(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、表示システム1の構成図である。
表示システム1は、プロジェクター100と、画像信号の供給元である画像供給装置とを備える。プロジェクター100は、画像供給装置から供給される画像信号に基づく画像をスクリーンSCに投射する。プロジェクター100の設置状態は、スクリーンSCの前方に床置きした床置き設置としてもよいし、又は天井から吊り下げた天吊り設置としてもよい。なお、床置き設置の場合には、床に設置した台の上にプロジェクター100を置く、台置き設置としてもよい。また、投射先は、建物や物体など、一様に平らではない物体であってもよいし、スクリーンSC(表示面)や、建物の壁面等の平らな投射面を有するものであってもよい。本実施形態では平面のスクリーンSCに投射する場合を例示する。
【0013】
画像供給装置には、ビデオ再生装置、DVD(Digital Versatile Disk)再生装置、テレビチューナー装置、CATV(Cable television)のセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の映像出力装置、パーソナルコンピューター(以下、PCと略記する)等を用いることができる。本実施形態では、PCが画像供給装置(外部機器)として動作する場合を例に説明する。
図1には、3台のPC200A、200B、200Cをプロジェクター100に接続した例を示す。なお、以下では、PC200A、200B、200Cを総称する場合に、PC200と表記する。
【0014】
表示システム1では、指示体70を用いてスクリーンSC上の位置を指示する操作を行うことができる。プロジェクター100は、指示体70による操作、及び操作により指示される操作位置を検出可能な構成を備える。指示体70は、例えば、棒状の軸部を有するペン型のデバイスであり、プロジェクター100を操作するユーザーが手に持って使用する。本実施形態では、指示体70としてペン型のデバイスを使用する場合を例に挙げて説明するが、指示体70は、ペン型のデバイスに限定されない。指示体70には、例えば、指示棒(図示略)等の棒状の指示体であってもよいし、操作者の手や指を指示体として検出することもできる。
【0015】
プロジェクター100は、PC200が接続される画像入力部145を備える。画像入力部145は、ケーブルを接続するコネクター及びインターフェース回路(図示略)を備え、PC200から供給される画像信号を入力する。
画像入力部145が備えるインターフェースは、例えば、Ethernet(登録商標)、IEEE1394、USB等のデータ通信インターフェースであってもよい。また、インターフェースは、MHL(登録商標)、HDMI(登録商標)、DisplayPort等の画像データ用のインターフェースであってもよい。また、画像入力部145は、コネクターとして、アナログ映像信号(画像信号)が入力されるVGA端子や、デジタル映像データ(画像信号)が入力されるDVI(Digital Visual Interface)端子を備える構成であってもよい。画像入力部145は、A/D変換回路を備え、VGA端子を介してアナログ映像信号が入力された場合、A/D変換回路によりアナログ映像信号を画像データに変換して画像処理部147に出力する。
【0016】
本実施形態の画像入力部145は、入力ポートとして、コネクター141〜144の4つのコネクターを備える。コネクター141〜144は、好ましくは、MHL、HDMI、DVI、DisplayPort、又はVGA等の画像データ又は画像信号の入力用の端子である。以下では、コネクター141〜144を総称する場合に、コネクター140と表記する。また、本実施形態では、入力ポートがコネクター141〜144である場合を例に説明するが、入力ポートを、コネクター141〜144と、各コネクター141〜144に対応して設けられたインターフェース回路とを備える構成とすることもできる。
また、本実施形態では、プロジェクター100に画像信号を供給するPC200をソース機器とも呼び、ソース機器から供給されるアナログ画像信号又はデジタル画像データを画像信号と総称する。
【0017】
画像入力部145は、PC200から入力される画像信号を画像処理部147に出力する。画像信号が入力された画像処理部147の処理については後述する。また、画像入力部145は、PC200が接続されたコネクター140を判別する機能を有する。画像入力部145は、コネクター141〜144いずれかにPC200が接続されたことを検出すると、接続を検出したことを示す検出信号を、接続を検出したコネクター141〜144を識別する識別情報と共に制御部130に出力する。
【0018】
プロジェクター100は、光学的な画像の形成を行い、スクリーンSCに画像を表示(投射)する表示部110を備える。
表示部110は、光源111、光変調装置112及び投射光学系113を有する。光源111は、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)、或いはレーザー光源等からなる光源を備える。また、光源111は、光源が発した光を光変調装置112に導くリフレクター及び補助リフレクターを備えていてもよい。さらに、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群(図示略)、偏光板、或いは光源が発した光の光量を光変調装置112に至る経路上で低減させる調光素子等を備えてもよい。
