【文献】
草場 克也 Katsuya Kusaba,ETC車輌位置計測用DOAセンサアレーの設計法,電子情報通信学会1999年通信ソサイエティ大会講演論文集1 PROCEEDINGS OF THE 1999 COMMUNICATIONS SOCIETY CONFERENCE OF IEICE,1999年,p145
【文献】
中澤 利之 Toshiyuki NAKAZAWA,不等間隔アレーを用いた方位推定 Estimating Angle of Arrival with Non-uniformly Spaced Array,電子情報通信学会論文誌 (J83−B) 第6号 THE TRANSACTIONS OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS B,日本,社団法人電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS,第J83-B巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子のうち二つの前記アンテナ素子からなる組み合わせを複数選択するとともに、前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子で受信した到来波の位相差を検出する位相差検出部と、
前記位相差と、当該位相差の検出に用いた前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔と、に基づいて、前記到来波の到来角度の候補値を算出する候補値演算部と、
複数の前記組み合わせの各々について算出された前記候補値に基づいて、前記到来角度の検出値を特定する到来角度特定部と、
を備え、
前記候補値演算部は、
複数の前記組み合わせに係る前記位相差(φ)のそれぞれについて、前記位相差(φ)、位相差(φ+360°×n)および位相差(φ−360°×n)(n=1,2,・・)についての到来角度候補を演算し、
前記位相差(φ)、前記位相差(φ+360°×n)および前記位相差(φ−360°×n)についての到来角度候補が算出不可であった場合には、その旨を示す情報を出力し、
前記到来角度特定部は、
三組以上の前記組み合わせのそれぞれについて前記候補値が算出された場合には、前記候補値の最頻値を前記検出値として特定する
角度検出装置。
基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子のうち二つの前記アンテナ素子からなる組み合わせを複数選択するとともに、前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子で受信した到来波の位相差を検出するステップと、
前記位相差と、当該位相差の検出に用いた前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔と、に基づいて、前記到来波の到来角度の候補値を算出するステップと、
複数の前記組み合わせの各々について算出された前記候補値に基づいて、前記到来角度の検出値を特定するステップと、
を有し、
前記到来波の到来角度の候補値を算出するステップでは、更に、
複数の前記組み合わせに係る前記位相差(φ)のそれぞれについて、前記位相差(φ)、位相差(φ+360°×n)および位相差(φ−360°×n)(n=1,2,・・)についての到来角度候補を演算し、
前記位相差(φ)、前記位相差(φ+360°×n)および前記位相差(φ−360°×n)についての到来角度候補が算出不可であった場合には、その旨を示す情報を出力し、
前記前記到来角度の検出値を特定するステップにおいて、
三組以上の前記組み合わせのそれぞれについて前記候補値が算出された場合には、前記候補値の最頻値を前記検出値として特定する
角度検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る無線通信システムについて、
図1〜
図7を参照ながら説明する。
【0023】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。
第1の実施形態に係る無線通信システム1Aは、
図1に示すように、有料道路である高速道路の入口料金所、出口料金所等に敷設された料金収受設備1に備えられる。
ここで、料金収受設備1は、車線L1、L2を走行する車両A1、A2等に搭載された専用の車載器と無線による通信処理(無線通信)を行い、電子決済による課金処理を行う。
【0024】
図1に示すように、料金収受設備1は、無線通信システム1Aと、進入側車両検知器30と、発進制御装置40と、発進側車両検知器50と、を備えている。
無線通信システム1Aは、車両A1、A2に搭載された車載器との無線通信を経て課金処理を行うシステムである。無線通信システム1Aは、料金収受設備1の各車線L1、L2の各々に対応して設けられる。
進入側車両検知器30は、車線L1、L2の路側に設けられ、車線Lを走行する車両A1、A2の車体の存在の有無を判別し、車両A1、A2一台分の進入及び通過を検出する。
