特許第6596487号(P6596487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6596487ネットワーク接続性、コンテンツへのアクセス、及び移動体を介する通信の提供
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596487
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ネットワーク接続性、コンテンツへのアクセス、及び移動体を介する通信の提供
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/20 20180101AFI20191010BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20191010BHJP
   H04W 36/38 20090101ALI20191010BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20191010BHJP
   H04W 72/08 20090101ALI20191010BHJP
【FI】
   H04W76/20
   H04W84/06
   H04W36/38
   H04W16/26
   H04W72/08 110
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-509747(P2017-509747)
(86)(22)【出願日】2015年9月10日
(65)【公表番号】特表2017-531365(P2017-531365A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015049269
(87)【国際公開番号】WO2016044032
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年7月30日
(31)【優先権主張番号】14/486,235
(32)【優先日】2014年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ホルヴィッツ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】カプール,アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ,ランヴィール
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−025050(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0004401(US,A1)
【文献】 特開2000−315972(JP,A)
【文献】 特表2003−508958(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0303826(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0189089(US,A1)
【文献】 特開2009−272980(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0121257(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0217851(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行機である移動体を介してネットワーク接続性を提供する方法であって、
第1の移動体にある第1のアップリンク装置を介して、ネットワークへの及びネットワークからのデータをルーティングするステップと、
前記第1の移動体にある第1のダウンリンク装置を介して、遠隔装置への及び遠隔装置からのデータをルーティングするステップと、
前記第1の移動体と第2の移動体との間のハンドオフ接続を確立するステップと、
ダイナミックスペクトルアクセスを通じて前記第1及び第2の移動体の飛行ルートに沿って決定した利用可能スペクトルを用いて、前記遠隔装置と前記第2の移動体の第2のダウンリンク装置との間のダウンリンクを確立するステップと、
前記ハンドオフ接続を介して、前記第1のダウンリンク装置から、前記第2のダウンリンク装置及び前記第2の移動体にある第2のアップリンク装置へ、前記遠隔装置への及び前記遠隔装置からのデータのルーティングを移行するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記第1又は前記第2の移動体のうちの少なくとも1つに前記データの少なくとも一部をキャッシュするステップ、
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遠隔装置に前記データの少なくとも一部をキャッシュするステップであって、前記遠隔装置は遠隔加入者装置を有する、ステップ、
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記遠隔装置において前記データの少なくとも一部をキャッシュするステップであって、前記遠隔装置は遠隔加入者と通信可能に接続される基地局を有する、ステップ、
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局においてキャッシュされたデータは、後続の移動体により読み出される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ネットワーク接続性を提供する移動体であって、当該移動体は飛行機であり、
前記移動体を公衆に利用可能なコンピュータネットワークに接続する、前記移動体のアップリンク装置と、
前記移動体の飛行ルートに沿う特定の区間で遠隔装置に通信可能に結合される、前記移動体のダウンリンク装置であって、前記ダウンリンク装置は、ダイナミックスペクトルアクセスを通じて前記飛行ルートに沿って決定した利用可能スペクトルをダウンリンクのために使用し、前記遠隔装置は、前記ダウンリンク装置を介して受信したデータをユーザに提供する、ダウンリンク装置と、
前記アップリンク装置及び前記ダウンリンク装置に通信可能に結合されるキャッシュストアと、
を有する移動体。
【請求項7】
前記特定の区間は、前記ダウンリンク装置の送信電力基づく、請求項に記載の移動体。
【請求項8】
前記ダウンリンク装置は、ADS−B(Automatic Dependent Surveillance−Broadcast)技術を用い、前記データの少なくとも一部をルーティングし、前記データの少なくとも一部は、他のADS−B通信とインタリーブされる、請求項6又は7に記載の移動体。
【請求項9】
前記移動体は第1の移動体であり、前記ダウンリンク装置は第1のダウンリンク装置であり、前記第1の移動体は、前記第1の移動体と第2の移動体との間のハンドオフ接続を介して第2のダウンリンク装置により前記第2の移動体に通信可能に結合され、前記データは、前記第2のダウンリンク装置を介して前記遠隔装置へルーティングされる、請求項に記載の移動体。
【請求項10】
前記アップリンク装置及び前記ダウンリンク装置は、異なるスペクトル部分を使用し、前記アップリンク装置は、前記移動体を前記コンピュータネットワークに接続する、請求項に記載の移動体。
【請求項11】
前記キャッシュストアは、前記ダウンリンク装置との接続が失われた後に、前記遠隔装置からのデータを格納し、前記遠隔装置からの前記格納されたデータは、第2のダウンリンク装置を通じて第2の移動体へ送信される、請求項に記載の移動体。
【請求項12】
前記キャッシュストアは、前記公衆に利用可能なコンピュータネットワークから受信されるデータを有する、請求項に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
有線ケーブル、DSL、光ファイバ、並びに、3G/4G LTE及びWi−Fiのような無線ソリューションのような様々なインターネット接続ソリューションが存在する。しかし、全世界人口の約3分の2は、未だインターネットに接続されない遠隔地域に居る。
【発明の概要】
【0002】
以下は、本願明細書に記載の幾つかの態様の基本的理解を提供するために、新規なアイデアの簡略な概要を提示する。この概要は、請求される主題の広範囲に及ぶ概略ではない。請求される主題の主要な要素を識別することも、請求される主題の範囲の輪郭を描くことも意図しない。この概要の唯一の目的は、請求される主題の幾つかの概念を後述する更なる詳細な説明の前置きとして簡略化した形式で表すことである。
【0003】
実装方法は、ネットワーク接続性を提供する移動体を提供する。移動体は、移動体を公衆に利用可能なコンピュータネットワークに接続する、移動体のアップリンク装置を有する。前記移動体は、前記移動体のルートに沿う特定の区間でリモート装置に通信可能に結合される前記移動体のダウンリンク装置を更に有する。
【0004】
前記リモート装置は、前記ダウンリンク装置を介して受信したデータをユーザに提供する。前記移動体は、前記アップリンク装置及び前記ダウンリンク装置に通信可能に結合されるキャッシュストアを有する。
【0005】
