特許第6597411号(P6597411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6597411
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/14 20060101AFI20191021BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20191021BHJP
   F02D 29/00 20060101ALI20191021BHJP
   F01P 11/16 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   F01P11/14 B
   E02F9/00 D
   F02D29/00 B
   F01P11/16 E
   F01P11/14 Z
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-42320(P2016-42320)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-155721(P2017-155721A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 佑太
(72)【発明者】
【氏名】吉原 英喜
【審査官】 家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−316815(JP,A)
【文献】 特開2006−037863(JP,A)
【文献】 特開2000−303837(JP,A)
【文献】 特開2000−319932(JP,A)
【文献】 特開2000−220454(JP,A)
【文献】 特開2004−176591(JP,A)
【文献】 特開昭60−159326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 11/14
F01P 5/02
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械であって、
エンジンと、
被冷却物を冷却するために前記エンジンの動力を用いて作動するファンと、
前記ファンの回転数を制御するファン制御器と、
前記エンジンに異常が生じたときに正常な状態にある前記エンジンの出力よりも当該エンジンの出力を制限するエンジン制御器と、を備え、
前記ファン制御器は、正常な状態にある前記エンジンの出力に対する前記エンジンの現在の出力の割合を示す馬力率を特定するための情報を前記エンジン制御器から取得し、さらに、前記馬力率が前記エンジンに異常が生じていることを確認するために予め設定された馬力率閾値以下であるときに前記馬力率が小さいほど前記ファンの回転数が小さくなるように前記ファンの回転数を制限する、建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記ファン制御器は、正常な状態にある前記エンジンの出力に関する正常出力情報を予め記憶し、前記エンジン制御器から前記エンジンの現在の出力に関する現在出力情報を取得し、さらに、前記正常出力情報と前記現在出力情報とに基づいて前記馬力率を算出する、建設機械。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の建設機械は、前記ファンにより冷却される前記被冷却物の温度を検出する温度検出器をさらに備え、
前記ファン制御器は、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であり、かつ、前記温度検出器により検出された前記被冷却物の温度が予め設定された温度閾値を超えるときに、前記ファンの回転数の制限を禁止する、建設機械。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の建設機械は、前記ファンにより冷却される被冷却物の温度を検出する少なくとも1つの温度検出器をさらに備え、
前記ファン制御器は、前記温度検出器により検出された前記被冷却物の温度に基づいて前記ファンの目標回転数を設定し、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であるときに前記目標回転数に対して前記馬力率を乗じることにより当該ファンの目標回転数を制限する、建設機械。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械は、前記温度検出器を複数備え、
前記ファン制御器は、前記各温度検出器により検出された温度に基づいて前記ファンの目標回転数をそれぞれ設定するとともに、全ての目標回転数の中から最も大きいものを選択し、選択された目標回転数に対して前記馬力率を乗じることにより当該ファンの目標回転数を制限する、建設機械。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の建設機械は、前記エンジンに接続され、傾転を変更する機能を有する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油によって作動するとともに前記ファンに接続された回転軸を有する油圧モータと、をさらに備え、
