(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596589
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20191010BHJP
C10M 101/02 20060101ALI20191010BHJP
C10M 107/50 20060101ALI20191010BHJP
C10M 105/38 20060101ALI20191010BHJP
C10N 30/00 20060101ALN20191010BHJP
C10N 40/30 20060101ALN20191010BHJP
【FI】
C09K5/04 F
C09K5/04 E
C09K5/04 A
C09K5/04 D
C10M101/02
C10M107/50
C10M105/38
C10N30:00 A
C10N30:00 Z
C10N40:30
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-533909(P2018-533909)
(86)(22)【出願日】2017年7月21日
(65)【公表番号】特表2019-508518(P2019-508518A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】CN2017000460
(87)【国際公開番号】WO2018120257
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2018年6月27日
(31)【優先権主張番号】201611218155.8
(32)【優先日】2016年12月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516137993
【氏名又は名称】浙江衢化▲弗▼化学有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG QUHUA FLUOR−CHEMISTRY CO LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪 江永
(72)【発明者】
【氏名】楊 波
(72)【発明者】
【氏名】王 愛国
(72)【発明者】
【氏名】張 彦
(72)【発明者】
【氏名】▲超▼ 陽
(72)【発明者】
【氏名】欧陽 豪
【審査官】
中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0152626(US,A1)
【文献】
特開2012−7164(JP,A)
【文献】
特表2013−519775(JP,A)
【文献】
特表2013−519779(JP,A)
【文献】
特開2011−256361(JP,A)
【文献】
特表2013−533326(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/147045(WO,A1)
【文献】
特開2013−203953(JP,A)
【文献】
特表2009−532520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物であって、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン50〜90重量部、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン5〜30重量部、フルオロエタン5〜20重量部からなることを特徴とする冷媒組成物。
【請求項2】
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン60〜80重量部、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン15〜30重量部、フルオロエタン5〜10重量部からなることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物。
【請求項3】
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン70〜80重量部、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン15〜20重量部、フルオロエタン5〜10重量部からなることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物。
【請求項4】
前記組成物を、その重量配合比率で、液相状態で物理的に混合して、前記冷媒組成物を得ることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物の製造方法。
【請求項5】
前記組成物のGWP値が10以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物の、自動車、乗用車および鉄道空調システム、家庭用冷凍システム、商業用冷凍システム、工業用冷凍システムやチラーユニットシステムにおける用途。
【請求項7】
前記冷媒組成物に、潤滑剤、可溶化剤、分散剤、孔安定剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加することを特徴とする請求項6に記載の用途。
【請求項8】
前記潤滑剤はミネラルオイル、シリコーンオイル、ポリオールエステルから選ばれることを特徴とする請求項7に記載の用途。
【請求項9】
前記冷媒組成物にエーテル系化合物を添加することを特徴とする請求項6に記載の用途。
【請求項10】
前記エーテル系化合物は、ジメチルエーテル、トリフルオロビニルアリールエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ポリグリコールエーテルから選ばれる1種であることを特徴とする請求項9に記載の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷媒組成物に関し、特にヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
「モントリオール議定書」と「京都議定書」が締結されたことによって、冷媒CFC−12(ジクロロジフルオロメタン)の代替品への要求が高まり、新たな冷媒に対してはオゾン層に害を及ぼさないという基本的な要件に加えて可能な限り低いGWP値(地球温暖化係数)を有することが要求される。
【0003】
