特許第6596483号(P6596483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6596483パ−キンソン病治療用の新規高透過薬物及びその組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596483
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】パ−キンソン病治療用の新規高透過薬物及びその組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 271/22 20060101AFI20191010BHJP
   C07D 211/62 20060101ALI20191010BHJP
   C07D 455/02 20060101ALI20191010BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/4465 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20191010BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20191010BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20191010BHJP
   C07C 219/28 20060101ALI20191010BHJP
   C07C 237/12 20060101ALI20191010BHJP
   C07D 207/16 20060101ALI20191010BHJP
   C07D 321/12 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/223 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/401 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/357 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 31/621 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   C07C271/22CSP
   C07D211/62
   C07D455/02
   C07D471/04 102
   A61K31/4465
   A61K31/4375
   A61K31/235
   A61K31/437
   A61P43/00 111
   A61P43/00 123
   A61P25/16
   C07C219/28
   C07C237/12
   C07D207/16
   C07D321/12
   A61K31/223
   A61K31/401
   A61K31/357
   A61K31/245
   A61K31/621
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】105
(21)【出願番号】特願2017-253039(P2017-253039)
(22)【出願日】2017年12月28日
(62)【分割の表示】特願2015-561892(P2015-561892)の分割
【原出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-65866(P2018-65866A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2018年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】514291255
【氏名又は名称】テックフィールズ ファーマ カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】509023539
【氏名又は名称】ユー チョンシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】ユー チョンシー
(72)【発明者】
【氏名】シュー リナ
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04479932(US,A)
【文献】 特開平02−096556(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0034553(US,A1)
【文献】 特表2011−522035(JP,A)
【文献】 特開昭50−029527(JP,A)
【文献】 STEFANO, D. A et al.,Dimeric L-Dopa Derivatives as Potential Prodrugs,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2001年,vol.11,p.1085-1088,特に、Figure 1.、Table 1-3.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−409/00
C07D 207/00
C07D 211/00
C07D 321/00
C07D 455/00
C07D 471/00
A61K 31/00− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造Pro-L-Dopa-2、構造Pro-L-Dopa-3、構造Pro-L-Dopa-4、及び構造Pro-L-Dopa-5:
【化1】
及びその立体異性体若しくはその医薬的に許容できる塩から成る群より選択される構造を含む化合物であって、
Wは下記構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、構造W-6、構造W-7、構造W-8、構造W-9、構造W-10、構造W-11及び構造W-12:
【化2】
から成る群より選択され;
HAは、非存在、及び医薬的に許容できる酸から成る群より選択され;
HA1は、医薬的に許容できる酸であり;
Xは、O、S、及びNR3から成る群より選択され;
X2は、非存在、O、S、NR3、CHR3-O、CHR3-S、CHR3-O、O-CHR3-O、O-CHR3-S、S-CHR3-O、及びS-CHR3-Sから成る群より選択され;
X3は、非存在、C=O、C=S、C(=O)-O、O、S、NR3、C(=O)-O-CHR3-O、C(=O)-O-CHR3-S、C(=O)-S-CHR3-O、及びC(=O)-S-CHR3-Sから成る群より選択され;
Y1は、R3C(=O)、R3O-C(=O)、及びR3S-C(=O)から成る群より選択され;
Y2は、R3C(=O)、R3O-C(=O)、及びR3S-C(=O)から成る群より選択され;
Y3は、R3、OR3、SR3、NR3R4、O-CHR3-OR4、O-CHR3-SR4、S-CHR3-OR4から成る群より選択され;
n及びmは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、及び8から成る群より選択され;
Rcは、非存在置換及び無置換アルキレン、置換及び無置換シクロアルキレン、置換及び無置換ヘテロシクロアルキレン、置換及び無置換アルキレンオキシ、置換及び無置換ペルフルオロアルキレン、置換及び無置換アルキレンハライド、置換及び無置換アルケニレン、置換及び無置換アリーレン、並びに置換及び無置換ヘテロアリーレンから成る群より選択され、ここで、Rc中のいずれのCH2もO、S、P、又はNR6置き換わっていてもよく;
Rは、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もO、S、P、又はNR6置き換わっていてもよく;
R3及びR4は、独立に、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、R3又はR4中のいずれのCH2もO、S、P、又はNR6置き換わっていてもよく;
各R6は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2-オキソ-1-イミダゾリジニル、フェニル、5-インダニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル、4-ヒドロキシ-1,5-ナフチリジン-3-イル、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アルキルオキ、置換及び無置換シクロアルキルオキ、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、-C(=O)-W、-L1-L4-L2-W、及びWから成る群より選択され;
各R5は、独立に、H、C(=O)NH2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキ、置換及び無置換シクロアルキルオキ、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルキルカルボニル、置換及び無置換アルキルアミノ、-C(=O)-W、L1-L4-L2-W、及びWから成る群より選択され;
L1は、非存在、O、S、-O-L5-、-S-L5-、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L3)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、及び-S-CH(L3)-O-から成る群より選択され;
L2は、非存在、O、S、-O-L5-、-S-L5-、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L3)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、-S-CH(L3)-O-、-NH-L5-、-N(L3)-L5-及びL5
【化3】

から成る群より選択され;
L4は、非存在、C=O、C=S、
【化4】
から成る群より選択され;
各L1、L2、及びL4について、各L3は、独立に、H、CH2C(=O)OL6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルコキ、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、又はP置き換わっていてもよく;
各L1、L2、及びL4について、各L5は、独立に、CHC(=O)OL6、置換及び無置換アルキレン、置換及び無置換シクロアルキレン、置換及び無置換ヘテロシクロアルキレン、置換及び無置換アリーレン、置換及び無置換ヘテロアリーレン、置換及び無置換アルレンオキシ、置換及び無置換ルキレンチオ、置換及び無置換ルキレンアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキレン、並びに置換及び無置換アルキレンハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、又はP置き換わっていてもよく;
各L6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、並びに置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルコキ、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素も、独立に、O、S、N、CH=CH、C≡C、アリール、ヘテロアリール、又は環式基と置き換わっていてもよく;
R1は、H、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキ、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリール残基から成る群より選択され;
R2は、置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキ、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリール残基から成る群より選択され;
R11〜R15は、独立に置換及び無置換アルキレン、置換及び無置換シクロアルキレン、置換及び無置換ヘテロシクロアルキレン、置換及び無置換アルキレンオキシ、置換及び無置換ペルフルオロアルキレン、置換及び無置換アルキレンハライド置換及び無置換アリーレン、並びに置換及び無置換ヘテロアリーレンから成る群より選択される、
前記化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物;医薬的に許容できる担体;カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、及びα-メチルドパから成る群より選択される芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬;エンタカポン及びトルカポンから成る群より選択されるカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬;並びに構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13から成る群より選択される構造を含む化合物を含む医薬組成物。
【化5】
【化6】
【化7】
当該構造中、
アリ-ルは、アリ-ル-1、アリ-ル-2、アリ-ル-3、アリ-ル-4、アリ-ル-5、アリ-ル-6、アリ-ル-7、アリ-ル-8、アリ-ル-9、アリ-ル-10、アリ-ル-11、アリ-ル-12、アリ-ル-13、アリ-ル-14、アリ-ル-15、アリ-ル-16、アリ-ル-17、アリ-ル-18、アリ-ル-19、アリ-ル-20、アリ-ル-21、アリ-ル-22、アリ-ル-23、アリ-ル-24、アリ-ル-25、アリ-ル-26、アリ-ル-27、アリ-ル-28、アリ-ル-29、アリ-ル-30、アリ-ル-31、アリ-ル-32、アリ-ル-33、アリ-ル-34、アリ-ル-35、アリ-ル-36、アリ-ル-37、アリ-ル-38、アリ-ル-39、アリ-ル-40、アリ-ル-41、アリ-ル-42、アリ-ル-43、アリ-ル-44、アリ-ル-45、アリ-ル-46、アリ-ル-47、アリ-ル-48、アリ-ル-49、アリ-ル-50、アリ-ル-51、アリ-ル-52、アリ-ル-53、アリ-ル-54、アリ-ル-55、アリ-ル-56、アリ-ル-57、アリ-ル-58、アリ-ル-59、アリ-ル-60、アリ-ル-61、アリ-ル-62、アリ-ル-63、アリ-ル-64、アリ-ル-65、アリ-ル-66、アリ-ル-67、アリ-ル-68、アリ-ル-69、アリ-ル-70、及びアリ-ル-71から成る群より選択され:
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
W、HA、X、X2、X3、Y1、Y2、Y3、n、m、Rc、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R11〜R15、L1、L2、及びL4は、請求項1において定義されるとおりであり、
X6及びX8は、独立に、非存在、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、OC(=S)、CH2、CH、S、O及びNR5から成る群より選択され;
Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、及びY9は、独立に、H、OH、OW、OC(=O)W、L1-L4-L2-W、OC(=O)CH3、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、R6、SO3R6、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)OR8、OCH3、OC2H5、OR6、CH3SO2、R6SO2、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2(CH2)nNR5R6、CH2(CH2)nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH2L1-L4-L2-W、NR8C(=O)R5、SO2NR5R8、C(=O)R5、SR5、R6OOCCH(NHR7)(CH2)nC(=O)NH-、R6OOCCH(NHR7)(CH2)nSC(=O)NH-、CF3SCH2C(=O)NH-、CF3CH2C(=O)NH-、CHF2SCH2C(=O)NH-、CH2FSCH2C(=O)NH-、NH2C(=O)CHFS-CH2C(=O)NH-、R7NHCH(C(=O)OW)CH2SCH2C(=O)NH-、R7NHCH(L1-L4-L2-W)CH2SCH2C(=O)NH-、CNCH2SCH2C(=O)NH-、CH3(CH2)nC(=O)NH-、R7N=CHNR7CH2CH2S-、R7N=C(NHR7)NHC(=O)-、R7N=C(NHR7)NHC(=O)CH2、CH3C(Cl)=CHCH2SCH2C(=O)NH-、(CH3)2C(OR6)-、CNCH2C(=O)NH-、CNCH2CH2S-、R7HN=CH(NR7)CH2CH2S-、CH2=CHCH2SCH2C(=O)NH-、CH3CH(OH)-、CH3CH(OR8)-、CH3CH(Y1)-、(CH3)2CH-、CH3CH2-、CH3(CH2)nCH=CH(CH2)mC(=O)NH-、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルコキ、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド並びに置換及び無置換アルキルカルボニルから成る群より選択され;
各R7は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)-、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキ、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルキルカルボニル、置換及び無置換アルキルアミノ、L1-L4-L2-W、及びC-(=O)-Wから成る群より選択され;
各R8は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3、C2H5、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR6R7、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C3H7、C4H9、C5H11、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH3)2C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)-W、L1-L4-L2-W、W、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド並びに置換及び無置換アルキルカルボニルから成る群より選択される。
【請求項3】
前記医薬的に許容できる担体が、アルコール、アセトン、エステル、セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、及び水溶液から成る群より選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
1種以上の請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項5】
(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノアート塩酸塩(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)臭化水素酸塩、(S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアートフッ化水素酸塩、(S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)塩酸塩、(2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノアート臭化水素酸塩、(2S)-イソプロピル 3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノアート臭化水素酸塩、5-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-2-((((オクタヒドロインドリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアートアセタート、及びこれらの組合せから選択される高透過プロドラッグを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための、経皮投与される医薬組成物であって、
更に、2-(ジエチルアミノ)エチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾアート.アセタート、(Z)-2-(ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセタート.AcOH、2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナート.塩酸塩、S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオアート塩酸塩、2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナート酢酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾアート塩酸塩、及びこれらの組合せから選択される1種以上の高透過プロドラッグを含んでもよく、
更に、カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、α-メチルドパ、他の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬、エンタカポン、トルカポン、他のカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬、及びそれらの組合せから選択される、経口投与される追加の治療剤を含んでもよい、
前記医薬組成物。
【請求項6】
前記高透過プロドラッグとして、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾアート塩酸塩を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記高透過プロドラッグとして、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)臭化水素酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナート酢酸塩を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記高透過プロドラッグとして、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩及び2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラート塩酸塩を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項9】
パーキンソン病を治療するための、請求項2〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物は経皮投与されるものであり、かつ
カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、α-メチルドパ、及びそれらの組合せから成る群より選択される芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬;並びに/又はエンタカポン及びトルカポンから成る群より選択されるカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬を含む経口投与用医薬組成物、又は
前記芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬を含む経口投与用医薬組成物、及び前記カテコール-O-メチル転移酵素阻害薬を含む経口投与用医薬組成物
と組み合わせて使用される、医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、及び請求項2の中で定義された構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13から成る群より選択される構造を含む化合物を含む、パーキンソン病を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物は経皮投与されるものであり、かつ
カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、α-メチルドパ、及びそれらの組合せから成る群より選択される芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬;並びに/又はエンタカポン及びトルカポンから成る群より選択されるカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬を含む経口投与用医薬組成物、又は
前記芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬を含む経口投与用医薬組成物、及び前記カテコール-O-メチル転移酵素阻害薬を含む経口投与用医薬組成物
と組み合わせて使用される、医薬組成物。
【請求項11】
(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)臭化水素酸塩、(S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアートフッ化水素酸塩、(S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)塩酸塩、(2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノアート臭化水素酸塩、(2S)-イソプロピル3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノアート臭化水素酸塩、5-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、及び4-((2S)-3-イソプロポキシ-2-((((オクタヒドロインドリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアートアセタートから選択される化合物。
【請求項12】
1種以上の請求項11に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項4又は12に記載の組成物を含む経皮パッチであって、前記組成物を標的部位に送達するために使用される前記経皮パッチ。
【請求項14】
前記組成物が、散剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル又は溶液として製剤化されている、請求項13に記載の経皮パッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、医薬組成物の分野に関する。さらに詳細には、本発明の一態様は、1つ以上の生物学的障壁を透過できる医薬組成物並びに対象のパ-キンソン病及び/又はパ-キンソン症候群を予防及び/又は治療するための該医薬組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
