(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0019】
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、
図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」と称する。
【0020】
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。
【0021】
なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)し難いまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0022】
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
【0023】
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、夫々の入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を第1始動入賞と称し、第2始動入賞口への入賞を第2始動入賞と称する。
【0024】
第1始動入賞の発生(第1始動口スイッチ22Aによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5(後述)において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
【0025】
また、第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5(後述)において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0026】
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
【0027】
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
【0028】
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
【0029】
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
【0030】
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、単に「特図保留記憶数」又は「保留記憶数」とも称する。つまり、単に「特図保留記憶数」又は「保留記憶数」と称したときに、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数のうちの1つ又は2つ又は3つを指す場合もあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
【0031】
遊技盤2における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば
図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。
【0032】
一例として、特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態とし、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態とする。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
【0033】
大入賞口への入賞の発生(カウントスイッチ23による遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)、第2始動入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。つまり、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)が、遊技者にとって有利か否かに大きく影響する。即ち、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて多くの賞球が期待できるので、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて遊技者にとって非常に有利である。
【0034】
なお、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態に加えて、または代えて、遊技球が通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
【0035】
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」又は「特
図1」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」又は「特
図2」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
【0036】
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットのLやEのような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。
【0037】
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器25Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。なお、「第1保留表示」なる表現は、上述の如く、第1特図保留情報に基づく動作(第1保留表示器25AのLEDの点灯制御や、第1始動入賞記憶表示エリア5HL(後述)の表示制御)を指す場合の他、第1特図保留情報に基づく表示自体(第1保留表示器25AのLEDによる表示や、第1始動入賞記憶表示エリア5HL(後述)における表示)を指す場合もある。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HL(後述)に第1保留表示を新たに追加したと言う場合の第1保留表示は、当該新たに追加された表示自体を示している。「第2保留表示」や「アクティブ表示」(後述)についても同様である。
【0038】
第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器25Bは、点灯させるLEDの数によって、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
【0039】
なお、第1保留表示と第2保留表示とを特に区別しない場合には、単に、「保留表示」とも称する。
【0040】
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば
図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
【0041】
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
【0042】
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ21による遊技球の検出によって、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
【0043】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。なお、画像表示装置5の左下側の破線枠は、他図(
図31等)を説明する関係で便宜上付したものである。
【0044】
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
【0045】
一例として、
図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。特図ゲーム(第1特図ゲーム又は第2特図ゲーム)の開始に対応して、即ち、特図(第1特図又は第2特図)の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
【0046】
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字、漢数字、英文字、図形、所定のモチーフに関連するキャラクタ画像等)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々の飾り図柄に対応する図柄番号が付されている。一例として、英数字「1」〜「8」の飾り図柄の夫々には図柄番号「1」〜「8」の夫々が付されていればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
【0047】
なお、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。なお、飾り図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングは、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングと必ずしも一致していなくてもよく、特別図柄の変動時間(特図変動時間)内に、飾り図柄の変動時間が収まっていればよい。
【0048】
即ち、飾り図柄の変動開始タイミングが特別図柄の変動開始タイミングよりも遅くてもよいし、特別図柄の変動終了タイミング(確定特別図柄の停止表示タイミング)が飾り図柄の変動終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示タイミング)よりも遅くてもよい。例えば、確定飾り図柄の停止表示後に所定演出の実行を開始し、当該所定演出の実行の終了時に確定特別図柄を停止表示させてもよい。
【0049】
また、画像表示装置5の表示領域では、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示が行われる場合がある。例えば、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでの間に飾り図柄を仮に停止表示させる仮停止表示が行われる場合がある。具体的には、例えば、所定演出(例えば、滑り演出(後述)や擬似連演出(後述)や再抽選演出(後述)等)が行われるときに飾り図柄の仮停止表示が行われる。なお、上記所定演出の一部を構成するものとして飾り図柄の仮停止表示が行われてもよいし、上記所定演出の実行に伴って飾り図柄の仮停止表示が行われてもよい。つまり、飾り図柄の仮停止表示は上記所定演出の一部であると捉えてもよいし、上記所定演出とは別物であると捉えてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮なども生じさせずに停止表示させるものなどが含まれる。
【0050】
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
【0051】
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示の夫々を、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
【0052】
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加するようにしてもよい。また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示の夫々を、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。
【0053】
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
【0054】
また、画像表示装置5の表示領域には、アクティブ表示エリア(今回表示エリア、アクティブ保留表示エリア、消化時表示エリアなどとも称する)AHAが配置されている。アクティブ表示エリアには、開始条件の成立によって始動入賞記憶表示エリア5Hから保留表示が消去されることに基づいてアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)が表示される。例えば、第1開始条件の成立によって第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示がアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)してアクティブ表示が表示され、第2開始条件の成立によって第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示がアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)してアクティブ表示が表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)する直前の保留表示の表示態様とアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)した直後のアクティブ表示の表示態様とは異なるものであってもよい。即ち、アクティブ表示にシフトする際に表示態様が変化してもよい。なお、以下、ある保留表示Mが消去されることに基づいて表示されるアクティブ表示を保留表示Mに対応するアクティブ表示とも称する場合がある。即ち、「保留表示に対応するアクティブ表示」における「対応する」とは、保留表示が消えることによって飾り図柄等の可変表示が開始される際に、アクティブ表示が、保留表示の少なくとも一部を引き継いで表示されたり、保留表示と類似の態様で表示されたり(例えば、同じキャラクタが描かれている場合など)することを含んだ概念である。
【0055】
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、アクティブ表示エリアAHAは、
図1に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間に配置されているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。
【0056】
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留表示や、アクティブ表示エリアAHAに表示されるアクティブ表示として、可変表示した後に停止表示するものを用いている。具体的には、回転して停止するルーレットを模した画像(以下、ルーレット画像と称する。
図31等参照)を用いている。
【0057】
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、何れの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0058】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
【0059】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0060】
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
【0061】
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
【0062】
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
【0063】
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。
図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音を出力する。
【0064】
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を予告又は示唆する音、声などである。
【0065】
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音などである。
【0066】
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。
図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。ランプ9は、例えば、1以上のLEDから構成されたものであってもよいし、フラッシュランプから構成されるものであってもよい。発光部材9Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)であってもよい。また、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、特別可変入賞球装置7等)の周囲などに、種々の発光部材を設置してもよい。
【0067】
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9などは演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、演出装置として、駆動部を有する演出用模型など他の演出装置を備えていてもよい。
【0068】
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されていてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。また例えば、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。
【0069】
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
【0070】
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0071】
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
【0072】
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0073】
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態に制御する。大入賞口が開放状態に制御される大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
【0074】
具体的には、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。パチンコ遊技機1は、各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。
【0075】
なお、ラウンドの開始時に大入賞口扉を直ちに開いて大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させる態様ではなく、ラウンドの開始時には大入賞口扉を直ちに開かずに大入賞口を閉鎖状態に維持し、その後、大入賞口扉を開いて大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させる態様としてもよい。また、ラウンドの終了時に大入賞口扉を閉じて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる態様ではなく、入賞口扉を閉じて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させて閉鎖状態に維持し、その後、ラウンドを終了させる態様としてもよい。
【0076】
パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき1回、大入賞口を開放状態に変化させる(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態と変化させる)。なお、パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき複数回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい。例えば、パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき2回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態→開放状態→閉鎖状態と変化させてもよい)。
【0077】
パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が所定の上限回数に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、パチンコ遊技機1は、ラウンドの実行回数が所定の上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。
【0078】
なお、所定の上限回数は、1種類(例えば、常に10回)であってもよいし、複数種類であってもよい。例えば、所定の上限回数は、複数種類の回数(例えば、2回、8回、16回)のなかから選択(抽選)された何れかの回数であってもよい。
【0079】
ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の上限開放時間が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、の何れかの条件が成立するまで開放状態に維持される。なお、所定の上限開放時間は、1種類(例えば、常に29秒間)であってもよいし、複数種類であってもよい。例えば、所定の上限開放時間は、複数種類の時間(例えば、0.1秒間、29秒間)のなかから選択(抽選)された何れかの時間であってもよい。
【0080】
ラウンドにおいて大入賞口は、所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態(ラウンドにおける閉鎖状態)に維持される。例えば、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、大入賞口扉を閉じた後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。また例えば、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、ラウンドの開始した後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。所定の時間(閉鎖期間)は、1種類(例えば、常に3秒間)であってもよいし、複数種類であってもよい。例えば、所定の時間(閉鎖期間)は、複数種類の時間(例えば、1秒間、3秒間)のなかから選択(抽選)された何れかの時間であってもよい。
【0081】
以上から、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、例えば、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したり、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを16回実行したり、大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)→開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを2回実行したりすることができる。また、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行した後に大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したりすることもできる。
【0082】
なお、大当り遊技状態におけるラウンドのうち、上限開放時間が比較的長いラウンド(例えば、開放状態が29秒間であるラウンド)は通常開放ラウンドとも称され、上限開放時間が比較的短いラウンド(例えば、開放状態が0.1秒間であるラウンド)は短期開放ラウンドとも称される。
【0083】
また、大当り図柄である特別図柄のうち、通常開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)を、通常開放ラウンド大当り図柄と称する場合がある。大当り図柄である特別図柄のうち、短期開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)を、短期開放ラウンド大当り図柄と称する場合がある。
【0084】
特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、通常開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、短期開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。なお、短期開放大当り状態に比べ通常開放大当り状態の方が通常開放ラウンドの実行回数が多くなるなどしていれば、通常開放大当り状態において通常開放ラウンドの他に短期開放ラウンドを実行し、短期開放大当り状態において短期開放ラウンドの他に通常開放ラウンドを実行してもよい。
【0085】
以上のように、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、夫々の大当り遊技状態において遊技者が得る価値、即ち、遊技者から見た有利度(例えば、賞球数(出玉数))を夫々異ならせた多様な大当り遊技状態を用意(実現)することができる。
【0086】
短期開放ラウンドを用いない場合の一例として、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態と、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、ラウンド(通常開放ラウンド)を16回実行する大当り遊技状態とを用意することができる。なお、上記例において、夫々のラウンド(通常開放ラウンド)において大入賞口を開放状態に変化させる回数や、夫々の開放状態の時間(開放時間)に差異が無ければ、ラウンド(通常開放ラウンド)を16回実行する大当り遊技状態では、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態の2倍の出玉を期待できる。
【0087】
短期開放ラウンドを用いる場合の一例として、通常開放ラウンドを8回実行した後に短期開放ラウンドを8回実行する大当り遊技状態(実質8ラウンドの大当り遊技状態)と、実質8ラウンドの大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意することができる。なお、上記例において、夫々の通常開放ラウンドにおいて大入賞口を開放状態に変化させる回数や、夫々の開放状態の時間(開放時間)に差異が無く、且つ、短期開放ラウンドで得られる出玉数が無視できる程度に少なければ、通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態では、実質8ラウンドの大当り遊技状態の2倍の出玉を期待できる。
【0088】
また、大入賞口扉を開いた後に上限開放時間が経過していなくても大入賞口への所定個数の入賞が発生した場合には大入賞口は開放状態から閉鎖状態に変化するが、当該所定個数に差を設けることにより、遊技者が得る価値を異ならせてもよい。例えば、上記所定個数を5個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態と、上記所定個数を5個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、上記所定個数を10個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態とを用意してもよい。
【0089】
また、大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数に差をを設けることにより、遊技者が得る価値を異ならせてもよい。例えば、賞球数を6個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態と、賞球数を6個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、賞球数を12個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意してもよい。
【0090】
また、当該大当り遊技状態自体によって遊技者が得る価値(当該大当り遊技状態の期間において遊技者が得る価値)に加えて、当該大当り遊技状態の後に制御されるパチンコ遊技機1の遊技状態や、当該大当り遊技状態の後に制御されるパチンコ遊技機1の遊技状態が維持される期間(例えば、時短回数、ST回数)の長さなどを異ならせることにより、当該大当り遊技状態以降において遊技者が得る価値を異ならせてもよい。
【0091】
なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、8R確変大当り(後述)となった後に制御される通常開放ラウンドを8回実行する大当り遊技状態と、16R確変大当り(後述)となった後に制御される通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意している。
【0092】
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
【0093】
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
【0094】
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作や、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
