(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596863
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】用紙フォルダ
(51)【国際特許分類】
G03B 27/62 20060101AFI20191021BHJP
H04N 1/10 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
G03B27/62
H04N1/10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-59062(P2015-59062)
(22)【出願日】2015年3月23日
(65)【公開番号】特開2016-177221(P2016-177221A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年2月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 哲
(72)【発明者】
【氏名】竹中 勇輔
【審査官】
山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−196243(JP,U)
【文献】
特開昭58−015365(JP,A)
【文献】
特開昭63−131132(JP,A)
【文献】
特開昭56−021163(JP,A)
【文献】
特開昭51−089415(JP,A)
【文献】
特開昭60−260942(JP,A)
【文献】
特開平06−313930(JP,A)
【文献】
米国特許第04975735(US,A)
【文献】
米国特許第04172660(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 27/62
H04N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背を有する冊子を挟み込むように配置する用紙フォルダであって、
光の全反射を抑制する、前記背に垂直な方向に湾曲可能な透明板と、
前記透明板と接面する載置板と、
前記載置板と前記透明板との間であり、かつ、前記載置板の中央又は略中央に配置されたスペーサ部と、
前記透明板と前記載置板とが開閉可能となるように、その接面する前記背に平行な一辺において接合するヒンジ部と、
前記ヒンジ部と対向する前記背に平行な辺に設置され、前記透明板と前記載置板とが閉じた状態を固定する保持部と
を備える用紙フォルダ。
【請求項2】
前記スペーサ部は、挟み込む用紙の谷折り部と前記透明板とが密着又は略密着するための応力を与える、
請求項1に記載の用紙フォルダ。
【請求項3】
前記載置板は、透明部材から成るカバーと、板とを備え、
前記カバーと前記板との間に、色用紙を挿入可能である、
請求項1又は2に記載の用紙フォルダ。
【請求項4】
前記保持部は複数存在し、
前記透明板および前記載置板の少なくとも片方に取り付けられる、前記透明板と前記載置板とを開閉する際に把持する取手部、
を更に備える、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の用紙フォルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を平ら状にするための用紙フォルダに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型のカメラ型イメージスキャナ(以下「非接触型スキャナ」と記載)で、用紙に記載された文字、図形、写真等で構成される画像を読み取ることがある。例えば、パスポートに記載された氏名、パスポート番号等の事項がこれに当たる。一般的に、非接触型スキャナは、画像を読み取るスキャナ部(不図示)と、用紙を配置する載置台(不図示)を備え、スキャナ部と載置台との間は、20cm(センチメートル)程度の間隔を空けて、支柱等で固定されている。
【0003】
一例として、非接触型スキャナで、パスポートを画像入力する際の動作について述べる。まず操作者は、冊子形状であるパスポート内の必要なページを開く。当該ページは2ページから成る見開き構成となっており、その中心に谷折り部を有する。操作者は、当該谷折り部を操作者の手によって引き伸ばした状態にする。更に、操作者は、光の反射が起こらないように、光源(天井灯、日光等)と、スキャナ部と、載置台上のパスポートとの位置関係を調整しながら、画像の読み取りを行う。この際、2つの問題点がある。第1に、冊子状に2つ折りされた用紙や、2以上の折り目を有する用紙、例えば、ジャバラ形状に折られた用紙の場合、用紙の谷折り部分近辺の画像内の文字、図形、写真等が、非接触型スキャナで読み取りづらいということである。第2に、パスポートがラミネート加工されている為、電灯又は自然の光を受けて光を反射し、非接触型スキャナで上手く画像の読み取りができないことである。読み取りした画像の内、非接触型スキャナは、光の反射部分は真白い画像と認識するため、当該部分の記載事項は読み取ることができない。