現在、市販されている冷媒CFC−12の代替品は主にHFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)である。HFC−134aは優れた熱性能を有し、ODP値(オゾン破壊係数)が0であり、不燃性を有するが、GWP値が1370で、現在のグローバルな省エネルギー及び排出削減の要件を満たさないため、環境により優しく、同時に熱性能がHFC−134aと同等、またはそれよりも優れた新規冷媒の開発が期待されている。
【0004】
HFCに代表される第3世代冷媒は、ODP値がゼロで、オゾン層に対し破壊作用がない反面、GWP値が高く、京都議定書における温室効果ガスに該当し、欧州議会ではF−gas法により高GWP値のフッ素含有ガスの使用が制限されることになった。2016年10月15日に開催された、約200ヶ国が参加する『オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書』の第28回締約国会議では、ルワンダの首都キガリでハイドロフルオロカーボン(略称HFCs)を削減する議定書の改正案が通過し、各国はHFCs削減スケジュールに合意し、国際社会が気候変動に対処するための対策について一致した見解を示した。
【0005】
HFO−1234yf(2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン)は、分子式CH
2=CFCF
3、相対分子量114.04、標準沸点−29.5℃、臨界温度94.7℃、臨界圧力3.38MPaであり、良好な熱性能を有し、排気温度が非常に低い。そのため、苛酷な作業条件下での高すぎる排気温度によりコンプレッサモータのコイルが破壊されるのを回避できるとともに、高すぎる温度によるコンプレッサの潤滑条件の悪化や、グリースの分解を防止することができる。単一作動流体の冷媒としては、優れた環境パラメータを有し、オゾン破壊係数ODP値が0、地球温暖化係数GWP値が4で、製品寿命気候負荷(LCCP)がHFC−134aより低く、大気分解物がHFC−134aと同様である。自動車のエアコンにおける同じ作業条件では、HFO−1234yfの冷却係数がHFC−134aより低く、単位体積あたりの冷却能力も低い。しかしながらHFO−1234yfの排気温度は非常に低いとともに、飽和液体の比容積が大きい。HFC−134a冷媒の代わりにHFO−1234yfを用いれば、自動車メーカーは従来の車載エアコン(Mobile Air−Conditioning、MAC)システムを引き続き使用できる。このため、HFO−1234yfは潜在力のある次世代自動車冷媒の代替品と考えられ、現在、西ヨーロッパの自動車メーカーによって使用され、2011年以降普及しつつある。HFO−1234yfは、環境の観点から、GWPと大気寿命がほかのHFC−134aの代替冷媒よりも優れているが、低温度での可燃性があるため、火災のリスクがある。
【0006】
また、冷媒組成物が冷却システムに用いられる場合、冷媒組成物と潤滑剤との相容性の問題を考慮に入れなければならない。ASHRAEマニュアル:HVACシステム及び装置に記載されるとおり、冷却、空調、又は熱伝達システムにおいて、好ましくは、グリースと冷媒が該システムの少なくともいくつかの部分で互いに接触する。従って、該潤滑剤と冷媒が単独で利用されるか、または予備混合パッケージの一部として冷却、空調、又は熱伝達システムに利用されるかにかかわらず、好ましくは、該システムで接触するため、相容性を有することが必須である。
【0007】
冷媒組成物が冷却システムに用いられる場合、十分な潤滑剤をシステムのコンプレッサに戻し、コンプレッサを潤滑する必要があり、潤滑剤の適合性は冷媒/潤滑剤特性とシステム自体の特性による。現在使用されているハイドロフルオロカーボン(HFC)冷却システムとハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)冷却システムにおける潤滑剤は、ミネラルオイル、シリコーンオイル、ポリアルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールエステル、ポリオールエステル、ポリビニルエーテルを含む。HFC冷却システムの場合、通常、好ましくはポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールエステル、ポリビニルエーテル及びポリオールエステルを潤滑剤として使用する。HCFC冷却システムの場合は、通常、ミネラルオイル又はポリアルキルベンゼンを潤滑剤として使用する。
【0008】
さらに、上記の考え方に基づいて、研究者は、HFO−1234yfに基づく組成物を複数種開発し、他の成分を添加することで冷却効果を向上させ、グリースとの相容性を向上させ、同時に各成分の長所を活かして、マイナス要因をできるだけ減少させようとした。
【0009】
中国特許第CN1285699C号には、フルオロエタン(HFC−161)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)からなる三成分組成物が開示されている。
【0010】
中国特許出願公開公報CN101765648Aには、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン(HFO−1225ye)とほかの化合物からなる混合物が開示されている。
【0011】
中国特許出願公開公報CN101851490Aには、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン(HFO−1234yf)、trans−1,3,3,3−テトラフルオロエタン(HFC−1234ze(E))及び1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)からなる混合物が開示されている。
【0012】
中国特許出願公開公報CN101864277Aには、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン(HFO−1234yf)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)及びジメチルエーテル(DME)からなる混合物が開示されている。
【0013】
中国特許出願公開公報CN102066518Aには、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン(HFO−1234yf)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)及び1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)からなる混合物が開示されている。
