特許第6597095号(P6597095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国電力株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6597095-電気温水器 図000002
  • 特許6597095-電気温水器 図000003
  • 特許6597095-電気温水器 図000004
  • 特許6597095-電気温水器 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6597095
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】電気温水器
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
   F24H1/18 302T
   F24H1/18 302Q
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-181335(P2015-181335)
(22)【出願日】2015年9月15日
(65)【公開番号】特開2017-58043(P2017-58043A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107467
【弁理士】
【氏名又は名称】員見 正文
(72)【発明者】
【氏名】山内 隆生
【審査官】 吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−174061(JP,A)
【文献】 特開2006−064326(JP,A)
【文献】 特開昭58−130929(JP,A)
【文献】 特開平01−023057(JP,A)
【文献】 特開2003−254620(JP,A)
【文献】 特開平10−197070(JP,A)
【文献】 特開昭58−124147(JP,A)
【文献】 特開平07−167499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
深夜電力通電時間帯に夜間沸き上げ動作を行う電気温水器(1)であって、
前記夜間沸き上げ動作を行う際の沸き上げに必要な通電時間(HT)を算出するための通電時間算出手段と、
前記電気温水器を識別するための数値を含む電気温水器識別符号に対応して予め決定された時間だけ前記夜間沸き上げ動作の開始時刻を遅らせて、前記深夜電力通電時間帯のうち夏冬を通して最も負荷が軽くなる時間帯に蓄熱負荷を集中させて前記夜間沸き上げ動作を行わせるための夜間沸き上げ動作開始時刻決定手段と、
を具備することを特徴とする、電気温水器。
【請求項2】
前記電気温水器が、
下部に給水口が設けられるとともに上部に出湯口が設けられた貯湯タンク(2)と、
該貯湯タンクの前記給水口から水を該貯湯タンクに供給するための給水管(3)と、
前記貯湯タンクの前記出湯口から外部に湯を供給するための給湯管(4)と、
前記貯湯タンク内の下部に設けられた下部ヒータ(5)と、
前記通電時間算出手段および前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定手段として機能する制御部(10)と、
前記給水管内に取り付けられた給水温度センサ(SWt)と、
前記貯湯タンク内に取り付けられた残湯温度センサ(SLWt1〜SLWt5)と、
前記給湯管内に取り付けられた流量センサ(SF)と、
を備えることを特徴とする、請求項1記載の電気温水器。
【請求項3】
前記電気温水器識別符号が、前記電気温水器の機器製造番号の末尾番号(EN)であることを特徴とする、請求項1または2記載の電気温水器。
【請求項4】
前記制御部が、
前記通電時間算出手段として機能する通電時間算出部(11)と、
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定手段として機能する夜間沸き上げ動作開始時刻決定部(12)と、
前記下部ヒータのオン/オフ制御をするための下部ヒータオン/オフ制御部(15)と、
前記電気温水器のタンク容量データ(DV)、ヒータ容量データ(DP)、沸き上げ設定温度データ(DT)および末尾番号データ(DEN)を格納するためのメモリ(16)とを備え、
前記通電時間算出部が、前記メモリから読み出した前記タンク容量データ、前記ヒータ容量データおよび前記沸き上げ設定温度データと、前記流量センサから入力される流量データ(DF)と、前記残湯温度センサから入力される残湯温度データ(DLWt1〜DLWt5)と、前記給水温度センサから入力される給水温度データ(DWt)とに基づいて、前記通電時間を算出し、
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記メモリから読み出した前記末尾番号データが示す前記末尾番号に基づいて通電開始遅延時間(PT)を決定し、前記通電時間算出部によって算出された前記通電時間と該決定した通電開始遅延時間とに基づいて夜間沸き上げ動作開始時刻を決定し、該決定した夜間沸き上げ動作開始時刻に前記下部ヒータをオンするように前記下部ヒータオン/オフ制御部に指示する、
ことを特徴とする、請求項3記載の電気温水器。
【請求項5】
