特許第6597144号(P6597144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6597144空気予熱器の異常判定装置、及び空気予熱器の異常判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6597144
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】空気予熱器の異常判定装置、及び空気予熱器の異常判定方法
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/24 20060101AFI20191021BHJP
   F23L 15/00 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   F23N5/24 104
   F23L15/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-196078(P2015-196078)
(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公開番号】特開2017-67414(P2017-67414A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】三好 英一
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−298719(JP,A)
【文献】 特開平1−181013(JP,A)
【文献】 米国特許第4901678(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/24
F23L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、
前記空気予熱器に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の圧力と前記空気予熱器から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を入力する入力手段と、
前記上限空気温度、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、及び前記基準日の差圧を表す差圧基準値を所定の予測式に当てはめて前記空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算手段と、
前記差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより前記空気予熱器の異常を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする空気予熱器の異常判定装置。
【請求項2】
前記演算手段は、上限空気温度T、空気温度基準値T、及び差圧基準値ΔPを所定の前記予測式として、
に当てはめて差圧ΔPを演算することを特徴とする請求項1に記載の空気予熱器の異常判定装置。
【請求項3】
燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、
前記空気予熱器に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の圧力と前記空気予熱器から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の流量を検出する空気流量センサと、
ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、前記基準日より後の他の日の空気温度、前記基準日の差圧基準値、前記他の日の空気流量、及び前記基準日の空気流量を表す空気流量基準値を所定の予測式に当てはめて前記空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算手段と、
前記差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより前記空気予熱器の異常を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする空気予熱器の異常判定装置。
【請求項4】
前記演算手段は、空気温度T、空気温度基準値T、空気流量Q、空気流量基準値Q、及び差圧基準値ΔPを所定の前記予測式として、
に当てはめて差圧ΔPを演算することを特徴とする請求項3に記載の空気予熱器の異常判定装置。
【請求項5】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記判定手段は、前記空気予熱器が異常状態にあると判定した場合には、前記空気予熱器の洗浄を促すメッセージを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気予熱器の異常判定装置。
【請求項6】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記判定手段は、前記空気予熱器が異常状態にあると判定した場合には、前記空気予熱器の伝熱面に付着する煤塵を除去するスートブロア装置に係る除去回数又は除去圧力の変更を促すメッセージを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気予熱器の異常判定装置。
【請求項7】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記判定手段は、前記空気予熱器が異常状態にあると判定した場合には、前記空気予熱器の伝熱面に付着する煤塵が増大したことを表すメッセージを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気予熱器の異常判定装置。
【請求項8】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記判定手段は、前記空気予熱器が正常状態にあると判定した場合には、前記空気予熱器の差圧が基準値よりも低いことを表すメッセージを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気予熱器の異常判定装置。
【請求項9】
燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、
前記空気予熱器に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の圧力と前記空気予熱器から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサと、を備えた空気予熱器の異常判定装置による異常判定方法であって、
前記空気予熱器に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を入力する入力ステップと、
前記上限空気温度、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、及び前記基準日の差圧を表す差圧基準値を所定の予測式に当てはめて前記空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算ステップと、
前記差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより前記空気予熱器の異常を判定する判定ステップと、を実行することを特徴とする空気予熱器の異常判定方法。
【請求項10】
燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、
前記空気予熱器に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の圧力と前記空気予熱器から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサと、