別の実装方法は、移動体を介してネットワーク接続性を提供する方法を提供する。方法は、第1の移動体にある第1のアップリンク装置を介して、ネットワークへの及びネットワークからのデータをルーティングするステップを含む。方法は、第1の移動体にある第1のダウンリンク装置を介して、遠隔装置への及び遠隔装置からのデータをルーティングするステップも含む。方法は、第1の移動体と第2の移動体との間のハンドオフ接続を確立するステップを更に有する。方法は、遠隔装置と前記第2の移動体の第2のダウンリンク装置との間のダウンリンクを確立するステップを更に有する。方法は、前記遠隔装置への及び前記遠隔装置からのデータのルーティングを、ハンドオフ接続を介して前記第1のダウンリンク装置から前記第2のダウンリンク装置及び前記第2の移動体にある第2のアップリンク装置へ移行するステップも有する。
【0006】
別の実装方法は、移動体を介してネットワーク接続性を提供する1又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を提供する。1又は複数のコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、ダイナミックスペクトルアクセスにより利用可能スペクトルを決定させる、複数の命令を有する。複数の命令は、前記プロセッサに、さらに、前記利用可能スペクトルを用いて移動体のダウンリンク装置により、遠隔装置へのダウンリンクを確立させる。複数の命令は、前記プロセッサに、さらに、異なるスペクトル部分を用いて前記移動体のアップリンク装置により、公衆に利用可能なネットワークへのアップリンクを確立させる。複数の命令は、さらに、前記プロセッサに、遠隔装置へデータを送信させ及び遠隔装置からデータを受信させる。前記データは、アップリンク装置を介して前記ネットワークへ及び前記ネットワークから中継される。
【0007】
以下の説明及び添付の図面は、請求される主題の特定の説明のための態様を詳細に説明する。これらの態様は、しかしながら、新規なアイデアの原理が用いられ得る種々の方法のうちの少数を示し、及び請求される主題が全てのこのような態様及びそれらの等価物を包含することを意図している。請求される主題の他の利点及び新規な特徴は、図面と関連して検討するとき、新規なアイデアの以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】大規模インターネット接続性を提供するコンピューティングシステムの一例のブロック図である。
図2A】本願明細書に記載の実装方法による、大規模インターネット接続を提供する例示的な飛行機の図である。
図2B】本願明細書に記載の実装方法による、例示的な飛行機の接続距離及び期間の図である。
図3】本願明細書に記載の実装方法による、2機の飛行機の間の接続の例示的な移行の図である。
図4A】衛星を使用する例示的なアップリンクの図である。
図4B】直接中継を使用する例示的なアップリンクの図である。
図4C】ピアツーピア中継を使用する例示的なアップリンクの図である。
図5】航空機を介するインターネット接続性を提供する例示的な方法の詳細な処理フロー図である。
図6】航空機の間のダウンリンクを移行する例示的な方法の詳細な処理フロー図である。
図7】航空機を介するインターネットアクセスを提供するために使用できる有形コンピュータ可読記憶媒体を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
予備的事項として、図の幾つかは、機能、モジュール、特徴、要素、等として様々に表される1又は複数の構造的コンポーネントの文脈で概念を記載する。図示される様々なコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せのような任意の方法で実装できる。幾つかの実装方法では、種々のコンポーネントは、実際の実装方法において対応するコンポーネントの使用を反映する。他の実装方法では、図に示される任意の単一のコンポーネントが多数の実際のコンポーネントにより実装されても良い。図中の2以上の別個のコンポーネントの記載は、単一の実際のコンポーネントにより実行される異なる機能を反映し得る。以下に議論する図1は、図示される機能を実装するために使用できる関連する1つのシステムを詳細に示す。
【0010】
他の図は、フローチャートの形式で概念を記載する。この形式では、特定の動作が、特定の順序で実行される異なるブロックを構成するように記載される。このような実装方法は、例示的であり、非限定的である。本願明細書に記載される特定のブロックは、一緒にグループ化され、単一の動作として実行できる。特定のブロックは、複数のコンポーネントブロックに分けることができる。また、特定のブロックは、ブロックを実行する並列方法を含む、本願明細書に示される順序と異なる順序で実行できる。フローチャートに示すブロックは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、手動処理、等により実施できる。本願明細書で使用されるとき、ハードウェアは、コンピュータシステム、ASIC(application specific integrated circuit)のような離散論理コンポーネント、等を含み得る。
【0011】
専門用語に関して、語句「〜よう構成される」は、任意の種類の機能が意図される動作を実行するよう構成され得る任意の方法を包含する。機能は、例えば、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、等を用いて動作を実行するよう構成され得る。用語「ロジック」は、タスクを実行する任意の機能を包含する。例えば、フローチャートに図示される各々の動作は、該動作を実行するロジックに対応する。動作は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、等を用いて実行できる。用語「コンポーネント」、「システム」、等は、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、及び実行ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せを表しても良い。コンポーネントは、プロセッサで実行するプロセス、オブジェクト、実行ファイル、プログラム、関数、サブルーチン、コンピュータ、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せであっても良い。用語「プロセッサ」は、コンピュータシステムの処理ユニットのようなハードウェアコンポーネントを表し得る。
【0012】
さらに、請求される主題は、開示の主題を実施するようコンピューティング装置を制御するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの任意の組合せを生成するために標準的なプログラミング及び/又は工学技術を用いて、方法、装置、又は製品として実施されても良い。用語「製品」は、本願明細書で使用されるとき、任意のコンピュータ可読装置又は媒体からアクセスかのうなコンピュータプログラムを包含することを意図する。コンピュータ可読記憶媒体は、限定ではないが、特に、磁気記憶装置、例えばハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ、光ディスク、コンパクトディスク(CD)、DVD(digital versatile disk)、スマートカード、フラッシュメモリ装置、を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、本願明細書で用いられるとき、伝搬する信号を含まない。これと対照的に、コンピュータ可読媒体、つまり非記憶媒体は、無線信号等のための伝送媒体のような通信媒体を含み得る。
【0013】
上述のように、人口の約3分の2には、現在、インターネットアクセスが欠如している。世界の大多数にインターネットを提供する際の主な障害は、遠隔コミュニティに信頼できるインフラを設定するコストである。通信塔を設置し、ケーブルを敷設し、及び電子ハブを構築することによりサービスを格納する伝統的な方法は、重荷となり、経済的及び政治的課題を伴う。
【0014】
航空機は、現在、管制塔に飛行情報を送信するために超短波(very high frequency:VHF)を使用している。ADS−B(Automatic dependent surveillance−broadcast)は、航空機を追跡する技術として現在使用されており、次世代航空輸送システム(Next Generation Air Transportation System:NextGen)の部分として選択されている。
【0015】
また、民間飛行機は、今日、衛星サービスを介して搭乗客にインターネット接続を提供する。
【0016】
本願明細書に記載の実装方法によると、無線ネットワークが、既存の移動体を用いて大規模コンピュータネットワーク接続性のために形成されても良い。例えば、移動体は、自動車、船舶、宇宙船、及び/又は航空機のような乗り物を含み得る。幾つかの例では、航空機は飛行機であり得る。本願明細書で使用されるとき、コンピュータネットワークは、コンピューティング装置をリンクするのに適する標準的なインターネットプロトコルを用いる相互接続されたコンピュータネットワークの地球規模システムを表す。コンピュータネットワークは、概して、本願明細書では「インターネット」として表されても良い。本願明細書で使用されるとき、所定のルート及び自身の目的を有する航空機は、主に、飛行機、旅客機及び貨物機並びに一般航空機のような民間飛行機を含む輸送サービスを提供する。航空機は、気球(air balloon)、グライダー、無人空中輸送手段(unmanned aerial vehicle:UAV)、ヘリコプター、等も含む。航空機は、所定のルートの中を、及び輸送サービスを提供する主目的をもって、飛行するよう構成されても良い。実装方法では、遠隔インターネットユーザは、航空機又は航空機とエンドユーザとの間のデータ通信を中継する地上局への直接無線接続であり得るダウンリンクを介して、航空機に接続できる。ダウンリンクは、本願明細書で使用されるとき、データ通信機器から、加入者装置のようなデータ端末機器へ向かう接続を表す。航空機は、また、衛星、他の航空機、及び地上局を含み得るアップリンクを通じてインターネットバックボーンに接続される。本願明細書で使用されるとき、アップリンクは、データ通信機器から、インターネットバックボーンのようなネットワークコアへ向かう接続を表す。提案される代替の気球及び専用航空機ソリューションの主な欠点は、コストであり、したがって遠隔地域への拡張性である。本願明細書に記載の実装方法は、したがって、既存のインフラ、航空機、及びローカルに利用可能なスペクトルを使用する。幾つかの実装方法では、ダウンリンクは、ローカルに利用可能なスペクトルを使用するために、ダイナミックスペクトルアクセスを使用して、インターネットサービスを提供しても良い。本願明細書で使用されるように、ダイナミックスペクトルアクセスは、認可スペクトル帯域の中のスペクトルホール又は空白を使用する技術を表す。したがって、本発明の実装方法は、遠隔地域にインターネットを提供するコスト効率の良い方法を提供する。