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記決定した夜間沸き上げ動作開始時刻から前記通電時間だけ経過すると、前記下部ヒータをオフするように前記下部ヒータオン/オフ制御部に指示することを特徴とする、請求項4記載の電気温水器。
【請求項6】
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記残湯温度が前記沸き上げ設定温度に達すると、前記下部ヒータをオフするように前記下部ヒータオン/オフ制御部に指示することを特徴とする、請求項4記載の電気温水器。
【請求項7】
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記通電時間と前記通電開始遅延時間との和が前記深夜電力通電時間帯よりも大きくなると、前記末尾番号を所定の値だけ変えて、該変えた末尾番号に基づいて新たな通電開始遅延時間を決定し直すことを特徴とする、請求項4乃至6いずれかに記載の電気温水器。
【請求項8】
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記変えた末尾番号が“0”よりも小さくなると、前記夜間沸き上げ動作開始時刻を前記深夜電力通電時間帯の深夜電力通電時間開始時刻と決定するとともに、夜間沸き上げ動作終了時刻を前記深夜電力通電時間帯の深夜電力通電時間終了時刻と決定することを特徴とする、請求項7記載の電気温水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深夜電力通電時間帯に沸き上げ動作を行うのに好適な電気温水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅に設置される電気温水器は、下部に給水口が設けられるとともに上部に出湯口が設けられた貯湯タンクと、貯湯タンクの下部に装着された下部ヒータ(電気ヒータ)とを備えており、深夜電力通電時間帯(午後11時から午前7時までの480分)に沸き上げ動作を行う際には貯湯タンク内の湯を下部ヒータで沸き上げ温度まで加熱している。
以下、説明の簡単のため、電気温水器の深夜電力通電時間帯における沸き上げ動作を「夜間沸き上げ動作」と称する。
【0003】
電気温水器の夜間沸き上げ動作は、深夜電力通電時間終了時刻である午前7時に終了するように、貯湯タンクのタンク容量V(リットル)、貯湯タンク内の残湯量Q(リットル)、沸き上げ設定温度T(℃)、給水温度Wt(℃)、貯湯タンク内の残湯温度LWt(℃)および下部ヒータのヒータ容量P(kW)を用いて、以下に示す(1)式により沸き上げに必要な通電時間HT(分)を算出し、
HT={(V−Q)×(T−Wt)+Q×(T−LWt)}/(860×P×0.9) (1)
算出した通電時間HTを用いて、以下に示す(2)式により通電開始遅延時間PT(分)を算出することにより、通電開始時刻を遅らせている。
PT=480−HT (2)
ただし、PT<0の場合はPT=0とする。
【0004】
図4に、5台の電気温水器1a〜1eについて上記(1)式より算出した通電時間HT=240(分)の場合の夜間沸き上げ動作の時間帯を示す。この例では、上記(2)式より通電開始遅延時間PT=480−240=240(分)となるため、各電気温水器1a〜1eの夜間沸き上げ動作の開始時刻は午前3時から午前7時までの4時間(=240分)とされる。
【0005】
なお、下記の特許文献1には、給水水温から下部ヒータ(発熱体)への所要通電時間を算出して、深夜電力通電時間終了時刻(午前7時)に湧き上がるようにタイマ装置を作動させるようにした、貯湯式電気温水器の制御装置が開示されている。
また、下記の特許文献2には、ピークシフト時間を機種の容量の大小に関係しない給水水温と沸き上げ設定温度の2つの変数のみをパラメータとして、以下に示す(3)式(近似式)から求めるように構成することにより、すべての機種におけるピークシフト計算式を1つの式に統一するようにした電気温水器が開示されている。
ピークシフト時間=480−C×(沸き上げ設定温度−給水水温) (3)
ここで、C=定数
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−124147号公報
【特許文献2】特開平7−167499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の電気温水器では、夜間沸き上げ動作を深夜電力通電時間終了時刻である午前7時に終了するようにしているため、朝食準備などによって朝の消費電力のピークを迎える時間帯(午前5時〜午前7時)に夜間沸き上げ動作を行うことになるので、電気温水器の台数によっては変圧器の過負荷を誘発させるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、夜間沸き上げ動作による変圧器の過負荷誘発を防止できる電気温水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電気温水器は、深夜電力通電時間帯に夜間沸き上げ動作を行う電気温水器(1)であって、前記夜間沸き上げ動作を行う際の沸き上げに必要な通電時間(HT)を算出するための通電時間算出手段と、前記電気温水器を識別するための数値を含む電気温水器識別符号に対応して予め決定された時間だけ前記夜間沸き上げ動作の開始時刻を遅らせて、前記深夜電力通電時間帯のうち夏冬を通して最も負荷が軽くなる時間帯に蓄熱負荷を集中させて前記夜間沸き上げ動作を行わせるための夜間沸き上げ動作開始時刻決定手段と、
