(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
フィルムなどの検査対象物に存在する欠陥を検査するための欠陥検査装置には、検査位置と巻取位置の間で走行速度を変更するアキュムレータ(あるいはルーパ)が存在する場合に対応できるようにしたものがある(特許文献1)。ここで、アキュムレータ(あるいはルーパ)は、製品の検査や速度調整のために搬送ラインの一部において検査対象物の移動速度(搬送ライン速度)を変更する場合に、検査対象物を一時貯留するものであって、移動速度の変化に応じてその貯留量を変化させる設備である。
【0003】
アキュムレータは、例えば、ライン走行中のフィルムを一時的に蓄えることで、フィルム生産側を停止させることなく巻取り側のロールを交換することができるように設けられる。また、ルーパは、例えば、ライン速度が異なる2つの鋼板製造設備間に設けられている。この場合、ルーパは、鋼板の溜め込みおよび払い出しを行うことによって2つの鋼板製造設備間のライン速度差を吸収することにより、プロセスライン全体のライン速度を一定に保持する。アキュムレータとルーパは同様の構成を有する。
【0004】
図12は、ルーパ(あるいはアキュムレータ)の構成例を示す概略図である。
図12(a)はルーパの一例をルーパ44aとして示し、
図12(b)はルーパの他の例をルーパ44bとして示す。
図12(a)に示すルーパ44aは、2つのローラー441および442と、その間の下部に配置された穴部443から構成されている。検査対象物1は穴部443内を経由して搬送され、2つのローラー441および442間において貯留される。その際、ルーパ44a前後の検査対象物1の移動速度に応じてローラー441および442間において貯留されている検査対象物1の量が変化する。すなわち、ルーパ44aの前方における検査対象物1の移動速度が後方における移動速度よりも大きいときは検査対象物の貯留量が増加し、ルーパ44aの前方における検査対象物1の移動速度が後方における移動速度よりも小さいときは検査対象物1の貯留量が減少する。
【0005】
また、
図12(b)に示すルーパ44bは、2つのローラー441および442と、可動ローラー444から構成されている。検査対象物1はローラー441、可動ローラー444およびローラー442の外周を順次経由して搬送される。このルーパ44bは可動ローラー444を図中矢印で示す移動方向に移動させることによってローラー441および442間において貯留されている検査対象物1の量を変化させる。
【0006】
特許文献1に記載されている欠陥検査装置では、検査対象物貯留手段(ルーパ)の貯留量検出手段によって検出された検査対象物の貯留量に応じて、検査対象物貯留手段によって検査対象物の欠陥位置の貯留が開始された時点での、所定の出力手段に表示される欠陥位置を設定するとともに、出力手段に表示される貯留中の検査対象物の欠陥位置が移動される。この構成によれば、検出位置で検出された欠陥が搬送ライン上のどの位置まで到達しているかを検査位置において容易に把握することができ、検査位置への欠陥の到着を確実に知ることができる。
【0007】
ところで、特許文献1の段落[0030]には、下記のような記載がある。“ルーパ量検出手段(図示せず)を設け、検出されたルーパ量をライン制御盤(図示せず)から0〜10Vのアナログ値をアナログ入力ユニットで入力し、この値を8ビットのデジタル信号に変換して制御コンピュータ8に出力し、ルーパ量に応じて制御コンピュータ8の記憶部21に記憶された欠陥位置の座標を設定することが好ましい。ルーパ量として検出されるアナログ値(0〜10V)は、ルーパが貯留可能な検査対象物の量に対する実際に貯留されている検査対象物の量の割合(0〜100%)を示している。例えばルーパに貯留可能な検査対象物の量が400mの場合、ルーパ量が0%の場合貯留されている検査対象物は0mであり、ルーパ量が100%の場合400mである。”
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る欠陥検査装置100a、100bおよび100cの配置例を示す平面図である。
図1(a)はアキュムレータ4より上流に光学系検知部(1)3がある場合、
図1(b)はアキュムレータ4の前後に光学系検知部(1)3および光学系検知部(2)5がある場合、
図1(c)は前後の光学系間のパスラインが変更される場合を示す。
図2は、
図1(a)に示す欠陥検査装置100aの構成例を示すブロック図である。
図3は、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bおよび
図1(c)に示す欠陥検査装置100cの構成例を示すブロック図である。
図1〜
図3において同一または対応する構成には、同一の符号または末尾に異なる英字を付した同一の符号を用いている。なお、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bと
