(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
携帯端末1は、例えばスマートフォンとして構成される。
【0011】
携帯端末1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部18と、入力部19と、出力部20と、記憶部21と、通信部22と、ドライブ23と、を備えている。
【0012】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部21からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0013】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する
際において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0014】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、太陽光パネルモジュール16、検出部1
7、撮像部18、入力部19、出力部20、記憶部21、通信部22及びドライブ23が接続されている。
【0015】
太陽光パネルモジュール16は、図示はしないが、ソーラーセル、モジュール、アレイ等から構成される。太陽光パネルモジュール16は、環境光からの受光で発電し、例えば、図示しない電池パック等へ電力を供給する。また、太陽光パネルモジュール16からは、開放電圧と、短絡電流が検出可能に構成される。
【0016】
検出部17は、太陽光パネルモジュール16から開放電圧と、短絡電流を検出可能に構成される。
【0017】
図2は、検出部17における開放電圧及び短絡電流の検出回路を説明する回路構成図である。
検出部17の検出回路は、
図2に示すように、短絡電流検出回路
101と、開放電圧検出回路
102とを備える。短絡電流検出回路
101及び開放電圧検出回路
102は、それぞれ、太陽光パネルモジュール16と、CPU11とに接続しており、スイッチ(SW1及びSW2)で切り替えることにより、短絡電流検出回路
101からの信号で短絡電流値を検出し、開放電圧検出回路
102からの信号で開放電圧値を検出するように構成される。
【0018】
撮像部18は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0019】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0020】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部18の出力信号として出力される。
このような撮像部18の出力信号を、以下、「撮像画像のデータ」と呼ぶ。撮像画像のデータは、CPU11や図示しない画像処理部等に適宜供給される。
【0021】
入力部19は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部20は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部21は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部22は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0022】
ドライブ23には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ23によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部21にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部21に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部21と同様に記憶することができる。
【0023】
このように構成される携帯端末1では、照度センサを搭載せずに、太陽電池を構成する太陽光パネルモジュール16における太陽電池の特性を用いて、環境光に応じた携帯端末1の動作制御(本実施形態においては、出力部20の表示出力制御)を行うことができる機能を有する。具体的には、携帯端末1では、太陽光パネルモジュール16からの短絡電流又は開放電圧の値から照度を換算して、換算した照度に対応する携帯端末1の動作制御(本実施形態においては、出力部20の表示出力制御)を行う。
【0024】
ここで、太陽電池の特性を利用した動作制御について説明する。
図3及び
図4は、太陽電池の特性を利用した動作制御を説明するための模式図である。
本実施形態においては、太陽電池の特性を、開放電圧と短絡電流の特性から導き出す。
【0025】
開放電圧の特性は、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、線形の特性を示さず、照度が3000[Lx]より低い環境下では傾きが大きいものとなる。また、照度が低い場合、定格値が得られないという特性もある。また、開放電圧の特性として、照度が4000Lx以上になると飽和し始めたり、コンパレータ等の構成が可能であったり、電流検出ではないのでアンプ等の回路が不要であり消費電力を削減可能であったり等の特性がある。