を具備することを特徴とする。
ここで、前記電気温水器が、下部に給水口が設けられるとともに上部に出湯口が設けられた貯湯タンク(2)と、該貯湯タンクの前記給水口から水を該貯湯タンクに供給するための給水管(3)と、前記貯湯タンクの前記出湯口から外部に湯を供給するための給湯管(4)と、前記貯湯タンク内の下部に設けられた下部ヒータ(5)と、前記通電時間算出手段および前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定手段として機能する制御部(10)と、前記給水管内に取り付けられた給水温度センサ(SWt)と、前記貯湯タンク内に取り付けられた残湯温度センサ(SLWt1〜SLWt5)と、前記給湯管内に取り付けられた流量センサ(SF)とを備えてもよい。
前記電気温水器識別符号が、前記電気温水器の機器製造番号の末尾番号(EN)であってもよい。
前記制御部が、前記通電時間算出手段として機能する通電時間算出部(11)と、前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定手段として機能する夜間沸き上げ動作開始時刻決定部(12)と、前記下部ヒータのオン/オフ制御をするための下部ヒータオン/オフ制御部(15)と、前記電気温水器のタンク容量データ(DV)、ヒータ容量データ(DP)、沸き上げ設定温度データ(DT)および末尾番号データ(DEN)を格納するためのメモリ(16)とを備え、前記通電時間算出部が、前記メモリから読み出した前記タンク容量データ、前記ヒータ容量データおよび前記沸き上げ設定温度データと、前記流量センサから入力される流量データ(DF)と、前記残湯温度センサから入力される残湯温度データ(DLWt1〜DLWt5)と、前記給水温度センサから入力される給水温度データ(DWt)とに基づいて、前記通電時間を算出し、前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記メモリから読み出した前記末尾番号データが示す前記末尾番号に基づいて通電開始遅延時間(PT)を決定し、前記通電時間算出部によって算出された前記通電時間と該決定した通電開始遅延時間とに基づいて夜間沸き上げ動作開始時刻を決定し、該決定した夜間沸き上げ動作開始時刻に前記下部ヒータをオンするように前記下部ヒータオン/オフ制御部に指示してもよい。
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記決定した夜間沸き上げ動作開始時刻から前記通電時間だけ経過すると、前記下部ヒータをオフするように前記下部ヒータオン/オフ制御部に指示してもよい。
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記残湯温度が前記沸き上げ設定温度に達すると、前記下部ヒータをオフするように前記下部ヒータオン/オフ制御部に指示してもよい。
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記通電時間と前記通電開始遅延時間との和が前記深夜電力通電時間帯よりも大きくなると、前記末尾番号を所定の値だけ変えて、該変えた末尾番号に基づいて新たな通電開始遅延時間を決定し直してもよい。
前記夜間沸き上げ動作開始時刻決定部が、前記変えた末尾番号が“0”よりも小さくなると、前記夜間沸き上げ動作開始時刻を前記深夜電力通電時間帯の深夜電力通電時間開始時刻と決定するとともに、夜間沸き上げ動作終了時刻を前記深夜電力通電時間帯の深夜電力通電時間終了時刻と決定してもよい
【発明の効果】
【0010】
本発明の電気温水器は、以下に示す効果を奏する。
(1)深夜電力通電時間帯のうち夏冬を通して最も負荷が軽くなる時間帯に蓄熱負荷を集中させて夜間沸き上げ動作を行わせられるため、夜間沸き上げ動作による変圧器の過負荷誘発を防止することができる。
(2)早朝への電力集中を防止して変圧器容量の増大を防ぐことにより、設備利用率の向上を図ることができる。
(3)早朝の過負荷による引込線ヒューズ切れを防止できるため、引込線の細線化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例による電気温水器1の構成について説明するための図であり、(a)は電気温水器1の構成を示す図であり、(b)は制御部10の構成を示すブロック図である。
図2図1(b)に示した制御部10の動作を説明するためのフローチャートである。
図3図1(a)に示した電気温水器1と同様の構成の5台の電気温水器1a〜1eの夜間沸き上げ動作時間帯の一例を示す図である。
図4】通電時間HT=240(分)の場合の5台の電気温水器1a〜1eの従来の夜間沸き上げ動作時間帯を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の目的を、数値を含む電気温水器識別符号を使用して複数段階シフト時間を発生させて夜間沸き上げ動作を行わせることにより実現した。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の電気温水器の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の電気温水器は、たとえば電気温水器の機器製造番号の末尾番号を使用して50分ごとの5段階シフト時間を発生させることにより、夏冬を通して最も負荷が軽くなる午後12時〜午前5時の間に蓄熱負荷を集中して夜間沸き上げ動作を行い、午前5時〜午前7時の朝食準備に伴う朝の消費電力のピークを迎える時間帯に通電されている電気温水器の台数を減らして、夜間沸き上げ動作による変圧器の過負荷誘発を防止することを特徴とする。
