(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6597628
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20191021BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20191021BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
H01L27/04 E
H01L27/04 A
H01L21/82 P
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-555058(P2016-555058)
(86)(22)【出願日】2015年9月29日
(86)【国際出願番号】JP2015004938
(87)【国際公開番号】WO2016063458
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2018年8月23日
(31)【優先権主張番号】特願2014-217334(P2014-217334)
(32)【優先日】2014年10月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 徹
(72)【発明者】
【氏名】吉村 昌浩
【審査官】
市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−100891(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0127405(US,A1)
【文献】
特開平03−195045(JP,A)
【文献】
特開2012−234931(JP,A)
【文献】
特表2003−526901(JP,A)
【文献】
特開2004−179184(JP,A)
【文献】
特開2004−046731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/82
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが第1方向に並ぶ複数のI/Oセルを備えた、2列以上のI/Oセル列と、
複数の外部接続パッドと、
前記2列以上のI/Oセル列にそれぞれ含まれた、電源電位を供給するためのI/Oセル、または、接地電位を供給するためのI/Oセルである第1I/Oセルを、互いに接続する電源共有配線とを備え、
前記電源共有配線によって互いに接続された前記第1I/Oセルは、前記第1方向において重なりを有する位置に配置されており、
前記電源共有配線は、前記第1方向と垂直をなす第2方向に延びる配線であり、かつ、前記複数の外部接続パッドのうち、前記第1方向において最も近い位置にある第1パッドに接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記第1I/Oセルは、前記第1方向において、同一サイズであり、かつ、同じ位置に配置されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記2列以上のI/Oセル列のうちの少なくとも1列は、当該半導体集積回路装置の周辺部全体に、環状に、配置されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記電源共有配線は、前記複数の外部接続パッドのうち、前記第1パッドを含む2以上のパッドに接続されている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記電源共有配線は、平面視において、前記第1パッドと重なりを有している
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コア領域とI/O領域とが形成された半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路は、大規模化が進み、入出力信号数が増大している。このため、コア領域の周囲に入出力セル(I/Oセル)を一重に並べて配置すると、I/Oセルによって半導体集積回路の面積が律束され、半導体集積回路が構成される装置、すなわち半導体集積回路装置の面積が増大する場合がある、という問題がある。
【0003】
特許文献1では、I/Oセルを周囲に多重に配置した半導体集積回路の構成が開示されている。この構成によって、I/Oセルによって半導体集積回路の面積が律束されることを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−21987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたようなI/Oセルを多重に配置した構成では、I/Oセル列のそれぞれにおいてリング状の電源配線が設けられており、この電源配線に外部接続パッドから電源が供給される。このため、I/Oセル列のそれぞれについて、十分な電源供給能力およびESD(Electrostatic discharge)保護能力を保証する必要がある。このことは、各I/Oセル列において電源供給用I/Oセルを増やすことによって対処可能であるが、この場合には、半導体集積回路の面積がさらに増加してしまうという問題が起こる。
【0006】
本開示は、半導体集積回路装置について、半導体集積回路の面積の増加を招くことなく、I/Oセルに対する電源供給能力およびESD保護能力を十分に確保可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、半導体集積回路装置は、それぞれが第1方向に並ぶ複数のI/Oセルを備えた、2列以上のI/Oセル列と、複数の外部接続パッドと、前記2列以上のI/Oセル列にそれぞれ含まれた、電源電位を供給するためのI/Oセル、または、接地電位を供給するためのI/Oセルである第1I/Oセルを、互いに接続する電源共有配線とを備え、前記電源共有配線によって互いに接続された前記第1I/Oセルは、前記第1方向において重なりを有する位置に配置されており、 前記電源共有配線は、前記第1方向と垂直をなす第2方向に延びる配線であり、かつ、前記複数の外部接続パッドのうち、前記第1方向において最も近い位置にある第1パッドに接続されている。