【0095】
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出の何れが実行されるかに応じて、即ち、何れのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
【0096】
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
【0097】
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される滑り演出や擬似連演出などが実行可能である。滑り演出とは、1回の特図ゲームにおいて、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部にて飾り図柄を仮停止表示させた後に仮停止表示させた飾り図柄を再可変表示させる演出、又は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を仮停止表示させた後に仮停止表示させた飾り図柄の一部を再可変表示させる演出である。滑り演出によれば、仮停止表示させた飾り図柄を他の図柄に変更することができるため、例えば、非リーチ状態からリーチ状態になったように見せることができる。
【0098】
擬似連演出とは、1回の特図ゲームにおいて、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部又は全部にて飾り図柄を仮停止表示させた後に仮停止表示させた飾り図柄を再可変表示させる演出である。擬似連演出における再可変表示は、1回の特図ゲームに対して複数回(例えば最大4回)行うことができる。
【0099】
擬似連演出における再可変表示の回数(再可変表示回数)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの可変表示(初回可変表示)の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の再可変表示(最終可変表示)の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。また、擬似連演出における再可変表示の回数を擬似連回数(又は擬似連変動回数)とも称する。つまり、擬似連回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。なお、1回目、2回目、3回目、…と擬似連回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
【0100】
「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、本実施形態では、再可変表示(再変動)を1回又は2回行う例を示しているが(
図5参照)、再可変表示(再変動)を3回以上行ってもよい。
【0101】
なお、擬似連演出は、リーチ成立前に行われてもよいし、リーチ成立後に行われてもよい。つまり、擬似連演出において、リーチ状態となる前に仮停止表示が行われてもよいし、リーチと状態となった後に仮停止表示が行われてもよい。
【0102】
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆するものであってもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよいし、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)などのように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
【0103】
なお、予告演出による報知(予告、示唆)は、当該報知内容が実現するか否かを遊技者が認識するよりも前に行われるものであればよい。例えば、リーチ状態となる可能性を報知する予告演出は、リーチ状態(又は、非リーチ状態)となる前に行われるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性を報知する予告演出は、確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に行われるものであればよい。
【0104】
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する保留表示をターゲットの保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。また、先読予告演出は、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合と、ターゲットの保留情報の消化中、及びターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
【0105】
なお、先読予告演出として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示や第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様による保留演出が用意されていてもよい。保留演出には、第1始動入賞の発生時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する第1保留表示や第2始動入賞の発生時に第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する第2保留表示を予告態様で表示する演出(追加時保留演出)や、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出(保留変化演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。なお、保留作用演出が実行されたときには、作用対象である第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化するが、保留作用ガセ演出が実行されたときには、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化しない。
【0106】
また、予告演出として、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示の表示態様によるアクティブ表示演出が用意されていてもよい。アクティブ表示演出には、アクティブ表示エリアAHAに追加するアクティブ表示を予告態様で表示する演出(追加時アクティブ表示演出)や、既に表示されているアクティブ表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出(アクティブ表示演出)や、アクティブ表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等をアクティブ表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(アクティブ表示作用演出)や、アクティブ表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等をアクティブ表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(アクティブ表示作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。なお、アクティブ表示作用演出が実行されたときには、作用対象であるアクティブ表示の表示態様は変化するが、アクティブ表示作用ガセ演出が実行されたときには、アクティブ表示の表示態様は変化しない。
【0107】
アクティブ表示演出におけるアクティブ表示の表示態様は、当該変動以前(例えば、始動入賞時等)に判定してもよいし、当該変動時に判定してもよい。
【0108】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
【0109】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
【0110】
本実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄(「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄)のうち、「3」の数字を示す特別図柄又は「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「8R確変大当り」となる。また、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「16R確変大当り」となる。8R確変大当りとなったときや16R確変大当りとなったときに制御されるラウンドは通常開放ラウンドである。つまり、本実施形態では、「3」や「5」や「7」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄である。
【0111】
なお、本実施形態では、上述のように「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には8R確変大当りとなるが、「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合に短期開放ラウンドが実行される「2R確変大当り(「突確」とも称する)」となるようにしてもよい。この場合の「5」の数字を示す特別図柄は、短期開放ラウンド大当り図柄(突確図柄とも称する)となる。「大当り」における、「8R確変大当り」、「16R確変大当り」、「2R確変大当り」の別は、「大当り種別」と称する。
【0112】
16R確変大当りとなる場合には、具体的には「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。16R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に、図柄番号が奇数であって同一の飾り図柄が3個並んだもの(即ち、「1」、「1」、「1」と並んだもの、「3」、「3」、「3」と並んだもの、「5」、「5」、「5」と並んだもの、「7」、「7」、「7」と並んだもの)である。
【0113】
8R確変大当りとなる場合には、具体的には「3」の数字を示す特別図柄または「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。8R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が偶数であって同一の飾り図柄が3個並んだもの(即ち、「2」、「2」、「2」と並んだもの、「4」、「4」、「4」と並んだもの、「6」、「6」、「6」と並んだもの、「8」、「8」、「8」と並んだもの)である。
【0114】
なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに2R確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、または、リーチ状態になることなく、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されるようにすればよい。2R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が奇数であって異なる飾り図柄(少なくとも3個のうち1個が異なる飾り図柄)が3個並んだもの(例えば、「1」「3」「5」と並んだもの、「3」「5」「7」と並んだもの、「5」「5」「7」と並んだもの)や、所定の飾り図柄を含む組合せ(例えば、「1」「突確」「2」の組合せ等)である。
【0115】
なお、特図ゲームにおいて「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合と、表面上、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合とがあってもよい。
【0116】
16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが16回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。また、8R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われる。
【0117】
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、確変制御が行われないときに比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了する。なお、所定のST回数は、例えば70回である。
【0118】
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、時短制御が行われないときに比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定の時短回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御は終了する。なお、所定の時短回数は、例えば70回である。
【0119】
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を時短制御が行われないときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を時短制御が行われないときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を時短制御が行われないときよりも長くする制御、その傾動回数を時短制御が行われないときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
【0120】
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
【0121】
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、時短状態又は高ベース状態とも称される。また、確変制御が行われる遊技状態は、高確状態又は確変状態とも称される。時短状態(高ベース状態)や、高確状態(確変状態)は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。
【0122】
確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)であって高ベース状態(時短状態)でもある遊技状態は、高確高ベース状態又は時短付確変状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)であるが高ベース状態(時短状態)ではない遊技状態は、高確低ベース状態又は時短無確変状態とも称される。なお、高確高ベース状態(時短付確変状態)のみを「確変状態」ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)ではないが高ベース状態(時短状態)である遊技状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御も行われない遊技状態は、即ち、高確状態(確変状態)でも高ベース状態(時短状態)でもない遊技状態は、低確低ベース状態とも称される。低確低ベース状態は、確変制御も時短制御も高開放制御も行われない通常の状態であるため、高確高ベース状態や高確低ベース状態や低確高ベース状態などと区別して、「通常状態」と称することもある。なお、大当り遊技状態ではない遊技状態を、大当り遊技状態と区別して、「通常状態」と称することもある。パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように電源投入後に初期化処理が実行された後の状態)は、通常状態である。
【0123】
以上のように、本実施形態では、8R確変大当りまたは16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、所定回数(例えば70回)、高確高ベース状態に制御される。
【0124】
なお、本実施形態では、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった後の時短回数とST回数(確変回数)とが同一(共に70回)であるが、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった後の時短回数とST回数(確変回数)とを異ならせてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)と16R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)とが同一(共に70回)であるが、8R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)と16R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)とを異ならせてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りとなった後の時短回数と16R確変大当りとなった後の時短回数とが同一(共に70回)であるが、8R確変大当りとなった後の時短回数と16R確変大当りとなった後の時短回数とを異ならせてもよい。
【0125】
なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けた場合には、2R確変大当りとなったことに基づいて、短期開放ラウンドが2回(ラウンド)実行される短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、16R確変大当りまたは8R確変大当りとなったときと同様、時短制御とともに確変制御が行われるようにしてもよい。
【0126】
なお、本実施形態では、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了するが、ST回数(確変回数)を設けずに可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が終了しないようにしてもよい。このような態様とするときには、「大当り」の一態様として、終了後に確変制御が行われない通常大当りを設けるようにしてもよい。例えば、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、確変制御を行わない(時短制御や高開放制御は行っても行われなくてもよい)、8R通常大当りを設けるようにしてもよい。
【0127】
また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて高確状態を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了するようにしてもよい。このような態様とするときには、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化する迄は確変転落抽選を行わずに、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した後の各ゲームにおいて確変転落抽選を行うようにしてもよい。時短制御や高開放制御についても同様である。
【0128】
飾り図柄について、再抽選演出が実行されることがある。例えば、再抽選演出として、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄と、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄のうち何れかを、確定飾り図柄として最終停止表示させるようにしてもよい。なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設ける態様としたときに、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた場合も同様である。
【0129】
また、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、8回目のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、8回目のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが16R確変大当りであることを報知するラウンド数昇格演出を実行するようにしてもよい。なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設ける態様としたときに、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された場合も同様である。
【0130】
また、本実施形態では通常大当りを設けないが、通常大当りを設けたときに通常大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、最終のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、最終のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが確変大当りであることを報知する確変昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0131】
なお、ラウンド中に実行される昇格演出(ラウンド数昇格演出、確変昇格演出)を大当り中昇格演出(大当り中ラウンド数昇格演出、大当り中確変昇格演出)と称し、最終のラウンドが終了してから実行される昇格演出(ラウンド数昇格演出、確変昇格演出)をエンディング昇格演出(エンディングラウンド数昇格演出、エンディング確変昇格演出)と称することもある。
【0132】
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0133】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
【0134】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0135】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0136】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0137】
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0138】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
【0139】
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、
図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0140】
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0141】
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば
図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「16R確変大当り」であるか「8R確変大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0142】
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、確定飾り図柄(最終停止図柄)を指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0143】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
【0144】
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
【0145】
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
【0146】
コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0147】
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
【0148】
例えば、保留記憶情報として送信されるコマンドは、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
【0149】
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
【0150】
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリが特定パターン(後述)に対応する変動カテゴリとなるか否かの判定結果を示す変動カテゴリ指定コマンド(変動カテゴリコマンドとも称する)である。変動カテゴリとは、変動パターン種別とも称され、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
【0151】
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(
図15)において、始動入賞の発生時に、一部の場合(高ベース状態等において第1始動入賞があった場合)を除いて、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて、変動カテゴリが特定パターン(後述)に対応する変動カテゴリとなるか否かを判定する。そして、変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、始動入賞の発生時に、主基板11から送信された変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、当該始動入賞に基づく可変表示がスーパーリーチとなるか否かなどを認識できる。
【0152】
なお、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどの演出制御コマンドは、演出制御用CPU120が、1以上の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9など)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置5における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ8からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
【0153】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
【0154】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0155】
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0156】
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば
図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
【0157】
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
【0158】
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれてもよい。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
【0159】
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が高確状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
【0160】
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
【0161】
図5は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの一例を説明する説明図である。
図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」が属している。変動カテゴリ「PB1」は、短縮・リーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB1」には、変動パターン「PB1−1」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」が属している。
【0162】
なお、変動カテゴリ「PA4」と変動カテゴリ「PA5」とを合せて「スーパーリーチ(ハズレ)変動カテゴリ」と総称し、変動カテゴリ「PB4」と変動カテゴリ「PB5」とを合せて「スーパーリーチ(大当り)変動カテゴリ」と総称し、変動カテゴリ「PA4」と変動カテゴリ「PA5」と変動カテゴリ「PB4」と変動カテゴリ「PB5」とを合せて「スーパーリーチ変動カテゴリ」と総称する。
【0163】
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
【0164】
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA4−2」の特図変動時間は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA4−1」の特図変動時間よりも長くなっている。ガセとして擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。