【0019】
光変調装置112は、例えばRGBの三原色に対応した、3枚の透過型液晶パネルを備え、これらの液晶パネルを透過する光を変調して画像光を生成する。光源111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、各色光は対応する各液晶パネルに入射する。各液晶パネルを通過して変調された色光はクロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系113に射出される。
【0020】
投射光学系113は、光変調装置112により変調された画像光をスクリーンSC方向へ投射して、スクリーンSC上に結像させるレンズ群を備える。また、投射光学系113は、スクリーンSCの投射画像の拡大・縮小及び焦点の調整を行うズーム機構、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構を備えていてもよい。
【0021】
表示部110は、制御部130の制御に従って光源111を点灯及び消灯する光源駆動部121、及び制御部130の制御に従って光変調装置112を動作させる光変調装置駆動部122に接続する。光源駆動部121は、光源111の光量を調整する機能を備えてもよい。
【0022】
プロジェクター100は、表示部110が投射する画像を処理する画像処理系を備える。この画像処理系は、制御部130、記憶部150、入力検出部153、画像入力部145、画像処理部147、光源駆動部121、光変調装置駆動部122、画像合成部149を含む。画像処理系を構成する各部は内部バス180により相互にデータ通信可能に接続される。また、画像合成部149にはフレームメモリー148が接続される。フレームメモリー148及びその他のデータ処理部を画像処理系に含めてもよい。
【0023】
プロジェクター100は、無線通信部(送信部)160を備える。無線通信部160は、図示しないアンテナやRF(Radio Frequency)回路等を備え、制御部130の制御の下、外部の装置との間で無線通信を実行する。無線通信部160は、内部バス180を介して制御部130に接続される。無線通信部160の無線通信方式は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、赤外線通信等の近距離無線通信方式、或いは携帯電話回線を利用した無線通信方式を採用できる。
【0024】
プロジェクター100は、指示体70による操作、及び操作により指示される操作位置を検出する、検出部としての指示体検出部170を備える。指示体検出部170は、撮影部171と位置検出部172とを備える。
撮影部171は、スクリーンSCを撮影するデジタルカメラであり、撮影画像データを生成する。撮影部171の撮影範囲すなわち画角は、スクリーンSCの全体又はスクリーンSCを含む範囲であることが好ましい。
撮影部171は、可視光による撮影を行うものに限定されず、赤外光を撮影するカメラであってもよい。指示体70に、赤外線を発光する発光部を設けて、発光部の発光を撮影部171により撮影して、指示体70の操作位置を検出する構成であってもよい。
【0025】
位置検出部172は、指示体70の操作により指示される操作位置を検出する。位置検出部172は、撮影部171の撮影画像データを解析して、撮影画像から指示体70の画像を検出する。撮影画像に指示体70の画像が含まれる場合、位置検出部172は、指示体70の先端の位置を検出して、検出した位置の座標を算出する。位置検出部172が算出する座標は、指示体70の操作位置の撮影画像における座標である。位置検出部172は、操作位置を、投射画像における座標として制御部130に出力する。
【0026】
制御部130は、不図示のCPU、RAM、ROM等を備え、ROM又は記憶部150に記憶した制御プログラムを実行して、プロジェクター100の各部を制御する。制御部130は、制御プログラムを実行することにより、投射制御部131、操作取得部132、描画処理部133及び転送制御部134として機能する。これらのブロックが行う処理については後述する。
記憶部150は、制御部130が実行する制御プログラム、及び制御部130が処理するデータを不揮発的に記憶する。
【0027】
入力検出部153は、入力デバイスとして機能するリモコン(図示略)による操作、及びプロジェクター100の本体に搭載された操作パネルによる操作を検出する。入力検出部153は、リモコンの操作又は操作パネルの操作を検出すると、検出した操作内容を示す操作データを生成して制御部130に出力する。
【0028】
