(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
【0012】
[代謝向上用発熱組成物]
本実施形態の代謝向上用発熱組成物は、経口摂取用であって、植物発酵物を含み、以下の条件を満たすものである。
条件:前記代謝向上用発熱組成物1.20gに、25.0℃の水1mlを混合させたとき、前記代謝向上用発熱組成物の温度が2.0℃以上上昇する。
【0013】
本実施形態の代謝向上用発熱組成物は、植物発酵物を含むことを前提として、代謝の向上の作用に着目して完成されたものである。そして、本実施形態の代謝向上用発熱組成物は、上記の条件を満たすことによって、これを経口摂取したものの代謝をすばやく向上できる。
本発明において上記のような条件を採用した理由としては、従来技術に対し、より代謝向上作用を有する発熱組成物を検討する中で、発熱組成物の組成だけでは特徴を一般化して規定することが困難であり、上記の条件を満たす発熱組成物と、上記の条件を満たさない発熱組成物を用いた場合とで、代謝向上作用が有意に得られる場合と、そうでない場合とがあることが見出されたためである。そこで、本発明においては、代謝用発熱組成物が満たすべき新たな指標として上記の条件が新たに考案された。
【0014】
条件において、代謝向上用発熱組成物の水との混合方法は、両者が素早く均一に混合されればよく、公知の方法を用いることができる。本実施形態の代謝向上用発熱組成物は、水溶解性が良好であるが、撹拌する際は、摩擦熱が発生しない程度に緩く行う。用いられる水は、純水、またはイオン水である。温度の測定は適当な大きさの容器内に代謝向上用発熱組成物を投入し、予め、代謝向上用発熱組成物中に温度計を差し込んで行うことがよい。また、代謝向上用発熱組成物は、水と接触した直後から温度が上昇し始めるため、その最高到達温度を上昇温度とする。かかる操作は、室温(25℃)で行われることが好ましい。
なお、代謝向上用発熱組成物の温度とは、代謝向上用発熱組成物1.2gが投入された容器内の温度と同等であり、代謝向上用発熱組成物の最高到達温度とは、代謝向上用発熱組成物1.2gと水1ml(25℃)とが混合された直後からの当該容器内の最高到達温度と同等である。
【0015】
上記の条件において、代謝向上用発熱組成物が水と接触した直後から、最高到達温度までに到達する時間は、40〜70秒であることが好ましく、50〜60秒であることがより好ましい。これにより、代謝をすばやく向上できる。
【0016】
代謝向上用発熱組成物が水に接触することで発熱反応がおこるメカニズムはいまだ明らかにはなっていない。しかしながら、以下のような製法上の工夫を施すことにより、上記の条件を満たす組成物が得られると推測される。すなわち、植物の発酵物を前提とすること、植物を適切に発酵させること、植物発酵物と添加物とを適切に組み合わせること、植物発酵物と添加物との混合状態に応じて乾燥条件を適切に制御することが挙げられる。例えば、植物を糖類とともに発酵させ、ばれいしょデンプンを組み合わせて、これを加熱したドラム上に塗布し、加熱乾燥することで、適切に水分が除去されつつも水溶解性に優れた組成物が得られ、その結果、上記の条件を満たす発熱作用を有する組成物が安定的に得られると考えられる。
植物の発酵条件、および乾燥条件は、いずれも公知の方法であるが、適切な材料とともにその条件を適切に組み合わせることで、上記の条件を満たす代謝向上用発熱組成物を得ることができる。また、できるだけ熱を加えずに乾燥させることで成分を破壊させず、発熱作用が保持されると推測される。
【0017】
本実施形態の代謝向上用発熱組成物の総熱量は、3.0〜4.8kcal/gであることが好ましく、3.5〜4.5kcal/gであることがより好ましく、3.6〜4.2kcal/gであることがさらに好ましい。
代謝向上用発熱組成物の総熱量を、上記下限値以上とすることにより、基礎代謝を向上しつつ、嗜好性を良好に保持でき、上記上限値以下とすることにより、健康食品としての機能が保持される。
【0018】