【0165】
変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
【0166】
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB1」に属する変動パターン「PB1−1」は、変動パターン「PB3−1」よりも特図変動時間が短縮されたリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
【0167】
変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
【0168】
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、2R確変大当り(突確)用の変動カテゴリ「PC1」、「PC2」、「PC3」を設けてもよい。変動カテゴリ「PC1」には、変動パターン「PC1−1」〜「PC1−3」が属している。変動パターン「PC1−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(突確)変動パターンである。
【0169】
変動カテゴリ「PC2」には、変動パターン「PC2−1」〜「PC2−4」が属している。変動パターン「PC2−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。
【0170】
変動カテゴリ「PC3」には、変動パターン「PC3−1」〜「PC3−4」が属している。変動パターン「PC3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。
【0171】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、各種のテーブルを構成するデータなどが記憶されている。
【0172】
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。
図6に示す表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
【0173】
表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、表示結果決定テーブル130では、低確低ベース状態であるか、高確高ベース状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
【0174】
表示結果決定テーブル130では、遊技状態が高確高ベース状態であるときに、遊技状態が低確低ベース状態であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、低確低ベース状態では所定個数(具体的には190個)の判定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。一方、高確高ベース状態では所定個数よりも多い個数(具体的には819個)の判定値「8000」〜「8818」が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。このような設定により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、非確変状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
【0175】
なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブルを用い、第1特図用の第1特図表示結果決定テーブルでは、「小当り」の特図表示結果に所定範囲の判定値が割り当てられるようにし、第2特図用の第2特図表示結果決定テーブルでは、第1特図表示結果決定テーブルよりも少ない所定範囲の判定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入し易い遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。
【0176】
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、夫々の大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)に割り当てられている。
【0177】
大当り種別決定テーブル131の設定例では、第1特図ゲームである場合、即ち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図である場合には、所定個数(具体的には50個)の判定値(「0」〜「49」の範囲の値)が16R確変大当りに割り当てられている。一方、第2特図ゲームである場合、即ち、変動特図が第2特図である場合には、所定個数よりも多い個数(具体的には80個)の判定値(「0」〜「79」の範囲の値)が16R確変大当りに割り当てられている。このような設定により、第2特図ゲームでは、第1特図よりも16R確変大当りとなり易いので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入し易い遊技状態(高確高ベース状態。具体的には大当り終了後の70回転目迄)において、16R確変大当りとなる期待感を高めることができる。
【0178】
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、第2特図ゲームである場合には、第1特図ゲームである場合よりも少ない個数の判定値を2R確変大当り(突確)に割り当ててもよい。このような設定により、第2特図ゲームでは、第1特図よりも2R確変大当り(突確)となり難いので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入し易い遊技状態において、賞球を得ることが困難な2R確変大当り(突確)の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
【0179】
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリの夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が割り当てられている。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
【0180】
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンの夫々に、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(判定値)が割り当てられている。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、夫々の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
【0181】
また、ROM101には、変動カテゴリが特定パターン(後述)となるか否かを判定するために参照される先読判定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、判定内容や判定割合などが互いに異なる複数の先読判定テーブルが記憶されている。先読判定テーブルには、判定内容の夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が割り当てられている。なお、複数の先読判定テーブルに代えて、全部の先読判定テーブルの情報を含む1つの大きな先読判定テーブルをROM101に記憶してもよい。
【0182】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち、遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0183】
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば
図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。
図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155と、を備えている。
【0184】
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0185】
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0186】
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0187】
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0188】
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、遊技制御フラグ設定部152には、特図プロセスフラグ、高確フラグ、高ベースフラグ、大当りフラグなどのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。なお、高確フラグは、高確状態であるか低確状態であるかを示すフラグである。高ベースフラグは、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを示すフラグである。大当りフラグは、大当り遊技状態であることを示すフラグである。
【0189】
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0190】
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。また、遊技制御カウンタ設定部154には、ST回数(確変回数)および時短回数の一方または両方を計数するための変動数カウンタの格納値である変動数カウント値、なども記憶される。
【0191】
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0192】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
【0193】
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0194】
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0195】
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
【0196】
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
【0197】
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
【0198】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
【0199】
例えば、ROM121には、保留演出やアクティブ表示演出を実行するための表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM121には、当該表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様パターン(例えば、追加時から消化時に至るまでの保留表示の表示態様、アクティブ表示の表示態様を示したパターン)の種類や夫々の表示態様パターンの決定割合などが互いに異なる複数の表示態様パターン決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の表示態様パターン決定テーブルには、表示態様パターンの夫々に、表示態様パターン決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていてもよい。
【0200】
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータが記憶されている。夫々の演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。即ち、各種の演出動作は、演出制御パターンがセットされることによって実現される。例えば、夫々の変動パターンに対応する飾り図柄の可変表示動作は、夫々の変動パターンに対応する演出制御パターンセットされることによって実現される。保留演出、アクティブ表示演出、ファンファーレ演出、ラウンド遊技中の演出(開放中演出、閉鎖中演出)、エンディング演出などについても、夫々の演出に対応する演出制御パターンセットされることによって実現される。
【0201】
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0202】
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
【0203】
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0204】
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
【0205】
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
【0206】
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
【0207】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば
図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。
図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
【0208】
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、演出制御フラグ設定部191には、演出プロセスフラグ、高確フラグ、高ベースフラグなどのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0209】
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0210】
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。また、演出制御カウンタ設定部193には、時短回数および確変回数の一方または両方を計数するための演出数カウンタの格納値である演出数カウント値を示すデータなども記憶される。
【0211】
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0212】
本実施形態では、
図10(B)に示すような第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、所定のコマンドが、主基板11から演出制御基板12へと送信される。具体的には、4つのコマンド(始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド))が1セットで、又は、2つのコマンド(始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド))が1セットで、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、主基板11から送信されたこれらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを格納できるように、バッファ番号毎に、図柄指定コマンドを格納する格納領域、変動カテゴリコマンドを格納する格納領域、保留記憶数通知コマンドを格納する格納領域が確保されている。
【0213】
演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に主基板11から受信したコマンドをセット毎に対応付けて、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの格納領域に格納する。例えば、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に4つのコマンド(第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンド)を正常に受信したときには、空き領域となっているバッファ番号の格納領域(図柄指定コマンドを格納する格納領域、変動カテゴリコマンドを格納する格納領域、第1保留記憶数通知コマンドを格納する格納領域の何れにも何も格納されていないバッファ番号の夫々の格納領域)に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを格納する。複数のバッファ番号の格納領域が空き領域となっているときには、空き領域となっている最も小さいバッファ番号の格納領域に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを格納する。なお、
図10(B)に示す例は、バッファ番号「1」〜「3」の格納領域にコマンドが格納されている状態を表している。一方、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に2つのコマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンド)を正常に受信したときには、空き領域となっているバッファ番号の格納領域(図柄指定コマンドを格納する格納領域、変動カテゴリコマンドを格納する格納領域、第1保留記憶数通知コマンドを格納する格納領域の何れにも何も格納されていないバッファ番号の夫々の格納領域)に、第1保留記憶数通知コマンドを格納する。複数のバッファ番号の格納領域が空き領域となっているときには、空き領域となっている最も小さいバッファ番号の格納領域に、第1保留記憶数通知コマンドを格納する。
【0214】
図10(B)に示す第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
【0215】
例えば、
図10(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」にシフトされる。
【0216】
また、本実施形態では、
図10(C)に示すような第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、所定のコマンドが、主基板11から演出制御基板12へと送信される。具体的には、4つのコマンド(始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド))が1セットで、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、主基板11から送信されたこれらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを格納できるように、バッファ番号毎に、図柄指定コマンドを格納する格納領域、変動カテゴリコマンドを格納する格納領域、保留記憶数通知コマンドを格納する格納領域が確保されている。
【0217】
演出制御用CPU120は、第2始動入賞時に主基板11から受信したコマンドをセット毎に対応付けて、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの格納領域に格納する。例えば、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時に4つのコマンド(第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンド)を正常に受信したときには、空き領域となっているバッファ番号の格納領域(図柄指定コマンドを格納する格納領域、変動カテゴリコマンドを格納する格納領域、第2保留記憶数通知コマンドを格納する格納領域の何れにも何も格納されていないバッファ番号の夫々の格納領域)に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドを格納する。複数のバッファ番号の格納領域が空き領域となっているときには、空き領域となっている最も小さいバッファ番号の格納領域に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドを格納する。なお、
図10(C)に示す例は、バッファ番号「1」〜「2」の格納領域にコマンドが格納されている状態を表している。
【0218】
図10(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
【0219】
例えば、
図10(C)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされる。
【0220】
また、本実施形態では、
図10(D)に示すような第1先読予告バッファ194Cを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1先読予告バッファ194Cには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第1先読予告バッファ194Cには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、
図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、
図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
【0221】
また、本実施形態では、
図10(E)に示すような第2先読予告バッファ194Dを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2先読予告バッファ194Dには、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第2先読予告バッファ194Dには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、
図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、
図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
【0222】
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0223】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0224】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0225】
ステップS13の情報出力処理に続いて、CPU103は、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。ステップS14の遊技用乱数更新処理では、例えば、主基板11の側で用いられる遊技用乱数(例えば、乱数値MR1〜MR5等)の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。一例として、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによってカウントされる遊技用乱数を示す数値データをソフトウェアにより更新してもよい。
【0226】
ステップS14の遊技用乱数更新処理に続いて、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0227】
特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。普通図柄プロセス処理が実行されることにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
【0228】
普通図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0229】
図12は、
図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図13は、
図12に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0230】
図13に示す始動入賞判定処理(ステップS101)において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合は(ステップS201;YES)、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定すればよい。
【0231】
ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合には(ステップS202;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値(始動口バッファ値)に「1」を設定する(ステップS207)。ステップS207の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理(
図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファ値に「0」を設定(クリア)する(ステップS209)。
【0232】
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンではないと判定した場合や(ステップS201(NO))、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合や(ステップS202(YES))、ステップS209の処理を実行した後には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合は(ステップS203;YES)、CPU103は、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定すればよい。
【0233】
ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合には(ステップS204;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値(始動口バッファ値)に「2」を設定する(ステップS210)。ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理(
図14)を実行し(ステップS211)、始動口バッファ値に「0」を設定(クリア)し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。
【0234】
ステップS203にて第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合や(ステップS203(NO))、ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合には(ステップS204(YES))、ステップS210、S211、S212の処理を行わずに、始動入賞判定処理を終了する。
【0235】
図13に示した始動入賞判定処理によれば、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
【0236】
図14は、始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)の一例を示すフローチャートである。
図14に示した始動入賞時処理において、CPU103は、まず、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
【0237】
ステップS216の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
【0238】
ステップS218の処理に続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0239】
ステップS219の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、CPU103は、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。例えば、ROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0240】
図15は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)の一例を示すフローチャートである。
図15に示した入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグの状態を確認することなどにより、大当り遊技状態であるか否かを特定する。具体的には、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるときには大当り遊技状態であると特定し、大当りフラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)大当り遊技状態ではないと特定する。また、ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高ベースフラグの状態を確認することなどにより、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを特定する。具体的には、CPU103は、高ベースフラグがオン状態であるときには高ベース状態であると特定し、高ベースフラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低ベース状態であると特定する。また、ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高確フラグの状態を確認することなどにより、高確状態であるか低確状態であるかを特定してもよい。具体的には、CPU103は、高確フラグがオン状態であるときには高確状態であると特定し、高確フラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低確状態であると特定してもよい。