【0008】
この態様によると、半導体集積回路装置は、2列以上のI/Oセル列を備えており、各I/Oセル列において、電源電位または接地電位を供給するための第1I/Oセルが、電源共有配線によって互いに接続されている。電源共有配線によって互いに接続された各第1I/Oセルは、I/Oセルが並ぶ第1方向において互いに重なりを有する位置に配置されており、電源共有配線は、第1方向と垂直をなす第2方向に延び、かつ、第1方向において最も近い位置にある第1パッドに接続されている。これにより、I/Oセル列はそれぞれ、他のI/Oセル列から電源供給を受けたり、他のI/Oセル列のESD保護機能を活用したりすることが可能になる。このため、各I/Oセル列について、回路を増やすことなく、電源供給能力やESD保護能力が強化される。また、電源共有配線のために必要となる配線リソースの増加を抑制できるとともに、電源共有配線の配線抵抗を小さく抑えることができる。
【0009】
本開示の他の態様では、半導体集積回路装置は、第1方向に並ぶ複数のI/Oセルを備えた第1および第2I/Oセル列と、前記第1I/Oセル列と前記第2I/Oセル列との間に配置された内部論理回路を備え、当該半導体集積回路装置において、前記第1I/Oセル列は前記内部論理回路よりも内側にあり、前記第2I/Oセル列は前記内部論理回路よりも外側にあり、前記第1および第2I/Oセル列におけるI/Oセルは、前記第1方向と垂直をなす第2方向において分かれた高電源電圧領域と低電源電圧領域とを含み、かつ、前記低電源電圧領域が前記内部論理回路側にあるように配置されており、前記第1I/Oセル列は、信号を入出力するためのI/Oセルであり、前記低電源電圧領域に信号端子を有する第1I/Oセルを少なくとも1つ含み、前記第1I/Oセルが有する前記信号端子は、前記内部論理回路と信号配線によって接続されている。
【0010】
この態様によると、第1I/Oセル列と第2I/Oセル列との間に内部論理回路が配置されており、第1I/Oセル列は内部論理回路よりも内側にあり、第2I/Oセル列は内部論理回路よりも外側にある。第1および第2I/Oセル列におけるI/Oセルは、セルが並ぶ第1方向と垂直をなす第2方向において高電源電圧領域と低電源電圧領域とに分かれており、かつ、低電源電圧領域が内部論理回路側にあるように配置されている。これにより、半導体集積回路装置の内側にある第1I/Oセル列と、内部論理回路とを接続する信号配線の長さを短くすることができる。したがって、信号伝達の高速化や低消費電力化が可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る半導体集積回路装置によると、半導体集積回路の面積の増加を招くことなく、I/Oセル列について電源供給能力およびESD保護能力を十分に確保可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る半導体集積回路装置の全体構成を模式的に示す平面図
【
図2】第1実施形態に係る半導体集積回路装置のI/O領域の構成例を示す図
【
図3】第2実施形態に係る半導体集積回路装置のI/O領域の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は実施形態に係る半導体集積回路装置の全体構成を模式的に示す平面図である。
図1に示す半導体集積回路装置1は、内部コア回路が形成されたコア領域2と、コア領域2の周囲に設けられ、インターフェイス回路(I/O回路)が形成されたI/O領域3とを備えている。I/O領域3には、半導体集積回路装置1の周辺部を環状に囲むように、2列のI/Oセル列10A,10Bが設けられている。
図1では図示を簡略化しているが、I/Oセル列10A,10Bにはそれぞれ、インターフェイス回路を構成する複数のI/Oセル10が並んでいる。また
図1では図示を省略しているが、半導体集積回路装置1には、複数の外部接続パッドが配置されている。
【0015】
図2は本実施形態に係る半導体集積回路装置1のI/O領域3の構成例を示す図であり、
図1の部分Xの拡大図に相当する。なお、
図2では、I/Oセルの内部構成や信号配線等については図示を省略している。
図2において、2列のI/Oセル列10A,10Bは、それぞれ、第1方向に相当する図面横方向(半導体集積回路装置1の外辺に沿う方向)に並ぶ複数のI/Oセル10を備えている。そして、I/Oセル列10A,10Bの上層に、複数の外部接続パッド20が配置されている。なお、本実施形態に係る半導体集積回路装置は2種類の電源電位が与えられるものであり、外部接続パッド20は、第1電源電位(VDD1)が供給されるパッド21a,21bと、第2電源電位(VDD2)が供給されるパッド22と、接地電位(VSS)が供給されるパッド23とを含む。VDD1は例えば3.3V、VDD2は例えば1.8Vである。各外部接続パッド20は、半導体集積回路装置1の外部と接続される。
【0016】
I/Oセル列10Aは、VDD1供給用のI/Oセル11A、VDD2供給用のI/Oセル12A、および、VSS供給用のI/Oセル13Aを含む。同様に、I/Oセル列10Bは、VDD1供給用のI/Oセル11B、VDD2供給用のI/Oセル12B、および、VSS供給用のI/Oセル13Bを含む。これら電源電位や接地電位を供給するためのI/Oセル11A,11B,12A,12B,13A,13Bは、それぞれ、MOSトランジスタやダイオード等で構成されるESD保護回路を有している。その他のI/Oセル10は、主に信号用である。
【0017】
VDD1供給用のI/Oセル11A,11B(
図2で同種のハッチを付している)は、図面横方向において、同一サイズであり、かつ、同じ位置に配置されている。同様に、VDD2供給用のI/Oセル12A,12B(
図2で同種のハッチを付している)は、図面横方向において、同一サイズであり、かつ、同じ位置に配置されている。また、VSS供給用のI/Oセル13A,13B(
図2で同種のハッチを付している)は、図面横方向において、サイズは異なるが、重なりを有する位置に配置されている。
【0018】
そして、