前記ファン制御器は、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であるときに前記油圧ポンプの傾転を小さくするための指令を出力する、建設機械。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項に記載の建設機械は、前記エンジンに接続され、前記エンジンの動力を用いて発電する発電機と、前記発電機により発電された電力によって作動するとともに前記ファンに接続された回転軸を有する電動機と、前記発電機から前記電動機へ供給される電力を制御するインバータと、をさらに備え、
前記ファン制御器は、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であるときに前記発電機から前記電動機へ供給される電力を制限するための指令を前記インバータに出力する、建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと、エンジンの動力を用いて作動するファンと、を備えた建設機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の作業機械は、エンジンと、エンジンの出力軸に接続された油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出された作動油により駆動するファンモータと、ファンモータの出力軸に接続された空冷ファンと、を備えている。
【0003】
また、特許文献1に記載の作業機械は、エンジンの出力モードを切り換えるためのエンジン出力モード切り替えスイッチと、エンジン出力モード切り替えスイッチの切換状態に応じてエンジンの出力を制限するコントローラと、を備えている。
【0004】
エンジン出力モード切り替えスイッチは、エンジンの出力を制限しないPモードと、軽負荷時にエンジンの出力を制限して燃料消費量の削減を図るEモードと、の何れかを選択するためのものである。コントローラは、Eモードが選択されたときにPモードにおけるエンジンの出力に対してエンジンの出力を制限する。
【0005】
ここで、エンジン出力モードがEモードに設定されている場合、エンジンの出力が制限されているためエンジンにおける発熱量が小さい。
【0006】
そこで、コントローラは、エンジン出力モードがEモードに設定されている場合、Pモードに設定されている場合と比べて空冷ファンの回転速度を下げるように当該回転速度を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5518589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の作業機械では、エンジン出力モード切り替えスイッチによりEモードが選択されてエンジンの出力が制限されたときに空冷ファンの回転速度が低下する。
【0009】
一方、エンジンに異常が生じた場合(例えば、センサ[冷却水の温度を検出する水温センサ等]の故障が生じたような場合)においてもエンジンの出力は制限される。
【0010】
しかし、特許文献1に記載の作業機械は、エンジン出力モードがEモードに設定されているときに空冷ファンの回転速度を低下させるものであり、例えば、Pモードに設定されているときにエンジンに異常が生じていても空冷ファンの回転速度は維持される。この場合、異常の発生に伴い出力が制限されたエンジンに対して空冷ファンの駆動により過剰な負荷を与えるおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、エンジンに異常が発生した状況においてファンの駆動によりエンジンに対して過剰な負荷を与えるのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、建設機械であって、エンジンと、被冷却物を冷却するために前記エンジンの動力を用いて作動するファンと、前記ファンの回転数を制御するファン制御器と、前記エンジンに異常が生じたときに正常な状態にある前記エンジンの出力よりも当該エンジンの出力を制限するエンジン制御器と、を備え、前記ファン制御器は、正常な状態にある前記エンジンの出力に対する前記エンジンの現在の出力の割合を示す馬力率を特定するための情報を前記エンジン制御器から取得し、さらに、前記馬力率が前記エンジンに異常が生じていることを確認するために予め設定された馬力率閾値以下であるときに前記馬力率が小さいほど前記ファンの回転数が小さくなるように前記ファンの回転数を制限する、建設機械を提供する。
【0013】
本発明によれば、馬力率が馬力率閾値以下であるときにエンジンに異常が生じていることを確認することができる。つまり、本発明における『馬力率閾値』は、エンジンに異常が生じたときにエンジン制御器により制限される出力の割合を基準にして予め設定されたものである。
【0014】