発進制御装置40は、車線L1、L2を走行する車両A1、A2の発進制御を行う。例えば、発進制御装置40は、車両A1との課金処理が正規に行われなかった場合には、車両A1の退出を制限すべく車線L1を閉塞する。また、発進制御装置40は、車両A1に対する課金処理が正規に完了した場合には、車線L1を開放する。
【0025】
発進側車両検知器50は、車両A1、A2の料金収受設備1からの退出を検知する。発進側車両検知器50は、上述の進入側車両検知器30と同様の仕組みにより、車両A1、A2の通過及び退出を検出する。
【0026】
無線通信システム1Aは、
図1に示すように、無線通信機10と、路側システム20と、を有してなる。
無線通信機10は、料金収受設備1に建造される天井Rに取り付けられ、車線L1、L2上において予め規定された通信可能エリアQ1、Q2に進入した車両A1、A2(の車載器)との間で課金処理用の無線通信を行う。
路側システム20は、無線通信機10と車両A1、A2との無線通信の結果に基づいて、課金処理を行う。また、路側システム20は、例えば、車両A1、A2に対する課金処理が正規に行われたことを検知して発進制御装置40を開放するなど、料金収受設備1において必要な連携動作を司る。
【0027】
なお、本実施形態に係る無線通信機10は、内部にアレイアンテナ10Aを有している。後述するように、アレイアンテナ10Aは、車両A1、A2に搭載される車載器からの電磁波の到来角度を検出するために用いられる。
ここで、
図1において、車線L1に対応して設けられた無線通信機10は、当該車線L1上に規定された通信可能エリアQ1に進入した車両A1との無線通信を行うことが想定されている。同様に、車線L2に対応して設けられた無線通信機10は、当該車線L2上に規定された通信可能エリアQ2に進入した車両A2との無線通信を行うことが想定されている。
しかしながら、料金収受設備1の運用において、天井R等の建造物、又は、走行車両等のその他の障害物の存在に起因して、想定しない電磁波の反射が起こり得る。例えば、車線L2を走行する車両A2の車載器が放射した電磁波が天井R等における反射を経て、車線L1に対応して設けられた無線通信機10に到来し得る。そうすると、当該無線通信機10は、到来した電磁波が車線L1を走行する車両A1から発せられたものと誤認識し、路側システム20の誤動作を引き起こす。
【0028】
そこで、本実施形態に係る路側システム20は、上述のアレイアンテナ10Aを通じて車載器からの電磁波の到来角度を検出する機能を有するとともに、当該到来角度の検出値に基づいて、対応する車線(車線L1、L2)を走行する車両(車両A1、A2)との無線通信が行われているか否かを判断する。
【0029】
(無線通信システムの機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る無線通信システムの機能構成を示す図である。
また、
図3は、第1の実施形態に係るアレイアンテナの構造を示す図である。
図2に示すように、無線通信システム1Aは、無線通信機10と、路側システム20と、を備えている。
【0030】
無線通信機10は、上述したアレイアンテナ10Aを有している。また、路側システム20は、アレイアンテナ10Aが受信した電磁波(到来波)を受け付けて、当該電磁波の到来角度を検出する角度検出装置20Aを有している。
【0031】
ここで、アレイアンテナ10Aの構造について、
図3を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、アレイアンテナ10Aは、基板11上における所定の基準線(例えば、
図3に示すX軸方向)に沿って三つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b及び第3アンテナ素子10c)が配列されてなる。
第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの間隔d
1は、d
1=0.6λとなるように配置されている。また、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの間隔d
2は、d
2=1.3λとなるように配置されている。
なお、“λ”は、無線通信機10及び車載器との無線通信に用いる電磁波の波長である。なお、本実施形態において、無線通信機10及び車載器の間で行われる無線通信には、例えば、5.8GHz程度の周波数の電磁波が用いられる。この場合、波長λは、概ね5cm程度となる。
【0032】
図3に示すように、各アンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)は、車載器から放射された電磁波である到来波Eを受信する。この際、到来波Eは各アンテナ素子に対し、所定の到来角度θで入射する。ここで、到来角度θは、基板11の板面(XY平面)の法線方向を基準とした到来波Eの入射角度である。
なお、間隔d
1、d
2に比べ、無線通信機10と車両A1、A2(車載器)との間隔が十分に大きいことを考慮すると、到来波Eは、第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b、第3アンテナ素子10cの各々に対し、同一の到来角度θで到来する平面波と見なすことができる。
【0033】
そうすると、第1アンテナ素子10aが受信する到来波Eと第2アンテナ素子10bが受信する到来波Eとの行路差Δ
