特許第6596486号(P6596486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6596486ワイヤレスパワートランスミッタによる異物検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596486
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ワイヤレスパワートランスミッタによる異物検出
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20191010BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20191010BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H02J50/60
   H02J50/10
   H02J7/00 301D
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-503802(P2017-503802)
(86)(22)【出願日】2015年4月6日
(65)【公表番号】特表2017-511117(P2017-511117A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】US2015024559
(87)【国際公開番号】WO2015154086
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年4月6日
(31)【優先権主張番号】14/667,880
(32)【優先日】2015年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/975,501
(32)【優先日】2014年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】エリック グレゴリー エッティンガー
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/108485(WO,A1)
【文献】 特開2014−023172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/60
H02J 7/00
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスパワートランスミッタであって、
LCタンク回路と、前記LCタンク回路に結合される少なくとも1つのトランジスタとを含む、パワートレインと、
前記パワートレインに関連付けられるアナログ信号を受信してデジタル値に変換するように結合されるアナログデジタルコンバータ(ADC)と、
前記パワートレインに結合されるコントローラであって、
前記パワートレインの前記LCタンク回路にリンギングを開始させ、
前記パワートレインがリンギングする間に前記ADCからのデジタル値を受信し、
前記デジタル値で示されるリンギング持続期間に基づいて、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近にワイヤレスパワーレシーバが存在するか否か、又は前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在するか否かを判定する、
ように構成される、前記コントローラと、
を含む、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記リンギング持続期間が空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値を超えることに基づいて、前記コントローラが、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近にワイヤレスパワーレシーバも異物も存在しないと判定するように構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記コントローラが、
リンギング期間の初めに前記ADCからの前記デジタル値の初期ピーク振幅を判定し、
前記リンギング期間の間に、前記デジタル値の減衰率を判定し、
前記初期ピーク振幅がピーク振幅閾値を超えることと前記減衰率が減衰率閾値を超えることとに基づいて、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定する、
ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項4】
請求項3に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記初期ピーク振幅が前記ピーク振幅閾値を超えないこと又は前記減衰率が前記減衰率閾値を超えないことと、
前記リンギング持続期間が空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値を超えないことと、
に基づいて、前記コントローラが、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバが前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定する、ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項5】
請求項3に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記コントローラが、
前記リンギングの共振周波数を判定し、
前記判定された共振周波数に基づいて、前記ピーク振幅閾値と前記減衰率閾値との各々を計算する、
ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項6】
請求項2に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記コントローラが、
前記リンギングの共振周波数を判定し、
前記共振周波数が異物周波数閾値を超えることに基づいて及び前記リンギング持続期間が前記空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値を超えないことに基づいて、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定する、
ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項7】
請求項2に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記コントローラが、
前記リンギングの共振周波数を判定し、