さらに、本発明では、エンジンに異常が生じているときに馬力率が小さいほどファンの回転数が小さくなるようにファンの回転数が制限されるため、エンジンの出力の制限が大きいほど当該エンジンに与える負荷を低減することができる。
【0015】
したがって、本発明によれば、エンジンに異常が発生した状況においてファンの駆動によりエンジンに対して過剰な負荷を与えるのを防止することができる。
【0016】
ここで、ファン制御器は、『馬力率を特定するための情報』として馬力率自体をエンジン制御部から取得してもよいが、馬力率がエンジンの制御に寄与していない場合には、エンジン制御部に対して余分な機能(馬力率を算出する機能)を追加することが必要となり効率が悪い。
【0017】
そこで、前記建設機械において、前記ファン制御器は、正常な状態にある前記エンジンの出力に関する正常出力情報を予め記憶し、前記エンジン制御器から前記エンジンの現在の出力に関する現在出力情報を取得し、さらに、前記正常出力情報と前記現在出力情報とに基づいて前記馬力率を算出することが好ましい。
【0018】
この態様によれば、エンジン制御器に対して余分な機能を追加せず、ファンを制御するファン制御器に対して馬力率を算出する機能を追加することにより効率よく馬力率を特定することができる。
【0019】
ここで、ファンにより冷却される被冷却物の温度が比較的に高い状況においても馬力率が減馬力閾値以下であるときにファンの回転数を制限してもよい。しかし、この場合、エンジンに過負荷がかかるのを防止することもできる一方で、被冷却物の温度上昇によって新たな不具合が生じるおそれがある。
【0020】
そこで、前記建設機械は、前記ファンにより冷却される前記被冷却物の温度を検出する温度検出器をさらに備え、前記ファン制御器は、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であり、かつ、前記温度検出器により検出された前記被冷却物の温度が予め設定された温度閾値を超えるときに、前記ファンの回転数の制限を禁止することが好ましい。
【0021】
この態様によれば、馬力率が馬力率閾値以下の状況であっても被冷却物の温度が温度閾値を超えるときにファンの回転数の制限を禁止することができる。そのため、被冷却物の温度上昇によって新たな不具合が生じるのを防止することができる。
【0022】
ファン制御器は、例えば、被冷却物の温度に基づいてファンの目標回転数を設定するとともに、馬力率の大きさと目標回転数の制限率との関係を示す特性を予め記憶し、この特性と馬力率とに基づいてエンジンの出力を制限してもよい。しかし、この場合には、馬力率と制限率との関係を示す特性を準備する必要があるとともにこの特性を記憶する領域を確保する必要がある。
【0023】
そこで、前記建設機械は、前記ファンにより冷却される被冷却物の温度を検出する少なくとも1つの温度検出器をさらに備え、前記ファン制御器は、前記温度検出器により検出された前記被冷却物の温度に基づいて前記ファンの目標回転数を設定し、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であるときに前記目標回転数に対して前記馬力率を乗じることにより当該ファンの目標回転数を制限することが好ましい。
【0024】
この態様によれば、被冷却物の温度に基づいて設定された目標回転数と馬力率とに基づいて目標回転数を制限することができるため、別途特性を準備すること及び当該特性を記憶する領域を確保することが不要となる。
【0025】
前記建設機械は、前記温度検出器を複数備え、前記ファン制御器は、前記各温度検出器により検出された温度に基づいて前記ファンの目標回転数をそれぞれ設定するとともに、全ての目標回転数の中から最も大きいものを選択し、選択された目標回転数に対して前記馬力率を乗じることにより当該ファンの目標回転数を制限することが好ましい。
【0026】
この態様によれば、複数の温度検出器により検出された温度毎に目標回転数が設定され、これらの目標回転数のうちの最も大きなものが選択される。これにより、最も高い温度を基準とするファンによる冷却能力を確保しつつエンジンに対する負荷を軽減することができる。
【0027】
なお、前記態様において、複数の温度検出器は、共通の被検出物の温度を検出するものでも、別の被検出物の温度を検出するものでもよい。 前記建設機械は、前記エンジンに接続され、傾転を変更する機能を有する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油によって作動するとともに前記ファンに接続された回転軸を有する油圧モータと、をさらに備え、前記ファン制御器は、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であるときに前記油圧ポンプの傾転を小さくするための指令を出力することが好ましい。
【0028】
この態様によれば、油圧駆動の建設機械を適用対象として用いたときに既存の油圧機器(作動油タンク等)を利用することができるため、建設機械をコンパクトに構成することができる。
【0029】
