、12jの内周面は、基板パッド切欠部12i、12j内周面の基板電極パッド12a1、12a2表面側(絶縁板12bとは反対側)の端から絶縁板12bとは反対側へ立ち上げるように形成されている。
基板電極端子切欠部12i、12j内周面は、基板パッド切欠部12g、12hの内側面部12kに沿う内側面部12nを有する。但し、基板電極端子切欠部12i、12jの内側面部12nは、基板パッド切欠部12g、12hの内側面部12kから高さ方向に離隔するにしたがって径大となるテーパ状に形成されている。
【0080】
位置決め工程では、撮像素子11Aの背面11bへの基板12Bの前進によって、互いに隣り合う基板電極端子12e1、12e2をそれぞれ当接させる2つの素子電極端子11eを、隣り合う基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jの内側面部12nの間に挿入し、各基板電極端子切欠部12i、12jの内周面後端部に当接させる。
素子電極端子11eは、各基板電極端子切欠部12i、12jの内側面部12n後端部あるいは基板電極端子切欠部12i、12j内周面における基板パッド切欠部12g、12hの後端内面部12mに沿う部分に当接される。
【0081】
隣り合う基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jは、隣り合う基板電極端子12e1、12e2をそれぞれ当接させる2つの素子電極端子11eのサイズ及び互いの離隔距離に鑑みて、2つの素子電極端子11eを各切欠部12i、12jの内側面部12nの間に挿入可能、かつ各切欠部12i、12jの内周面後端部に当接可能に形成されている。
隣り合う基板電極端子12e1、12e2は、それぞれの切欠部12i、12jの内周面後端部を素子電極端子11eに当接させることで、基板12Bを撮像素子11Aに対して前後方向(Y方向)に位置決めする役割を果たす。
【0082】
また、隣り合う基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jのそれぞれの内側面部12nは、基板電極端子切欠部12i、12jのそれぞれの内周面後端部に素子電極端子11eが当接されたときに、素子電極端子11eに当接するかあるいは素子電極端子11eに僅かなクリアランスを介して接近配置される。隣り合う基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jのそれぞれの内側面部12nは、その一方のみが素子電極端子11eに当接し、他方が素子電極端子11eに当接せずに接近配置されても良い。
隣り合う基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jは、それぞれの内側面部12nによって、基板12Bを撮像素子11A(具体的には素子電極端子11e)に対して幅方向(X方向)に要求位置決め精度を確保して位置決めする。
【0083】
位置決め工程が完了したら撮像素子実装工程を実施する。撮像素子実装工程では、互いに当接させた基板電極端子12e1、12e2及び素子電極端子11eを加熱溶融(リフロー)後、冷却固化によって図8に示す導電性接続材部13を形成して、素子電極パッド11dに対して基板電極パッド12a1、12a2の電気的接続及び接合固定を実現する。その結果、撮像素子11Aが基板12Bに実装された構成の撮像モジュール10Bが得られる。
【0084】
なお、基板パッド切欠部12g、12hの内周面の内側面部は、図7に例示した湾曲面に限定されず、例えば、基板電極パッド12a1、12a2前端から後側に行くにしたがって隣り合う相手側の基板電極パッドに接近するように真っ直ぐに延在形成されたものであっても良い。
基板パッド切欠部12g、12hの内周面は、その内側面部が、例えば、基板電極パッド12a1、12a2前端から後側に行くにしたがって隣り合う相手側の基板電極パッドに接近する湾曲面あるいは真っ直ぐに延在形成された面である場合は、必ずしも後端内面部を有している必要は無く、後端内面部を有していない構成も採用可能である。
また、基板パッド切欠部12g、12hの内周面の内側面部は、前後方向に真っ直ぐに延在形成されていても良い。この場合、基板パッド切欠部12g、12hの内周面は、後端内面部を有する構成が採用される。
基板電極端子切欠部12i、12jは、基板パッド切欠部12g、12h内周面に沿う内周面を有する形状に形成される。基板電極端子切欠部12i、12jは、基板パッド切欠部12g、12h内周面が後端内面部を有する場合は基板パッド切欠部12g、12hの後端内面部に沿う部分を有する。
【0085】
