特許第6596545号(P6596545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6596545
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】縦型多段ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 1/08 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   F04D1/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-124804(P2018-124804)
(22)【出願日】2018年6月29日
【審査請求日】2018年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】山崎 修平
(72)【発明者】
【氏名】川本 彰三
【審査官】 井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−111902(JP,U)
【文献】 特開2002−021766(JP,A)
【文献】 特開昭52−103002(JP,A)
【文献】 特開昭52−103701(JP,A)
【文献】 実開平01−162097(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力方向に延設される主軸と、
第1ポンプケーシング及び前記主軸に固定される第1インペラを有し、下方から吸い込んだ水を上方に圧送する複数の第1ポンプと、
前記複数の第1ポンプケーシングの上方に配置され、第2ポンプケーシング及び前記主軸に固定される第2インペラを有し、上方から吸い込んだ水を下方に圧送する複数の第2ポンプと、
前記複数の第1ポンプケーシング及び前記複数の第2ポンプケーシングの外周を覆い、前記第2ポンプケーシングの周囲に、前記第1ポンプの最上段から前記第2ポンプの最上段へ続く上方に向かって流れる第1流路、及び、前記第1ポンプケーシングの周囲に、前記第2ポンプの最下段から二次側へ続く下方に向かって流れる第2流路を構成する流路ケーシングと、
を備え
前記流路ケーシングは、
前記第1ポンプの最上段に連通し前記第1流路の一部を構成する上昇流路及び前記第2ポンプの最下段に連通し前記第2流路の一部を構成する下降流路に仕切る板部を有する中央ケーシングと、
前記複数の第2ポンプケーシングの外周を覆い、前記中央ケーシングの前記上昇流路から前記第2ポンプの最上段へ続く上方に向かって流れる前記第1流路の他部を構成する第1管ケーシングと、
前記複数の第1ポンプケーシングの外周を覆い、前記中央ケーシングの前記下降流路から二次側へ続く下方に向かって流れる前記第2流路の他部を構成する第2管ケーシングと、
を具備し、
前記第1ポンプの最上段の前記第1ポンプケーシング及び前記第2ポンプの最下段の前記第2ポンプケーシングは、円状の吐出し口と、前記吐出し口に連通する戻し流路と、を具備し、
前記中央ケーシングは、外周に沿って中心角が90度以下の円弧状で複数形成されるとともに、180度対向する位置に配置された前記上昇流路及び前記下降流路を構成する縦型多段ポンプ。
【請求項2】
前記中央ケーシングは、前記板部の下部に、前記第1ポンプの最上段の前記第1ポンプケーシングの一部に当接する複数の支持部を備える請求項1に記載の縦型多段ポンプ。
【請求項3】
前記主軸に設けられ、前記第1ポンプの最上段の前記第1インペラのインペラボス部及び前記第2ポンプの最下段の前記第2インペラのインペラボス部に当接するスリーブと、
前記スリーブと隙間を介して相対する円筒状のライナリング部を有する前記中央ケーシングと、
を備える請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の縦型多段ポンプ。
【請求項4】
前記第1インペラ及び前記第2インペラは、前記第1インペラの枚数が前記第2インペラの枚数よりも多い請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の縦型多段ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のインペラを有する縦型多段ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
超高層ビルやタワーマンション等の給水等を行う給水装置として、縦型多段ポンプを用いる技術が知られている。
【0003】
縦型多段ポンプは、複数のインペラを有し、高圧を発生することから、駆動時にインペラを固定した主軸に大きなスラスト荷重が生じる。このスラスト荷重を支持するため、モータ軸受とは別途に、モータの下部に、アンギュラ軸受を組み合わせたポンプ軸受を設ける必要がある。
【0004】