前記空気予熱器に流入する空気の流量を検出する空気流量センサと、を備えた空気予熱器の異常判定装置による異常判定方法であって、
ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、前記基準日より後の他の日の空気温度、前記基準日の差圧基準値、前記他の日の空気流量、及び前記基準日の空気流量を表す空気流量基準値を所定の予測式に当てはめて前記空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算ステップと、
前記差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより前記空気予熱器の異常を判定する判定ステップと、を実行することを特徴とする空気予熱器の異常判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラから排出される排ガスの余熱を利用し、燃焼用空気を予熱するための熱交換器である空気予熱器の管理に好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所等のプラントに配置された多くのボイラ設備には、ボイラの燃焼効率を向上させるために、煙道から排出される排ガスの余熱を利用して燃焼用空気を予熱する空気予熱器(AH:Air Heater)が設置されている。
外部からの燃焼用空気は、押込通風機(FDF)によって空気予熱器(AH)に供給され、空気予熱器(AH)で予熱された後にボイラの火炉内に導入される。一方、ボイラから排出される燃焼排ガスは、掃引通風機によって掃引され、空気予熱器(AH)で熱交換され、集塵機を通過したのち煙突から放出される。
比較的大型のボイラ設備では、単位容積当りの伝熱量が大きい回転再生式の空気予熱器(AH)が用いられることが多い。この回転再生式の空気予熱器(AH)では、ケーシングの中心に配されたロータ軸に支持された蓄熱体ロータが例えば2〜3rpmの回転速度で回転し、高温の排ガス流が通過する間に蓄熱体であるエレメントが加熱され、低温の空気流がエレメントを通過する間にエレメントが熱を放出することによって熱交換が行われる。
【0003】
空気予熱器(AH)を継続して使用すると、エレメントは燃焼灰などの付着により空気流通部(予熱空気の加熱部)に詰まりが発生する。このような空気予熱器(AH)の詰まりがあると、空気予熱器(AH)の入口ダクトと出口ダクトの圧力差が増加し、押込通風機(FDF)の吐出圧力の上昇を招き、誘引送風機(IDF)を有する場合はIDF運転差圧を増加させる。
【0004】
ボイラ運転を継続するためには、これら空気及びガスの系統の圧力損失の増加を、押込通風機(FDF)や誘引送風機(IDF)の吐出能力以内に留める必要がある。このため、空気予熱器のガス入口ダクトとガス出口ダクトの圧力差がある値以上になった場合、空気予熱器(AH)のエレメントの洗浄を行い、圧力差を低減する必要がある。
詳しくは、空気予熱器(AH)の差圧は通過するガスおよび空気の流量、また空気予熱器(AH)の詰まり度合いによって変化し、差圧の上昇は煙風道の耐圧や通風系に影響を与えるため、夏季の重負荷期を迎える前に発電機負荷の抑制防止を目的とし、必要に応じて水洗等の対策を行う。このため、春先に空気予熱器(AH)の差圧の上昇傾向を予測することが望ましい。
【0005】
ここで、図14に示す従来技術の処理に係るフローチャート、図15(a)(b)に示す従来技術の予想処理に係るグラフ図を参照して、従来の手法について説明する。
ステップS1001では、空気予熱器(AH)の入口ダクトと出口ダクトとの圧力差をAH差圧センサを用いて検出し、AH差圧センサの実測値を取得して実測値aとする。ステップS1005では、実測値aが1.15kPaを超えているか否かを判定する。実測値aが1.15kPaを超えている場合に、ステップS1010では、実測値aが1.23kPaを超えているか否かを判定する。
実測値aが1.15kPa〜1.23kPaの範囲である場合に、ステップS1015では、空気予熱器(AH)のエレメントに付着した燃焼灰をスートブロア装置(SB)を用いて吹き飛ばす作業を促す「SB回数変更 3→4回/D」というメッセージを表示する。
実測値aが1.23kPaを超えている場合に、ステップS1020では、実測値aが1.5kPaを超えているか否かを判定する。
実測値aが1.23kPa〜1.5kPaの範囲である場合に、ステップS1025では、スートブロア装置(SB)の圧力変更作業を促す「SB圧力変更 1.3→1.4」というメッセージを表示する。
実測値aが1.5kPaを超えている場合に、ステップS1030では、「差圧高」というメッセージを表示する。
【0006】
また従来、図15(a)に示すように、例年のAH差圧の変化実績に基づいて算出した近似曲線として、例えばΔP=ΔP+8・10−7・xという予想カーブを算出しておき、図15(a)に示すように、現在のAH差圧を当てはめて、経過日数x後のAH差圧ΔPの動向を予測することで、一律の上昇傾向を期待して評価を行っていた。
【0007】
特許文献1には、熱交換器の動作の第1の期間において、熱交換器が第1の動作領域にあるときに、熱交換器について、低温流体の流量変数または高温流体の流量変数のうちの1つ以上と差圧変数または熱抵抗変数のうちの1つ以上とから生成される複数の第1のデータ点を収集するステップ、第1のデータ点から、第1の動作領域にある熱交換器の回帰モデルを生成するステップ、熱交換器が第1の動作領域にあるときに、熱交換器の動作の第2の期間における低温流体の流量変数または高温流体の流量変数のうちの1つ以上と差圧変数または熱抵抗変数のうちの1つ以上とから生成される複数の第2のデータ点を、回帰モデルへと入力するステップ、熱交換器の動作の第2の期間における低温流体の流量変数または高温流体の流量変数のうちの1つ以上から生成される値の関数として、差圧変数または熱抵抗変数のうちの1つ以上から生成される予測値を、回帰モデルから出力するステップ、熱交換器の動作の第2の期間における差圧変数または熱抵抗変数のうちの1つ以上から生成された予測値を、熱交換器の動作の第2の期間における差圧変数または熱抵抗変数から生成されるそれぞれの値と比較するステップ、および、熱交換器の動作の第2の期間における差圧変数または熱抵抗変数のうちの1つ以上から生成された前記値が、差圧変数または熱抵抗変数のうちの1つ以上から生成されたそれぞれの予測値から逸脱している場合に、異常状態の検出をするステップ、を実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−008385公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、AH差圧値は、基点となる差圧値での詰り具合に依存して、その後の動向が変化する可能性が大きく、差圧動向の評価において正確性に欠けるといった問題があった。
また従来、日常のAH差圧管理においても、AH差圧の絶対値(計測値)で評価しているため、AH差圧値が上昇傾向にある場合に、その原因がガス流量や空気流量の上昇によるものなのか、詰りの進行によるものなのかについての判定が困難であった。
さらに、過去のAH差圧の上昇値を簡単な数式に近似しておき、実際に検出された現在の差圧値を基点に差圧値の予測カーブを作成しているため、空気予熱器(AH)の詰まり具合やその他の環境要因が同等の場合は予測精度が高い。しかし、空気予熱器(AH)の詰まり等によって差圧の上昇傾向が変化するため、空気予熱器(AH)の詰まり具合やその他の環境要因が同等ではない場合は予測精度が低いといった問題があった。
【0010】
また、日常のAH差圧管理を差圧の絶対値(測定値そのもの)で行うため、差圧値の上昇が環境変化によるものか、空気予熱器(AH)の詰りによる機械的損失の増加によるものかについての判定が困難である。このため、空気予熱器(AH)の詰り具合の評価、また空気予熱器(AH)の水洗の判断基準として信頼性に欠けるといった問題があった。