第1、第2実施形態の基板12、12Aの基板電極端子12eの半円状の切欠部12fは、その内周面後端部を素子電極端子に当接させることで、基板を素子電極端子に対して幅方向(X方向)に予め設定した要求精度を確保して位置決めできるように形成される。
これに対して、例えば図7に示すように、基板主面前端部において互いに隣り合う基板電極端子12e1、12e2は、各基板電極端子12e1、12e2の当接対象の素子電極端子11eを、それぞれの切欠部12i、12jの内側面部12k間に収容することで、基板を素子電極端子11eに対して幅方向(X方向)に予め設定した要求精度を確保して位置決めする。隣り合う基板電極端子12e1、12e2の切欠部12i、12jは、それぞれの前端を含む範囲が互いに対向する側から窪む形状であり、第1、第2実施形態の基板12、12Aの基板電極端子切欠部12fに比べて形状が単純であり、その形成及び形成精度の確保が容易である。
【0086】
図10(a)、(b)に示すように、基板は、その主面前端部において互いに隣り合う電極パッド12a1、12a2前端部間に電気絶縁性のパッド間絶縁壁部15が設けられた構成も採用可能である。図10(a)、(b)の基板に符号12C、基板12Cを採用して組み立てた図11の撮像モジュールに符号10Cを付記する。
図10(a)、(b)に示す基板12Cは、図7図8に例示した基板12Bのその主面前端部において互いに隣り合う電極パッド12a1、12a2前端部間にパッド間絶縁壁部15を形成したものである。
【0087】
パッド間絶縁壁部15は絶縁板12bの主面前端部に前後方向に延在するリブ状に突出形成されている。パッド間絶縁壁部15は絶縁板12bの両側の主面の前端部に形成されている。但し、基板12Cは、絶縁板12bの両側の片方の主面の前端部のみにパッド間絶縁壁部15が形成された構成も採用可能である。
【0088】
パッド間絶縁壁部15は樹脂等の電気絶縁性材料によって形成されている。パッド間絶縁壁部15は、例えば、絶縁板12b主面に設けられた樹脂層、あるいは絶縁板12bの一部が絶縁板12b主面に突出された突部等によって形成される。
パッド間絶縁壁部15は、撮像素子実装工程にて加熱溶融させた素子電極端子11e及び基板電極端子12eの形成材料の流動によって基板電極パッド12a間等にショートが生じることを防ぐ。
【0089】
なお、図10(a)、(b)に示すパッド間絶縁壁部16は、基板12Cの前後絶縁壁部15から基板12C前側へ延出するように形成されている。
但し、パッド間絶縁壁部16は、前後絶縁壁部15とは別に基板12C主面(絶縁板12b主面)に形成されたリブ状突部であっても良い。
【0090】
図7に示す、互いに隣り合う基板電極パッド12a1,12a2前端部の切欠部12i、12j及び基板電極端子12e1、12e2の形状、図10(a)、(b)に示すパッド間絶縁壁部16は、両側の主面に基板電極パッド及び基板電極端子を有する構成の基板のみならず、基板電極パッド及び基板電極端子を片側の主面のみに有する構成の基板にも適用可能である。
【0091】
図12(a)、(b)に示すように、基板は、基板電極パッド12aの、素子電極パッド11dと導電性接続材部13を介して電気的に接続される前端部と、電気ケーブル14の導体14aが電気的に接続される後端部との間の前後方向中央部に、基板電極パッド12aに電子部品17を電気的に接続して実装するための熱溶融性の電子部品接続端子18を有する構成も採用可能である。
電子部品接続端子18は、例えばはんだ等の、導電性接続材部13に採用可能な形成材料を用いて形成されている。
電子部品17は、例えば、抵抗素子、チップコンデンサ、ダイオード等である。
なお、図12(a)、(b)では、基板12D前端部と撮像素子背面11bとの間に確保されたクリアランスを明示している。
【0092】
図12(a)、(b)に例示した基板12Dは、片側の主面の基板電極パッド12aのみに電子部品接続端子18を有する。
但し、基板12Dは、その両側の主面の基板電極パッド12aの前後方向中央部に電子部品接続端子18が設けられた構成も採用可能である。
【0093】
図12(a)、(b)は、図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10Aの基板12Aの片方の主面の基板電極パッド12aのみに電子部品接続端子18を電気的に接続して実装した構成の基板12D及び撮像モジュール10Dを示す。
図12(a)、(b)の撮像モジュール10Dの基板12Dの基板電極パッド12aの前端部は、導電性接続材部13を介して撮像素子電極パッド11dと接合固定され電気的に接続されている。
基板電極パッド12a後端部には、第2実施形態の撮像モジュール及びその製造方法にて説明したものと同様のケーブル接続用端子12d(図12(a)、(b)では熱溶融性の導電性金属材料)によって電気ケーブル14の導体14aが接合固定され電気的に接続されている。