しかし、このようなポンプ軸受は高価であり、また、組み立てが複雑で精度を要するものである。したがって、このようなポンプ軸受を設けた縦型多段ポンプは、製造コストが増大するという問題があった。
【0005】
また、組み立て性を改善するため、ポンプ段数を減らすべく、例えばインバータによりブラシレスモータを高速回転する構成とすると、軸受寿命が低下するという問題がある。したがって、従来の縦型多段ポンプは、組み立て性を改善する場合には、ポンプ段数と軸受寿命の関係による設計上の制約があった。
【0006】
そこで、一次側に設けた第1ポンプ群のインペラ及び二次側に設けた第2ポンプ群のインペラの吸込方向を、互いに逆向きに配置した多段ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような多段ポンプは、第1ポンプ群及び第2ポンプ群それぞれのインペラに作用するスラスト荷重を反対向きとすることで、主軸に加わるスラスト荷重を低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−74359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような多段ポンプは、第1ポンプ群のインペラにより増圧した水を第2ポンプ群のインペラへ迂回する流路が狭く、大きな損失が発生し、揚水性能の低下を招く恐れがあった。
【0009】
そこで、本発明は、揚水性能の低下を防止する縦型多段ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様として、縦型多段ポンプは、重力方向に延設される主軸と、第1ポンプケーシング及び前記主軸に固定される第1インペラを有し、下方から吸い込んだ水を上方に圧送する複数の第1ポンプと、前記複数の第1ポンプケーシングの上方に配置され、第2ポンプケーシング及び前記主軸に固定される第2インペラを有し、上方から吸い込んだ水を下方に圧送する複数の第2ポンプと、前記複数の第1ポンプケーシング及び前記複数の第2ポンプケーシングの外周を覆い、前記第2ポンプケーシングの周囲に、前記第1ポンプの最上段から前記第2ポンプの最上段へ続く上方に向かって流れる第1流路、及び、前記第1ポンプケーシングの周囲に、前記第2ポンプの最下段から二次側へ続く下方に向かって流れる第2流路を構成する流路ケーシングと、を備え、前記流路ケーシングは、前記第1ポンプの最上段に連通し前記第1流路の一部を構成する上昇流路及び前記第2ポンプの最下段に連通し前記第2流路の一部を構成する下降流路に仕切る板部を有する中央ケーシングと、前記複数の第2ポンプケーシングの外周を覆い、前記中央ケーシングの前記上昇流路から前記第2ポンプの最上段へ続く上方に向かって流れる前記第1流路の他部を構成する第1管ケーシングと、前記複数の第1ポンプケーシングの外周を覆い、前記中央ケーシングの前記下降流路から二次側へ続く下方に向かって流れる前記第2流路の他部を構成する第2管ケーシングと、を具備し、前記第1ポンプの最上段の前記第1ポンプケーシング及び前記第2ポンプの最下段の前記第2ポンプケーシングは、円状の吐出し口と、前記吐出し口に連通する戻し流路と、を具備し、前記中央ケーシングは、外周に沿って中心角が90度以下の円弧状で複数形成されるとともに、180度対向する位置に配置された前記上昇流路及び前記下降流路を構成する
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、揚水性能の低下を防止する縦型多段ポンプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る縦型多段ポンプの構成を示す断面図。
図2】同縦型多段ポンプに用いられる流路カバーの構成を示す上面図。
図3】同流路カバーの構成を示す断面図。
図4】同縦型多段ポンプに用いられるインペラの構成を示す断面図。
図5】同縦型多段ポンプに用いられる最下段の第1ケーシングの構成を示す断面図。
図6】同縦型多段ポンプに用いられる最下段及び最上段以外の第1ポンプケーシングの構成を示す断面図。
図7】同縦型多段ポンプに用いられる最上段の第1ポンプケーシングの構成を示す断面図。
図8】第1ポンプケーシングに設けられる戻し流路の構成を示す断面図。
図9】同縦型多段ポンプに用いられる最上段の第2ポンプケーシングの構成を示す断面図。
図10】同縦型多段ポンプに用いられる最上段及び最下段以外の第2ポンプケーシングの構成を示す断面図。
図11】同縦型多段ポンプに用いられる最下段の第2ポンプケーシングの構成を示す断面図。
図12】同縦型多段ポンプに用いられるスペーサケーシングの構成を示す断面図。
図13】同縦型多段ポンプに用いられる中央ケーシングの構成を示す断面図。
図14】同中央ケーシングの構成を図13とは別断面で示す断面図。
図15】同中央ケーシングの構成を図13中XV−XV線断面で示す断面図。