前記共振周波数がワイヤレスパワーレシーバ周波数閾値を下回ることに基づいて、及び前記リンギング持続期間が前記空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値を超えないことに基づいて、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバが前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定する、
ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項8】
請求項2に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記コントローラが、
共振周波数と前記リンギングの減衰率とを判定し、
前記リンギング持続期間が前記空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値を超えないことに基づいて、前記共振周波数が、ワイヤレスパワーレシーバ周波数閾値と異物周波数閾値との間であるかを判定し、
前記共振周波数が前記ワイヤレスパワーレシーバ周波数と異物周波数閾値との間にあるという判定と、
前記減衰率が減衰率閾値を超え、前記リンギング持続期間がリンギング持続期間閾値を超えるという判定と、
に基づいて、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバが前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定する、
ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項9】
請求項8に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記共振周波数が前記ワイヤレスパワーレシーバ周波数閾値と前記異物周波数閾値との間であるという判定に基づいて、前記減衰率が前記減衰率閾値を超えないか又は前記リンギング持続期間が前記リンギング持続期間閾値を超えないかのいずれかの場合に、前記コントローラが、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定する、ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項10】
請求項1に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記パワートレインが、電力をワイヤレスに受信するためにワイヤレスパワーレシーバが置かれるべき表面を含む、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項11】
ワイヤレスパワートランスミッタであって、
LCタンク回路と、前記LCタンク回路に結合される少なくとも1つのトランジスタとを含む、パワートレインと、
前記パワートレインに関連付けられるアナログ信号を受信してデジタル値に変換するように結合されるアナログデジタルコンバータ(ADC)と、
パルスを前記パワートレインの前記少なくとも1つのトランジスタに印加させるように構成されるコントローラであって、それにより、前記パワートレインの前記LCタンク回路に、
共振周波数でリンギングさせ、
前記パワートレインがリンギングしている間に得られる前記ADCからの前記リンギングを示すデジタル値を受信させ、
前記リンギング持続期間と前記リンギングの減衰率とリンギング期間の初めのピーク振幅を示す値とを計算させ、
前記リンギングの前記持続期間を示す前記値が空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値より大きい場合に、ワイヤレスパワーレシーバも異物も前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在しないと判定させ、
前記持続期間を示す前記値が前記空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値より小さく、前記減衰率が減衰率閾値より大きく、前記ピーク振幅がピーク振幅閾値より大きい場合に、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定させ、
前記持続期間を示す前記値が前記空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値より小さく、前記減衰率の少なくとも1つが前記減衰率閾値より小さいか又は前記ピーク振幅が前記ピーク振幅閾値より小さい場合に、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバが前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定させる、前記コントローラと、
を含む、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項12】
請求項11に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
前記コントローラが、
前記リンギングの前記共振周波数を判定し、
前記判定された共振周波数に基づいて、前記ピーク振幅閾値と前記減衰率閾値との各々を計算する、
ように更に構成される、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項13】
請求項11に記載のワイヤレスパワートランスミッタであって、
異物が存在すると判定すると、前記コントローラが、ワイヤレスに搬送されるべき電力のレベルを低下させる、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項14】
方法であって、
少なくとも1つのトランジスタとLCタンク回路とを含むワイヤレス充電パワートレインを複数のパルスでピングして、それにより、前記パワートレインの前記LCタンク回路にリンギングさせることと、
リンギングする前記パワートレインから演算される値で示されるリンギング持続期間に基づいて、ワイヤレスパワーレシーバがワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在するか又は前記ワイヤレスパワートランスミッタ上に異物が存在するかを判定することと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記ワイヤレスパワートランスミッタ上にワイヤレスパワーレシーバが存在するか又は前記ワイヤレスパワートランスミッタ上に異物が存在するかを判定することが、
リンギングする前記パワートレインに関連付けられる持続期間を判定することと、