【0026】
これに対して、短絡電流の特性は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、光の強さに比例して得られる電流が増えて行き、ほぼ線形(短絡電流は照度に対してリニア)の特性を示すものとなる。また、短絡電流の特性として、微小な電圧差を検出するためアンプの電力が大きくなったり、抵抗での損失分があったり等の特性がある。
【0027】
即ち、周囲の環境が非常に暗い低照度の環境下の場合は、短絡電流が非常に少なく精度が悪くなるが、開放電圧に関しては照度の低い環境下で線形ではないが傾きが大きく、低照度の環境下でのサンプリングがし易いという特性があることになる。
【0028】
本実施形態の携帯端末1においては、このような特性を利用して、3000[Lx]以下の低照度の環境下は、開放電圧で扱う領域であり、開放電圧の値に基づいて、動作制御を行い、3000[Lx]よりも高い照度の環境下は、短絡電流で扱う領域であり、短絡電流の値に基づいて、動作制御を行う。
なお、本実施形態の携帯端末1においては、短絡電流のみを用いずに、開放電圧を用いる理由として、携帯端末1等の電子機器における現実的な利用範囲(〜1000Lx)では、開放電圧の方が照度に対して変化が急峻であり、制御の精度を高くでき、短絡電流での制御に比べ、開放電圧での制御の方が、アンプや抵抗での電力損失分が低いことにより消費電力が小さいというメリットもあるからである。
【0029】
図5は、このような携帯端末1の機能的構成のうち、動作制御処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
動作制御処理とは、検出部17からの検出値に基づいて、現在の照度を割り出し、当該照度に応じて表示出力に関する各種パラメータを変更して、表示出力の動作を制御する一連の処理をいう。
【0030】
動作制御処理を実行する場合には、
図5に示すように、CPU11において、回路制御部51と、検出値取得部52と、照度判定部53と、制御値取得部54と、動作制御部55と、が機能する。
【0031】
また、記憶部21の一領域には、テーブル記憶部71が設定される。
【0032】
テーブル記憶部71には、開放電圧特性設定テーブルと、短絡電流特性設定テーブルのデータが記憶される。
開放電圧特性設定テーブルは、照度/開放電流の特性に基づいて、照度/開放電圧値と、制御値とを対応付けたテーブルである。本実施形態においては、照度/開放電圧値と、LCDと、OLED(Organic Light Emitting Diode Display)の制御値とが対応付けられたテーブルである。
短絡電流特性設定テーブルは、照度/短絡電流の特性に基づいて、照度/短絡電流値と、制御値とを対応付けたテーブルである。本実施形態においては、照度/短絡電流値と、LCDと、OLED(Organic Light Emitting Diode Display)である出力部20の制御値とが対応付けられたテーブルである。
各テーブルには、OLEDであれば駆動電圧(駆動電圧値で輝度が変わる)、γパラメータ、電流駆動幅の調整データなど、またLCDであればバックライト制御、γパラメータ等がある。
【0033】
ここで、開放電圧特性設定テーブル及び短絡電流特性設定テーブルの具体例について説明する。
図6は、開放電圧特性設定テーブル及び短絡電流特性設定テーブルの例を示した模式図である。
開放電圧特性設定テーブルは、具体的には、
図6(a)に示すように、照度[Lx]/開放電圧[V]と、LEDのバックライトの輝度値(LED−BL[mA])、LCD(R)のγ値(LCDγ(R))、LCD(G)のγ値(LCDγ(G)
)、LCD(B)のγ値(LCDγ(B))と、OLEDの輝度変更を行う駆動電圧値(OLED電圧[V])とが対応付けられている。
短絡電流特性設定テーブルは、具体的には、
図6(b)に示すように、照度[Lx]/短絡電流[mA]と、LEDのバックライトの輝度値(LED−BL[mA])、LCD(R)のγ値(LCDγ(R))、LCD(G)のγ値(LCDγ(G)
)、LCD(B)のγ値(LCDγ(B))と、OLEDの輝度変更を行う駆動電圧値(OLED電圧[V])とが対応付けられている。
【0034】
図5に戻り、回路制御部51は、検出部17における短絡電流検出回路と、開放電圧検出回路の切り替えを制御する。具体的には、短絡電流検出回路及び開放電圧検出回路におけるスイッチのON/OFF制御を行う。
回路制御部51による短絡電流検出回路と、開放電圧検出回路の切り替え制御により、各回路での値を検出可能となる。
【0035】
回路制御部51による切り替え制御は、まず、短絡電流検出回路からの検出値を取得可能に切り替え制御し、短絡電流検出回路からの検出値から割り出された照度が所定の値未満(本実施形態においては、3000[Lx]未満)であった場合に開放電圧検出回路からの検出値を取得可能に切り替え制御する。そして、動作制御を行ったあとに、再び、短絡電流検出回路からの検出値を取得可能に切り替え制御する。