図16】同中央ケーシングの構成を図14中XVI−XVI線断面で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施形態に係る縦型多段ポンプ1の構成を、図1乃至図16を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る縦型多段ポンプ1の構成を示す断面図である。図1に示すように、縦型多段ポンプ1は、モータ11と、主軸12と、ポンプ13と、を備える。
【0015】
モータ11は、モータケーシング11aと、モータケーシング11a内に設けられる固定子と、固定子により回転される回転子と、を備える。
【0016】
主軸12は、モータ11により回転可能に構成される。主軸12は、ポンプ13に設けられる複数のインペラを固定可能に重力方向に延設される。主軸12は、例えば、モータ主軸21と、ポンプ主軸22と、軸継手23と、を備える。
【0017】
モータ主軸21は、回転子に固定される。モータ主軸21は、回転子の回転に伴い回転する。また、モータ主軸21は、モータケーシング内で軸受により支持される。
【0018】
ポンプ主軸22は、ポンプ13に配置される。ポンプ主軸22は、ポンプ13に設けられる複数のインペラ42、52が固定可能に形成される。また、ポンプ主軸22は、後述する固定された最上段のインペラ42のインペラボス部42c及び最下段のインペラ52のインペラボス部52cに当接する、スリーブ22aを有する。
【0019】
軸継手23は、モータ主軸21の回転に伴いポンプ主軸22を回転可能に、モータ主軸21とポンプ主軸22を連結する。また、軸継手23は、主軸12との間に、主軸12が回転摺動可能、且つ、主軸12との間の隙間を密封するメカニカルシール23aを備えている。
【0020】
ポンプ13は、吸込口31a及び吐出口31bを形成する流路カバー31と、上方へ向かう流れを形成する第1ポンプ群32Aと、第1ポンプ群32Aの上方に配置され、下方へ向かう流れを形成する第2ポンプ群33Aと、流路ケーシング34と、第2ポンプ群33Aの上方に配置される上部カバー35と、を備える。なお、図2及び図3に示すように、流路カバー31の吸込口31aは、最下段の第1ポンプ32への流路を形成する。流路カバー31の吐出口31bは、最下段の第1ポンプ32と流路が遮断されている。
【0021】
なお、第1ポンプ群32A及び第2ポンプ群33Aは、収納した図4に示すようなインペラ42、52が互いに逆向きに配置されることで、水の圧送方向が軸方向で互いに逆向きに設定される。即ち、第1ポンプ群32Aは水の流れ方向が上方向に、第2ポンプ群33Aは水の流れ方向が下方向に設定される。
【0022】
第1ポンプ群32Aは、複数の第1ポンプ32を積層することで構成される。第1ポンプ32は、下方から吸い込んだ水を上方に圧送する。第1ポンプ32は、第1ポンプケーシング41と、ポンプ主軸22に固定され、第1ポンプケーシング41に収納される第1インペラ42と、を備える。
【0023】
第1ポンプケーシング41は、例えば、円状の吐出し口41aと、内部に第1インペラ42を収納する収納部41bと、第1ポンプケーシング41の外周側から収納部41bの中心側に向かって形成された、吐出し口41aに連通する戻し流路41cと、一次側に連結された第1ポンプケーシング41の収納部41bに配置される案内羽根41dを備えている。
【0024】
図8に示すように、戻し流路41cは、二次側の第1ポンプケーシング41の吐出し口41aに水を誘導する複数の戻し羽根41dを有する。戻し羽根41dは、案内羽根41dである。戻し流路41cは、吐出し口41aを介して、二次側の第1ポンプケーシング41の収納部41bと連続する水の流れを形成する。
【0025】
また、第1ポンプケーシング41は、上下に隣り合う第1ポンプケーシング41、流路カバー31及び流路ケーシング34と連結可能に形成されている。これら第1ポンプケーシング41、流路カバー31及び流路ケーシング34は、ボルト等の締結部材99により一体に固定される。第1ポンプケーシング41、流路カバー31及び流路ケーシング34間は、内部の水が漏水することを防止可能にOリング等のシール部材により密封されている。
【0026】
また、第1ポンプケーシング41は、第1インペラ42と所定の隙間により離間する開口と、ポンプ主軸22及び主軸受が配置される開口とを備えており、第1インペラ42と対向する開口の内周縁部には、ライナリング41eが設けられる。
【0027】
このような第1ポンプケーシング41は、例えば、複数の部材が一体に組み合わせられることで構成され、これら複数の部材が積層されることで、第1ポンプ群32A、そして、一次側から二次側への流路を形成する。複数の第1ポンプケーシング41は、例えば、図1図5乃至図7に示すように、単数の第1ポンプケーシング部材41A、複数の第2ポンプケーシング部材41B、単数の第3ポンプケーシング部材41Cにより構成される。ここで、第1ポンプケーシング部材41Aは、第1ポンプ群32Aの最下段に配置され、二次側の第1ポンプケーシング41の収納部を構成する。第2ポンプケーシング部材41Bは、第1ポンプ群32Aの最下段及び最上段以外に配置される。第2ポンプケーシング部材41Bは、隣り合う一次側の第1ポンプケーシング41の流水路と、二次側の第1ポンプケーシング41の収納部を構成する。第3ポンプケーシング部材41Cは、第1ポンプ群32Aの最上段に配置される。第3ポンプケーシング部材41Cは、隣り合う一次側の第1ポンプケーシング41の流水路を構成する。