前記持続期間が空パッド持続期間閾値を超える場合に、ワイヤレスパワーレシーバも異物も前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在しないと判定することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
リンギング期間の初めに前記リンギングのピーク振幅を判定することと、
前記リンギングの減衰率を判定することと、
前記ピーク振幅がピーク振幅閾値を超えることと、前記減衰率が減衰率閾値を超えることとに基づいて、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定することと、
を更に含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記ピーク振幅が前記ピーク振幅閾値を超えないことか、又は前記減衰率が前記減衰率閾値を超えないことのいずれかと、
前記リンギング持続期間が空パッド持続期間閾値を超えないことと、
に基づいて、前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近にワイヤレスパワーレシーバが存在すると判定することと、
を更に含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記リンギングの前記共振周波数を判定することと、
前記判定された共振周波数に基づいて、前記ピーク振幅閾値と前記減衰率閾値との各々を計算することと、
を更に含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記ワイヤレスパワートランスミッタの表面上に異物が存在すると判定すると、ワイヤレスに搬送される電力の量を低減することを更に含む、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、
前記パワートレインをピングすることが、複数の電気的パルスを前記パワートレインに提供することを含む、方法。
【請求項21】
ワイヤレスパワートランスミッタであって、
LCタンク回路と、前記LCタンク回路に結合される少なくとも1つのトランジスタとを含む、パワートレインと、
前記パワートレンに関連するアナログ信号を受信してデジタル値に変換するように結合されるアナログデジタルコンバータ(ADC)と、
前記パワートレインに結合されるパルス発生器であって、
前記パワートレインの前記LCタンク回路をリンギングさせ、
前記パワートレインの前記LCタンク回路がリンギングしている間に前記ADCからのデジタル値を受信し、
前記デジタル値で示されるリンギング持続期間に基づいて、ワイヤレスパワーレシーバが前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在するか、又は異物が前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在するかを判定する、
ように構成される、前記パルス発生器と、
を含む、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【請求項22】
ワイヤレスパワートランスミッタであって、
LCタンク回路と、前記LCタンク回路に結合される少なくとも1つのトランジスタとを含む、パワートレインと、
前記パワートレインに関連するアナログ信号を受信してデジタル値に変換するように結合されるアナログデジタルコンバータ(ADC)と、
前記パワートレインに結合されるパルス発生器であって、
前記パルス発生器によって発生されたパルスを前記パワートレインの前記少なくとも1つのトランジスタに印加させて、それにより、前記パワートレインの前記LCタンク回路を共振周波数でリンギングさせ、前記パワートレインがリンギングしている間に得られる前記ADCからの、前記リンギングを示すデジタル値を受信し、前記リンギングの継続期間を示す値と前記リンギングの減衰率とリンギング期間の最初でのピーク振幅とを計算させるように構成され、そして、
前記リンギングの継続期間を示す値が空ワイヤレスパワートランスミッタ継続期間閾値よりも大きい場合に、ワイヤレスパワーレシーバも異物も前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在しないと判定し、
前記リンギングの継続期間を示す値が前記空ワイヤレスパワトランスミッタ継続期間閾値よりも小さく、前記減衰率が減衰率閾値よりも大きく、前記ピーク振幅がピーク振幅閾値よりも大きい場合に、異物が前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定し、
前記リンギングの継続期間を示す値が空ワイヤレスパワートランスミッタ継続期間閾値よりも小さく、そして、前記減衰率が前記減衰率よりも小さいか又は前記ピーク振幅が前記ピーク振幅閾値よりも小さいかの少なくとも1つである場合に、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバが前記ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近にあると判定する、
ように構成される、前記パルス発生器と、
を含む、ワイヤレスパワートランスミッタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ワイヤレスパワーは、デバイス内のバッテリーを充電するため、及びデバイスを電源につなぐ必要なく充電するためなど、デバイスにエネルギーを搬送するためにますます一般的となってきている。電力は、バッテリー作動デバイス内などの、トランスミッタにより生成されレシーバにワイヤレスに送られる磁場の誘導性結合を介して搬送される。ワイヤの一対のコイル(トランスミッタに1つ及びレシーバにもう1つ)が、トランスミッタからレシーバへエネルギーをワイヤレスに搬送するために有用である。この技術を用いる充電パッドが利用可能である。充電パッドにおいて、バッテリー作動デバイス(スマートフォンなど)が、充電パッド上に置かれ、そのスマートフォンへの電気的接続を成すことなく充電され得る。
【0002】
ワイヤレス電力伝送システムに関する懸念の一つは、金属性物体の加熱であり、これは意図せず磁場に曝され得る。例えば、硬貨、飴の包み紙、又は車のキーなどが、充電されるべきスマートフォンと共に、誤って充電パッド上に置かれる恐れがある。このような物体が金属である場合、そういった物体は、ワイヤレスに伝送される、スマートフォンのために意図されたエネルギーを吸収する可能性がある。その結果、その金属の物体が温まる。このような物体がスマートフォンと充電パッドとの間にある場合が最悪である。そのような箇所にある金属体は、そのスマートフォン及び充電パッドのプラスチック表面を溶かし得る温度まで加熱され得、火事になる恐れがある。
【発明の概要】
【0003】