特許文献1にあっては、複数の時点において流量変数、入り口温度、出口温度、入り口圧力、出口圧力をそれぞれデータとして収集しておき、これらのデータに基づいて回帰モデルを生成しておき、熱交換器の運転中のある時点での温度・圧力・流量の組み合わせにおいて、いずれかの値が収集したデータ群から逸脱している場合に、熱交換器の異常として検出する。このため、回帰モデルを用いて異常検出を高精度に行うためには膨大な数のデータ収集が必要になるといった問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、少ないデータ収集量でも空気予熱器に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、前記空気予熱器に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、前記空気予熱器に流入する空気の圧力と前記空気予熱器から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサと、前記空気予熱器に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を入力する入力手段と、前記上限空気温度、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、及び前記基準日の差圧を表す差圧基準値を所定の予測式に当てはめて前記空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算手段と、前記差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより前記空気予熱器の異常を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、少ないデータ収集量でも空気予熱器に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る異常判定装置の監視対象となるボイラシステムを示すブロック図である。
図2図1に示す回転再生式の空気予熱器の概要を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る空気予熱器の異常判定装置の構成を示すブロック図である。
図4図3に示す空気予熱器の異常判定装置に適用可能な長期予測処理を示すメインフローチャートである。
図5図3に示すデータ評価処理に関するサブルーチンのフローチャートである。
図6】基準点と監視範囲に関するグラフ図である。
図7】予測範囲と受給バランスに関するグラフ図である。
図8】長期予測式(1)にFDF出口の空気温度を当てはめて求めたAH差圧に関するグラフ図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る空気予熱器の異常判定装置に適用可能な日常管理処理を示すメインフローチャートである。
図10図9に示すデータ評価処理に関するサブルーチンのフローチャートである。
図11図10に示すデータ評価処理1に関するサブルーチンのフローチャートである。
図12図10に示すデータ評価処理2に関するサブルーチンのフローチャートである。
図13】(a)(b)は、日常管理処理に関するグラフ図である。
図14】従来技術の処理に係るフローチャートである。
図15】(a)(b)は従来技術の予想処理に係るグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
なお、かかる実施形態に示す寸法、材料、温度、圧力、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明は、少ないデータ収集量でも空気予熱器に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の空気予熱器の異常判定装置は、燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、空気予熱器に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、空気予熱器に流入する空気の圧力と空気予熱器から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサと、空気予熱器に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を入力する入力手段と、上限空気温度、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、及び基準日の差圧を表す差圧基準値を所定の予測式に当てはめて空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算手段と、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器の異常を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、少ないデータ収集量でも空気予熱器に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る異常判定装置の監視対象となるボイラシステムを示すブロック図である。
図1に示すように、ボイラシステム1は、ボイラ10、ボイラ10に対してA系統の機器、ボイラ10に対してB系統の機器を備えている。
A系統の機器は、押込通風機(A−FDF)12、空気予熱器(A−AH)18、電気集塵装置(A−EP)20、誘引送風機(A−IDF)22、空気流量センサ24、空気温度センサ26、AH差圧センサ28を備えている。B系統の機器はA系統の機器と同様であり、各系統を並列運転又は交互運転するものであるので、その説明を省略する。
押込通風機(A−FDF(Forced Draft Fan))12は、空気ダクト11と空気入口ダクト13との間に配置され、モータを用いてファンを回転させることで、外部から空気ダクト11に流通された燃焼用空気を空気入口ダクト13を介して空気予熱器(A−AH)18に導入する。
【0016】
空気予熱器(A−AH)18は、蓄熱体であるエレメントを有し、空気入口ダクト13と空気出口ダクト15との間に配置され、空気入口ダクト13を介して導入された燃焼用空気をエレメントに通過させ、燃焼用空気をエレメントの熱と熱交換させて温度を上昇させ、空気出口ダクトに流通させる。そして、空気予熱器(A−AH)18は、ガス入口ダクト17とガス出口ダクト19との間に配置され、ガス入口ダクト17を通過した高熱ガスをエレメントに通過させ、高熱ガスをエレメントの熱と熱交換させて温度を低下させ、ガス出口ダクト19に流通させる。
ボイラ10は、空気出口ダクト15とガス入口ダクト17との間に配置され、空気出口ダクト15から流通される燃焼用空気を取り込み、燃焼用空気を加えて燃料の持つ化学熱を燃焼によって熱に変え、その熱を用いて高圧水を水蒸気に変換し、排ガスをガス入口ダクト17に排出する。
【0017】
電気集塵装置(A−EP(Electrostatic Precipitator))20は、ガス出口ダクト19と排気ダクト21との間に配置され、空気予熱器(AH)18を経た排ガスから煤塵を除去する。電気集塵装置20は、直流高電圧によってコロナ放電を発生させ、ガス中の煤塵に電荷を帯電させて(放電極)、この帯電粒子を電界中(電極間)に通過させ、ガスと分離捕集(集塵極)して煤塵を除去するものである。なお、煤塵とは、ボイラ内で燃料が燃えた際に発生・飛散する微細な物質である。
誘引送風機(A−IDF(Induced Draft Fan))22は、排気ダクト21と煙突ダクト23との間に配置され、モータを用いてファンを回転させることで、電気集塵装置20から排気ダクト21を介して排出された排ガスを誘引して煙突ダクト23を介して煙突に導く。
【0018】
空気流量センサ24は、空気ダクト11の途中に配置され、空気予熱器18に流入する空気の流量を検出して空気流量を出力する。
空気温度センサ26は、空気入口ダクト13の途中に配置され、空気予熱器18に流入する空気の温度を検出して空気温度を出力する。
AH差圧センサ28は、空気入口ダクト13の途中と空気出口ダクト15の途中とに配置され、空気予熱器18に流入する空気の圧力と空気予熱器18から流出する空気の圧力との実際の差圧を検出して差圧実測値を出力する。