【0028】
第1インペラ42は、例えばステンレスや樹脂等で形成される。図4に示すように、第1インペラ42は、第1インペラ42の外周側に設けられた吐出部42aと、第1インペラ42の一方の主面側に設けられた吸込部42bと、第1インペラ42の他方の主面側から軸方向に延びるインペラボス部42cと、を備えている。第1インペラ42は、吸込部42bを軸方向で下方に向け第1ポンプケーシング41内に収納される。
【0029】
第2ポンプ33は、上方から吸い込んだ水を下方に圧送可能に構成される。第2ポンプ33は、第2ポンプケーシング51と、ポンプ主軸22に固定され、第2ポンプケーシング51に収納される第2インペラ52と、を備える。即ち、第2ポンプ33は、第1ポンプ32と比較して、第2ポンプケーシング51及び第2インペラ52を逆向きに配置することで水の圧送方向を逆向きに設定される。このため、多段の第1ポンプ群32Aは、水の流れ方向で最下段が一次側、最上段が二次側になり、そして、多段の第2ポンプ群33Aは、水の流れ方向で最上段が一次側、最下段が二次側になる。
【0030】
第2ポンプケーシング51は、例えば、円状の吐出し口51aと、内部に第2インペラ52を収納する収納部51bと、収納部51bの中心側から第2ポンプケーシング51の外周方向へ形成された、吐出し口51aに連通する戻し流路51cと、一次側に連結された第2ポンプケーシング51の収納部51bに配置される案内羽根51dと、を備えている。
【0031】
戻し流路51cは、二次側の第2ポンプケーシング51の吐出し口51aに水を誘導する複数の戻し羽根51dを有する。戻し羽根51dは、案内羽根51dである。戻し流路51cは、第2ポンプケーシング51を接続させた際に、吐出し口51aを介して、二次側の第2ポンプケーシング51の収納部51bと連続する水の流れを形成する。
【0032】
また、第2ポンプケーシング51は、上下に隣り合う第2ポンプケーシング51及び流路ケーシング34と連結可能に形成されている。これら第2ポンプケーシング51及び流路ケーシング34は、締結部材99により一体に固定される。第2ポンプケーシング51及び流路ケーシング34間は、Oリング等のシール部材により内部の水が漏水しないよう密封されている。
【0033】
また、第2ポンプケーシング51は、第2インペラ52と所定の隙間により離間する開口と、ポンプ主軸22及び主軸受が配置される開口とを備えており、第2インペラ52と対向する開口の内周縁部には、ライナリング51eが設けられる。
【0034】
また、最下段の第2ポンプケーシング51は、ポンプ主軸22に設けられたスリーブ22aと当接する水中軸受51fを有する。
【0035】
このような第2ポンプケーシング51は、例えば、複数の部材が一体に組み合わせられることで構成され、これら複数の部材が積層されることで、第2ポンプ群33A、そして、一次側から二次側への流路を形成する。複数の第2ポンプケーシング51は、例えば、図1図9乃至図11に示すように、単数の第4ポンプケーシング部材51A、複数の第5ポンプケーシング部材51B、単数の第6ポンプケーシング部材51Cにより構成される。ここで、第4ポンプケーシング部材51Aは、第2ポンプ群33Aの最上段に配置され、二次側の第2ポンプケーシング51の収納部を構成する。第5ポンプケーシング部材51Bは、第2ポンプ群33Aの最上段及び最下段以外に配置される。第5ポンプケーシング部材51Bは、隣り合う一次側の第2ポンプケーシング51の流水路と、二次側の第2ポンプケーシング51の収納部を構成する。第6ポンプケーシング部材51Cは、第2ポンプ群33Aの最下段に配置される。第6ポンプケーシング部材51Cは、隣り合う一次側の第2ポンプケーシング51の流水路を構成する。
【0036】
第2インペラ52は、例えばステンレスや樹脂等で形成される。図4に示すように、第2インペラ52は、第2インペラ52の外周側に設けられた吐出部52aと、第2インペラ52の一方の主面側に設けられた吸込部52bと、第2インペラ52の他方の主面側から軸方向に延びるインペラボス部52cと、を備えている。第2インペラ52は、第1インペラ42とは逆向きに、即ち、吸込部52bを上方に向け、第2ポンプケーシング51内に収納される。
【0037】
なお、第1ポンプ群32A及び第2ポンプ群33Aは、第1ポンプ群32Aの一次側と二次側の差圧が、第2ポンプ群33Aの一次側と二次側の差圧よりも大きくなるように構成される。このような差圧の大小関係は、例えば、第1ポンプ群32Aが有する第1インペラ42の枚数及び直径と、第2ポンプ群33Aが有する第2インペラ52の枚数及び直径の設定により生じる。
【0038】