一例において、ワイヤレスパワートランスミッタが、アナログデジタルコンバータ(ADC)及びコントローラを含む。ADCは、パワートレインに関連付けられるアナログ信号をデジタル値に変換するように構成される。コントローラは、パルスをパワートレインに印加させて、それによりパルスが終了した後パワートレインをリンギングさせるように、及び、パワートレインがリンギングしている間に得られるADCからのデジタル値を受信するように、及び、パワートレインのリンギングのデジタル値の分析に基づいて、充電パッド上又は付近にワイヤレスパワーレシーバが存在するか否か、或いは充電パッド上に異物が存在するか否かを判定するように、構成される。
【0004】
別の例において、ワイヤレスパワートランスミッタが、アナログデジタルコンバータ(ADC)及びコントローラを含む。ADCは、パワートレインに関連付けられるアナログ信号をデジタル値に変換するように構成される。コントローラは、パルスをパワートレインに印加させて、それにより、パワートレインに共振周波数でリンギングさせ、パワートレインがリンギングしている間でパルスが終了した後に得られるADCからのデジタル値を受信させるように、構成される。デジタル値はリンギングを示す。コントローラは更に、リンギングの持続期間を示す値、リンギングの減衰率、及びリンギング期間の初めのピーク振幅を演算するように構成される。コントローラは、リンギングの持続期間を示す値が空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値より大きい場合、ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近にワイヤレスパワーレシーバも異物も存在しないと判定するように構成される。コントローラは、この持続期間を示す値が空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値より小さく、減衰率が減衰率閾値より大きく、ピーク振幅がピーク振幅閾値より大きい場合、ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定するように構成される。更に、コントローラは、この持続期間を示す値が空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値より小さく、減衰率が減衰率閾値より小さいか又はピーク振幅がピーク振幅閾値より小さいかの少なくとも一方である場合、ワイヤレスパワーレシーバが、異物を備えないワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定するように構成される。
【0005】
更に別の例において、或る方法が、ワイヤレス充電パワートレインを複数パルスでピング(ping)して、それにより、パワートレインにリンギングさせることを含む。この方法は更に、リンギングするパワートレインから演算された値に基づいて、ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近にワイヤレスパワーレシーバが存在するか否か、或いはワイヤレスパワートランスミッタ上に異物が存在するか否かを判定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一例に従ったワイヤレス電力伝送システムの一例を示す。
【0007】
図2】一例に従った図1のワイヤレス電力伝送のブロック図である。
【0008】
図3】一例に従って、一連のパルスにより励起される場合、ワイヤレスパワートランスミッタのパワートレインがリンギングし得ることを図示する。
【0009】
図4】一例に従って、共振周波数近辺の周波数を有するパルスにより生じるリンギングの共振周波数が、判定され得、その後、判定された共振周波数でパワートレインを励起するために再び用いられることを図示する。
【0010】
図5】一例に従った、ワイヤレスパワートランミッタ上に何も備えないパワートレインのリンギングを図示する。
【0011】
図6】一例に従った、ワイヤレスパワートランミッタ上にワイヤレスパワーレシーバを備え及び異物がないパワートレインのリンギングを図示する。
【0012】
図7】一例に従った、ワイヤレスパワートランミッタ上に異物のみがあるパワートレインのリンギングを図示する。
【0013】
図8】一例に従った、ワイヤレスパワートランミッタ上にワイヤレスパワーレシーバ及び異物を備えたパワートレインのリンギングを図示する。
【0014】
図9】異物をワイヤレスパワーレシーバから差別化するために有用である周波数閾値を有する周波数スペクトルを図示する。
【0015】
図10】一例に従って、ワイヤレスパワートランミッタ上に何かがある場合、何があるかを判定する方法を示す。
【0016】
図11】一例に従って、ワイヤレスパワートランミッタが上に何かがある場合、何があるかを判定する別の方法を示す。
【0017】
図12】一例に従って、ワイヤレスパワートランミッタが上に何かがある場合、何があるかを判定する更に別の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に記載されるワイヤレスパワートランスミッタが、伝送コイル(L)と直列の共振器キャパシタ(C)を含む。LCタンク回路は、その共振周波数とダンピングファクターとによって特徴付けられ得る。磁場における金属又はフェライトのいずれかの存在は、共振周波数及びダンピングファクター両方を変え得る。トランスミッタのLCタンク回路の共振周波数及びダンピングの変化は、異質の金属物体がワイヤレスパワートランスミッタ上に存在するか否かを判定するために用いられ得る。
【0019】
図1は、種々の実施例に従ったワイヤレスパワー伝送システムの一例を示す。図1の例において、電力をワイヤレスパワーレシーバ60にワイヤレスに伝送するためにワイヤレスパワートランスミッタ50を用いることができる。ワイヤレスパワーレシーバ60は、コーヒーカップウォーマー、電気機器、スマートフォン、オーディオプレーヤー、又はワイヤレスパワートランスミッタ50により給電されるべき又はワイヤレスパワートランスミッタ50により充電されるバッテリーを有する、その他の種類のデバイスであり得る。一例において、ワイヤレスパワートランスミッタ50は、バッテリー作動デバイスのバッテリーを再充電させるようにバッテリー作動デバイスが上に置かれ得る充電パッドである。ワイヤレスパワートランスミッタ50は、充電の間ワイヤレスパワーレシーバ60が上に置かれ得る表面52を有する。参照符号65は、ワイヤレスパワーレシーバ60の代わりに又はワイヤレスパワーレシーバ60に加えてワイヤレスパワートランスミッタ50上に(意図せずに)置かれ得る異物を指す。問題となる異物は、金属製の物体である。「異物」という用語は、ワイヤレスパワートランスミッタ50により充電されることが意図されるワイヤレスパワーレシーバ60ではない、任意の金属物体を指す。
【0020】