【0014】
そのため、本発明の一実施例による電気温水器1は、図1(a)に示すように、下部に給水口が設けられるとともに上部に出湯口が設けられた貯湯タンク2と、貯湯タンク2の給水口から水を貯湯タンク2に供給するための給水管3と、貯湯タンク2の出湯口から外部に湯を供給するための給湯管4と、貯湯タンク2内の下部に設けられた下部ヒータ5と、制御部10と、給水管3内に取り付けられた給水温度センサSWtと、貯湯タンク2内に上から順に等間隔に取り付けられた第1乃至第5の残湯温度センサSLWt1〜SLWt5と、給湯管4内に取り付けられた流量センサSFとを具備する。
【0015】
ここで、制御部10は、図1(b)に示すように、通電時間算出部11と、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12と、時計13と、タイマ14と、下部ヒータオン/オフ制御部15と、メモリ16とを備える。
【0016】
メモリ16には、貯湯タンク2のタンク容量Vを示すタンク容量データDVおよび下部ヒータ5のヒータ容量Pを示すヒータ容量データDPが予め格納されているとともに、外部から入力される沸き上げ設定温度データDT(沸き上げ設定温度Tを示すデータ)および末尾番号データDEN(電気温水器1の製造番号の末尾番号ENを示すデータ)が格納される。
【0017】
通電時間算出部11は、メモリ16から読み出したタンク容量データDV、ヒータ容量データDPおよび沸き上げ設定温度データDTと、流量センサSFから入力される流量データDFと、第1乃至第5の残湯温度センサSLWt1〜SLWt5から入力される第1乃至第5の残湯温度データDLWt1〜DLWt5と、給水温度センサSWtから入力される給水温度データDWtとに基づいて、上記(1)式を用いて沸き上げに必要な通電時間HTを算出する。
このとき、通電時間算出部11は、貯湯タンク2には使用した湯と同じ量の水が給水管3を介して供給されるため、流量データDFによって示される流量Fに基づいて貯湯タンク2内の残湯量Qは算出する。また、通電時間算出部11は、第1乃至第5の残湯温度データDLWt1〜DLWt5によって示される第1乃至第5の残湯温度LWt1〜LWt5に基づいて(たとえば、第1乃至第5の残湯温度LWt1〜LWt5の平均値を算出して)、貯湯タンク2内の残湯温度LWtを算出する。
【0018】
夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、メモリ16から読み出した末尾番号データDENが示す電気温水器1の製造番号の末尾番号ENに基づいて通電開始遅延時間PTを決定する。
また、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電時間算出部11によって算出された通電時間HTと決定した通電開始遅延時間PTとに基づいて電気温水器1の夜間沸き上げ動作を開始する時刻(以下、「夜間沸き上げ動作開始時刻」と称する。)を決定し、決定した夜間沸き上げ動作開始時刻を時計13から入力される時刻データが示すと、下部ヒータ5をオンするように指示する下部ヒータオン指示信号を下部ヒータオン/オフ制御部15に出力するとともに、タイマ起動信号をタイマ14に出力してタイマ14を起動させる。
さらに、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電時間算出部11によって算出された通電時間HTをタイマ14から入力される経過時間データが示すと、下部ヒータ5をオフするように指示する下部ヒータオフ指示信号を下部ヒータオン/オフ制御部15に出力するとともに、タイマ停止信号をタイマ14に出力してタイマ14を停止させる。
【0019】
なお、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電時間算出部11によって算出された通電時間HTと決定した通電開始遅延時間PTとの和が480分よりも大きくなると、末尾番号データDENが示す電気温水器1の製造番号の末尾番号ENを所定の値だけ小さくして、小さくした末尾番号ENに基づいて通電開始遅延時間PTを決定し直す。
【0020】
下部ヒータオン/オフ制御部15は、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12から入力される下部ヒータオン指示信号または下部ヒータオフ指示信号が入力されると、下部ヒータ5をオンまたはオフさせるための下部ヒータオン/オフ制御信号SON/OFFを下部ヒータ5に出力する。
【0021】
次に、電気温水器1と同様に構成された5台の電気温水器1a〜1e(製造番号の末尾番号ENを“1”、“3”、“4”、“7”および“8”とする。)について夜間沸き上げ動作を行うときの電気温水器1a〜1eの制御部10の動作について、図2に示したフローチャートを参照して説明する。