【0004】
第1の問題を防ぐためには、折り曲げられた用紙を出来る限り水平に伸ばして画像入力をする必要がある。第2の問題を防ぐためには、非接触型スキャナとラミネート加工されている用紙との間に反射防止加工をした透明シートを挟み込む必要がある。
【0005】
特許文献1は、読み取るための用紙を配置されたプラテンガラス(保持板)に、バネの弾力を用いて原稿プレートを押し当てることで、当該用紙の読み取りを行う技術を開示する。
【0006】
特許文献2は、原稿(用紙)の押さえ板に弾性部材を配置させることで、押さえ板の閉鎖時における原稿の位置ずれや、押さえ板の開放時における原稿の巻き上げを防止する技術を開示する。
【0007】
特許文献3は、原稿(用紙)の押さえカバー側に、押さえシートおよび粘着剤層を設置することで、原稿押さえシートと原稿読み取り部との間の密着性を向上させる技術を開示する。
【0008】
特許文献4は、原稿読み取り装置において、原稿圧着板の回転支持側と先端側で原稿の浮きを防止する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平62-042371号公報
【特許文献2】特開平05-027339号公報
【特許文献3】特開2003-198898号公報
【特許文献4】特開2007-019895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、第1の問題点を解決するために、プラテンガラスに用紙を押し付ける機構(原稿収納部)を有する。2つ折り状態の谷折り部を有する用紙を、プラテンガラスに押し付ける場合について考える。プラテンガラスは、剛性で強屈曲性が無い。よってプラテンガラスの下面に対して、原稿収納部を当該用紙に隙間が無く且つ用紙全体が均一に水平になるように、上向きに押し付けるには、大きな押し付け力が必要となる。押し付ける力が足りないと、プラテンガラスと用紙との間に隙間ができ、この隙間により画像が呆けてしまい、画像の読み取りができなくなる。しかしながら、当該押し付け力を得るにはかなりのバネ力が必要となり、更に、複雑な機構が必要となる。また、プラテンガラスでは、第2の問題点である光反射を防止することはできない。
【0011】
特許文献2は、第1の問題点を解決するため、剛性のコンタクトガラスに冊子状の資料を押し付けて拡げ、その平面に沿った形にする。しかしながら、どのように押し付け力を得るのかについては開示していない。更に、第2の問題点である光反射の防止手法についても開示していない。
【0012】
特許文献3に記載の構成では、赤外線の反射を防止することは可能であるが、第1の問題点である、冊子状の資料を原稿台に押し広げた状態で、画像取得することは不可能である。更に、第2の問題点であるラミネートを原因とする光反射は当該機構では防止することは不可能である。
【0013】
特許文献4は、第1の問題点を解決するために、原稿をセンサーに見せる側の部材として剛性のコンタクトガラスを使用する。また原稿を見せる側とは反対の裏側を押す部材として弾性部材を使用する。しかし、見せる側(剛性部材)を平らに押し付ける構成で、冊子状の原稿を拡げて平面状態まで伸ばすためには、大きな押し付け力が必要であり、複雑な構成を必要とする。更に、コンタクトガラスは反射するため、第2の問題点であるラミネートを原因とする光反射は当該機構では防止することは不可能である。
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決するべくなされた。本発明は、非接触型スキャナに、光反射する折り曲げられた用紙を、容易に読み取りさせるための用紙フォルダを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、
光の全反射を抑制する透明板と、
前記透明板と接面する載置板と、
前記載置板と前記透明板との間であり、かつ、前記載置板の中央又は略中央に配置されたスペーサ部