パ-キンソン病(PD)は黒質内のドパミンニュ-ロンの変性及び被殻内のドパミンの消失を特徴とする神経障害である。それは運動疾患とされているが、認知症状及び行動症状をも引き起こす。パ-キンソン病は、中脳領域である黒質内のドパミン産生細胞の死に起因し得る。この細胞死の原因は未知(一次パ-キンソニズム(parkisonism))又は既知(二次パ-キンソニズム)であり得る。パ-キンソン病は、運動、注意及び学習を含めた種々多様の機能に多くの症状をもたらし得る。パ-キンソン病の主症状は、黒質の緻密部領域内の細胞死によって引き起こされるドパミン分泌細胞の活性低下に起因する。運動回路及びそのPDに伴う変化の特定の概念モデルが1980年以来大きな影響力があったが、修正につながるいくつかの制限が指摘された[Obeso JA, Rodriguez-Oroz MC, Benitez-Temino B, et al.(2008).“Functional organization of the basal ganglia: therapeutic implications for Parkinson’s Disease”.Mov.Disord.23 (Suppl 3): S548-59]。このモデルでは、大脳基底核は通常、広範な運動系に一定の抑制的影響を及ぼして、それらが不適当な時に活性化しないようにする。特定行動をとる決断を下すとき、所要の運動系に対する抑制が低減され、それによって活性化のために該運動系を解放する。ドパミンが作用して、抑制のこの解放を促すので、高レベルのドパミン機能は運動活性を促進する傾向があるが、PDで生じるような低レベルのドパミン機能は、いずれの所与の運動のためにもより大きな努力の発揮を必要とする。従って、ドパミン欠失の正味の影響は運動低下を引き起こすことである[Obeso JA, Rodriguez-Oroz MC, Benitez-Temino B, et al.(2008).“Functional organization of the basal ganglia: therapeutic implications for Parkinson’s Disease”. Mov. Disord. 23 (Suppl 3): S548-59]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
運動症状を治療するための既知薬物の主系列はレボドパ(通常はド-パ脱炭酸酵素阻害薬又はCOMT阻害薬と併用する)、ドパミン作動薬及びMAO-B阻害薬である[The National Collaborating Centre for Chronic Conditions, ed.(2006).“Symptomatic pharmacological therapy in Parkinson’s Disease”, Parkinson’s Disease. London: Royal College of Physicians. pp. 59-100]。レボドパは運動症状を改善することが周知であるが、認知症状及び行動症状におけるその効果はさらに複雑である[Cools R (2006).“Dopaminergic modulation of cognitive function-implications for L-DOPA treatment in Parkinson’s Disease”. Neurosci Biobehav Rev 30 (1): 1-23]。レボドパ製剤は、PDにおける運動合併症の発生に寄与する。これらは、人が薬物効果の「ウェアリングオフ(wearing off)」及び/又は「オン」状態と「オフ」状態との間の予測不可能なスイッチングを経験する反応ゆらぎと共に、異常な不随意運動又はジスキネジア、例えばアテト-シス及びジストニアを含む。レボドパは、ピ-ク用量では悪心、嘔吐、胃腸出血、ジスキネジアをも引き起こし、また機能のエンド・オブ・ド-ス低下(end-of-dose deterioration)をもたらすこともある。
従って、当該問題に取り組むためのより良い治療を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の背景
本発明の一態様は、レボドパ及び/又はドパミンのHPPに関する。
本発明の別の態様は、本明細書で開示する1種以上のHPPを含む医薬製剤に関する。特定の実施形態では、医薬組成物は、NSAIDの1種以上の高透過プロドラッグ並びにドパミン及び/又はレボドパの1種以上の高透過プロドラッグを含む。
ここで、HPPの親薬物は同一又は異なっていてよく、レボドパ、ドパミン、アスピリン、イブプロフェン、及び/又は本明細書で開示する他のNSAIDであってよい。
本発明の別の態様は、生物対象の1つ以上の生物学的障壁を透過する際に本発明の組成物を使用する方法に関する。
本発明の別の態様は、生物対象の状態を治療する際に本発明の組成物、又はその医薬組成物を使用する方法に関する。
本発明の別の態様は、生物対象又は対象に1種以上のHPP又はその医薬組成物を投与することによって、生物対象若しくは対象のパ-キンソン病及び/又はその関連状態を治療する際に1種以上のHPP又はその医薬組成物を使用する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】1〜3週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例31)。
図2】1〜3週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例31)。
図3】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例32)。
図4】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例32)。
図5】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例33)。
図6】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例33)。
図7】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例34)。
図8】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例34)。
図9】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例35)。
図10】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例35)。
図11】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例36)。
図12】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例36)。
図13】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例37)。
図14】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例37)。
図15】4週間の治療後のロ-タロッド試験における滞留時間結果を示す(n=12)(実施例38)。
図16】4週間の治療後のロ-タロッド試験における落下速度結果を示す(n=12)(実施例38)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
I.レボドパの高透過プロドラッグ
本発明の一態様は、下記構造Pro-L-Dopa-1、構造Pro-L-Dopa-2、構造Pro-L-Dopa-3、構造Pro-L-Dopa-4及び構造Pro-L-Dopa-5:
【0007】
【化1】
【0008】
から成る群より選択される構造(その立体異性体及び医薬的に許容できる塩を含めて)を有するレボドパの高透過プロドラッグに関する。ここで、上記構造中、
Wは、H、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシ、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、プロトン化可能(protonatable)アミン基、医薬的に許容できる置換及び無置換アミン基、下記構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、構造W-6、構造W-7、構造W-8、構造W-9、構造W-10、構造W-11、及び構造W-12:
【0009】
【化2】
【0010】
から成る群より選択され;
HAは、非存在、並びに医薬的に許容できる酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸(sulfic acid)、重硫酸(bisulfic acid)、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチシン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びパモ酸から成る群より選択され;
R1及びR2は、独立に、H、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル並びに置換及び無置換ヘテロアリ-ル残基から成る群より選択され;
R11〜R15は、独立に、非存在、H、CH2C(=O)OR11、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル、並びに置換及び無置換ヘテロアリ-ルから成る群より選択され;
Xは、O、S、及びNR3から成る群より選択され;
X2は、非存在、O、S、NR3、CHR3-O、CHR3-S、CHR3-O、O-CHR3-O、O-CHR3-S、S-CHR3-O、及びS-CHR3-Sから成る群より選択され;
X3は、非存在、C=O、C=S、C(=O)-O、O、S、NR3、C(=O)-O-CHR3-O、C(=O)-O-CHR3-S、C(=O)-S-CHR3-O、及びC(=O)-S-CHR3-Sから成る群より選択され;
Y1は、R3C(=O)、R3O-C(=O)、及びR3S-C(=O)から成る群より選択され;
Y2は、R3C(=O)、R3O-C(=O)、及びR3S-C(=O)から成る群より選択され;
Y3は、R3、OR3、SR3、NR3R4、O-CHR3-OR4、O-CHR3-SR4、及びS-CHR3-OR4から成る群より選択され;
n及びmは、0、1、2、3、4、5、6、7、及び8から成る群より選択される。
【0011】
Rcは、非存在、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル、並びに置換及び無置換ヘテロアリ-ルから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もさらにO、S、P、又はNR6と置き換わっていてもよく;
Rは、非存在、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル、並びに置換及び無置換ヘテロアリ-ルから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もさらにO、S、P、又はNR6と置き換わっていてもよく;
R3及びR4は、独立に、非存在、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル、並びに置換及び無置換ヘテロアリ-ルから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もさらにO、S、P、又はNR6と置き換わっていてもよく;
各R6は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2-オキソ-1-イミダゾリジニル、フェニル、5-インダニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル、4-ヒドロキシ-1,5-ナフチリジン-3-イル、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換シクロアルキルオキシル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、-C(=O)-W、-L1-L4-L2-W、及びWから成る群より選択され;
各R5は、独立に、H、C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換シクロアルキルオキシル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、置換及び無置換アルキルカルボニル、置換及び無置換アルキルアミノ、-C(=O)-W、L1-L4-L2-W、及びWから成る群より選択され;
L1は、非存在、O、S、-O-L3-、-S-L3-、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L5)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、及び-S-CH(L3)-O-から成る群より選択され;
L2は、非存在、O、S、-O-L3-、-S-L3-、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L5)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、-S-CH(L3)-O-、-O-L3-、-N-L3-、-S-L3-、-N(L3)-L5-及びL3から成る群より選択され;
L4は、非存在、C=O、C=S、
【0012】
【化3】
【0013】
から成る群より選択され;
各L1、L2、及びL4、各L3及びL5については、独立に、非存在、H、CH2C(=O)OL6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、P、又はNL3と置き換わっていてもよく;
各L6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、並びに置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL6L7、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、又は環式基と置き換わっていてもよく;
各L7は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、並びに置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL6L7、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、又は環式基で置き換わっていてもよく;かつ
いずれのCH2基もO、S、又はNHと置き換わっていてもよい。
【0014】
II.ドパミンの高透過プロドラッグ
本発明の別の態様は、下記構造Pro-ドパミン-1、構造Pro-ドパミン-2、構造Pro-ドパミン-3、及び構造Pro-ドパミン-4、及び構造Pro-ドパミン-5:
【0015】
【化4】
【0016】
から成る群より選択される構造(その立体異性体及び医薬的に許容できる塩を含めて)を含むドパミンの高透過プロドラッグに関する。上記構造中、W、HA、X、X2、X3、Y1、Y2、Y3、n、m、Rc、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R11〜R15、L1、L2、及びL4は、上記と同じように定義される。
【0017】
III. NSAIDの高透過プロドラッグと、ドパミン及び/又はレボドパの1種以上の高透過プロドラッグとを含む医薬組成物。
本発明の別の態様は、NSAIDの1種以上の高透過プロドラッグと、ドパミン及び/又はレボドパの1種以上の高透過プロドラッグとを含む医薬組成物に関する。
NSAIDの高透過プロドラッグは、下記構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13:
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
から成る群より選択される構造(その立体異性体及び医薬的に許容できる塩を含めて)を含む。ここで、上記構造中、
アリ-ルは、下記アリ-ル-1、アリ-ル-2、アリ-ル-3、アリ-ル-4、アリ-ル-5、アリ-ル-6、アリ-ル-7、アリ-ル-8、アリ-ル-9、アリ-ル-10、アリ-ル-11、アリ-ル-12、アリ-ル-13、アリ-ル-14、アリ-ル-15、アリ-ル-16、アリ-ル-17、アリ-ル-18、アリ-ル-19、アリ-ル-20、アリ-ル-21、アリ-ル-22、アリ-ル-23、アリ-ル-24、アリ-ル-25、アリ-ル-26、アリ-ル-27、アリ-ル-28、アリ-ル-29、アリ-ル-30、アリ-ル-31、アリ-ル-32、アリ-ル-33、アリ-ル-34、アリ-ル-35、アリ-ル-36、アリ-ル-37、アリ-ル-38、アリ-ル-39、アリ-ル-40、アリ-ル-41、アリ-ル-42、アリ-ル-43、アリ-ル-44、アリ-ル-45、アリ-ル-46、アリ-ル-47、アリ-ル-48、アリ-ル-49、アリ-ル-50、アリ-ル-51、アリ-ル-52、アリ-ル-53、アリ-ル-54、アリ-ル-55、アリ-ル-56、アリ-ル-57、アリ-ル-58、アリ-ル-59、アリ-ル-60、アリ-ル-61、アリ-ル-62、アリ-ル-63、アリ-ル-64、アリ-ル-65、アリ-ル-66、アリ-ル-67、アリ-ル-68、アリ-ル-69、アリ-ル-70、及びアリ-ル-71:
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
から成る群より選択され;
W、HA、X、X2、X3、Y1、Y2、Y3、n、m、Rc、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R11〜R15、L1、L2、及びL4は、上記と同じように定義され;
X6及びX8は、独立に、非存在、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、OC(=S)、CH2、CH、S、O及びNR5から成る群より選択され;
Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、及びY9は、独立に、H、OH、OW、OC(=O)W、L1-L4-L2-W、OC(=O)CH3、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、R6、SO3R6、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)OR8、OCH3、OC2H5、OR6、CH3SO2、R6SO2、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2(CH2)nNR5R6、CH2(CH2)nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH2L1-L4-L2-W、NR8C(=O)R5、SO2NR5R8、C(=O)R5、SR5、R6OOCCH(NHR7)(CH2)nC(=O)NH-、R6OOCCH(NHR7)(CH2)nSC(=O)NH-、CF3SCH2C(=O)NH-、CF3CH2C(=O)NH-、CHF2SCH2C(=O)NH-、CH2FSCH2C(=O)NH-、NH2C(=O)CHFS-CH2C(=O)NH-、R7NHCH(C(=O)OW)CH2SCH2C(=O)NH-、R7NHCH(L1-L4-L2-W)CH2SCH2C(=O)NH-、CNCH2SCH2C(=O)NH-、CH3(CH2)nC(=O)NH-、R7N=CHNR7CH2CH2S-、R7N=C(NHR7)NHC(=O)-、R7N=C(NHR7)NHC(=O)CH2、CH3C(Cl)=CHCH2SCH2C(=O)NH-、(CH3)2C(OR6)-、CNCH2C(=O)NH-、CNCH2CH2S-、R7HN=CH(NR7)CH2CH2S-、CH2=CHCH2SCH2C(=O)NH-、CH3CH(OH)-、CH3CH(OR8)-、CH3CH(Y1)-、(CH3)2CH-、CH3CH2-、CH3(CH2)nCH=CH(CH2)mC(=O)NH-、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド並びに置換及び無置換アルキルカルボニルから成る群より選択され;
各R7は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)-、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリ-ル、置換及び無置換ヘテロアリ-ル、置換及び無置換アルキルカルボニル、置換及び無置換アルキルアミノ、L1-L4-L2-W、及びC-(=O)-Wから成る群より選択され;かつ
各R8は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3、C2H5、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR6R7、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C3H7、C4H9、C5H11、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH3)2C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)-W、L1-L4-L2-W、W、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド並びに置換及び無置換アルキルカルボニルから成る群より選択される。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「医薬的に許容できる塩」は、対象に適用するのに安全な本発明の化合物の当該塩を意味する。医薬的に許容できる塩には、本発明の化合物中に存在する酸性又は塩基性の塩が含まれる。医薬的に許容できる酸付加塩としては、限定するものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸(すなわち、1,11-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸))塩が挙げられる。本発明の特定化合物は、種々のアミノ酸と医薬的に許容できる塩を形成することができる。適切な塩基塩としては、限定するものではないが、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、及びジエタノ-ルアミン塩が挙げられる。医薬的に許容できる塩に関する精査のためには、参照することによりその内容をここに援用するBERGE ET AL., 66 J. PHARM. SCI. 1 - 19 (1977)を参照されたい。
【0031】
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アルキル」は、分岐又は不分岐の飽和又は不飽和一価又は多価炭化水素基を意味し、飽和アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が含まれる。アルキルの例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン及びドデシレンが挙げられる。特定の実施形態では、炭化水素基は1〜30個の炭素を含有する。特定の実施形態では、炭化水素基は1〜20個の炭素を含有する。特定の実施形態では、炭化水素基は1〜12個の炭素を含有する。
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「シクロアルキル」は、少なくとも1つの環を含有し、芳香環を含まないアルキルを意味する。シクロアルキルの例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルが挙げられる。特定の実施形態では、炭化水素鎖は1〜30個の炭素を含有する。特定の実施形態では、炭化水素基は1〜20個の炭素を含有する。特定の実施形態では、炭化水素基は1〜12個の炭素を含有する。
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1つの環原子が非炭素原子であるシクロアルキルを意味する。非炭素環原子の例としては、限定するものではないが、S、O及びNが挙げられる。
【0032】
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アルコキシル」は、1個以上の酸素原子を含有するアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを意味する。アルコキシルの例としては、限定するものではないが、-CH2-OH、-OCH3、-O-Re、-Re-OH、-Re1-O-Re2-(式中、Re、Re1及びRe2は、同一又は異なるアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり得る)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アルキルハライド」は、1個以上の同一又は異なっていてよいハロゲン原子を含有するアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを意味する。用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。アルキルハライドの例としては、限定するものではないが、-Re-F、-Re-Cl、-Re-Br、-Re-I、-Re(F)-、-Re(Cl)-、-Re(Br)-及び-Re(I)-(式中、Reはアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アルキルチオ」は、1個以上の硫黄原子を含有するアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを意味する。アルキルチオの例としては、限定するものではないが、-CH2-SH、-SCH3、-S-Re、-Re-SH、-Re1-S-Re2-(式中、Re、Re1及びRe2は、同一又は異なるアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アルキルアミノ」は、1個以上の窒素原子を含有するアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを意味する。アルキルアミノの例としては、限定するものではないが、-CH2-NH、-NCH3、-N(Re1)-Re2、-N-Re、-Re-NH2、-Re1-N-Re2及び-Re-N(Re1)-Re2(式中、Re、Re1及びRe2は、同一又は異なるアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである)が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アルキルカルボニル」は、1つ以上のカルボニル基を含有するアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを意味する。アルキルカルボニル基の例としては、限定するものではないが、アルデヒド基(-Re-C(O)-H)、ケトン基(-Re-C(O)-Re1)、カルボン酸基(Re-C(=O)OH)、エステル基(-Re-C(=O)O-Re1)、カルボキサミド(-Re-C(=O)O-N(Re1)Re2)、エノン基(-Re-C(O)-C(Re1)=C(Re2)Re3)、アシルハライド基(-Re-C(O)-Xh)及び酸無水物基(-Re-C(O)-O-C(O)-Re1)(式中、Re、Re1、Re2及びRe3は、同一又は異なるアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり;Xhはハロゲンである)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「ペルフルオロアルキル」は、1つ以上のフルオロ基を含有するアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを意味し、限定するものではないが、ペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピルが挙げられる。