画像処理部147は、制御部130の制御に従って、画像入力部145から入力される画像データを処理し、処理した画像データを画像合成部149に出力する。画像処理部147が実行する処理は、例えば、解像度変換(スケーリング)処理又はリサイズ処理、歪み補正等の形状補正処理、デジタルズーム処理、色調補正処理、輝度補正処理等である。画像処理部147は、制御部130により指定された処理を実行し、必要に応じて、制御部130から入力されるパラメーターを使用して処理を行う。また、上記のうち複数の処理を組み合わせて実行することも勿論可能である。
【0029】
画像合成部149は、画像処理部147から入力される処理後の画像データをフレームメモリー148に展開する。また、画像合成部149は、制御部130により生成された画像データを取得して、フレームメモリー148に展開する。ここで、画像合成部149は、画像処理部147から入力される画像データと、制御部130により生成された画像データとを、フレームメモリー148で合成する。画像合成部149は、合成した画像データをフレームメモリー148から読み出し、表示画像データとして光変調装置駆動部122に出力する。
【0030】
光変調装置駆動部122は、光変調装置112の液晶パネルに接続する。光変調装置駆動部122は、画像合成部149から入力される表示画像データに基づきR、G、Bの画像信号を生成し、生成した画像信号に基づいて液晶パネルを駆動して各液晶パネルに画像を描画する。
【0031】
投射制御部131は、プロジェクター100の各部を制御して、スクリーンSCへの画像の投射を実行する。投射制御部131は、画像処理部147を制御して、選択されたコネクター141〜141に入力された画像データに対する処理を実行する。投射制御部131は、画像処理部147が実行する処理に必要なパラメーターを、記憶部150から読み出して画像処理部147に出力してもよい。
また、投射制御部131は、画像合成部149を制御して、画像を合成する処理を実行し、光変調装置駆動部122を制御して光変調装置112の液晶パネルに画像を描画させる。さらに、投射制御部131は、光源駆動部121を制御して光源111を点灯させ、光源111の輝度を調整させる。これにより、光源111が発光し、光変調装置112が変調する画像光が投射光学系113によりスクリーンSCに投射される。
【0032】
操作取得部132は、指示体検出部170により検出された操作位置を取得する。指示体検出部170が検出する操作位置は、撮影画像における座標として制御部130に入力される。操作取得部132は、指示体検出部170から入力された座標を、描画処理部133が描画を行うための座標に変換する処理を行う。本実施形態では、描画処理部133は、フレームメモリー148に展開される画像データを生成する。このため、操作取得部132は、指示体検出部170から入力された座標を、フレームメモリー148における座標に変換する。
また、操作取得部132は、撮影画像における座標を、PC200が画像入力部145に入力する画像データのフレームにおける座標を示す座標データに変換する。この変換処理は、PC200が画像入力部145に入力する画像データの解像度や、画像処理部147により画像データに対して行った処理に基づいて実行される。
【0033】
描画処理部133は、指示体検出部170が検出した操作位置、又は操作位置の軌跡に合わせて記号や図形を描画する処理を行う。描画処理部133は、フレームメモリー148に展開される画像データのサイズに合わせて、記号や図形の画像データを生成する。描画処理部133が生成する画像データは画像処理部147に出力され、画像処理部147は、描画処理部133が生成する画像データに基づき画像をフレームメモリー148に展開する。また、画像合成部149は、画像をフレームメモリー148に展開した後に、描画処理部133が生成する画像データに基づく画像を、フレームメモリー148で重畳して展開し、合成することも可能である。
【0034】
転送制御部134は、PC200が無線通信回線に接続され、PC200との無線通信が可能な状態になると、PC200に、座標データの転送を受けるか否かを問い合わせるメッセージを送信する。このメッセージの送信は、PC200が無線通信回線に接続された際に、PC200がプロジェクター100にメッセージの送信を要求するものであってもよい。転送制御部134は、PC200からの応答を、例えば、PC200のIPアドレス(送信先情報)や、PC200の端末名等、PC200から取得したPC200を特定可能な情報に対応付けて記憶部150に記憶させる。
また、転送制御部134は、画像入力部145に接続されたPC200の中から、指示体検出部170が検出した操作位置を表す座標データを送信する送信先のPC200を選択する。転送制御部134は、プロジェクター100に画像データを供給する装置として選択されたPC200を、座標データを送信する送信先のPC200として選択する。転送制御部134は、選択したPC200が、座標データの転送を要求するPCである場合、選択したPC200のIPアドレスを取得し、取得したIPアドレス宛に座標データを送信する。
【0035】
図2は、PC200の構成図である。
PC200は、制御部210を備える。制御部210は、CPU211、ROM212、RAM213を備える。制御部210は、内部バス220に接続される。内部バス220には、入出力インターフェース225が接続される。
【0036】