以下、本実施形態の代謝向上用発熱組成物に含まれる成分について、詳述する。
【0019】
植物発酵物とは、植物を糖類ともに、乳酸菌及び/又は酵母により発酵させたものである。
原料となる植物は、食用のものであればよく、野菜であっても果実であってよく、例えば、果菜類(米類、豆類を含む)、葉菜類、根菜類、菌茸類、海藻類、柑橘類等が挙げられる。具体的には、キャベツ、ダイコン、カブ、ハクサイ、タマネギ、ナス、キュウリ、ニンニク、ホウレンソウ、ピーマン、パセリ、ニンジン、ブロッコリー、サツマイモ、サトイモ、サニーレタス、ししとう、ジャガイモ、ショウガ、カリフラワー、レモン、モヤシ、レンコン、しどけ、ニラ、セロリ、三つ葉、水菜、フキ、分葱、小松菜、春菊、ゴボウ、タケノコ、カボチャ、ウリ、冬瓜、アスパラガス、ミョウガ、トマト、昆布、ワカメ、ヒジキ、メロン、グレープフルーツ、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、プルーン、カリン、洋ナシ、サクランボ、アンズ、スモモ、カシス、クランベリー、ハスカップ、オリーブ、マキベリー、アサイー、バナナ、スイカ、みかん、夏みかん、八朔、パイナップル、ブドウ、ナシ、カキ、リンゴ及びキウイなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいが、2種以上が好ましく、数十種類以上を組み合わせて用いることがより好ましい。
【0020】
なお、素早い代謝効果を得る観点からは、山野草は用いないことがよい。山野草により、体内吸収速度が抑制される結果、代謝効果が得られるまでの時間が長くなると推測される。また、良好な発熱速度が得られにくくなる。
例えば、山野草とは、ツクシ、ドクダミ、フキ、ヨモギ、フキノトウ、ハブ茶、ノビル、エゾウコギ、ヤブガラシ、オオバコ、シソ、カキドウシ、サルトリイバラ、カワラケツメイ、クズ、松の葉、ミゾソバ、カンゾウ、キクイモ、キダチアロエ葉、ハハコグサ、アカザ、ハコベ、クコ葉、セイヨウカラシナ、ウコン、ナズナ、クマザサ、セリ、スイカズラ、イチョウ葉、スギナ、タンポポ、ウコギ、ツチアケビ、アカメガシワ、ツユクサ、アマチャヅル、ツルナ、ナタマメ、ナンテン葉、ハトムギ、ハブ草、アマドコロ、マタタビ、オトギリソウ、及びアケビの実等である。
【0021】
糖類としては、ブドウ糖、乳糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖、還元パラチノース、ソルビトール、還元乳糖、L−アラビノース、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノース、およびパラチノースオリゴ糖等の糖類が挙げられる。また、天然甘味料として、上白糖、粗糖、黒糖、糖蜜、甜菜糖及び三温糖等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、良好な嗜好性が保持しつつ、代謝向上作用を得る観点から、天然甘味料であることが好ましく、なかでも粗糖であることがより好ましい。
なお、糖類は植物原材料として、植物とともに添加されていてもよい。
【0022】
また、本実施形態の代謝向上用発熱組成物は、さらに、植物発酵物に加え、デンプン類、水溶性ビタミン類、嗜好性成分、機能性食品成分、香料、植物エキスなどを含むものであってもよい。
この場合、植物発酵物の含有量は、代謝向上用発熱組成物全体に対し、30〜60質量%であることが好ましく、35〜50質量%であることがより好ましい。
【0023】
デンプン類は、本実施形態の代謝向上用発熱組成物の形態を維持しつつ、植物発酵物と組み合わせることで代謝向上機能を向上させる観点から用いられる。