1に応じて、各到来波Eに位相差φ
1が生じる。したがって、位相差φ
1は、行路差Δ
1と位相差φ
1との関係式(Δ
1=(λ/2π)・φ
1)に基づいて、下記の式(1)で算出することができる。
【0035】
同様に、第1アンテナ素子10aが受信する到来波Eと第3アンテナ素子10cが受信する到来波Eとの位相差φ
2は、行路差Δ
2と位相差φ
2との関係式(Δ
2=(λ/2π)・φ
2)に基づいて、下記の式(2)で算出することができる。
【0037】
このように、アレイアンテナ10A(第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b及び第3アンテナ素子10c)は、到来波Eを受信する際に、当該到来波Eの到来角度θに応じて幾何学的に定まる位相差φ
1、φ
2(式(1)、(2)参照)を生じさせる。
【0038】
なお、
図3においては、基板11上の一の基準線(X軸方向)に沿って配置された三つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b及び第3アンテナ素子10c)のみが表記されているが、実際には、基板11上の他の基準線(例えば、X軸方向に直交するY軸方向)に沿って複数のアンテナ素子が同様に配列される。当該他の基準線に沿って配列された各アンテナ素子についての機能、作用については、上述した第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10cと同様である。
また、
図3に示した各アンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)は、各アンテナ素子の配置の態様を模式的に表現したにすぎず、当該アンテナ素子の実際の構造は
図3に示すものと異なっていてもよい。例えば、各アンテナ素子は、基板11上に形成されたパッチアンテナ等であってもよい。
【0039】
また、
図2に示すように、角度検出装置20Aは、位相差検出部200と、候補値演算部201と、到来角度特定部202と、を備えている。
【0040】
位相差検出部200は、基準線に沿って配列された三つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c、
図3参照)のうち二つのアンテナ素子からなる組み合わせを複数選択するとともに、当該組み合わせに係る二つのアンテナ素子で受信した到来波Eの位相差(
図3に示す位相差φ
1、φ
2)を検出する。
具体的には、位相差検出部200は、まず、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせを選択し、当該第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10bの各々で受信した到来波Eの位相差φ
1を検出する。同様に、位相差検出部200は、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせを選択し、当該第1アンテナ素子10a、第3アンテナ素子10cの各々で受信した到来波Eの位相差φ
2を検出する。
なお、位相差検出部200は、入力された二つの信号波形(到来波Eに基づく信号波形)の位相差に相当する検出信号を生成可能な既存の位相差検出回路等であってよい。また、位相差検出部200は、三つのアンテナ素子のうちいずれか二つが選択された複数の組み合わせ別に複数設けられる態様であってもよい。例えば、角度検出装置20Aは、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとが接続された位相差検出部200と、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとが接続された位相差検出部200と、を別個に備える態様であってもよい。
【0041】
候補値演算部201は、位相差検出部200が検出した位相差(位相差φ
1、φ
2)と、当該位相差の検出に用いた組み合わせに係る二つのアンテナ素子の間隔(間隔d
1、d
2)と、に基づいて、到来波Eの到来角度θの候補値を算出する。
到来角度特定部202は、二つのアンテナ素子の複数の組み合わせの各々について、候補値演算部201より算出された候補値に基づいて、到来角度θの検出値を特定する。
【0042】
(角度検出装置の機能)
図4、
図5は、第1の実施形態に係る角度検出装置の機能を説明する第1、第2の図である。
図4は、アレイアンテナ10Aに対し、到来波Eが、到来角度θ=65°で入射した場合の例を示している。
この場合、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第2アンテナ素子10bで受信した到来波Eとの位相差φ
1は、間隔d
1(=0.6λ)及び式(1)によればφ
1=195.8°となる。位相差検出部200は、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせに係る位相差φ
1=195.8°を検出する。
【0043】
ここで、候補値演算部201は、位相差検出部200が検出した位相差φ
1と、当該位相差φ