具体的には、第1インペラ42の枚数が第2インペラ52の枚数よりも多い構成とするか、または、第1インペラ42の枚数と第2インペラ52の枚数が同数、且つ、第1インペラ42の直径が第2インペラの直径よりも大きく設定するか、または、第1インペラ42の枚数が第2インペラ52の枚数よりも多くし、且つ、第1インペラ42の直径が第2インペラ52の直径よりも小さく設定することで、差圧の大小関係が生じる。
【0039】
具体例として、本実施形態では、図1に示すように、第1インペラ42は、4つ設けられ、直径が120mmに設定されている。一方、第2インペラ52は、3つ設けられ、直径が130mmに設定されている。
【0040】
図1に示すように、流路ケーシング34は、複数の第1ポンプケーシング41及び複数の第2ポンプケーシング51の外周を覆い、第2ポンプケーシング51の周囲に、第1ポンプ32の最上段から第2ポンプ33の最上段へ続く上方に向かって流れる第1流路101、及び、第1ポンプケーシング41の周囲に、第2ポンプ33の最下段から二次側へ続く下方に向かって流れる第2流路102を構成する。
【0041】
図1に示すように、流路ケーシング34は、例えば、中央ケーシング61と、複数の第2ポンプケーシング51の外周を覆う第1管ケーシング62と、複数の第1ポンプケーシング41の外周を覆う第2管ケーシング63と、スペーサケーシング64と、を備える。流路ケーシング34は、中央ケーシング61及び第1管ケーシング62により、第1ポンプ32の最上段から第2ポンプ33の最上段へ続く第1流路101を構成する。また、流路ケーシング34は、中央ケーシング61及び第2管ケーシング63により、第2ポンプ33の最下段から二次側の流路カバー31の吐出口31bへ続く第2流路102を構成する。
【0042】
ここで、図1に示すように、スペーサケーシング64は、最上段の第2ポンプ33及び上部カバー35の間に配置され、第1管ケーシング62と上部カバー35の接続を支持する。また、図1及び図12に示すように、スペーサケーシング64は、第1流路101により誘導された水を第2ポンプ33に流入可能に、複数の吸込口64aを有する。
【0043】
図13乃至図16に示すように、中央ケーシング61は、円筒状に構成された円筒部71と、円筒部71の軸方向で中心を区画する板部72と、板部72の両主面に設けられた筒部73と、を備える。
【0044】
筒部73は、板部72の両主面のそれぞれに、対称位置で複数、例えば一対設けられる。筒部73は、一端が板部72に一体に形成され、且つ、板部72の一部を開口し、他端が円筒部71の開口端で開口する。筒部73は、開口形状が円弧状に形成される。
【0045】
図15及び図16に示すように、中央ケーシング61は、板部72の両主面側のそれぞれにおいて、筒部73が構成する開口断面積の和が、当該筒部73が構成する開口断面積の和を除した円筒部71の開口断面積の1/2以下に設定される。板部72の一方の主面側に設けられた一対の筒部73と、板部72の他方の主面側に設けられた一対の筒部73は、同じ配置関係を有し、一方側が他方側に対して軸周りで90度位相して配置される。
【0046】
中央ケーシング61は、第1流路101の一部である上昇流路61aを構成し、また、第2流路102の一部である下降流路61bを構成する。
【0047】
上昇流路61aは、中央ケーシング61の板部72に区画された下方側の筒部73を除く空間から上方側の一対の筒部73へと連続する流路である。下降流路61bは、中央ケーシング61の板部72に区画された上方側の筒部73を除く空間から下方側の一対の筒部73へと連続する流路である。上昇流路61aは、板部72の下方側の二つの開口面積の和が板部72の上方側の二つの開口断面積の和の2倍以上に設定される。
【0048】
また、円筒部71は、第1管ケーシング62及び第2管ケーシング63と水密に連結するインロー部71aを有する。インロー部71aは、第1管ケーシング62及び第2管ケーシング63と係合可能に構成され、第1管ケーシング62及び第2管ケーシング63と水密に係合する。
【0049】
また、板部72の中央部には、ポンプ主軸22に設けられ、最上段に位置する第1インペラ42のインペラボス部42c及び最下段に位置する第2インペラのインペラボス部52cに当接したスリーブ22aと、微小な隙間を介して相対する円筒状のライナリング部72aが設けられる。
【0050】
また、板部72は、最上段に位置する第1ポンプケーシング41の一部に当接する支持部72bを有する。本実施形態では、支持部72bは、4つ設けられる。
【0051】
図1に示すように、上部カバー35は、第2ポンプ群33Aの上方に配置され、流路ケーシング34の上部を覆う。具体的には、上部カバー35は、第1管ケーシング62及びスペーサケーシング64の上部を覆う。また、上部カバー35は、軸継手23に連結される。
【0052】