【0241】
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、現在、大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS402)。つまり、ステップS401の処理において大当り遊技状態であると特定したか否かを判定する。ステップS402にて大当り遊技状態ではないと判定した場合(ステップS402;NO)、CPU103は、現在、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS403)。つまり、ステップS401の処理において高ベース状態であると特定したか否かを判定する。
【0242】
ステップS402にて大当り遊技状態であると判定した場合や(ステップS402;YES)、ステップS403にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS403;YES)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。つまり、第2始動入賞(変動特図が第2特図である始動入賞)であるか否かを判定する。ステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではないと判定した場合(ステップS404;NO)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0243】
ステップS403にて高ベース状態ではないと判定した場合や(ステップS403(NO))、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定した場合には(ステップS404(YES))、CPU103は、現在の遊技状態に応じた特図表示結果決定テーブルをセット(選択)する(ステップS405)。具体的には、CPU103は、高ベース状態でないときには(ステップS403(NO))、
図6に示した表示結果決定テーブル130から、低確低ベース用のテーブルデータ(「8000」〜「8189」の範囲の値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられているテーブルデータをセットし、高ベース状態であるときには(ステップS403(YES)、ステップS404(YES))、
図6に示した表示結果決定テーブル130から、高確高ベース用のテーブルデータ(「8000」〜「8818」の範囲の値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられているテーブルデータをセットする。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」である場合には、第1特図表示結果決定テーブルを使用し、始動口バッファ値が「2」である場合には、第2特図表示結果決定テーブルを使用すればよい。
【0244】
ステップS405の処理に続いて、CPU103は、
図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS406)。例えば、CPU103は、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値とを逐一比較し、乱数値MR1を示す数値データと合致する判定値の有無を判定する。あるいは、CPU103は、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを比較し、乱数値MR1を示す数値データが、判定値の最小値と最大値の範囲内であるか否かを判定してもよい。
【0245】
ステップS406にて大当り判定範囲内であると判定した場合には(ステップS406;YES)、
図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別を判定する(ステップS407)。具体的には、まず、CPU103は、始動口バッファ値によって特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じた大当り種別決定テーブルをセット(選択)する。具体的には、CPU103は、
図7に示した大当り種別決定テーブル131から、変動特図に応じたテーブルデータをセットする。続いて、CPU103は、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動特図に応じてセットした大当り種別決定用テーブルデータにおける夫々の大当り種別の判定値とを比較するなどして、乱数値MR2を示す数値データと合致する大当り種別を判定すればよい。
【0246】
ステップS407の処理に続いて、CPU103は、ステップS407の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS408)。一方、ステップS406にて大当り判定範囲内ではないと判定した場合には(ステップS406;NO)、ハズレに応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS409)。こうして設定された図柄指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0247】
ステップS408の処理又はステップS409の処理を実行した後には、CPU103は、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS410)。なお、ステップS410の処理が実行されるのは下記4通りの場面(場面1〜場面4)である。
(場面1)
大当り遊技状態ではなく且つ低ベース状態である場面(ステップS402(NO)、ステップS403(YES)となるとき)。なお、第1始動入賞(変動特図が第1特図である始動入賞)であっても第2始動入賞(変動特図が第2特図である始動入賞)あってもよい。
(場面2)
大当り遊技状態ではなく且つ高ベース状態において第2始動入賞があった場面(ステップS402(NO)、ステップS403(YES)、ステップS404(YES)となるとき)
(場面3)
大当り遊技状態であって且つ低ベース状態において第2始動入賞があった場合(ステップS402(YES)、ステップS404(YES)となるとき)
(場面4)
大当り遊技状態であって且つ高ベース状態において第2始動入賞があった場合(ステップS402(YES)、ステップS404(YES)となるとき)
【0248】
ステップS410にて高ベース状態ではないと判定した場合には(ステップS410;NO)、つまり、上記場面1や上記場面3であるときには、CPU103は、特図表示結果に応じた低ベース状態用の先読判定テーブルをセット(選択)する(ステップS411)。一方、ステップS410にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS410;YES)、つまり、上記場面2や上記場面4であるときには、CPU103は、特図表示結果に応じた高ベース状態用の先読判定テーブルをセット(選択)する(ステップS412)。
【0249】
図16は、先読判定テーブルの構成例等を示す図である。
図16(A)は、低ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときに参照する先読判定テーブルの構成例である。
図16(B)は、高ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときに参照する先読判定テーブルの構成例である。
図16(C)は、低ベース状態又は高ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときに参照する先読判定テーブルの構成例である。
図16(D)は、変動カテゴリコマンドの設定例である。「特定パターン」とは、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動パターンとなる変動パターンである。「非特定パターン」とは、「特定パターン」以外の変動パターンである。
【0250】
図16(A)の先読判定テーブルは、
図19(A)に示す、低ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときに参照する変動カテゴリ決定テーブルの設定に基づいて設定されている。
図19(A)の変動カテゴリ決定テーブルによれば、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「97」〜「99」の何れかであれば、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA4」、「PA5」)に決定される。即ち、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「97」〜「99」の何れかであれば、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動パターン(変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」)に決定される(
図20参照)。従って、低ベース状態において特図表示結果が「ハズレ」となるときには、少なくとも、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「97」〜「99」の何れかであれば、始動入賞時あるいは可変表示開始時(当該変動時)における保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動パターンという特定の変動パターン(特定パターン)に決定される。そこで、
図16(A)の先読判定テーブルでは、「特定パターン」に「97」〜「99」の範囲の値を割り当て、「特定パターン」以外である「非特定パターン」に「0」〜「96」の範囲の値を割り当てている。
【0251】
図16(B)の先読判定テーブルは、
図19(B)に示す、高ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときに参照する変動カテゴリ決定テーブルの設定に基づいて設定されている。
図19(B)の変動カテゴリ決定テーブルによれば、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「89」〜「99」の何れかであれば、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA4」、「PA5」)に決定される。即ち、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「89」〜「99」の何れかであれば、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動パターン(変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」)に決定される(
図20参照)。従って、高ベース状態において特図表示結果が「ハズレ」となるときには、少なくとも、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「89」〜「99」の何れかであれば、始動入賞時あるいは可変表示開始時(当該変動時)における保留記憶数にかかわらず、特定パターンに決定される。そこで、
図16(B)の先読判定テーブルでは、「特定パターン」に「89」〜「99」の範囲の値を割り当て、「特定パターン」以外である「非特定パターン」に「0」〜「88」の範囲の値を割り当てている。
【0252】
図16(C)の先読判定テーブルは、
図19(C)に示す低ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときに参照する変動カテゴリ決定テーブル、及び、
図19(D)に示す高ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときに参照する変動カテゴリ決定テーブル基づいて設定されている。
図19(C)の変動カテゴリ決定テーブル、及び、
図19(D)の変動カテゴリ決定テーブルによれば、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「60」〜「99」の何れかであれば、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動カテゴリ(変動カテゴリ「PB4」、「PB5」)に決定される。即ち、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「60」〜「99」の何れかであれば、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ変動パターン(変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」)に決定される(
図20参照)。従って、低ベース状態又は高ベース状態において特図表示結果が「大当り」となるときには、少なくとも、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3が「60」〜「99」の何れかであれば、始動入賞時あるいは可変表示開始時(当該変動時)における保留記憶数にかかわらず、特定パターンに決定される。そこで、
図16(C)の先読判定テーブルでは、「特定パターン」に「60」〜「99」の範囲の値を割り当て、「特定パターン」以外である「非特定パターン」に「0」〜「59」の範囲の値を割り当てている。
【0253】
従って、ステップS410にて高ベース状態ではないと判定した場合に実行するステップS411の処理では、CPU103は、ステップS406にて特図表示結果を「ハズレ」とすると判定していた場合には
図16(A)に示した先読判定テーブルを構成するテーブルデータをセットし、ステップS406にて特図表示結果を「大当り」とすると判定していた場合には
図16(C)に示した先読判定テーブルを構成するテーブルデータをセットする。
【0254】
また、ステップS410にて高ベース状態であると判定した場合に実行するステップS412の処理では、CPU103は、ステップS406にて特図表示結果を「ハズレ」とすると判定していた場合には
図16(B)に示した先読判定テーブルを構成するテーブルデータをセットし、ステップS406にて特図表示結果を「大当り」とすると判定していた場合には
図16(C)に示した先読判定テーブルを構成するテーブルデータをセットする。
【0255】
ステップS411の処理又はステップS412の処理を実行した後には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、変動パターンが「非特定パターン」であるか「特定パターン」であるかを先読判定する(ステップS413)。具体的には、CPU103は、
図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS411又はステップS412にてセットした先読判定用テーブルデータにおける「非特定パターン」又は「特定パターン」の判定値とを比較するなどして、「非特定パターン」の判定値又は「特定パターン」の判定値の何れが、乱数値MR3を示す数値データと合致するかを判定すればよい。
【0256】
ステップS413の処理に続いて、CPU103は、ステップS413における判定結果(先読判定)に応じた変動カテゴリコマンドの送信設定を行ってから(ステップS414)、入賞時乱数値判定処理を終了する。なお、ステップS414の処理では、CPU103は、ステップS413の処理における判定結果に応じて、
図16(D)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを送信するための送信設定を行う。具体的には、ステップS413の処理おいて、非特定パターン(ハズレ)であると判定したときにはEXTデータに「00」を設定した変動カテゴリコマンドを演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行い、特定パターン(ハズレ)であると判定したときにはEXTデータに「01」を設定した変動カテゴリコマンドを演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行い、非特定パターン(大当り)であると判定したときにはEXTデータに「02」を設定した変動カテゴリコマンドを演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行い、特定パターン(大当り)であると判定したときにはEXTデータに「03」を設定した変動カテゴリコマンドを演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う。
【0257】
始動入賞判定処理(ステップS101)に続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理の何れかを選択して実行する。
【0258】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。特別図柄通常処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、当該可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する処理などを含んでいる。特別図柄通常処理では、可変表示結果を事前決定したときには、特図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
【0259】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。変動パターン設定処理は、特別図柄通常処理(ステップS110)にて事前決定した可変表示結果等に基づいて変動パターンを決定する処理や、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)などを送信するための設定処理などを含んでいる。変動パターン設定処理では、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
【0260】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動(可変表示)させる処理や、変動開始後の経過時間が特図変動時間(
図5)に達したか否かを判定する処理などを含んでいる。特別図柄変動処理では、変動開始後の経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
【0261】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特別図柄停止処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、確定特別図柄を停止表示(導出)させる処理や、大当りフラグがオフ状態となっている場合(特別図柄通常処理(ステップS110)にて可変表示結果を「ハズレ」とすると事前決定している場合)に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を遷移させる変動時遊技状態遷移処理や、大当りフラグがオン状態となっている場合(可変表示結果を「大当り」とすると事前決定している場合)に実行する処理として当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を送信するための設定処理などを含んでいる。特別図柄停止処理では、大当りフラグがオフ状態となっているときには、特図プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、大当りフラグがオン状態となっているときには、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。
【0262】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開放前処理は、大入賞口を開放状態とするための設定(例えば、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の設定等)を行う処理や、大入賞口開放中通知コマンドなどを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放前処理では、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する。
【0263】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。大当り開放中処理は、大入賞口の開放後の経過時間が所定時間を経過したか否かやカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数が所定個数に達したか否かなどに基づいて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングを判定する処理や、大入賞口を閉鎖状態とするための設定(例えば、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の設定等)を行う処理や、大入賞口開放後通知コマンドなどを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放中処理では、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する。
【0264】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。大当り開放後処理は、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達しない場合に実行する処理として大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に実行する処理として当り終了指定コマンドを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放後処理では、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値を“5”に更新し、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する。
【0265】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了処理は、大当り終了時演出待ち時間(エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間)が経過したか否かを判定する処理や、大当り終了時演出待ち時間が経過した場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を高確高ベース状態に設定する処理やST回数や時短回数を設定する処理などを含んでいる。大当り終了処理では、エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0266】
図17は、特別図柄通常処理(ステップS110)の一例を示すフローチャートである。
図17に示した特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0267】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」ではないと判定した場合には(ステップS231;NO)、CPU103は、第2特図保留記憶部151Bの保留番号「1」から特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3の保留データ(数値データ)を夫々読み出して一時記憶する(ステップS232)。つまり、CPU103は、第2特図ゲームの保留(保留データ)があるときには、第1特図ゲームの保留があるか否かに関わらず、当該変動の保留データとして、第2特図保留記憶部151Bの保留番号「1」に対応する数値データ(最先(最古)にステップS217にて抽出された第2特図ゲームの保留データ)を読み出して変動用乱数バッファなどに一時的に格納する。
【0268】
ステップS232の処理に続いて、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154(
図8参照)に記憶されている第2特図保留記憶数を1減算するとともに、第2特図保留記憶部151B(
図8参照)の記憶内容をシフトする(ステップS233)。具体的には、ステップS233の処理では、CPU103は、第2保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。加えて、ステップS233の処理では、CPU103は、合計保留記憶数カウント値を1減算してもよい。ステップS233の処理に続いて、CPU103は、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
【0269】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定した場合には(ステップS231;YES)、CPU103は、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0270】
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」ではないと判定した場合には(ステップS235;NO)、CPU103は、第1特図保留記憶部151Aの保留番号「1」から特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3の保留データ(数値データ)を夫々読み出して一時記憶する(ステップS236)。つまり、CPU103は、第2特図ゲームの保留(保留データ)がないときであって(ステップS231(YES))、且つ、第1特図ゲームの保留があるときには、当該変動の保留データとして、第1特図保留記憶部151Aの保留番号「1」に対応する数値データ(最先(最古)にステップS217にて抽出された第1特図ゲームの保留データ)を読み出して変動用乱数バッファなどに一時的に格納する。
【0271】
ステップS236の処理に続いて、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154(
図8参照)に記憶されている第1特図保留記憶数を1減算するとともに、第1特図保留記憶部151A(
図8参照)の記憶内容をシフトする(ステップS237)。具体的には、ステップS237の処理では、CPU103は、第1保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。加えて、ステップS237の処理では、CPU103は、合計保留記憶数カウント値を1減算してもよい。ステップS237の処理に続いて、CPU103は、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
【0272】
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定したときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームの何れを実行するかが決定できればよい。
【0273】
ステップS234の処理又はステップS238の処理を実行した後には、CPU103は、現在の遊技状態に応じた特図表示結果決定テーブルをセット(選択)する(ステップS239)。例えば、CPU103は、
図15に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS405と同様に、特図表示結果決定テーブルをセットすればよい。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、ステップS405の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を参照したが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を参照すればよい。
【0274】
続いて、CPU103は、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS239にてセットした特図表示結果決定テーブルとに基づいて、特図表示結果を決定する(ステップS240)。ステップS240の処理では、CPU103は、
図15に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS406と同様、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS239にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値とを逐一比較するなどして、特図表示結果(「大当り」とするか「ハズレ」とするか)を決定すればよい。
【0275】
ステップS240の処理に続いて、CPU103は、ステップS240にて決定した特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS241にて「大当り」であると判定した場合には(ステップS241;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。なお、大当りフラグは、ステップS117の大当り終了処理にてオフ状態にクリア(リセット)される。ステップS242の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定処理を実行する(S244)。ステップS244の大当り種別決定処理は、