基板電極パッド12a前後方向中央部には、電子部品接続端子18(図12(a)、(b)では熱溶融性の導電性金属材料)によって電子部品17が接合固定され電気的に接続されている。
【0094】
また、図12(a)、(b)の撮像モジュール10Dの基板12Dの両側の主面には、前後絶縁壁部15a、15b(前側前後絶縁壁部15a、後側前後絶縁壁部15b)が前後方向に互いに離隔させて設けられている。
前後絶縁壁部15a、15bは、絶縁板12bの主面に図2(a)、(b)に示す前後絶縁壁部15の形成に使用可能な形成材料によって形成された電気絶縁性の突壁である。
図12(a)、(b)に示すように、前後絶縁壁部15a、15bは、それぞれ、絶縁板12bの主面にその幅方向に延在し、基板電極パッド12aの延在方向の一部を覆うように形成されている。
【0095】
図12(a)、(b)に示す基板12Dの電子部品接続端子18が設けられている側の主面において、導電性接続材部13と電子部品接続端子18との間には前側前後絶縁壁部15aが形成され、電子部品接続端子18とケーブル接続用端子12dとの間には後側前後絶縁壁部15bが形成されている。
基板12Dの電子部品接続端子18が設けられている側とは反対側の主面の前側、後側前後絶縁壁部15a、15bは、電子部品接続端子18が設けられている側の前側、後側前後絶縁壁部15a、15bに対応する位置に設けられている。
【0096】
図12(a)、(b)の撮像モジュール10Dは、図4(a)、(b)に示す基板12Aに電子部品接続端子18及び前側、後側前後絶縁壁部15a、15b(前側前後絶縁壁部15a、後側前後絶縁壁部15b)を設けた構成の基板を用い、この基板に撮像素子11Aを実装して組み立てられる。この基板と撮像素子11Aとを用いた撮像モジュール10Dの製造は、第2実施形態の撮像モジュールの製造方法と同様に、まず位置決め工程を行い、次いで撮像素子実装工程を行なうことで実現できる。
電子部品接続端子18は、その形成材料を、基板の基板電極パッド12a前後方向中央部に肉盛りして層状あるいは半球状に形成される。
【0097】
撮像素子11Aを実装前の基板において、前側前後絶縁壁部15aは、基板電極端子12eと電子部品接続端子18との間に位置し、後側前後絶縁壁部15bは電子部品接続端子18とケーブル接続用端子12dとの間に位置する。
【0098】
前側前後絶縁壁部15aは、基板電極端子12eと基板電極端子12eを当接させた素子電極端子11eとを加熱溶融させたときに、加熱溶融させた基板電極端子12e及び素子電極端子11eの形成材料(導電性接続材部13の形成材料)がその流動によって電子部品接続端子18に達することを防止する。前側前後絶縁壁部15aは、加熱溶融状態の導電性接続材部13の形成材料が電子部品接続端子18に達して、電子部品接続端子18による電子部品18と基板電極パッド12aとの間の電気的接続に影響を与えることを防止できる。
【0099】
後側前後絶縁壁部15bは、電気ケーブル14の導体14aを基板電極パッド12a後端部に電気的に接続するために加熱溶融させた熱溶融性のケーブル接続用端子12dの形成材料がその流動によって電子部品接続端子18に達することを防止する。後側前後絶縁壁部15bは、加熱溶融状態のケーブル接続用端子12d形成材料が電子部品接続端子18に達して電子部品接続端子18による電子部品18と基板電極パッド12aとの間の電気的接続に影響を与えることを防止できる。
【0100】
なお、基板は前側、後側前後絶縁壁部15a、15bを有していない構成も採用可能である。
但し、前側、後側前後絶縁壁部15a、15bを有する基板(撮像素子を実装前の基板)は、前側、後側前後絶縁壁部15a、15bを有していない構成に比べて、基板電極端子12eと電子部品接続端子18との間の距離、及びケーブル接続用端子12dと電子部品接続端子18との間の距離の短縮が可能である。このため、前側、後側前後絶縁壁部15a、15bを有する基板(撮像素子を実装前の基板)は、基板自体、及び撮像モジュール全体の小型化に有利である。
【0101】
図13(a)、(b)に示すように、基板は、同軸ケーブル14A(電気ケーブル)の接続を可能にするために、その主面に、同軸ケーブル14Aの内部導体14cが接続される電極パッド12o1(以下、内部導体用電極パッド、とも言う)と、同軸ケーブル14Aの外部導体14dが接続される電極パッド12o2(以下、外部導体用電極パッド、とも言う)とを有する構成も採用可能である。
【0102】