一方、建設機械は、前記エンジンに接続され、前記エンジンの動力を用いて発電する発電機と、前記発電機により発電された電力によって作動するとともに前記ファンに接続された回転軸を有する電動機と、前記発電機から前記電動機へ供給される電力を制御するインバータと、をさらに備え、前記ファン制御器は、前記馬力率が前記馬力率閾値以下であるときに前記発電機から前記電動機へ供給される電力を制限するための指令を前記インバータに出力するものでもよい。
【0030】
この態様によれば、ハイブリッド建設機械を適用対象として用いたときに既存のハイブリッド機器(発電電動機等)を利用することができるため、建設機械をコンパクトに構成することができる。
【0031】
また、ファンの回転数を電気的に制御するためファンの回転数を油圧制御する場合と比較してファンの回転数を正確に制御することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、エンジンに異常が発生した状況においてエンジンに対してファンを駆動するために過剰な負荷が与えられるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。
図2図1の油圧ショベルに設けられた駆動系統の一部を示す回路図である。
図3】正常トルクマップ及び制限トルクマップを示すグラフである。
図4図2のメイン制御器に記憶された作動油温とファン回転数との関係を示すマップである。
図5図2のメイン制御器に記憶されたエンジン水温とファン回転数との関係を示すマップである。
図6図2のメイン制御器により実行される処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の第2実施形態に係るハイブリッドショベルに設けられた駆動系統の一部を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0035】
<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1は、クローラ2aを有する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に取り付けられたアタッチメント4と、を備えている。
【0036】
アタッチメント4は、上部旋回体3に対して回転可能に取り付けられた基端部を有するブーム5と、ブーム5の先端部に対して回転可能に取り付けられた基端部を有するアーム6と、アーム6の先端部に対して回転可能に取り付けられたバケット7と、を有する。
【0037】
さらに、アタッチメント4は、上部旋回体3に対してブーム5を回転駆動するブームシリンダ8と、ブーム5に対してアーム6を回転駆動するアームシリンダ9と、アーム6に対してバケット7を回転駆動するバケットシリンダ10と、を有する。
【0038】
また、油圧ショベル1は、図2に示すように当該油圧ショベル1を駆動するための駆動系統11を備えている。
【0039】
駆動系統11は、エンジン12と、エンジン12の出力軸に接続されたメインポンプ13と、メインポンプ13から吐出された作動油が供給される油圧駆動回路14と、エンジン12の出力軸に接続されたファン用ポンプ(油圧ポンプ)15と、ファン用ポンプ15から吐出された作動油が供給されるファン用モータ(油圧モータ)16と、ファン用モータ16に接続されたファン17と、ファン17から供給される冷却風との間で熱交換を行うための熱交換器18と、を備えている。
【0040】
メインポンプ13は、その傾転を変更する機能を有する、いわゆる可変容量式の油圧ポンプである。
【0041】
油圧駆動回路14は、図示は省略するが、油圧アクチュエータと、メインポンプ13から油圧アクチュエータへの作動油の給排を制御する制御弁と、を有する。油圧アクチュエータは、上述のシリンダ8〜10と、上部旋回体3を旋回駆動する旋回モータ(図示せず)と、下部走行体2に設けられた走行モータ(図示せず)と、を含む。
【0042】
ファン用ポンプ15は、その傾転を変更する機能を有する、いわゆる可変容量式の油圧ポンプである。
【0043】
ファン用モータ16は、ファン用ポンプ15から供給される作動油によって作動するとともにファン17に接続された回転軸(符号省略)を有する。
【0044】
ファン17は、エンジン12の動力を用いて作動する。具体的に、ファン17は、上述のように、エンジン12の動力を用いてファン用ポンプ15から供給される作動油によってファン用モータ16が作動することに伴い作動する。
【0045】
熱交換器18は、エンジン12を冷却する冷却水を冷却するためのラジエータ18aと、作動油を冷却するためのオイルクーラ18bと、を備えている。
【0046】
さらに、駆動系統11は、エンジン12の駆動を制御するエンジン制御器19と、エンジン制御器19に電気的に接続され、油圧駆動回路14及びファン17の駆動を制御するメイン制御器(ファン制御器)20と、を備えている。
【0047】
エンジン制御器19は、エンジン12に電気的に接続され、エンジン12の状態を監視するとともにエンジン12の状態に応じて当該エンジン12の駆動を制御する。
【0048】