1の検出に用いた組み合わせに係る二つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a及び第2アンテナ素子10b)の間隔d
1と、に基づいて、到来波Eの到来角度θの候補値を算出する。具体的には、候補値演算部201は、式(1)の逆関数である式(3)に、位相差検出部200が検出した位相差φ
1(=195.8°)を代入することで、到来角度θの候補値θ
11を算出する。
【0045】
これにより、候補値演算部201は、到来角度θの候補値θ
11=65°を算出する。
【0046】
しかしながら、位相差検出部200が検出して取得した位相差φ
1は、実際には、±360°(2π)×n(nは整数)の不確定性を有する。即ち、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第2アンテナ素子10bで受信した到来波Eとの真の位相差は、検出された位相差φ
1に対し、実際には更に、n周期(±360°×n)ずれている可能性がある。
例えば、位相差検出部200の仕様によっては、−164.2°の位相差を、φ
1=195.8°(=−164.2°+360°)と検出する場合が考えられる。
【0047】
ここで、例えば、アレイアンテナ10Aが到来角度θ’=−49.5°の到来波(仮想到来波E’とする)を入射したとする。この場合、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第2アンテナ素子10bで受信した到来波Eとの位相差は−164.2°となる。しかしながら、位相差検出部200の仕様によっては、上記−164.2°なる位相差を、位相差φ
1=195.8°(=−164.2°+360°)と検出し得る。そうすると、位相差検出部200が検出した位相差φ
1=195.8°との情報だけでは、到来波Eが到来角度θ=65°で到来したものか、到来角度θ’=−49.5°で到来したものか(
図4に示す仮想到来波E’参照)の区別がつかない。
【0048】
そこで、候補値演算部201は、位相差検出部200の検出結果(位相差φ
1)を式(3)に代入して演算した候補値θ
11の他に、位相差(φ
1−360°)、(φ
1−720°)、(φ
1+360°)を式(3)に代入して得られる他の候補値θ
12、θ
13、θ
14を算出する。例えば、位相差(φ
1−360°)に基づく候補値θ
12は、下記の式(4)に基づいて算出される。
【0050】
位相差(φ
1−720°)に基づく候補値θ
13、及び、位相差(φ
1+360°)に基づく候補値θ
14についての演算式も同様である。
【0051】
以上の演算により得られる4つの到来角度の候補値θ
11、θ
12、θ
13、θ
14と、到来角度の真値θ
0との関係を
図5に示す。
図5に示すように、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ
1=195.8°を受け付けた際には、当該位相差φ
1=195.8°、及び、位相差(φ
1−360°)=−164.2°の各々に対応する二つの候補値θ
11=65°、θ
12=−49.5°を算出する。
また、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ
1=108.0°を受け付けた際には、当該位相差φ
1=108.0°に対応する一つのみの候補値θ
11=30°を算出する。
【0052】
図6、
図7は、第1の実施形態に係る角度検出装置の機能を説明する第3、第4の図である。
図6は、アレイアンテナ10Aに対し、到来波Eが、到来角度θ=25°で入射した場合の例を示している。
この場合、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第3アンテナ素子10cで受信した到来波Eとの位相差φ
2は、間隔d
2(=1.3λ)及び式(2)によればφ
2=197.8°となる。位相差検出部200は、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせに係る位相差φ
2=197.8°を検出する。
【0053】
ここで、候補値演算部201は、位相差検出部200が検出した位相差φ
2と、当該位相差φ
2の検出に用いた組み合わせに係る二つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a及び第3アンテナ素子10c)の間隔d
2と、に基づいて、到来波Eの到来角度θの候補値を算出する。具体的には、候補値演算部201は、式(5)に、位相差検出部200が検出した位相差φ
2(=197.8°)を代入することで、到来角度θの候補値θ
21を算出する。
【0055】
これにより、候補値演算部201は、到来角度θの候補値θ
21=25°を算出する。
【0056】
しかしながら、位相差検出部200が検出して取得した位相差φ
2は、上記と同様に、実際には、±360°(2π)×nの不確定性を有する。即ち、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第3アンテナ素子10cで受信した到来波Eとの真の位相差は、検出された位相差φ
2に対し、更に、n周期(±360°×n)ずれている可能性がある。
【0057】