【0017】
実装方法において、システムは、リアルタイムに動作でき、又はキャッシング及び更新に基づき得る。幾つかの例では、地上局及び/又は個人用装置は、飛行機との通信のキャッシングアプリケーションを有しても良い。さらに、幾つかの実装方法では、システムは、後に詳述するADS−B(Automatic Dependent Surveillance−Broadcast)チャネルのような既存の通信チャネルにデータをインタリーブでき、既存のスペクトルリソースを効率的に使用する。
【0018】
図1は、大規模インターネット接続性を提供するコンピューティングシステムの一例のブロック図である。コンピューティングシステム100は、例えば、特に、パーソナルモバイル装置、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンピュータサーバ、又は飛行機コンピュータ、又は移動体にあるコンピュータ、であっても良い。コンピューティングシステム100は、格納された命令を実行するよう適応されるプロセッサ102、及びプロセッサ102により実行可能な命令を格納するメモリ装置104を有しても良い。プロセッサ102は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コンピューティングクラスタ、又は任意の数の他の構成であり得る。メモリ装置104は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、又は任意の他の適切なメモリシステムを含み得る。メモリ装置104は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含むコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0019】
BIOS(basic input/output system)は、起動中のような、コンピュータ502内の要素間の情報を転送する基本ルーチンを含み、不揮発性メモリに格納される。例として、限定ではなく、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、又はフラッシュメモリを含み得る。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして動作するランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。例として限定ではなく、RAMは、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRA(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、SynchLink(商標)DRAM(SLDRAM)、Rambus(登録商標)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトRambus(登録商標)動的RAM(DRDRAM)、及びRambus(登録商標)動的RAM(DRRAM)のような多くの形式で市販されている。
【0020】
プロセッサ102により実行される命令は、航空機を通じるインターネットトラフィックを中継するために使用できる。例えば、命令は、飛行機に、遠隔加入者とのダウンリンクを確立させ、インターネットサービスを提供させることができる。幾つかの実装方法では、命令は、データをキャッシュするために使用されても良い。本願明細書で使用されるとき、キャッシングは、遅延送信のためにデータを透過的に格納することに加えて、データを透過的に格納して、該データに対する将来の要求が早く果たされるようにする。
【0021】
プロセッサ102は、システムバス106(例えば、PCI(登録商標)、PCI−Express(登録商標)、等)を通じて、コンピューティングシステム100を1又は複数のI/O装置110に接続するよう適応される入力/出力(I/O)装置インタフェース108に接続されても良い。システムバス106は、メモリバス又はメモリ制御部、周辺バス若しくは外部バス、及び当業者に知られている種々の利用可能なバスアーキテクチャを用いるローカルバスを含む複数種類のバス構造のうちの任意のものであり得る。I/O装置110は、例えば、キーボード、ジェスチャ認識入力装置、音声認識装置、及びポインティング装置を含んでも良い。ここで、ポインティング装置は、特に、タッチパッド又はタッチスクリーンを含んでも良い。I/O装置110は、コンピューティング装置100の内蔵コンポーネントであっても良く、又はコンピューティング装置100に外部接続される装置であっても良い。
【0022】
プロセッサ102は、システムバス106を通じて、コンピューティング装置100をディスプレイ装置114に接続するよう適応されるディスプレイ装置インタフェース112にもリンクされても良い。ディスプレイ装置114は、コンピューティング装置100の内蔵コンポーネントであるディスプレイスクリーンを含んでも良い。ディスプレイ装置114は、特に、コンピューティング装置100に外部接続される、コンピュータモニタ、テレビジョン、又はプロジェクタも含んでも良い。ネットワークインタフェースカード(NIC)116も、コンピューティング装置100を、システムバス106を通じてネットワーク(図示しない)に及び/又はアップリンク装置118、ダウンリンク装置120若しくはそれら両者を通じて遠隔装置に、接続するよう適応されても良い。本願明細書で使用されるとき、遠隔装置は、ダウンリンク装置に接続可能な基地局又は遠隔加入者装置を含み得る。遠隔加入者装置は、本願明細書で使用されるとき、コンピュータ、ゲームシステム、スマートフォン、個人用装置、等を含む。例えば、移動体は、ダウンリンク装置120を介して個人用装置に、及びアップリンク装置118を介して衛星に接続できる。幾つかの例では、ダウンリンク装置120は、基地局、又は加入者装置のような地上無線装置を、航空機コンピュータ100に接続できる。幾つかの例では、以下で図4A〜4Cに記載のように、アップリンク装置118は、航空機を別の航空機、衛星、又は地上局に接続でき、遠隔装置を介してユーザにインターネットアクセスを提供する。
【0023】
記憶装置122は、ハードドライブ、光ドライブ、USBフラッシュドライブ、ドライブアレイ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。記憶媒体122は、ダイナミックスペクトルモジュール124、通信モジュール126、及びキャッシュストア130と関連付けられるキャッシングモジュール128を有しても良い。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、ダウンリンク及び/又はアップリンクのために使用すべきスペクトルを決定できる。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール124は、特定のスペクトル部分がある場所においてアップリンクとして使用のために利用可能であること、及び異なるスペクトル部分がダウンリンクとして使用のために利用可能であることを決定できる。上述のように、世界の3分の2は、現在、インターネットアクセスを受けていない。しかしながら、アクセスの欠如している遠隔地域は、また、大量の利用可能スペクトルを有する可能性が高い。ダイナミックスペクトルモジュール124は、インターネットアクセスを提供するために利用可能なスペクトルを十分に活用することにより、未使用スペクトルを有する地域の利点を生かすことができる。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、ダイナミックスペクトルアクセスを使用して、インターネットアクセスのために利用可能なスペクトルの量を増大できる。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール124は、飛行機のルートに沿って利用可能スペクトルを決定し、該ルートに沿って遠隔装置にサービスを提供できる。遠隔装置は、次に、サービスをユーザに適用する。
【0024】
幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、ダイナミックスペクトルモジュール124から利用可能スペクトルを受け、利用可能スペクトルを使用してダウンリンクを確立できる。例えば、ダウンリンク装置120は、航空機を、遠隔加入者の個人用装置に又は遠隔加入者に接続される基地局に、接続する。幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、ダウンリンク及び/又はアップリンクとして少なくとも1つの専用スペクトル部分を使用できる。幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、ダウンリンク及び/又はアップリンクとして既存の通信チャネルを使用できる。幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、ダウンリンク及び/又はアップリンクとしてADS−Bチャネルを使用できる。ADS−Bは、現在、2つの異なるサービス「ADS−B Out」及び「ADS−B In」を有する。ADS−B Outは、識別情報、現在位置、高度、及び速度のような各々の航空機に関する情報を、機内送信機を通じて周期的にブロードキャストする。ADS−B Inは、飛行情報サービスブロードキャスト(Flight Information Services−Broadcast:FIS−B)データ、トラフィック情報サービスブロードキャスト(Traffic Information Services−Broadcast:TIS−B)デ―タ、及び近くの航空機からの直接通信のような他のADS−Bデータの、航空機による受信を提供する。FIS−Bは、一方で、気象テキスト、気象グラフィック、パイロットへの注意(Notice to Airmen:NOTAM)、飛行場情報放送業務(Automatic Terminal Information Service:ATIS)、及び同様の情報を提供する。幾つかの例では、ADS−Bチャネルは、2以上のデータストリームをインタリーブすることにより、既存の通信データのために、及びインターネットサービスを提供するために、使用できる。例えば、電子メール又はメッセージングのような低帯域幅データは、上述のADS−B通信のうちの任意のものとインタリーブできる。したがって、幾つかの例では、遠隔加入者は、専用及び/又は既存の通信チャネルの使用を通じて、少なくとも何らかのインターネットサービスを提供され得る。
【0025】
幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、ダウンリンク接続を別の移動体にハンドオフできる。例えば、第1の飛行機が装置又は基地局との自身のダウンリンクを失いつつあるとき、第2の飛行機が、遠隔加入者装置又は基地局の範囲内に居る場合がある。この状況では、図3の説明で後述するように、第1の飛行機は、ダウンリンクを第2の飛行機にハンドオフできる。したがって、装置又は基地局は、中断の無いインターネットアクセスを受けることができる。
【0026】
幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、指向性アンテナを操縦できる。例えば、ダウンリンク及び/又はアップリンク装置は、指向性アンテナを用いて、データを送信及び受信できる。幾つかの例では、通信モジュールは、指向性アンテナを操縦して、リンクマージンを増大できる。本願明細書で使用されるとき、リンクマージンは、無線受信機の感度(つまり、受信機が動作を停止する受信電力)と実際の受信電力との間の差を表し、デシベルの単位で測定される。可動指向性アンテナの使用は、カバレッジのより長い持続期間、及びより高い電力及びより少ない干渉のためのより狭いビーム幅を提供する。
【0027】
幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、後の使用のために、遠隔加入者装置又はインターネットからのデータをキャッシュできる。例えば、通信モジュール126は、途切れないインターネットサービスを提供するために、ダウンリンク接続をハンドオフできなくても良い。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、後続の航空機が到来するとき、送信されるべきデータを一時的に格納できる。したがって、キャッシングモジュール128は、連続的なネットワーク接続性の欠如を解決するためにキャッシングが使用される遅延耐性ネットワーキング(delay−tolerant networking:DNT)の形式を提供できる。幾つかの例では、キャッシングモジュール128は、また、頻繁に要求される又はローカルに人気のあるインターネットコンテンツを格納できる。例えば、ブログに加えてニュースサイトがキャッシュされても良い、等である。幾つかの例では、キャッシングモジュール128は、また、メディアコンテンツのような、より大きなデータをキャッシュできる。例えば、航空機は、飛行場で自身のローカルキャッシュストア130にキャッシュされたようなコンテンツを有しても良い。幾つかの例では、以下に図2Aで説明されるように、航空機通信モジュール126は、基地局のキャッシュストア130にキャッシュされたコンテンツを転送できる。
【0028】
幾つかの例では、移動体は、自身のルートに沿って、遠隔装置に、ニュースデータのマルチキャストを送信できる。例えば、航空機は、マルチキャストを受信するために予約されている基地局に、ニュースデータをマルチキャストできる。幾つかの例では、基地局は、遠隔加入者装置による後の検索のために、ニュースデータをキャッシュできる。
【0029】
理解されるべきことに、図1のブロック図は、コンピューティングシステム100が図1に示されるコンポーネントの全部を含むことを示すことを意図しない、むしろ、コンピューティングシステム100は、より少数の又は図1に図示されない追加のコンポーネントを含み得る(例えば、追加のアプリケーション、追加のモジュール、追加のメモリ装置、追加のネットワークインタフェース、等)。
【0030】
さらに、ダイナミックスペクトルモジュール124、通信モジュール126、及びキャッシングモジュール128の機能のうちの任意のものは、部分的に又は全体的に、ハードウェアで及び/又はプロセッサ102に実装できる。例えば、機能は、特定用途向け集積回路により、プロセッサ102の中に実装されるロジックで、又は任意の他の装置で、実装できる。例えば、限定ではなく、使用できる説明のための種類のハードウェアロジックコンポーネントは、FPGA(Field−programmable Gate Array)、ASIC(Program−specific Integrated Circuit)、ASSP(Program−specific Standard Product)、SOC(System−on−a−chip system)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)、等を含む。
【0031】
図2Aは、本願明細書に記載の実装方法による、大規模インターネット接続を提供する例示的な飛行機の図である。図2Aの構成は、概して、参照符号200Aにより参照される。飛行機202は、遠隔地域204に、基地局206を通じてダウンリンク208を介して接続される。飛行機202は、第2のダウンリンク212を介して、遠隔加入者装置210にも接続される。遠隔地域204及び遠隔加入者装置210は、線211により示されるように、地上に地面に配置される。飛行機202は、アップリンク216を介してインターネット214にも更に接続される。遠隔加入者装置204のグループは、基地局206にあるコンピュータサーバ218、光ファイバケーブル222により基地局206に接続されるゲームシステム220、及び無線接続226により基地局206に接続される2つの個人用装置224、を有する。飛行機は説明のための目的で使用されるが、飛行機202は、図1に関して上述したような任意の適切な航空機でもあり得る。
【0032】
図2Aの図では、2つの例示的なダウンリンクが図示される。幾つかの実装方法では、移動する飛行機202は、基地局206を介して遠隔加入者にインターネットサービスを提供できる。基地局206は、ケーブル222又は無線接続226を介して遠隔加入者装置220、224、226に接続し、ダウンリンク208を介して飛行機202にデータを中継する。飛行機202は、次に、アップリンク216を通じて、インターネット214への及びインターネット214からのデータを中継する。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、どのスペクトル部分が遠隔地域204で利用可能であるかを決定し、通信モジュール126が基地局206との高速ダウンリンク208を形成できるようにする。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、ダイナミックスペクトルアクセスを使用して、大きなスペクトル部分が地域204で利用可能であることを決定できる。例えば、空白と呼ばれるスペクトル区間は、地域204で完全に利用可能であり得る。空白は、本願明細書で使用されるとき、サービスをブロードキャストするために割り当てられているが、ローカルで未使用であるスペクトルを表す。空白は、デジタルテレビジョンへの切り替えの結果として使用可能である極超短波(ultra−high frequency:UHF)及び超短波(very−high frequency:VHF)帯域を含む。通信モジュール126は、スペクトルの空白部分を使用して、ダウンリンク208を介して基地局206へ及び/又は基地局206からデータを送信し及び/又は受信できる。
【0033】