【0019】
図2は、図1に示す回転再生式の空気予熱器の概要を示す斜視図である。
図2に示すように、空気予熱器18は、蓄熱体ロータ18a、エレメント18b、回転軸18cを備えている。
空気予熱器18は、円筒状に形成された蓄熱体ロータ18aの内部に熱交換を行うための蓄熱体であるエレメント18bを有し、蓄熱体ロータ18aの中心に軸支された回転軸18cをモータの回転により回転させて例えば2〜3rpmの回転速度を得る。空気予熱器18は、高温の排ガス流が通過する間に蓄熱体であるエレメント18bが加熱され、低温の空気流がエレメント18bを通過する間に熱を放出することによって熱交換が行われる。
空気予熱器(AH)18は、継続して使用すると、エレメント18bは燃焼灰などの付着により空気流通部(予熱空気の加熱部)に詰まりが発生する。
このような空気予熱器(AH)の詰まりがあると、空気予熱器(AH)の入口ダクトと出口ダクトの圧力差が増加し、押込通風機(FDF)の吐出圧力の上昇を招き、誘引送風機(IDF)を有する場合はIDF運転差圧を増加させる。
【0020】
ボイラ運転を継続するためには、これら空気及びガスの系統の圧力損失の増加を、押込通風機(FDF)や誘引送風機(IDF)の吐出能力以内に留める必要がある。このため、空気予熱器のガス入口ダクトとガス出口ダクトの圧力差がある値以上になった場合、空気予熱器(AH)のエレメントの洗浄を行い、圧力差を低減する必要がある。
詳しくは、空気予熱器(AH)の差圧は通過するガスおよび空気の流量、また空気予熱器(AH)の詰まり度合いによって変化し、差圧の上昇は煙風道の耐圧や通風系に影響を与えるため、夏季の重負荷期を迎える前に発電機負荷の抑制防止を目的とし、必要に応じて水洗等の対策を行う。このため、春先に空気予熱器(AH)の差圧の上昇傾向を予測することが望ましい。
このため、空気予熱器(AH)のエレメントに付着した燃焼灰をスートブロア装置(SB)を用いて吹き飛ばす必要がある。スートブロア装置(SB)は、空気予熱器(AH)の高温側及び低温側の夫々に配置してあり、蒸気をエレメントに吹き付けることで、エレメントに付着した燃焼灰を吹き飛ばすものである。
【0021】
図3は、本発明の第1実施形態に係る空気予熱器の異常判定装置の構成を示すブロック図である。
異常判定装置50は、空気流量センサ24、空気温度センサ26、AH差圧センサ28、制御部52、メモリ部、表示制御部56、表示部58を備えている。
空気流量センサ24、空気温度センサ26、及びAH差圧センサ28については、上述したので、その説明を省略する。
制御部52は、内部にROM、RAM及びCPUを有し、ROMからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動し、OS管理下において、ROMからアプリケーションソフトウエアのプログラムを読み出し、データ収集処理及び判定処理を実行する。
制御部52は、基準日の空気温度を表す空気温度基準値、差圧の基準を表す差圧基準値を入力する。
制御部52は、上限空気温度、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、及び基準日の差圧基準値を長期予測式(1)に当てはめて空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する。
【0022】
制御部52は、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器の異常を判定する。
制御部52は、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、基準日より後の他の日の空気温度、基準日の差圧基準値、他の日の空気流量、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値を所定の予測式に当てはめて空気予熱器に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する。
メモリ部54は、データ収集処理の結果として取得したデータを記憶する。
GUI部60は、アプリケーションソフトウエアに搭載されたGUI(Graphical User Interface)機能を実行することにより、表示制御部56を介して表示部58に表示した画面の図形、グラフ、画像、操作ボタンへのマウス62からのカーソル操作やクリック操作を受け付けて、位置情報や指示情報を制御部52に出力する。
キーボード64は、ユーザ操作により数値を制御部52に入力する。例えば、ユーザによる操作に応じて、空気予熱器18に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を制御部52に入力する。
【0023】
表示制御部56は、メッセージを表示部58に表示する。
制御部52は、空気予熱器が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器の洗浄を促すメッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。
制御部52は、空気予熱器が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器の伝熱面(エレメント)に付着する煤塵又は/及びダストを除去するスートブロア装置に係る除去回数又は除去圧力の変更を促すメッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。
制御部52は、空気予熱器が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器の伝熱面に付着する煤塵又は/及びダストが増大したことを表すメッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。
制御部52は、空気予熱器が正常状態にあると判定した場合には、空気予熱器の差圧が基準値よりも高いことを表すメッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。
【0024】
図4は、図3に示す空気予熱器の異常判定装置に適用可能な長期予測処理を示すメインフローチャートである。
ステップS10では、制御部52は、データ収集として、AH差圧センサ28、及び空気温度センサ26から基準となる差圧基準値(ΔP)の収集、基準となる基準温度(T)の収集を行い、メモリ部54に記憶する。
ステップS15では、制御部52は、予測範囲の上限温度の空気温度(T)を設定する。詳しくは、制御部52は、GUI部60により、表示制御部56から表示画面に予測範囲の上限温度の空気温度についての複数の候補値を示すソフトボタンを表示する。そして、ユーザがソフトボタンを押し下げた場合に、制御部52は、当該操作を検知して予測範囲の上限温度の空気温度をメモリ部54に設定することが可能になる。なお、制御部52は、キーボード64から入力された数値を予測範囲の上限温度の空気温度(T)としてメモリ部54に設定してもよい。
【0025】
ステップS20では、制御部52は、メモリ部54から収集データ(ΔP,T)を読み出し、長期予測式に当てはめてグラフを生成し、当該グラフを表示制御部56を介して表示部58に表示する。
詳しくは、制御部52は、予測範囲の上限の空気温度T、空気温度基準値T、及び差圧基準値ΔPを、長期予測式(1)、

・・・(1)
に当てはめて差圧ΔPを演算し、メモリ部54に記憶する。
【0026】
ここで、上述した長期予測式(1)の求め方について説明する。
正確な差圧を求める式としてファニングの式が知られている。この式は、ρを空気の密度、vを空気の流速、Tを空気の温度、Qを空気の流量、λを空気予熱器から空気が受ける摩擦係数、lを空気予熱器内の移動距離、dを空気予熱器の直径とすると、式(2)のように表すことができる。

・・・(2)
しかし、ファニングの式をそのまま空気予熱器(AH)に適用した場合、空気予熱器(AH)のように複雑な形状を有する機器については正確な値を直接に求めることは困難である。
そこで、上記式(2)の各項を基準とする日の差圧、気温の変化率、及び差圧に与える影響度に置き換えることで、計算を容易にする。