【0034】
本明細書で使用する場合、特に指定のない限り、用語「アリ-ル」は、1つ以上の芳香環を含む化学構造を意味する。特定の実施形態では、環原子は全て炭素である。特定の実施形態では、1個以上の環原子が非炭素、例えば酸素、窒素、又は硫黄である(「ヘテロアリ-ル」)。アリ-ルの例としては、限定するものではないが、フェニル、ベンジル、ナフタレニル、アントラセニル、ピリジル、キノイル、イソキノイル、ピラジニル、キノキサリニル、アクリジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピリダジニル、シンノリニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、プリニル、インドリル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、チアキソリル、クアニジノ及びベンゾチアゾリルが挙げられる。
【0035】
特定の実施形態では、医薬組成物は、パ-キンソン病を治療できる親薬物の少なくとも1種のHPP又はその関連化合物、及び医薬的に許容できる担体を含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は同一又は異なる親薬物の複数のHPPを含んでよい。異なる親薬物は、パ-キンソン病を治療するために使用する薬物の同一又は異なる分類に属する。例えば、医薬組成物は、親薬物が、レボドパ、ドパミン、アスピリン及び他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、並びにその任意の組み合わせから成る群より選択される、親薬物又はその関連化合物のHPPを含み得る。
医薬組成物は、さらに水を含んでよい。
医薬組成物は、さらにアルコ-ル(例えば、エタノ-ル、グリセロ-ル、イソプロパノ-ル、オクタノ-ル等)を含んでよい。
特定の実施形態では、医薬組成物は、親薬物又はその関連化合物のHPPであって、親薬物の少なくとも1つがレボドパであるHPP(例えば構造Pro-L-dopa-1、Pro-L-dopa-2、Pro-L-dopa-3、Pro-L-dopa-4、及び/又はPro-L-dopa-5の1つ以上の構造を含むHPP);ドパミンであるHPP(例えば構造Pro-ドパミン-1、Pro-ドパミン-2、Pro-ドパミン-3、Pro-ドパミン-4、及び/又は構造Pro-ドパミン-5の1つ以上の構造を含むHPP);及び親薬物の少なくとも1つがアスピン又は他の抗炎症薬であるHPP(例えば構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13から成る群より選択される1つ以上の構造を含むHPP)を含む。
【0036】
特定の実施形態では、医薬組成物は、4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト酢酸、4-(6-メチル-4,8-ジオキソ-5,7-ジオキサ-2,9-ジアザデカン-11-イル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト臭化水素酸塩、4-(2-(2-アミノ-3-フェニルプロパンアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、4-(2-ピペリジン-4-カルボキサミド)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)塩酸塩、4-(2-((((-オクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)アセタ-ト、1-(((2-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-トフッ化水素酸塩、1-(((2-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-トフッ化水素酸塩、(-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩、5-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩、4-(2-アミノエチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノア-ト塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-エトキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジアセタ-ト塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)臭化水素酸塩、(S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トフッ化水素酸塩、(S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン(quiolizine)-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)塩酸塩、(2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩、(2S)-イソプロピル3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩、5-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩、4-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-2-((((オクタヒドロインドリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トアセタ-ト、2-(ジエチルアミノ)エチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾア-ト.アセタ-ト、(Z)-2-(ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセタ-ト.AcOH、2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナ-ト.塩酸塩、S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオア-ト塩酸塩、2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラ-ト塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナ-ト塩酸塩、及び/又は2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾア-トを含む。
【0037】
特定の実施形態では、医薬組成物はさらに、1種以上のカテコ-ル-O-メチル転移酵素阻害薬を含む。特定の実施形態では、1種以上のカテコ-ル-O-メチル転移酵素阻害薬を経口投与する。
カテコ-ル-O-メチル転移酵素(COMT)は、末梢内でL-Dopaを代謝して3-メトキシ-4-ヒドロキシ-L-フェニルアラニン(3-OMD)とし、これは血液脳関門(BBB)を容易には通過しない。エンタカポン及びトルカポンはカテコ-ル-O-メチル転移酵素阻害薬であり、COMTが末梢内でL-DOPAを代謝して3-メトキシ-4-ヒドロキシ-L-フェニルアラニンとするのを防止してL-DOPAの望ましくない影響を回避する。
【0038】
【化15】
BERGE ET AL., 66 J. PHARM. SCI. 1 - 19 (1977)。
【0039】
例えば、医薬組成物は、親薬物がレボドパ、ドパミン、アスピリン及び他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、並びにその任意の組み合わせから成る群より選択される親薬物又はその関連化合物のHPPに加えて、経口投与されるカテコ-ル-O-メチル転移酵素阻害薬(例えばエンタカポン、及びトルカポン)を含む。
特定の実施形態では、医薬組成物はさらに、1種以上の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(DOPA脱炭酸酵素又はDDC)阻害薬を含む。特定の実施形態では、1種以上の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬は経口投与される。芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(DOPA脱炭酸酵素又はDDC)は、L-DOPAのドパミン(DA)への生合成に重要な酵素である。DDCは血液脳関門の外側(体の末梢)にも血液脳関門の領域内にも存在する。DDC阻害薬は、レボドパのドパミンへのDDC変換を阻止する。しかしながら、外から与えられたレボドパは、末梢で代謝されて、血液脳関門に達する前にその活性代謝物ドパミンになる。従ってドパミンが不足しているPD脳は、末梢DDC分解のためドパミンのプロドラッグ前駆体レボドパをあまり受け取らないであろう。しかしながら、末梢DDC阻害薬としてのカルビドパ及び他のDDC阻害薬は、レボドパが血液脳関門を通過する前のレボドパの末梢DDC変換を低減することができる。換言すれば、カルビドパ及び他のDDC阻害薬は、レボドパのドパミンへの脳DDC変換には影響を及ぼさない。最終的に、より大きい割合の外から与えられたレボドパが脳に到達する。
DDC阻害薬の例としては、限定するものではないが、下記カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、及びα-メチルドパが挙げられる。
【0040】
【化16】
【0041】
特定の実施形態では、医薬組成物は、種々の親薬物の1種以上のHPPを含んでよい。種々の親薬物は、パ-キンソン病を治療するために使用する薬物の同一又は異なる分類に属し得る。例えば、医薬組成物は、親薬物がレボドパ、ドパミン、アスピリン及び他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、並びにその任意の組み合わせから成る群より選択される親薬物又はその関連化合物のHPPに加えて、カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、α-メチルドパ、及び任意の他の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬から成る群より選択される1種以上のDDC阻害薬を含むことができる。
【0042】
特定の実施形態では、医薬組成物は、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾア-トを含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾア-ト、カルビドパ及び/又はエンタカポンを含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナ-トを含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は、4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト及び4-(ジメチルアミノ)ブチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナ-トを含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナ-ト、カルビドパ及び/又はエンタカポンを含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト、及び2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラ-トを含む。
特定の実施形態では、医薬組成物は、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト、及び2-(ジプロピルアミノ)エチル 4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラ-ト、カルビドパ及び/又はエンタカポンを含む。
【0043】
特定の実施形態では、医薬組成物は、治療的に有効な量の本明細書に開示する1種以上のHPPを含む。本明細書で使用する場合、「治療的に有効な量」、「治療的に有効な濃度」又は「治療的に有効な用量」は、該量を受けていない対応する対象に比べて、疾患、障害、又は副作用の改善された治療、治癒、予防、又は回復、或いは疾患又は障害の進行速度の低減をもたらす量である。
この量は、限定するものではないが、本明細書に開示するHPP又はその医薬組成物の特徴(その活性、薬物速度論、薬物動力学及びバイオアベイラビリティを含めて)、治療対象又は細胞の生理的状態(年齢、性別、疾患のタイプと段階、全身健康状態、所与の薬用量への反応性、及び薬物のタイプを含めて)、製剤中の医薬的に許容できる担体の性質、及び投与経路を含めた種々の因子に応じて変わるであろう。さらに、有効量又は治療的に有効な量は、本明細書に開示する1種以上のHPP又はその医薬組成物を単独で投与するか又は他の薬物、他の療法又は他の治療方法又はモダリティと併用するかに応じて変わり得る。臨床及び薬理学分野の当業者は、日常的な実験によって、すなわち本明細書に開示する1種以上のHPP又はその医薬組成物の投与に対する細胞又は対象の反応をモニタ-し、それに応じて薬用量を調整することによって、有効量又は治療的に有効な量を決定できるであろう。典型的な薬用量は、上記因子に応じて約0.1mg/kg〜約100mg/kg以上の範囲であり得る。他の実施形態では、薬用量は約0.1mg/kg〜約100mg/kg、又は約1mg/kg〜約100mg/kg、又は約5mg/kg〜約100mg/kgまでの範囲であり得る。さらなる指針のためには、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Univ. of Sciences in Philadelphia (USIP), Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, 2005を参照されたい。この内容は、参照によって、治療的に有効な量を決定するためのさらなる指針のために本明細書に完全に明記したかのようにここに組み込まれる。
【0044】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、「約」の後に続く値の±10%、±5%、又は±1%を表す。
本明細書で使用する用語「医薬的に許容できる担体」は、ある場所、体液、組織、器官(内部若しくは外部)、又は体の部分から別の場所、体液、組織、器官(内部若しくは外部)、又は体の部分にHPPを運搬又は輸送することに関与する医薬的に許容できる材料、組成物又はビヒクル、例えば液状若しくは固形フィラ-、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料を意味する。
各担体は、製剤の他の成分、例えば、HPPと相溶性であり、かつ過度の毒性、刺激、アレルギ-反応、免疫原性、又は他の問題若しくは合併症なしで生物対象の組織又は器官と接触して使用するのに適し、合理的な利益/危険比で釣り合っているという意味で「医薬的に許容できる」。
特定の実施形態では、医薬的に許容できる担体は、アルコ-ル、アセトン、エステル、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス、水、及び水溶液から成る群より選択される。
医薬的に許容できる担体として役立ち得る材料のいくつかの例として以下のものが挙げられる:(1)糖、例えばラクト-ス、グルコ-ス及びスクロ-ス;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;(3)セルロ-ス、及びその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロ-ス、エチルセルロ-ス及び酢酸セルロ-ス;(4)トラガカントゴム末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばココアバタ-及び座剤ワックス;(9)油、例えばピ-ナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリ-ブ油、トウモロコシ油及び大豆油;(10)グリコ-ル、例えばプロピレングリコ-ル;(11)ポリオ-ル、例えばグリセリン、ソルビト-ル、マンニト-ル及びポリエチレングリコ-ル;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)アルコ-ル、例えばエチルアルコ-ル及びプロパンアルコ-ル;(20)リン酸緩衝液;及び(21)医薬製剤に利用される他の無毒の相溶性物質、例えばアセトン。
【0045】
医薬組成物は、生理学的状態に近づけるために必要な医薬的に許容できる補助物質、例えばpH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤等、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含有することができる。
一実施形態では、医薬的に許容できる担体は、水性担体、例えば緩衝食塩水等である。特定の実施形態では、医薬的に許容できる担体は極性溶媒、例えばアセトン及びアルコ-ルである。
これらの製剤中のHPPの濃度は広範に変化してよく、選択した個々の投与態様及び生物対象の必要性に従って流体体積、粘度及び体重等に基づいて主に選択されるであろう。例えば、濃度は、0.0001%〜100%、0.001%〜50%、0.01%〜30%、0.1%〜20%、1%〜10%wtであり得る。
本発明の組成物は、予防的、治療的及び/又は衛生的使用のために投与することができる。該投与は、局所、粘膜、例えば経口、経鼻、膣内、直腸内、非経口、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、吸入により、点眼及び他の便利な経路であり得る。医薬組成物は、投与方法に応じて種々の単位剤形で投与することができる。例えば、経口投与に適した単位剤形としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤及びロゼンジ剤が挙げられ、経皮投与用としては、溶液、懸濁液及びゲルが挙げられる。
従って、経皮、経口、及び静脈内投与用の典型的な医薬組成物は、1日当たり対象毎に約10-8g〜約100g、約10-8g〜約10-5g、約10-6g〜約1g、約10-6g〜約100g、約0.001g〜約100g、約0.01g〜約10g、又は約0.1g〜約1gであろう。1日当たり対象毎に約0.001mg〜約100gまでの薬用量を使用し得る。非経口投与可能組成物の実際の調製方法は、当業者には周知又は明白であり、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, (2005)のような出版物にさらに詳述されている。
【0046】
IV. HPPの適用
i)生物学的障壁の透過方法。
本発明の別の態様は、生物対象における1つ以上の生物学的障壁を透過する際に本発明の組成物を使用する方法に関する。本方法は、生物対象にHPP又はその医薬組成物を投与する工程を含む。特定の実施形態では、HPPは、その親薬物より約20倍以上、50倍以上、>約100倍以上、>約200倍以上、>約300倍以上、>約500倍以上、>約1,000倍以上高い、1つ以上の生物学的障壁を通る透過率を示す。
本明細書で使用する用語「生物学的障壁」は、ある環境を異なる空間領域又は区画に分離する生物学的層を表し、この分離は、ある区画/領域から別の区画/領域への物質の通過、透過又は転位を調節する(例えば、制御、制限、増強するか又は何の行動も起こさない)ことができる。本明細書で言及する異なる空間領域又は区画は同一又は異なる化学的又は生物学的環境を有し得る。本明細書で言及する生物学的層としては、限定するものではないが、生体膜、細胞層、生物学的構造、対象、生物、器官若しくは体腔の内面、対象、生物、器官若しくは体腔の外面、又はその任意の組み合わせ若しくは複数のものが挙げられる。
【0047】
生体膜の例としては、脂質二重層構造、真核細胞膜、原核細胞膜、及び細胞内膜(例えば、核膜又は細胞小器官膜、例えばゴルジ体の膜若しくはエンベロ-プ、粗面及び滑面小胞体(ER)、リボソ-ム、液胞、ベジクル、リポソ-ム、ミトコンドリア、リソソ-ム、核、葉緑体、色素体、ペルオキシソ-ム又は微小体)が挙げられる。
本明細書で言及する脂質二重層は、脂質クラス分子、例えば、限定するものではないが、リン脂質及びコレステロ-ル等の二重層である。特定の実施形態では、二重層の脂質は、極性頭部基と無極性脂肪酸尾部とから成る両親媒性分子である。この二重層は、脂質の炭化水素尾部が互いに面して疎水作用によって一緒に保持された油性コアを形成し、一方で脂質の荷電頭部は膜の両側の水溶液に面するように配置された脂質の二層で構成されている。別の特定の実施形態では、脂質二重層は1つ以上の包埋タンパク質及び/又は糖分子を含有し得る。
細胞層の例としては、真核細胞のライニング(例えば、上皮、粘膜固有層及び平滑筋又は粘膜筋板(胃腸管内))、原核細胞のライニング(例えば、同一タンパク質若しくは糖タンパク質で構成された二次元構造単分子層を指す表層又はS層、詳細には、S層は、細菌及び古細菌に一般的に見られる細胞エンベロ-プの一部を指す)、バイオフィルム(自己発生したポリマ-マトリックス内に封入され、生存又は不活性面に付着性の微生物の構造化共同体)、及び植物細胞層(例えば、表皮)が挙げられる。細胞は正常細胞又は病的細胞(例えば疾患細胞、癌細胞)であってよい。
生物学的構造の例としては、毒素、細菌及びウイルスの侵入に対する障壁を与えるタイトジャンクション又は密着結合によって封鎖された構造、例えば血液乳関門及び血液脳関門(BBB)がある。特に、BBBは、不透過性クラスの内皮で構成され、タイトジャンクションを介して隣接内皮細胞に接触する物理的関門と、排出トランスポ-タ-を含む輸送関門との両方を呈する。生物学的構造に、細胞、タンパク質及び糖の混合物を含めてもよい(例えば血餅)。
【0048】
対象、生物、器官又は体腔の内面の例としては、頬粘膜、食道粘膜、胃粘膜、腸粘膜、嗅粘膜、口腔粘膜、気管支粘膜、子宮粘膜及び子宮内膜(子宮の粘膜、花粉粒壁の内層又は胞子の内壁層)、又はその組み合わせ若しくは複数のものが挙げられる。
対象、生物、器官又は体腔の外面の例としては、毛細管(例えば心臓組織内の毛細管)、皮膚と連続している粘膜(例えば鼻孔、唇、眼、生殖器部、及び肛門におけるような)、器官の外面(例えば肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、眼、鼻、口、舌、結腸、膵臓、膀胱、十二指腸、直腸胃、結腸直腸、腸管、静脈、呼吸器系、血管、肛門直腸及び肛門そう痒症)、皮膚、角皮(例えば上皮細胞若しくはケラチノサイトの死層又は動物の毛幹を覆う重複細胞の表層、多くの無脊椎動物の表皮外の多層化構造、植物クチクラ又はポリマ-クチン(cutin)及び/又はクタン(cutan)、花粉粒壁の外層又は胞子の外壁層)、及びその組み合わせ又は複数のものが挙げられる。
さらに、生物学的障壁にはさらに、糖層、タンパク質層又はいずれかの他の生物層、或いはその組み合わせ又は複数がある。例えば、皮膚は、複数の生物層を有する生物学的障壁である。皮膚は表皮層(外層)、真皮(demis)層及び皮下層を含む。表皮層は、基底細胞層、有棘細胞層、顆粒細胞層、及び角質層をを含め、いくつかの層を含有する。表皮内の細胞はケラチノサイトと呼ばれる。角質層(「角層」)は、表皮の最外層であり、ここでは細胞が扁平であり、形状が鱗屑様(「鱗片状」)である。これらの細胞は多数のケラチンを含有し、重複層状態で配置され、これが皮膚の表面に堅く耐油及び耐水の性質を与える。
【0049】
ii)生物対象のパ-キンソン病の治療方法
本発明の別の態様は、生物対象の状態を治療する際に本発明の組成物、又はその医薬組成物を使用する方法に関する。本方法は、医薬組成物を生物対象に投与する工程を含む。
本明細書で使用する用語「治療すること」は、治癒すること、軽減すること、阻害すること、又は予防することを意味する。本明細書で使用する「治療する」は、治癒する、軽減する、阻害する、又は予防するを意味する。本明細書で使用する「治療」は、治癒、軽減、阻害、又は予防を意味する。
本明細書で使用する用語「生物対象」、又は「対象」は、器官、一緒に働いて特定タスクを遂行する器官群、生物、又は生物群を意味する。本明細書で使用する用語「生物」は、事実上安定した全体として機能し、生命の特性を有する分子の集合体、例えば動物、植物、真菌、又は微生物を意味する。
本明細書で使用する用語「動物」は、随意運動を特徴とする真核生物を意味する。動物の例としては、限定するものではないが、脊椎動物(例えばヒト、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、嚢鰓類(marsipobranchiata)及びナメクジウオ綱(leptocardia))、尾索動物亜門(tunicata)(例えばサルパ綱(thaliacea)、アペンディクラリア(appendicularia)、ソルベラ綱(sorberacea)及びホヤ綱(ascidioidea))、有関節綱(articulata)(例えば昆虫綱、多足類、マラカポダ(malacapoda)、蛛形綱、ウミグモ類、節口綱、甲殻類及び環形動物)、ゲヒレア(gehyrea)(側節足動物(anarthropoda))、及び蠕虫類(例えば輪虫類)が挙げられる。
本方法が治療できる状態には、HPPの親薬物で治療できる状態、すなわちパ-キンソン病及び関連状態がある。
【0050】
iii).パ-キンソン病及び関連状態の治療における1種以上のHPP又はその医薬組成物の使用方法。
本発明の別の態様は、生物対象又は対象のパ-キンソン病及び/又は関連状態を治療する際に1種以上のHPP又はその医薬組成物を使用する方法であって、1種以上のHPP又はその医薬組成物を生物対象又は対象に投与することによる方法に関する。
ある実施形態では、対象のパ-キンソン病及び関連状態の治療方法は、治療的に有効な量のHPP、又はその医薬組成物を対象に投与する工程を含む。
HPP又はその医薬組成物は。技術上周知のいずれの投与経路によっても生物対象に投与することができ、投与経路としては、限定するものではないが、経口、経腸、頬側、経鼻、局所、直腸、膣内、エアロゾル、経粘膜、表皮、経皮、真皮、眼、肺、皮下、及び/又は非経口投与が挙げられる。医薬組成物は、投与方法に応じて種々の単位剤形で投与することができる。
好ましい投与方法は、ある化合物については経皮、真皮、局所投与である。
特定の実施形態では、本方法は、治療的に有効な量の上記1種以上のCOMT阻害薬及び/又はDDC阻害薬を経口投与する工程をさらに含む。
複数の薬物(例えばHPP、COMT阻害薬及びDDC阻害薬)を対象に投与する場合、複数のHPP及び/又は他の薬物を実質的に同時又は異なる時に投与することができる。対象に投与する前に複数の薬物を一緒に混合するか、又は対象に別々に投与してよい。特定の実施形態では、複数の薬物の一部を投与前に混合し、他の薬物を別々に投与する。各薬物はいずれの可能な順序、及びいずれのやり方で投与してもよい。
【0051】