図15に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS407において実行される大当り種別判定処理と同様である。ステップS244の大当り種別決定処理に続いて、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定する(ステップS245)。つまり、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が何であるかを記憶する。一例として、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が、「16R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値に「1」を設定し、「8R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値に「2」を設定する。
【0276】
ステップS241にて「大当り」ではないと判定した場合には(ステップS241(NO))や、ステップS245の処理を実行した後には、CPU103は、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。ステップS248の処理に続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新し(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
【0277】
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」であると判定した場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0278】
図18は、変動パターン設定処理(ステップS111)の一例を示すフローチャートである。
図18に示した変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS250)。即ち、CPU103は、特別図柄通常処理(ステップS110)にて可変表示結果を「大当り」とすると事前決定したか否かを判定する。大当りフラグがオン状態であると判定した場合には(ステップS250;YES)、ステップS244にて決定した大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)に応じた演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS251)。大当りフラグがオン状態ではないと判定した場合には(ステップS250;NO)、ハズレであることを示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS252)。
【0279】
ステップS251の処理又はステップS252の処理を実行した後には、CPU103は、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS253)。ステップS253にて高ベース状態ではないと判定した場合には(ステップS253;NO)、CPU103は、特図表示結果に応じた低ベース状態用の変動カテゴリ決定用テーブルデータをセット(選択)する(ステップS254)。具体的には、CPU103は、ステップS250にて大当りフラグがオン状態ではないと判定していた場合には低ベース/ハズレ時用の変動カテゴリ決定テーブル(
図19(A)に示した変動カテゴリ決定テーブル)を構成するテーブルデータをセットし、ステップS250にて大当りフラグがオン状態であると判定していた場合には低ベース/大当り時用の変動カテゴリ決定テーブル(
図19(C)に示した変動カテゴリ決定テーブル)を構成するテーブルデータをセットする。
【0280】
ステップS253にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS253;YES)、CPU103は、特図表示結果に応じた高ベース状態用の変動カテゴリ決定用テーブルデータをセット(選択)する(ステップS255)。具体的には、CPU103は、ステップS250にて大当りフラグがオン状態ではないと判定していた場合には高ベース/ハズレ時用の変動カテゴリ決定テーブル(
図19(B)に示した変動カテゴリ決定テーブル)を構成するテーブルデータをセットし、ステップS250にて大当りフラグがオン状態であると判定していた場合には高ベース/大当り時用の変動カテゴリ決定テーブル(
図19(D)に示した変動カテゴリ決定テーブル)を構成するテーブルデータをセットする。
【0281】
ステップS254の処理又はステップS255の処理を実行した後には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、変動カテゴリを決定する(ステップS256)。具体的には、CPU103は、変動用乱数バッファに格納された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS254又はステップS255にてセットした変動カテゴリ決定用テーブルデータの保留記憶数毎の判定値とを比較するなどして、乱数値MR3を示す数値データと合致する変動カテゴリを決定すればよい。
【0282】
一例として、ステップS254にて
図19(A)の変動カテゴリ決定テーブルを構成するテーブルデータがセットされた場合であって保留記憶数が「0」の場合(当該入賞に係る保留記憶以外に保留記憶が存在しない場合)には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが、「0」〜「69」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA2」を決定し、「70」〜「89」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA3」を決定し、「90」〜「98」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA4」を決定し、「99」であるときには変動カテゴリ「PA5」を決定する。
【0283】
ステップS254にて
図19(A)の変動カテゴリ決定テーブルを構成するテーブルデータがセットされた場合であって保留記憶数が「1」〜「3」の範囲の場合(当該入賞に係る保留記憶以外に保留記憶が1個〜3個存在する場合)には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが、「0」〜「3」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA1」を決定し、「4」〜「79」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA2」を決定し、「80」〜「96」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA3」を決定し、「97」〜「98」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA4」を決定し、「99」であるときには変動カテゴリ「PA5」を決定する。
【0284】
ステップS254にて
図19(A)の変動カテゴリ決定テーブルを構成するテーブルデータがセットされた場合であって保留記憶数が「4」の範囲の場合(当該入賞に係る保留記憶以外に保留記憶が4個存在する場合)には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが、「0」〜「63」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA1」を決定し、「64」〜「79」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA2」を決定し、「80」〜「96」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA3」を決定し、「97」〜「98」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PA4」を決定し、「99」であるときには変動カテゴリ「PA5」を決定する。
【0285】
また、ステップS254にて
図19(C)の変動カテゴリ決定テーブルを構成するテーブルデータがセットされた場合には、CPU103は、保留記憶数によらず、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが、「0」〜「9」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PB1」を決定し、「10」〜「59」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PB3」を決定し、「60」〜「89」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PB4」を決定し、「90」〜「99」の範囲にあるときには変動カテゴリ「PB5」を決定する。
【0286】
ステップS255にて
図19(B)の変動カテゴリ決定テーブル、又は、
図19(D)の変動カテゴリ決定テーブルを構成するテーブルデータがセットされた場合についても同様である。
【0287】
ステップS256の処理に続いて、CPU103は、ステップS256にて決定した変動カテゴリと、変動パターン決定用の乱数値MR5とに基づいて、変動パターンを決定する(ステップS257)。ステップS257の処理においては、CPU103は、ステップS256にて決定した変動カテゴリに対応する変動パターン決定テーブルをセット(選択)し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、何れの変動パターンの範囲にあるかに基づいて、変動パターンを決定すればよい。
【0288】
図20は、変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。ステップS257の処理では、CPU103は、例えば、ステップS256にて変動カテゴリ「PA2」を決定した場合には、
図20(B)に示す、変動カテゴリ「PA2」に対応する変動パターン決定テーブルをセット(選択)し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、「0」〜「39」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−1」を決定し、「40」〜「69」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−2」を決定し、「70」〜「99」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−3」を決定する。また、例えば、CPU103は、ステップS256にて変動カテゴリ「PA3」を決定した場合には、
図20(C)に示す、変動カテゴリ「PA3」に対応する変動パターン決定テーブルをセット(選択)し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、「0」〜「79」の範囲にあるときには変動パターン「PA3−1」を決定し、「80」〜「99」の範囲にあるときには変動パターン「PA3−2」を決定する。ステップS256にて他の変動カテゴリを決定した場合についても同様である。
【0289】
なお、変動パターン決定用の乱数値MR5は、当該処理の実行時に抽出してもよいし、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3などと同様、始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)のステップS217にて抽出して保留データとし、特別図柄通常処理(ステップS110)のステップS232(又はステップS236)にて読み出してもよい。
【0290】
ステップS257の処理に続いて、CPU103は、決定した変動パターンに応じた演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS258)。なお、CPU103は、変動パターン指定コマンドに加えて、第1特図ゲームの開始を指定する第1変動開始コマンド(又は、第2特図ゲームの開始を指定する第2変動開始コマンド)の送信設定を行ってもよい。続いて、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている特図変動時間タイマに、当該変動パターンに応じた特図変動時間タイマ値をセットし(ステップS259)、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(ステップS112)に対応する“2”に更新し(ステップS260)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS260にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、特別図柄変動処理が実行される。
【0291】
図21は、特別図柄停止処理(ステップS113)の一例を示すフローチャートである。
図21に示した特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、確定特別図柄を停止表示(導出)させた後、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS291)。即ち、CPU103は、特別図柄通常処理(ステップS110)にて可変表示結果を「大当り」とすると事前決定したか否かを判定する。大当りフラグがオン状態であると判定した場合には(ステップS291;YES)、CPU103は、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理においては、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
【0292】
ステップS292の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理においては、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。ステップS293の処理に続いて、CPU103は、低確低ベース状態に設定する(ステップS294)。ステップS294の処理では、例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高確フラグや高ベースフラグを、夫々、クリアしてオフ状態に設定すればよい。なお、既に、低確低ベース状態となっているときにはステップS294の処理を省略してもよい。ステップS294の処理に続いて、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新し(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
【0293】
ステップS291にて大当りフラグがオン状態ではないと判定した場合には(ステップS291;NO)、CPU103は、変動時遊技状態遷移処理を行う(ステップS296)。CPU103は、変動時遊技状態遷移処理として、例えば、以下の処理を実行する。まず、CPU103は、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるか否かを判定し、低確低ベース状態でなければ、変動数カウンタの値を1加算する。変動数カウンタとは、低確低ベース状態に制御された後の特図ゲームの実行回数であって、ST回数(確変回数)や時短回数と比較される回数である。ST回数(確変回数)とは、確変制御を実行する可変表示ゲームの実行回数である。時短回数とは、時短制御を実行する可変表示ゲームの実行回数である。ST回数(確変回数)や時短回数は、大当り終了処理(ステップS117)において設定される。変動数カウンタの値を1加算したCPU103は、1加算後の変動数カウンタの値とST回数とを比較し、変動数カウンタの値がST回数よりも大きい場合には、遊技状態を低確低ベース状態に設定するとともに、ST回数や時短回数の設定値を“0”にクリアすればよい。なお、本実施形態では、時短回数とST回数とが同一(共に70回)であるため、1加算後の変動数カウンタの値と時短回数とを比較してもよい。また、時短回数とST回数とが異なる場合には、夫々を個別に比較してもよい。即ち、CPU103は、1加算後の変動数カウンタの値と時短回数とを比較し、変動数カウンタの値が時短回数よりも大きい場合には低ベース状態に設定し、1加算後の変動数カウンタの値とST回数とを比較し、変動数カウンタの値がST回数よりも大きい場合には低確状態に設定してもよい。
【0294】
ステップS296の変動時遊技状態遷移処理に続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS297)、特別図柄停止処理を終了する。
【0295】
図22は、大当り終了処理(ステップS117)の一例を示すフローチャートである。
図22に示した大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、
図12に示す大当り開放後処理(ステップS116)においては、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理においては、CPU103は、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。
【0296】
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していないと判定した場合には(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過したと判定した場合には(ステップS311;YES)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高確フラグをオン状態にするなどして、高確状態(確変状態)に設定する(ステップS314)。続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高ベースをオン状態にするなどして、高ベース状態に設定する(ステップS315)。つまり、ステップS314、ステップS315の処理によって、大当り遊技状態の終了時には、遊技状態が高確高ベース状態に設定される。
【0297】
ステップS315の処理に続いて、CPU103は、ST回数(確変回数)の設定値を70回に設定し(ステップS316)、時短回数を70回に設定する(ステップS317)。続いて、CPU103は、変動数カウンタの値を“0”にクリアし(ステップS318)、大当りフラグをオフ状態にクリア(リセット)し(ステップS319)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新し(ステップS297)、大当り終了処理を終了する。
【0298】
なお、本実施形態では、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを異なる値としてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを異なる値としてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを異なる値としてもよい。なお、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」である場合には16R確変大当りであると判断し、大当り種別バッファ値が「2」である場合には8R確変大当りであると判断してもよい。また、8R確変大当りの場合と16R確変大当りの場合とでST回数(確変回数)や時短回数の設定値を異ならせない場合には(同一の値とするときには)、ステップS312の処理(大当り種別バッファ値の読出)を省略してもよい。
【0299】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
【0300】
図23は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、
図23に示すような演出制御メイン処理を実行する。
【0301】
図23に示した演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオン状態となっていないと判定した場合には(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
【0302】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
【0303】
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0304】
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオン状態となっていると判定した場合には(ステップS72;YES)、演出制御用CPU120は、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
【0305】
ステップS74のコマンド解析処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、主基板11から送信された演出制御コマンド等に基づいて、各種の演出装置を用いた演出動作(例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作など)に関する判定や決定、設定などが行われる。
【0306】
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出用乱数更新処理を実行する(ステップS76)。ステップS76の演出用乱数更新処理では、例えば、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データをソフトウェアにより更新してもよい。その後、ステップS72の処理に戻る。
【0307】
図24は、コマンド解析処理(ステップS74)の一例を示すフローチャートである。
図24に示したコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。受信コマンドがないと判定した場合には(ステップS501;NO)、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
【0308】
ステップS501にて受信コマンドがあると判定した場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。なお、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドのMODEデータを確認し、受信コマンドの種類を特定すればよい(
図3参照)。
【0309】
ステップS502にて第1始動口入賞指定コマンドであると判定した場合には(ステップS502;YES)、演出制御用CPU120は、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、演出制御用CPU120は、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間として予め定められたタイマ初期値を、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットすればよい。
【0310】
ステップS502にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS502;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504にて第2始動口入賞指定コマンドであると判定した場合には(ステップS504;YES)、演出制御用CPU120は、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、演出制御用CPU120は、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間として予め定められたタイマ初期値を、コマンド受信制御タイマにセットすればよい。
【0311】
ステップS504にて第2始動口入賞指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS504;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて図柄指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS506;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて変動カテゴリコマンドではないと判定した場合には(ステップS507;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。ステップS508にて第1保留記憶数通知コマンドであると判定した場合には(ステップS508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
【0312】
ステップS508にて第1保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS508;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。ステップS510にて第2保留記憶数通知コマンドであると判定した場合には(ステップS510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
【0313】
ステップS506にて図柄指定コマンドであると判定した場合や(ステップS506(YES))、ステップS507にて変動カテゴリコマンドであると判定した場合や(ステップS507(YES))、ステップS503、ステップS505、ステップS509、ステップS511の処理の何れかを実行した後には、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域、又は、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域に格納する(ステップS512)。具体的には、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであった場合や、当該受信コマンドの直前の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであった場合(第1始動口入賞指定コマンドを受信した後に第2始動口入賞指定コマンドを受信していない場合)には、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域に格納し、当該受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであった場合や、当該受信コマンドの直前の始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであった場合(第2始動口入賞指定コマンドを受信した後に第1始動口入賞指定コマンドを受信していない場合)には、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域に格納する。ステップS512の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
【0314】
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS510;NO)、演出制御用CPU120は、他の夫々の受信コマンドに応じた設定等を行う(ステップS513)。例えば、演出制御用CPU120は、受信コマンドが遊技状態指定コマンドであった場合には、当該遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定してもよい。
【0315】
ステップS512の処理又はステップS513の処理を実行した後には、ステップS501の処理に戻る。
【0316】
図25は、演出制御プロセス処理(ステップS75)の一例を示すフローチャートである。
図25に示した演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、表示態様パターン(保留表示の表示態様や、当該保留表示に対応するアクティブ表示の表示態様)を決定する処理などが実行される。
【0317】
入賞時演出決定処理(ステップS150)に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
【0318】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。可変表示開始待ち処理では、飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
【0319】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を行うための設定(例えば、変動パターン(特図変動時間)に対応する演出制御パターンや変動時間タイマの値の設定等)を行う処理や、第1保留表示、第2保留表示、アクティブ表示などの表示動作を行うための設定(例えば、当該表示動作に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理では、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