幾つかの実装方法では、基地局206は、図1を参照して上述したキャッシュストア130のようなキャッシュストアを含むコンピュータサーバ218を含み得る。幾つかの例では、コンピュータサーバ218にある図1のキャッシングモジュール128のようなキャッシングモジュールは、遠隔加入者装置220及び226からデータを受信し、キャッシュストア130に該データをキャッシュできる。基地局206は、飛行機202の通信モジュール126がダウンリンク208を確立すると、キャッシュされたデータを飛行機202へ送信できる。幾つかの実装方法では、基地局206は、ダウンリンク208を通じて飛行機202からデータを受信できる。幾つかの例では、基地局206は、コンピュータサーバ218にあるキャッシュストア130へ、データを送信できる。キャッシングモジュール128は、基地局206と通信して、遠隔加入者装置220、226により要求されると、キャッシュストア130の中のデータを提供できる。
【0034】
同様に、幾つかの実装方法では、移動する飛行機202は、遠隔加入者装置210へのダウンリンク212を通じて、遠隔加入者に直接にインターネットサービスを提供できる。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、また、遠隔加入者装置210の近くの利用可能スペクトルを決定できる。通信モジュール126は、次に、インターネットサービスを提供するために、ダウンリンク212を確立できる。幾つかの例では、遠隔加入者装置210は、ダウンリンク212を介してインターネットにアクセスでき、同時に、基地局は、リンク208を介してキャッシュされたデータをアップロードする。逆も同様である。例えば、遠隔加入者装置210は、遠隔加入者装置210にインストールできるキャッシングアプリケーションを介して、キャッシュされたデータを格納し、アップロードすることもできる。
【0035】
幾つかの実装方法では、図2Aの飛行機202は、インターネットサービスを提供するために、ADS−B技術を使用することもできる。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール124は、地域204が僅かな又は全く利用可能スペクトルを有しないことを決定しても良い。幾つかの例では、これは、他の装置の中でも特に、無線マイクロフォンのような大きな優先度を有する認可装置による全部の利用可能な空白の使用に起因し得る。ダイナミックスペクトルモジュール124は、通信モジュール126へ、スペクトル利用可能性情報を送信できる。幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、インターネットサービスを提供するために、スペクトルの専用部分を使用できる。例えば、スペクトルの一部は、飛行機の使用のために専用であっても良い。幾つかの例では、通信モジュール126は、ダウンリンク208、212として、ADS−Bに専用のスペクトル部分を使用しても良い。幾つかの実装方法では、基地局206及び/又は遠隔加入者装置210への及び/又はそれから来るデータは、ADS−Bスペクトルを用いて既存の通信とインタリーブできる。ADS−B又は空白のような未使用スペクトルを使用するとき、システム200Aは、そうでなければ割り当てられないリソースを使用して、遠隔地域にインターネットアクセスをもたらすという利点を有する。
【0036】
図2Bは、本願明細書に記載の実装方法による、例示的な飛行機の接続距離及び期間の図である。図2Bの構成は、概して、参照符号200Bにより参照されても良い。
【0037】
図2Bでは、飛行機202は、ダウンリンク208を介して基地局206に接続され、約10000メートルの高さ232で航行している。飛行機202は、矢印228により示されるように、約34641メートルの合計距離230の間、右から左へ秒速250メートルの速度で飛行している。角度234は、約60度と測定される。
【0038】
200Bでは、飛行機202により250m/sの速度228で飛行される34641メートルの距離230は、約138秒を要する。ダウンリンク208を介する飛行機202の接続期間は、したがって、約138秒である。幾つかの実装方法では、接続の特定の区間の距離は、したがって、飛行機202の接続期間も、ダウンリンク208の許容送信電力に部分的に基づく。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール124が、ある地域におけるスペクトル部分を用いて低い干渉の可能性を決定した場合、該スペクトル部分の送信電力は、比較的大きくなり得る。高い干渉の可能性が存在する地域では、対応するスペクトルの送信電力は、干渉を防ぐために低減される。送信電力が弱いほど、接続長及び期間は短い。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、スペクトル使用マップのようなデータを受信できる。ダイナミックスペクトルモジュール124は、スペクトル使用マップを使用して、ダウンリンク208のために使用するスペクトル部分及び送信電力を決定できる。幾つかの例では、ダウンリンクは、航空機に既にインストールされている既存の超短波(VHF)無線を使用できる。例えば、VHFモデムは、アップリンク及びダウンリンクの両方を確立するために、航空機のアンテナのような既存のVHF通信インフラを使用するために、航空機にインストールされ得る。幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、接続期間の間に、ダウンリンク208をハンドオフするために、他の飛行機を探しても良い。幾つかの例では、飛行トラフィックがあまり頻繁ではない場合、キャッシングモジュール128は、データをキャッシュストア130にキャッシュできる。幾つかの実装方法では、基地局206は、電子メール及び他のデータをキャッシュストア130にキャッシュする。基地局206は、キャッシュしたデータを、接続期間中に飛行機202にアップロードできる。
【0039】
図3は、本願明細書に記載の実装方法による、2機の飛行機の間の接続の例示的な移行の図である。図3に記載のような移行は、概して、参照符号300により参照される。図3では、飛行機202は、ダウンリンク208を介して基地局206に接続される。飛行機202は、ハンドオフ接続304を介して飛行機302にも接続される。飛行機302は、ダウンリンク306を介して基地局206にも接続される。
【0040】
図3の図では、飛行機202は、基地局206の上空を飛んで来て、基地局206とのダウンリンク208をまさに失おうとしている。実装方法では、通信モジュール126は、近くの飛行機302とハンドオフ接続304を確立できる。幾つかの実装方法では、基地局206は、近くの飛行機302を選択し、この情報を飛行機202へ送信する。次に、飛行機202の通信モジュール126は、飛行機302にある通信モジュール126へダウンリンク情報を送信できる。幾つかの実装方法では、飛行機302は、基地局206とのダウンリンク306を確立できる。したがって、基地局206は、インターネットの途絶を僅かしか乃至全く経験しない。例えば、飛行機202は、ダウンリンク208が切断される前に、ハンドオフ接続304を確立できる。幾つかの実装方法では、飛行機202は、ダウンリンク208のリンク状態情報を、飛行機302へ送信できる。本願明細書で使用されるとき、リンク状態情報は、特に近隣ルータ及び関連ネットワークの名称、コスト又はそれまでの距離を含み得るリンク状態パケットを含む。飛行機302は、飛行機202からリンク状態情報を受信し、ダウンリンク306を確立できる。幾つかの実装方法では、ダウンリンク208は、ダウンリンク306へと移行される。幾つかの実装方法では、ダウンリンク208、306は、基地局206への同時サービスを提供できる。幾つかの例では、ダウンリンク208により提供されているサービスは、飛行機202が基地局202の範囲外を飛行するとき、ダウンリンク306により提供できる。
【0041】
図4Aは、衛星を使用する例示的なアップリンクの図である。図4Aのアップリンク構成は、概して、参照符号400Aにより参照される。図4Aでは、飛行機202は、ダウンリンク208を介して基地局206に接続される。飛行機202は、アップリンク404を介して衛星402にも接続される。衛星402は、アップリンク408を介してアンテナ406に接続される。アンテナ406は、接続410を介してインターネットに接続される。
【0042】
図4Aの図では、飛行機202は、ダウンリンク208を通じて基地局にインターネットサービスを提供している。飛行機202は、基地局206からのデータを衛星402へルーティングする。幾つかの実装方法では、衛星402は、地球の周りを回る複数の衛星のうちの1つである。飛行機202は、アップリンク402を介して、衛星402へ及び/又は衛星402から、データを受信し及び/又は送信する。構成400Aの利点は、アップリンク404を通じて信号を送信するために使用される電力が、アップリンク408を通じて送信するための電力より遙かに低くなり得ることである。さらに、基地局206は、アンテナ406より安価であり運用が容易である場合がある。
【0043】
図4Bは、直接中継を使用する例示的なアップリンクの図である。図4Bのアップリンク構成は、概して、参照符号400Bにより参照される。図4Bでは、飛行機202は、ダウンリンク208を介して基地局206に接続される。飛行機202は、アップリンク414を介して基地局412にも接続される。基地局412は、接続416を介してインターネット214に接続される。
【0044】
図4Bの図では、中継点として飛行機202を使用して、直接中継が形成される。幾つかの実装方法では、通信モジュール126は、基地局206、416との2つの同時接続を確立できる。したがって、ダウンリンク208が基地局206と、アップリンクが基地局412と、確立される。構成400Bの利点は、少ないインフラしか使用しないことである。しかしながら、構成400Bにおける接続期間は、400Aよりも短い場合がある。