本明細書で使用する場合、医薬組成物は、異なる投与経路で対象に投与する複数成分を含んでよい。例えば、1種以上のHPPと上記1種以上のCOMT阻害薬及び/又は1種以上のDDC阻害薬を含む医薬組成物では、1種以上のHPPを経皮、局所、又は真皮に適用し、一方で上記1種以上のCOMT阻害薬及び/又は1種以上のDDC阻害薬を経口投与してよい。これらの複数成分はいずれの順序及びいずれの可能な組み合わせでも適用可能である。
HPP又はその医薬組成物は、各投与経路に適した製剤の形態で対象に与えることができる。本発明の方法に有用な製剤は、1種以上のHPP、そのための1種以上の医薬的に許容できる担体、及び場合により他の治療成分を含む。便宜上、製剤を単位剤形で提供してよく、薬学の分野で周知のいずれの方法によっても調製可能である。単一剤形を作り出すために担体材料と混合できる活性成分の量は、治療する対象及び個々の投与様式に応じて変わるであろう。医薬的に有効な用量をもたらすために担体材料と混合できるHPPの量は一般的に治療効果をもたらすHPPの当該量であろう。一般的に、100パ-セントのうち、この量は、HPPの約1パ-セント〜約99パ-セント、好ましくは約1パ-セント〜約20パ-セントに及ぶであろう。
【0052】
これらの製剤又は組成物の調製方法は、HPPを1種以上の医薬的に許容できる担体、及び、場合により、1種以上の付属成分と会合させる工程を含む。一般に、均一かつ密接にHPPを液体担体、若しくは微粉化固体担体、又は両方と会合させてから、必要に応じて、生成物を成形することによって製剤を調製する。
経口投与に適した製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(フレ-バ-基礎原料、通常はスクロ-ス及びアカシア又はトラガカントガムを使用)、散剤、顆粒剤、或いは水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液の形態、或いは水中油又は油中水エマルションとして、或いはエリキシル剤又はシロップ剤として、或いはトロ-チ(pastille)(不活性基材、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロ-ス及びアカシアガムを使用)及び/又はマウスウォッシュとして等であってよく、それぞれ所定量のHPPを活性成分として含有する。化合物をボ-ラス、舐剤、又はペ-ストとして投与してもよい。
経口投与用の固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠(dragee)、散剤、顆粒剤等)では、HPPを1種以上の医薬的に許容できる担体、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム、及び/又は以下のいずれか:(1)フィラ-又は増量剤、例えばデンプン、ラクト-ス、スクロ-ス、グルコ-ス、マンニト-ル、及び/又はケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロ-ス、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロ-ス及び/又はアカシアガム;(3)保水剤、例えばグリセロ-ル;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(6)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、アセチルアルコ-ル及びグリセロ-ルモノステアラ-ト;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土;(9)潤沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコ-ル、ラウリル硫酸ナトリウム、及びその混合物;並びに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、医薬組成物は緩衝剤を含んでもよい。ラクト-ス又は乳糖等の賦形剤、並びに高分子量ポリエチレングリコ-ル等を用いる軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中のフィラ-として同様のタイプの固体組成物を利用してもよい。
【0053】
錠剤は、場合により1種以上の付属成分と共に圧縮又は成型することによって作製可能である。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス)、潤沢剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングルコラ-ト又は架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロ-ス)、表面活性又は分散剤を用いて調製し得る。成型錠剤は、適切な機械で、粉末化又は不活性液体希釈剤でペプチドを模倣して湿らせたHPPの混合物を成型することができる。錠剤、及び他の固体剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、任意に刻み目をつけてよく、或いはコ-ティング及びシェル、腸溶コ-ティングその他の医薬製剤分野で周知のコ-ティングを用いて調製することができる。例えば、所望の放出プロファイルを与えるために比率を変えてヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス、他のポリマ-マトリックス、リポソ-ム及び/又はミクロスフェアを用いて、それらの中のHPPを遅延放出又は制御放出できるように製剤化してもよい。例えば、細菌保持フィルタ-を通す濾過によってそれらを滅菌してよく、或いは使用直前に滅菌水、又はいくらかの他の滅菌注射用媒体に溶かせる滅菌固体組成物の形で滅菌剤を組み込むことによって滅菌してもよい。これらの組成物は、任意に静める(pacifying)薬剤を含有してもよく、かつ場合により、遅延様式で、胃腸管の特定部分でのみ、又は優先的にHPPを放出する組成物であってもよい。使用可能な包埋組成物の例にはポリマ-物質及びワックスがある。HPPは、適切な場合、上記賦形剤の1種以上を含むマイクロカプセル化形であってもよい。
【0054】
経口投与用の液体剤形としては、医薬的に許容できるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。HPPに加えて液体剤形は、当技術分野で一般的に用いられる不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコ-ル、イソプロピルアルコ-ル、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコ-ル、安息香酸ベンジル、プロピレングリコ-ル、1,3-ブチレングリコ-ル、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリ-ブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロ-ル、テトラヒドロフリルアルコ-ル、ポリエチレングリコ-ル及びソルビト-ルの脂肪酸エステル、並びにその混合物を含有し得る。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、調味料、着色剤、香料及び保存剤等のアジュバントを含めることもできる。
懸濁液は、HPPに加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコ-ル、ポリオキシエチレンソルビト-ル及びソルビタンエステル、微結晶性セルロ-ス、アルミニウムメタヒドロキシド(metahydroxide)、ベントナイト、寒天及びトラガカントガム、並びにその混合物を含有し得る。
【0055】
直腸又は膣内投与用製剤は、1種以上のHPPを、例えば、ココアバタ-、ポリエチレングリコ-ル、座剤用ワックス又はサリチラ-トを含み、室温で固体であるが、体温では液体なので、直腸又は膣腔内で融解して活性薬を放出する1種以上の適切な非刺激性賦形剤又は担体と混合することによって調製できる座剤として提供可能である。腟内投与に適した製剤としては、当技術分野で好適であるとして知られているように、該担体を含有するペッサリ-、タンポン、クリ-ム、ジェル、ペ-スト、フォ-ム又はスプレ-製剤もある。
HPP組成物の局所又は経皮若しくは表皮若しくは真皮投与用の製剤には、散剤、スプレ-、軟膏、ペ-スト、クリ-ム、ロ-ション、ジェル、溶液、パッチ及び吸入剤がある。活性成分を無菌条件下で医薬的に許容できる担体、及び必要な場合にはいずれかの保存料、緩衝液、又は噴霧剤と混合することができる。軟膏、ペ-スト、クリ-ム及びジェルは、HPP組成物に加えて、例えば動物及び植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカントガム、セルロ-ス誘導体、ポリエチレングリコ-ル、シリコ-ン、ベントイナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はその混合物等の賦形剤を含有し得る。散剤及びスプレ-は、HPP組成物に加えて、例えばラクト-ス、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有することができる。シロップ剤は、さらに慣例の噴霧剤、例えばクロロフルオロ炭化水素及び揮発性無置換炭化水素、例えばブタン及びプロパン等を含有し得る。局所又は経皮投与に最も良い製剤は、純水、溶液、水溶液、エタノ-ルと水の溶液、及びイソプロパノ-ルと水の溶液である。
【0056】
代わりにHPP又はその医薬組成物をエアロゾルで投与することができる。これは、HPPを含有する水性エアロゾル、リポソ-ム製剤又は固体粒子を調製することにより達成可能である。非水性(例えば、フルオロカ-ボン噴霧剤)懸濁液を使用できるだろう。音波利用噴霧器を使用することもできる。水性エアロゾルは、通常の医薬的に許容できる担体及び安定剤と共に薬剤の水性溶液又は懸濁液を配合することによって作製される。担体及び安定剤は、個々の化合物の要求によって異なるが、典型的に非イオン性界面活性剤(ツイ-ン、プルロニック、又はポリエチレングリコ-ル)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシン等のアミノ酸、緩衝液、塩、糖又は糖アルコ-ルが含まれる。エアロゾルは一般的に等張溶液から調製される。
経皮パッチを用いてHPP組成物を標的部位に送達することもできる。該製剤は、薬剤を適切な媒体に溶解又は分散させることによって作製可能である。吸収促進剤を用いて、皮膚を通過するペプチド模倣薬のフラックスを増やすこともできる。速度制御膜を与えるか又はポリマ-マトリックス若しくはゲルにペプチド模倣薬を分散させることによって、該フラックスの速度を制御することができる。
点眼製剤、眼用の軟膏、散剤、溶液等も本発明の範囲内であると企図される。
【0057】
非経口投与に適した製剤は、1種以上の医薬的に許容できる無菌で等張の水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又はエマルション、或いは使用直前に無菌の注射用溶液又は分散液に再構成し得る無菌粉末と共にHPPを含み、酸化防止剤、緩衝液、静菌薬、意図したレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質又は懸濁剤若しくは増粘剤を含有し得る。
非経口投与に適した製剤で利用し得る適切な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノ-ル、ポリオ-ル(例えば、グリセロ-ル、プロピレングリコ-ル、ポリエチレングリコ-ル等)、及びその適切な混合物、植物油、例えばオリ-ブ油等、及び注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。例えば、レシチン等のコ-ティング材料の使用によって、分散液の場合は所要の粒径の維持によって、又は界面活性剤を用いて適切な流動性を維持することができる。
非経口投与に適した製剤は、保存料、湿潤剤、乳化剤及び分散剤等のアジュバントを含有してもよい。種々の抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノ-ル、フェノ-ルソルビン酸等を含めることによって微生物の作用の阻止を保証し得る。糖、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物に含めることが望ましいこともある。さらに、アルミニウムモノステアラ-ト及びゼラチン等の吸収を遅らせる薬剤を含めることによって注射用医薬形態の遅延性吸収をもたらすことができる。
注射用デポ形態は、HPPのマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって、又はポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性ポリマ-内で作製される。HPP対ポリマ-の比及び利用する個々のポリマ-に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマ-の例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポ注射製剤は、体組織と適合性であるリポソ-ム又はマイクロエマルションにHPPを封入することによっても調製される。
【0058】
特定の実施形態では、治療的に有効な用量で作用部位にHPP又はその医薬組成物を送達する。薬理学の分野では周知なように、所与の患者における治療効率の点で最も有効な結果をもたらすであろうHPPの医薬的に有効な用量の正確な量は、例えば、個々のHPPの活性、特定の性質、薬物速度論、薬物動力学、及びバイオアベイラビリティ、対象の生理的状態(種族、年齢、性別、体重、食事制限、疾患のタイプと段階、全身健康状態、所与の薬用量に対する反応性及び薬物のタイプを含めて)、製剤中の医薬的に許容できる担体の性質、使用する投与の経路と頻度、及び治療すべき状態の重症度又は性向によって決まるであろう。しかしながら、上記指針は、治療を微調整、例えば、投与の最適用量を決定するための基礎として使用することができ、対象をモニタ-すること及び薬用量を調整することから成る日常的な実験が必要なだけである。Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro ed.20.sup.th edition, Williams & Wilkins PA, USA) (2000)。
【0059】
IV.利点
レボドパは、ピ-ク用量では悪心、嘔吐、胃腸出血、ジスキネジアを引き起こし、また機能のエンド・オブ・ド-ス低下をもたらすこともある。これらの問題は、コンスタントに最小の治療的に有効な量を送達できるL-Dopa及びドパミンの高透過組成物の経皮投与により、ピ-ク用量での胃腸出血、ジスキネジア、及び機能のエンド・オブ・ド-ス低下を回避することによって解決し得る。
最近では、神経炎症がPDにおけるニュ-ロンの消失に重要な寄与要因であると示唆するヒト及び動物の研究からの証拠が増えている。さらに、炎症誘発薬リポポリサッカリド自体は、ドパミン含有ニュ-ロンの変性を直接惹起するか又は殺虫剤ロテノン等の他の環境因子と相まって該変性を悪化さる恐れがある。これらの影響は、PDの病態形成における炎症の関与を強く支持する。ドパミン補充は該障害の症状を軽減できるが、根底にあるドパミン含有ニュ-ロンの進行性変性を停止することが立証された療法はない。アスピリン及び/又は他のNSAIDの高透過組成物と共にL-Dopa及び/又はドパミンの高透過組成物を経皮投与すると、パ-キンソン病の症状を軽減できるのみならず、根底にあるドパミン含有ニュ-ロンの進行性変性を停止することもできる。
L-Dopa及び/又はドパミンの高透過組成物並びにアスピン及び/又は他のNSAIDの高透過組成物を経皮投与するとき、経口投与されるカルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、α-メチルドパ、及び/又は他のDDC阻害薬及び/又はエンタカポン、及びトルカポン、及び/又は他のCOMT阻害薬は、より大きい比率の外的供給レボドパ又はドパミンが脳に達してL-Dopa及び/又はドパミンの副作用を低減するのに役立ち得る。
【実施例】
【0060】
V.実施例
下記実施例は、請求発明をより良く説明するため提供するものであり、いかなる場合にも本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。後述する全ての具体的な組成物、材料、及び方法は、全体的又は部分的に本発明の範囲に入る。これらの具体的な組成物、材料、及び方法は、本発明を限定する意図ではなく、本発明の範囲内に入る具体的実施形態を単に例示するものである。当業者は、発明能力を働かせることなく、かつ本発明の範囲から逸脱せずに、等価の組成物、材料、及び方法を開発することができる。本明細書に記載の手順に種々の変更を加えることができるが、それでも本発明の範囲内にとどまることが分かるであろう。該変更を本発明の範囲内に含めることは発明者らの意図である。さらに、本明細書で引用した全ての参考文献は、参照することにより、あたかも全体的に本明細書に明記したかのように、それらの全体が組み込まれる。
【0061】
実施例1. 4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0062】
【化17】
【0063】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン.HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次にBoc-N-メチルグリシンN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Boc-Sar-OSu,29g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(sodium bucarbonate)(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約200mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0064】
実施例2. 4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト酢酸の調製。
この実施例では、4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(23g)をイソプロパノ-ル(300mL)に溶かして第1混合物を得た。酢酸ナトリウム(4g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで2時間撹拌し、濾過してその中の固体を除去した。濾過溶液を蒸発乾固させて4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト酢酸塩を得た。
【0065】
実施例3. 4-(6-メチル-4,8-ジオキソ-5,7-ジオキサ-2,9-ジアザデカン-11-イル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト臭化水素酸塩の調製。
【0066】
【化18】
【0067】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン・HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次に二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約200mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄してからDCM(200mL)に懸濁させて第9混合物を得た。炭酸水素ナトリウム(20g)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(11g)を第9混合物に加えて第10混合物を得た。次にクロロギ酸1-クロロエチル(16g)を第10混合物に加えて第11混合物を得た。第11混合物をRTで一晩撹拌した。次に第11混合物有機層を収集し、水(3×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第12溶液を得た。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、DCMで洗浄して第13溶液を得た。第12溶液と第13溶液を合わせて蒸発乾固させた。残渣をアセトニトリル(200mL)に溶かして第14混合物を得た。Boc-サルコシン(36g)を第14混合物に加えて第15混合物を得た。まずジイソプロピルエチルアミン(34mL)とBoc-サルコシン(36g)の混合物を調製してから第15混合物に加えて第16混合物を得た。第16混合物を55℃で48時間撹拌してから、撹拌しながら酢酸エチル(500mL)を加えた。得られた有機層を収集し、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第17溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第18溶液を得た。第17溶液と第18溶液を合わせて300mLに濃縮した。濃縮溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHBrガス(30g)を泡立てて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(6-メチル-4,8-ジオキソ-5,7-ジオキサ-2,9-ジアザデカン-11-イル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト臭化水素酸塩を得た。
【0068】
実施例4. 4-(2-(2-アミノ-3-フェニルプロパンアミド)エチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0069】
【化19】
【0070】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン.HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次にboc-フェニルアラニンN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Boc-Phe-OSu,36g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約200mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-(2-アミノ-3-フェニルプロパンアミド)エチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0071】
実施例5. 4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0072】
【化20】
【0073】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン・HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次に二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のために酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約200mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄してからDCM(200mL)に懸濁させて第9混合物を得た。炭酸水素ナトリウム(20g)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(11g)を第9混合物に加えて第10混合物を得た。次にクロロギ酸1-クロロエチル(16g)を第10混合物に加えて第11混合物を得た。第11混合物をRTで一晩撹拌した。次に第11混合物の有機層を収集し、水(3×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第12溶液を得た。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、DCMで洗浄して第13溶液を得た。第12溶液と第13溶液を合わせて蒸発乾固させた。残渣をアセトニトリル(200mL)に溶かして第14混合物を得た。Boc-サルコシン(36g)を第14混合物に加えて第15混合物を得た。まずジイソプロピルエチルアミン(34mL)とBoc-サルコシン(36g)の混合物を調製してから第15混合物に加えて第16混合物を得た。第16混合物を55℃で48時間撹拌し、撹拌しながら酢酸エチル(500mL)を加えた。得られた有機層を収集し、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第17溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第18溶液を得た。第17溶液と第18溶液を合わせて300mLに濃縮した。濃縮溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(30g)を泡立てて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0074】
実施例6. 4-(2-ピペリジン-4-カルボキサミド)エチル)-1,2-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)塩酸塩の調製。
【0075】
【化21】
【0076】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン.HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次にBoc-ピペリジン-4-カルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Boc-Inp-OSu,33g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に2-エチルブチリルクロリド(28g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約200mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-ピペリジン-4-カルボキサミド)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)塩酸塩を得た。
【0077】
実施例7. 4-(2-((((-オクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-1,2-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)アセタ-トの調製。
【0078】
【化22】
【0079】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン.HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次に二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に2-エチルブチリルクロリド(28g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約200mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-((((-オクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-1,2-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)塩酸塩を得た。