なお、末尾番号ENが“0”および“1”の電気温水器1については通電開始遅延時間PTの初期値が0分とされており、末尾番号ENが“2”および“3”の電気温水器1については通電開始遅延時間PTの初期値が50分とされており、末尾番号ENが“4”および“5”の電気温水器1については通電開始遅延時間PTの初期値が100分とされており、末尾番号ENが“6”および“7”の電気温水器1については通電開始遅延時間PTの初期値が150分とされており、末尾番号ENが“8”および“9”の電気温水器1については通電開始遅延時間PTの初期値が200分とされているものとする。
また、通電開始遅延時間PTの初期値を示す通電開始遅延時間初期値データは、メモリ16に予め格納されているものとする。
【0022】
まず、電気温水器1aの制御部10の動作について説明する。
電気温水器1aの制御部10の通電時間算出部11は、電気温水器1aの貯湯タンク2のタンク容量データDV、電気温水器1aの下部ヒータ5のヒータ容量データDPおよび電気温水器1aの沸き上げ設定温度データDTをメモリ16から読み出して、読み出したタンク容量データDV、ヒータ容量データDPおよび設定温度データDTと、電気温水器1aの流量センサSFから入力される流量データDFと、電気温水器1aの第1乃至第5の残湯温度センサSLWt1〜SLWt5から入力される第1乃至第5の残湯温度データDLWt1〜DLWt5と、電気温水器1aの給水温度センサSWtから入力される給水温度データDWtとに基づいて、上記(1)式を用いて沸き上げに必要な通電時間HTを算出する(ステップS11)。
この例では、通電時間HT=240(分)と算出されたとする。
【0023】
電気温水器1aの制御部10の夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、電気温水器1aの末尾番号データDENおよび通電開始遅延時間初期値データをメモリ16から読み出して、読み出した末尾番号データDENが示す末尾番号EN=1に基づいて通電開始遅延時間PTを0(分)と決定する(ステップS12,S13,S18)。
【0024】
その後、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電時間算出部11によって算出された通電時間HT=240(分)と決定した通電開始遅延時間PT=0(分)との和=240(分)を求め、求めた和が480(分)以下か否かを判定する(ステップS23)。
この場合には、求めた和=240(分)が480(分)以下となり、また、決定した通電開始遅延時間PT=0(分)であるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻を深夜電力通電時間開始時刻である午後11時と決定する。
【0025】
その後、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、決定した夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時を時計13から入力される時刻データが示すと、下部ヒータ5をオンするように指示する下部ヒータオン指示信号を下部ヒータオン/オフ制御部15に出力するとともに、タイマ起動信号をタイマ14に出力してタイマ14を起動させる(ステップS24,S25)。
【0026】
その後、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電時間算出部11によって算出された通電時間HT=240(分)をタイマ14から入力される経過時間データが示すと、下部ヒータ5をオフするように指示する下部ヒータオフ指示信号を下部ヒータオン/オフ制御部15に出力するとともに、タイマ停止信号をタイマ14に出力する(ステップS26〜S27)。
【0027】
このとき、ステップS26の代わりに、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12が、第1乃至第5の残湯温度センサSLWt1〜SLWt5から入力される第1乃至第5の残湯温度データDLWt1〜DLWt5が示す第1乃至第5の残湯温度LWt1〜LWt5に基づいて残湯温度LWtを常に監視し、残湯温度LWtが沸き上げ設定温度Tに達すると、下部ヒータオフ指示信号を下部ヒータオン/オフ制御部15に出力するとともに、タイマ停止信号をタイマ14に出力するようにしてもよい。
この場合には、タイマ14はなくてもよい。
【0028】
これにより、図3(a)に双方向矢印で示すように、電気温水器1aの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後11時にオンされたのち午後11時から通電時間HT=240(分)経過後の午前3時にオフされる。
【0029】
次に、電気温水器1bの制御部10の動作について説明する。