図1(c)に示す欠陥検査装置100cは基本的構成が同一であり、後述する
図4および
図5(b)に示す動作例は欠陥検査装置100bと欠陥検査装置100cで共通である。以下の動作例の説明では、欠陥検査装置100cの記載を適宜省略し、欠陥検査装置100bを例として記載する。
【0019】
図1(a)および
図2に示す欠陥検査装置100aは、エンコーダ(1)2と、光学系検知部(1)3と、アキュムレータ4と、エンコーダ(2)6と、マーカー7と、制御部22a(
図2)と、出力部24(
図2)を備える。また、
図1(b)および
図3に示す欠陥検査装置100bは、エンコーダ(1)2と、光学系検知部(1)3と、アキュムレータ4と、光学系検知部(2)5と、エンコーダ(2)6と、マーカー7と、制御部22b(
図3)と、出力部24(
図3)を備える。
図1(c)に示す欠陥検査装置100cは、エンコーダ(1)2と、光学系検知部(1)3と、アキュムレータ4と、光学系検知部(2)5と、エンコーダ(2)6と、マーカー7を備える。また、
図1(c)に示す欠陥検査装置100cは、欠陥検査装置100bと同様、
図3に示す制御部22bと、出力部24を備える。なお、欠陥検査装置100aは、欠陥検査装置100bおよび欠陥検査装置100cが備える光学系検知部(2)5を備えていない。
【0020】
エンコーダ(1)2およびエンコーダ(2)6は、図示していない搬送ライン(搬送部)上を一定方向(
図1において矢印で示す走行方向)に移動する検査対象物1の移動距離を測定し、検査対象物1が所定距離を移動するごとにパルス信号(例えば、0.05mm/パルスの信号)を出力する。なお、
図1では、走行方向をY方向とし、走行方向と垂直な方向をX方向とする。エンコーダ(1)2およびエンコーダ(2)6は、例えば検査対象物1あるいは検査対象物1を搭載する搬送部の水平変位を、回転角度の変位に変換する回動部と、回動部が所定角度回転する毎にパルス信号を発生するインクリメンタル形のロータリエンコーダとすることができる。例えば、エンコーダ(1)2およびエンコーダ(2)6からパルス信号が出力される時間間隔から検査対象物1の移動速度を検知することができ、パルス数をカウントすることで移動量を検知することができる。
【0021】
また、エンコーダ(1)2(第1移動量検知部)は、検査対象物1の走行方向(搬送方向)に対してアキュムレータ4(検査対象物貯留部)より前で検査対象物1の移動量(第1移動量)を検知する。また、エンコーダ(2)6(第2移動量検知部)は、アキュムレータ4より後で検査対象物1の移動量(第2移動量)を検知する。本実施形態において、エンコーダ(1)2とエンコーダ(2)6は、移動距離とパルス数との対応関係が同一であるとする。ただし、エンコーダ(1)2とエンコーダ(2)6において移動距離とパルス数との対応関係は互いに異なっていてもよい。
【0022】
なお、本実施形態において、検査対象物1は、長尺、帯状の金属板、フィルム、布、不織布、樹脂板等からなるものであり、図示していない搬送ライン上を矢印で示す走行方向に搬送される。この欠陥検査装置100a、100bおよび100cを用いた欠陥検査には、例えば、鋼板、メッキ鋼板、酸洗済み鋼板、塗装鋼板、銅板、アルミ板などの金属板や樹脂からなるフィルムが好適に用いられる。
【0023】
光学系検知部(1)3(第1光学系)と光学系検知部(2)5(第2光学系)は、ラインセンサとライン状照明と制御部からなる。ラインセンサは、撮像範囲の長手方向が検査対象物1の走行方向に直交するように配置されたライン状の光センサである。ラインセンサは、検査対象物1からのライン状照明の反射光または透過光を受光し、検査対象物1の走行方向に直交するライン毎に検査対象物1の反射光または透過光の強度分布に応じた画像信号を出力する。ラインセンサとしては、例えば、素子数(画素数)が8192のCMOSイメージセンサ等が用いられる。一方、ライン状照明は、検査対象物1上における光の照射範囲の長手方向が検査対象物1の走行方向に直交するように配置され、検査対象物1の全幅を照明するライン状の照明装置である。ライン状照明は、例えば、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、ロッド照明、光ファイバ照明等を用いて構成されている。例えば、ラインセンサとライン状照明をともに検査対象物1の表面側に配置することで、ラインセンサでライン状照明の反射光を撮像することができる。あるいは、ラインセンサを検査対象物1の背面側に配置し、検査対象物1の背面から光を照射して、透過光をラインセンサで受光するようにしてもよい。また、ラインセンサとライン状照明は、例えば走行方向に一定距離離し、検査対象物1に対して所定の角度がつくように配置されていてもよい。
【0024】