具体的に、エンジン制御器19は、エンジン12が正常な状態においては図3の実線で示す正常トルクマップM1に従ってエンジン12の出力トルクを制御する。正常トルクマップM1は、正常な状態にあるエンジン12の回転数と出力トルクとの関係を示すものである。正常トルクマップM1は、エンジン制御器19に予め記憶されている。
【0049】
一方、エンジン制御器19は、エンジン12に異常が生じたとき(例えば、センサ[冷却水の温度を検出する水温センサ等]の故障が生じたような場合)に正常な状態にあるエンジン12の出力よりもエンジン12の出力を制限する。具体的に、エンジン制御器19は、エンジン12に異常が生じたときに図3の破線で示す制限トルクマップM2に従ってエンジン12の出力トルクを制御する。制限トルクマップM2は、異常が生じているエンジン12の回転数と出力トルクとの関係を示すものであり、エンジン12の出力トルクが0となる部分を除き、正常トルクマップM1よりも低い出力トルクの範囲に設定されている。制限トルクマップM2は、予めエンジン制御器19に記憶されていてもよいし、エンジン12の異常の程度に応じてエンジン制御器19が作成するものであってもよい。
【0050】
図2を参照して、メイン制御器20は、油圧駆動回路14に作動油を供給するメインポンプ13の傾転を調整することによって油圧駆動回路14の駆動を制御する。具体的に、駆動系統11は、メインポンプ13の傾転を調整するためのレギュレータ13aと、レギュレータ13aに対して作動油を供給するためのパイロットポンプ24と、パイロットポンプ24からレギュレータ13aへの作動油の供給を制御する電磁比例弁22と、を有する。
【0051】
また、メイン制御器20は、ファン用モータ16に作動油を供給するファン用ポンプ15の傾転を調整することによってファン17の回転数を制御する。具体的に、駆動系統11は、ファン用ポンプ15の傾転を調整するためのレギュレータ15aと、パイロットポンプ24からレギュレータ15aへの作動油の供給を制御する電磁比例弁23と、を有する。
【0052】
なお、レギュレータ13a、15aは同様の構成を有し、電磁比例弁22、23も同様の構成を有するため、以下、レギュレータ15a及び電磁比例弁23について説明する。
【0053】
電磁比例弁23は、メイン制御器20から指令を受けていない状態においてパイロットポンプ24からレギュレータ15aを遮断する位置(図2の右側位置)に付勢され、メイン制御器20から指令を受けることによりパイロットポンプ24からレギュレータ15aに作動油を供給するための位置(図2の左側位置)に切り換えられる。また、電磁比例弁23は、メイン制御器20からの指令値(電流値)の大きさに応じてレギュレータ15aに対する作動油の流量を調整可能である。
【0054】
レギュレータ15aは、パイロットポンプ24から作動油が供給されていない状態においてロッドが縮小されるように付勢され、パイロットポンプ24から作動油が供給されることによりロッドが伸長するシリンダを有する。
【0055】
したがって、メイン制御器20から電磁比例弁23のソレノイドに電気指令が入力されていない状態においてはレギュレータ15aのシリンダのロッドが縮小してファン用ポンプ15の傾転が最小となる。一方、メイン制御器20から電磁比例弁23のソレノイドに電気指令が入力されることにより、レギュレータ15aのシリンダのロッドが伸長してファン用ポンプ15の傾転が増加する。
【0056】
また、メイン制御器20は、ファン17により冷却される冷却水及び作動油(それぞれ被冷却物の一例)の温度に基づいてファン17の目標回転数を設定する。具体的に、駆動系統11は、エンジン12に設けられて冷却水の温度を検出する水温センサ(温度検出器)12aと、作動油を収容する作動油タンク21と、作動油タンク21に設けられて作動油の温度を検出する作動油温度センサ(温度検出器)21aと、を備えている。水温センサ12aは、エンジン制御器19に電気的に接続され、メイン制御器20は、エンジン制御器19を介して水温センサ12aにより検出された冷却水の温度を取得する。作動油温度センサ21aは、メイン制御器20に電気的に接続されている。なお、図2には、図面の都合上、複数の作動油タンク21が示されているが、実際には油圧ショベル1には1つの作動油タンクが設けられている。
【0057】
メイン制御器20は、作動油の温度とファン17の回転数との関係を示す図4のマップを記憶しており、作動油温度センサ21aにより検出された作動油の温度と図4のマップとに基づいて目標回転数を特定する。
【0058】
また、メイン制御器20は、冷却水の温度とファン17の回転数との関係を示す図5に示すマップを記憶しており、水温センサ12aにより検出された冷却水の温度と図5に示すマップとに基づいて目標回転数を特定する。
【0059】
そして、メイン制御器20は、作動油の温度に基づく目標回転数及び冷却水の温度に基づく目標回転数のうちの大きいものを目標回転数として設定する。
【0060】