ここで、例えば、別途、アレイアンテナ10Aが到来角度θ’=−20.3°の到来波(
図6に示す仮想到来波E’)を入射したとする。この場合、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第3アンテナ素子10cで受信した到来波Eとの位相差は−162.2°となる。しかしながら、位相差検出部200の仕様によっては、上記−162.2°なる位相差を、位相差φ
2=197.8°(=−162.2°+360°)とも検出し得る。そうすると、位相差検出部200が検出した位相差φ
2=197.8°との情報だけでは、到来波Eが到来角度θ=25°で到来したものか、到来角度θ’=−20.3°で到来したものか(
図6に示す仮想到来波E’参照)の区別がつかない。
【0058】
そこで、候補値演算部201は、位相差検出部200の出力値(位相差φ
2)を式(5)に代入して演算した候補値θ
21の他に、位相差(φ
2−360°)、(φ
2−720°)、(φ
2+360°)を式(5)に代入して得られる他の候補値θ
22、θ
23、θ
24を算出する。例えば、位相差(φ
2−360°)に基づく候補値θ
22は、下記の式(6)に基づいて算出される。
【0060】
位相差(φ
2−720°)に基づく候補値θ
23、及び、位相差(φ
2+360°)に基づく候補値θ
24についての演算式も同様である。
【0061】
以上の演算により得られる4つの到来角度の候補値θ
21、θ
22、θ
23、θ
24と、到来角度の真値θ
0との関係を
図7に示す。
図7に示すように、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ
2=197.8°を受け付けた際には、当該位相差φ
2=197.8°、及び、位相差(φ
2−360°)=−162.2°の各々に対応する二つの候補値θ
21=25°、θ
22=−20.3°を算出する。
また、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ
2=81.3°を受け付けた際には、当該位相差φ
2=81.3°、位相差(φ
2−360°)=−278.7°、及び、位相差(φ
2+360°)の各々に対応する三つの候補値θ
21=25°、θ
22=−20.3°及びθ
24=70.5°を算出する。
【0062】
続いて、
図5、
図7を参照しながら、到来角度特定部202の機能について具体的に説明する。
到来角度特定部202は、第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b及び第3アンテナ素子10cの複数の組み合わせの各々について、候補値演算部201の上記処理により算出された候補値に基づいて、到来角度の検出値θdを特定する
具体的には、到来角度特定部202は、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせについて算出された複数の候補値θ
11、θ
12、θ
13、θ
14と、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせについて算出された複数の候補値θ
21、θ
22、θ
23、θ
24と、を参照する。そして、到来角度特定部202は、候補値θ
11、θ
12、θ
13、θ
14のうち候補値θ
21、θ
22、θ
23、θ
24の何れか一つと共通する一の候補値を、検出値θdとして特定する。
【0063】
例えば、候補値演算部201が、位相差検出部200を通じて取得した位相差φ
1=195.8°から、二つの候補値θ
11=65°、θ
12=−49.5°を算出したとする(
図5参照)。同様に、候補値演算部201が、位相差検出部200を通じて取得した位相差φ
2=424.2°から、三つの候補値θ
21=65°、θ
22=−7.9°、−39.2°を算出したとする(
図7参照)。
この場合、到来角度特定部202は、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせに係る候補値θ
11=65°、θ
12=−49.5°のうち、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせに係る候補値θ
21=65°、θ
22=−7.9°、−39.2°の何れか一つと共通する一の候補値として、θ
11(=θ
21)=65°を選択する。そして、到来角度特定部202は、当該選択したθ
11=65°を出力すべき検出値θd=65°として特定する。
なお、
図5、
図7に示すとおり、上記の場合における到来角度θの真値θ
0は、θ
0=65°であり、到来角度特定部202が特定した検出値θdは、真値θ
0に一致している。
【0064】
(作用効果)
第1の実施形態に係る角度検出装置20Aによれば、まず、位相差検出部200が、基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)のうち二つのアンテナ素子からなる組み合わせを複数選択し、当該組み合わせに係る二つのアンテナ素子で受信した到来波Eの位相差φ
1、φ
2を検出する。
そして、候補値演算部201が、位相差φ
1、φ
2と、当該位相差φ
1、φ