また、光学系検知部(1)3は、検査対象物1の移動方向に対してアキュムレータ4より前で検査対象物1を撮像する位置に配置されている。また、光学系検知部(1)3は、エンコーダ(1)2が出力したパルス信号のカウント値を入力し、撮像した画像の各画素に対して入力したカウント値に基づくY方向の座標値を表す信号を対応づけて出力する。また、光学系検知部(2)5は、検査対象物1の移動方向に対してアキュムレータ4より後で検査対象物1を撮像する位置に配置されている。また、光学系検知部(2)5は、エンコーダ(2)6が出力したパルス信号のカウント値を入力し、撮像した画像の各画素に対して入力したカウント値に基づくY方向の座標値を表す信号を対応づけて出力する。
【0025】
なお、光学系検知部(1)3および光学系検知部(2)5の構成は、上記のものに限定されない。光学系検知部(1)3および光学系検知部(2)5は、検査対象物1の移動に同期して画像を撮像し、その撮像画像を入力して処理する制御部22aあるいは制御部22bにおいて、各画像と検査対象物1の位置との対応関係が把握できる構成であればよい。例えば、制御部22aあるいは制御部22bで、光学系検知部(1)3の各撮像タイミングとエンコーダ(1)2のカウント値との対応関係、あるいは、光学系検知部(2)5の各撮像タイミングとエンコーダ(2)6のカウント値との対応関係が把握できるのであれば、光学系検知部(1)3および光学系検知部(2)5は各画素に対応するY座標の値を出力しなくてもよい。
【0026】
アキュムレータ4は、
図12を参照して説明したルーパ44aやルーパ44bと同様の構成を有する設備であり、貯留量を変化させながら検査対象物1を貯留する機能を有する。本実施形態において、アキュムレータ4は、
図1(a)〜(c)に示すカット位置80で検査対象物1を切断する際に検査対象物1を停止させるため、検査対象物1を一時的に貯留するように稼働される。
【0027】
また、アキュムレータ4は、
図2または
図3に示すように、アキュムレータ0信号を制御部22aあるいは制御部22bに対して出力する。アキュムレータ0信号は、アキュムレータ4の稼働状態を示す信号である。アキュムレータ4は、稼働していない場合、アキュムレータ0信号をON(オン)にして出力する。ここで、アキュムレータ4が稼働していない場合とは、検査対象物1の貯留量がゼロまたは所定量以下(例えば最低量)で変化しない場合である。また、アキュムレータ4が稼働している場合とは、アキュムレータ4が検査対象物1の貯留量を変化させようと動作している場合、または、アキュムレータ4が所定量より多く、検査対象物1を貯留している場合である。アキュムレータ4は、稼働している場合、アキュムレータ0信号をOFF(オフ)にして出力する。
【0028】
アキュムレータ0信号がONの場合、検査対象物1の貯留量はゼロまたは変化しないので、検知誤差がないとすると、エンコーダ(1)2が検知する検査対象物1の速度と、エンコーダ(2)6が検知する検査対象物1の速度は同一である。また、アキュムレータ0信号がONの場合、同様に検知誤差がないとすると、エンコーダ(1)2が検知する検査対象物1の単位時間当たりの移動量と、エンコーダ(2)6が検知する検査対象物1の単位時間当たりの移動量は同一である。
【0029】
一方、アキュムレータ0信号がOFFの場合、エンコーダ(1)2が検知する検査対象物1の速度と、エンコーダ(2)6が検知する検査対象物1の速度が異なる場合がある。また、アキュムレータ0信号がOFFの場合、エンコーダ(1)2が検知する検査対象物1の単位時間当たりの移動量と、エンコーダ(2)6が検知する検査対象物1の単位時間当たりの移動量が異なる場合がある。なお、アキュムレータ0信号がOFFの場合、エンコーダ(1)2が検知した検査対象物1の移動量と、エンコーダ(2)6が検知した検査対象物1の移動量の差分に基づいて、アキュムレータ4が貯留している検査対象物1の長さ(貯留量)を算出することができる。
【0030】
図6は、アキュムレータ稼働時のエンコーダ(1)2およびエンコーダ(2)6で検知される検査対象物1の速度変動を説明するための図である。
図6の横軸は経過時間、縦軸は検査対象物1の走行速度である。アキュムレータ0信号がONの場合は、エンコーダ(1)2で検知される走行速度とエンコーダ(2)6で検知される走行速度は同じである。一方、アキュムレータ0信号がOFFの場合は、エンコーダ(1)2で検知される走行速度は変化しないが、エンコーダ(2)6で検知される走行速度は、次のように変化する。すなわち、アキュムレータ0信号がONからOFFに変化した後、エンコーダ(2)6で検知される検査対象物1の走行速度は低下する。そして、検査対象物1の停止後カット信号が入力され、検査対象物1がカットされる。その後、エンコーダ(2)6で検知される検査対象物1の走行速度は、加速し、エンコーダ(1)2で検知される走行速度よりも高速となった後、同じ速度に戻る。
【0031】
また、
図1に示すマーカー7は、ペン、IJP(Ink Jet Printer)、レーザマーカーなどであり、