本願において説明されるように、金属物体が、ワイヤレスパワートランスミッタからエネルギーを吸収し得、暖かくなり得、場合によっては害を及ぼし得るほど熱くなり得る。本明細書に記載される実施例は、ワイヤレスパワートランスミッタ50がその上に何も有さない(セーフ状態)か、ワイヤレスパワーレシーバ60のみがその上にある(同様にセーフ状態)か、異物のみ(セーフでない状態)、又はワイヤレスパワーレシーバ60に加えて異物がトランスミッタ上にある(同様にセーフでない状態)かを判定することに向けられる。ワイヤレスパワートランスミッタ50が異物の存在を検出する場合、トランスミッタは、トランスミッタによりワイヤレスに搬送される電力の量を低減することにより、又はワイヤレス電力の流れを完全にオフにすることによるなど、任意の適切な方式で反応し得る。ワイヤレスパワートランスミッタ50は、LCタンク回路(これは、伝送コイルを含む)にLCタンク回路の共振周波数でリンギングさせる電子機器を含み、ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に異物が存在するかを判定するためにLCタンク回路の自然応答を分析する。
【0021】
図2は、ワイヤレスパワートランスミッタ50及びワイヤレスパワーレシーバ60の一例のブロック図である。ワイヤレスパワートランスミッタ50は、コントローラ112、パワートレイン114、及びアナログデジタルコンバータ(ADC)118を含む。幾つかの実装において、ADC118はコントローラ112に含まれ得る。パワートレイン114は、一対のパワー金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)T1及びT2、コイルL1(インダクタ)、及びキャパシタC1を含み得る。トランジスタT1及びT2は、制御信号113及び115を介してコントローラ112によりオン及びオフされ得る。トランジスタ間のスイッチノード117は、コイルL1に、及びキャパシタC1を介しての接地にコイルL1を介して結合される。コイルL1及びキャパシタC1はタンク回路を形成し、これは本明細書に記載するようにリンギングされ得る。
【0022】
コントローラ112は、入力電圧111を受信し、トランジスタT1及びT2を相互にオン及びオフするように制御信号113、115アサートし、そのため、トランジスタT1及びT2は両方同時にオンにされない。トランジスタT1がオンになる(及びT2がオフである)とき、ノード117上の電圧はVDDまで増大する。しかし、トランジスタT2オンになる(及びT1がオフである)とき、ノード117上の電圧は接地まで減少する。このように、ノード117上の電圧は、コントローラ112により制御される一連の正の電圧パルスであり得る。ノード117上の電圧パルスは、コイルL1を介して交流電流を流し、これにより、バッテリー作動デバイス60内のコイルL2における電流が誘導される。トランスミッタ110により伝送されるワイヤレス電力の量は、ノード117上の電圧パルスの周波数及び/又はデューティサイクルを変えるか又はトランジスタに印加されるVDDの電圧レベルを調節する、コントローラ112により制御され得る。
【0023】
キャパシタC1を介する電圧は、DCブロッキングキャパシタC2、及びレジスタR1及びR2によって形成される分圧器を介してADC118に提供される。従って、ADC118は、パワートレインに関連付けられるアナログ信号を受信し、そのアナログ信号を更なる分析のためコントローラ112に提供されるべきデジタル値に変換する。別の実装において、ADC118に提供されたアナログ信号は、コイルL1を介する電流に関連付けられ得る。
【0024】
図2の例を参照すると、ワイヤレスパワーレシーバ60は、上記のコイルL2、キャパシタC3、整流器62、電圧レギュレータ64、及び負荷66を含み得る。コイルL2を介して誘導された電圧は、整流器62により整流され、電圧レギュレータ64によりレギュレートされる。レギュレートされた電圧は負荷66に提供され、負荷66は、再充電可能なバッテリー、充電回路、及びバッテリー作動デバイスの機能的回路要素を含み得る。フェライトプレート(図示せず)もコイルL1及びL2の後ろに提供され得る。フェライトプレートは、コイルL1における電流によりつくられた磁場の方向を制御することを助けるために役立つ。
【0025】
図3は、励起120に対するトランスミッタ110のパワートレイン114の応答を図示する。励起120は、コイルL1及びキャパシタC1を含むLCタンク回路に印加される複数パルスを含む。これらのパルスは、コントローラ112により開始され得る。各パルスの正の電圧レベルは、トランジスタT1をオンにし、トランジスタT2をオフにするコントローラ112によりつくられる。各パルスの低い方の電圧レベルは、トランジスタT2をオンにし、トランジスタT1をオフにするコントローラ112によりつくられる。図3の例において、パワートレイン114を励起するために3つの電圧パルスが生成されるが、他の例において3つ以外のパルスであってもよい。
【0026】
電圧パルスの周波数(即ち、単位時間当たりのパルスの数)がパワートレイン114の共振周波数であるか又はその近辺である場合、125で図示するようにパワートレインがリンギングし得る。励起が終わった後、リンギングは、減衰し、最終的に途絶える。幾つかのパラメータが、リンギングの特性である(即ち、システムの自然応答)。リンギング発振の周波数は、パワートレイン114のLCタンク回路の「共振周波数」である。リンギングは、「減衰の割合」(「減衰率」)と称される率で消失する。励起停止直後のリンギングのピークトゥピーク振幅は「初期ピーク振幅」と称される。リンギングは、周囲回路ノイズにおいてリンギングする信号がなくなる前の時間期間継続し得、この時間期間はリンギング「持続期間」と称される。
【0027】
種々の例に従って、コントローラ112は、励起120(複数のパルス)をパワートレイン114に提供させ、(a)ワイヤレスパワートランスミッタ50上に物体が存在しないか、(b)ワイヤレスパワーレシーバ60のみがトランスミッタ上に存在するか、又は(c)(レシーバを備えた又は備えない)トランスミッタ上に異物65が存在するかを判定するために、励起パルスの終了の際に結果のリンギングデータ125を分析する。幾つかの例において、分析するために充分なリンギングデータが存在することを確実にするため、励起パルスの周波数は、パワートレイン114の実際の共振周波数にできるだけ近くする。しかし、上記で述べたように、パワートレインの共振周波数は、磁場における異物65及び/又はワイヤレスパワーレシーバ60の存在により変えられ得る。そのため、幾つかの例において、コントローラ112は、図4に示すように2つの励起を起こし得る。第1の励起130は、リンギング応答135を引き出すためにパワートレインの共振周波数に充分に近いと思われる周波数の一連のパルスを含む。例えば、共振周波数は、ワイヤレスパワートランスミッタ50上に物体がない場合、100KHzであり得、異物がトランスミッタ上にある場合、100KHzより高く、フェライトと共にワイヤレスパワーレシーバ60がトランスミッタ上に存在する場合、100KHzより低くなり得る。そのため、第1の励起130の周波数は100KHzとなり得るが、共振周波数は100KHzとは異なり得る。