【0027】
すなわち、上記式(2)の項(4λ・l/d)は、エレメントの詰まりが不変である場合、空気の流れの状態、及び空気予熱器(AH)の形状に依存するが、気温には影響されない。
一方、上記式(2)の項(ρv/2)は、密度ρは気温Tに反比例し、流速vは気温に比例する。ただし、ここでは流量と気温が比例関係にあるとする。
このような関係を整理すると、上記式(1)を求めることができる。上記式(1)は、環境変化による差圧変化を予測する式であり、空気予熱器(AH)のエレメントに対する詰まりによる影響を一切無視し、差圧上昇の最低値を予測する式である。
上記式(1)は、差圧基準値ΔP、空気温度T(AH入口)、基準日の空気温度Tとから求められ、空気予熱器(AH)の形状や、流体の性質に左右されないことを特徴としている。
【0028】
この際、空気温度基準値Tから予測範囲の上限の空気温度Tまでの間を微小温度変化値ΔTずつ(k+1)分割しておき、T=T、T+ΔT、T+2ΔT、・・・、T+kΔT、Tと変化させて差圧ΔPの予測値を算出し、表1に示すようなデータテーブルを生成してメモリ部54に記憶する。なお、微小温度変化値ΔTは、例えば1℃であればよい。
【0029】
【表1】
【0030】
制御部52は、表1に示すデータテーブルから差圧ΔPの予測値として、ΔP、ΔP0+1、・・・、ΔP0+k、ΔP0+k+1を読み出し、基準点(T,ΔP)に対して、(T+ΔT,ΔP0+1)〜(T,ΔP0+k+1)を順次にメモリ部54上のRAM空間にプロットすることで、図8に示すような温度−AH差圧グラフを生成する。
ステップS25では、制御部52は、データ評価処理のサブルーチンをコールする。
【0031】
図5は、図3に示すデータ評価処理に関するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS55では、制御部52は、予測した差圧(m1月)が管理値を超えたか否かを判断する。予測した差圧(m1月)が管理値を超えていない場合にはステップS60に進み、一方、予測した差圧(m1月)が管理値を超えている場合にはステップS65に進む。なお、m1月は例えば、7月であることが好ましく、7月の例年の温度を用いてAH差圧値をグラフから抽出すればよい。
ここで、管理値とは、空気予熱器(AH)18に設けられたエレメントに付着したダストの量が増大して、エレメントの水洗が必要になる目安となる管理上の差圧値である。
【0032】
ステップS60では、制御部52は、予測した差圧(m2月)が管理値を超えたか否かを判断する。予測した差圧(m2月)が管理値を超えていない場合にはステップS70に進み、一方、予測した差圧(m2月)が管理値を超えている場合にはステップS65に進む。なお、m1月は例えば、8月であることが好ましく、8月の例年の温度を用いてAH差圧値をグラフから抽出すればよい。
ステップS65では、制御部52は、「水洗必要」メッセージを表示する。詳しくは、制御部52は、「水洗必要」メッセージのテキストデータを生成し、このテキストデータを画像データに変換して表示制御部56に出力する。表示制御部56はこの画像データを表示部58に表示する。
ステップS70では、制御部52は、「水洗不要」メッセージを表示する詳しくは、制御部52は、「水洗不要」メッセージのテキストデータを生成し、このテキストデータを画像データに変換して表示制御部56に出力する。表示制御部56はこの画像データを表示部58に表示する。
【0033】
図6は、基準点と監視範囲に関するグラフ図である。
図6に示すグラフにおいて、横軸が時間(日)を表し、縦軸がAH差圧(kPa)を表す。図6に示すt2において、重負荷期の前段階で空気予熱器(AH)の点検を行う。この点検では、空気予熱器(AH)の水洗を実施することでエレメントに付着した燃焼灰を取り除くことができる。この点検直後のt2において、制御部52は、メモリ部54に記憶した採取データをリセットすることで基準点とし、t2〜t3の期間を監視範囲としてデータを採取する。
【0034】
図7は、予測範囲と受給バランスに関するグラフ図である。
図7に示すグラフにおいて、横軸が時間(日)を表し、左側の縦軸がAH差圧(kPa)を表し、右側の縦軸が発電所における最大電力(MW)を表す。
図7に示すように、発電所における最大電力(MW)は4月〜5月に最低となり、7月〜8月に最大となる。
図7に示す2月初旬において、制御部52は、メモリ部54に記憶した採取データをリセットすることで基準点とし、2月初旬〜9月初旬の期間を監視範囲としてデータを採取する。
例えば、8月は重負荷期であり、発電所を停止して空気予熱器(AH)の水洗を行うことは困難であるため、夏場(例えば、7月、8月)のAH差圧を夏場に入る前の点検段階(4月〜5月)で予測しておき、重負荷期の前段階の点検において空気予熱器(AH)に対して水洗を行う必要性があるか否かを判断する。
【0035】
ここで、データの収集スパンについて説明する。
本実施形態では、1時間毎のデータ管理により、1日スパンでの差圧動向の傾向管理が可能である。また、1日の平均値によるデータ管理により、週間スパン、月間スパンでの差圧動向の傾向管理が可能である。さらに、月平均によるデータ管理により、年間スパンでの差圧動向の傾向管理も可能となる。
従って、第1実施形態では、例えば2月〜3月の2ヶ月間に採取したデータに基づいて、空気予熱器(AH)における夏場(例えば、7月、8月)のAH差圧を予測しておき、予測値が管理値を超えた場合に、空気予熱器(AH)に対して水洗が必要になったことを表すメッセージを表示することとする。
【0036】
図8は、長期予測式(1)にFDF出口の空気温度を当てはめて求めたAH差圧に関するグラフ図である。図8には、平成26年4月の平均値を基準点とした差圧変化予測とその評価例を示している。
温度範囲が30℃〜35℃程度において、5月の実測値の分布域E1では予測値との差がほぼ無く、詰まりの大きな進行はない。
一方、温度範囲が38℃〜42℃程度において、7月の実測値の分布域E2では予測値との差が増大し、詰まりが進行している。
例年の夏季のAH入口温度の最大値である45℃前後においては、詰まりの進行が全く無いとしても、差圧が1.04〜1.05程度までは増大する。
【0037】
本実施形態によれば、上限空気温度T、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、及び基準日の差圧を表す差圧基準値ΔPを所定の予測式に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算しておき、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
また、空気温度T、空気温度基準値T、及び差圧基準値ΔPを所定の予測式として、
に当てはめて差圧ΔPを演算することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0038】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るボイラシステムは、図1に示す第1実施形態に係るボイラシステムに適用する。また、本発明の第2実施形態に係る空気予熱器の異常判定装置の構成は、図3に示す第1実施形態に係る空気予熱器の異常判定装置の構成に適用する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る空気予熱器の異常判定装置に適用可能な日常管理処理を示すメインフローチャートである。
ステップS110では、制御部52は、基準データ収集として、空気流量センサ24、AH差圧センサ28、及び空気温度センサ26から基準となる差圧基準値(ΔP)、温度基準値(T)、及び空気流量基準値(Q)の収集を行い、収集データをメモリ部54に記憶する。
【0039】
ステップS115では、制御部52は、理論値の演算に用いる評価対象のデータ収集として、毎時又は毎正時において、空気温度センサ26から温度(T)、空気流量センサ24から空気流量(Q)、及びAH差圧センサ28から差圧(ΔP)の収集を行い、収集データをメモリ部54に記憶する。