【0045】
図4Cは、ピアツーピア中継を使用する例示的なアップリンクの図である。図4Cのアップリンク構成は、概して、参照符号400Cにより参照される。図4Cでは、飛行機202は、ダウンリンク208を介して基地局206に接続される。飛行機202は、アップリンク420を介して別の飛行機418にも接続される。第2の飛行機418は、アップリンク422を介して基地局412に接続される。基地局412は、接続416を介してインターネット412に接続される。飛行機202は、水平距離424及び垂直距離426だけ飛行機418から離れている。
【0046】
図4Cの図では、飛行機418は、飛行機202と基地局412との間でデータを中継できる。例えば、垂直距離426は、約2000フィートより大きく、水平距離424は約2マイルより大きくなり得る。幾つかの例では、飛行機202は、基地局412との直接ダウンリンクを確立すべき範囲の外側に居る場合がある。幾つかの実装方法では、飛行機418は、飛行機202から基地局412へデータを中継するために使用可能な複数の航空機のうちの1つである。幾つかの例では、地上波TV放送及びFMラジオリンクにより使用されるスペクトルのような未使用スペクトルが使用できる。米国では、このような使用のための利用可能スペクトルの量は、約350メガヘルツである。幾つかの例では、利用可能スペクトルは、いつでも、届く距離に居る飛行機のために排他的スペクトル使用のために、飛行機の間で分割できる。幾つかの例では、飛行機は、飛行機の間の通信のために周波数分割二重(frequency−division duplexing:FDD)も使用できる。本願明細書で使用されるとき、FDDは、異なる搬送波周波数における送信機及び受信機の動作を表す。
【0047】
図5は、民間航空機を介するインターネット接続性を提供する例示的な方法の詳細な処理フロー図である。図5の方法は、概して、参照符号500により参照される。
【0048】
ブロック502で、ダイナミックスペクトルモジュール124は、アップリンク及びダウンリンクのために使用すべき利用可能スペクトルを決定する。上述のように、利用可能スペクトルは、UHF及びVHF帯域を含む空白、並びにADS−Bのような既存の通信チャネルを有し得る。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、ローカル情報及び外部ソースからの情報に基づくチャネル発見を通じて、利用可能スペクトルを決定できる。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール124は、線形に連続するチャネルの存在について、スペクトルの中のスペクトルユニットを調べることができる。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、線形に連続するスペクトルユニットの中の1又は複数のスペクトルユニットに渡り、スタガ(staggered)方式で、スキップして、チャネルの存在について、スペクトルの中のスペクトルユニットを調べることができる。スキップは、先ず最大クラス幅から開始し、クラス幅毎に、チャネルの存在について、利用可能スペクトルを調べるために実行できる。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、リモート又はローカル地理位置情報サービスから空白情報を受信し、受信した空白情報から、ルートに沿って使用すべき利用可能スペクトルを決定できる。例えば、所与の場所の空白情報は、テレビジョン送信パラメータ、高度データ、及び任意の動作無線マイクロフォンに関して受信された情報に基づき、地理位置情報サービスにより計算できる。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、受信した空白情報を用いて、どのスペクトルを飛行ルートに沿ってダウンリンク及び/又はアップリンクのために使用すべきかを決定できる。
【0049】
ブロック504で、ダイナミックスペクトルモジュール124は、アップリンクの送信電力を決定し、移動体をインターネット接続に接続できる。上述のように、幾つかの例では、アップリンクは、航空機を別の航空機、衛星、又は基地局に接続して、該航空機をインターネットに接続できる。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、アップリンクの距離に基づき、送信電力を選択できる。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール124は、2つの装置を効率的に接続し得る送信電力を決定できる。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、送信電力を決定するときに、スペクトル干渉も考慮できる。
【0050】
ブロック506で、ダイナミックスペクトルモジュール124は、ダウンリンクの送信電力を決定し、ダウンリンクを介して遠隔加入者を移動体に接続できる。幾つかの実装方法では、遠隔加入者は、ダウンリンクを介して移動体に接続される基地局に接続できる。幾つかの実装方法では、遠隔加入者は、遠隔加入者装置と移動体との間のダウンリンクにより、直接接続できる。幾つかの例では、所与の場所における利用可能スペクトルは、移動体の所与の経路に沿って大幅に変化し得る。したがって、幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール124は、既に使用中のスペクトル部分との干渉を生じない送信電力を決定できる。例えば、あるチャネルは、特定の基地局で利用可能であるが、該基地局の近くにある地域では使用中である場合がある。ダイナミックスペクトルモジュール124は、近隣の使用との干渉が防がれるように、チャネルを使用するときの送信電力を制限できる。
【0051】
ブロック508で、通信モジュール126は、遠隔装置にインターネット接続を提供する。実装方法では、ダウンリンク及びアップリンクの両方が確立されるとき、遠隔加入者は、遠隔装置を介してインターネットサービスを受けることができる。上述のように、幾つかの実装方法では、航空機は、接続された遠隔加入者にサービスを中継可能な基地局に、インターネットサービスを提供できる。幾つかの例では、インターネット接続は、数分間継続し及び/又は1日のうちに何回か利用可能であり得る。幾つかの例では、インターネット接続は、遠隔加入者が僅かしか又は全くパケット損失を経験しないように、連続的であり得る。例えば、通信モジュール122は、以下にブロック510で議論するように、接続を移行できる。幾つかの例では、VoIP通信のような遅延に敏感なアプリケーションは、連続インターネット接続性の所定の時間の間、使用できる。
【0052】
ブロック510で、通信モジュール122は、ダウンリンクを、第2の移動体の第2のダウンリンクに移行できる。図3で議論したように、幾つかの実装方法では、2機の飛行機が基地局206の範囲内に居る間に、ダウンリンク208のリンク状態情報は、第2の飛行機302のダウンリンク306に移行できる。ハンドオフ接続を通じてダウンリンクを移行することにより、航空交通量のあまり多くない地域でも、連続インターネット接続が可能である。
【0053】
ブロック512で、キャッシングモジュール128は、各々の移動体にあるコンテンツをキャッシュできる。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、航空機コンピュータ100に、例えばキャッシュストア130であり得る。例えば、キャッシュストア130は、コンテンツの中でも特に、電子メール、一般的にアクセスされるウェブコンテンツ、一般的な検索結果、及び広告のようなインターネットコンテンツを有し得る。対応するユーザクエリは、インターネットを検索するのではなく、キャッシングモジュール128により直接回答できる。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、また、航空機が飛行場にいる間に、大容量メディアファイルのようなコンテンツをキャッシュできる。幾つかの例では、航空機は、ダウンリンクを通じて遠隔加入者に接続され得るが、そのときにはインターネットに接続されない。実装方法では、キャッシングモジュール124は、遠隔加入者から、電子メール、ブログ更新、又はソーシャルメディアのようなデータをキャッシュストア130にキャッシュできる。幾つかの例では、キャッシュストア130の中のデータは、遠隔加入者のセキュリティ及びプライバシの目的で暗号化できる。
【0054】
ブロック514で、キャッシングモジュール128は、遠隔加入者及び移動体の両方に通信可能に接続される基地局にコンテンツをキャッシュできる。幾つかの例では、キャッシングモジュール128は、基地局に接続される遠隔加入者により要求されるデータの人気を匿名で決定できる。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、所定の時間量の間、人気のあるデータをキャッシュストアにキャッシュできる。幾つかの例では、基地局は、一様でない航空交通量を有する地域に存在しても良い。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、将来の提出のために、遠隔加入者からのデータをキャッシュできる。例えば、電子メール、ブログ更新、及びソーシャルメディアは、キャッシュストアにセキュアに格納され、次の利用可能な航空機が到来するとき、又は遠隔加入者装置が基地局の範囲内にやって来るとき、インターネットにアップロードできる。
【0055】