【0320】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理は、可変表示開始設定処理(ステップS171)にて設定した変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5における飾り図柄の可変表示開始後の経過時間が特図変動時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。可変表示中演出処理では、変動時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
【0321】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、確定飾り図柄が「ハズレ」である場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する変動時遊技状態設定処理や、確定飾り図柄が「大当り」である場合に実行する処理としてファンファーレ演出を行うための設定(例えば、ファンファーレ演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。特図当り待ち処理では、確定飾り図柄が「ハズレ」であるときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、確定飾り図柄が「大当り」であるときには、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
【0322】
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開始処理は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。大当り開始処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
【0323】
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。ラウンド中処理は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放後通知コマンドを受信した場合に実行する処理として閉鎖中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が閉鎖状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、閉鎖中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド中処理では、大入賞口開放後通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
【0324】
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。ラウンド後処理は、大入賞口開放中通知コマンドや当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理や、当り終了指定コマンドを受信した場合に実行する処理としてエンディング演出を行うための設定(例えば、エンディング演出に対応する演出制御パターンやエンディング演出実行時間タイマの値の設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド後処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新し、当り終了指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
【0325】
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了後処理は、ラウンド後処理(ステップS176)にて設定したエンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5におけるエンディング演出の実行開始後の経過時間が設定時間に達したか否か)を判定する処理や、エンディング演出実行時間タイマがタイムアウトした場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を高確高ベース状態に設定する処理(演出制御フラグ設定部191に設けられた高確フラグ、高ベースフラグをオン状態にセットする処理)やST回数や時短回数を設定する処理などを含んでいる。大当り終了後処理では、エンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0326】
図26は、入賞時演出決定処理(S150)の一例を示すフローチャートである。
図26に示した入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックし(ステップS151)、新たな受信コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS152)。ステップS152にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS152;NO)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける記憶内容をチェックし(ステップS153)、新たな受信コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS153)。ステップS154にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS154;NO)、入賞時演出決定処理を終了する。
【0327】
ステップS152において第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS152;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191に設けられた高ベースフラグを参照して、時短状態(高確高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS152)。時短状態ではないと判定したときは(ステップS155:NO)、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理を実行する(ステップS160)。第1保留演出決定処理には、表示態様パターンを決定する処理、即ち、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の表示態様や、当該第1保留表示に対応するアクティブ表示(当該第1保留表示の消去によって表示されるアクティブ表示)の表示態様を決定する処理が含まれている。詳細は後述する。
【0328】
第1保留演出決定処理(ステップS160)を実行した後には、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理の決定内容を記憶する(ステップS161)。具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理において決定された表示態様パターン(即ち、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の表示態様や、当該第1保留表示に対応するアクティブ表示の表示態様)を、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて記憶する。
【0329】
ステップS161の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理(ステップS160)において決定した保留表示の表示態様(ステップS161において記憶した決定内容)に基づいて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たな保留表示を追加する第1保留追加処理を実行する(ステップS162)。より詳細には、演出制御用CPU120は、上述の第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時表示態様による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、第1保留演出決定処理において決定した追加時表示態様による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
【0330】
ステップS154において第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS154;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191に設けられた高ベースフラグを参照して、時短状態(高確高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS156)。時短状態(高確高ベース状態)であると判定したときは(ステップS156:YES)、演出制御用CPU120は、第2保留演出決定処理を実行する(ステップS163)。第2保留演出決定処理には、表示態様パターンを決定する処理、即ち、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様や、当該第2保留表示に対応するアクティブ表示(当該第2保留表示の消去によって表示されるアクティブ表示)の表示態様を決定する処理が含まれている。詳細は後述する。
【0331】
第2保留演出決定処理(ステップS163)を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS163、ステップS164、ステップS165の処理を実行し、入賞時演出決定処理を終了する。なお、第2始動口入賞に係るステップS163、ステップS164、ステップS165の夫々の処理は、第1始動口入賞に係るステップS160、ステップS161、ステップS162の夫々の処理に係る処理と同様であり、各ステップにおける「第1」を「第2」と読み替え、当該読み替えに対応して符号を読み替えることが可能であるため、説明を省略する。
【0332】
ステップS155において時短状態であると判定したときや(ステップS155:YES)、ステップS156において時短状態ではないと判定したときは(ステップS156:NO)、始動口入賞指定に応じた保留追加処理を実行する(S166)。具体的には、第1始動口入賞指定コマンドを受信している場合(ステップS152:YES、ステップS155:YES)、演出制御用CPU120は、所定の表示態様パターン(後述する表示態様パターン「HP1」)を決定し、当該決定内容を記憶し、当該決定内容に基づいて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たな保留表示を追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。一方、第2始動口入賞指定コマンドを受信している場合(ステップS154:YES、ステップS156:NO)、演出制御用CPU120は、所定の表示態様パターン(後述する表示態様パターン「HP1」)を決定し、当該決定内容を記憶し、当該決定内容に基づいて、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに新たな保留表示を追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
【0333】
図27は、表示態様パターンの一例を説明する説明図である。具体的には、
図27は、入賞が保留3個目(第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留3個目、又は、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留3個目)である場合の表示態様パターンである。
図28は、表示態様パターンによる表示態様を説明するためのタイムチャートである。具体的には、
図28は、入賞が保留3個目である場合における、保留表示やアクティブ表示の表示態様の変化(変化しない場合も含む)を説明するためのタイムチャートである。
【0334】
図27(
図33、
図38も同様)において、図中の「保留3個目の位置における保留表示の表示態様」は、追加表示後〜1回目のシフト前における位置における保留表示の表示態様である。具体的には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの消化3個前の位置における第1保留表示の表示態様、又は、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの消化3個前の位置における第2保留表示の表示態様である。図中の「保留2個目の位置における保留表示の表示態様」は、1回目のシフト後〜2回目のシフト前における位置における保留表示の表示態様である。具体的には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの消化2個前の位置における第1保留表示の表示態様、又は、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの消化2個前の位置における第2保留表示の表示態様である。図中の「保留1個目の位置における保留表示の表示態様」は、2回目のシフト後〜3回目のシフト前における位置における保留表示の表示態様である。具体的には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの消化1個前の位置における第1保留表示の表示態様、又は、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの消化1個前の位置における第2保留表示の表示態様である。図中の「アクティブ表示の表示態様」は、3回目のシフト後に、アクティブ表示エリアAHAに表示されるアクティブ表示の表示態様である。
【0335】
図27において、図中の「回転中」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、回転中のルーレット画像である旨を示している。なお、回転中のルーレット画像とは、ルーレットが回転しているような画像(動画)であってもよいし、ルーレットが回転しているように画像(静止画)を回転させたものであってもよい。以下、回転中のルーレット画像をルーレット回転画像とも称する場合がある。図中の「回転→停止「?」」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット回転画像から「?」を表示して停止表示したルーレット画像に変化する旨を示している。以下、「?」を表示して停止表示したルーレット画像をルーレット停止画像「?」とも称する場合がある。図中の「回転→停止「!」」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット回転画像から「!」を表示して停止表示したルーレット画像に変化する旨を示している。以下、「!」を表示して停止表示したルーレット画像をルーレット停止画像「!」とも称する場合がある。図中の「回転→停止「熱」」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット回転画像から「熱」を表示して停止表示したルーレット画像に変化する旨を示している。以下、「熱」を表示して停止表示したルーレット画像をルーレット停止画像「熱」とも称する場合がある。図中の「再回転→回転中」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット停止画像(ルーレット停止画像「?」、又は、ルーレット停止画像「!」、又は、ルーレット停止画像「熱」)からルーレット回転画像に変化する旨を示している。図中の「再回転→停止「?」」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット停止画像からルーレット回転画像に変化し、更に、ルーレット停止画像「?」に変化する旨を示している。図中の「再回転→停止「!」」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット停止画像からルーレット回転画像に変化し、更に、ルーレット停止画像「!」に変化する旨を示している。図中の「再回転→停止「熱」」は、保留表示やアクティブ表示として用いるルーレット画像が、ルーレット停止画像からルーレット回転画像に変化し、更に、ルーレット停止画像「熱」に変化する旨を示している。
【0336】
図28(A)は、入賞が保留3個目である場合の夫々の位置における表示態様の変化(変化しない場合も含む)を説明するための時間軸を示している。即ち、保留3個目の位置における保留表示の表示態様→保留2個目の位置における保留表示の表示態様→保留1個目の位置における保留表示の表示態様→アクティブ表示の表示態様を説明するための時間軸を示している。
【0337】
図27において、例えば、表示態様パターン「HP1」は、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、アクティブ表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示する表示態様パターンである。
【0338】
図28(B)は、表示態様パターン「HP1」による保留表示やアクティブ表示の表示態様を示している。
図28(B)に示すように、表示態様パターン「HP1」によれば、保留3個目の位置に追加表示時されたときからルーレットは回転し、1回目のシフト後の保留2個目の位置にあるときにもルーレットは回転し続け、2回目のシフト後の保留1個目の位置にあるときにもルーレットは回転し続け、3回目のシフト後のアクティブ表示においてルーレットの回転が停止して「?」が表示される(時刻T1)。
【0339】
表示態様パターン「HP2」は、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示し、アクティブ表示としてルーレット停止画像「?」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「?」を表示する表示態様パターンである。
【0340】
図28(C)は、表示態様パターン「HP2」による保留表示やアクティブ表示の表示態様を示している。
図28(C)に示すように、表示態様パターン「HP2」によれば、保留3個目の位置に追加表示時されたときからルーレットは回転し、1回目のシフト後の保留2個目の位置にあるときにもルーレットは回転し続け、2回目のシフト後の保留1個目の位置にあるときにルーレットの回転が停止して「?」が表示され(時刻T2)、3回目のシフト後のアクティブ表示においてルーレットが再回転し(時刻T3)、その後にルーレットの回転が停止して「?」が表示される(時刻T4)。
【0341】
表示態様パターン「HP15」は、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「!」を表示し、アクティブ表示としてルーレット停止画像「!」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「熱」を表示する表示態様パターンである。
【0342】
図28(D)は、表示態様パターン「HP15」による保留表示やアクティブ表示の表示態様を示している。
図28(D)に示すように、表示態様パターン「HP15」によれば、保留3個目の位置に追加表示時されたときからルーレットは回転し、1回目のシフト後の保留2個目の位置にあるときにもルーレットは回転し続け、2回目のシフト後の保留1個目の位置にあるときにルーレットの回転が停止して「!」が表示され(時刻T5)、3回目のシフト後のアクティブ表示においてルーレットが再回転し(時刻T6)、その後にルーレットの回転が停止して「熱」が表示される(時刻T7)。
【0343】
表示態様パターン「HP18」は、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット停止画像「?」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「!」を表示し、アクティブ表示としてルーレット停止画像「!」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「熱」を表示する表示態様パターンである。
【0344】
図28(E)は、表示態様パターン「HP18」による保留表示やアクティブ表示の表示態様を示している。
図28(E)に示すように、表示態様パターン「HP18」によれば、保留3個目の位置に追加表示時されたときからルーレットは回転し、1回目のシフト後の保留2個目の位置にあるときにルーレットの回転が停止して「?」が表示され(時刻T8)、2回目のシフト後の保留1個目の位置にあるときにルーレットが再回転し(時刻T9)、その後にルーレットの回転が停止して「!」が表示され(時刻T10)、3回目のシフト後のアクティブ表示においてルーレットが再回転し(時刻T11)、その後にルーレットの回転が停止して「熱」が表示される(時刻T12)。
【0345】
表示態様パターン「HP3」〜「HP14」、「HP17」〜「HP21」についても、
図27に示す通りであるため、説明を省略する。また、
図27(
図29、
図33、
図34、
図37、
図38、
図40等も同様)は、上述したように、入賞が保留3個目である場合の表示態様パターンを示したものであるが、入賞が保留1個目、2個目、4個目である場合についても同様である。
【0346】
図29は、表示態様パターン決定テーブルによる表示態様パターンの決定割合の一例である。具体的には、入賞が保留3個目である場合の表示態様パターン(
図27の表示態様パターン「HP1」〜「HP21」)の決定割合の一例である。なお、ROM121には、保留記憶数(入賞が保留何個目であるかの別)や、変動カテゴリ(特定パターン/非特定パターンかの別)に応じた複数種類の表示態様パターン決定テーブルが記憶されていてもよい。
【0347】
図29に示すように、変動カテゴリコマンドが非特定パターン(ハズレ)を示すものであるときには、表示態様パターン「HP1」が60%の割合で決定され、表示態様パターン「HP2」が10%の割合で決定され、表示態様パターン「HP3」が8%の割合で決定され、表示態様パターン「HP4」が5%の割合で決定され、表示態様パターン「HP5」が4%の割合で決定され、表示態様パターン「HP6」が3%の割合で決定され、表示態様パターン「HP7」が3%の割合で決定され、表示態様パターン「HP8」が3%の割合で決定され、表示態様パターン「HP9」が1%の割合で決定され、表示態様パターン「HP10」が1%の割合で決定され、表示態様パターン「HP11」が1%の割合で決定され、表示態様パターン「HP12」が1%の割合で決定される。
【0348】
変動カテゴリコマンドが、特定パターン(ハズレ)や、非特定パターン(大当り)や、特定パターン(大当り)を示すものであるときについても、
図29に示す通りであるため、説明を省略する。
【0349】
図29によれば、例えば、大当りとなるとき(非特定パターン(大当り)、特定パターン(大当り)であるとき)には、ハズレとなるとき(非特定パターン(ハズレ)、特定パターン(ハズレ)であるとき)に比べ、表示態様パターン「HP1」〜「HP4」の何れかが決定され難く(アクティブ表示の表示結果が「?」になり難く)、表示態様パターン「HP13」〜「HP21」の何れかが決定され易い(アクティブ表示の表示結果が「熱」になり易い)。
【0350】
また例えば、スーパーリーチを経由して大当りとなることが確定しているとき(特定パターン(大当り)であるとき)には、大当りとなるがスーパーリーチとなるか否かが確定していないとき(非特定パターン(大当り)であるとき)に比べ、表示態様パターン「HP1」〜「HP4」の何れかが決定され難く(アクティブ表示の表示結果が「?」になり難く)、表示態様パターン「HP13」〜「HP21」の何れかが決定され易い(アクティブ表示の表示結果が「熱」になり易い)。
【0351】
また例えば、スーパーリーチを経由してハズレとなることが確定しているとき(特定パターン(ハズレ)であるとき)には、ハズレであって且つスーパーリーチとなるか否かも確定していないとき(非特定パターン(ハズレ)であるとき)に比べ、表示態様パターン「HP1」〜「HP4」の何れかが決定され難く(アクティブ表示の表示結果が「?」になり難く)、表示態様パターン「HP13」〜「HP21」の何れかが決定され易い(アクティブ表示の表示結果が「熱」になり易い)。
【0352】
つまり、アクティブ表示の表示結果が「熱」であれば、大当りやスーパーリーチになり易い。
図29によれば、アクティブ表示の表示結果による大当り期待度やスーパーリーチの期待度は、アクティブ表示の表示結果「熱」>アクティブ表示の表示結果「!」>アクティブ表示の表示結果「?」の順である。
【0353】
また、
図27によれば、保留表示の表示結果が「熱」であればアクティブ表示の表示結果が「熱」であることが確定するので、保留表示の表示結果が「熱」であれば、大当りやスーパーリーチになり易い。また、
図27によれば、ルーレット停止画像「!」を表示した後に再回転した場合には、ルーレット停止画像「?」が表示されることはなくルーレット停止画像「!」かルーレット停止画像「熱」の何れかが停止表示される。また、ルーレット停止画像「熱」を表示した後に再回転した場合には、ルーレット停止画像「?」かルーレット停止画像「!」が表示されることはなくルーレット停止画像「熱」が停止表示される。つまり、再回転によって、少なくとも表示結果が成り下がることはない。
【0354】
また、上述したように、保留表示の表示結果が「!」であればアクティブ表示の表示結果が「!」以上となることが確定し、保留表示の表示結果が「熱」であればアクティブ表示の表示結果が「熱」となることが確定するので、保留表示の表示結果による大当り期待度やスーパーリーチの期待度は、アクティブ表示の表示結果と同様、保留表示の表示結果「熱」>保留表示の表示結果「!」>保留表示の表示結果「?」の順である。
【0355】
図26に示した入賞時演出決定処理(ステップS150)の第1保留演出決定処理(ステップS160)や第2保留演出決定処理(ステップS163)は、表示態様パターンを決定する処理であると説明したが、入賞が保留3個目であるときには、「保留3個目の位置における保留表示の表示態様」と「保留2個目の位置における保留表示の表示態様」と「保留1個目の位置における保留表示の表示態様」と「アクティブ表示の表示態様」とが設定された複数種類の表示態様パターン(
図27の表示態様パターン「HP1」〜「HP21」)のうちの何れかが、表示態様パターン決定用の乱数値(非図示)を用いて決定される(例えば、
図29に示したような決定割合で決定される)。
【0356】
なお、入賞が保留3個目でないときも同様である。例えば、入賞が保留1個目であるときには、「保留1個目の位置における保留表示の表示態様」と「アクティブ表示の表示態様」とが設定された複数種類の表示態様パターン(非図示)のうちの何れかが、表示態様パターン決定用の乱数値(非図示)を用いて決定される(決定割合は非図示)。なお、入賞が保留1個目であるときの表示態様パターンの一例は、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、アクティブ表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示する表示態様パターンや、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、アクティブ表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「熱」を表示する表示態様パターンなどである。
【0357】
入賞が保留2個目であるときには、「保留2個目の位置における保留表示の表示態様」と「保留1個目の位置における保留表示の表示態様」と「アクティブ表示の表示態様」と
が設定された複数種類の表示態様パターン(非図示)のうちの何れかが、表示態様パターン決定用の乱数値(非図示)を用いて決定される(決定割合は非図示)。なお、入賞が保留2個目であるときの表示態様パターンの一例は、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、アクティブ表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示する表示態様パターンや、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「!」を表示し、アクティブ表示としてルーレット停止画像「!」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「熱」を表示する表示態様パターンなどである。
【0358】
入賞が保留4個目であるときには、「保留4個目の位置における保留表示の表示態様」と「保留3個目の位置における保留表示の表示態様」と「保留2個目の位置における保留表示の表示態様」と「保留1個目の位置における保留表示の表示態様」と「アクティブ表示の表示態様」とが設定された複数種類の表示態様パターン(非図示)のうちの何れかが、表示態様パターン決定用の乱数値(非図示)を用いて決定される(決定割合は非図示)。なお、入賞が保留4個目であるときの表示態様パターンの一例は、保留4個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、アクティブ表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示する表示態様パターンや、保留4個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット停止画像「?」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「!」を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット停止画像「!」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「熱」を表示し、アクティブ表示としてルーレット停止画像「熱」を表示した後にルーレット回転画像を表示し(再回転し)、更にルーレット停止画像「熱」を表示する表示態様パターンなどである。