【0028】
候補となり得る共振周波数の予測されるレンジ内の周波数が、第1の励起130に対して選択される。コントローラ112は、パルスをパワートレイン114に印加させて、それにより、135で図示するようにパワートレインにリンギングさせる。ADC118は、リンギングするアナログ信号をデジタル化し、コントローラ112は、励起パルスの終了の際にリンギングする信号のADCからのデジタル値を受信する。コントローラ112は、リンギングする信号の周波数を判定する。判定された周波数は、ワイヤレスパワーレシーバ及び/又は異物の存在により影響され得るように、パワートレインの共振周波数である。コントローラ112はその後、判定された共振周波数での別の一連のパルス(励起140)でパワートレイン114を再び励起し得る。パワートレインは再びリンギングする(145)が、それがその実際の共振周波数で励起されたため、リンギングは、図示するように振幅及び持続期間において一層大きい。この後者のデータ(共振周波数での励起に基づいて収集される)が、ワイヤレスパワートランスミッタ50上にワイヤレスパワーレシーバ又は異物があるか否かを判定するために分析される。
【0029】
第2の励起140のためのパルスの数は、初期励起130におけるパルスの数と同じであってもよく又は異なってもよい。また、共振周波数は、或る時間期間にわたるリンギングする信号135の発振の数を計数し、この時間期間で除算するコントローラ112により計算され得る。発振は、データから平均を減じた後のゼロ交差により識別され得、時間は、ADCサンプル間のコントローラにおける既知のクロック周波数のクロック信号の数を計数することにより測定され得る。これは、サンプル毎の時間量(サンプル毎のnsecの数など)を示し得る。ここでは、基準はその後、所与の数の発振のための経過時間を判定する際に用いられ得る。
【0030】
減衰率もコントローラ112によって演算され得る。例えば、ノイズ自体がゼロ交差を起こし得るほどピークツーピーク振幅が小さくなるまで、各発振のピークツーピーク振幅はコントローラ112にストアされ得る。コントローラ112は、リンギングする信号の初期ピーク振幅と最小発振の振幅との間の差を判定すること、及び、その差をそれらの2つの振幅間の経過時間期間の間のサイクルの数で除算することによって減衰率を判定し得る。結果の減衰率は、サイクル毎ボルトの観点で得られ得る。
【0031】
リンギングする信号の持続期間もコントローラ112により演算され得る。持続期間は、最後の励起パルスの終わりの直後の初期発振と、ピークツーピーク振幅がノイズにより圧倒されるほど低く下がる時点との間の経過時間の量を判定することにより判定され得、これは、所定とし得る閾値である。
【0032】
図5図8は、ワイヤレスパワートランスミッタ50上に何もない(図5)、ワイヤレスパワーレシーバ60のみがトランスミッタ上にある(図6)、異物65のみがトランスミッタ上にある(図7)、又は異物及びワイヤレスパワーレシーバ両方がトランスミッタ上にある(図8)という、4つの異なるシナリオを示す。
【0033】
磁場における金属及びフェライト両方の存在は、リンギングする信号のダンピングの量を増大させる。ワイヤレスパワートランスミッタ上に異物(金属)又はワイヤレスパワーレシーバ(フェライト)がない場合(図5)、パワートレインのリンギングを意図的に低減するものは何もない。従って、リンギングの大きさは比較的大きく、比較的長い時間期間(図6図8の例におけるより長いなど)継続する。
【0034】
ワイヤレスパワーレシーバのみがトランスミッタ上にある場合(図6)、共振周波数は、他の3つのケースの場合より低く、減衰率は比較的遅い。図7は、異物のみがトランスミッタ上にある場合のリンギング応答を図示する。この場合、結果の共振周波数は、比較的高く、比較的迅速な減衰により特徴付けられる。ワイヤレスパワートランスミッタ50上にワイヤレスパワーレシーバ60及び異物65両方がある場合(図8)、共振周波数は、パッドが異物のみを有する場合(図7)より小さいが、パッド上にワイヤレスパワーレシーバ60のみがある場合(図6)より大きい。
【0035】
再び図1及び図2を参照すると、一例に従って、ワイヤレスパワートランスミッタ50が、少なくともADC118及びコントローラ112を含み、ADC118は、コントローラ112の一部であってもよく、そうでなくてもよい。ADC118は、パワートレイン114に関連付けられるアナログ信号をデジタル値に変換するように構成される。コントローラ112は、励起パルスをパワートレイン114に印加させように構成され、それにより、パワートレインをリンギングさせる。コントローラ112は更に、パワートレインがリンギングしている間に得られるADCからのデジタル値を受信するように構成される。パワートレインのリンギングのデジタル値のコントローラによる分析に基づいて、コントローラは、ワイヤレスパワーレシーバがトランスミッタ50の表面52上又は付近に存在するか、又は異物がトランスミッタの表面52上又は付近に存在するかを判定するように構成される。図10図12は、この機能性を実装する方法を含み、本明細書において下記に記載される。
【0036】
コントローラ112は、リンギングの持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値(空ワイヤレスパワートランスミッタ持続期間閾値)を超えることに基づいて、ワイヤレスパワートランスミッタ上にワイヤレスパワーレシーバも異物も存在しないと判定するように構成される。EMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値は、パワートレインリンギングがこの時間閾値を超える場合に、トランスミッタ50の表面52が空であることが安全に推定され得る所定の時間閾値である。この時間閾値は、トランスミッタの特定の特徴に固有であり得(コイルL1のサイズ及び静電容量C1の静電容量など)、実験的試験に基づいて選ばれ得る。
【0037】
持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値を超えないと仮定すると、ある種の物体がトランスミッタ50上に存在し、コントローラは、異物65が存在する(ワイヤレスパワーレシーバ60を備える又は備えない)ことと、ワイヤレスパワーレシーバのみが存在することとの間を差別化し得る。トランスミッタ50の表面上又は付近に存在する物体のタイプについて後者の判定を行うため、コントローラ112は、リンギング期間の初めに、ADCからのデジタル値の初期ピーク振幅を判定するように構成される。初期ピーク振幅(I.P.A.)は、図7にも示され、最後の励起パルス満了直後のリンギングのピークトゥピーク振幅である。コントローラは更に、リンギング期間の間、デジタル値の減衰の割合を判定するように構成される。コントローラは、初期ピーク振幅がPEAK AMPLITUDE閾値(ピーク振幅閾値)を超えること、及び減衰率がDECAY RATE閾値(減衰率閾値)を超えることに基づいて、トランスミッタ上に異物が存在すると判定し得る。
