(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596603
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】記憶装置キャリア及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
G11B 33/02 20060101AFI20191010BHJP
G11B 33/14 20060101ALI20191010BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
G11B33/02 301F
G11B33/14 503Z
G06F1/16 312W
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-2113(P2019-2113)
(22)【出願日】2019年1月9日
(65)【公開番号】特開2019-133733(P2019-133733A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年1月9日
(31)【優先権主張番号】62/623,703
(32)【優先日】2018年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/042,796
(32)【優先日】2018年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】古 鳴倫
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝榮
(72)【発明者】
【氏名】叢 耀宗
(72)【発明者】
【氏名】郭 承堅
【審査官】
中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−061605(JP,U)
【文献】
特開2015−106426(JP,A)
【文献】
特開2016−157499(JP,A)
【文献】
特開2005−228463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/02
G06F 1/16
G11B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる厚さの記憶装置を固定するための記憶装置キャリアであって、
2つの側壁を含む本体と、
複数の支持面を有する回転可能な部材であって、異なる厚さの記憶装置を前記記憶装置キャリアに固定するための少なくとも1つの記憶装置固定部材と、
を備え、
前記少なくとも1つの記憶装置固定部材は少なくとも1つの位置決めバンプを有する記憶装置キャリア。
【請求項2】
前記2つの側壁には前記少なくとも1つの記憶装置固定部材がそれぞれ設置される請求項1に記載の記憶装置キャリア。
【請求項3】
前記支持面は数が3つであり、それぞれ長いハンドル上の支持面、短いハンドル上の支持面及び支持平面を含む請求項1又は2に記載の記憶装置キャリア。
【請求項4】
前記2つの側壁は互いに垂直である請求項1〜3のいずれか1項に記載の記憶装置キャリア。
【請求項5】
前記2つの側壁は、前記少なくとも1つの位置決めバンプと係合して前記少なくとも1つの記憶装置固定部材の回転を制限するための少なくとも1つの凹溝を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の記憶装置キャリア。
【請求項6】
前記少なくとも1つの位置決めバンプを前記少なくとも1つの凹溝に入らせるバネを更に含む請求項5に記載の記憶装置キャリア。
【請求項7】
前記少なくとも1つの記憶装置固定部材を前記2つの側壁の中の対応の一つに固定するためのねじを更に含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の記憶装置キャリア。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の記憶装置キャリアを提供することと、
第1の厚さを有する第1の記憶装置を前記記憶装置キャリアの中に置くことと、
前記支持面の中の1つが前記第1の記憶装置に接触するまで前記少なくとも1つの記憶装置固定部材を回転させることと、
を含む操作方法。
【請求項9】
前記第1の厚さを有する前記第1の記憶装置を前記記憶装置キャリアから取り除くことと、
前記第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2の記憶装置を置くことと、
前記支持面の中の1つが前記第2の記憶装置に接触するまで前記少なくとも1つの記憶装置固定部材を回転させることと、
を更に含む請求項8に記載の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異なる厚さの2.5インチの記憶装置を収納することに適用される記憶装置キャリア及びその操作方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
一般的な2.5インチの記憶装置の厚さが7ミリメートル、9.5ミリメートル又は15ミリメートルであるが、従来の記憶装置キャリアは、厚さが7ミリメートルの記憶装置を支持することのみに適用される。単一のキャリア内に異なる厚さの記憶装置を収納して、且つ記憶装置を所定位置に固定するために、記憶装置キャリアの構造を調整しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施形態によれば、異なる厚さの2.5インチの記憶装置を支持し且つそれを所定位置に固定するキャリア及び方法を提供する。
【0004】
本発明の別の実施形態によれば、それぞれ高さが異なる3つの支持面を有する記憶装置固定部材が設置される互いに垂直である2つの側壁を有する2.5インチの記憶装置キャリアを提供する。
【0005】
本発明の更なる別の実施形態によれば、記憶装置固定部材が短いハンドル、長いハンドル及び支持平面を有することにより、記憶装置固定部材が回転する時に異なる厚さの記憶装置を安定的に固定することができる。記憶装置が記憶装置固定部材の不意の回動によって緩められることを防止するために、記憶装置固定部材は記憶装置位置決め部材の回動を防止するための2つの位置決めバンプを更に含む。回転可能な記憶装置固定部材は、記憶装置固定部材を記憶装置に対して高精度に位置決めさせるねじ及びバネを含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】従来の2.5インチの記憶装置キャリアを示す斜視模式図である。