さらに、メイン制御器20は、正常な状態にあるエンジン12の出力に関する正常トルクマップ(正常出力情報:図3参照)M1を予め記憶するとともに、エンジン制御器19からエンジン12の現在の出力に関する現在出力情報を取得する。ここで、現在出力情報は、現時点においてエンジン12が正常な状態にあるときは正常トルクマップM1であり、現時点においてエンジン12に異常が生じているときは制限トルクマップM2である。
【0061】
そして、メイン制御器20は、正常出力情報(正常トルクマップ)と現在出力情報とに基づいて正常な状態にあるエンジン12の出力に対するエンジン12の現在の出力の割合を示す馬力率を算出する。
【0062】
具体的に、現在出力情報が制限トルクマップM2であり、エンジン12の回転数がNである場合、メイン制御器20は、正常トルクマップM1における現在の回転数Nにおける出力トルクα1と制限トルクマップM2の現在の回転数Nにおける出力トルクα2とを用いて次の式(1)の計算を行う。
【0063】
回転数Nのときの馬力率=(α2/α1)×100・・・(1)
そして、メイン制御器20は、式(1)により得られた馬力率が予め設定された馬力率閾値以下であるときに馬力率が小さいほどファン17の回転数が小さくなるようにファン17の回転数を制限する。ここで、『減馬力閾値』は、エンジン12に異常が生じていることを確認するために、エンジン12に異常が生じたときにエンジン制御器19により制限される出力の割合を基準にして予め設定されたものである。具体的に、エンジン制御器19により制限されるエンジン12の出力の割合がエンジン12の異常の程度によって異なる場合、減馬力閾値は、エンジン制御器19により制限される出力の割合が最大のものを基準として設定されている。なお、本実施形態において、『減馬力閾値』は、95%に設定されている。
【0064】
また、本実施形態において、メイン制御器20は、ファン17の目標回転数に対して馬力率を乗じることにより馬力率が小さいほどファン17の回転数が小さくなるようにファン17の回転数を制限する。具体的に、メイン制御器20は、ファン用ポンプ15の傾転を小さくするための指令を出力する(エンジン12が正常なときよりも小さな電気指令値を出力する)。
【0065】
一方、メイン制御器20は、図2に示す水温センサ12a及び作動油温度センサ21aにより検出された冷却水の温度及び作動油の温度がそれぞれについて予め設定された温度閾値を超えるときには、馬力率が馬力率閾値以下であってもファン17の回転数の制限を禁止する。
【0066】
具体的に、作動油温度については、作動油温閾値が設定されている。作動油温閾値は、作動油の温度が作動油温閾値を超えた状態を維持すると油圧機器(ポンプ13、15、ファン用モータ16、及び作動油タンク21)に不具合が生じるおそれのある温度として予め設定された温度(例えば、95℃)である。
【0067】
また、冷却水の温度について、水温閾値が設定されている。水温閾値は、冷却水の温度が水温閾値を超えた状態を維持するとエンジン12の冷却が不足することにより当該エンジン12に不具合が生じるおそれのある温度として予め設定された温度(例えば、100℃)である。
【0068】
以下、図2及び図6を参照して、メイン制御器20により実行される処理について説明する。図6は、メイン制御器20により実行される処理を示すフローチャートである。
【0069】
当該処理が開始されると、まず、作動油温度センサ21aより検出された作動油の温度を取得し(ステップS1)、この作動油の温度と図4のマップとに基づいてオイルクーラ18bに対するファン17の目標回転数を特定する(ステップS2)。
【0070】
次いで、水温センサ12aにより検出された冷却水の温度をエンジン制御器19を介して取得し(ステップS3)、この冷却水の温度と図5のマップとに基づいてラジエータ18aに対するファン17の目標回転数を特定する(ステップS4)。
【0071】
そして、オイルクーラ18bに対するファン17の目標回転数とラジエータ18aに対するファン17の目標回転数との高位選択を行って目標回転数を決定する(ステップS5)。
【0072】
次いで、エンジン制御器19から現時点におけるトルクマップを取得する(ステップS6)。具体的に、現時点においてエンジン12が正常な状態にあるとき、メイン制御器20は、図3の正常トルクマップM1を取得する一方、現時点においてエンジン12に異常が生じているとき、メイン制御器20は、図3の制限トルクマップM2を取得する。
【0073】
ステップS6で取得したトルクマップと、メイン制御器20に予め記憶された正常トルクマップM1とを用いて前記式(1)の計算を行うことにより、馬力率を算出する(ステップS7)。
【0074】
エンジン12が正常な状態にあるとき、式(1)のα1及びα2の値が一致するため馬力率は100%となる一方、エンジン12に異常が生じているとき、式(1)のα2の値がα1の値よりも小さくなるため馬力率は100%未満となる。
【0075】
次いで、馬力率が馬力率閾値よりも大きいか否かが判定される(ステップS8)。馬力率閾値は、エンジン12に異常が生じていることを確認するために、エンジン12に異常が生じたときにエンジン制御器19により制限される出力の割合を基準にして予め設定されている。