【0038】
PEAK AMPLITUDE閾値及びDECAY RATE閾値はいずれも、パワートレイン114の共振周波数に基づいて判定され得る。例えば、PEAK AMPLITUDE閾値は、コントローラ112により下記のように演算され得る。
PEAK AMPL THRESH=PEAKOFFSET+PEAKGAIN×(RES FREQ−FPFREQ)
ここで、PEAK AMPL THRESHは、PEAK AMPLITUDE閾値であり、PEAKOFFSET及びPEAKGAINは、周波数における所与のシフトに対するPEAK AMPLITUDEにおける予期される変化を反映するようにトランスミッタ特性に基づいて実験的に判定され得、RES FREQは、トランスミッタ上に何も存在しないときのパワートレインの共振周波数であり(この値は、事前に判定され、応答の評価において定数として用いられる)、FPFREQは、本明細書において上記したようなピング後にコントローラによって判定されるような測定されたシステム共振周波数である。DECAY RATE閾値は下記のように演算され得る。
DECAY RATE THRESH=DECAYOFFSET+DECAYGAIN×(RES FREQ-FPFREQ)
ここで、DECAY RATE THRESHは、DECAY RATE閾値であり、DECAYOFFSET及びDECAYGAINは、周波数における所与のシフトに対してDECAY RATEにおける予期される変化を実験的に反映するように同様に判定される。初期ピーク振幅がPEAK AMPLITUDE閾値を超え、減衰率がDECAY RATE閾値を超える場合、コントローラは、(同じく存在するワイヤレスパワーレシーバ60おいてトリックが前記閾値を上回る場合を備える又は備えない)トランスミッタ50上又は付近に異物が存在すると判定する。コントローラ112が、初期ピーク振幅がPEAK AMPLITUDE閾値を超えないか又は減衰率がDECAY RATE閾値を超えないと判定する場合、コントローラは、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバ60がワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在すると判定する。
【0039】
別の例において、コントローラ112は、リンギング持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値を超えるか否かに(本願において説明されるように)基づいて、ワイヤレスパワートランスミッタが空か否かを判定する。超えない場合、この例のコントローラは、共振周波数の対応する閾値との比較に基づいて、異物又はワイヤレスパワーレシーバのみがトランスミッタ上又は付近に存在するかを判定する。図9は、2つの閾値を有する周波数スペクトルを図示し、これら2つの閾値は、WIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値(ワイヤレスパワーレシーバ周波数閾値)及びFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値(異物周波数閾値)である(いずれも実験的に又はその他の方式で予め設定される)。パワートレインの共振周波数がFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値より大きい場合、コントローラ112は、充電パッド上又は付近に異物が存在すると判定する。しかし、パワートレインの共振周波数がWIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値より小さい場合、コントローラ112は、(異物を備えない)ワイヤレスパワーレシーバ60がトランスミッタの表面52上又は付近に存在すると判定する。
【0040】
そのため、コントローラは、共振周波数がFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値を超えることに基づいて、及びリンギングの持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値を超えないことに基づいて、リンギングするパワートレインの共振周波数を判定するように、及びトランスミッタの表面上に異物が存在すると判定するように構成される。更に、コントローラは、共振周波数がWIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値を下回ることに基づいて、及びリンギングの持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値を超えないことに基づいて、(異物を備えない)ワイヤレスパワーレシーバがトランスミッタの表面52上に存在すると判定するように構成される。
【0041】
しかし、共振周波数がWIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値とFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値との間の中間領域185にある場合、減衰率がDECAY RATE閾値を超え、パワートレインのリンギング持続期間がRING DURATION閾値(リンギング持続期間閾値)を超えるという判定に基づいて、コントローラ112は、(異物を備えない)ワイヤレスパワーレシーバ60がトランスミッタ上又は付近に存在すると判定する。この例のDECAY RATE閾値は、本明細書において上述されたDECAY RATE閾値と同じであってもよく、又はこれとは異なってもよい。RING DURATION閾値は、EMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値より小さくし得、実験的に判定され得る。共振周波数が中間領域185にあるが、減衰率がDECAY RATE閾値を超えないか又はリンギングの持続期間がRING DURATION閾値を超えないかのいずれかである場合、コントローラ112は、トランスミッタの表面52上又は付近に異物が存在すると判定する。
【0042】
図10は、トランスミッタ50上に物体が存在するか、また、物体が存在する場合、その物体が異物であるかを判定する方法を図示する。この方法は、種々の組み合わせにおいて示される一つ又は複数のオペレーションの任意のオペレーションを、図10に示すものとは異なる順で含み得る。コントローラは、列挙されるオペレーションの幾つか又は全てを実施し得、又は実施させ得る。
【0043】