電気温水器1bの制御部10は上述した電気温水器1aの制御部10と同様に動作するが、電気温水器1bの末尾番号ENは“3”であるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は通電開始遅延時間PTを50(分)と決定する(ステップS12,S14,S19)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時から通電開始遅延時間PT=50(分)経過後の午後11時50分を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(a)に双方向矢印で示すように、電気温水器1bの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後11時50分にオンされたのち午後11時50分から通電時間HT=240(分)経過後の午前3時50分にオフされる。
【0030】
ただし、たとえば通電時間算出部11によって算出された通電時間HTが440(分)であった場合には、ステップS23において通電時間HT=440(分)と決定した通電開始遅延時間PT=50(分)との和=490(分)が480(分)よりも大きくなるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、メモリ16から読み出した末尾番号データDENが示す末尾番号EN=3を“2”だけ引いて新たな末尾番号EN=1として通電開始遅延時間PTを決定し直す(ステップS28,S29)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電開始遅延時間PTを0(分)と決定し直して(ステップS13,S18)、ステップS23以降の動作を繰り返す。
【0031】
この場合には、ステップS23において通電時間HT=440(分)と決定し直した通電開始遅延時間PT=0(分)との和=440(分)が480(分)以下となるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(b)に双方向矢印で示すように、電気温水器1bの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後11時にオンされたのち午後11時から通電時間HT=440(分)経過後の午前6時20分にオフされる。
【0032】
次に、電気温水器1cの制御部10の動作について説明する。
電気温水器1cの制御部10は上述した電気温水器1aの制御部10と同様に動作するが、電気温水器1cの末尾番号ENは“4”であるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は通電開始遅延時間PTを100(分)と決定する(ステップS12,S15,S20)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時から通電開始遅延時間PT=100(分)経過後の午後12時40分を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(a)に双方向矢印で示すように、電気温水器1cの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後12時40分にオンされたのち通電時間HT=240(分)経過後の午前4時40分にオフされる。
【0033】
ただし、たとえば通電時間算出部11によって算出された通電時間HTが410(分)である場合には、ステップS23において通電時間HT=410(分)と決定した通電開始遅延時間PT=100(分)との和=510(分)が480(分)よりも大きくなるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、メモリ16から読み出した末尾番号データDENが示す末尾番号EN=4を“2”だけ引いて新たな末尾番号EN=2として通電開始遅延時間PTを決定し直す(ステップS28,S29)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電開始遅延時間PTを50(分)と決定し直して(ステップS14,S19)、ステップS23以降の動作を繰り返す。
【0034】
このとき、ステップS23において通電時間HT=410(分)と決定し直した通電開始遅延時間PT=50(分)との和=460(分)が480(分)以下となるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時から決定し直した通電開始遅延時間PT=50(分)経過後の午後11時50分を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(b)に双方向矢印で示すように、電気温水器1cの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後11時50分にオンされたのち午後11時50分から通電時間HT=410(分)経過後の午前6時40分にオフされる。
【0035】
また、たとえば通電時間算出部11によって算出された通電時間HTが450(分)である場合には、ステップS23において通電時間HT=450(分)と決定し直した通電開始遅延時間PT=50(分)との和=500(分)が480(分)よりも大きくなるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、新たな末尾番号EN=2を再度“2”だけ引いて新たな末尾番号EN=0として通電開始遅延時間PTを再度決定し直す(ステップS28,S29)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、通電開始遅延時間PTを0(分)と再度決定し直して(ステップS13,S18)、ステップS23以降の動作を繰り返す。