入出力インターフェース225には、入力部241、表示部242、記憶部243、無線通信部(送信部)244、画像出力部245が接続される。
入力部241は、ユーザーが操作を入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスを備える。表示部242には、操作画面や処理結果の画像が表示される。記憶部243は、制御プログラムや各種データを記憶する。
【0037】
無線通信部244は、図示しないアンテナやRF回路等を備え、制御部210の制御の下、プロジェクター100等の外部の装置との間で無線通信を実行する。無線通信部244の無線通信方式は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、赤外線通信等の近距離無線通信方式、或いは携帯電話回線を利用した無線通信方式を採用できる。
画像出力部245は、ケーブルを接続するコネクター及びインターフェース回路(いずれも図示略)を備え、プロジェクター100に画像データを出力する。
画像出力部245が備えるインターフェースは、例えば、Ethernet、IEEE1394、USB等のデータ通信インターフェースであってもよい。また、MHL、HDMI、DisplayPort等の画像データ用のインターフェースであってもよい。また、画像出力部245は、コネクターとして、アナログ映像信号が入力されるVGA端子や、デジタル映像信号が入力されるDVI端子を備える構成であってもよい。
【0038】
PC200の制御部210は、プロジェクター100から、座標データの転送を要求するか否かを問い合わせるメッセージを受信すると、受信したメッセージを表示部242に表示させる。
図3は、PC200の表示部242に表示された、座標データの転送確認用のメッセージを示す図である。PC200のユーザーは、入力部241が備える入力デバイスを操作して、座標データの転送を要求するか否かを設定する。PC200の制御部210は、無線通信部244を制御して、座標データの転送を要求するか否かを示す情報や、PC200の端末名等を設定情報として無線通信によりプロジェクター100に送信する。
【0039】
プロジェクター100の制御部130は、PC200から送信された設定情報が入力されると、入力された設定情報を設定テーブルに登録する。設定テーブルは、記憶部150又は制御部130のRAMに記憶されるテーブルである。
図4(A)は、設定テーブルを示す図である。設定テーブルには、無線通信により接続されたPC200が、座標データの転送が必要なPCであるか否かを示す要否情報が、PC200のIPアドレスや、PC200の端末名等、PC200を特定可能な情報に対応付けて登録される。
【0040】
図5は、プロジェクター100の制御部130の動作を示すフローチャートである。
複数のPC200がプロジェクター100に接続された状況において、プロジェクター100に画像データを供給するPC200が変更された場合の処理について説明する。
プロジェクター100の制御部130は、入力検出部153から操作信号が入力されたか否かを監視する。入力検出部153は、リモコン又は操作パネルが操作されると、操作に対応した操作信号を制御部130に出力する。
制御部130は、入力検出部153からの操作信号の入力がない場合(ステップS1/NO)、操作信号が入力されるまで待機する。また、制御部130は、操作信号が入力されると(ステップS1/YES)、入力された操作信号がソース機器の切り替え指示であるか否かを判定する(ステップS2)。ソース機器の切り替え指示とは、プロジェクター100に画像データを供給するPC200を、他のPC200に切り替える指示を意味する。制御部130は、操作信号が、例えば、画像データの拡大、縮小等、ソース機器の切り替え指示ではない場合(ステップS2/NO)、操作信号に対応した処理を実行し(ステップS3)、ステップS10の判定に移行する。
【0041】
また、制御部130は、入力された操作信号が、ソース機器の切り替え指示である場合(ステップS2/YES)、各コネクター140に接続されたPC200を特定する情報として、PC200の端末名を取得する(ステップS4)。制御部130には、画像入力部145から検出信号と、PC200の接続を検出したコネクター141〜144を識別する識別情報とが入力される。制御部130は、画像入力部145から入力された検出信号及び識別情報に基づいて、PC200が接続されたコネクター141〜144を判定し、コネクター141〜144に接続されたPC200から、PC200の端末名を取得する。制御部130は、取得した情報を設定テーブルに登録する。
図4(B)は、設定テーブルを示す図である。制御部130は、取得したPC200の端末名が登録された設定テーブルのセルに、このPC200が接続されたコネクター141〜144又はインターフェースを追加登録する。すなわち、PC200が接続されたコネクター141〜144、又はインターフェースと、接続されたPC200の送信先情報であるIPアドレスとが対応付けられる。なお、画像入力部145は各コネクター140に、有効な映像信号が入力されているかどうかを検出する機能を備えていてもよい。
【0042】