図2に示す制御部22aあるいは制御部22bによって制御され、検査対象物1上にマーキングを行う。
【0032】
なお、
図1(a)に示す欠陥検査装置100aでは、所定の基準位置からY方向で移動距離L1の位置に光学系検知部(1)3が配置されている。また、移動距離L2の位置にアキュムレータ4が配置されている。また、移動距離L4の位置にマーカー7が配置されている。また、移動距離L5の位置が検査対象物1のカット位置80である。なお、移動距離L4、移動距離L5および後述する移動距離L3は、アキュムレータ4における検査対象物1の貯留量によって変化する。
【0033】
また、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bでは、所定の基準位置からY方向で移動距離L1の位置に光学系検知部(1)3が配置されている。また、移動距離L2の位置にアキュムレータ4が配置されている。また、移動距離L3の位置に光学系検知部(2)5が配置されている。また、移動距離L4の位置にマーカー7が配置されている。また、移動距離L5の位置が検査対象物1のカット位置80である。
【0034】
また、
図1(c)に示す欠陥検査装置100cでは、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bと比較して、光学系検知部(1)3および光学系検知部(2)5間のパスラインが変更されている。欠陥検査装置100cでは、所定の基準位置からY方向で移動距離L1cの位置に光学系検知部(1)3が配置されている。また、移動距離L2cの位置にアキュムレータ4が配置されている。また、移動距離L3cの位置に光学系検知部(2)5が配置されている。また、移動距離L4cの位置にマーカー7が配置されている。また、移動距離L5cの位置が検査対象物1のカット位置80である。
【0035】
次に、
図2あるいは
図3を参照して、
図1に示す欠陥検査装置100a、100bまたは100cにおいて、各部を制御する制御部22aあるいは制御部22bの構成例について説明する。制御部22aあるいは制御部22bは、例えばコンピュータであり、CPU(中央処理装置)、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置、通信装置等を備え、CPUで所定のプログラムを実行することで動作する。
図2に示す構成例において、制御部22aは、欠陥検出部(1)25、カウンタ部(1)12、カウンタ部(2)13、補正量計算部14、Y座標変換部17および処理部20aを備える。
図3に示す構成例において、制御部22bは、欠陥検出部(1)25、欠陥検出部(2)26、カウンタ部(1)12、カウンタ部(2)13、補正量計算部14、Y座標変換部17および処理部20bを備える。
【0036】
カウンタ部(1)12は、エンコーダ(1)2が出力したパルス信号列のパルス数をカウントする。カウンタ部(2)13は、エンコーダ(2)6が出力したパルス信号列のパルス数をカウントする。カウンタ部(1)12のカウント値とカウンタ部(2)13のカウント値は、アキュムレータ0信号がONの時に、検査開始信号が入力されとき0にリセットされる。検査開始信号は、検査対象物1の検査が開始される場合に発生されるパルス信号である。
【0037】
欠陥検出部(1)25は、光学系検知部(1)3からのY方向の座標値を表す信号が対応づけられた画像信号を画像処理することにより欠陥を検出し、Y座標を含む欠陥情報を出力する。欠陥検出部(2)26は、光学系検知部(2)5からのY方向の座標値を表す信号が対応づけられた画像信号を画像処理することにより欠陥を検出し、カウンタ部(2)13のカウント値から求めたY座標を含む欠陥情報を出力する。
【0038】
補正量計算部14は、アキュムレータ4からのアキュムレータ0信号がONになっている間、所定の間隔で補正量を計算する。ここで、所定の間隔は、例えば所定の時間間隔であってもよいし、所定の移動量の間隔であってもよい。
【0039】
アキュムレータ0信号がONの場合、理論的には、検査開始信号が入力された時点からのカウンタ部(1)12の値とカウンタ部(2)13の値は等しく変化する。すなわち、検査開始信号が入力された時点以降に、エンコーダ(1)2が検知した検査対象物1の移動量と、エンコーダ(2)6が検知した検査対象物1の移動量は、等しい。例えば、欠陥検査装置100bでは、検査開始信号が入力された時点以降に、光学系検知部(1)3が検査対象物1を検査した検査対象物1の長さ(検査長という)と、光学系検知部(2)5による検査対象物1の検査長は、等しい。しかしながら、実際には、エンコーダ(1)2やエンコーダ(2)6における機械的な精度の誤差等によって、カウンタ部(1)12の値とカウンタ部(2)13の値にはずれが生じる。すなわち、エンコーダ(1)2の出力パルス信号列をカウントしているカウンタ部(1)12の値から求めたY座標と、エンコーダ(2)6の出力パルス信号列をカウントしているカウンタ部(2)13の値から求めたY座標には誤差に伴うずれが生じる。