ブロック516で、キャッシングモジュール128は、キャッシングアプリケーションにより遠隔加入者装置にコンテンツをキャッシュできる。幾つかの例では、遠隔加入者装置は、インターネットサービスを受けるために利用可能な基地局又は飛行機を有しなくても良い。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール128は、遠隔加入者装置にインストールされるアプリケーションの部分であり得る。例えば、キャッシングモジュール128は、電子メール又はソーシャルメディアのようなユーザコンテンツを、遠隔加入者装置に作成されるキャッシュストア130にキャッシュできる。
【0056】
図5の処理フロー図は、方法500の動作が任意の特定の順序で実行されること、又は方法500の動作の全部が全ての場合に含まれることを示すことを意図しない。例えば、一定した航空交通量では、コンテンツをキャッシュするためのブロック512−516は実行されなくても良い。幾つかの例では、遠隔地域の航空交通量は、ブロック510を実行するための十分な航空機を有しない場合がある。例えば、遠隔加入者装置又は基地局は、範囲内に同時に2機の航空機には遭遇しない可能性がある。さらに、任意の数の追加動作が、特定のアプリケーションに依存して、方法500に含まれ得る。
【0057】
図6は、航空機の間のダウンリンクを移行する例示的な方法の詳細な処理フロー図である。図6の方法は、概して、参照符号600により参照される。
【0058】
ブロック602で、通信モジュール120は、第1の移動体にある第1のアップリンク装置を介して、ネットワークへの及びネットワークからのデータをルーティングする。幾つかの実装方法では、移動体は航空機であり得る。例えば、移動体は飛行機であり得る。実装方法では、アップリンクは、図4Aのような衛星、図4Bのような基地局、及び/又は図4Cのような別の航空機であり得る。幾つかの実装方法では、インターネットのようなネットワークへの接続は、連続的であり得る。幾つかの実装方法では、ネットワークへの接続は、断続的であり得る。
【0059】
ブロック604で、通信モジュール120は、第1の移動体にある第1のダウンリンク装置を介して、遠隔加入者装置又は基地局への及びそれらからのデータをルーティングする。上述のように、第1のダウンリンク装置は、遠隔加入者装置に、又は遠隔加入者装置へ及びそれからデータを中継する基地局に直接接続できる。
【0060】
ブロック606で、通信モジュール120は、第1の移動体と第2の移動体との間のハンドオフ接続を確立する。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュールは、無線−無線通信のために使用すべき利用可能スペクトル部分を決定できる。通信モジュールは、ハンドオフ接続のための利用可能スペクトルの一部を使用できる。
【0061】
ブロック608で、通信モジュール120は、遠隔加入者装置又は基地局と第2の移動体にある第2のダウンリンク装置との間のダウンリンクを確立する。幾つかの例では、第1の航空機の通信モジュール120は、遠隔加入者装置又は基地局に、第2の航空機の位置及び第2のダウンリンクのために使用すべきスペクトル部分のような、第2の航空機に関する情報を提供する。幾つかの実装方法では、第2の航空機の通信モジュール120は、遠隔加入者装置又は基地局との第2のダウンリンクを確立できる。
【0062】
ブロック610で、通信モジュール126は、遠隔装置へ及び遠隔装置からのデータのルーティングを、ハンドオフ接続を介して第1のダウンリンク装置から第2の移動体にある第2のダウンリンク装置及び第2のアップリンク装置へ移行する。幾つかの実装方法では、リンク状態情報は、第1の移動体から第2の移動体に渡される。例えば、第1の航空機にある通信モジュール120は、遠隔装置への及び遠隔装置からのデータのルーティングを移行するために、リンク状態情報を、第2の航空機にある通信モジュール120へ送信できる。
【0063】
図6の処理フロー図は、方法600の動作が任意の特定の順序で実行されること、又は方法600の動作の全部が全ての場合に含まれることを示すことを意図しない。さらに、任意の数の追加動作が、特定のアプリケーションに依存して、方法600に含まれ得る。
【0064】
図7は、移動体を介するインターネットアクセスを提供するために使用できる有形コンピュータ可読記憶媒体を示すブロック図である。有形コンピュータ可読記憶媒体700は、コンピュータバス704を介してプロセッサ702によりアクセスされても良い。さらに、有形コンピュータ可読記憶媒体700は、プロセッサ702に、本発明の方法を実行するよう指示するためのコードを有しても良い。例えば、方法500及び600は、プロセッサ702により実行できる。
【0065】
本願明細書で議論する種々のソフトウェアコンポーネントは、図7に示すような有形コンピュータ可読記憶媒体700に格納されても良い。例えば、有形コンピュータ可読記憶媒体700は、ダイナミックスペクトルモジュール706、通信モジュール708、及びキャッシングモジュール710を有し得る。幾つかの実装方法では、ダイナミックスペクトルモジュール706は、プロセッサに、ダイナミックスペクトルアクセスを使用して利用可能スペクトル部分を決定させることができる。例えば、利用可能スペクトルは、空白の一部又はADS−B通信チャネルであり得る。幾つかの例では、ダイナミックスペクトルモジュール706は、プロセッサに、送信電力を決定させることもできる。例えば、ダイナミックスペクトルモジュール706は、送信電力を決定するときに、スペクトル部分の前から存在する使用も考慮できる。実装方法では、通信モジュール708は、プロセッサに、利用可能スペクトルを用いてダウンリンクを確立させることができる。実装方法では、通信モジュール708は、プロセッサに、遠隔加入者へデータを送信させ及び遠隔加入者からデータを受信させ、該データをアップリンクを介して公衆に利用可能なネットワークへ及びそれから中継させることができる。例えば、アップリンクは、図4A〜4Cの400A、400B、又は400Cにおけるように構成され得る。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール710は、プロセッサに、後の送信又は検索のために、データの少なくとも一部をキャッシュさせることができる。幾つかの実装方法では、通信モジュール708は、プロセッサに、ダウンリンクを第2の移動する航空機に移行させることができる。幾つかの実装方法では、通信モジュール708は、プロセッサに、指向性アンテナを操舵させることができる。幾つかの実装方法では、キャッシングモジュール708は、プロセッサに、データの少なくとも一部を既存のADS−B通信とインタリーブさせることができる。
【0066】
理解されるべきことに、特定のアプリケーションに依存して、図7に示されない任意の数の追加のソフトウェアコンポーネントが、有形コンピュータ可読記憶媒体700に含まれ得る。本発明の主題は構造的特徴及び/又は方法に特有の言葉で記載されたが、本発明の主題は、特許請求の範囲に定められる上述の特定の構造的特徴又は方法に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上述の特定の構造的特徴及び方法は、特許請求の範囲の実施の例示的形態として開示されたものである。
【0067】
<例1>
移動体の一例が提供される。例示的な移動体は、前記移動体を公衆に利用可能なコンピュータネットワークに接続する、前記移動体のアップリンク装置を有する。前記例示的な移動体は、前記移動体のルートに沿う特定の区間でリモート装置に通信可能に結合される前記移動体のダウンリンク装置を更に有する。前記リモート装置は、前記ダウンリンク装置を介して受信したデータをユーザに提供する。前記例示的な移動体は、前記アップリンク装置及び前記ダウンリンク装置に通信可能に結合されるキャッシュストアを更に有する。
【0068】
幾つかの実装方法では、例示的な移動体は航空機であり得る。幾つかの実装方法では、例示的な移動体は飛行機であり得る。幾つかの実装方法では、前記特定の区間は、前記ダウンリンク装置の送信電力に少なくとも部分的に基づき得る。幾つかの実装方法では、前記ダウンリンク装置は、ADS−B(Automatic Dependent Surveillance−Broadcast)技術を用いることができ、前記データの少なくとも一部をルーティングし、前記データの少なくとも一部は、他のADS−B通信とインタリーブすることができる。幾つかの実装方法では、前記ダウンリンク装置は、ダイナミックスペクトルアクセスを通じて決定されるスペクトル部分を使用できる。幾つかの実装方法では、例示的な移動体は、第1の移動体であり、前記ダウンリンク装置は第1のダウンリンク装置であり得る。前記第1の移動体は、前記第1の移動体と第2の移動体との間のハンドオフ接続により、第2のダウンリンク装置を有する前記第2の移動体に通信可能に結合され得る。前記データは、前記第2のダウンリンク装置を介して前記遠隔装置にルーティングされ得る。幾つかの実装方法では、前記アップリンク装置及び前記ダウンリンク装置は、異なるスペクトル部分を使用でき、前記アップリンク装置は、前記移動体を前記コンピュータネットワークに接続できる。幾つかの実装方法では、前記キャッシュストアは、前記ダウンリンク装置との接続が失われた後に、前記遠隔加入者からのデータを格納できる。前記遠隔加入者からの前記格納されたデータは、第2のダウンリンク装置を通じて第2の移動体へ送信され得る。幾つかの実装方法では、キャッシュストアは、公衆に利用可能なコンピュータネットワークから受信したデータを含むことができる。
【0069】
<例2>