固体を酢酸エチル(200mL)に溶かして第9混合物を得た。第9混合物に最初にトリエチルアミン(25mL)を加えてから、酢酸エチル(50mL)中のオクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イルカルボノクロリド(carbonochloride)塩酸塩(22g)を一滴ずつ加えて第10混合物を得た。第10混合物を2時間RTで撹拌し、5%炭酸水素ナトリウム及び水で洗浄して第11混合物を得た。酢酸(6g)を第11混合物に加えた後、ヘキサン(200mL)を添加して沈殿をもたらした。濾過により沈殿固体を収集し、酢酸エチル/ヘキサンで洗浄して4-(2-((((-オクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-1,2-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)アセタ-トを得た。
【0080】
実施例8. 1-(((2-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-トフッ化水素酸塩及び1-(((2-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-トフッ化水素酸塩の調製。
【0081】
【化23】
【0082】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン・HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次にNα-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(25g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせて蒸発乾固させた。得られた残渣とBoc-L-アスパラギン酸(24g)をアセトン(300mL)に溶かして第5混合物を得た。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(40g)と4-ジメチルアミノピリジン(22g)を第5混合物に加えて第6混合物を得た。第6混合物をRTで一晩撹拌し、蒸発乾固させた。酢酸エチル(500ml)を残渣に加えて第7混合物を得、水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第8溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第9溶液を得た。第8溶液と第9溶液を合わせて蒸発乾固させた。残渣をメタノ-ル(R0084,300mL)に溶かして第10混合物を得た。第10混合物に最初に窒素下でパラジウム活性炭(10g,10%)を加えてから水素ガスで泡立たせてベンジルオキシカルボニル基をRTで除去した。得られた混合物(第11混合物)を濾過してパラジウム活性炭を除去し、蒸発乾固させた。
残渣をDCM(200mL)に懸濁させて第12混合物を得た。炭酸水素ナトリウム(20g)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(11g)を第12混合物に加えて第13混合物を得た。次にクロロギ酸1-クロロエチル(16g)を第13混合物に加えて第14混合物を得た。第14混合物をRTで一晩撹拌した。次に第14混合物の有機層を収集し、水(3×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第15溶液を得た。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、DCMで洗浄して第16溶液を得た。第15溶液と第16溶液を合わせて蒸発乾固させた。残渣を収集し、イソ酪酸(100mL)に溶かして第17混合物を得た。まずジイソプロピルエチルアミン(60mL)とイソ酪酸(36mL)の混合物を調製してから第17混合物に加えて第18混合物を得た。第18混合物を55℃で48時間撹拌し、撹拌しながら酢酸エチル(500mL)を加えた。得られた有機層を収集し、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第19溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第20溶液を得た。第19溶液と第20溶液を合わせて300mLに濃縮した。濃縮溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHFガス(20g)を泡立てて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して1-(((2-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-トフッ化水素酸塩と1-(((2-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-トフッ化水素酸塩を得た。
【0083】
実施例9. 4-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩及び5-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0084】
【化24】
【0085】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン・HCl溶液を調製した。ピリジン(40ml)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次にN-(エトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(18g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせて蒸発乾固させた。得られた残渣とTrt-サルコシン(36g)をアセトン(300mL)に溶かして第5混合物を得た。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(20g)と4-ジメチルアミノピリジン(12g)を第5混合物に加えて第6混合物を得た。第6混合物をRTで一晩撹拌し、蒸発乾固させた。酢酸エチル(500ml)を残渣に加えて第7混合物を得、水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第8溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第9溶液を得た。合わせた第8溶液と第9溶液にピリジン(20mL)を加え、次に塩化ベンゾイル(15g)を一滴ずつ加えて第10混合物を得た。
第10混合物をRTで4時間撹拌し、水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第11溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第12溶液を得た。
合わせた第11溶液と第12溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩と5-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-トを得た。
【0086】
実施例10. 4-(2-アミノエチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0087】
【化25】
【0088】
この実施例では、ドパミン・HCl(19g)をアセトン(200mL)に添加することによってドパミン.HCl溶液を調製した。水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第1混合物を得た。次に二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を第1混合物に加えて第2混合物を得た。第2混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第3溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第4混合物を得た。第3溶液と第4混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第5混合物を得た。第5混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7溶液を得た。第6溶液と第7溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第8溶液)。第8溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(60g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-(2-アミノエチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0089】
実施例11. (S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0090】
【化26】
【0091】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピル(isopropayl)で洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)を加えてから二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0092】
実施例12. (S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0093】
【化27】
【0094】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)を4-ヘプタノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄して4-ヘプチル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
4-ヘプチル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)及び炭酸水素ナトリウム(50g)を加えてから二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(R0488,30g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0095】
実施例13. (S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノア-ト塩酸塩の調製。
【0096】
【化28】
【0097】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)及び炭酸水素ナトリウム(50g)を加えてから二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ペンタノイル(24g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノア-ト塩酸塩を得た。
【0098】
実施例14. (S)-4-(2-アミノ-3-エトキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジアセタ-ト塩酸塩
【0099】
【化29】
【0100】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をエタノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してエチル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
エチル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(26g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)を加えてから二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化アセチル(18g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(2-アミノ-3-エトキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジアセタ-ト塩酸塩を得た。
【0101】
実施例15. (S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)臭化水素酸塩の調製。
【0102】
【化30】
【0103】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)を3-ペンタノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
3-ペンチル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)、次に二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化イソブチリル(22g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(2-アミノ-3-エトキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジアセタ-ト塩酸塩を得た。
【0104】
実施例16. (S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0105】
【化31】
【0106】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)、次にN-(tert-ブトキシカルボニル-グリシンN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(27g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(30g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHClガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩を得た。
【0107】
実施例17. 4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トフッ化水素酸塩の調製。
【0108】
【化32】
【0109】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)を3-ペンタノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
3-ペンチル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)、次にN-(tert-ブトキシカルボニル-プロリンN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(32g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(22g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHFガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トフッ化水素酸塩を得た。
【0110】
実施例18. (S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トフッ化水素酸塩の調製。
【0111】
【化33】
【0112】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)、次にBoc-ピペリジン-4-カルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Boc-Inp-OSu,33g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化ベンゾイル(30g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約300mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHFガス(20g)を泡立てて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トフッ化水素酸塩を得た。
【0113】
実施例19. 4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)塩酸塩の調製。
【0114】
【化34】
【0115】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えて第3混合物を得た。第3混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)、次にオクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(28g)を加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、酢酸エチル(500mL)を加えた。有機層(第5混合物)を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第6溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第7混合物を得た。第6溶液と第7混合物を合わせ、最初にピリジン(R0081,30mL)、次に塩化イソブチリル(22g)を一滴ずつ加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで2時間撹拌してから水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第9溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第10溶液を得た。第9溶液と第10溶液を合わせて約100mLに濃縮した(第11溶液)。第11溶液にヘキサン(200mL)、次に酢酸(6g)を加えて沈殿を形成した。沈殿固体を収集し、酢酸エチル/ヘキサンで洗浄して4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)塩酸塩を得た。
【0116】
実施例20. (2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩及び(2S)-イソプロピル3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩の調製。
【0117】
【化35】
【0118】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に添加することによってイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩溶液を調製した。水(200mL)及び炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第3混合物を得た。次にNα-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(25g)を第3混合物に加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌してから抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第5溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第6溶液を得た。第5溶液と第6混合物を合わせて蒸発乾固させた。得られた残渣及びBoc-L-アスパラギン酸(24g)をアセトン(300mL)に溶かして第7混合物を得た。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(40g)及び4-ジメチルアミノピリジン(22g)を第7混合物に加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで一晩撹拌して蒸発乾固させた。酢酸エチル(500ml)を残渣に加えて第9混合物を得、水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第10溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第11溶液を得た。第10溶液と第11溶液を合わせて蒸発乾固させた。残渣をメタノ-ル(R0084,300mL)に溶かして第12混合物を得た。第12混合物にまず窒素下でパラジウム活性炭(10g,10%)を加えてからRTで水素ガスを通気してベンジルオキシカルボニル基を除去した。得られた混合物(第13混合物)を濾過してパラジウム活性炭を除去し、蒸発乾固させた。
残渣をDCM(200mL)に懸濁させて第14混合物を得た。炭酸水素ナトリウム(15g)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(11g)を第14混合物に加えて第15混合物を得た。次にクロロギ酸1-クロロエチル(16g)を第15混合物に加えて第16混合物を得た。第16混合物をRTで一晩撹拌した。次に第16混合物の有機層を収集し、水(3×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第17溶液を得た。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、DCMで洗浄して第18溶液を得た。第17溶液と第18溶液を合わせて蒸発乾固させた。残渣をイソ酪酸(100mL)に溶かして第19混合物を得た。ジイソプロピルエチルアミン(60mL)とイソ酪酸(36mL)の混合物をまず調製してから第19混合物に加えて第20混合物を得た。第20混合物を55℃で48時間撹拌し、撹拌しながら酢酸エチル(500mL)を加えた。得られた有機層を収集し、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第21溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第22溶液を得た。第21溶液と第22溶液を合わせて300mLに濃縮した。濃縮溶液にアニソ-ル(20g)を加えてからHBrガス(30g)を泡立てて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸エチルで洗浄して(2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩及び(2S)-イソプロピル3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩を得た。
【0119】
実施例21. 5-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩及び4-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩の調製。
【0120】
【化36】
【0121】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えて第1混合物を得た。HClガス(20g)を第1混合物中に通気して第2混合物を得た。第2混合物を2日間60℃で撹拌してから酢酸イソプロピル(200mL)を加えて沈殿をもたらした。沈殿固体を収集し、酢酸イソプロピルで洗浄してイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩を得た。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に添加することによってイソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩溶液を調製した。水(200mLl)と炭酸水素ナトリウム(R0090,50g)をドパミン・HCl溶液に加えて第3混合物を得た。次にNα-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(25g)を第3混合物に加えて第4混合物を得た。第4混合物をRTで一晩撹拌し、抽出のため酢酸エチル(R0061,500mL)を加えた。有機層を分離し、水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第5溶液を得た。次に硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第6溶液を得た。第5溶液と第6混合物を合わせて蒸発乾固させた。
得られた残渣とTrt-サルコシン(36g)をアセトン(300mL)に溶かして第7混合物を得た。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(20g)と4-ジメチルアミノピリジン(12g)を第7混合物に加えて第8混合物を得た。第8混合物をRTで一晩撹拌し、蒸発乾固させた。酢酸エチル(500ml)を残渣に加えて第9混合物を得、水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(3×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)でそれぞれ洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて第10溶液を得た。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチルで洗浄して第11溶液を得た。ピリジン(20ml)を第11溶液に加えて第12混合物を得、塩化ベンゾイル(15g)を第12混合物に一滴ずつ加えて第13混合物を得た。第13混合物を4時間RTで撹拌し、得られた混合物を水(2×100ml)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100ml)、水(100ml)、20%クエン酸(2×200ml)、及び水(3×100ml)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて第14溶液を得た。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、酢酸エチルで洗浄して第15溶液を得た。第14溶液と第15溶液を合わせて蒸発乾固させた。
得られた残渣をメタノ-ル(300mL)に溶かして第16混合物を得た。10%パラジウム活性炭(10g)を第16混合物に窒素下で加え、得られた混合物に、RTでベンジルオキシカルボニル基が実質的に完全に除去されるまで水素ガスを通気した。濾過によりパラジウム活性炭を除去し、得られた溶液を蒸発乾固させた。
得られた残渣をDCM(200mL)に懸濁させた。炭酸水素ナトリウム(15g)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(11g)をDCM懸濁液に加えた。得られた反応混合物にクロロギ酸1-クロロエチル(16g)を加えた。次に反応混合物をRTで一晩撹拌した。有機層を収集し、水(3×200mL)で洗浄した。溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、DCMで洗浄した。このDCM溶液を蒸発乾固させた。