例えば、PC200がコネクター140としてのVGA端子に接続された場合、VESA(Video Electronics Standards Association)において規定された接続規格であるEDID(Extended Display Identification Data)/DDC(Display Data Channel)を利用して、制御部130は、接続したPC200の端末名等の固有情報を取得することができる。
PC200がコネクター140としてのHDMI端子に接続された場合、制御部130は、HDMI規格に準拠したCEC(Consumer Electronics Control)制御線よりPC200の端末名等の固有情報を取得することができる。
また、PC200がコネクター140としてのUSB端子や、有線LANの通信ポートに接続された場合、制御部130は、接続したPC200と通信を行ってPC200の端末名等の固有情報を取得することができる。
【0043】
また、プロジェクター100の画像入力部145が備えるコネクター141〜144のいずれかにPC200が接続されると、制御部130が、接続したPC200に、設定画面を表示させて、PC200を接続したインターフェースと、PC200を特定する情報とをユーザーに入力させる構成であってもよい。
図6は、PC200の表示部242に表示される設定画面の例を示す図である。
図6に示す設定画面では、プロジェクター100が備えるインターフェース又はコネクター140の中から、PC200を接続したインターフェース又はコネクター140を選択する選択欄と、プロジェクター100に接続したPC200を特定する、端末名等の情報を入力する入力欄とが表示される。
PC200のユーザーは、表示部242に表示された設定画面を参照して、入力部241の入力デバイスを用いて、インターフェースを選択する選択情報と、端末名等のPC200を特定する情報とを入力する。PC200の制御部210は、入力部241により必要な情報を受け付けると、受け付けた選択情報及び端末名をプロジェクター100に送信する。プロジェクター100の制御部130は、PC200から受信した選択情報及び端末名を設定テーブルに登録する。
【0044】
次に、制御部130は、PC200を特定する端末名と、この端末名のPC200が接続されたインターフェースとを対応付けた対応表を表す画像データを生成して、表示部110によりスクリーンSCに表示させる(ステップS5)。
図7は、プロジェクター100によってスクリーンSCに表示される対応表を示す図である。ユーザーは、スクリーンSCに投射された対応表を参照しながら、リモコン又は操作パネルを操作して、ソース機器として動作させるPC200を選択する。入力検出部153は、リモコン又は操作パネルの操作に対応した操作信号を制御部130に出力する。
【0045】
制御部130は、操作信号として、ソース機器として動作させるPC200を選択する情報が入力されない場合(ステップS6/NO)、PC200を選択する情報が入力されるまで待機する。
制御部130は、PC200を選択する情報が入力されると(ステップS6/YES)、選択する情報により選択されたPC200(以下、選択PCと表記する)が接続されたインターフェースを有効に設定する(ステップS7)。すなわち、制御部130は、選択PC200から入力される画像データが、画像処理部147に入力され、画像処理部147及び画像合成部149で処理されて、表示部110によりスクリーンSCに投射されるように制御する。
【0046】
また、制御部130は、選択PC200が変更されると、記憶部150に記憶された設定テーブルを参照して、選択PC200が座標データの送信を要求するPCとして登録されているか否かを判定する(ステップS8)。制御部130は、選択PC200が、座標データの送信を要求するPCとして設定テーブルに登録されている場合(ステップS8/YES)、選択PC200のIPアドレス(送信先情報)を取得して、取得したIPアドレスを、無線通信部160による無線通信の通信先として設定する(ステップS9)。また、制御部130は、選択PC200が、座標データの送信を要求するPCとして設定テーブルに登録されていない場合(ステップS8/NO)、ステップS10の処理に移行する。
【0047】
この後、制御部130は、指示体検出部170により指示体70の操作位置が検出されたか否かを判定する処理を行う。指示体検出部170により指示体70の操作位置が検出された場合、制御部130は、検出された操作位置を、画像データのフレームにおける座標を示す座標データに変換する。制御部130は、変換された座標データを無線通信部160に出力する。無線通信部160は、制御部130により設定された、IPアドレスの通信先に座標データを送信する。
無線通信部160がPC200に送信する座標データは、各PC200において、マウス、トラックボール、デジタイザー又はペンタブレット等のポインティングデバイスが出力する座標データと同様のデータ、例えば相対座標データとして入力される。もちろん絶対座標データであってもかまわない。
座標データを受信したPC200は、指示体70の指示位置に従って描画を行う場合、受信した座標データに基づいて、例えば線や図形を描画し、描画した線や図形を、プロジェクター100に出力中の画像に重ねて新たな画像データを生成する。PC200は、生成した画像データをプロジェクター100に出力する。