200で、この方法は、パワートレインを複数の電気的パルスでピングし、それにより、パワートレインにリンギングさせることを含む。本願において説明されるように、コントローラ112は、所望の周波数(共振周波数など)でオン及びオフにするようにトランジスタT1及びT2を制御することによってパワートレイン114をピングし得る。202で、この方法は、リンギングするパワートレインから演算される値に基づいて、ワイヤレスパワーレシーバがワイヤレスパワートランスミッタ上に存在するか又はトランスミッタ上に異物が存在するかを判定することを更に含む。204で、この方法はまた、トランスミッタ上に異物が存在すると判定すると、トランスミッタ110によりワイヤレス搬送される電力の量を低減することを含む。この電力伝送は、所望とされる場合、完全に停止され得る。
【0044】
図11は、ワイヤレスパワートランスミッタ50上に物体が存在するか、また、物体が存在する場合、別の例に従ってその物体が異物であるかを判定する方法を図示する。この方法は、種々の組み合わせにおいて示される一つ又は複数のオペレーションの任意のオペレーションを、図11に示すものとは異なる順で含み得る。コントローラは、列挙されるオペレーションの幾つか又は全てを実施し得、又は実施させ得る。
【0045】
250で、この方法は、パワートレイン114を共振周波数付近のパルスで励起することを含む。本願において説明されるように、パワートレインの共振周波数は、トランスミッタ表面52に如何なる物体(レシーバ又は異物)もないか、又は異物が存在するか、及びワイヤレスパワーレシーバが存在するかに応じて、ある程度まで変化する。パワートレインは、パワートレインの共振周波数で励起されるがことが望ましい。とはいえ、物体が存在するか否かを知らない(又は、存在する場合、物体のタイプを知らない)場合、トランスミッタのコントローラ112は初期的に共振周波数を知らない。そのため、オペレーション250の励起のためのパルスの周波数は、所定の周波数である(例えば、最低及び最高予想共振周波数の間の中間、又は物体が存在しないときのパワートレインの共振周波数など)。
【0046】
ADC118は、250の励起により生成させられたアナログのリンギングする信号をサンプリングし、ADCにより生成されたデジタル値は、コントローラ112に提供される(オペレーション252)。254で、コントローラ112は、ADCにより生成されたデジタル値に基づいて、リンギングの共振周波数を判定する。254(256?)で、この方法は、パワートレインを再び励起することを更に含むが、今回は励起パルスの周波数は、254で判定された共振周波数にある。
【0047】
258で、ADCからのデジタル値は、コントローラ112により受信される。パワートレインがその共振周波数でリンギングされている間に、これらの値はADCにより生成される。260で、コントローラは、リンギングするパワートレインに関連付けられる持続期間を判定する。例えば、持続期間は、最後の励起パルスの終点から、リンギング振幅が所定の閾値(ノイズが信号より大きくなり得るレベルに近づく閾値など)未満に下がる時間までの時間期間であり得る。
【0048】
その後262で、コントローラは、持続期間をEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値と比較する。持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値より大きい場合、コントローラは、パッドが空である(即ち、トランスミッタ50上又は付近にバッテリー作動デバイスも異物も存在しない)と(264で)判定する。
【0049】
持続期間がEMPTY WIRELESS POWER TRANSMITTER DURATION閾値より小さい場合、ワイヤレスパワーレシーバ60及び異物65のいずれか一つ又は複数が、ワイヤレスパワートランスミッタ上又は付近に存在する。とはいえ、更なる情報がなければ、コントローラは、それらの一つ又は複数が存在することを知らない。266で、この方法は、本願において説明されるようにリンギング期間の初めにコントローラが初期ピーク振幅を判定することを含む。268で、コントローラは、リンギングの減衰率を判定する。270で、コントローラは、判定された共振周波数に基づいてPEAK AMPLITUDE閾値及びDECAY RATE閾値を計算する。これらの閾値のための式の例は上記で提供されている。
【0050】
272で、減衰率及び初期ピーク振幅が、それらの対応する閾値と比較される。274で、減衰率がDECAY RATE閾値より大きく、初期ピーク振幅がPEAK AMPLITUDE閾値より大きい場合、コントローラは、トランスミッタ上又は付近に異物が存在すると判定する。そうでない場合、276で、コントローラは、異物を備えないワイヤレスパワーレシーバがトランスミッタ上又は付近に存在すると判定する。
【0051】
図12は、オペレーション250から264まで図11と同じであり、そのため、それらのオペレーションの説明は繰り返さない。264で、コントローラは、パワートレインのリンギングの時間の長さに基づいて、トランスミッタがその上にワイヤレスパワーレシーバも異物も有さないと判定している。280で、コントローラは、共振周波数をFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値と比較する。パワートレインの共振周波数がFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値より大きい場合、コントローラは、トランスミッタ上又は付近に異物が存在すると(282で)判定する。
【0052】
284で、コントローラは、共振周波数をWIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値と比較する。パワートレインの共振周波数がWIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値より小さい場合、コントローラは、(異物を備えない)バッテリー作動デバイスがトランスミッタ上又は付近に存在すると(286で)判定する。
【0053】
この方法は、共振周波数がWIRELESS POWER RECEIVER FREQUENCY閾値とFOREIGN OBJECT FREQUENCY閾値との間であるとき、オペレーション288に達する。この共振周波数領域では、コントローラは、減衰率をDECAY RATE閾値と、及びリンギング持続期間をRING DURATION閾値と比較する。減衰率がDECAY RATE閾値より小さく、持続期間がRING DURATION閾値より大きい場合、コントローラは、(異物を備えない)ワイヤレスパワーレシーバがトランスミッタ上又は付近に存在すると(290で)判定する。そうでない場合、コントローラは、トランスミッタ上又は付近に異物が存在すると(292で)判定する。
【0054】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12