【0014】
中国特許出願公開公報CN102083935Aには、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン(HFO−1234yf)からなる混合物が開示されている。
【0015】
中国特許出願公開公報CN104403637Aには、フッ素変性されたNi含有ハイドロタルサイト化合物0.4−15重量部、シランカップリング剤0.002−0.25重量部、潤滑剤49.5−985重量部、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン4000−90000重量部、フルオロエタン0−60000重量部、1,1−ジフルオロエタン0−15000重量部、イソブタン0−5000重量部、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミノ化3−メチル−1−プロピルピリジン0.8−1重量部を含む、潤滑剤への良好な相容性を有するテトラフルオロプロピレン組成物及び製造方法が開示されている。
【0016】
上記特許に開示されている冷媒組成物は、GWP値が高いか、又は冷却システムに直接注入できないか、可燃性が高いか、あるいはミネラルオイルを利用できない等の欠点がある。このため、より優れた冷却性を有し、従来のシステムで効率よく交換でき、且つ環境により優しい新規冷媒の開発が期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術の欠点を克服して、環境に優しく、冷却効果が高く、潤滑剤に対する相容性に優れ、GWP値が低いヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術案によって達成される。ヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物であって、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン50〜90重量部、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン5〜30重量部、フルオロエタン5〜20重量部からなる。
【0019】
好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン60〜80重量部、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン15〜30重量部、フルオロエタン5〜10重量部からなる。
【0020】
好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン70〜80重量部、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン15〜20重量部、フルオロエタン5〜10重量部からなる。
【0021】
本発明はさらに、前記組成物を、その重量配合比率で、液相状態で物理的に混合して、前記冷媒組成物を得る、該ヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物の製造方法を開示する。
【0022】
本発明に係る組成物のGWP値は10以下である。
【0023】
本発明に係るヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物は、自動車、乗用車および鉄道空調システム、家庭用冷凍システム、商業用冷凍システム、工業用冷凍システムやチラーユニットシステムに用いられ得る。
【0024】
本発明に係るヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物は、上記システムに用いる場合、好ましくは、前記冷媒組成物に、潤滑剤、可溶化剤、分散剤、孔安定剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する。前記潤滑剤は、好ましくはミネラルオイル、シリコーンオイル、ポリオールエステルである。
【0025】
本発明に係るヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物は、上記システムに用いられる場合、好ましくは、前記冷媒組成物にエーテル系化合物を添加する。前記エーテル系化合物は、ジメチルエーテル、アリールエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル等から選ばれる1種、さらに好ましくは、ジメチルエーテル、トリフルオロビニルアリールエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ポリグリコールエーテルから選ばれる1種である。
【0026】
本発明に係るHFO−1234yf(2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン)は、分子式CH
2=CFCF
3、相対分子量114.04、標準沸点−29.5℃、臨界温度94.7℃、臨界圧力3.38MPaであり、良好な熱性能を有し、排気温度が非常に低いため、苛酷な作業条件下での高すぎる排気温度によってコンプレッサモータのコイルが破壊されるのを回避できるとともに、高すぎる温度によるコンプレッサの潤滑条件の劣化、グリース分解を防止する。単一作動流体の冷媒としては、優れた環境パラメータを有し、オゾン破壊係数ODP値が0、地球温暖化係数GWP値が4で、製品寿命気候負荷(LCCP)がHFC−134aより低く、大気分解物がHFC−134aと同様である。自動車のエアコンにおける同じ作業条件下では、HFO−1234yfの冷却係数がHFC−134aより低く、単位体積あたりの冷却量も低い。しかしながらHFO−1234yfの排気温度が非常に低いと、飽和液体の比体積が大きくなる。HFC−134a冷媒の代わりにHFO−1234yfを用いれば、自動車メーカーは従来の車載エアコン(Mobile Air−Conditioning、MAC)システムを引き続き使用できる。
【0027】
