特許第6596546号(P6596546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6596546
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】物品宅配装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 67/00 20060101AFI20191010BHJP
   B62J 9/00 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B65D67/00 D
   B62J9/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-125943(P2018-125943)
(22)【出願日】2018年7月2日
【審査請求日】2018年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000152125
【氏名又は名称】株式会社プレッシオ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】石黒 琢也
(72)【発明者】
【氏名】高木 康次
【審査官】 蓮井 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−119169(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3160756(JP,U)
【文献】 実公昭57−61019(JP,Y2)
【文献】 実開平2−114666(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第105540049(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00
B62J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両の荷台に固定して使用する略矩形箱状の物品宅配装置であって、
複数部の新聞を積み重ねることが可能な底壁と、
前記底壁上に積み重ねた新聞を取り出し可能な側方の開口部を有する少なくとも1つの側壁を含む4つの側壁と、
前記少なくとも1つの側壁に沿って上下に移動可能に設けられ、前記側方の開口部を開閉する蓋と、
前記4つの側壁の上端縁により囲まれた矩形の上方の開口部を開閉可能な天壁と、
前記天壁を閉じ位置に施錠して前記物品宅配装置内へのアクセスを禁止する天壁錠と、を有し、
前記天壁は、前記閉じ位置に配置した状態で前記蓋の上端に対向し当該蓋上方に開くことを禁止するとともに、前記天壁を開けた状態で前記蓋を上方に開くことを可能にした物品宅配装置。
【請求項2】
移動車両の荷台に固定して使用する略矩形箱状の物品宅配装置であって、
複数部の新聞を積み重ねることが可能な底壁と、
前記底壁上に積み重ねた新聞を取り出し可能な開口部を有する少なくとも1つの側壁を含む4つの側壁と、
前記開口部を開閉する蓋と、
前記開口部を閉じた前記蓋を前記物品宅配装置の内側から施錠可能な蓋錠と、
開閉可能な天壁と、
前記天壁を閉じ位置に施錠して前記物品宅配装置内へのアクセスを禁止する天壁錠と、を有し、
前記天壁を施錠した状態で前記蓋を開くことを禁止するとともに、前記天壁錠を解錠して前記天壁を開けた状態で前記蓋を開くことを可能にした物品宅配装置。
【請求項3】
前記側方の開口部は、複数部の新聞を前記底壁上に積み重ねた第1の積層体から新聞を取り出し可能な第1の開口部と、複数部の新聞を前記第1の積層体に並べて前記底壁上に積み重ねた第2の積層体から新聞を取り出し可能な前記第1の開口部に並設した第2の開口部と、を有し、
前記第1の積層体と前記第2の積層体の間に着脱可能に取り付けられ、前記物品宅配装置の内部空間を2つに区画する仕切板をさらに有する、
請求項1の物品宅配装置。
【請求項4】
前記仕切板は、前記天壁側の上端縁から前記底壁側の下端縁に向けて切り欠いた切り欠き部を有する、
請求項3の物品宅配装置。
【請求項5】
前記底壁は、当該底壁を貫通した排水口を有する、
請求項1の物品宅配装置。
【請求項6】
前記天壁は、前記閉じ位置に配置した状態で、前記側方の開口部を有する側壁から当該側壁と反対側の側壁に向けて下方に傾斜している、