残渣をイソ酪酸(100mL)に溶かした。ジイソプロピルエチルアミン(60ml)とイソ酪酸(R0874,36mL)の混合物[添加前に混合する]を反応溶液に加える。混合物を55℃で48時間撹拌する。撹拌状態の反応混合物に酢酸エチル(500ml)を加える。有機溶液を収集し、5%炭酸水素ナトリウム(3×100ml)及び水(3×100ml)で洗浄する。溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。硫酸ナトリウムを濾過により除去して酢酸エチル(3×)で洗浄する。この溶液を300mlに濃縮する。アニソ-ル(20g)を酢酸エチル溶液に加える。次にHClガス(30g)を酢酸エチル溶液中に通気する。固体を収集して酢酸エチルで洗浄する。
【0122】
実施例22. 4-((2S)-3-イソプロポキシ-2-((((オクタヒドロインドリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トアセタ-トの調製。
【0123】
【化37】
【0124】
この実施例では、(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(20g)をイソプロパノ-ル(200mL)に加えた。この混合物中にHClガス(20g)を通気した。混合物を2日間60℃で撹拌した。この混合物に酢酸イソプロピル(200mL)を加えた。固体を収集して酢酸イソプロピルで洗浄した。
イソプロピル(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパノア-ト塩酸塩(28g)をアセトン(200mL)に加えた。反応混合物に水(200mL)と炭酸水素ナトリウム(50g)を加えた。反応混合物に二炭酸ジ-tert-ブチル(22g)を加えた。混合物をRTで一晩撹拌した。酢酸エチル(500mL)を混合物に加えた。混合物を水(2×100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)で洗浄した。溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル溶液にピリジン(30mL)を加えた。反応混合物に塩化ベンゾイル(30g)を一滴ずつ加えた。溶液をRTで2時間撹拌した。溶液を水(2×100mL)、5%炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、水(100mL)、20%クエン酸(2×200mL)、及び水(3×100mL)で洗浄した。溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチルで洗浄した。この溶液を200mLに濃縮した。この酢酸エチル溶液にアニソ-ル(20g)を加えた。次に酢酸エチル溶液中にHClガス(20g)を通気した。
固体を収集して酢酸エチルで洗浄した。
固体を酢酸エチル(200mL)に懸濁させ、混合物にトリエチルアミン(25mL)を加えた。酢酸エチル(50mL)中のオクタヒドロインドリジン-1-イルカルボノクロリダ-ト塩酸塩(22g)を反応混合物に一滴ずつ加えた。混合物をRTで2時間撹拌した。混合物を5%炭酸水素ナトリウム及び水(3×)で洗浄した。酢酸(6g)を混合物に加えた。ヘキサン(200mL)を混合物に加えた。固体を濾過により収集して酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。
【0125】
実施例23. 2-(ジエチルアミノ)エチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾア-ト.アセタ-トの調製。
【0126】
【化38】
【0127】
29.6g(0.1mol)の2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]安息香酸を300mLのクロロホルムに溶かした。20.6gのN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを反応混合物に加えた。11.7gのジエチルアミノエチルアミンを反応混合物に加えた。混合物をRTで3時間撹拌した。固体を濾過により除去した。クロロホルム溶液を5%NaHCO3(2×100mL)及び水(3×100mL)で洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。撹拌状態の反応混合物に6gの酢酸を加えた。ヘキサン(200ml)を加えた。固体生成物を濾過により収集した。
【0128】
実施例24. (Z)-2-(ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセタ-ト.AcOHの調製
【0129】
【化39】
【0130】
11.7g(0.1mol)のジエチルアミノエタノ-ルを10%炭酸水素ナトリウム(200mL)とアセトン(100mL)に溶かした。37.5g(0.1mol)の(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセチルクロリドを反応混合物に加えた。混合物をRTで3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチル(500mL)に懸濁させた。撹拌状態の反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム(200mL)を加えた。酢酸エチル層を収集して水(3×500mL)で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。撹拌状態の反応混合物に6gの酢酸を加えた。有機溶液をエバポレ-トした。
【0131】
実施例25. 2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナ-ト.塩酸塩の調製
【0132】
【化40】
【0133】
26.1g(0.1mol)の2-(3-フェノキシフェニル)プロピオニルクロリドを300mlの酢酸エチルに溶かした。混合物を0℃に冷却した。8.9gのジメチルアミノエタノ-ルを反応混合物に加えた。炭酸水素ナトリウム(30g)を混合物に加えた。混合物をRTで5時間撹拌した。混合物を水(3×200mL)で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物中にHClガス(5g)を通気した。固体を濾過により収集して酢酸エチルで洗浄した。
【0134】
実施例26. S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオア-ト塩酸塩の調製
【0135】
【化41】
【0136】
10.4g(0.1mol)のジメチルアミノエチルメルカプタンを10%炭酸水素ナトリウム(200mL)とアセトン(100mL)に溶かした。27.3g(0.1mol)の2-(3-フェノキシフェニル)プロピオニルクロリドを反応混合物に加えた。混合物をRTで3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチル(500mL)に懸濁させた。5%炭酸水素ナトリウム(200mL)を撹拌状態の反応混合物に加えた。酢酸エチル層を収集して水(3×500mL)で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。撹拌状態の反応混合物中に無水HClガス(5g)を通気した。固体を収集して酢酸エチルで洗浄した。
【0137】
実施例27. 2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラ-ト塩酸塩[2-(ジプロピルアミノ)エチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチラ-ト塩酸塩]の調製
【0138】
【化42】
【0139】
31.1g(0.1mol)の5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチルクロリド300mLの酢酸エチルに溶かした。混合物を0℃に冷却した。11.7g(0.1mol)のジエチルアミノエタノ-ルを反応混合物に加えた。炭酸水素ナトリウム(30g)を反応混合物に加えた。混合物をRTで3時間撹拌した。次に水(200mL)を混合物に加えた。酢酸エチル層を収集して水(3×)で洗浄した。溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。撹拌状態の反応混合物中に無水HClガスを通気した。固体を収集して酢酸エチルで洗浄した。
【0140】
実施例28. 2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナ-ト塩酸塩の調製。
【0141】
【化43】
【0142】
41gのイブプロフェンを200mlの酢酸エチルに溶かした。16mLの塩化チオニルを混合物に加えた。混合物を2時間還流させた。混合物を完全に蒸発乾固させた。500mLの酢酸エチルを残渣に加えてエバポレ-トした。500mLの酢酸エチルを反応混合物に加えた。この溶液を氷水浴で5℃に冷却した。23gのN,N-ジエチルアミノエタノ-ルを反応混合物に一滴ずつ加えた。40gのNa2CO3を反応混合物にゆっくり加えた。混合物をRTで一晩撹拌した。200mLの水を混合物に加えた。酢酸エチル溶液を収集して水(3×200mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。無水HClガス(10g)を混合物中に通気した。固体を収集して酢酸エチルで洗浄した。
【0143】
実施例29. 2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾア-ト塩酸塩(2-(ジエチルアミノ)エチルアセチルサリチラ-ト塩酸塩)の調製。
【0144】
【化44】
【0145】
36gのアスピリンを100mLの酢酸エチルに溶かした。16mLの塩化チオニルを混合物に加えた。混合物を3時間還流させた。混合物を完全に蒸発乾固させた。100mLの酢酸エチルを残渣に加えてエバポレ-トした。500mLの酢酸エチルを反応混合物に加えた。溶液を氷水浴で5℃に冷却した。23gのN-ジエチルアミノエタノ-ルを反応混合物に一滴ずつ加えた。40gのNaHCO3を反応混合物にゆっくり加えた。混合物をRTで一晩撹拌した。200mLの水を混合物に加えた。酢酸エチル溶液を収集して水(3×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。無水HClガス(10g)を混合物中に通気した。固体を収集して酢酸エチルで洗浄した。
【0146】
実施例30. HPPの透過速度の測定
4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-1)、4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト酢酸(化合物-2)、4-(6-メチル-4,8-ジオキソ-5,7-ジオキサ-2,9-ジアザデカン-11-イル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト臭化水素酸塩(化合物-3)、4-(2-(2-アミノ-3-フェニルプロパンアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-4)、4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-5)、4-(2-ピペリジン-4-カルボキサミド)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)塩酸塩(化合物-6)、4-(2-((((-オクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノア-ト)アセタ-ト(化合物-7)、1-(((2-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-ト フッ化水素酸塩(化合物-8a)、1-(((2-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラ-ト フッ化水素酸塩(化合物-8b)、(5-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩(化合物-9a)、5-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩(化合物-9b)、4-(2-アミノエチル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-10)、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-11)、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-12)、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノア-ト塩酸塩(化合物-13)、(S)-4-(2-アミノ-3-エトキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジアセタ-ト塩酸塩(化合物-14)、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)臭化水素酸塩(化合物-15)、(S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-16)、4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トフッ化水素酸塩(化合物-17)、(S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(化合物-18)、4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)塩酸塩(化合物-19)、(2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩(化合物-20a)、(2S)-イソプロピル3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノア-ト臭化水素酸塩(化合物-20b)、5-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩(化合物-21a)、4-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾア-ト塩酸塩(化合物-21b)、4-((2S)-3-イソプロポキシ-2-((((オクタヒドロインドリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-トアセタ-ト(化合物-22)、2-(ジエチルアミノ)エチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾア-ト.アセタ-ト(化合物-23)、(Z)-2-(ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセタ-ト.AcOH(化合物-24)、2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナ-ト.塩酸塩(化合物-25)、S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオア-ト塩酸塩(化合物-26)、2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラ-ト塩酸塩(化合物-27)、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナ-ト塩酸塩(化合物-28)、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾア-ト塩酸塩(化合物-29)、4-(2-アミノエチル)ベンゼン-1,2-ジオ-ル塩酸塩(化合物-30)、2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(L-Dopa、化合物31)、アセチルサリチル酸(化合物-32)、2-(ρ-イソブチルフェニル)プロピオン酸(イブプロフェン、化合物-33)、及び2-(3-フェノキシフェニル)プロピオン酸(化合物-34)がヒト皮膚を通る透過速度を、前側及び後側の大腿部のヒト皮膚組織(360〜400μmの厚さ)から単離した修飾Franzセルを用いてin vitroで測定した。受け取る流体は10mLのpH7.4リン酸緩衝液(0.2M)から成り、表1に示す。結果は、アミノ基の正電荷が、膜及び皮膚の障壁を横断する薬物の通過において非常に重要な役割を有することを示唆した。
【0147】
表1. 8時間でのドパミン、L-Dopa、及びNSAIDのプロドラッグの累積量。
【0148】
実施例31. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼす(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(薬物A)及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾア-ト塩酸塩(薬物B)の効力
下記プロトコルに従って試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、群化し、試験した。
1. 200匹のスプラ-グド-リ-ラット(オス、200〜230g)が、動物施設で1週間の順化後に脳定位手術を受けた;
2. 麻酔後、モ-タ-ドリルを用いて下記座標に基づいて左側の頭蓋骨に穿頭孔(直径1mm)を開けた:ブレグマに対してAP +0.5mm、ML -2.8mm、DV 6.0mm;
3. 26ゲ-ジのスチ-ルカニュ-レを備えたマイクロシリンジで左線条体に6-OHDA(5mg/mLで20μg)又は無菌食塩水を注入した。この化学物質は遠位の黒質に逆行性神経変性を引き起こし、黒質線条体経路におけるドパミン伝達を害し、最終的に運動活性の機能障害をもたらした;
4. 6-OHDA処置後3週間の最後にアポモルヒネ及び古典的回転試験を行なって動物をスクリ-ニングした。病変タイプ及びアポモルヒネ誘発回転スコアがマッチした動物を11群に割り当てた;及び
5. ラットを11群(n=12)に分け、各群に下表2に示す用量で薬物を投与した。
【0149】
表2. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0150】
6. 用量処方
(1)水中のL-DOPA(3mg/mL)は、群1のポジティブコントロ-ル溶液だった(群1では経口、群2〜11では経皮)。投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用ネガティブコントロ-ル溶液)は、30%エタノ-ル(v/v)だった。投与体積は1286μL/kgだった。他の試験溶液(群3〜11)は毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Aを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液だった[(2)a]。
a. 薬物Aの群5(高用量群)用試験溶液:保存溶液[(2)a]は群5用試験溶液だった。投与体積は1286μL/kgだった。
b. 薬物Aの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液[(2)a]を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1286μL/kgだった。
c. 薬物Aの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液[(2)a]を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった。
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった。
(5)群8用試験溶液の調製方法:264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった。
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった。
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:791mgの薬物Aを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11用試験溶液だった。
【0151】
7. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
8. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
9. 治療後毎週ロ-タロッド試験を行なった。
【0152】
図1は、1〜3週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図2は、1〜3週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
PD動物の能力が改善すると、ロ-ド上により長く滞留し、より高速の回転に耐えると想定した(試験薬物の副作用を伴わなかった場合)。
全てのバッチデ-タを一緒にプ-ルすることによって(12匹の動物/群)、ポジティブ群(群1、L-DOPA、6mg/kg、経口)は、3週間の治療後にビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、全ての試験薬物治療群(群2〜11)は、3週間の治療後にビヒクル群より強い効力を示した。レボドパは、PDにおける運動合併症の発生に寄与した。レボドパは、ピ-ク用量で悪心、嘔吐、胃腸出血、ジスキネジアを引き起こし、また機能のエンド・オブ・ド-ス低下をもたらしたので、ポジティブコントロ-ル群(群1、L-DOPA、6mg/kg、経口)は、ビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、経皮投与したL-Dopaのプロドラッグ(薬物A)は、ピ-ク用量でのジスキネジア、及び機能のエンド・オブ・ド-ス低下を回避した。薬物Aの低用量(L-Dopaのプロドラッグ、0.67mg/kg、群3)の効力は、薬物Aの中用量及び高用量(2mg及び6mg/kg、群4及び5)の効力よりずっと高かった。該結果は、L-dopaの経皮投与したプロドラッグの用量が経口投与したL-dopaよりずっと少ない(9倍少ない)ことを示した。30mg及び90mg/kgの薬物B(アスピリンのプロドラッグ)は、3週間の治療後にビヒクル群及びポジティブコントロ-ル群より良い効力を示した。30mgの薬物B(群8)は、90mgの薬物B(群11)と同様の効力を示した。この結果は、薬物Bは30mg/kgの用量で十分であり、より高い用量は必要ないことを示した。薬物Aと薬物Bの組み合わせ(群6及び群9)の対象への投与は、薬物B(群8及び11)又は薬物A(群3)のいずれかのみの投与よりずっと良く機能した。
複数薬物(例えば1種以上のHPP及び/又は他の薬物)の組み合わせを対象に投与するとき、各薬物を別々に投与することができ、又は1種以上の薬物を別々の薬物として実質的に同時に投与する(例えば2種以上の薬物を噴霧前に混合せずに実質的に同時に噴霧する)ことができ、又は1種以上の薬物を一緒に混合した後に対象に投与することができ、或いは上記投与方法の任意の組み合わせも可能である。薬物を可能ないずれの順序で投与することもできる。
【0153】
実施例32. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼす薬物A(経皮)、薬物B(経皮)、及び経口カルビドパの効力。
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表3に示す用量で各群に薬物を投与した。
【0154】
表3. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0155】
2. 用量処方
(1)水中のL-DOPA(3mg/ml)とカルビドパ(1.5mg/mL)は両方とも群1(経口)のポジティブコントロ-ル溶液として使用し、投与体積は2mL/kgだった。水中のカルビドパ(3mg/mL)は、群2〜11(経口)用の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬であり、投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用ネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)であり、投与体積は1,286μL/kgだった。他の試験溶液(経皮、群3〜11)は毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Aを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
(a)保存溶液(2)は薬物Aの群5(高用量群)用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
(b)薬物Aの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
(c)薬物Aの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群3用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった;
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった;
(5)群8用試験溶液の調製方法:264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった;
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった;
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった;
(8)群11用試験溶液の調製方法:791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11用試験溶液だった。
【0156】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なった。
【0157】
図3は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図4は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
カルビドパは、レボドパが血液脳関門を通過する前にその末梢DDC変換を減らすことができ、その結果L-Dopaの副作用を低減した。この結果は、カルビドパは、全てのL-Dopa及びL-Dopaのプロドラッグ(薬物A)治療群(群1、3、4、5、6、7、9、10)の効力を高めたが、ビヒクル群及びアスピリンのプロドラッグ治療群(薬物B)(群2、8及び11)の効力を変えなかったことを示す。
複数薬物(例えば1種以上のHPP及び/又は他の薬物)の組み合わせを対象に投与するとき、各薬物を別々に投与することができ、又は1種以上の薬物を別々の薬物として実質的に同時に投与する(例えば2種以上の薬物を噴霧前に混合せずに実質的に同時に噴霧する)ことができ、又は1種以上の薬物を一緒に混合した後に対象に投与することができ、或いは上記投与方法の任意の組み合わせも可能である。薬物を可能ないずれの順序で投与することもできる。
【0158】
実施例33. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼすL-Dopa及びイブプロフェンのプロドラッグの効力。