図13(a)、(b)に示す撮像モジュール10Eは、図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10Aの基板12Aを、主面に内部導体用電極パッド12o1及び外部導体用電極パッド12o2を有する構成の基板12Eに変更したものである。
図13(a)、(b)に示す基板12Eは、図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10Aの基板12Aと同様の絶縁板12bを有する。基板12Eにおける絶縁板12bを介して両側の構造は互いに同様になっている。内部導体用電極パッド12o1及び外部導体用電極パッド12o2は、基板12Eの両側の主面(絶縁板12bの両側の主面)に形成されている。
なお、図13(a)、(b)では、基板12E前端部と撮像素子背面11bとの間に確保されたクリアランスを明示している。
【0103】
図13(a)、(b)に示す基板12Eの電極パッド12o1、12o2は、図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10Aの基板12Aの電極パッド12aの前端部と同様の構成の前端部を有する。
図13(a)、(b)に示す撮像モジュール10Eにおいて、電極パッド12o1、12o2の前端部は、導電性接続材部13を介して、撮像素子11Aの電極パッド11dと電気的に接続されている。
【0104】
内部導体用電極パッド12o1の後端部には、ケーブル導体接合材12d1によって同軸ケーブル14Aの内部導体14cが接合固定され電気的に接続されている。
外部導体用電極パッド12o2の後端部には、ケーブル導体接合材12d2によって同軸ケーブル14Aの外部導体14dが接合固定され電気的に接続されている。
【0105】
以下、内部導体用電極パッド12o1後端部に同軸ケーブル14Aの内部導体14cを接続するためのケーブル導体接合材12d1を内部導体接合材、外部導体用電極パッド12o2後端部に同軸ケーブル14Aの外部導体14dを接続するためのケーブル導体接合材12d2を外部導体接合材、とも言う。
【0106】
ケーブル導体接合材12d1、12d2の形成材料は、例えばはんだペースト、導電性接着剤(銀等の導電性金属のフィラーを樹脂バインダーに分散されたもの)といった、加熱固化(焼結を含む)によって接合力を発現するペースト状の導電性接合材(加熱固化型導電性接合材)を加熱固化したものや、図6(a)、(b)に示す撮像モジュール10Aのケーブル接続用端子12dの形成に使用可能な導電性金属材料(はんだ等)等、である導電性接合材を採用できる。
【0107】
図13(a)に示す内部導体用電極パッド12o1は、前後方向に真っ直ぐに延在形成されている。
一方、外部導体用電極パッド12o2は、その前端部と後端部との間に屈曲部12p、12qを有している。外部導体用電極パッド12o2の後端部は、内部導体用電極パッド12o1の後端部からその後側に離隔させた位置に設けられている。
外部導体用電極パッド12o2の後端部には、内部導体用電極パッド12o1の後端部に内部導体14cを電気的に接続した同軸ケーブル14の外部導体14dを電気的に接続できる。
【0108】
図13(a)、(b)に示す撮像モジュール10Eは、基板12Eの内部導体用電極パッド12o1の後端部に内部導体14cを電気的に接続した同軸ケーブル14の外部導体14dを外部導体用電極パッド12o2の後端部に電気的に接続して、基板12Eに同軸ケーブル14を接続した構成となっている。
図13(a)、(b)に示す撮像モジュール10Eでは、同軸ケーブル14の外部導体14dを、外部導体用電極パッド12o2を介して撮像素子11Aにその電源ラインとして接続している。
【0109】
図13(a)、(b)に示す撮像モジュール10Eの基板12Eは、その主面の前後方方向に互いに離隔させて形成された前後絶縁壁部19a、19b(前側前後絶縁壁部19a、後側前後絶縁壁部19b)も有している。
前側前後絶縁壁部19aは、各電極パッド12o1、12o2(基板電極パッド)の前端部及び素子電極パッド11dの間に形成された導電性接続材部13と内部導体用電極パッド12o1後端部との間に形成されている。
後側前後絶縁壁部19bは、内部導体用電極パッド12o1の後端と外部導体用電極パッド12o2との間に形成されている。
【0110】
前側及び後側の前後絶縁壁部19a、19bは、絶縁板12bの主面に図2(a)、(b)に示す前後絶縁壁部15の形成に使用可能な形成材料によって形成された電気絶縁性の突壁である。
図13(a)、(b)に示すように、前後絶縁壁部19a、19bは、それぞれ、絶縁板12bの主面にその幅方向に延在形成されている。
前側前後絶縁壁部19aは、内部導体用及び外部導体用の電極パッド12o1、12o2の延在方向の一部を覆うように形成されている。