【0359】
図30は、可変表示開始設定処理(ステップS171)の一例を示すフローチャートである。
図30に示した可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS522)。具体的には、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理において受信した可変表示結果通知コマンドが、可変表示結果が「ハズレ」となる旨を通知する第1可変表示結果通知コマンドであった場合には「ハズレ」であると判定する。一方、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理において受信した可変表示結果通知コマンドが、可変表示結果が16R確変大当りとなる旨を通知する第2可変表示結果通知コマンドか、可変表示結果が8R確変大当りとなる旨を通知する第3可変表示結果通知コマンドであった場合には「ハズレ」でないと判定する。
【0360】
ステップS522において「ハズレ」であると判定した場合(ステップS522;YES)、演出制御用CPU120は、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ(ハズレ)」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、
図5の「PA1−1」「PA2−1」「PA2−2」「PA2−3」)であるか否かを判定する(ステップS523)。
【0361】
ステップS523において非リーチ変動パターンであると判定した場合には(ステップS523;YES)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。
【0362】
次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
【0363】
ステップS523において非リーチ変動パターンではないと判定した場合には(ステップS523;NO)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
【0364】
なお、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
【0365】
ステップS522において「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS522;NO)、即ち、「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」である場合、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
【0366】
なお、ステップS528において確定飾り図柄の組合せを決定するときには、演出制御用CPU120は、大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)が何れであるかや、昇格演出の有無などに応じて、確定飾り図柄を決定してもよい。
【0367】
具体的な一例として、例えば、16R確変大当り専用の大当り組合せ(例えば、奇数の同一の飾り図柄が3個並んだもの)と、8R確変大当り専用の大当り組み合せ(例えば、偶数の同一の飾り図柄が3個並んだもの)とする態様において、16R確変大当りである場合には、16R確変大当り専用の大当り組合せ、または、8R確変大当り専用の大当り組み合せかの何れかを確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、8R確変大当り専用の大当り組み合せを確定飾り図柄に決定した場合には、昇格演出として、8ラウンドが終了する迄の間に16R確変大当りである旨が報知されればよい。他方、8R確変大当りである場合には、8R確変大当り専用の大当り組み合せかを確定飾り図柄に決定すればよい。
【0368】
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、2R確変大当り(突確)に対応した確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定してもよい。
【0369】
ステップS524、ステップS525、ステップS528の処理の何れかを実行した後には、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS530)。具体的には、演出制御用CPU120は、当該変動に対応する保留表示、アクティブ表示などの表示動作を行うための設定を行う。より詳細には、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、演出制御用CPU120は、入賞時演出決定処理(ステップS150)の第1保留演出決定処理(ステップS160)において決定した表示態様パターン(即ち、ステップS161において記憶した第1保留表示の表示態様や当該第1保留表示に対応するアクティブ表示の表示態様)に従ってシフト後の保留表示やアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。なお、複数の表示対象(保留表示、アクティブ表示)があるときには、シフト後の夫々の保留表示やアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。また、第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第2特図ゲームに連動したものであるときは)、演出制御用CPU120は、入賞時演出決定処理(ステップS150)の第2保留演出決定処理(ステップS163)において決定した表示態様パターン(即ち、ステップS164において記憶した第2保留表示の表示態様や当該第2保留表示に対応するアクティブ表示の表示態様)に従ってシフト後の保留表示やアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。なお、複数の表示対象(保留表示、アクティブ表示)があるときには、シフト後の夫々の保留表示やアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。
【0370】
ステップS530の保留消化処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンに対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする(ステップS532)。
【0371】
ステップS532の処理に続いて、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドを消化する(ステップS538)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号(バッファ番号「1」)に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、削除するコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されている夫々のコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。また、演出制御用CPU120は、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号(バッファ番号「1」)に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、削除するコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されている夫々のコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。また、ステップS538の処理では、演出制御用CPU120は、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファ194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。また、ステップS538の処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に、削除するコマンド(当該変動の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド等)を一時記憶する。
【0372】
ステップS538の処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新し(ステップS539)、可変表示開始設定処理を終了する。
【0373】
図31及び
図32は、画像表示装置における表示動作例を示す図である。具体的には、
図31及び
図32は、保留表示及びアクティブ表示を説明するための説明図であって、
図1の破線枠内の表示を示している。
図31(a)→
図31(b)→
図31(c)→
図32(d)→
図32(e)→
図32(f)→
図32(g)という時系列になっている。なお、
図31及び
図32では、保留3個目として第1始動入賞が発生した場合を例に説明する。
【0374】
保留3個目として第1始動入賞が発生した場合、入賞時演出決定処理(ステップS150)において、第1保留演出決定処理(ステップS160)が行われる。第1保留演出決定処理(ステップS160)では、表示態様パターン「HP15」が決定されたものとする。その後、第1保留追加処理(ステップS162)が行われることにより、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が追加されることになるが、第1保留演出決定処理(ステップS160)において表示態様パターン「HP15」が決定されている場合には、保留3個目の位置における保留表示の表示態様は「回転中」であるため(
図27参照)、
図31(a)に示すように保留3個目の位置に保留表示M3としてルーレット回転画像が表示される。なお、
図31(a)において、保留表示M2は保留表示M3よりも先に消化される保留表示である。保留表示M1は保留表示M2よりも先に消化される保留表示である。アクティブ表示AHは、消化された保留表示M0に対応するアクティブ表示である。
【0375】
その後、可変表示開始設定処理(ステップS171)において、保留消化処理(ステップS530)が行われる。保留表示M3について表示態様パターン「HP15」が決定されている場合には、1回目のシフト後の保留2個目の位置における保留表示の表示態様は「回転中」であるため(
図27参照)、
図31(b)に示すように保留2個目の位置へのシフト後の保留表示M3としてルーレット回転画像が表示される。なお、
図31(b)において、アクティブ表示AHは、消化された保留表示M1に対応するアクティブ表示である。
【0376】
その後、再度、保留消化処理(ステップS530)が行われる。保留表示M3について表示態様パターン「HP15」が決定されている場合には、2回目のシフト後の保留1個目の位置における保留表示の表示態様は「回転→停止「!」」であるため(
図27参照)、
図31(c)に示すように保留1個目の位置へのシフト後の保留表示M3としてルーレット回転画像が表示された後に、
図32(d)に示すようにルーレット停止画像「!」が表示される。なお、
図31(c)及び
図32(d)において、アクティブ表示AHは、消化された保留表示M2に対応するアクティブ表示である。
【0377】
その後、再度、保留消化処理(ステップS530)が行われる。保留表示M3について表示態様パターン「HP15」が決定されている場合には、3回目のシフト後のアクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示の表示態様は「再回転→停止「熱」」であるため(
図27参照)、
図32(e)に示すようにアクティブ表示エリアAHAへのシフト後のアクティブ表示AHとしてルーレット停止画像「!」が表示された後に、
図32(f)に示すようにルーレット回転画像が表示され、更に、
図32(g)に示すようにルーレット停止画像「熱」が表示される。なお、
図32(e)〜
図32(g)において、アクティブ表示AHは、消化された保留表示M3に対応するアクティブ表示である。
【0378】
以下、変形例について説明する。
(変形例1)
【0379】
図33は、表示態様パターンの他の例を説明する説明図である。具体的には、
図33は、2種類のルーレット回転画像を設ける態様における表示態様パターンの一例を説明する説明図である。
【0380】
図33において、図中の「回転中(通常態様)」は、通常態様のルーレット回転画像である旨を示している。図中の「回転中(特別態様)」は、特別態様のルーレット回転画像である旨を示している。図中の「回転(通常態様)→停止「?」」は、通常態様のルーレット回転画像からルーレット停止画像「?」に変化する旨を示している。図中の「回転(通常態様)→停止「!」」や「回転(通常態様)→停止「熱」」についても同様である。図中の「回転(特別態様)→停止「?」」は、特別態様のルーレット回転画像からルーレット停止画像「?」に変化する旨を示している。図中の「回転(特別態様)→停止「!」」や「回転(特別態様)→停止「熱」」についても同様である。図中の「再回転(通常態様)→停止「?」」は、ルーレット停止画像から通常態様のルーレット回転画像に変化し、更に、ルーレット停止画像「?」に変化する旨を示している。図中の「再回転(通常態様)→停止「!」」や「再回転(通常態様)→停止「熱」」についても同様である。図中の「再回転(特別態様)→停止「?」」は、ルーレット停止画像から特別態様のルーレット回転画像に変化し、更に、ルーレット停止画像「?」に変化する旨を示している。図中の「再回転(特別態様)→停止「!」」や「再回転(特別態様)→停止「熱」」についても同様である。
【0381】
図33において、表示態様パターン「HP1−N」及び表示態様パターン「HP1−S」は、
図27に示した表示態様パターン「HP1」に対応する表示態様パターンである。
図33に示すように、表示態様パターン「HP1−N」は、ルーレット回転画像として、通常態様のルーレット回転画像のみを表示する表示態様パターンである。表示態様パターン「HP1−S」は、保留2個目の位置等において特別態様のルーレット回転画像を表示する表示態様パターンである。表示態様パターン「HP2−N」及び表示態様パターン「HP2−S」は、
図27に示した表示態様パターン「HP2」に対応する表示態様パターンである。
図33に示すように、表示態様パターン「HP2−N」は、ルーレット回転画像として、通常態様のルーレット回転画像のみを表示する表示態様パターンである。表示態様パターン「HP2−S」は、保留2個目の位置等において特別態様のルーレット回転画像を表示する表示態様パターンである。
【0382】
表示態様パターン「HP7−N」及び表示態様パターン「HP7−S」は、
図27に示した表示態様パターン「HP7」に対応する表示態様パターンである。
図33に示すように、表示態様パターン「HP7−N」は、ルーレット回転画像として、通常態様のルーレット回転画像のみを表示する表示態様パターンである。表示態様パターン「HP7−S」は、保留2個目の位置等において特別態様のルーレット回転画像を表示する表示態様パターンである。表示態様パターン「HP16−N」及び表示態様パターン「HP16−S」は、
図27に示した表示態様パターン「HP16」に対応する表示態様パターンである。
図33に示すように、表示態様パターン「HP16−N」は、ルーレット回転画像として、通常態様のルーレット回転画像のみを表示する表示態様パターンである。表示態様パターン「HP16−S」は、保留2個目の位置等において特別態様のルーレット回転画像を表示する表示態様パターンである。
【0383】
表示態様パターン「HP3−N」及び表示態様パターン「HP3−S」、表示態様パターン「HP4−N」及び表示態様パターン「HP4−S」、…、表示態様パターン「HP6−N」及び表示態様パターン「HP6−S」、…、表示態様パターン「HP8−N」及び表示態様パターン「HP8−S」、…、表示態様パターン「HP15−N」及び表示態様パターン「HP15−S」、…、表示態様パターン「HP17−N」及び表示態様パターン「HP17−S」、…、表示態様パターン「HP21−N」及び表示態様パターン「HP21−S」についても同様である(
図33において非図示)
【0384】
図34は、表示態様パターン決定テーブルによる表示態様パターンの決定割合の一例である。具体的には、
図34は、
図33に示した表示態様パターンに対する、表示態様パターン決定テーブルによる表示態様パターンの決定割合の一例である。
【0385】
図34に示すように、変動カテゴリコマンドが非特定パターン(ハズレ)を示すものであるときには、表示態様パターン「HP1−N」が48%の割合で決定され、表示態様パターン「HP1−S」が12%の割合で決定され、表示態様パターン「HP2−N」が5%の割合で決定され、表示態様パターン「HP2−N」が5%の割合で決定され、表示態様パターン「HP7−N」が1%の割合で決定され、表示態様パターン「HP7−S」が2%の割合で決定される。
【0386】
変動カテゴリコマンドが、特定パターン(ハズレ)や、非特定パターン(大当り)や、特定パターン(大当り)を示すものであるときについても、
図34に示す通りであるため、説明を省略する。
【0387】
図34に示した中では、保留2個目の位置において通常態様のルーレット回転画像が表示された後にルーレット停止画像が表示されないのは、表示態様パターン「HP1−N」である。非特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は48%、特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は8%、非特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は3%、特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は0.8%である。
【0388】
図34に示した中では、保留2個目の位置において特別態様のルーレット回転画像が表示された後にルーレット停止画像が表示されないのは、表示態様パターン「HP1−S」である。非特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は12%、特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は2%、非特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は1%、特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は0.2%である。
【0389】
また、
図34に示した中では、保留2個目の位置において通常態様のルーレット回転画像が表示された後にルーレット停止画像が表示されるのは、表示態様パターン「HP2−N」、表示態様パターン「HP7−N」、表示態様パターン「HP16−N」である。非特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は6%(5%+1%+0%)、特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は8.3%(5%+3%+0.3%)、非特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は5%(2%+2%+1%)、特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は2%(0.5%+0.5%+1%)である。
【0390】
また、
図34に示した中では、保留2個目の位置において特別態様のルーレット回転画像が表示された後にルーレット停止画像が表示されるのは、表示態様パターン「HP2−S」、表示態様パターン「HP7−S」、表示態様パターン「HP16−S」である。非特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は7%(5%+2%+0%)、特定パターン(ハズレ)における上記表示態様パターンの決定割合は9.7%(5%+4%+0.7%)、非特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は9%(2%+4%+3%)、特定パターン(大当り)における上記表示態様パターンの決定割合は7%(0.5%+1.5%+5%)である。
【0391】
以上から、
図34によれば、特別態様のルーレット回転画像であるときには、通常態様のルーレット回転画像であるときに比べ、ルーレット停止画像(ルーレット停止画像「?」、又は、ルーレット停止画像「!」、又は、ルーレット停止画像「熱」)が表示され易い。
【0392】
図35及び
図36は、画像表示装置における表示動作例を示す図である。具体的には、
図35及び
図36は、保留表示及びアクティブ表示を説明するための説明図であって、
図1の破線枠内の表示を示している。
図35(a)→
図35(b)→
図35(c)→
図36(d)→
図36(e)→
図36(f)→
図36(g)という時系列になっている。なお、
図35及び
図36では、保留3個目として第1始動入賞が発生した場合を例に説明する。
【0393】
保留3個目として第1始動入賞が発生した場合、入賞時演出決定処理(ステップS150)において、第1保留演出決定処理(ステップS160)が行われる。第1保留演出決定処理(ステップS160)では、表示態様パターン「HP16−S」が決定されたものとする。その後、第1保留追加処理(ステップS162)が行われることにより、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が追加されることになるが、第1保留演出決定処理(ステップS160)において表示態様パターン「HP16−S」が決定されている場合には、保留3個目の位置における保留表示の表示態様は「回転中(通常態様)」であるため(
図33参照)、
図35(a)に示すように保留3個目の位置に保留表示M3として通常態様のルーレット回転画像が表示される。
【0394】
その後、可変表示開始設定処理(ステップS171)において、保留消化処理(ステップS530)が行われる。保留表示M3について表示態様パターン「HP16−S」が決定されている場合には、1回目のシフト後の保留2個目の位置における保留表示の表示態様は「回転中(特別態様)」であるため(
図33参照)、
図35(b)に示すように保留2個目の位置へのシフト後の保留表示M3として特別態様のルーレット回転画像が表示される。
【0395】
その後、再度、保留消化処理(ステップS530)が行われる。保留表示M3について表示態様パターン「HP16−S」が決定されている場合には、2回目のシフト後の保留1個目の位置における保留表示の表示態様は「回転(特別態様)→停止「熱」」であるため(
図33参照)、
図35(c)に示すように保留1個目の位置へのシフト後の保留表示M3として特別態様のルーレット回転画像が表示された後に、
図36(d)に示すようにルーレット停止画像「熱」が表示される。
【0396】
その後、再度、保留消化処理(ステップS530)が行われる。保留表示M3について表示態様パターン「HP16−S」が決定されている場合には、3回目のシフト後のアクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示の表示態様は「再回転(通常態様)→停止「熱」」であるため(
図33参照)、
図36(e)に示すようにアクティブ表示エリアAHAへのシフト後のアクティブ表示AHとしてルーレット停止画像「熱」が表示された後に、
図36(f)に示すように通常態様のルーレット回転画像が表示され、更に、
図36(g)に示すようにルーレット停止画像「熱」が表示される。
【0398】
図37は、変動カテゴリ及び変動パターンの他の例を説明する説明図である。具体的には、
図37は、擬似連変動(擬似連演出)の有無や回数を考慮した変動カテゴリ及び変動パターンの一例を説明する説明図である。
図37において、変動カテゴリ「CA1」は、擬似連変動無非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CA1」には、変動パターン「PA1−1」と変動パターン「PA2−1」と変動パターン「PA2−2」とが属している。変動カテゴリ「CA2」は、擬似連変動1回非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CA2」には、変動パターン「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「CA3」は、擬似連変動無ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CA3」には、変動パターン「PA3−1」が属している。変動カテゴリ「CA4」は、擬似連変動1回ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CA4」には、変動パターン「PA3−2」が属している。変動カテゴリ「CA5」は、擬似連変動無スーパーリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA4−1」と変動パターン「PA4−2」と変動パターン「PA5−1」と変動パターン「PA5−2」とが属している。変動カテゴリ「CA6」は、擬似連変動1回スーパーリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA6」には、変動パターン「PA4−3」と変動パターン「PA5−3」とが属している。変動カテゴリ「CA7」は、擬似連変動2回スーパーリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA7」には、変動パターン「PA4−4」と変動パターン「PA5−4」とが属している。変動カテゴリ「CB3」は、擬似連変動無リーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CB3」には、変動パターン「PB1−1」と変動パターン「PB3−1」とが属している。変動カテゴリ「CB4」は、擬似連変動1回ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CB4」には、変動パターン「PB3−2」が属している。変動カテゴリ「CB5」は、擬似連変動無スーパーリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CB5」には、変動パターン「PB4−1」と変動パターン「PB4−2」と変動パターン「PB5−1」と変動パターン「PB5−2」とが属している。変動カテゴリ「CB6」は、擬似連変動1回スーパーリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CB6」には、変動パターン「PB4−3」と変動パターン「PB5−3」とが属している。変動カテゴリ「CB7」は、擬似連変動2回スーパーリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「CB7」には、変動パターン「PB4−4」と変動パターン「PB5−4」とが属している。
【0399】
図38は、表示態様パターンの他の例を説明する説明図である。具体的には、
図38は、
図37に示した変動カテゴリ及び変動パターンに対応する表示態様パターン(擬似連変動(擬似連演出)の有無や回数を考慮した表示態様パターン)の一例を説明する説明図である。なお、
図38では、表示態様パターン「HP2」に対応する表示態様パターンや、表示態様パターン「HP3」に対応する表示態様パターンなどの記載を省略している。
図39は、表示態様パターンによる表示態様を説明するためのタイムチャートである。具体的には、
図39は、
図38に示した表示態様パターンを説明するためのタイムチャートである。
【0400】
図38において、表示態様パターン「HP1−1」〜表示態様パターン「HP1−3」は、
図27に示した表示態様パターン「HP1」に対応する表示態様パターンである。
【0401】
例えば、表示態様パターン「HP1−2」は、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、アクティブ表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「?」を表示し、ルーレット回転画像を表示し(再回転し)、ルーレット停止画像「?」を表示する表示態様パターンである。
【0402】
図39(B)は、表示態様パターン「HP1−2」による保留表示やアクティブ表示の表示態様を示している。
図39(B)に示すように、表示態様パターン「HP1―2」によれば、3回目のシフト後のアクティブ表示においてルーレットの回転が停止して「?」が表示され(時刻T13)、擬似連変動における飾り図柄の仮停止後の再変動に合わせてルーレットが再回転し(時刻T14)、ルーレットの回転が停止して「?」が表示される(時刻T15)。
【0403】
図38において、表示態様パターン「HP15−1」〜表示態様パターン「HP15−6」は、
図27に示した表示態様パターン「HP5」に対応する表示態様パターンである。
【0404】
例えば、表示態様パターン「HP15−5」は、保留3個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留2個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示し、保留1個目の位置にあるときの保留表示としてルーレット回転画像を表示した後にルーレット停止画像「!」を表示し、アクティブ表示としてルーレット停止画像「!」を表示し、ルーレット回転画像を表示し(再回転し)、ルーレット停止画像「!」を表示し、ルーレット回転画像を表示し(再回転し)、ルーレット停止画像「熱」を表示し、ルーレット回転画像を表示し(再回転し)、ルーレット停止画像「熱」を表示する表示態様パターンである。
【0405】
図39(C)は、表示態様パターン「HP15−5」による保留表示やアクティブ表示の表示態様を示している。