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表4に示す用量で各群に薬物を投与した。薬物Cは(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノア-ト)臭化水素酸塩であり、薬物Dは2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナ-ト酢酸塩だった。
【0159】
表4. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0160】
2. 用量処方
(1)水中のL-DOPA(3mg/mL)は群1(経口)用ポジティブコントロ-ル溶液であり、投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用ネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)であり、投与体積は1286μL/kgだった。他の試験溶液(群3〜11)は毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Cを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
a)薬物Cの群5(高用量群)用試験溶液:保存溶液(2)は群5用試験溶液だった。投与体積は、1,286μL/kgだった;
b)薬物Cの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
c)薬物Cの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群3用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Cと132mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった。
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Cと132mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった。
(5)群8用試験溶液の調製方法:132mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった。
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Cと395.5mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった。
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Cと395.5mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:395.5mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11用試験溶液だった。
【0161】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なうつもりである。
【0162】
図5は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図6は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
全てのバッチデ-タを一緒にプ-ルすることによって(12匹の動物/群)、ポジティブ群(L-DOPA、6mg/kg、経口)は、4週間の治療後にネガティブコントロ-ル群に比べて効力を示さなかったが、全ての試験薬物治療群は、4週間の治療後にビヒクル群より強い効力を示した。レボドパは、ピ-ク用量で悪心、嘔吐、胃腸出血、ジスキネジアを引き起こし、また機能のエンド・オブ・ド-ス低下をもたらしたので、ポジティブ群(L-DOPA、6mg/kg、経口)は、ビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、経皮投与したL-Dopaのプロドラッグ(化合物C)は、ピ-ク用量でのジスキネジア、及び機能のエンド・オブ・ド-ス低下を回避した。薬物Cの低用量の効力(L-Dopaのプロドラッグ、0.67mg/kg、群3)は、薬物Cの中用量及び高用量(2mg及び6mg/kg、群4及び5)の効力よりずっと高かった。この結果は、L-dopaの経皮投与したプロドラッグの用量が経口投与したL-dopaよりずっと少ないことを示した。15mg及び45mg/kgの薬物D(イブプロフェンのプロドラッグ)は、4週間の治療後にビヒクル群及びポジティブコントロ-ル群より良い効力を示した。15mgの薬物D(群8)は、45mgの薬物D(群11)と同様の効力を示したので、15mg/kgの用量で十分であり、より高い用量は必要なかった。薬物Cと薬物Dの組み合わせ(群6及び群9)の対象への投与は、薬物D(群8及び11)又は薬物C(群3)のいずれかのみの投与よりずっと良く機能した。
【0163】
実施例34. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼすL-Dopa及びイブプロフェンのプロドラッグ並びに1.5mg/kgのカルビドパの効力。
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表5に示す用量で各群に薬物を投与した。
【0164】
表5. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0165】
2. 用量処方
(1)水中のL-DOPA(3mg/ml)とカルビドパ(1.5mg/mL)は両方とも群1(経口)用のポジティブコントロ-ル溶液として使用した。投与体積は2mL/kgだった。芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬として水中のカルビドパ(1.5mg/mL)を群2〜11に投与し(経口)、投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用ネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)であり、投与体積は1,286μL/kgだった。他の試験溶液(経皮、群3〜11)は毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Cを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
a. 群5(高用量群)用試験溶液としての薬物C溶液の調製:保存溶液(2)は群5用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
b. 群4(中用量群)用試験溶液としての薬物C溶液の調製:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
c. 群3(低用量群)用試験溶液としての薬物C溶液の調製:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Cと132mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった。
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Cと132mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった。
(5)群8用試験溶液の調製方法:132mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった。
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Cと395.5mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった。
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Cと395.5mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:395.5mgの薬物Dを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11用試験溶液だった。
【0166】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なった。
【0167】
図7は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図8は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
カルビドパは、レボドパが血液脳関門を通過する前にその末梢DDC変換を減らすことができ、その結果L-Dopaの副作用を低減した。この結果は、カルビドパは、全てのL-Dopa及びL-Dopaのプロドラッグ治療群(群1、3、4、5、6、7、9、10)の効力を高めたが、ビヒクル群及びイブプロフェンのプロドラッグ治療群(群2、8及び11)の効力を変えなかったことを示す。
【0168】
実施例35. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼす4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩(薬物E)及び4-(ジメチルアミノ)ブチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナ-ト塩酸塩(薬物F)の効力。
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表6に示す用量で各群に薬物を投与した。
【0169】
表6. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0170】
2. 用量処方
(1)水中のL-DOPA(3mg/ml)は群1用(群1用経口)のポジティブコントロ-ル溶液だった。投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用ネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)だった。投与体積は1,286μL/kgだった。他の試験溶液(群3〜11)は毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:37.75mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
a. 薬物Eの群5(高用量群)用試験溶液:保存溶液(2)は群5用試験溶液だった。投与体積は、1,286μL/kgだった;
b. 薬物Eの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
c. 薬物Eの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群3用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:4.25mgの薬物Eと176mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった。
(4)群7用試験溶液の調製方法:12.5mgの薬物Eと176mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった。
(5)群8用試験溶液の調製方法:176mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった。
(6)群9用試験溶液の調製方法:4.25mgの薬物Eと527mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった。
(7)群10用試験溶液の調製方法:12.5mgの薬物Eと527mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:527mgの薬物Eを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11用試験溶液だった。
【0171】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なった。
【0172】
図9は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図10は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
全てのバッチデ-タを一緒にプ-ルすることによって(12匹の動物/群)、ポジティブ群(L-DOPA、6mg/kg、経口)は、4週間の治療後にビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、全ての試験薬物治療群は、4週間の治療後にビヒクル群に比べて強い効力を示した。レボドパ及びドパミンは、ピ-ク用量で悪心、嘔吐、胃腸出血、ジスキネジアを引き起こし、また機能のエンド・オブ・ド-ス低下をもたらしたので、ポジティブ群(L-DOPA、6mg/kg、経口)は、ビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、経皮投与したドパミンのプロドラッグは、ピ-ク用量でのジスキネジア、及び機能のエンド・オブ・ド-ス低下を回避した。薬物Eの低用量の効力(ドパミンのプロドラッグ、0.5mg/kg、群3)は、薬物Eの中用量及び高用量(1.5mg及び4.5mg/kg、群4及び5)の効力よりずっと高かったので、より高い用量の薬物Eは、L-dopaが引き起こしたようにさらに副作用を引き起こしたかもしれない。20mg及び60mg/kgの薬物Fは、4週間の治療後にビヒクル群及びポジティブコントロ-ル群に比べて良い効力を示した。20mgの薬物F(群8)は、60mgの薬物F(群11)と同様の効力を示した。この結果は、20mg/kgの用量で十分であり、より高い用量は必要ないことを示した。薬物Eと薬物Fの組み合わせ(群6及び群9)の対象への投与は、薬物F(群8及び11)又は薬物E(群3)のいずれかのみの投与よりずっと良く機能した。
複数薬物(例えば1種以上のHPP及び/又は他の薬物)の組み合わせを対象に投与するとき、各薬物を別々に投与することができ、又は1種以上の薬物を別々の薬物として実質的に同時に投与する(例えば2種以上の薬物を噴霧前に混合せずに実質的に同時に噴霧する)ことができ、又は1種以上の薬物を一緒に混合した後に対象に投与することができ、或いは上記投与方法の任意の組み合わせも可能である。薬物を可能ないずれの順序で投与することもできる。
【0173】
実施例36. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼす薬物G((S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾア-ト塩酸塩)及び薬物H(2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラ-ト塩酸塩)の効力
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表7に示す用量で各群に薬物を投与した。
【0174】
表7. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0175】
2. 用量処方
(1)水中のL-DOPA(3mg/ml)は群1(群1)用ポジティブコントロ-ル溶液であり、投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用ネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)であり、投与体積は1,286μL/kgだった。他の試験溶液(群3〜11)は毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Gを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
a. 薬物Gの群5(高用量群)用試験溶液:保存溶液(2)は群5用試験溶液だった。投与体積は、1,286μL/kgだった;
b. 薬物Gの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
c. 薬物Gの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群3用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Gと132mgの薬物Hを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった。
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Gと132mgの薬物Hを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった。
(5)群8用試験溶液の調製方法:132mgの薬物Hを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった。
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Gと395.5mgの薬物Hを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった。
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Gと395.5mgの薬物Hを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:395.5mgの薬物Hを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11用試験溶液だった。
【0176】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なった。
【0177】
図11は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図12は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
全てのバッチデ-タを一緒にプ-ルすることによって(12匹の動物/群)、ポジティブ群(L-DOPA、6mg/kg、経口)は、4週間の治療後にビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、全ての試験薬物治療群は、4週間の治療後にビヒクル群に比べて強い効力を示した。レボドパは、ピ-ク用量で悪心、嘔吐、胃腸出血、ジスキネジアを引き起こし、また機能のエンド・オブ・ド-ス低下をもたらしたので、ポジティブ群(L-DOPA、6mg/kg、経口)はビヒクル群に比べて効力を示さなかった。しかしながら、経皮投与したL-Dopaのプロドラッグは、ピ-ク用量でのジスキネジア、及び機能のエンド・オブ・ド-ス低下を回避した。薬物Gの低用量(L-Dopaのプロドラッグ、0.67mg/kg、群3)の効力は、薬物Gの中用量及び高用量(2mg及び6mg/kg、群4及び5)の効力よりずっと高かった。より高い用量は、L-dopaが引き起こしたように副作用を引き起こしたかもしれない。15mg及び45mg/kgの薬物Hは、4週間の治療後にビヒクル群及びポジティブコントロ-ル群に比べて良い効力を示した。15mgの薬物H(群8)は、45mgの薬物H(群11)と同様の効力を示した。このことは、15mg/kgの用量で十分であり、より高い用量は必要ないことを示唆した。薬物Gと薬物Hの組み合わせ(群6及び群9)の投与は、薬物H(群8及び11)又は薬物G(群3)のいずれかのみの投与よりずっと良く機能した。
複数薬物(例えば1種以上のHPP及び/又は他の薬物)の組み合わせを対象に投与するとき、各薬物を別々に投与することができ、又は1種以上の薬物を別々の薬物として実質的に同時に投与する(例えば2種以上の薬物を噴霧前に混合せずに実質的に同時に噴霧する)ことができ、又は1種以上の薬物を一緒に混合した後に対象に投与することができ、或いは上記投与方法の任意の組み合わせも可能である。薬物を可能ないずれの順序で投与することもできる。
【0178】
実施例37. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼす薬物A(経皮)、薬物B(経皮)、及びエンタカポン(経口)の効力。
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表8に示す用量で各群に薬物を投与した。
【0179】
表8. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0180】
2. 用量処方
(1)0.5%CMC-Na(カルボキシメチルセルロ-スナトリウム塩)中のL-DOPA(3mg/ml)とエンタカポン(12.5mg/mL)は群1(経口)用のポジティブコントロ-ル溶液であり、投与体積は2mL/kgだった。0.5%CMC-Na中のカテコ-ル-O-メチル転移酵素阻害薬としてのエンタカポン(12.5mg/ml)を群2〜11に投与し(経口)、投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用のネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)であり、投与体積は1,286μL/kgだった。他の試験溶液(経皮、群3〜11)は、毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Aを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
a. 保存溶液(2)は、薬物Aの群5(高用量群)用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
b. 薬物Aの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
c. 薬物Aの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった;
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった;
(5)群8用試験溶液の調製方法:264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった;
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった;
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11の試験溶液だった。
【0181】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なった。
【0182】
図13は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図14は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
エンタカポンはカテコ-ル-O-メチル転移酵素阻害薬であり、COMTが末梢でL-DOPAを代謝して3-メトキシ-4-ヒドロキシ-L-フェニルアラニンとするのを阻止して、L-DOPAの望ましくない作用を回避する。この結果は、エンタカポンは、全てのL-Dopa及びL-Dopaのプロドラッグ治療群(群1、3、4、5、6、7、9、10)の効力を高めるが、ビヒクル群及びアスピリンのプロドラッグ治療群(群2、8及び11)の効力を変えないことを示した。
複数薬物(例えば1種以上のHPP及び/又は他の薬物)の組み合わせを対象に投与するとき、各薬物を別々に投与することができ、又は1種以上の薬物を別々の薬物として実質的に同時に投与する(例えば2種以上の薬物を噴霧前に混合せずに実質的に同時に噴霧する)ことができ、又は1種以上の薬物を一緒に混合した後に対象に投与することができ、或いは上記投与方法の任意の組み合わせも可能である。薬物を可能ないずれの順序で投与することもできる。
【0183】
実施例38. HDBにてパ-キンソン病(PD)モデルで6-OHDAにより誘発された運動機能欠陥の改善及び黒質線条体神経変性の低減に及ぼす薬物A(経皮)、薬物B(経皮)、エンタカポン(経口)及びカルビドパ(経口)の効力。
実施例31で述べたように試験対象(スプラ-グド-リ-ラット)を調製し、下記プロトコルに従って群化及び試験した。
1. ラットを11群(n=12)に分け、下表9に示す用量で各群に薬物を投与した。
【0184】
表9. 試験動物に投与した用量及び薬物
【0185】
2. 用量処方
(1)0.5%CMC-Na中のL-DOPA(3mg/ml)、エンタカポン(12.5mg/ml)、及びカルビドパ(1.5mg/mL)は、群1(経口)用のポジティブコントロ-ル溶液であり、投与体積は2mL/kgだった。0.5%CMC-Na中のエンタカポン(12.5mg/ml)、及びカルビドパ(1.5mg/mL)は、群2〜11(経口)用の溶液であり、投与体積は2mL/kgだった。ビヒクル溶液(群2用のネガティブコントロ-ル溶液)は30%エタノ-ル(v/v)であり、投与体積は1,286μL/kgだった。他の試験溶液(経皮、群3〜11)は、毎日新たに調製した。
(2)群3〜5用試験溶液の調製方法:50.33mgの薬物Aを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は保存溶液(2)だった。
a. 保存溶液(2)は、薬物Aの群5(高用量群)用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
b. 薬物Aの群4(中用量群)用試験溶液:3.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群4用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった;
c. 薬物Aの群3(低用量群)用試験溶液:1.00mLの保存溶液(2)を30%エタノ-ル(v/v)で最終体積9.00mLに希釈した。この溶液は群3用試験溶液だった。投与体積は1,286μL/kgだった。
(3)群6用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群6用試験溶液だった;
(4)群7用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群7用試験溶液だった;
(5)群8用試験溶液の調製方法:264mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群8用試験溶液だった;
(6)群9用試験溶液の調製方法:5.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群9用試験溶液だった;
(7)群10用試験溶液の調製方法:16.67mgの薬物Aと791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群10用試験溶液だった。
(8)群11用試験溶液の調製方法:791mgの薬物Bを10mLの30%エタノ-ル(v/v)に溶かした。この溶液は群11の試験溶液だった。
【0186】
3. 投与予定前日に、小動物クリッパ-を用いて動物(二重盲検様式のためL-DOPAを用いるポジティブコントロ-ル群のラットを含めた全てのラット)の上部背中(首と肩の辺り)から毛を除去した。研究の全経過を通じて表皮露出を維持するため必要に応じて動物の毛を再刈り込みした。投与の日に、一定分量(643μL/kg)の投与製剤を動物の3cm×3cm方形部(首と肩の辺り)に午前9時頃に投与し、午後4時頃に繰り返した。