とを備える用紙フォルダである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、非接触型スキャナに、光反射する折り曲げられた用紙を、容易に読み取りさせるための用紙フォルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る用紙フォルダの形状を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る用紙フォルダの使用状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る用紙フォルダの使用例を示す側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る用紙フォルダの使用例を示す側面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の変形例に係る用紙フォルダの側面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る用紙フォルダの形状を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態の変更例に係る用紙フォルダの形状を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る用紙フォルダの形状を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を模式的に表している。更に以下に記載される本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る用紙フォルダ100について
図1〜4を参照して説明する。
図1は用紙フォルダ100の斜視図、
図2は用紙フォルダ100の側面図である。
図3は用紙フォルダ100の使用状態を示す斜視図、
図4は用紙フォルダ100の使用状態を示す側面図である。
【0019】
図1および2に示すように、用紙フォルダ100は、透明板1、載置板2、ヒンジ部3、スペーサ部4および保持部5を備える。
【0020】
透明板1は、透過性のある透明部材(板)である。透明板1には、厚み0.5mm(ミリメートル)〜1.5mm程度の塩化ビニル、ポリカーボネイトあるいはアクリル素材等の素材を用いる。透明板1は、外側からの光の反射を抑制する加工が施されている。当該加工方法としては、透明板1の両面又は片面に、物理的に細かいシワ模様(シボ)を付ける方法、可視光波長の光干渉を抑制する素材(例えば、反射防止膜等)を塗付又は貼り付けする方法等がある。更に、これらの方法を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
載置板2は、少なくとも2ページ以上から成る冊子を配置するための板である。冊子は、2つ以上に折り曲げられた用紙でもよい。載置板21には、厚み1mm〜3mm程度の塩化ビニル、ポリカーボネイトあるいはアクリル素材等の素材を用いる。載置板2の色は、非接触型スキャナの載置台とは異なる色であることが好ましい。例えば、非接触型スキャナの載置台が黒色であるならば、用紙フォルダの載置板2は白色系統の色とする。光源(天井灯等)と非接触型スキャナとの位置関係によっては、載置板2の色と載置台の色とが同化する。この同化が原因で、用紙フォルダの透明板1の反射を抑制できず、不鮮明な画像が切り出されてしまい、当該画像を読み取ることができない場合があるからである。
【0022】
ヒンジ部3は、透明板1と載置板2とを開閉(回動)可能に接合する部材である。ヒンジ部3には、折り曲げ可能な素材を透明板1と載置板2との間に接着又は溶着する。または、ヒンジ部3は、鉄又はプラスチック等の素材から成るヒンジ部品を、ヒンジ用ネジ穴を空けた透明板1および載置板2に、止まりネジ、ボルト及びナット等で固定する。尚、透明板1と載置板2とを開閉可能に接合できるのであれば、この他の手法で行ってもよい。例えば、透明板1および載置板2の一端に数個の貫通穴を設け、当該貫通穴にリングを通すようにしてもよい。
【0023】
スペーサ部4は、
図3および
図4に示すように、透明板1と載置板2との間であって、載置板2表面における中央又は略中央に配置される。スペーサ部4は、更に、冊子における谷折り部の真裏(背)の位置近辺が接するように配置する。スペーサ部4の素材としては、プラスチック、ゴム、ウレタン等が使用される。固い素材の場合、応力は伝達しやすいが、挟み込む冊子の表紙を傷つけないように加工する必要がある。例えば、スペーサ部4の、冊子と接触(密着)する面の角は、面取りすることが好ましい。この他、当該接触する面に数mm(ミリメートル)の高さのスポンジ材やフェルト材を接着する等の加工処理をしてもよい。スペーサ部4は、載置板2の表面と比して凸形状の段差を有するように、載置板2上に接着、圧着又は嵌着される(