このずれは検査長と共に累積する。そのため所定の間隔で補正を行うことが必要である。このずれを補正する際の補正量は、例えば、カウンタ部(2)13の値(またはその値に対応する値)を基準として、カウンタ部(1)12の値(またはその値に対応する値)を補正するための値とすることができる。補正量計算部14は、例えば以下の式で、カウンタ部(2)13の値に対応する値を基準としてカウンタ部(1)12の値に対応する値の補正量を計算する。ここで、カウンタ部(1)12の値に対応する値とは、カウンタ部(1)12の値から求めたY座標であり、カウンタ部(2)13の値に対応する値とはカウンタ部(2)13の値から求めたY座標である。
【0040】
補正量=(カウンタ部(1)12の値から求めたY座標)−(カウンタ部(2)13の値から求めたY座標)
【0041】
補正量計算部14による補正量の計算はアキュムレータ0信号が入力されている間の所定の間隔で行われる。計算された補正量はアキュムレータ0信号がONの間は所定の間隔で新しい値に更新される。この補正量を用いることで、例えば、カウンタ部(1)12の値から求めたY座標を、カウンタ部(2)13の値を基準として求めたY座標に補正することができる。なお、Y座標は、例えば、エンコーダ(1)2のパルス信号の変化の1周期に対応する移動距離とY座標の座標値との対応関係を表す係数を、カウンタ部(1)12の値(カウント値)に乗じることで求めることができる。あるいは、Y座標は、例えば、エンコーダ(2)6のパルス信号の変化の1周期に対応する移動距離とY座標の座標値との対応関係を表す係数をカウンタ部(2)13の値に乗じることで求めることができる。
【0042】
Y座標変換部17は、補正量計算部14で計算した補正量を用いて欠陥検出部(1)25で検出した欠陥情報に含まれるY座標を、カウンタ部(2)13でカウントした値を基準とするY座標に変換する。Y座標変換部17は、例えば、補正量計算部14で計算した補正量から以下の式によって光学系検知部(1)3のY座標をカウンタ部(2)13のカウント値を基準とするY座標に変換して処理部20aあるいは処理部20bに入力する。
【0043】
(欠陥検出部(1)25の補正後のY座標)=(欠陥検出部(1)25の補正前のY座標)−補正量
【0044】
なお、アキュムレータ4が稼働中はアキュムレータ0信号がOFFになり、補正量計算部14は補正量の計算は行わない。Y座標変換部17はアキュムレータ0信号がONのときに補正量計算部14で計算した最新の補正量を使用して前述したY座標の変換を行う。アキュムレータ4が稼働中のカウンタ部(1)12の値から求めたY座標値はアキュムレータ0信号がONの時のY座標値にアキュムレータ量(貯留量)を加えたものになる。したがって、Y座標変換部17が前述したY座標の変換を行うと、光学系検知部(1)3のY座標はアキュムレータ量を含んだカウンタ部(2)13の値を基準とするY座標に変換されることになる。
【0045】
例えば、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bにおいて、処理部20bでは欠陥検出部(1)25で検出された欠陥と欠陥検出部(2)26で検出された欠陥の同一判定、特定範囲の欠陥数等の欠陥分布状態の計測、マーキング等を行うことができるが、欠陥のY座標は欠陥検出部(2)26のY座標にそろえられているため、光学系の違いやアキュムレータ動作による影響を無視することができる。
【0046】
また、処理部20bは、欠陥検出部(1)25が検出した欠陥情報と当該欠陥情報に対応づけられた補正後のY座標信号をY座標変換部17から入力するともに、欠陥検出部(2)26が検出した欠陥情報と当該欠陥情報に対応づけられたY座標信号とカウンタ部(2)13の値を入力する。また、処理部20aは、欠陥検出部(1)25が検出した欠陥情報と当該欠陥情報に対応づけられた補正後のY座標信号をY座標変換部17から入力するともに、カウンタ部(2)13の値を入力する。なお、処理部20aあるいは処理部20bは、カウンタ部(2)13の値を所定の係数を用いてY座標値に変換することができる。また、処理部20aあるいは処理部20bに入力される補正後のY座標信号は、Y座標変換部17によって、カウンタ部(2)13のカウント値を基準とするY座標に補正されている。したがって、処理部20aあるいは処理部20bにおいて、すべての欠陥のY座標はカウンタ部(2)13のカウント値を基準とするY座標にそろえられることになる。
【0047】