【
図2】互いに垂直である2つの側壁を示す模式図であり、2つの側壁にねじ及びバネで固定された記憶装置固定部材をそれぞれ有する。
【
図4】本発明による2.5インチの記憶装置キャリアを示す模式図であり、厚さが7ミリメートルの記憶装置が記憶装置固定部材の長いハンドルによって固定される。
【
図5】本発明による2.5インチの記憶装置キャリアを示す模式図であり、厚さが9.5ミリメートルの記憶装置が記憶装置固定部材の短いハンドルによって固定される。
【
図6】本発明による2.5インチの記憶装置キャリアを示す模式図であり、厚さが15ミリメートルの記憶装置が記憶装置固定部材の支持平面によって固定される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明を説明し、図面において同じ部材符号で類似又は同等の部材を指定する。図面は、縮尺通りに描かれていなく、且つ単に本発明を説明するために提供されている。以下、説明するための例示的な応用を参照して本発明の複数の様態を説明する。以下、本発明を完全に理解するために複数の具体的な細部、関係及び方法を提供することを理解すべきである。しかし、当業者は1つ又は複数の具体的な細部がない場合には又は他の方法で本発明を実施してよいことを見やすくなる。他の実施例において、本発明が不明瞭にならないように従来の構造又は操作を詳しく提示しない。幾つかの動作が異なる順序で発生するか及び/又は他の動作又はイベントと同時に発生する可能性があるので、本発明が動作又はイベント説明の順序で限定されない。なお、すべての示した動作又はイベントがいずれも本発明の方法によって実施されるわけでもない。
【0008】
図1は従来の2.5インチの記憶装置キャリア10を示す斜視模式図であり、その内に7ミリメートルの記憶装置12が取り付けられる。調整できない固定具14、16によって7ミリメートルの記憶装置12を固定する。
図1に示す記憶装置キャリア10には任意の厚さが9.5ミリメートル又は15ミリメートルの記憶装置を位置決めして固定させることができる機構がない。
【0009】
図2は本発明の互いに垂直である2つの側壁19、20の模式図である。2つの側壁19、20には記憶装置固定部材23、26がそれぞれ設置され、記憶装置固定部材23がバネ28とねじ29で位置を固定し、記憶装置固定部材26が類似したバネ38とねじ39で位置を固定する。支持片3及び側壁19に設置された2つの支持柱4は取り付けようとする記憶装置を位置決めすることに用いられる。
【0010】
以下、
図3を参照して記憶装置固定部材23を詳しく説明する。記憶装置固定部材23、26の構造が同じであるため、記憶装置固定部材23に関する詳細な敘述が同様に記憶装置固定部材26に適用される。
図3において、記憶装置固定部材23は2つの位置決めバンプ24、25を示すように拡大され、突起の形で図面に示される。位置決めバンプ24、25は
図2における側壁19(又は側壁20)での凹溝34、35と係合されて、これにより記憶装置固定部材23を固定位置に保持し、且つ前記少なくとも1つの記憶装置固定部材の回転を制限する。同時に、
図2におけるバネ28の弾性力によって記憶装置固定部材23を固定の回転位置にロックし、即ち位置決めバンプ24、25を凹溝34、35に入らせるために弾性力(bias)を加える。
図3から分かるように、記憶装置固定部材23は3つの高さが異なる支持面を有し、それぞれ長いハンドル21、短いハンドル22及び支持平面27である。上記高さが異なる3つの支持面は異なる高さの記憶装置を記憶装置キャリア30内(以下、
図4〜
図6を参照して説明したもののように)に安定的に固定することに用いられる。言い換えると、記憶装置固定部材23は複数の支持面を有する回転可能な部材である。
【0011】
図4に示すように、記憶装置キャリア30は互いに垂直である2つの側壁19、20を含む本体31を備え、厚さが7ミリメートルの記憶装置12が記憶装置キャリア30内に置かれる場合、長いハンドル21により記憶装置12を固定する。
【0012】
図5に示すように、厚さが9.5ミリメートルの記憶装置32が記憶装置キャリア30内に置かれる場合、短いハンドル22により記憶装置32を固定する。
【0013】
図6に示すように、厚さが15ミリメートルの記憶装置42が記憶装置キャリア30内に置かれる場合、支持平面27により記憶装置42を固定する。
【0014】
図4〜
図6に示すように、記憶装置固定部材26と記憶装置固定部材23とは同じであり、上記高さが異なる3つの支持面を有し、厚さが異なる記憶装置12、32、42を固定するように同じ形態で利用される。記憶装置固定部材23(又は記憶装置固定部材26)の調整可能な固定能力を提供ように異なる高さの長いハンドル、短いハンドル及び支持平面を連続的に湾曲したカムプロファイルに変更してもよく、これにより任意の厚さが7ミリメートル〜15ミリメートルの範囲にある記憶装置が記憶装置キャリア内に安定的に位置決めされることができる。勿論、別に異なる厚さを含むか、又は挙げられた3つの特定の厚さを代替してもよい。
【0015】
このため、記憶装置キャリア30は記憶装置キャリア30自身を大幅に変更する必要とせずに厚さが異なる3つの記憶装置12、32、42を収納することができる。記憶装置が異なる厚さを有すると要求されると、新たな記憶装置固定部材を提供するだけで異なる厚さに対応する必要がある。
【0016】
本文に使用された用語は単に特定な実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。本文に使用されるように、文脈に特に明示しない限り、単数形「一」及び「前記」は複数形も含むことが意図されている。なお、実施形態及び/又は請求の範囲に「備える」、「有する」等の用語又はその変形を使用する時、「含む」に類似した意味を表現するためのものである。
【0017】
特に定義されない限り、本文に使用されたすべての用語(技術及び科学用語を含む)は本発明の当業者が一般的に理解する意味を有する。なお、例えば常用の辞典に定義された用語は本発明の関連分野の意味と一致するように理解すべき、且つ明確に定義されない限り、理想化又は過度に正式な意味で解釈されない。
【符号の説明】
【0018】
3 支持片
4 支持柱
10、30 記憶装置キャリア
12、32、42 記憶装置
14、16 固定具
19、20 側壁
21 長いハンドル
22 短いハンドル
23、26 記憶装置固定部材
24、25 位置決めバンプ
27 支持平面
28、38 バネ
29、39 ねじ
31 本体
34、35 凹溝