上部カバー35は、第1管ケーシング62の上部を覆うことで、上方への水の流出を防止するとともに、第2ポンプ群33Aと第1管ケーシング62の間を通過した水をスペーサケーシング64の吸込口64aへ誘導する流路を構成する。また、上部カバー35は、スペーサケーシング64の上部を覆うことで、上方への水の流出を防止するとともに、スペーサケーシング64に流入した水を最上段の第2ポンプ33へ誘導する流路を構成する。
【0053】
このように構成された縦型多段ポンプ1では、モータ11の駆動によりモータ主軸21が回転すると、軸継手23を介して連結されたポンプ主軸22が回転する。ポンプ主軸22が回転することで、ポンプ主軸22に固定されている第1インペラ42及び第2インペラ52が追従して回転する。
【0054】
第1インペラ42が回転することで、第1インペラ42の吸込部42bから水が吸い込まれ、第1インペラ42内で吸い込まれた水が増圧して第1インペラ42の吐出部42aから水が吐き出される。このように、第1インペラ42の吸込部42bから吸い込まれた水は、第1インペラ42内部及び第1ポンプケーシング41を介して、順次第1インペラ42内を通過し、流路カバー31の吸込口31aから中央ケーシング61の上昇流路61aへと水が揚水される。
【0055】
続いて、上昇流路61aへ揚水された水は、第2ポンプ群33Aと第1管ケーシング62の間の第1流路101を介して最上段の第2ポンプ33へ誘導される。最上段の第2ポンプ33へ誘導された水は、回転する第2インペラ52の吸込部52bから吸い込まれ、第2インペラ52内で増圧して第2インペラ52の吐出部52aから吐き出される。このように、第2インペラ52の吸込部52bから吸い込まれた水は、第2インペラ52内部及び第2ポンプケーシング51を介して、順次第2インペラ52内を通過し、最上段の第2ポンプ33から中央ケーシング61の下降流路61bへと下方向に圧送される。
【0056】
そして、下降流路61bへ圧送された水は、第1ポンプ群32Aと第2管ケーシング63の間の第2流路102を介して流路カバー31の吐出口31bへ誘導され、吐出口31bより吐き出される。
【0057】
ここで、複数の第1ポンプ32においては、各第1インペラ42により順次水が増圧されるため、各第1ポンプ32間に圧力差が生じ、ポンプ主軸22に下方向のスラスト荷重が加わる。
【0058】
一方、複数の第2ポンプ33においては、各第2インペラ52により順次水が増圧されるため、各第2ポンプ33間に圧力差が生じ、ポンプ主軸22に上方向のスラスト荷重が加わる。
【0059】
よって、複数の第1ポンプ32により生じるスラスト荷重と複数の第2ポンプ33により生じるスラスト荷重とが軸方向で逆向きに作用することで、ポンプ主軸22に生じるスラスト荷重の合力を低減することができる。これにより、主軸12に加わるスラスト荷重が低減されることから、主軸12は、モータ主軸21を支持するモータ11内の軸受により支持可能となる。
【0060】
このように構成された縦型多段ポンプ1によれば、主軸12に加わるスラスト荷重が低減されることから、モータ11内の軸受によって主軸12に加わるスラスト荷重を支持することができる。これにより、モータ11内の軸受とは別に主軸12にポンプ軸受を設ける必要がなく、製造コストを低減できる。また、主軸12に加わるスラスト荷重が低減されることから、主軸12を支持するモータ11内の軸受及びメカニカルシール23aを長寿命化することができる。
【0061】
なお、第1ポンプ群32A及び第2ポンプ群33Aは、第1ポンプ群32Aの一次側と二次側の差圧が、第2ポンプ群33Aの一次側と二次側の差圧よりも大きくなるように構成されることから、主軸12に加わるスラスト荷重は下方向に作用する。これにより、縦型多段ポンプ1は、主軸12の上下動が防止されることで安定的に運転することができる。
【0062】
また、最上段の第1ポンプケーシング41及び最下段の第2ポンプケーシング51は、第1インペラ42及び第2インペラ52を収納する収納部41b、51bを有していないが、戻し流路41c、51c及び戻し羽根41d、51dを有することから、前段の第1インペラ42または前段の第2インペラ52から吐出された水を、減速及び昇圧しつつ吐出し口41a、51aに誘導することができる。これにより、縦型多段ポンプ1は、最上段の第1ポンプケーシング41及び最下段の第2ポンプケーシング51が戻し流路41c、51c及び戻し羽根41d、51dを有さない構成に比べ、ポンプ効率を向上することができる。
【0063】
また、中央ケーシング61の上昇流路61a及び下降流路61bは、連通する第1管ケーシング62及び第2管ケーシング63が、それぞれ複数の第2ポンプケーシング51及び複数の第1ポンプケーシング41の外周を覆う構成であることから、上昇流路61a及び下降流路61bの全長を短くすることができる。これにより、上昇流路61a及び下降流路61bを通過する水の損失を低減することができる。
【0064】
また、中央ケーシング61は、上昇流路61a及び下降流路61bが吐出し側の断面積に対して吸い込み側の断面積が2倍以上の大きさに形成されるため、通過する水の損失を低減することができる。
【0065】