欠陥検出部(1)25は、光学系検知部(1)3が撮像した画像に基づき所定の画像処理を行い、画像処理の結果と当該画像のY座標に基づき、検査対象物1上の欠陥の座標を算出する。欠陥検出部(2)26は、光学系検知部(2)5が撮像した画像に基づき所定の画像処理を行い、画像処理の結果と当該画像のY座標に基づき、検査対象物1上の欠陥の座標を算出する。すなわち、処理部20aあるいは処理部20bは、光学系検知部(1)(第1光学系)が撮像した画像(第1画像)とカウンタ部(1)12の値に対応する値(第1移動量に対応する値)を補正量で補正した値に基づき検査対象物1上の欠陥の座標を処理する。また、処理部20aあるいは処理部20bは、カウンタ部(2)13の値に基づく移動量(第2移動量)に基づき、光学系検知部(1)3が撮像した画像(第1画像)に基づく検査対象物1の検査長を算出する。
【0048】
また、欠陥検出部(2)26は、光学系検知部(2)5(第2光学系)が撮像した画像(第2画像)と当該画像のY座標に基づき(すなわちカウンタ部(2)13の値に対応する値に基づき)検査対象物1上の欠陥の座標を算出する。その際、欠陥検出部(2)26は、例えば欠陥中心のY座標値から、光学系検知部(2)5と光学系検知部(1)3間の移動距離(L3−L1)に対応する座標値を減算する。この処理で処理部20bは、同じ欠陥について、欠陥検出部(1)25で検出した欠陥座標と、欠陥検出部(2)26で検出した欠陥座標を一致させることができる。なお、Y座標を算出する際の移動距離(L3−L1)は、
図1(c)に示す欠陥検査装置100cではL3c−L1cとなる。すなわち、欠陥検出部(2)26では、パスラインが変更された場合、光学系検知部(2)5が撮像した画像に基づいて検出した欠陥のY座標を算出する際に用いられるパラメータが変更される。
【0049】
また、処理部20aあるいは処理部20bは、マーカー7を制御して、検査対象物1上で欠陥が検出された位置にマーキングを行う。また、処理部20aあるいは処理部20bは、欠陥の座標を示す情報等を出力部24に出力する。ここで出力部24は、例えば表示装置、携帯端末、印刷装置等である。
【0050】
次に、
図4を参照して、
図1〜
図3に示す欠陥検査装置100a、100bおよび100cの動作例について説明する。
図4は、
図2に示す制御部22aあるいは
図3に示す制御部22bにおいて補正量を算出する際の処理の流れを示す。
図4に示す処理は、欠陥検査装置100a、100bまたは100cが動作を開始した後、
図2に示す制御部22aあるいは制御部22bが検査ごとに繰り返し実行する。
図4に示す処理を開始すると、制御部22aあるいは制御部22bは、まず、検査開始信号がONしたか否かを判定する(ステップS102)。検査開始信号がONしていた場合(ステップS102で「YES」の場合)、制御部22aあるいは制御部22bは、カウンタ部(1)12とカウンタ部(2)13をともに「0」にリセットし(ステップS103)、また、補正量を「0」にリセットする(ステップS104)。検査開始信号がONしていなかった場合(ステップS102で「NO」の場合)、検査開始信号がONになるまで待つ。つぎに、補正量計算部14は、前回補正量を算出した後(または補正量をリセットした後)、所定の間隔に到達したか否かを判定する(ステップS105)。前回補正量を算出した後(または補正量をリセットした後)、所定の間隔に到達した場合(ステップS105で「YES」の場合)、アキュムレータ0信号がONであるか否かを判定する(ステップS101)。アキュムレータ0信号がONである場合(ステップS101で「YES」の場合)、補正量計算部14は、カウンタ部(2)13の値から求めたY座標を基準として、カウンタ部(2)13の値から求めたY座標とカウンタ部(1)12の値から求めたY座標とに応じて補正量を算出(更新)する(ステップS106)。他方、所定の間隔に到達していなかった場合(ステップS105で「NO」の場合)、または、アキュムレータ0信号がONでなかった場合(ステップS101で「NO」の場合)、制御部22aあるいは制御部22bは補正量を算出(更新)しない。つぎに、検査停止信号がONしたか否かを判定する(ステップ107)。検査停止信号がONしていた場合、制御部22aあるいは制御部22bは処理を終了する。検査停止信号がONしていない場合、前回補正量を算出した後(または補正量をリセットした後)、所定の間隔に到達したか否かの判定(ステップS105)にもどる。
【0051】
以上のように前回補正量を算出した後(または補正量をリセットした後)所定の間隔に到達したか否かの判定(ステップS105)から補正量の算出(更新)(ステップS106)までを検査停止信号がONになるまで(ステップ107)所定周期で繰り返し実行することで、補正量計算部14は、アキュムレータ0信号がONである間、所定の間隔で補正量を更新する。
【0052】
次に、
図5(a)を参照して、
図1および
図2に示す欠陥検査装置100aの動作例について説明する。
図5(a)は、
図2に示す制御部22aにおいて検査対象物1上の欠陥の座標と検査長を演算する処理の流れを示す。
図5(a)に示す処理は、欠陥検査装置100aが動作を開始した後、
図2に示す制御部22aが所定周期で繰り返し実行する。