方法の一例がここに記載される。例示的な方法は、第1の移動体にある第1のアップリンク装置を介して、ネットワークへの及びネットワークからのデータをルーティングするステップを有する。例示的な方法は、第1の移動体にある第1のダウンリンク装置を介して、遠隔装置への及び遠隔装置からのデータをルーティングするステップを有する。例示的な方法は、第1の移動体と第2の移動体との間のハンドオフ接続を確立するステップを有する。例示的な方法は、遠隔装置と前記第2の移動体の第2のダウンリンク装置との間のダウンリンクを確立するステップを有する。例示的な方法は、前記遠隔装置への及び前記遠隔装置からのデータのルーティングを、ハンドオフ接続を介して前記第1のダウンリンク装置から前記第2のダウンリンク装置及び前記第2の移動体にある第2のアップリンク装置へ移行するステップを有する。
【0070】
幾つかの実装方法では、前記第1及び第2の移動体は航空機であり得る。幾つかの実装方法では、前記第1及び第2の移動体は飛行機であり得る。幾つかの実装方法では、例示的な方法は、ダイナミックスペクトルアクセスを用いて前記第1及び前記第2のダウンリンク装置により使用されるべきスペクトル部分を決定するステップを更に有し得る。幾つかの実装方法では、例示的な方法は、前記第1の又は前記第2の移動体のうちの少なくとも1つに前記データの少なくとも一部をキャッシュするステップ、を有し得る。幾つかの実装方法では、例示的な方法は、前記遠隔装置に前記データの少なくとも一部をキャッシュするステップを有し得る。前記遠隔装置は、遠隔加入者装置であり得る。幾つかの実装方法では、例示的な方法は、前記遠隔装置において前記データの少なくとも一部をキャッシュするステップを有し得る。前記遠隔装置は、遠隔加入者に通信可能に接続される基地局でもあり得る。幾つかの実装方法では、前記基地局においてキャッシュされたデータは、後続の移動体により読み出され得る。
【0071】
<例3>
1又は複数のコンピュータ可読記憶媒体の一例がここに記載される。例示的な1又は複数のコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、ダイナミックスペクトルアクセスにより利用可能スペクトルを決定させる、複数の命令を有する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記利用可能スペクトルを用いて移動体のダウンリンク装置により、遠隔装置へのダウンリンクを確立するための命令を有する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、異なるスペクトル部分を用いて前記移動体のアップリンク装置により、公衆に利用可能なネットワークへのアップリンクを確立するための命令を有する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、遠隔装置へデータを送信し及び遠隔装置からデータを受信するための命令を含み、前記データは、前記アップリンク装置を介して前記ネットワークへ及び前記ネットワークから中継される。
【0072】
幾つかの実装方法では、前記移動体は航空機であり得る。幾つかの実装方法では、例示的な前記移動体は飛行機であり得る。幾つかの実装方法では、例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、後の送信又は検索のために、前記移動体にあるキャッシュストアに、前記データの少なくとも一部をキャッシュするための命令を有し得る。幾つかの実装方法では、例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、第2の移動体のダウンリンク装置に、前記ダウンリンクを移行するための命令を有し得る。幾つかの実装方法では、例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記ダウンリンク装置の指向性アンテナを操舵するための命令を有し得る。幾つかの実装方法では、例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記データの少なくとも一部をADS−B通信とインタリーブするための命令を有し得る。
【0073】
<例4>
装置の一例が提供される。例示的な装置は、前記装置を、公衆に利用可能なコンピュータネットワークに接続する手段を有する。例示的な装置は、前記装置のルートに沿う特定の区間において遠隔装置に通信可能に結合し及び前記公衆に利用可能なコンピュータネットワークから受信したデータをユーザに提供する手段を有する。例示的な装置は、データをキャッシュする手段を有する。
【0074】
幾つかの実装方法では、例示的な装置は航空機であり得る。幾つかの実装方法では、例示的な装置は飛行機であり得る。幾つかの実装方法では、前記特定の区間は、前記ダウンリンク装置の送信電力に少なくとも部分的に基づき得る。幾つかの実装方法では、遠隔装置に通信可能に結合する手段は、ADS−B(Automatic Dependent Surveillance−Broadcast)技術を用いて、前記データの少なくとも一部をルーティングでき、前記データの少なくとも一部は、他のADS−B通信とインタリーブされ得る。幾つかの実装方法では、遠隔装置に通信可能に結合する手段は、ダイナミックスペクトルアクセスを通じて決定されるスペクトル部分を使用できる。幾つかの実装方法では、例示的な装置は、移動体に通信可能に結合する手段を有し得る。移動体は、遠隔装置へデータをルーティングする手段を有し得る。幾つかの実装方法では、前記装置を公衆に利用可能なネットワークに接続する手段、及び遠隔装置に通信可能に接続する手段は、異なるスペクトル部分を使用できる。幾つかの実装方法では、データをキャッシュする手段は、前記ダウンリンク装置との接続が失われた後に、前記遠隔加入者からのデータを格納できる。幾つかの実装方法では、データをキャッシュする手段は、公衆に利用可能なコンピュータネットワークから受信したデータを含むことができる。
【0075】
以上に記載された内容は、請求される主題の例を含む。もちろん、請求される主題を説明する目的でコンポーネント又は方法の全ての考えられる組合せを記載することは不可能である。しかし、当業者は、請求される主題の多くの更なる組合せ及び置換が可能であることを理解するだろう。したがって、請求される主題は、添付の請求項の精神及び範囲内に含まれる全てのこのような代替、変更、変形を包含することを意図する。
【0076】
特に、上述のコンポーネント、装置、回路、システム等により実行される種々の機能に関し、このようなコンポーネントを記載するために使用される用語(「手段」についての言及を含む)は、特に示されない限り、例え本願明細書で示された請求される主題の例示的な態様の中の機能を実行する開示の構造と構造的に等化でなくても、記載のコンポーネントの特定の機能を実行する任意のコンポーネント、例えば機能的等価物、に対応することが意図される。これに関し、新規なアイデアは、システム、及び請求される主題の種々の方法の動作及びイベントを実行するためのコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読記憶媒体も含むことが更に理解される。
【0077】
請求される主題、例えば、アプリケーション及びサービスが本願明細書に記載の技術を使用できるようにする、適切なAPI、ツールキット、ドライバコード、オペレーティングシステム、制御、独立型又はダウンロード可能ソフトウェアオブジェクト、等を実装する複数の方法が存在する。請求される主題は、API(又は他のソフトウェアオブジェクト)の観点からの、及び本願明細書で説明する技術に従い動作するソフトウェア又はハードウェアの観点からの、使用を想定する。したがって、本願明細書に記載の請求される主題の種々の実装は、完全にハードウェアである、部分的にハードウェアである、及び部分的にソフトウェアである、並びにソフトウェアである態様を有し得る。
【0078】
前述のシステムは、幾つかのコンポーネントの間の相互作用に関して記載されている。このようなシステム及びコンポーネントは、これらのコンポーネント又は専用サブコンポーネント、専用コンポーネント又はサブコンポーネントの一部、及び追加コンポーネントを含み得ること、及び前述の様々な置換及び組合せに従うことが理解できる。サブコンポーネントは、親コンポーネント(階層構造)の中に含まれるのではなく、他のコンポーネントに通信可能に結合されるコンポーネントとしても実装できる。
【0079】
さらに、1又は複数のコンポーネントは、単一のコンポーネントに結合されて集約機能を提供し、又は幾つかの別個のサブコンポーネントに分割されても良い。また、管理層のような任意の1又は複数の中間層が設けられて、統合機能を提供するために、このようなサブコンポーネントに通信可能に結合されても良い。本願明細書に記載の任意のコンポーネントは、さらに、本願明細書に具体的に記載されないが当業者に一般に知られている1又は複数の他のコンポーネントと相互作用しても良い。
【0080】
さらに、請求される主題の特定の特徴が幾つかの実装のうちの1つに関して開示される場合があるが、このような特徴は、任意の所与の又は特定の用途のために望ましく有利な場合には、他の実装の1又は複数の他の特徴又は態様と組み合わせられても良い。さらに、用語「含む(include、including)」、「有する(have、has、contain)」、これらの他の変形、及び他の同様の言葉が詳細な説明又は請求項において使用される限り、このような用語は、人の追加若しくは他の要素を排除しないで広義の変化として用語「有する(comprising)」と同様に包含を意図する。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7