また、中央ケーシング61の偶数の上昇流路61a及び偶数の下降流路61bは、ともに、それぞれ180度対向する位置に配置されている。これにより、上昇流路61aを通過する水流及び下降流路61bを通過する水流によってポンプ主軸22に生じるラジアル荷重がそれぞれ逆向きに作用するため、主軸12にラジアル方向の偏荷重が生じることを防止できる。
【0066】
また、中央ケーシング61の板部72には、上昇流路61aを通過する水流及び下降流路61bを通過する水流によって板部72に大きな応力が生じる。ここで、板部72は、複数の支持部72bを有し、支持部72bが第1ポンプケーシング41の一部に当接することで、当該応力によって板部72がたわむことを防止できる。
【0067】
また、第1流路101及び第2流路102は、中央ケーシング61、複数の第2ポンプケーシング51の外周を覆う第1管ケーシング62、及び、複数の第1ポンプケーシング41の外周を覆う第2管ケーシング63により構成される。これにより、縦型多段ポンプ1は、第1流路101及び第2流路102を構成するための配管を別途備える必要がなく、小型化することができる。縦型多段ポンプ1を小型化することにより、縦型多段ポンプ1の給水装置への組み込みが容易となる。
【0068】
上述したように、本発明の一実施形態に係る縦型多段ポンプ1によれば、給水装置への組み込みが容易であり、且つ、揚水性能の低下を防止することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、第1インペラ42が4つ、第2インペラ52が3つ設けられ、第1インペラ42の直径が第2インペラ52の直径よりも小さく形成される例を説明したが、これに限定されず、適宜設定可能である。ただし、第1インペラ42及び第2インペラ52の数及び直径は、複数の第1ポンプ32により発生する圧力が、複数の第2ポンプ33により発生する圧力よりも大きくなるように構成されることが好ましい。
【0070】
例えば、第1インペラ42の枚数と第2インペラ52の枚数が同数であってもよい。この場合は、第1インペラ42の直径を第2インペラの直径よりも大きくすることで、複数の第1ポンプ32により発生する圧力を、複数の第2ポンプ33により発生する圧力よりも大きくすることが好ましい。
【0071】
具体例として、第1インペラ42及び第2インペラ52がそれぞれ3枚設けられる場合は、第1インペラ42の直径は、例えば134mmに形成し、第2インペラ52の直径は、例えば第1インペラ42の直径よりも小さい120mmに形成する。
【0072】
このように構成された縦型多段ポンプ1によれば、複数の第1ポンプ32によりポンプ主軸22に作用するスラスト荷重と、複数の第2ポンプ33によりポンプ主軸22に作用するスラスト荷重との合力が、下方向に作用する。これにより、縦型多段ポンプ1の駆動時に主軸12に作用する力は、下方向に作用することから、主軸12を支持するモータ11の軸受に逆スラストが作用することを防止できる。
【0073】
また、本実施形態では、複数設けられる最下段の第2ポンプケーシング51が、ポンプ主軸22に設けられたスリーブ22aと当接する水中軸受51fを有する例を説明したが、これに限定されない。水中軸受51fは、例えば、中央ケーシング61のライナリング部72aに設けられる構成であってもよい。即ち、水中軸受51fは、主軸12に生じるラジアル荷重を支持可能であれば、設けられる位置は適宜設定可能である。
【0074】
なお、中央ケーシング61のライナリング部72aに水中軸受51fを設けた場合は、この水中軸受51fは、中央ケーシング61とポンプ主軸22との間で漏れが生じることも防止できるため、中央ケーシング61にライナリング部72aを設ける必要がない。
【0075】
また、中央ケーシング61は、板部72の一方の主面側に設けられた一対の筒部73と、板部72の他方の主面側に設けられた一対の筒部73は、同じ配置関係を有し、一方側が他方側に対して軸周りで90度位相して配置される例を説明したが、これに限定されない。筒部73の数、形状、及び、配置は、同じ配置関係を有する筒部73同士が軸周りで対称位置且つ等間隔を空けて配置されていれば、適宜設定可能である。
【0076】
具体例として、中央ケーシング61は、板部72の両方の主面側に、開口形状が円筒部71の外周に沿って中心角90度以下の円弧状に等間隔で形成される筒部73をそれぞれ偶数有し、両主面側の複数の筒部73が軸周りで対称位置に配置される構成であってもよい。このような中央ケーシング61は、軸周りに位相するとともに軸方向でずれた上昇流路61a及び偶数の下降流路61bを構成する。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] 重力方向に延設される主軸と、
第1ポンプケーシング及び前記主軸に固定される第1インペラを有し、下方から吸い込んだ水を上方に圧送する複数の第1ポンプと、
前記複数の第1ポンプケーシングの上方に配置され、第2ポンプケーシング及び前記主軸に固定される第2インペラを有し、上方から吸い込んだ水を下方に圧送する複数の第2ポンプと、