【0036】
このとき、ステップS23において通電時間HT=450(分)と再度決定し直した通電開始遅延時間PT=0(分)との和=450(分)が480(分)以下となるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(b)に破線の双方向矢印で示すように、電気温水器1cの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後11時にオンされたのち通電時間HT=450(分)経過後の午前6時30分にオフされる。
【0037】
次に、電気温水器1dの制御部10の動作について説明する。
電気温水器1dの制御部10は、上述した電気温水器1aの制御部10と同様に動作するが、電気温水器1dの末尾番号ENは“7”であるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は通電開始遅延時間PTを150(分)と決定する(ステップS12,S16,S21)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時から通電開始遅延時間PT=150(分)経過後の午前1時30分を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(a)に双方向矢印で示すように、電気温水器1dの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午前1時30分にオンされたのち通電時間HT=240(分)経過後の午前5時30分にオフされる。
【0038】
また、ステップS23において通電時間HTと決定した通電開始遅延時間PT=150(分)との和が480(分)よりも大きくなる場合には、上述した電気温水器1cと同様の動作を行う(ステップS23,S28,S29)。
【0039】
次に、電気温水器1eの制御部10の動作について説明する。
電気温水器1eの制御部10は、上述した電気温水器1aの制御部10と同様に動作するが、電気温水器1eの末尾番号ENは“8”であるため、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は通電開始遅延時間PTを200(分)と決定する(ステップS12,S17,S22)。
その結果、夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻である午後11時から通電開始遅延時間PT=200(分)経過後の午前2時20分を夜間沸き上げ動作開始時刻と決定する。
これにより、図3(a)に双方向矢印で示すように、電気温水器1eの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午前2時20分にオンされたのち通電時間HT=240(分)経過後の午前6時20分にオフされる。
【0040】
また、ステップS23において通電時間HTと決定した通電開始遅延時間PT=150(分)との和が480(分)よりも大きくなる場合には、上述した電気温水器1cと同様の動作を行う(ステップS23,S28,S29)。
【0041】
なお、ステップS28において“2”だけ引いた新たな末尾番号ENが“0”よりも小さくなった場合には、電気温水器1a〜1eの制御部10の夜間沸き上げ動作開始時刻決定部12は、夜間沸き上げ動作開始時刻を深夜電力通電時間開始時刻である午後11時と決定するとともに、夜間沸き上げ動作終了時刻を深夜電力通電時間終了時刻である午前7時と決定する(ステップS29〜S33)。
これにより、電気温水器1a〜1eの下部ヒータ5は、下部ヒータオン/オフ制御部15によって午後11時にオンされたのち午前7時にオフされる。
【0042】
以上の説明では、電気温水器1の機器製造番号の末尾番号ENを使用して通電開始遅延時間PTの初期値を決定したが、電気温水器1をグループ分けできるものであればよく、お客様契約番号、計器番号や電話番号のような数値を含む電気温水器識別符号を使用してもよい。
また、通電開始遅延時間PTを50分間隔で変えるようにしたが、30分間隔や60分間隔等の任意の間隔にしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1,1a〜1e 電気温水器
2 貯湯タンク
3 給水管
4 給湯管
5 下部ヒータ
10 制御部
11 通電時間算出部
12 夜間沸き上げ動作開始時刻決定部
13 時計
14 タイマ
15 下部ヒータオン/オフ制御部
16 メモリ
Wt 給水温度センサ
LWt1〜SLWt5 第1乃至第5の残湯温度センサ
F 流量センサ
EN 末尾番号
F 流量
HT 通電時間
LWt 残湯温度
LWt1〜LWt5 第1乃至第5の残湯温度
P ヒータ容量
PT 通電開始遅延時間
Q 残湯量
T 沸き上げ設定温度
V タンク容量
Wt 給水温度
EN 末尾番号データ
F 流量データ
LWt1〜DLWt5 第1乃至第5の残湯温度データ
T 沸き上げ設定温度データ
P ヒータ容量データ
V タンク容量データ
Wt 給水温度データ
ON/OFF 下部ヒータオン/オフ制御信号
S11〜S33 ステップ
図1
図2
図3
図4