図2参照)。スペーサ部4は、冊子を挟み込んで透明板1を閉じた際に、当該冊子の背に接触して透明板1側向きの圧力を加える(
図4参照)。これにより透明板1および冊子全体を、背が突出するように僅かに湾曲させ、透明板1と冊子とを密着又は略密着させる。
【0024】
保持部5は、ヒンジ部3側と対向する一辺に配置される機構であり、透明板1と載置板2とを、冊子を挟み閉じた状態で一時的に張り付かせるための保持機構である。保持部5は、透明板1および載置板2に固着又は接着可能な部材であり、例えば、スナップボタン、マジックチャック等である。スナップボタンの場合、
図2に示すように、スナップボタンの凹部品5aを透明板1に、凸部品5bを載置板2に取付ける。取付け位置としては、ヒンジ部3とは反対側の一辺であり、ヒンジ部3の取り付け位置と応力のバランスを取ることが可能な位置であることが望ましい。この他にも、用紙フォルダ100を非接触型スキャナの載置台の上に置き、保持部5の上に重りを載せる等の重力を利用した手法を用いてもよい。
【0025】
用紙フォルダ100の使用方法について述べる。先ず、
図1および
図2の状態である用紙フォルダ100の透明板1と載置板2とを開き、背を有する冊子を開いた状態で挟み込むように配置する。配置の際には、背がスペーサ部4と接触するように、且つ、開いた冊子が透明板1からはみ出さないようにする。次に、透明板1と載置板2とが開いた冊子を挟み込んだ状態で重なり合うように閉じ、保持部5で固定する。固定後、用紙フォルダ100ごと、非接触型スキャナのスキャナ部の読み取り可能位置に配置し、画面読み取りを行わせる。
【0026】
本発明の第1の実施形態によると、非接触型スキャナに、光反射する折り曲げられた冊子(用紙)を、容易に読み取りさせることができる。その理由は、透明板1に光反射防止加工を施し、更に、保持部5が、透明板1および開いた冊子全体を、冊子の背が突出した状態で一時保持するからである。
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態の変形例について
図5を参照して説明する。第1の実施形態の変形例に係る用紙フォルダ100aは、第1の実施形態と同様に、透明板1、載置板20、ヒンジ部3、スペーサ部4および保持部5を備える。
【0027】
載置板20は、透明カバー2aと載置板2bとを備える。透明カバー2aと載置板2bとの間には0.1mm程度の隙間が設けられ、載置板2bの色を変更する為の色用紙を挿入可能に設計されている。上述したように、載置板2の色は、非接触型スキャナの載置台とは異なる色であることが好ましい。よって、非接触型スキャナの載置台の色とは対照色となる色用紙を、透明カバー2aと載置板2bとの間に挿入する。これにより、載置台がどのような色であっても、安定して、非接触型スキャナが用紙フォルダ100a内の画像を切り出せるようにする。他の部については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0028】
本発明の第1の実施形態の変更例によると、非接触型スキャナの載置台の色が何色であっても、光反射する折り曲げられた冊子(用紙)を、容易に読み取りさせることができる。その理由は、透明板1に光反射防止加工を施し、保持部5が、透明板1および開いた冊子全体を、冊子の中心部(背)が突出した状態で一時保持し、更に、載置板20の色を載置台の対照色となるように変更可能であるからである。
<第2の実施形態>
第1の実施形態においてはパスポート等の冊子について使用する用紙フォルダ100について説明したが、これは冊子ではない用紙、例えばA4サイズ、B5サイズ等の用紙であっても構わない。2以上の折り目を有する用紙、例えば、ジャバラ形状に折られた用紙の場合、用紙の谷折り部分近辺の画像内の文字、図形、写真等が、非接触型スキャナで読み取りづらいことがある。第2の実施形態においては、上記の用紙に使用する用紙フォルダ200について説明する。
【0029】
本発明の第2の実施形態に係る用紙フォルダ200は、
図6に示すように、透明板1、載置板2、ヒンジ部3、スペーサ部40、保持部5および取手部6を備える。
【0030】
ヒンジ部3は、用紙フォルダ200の2辺(縦横)の内、長い辺を接合する。
【0031】