【0040】
【表2】
【0041】
例えば、表2に示すように、1日の毎正時の収集データをメモリ部54に記憶する。
【0042】
ステップS120では、制御部52は、メモリ部54から読み出した収集データの一日の平均値として、温度(T)を平均した平均温度値(TAVE)、空気流量(Q)を平均した平均空気流量値(QAVE)、及び差圧(ΔP)を平均した平均差圧値(ΔPAVE)を算出し、各平均値データをメモリ部54に記憶する。
例えば、メモリ部54から読み出したt00〜t23に対応するT00〜T23に基づいて、平均温度値(TAVE)を算出する。
AVE=(T00・・・+T12+・・・+T23)/24
【0043】
また、平均温度値(TAVE)の算出手法と同様に、メモリ部54から読み出した収集データに基づいて、平均空気流量値(QAVE)、及び平均差圧値(ΔPAVE)を算出する。
ステップS125では、制御部52は、各基準値データ、及び各平均値データを日常管理の演算式(予測式(3))に当てはめて演算を行い、演算結果データをメモリ部54に記憶する。
詳しくは、制御部52は、平均温度値(TAVE)をTに、空気温度基準値T、平均空気流量値(QAVE)をQに、空気流量基準値Q、差圧基準値ΔPを夫々に日常管理の予測式(3)に対して、

・・・(3)
当てはめて、ΔPである差圧理論値ΔP(差圧予測値)を演算し、メモリ部54に記憶する。
【0044】
ここで、上述した日常管理の予測式(3)の求め方について説明する。
第1実施形態では、ファニングの式(2)を変形した長期予測式(1)に、予測範囲の上限の空気温度T、空気温度基準値T、差圧基準値ΔPを当てはめて差圧ΔPを演算した。
これに対して、第2実施形態では、空気流量Q、空気流量基準値Qも含めて、日常管理の予測式(3)に当てはめを行い、差圧ΔPを演算する。
第2実施形態では、ファニングの式(2)の各項を基準とする日の差圧、流量と気温の変化率および差圧に与える影響度に置き換えることで、計算を容易にする。流量の実績値を用いるため、長期予測式(1)のように将来の差圧値を算出することはできないが、リアルタイムではより高精度な詰まり進行評価に関する判定が可能となる。
【0045】
すなわち、ファニングの式(2)の項(4λ・l/d)は、エレメントの詰まりが不変である場合、空気の流れの状態、及び空気予熱器(AH)の形状に依存するが、気温には影響されない。
一方、ファニングの式(2)の項(ρv/2)は、密度ρは気温Tに反比例し、流速vは流量の二乗に比例する。ただし、ここでは流量を独立したパラメータとして扱う。
このような関係を整理すると、上記式(3)を求めることができる。上記式(3)は、環境変化のみを考慮した差圧変化を算出する式である、空気予熱器(AH)のエレメントに対する詰まりの進行を皆無とした場合の差圧上昇の理論値である。
上記式(3)は、差圧基準値ΔP、空気温度T、基準日の空気温度T、空気流量Q、基準日の空気流量Qとから求められ、空気予熱器(AH)の形状や、流体の性質に左右されないことを特徴としている。
【0046】
ステップS130では、制御部52は、差圧平均値(ΔPAVE)、差圧理論値ΔPに基づいてグラフを生成して表示する。詳しくは、制御部52は、ステップS120で算出した差圧平均値(ΔPAVE)、ステップS125で算出した差圧理論値ΔP(差圧予測値)を縦方向の位置とし、現在の日付(YY、MM、DD)を横方向の位置として組み合わせて、現在の実測値及び理論値としたドットをプロットしたグラフを生成して表示する。
この結果、図13(a)(b)に示すように、日常管理処理によりプロットされたグラフ図が日々に更新される。
次いで、ステップS135では、制御部52は、データ評価処理のサブルーチンをコールする。
次いで、ステップS140では、制御部52は、日常管理処理を停止するか否かを判断する。詳しくは、制御部52は、GUI部60により、図13(a)(b)に示すように、表示制御部56から表示画面に「停止」を示すソフトボタン70を表示する。そして、ユーザがソフトボタン70をマウス62を用いて押し下げた場合に、制御部52は、当該操作を検知して日常管理処理を停止する。
一方、「停止」を示すソフトボタン70が押し下げられていない場合に、制御部52は、ステップS115に進み、日常管理処理を継続することで、図13(a)(b)に示すように、例えば4ヶ月に渡って日常管理処理に係わるグラフ図を生成することができる。
【0047】
図10は、図9に示すデータ評価処理に関するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS150では、制御部52は、フラグF1〜F3の値を夫々0に初期設定してメモリ部54に記憶する。
ステップS155では、制御部52は、データ評価処理1のサブルーチンをコールする。
ここで、図11を参照して、データ評価処理1について説明する。
図11は、図10に示すデータ評価処理1に関するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS210では、制御部52は、メモリ部54から取得した実測値(差圧平均値(ΔPAVE))をaとし、メモリ部54から取得した理論値(差圧理論値ΔP)をbとし、カウンタをcとする。
ステップS215では、制御部52は、カウンタc=0に設定する。
ステップS220では、制御部52は、実測値aの方が理論値bよりも大きいか否かを判断する。実測値aの方が理論値bよりも大きい場合にはステップS225に進み、実測値aの方が理論値bよりも大きくない場合にはデータ評価処理1を終えてリターンする。
実測値aの方が理論値bよりも大きい場合に、ステップS225では、制御部52は、実測値aと理論値bとの誤差P(P=a−b)算出する。
【0048】
ステップS230では、制御部52は、誤差Pの方が0.05kPaよりも大きいか否かを判断する。誤差Pが0.05kPaよりも大きい場合にはステップS230に進み、誤差Pが0.05kPa以下である場合にはデータ評価処理1を終えてリターンする。
誤差Pが0.05kPaよりも大きい場合に、ステップS235では、制御部52は、カウンタc=c+1とすることでカウンタcをインクリメントする。
ステップS240では、制御部52は、カウンタcが3以上であるか否かを判断する。カウンタcが3以上である場合にはステップS245に進み、カウンタcが3未満である場合にはステップS220に進む。
カウンタcが3以上である場合に、ステップS245では、制御部52は、フラグF1=1としてメモリ部54に設定する。ここで、フラグF1=1は、実測値aと理論値bとの誤差Pが0.05kPaよりも大きい場合が3回あったことを表す。
次いで、ステップS250では、制御部52は、「詰まり増大」メッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。次いで、制御部52は、データ評価処理1を終えてリターンする。
【0049】
図10に戻り、ステップS160では、制御部52は、データ評価処理2のサブルーチンをコールする。
ここで、図12を参照して、データ評価処理2について説明する。
図12は、図10に示すデータ評価処理2に関するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS310では、制御部52は、メモリ部54から取得した実測値をaとする。
ステップS315では、制御部52は、実測値aの方が1.15kPaよりも大きいか否かを判断する。実測値aの方が1.15kPaよりも大きい場合にはステップS320に進む。一方、実測値aの方が1.15kPa以下である場合にはデータ評価処理2を終えてリターンする。
実測値aの方が1.15kPaよりも大きい場合に、ステップS320では、制御部52は、実測値aの方が1.23kPaよりも大きいか否かを判断する。実測値aの方が1.23kPaよりも大きい場合にはステップS330に進む。一方、実測値aの方が1.23kPa以下である場合にはステップS325に進む。
【0050】
実測値aの方が1.23kPa以下である場合に、ステップS325では、制御部52は、フラグF2=1としてメモリ部54に設定する。ここで、フラグF2=1は、実測値aが1.15kPaから1.23kPaの間である場合を表す。