図5(a)に示す処理を開始すると、欠陥検出部(1)25は、まず、入力した光学系検知部(1)3の撮像画像に対して所定の画像処理を行い、画像処理の結果に基づき欠陥を検出したか否かを判定する(ステップS201)。欠陥を検出したと判定した場合(ステップS201で「YES」の場合)、処理部20aは、欠陥検出部(1)25が検出した欠陥に対応づけられたY座標を、Y座標変換部17が
図4のステップS105で算出された補正量を用いて補正した補正後のY座標に基づき、処理する(ステップS202)。ステップS202において、処理部20aは、処理した欠陥を所定の記憶領域に記憶する。また、欠陥検出部(1)25が欠陥を検出したと判定しなかった場合(ステップS201で「NO」の場合)、または、ステップS202で欠陥を処理した場合、処理部20aは、カウンタ部(2)13の値に基づき検査長を演算する(ステップS203)。ここで、制御部22aは、一回の処理を終了する。
【0053】
以上の処理によって欠陥検査装置100aは、エンコーダ(2)6の検知結果を基準とする補正量を用いて、エンコーダ(1)2の検知結果に基づくY座標を補正することができる。また、欠陥検査装置100aは、エンコーダ(2)6の検知結果に基づいて検査長を演算することができる。
【0054】
次に、
図5(b)を参照して、
図1および
図3に示す欠陥検査装置100bおよび100cの動作例について説明する。
図5(b)は、
図3に示す制御部22bにおいて検査対象物1上の欠陥の座標と検査長を処理する流れを示す。
図5(b)に示す処理は、欠陥検査装置100bまたは欠陥検査装置100cが動作を開始した後、
図3に示す制御部22bが所定周期で繰り返し実行する。
図5(b)に示す処理においてステップS201〜S203は、
図5(a)に示す処理におけるステップS201〜S203と同一である。
図5(b)に示す処理を開始し、ステップS201〜S202の処理を実行した後、欠陥検出部(2)26は、入力した光学系検知部(2)5の撮像画像に対して所定の画像処理を行い、画像処理の結果に基づき欠陥を検出したか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、欠陥検出部(2)26は、例えば欠陥中心のY座標値から、光学系検知部(2)5と光学系検知部(1)3間の移動距離(L3−L1)に対応する座標値を減算する。欠陥を検出したと判定した場合(ステップS204で「YES」の場合)、処理部20bは、欠陥検出部(2)26が検出した欠陥に対応づけられたY座標に基づき、処理する(ステップS205)。また、処理部20bは、処理した欠陥を所定の記憶領域に記憶する。また、欠陥を検出したと判定しなかった場合(ステップS204で「NO」の場合)、または、ステップS205で欠陥を処理した場合、処理部20bはカウンタ部(2)13の値に基づき検査長を演算する(ステップS203)。また、処理部20bは、欠陥検出部(1)25による欠陥(ステップS201が「YES」の場合)と欠陥検出部(2)26による欠陥(ステップS204が「YES」の場合)を出力部24から出力する(ステップS206)。ここで、制御部22bは、処理を終了する。
【0055】
以上の処理によって欠陥検査装置100bおよび100cは、エンコーダ(2)6を基準とする補正量を用いて、エンコーダ(1)2に基づくY座標を補正することができる。また、欠陥検査装置100bおよび100cは、エンコーダ(2)6に基づいて検査長を演算することができる。また、欠陥検査装置100bおよび100cは、光学系検知部(2)5の撮像画像に基づき欠陥を検知し、エンコーダ(2)6に基づいて欠陥のY座標を演算することができる。
【0056】
なお、
図7は、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bにおける検査開始時のタイミングを説明するための図である。
図7に示す動作例は、欠陥検査装置100bにおいて、光学系検知部(1)3を用いた欠陥の検知と、光学系検知部(2)5を用いた欠陥の検知を、検査対象物1上の同一位置で開始する例である。検査開始信号が入力されると、欠陥検査装置100bは、カウンタ部(1)12およびカウンタ部(2)13の値をリセットし、光学系検知部(1)3を用いた検査を開始する。欠陥検査装置100bは、検査対象物1が(L3−L1)を走行した後、光学系検知部(2)5を用いた検査を開始する。光学系検知部(1)3を用いた欠陥検出部(1)25で欠陥を検出したときの、欠陥のY座標は、欠陥中心位置におけるカウンタ部(1)12のカウンタ値から求める。光学系検知部(2)5を用いた欠陥検出部(2)26で欠陥を検出したときの欠陥のY座標は、欠陥中心位置におけるカウンタ部(2)13のカウンタ値から求めたY座標から(L3−L1)を減算することで求める。この処理で、検査対象物1の同じ位置にある欠陥は同じY座標となる。
【0057】