請求項1の物品宅配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、新聞や商品などの物品を入れて宅配するための物品宅配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞をオートバイの荷台に積み込むため、専用の収納装置が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−239690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、各種商品の通信販売を利用する利用者が増えており、商品を利用者の自宅に宅配する作業員が不足しつつある。このため、新聞販売店の作業員が新聞を配達していない時間帯を利用して、新聞以外の商品を宅配するサービスが普及されつつある。新聞の配達には、通常、オートバイが利用される。
【0005】
しかし、上述した従来の収納装置のように新聞専用にあつらえた装置を新聞以外の商品の宅配に利用することは難しい。例えば、特許文献1の装置は、新聞を横から取り出すことができるように枠状の構造を有し、商品を収容した場合には脱落のおそれがある。また、作業員が商品を宅配しているときに装置に収納した他の商品がむき出しになっているため、セキュリティー上の問題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、新聞を収容して宅配することができるとともに、新聞以外の商品等も収容して宅配することができる物品宅配装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の物品宅配装置の一態様は、移動車両の荷台に固定して使用する略矩形箱状のものであって、複数部の新聞を積み重ねることが可能な底壁と、底壁上に積み重ねた新聞を取り出し可能な側方の開口部を有する少なくとも1つの側壁を含む4つの側壁と、少なくとも1つの側壁に沿って上下に移動可能に設けられ、側方の開口部を開閉する蓋と、4つの側壁の上端縁により囲まれた矩形の上方の開口部を開閉可能な天壁と、天壁を閉じ位置に施錠して前記物品宅配装置内へのアクセスを禁止する天壁錠と、を有する。天壁は、閉じ位置に配置した状態で蓋の上端に対向し当該蓋上方に開くことを禁止するとともに、天壁を開けた状態で蓋を上方に開くことを可能にする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の物品宅配装置によれば、新聞を収容して宅配することができるとともに、新聞以外の商品等も収容して宅配することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る物品宅配装置を示す外観斜視図である。
図2図2(a)は、図1の物品宅配装置を一側面側から見た側面図であり、図2(b)は、物品宅配装置を上方から見た平面図であり、図2(c)は、物品宅配装置を他の側面側から見た側面図である。
図3図3は、図1の物品宅配装置の天壁を開けて蓋をスライドさせた状態を示す斜視図である。
図4図4は、図3の物品宅配装置をF4−F4に沿って切断した蓋のスライド支持構造を示す部分拡大断面図である。
図5図5は、図1の物品宅配装置の中に仕切板を配置した状態を示す斜視図である。
図6図6は、図1の物品宅配装置の底壁に設けた排水孔を示す部分断面斜視図である。
図7図7は、図4の蓋の第1の変形例を示す断面図である。
図8図8は、図4の蓋の第2の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、新聞や商品等の物品(図示せず)を宅配する物品宅配装置1を示す外観斜視図である。図2(a)は図1の物品宅配装置1を一側面側から見た側面図であり、図2(b)は物品宅配装置1を上方から見た平面図であり、図2(c)は物品宅配装置1を他の側面側から見た側面図である。
【0011】
物品宅配装置1は、例えばオートバイや自転車などの図示しない移動車両の荷台に固定して使用される。本実施形態では、物品宅配装置1は、図2(a)に示す一側面が移動車両の走行方向に向かって左側(日本では歩道側)に配置され、図2(c)に示す他の側面が移動車両の走行方向の後方に配置される姿勢で荷台に取り付けられる。
【0012】
本実施形態の物品宅配装置1は、図示のように、略矩形箱状の筐体10を有する。筐体10は、矩形板状の底壁11、矩形板状の4枚の側壁12、13、14、15、および天壁16を有する。4枚の側壁12、13、14、15は、底壁11の4つの辺それぞれに接続され、底壁11と直交する方向に延設されている。筐体10は、例えば、板金や樹脂などにより形成される。
【0013】