4. 病変4週間後に、群は治療を受け始めた。
5. 治療4週間後にロ-タロッド試験を行なった。
【0187】
図15は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における滞留時間結果を示した(n=12)。図16は、4週間の治療後の上記ロ-タロッド試験における落下速度結果を示した(n=12)。
カルビドパとエンタカポンの組み合わせの投与は、カルビドパ又はエンタカポンのどちらかのみの投与より良く機能した。この結果は、カルビドパとエンタカポンの組み合わせは、全てのL-Dopa及びL-Dopaのプロドラッグ治療群(群1、3、4、5、6、7、9、10)の効力を高めるが、ビヒクル群及びアスピリンのプロドラッグ治療群(群2、8及び11)の効力を変えないことを示した。
複数薬物(例えば1種以上のHPP及び/又は他の薬物)の組み合わせを対象に投与するとき、各薬物を別々に投与することができ、又は1種以上の薬物を別々の薬物として実質的に同時に投与する(例えば2種以上の薬物を噴霧前に混合せずに実質的に同時に噴霧する)ことができ、又は1種以上の薬物を一緒に混合した後に対象に投与することができ、或いは上記投与方法の任意の組み合わせも可能である。薬物を可能ないずれの順序で投与することもできる。
【0188】
実施例39. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の15mgの薬物Aと30mgの薬物Bの溶液を、必要に応じて3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例40. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の10mgの薬物Aと20mgの薬物Bの溶液を、必要に応じて3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例41. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Aと40mgの薬物Bの溶液を、必要に応じて3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例42. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の30mgの薬物Aと50mgの薬物Bの溶液を、必要に応じて3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例43. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の15mgの薬物Aと30mgの薬物Bの溶液を、必要に応じて3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、10mgのカルビドパ及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例44. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Aと40mgの薬物Bの溶液を、必要に応じて3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例45. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の15mgの薬物Aと30mgの薬物Bの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ、70mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例46. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Aと40mgの薬物Bの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ、100mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
【0189】
実施例47. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の10mgの薬物Cと15mgの薬物Dの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例49. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の30mgの薬物Cと30mgの薬物Dの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例50. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Cと15mgの薬物Dの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例51. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の10mgの薬物Cと10mgの薬物Dの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ、100mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例52. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の30mgの薬物Cと20mgの薬物Dの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ、70mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例53. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の30mgの薬物Cと25mgの薬物Dの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、10mgのカルビドパ、50mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
【0190】
実施例54. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の10mgの薬物Eと10mgの薬物Fの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例55. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Eと20mgの薬物Fの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例56. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の5mgの薬物Eと10mgの薬物Fの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例57. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の10mgの薬物Gと10mgの薬物Hの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例58. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の15mgの薬物Gと15mgの薬物Hの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
実施例59. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Gと15mgの薬物Hの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。
【0191】
実施例60. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Gと15mgの薬物Hの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、10mgのカルビドパ、70mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
実施例61. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の10mgの薬物Gと10mgの薬物Hの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、10mgのカルビドパ、50mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
【0192】
実施例62. パ-キンソン病及び関連状態の治療
0.5mlの水中の20mgの薬物Gと15mgの薬物Hの溶液を、3〜10時間毎に対象の首、胸、背中及び他の任意の部分の皮膚に投与(経皮)する。上記溶液の投与後又は投与前に、15mgのカルビドパ、100mgのエンタカポン及び/又は不活性成分、例えば、セルロ-ス、マンニト-ル、クロスカルメロ-スナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス等を含有する錠剤を経口服用させて経皮治療の効力を高める。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕下記構造Pro-L-Dopa-1、構造Pro-L-Dopa-2、構造Pro-L-Dopa-3、構造Pro-L-Dopa-4、構造Pro-L-Dopa-5、構造Pro-ドパミン-1、構造Pro-ドパミン-2、構造Pro-ドパミン-3、構造Pro-ドパミン-4、及び構造Pro-ドパミン-5:

から成る群より選択される構造(その立体異性体及び医薬的に許容できる塩を含めて)を含む化合物
(特定実施形態では、Wは下記構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、構造W-6、構造W-7、構造W-8、構造W-9、構造W-10、構造W-11、構造W-12:
から成る群より選択され;
HAは、非存在、並びに医薬的に許容できる酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、重硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチシン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びパモ酸から成る群より選択され;
Xは、O、S、及びNR3から成る群より選択され;X2は、非存在、O、S、NR3、CHR3-O、CHR3-S、CHR3-O、O-CHR3-O、O-CHR3-S、S-CHR3-O、及びS-CHR3-Sから成る群より選択され;X3は、非存在、C=O、C=S、C(=O)-O、O、S、NR3、C(=O)-O-CHR3-O、C(=O)-O-CHR3-S、C(=O)-S-CHR3-O、及びC(=O)-S-CHR3-Sから成る群より選択され;Y1は、R3C(=O)、R3O-C(=O)、及びR3S-C(=O)から成る群より選択され;Y2は、R3C(=O)、R3O-C(=O)、及びR3S-C(=O)から成る群より選択され;Y3は、R3、OR3、SR3、NR3R4、O-CHR3-OR4、O-CHR3-SR4、S-CHR3-OR4から成る群より選択され;
n及びmは、0、1、2、3、4、5、6、7、及び8から成る群より選択される。
Rcは、非存在、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もさらにO、S、P、NR6、又はいずれの他の医薬的に許容できる基と置き換わっていてもよく;
Rは、非存在、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もさらにO、S、P、NR6、又はいずれの他の医薬的に許容できる基と置き換わっていてもよく;
R3及びR4は、非存在、CH2C(=O)OR6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、R中のいずれのCH2もさらにO、S、P、NR6、又はいずれの他の医薬的に許容できる基と置き換わっていてもよく;
各R6は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2-オキソ-1-イミダゾリジニル、フェニル、5-インダニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル、4-ヒドロキシ-1,5-ナフチリジン-3-イル、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換シクロアルキルオキシル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、-C(=O)-W、-L1-L4-L2-W、及びWから成る群より選択され;
各R5は、独立に、H、C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換シクロアルキルオキシル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルキルカルボニル、置換及び無置換アルキルアミノ、-C(=O)-W、L1-L4-L2-W、及びWから成る群より選択され;
L1は、非存在、O、S、-O-L3-、-S-L3-、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L5)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、及び-S-CH(L3)-O-から成る群より選択され;
L2は、非存在、O、S、-O-L3-、-S-L3-、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L5)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、-S-CH(L3)-O-、-O-L3-、-N-L3-、-S-L3-、-N(L3)-L5-及びL3
から成る群より選択され;
L4は、非存在、C=O、C=S、
から成る群より選択され;
各L1、L2、及びL4、各L3及びL5については、独立に、非存在、H、CH2C(=O)OL6、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、P、NL3、又はいずれの他の医薬的に許容できる基と置き換わっていてもよく;
各L6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、並びに置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL6L7、アリール、ヘテロアリール、又は環式基と置き換わっていてもよく;
各L7は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、並びに置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換アルキルチオ、置換及び無置換アルキルアミノ、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、並びに置換及び無置換アルキルハライドから成る群より選択され、ここで、いずれの炭素又は水素もさらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL6L7、アリール、ヘテロアリール、又は環式基と置き換わっていてもよく;
Wは、H、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシ、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、置換及び無置換ヘテロアリール、プロトン化可能アミン基、医薬的に許容できる置換及び無置換アミン基、構造Wa、構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、構造W-6、構造W-7、構造W-8、構造W-9、構造W-10、構造W-11、構造W-12、構造W-13、構造W-14、構造W-15、構造W-16、構造W-17及び構造W-18から成る群より選択され;
R1及びR2は、独立に、H、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルキルオキシル、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール並びに置換及び無置換ヘテロアリール残基から成る群より選択され;
R11〜R15は、独立に、非存在、H、CH2C(=O)OR11、置換及び無置換アルキル、置換及び無置換シクロアルキル、置換及び無置換ヘテロシクロアルキル、置換及び無置換アルコキシル、置換及び無置換ペルフルオロアルキル、置換及び無置換アルキルハライド、置換及び無置換アルケニル、置換及び無置換アルキニル、置換及び無置換アリール、並びに置換及び無置換ヘテロアリールから成る群より選択される)。
〔2〕前記〔1〕に記載の高透過プロドラッグ;構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13から成る群より選択される構造を含む化合物;カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、及びα-メチルドパから成る群より選択される芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬;エンタカポン及びトルカポンから成る群より選択されるカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬;並びに医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
〔3〕前記医薬的に許容できる担体が、アルコール、アセトン、エステル、セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、及び水溶液から成る群より選択される、前記〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕レボドパ、ドパミン、アスピリン及び他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、並びにその任意の組み合わせの1種以上の高透過プロドラッグを含む医薬組成物。
〔5〕レボドパ、ドパミン、アスピリン及び他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、並びにその任意の組み合わせの高透過プロドラッグを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための、経皮投与される医薬組成物であって、それに加えて、カルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、α-メチルドパ、他の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬、エンタカポン、トルカポン及び/又は他のカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬を含有する経口投与される錠剤を含んでなる医薬組成物。
〔6〕4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-(2-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾアート酢酸、4-(6-メチル-4,8-ジオキソ-5,7-ジオキサ-2,9-ジアザデカン-11-イル)-1,2,-フェニレンジベンゾアート臭化水素酸塩、4-(2-(2-アミノ-3-フェニルプロパンアミド)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-(2-ピペリジン-4-カルボキサミド)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノアート)塩酸塩、4-(2-((((-オクタヒドロ-1H-キノリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンビス(2-エチルブタノアート)アセタート、1-(((2-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラートフッ化水素酸塩、1-(((2-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)エチルイソブチラートフッ化水素酸塩、(-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、5-(2-((エトキシカルボニル)アミノ)エチル)-2-(2-メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、4-(2-アミノエチル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジペンタノアート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-エトキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジアセタート塩酸塩、(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)臭化水素酸塩、(S)-4-(2-アミノアセトアミド)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)-2-(ピロリジン-2-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアートフッ化水素酸塩、(S)-4-(3-イソプロポキシ-3-オキソ-2-(ピペリジン-4-カルボキサミド)プロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-3-2-(オクタヒドロ-1H-キノリジン-2-カルボキサミド)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)塩酸塩、(2S)-イソプロピル3-(3-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノアート臭化水素酸塩、(2S)-イソプロピル3-(4-アミノ-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシン-8-イル)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロパノアート臭化水素酸塩、5-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-2-(2-(メチルアミノ)アセトキシ)フェニルベンゾアート塩酸塩、4-((2S)-3-イソプロポキシ-2-((((オクタヒドロインドリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアートアセタート、2-(ジエチルアミノ)エチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾアート.アセタート、(Z)-2-(ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセタート.AcOH、2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナート.塩酸塩、S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオアート塩酸塩、2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナート塩酸塩、及び/又は2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾアート.塩酸塩を含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための、経皮投与される医薬組成物
〔7〕(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾアートを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔8〕(S)-4-(2-アミノ-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾアート、カルビドパ及び/又はエンタカポンを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔9〕(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナートを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔10〕4-(2-(((1-((ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-1,2,-フェニレンジベンゾアート及び4-(ジメチルアミノ)ブチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオナートを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔11〕(S)-4-(2-アミノ-3-オキソ-3-(ペンタン-3-イルオキシ)プロピル)-1,2-フェニレンビス(2-メチルプロパノアート)、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロピオナート、カルビドパ及び/又はエンタカポンを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔12〕(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート、及び2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラートを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔13〕(S)-4-(2-アミノ-3-(ヘプタン-4-イルオキシ)-3-オキソプロピル)-1,2-フェニレンジベンゾアート、及び2-(ジプロピルアミノ)エチル 4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシラート、カルビドパ及び/又はエンタカポンを含む、パーキンソン病及び関連状態の治療のための医薬組成物。
〔14〕対象のパーキンソン病の治療方法であって、前記〔2〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の医薬組成物を経皮投与する工程;並びにカルビドパ、ベンセラジド、ジフルオロメチルドパ、及びα-メチルドパから成る群より選択される芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬;並びに/又はエンタカポン及びトルカポンから成る群より選択されるカテコール-O-メチル転移酵素阻害薬;又はその医薬組成物を経口投与する工程を含む方法。
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