その際、アキュムレータ0信号がONの場合は、光学系検知部(1)3の走行速度と光学系検知部(2)5の走行速度は同じであるが、微妙にズレが発生するため、所定の時間ごとに、エンコーダ(1)2による値をエンコーダ(2)6による値に補正するための補正量に更新する。アキュムレータ0信号がOFFの場合は、光学系検知部(1)3の走行速度と光学系検知部(2)5の走行速度は異なるため、上記のような補正の更新はしない。
【0058】
また、
図8は、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bにおけるカット処理時のタイミングの一例を説明するための図である。欠陥検査装置100bでは、
図6を参照して説明したカット信号が入力された場合は、カット位置80より下流を製品とすることができる。光学系検知部(1)3の検査は、L1〜L5までは検査済であり、光学系検知部(2)5の検査は、L3〜L5は検査済である。この検査データは、次の製品の開始位置であるため、検査データを移動させる。L3〜L5は、一定長であるが、L1〜L5は、アキュムレータ4の状態により変化するため、アキュムレータ0信号ON時のL1〜L5に、エンコーダ(2)6に基づくY座標とエンコーダ(1)2に基づくY座標を補正量で補正したY座標との差を加算することで算出できる。
【0059】
また、
図9は、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bにおける検査停止時のタイミングの一例を説明するための図である。欠陥検査装置100bは、検査停止信号が入力されると、光学系検知部(1)3検査を停止し、検査対象物1が(L3−L1)走行した後、光学系検知部(2)5の検査を停止する。
【0060】
なお、
図1(c)に示す欠陥検査装置100cは、
図1(b)に示す欠陥検査装置100bに対してパスラインが変更されている。したがって、
図8、
図9等に示すタイミングは、予め各検査光学系の流れ方向位置を設定することで、上記と同様とすることができる。
【0061】
以上のように本実施形態の欠陥検査装置100a、100bおよび100cは、次の構成を有する。すなわち、欠陥検査装置100a、100bおよび100cは、アキュムレータ4前の光学系検知部(1)3(検査光学系)と、アキュムレータ4前後の検査対象物1の変位を検知するエンコーダ(1)2およびエンコーダ(2)6と、アキュムレータ0信号を入力し、アキュムレータ0信号がONの場合、アキュムレータ4前のエンコーダ(1)2の値をアキュムレータ4後のエンコーダ(2)6の値に補正するための補正量を算出する補正量計算部14とを備える。また、欠陥検査装置100a、100bおよび100cは、アキュムレータ4前のエンコーダ(1)2に基づく欠陥Y座標を補正量で補正した値で処理する。また、欠陥検査装置100a、100bおよび100cは、アキュムレータ4後のエンコーダ(2)6に基づく値を使用して検査長を演算する。また、欠陥検査装置100bおよび100cは、アキュムレータ4後のエンコーダ(2)6に基づく値で欠陥Y座標を処理する。また、欠陥検査装置100bから欠陥検査装置100cのように、パスラインの変更がある場合、予め各検査光学系の流れ方向位置を設定することで、パスラインの変更に対応して欠陥Y座標の補正ができる。
【0062】
本実施形態によれば、アキュムレータ4(あるいはルーパ)稼働時でも、アキュムレータ4前後の流れ方向位置(Y座標)を正確に求めることが可能となり、下記の目的が達成できた。
1)巻取ったフィルムの欠陥座標の精度を上げる(欠陥検査装置100a、100bおよび100c)。
2)アキュムレータ前後の光学系で検出した欠陥が同じ欠陥であると判断できる(欠陥検査装置100bおよび100c)。
【0063】
[実施例1]
図1(b)の欠陥検査装置100bの配置で検査を行った。検査対象は、
図10の通りである。すなわち、検査対象は幅1200mmのフィルムとし、搬送速度0〜40m/分とした。装置構成は、
図11に示す2通りである。すなわち、光学系検知部(1)3を反射型とし、光学系検知部(2)5を透過型とした。ライン状照明装置はLED照明装置(株式会社メック製)、ラインセンサは8192素子ラインセンサ(株式会社メック製)、分解能50×50μm/画素とした。検査装置本体は、LSC−6000(株式会社メック製)であり、エンコーダ(1)2およびエンコーダ(2)6は0.05mm/スキャンのロータリエンコーダとし、アキュムレータ4の稼働範囲は10mとした。同じ欠陥を光学系検知部(1)3と光学系検知部(2)5で検出した座標を確認したところ、Y座標は10mm以内、X座標は1mm以内で検出された。
【0064】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、
図2または
図3に示す処理部20aまたは20bがY座標変換部17を含んでいたり、補正量計算部14を含んでいたりしてもよい。