2の検出に用いた組み合わせに係る二つのアンテナ素子の間隔d
1、d
2と、に基づいて、到来波Eの到来角度θの候補値θ
11〜θ
14、θ
21〜θ
24を算出する。
更に、到来角度特定部202が、複数の組み合わせの各々について算出された候補値θ
11〜θ
14、θ
21〜θ
24に基づいて、到来角度θの検出値θdを特定する。
【0065】
このようにすることで、位相差の不確定性により一組のアンテナ素子の組み合わせだけでは、解(到来角度の候補値θ
11、θ
12・・・)を一つに特定できない場合であっても、他の一組のアンテナ素子の組み合わせから得られる解(到来角度の候補値θ
21、θ
22・・・)を参照して絞り込むことで、解の確度を向上させることができる。したがって、従来、解を一つに特定できなかった到来角度θから入射した場合であっても、当該到来角度θから入射したことを精度よく検出することができる。
即ち、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aによれば、電磁波の到来角度の誤認識を抑制できる。
【0066】
また、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aは、上述のように、一の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ
11、θ
12、・・・)のうち、他の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ
21、θ
22、・・・)のうちの何れか一つと共通する一の候補値を、検出値θdとして特定する。
【0067】
このようにすることで、到来角度θの検出値θdを、異なるアンテナ素子の組み合わせに渡って共通する一つの候補値に絞り込むことができるので、簡素な処理で、複数の候補値(候補値θ
11、θ
12、・・・)のうち最も確度の高い一の候補値を検出値θdとして選出することができる。
ここで、「共通する」との文言は、二つの候補値が完全に一致していることを要する意味に限定されず、二つの候補値が予め規定された誤差の許容範囲内に含まれる、との意味を含むものとする。
【0068】
また、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aは、一の組み合わせに係る二つのアンテナ素子の間隔(間隔d
1)が、他の組み合わせに係る二つのアンテナ素子の間隔(間隔d
2)と、の整数倍とならない組み合わせを選択する(例えば、d
1=0.6λ、d
2=1.3λ)。
【0069】
ここで、一の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔(間隔d
1)が、他の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔(間隔d
2)の整数倍であった場合(例えば、d
1=m×d
2、mは整数)には、各組み合わせについて共通する候補値を一つに絞れない場合が生じる。即ち、一の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ
11、θ
12、・・・)のうち、他の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ
21、θ
22、・・・)と共通する候補値が二つ以上特定される場合がある。
そうすると、一の組み合わせについて算出された複数の候補値と、他の組み合わせについて算出された複数の候補値と、の両方に共通する候補値を一つに特定することができず、候補値の算出結果によっては、確度の高い検出値θdを得ることが困難となる。したがって、アンテナ素子の間隔d
1、d
2を、上記のような関係を満たさないように(d
1≠m×d
2)配置することで、どのような到来角度で入射した場合であっても、常に、共通する解を一意に特定することができる。
【0070】
以上、第1の実施形態について詳細に説明したが、第1の実施形態に係る無線通信システム1Aの具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、第1の実施形態に係るアレイアンテナ10Aは、基板11上の基準線(X軸(
図2))に沿って、3つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)が所定の間隔で配列されるものとして説明したが、他の実施形態に係るアレイアンテナ10Aはこれに限定されない。
即ち、他の実施形態に係るアレイアンテナ10Aは、第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10cに加え、更に、上記基準線上に第4アンテナ素子等を有し、4つ以上のアンテナ素子が配列される態様であってもよい。
また、角度検出装置20Aは、3組以上のアンテナ素子の組み合わせについての候補値を算出してもよい。
【0071】
また、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aは、一の組み合わせについて算出された複数の候補値のうち、他の組み合わせについて算出された複数の候補値のうちの何れか一つと共通する一の候補値を、検出値θdとして特定するものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、角度検出装置20A(到来角度特定部202)は、3組以上のアンテナ素子の組み合わせについての複数の候補値(例えば、候補値θ