デンプン類としては、コーンスターチ、小麦粉デンプン、ライススターチ、マイロスターチ、ワキシーコーンスターチ、ばれいしょデンプン、かんしょデンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、葛デンプン、ワラビデンプン、レンコンデンプン、緑豆デンプン等を例示できる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、安定的な代謝向上作用を得る観点から、コーンスターチ、およびばれいしょデンプンを組み合わせることが好ましい。また、水に対する発熱作用を保持し、良好な発熱反応を得る観点から、ばれいしょデンプンであることが好ましい。
デンプン類の含有量は、代謝向上用発熱組成物全体に対し、40〜70質量%であることが好ましく、50〜65質量%であることがより好ましい。また、ばれいしょデンプンの含有量は、代謝向上用発熱組成物全体に対し、20〜50質量%であることが好ましく、25〜40質量%であることがより好ましい。
【0024】
水溶性ビタミン類としては、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、およびシアノコバラミン等のビタミンB群、アスコルビン酸、およびデヒドロアスコルビン酸などのビタミンC群が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
嗜好性成分としては、例えば、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン等のカプサイシン類、ジンゲロール、ショウガオール、サンショオール、およびピペリン等の香辛成分が挙げられる。
【0026】
機能性食品成分としては、たとえば、L−カルニチン、α−リポ酸、オルニチン、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミン、ローヤルゼリー、蛋白質加水分解物、コエンザイムQ10、プラセンタ、カテキン、ポリフェノール、オキシカイン(商標名)、セラミド、アスタキサンチン、プロポリス、カルニチン、西洋カラマツ抽出物、DHA、食物繊維類、アミノ酸類、およびミネラル類が挙げられる。
上記、L−カルニチンは、遊離体であってもよく、塩であってもよい。L−カルニチンの塩としては、例えば、L−カルニチン塩酸塩、L−カルニチンフマル酸塩、およびL−カルニチン酒石酸塩が挙げられる。
【0027】
本実施形態の代謝向上用発熱組成物は、保存中における水に対する発熱作用を抑制する観点から乾燥されたものであり、水分量の含有量は、0.01質量%以下であることが好ましく、0.001質量%であることがより好ましく、水分量が0.0001質量%であってもよい。これにより、素早く代謝を向上することができる。また、良好な嗜好性を保持しやすくなる。
【0028】
代謝向上用発熱組成物の剤型は、粉末、顆粒、及び錠剤などの固体が挙げられるが、水溶解性に優れ、効果的にかつ簡便に代謝効果を得る観点から、粉末状または顆粒状であることが好ましい。
【0029】
代謝向上用発熱組成物が粉末状または顆粒状である場合、嵩比重が0.3〜0.9g/cm
3であり、比表面積が0.3〜0.9m
2/gであることが好ましく、嵩比重は0.40〜0.80g/cm
3であり、比表面積が0.40〜0.80m
2/gであることがより好ましい。
嵩比重と比表面積とを当該数値範囲で組み合わせることにより、粉状または顆粒状の代謝向上用組成物が飛散したり、口内でむせたりしにくくなるとともに、水溶解性に優れ、体内ですばやく溶けて、代謝向上作用をすぐに発揮できるようになる。
また嵩比重および比表面積は、乾燥条件や必要に応じて行われる粉砕条件を調整することにより、適宜調整される。
【0030】
[植物発酵物の製法]
本実施形態の植物発酵物は、植物と糖類を、乳酸菌及び/又は酵母により発酵させたものである。乳酸菌及び酵母の少なくとも一方を用いればよく、より効果的に植物発酵物を得る観点から、乳酸菌及び酵母を併用することが好ましい。
【0031】
発酵の条件は、使用される各乳酸菌または酵母に応じて好適な発酵温度(例えば13〜43℃)を適宜選択すればよい。また、発酵時間は、基質濃度や乳酸菌または酵母の添加量等に応じ適宜選択可能であるが、1か月半〜2か月半程度である。