後側前後絶縁壁部19bは、外部導体用電極パッド12o2の延在方向の一部を覆うように形成されている。
【0111】
前側前後絶縁壁部19aは、前側前後絶縁壁部19aと撮像素子電極パッド11dとの間における加熱溶融状態の導電性接続材部13形成材料の基板前後方向の拡がりを限定して、前側前後絶縁壁部19aと撮像素子電極パッド11dとの間に所期形状の導電性接続材部13を形成(特には導電性接続材部13の厚みの確保)することに有効に寄与する。 また、前側前後絶縁壁部19aは、内部導体用電極パッド12o1の後端部に同軸ケーブル14Aの内部導体14cを接続する内部導体接合材12d1の前方向への拡がりを限定して、ケーブル導体接合材12d1が撮像素子11Aの背面11bに到達することを防ぐ役割も果たす。
後側前後絶縁壁部1bは、内部導体接合材12d1と、外部導体用電極パッド12o2後端部に同軸ケーブル14Aの外部導体14dを接続する外部導体接合材12d2との接触を防ぐ役割を果たす。
【0112】
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、両側の主面(絶縁板両側の主面)に電極パッド(基板電極パッド)を有する基板の絶縁板両側の構成は、互いに同じである構成に限定されず、互いに異なっていても良い。
図7図10(a)、図12(a)、図13(a)に示す基板電極パッド形状等の基板主面の構成は、片方の主面のみに電極パッド(基板電極パッド)を有する基板にも適用可能である。
【0113】
基板電極パッド前端部と撮像素子の電極パッド(素子電極パッド)との間の接続は、導電性接続材部13に限定されず、導電性金属によって素子電極パッドに突出形成された素子電極端子と基板電極パッド前端部とを、はんだペースト、導電性接着剤(銀等の導電性金属のフィラーを樹脂バインダーに分散されたもの)といった、加熱固化(焼結を含む)によって接合力を発現するペースト状の導電性接合材を用いて接合固定した構成も採用可能である。
【0114】
加熱固化(焼結を含む)によって接合力を発現するペースト状の導電性接合材を、以下、加熱固化型導電性接合材、とも言う。
加熱固化型導電性接合材を用いる場合、撮像モジュールの製造方法における位置決め工程では、基板電極パッド前端部に加熱固化型導電性接合材を成形した基板電極端子を設けておき、この基板電極端子を素子電極端子に当接させて、基板を撮像素子に位置決めする。撮像素子実装工程では、素子電極端子に当接状態の基板電極端子を加熱固化させ、基板電極端子の形成材料(加熱固化型導電性接合材の加熱固化物)の接合力によって、素子電極端子と基板電極パッド前端部とを接合固定し、電気的に接続する。
基板電極パッド前端部と撮像素子の電極パッドとの間の接続は、導電性金属材料からなる導電性接続材部13、加熱固化型導電性接合材といった導電性接合材を用いて実現される。
【0115】
基板電極パッドに設けられる電子部品接続端子、ケーブル接続用端子についても、導電性接合材によって形成されたものを用いることができる。
また、基板は、基板電極パッドへの電子部品接続端子、ケーブル接続用端子の設置を省略した構成も採用可能である。また、基板電極パッドへの電子部品接続端子、ケーブル接続用端子の設置を省略した構成においても、加熱固化型導電性接合材を用いて、電気ケーブルの導体や電子部品の基板電極パッドへの接合固定、電気的接続を実現できる。
【符号の説明】
【0116】
10、10A、10B、10C、10D、10E…撮像モジュール、11、11A…撮像素子、11a…撮像面、11b…背面(後面)、11c…素子本体、11d…電極パッド(素子電極パッド)、11e…素子電極端子、12、12A、12B、12C、12D、12E…基板、12a、12a1、12a2…電極パッド(基板電極パッド)、12b…絶縁板、12c…(基板電極パッドの)切欠部、12d…ケーブル接続用端子、12e…基板電極端子、12f…(基板電極端子の)切欠部、12g、12h…(基板電極パッドの)切欠部、12o1…電極パッド(基板電極パッド。内部導体用電極パッド)、12o2…電極パッド(基板電極パッド。外部導体用電極パッド)、13…導電性接続材部、14…電気ケーブル、14A…電気ケーブル、同軸ケーブル、14c…同軸ケーブルの内部導体、14d…同軸ケーブルの外部導体、15…前後絶縁壁部、15a…前後絶縁壁部(前側前後絶縁壁部)、15b…前後後絶縁壁部(後側前後絶縁壁部)、16…パッド間絶縁壁部、17…電子部品、18…電子部品接続端子、19a…前後絶縁壁部(前側前後絶縁壁部)、19b…前後後絶縁壁部(後側前後絶縁壁部)。
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