底壁11は、図示しない複数部の新聞を積み重ねて集積することができる平らな内面を有する。底壁11は、少なくとも、4つ折りにした大きさの新聞を複数部積み重ねた図示しない第1の積層体と、同じく4つ折りにした複数部の新聞を積み重ねた図示しない第2の積層体と、を移動車両の走行方向に沿って前後に並べて載置可能な大きさを有する。
【0014】
移動車両の左側の側壁12は、物品宅配装置1内に収容した第1の積層体から新聞を取り出し可能な位置に第1の開口部21を有する。また、側壁12は、物品宅配装置1内に収容した第2の積層体から新聞を取り出し可能な位置に第2の開口部22を有する。第1の開口部21は、移動車両の走行方向の前方に設けられ、第2の開口部22は、移動車両の走行方向の後方で第1の開口部21に並べて設けられている。
【0015】
第1および第2の開口部21、22は、それぞれ、4つ折りにした新聞の幅よりわずかに狭い幅の略矩形状に形成されている。各開口部21、22の上端縁は、天壁16の後述する側板部18よりわずかに下方に離間した位置にあり、各開口部21、22の下端縁は、底壁11からわずかに上方に離間した位置にある。これにより、各開口部21、22から後述する蓋31、32を取り外した状態であっても、筐体内に収容した新聞が開口部21、22の縁に引っ掛かって、開口部21、22から脱落しないようになっている。
【0016】
本実施形態では、上述したように、左側の側壁12だけに2つの開口部21、22(側方の開口部)を設けた。つまり、他の3枚の側壁13、14、15には、開口部を設けていない。しかし、開口部21、22は、4枚の側壁12、13、14、15のうちいずれの側壁に設けてもよく、第1の積層体または第2の積層体から新聞を取り出し可能な位置に少なくとも1つずつ設ければよい。例えば、左側の側壁12に第1の積層体に対向する開口部21を設けて、右側の側壁14に第2の積層体に対向する開口部22を設けてもよい。或いは、左側の側壁12に2つの開口部21、22を設けて、右側の側壁14にも2つの開口部21、22を設けてもよい。
【0017】
天壁16は、4枚の側壁12、13、14、15の上端縁により囲まれた矩形の開口部24(上方の開口部)図3)を開閉可能に設けられている。天壁16は、底壁11や開口部24より一回り大きい矩形板状の蓋板部17、および蓋板部17の4つの端辺から下方に一体に垂設した枠状の側板部18を有する。
【0018】
蓋板部17は、開口部24に対向することが可能で、開口部24を覆う大きさを有する。蓋板部17は、天壁16を図1に示す閉じ位置に配置した状態で、開口部21、22を有する側壁12から反対側の側壁14に向けて下方にわずかに傾斜している(図2c参照)。このため、天壁16上に降った雨は、天壁16上に溜まることなく、傾斜に沿って側壁14側(移動車両の右側)に流れ落ちる。
【0019】
側板部18は、4枚の側壁12、13、14、15の上端側の外面に沿ってそれぞれ延設された4枚の板体を開口部24に沿って枠状につなげた形状を有する。よって、天壁16を図1に示す閉じ位置に配置した状態で、側板部18は、4枚の側壁12、13、14、15の外面の一部を外側から部分的に覆う。
【0020】
天壁16の側壁14側(移動車両の右側)には、天壁16の側板部18を側壁14の上端近くに回動可能に連結したヒンジ部19が設けられている。天壁16は、このヒンジ部19を介して側壁14に対して回動可能に取り付けられている。このため、天壁16は、ヒンジ部19を中心に図1に示す閉じ位置と図示しない開放位置との間で回動可能となっている。本実施形態では、図2(b)に示すように、側壁14の上端辺に沿って互いに離間した3つのヒンジ部19を設けた。
【0021】
2つの開口部21、22の間で側壁12の上端近くには、天壁16を図1に示す閉じ位置に施錠するための天壁錠20が設けられている。本実施形態における天壁錠20は、図示しない鍵を用いて施錠および解錠が可能なものである。しかし、天壁錠20は、この他に、例えば、番号キーやカードキーなどであってもよい。
【0022】
図3に示すように、左側の側壁12の開口部21、22には、それぞれ、矩形板状の蓋31、32が、開口部21、22を開閉可能に設けられている。本実施形態では、蓋31、32を側壁12の内面に沿って上下にスライド可能に支持した。このため、天壁16を開放した状態で、蓋31、32を側壁12の内面に沿って上方にスライドさせることにより、蓋31、32を開口部21、22から取り外し可能となっている。
【0023】