【0036】
検出値取得部52は、回路制御部51による短絡電流検出回路と、開放電圧検出回路の切り替え制御により、切り替えた回路から検出値を取得する。
【0037】
照度判定部53は、テーブル記憶部71に記憶される短絡電流特性設定テーブルを参照し、短絡電流検出回路から取得した短絡電流の検出値における照度を取得する。
そして、照度判定部53は、短絡電流検出回路からの検出値から割り出された照度が所定の値未満(本実施形態においては、3000[Lx]未満)であったか否かの判定を行う。照度判定部53による判定結果で、参照するテーブル(開放電圧特性設定テーブル又は短絡電流特性設定テーブル)が変わることになる。
【0038】
制御値取得部54は、照度判定部53による判定結果に基づいて、テーブル記憶部71の開放電圧特性設定テーブル又は短絡電流特性設定テーブルを参照し、検出値取得部52が取得した検出値から制御値を取得する。
具体的には、制御値取得部54は、照度判定部53による判定結果が3000[Lx]未満であった場合には、取得した開放電圧値に基づいて、開放電圧特性設定テーブルを参照し、3000[Lx]よりも上であった場合には、取得した短絡電流値に基づいて短絡電流特性設定テーブルを参照して、制御値を取得する。
【0039】
動作制御部55は、制御値取得部54によって取得された制御値に基づいて、携帯端末1の動作制御を行う。具体的には、動作制御部55は、制御値取得部54によって取得された制御値で、出力部20の設定(バックライトの輝度や画質パラメータ)を変更して、表示出力の動作制御を行う。
【0040】
図7は、
図5の機能的構成を有する
図1の携帯端末1が実行する動作制御処理の流れを説明するフローチャートである。なお、以下においては、LEDを出力部20として構成した場合の例を示す。
動作制御処理は、ユーザによる入力部19への動作制御処理開始の操作により開始される。
【0041】
ステップS11において、回路制御部51は、検出部17の短絡電流検出回路から検出値を取得可能なように短絡電流検出回路及び開放電圧検出回路を切り替え制御する。詳細には、回路制御部51は、短絡電流検出回路のスイッチをONし、開放電圧検出回路のスイッチをOFFするように切り替え制御する。
【0042】
ステップS12において、検出値取得部52は、回路から検出値を取得する。検出値取得部52は、短絡電流検出回路から検出値を取得可能なように切り替え制御されているため、検出値として短絡電流値を取得する。
【0043】
ステップS13において、照度判定部53は、検出値から照度を取得する。即ち、照度判定部53は、
図6(b)の短絡電流特性設定テーブルを参照し、短絡電流検出回路から取得した短絡電流値における照度を取得する。
【0044】
ステップS14において、照度判定部53は、取得した照度が3000[Lx]未満であるか否かを判定する。
照度が3000[Lx]未満でない場合には、ステップS14においてNOと判定されて、処理はステップS18に進む。ステップS18以降の処理は後述する。
照度が3000[Lx]未満の場合には、ステップS14においてYESと判定されて、処理はステップS15に進む。
【0045】
ステップS15において、回路制御部51は、検出部17の開放電圧検出回路から検出値を取得可能なように短絡電流検出回路及び開放電圧検出回路を切り替え制御する。詳細には、回路制御部51は、短絡電流検出回路のスイッチをOFFし、開放電圧検出回路のスイッチをONするように切り替え制御する。
【0046】
ステップS16において、検出値取得部52は、回路から検出値を取得する。検出値取得部52は、開放電圧検出回路から検出値を取得可能なように切り替え制御されているため、検出値として開放電圧値を取得する。
【0047】
ステップS17において、制御値取得部54は、3000[Lx]未満であったため、
図6(a)の開放電圧特性設定テーブルを参照して、開放電圧値に対応する制御値を取得する。制御値取得部54は、制御値として、バックライトの輝度値と、RGBのγ値を取得する。
例えば、
図6(a)の開放電圧特性設定テーブルを参照して、開放電圧の検出値が6.21[V]であった場合には、制御値取得部54は、
5[mA]のバックライト(LED−BL)の輝度値、R2のR(LCDγ(R))のγ値、G2のG(LCDγ(G))のγ値、B2のB(LCDγ(B))のγ値を取得する。
その後、処理はステップS19に進む。
【0048】
ステップS18において、制御値取得部54は、3000[Lx]未満でなかったため、
図6(b)の短絡電流特性設定テーブルを参照して、短絡電流値に対応する制御値を取得する。制御値取得部54は制御値として、バックライトの輝度値と、RGBのγ値を取得する。
例えば、
図6(b)の短絡電流特性設定テーブルを参照して、短絡電流値が18.92[mA]であった場合には、制御値取得部54は、15[mA]のバックライト(LED−BL)の輝度値、R4のR(LCDγ(R))のγ値、G4のG(LCDγ(G))のγ値、B4のB(LCDγ(B))のγ値を取得する。
【0049】
ステップS19において、動作制御部55は、制御値取得部54によって取得された制御値に基づいて、出力部20のバックライトの輝度の設定を変更して、表示出力の動作制御を行う。