また、発酵後のpHの値は、好ましくは4〜6であり、より好ましくは4.2〜5.2である。
また、発酵時は静置状態であってもよいが、攪拌をおこなうことが好ましい。好ましい攪拌条件は、1分間に5〜50回転、より好ましくは10〜30回転である。
【0032】
乳酸菌としては、エンテロコッカス・フェカーリス、トレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ヘルベティクス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロングム及びビフィドバクテリウム・ブレーベよりなる群から選ばれた1種又は2種以上の乳酸菌からなるものを使用できる。
【0033】
酵母としては、食用のものであればよく特に限定されない。例えば、酵母が住み着いたヒノキ樽を用いてもよい。
【0034】
糖類としては、上記したものを同様のものを用いることができ、良好な植物発酵物を得る観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、粗糖であることがより好ましい。
【0035】
得られた植物発酵物を、デンプン類、水溶性ビタミン類、嗜好性成分、機能性食品成分、香料、および植物エキスなどの任意の成分とともに、乾燥することで、本実施形態の代謝向上用発熱組成物が得られる。
乾燥方法は、例えば、真空凍結乾燥(フリーズドライ)、噴霧乾燥、流動層造粒乾燥、およびドラム乾燥等の公知の方法が挙げられるが、本発明における所定の条件を満たすように、植物発酵物の配合量、添加剤の種類および配合量に応じて、適宜選択される。例えば、デンプン類を用いた場合は、粘性が高くなるため、ドラム乾燥法を用いることが挙げられる。
また、代謝向上用発熱組成物は、乾燥後粉砕等により、または乾燥とともに、粉末状・顆粒状としてもよい。粉末状・顆粒状とすることで経口摂取しやすくなり、水溶解性が向上するとともに、機能性食品等として簡便かつ幅広く適用できる。
【0036】
[代謝向上品]
代謝向上品は、上記の代謝向上用発熱組成物を1.0〜3.0gの範囲で分包したものである。これにより、代謝向上用発熱組成物の摂取量を1.0〜3.0gの範囲とすることができ、効果的にすばやく代謝向上作用が得られるとともに、良好な嗜好性が保持される。また、代謝向上品は、適量を1回の摂取で使い切ることができるため、代謝向上用発熱組成物の品質が保持され、安定的に代謝向上作用を得ることができる。また、代謝向上用発熱組成物が、粉末または顆粒である場合、代謝向上用発熱組成物が飛散しにくくなり、適量を経口摂取できるとともに、体内で素早く溶けて代謝機能を向上しやすくなる。
分包に用いられる袋は、公知の方法を用いることができ、例えば、酸素遮断性を有する包装袋、さらに光遮断性を有する包装袋が挙げられる。
【0037】
[代謝向上用発熱組成物の使用方法]
代謝向上用発熱組成物の使用方法は、代謝向上用発熱組成物を1.0〜3.0gで経口摂取することにより代謝を向上するものである。代謝向上用発熱組成物の一回の経口摂取の量を1.0〜3.0gとすることにより、良好な嗜好性を得つつ、効果的に代謝向上作用を得ることができる。また、代謝向上用発熱組成物は、直接経口摂取されることが好ましい。
【0038】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
植物発酵物を含み、以下の条件を満たす、代謝向上用発熱組成物。
条件:前記代謝向上用発熱組成物1.20gに、25.0℃の水1mlを混合させたとき、前記代謝向上用発熱組成物の温度が2.0℃以上上昇する。
<2>
さらにデンプン類を含む、<1>に記載の代謝向上用発熱組成物。
<3>
前記植物発酵物は、植物と糖類を、乳酸菌及び/又は酵母により発酵させたものである、<1>または<2>に記載の代謝向上用発熱組成物。
<4>
前記デンプン類の含有量は、前記代謝向上用発熱組成物全体に対し、40〜70質量%である、<1>乃至<3>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物。