次いで、制御部52は、データ評価処理1を終えてリターンする。
一方、実測値aの方が1.23kPaよりも大きい場合に、ステップS330では、制御部52は、実測値aの方が1.5kPaよりも大きいか否かを判断する。実測値aの方が1.5kPaよりも大きい場合にはステップS340に進む。一方、実測値aの方が1.5kPa以下である場合にはステップS335に進む。
実測値aの方が1.5kPa以下である場合に、ステップS335では、制御部52は、フラグF3=1としてメモリ部54に設定する。ここで、フラグF3=1は、実測値aが1.23kPaから1.5kPaの間である場合を表す。
次いで、制御部52は、データ評価処理1を終えてリターンする。
他方、ステップS340では、制御部52は、「差圧高」メッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。次いで、制御部52は、データ評価処理1を終えてリターンする。
【0051】
次に、図10に戻り、ステップS165では、制御部52は、メモリ部54からフラグF1、フラグF2を読み出し、フラグF1の値とフラグF2の値とを乗算し、その積が1になるか否かを判断する。フラグF1、F2の積が1になる場合にはステップS170に進む。一方、フラグF1、F2の積が0になる場合にはステップS175に進む。
フラグF1、F2の積が1になる場合、すなわち、実測値aと理論値bとの誤差Pが0.05kPaよりも大きい場合が3回あり、かつ、実測値aが1.15kPaから1.23kPaの間である場合に、ステップS170では、制御部52は、「SB回数変更 3→4回/D」メッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。
ユーザは、表示部58に表示された「SB回数変更 3→4回/D」というメッセージを目視確認し、スートブロア装置(SB)を用いて空気予熱器(AH)18のエレメントに付着した燃焼灰を吹き飛ばす作業を1日当たり3回から4回に変更する。
【0052】
次いで、ステップS175では、制御部52は、メモリ部54からフラグF1、フラグF3を読み出し、フラグF1の値とフラグF3の値とを乗算し、その積が1になるか否かを判断する。フラグF1、F3の積が1になる場合にはステップS180に進む。一方、フラグF1、F3の積が0になる場合に、制御部52は、データ評価処理を終えてリターンする。
フラグF1、F3の積が1になる場合、すなわち、実測値aと理論値bとの誤差Pが0.05kPaよりも大きい場合が3回あり、かつ、実測値aが1.23kPaから1.5kPaの間である場合に、ステップS180では、制御部52は、「SB圧力変更 1.3→1.4」メッセージを表示制御部56に出力し、このメッセージを表示部58に表示する。
ユーザは、表示部58に表示された「SB圧力変更 1.3→1.4」というメッセージを目視確認し、スートブロア装置(SB)を用いて空気予熱器(AH)18のエレメントに付着した燃焼灰を吹き飛ばす作業時の圧力を1.3kPaから1.4kPaに変更する。
【0053】
図13(a)(b)は、日常管理処理に関するグラフ図である。図13(a)(b)には、実測値と理論値との比較例として、平成26年5月〜8月の値を表示しており、基準値は4月の例えば1ヶ月間の平均を採用している。
図13(a)は、8月時点でも詰まりはそれほど進行していないことを表している。
一方、図13(b)は、4月と比較して、6月時点では詰まりの進行は小さいが、8月時点では詰まりが大きくなっていることを表している。
これにより、時間経過に伴う、差圧に関する理論値と実測値との差が増減することを目視により確認し易くなる。
【0054】
本実施形態によれば、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日より後の他の日の空気温度T、基準日の差圧基準値ΔP、他の日の空気流量Q、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値Qを日常管理の予測式(2)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算しておき、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値データΔPを算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0055】
また、空気温度T、空気温度基準値T、空気流量Q、空気流量基準値Q、及び差圧基準値ΔPを日常管理の予測式(2)として、


に当てはめて差圧ΔPを演算することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0056】
<本発明の実施態様例の構成、作用、効果>
<第1態様>
本態様の空気予熱器18の異常判定装置50は、燃焼用空気を予熱する空気予熱器18と、空気予熱器18に流入する空気の温度を検出する空気温度センサ26と、空気予熱器18に流入する空気の圧力と空気予熱器18から流出する空気の圧力との実際の差圧を測定する差圧センサ28と、空気予熱器に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を入力するキーボード64(入力手段)と、上限空気温度T、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、及び基準日の差圧を表す差圧基準値ΔPを長期予測式(1)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する制御部52と、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定する制御部52と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、上限空気温度T、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日の差圧を表す差圧基準値ΔPを所定の予測式に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算しておき、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0057】
<第2態様>
本態様の制御部52は、空気温度T、空気温度基準値T、及び差圧基準値ΔPを所定の予測式として、


に当てはめて差圧ΔPを演算することを特徴とする。
本態様によれば、空気温度T、空気温度基準値T、及び差圧基準値ΔPを所定の予測式として、


に当てはめて差圧ΔPを演算することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0058】
<第3態様>
本態様の空気予熱器18の異常判定装置50は、燃焼用空気を予熱する空気予熱器18と、空気予熱器18に流入する空気の温度を検出する空気温度センサ26と、空気予熱器18に流入する空気の圧力と空気予熱器18から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサ28と、空気予熱器18に流入する空気の流量を検出する空気流量センサ24と、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日より後の他の日の空気温度T、基準日の差圧基準値ΔP、他の日の空気流量Q、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値Qを日常管理の予測式(2)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データΔPを演算する制御部52と、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定する制御部52と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日より後の他の日の空気温度T、基準日の差圧基準値ΔP、他の日の空気流量Q、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値Qを日常管理の予測式(2)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算しておき、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値データΔPを算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0059】