逆に、開口部21、22の内面側に蓋31、32を取り付けて天壁16を図1に示す閉じ位置に配置した状態では、天壁16の蓋板部17が邪魔になって、蓋31、32を上方に引き抜くことができない。このため、天壁16を閉じた状態では、蓋31、32を開口部21、22から取り外すことができない。よって、蓋31、32により開口部21、22を塞いだ状態で天壁16を施錠することで、開口部21、22を介して物品宅配装置1の筐体10内へのアクセスができなくなり、セキュリティーを確保することができる。
【0024】
図4は、図3の一方の蓋32のスライド支持構造を示すF4−F4線に沿った断面図である。ここでは、一方の蓋32のスライド支持構造について説明し、同じ構造のもう一方の蓋31のスライド支持構造の説明を省略する。
開口部22を有する側壁12は、二重板構造を有する。つまり、側壁12は、物品宅配装置1の外面側に位置する外板41、および物品宅配装置1の内面側に位置する内板42を有する。内板42のさらに内面側には、商品を保護するための衝撃吸収性を有する内貼り部材44が設けられている。外板41と内板42は、例えば、板体を折り曲げた形状のフレーム43を介して部分的に連結されており、互いに離間して平行に配置されている。外板41および内板42の所定位置には、上述した開口部22が形成されている。
【0025】
開口部22の縁には、防水のためのシール部材45が設けられている。シール部材45は、開口部22の全周に設けられている。より具体的には、シール部材45は、外板41の開口部22の縁の全周に設けられているとともに、内板42の開口部22の縁の全周に設けられている。また、開口部22の上下方向に延設された縁部には、蓋32の上下方向に延設された2つの端辺をスライド可能に受け入れる2本のレール46R、46Lが設けられている。レール46R、46Lは、開口部22の縁に隣接して内板42の外面に取り付けられている。
【0026】
上述したように、外板41の開口部22の縁にシール部材45を設けることにより、開口部22を介して外板41と蓋32の外面との間に侵入する雨水を防ぐことができる。また、開口部22を介して外板41と蓋32の間にわずかな雨水が侵入した場合であっても、内板42の開口部22の縁に設けたシール部材45により、蓋32の内面と内板42の開口部22の縁との間を水が浸入することを防止することができる。
【0027】
図5に示すように、物品宅配装置1の筐体10内には、仕切板50が着脱可能に取り付けられる。仕切板50は、底壁11上に積重ねた図示しない第1の積層体と図示しない第2の積層体の間に着脱可能に取り付けられる。仕切板50は、側壁13、15と略平行な向きで取り付けられる。仕切板50は、物品宅配装置1の筐体10内に取り付けた状態で、物品宅配装置1の筐体10の内部空間を前後に2つに区画する。
【0028】
仕切板50は、天壁16側の上端縁から底壁11側の下端縁に向けて切り欠いた切り欠き部52を有する。この切り欠き部52は、天壁16を開けて開口部24を介して新聞の積層体(第1の積層体、第2の積層体)を物品宅配装置1内に入れるとき、積層体の側面を手で支え易くするために設けられている。よって、この切り欠き部52は、少なくとも作業員の掌程度の大きさを有することが望ましい。
【0029】
また、仕切板50は、開口部24を介して物品宅配装置1内に新聞以外の商品などを入れるとき、筐体10から取り外される。取り外された仕切板50は、筐体10の底壁11や側壁12、13、14、15の内面に固定され、物品宅配装置1の筐体10内に収容可能である。上述した2枚の蓋31、32も、同様に、開口部21、22から取り外した後、物品宅配装置1の筐体10内に収容可能である。
【0030】
図6に示すように、物品宅配装置1の筐体10の底壁11には、底壁11を貫通した排水孔60が設けられている。本実施形態では、底壁11の対角に2つの排水孔60を設けた。具体的には、側壁12と側壁15の間の底壁11の角部、および側壁13と側壁14の間の底壁11の角部近くに、それぞれ、排水孔60を設けた。底壁11の内面には、排水孔60に向けて下方に傾斜した溝などを設けてもよい。或いは、底壁11の内面形状を、排水孔60に向けてわずかに下方に傾斜した形状にしてもよい。
【0031】
排水孔60は、筐体10内に入った雨水を排水する。物品宅配装置1は、新聞を宅配する際に、側壁12の開口部21、22に設けた蓋31、32を取り外して開口部21、22を開放したままにする。つまり、新聞を配達する際には、作業性を高めるため、開口部21、22を開放する。このため、雨が降っている場合には、開口部21、22を介して筐体10内に雨水が入る。新聞は、ビニール袋で個装されているため、雨に濡れる心配はない。新聞以外の商品を筐体10内に収容して宅配する場合には、排水孔60は、図示しない栓により塞がれる。この栓は、筐体10の内側から着脱可能であり、筐体10の外側から着脱不能である。