【0076】
馬力率が馬力率閾値以下であると判定されると(ステップS8でNO)、作動油温度センサ21aにより検出された作動油の温度が予め設定された作動油温閾値よりも大きいか否かが判定される(ステップS9)。
【0077】
作動油の温度が作動油温閾値以下であると判定されると(ステップS9でNO)、水温センサ12aにより検出された冷却水の温度が予め設定された水温閾値よりも大きいか否かが判定される(ステップS10)。
【0078】
冷却水の温度が水温閾値以下であると判定されると(ステップS10でNO)、ファン17の回転数を制限するために目標回転数の補正が実行される(ステップS11)。具体的に、ステップS11では、ステップS5で決定された目標回転数に対してステップS7で算出された馬力率を乗じることによりファン17の回転数を制限する。
【0079】
ステップS11の後、ステップS12では、電磁比例弁23に対して上記のように補正された目標回転数に対応する指令値を出力する。
【0080】
これにより、エンジン12に異常が生じている状況、つまり、馬力率が馬力率閾値以下となる状況(ステップS8でNOの状況)であって、作動油の温度及び冷却水の温度が油圧ショベル1に異常を生じさせない程度に低い温度である状況(ステップS9及びS10でNOの状況)において、ファン17の回転数を制限することができる。したがって、エンジン12に異常が生じている状況において当該エンジン12にファンを駆動するための過剰の負荷が加えられるのを防止することができる。
【0081】
一方、ステップS8においてNOと判定された場合、つまり、エンジン12が正常な状態にあると判定された場合、ステップS12では、ステップS5で決定された目標回転数に対応する指令が出力される。すなわち、エンジン12が正常な状態にあるため、ファン17の回転数は制限されない。
【0082】
また、ステップS9においてNOと判定された場合、つまり、作動油の温度が油圧機器に異常をきたすおそれのある温度であると判定された場合、ステップS12では、ステップS5で決定された目標回転数に対応する指令が出力される。このように、オイルクーラ18bの冷却をエンジン12の負荷低減に優先して実行することにより油圧機器の保護を図ることができる
さらに、ステップS10においてNOと判定された場合、つまり、冷却水の温度がエンジン12に異常をきたすおそれがある温度であると判定された場合、ステップS12では、ステップS5で決定された目標回転数に対応する指令が出力される。このように、ラジエータ18aの冷却をエンジン12の負荷低減に優先して実行することによりエンジン12の熱からの保護を図ることができる。
【0083】
以上説明したように、馬力率が馬力率閾値以下であるときにエンジン12に異常が生じていることを確認することができる。つまり、『馬力率閾値』は、エンジンに異常が生じたときにエンジン制御器19により制限される出力の割合を基準にして予め設定されたものである。
【0084】
さらに、エンジン12に異常が生じているときに馬力率が小さいほどファン17の回転数が小さくなるようにファン17の回転数が制限されるため、エンジン12の出力の制限が大きいほど当該エンジン12に与える負荷を低減することができる。
【0085】
したがって、エンジン12に異常が発生した状況においてファン17の駆動によりエンジン12に対して過剰な負荷を与えるのを防止することができる。
【0086】
また、第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0087】
エンジン制御器19において馬力率が算出されるのではなく、メイン制御器20において馬力率が算出される。これにより、エンジン制御器19に対して余分な機能を追加せず、ファン17を制御するメイン制御器20に対して馬力率を算出する機能を追加することにより効率よく馬力率を特定することができる。
【0088】
馬力率が馬力率閾値以下の状況であっても被冷却物(作動油及び冷却水)の温度が温度閾値を超えるときにファン17の回転数の制限を禁止することができる。そのため、被冷却物の温度上昇によって新たな不具合が生じるのを防止することができる。
【0089】
目標回転数に対して馬力率を乗じることによりファン17の回転数が制限される。これにより、被冷却物の温度に基づいて設定された目標回転数と馬力率とに基づいて目標回転数を制限することができるため、別途馬力率の大きさと目標回転数の制限率との関係を示す特性を準備すること及び当該特性を記憶する領域を確保することが不要となる。
【0090】
特に、第1実施形態では、複数の温度検出器(水温センサ12a及び作動油温度センサ21a)により検出された温度毎に目標回転数が設定され(ステップS2、S4)、これら目標回転数のうちの最も大きなものが選択される(ステップS5)。これにより、最も高い温度を基準とするファン17による冷却能力を確保しつつエンジン12に対する負荷を軽減することができる。
【0091】
ファン用ポンプ15及びファン用モータ16を用いてファン17が駆動されるため、油圧ショベル1における油圧機器(作動油タンク21等)を利用することができ、油圧ショベル1をコンパクトに構成することができる。