11、θ
12、・・・、候補値θ
21、θ
22、・・・、候補値θ
31、θ
32、・・・)が算出された場合には、上記候補値の最頻値を検出値θdとして特定する態様であってもよい。ここで、候補値θ
11、θ
12、・・・は第1の組についての候補値、候補値θ
21、θ
22、・・・は第2の組についての候補値、また、候補値θ
31、θ
32、・・・は第3の組についての候補値である。
このようにすることで、複数の候補値のうち最も多くの組み合わせに渡って共通する候補値を検出値θdとして特定するので、到来角度の真値θ
0に対し、一層精度の高い検出値θdを得ることができる。
【0072】
また、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aは、検出された一の位相差φ
1に基づいて、最大で4つの候補値(候補値θ
11、θ
12、θ
13、θ
14)を算出するものとして説明したが、他の実施形態についてはこの態様に限定されない。
例えば、角度検出装置20A(候補値演算部201)は、検出された位相差φ
1を基準に、更に、位相差(φ
1+720°)等に基づいて算出される5つ以上の候補値を算出してもよい。
【0073】
また、他の実施形態に係る角度検出装置20A(位相差検出部200)は、アンテナ素子の複数の組み合わせの中に、一つ以上のアンテナ素子を挟んで配置された二つのアンテナ素子からなる組み合わせを含むものとしてもよい。例えば、角度検出装置20Aは、第2アンテナ素子10bを間に挟んで配置された第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせを選択する。
ここで、選択した複数の組み合わせに係るアンテナ素子の各間隔(間隔d
1、d
2)に大きな差がない場合、一の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ
11、θ
12、・・・)と、他の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ
21、θ
22、・・・)と、が互いに類似してしまうことが想定される。そうすると、角度検出装置20Aは、両方に共通する候補値を一つに特定することができない。
しかし、上記他の実施形態のように、一つ以上のアンテナ素子を挟んで配置された二つのアンテナ素子の組み合わせを常に含むことで、一のアンテナ素子の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔と、他のアンテナ素子の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔と、の差を大きくすることができる。したがって、角度検出装置20Aは、到来角度を一層精度良く特定できる。
【0074】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る無線通信システムについて、
図8〜
図9を参照ながら説明する。
【0075】
図8は、第2の実施形態に係る無線通信システムの機能構成を示す図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係る角度検出装置20Aは、第1の実施形態の構成に加え、更に、信号処理部203を備えている。
信号処理部203は、アレイアンテナ10Aに設けられた三つ以上のアンテナ素子で受信した到来波Eの振幅及び位相に対する信号処理に基づいて到来波Eの到来角度θの推定値θsを算出する。
ここで、信号処理部203は、電磁波(到来波E)の到来角度θを推定する既知の手法であるビームフォーマ法に基づく信号処理を行う。ビームフォーマ法とは、三つ以上のアンテナ素子が基準線に沿って配列されたアレイアンテナを用いて、アレイアンテナ10Aのメインローブ(アレイアンテナ10Aにつき最も放射特性の高い範囲角度)を全方向にわたって走査し、当該アレイアンテナ10Aの出力電力が大きくなる方向を探す方法である。ビームフォーマ法においては、各アンテナ素子で受信した到来波Eについてのベクトル演算(振幅値と位相値とを用いた演算)を行う。そのため、信号処理部203が推定した到来角度の推定値θsは、第1の実施形態に係る到来角度特定部202が特定した検出値θd(位相差φ
1、φ
2に基づいて算出された値)と比較して、高精度となる。
【0076】
しかしながら、ビームフォーマ法においても、上記と同様、アレイアンテナ10Aを通じて取得した信号波形には±360°(2π)×nの不確定性を有する。即ち、到来波Eの到来角度θによっては、ビームフォーマ法であっても到来角度θを一意に推定できない場合がある。したがって、通常、角度検出装置20Aの設計者は、ビームフォーマ法により到来角度θを一意に推定できる条件(到来角度θの範囲)を規定する推定可能最大角度θmaxを予め把握しておく。
ここで、推定可能最大角度θmaxは、例えば、式(1)において、位相差φ