<5>
水分量が0.01質量%以下である、<1>乃至<4>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物。
<6>
粉末状または顆粒状である、<1>乃至<5>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物。
<7>
嵩比重が0.3〜0.9g/cm3であり、比表面積が0.3〜0.9m2/gである、<1>乃至<6>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物。
<8>
3.0〜4.8kcal/gである、<1>乃至<7>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物。
<9>
<1>乃至<8>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物が1.0〜3.0gの範囲内で分包された、代謝向上品。
<10>
<1>乃至<8>いずれか一つに記載の代謝向上用発熱組成物を1.0〜3.0g経口摂取することにより代謝を向上する、代謝向上用発熱組成物の使用方法。
【実施例】
【0039】
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0040】
[実験1]
以下の実施例および比較例の粉末状組成物(機能性食品)を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
<実施例1>
以下の植物原材料1、酵母および乳酸菌をともにヒノキ樽内で温度15℃のもと1週間発酵させた。その後、40℃(環境温度)の条件で2カ月発酵させた。発酵時、適宜、撹拌を行った。
得られた植物発酵物に対し、ばれいしょデンプン、レモン濃縮果汁、ユズ果汁、ブドウ濃縮果汁、梅エキス、リンゴ濃縮果汁を添加して混合し、その後、以下の添加材料1とともにドラム乾燥により粉末化し、香料により風味付けを行い、代謝向上用発熱組成物を得た。
得られた代謝向上用発熱組成物中の配合は、植物発酵物38質量%、ばれいしょデンプン32質量%、コーンスターチ28質量%であった。
また、発熱量は、3.93kcal/gであった。
【0042】
(植物原材料1)
粗糖、りんご、パイナップル、大根、ごぼう、にんじん、たまねぎ、しいたけ、じゃがいも、青パパイヤ、アスパラ、甘夏、イチゴ、いちじく、いよかん、インゲン、うど、えのき、えりんぎ、大葉、おくら、かいわれ、柿、かぶ、かぼちゃ、カリフラワー、キャベツ、きゅうり、きんかん、くまざさ、グリーンリーフ、クレソン、ゴーヤ、こごみ、小松菜、こんぶ、サツマイモ、サトイモ、サニーレタス、ししとう、しそ、しめじ、春菊、しょうが、すいか、ズッキーニ、たらのめ、チンゲン菜、とうがん、トマト、なし、なす、なのはな、なめこ、にら、にんにく、のり、はくさい、パセリ、バナナ、ピーマン、ひじき、ふき、ぶどう、プルーン、ブロッコリー、ほうれん草、ぽんかん、まいたけ、マッシュルーム、みかん、みずな、三つ葉、みょうが、メロン、大豆もやし、モロッコ、モロヘイヤ、ゆず、らっきょ、レモン、れんこん、わかめ、わけぎ、うり、ゆりね、よもぎ、発芽玄米、アマランサス、もちあわ、小豆、胚芽押し麦、赤米、押しもち麦、黒米、はと麦、うるち玄米、もち玄米、大豆、青大豆、大手亡、黒豆、黒ごま、黒もちあわ、セイジ、ローリエ、オレガノ、タイム、ディル、ペパーミント、スイートバジル、マジョラム、イタリアンパセリ、レモングラス
(添加材料1)
コーンスターチ、香料、コエンザイムQ10、環状オリゴ糖、L−カルニチン酒石酸塩、デキストリン、小麦たんぱく質、メロン抽出物、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、サンゴカルシウム
【0043】
<実施例2>
実施例1の植物原材料1、添加材料1の代わりに、以下の植物原材料2、添加材料2を用いた以外は、実施例1と同様にして、代謝向上用発熱組成物を得た。