【0032】
以上のように、本実施形態によると、新聞を配達する際には、筐体10の左側の側壁12に設けた開口部21、22を開放して作業性を向上させることができ、新聞以外の商品などを筐体10内に収容して宅配する際には、開口部21、22を蓋31、32で塞いで商品の脱落を防止することができる。このため、新聞の宅配に適した装置と商品の宅配に適した装置を別々に用意する必要がなく、1つの装置で新聞および商品用に兼用にすることができる。これにより、宅配する物品の種類に合わせて装置を移動車両に対して付け替える必要がなく、作業性を向上させることができる。また、これにより、複数種類の装置を用意する必要がなく、使用していない装置を保管する場所を確保する必要もなく、装置の管理コストを低減することができる。
【0033】
また、本実施形態の物品宅配装置1のように、天壁16を施錠した状態で、側壁12の開口部21、22を塞いだ蓋31、32の取り外しを不能とすることで、新聞以外の商品などを宅配する際に、物品宅配装置1内に収容した商品の盗難を防止することができ、セキュリティーを確保することができる。
【0034】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を超えることなく任意に変更可能である。例えば、上述した実施形態では、側壁12の開口部21、22を塞ぐ蓋31、32を上下にスライド可能な蓋にしたが、これに限らず、図7または図8に示すようなキャップ体70、80を用いて側壁12の開口部21、22を塞ぐようにしてもよい。この場合、筐体10の外側から開口部21、22より一回り大きい矩形のキャップ体70、80を開口部21、22に装着可能とし、筐体10の内側から蓋錠72、82によってキャップ体70、80を施錠すればよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
移動車両の荷台に固定して使用する略矩形箱状の物品宅配装置であって、
複数部の新聞を積み重ねることが可能な底壁と、
前記底壁上に積み重ねた新聞を取り出し可能な開口部を有する少なくとも1つの側壁を含む4つの側壁と、
前記開口部を開閉する蓋と、
開閉可能な天壁と、
前記天壁を閉じ位置に施錠して前記物品宅配装置内へのアクセスを禁止する天壁錠と、を有し、
前記天壁を施錠した状態で前記蓋を開くことを禁止するとともに、前記天壁錠を解錠して前記天壁を開けた状態で前記蓋を開くことを可能にした物品宅配装置。
[2]
前記開口部を閉じた前記蓋を前記物品宅配装置の内側から施錠可能な蓋錠をさらに有する、
[1]の物品宅配装置。
[3]
前記開口部は、複数部の新聞を前記底壁上に積み重ねた第1の積層体から新聞を取り出し可能な第1の開口部と、複数部の新聞を前記第1の積層体に並べて前記底壁上に積み重ねた第2の積層体から新聞を取り出し可能な前記第1の開口部に並設した第2の開口部と、を有し、
前記第1の積層体と前記第2の積層体の間に着脱可能に取り付けられ、前記物品宅配装置の内部空間を2つに区画する仕切板をさらに有する、
[1]の物品宅配装置。
[4]
前記仕切板は、前記天壁側の上端縁から前記底壁側の下端縁に向けて切り欠いた切り欠き部を有する、
[3]の物品宅配装置。
[5]
前記底壁は、当該底壁を貫通した排水口を有する、
[1]の物品宅配装置。
[6]
前記天壁は、前記閉じ位置に配置した状態で、前記開口部を有する側壁から当該側壁と反対側の側壁に向けて下方に傾斜している、
[1]の物品宅配装置。
【符号の説明】
【0035】
1…物品宅配装置、 10…筐体、 12、13、14、15…側壁、 16…天壁、 19…ヒンジ部、 20…天壁錠、 21、22…開口部、 31、32…蓋、 50…仕切板、 52…切り欠き部、 60…排水孔。
【要約】
【課題】新聞を収容して宅配することができるとともに、新聞以外の商品等も収容して宅配することができる物品宅配装置を提供する。
【解決手段】物品宅配装置1は、移動車両の荷台に固定して使用する略矩形箱状のものであって、複数部の新聞を積み重ねることが可能な底壁11と、底壁上に積み重ねた新聞を取り出し可能な開口部21、22を有する側壁12を含む4つの側壁と、開口部を開閉する蓋31、32と、開閉可能な天壁16と、天壁を閉じ位置に施錠して物品宅配装置1内へのアクセスを禁止する天壁錠20と、を有する。物品宅配装置1は、天壁を施錠した状態で蓋を開くことを禁止するとともに、天壁錠を解錠して天壁を開けた状態で蓋を開くことを可能にする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8