【0048】
次に、制御部130は、スクリーンSCへの画像の投射を終了させる操作信号が入力されたか否かを判定する(ステップS10)。画像の投射を終了させる操作信号が入力されていない場合(ステップS10/NO)、制御部130は、ステップS1の処理に移行する。また、画像の投射を終了させる操作信号が入力された場合(ステップS10/YES)、制御部130は、この処理フローを終了させる。
【0049】
以上詳細に説明したように本実施形態のプロジェクター100は、画像入力部145、表示部110と、指示体検出部170と、無線通信部160とを備える。
画像入力部145は、それぞれPC200に接続可能な複数のコネクター141〜144を備える。表示部110は、いずれかのコネクター141〜144に入力される画像信号に基づく画像をスクリーンSCに表示させる。指示体検出部170は、スクリーンSCに対して指示体70を用いて行われる操作の操作位置を検出する。無線通信部160は、画像入力部145とは別に設けられ、指示体検出部170により検出される操作位置を送信する。そして、プロジェクター100は、コネクター141〜144ごとに、操作位置を無線通信部160により送信する送信先を示すIPアドレスを設定した設定情報を記憶部150に記憶する。従って、画像信号の供給元となるPC200を切り替える場合の利便性を向上させることができる。
【0050】
また、プロジェクター100は、制御部130を備える。制御部130は、いずれかのコネクター141〜144を選択し、選択したコネクター141〜144に入力される画像信号に基づく画像を表示部110によりスクリーンSCに表示させる。また、制御部130は、選択したコネクター141〜144に対応する送信先情報に基づいて、指示体検出部170により検出される操作位置を無線通信部160に送信させる。従って、いずれかのコネクター141〜144にPC200を接続して、PC200から画像信号を供給すれば、画像信号に基づく画像がスクリーンSCに表示され、PC200を接続したコネクター141〜144に対応付けられた送信先に操作位置を送信することができる。
【0051】
また、コネクター141〜144は、PC200に有線接続されるコネクターであって、無線通信部160は、PC200との無線通信を実行する通信部である。従って、PC200からプロジェクター100に有線で画像信号を供給することができ、プロジェクター100からPC200に無線で配置位置を送信することができる。
【0052】
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、コネクター140と、各コネクター141〜144に接続するPC200とが事前に対応付けられて、各コネクター141〜144に接続するPC200が固定である場合、プロジェクター100は、PC200のIPアドレス等を取得する必要はない。この場合、各コネクター141〜144に、座標情報を送信する送信先を示すIPアドレスが事前に対応付けられる。制御部130は、コネクター141〜144のいずれかにPC200の接続を検出すると、検出したコネクター141〜144に事前に対応付けられたIPアドレス宛に座標データを送信する。
また、上述した実施形態は、座標データの送信に、無線LANによる無線通信を用いたが、Bluetooth、IrDA、ZigBee等の近距離無線通信を利用することもできる。
【0053】
また、プロジェクター100が指示体検出部170を内蔵する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、指示体検出部170がプロジェクター100に外部接続される構成であってもよい。例えば、指示体検出部170の機能を有する位置検出装置を、プロジェクター100のそれぞれに接続して使用してもよい。
【0054】
また、本発明の表示装置は、透過型液晶パネルを用いた液晶プロジェクターとして説明したが、反射型の液晶パネルやデジタルミラーデバイスを用いたプロジェクターであってもよい。また、スクリーンSCに画像を投射するプロジェクターに限定されず、液晶表示パネルに画像を表示する液晶モニター又は液晶テレビ、或いは、PDP(プラズマディスプレイパネル)に画像を表示するモニター装置又はテレビ受像機、OLED(Organic light-emitting diode)、OEL(Organic Electro-Luminescence)等と呼ばれる有機EL表示パネルに画像を表示するモニター装置又はテレビ受像機等の自発光型の表示装置など、各種の表示装置も本発明の表示装置に含まれる。
【0055】
また、
図1及び
図2に示したプロジェクター100やPC200の各機能部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。従って、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、表示システム1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。