<第4態様>
本態様の制御部52は、空気温度T、空気温度基準値T、空気流量Q、空気流量基準値Q、及び差圧基準値ΔPを日常管理の予測式(2)として、


に当てはめて差圧ΔPを演算することを特徴とする。
本態様によれば、空気温度T、空気温度基準値T、空気流量Q、空気流量基準値Q、及び差圧基準値ΔPを日常管理の予測式(2)として、


に当てはめて差圧ΔPを演算することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値を算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0060】
<第5態様>
本態様の空気予熱器18の異常判定装置50は、メッセージを表示する表示手段を備え、判定手段は、空気予熱器18が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の洗浄を促すメッセージを表示手段に表示することを特徴とする。
本態様によれば、空気予熱器18が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の洗浄を促すメッセージを表示手段に表示することで、空気予熱器18の詰まり状態が進み、洗浄を必要する状態であることを容易に把握することができる。
【0061】
<第6態様>
本態様の制御部52は、空気予熱器18が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の伝熱面に付着する煤塵を除去するスートブロア装置に係る除去回数又は除去圧力の変更を促すメッセージを表示手段に表示することを特徴とする。
本態様によれば、空気予熱器18が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の伝熱面に付着する煤塵を除去するスートブロア装置に係る除去回数又は除去圧力の変更を促すメッセージを表示手段に表示することで、スートブロア装置に係る除去回数又は除去圧力の変更を促すメッセージを目視確認することができる。
【0062】
<第7態様>
本態様の制御部52は、空気予熱器18が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の伝熱面に付着する煤塵が増大したことを表すメッセージを表示手段に表示することを特徴とする。
本態様によれば、空気予熱器18が異常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の伝熱面に付着する煤塵が増大したことを表すメッセージを表示手段に表示することで、空気予熱器18の伝熱面に付着する煤塵が増大したことを表すメッセージを目視確認することができる。
【0063】
<第8態様>
本態様の制御部52は、空気予熱器18が正常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の差圧が基準値よりも低いことを表すメッセージを表示手段に表示することを特徴とする。
本態様によれば、空気予熱器18が正常状態にあると判定した場合には、空気予熱器18の差圧が基準値よりも低いことを表すメッセージを表示手段に表示することで、空気予熱器18の差圧が基準値よりも低いことを表すメッセージを目視確認することができる。
【0064】
<第9態様>
本態様の異常判定方法は、燃焼用空気を予熱する空気予熱器18と、空気予熱器18に流入する空気の温度を検出する空気温度センサと、空気予熱器18に流入する空気の圧力と空気予熱器18から流出する空気の圧力との実際の差圧を検出して差圧実測値を出力する差圧センサと、を備えた空気予熱器18の異常判定装置による異常判定方法であって、空気予熱器18に流入する空気の温度に係る予測範囲の上限を表す上限空気温度を入力する入力ステップ(S15)と、空気温度T、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値、及び基準日の差圧を表す差圧基準値を所定の予測式に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算する演算ステップ(S20)と、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定する判定ステップ(S55、S60)と、を実行することを特徴とする。
本態様によれば、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日より後の他の日の空気温度T、基準日の差圧基準値ΔP、他の日の空気流量Q、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値Qを日常管理の予測式(2)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算しておき、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値データΔPを算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【0065】
<第10態様>
本態様の空気予熱器18の異常判定装置50は、燃焼用空気を予熱する空気予熱器18と、空気予熱器18に流入する空気の温度を検出する空気温度センサ26と、空気予熱器18に流入する空気の圧力と空気予熱器18から流出する空気の圧力との差圧を測定する差圧センサ28と、空気予熱器18に流入する空気の流量を検出する空気流量センサ24と、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日より後の他の日の空気温度T、基準日の差圧基準値ΔP、他の日の空気流量Q、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値Qを日常管理の予測式(2)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データΔPを演算する演算ステップ(S130)と、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定する判定ステップ(S135)と、を実行することを特徴とする。
本態様によれば、ある基準日の空気温度を表す空気温度基準値T、基準日より後の他の日の空気温度T、基準日の差圧基準値ΔP、他の日の空気流量Q、及び基準日の空気流量を表す空気流量基準値Qを日常管理の予測式(2)に当てはめて空気予熱器18に流入出する空気の差圧の時間変化を表す差圧予測値データを演算しておき、差圧予測値データと所定の管理値とを比較することにより空気予熱器18の異常を判定することで、少ないデータ収集量でも空気予熱器18に関する高精度な差圧予測値データΔPを算出することができ、且つ、空気予熱器18の詰まり状態に関する進行度合いを容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…ボイラシステム、10…ボイラ、24…空気流量センサ、26…空気温度センサ、28…AH差圧センサ、11…空気ダクト、13…空気入口ダクト、15…空気出口ダクト、17…ガス入口ダクト、19…ガス出口ダクト、21…排気ダクト、20…電気集塵装置、23…煙突ダクト、18…空気予熱器、50…異常判定装置、52…制御部、56…表示制御部、58…表示部、54…メモリ部、60…GUI部、62…マウス、64…キーボード、70…ソフトボタン
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