1=180°(π)を与える到来角度θとして規定される。即ち、到来角度θの絶対値が、第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10bの各々で受信した到来波Eの位相差φ
1が180°〜−180°の範囲に収まる条件(|θ|≦θmax)を満たす場合には、位相差φ
1の不確定性を考慮せずに、一意に正しい到来角度θを推定することができる。
【0077】
この場合、推定可能最大角度θmaxは、以下の式(7)によって規定される。
【0079】
一方、第2の実施形態に係る到来角度特定部202は、候補値(例えば、候補値θ
11、θ
12、・・・、候補値θ
21、θ
22、・・・等)に基づいて特定した検出値θdが信号処理(ビームフォーマ法)に応じた推定可能範囲内にある場合には、当該信号処理に基づいて算出された推定値θsを、検出値θdとして特定する。
【0080】
図9は、第2の実施形態に係る角度検出装置の処理フローを示す図である。
第2の実施形態に係る角度検出装置20Aの具体的な処理フローについて、
図9を参照しながら順を追って説明する。
ここで、
図9に示す処理フローは、料金収受設備1において、車両A1、A2が通信可能エリアQ1、Q2に到来したことを検知した際に開始される(
図1参照)。
【0081】
角度検出装置20Aは、まず、第1の実施形態に係る位相差検出部200、候補値演算部201及び到来角度特定部202の処理により、検出値θdを特定する(ステップS01)。具体的には、位相差検出部200が検出した位相差φ
1、φ
2に応じた、アンテナ素子の組み合わせ別の候補値(候補値θ
11、θ
12、・・・、θ
21、θ
22、・・・)を算出するとともに、当該候補値に基づいて一の検出値θdを特定する。
【0082】
次に、到来角度特定部202は、上記候補値に基づいて特定した検出値θdがビームフォーマ法に基づく信号処理に応じた推定可能範囲内にあるか否かを判定する(ステップS02)。具体的には、到来角度特定部202は、検出値θdが|θd|≦θmaxを満たしているか否かを判定する。
【0083】
|θd|≦θmaxとなっている場合には(ステップS02:YES)、信号処理部203は、ビームフォーマ法に基づく信号処理を行い、到来角度の推定値θsを算出する。そして、到来角度特定部202は、信号処理部203によって算出された推定値θsを検出値θdとして特定する(ステップS03)。
一方、|θd|>θmaxとなっている場合には(ステップS02:NO)、角度検出装置20Aは、ビームフォーマ法によっては正しい到来角度の推定値θsを算出できないものと判断し、当該信号処理を行わない。
【0084】
到来角度特定部202は、上記ステップS01〜S03を経て特定された検出値θdを出力し(ステップS04)、一連の処理を終了する。
【0085】
(作用効果)
以上の通り、第2の実施形態に係る角度検出装置20Aによれば、信号処理部203が、三つ以上のアンテナ素子で受信した到来波Eの振幅及び位相に対する信号処理(ビームフォーマ法)に基づいて到来波Eの到来角度の推定値θsを算出する。そして、到来角度特定部202は、候補値θ
11、θ
12・・・等に基づいて特定した検出値θdが信号処理に応じた推定可能範囲内にある場合(|θd|≦θmax)には、推定値θsを、検出値θdとして特定する。
【0086】
このようにすることで、ビームフォーマ法に基づいて解(推定値θs)を一意に特定可能な範囲から電磁波が到来していると見込まれる場合には、別途、ビームフォーマ法に基づく到来角度推定処理を行い、その算出結果である推定値θsを出力することができる。
したがって、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aよりも精度の高い検出結果を得ることができる。
一方、ビームフォーマ法に基づいては解を一意に特定可能な範囲から電磁波が到来していないと見込まれる場合には、第1の実施形態による手法で求めた検出値θdをそのまま採用して出力する。これにより、ビームフォーマ法による推定可能範囲外から電磁波が到来した場合であってもその到来角度θを検出することができる。
【0087】
なお、第2の実施形態に係る信号処理部203が行う信号処理の具体的態様は、上述の「ビームフォーマ法」に基づくものに限定されない。即ち、到来角度推定に用いられるその他の手法に基づく信号処理が採用されてもよい。具体的には、信号処理部203は、「ビームフォーマ法」をより発展させた「Capon法」、「MUSIC(Multiple Signal Classification)法」、「線形予測法」等に基づく信号処理を行ってもよい。
【0088】
なお、上述の各実施形態においては、角度検出装置20Aの各種機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行うものとしている。ここで、上述した角度検出装置20Aの各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、角度検出装置20Aの各種機能が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
【0089】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。