スペーサ部40は、所定の用紙サイズ、例えばA4、B5等のサイズに対応する大きさの部材が使用される。部材の種類等については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0032】
取手部6は、透明板1に接合される取手6aと、載置板2に接合される取手6bとから構成される。取手部6内部には、支持用の紙又はプラスチック等が含まれている。これにより、取手部6のいずれの位置を把持しても均等に力が伝達し、透明板1と載置板2との開閉がし易い。
【0033】
保持部5は、用紙の大きさに合わせて、上記の長辺を接合するヒンジ部3側の対称となる一辺に複数配置される。
【0034】
その他の部は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0035】
用紙フォルダ200の使用方法について述べる。先ず、用紙フォルダ200の透明板1と載置板2とを開き、用紙を挟み込むように配置する。配置の際には、用紙がスペーサ部4と接触し、且つ、透明板1からはみ出さないようにする。次に、透明板1と載置板2とが用紙を挟み込んだ状態で重なり合うように閉じ、保持部5で固定する。固定後、用紙フォルダ200ごと、非接触型スキャナのスキャナ部の読み取り可能位置に配置し、画面読み取りを行わせる。
【0036】
本発明の第2の実施形態によると、非接触型スキャナに、光反射する折り曲げられた用紙を、容易に読み取りさせることができる。その理由は、透明板1に光反射防止加工を施し、保持部5が、透明板1および用紙全体を、用紙が平らな状態で一時保持するからである。更に、第2の実施形態においては用紙フォルダ200の長辺側に、ヒンジ部3と複数の保持部5とを備えるので、より強い応力を用紙に与えることができる。また、複数の保持部5が存在するが、取手部6を把持することで、少ない力で、透明板1と載置板2とを開け閉めすることができる。
<第2の実施形態の変形例>
第2の実施形態の変形例について
図7を参照して説明する。第2の実施形態の変形例に係る用紙フォルダ200aは、第2の実施形態と同様に、透明板1、載置板2、ヒンジ部3、スペーサ部4、保持部5および取手部6cを備える。
【0037】
ヒンジ部3は、用紙フォルダ200の2辺(縦横)の内、短い辺を接合する。
【0038】
保持部5は、ヒンジ部3が短いため、
図7に示すように1つのみ設置する。
【0039】
取手部6cは、透明板1と載置板2とを開け閉めする為の指等を挿入する部位である。取手部6cは、ヒンジ部3側とは対向する一辺上であり、且つ、当該保持部5の中心から最も近い距離となる地点の辺りに、指一本が入る程度、即ち半径10mm程の半円又は略半円から成る止まり穴形状の隙間(空間)である。
図7においては、保持部5が1つであるため取手部6cも1つ設置されているが、保持部5が複数ある場合、保持部5の各々の近辺に取手部6cを複数設置してもよい。他の部については第1または第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0040】
本発明の第2の実施形態の変更例によると、非接触型スキャナに、光反射する折り曲げられた用紙を、容易に読み取りさせることができる。その理由は、透明板1に光反射防止加工を施し、保持部5が、透明板1および用紙全体を、用紙が平らな状態で一時保持するからである。更に、ヒンジ部3の長さに応じて保持部5の数や種類を変えることで、よりその用紙の形状に応じた、使用しやすい用紙フォルダを設計することが出来る。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態に係る用紙フォルダ300は、
図8に示すように、透明板1aと、載置板2cと、スペーサ部3aとを備える。
【0041】
透明板1aは、光の全反射を抑制する。載置板2cは、透明板1aと接面する。スペーサ部3aは、載置板2cと透明板1aとの間であり、かつ、載置板2cの中央又は略中央に配置される。
【0042】
本発明の第3の実施形態によれば、非接触型スキャナに、光反射する折り曲げられた用紙を、容易に読み取りさせるための用紙フォルダを提供することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 透明板
1a 透明板
2 載置板
2a 透明カバー
2b 載置板
2c 載置板
3 ヒンジ部
3a スペーサ部
4 スペーサ部
5 保持部
5a 凹部品
5b 凸部品
6 取手部
6a 取手
6b 取手
6c 取手部
20 載置板
21 載置板
40 スペーサ部
100 用紙フォルダ
100a 用紙フォルダ
200 用紙フォルダ
200a 用紙フォルダ
300 用紙フォルダ