本発明に係るHFO−1234ze(1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン)は、E型で、沸点が−19℃、無毒の不燃性で、優れた環境パラメータを有し、ODP値が0、GWP値が6で、製品寿命気候負荷(LCCP)がHFC−134aより低く、大気分解物がR134aと同様であり、さらに、システム性能がR134aより優れ、R134aの代替冷媒として発泡剤、エアロゾル推進剤等の産業の第四世代冷媒に用いられることが最も期待できる。
【0028】
本発明に係るHFC−161は、ODP値がゼロであり、GWP値が12と低く、HCFC−22のわずか0.66%で、炭化水素と同様である。さらに、光化学的オゾン生成能POCPが炭化水素よりも遥かに低く、統合的な環境パフォーマンスがHCFC−22や炭化水素より優れる。HFC−161は、HCFC−22と類似した基本的な物理的パラメータを有し、飽和蒸気圧曲線が僅かにHCFC−22より低く、R−290に近い。
【0029】
本発明に係るヒドロフルオロオレフィンを含有する冷媒組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン、フルオロエタンを配合成分として、各成分の長所を活かして、マイナス要因をできるだけ減少させることができる。本発明の組成物はGWP値が低く、環境に優しく、冷却効果が高く、潤滑剤に対する相容性に優れるという利点を有する。
【0030】
本発明では、原料はすべて市販品として入手できる。
【発明の効果】
【0031】
従来技術に比べ、本発明は以下の利点を有する。
1、飽和液体の比容積が大きく、冷却システムへの冷媒の注入量を大幅に減らすことができる。
2、環境パフォーマンスに優れ、ODP値が0で、GWP値がHFCに比べて大幅に低い。
3、排気温度が低く、コンプレッサの耐用年数を延ばし、冷却装置の確実性を向上させる。
4、合成油もミネラルオイルも使用できるため、コストが削減できる。
5、冷却係数、単位体積あたりの冷却量及び作動圧力がすべてHFCと類似するため、コンプレッサを交換することなく、従来の冷媒を交換することができる。
6、優れた難燃性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施例にて本発明について更に説明するが、本発明は前記実施例に制限されない。
【0033】
(実施例1)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン90kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン5kg、フルオロエタン5kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0034】
(実施例2)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン80kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン15kg、フルオロエタン5kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0035】
(実施例3)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン70kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン20kg、フルオロエタン10kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0036】
(実施例4)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン60kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン20kg、フルオロエタン20kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0037】
(実施例5)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン50kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン30kg、フルオロエタン20kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0038】
(実施例6)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン70kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン25kg、フルオロエタン5kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0039】
(実施例7)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン80kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン5kg、フルオロエタン15kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0040】
(実施例8)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン75kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン20kg、フルオロエタン5kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0041】
(実施例9)
2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン70kg、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン15kg、フルオロエタン15kgを液相状態で物理的に混合して、冷媒組成物を得る。
【0042】
性能テスト
実施例1〜9で得られた製品について性能テストを行い、結果を表1に示す。
【0043】
燃焼性試験
米国ASTM−E681−01標準に準じて、燃焼性試験を行う。ここで、LFLは燃焼限界の低限定値を指し、LFL値が大きいほど、燃焼性が低い。
【0044】
COPテスト
実施例1〜9で得られた製品とHFO−1234yfをそれぞれグリース及びエーテル系化合物と混合して、その性能を測定した。異なる蒸発温度と凝縮温度でHFO−1234yfと実施例1〜9で得られた製品のCOP値を測定した。