【0092】
<第2実施形態>
第1実施形態では、ファン17が油圧駆動される例について説明したが、ファン17は、エンジン12の動力を用いて駆動するものであれば、その駆動方式は限定されない。
【0093】
例えば、図7に示す第2実施形態に係るハイブリッドショベルでは、エンジン12により発電された電力を用いてファン17が駆動される。以下、図7を参照して第2実施形態に係る駆動系統11の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0094】
具体的に、第2実施形態に係るハイブリッドショベルに設けられた駆動系統11は、エンジン12の出力軸に接続され、エンジン12の動力を用いて発電する発電電動機(発電機)25と、発電電動機25によって発電された電力を用いて作動する電動機26と、発電電動機25から電動機26に供給される電力を制御するインバータ27と、を備えている。
【0095】
発電電動機25は、エンジン12の動力を用いて発電機として作動する機能と、図外の蓄電装置からの電力を用いて電動機として作動する機能と、を有する。発電電動機25が電動機として作動することにより、エンジン12は、発電電動機25の動力によってアシストされる。
【0096】
電動機26は、ファン17に接続された回転軸(符号省略)を有する。
【0097】
インバータ27は、メイン制御器20に電気的に接続されている。また、インバータ27は、メイン制御器20からの指令に応じて発電電動機25から電動機26に供給される電力を調整する。
【0098】
メイン制御器20は、馬力率が馬力率閾値以下であるときに発電電動機25から電動機26へ供給される電力を制限するための指令をインバータ27に出力する。具体的に、メイン制御器20は、図6に示すステップS12において、目標回転数に対応する指令をインバータ27に出力する。
【0099】
第2実施形態によれば、ハイブリッドショベルの既存のハイブリッド機器(発電電動機25等)を利用することができるため、ハイブリッドショベルをコンパクトに構成することができる。
【0100】
また、ファン17の回転数を電気的に制御するためファン17の回転数を油圧制御する場合と比較してファン17の回転数を正確に制御することができる。
【0101】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。
【0102】
メイン制御器20は、正常トルクマップM1を記憶しておくことに限定されない。エンジン制御器19からメイン制御器20に馬力率が提供されてもよい。
【0103】
メイン制御器20が正常トルクマップM1を記憶している場合には、当該メイン制御器20は、マップ同士を比較して馬力率を算出することに限定されない。例えば、現時点におけるエンジン12の回転数及びその回転数におけるエンジン12の出力トルクがエンジン制御器19からメイン制御器20に提供されれば、メイン制御器20は、馬力率を算出することができる。
【0104】
ファン17の回転数の制限方法は、目標回転数に馬力率を乗じることに限定されず、メイン制御器20は、馬力率が小さいほどファン17の回転数が小さくなるように当該ファン17の回転数を制御すればよい。例えば、図6のステップS2において目標回転数に代えてファン用ポンプ15(図1参照)の目標流量を設定する場合、ステップS11においてファン用ポンプ15の目標流量に馬力率を乗じることにより目標流量を補正することができる。そして、メイン制御器20は、ステップS12において補正後の目標流量に相当する指令を電磁比例弁23に出力することにより、馬力率が小さいほどファン17の回転数が小さくなるようにファンの回転数を制限することができる。
【0105】
メイン制御器20は、例えば、被冷却物(作動油及び冷却水等)の温度に基づいてファン17の目標回転数を設定するとともに、馬力率の大きさと目標回転数の制限率との関係を示す特性を予め記憶し、この特性と馬力率とに基づいてエンジン12の出力を制限してもよい。
【0106】
前記実施形態では、別々の被検出物(冷却水及び作動油)の温度を検出する複数の温度検出器(水温センサ12a及び作動油温度センサ21a)を例示したが、複数の温度検出器は、共通の被検出物を検出するものでもよい。
【0107】
建設機械は、ショベルに限定されず、クレーン及び解体機でもよく、油圧式及びハイブリッド式の建設機械に限らず電気式のものでもよい。
【符号の説明】
【0108】
M1 正常トルクマップ(正常出力情報及び現在出力情報の一例)
M2 制限トルクマップ(現在出力情報の一例)
1 油圧ショベル(建設機械の一例)
12 エンジン
12a 水温センサ(温度検出器の一例)
15 ファン用ポンプ
15a レギュレータ
16 ファン用モータ
17 ファン
19 エンジン制御器
20 メイン制御器(ファン制御器)
21a 作動油温度センサ(温度検出器の一例)
25 発電電動機(発電機の一例)
26 電動機
27 インバータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7