前記複数の第1ポンプケーシング及び前記複数の第2ポンプケーシングの外周を覆い、前記第2ポンプケーシングの周囲に、前記第1ポンプの最上段から前記第2ポンプの最上段へ続く上方に向かって流れる第1流路、及び、前記第1ポンプケーシングの周囲に、前記第2ポンプの最下段から二次側へ続く下方に向かって流れる第2流路を構成する流路ケーシングと、
を備える縦型多段ポンプ。
[2] 前記流路ケーシングは、
前記第1ポンプの最上段に連通し前記第1流路の一部を構成する上昇流路及び前記第2ポンプの最下段に連通し前記第2流路の一部を構成する下降流路に仕切る板部を有する中央ケーシングと、
前記複数の第2ポンプケーシングの外周を覆い、前記中央ケーシングの前記上昇流路から前記第2ポンプの最上段へ続く上方に向かって流れる前記第1流路の他部を構成する第1管ケーシングと、
前記複数の第1ポンプケーシングの外周を覆い、前記中央ケーシングの前記下降流路から二次側へ続く下方に向かって流れる前記第2流路の他部を構成する第2管ケーシングと、
を備える[1]に記載の縦型多段ポンプ。
[3] 前記第1ポンプの最上段の前記第1ポンプケーシング及び前記第2ポンプの最下段の前記第2ポンプケーシングは、円状の吐出し口と、前記吐出し口に連通する戻し流路と、を備える[2]に記載の縦型多段ポンプ。
[4] 前記中央ケーシングは、外周に沿って中心角が90度以下の円弧状で複数形成されるとともに、180度対向する位置に配置された前記上昇流路及び前記下降流路を構成する[2]または[3]に記載の縦型多段ポンプ。
[5] 前記中央ケーシングは、前記板部の下部に、前記第1ポンプの最上段の前記第1ポンプケーシングの一部に当接する複数の支持部を備える[3]または[4]に記載の縦型多段ポンプ。
[6] 前記主軸に設けられ、前記第1ポンプの最上段の前記第1インペラのインペラボス部及び前記第2ポンプの最下段の前記第2インペラのインペラボス部に当接するスリーブと、 前記スリーブと隙間を介して相対する円筒状のライナリング部を有する前記中央ケーシングと、
を備える[2]乃至[5]のいずれか一項に記載の縦型多段ポンプ。
[7] 前記第1インペラの及び前記第2インペラは、前記第1インペラの枚数が前記第2インペラの枚数よりも多い[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の縦型多段ポンプ。
【符号の説明】
【0078】
1…縦型多段ポンプ、11…モータ、11a…モータケーシング、12…主軸、13…ポンプ、21…モータ主軸、22…ポンプ主軸、22a…スリーブ、23…軸継手、23a…メカニカルシール、31…流路カバー、31a…吸込口、31b…吐出口、32…第1ポンプ、32A…第1ポンプ群、33…第2ポンプ、33A…第2ポンプ群、34…流路ケーシング、35…上部カバー、41…第1ポンプケーシング、41a…吐出し口、41b…収納部、41c…戻し流路、41d…戻し羽根(案内羽根)、41e…ライナリング、41A…第1ポンプケーシング部材、41B…第2ポンプケーシング部材、41C…第3ポンプケーシング部材、42…第1インペラ(インペラ)、42a…吐出部、42b…吸込部、42c…インペラボス部、51…第2ポンプケーシング、51a…吐出し口、51b…収納部、51c…戻し流路、51d…戻し羽根(案内羽根)、51e…ライナリング、51f…水中軸受、51A…第4ポンプケーシング部材、51B…第5ポンプケーシング部材、51C…第6ポンプケーシング部材、52…第2インペラ(インペラ)、52a…吐出部、52b…吸込部、52c…インペラボス部、61…中央ケーシング、61a…上昇流路、61b…下降流路、62…第1管ケーシング、63…第2管ケーシング、64…スペーサケーシング、71…円筒部、71a…インロー部、72…板部、72a…ライナリング部、72b…支持部、73…筒部、99…締結部材、101…第1流路、102…第2流路。
【要約】
【課題】揚水性能の低下を防止する縦型多段ポンプを提供すること。
【解決手段】縦型多段ポンプ1は、重力方向に延設される主軸12と、下方から吸い込んだ水を上方に圧送する複数の第1ポンプ32と、複数の第1ポンプ32の上方に配置され、上方から吸い込んだ水を下方に圧送する複数の第2ポンプ33と、複数の第1ポンプ32及び複数の第2ポンプ33の外周を覆い、第2ポンプ33の周囲に、第1ポンプ32の最上段から第2ポンプ33の最上段へ続く上方に向かって流れる第1流路101、及び、第1ポンプ32の周囲に、第2ポンプ33の最下段から二次側へ続く下方に向かって流れる第2流路102を構成する流路ケーシング34と、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2
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図10
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図16