【0050】
ステップS20において、動作制御部55は、制御値取得部54によって取得された制御値に基づいて、出力部20の画質パラメータの設定を変更して、表示出力の動作制御を行う。
その後、処理はステップS11に戻り、再び照度の取得と、取得した照度に応じた出力部20の各種設定を行う。
【0051】
したがって、携帯端末1においては、低照度では開放電圧特性設定テーブルを用い、所定の照度以上では短絡電流特性設定テーブルを用いることにより、低照度から日射環境までをトータルで精度よく検出でき、照度センサを搭載しなくても、照度センサと同レベルの照度に対応した動作制御を行うことができる。
【0052】
以上のように構成される太陽電池の電力によって動作する携帯端末1は、太陽光パネルモジュール16と、検出部17と、動作制御部55と、を備える。
検出部17は、太陽光パネルモジュール16における太陽電池の特性である開放電圧の特性を照度の情報として検出する。
動作制御部55は、検出部17によって検出された開放電圧の特性に基づいて、当該携帯端末1の動作制御を行う。
これにより、携帯端末1においては、環境光検出用のハードウェアを用いずに、環境光を精度よく認識して、携帯端末1の制御を行うことができる。
【0053】
検出部17は、前記太陽電池の特性である短絡電流の特性を照度の情報として検出する。
動作制御部55は、検出部17によって検出された短絡電流の特性に基づいて、当該電子機器の動作制御を行う。
これにより、携帯端末1においては、環境光検出用のハードウェアを用いずに、環境光を精度よく認識して、携帯端末1の制御を行うことができる。
【0054】
動作制御部55は、検出部17によって検出された短絡電流から、短絡電流
の特性又は開放電圧の特性に基づい
た携帯端末1の動作制御を行う。
これにより、携帯端末1においては、より正確に環境光に対応した携帯端末1の制御を行うことができる。
【0055】
動作制御部55は、検出部17によって検出された太陽光パネルモジュール16における太陽電池の特性に応じた携帯端末1の動作制御パラメータに基づいて動作制御を行う。
これにより、携帯端末1においては、より正確に環境光に対応した携帯端末1の制御を行うことができる。
【0056】
動作制御部55は、短絡電流の値に応じた携帯端末1の動作制御パラメータを格納した第1のテーブルである短絡電流特性設定テーブルと、開放電圧の値に応じた携帯端末1の動作制御パラメータを格納した第2のテーブルである開放電圧特性設定テーブルに基づいて動作制御を行う。
これにより、携帯端末1においては、より簡単に携帯端末1の制御を行うことができる。
【0057】
動作制御部55は、検出部17により検出された短絡電流が所定の値未満の場合は、第2のテーブルである開放電圧特性設定テーブルの携帯端末1の動作制御パラメータに基づいて動作制御を行い、検出部17により検出された短絡電流が所定の値以上の場合は、第1のテーブルである短絡電流特性設定テーブルの携帯端末1の動作制御パラメータに基づいて動作制御を行う。
これにより、携帯端末1においては、より簡単に環境光を精度よく認識して、携帯端末1の制御を行うことができる。
【0058】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0059】
上述の実施形態では、バックライトの輝度や画質パラメータを変更して表示出力の動作制御を行ったが、環境光に対応した種々の携帯端末1の制御を行うように構成でき、例えば、外部機器の出力手段の表示制御、携帯端末1もしくは外部照明機器の照明制御、携帯端末1もしくは外部機器の撮像部18の露出制御、または携帯端末1もしくは外部機器での照射量から換算した紫外線量の報知制御を行うことができる。
詳細には、例えば、1)モバイル機器のキーパッド用バックライトの制御として、検出された周囲の照度が所定の
照度より低くなった場合、バックライトを点灯することができ、さらに、点灯中は周囲の照度に応じて、バックライト輝度を制御するように構成することができる。この際の制御は、ディスプレイの表示出力制御とは、明暗の制御が逆になる。
また、2)モバイル機器のカメラ撮影時の露出制御として、検出された照度と他の撮影条件とから、撮像時の露出を制御するように構成することができる。
また、3)室内照明の点灯制御として、モバイル機器と室内照明制御機器との間でデータ通信が可能な状態において、モバイル機器が検出した室内の照度に応じて、室内照明器具の点灯制御を行うように構成することができる。室内の明るさが所定の照度未満の場合に照明を点灯し、所定の明るさ(例えば室内照明の照度以上)の場合には消灯することになる。
また、4)紫外線検出と報知として、照度から換算した有害紫外線の量を検出し、所定の値以上になった場合、警告するように構成することができる。
具体的には、動作制御部55は、携帯端末1の出力部20もしくは外部機器の出力手段の表示制御、携帯端末1もしくは外部照明機器の照明制御、携帯端末1もしくは外部機器の撮像部18の露出制御、または携帯端末1もしくは外部機器での照射量から換算した紫外線量の報知制御を行うように構成することができる。