得られた代謝向上用発熱組成物中の配合は、植物発酵物38質量%、ばれいしょデンプン31質量%、コーンスターチ27質量%であった。
【0044】
(植物原材料2)
糖類、キャベツ、白菜、小松菜、セロリ、三つ葉、ほうれん草、パセリ、ネギ、ニラ、ワケギ、フキ、レタス、水菜、チシャ、春菊、ニンジン、大根、ゴボウ、レンコン、ショウガ、タマネギ、ニンニク、ミョウガ、カブ、ウド、アスパラガス、タケノコ、モヤシ、ゼンマイ、ワラビ、ナス、ピーマン、トマト、キュウリ、スイカ、パイナップル、バナナ、オクラ、ウリ、カボチャ、トウガン、リンゴ、プルーン、夏ミカン、ハッサク、イヨカン、ウンシュウミカン、ダイダイ、ユズ、カリフラワー、ブロッコリー、シイタケ、シメジ、エノキタケ、ハツタケ、ヒラタケ、キクラゲ、コンブ、ワカメ、ヒジキ
(添加材料2)
コーンスターチ、香料、コエンザイムQ10、環状オリゴ糖、L−カルニチン酒石酸塩、デキストリン、小麦たんぱく質、メロン抽出物、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、香辛料抽出物
【0045】
<比較例1>
市販品「VAAMヴァーム」(内容量:1包4.0g、株式会社明治社製)を用いた。
【0046】
<比較例2>
市販品「コエンザイムQ10・α−リポ酸・L−カルニチン」(内容量:1カプセル323mg、小林製薬株式会社製)を用い、カプセルから内容物を取り出した。
【0047】
・評価1(最高到到達温度)
シリンダー内に実施例の代謝向上用発熱組成物、および比較例の粉末状組成物1.2gをそれぞれ投入し、そこへ温度計を挿入し温度を測定したところ、いずれも25℃であった。次に、純水(液温25.0℃、1ml)投入し、すばやく混合し代謝向上用発熱組成物または粉末状組成物を水に溶解させた。代謝向上用発熱組成物または粉末状組成物が水に接触した直後からの最高到達温度を測定した。室温は25℃とした。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
[実験2]
上記実施例1で得られた代謝向上用発熱組成物を用いて、以下の測定を行った。結果を表2に示す。
・BET法比表面積
(測定条件)
測定機器:4連式比表面積・細孔分布測定装置 NOVA−TOUCH型(Quantachrome製)
使用ガス:窒素ガス
冷媒(温度):液体窒素(77.35K)
前処理条件:25℃下6Hr以上真空脱気
測定相対圧力:0.05<P/P0<0.3
【0050】
・嵩密度
以下の測定条件の下、嵩密度を3回測定し平均値をとった。
(測定条件)
測定法:注入法
使用篩:1400μm
セル容量:50cm
3
試料重量:33.69g
【0051】
【表2】
【0052】
・代謝向上効果
健康な被験者A〜Dの4名に対して、上記実施例2で得られた代謝向上用発熱組成物1.0gを直接経口摂取させ、上半身をサーモグラフィ(NeoThermoTVS−700日本アビオニクス株式会社製)で撮影し、上半身の表面温度の変化を観察した。結果を、被験者A〜Dごとに
図1〜4に示す。
【0053】
図1〜4より、実施例2の代謝向上用発熱組成物1.0gを直接経口摂取した場合、摂取後30分後までの間に、34℃〜35℃の温度(図中の黒部分)に上昇した範囲が、上半身全体に対し60%以上となった。これにより、本発明の代謝向上用発熱組成物によって、素早く代謝が向上できることが確認された。
【解決手段】植物発酵物を含み、以下の条件を満たすものである。条件:前記代謝向上用発熱組成物1.20gに、25.0℃の水1mlを混合させたとき、前記代謝向上用発熱組成物の温度が2.0℃以上上昇する。さらにデンプン類を含む、代謝向上用発熱組成物。前記植物発酵物は、植物と糖類を、乳酸菌及び/又は酵母により発酵させたものである、代謝向上用発熱組成物。代謝向上用発熱組成物が1.0〜3.0gの範囲内で分包された、代謝向上品、ならびに、代謝向上用発熱組成物を1.0〜3.0g経口摂取することにより代謝を向上する、代謝向上用発熱組成物の使用方法。