図39(C)に示すように、表示態様パターン「HP15―5」によれば、2回目のシフト後の保留1個目の位置にあるときにルーレットの回転が停止して「!」が表示され(時刻T16)、3回目のシフト後のアクティブ表示においてルーレットが再回転し(時刻T17)、ルーレットの回転が停止して「!」が表示され(時刻T18)、更に擬似連変動における飾り図柄の仮停止後の再変動に合わせてルーレットが再回転し(時刻T19)、ルーレットの回転が停止して「熱」が表示され(時刻T20)、更に擬似連変動における飾り図柄の仮停止後の再変動に合わせてルーレットが再回転し(時刻T21)、ルーレットの回転が停止して「熱」が表示される(時刻T22)。
【0406】
図40は、表示態様パターン決定テーブルによる表示態様パターンの決定割合の一例である。具体的には、
図40は、
図38に示した表示態様パターンに対する、表示態様パターン決定テーブルによる表示態様パターンの決定割合の一例である。
【0407】
図40に示すように、変動カテゴリコマンドが擬似連変動無を示すものであるときには(具体的には、変動カテゴリ「CA1」、変動カテゴリ「CA3」、変動カテゴリ「CA5」、変動カテゴリ「CB3」、変動カテゴリ「CB5」の何れかを示すものであるときには)、表示開始時(シフト時)における再回転を除いてアクティブ表示エリアAHAににてルーレットが再回転しない表示変動パターン(例えば、表示態様パターン「HP1−1」等)の何れかが決定される。即ち、アクティブ表示として、擬似連変動における飾り図柄の仮停止後の再変動に合わせてルーレットが再回転しない表示変動パターンの何れかが決定される。
【0408】
変動カテゴリコマンドが擬似連変動1回を示すものであるときには(具体的には、変動カテゴリ「CA2」、変動カテゴリ「CA4」、変動カテゴリ「CA6」、変動カテゴリ「CB4」、変動カテゴリ「CB6」の何れかを示すものであるときには)、表示開始時(シフト時)における再回転を除いてアクティブ表示エリアAHAにてルーレットが1回再回転する表示変動パターン(例えば、表示態様パターン「HP1−2」等)の何れかが決定される。即ち、アクティブ表示として、擬似連変動における飾り図柄の仮停止後の再変動(1回目の再変動)に合わせてルーレットが1回再回転する表示変動パターンの何れかが決定される。
【0409】
変動カテゴリコマンドが擬似連変動2回を示すものであるときには(具体的には、変動カテゴリ「CA7」、変動カテゴリ「CB7」の何れかを示すものであるときには)、表示開始時(シフト時)における再回転を除いてアクティブ表示エリアAHAにてルーレットが2回再回転する表示変動パターン(例えば、表示態様パターン「HP1−3」等)の何れかが決定される。即ち、アクティブ表示として、擬似連変動における飾り図柄の仮停止後の再変動(1回目の再変動、2回目の再変動)に合わせてルーレットが2回再回転する表示変動パターンの何れかが決定される。
【0410】
以上、上記実施形態による遊技機1は、識別情報の可変表示(例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示等)を行い、表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄、突確図柄、小当り図柄等)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態、突確、小当り等)に制御可能な遊技機であって、未だ開始していない識別情報の可変表示を保留情報として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部151A、第2特図保留記憶部151B、第1始動入賞時コマンドバッファ194A、第2始動入賞時コマンドバッファ194B等)と、前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段(例えば、
図31に示すように保留表示M1〜保留表示M3等を表示する画像表示装置5等)とを備え、前記保留表示手段は、保留表示を可変表示する保留可変表示(例えば、
図28において「回転中」にて示したルーレット回転画像等による表示)を可能であるとともに、前記保留可変表示の表示結果として、前記有利状態に制御されるかに応じて複数種類の表示結果(例えば、
図28の「?」「!」「熱」等)のうちいずれかの表示結果を表示可能であり、前記保留可変表示が終了して表示結果が導出された後に、該表示結果に対応した保留表示の保留可変表示の再可変表示(例えば、
図28(E)の時刻T9に示した「再回転」等)を実行可能な保留再可変表示手段をさらに備え、前記保留再可変表示手段は、前記保留可変表示の表示結果が導出表示されたあと、該表示結果の導出表示された保留表示が、識別情報の可変表示が実行されることに対応して表示位置が移動された後に、前記再可変表示を実行する(例えば、
図28(E)に示すように時刻T8で「?」が表示された保留表示が、2回目のシフトにより保留1個目の位置に移動された後に、時刻T9で「再回転」を実行する)。
【0411】
このような構成によれば、表示結果の導出表示された保留表示を再可変表示できるため、表示結果が出た後においても期待感を抱くことができる。
【0412】
また、上記実施形態による遊技機1は、識別情報の可変表示(例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示等)を行い、表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄、突確図柄、小当り図柄等)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態、突確、小当り等)に制御可能な遊技機であって、未だ開始していない識別情報の可変表示を保留情報として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部151A、第2特図保留記憶部151B、第1始動入賞時コマンドバッファ194A、第2始動入賞時コマンドバッファ194B等)と、前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段(例えば、
図31に示すように保留表示M1〜保留表示M3等を表示する画像表示装置5等)とを備え、前記保留表示手段は、保留表示を可変表示する保留可変表示(例えば、
図28において「回転中」にて示したルーレット回転画像等による表示)を可能であるとともに、前記保留可変表示の表示結果として、前記有利状態に制御されるかに応じて複数種類の表示結果(例えば、
図28の「?」「!」「熱」等)のうちいずれかの表示結果を表示可能であり、識別情報の可変表示が実行されることに対応して消去される保留表示に対応する特定表示(例えば、アクティブ表示等)を表示する特定表示手段(例えば、
図31に示すようにアクティブ表示AH等を表示する画像表示装置5等)をさらに備え、前記特定表示手段は、前記保留可変表示が終了して表示結果が導出され、該表示結果に対応した保留表示が識別情報の可変表示が実行されることに対応して消去された後に、該保留表示に対応する特定表示を可変表示する特定可変表示を可能である(例えば、
図28(C)に示すように時刻T2で「?」が表示された保留表示が、3回目のシフトによりアクティブ表示エリアAHAに移動された後に、時刻T3で「再回転」を実行する)。
【0413】
このような構成によれば、表示結果の導出表示された保留表示に対応する特定表示を可変表示できるため、表示結果が出た後においても期待感を抱くことができる。
【0414】
また、上記遊技機1において、前記保留表示手段は、識別情報の可変表示が実行されることに対応して表示位置が移動(例えば、シフト等)するよりも前に、前記保留可変表示を開始する。
【0415】
このような構成によれば、興趣が向上する。
【0416】
また、上記遊技機1において、前記特定表示手段は、前記特定可変表示の表示結果として、前記有利状態に制御されるかに応じて複数種類の表示結果(例えば、
図28の「?」「!」「熱」等)のうちいずれかの表示結果を表示可能である。
【0417】
このような構成によれば、特定表示の終わりまで注目させることができる。
【0418】
また、上記遊技機1は、一の保留情報に対応する識別情報の可変表示として再可変表示(例えば、擬似連演出や滑り演出における再可変表示等)が可能であり、前記特定可変表示が終了して表示結果が導出された後に、識別情報の再可変表示に対応して、該表示結果に対応した特定表示の特定可変表示の再可変表示を実行可能な特定再可変表示手段をさらに備え、前記特定再可変表示手段は、前記識別情報の再可変表示が実行されることに対応して、前記特定再可変表示を実行する(例えば、
図39(B)に示すように時刻14で飾り図柄の再変動(再可変表示)が実行されることに対応して「再回転」を実行する)。
【0419】
このような構成によれば、期待感を持続させることができる。
【0420】
以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
【0421】
例えば、上記実施形態では、ルーレット停止画像として、ルーレット回転画像における回転中の夫々の表示結果のうち、一の表示結果のみを拡大した画像を用いているが(
図31等参照)、ルーレット停止画像は、一の表示結果のみを拡大した画像に限定されない。例えば、一の表示結果が分かる態様(例えば、所定位置に一の表示結果を停止等)にて、ルーレット回転画像の回転を停止させたものであってもよい。これにより、回転に注目させることができる。
【0422】
また、上記実施形態では、回転する保留表示(可変表示される保留表示)や再回転する保留表示(再可変表示される保留表示)として、ルーレットを模した画像(ルーレット画像)を用いているが、回転(又は再回転)する保留表示は、ルーレット画像に限定されない。例えば、スロットマシンのスロットを模した画像などであってもよい。即ち、停止する候補(停止しないものが含まれていてもよい)が動いて表示されるものであればよい。回転するアクティブ表示(可変表示されるアクティブ表示)や再回転するアクティブ表示(再可変表示するアクティブ表示)についても同様である。また、複数種類を用意してもよい。これにより、回転する保留表示に注目させることができる。また、保留表示とアクティブ表示とで種類(表示態様)を異ならせてもよい。例えば、アクティブ表示を保留表示よりも目立つ態様のものにしてもよい(例えば、保留表示はルーレットで、アクティブ表示はルーレットよりも目立つスロットマシン等)。これにより、アィティブ表示に注目させることができる。
【0423】
また、上記実施形態では、期待度が低いルーレット停止画像として1種類のルーレット停止画像(ルーレット停止画像「?」)を用意しているが、期待度が低いルーレット停止画像として複数種類のルーレット停止画像(ルーレット停止画像「?」、ルーレット停止画像「…」、ルーレット停止画像「−」。何れも同一又は略同一の期待度)を用意してもよい。また、期待度が中程度のルーレット停止画像や期待度が高いルーレット停止画像についても同様である。これにより、興趣を持続させることができる。
【0424】
また、上記実施形態では、「?」「!」「熱」と記載したルーレットを回転させるが、期待度が更に理解し易いように、「?」「!」「熱」の夫々に期待度を示す情報を追加してもよい。例えば、黄色枠内に「?」、黄色枠内に「!」、赤色枠内に「熱」を表示したルーレット画像を用いるようにしてもよい。これにより、理解を高めることができる。
【0425】
また、上記実施形態では、再回転があった場合には期待度は同じか又は高くなるが(
図27等参照)、再回転があった場合には期待度は常に高くなるようにしてもよい。これにより、再回転が行われるかに注目させることができる。
【0426】
また、上記実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hの新規追加時から保留表示を可変表示させているが、即ち、始動入賞時にルーレット回転画像を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示しているが、保留表示を可変表示させるタイミングは新規追加時に限定されない。例えば、最初のシフトが行われる前の何れかのタイミングにて保留表示の可変表示が開始されるようにしてもよいし、最初のシフトが行われた後の何れかのタイミングにて保留表示の可変表示が開始されるようにしてもよいし、アクティブ表示エリアAHAへのシフトが行われる前の何れかのタイミングにて保留表示の可変表示が開始されるようにしてもよい。なお、可変表示が開始される前の保留表示の表示態様は、ルーレットを模した画像(例えば、ルーレット停止画像「?」)であってもよいし、他の画像(例えば、球体)であってもよい。また、開始タイミングや終了タイミングに応じて結果を異ならせてもよい。これにより、タイミングにも注目させることができる。
【0427】
また、上記実施形態では、保留表示の可変表示を終わせるのは(ルーレット停止画像を表示するのは)、少なくとも最初のシフトが行われた後であるが(
図27等参照)、最初のシフトが行われる前に保留表示の可変表示を終わせるようにしてもよい。これにより、当初から注目させることができる。
【0428】
また、上記実施形態では、回転するアクティブ表示は、何れも、最後(即ち、アクティブ表示エリアAHAからの消去時)には停止するが(
図27等参照)、回転するアクティブ表示の中には、最後迄停止しないものがあってもよい(即ち、回転中のまま消去されるアクティブ表示があってもよい)。これにより、停止するかに注目させることができる。
【0429】
また、上記実施形態では、アクティブ表示は、何れも、回転するが(
図27等参照)、アクティブ表示の中には、回転しないアクティブ表示があってもよい。例えば、回転しないアクティブ表示として、一のルーレット停止画像(例えば、アクティブ表示エリアAHAへシフトする直前のルーレット停止画像)を最後迄表示し続けてもよい。これにより、回転するかに注目させることができる。
【0430】
また、上記実施形態では、回転する保留表示はシフト(アクティブ表示エリアへのシフトも含む)が行われた後に停止(即ち、シフト直後に先ずルーレット回転画像を表示し、後にルーレット停止画像を表示)するが(
図27等参照)、シフトが行われたときに停止(即ち、シフトと同時に(シフト当所から)ルーレット停止画像を表示)してもよい。これにより、シフト直後に注目させることができる。
【0431】
また、上記実施形態(変形例1)では、特別態様のルーレット回転画像として、
図35(b)の保留表示M3を例示したが、これに限定されない。特別態様のルーレット回転画像は、遊技者が通常態様のルーレット回転画像と区別可能であればよい。例えば、特別態様のルーレット回転画像は、通常態様のルーレット回転画像と回転速度が異なるものであってもよい。また、特別態様のルーレット回転画像は、通常態様のルーレット回転画像と回転方向が異なるものであってもよい。これにより、回転速度や回転方向に注目させることができる。
【0432】
また、上記実施形態(変形例1)では、特別態様のルーレット回転画像は1種類であるが、特別態様のルーレット回転画像は複数種類であってもよい。複数種類の特別態様のルーレット回転画像がある場合には、何れの特別態様のルーレット回転画像が表示されたかに応じて、ルーレットが停止して表示結果が表示されるか否かの割合や、夫々の表示結果が表示される割合を異ならせてもよい。これにより、どのような特別態様であるかに注目させることができる。
【0433】
また、上記実施形態(変形例2)では、擬似連演出における飾り図柄の再可変表示のタイミングに合わせてアクティブ表示エリアAHAにてルーレットを再回転させているが(即ち、擬似連演出における飾り図柄の再可変表示のタイミングと、擬似連演出においてルーレットを再回転させるタイミングとは一致しているが)、飾り図柄の再可変表示が行われることに対応してルーレットの再回転が行われるのであれば、両タイミングは一致していなくてもよい。つまり、飾り図柄の再可変表示が開始した後にルーレットの再回転を開始してもよいし、ルーレットの再回転が開始した後に飾り図柄の再可変表示を開始してもよい。また、飾り図柄の再可変表示が終了した後にルーレットの再回転を終了してもよいし、ルーレットの再回転が終了した後に飾り図柄の再可変表示を終了してもよい。これにより、長い時間、注目させることができる。
【0434】
また、上記実施形態(変形例2)では、アクティブ表示エリアAHAにおいてルーレットを再回転させる回数は擬似連回数に応じた回数としているが、アクティブ表示エリアAHAにおいてルーレットを再回転させる回数は擬似連回数に応じた回数としなくてもよい。これにより、擬似連が継続するかとは別にルーレットが再回転するかに注目させることができる。
【0435】
また、上記実施形態(変形例2)では、擬似連変動であるときは、常に、アクティブ表示エリアAHAにおいてルーレットを再回転させているが、擬似連変動であるときに、ルーレットを再回転させない場合があってもよい。これにより、擬似連が継続するかとは別にルーレットが再回転するかに注目させることができる。
【0436】
また、上記実施形態(変形例2)では、擬似連変動でないときは、表示開始時(シフト時)における再回転を除き、アクティブ表示エリアAHAにおいてルーレットを再回転させていないが、擬似連変動でないときに、ルーレットを再回転させる場合があってもよい。これにより、これにより、擬似連が発生するかとは別にルーレットが再回転するかに注目させることができる。
【0437】
また、上記実施形態では、常に、ルーレット画像を表示するが(
図26参照)、ルーレット画像を表示しない場合があってもよい。例えば、上記実施形態では、入賞時演出決定処理(ステップS150)のステップS166の処理では、所定の表示態様パターンとして表示態様パターン「HP1」を決定するようにしているが、ステップS166の処理ではルーレット画像以外(可変表示しない通常の保留表示。例えば、球体の画像)が決定されるようにしてもよい。また、ステップS161、S163、S166のうちの一部又は全部において、抽選等によってルーレット画像以外(可変表示しない通常の保留表示)が決定されるようにしてもよい。また、保留数が少ない場合(保0、保1等)には、抽選を行なわずに、ルーレット画像以外(可変表示しない通常の保留表示)が決定されるようにしてもよい。これにより、回転時間を確保し、好適にルーレットの保留表示を行うことができる。
【0438】
また、上記実施形態では、同時に複数のルーレット画像が表示されるが(
図26参照)、同時に複数のルーレット画像が表示されないようにしてもよい。具体的には、始動入賞記憶表示エリア5Hにルーレット画像が表示されていない場合には何れかの表示態様パターンを決定し、始動入賞記憶表示エリア5Hにルーレット画像が表示されている場合にはルーレット画像以外(可変表示しない通常の保留表示)を決定してもよい。これにより、ルーレットの出現頻度が低下するため、1つひとつのルーレットに対する注目度を向上させることができる。
【0439】
また、上記実施形態では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示も、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示も、ルーレット画像を表示するが(
図26参照)、第1保留表示としてルーレット画像を表示する一方で、第2保留表示としてルーレット画像を表示しなくてもよい。また、第2保留表示としてルーレット画像を表示する一方で、第1保留表示としてルーレット画像を表示しなくてもよい。これにより、ルーレットの出現頻度が低下するため、ルーレットに対する期待度を持続させることができる。
【0440】
また、上記実施形態では、保留表示やアクティブ表示の表示結果(「?」、「!」、「熱」)は、大当り期待度、スーパーリーチの期待度を示しているが、上記表示結果は、大当り期待度、スーパーリーチの期待度に代えて、又は、加えて、16R確変大当りの期待度を示すものであってもよい。即ち、大当り種別に応じて、夫々の表示結果(「?」、「!」、「熱」)が決定される割合を異ならせてもよい。これにより、興趣が向上する。
【0441】
また、上記実施形態では、表示結果として「?」「!」「熱」を例示したが、他の表示結果を用いてもよい。また、上記実施形態では、3種類の表示結果(「?」「!」「熱」)を例示したが、表示結果は、2種類又は4種類以上であってもよい。また、高確であるか否かや高ベース状態であるか否かなどの遊技状態に応じて、表示され得る表示結果の数や夫々の内容等を異ならせてもよい。これにより、興趣が向上する。
【0442】
また、上記実施形態では、再回転が行われた後に表示される表示結果は、何れも、再回転が行われなくても表示され得るものであるが、表示結果として、再回転が行われた後に表示される専用の表示結果(再回転が行われる前は表示されない表示結果)を用意してもよい。例えば、表示結果として「?」「!」「熱」に加え、「熱」よりも期待度が高い「激熱」を用意しておき、再回転が行われる前は「?」「!」「熱」の何れかが表示され、再回転が行われた後は「?」「!」「熱」「激熱」の何れかが表示されるようにしてもよい。或いは、再回転が行われたときに表示され易い表示結果(再回転が行われないときには表示され難い表示結果)を用意してもよい。これにより、再回転が行われた後の表示結果により注目させることができる。
【0443】
また、上記実施形態では、回転する表示結果(例えば、ルーレット回転画像中に示された表示結果)のうちの何れかが停止表示されるが、回転する表示結果以外の表示結果が停止される場合があってもよい。例えば、「?」「!」「熱」と記載したルーレットを回転させた後に、「?」「!」「熱」とは異なる「!!」を表示結果として表示してもよい。これにより、表示結果により注目させることができる。
【0444】
また、上記実施形態では、入賞時に、保留表示やアクティブ表示に関する表示態様パターンを決定しているが、保留表示やアクティブ表示の表示態様を決定する方法はこれに限定されない。例えば、入賞時に、保留表示に関する表示態様パターンを決定し、変動時にアクティブ表示の表示態様を決定するようにしてもよい。また、例えば、入賞時に、最初のシフト前の保留表示の表示態様を決定し、シフトする都度、シフト後の保留表示又はアクティブ表示の表示態様を決定するようにしてもよい。これによっても、上述の同様の効果が得られる。
【0445】
また、上記実施形態では、高ベース/大当り時用の変動カテゴリ決定テーブル(
図19(D)参照)は、保留記憶数が「0」であるときと、保留記憶数が「1」〜「4」であるときとで分けているが、ベース/大当り時用の変動カテゴリ決定テーブル(
図19(C)参照)と同様、保留記憶数で分けなくてもよい(保留記憶数「0」〜「4」共通としてもよい)。
【0446】
また、上記実施形態では、第1特図保留記憶部151Aおよび第2特図保留記憶部151Bに保留データ(保留情報)が記憶されている場合、第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データを優先して消化しているが(
図17参照)、第1特図保留記憶部151Sおよび第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データのうち、入賞順が早いものから保留データを消化するようにしてもよい。例えば、振り分け装置を設け、第1始動入賞口および第2始動入賞口に交互に入賞させて入賞順に保留データを消化するようにしてもよい。
【0447】
また、上記実施形態では、主基板11側でも、ST回数(確変回数)や時短回数や変動数カウンタを管理し、演出制御基板12側でも、ST回数(確変回数)や時短回数や演出数カウンタを管理しているが、ST回数(確変回数)や、時短回数や、変動数カウンタ(演出数カウンタ)の値などを、主基板11側から演出制御コマンドとして伝送するようにしてもよい。一例として、CPU103は、
図21の特別図柄停止処理(ステップS113)において低確低ベース状態に設定した場合に、演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド(低確低ベース状態に遷移する旨の指定)を送信するとともに、演出制御基板12の側では、遊技状態指定コマンド(低確低ベース状態に遷移する旨の指定)を受信した場合に、低確低ベース状態に設定してもよい。
【0448】
また、上記実施形態では、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(即ち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
【0449】
また、上記実施形態では、ラウンド数は、8ラウンド、16ラウンドの2種類としているが、ラウンド数は3種類以上であってもよい。例えば、4R確変大当り、8R確変大当り、16R確変大当りの3種類であってもよい。また、上記実施形態では、大当り種別として確変大当りのみを設ける遊技機を示したが、大当り種別として非確変大当り(通常大当り)を含む遊技機であってもよい。
【0450】
また、上記実施形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、当該可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
【0451】
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
【0452】
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。
【0453】
また、上記実施形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
【0454】
また、上記実施形態では、主基板11に乱数値の判定用テーブル(表示結果決定テーブル、大当り種別決定テーブル、及び変動カテゴリ決定テーブル)を記憶させておき、始動入賞時に主基板11において抽出された乱数値(MR1〜MR3)に基づき、主基板11が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理(大当りとなるか否かの判定、及び変動カテゴリの判定、並びに大当りである場合は大当りの種別の判定)を実行し、演出制御基板12は、主基板11において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、主基板11から乱数値そのものを演出制御基板12に送信(例えば、主基板11から乱数値を特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板12に送信)することにより、演出制御基板12は、主基板11において抽出された乱数値そのものを受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。即ち、乱数値の判定処理を演出制御基板12において行ってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板11と演出制御基板12の両方で行ってもよい。例えば、演出制御基板12は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板11において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板12は、乱数値(MR1及びMR2)を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行するとともに、乱数値(MR3)に基づき主基板11で判定された変動カテゴリの判定結果を受信するようにしてもよい。即ち、演出制御基板12は、自ら判定した判定結果と主基板11で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
【0455】
また、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
【0456】
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与する遊技機にも本発明を適用することができる。また、遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
【0457】
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機にも本発明を適用可能である。
【0458】
例えば、本発明に係る遊技機は、上述のようなスロット機であって、以後に実行される各ゲーム(1ゲーム後に実行されるゲーム、2ゲーム後に実行されるゲーム、…、)の夫々に対応する特別表示を表示する特別表示手段を備え、特別表示手段は、特別表示を可変表示するとともに、該可変表示の表示結果として、有利状態(例えば、ボーナス、ART、AT等の状態(以下、ボーナス状態等)やボーナス状態等に当選し易い高確率状態)に制御されるかに応じて(有利状態に制御される決定に応じて、又は、有利状態に制御される期待度に応じて)、複数種類の表示結果のうちいずれかの表示結果を導出表示し、表示結果が導出表示された特別表示の表示位置がゲームの進行に対応して移動した後に、該表示結果が導出表示された特別表示を再可変表示するスロット機であってもよい。
【0459】
また例えば、本発明に係る遊技機は、上述のようなスロット機であって、各ゲーム(実行中のゲーム、以後に実行される各ゲーム)の夫々に対応する特別表示を表示する特別表示手段を備え、特別表示手段は、特別表示を可変表示するとともに、該可変表示の表示結果として、有利状態(例えば、ボーナス、ART、AT等の状態(以下、ボーナス状態等)やボーナス状態等に当選し易い高確率状態)に制御されるかに応じて(有利状態に制御される決定に応じて、又は、有利状態に制御される期待度に応じて)、複数種類の表示結果のうちいずれかの表示結果を導出表示し、表示結果が導出表示された特別表示がゲームの進行に対応して実行中のゲームに対応する表示位置に移動した後に、該表示結果が導出表示された特別表示を再可変表示するスロット機であってもよい。
【0460】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0461】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。