【0060】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される携帯端末1は、スマートフォンを例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、動作制御処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、デジタルカメラ、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0061】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図5の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が携帯端末1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図5の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0062】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0063】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図1のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図1のROM12や、
図1の記憶部21に含まれるハードディスク等で構成される。
【0064】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0065】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
太陽電池の電力によって動作する電子機器であって、
前記太陽電池の特性である開放電圧の特性を照度の情報として検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記開放電圧の特性に基づいて、当該電子機器の動作制御を行う動作制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
[付記2]
前記検出手段は、前記太陽電池の特性である短絡電流の特性を照度の情報として検出し、
前記動作制御手段は、前記検出手段によって検出された前記短絡電流の特性に基づいて、当該電子機器の動作制御を行う、
ことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記動作制御手段は、前記検出手段によって検出された前記短絡電流から、前記短絡電流又は前記開放電圧の特性に基づいた当該電子機器の動作制御を行う、
ことを特徴とする付記2に記載の電子機器。
[付記4]
前記動作制御手段は、
前記検出手段によって検出された前記短絡電流および開放電圧の特性に応じた前記電子機器の動作制御パラメータに基づいて動作制御を行う、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の電子機器。
[付記5]
前記動作制御手段は、
前記短絡電流の値に応じた前記電子機器の動作制御パラメータを格納した第1のテーブルと、前記開放電圧の値に応じた前記電子機器の動作制御パラメータを格納した第2のテーブルに基づいて動作制御を行う、
ことを特徴とする付記4に記載の電子機器。
[付記6]
前記動作制御手段は、
前記検出手段により検出された短絡電流が所定の値未満の場合は、前記第2のテーブルの前記電子機器の動作制御パラメータに基づいて動作制御を行い、
前記検出手段により検出された短絡電流が所定の値よりも大きいの場合は、前記第1のテーブルの前記電子機器の動作制御パラメータに基づいて動作制御を行う、
ことを特徴とする付記5に記載の電子機器。
[付記7]
前記動作制御手段は、
前記電子機器もしくは外部機器の表示手段の表示制御、前記電子機器もしくは外部照明機器の照明制御、前記電子機器もしくは外部機器の撮像手段の露出制御、または前記電子機器もしくは外部機器での照射量から換算した紫外線量の報知制御を行う、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の電子機器。
[付記8]
太陽電池の電力によって動作する電子機器で実行される制御方法であって、
前記太陽電池の特性である開放電圧の特性を照度の情報として検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって検出された前記開放電圧の特性に基づいて、当該電子機器の動作制御を行う動作制御ステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
[付記9]
太陽電池の電力によって動作する電子機器を制御するコンピュータを、
前記太陽電池の特性である開放電圧の特性を照度の情報として検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記開放電圧の特性に基づいて、当該電子機器の動作制御を行う動作制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。