図2の構成は、第1I/OセルとしてのVDD1供給用のI/Oセル11A,11Bを互いに接続する電源共有配線31と、第1I/OセルとしてのVDD2供給用のI/Oセル12A,12Bを互いに接続する電源共有配線32と、第1I/OセルとしてのVSS供給用のI/Oセル13A,13Bを互いに接続する電源共有配線33とを備えている。電源共有配線31,32,33はいずれも、第1方向と垂直をなす第2方向に相当する図面縦方向に延びる配線である。電源共有配線31は、VDD1が供給されるパッド21a,21bと接続されており、さらに図示しない配線、ヴィア等によってI/Oセル11A,11Bと接続されている。第1パッドとしてのパッド21a,21bは、外部接続パッド20のうち、図面横方向において電源共有配線31に最も近いパッドである。
図2では、電源共有配線31は、平面視において、パッド21a,21bと重なりを有している。電源共有配線32は、VDD2が供給されるパッド22と接続されており、さらに図示しない配線、ヴィア等によってI/Oセル12A,12Bと接続されている。パッド22は、外部接続パッド20のうち、図面横方向において電源共有配線32に最も近いパッドである。電源共有配線33は、VSSが供給されるパッド23と接続されており、さらに図示しない配線、ヴィア等によってI/Oセル13A,13Bと接続されている。パッド23は、外部接続パッド20のうち、図面横方向において電源共有配線33に最も近いパッドである。
図2において、各外部接続パッド20と電源共有配線31,32,33は同一配線層に構成されているが、これらは異なる配線層に構成されていてもよい。その場合には、各外部接続パッド20と電源共有配線31,32,33とは、配線、ヴィア等によって接続される。
【0019】
図2の構成によると、2列のI/Oセル列10A,10Bにおいて、VDD1供給用のI/Oセル11A,11Bが電源共有配線31によって互いに接続されており、VDD2供給用のI/Oセル12A,12Bが電源共有配線32によって互いに接続されており、VSS供給用のI/Oセル13A,13Bが電源共有配線33によって互いに接続されている。このため、I/Oセル列10A,10Bはそれぞれ、他方の列から電源供給を受けたり、他方の列のESD保護機能を活用したりすることが可能になる。したがって、各I/Oセル列10A,10BについてI/Oセルを増やすことなく、すなわち、半導体集積回路の面積を増加させることなく、電源供給能力やESD保護能力が強化される。
【0020】
また、VDD1供給用のI/Oセル11A,11B、および、VDD2供給用のI/Oセル12A,12Bは、図面横方向において位置がそろっている。また、VSS供給用のI/Oセル13A,13Bは、図面横方向において重なりを有する位置に配置されている。このため、電源共有配線31,32,33として、図面縦方向に延びる配線を配置できる。さらに、電源共有配線31,32,33はそれぞれ、図面横方向において最も近いパッド21a,21b,22,23に接続されている。これにより、電源共有配線のために必要となる配線リソースの増加を抑制できるとともに、電源共有配線の配線抵抗を小さく抑えることができる。なお、この効果を得るためには、互いに接続されるI/Oセルの位置が図面横方向において一致している必要はなく、図面横方向において重なりを持って並んでいればよい。
【0021】
また、1個のパッド22に2個のVDD2供給用のI/Oセル12A,12Bが接続されており、また、1個のパッド23に2個のVSS供給用のI/Oセル13A,13Bが接続されている。これにより、電源供給用に用いるパッド数を減らすことができる。一方、VDD1供給用のI/Oセル11A,11Bのように、複数のパッド21a,21bに接続されていてもかまわない。接続されるパッド数を増やすことによって、パッケージでのインダクタンスやインピーダンス低減を図ることができる。なお、電源共有配線に接続されるパッドの個数が、この電源共有配線で互いに接続されるI/Oセルの個数より少なければ、パッド数削減の効果が得られる。
【0022】
また、VDD1供給用のI/Oセル11A,11Bを接続する電源共有配線31のように、平面視において、パッド21a,21bと重なりを有していてもかまわない。これにより、配線リソースの増加をさらに抑えることができる。
【0023】
また、
図2の構成では、2種類の電源電位VDD1,VDD2と接地電位VSSとが供給される半導体集積回路装置において、VDD1,VDD2,VSSそれぞれに関して本実施形態の構成を適用するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、電源電位VDD1のみに本実施形態の構成を適用してもよい。あるいは、1種類の電源電位と1種類の接地電位とが供給される半導体集積回路装置において、電源電位および接地電位の一方または両方に本実施形態の構成を適用してもよい。
【0024】
また、
図2の構成では、2列のI/Oセル列10A,10Bが配置されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、3列以上のI/Oセル列について、本実施形態の構成を適用してもよいし、3列以上のI/Oセル列において、全列ではなく、2列以上の一部のI/Oセル列に本実施形態の構成を適用してもかまわない。
【0025】
また、I/Oセル列10A,10Bは、半導体集積回路装置1の周辺部を環状に囲むように設けられているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、半導体集積回路装置1の周辺部の一部に設けられていてもよい。また、本実施形態の構成は、I/Oセル列10A,10Bの全体にわたって適用されている必要はなく、その一部の範囲において適用されていればよい。
【0026】
(第2実施形態)
図3は第2実施形態に係る半導体集積回路装置のI/O領域3の構成例を示す図であり、
図1の部分Xの拡大図に相当する。なお、
図3では、I/Oセルの内部構成や、実施形態のポイントとなるもの以外の信号配線や信号端子等については図示を省略している。
図3において、
図1の2列のI/Oセル列10A,10Bに代えて、2列のI/Oセル列15A,15Bが設けられている。I/Oセル列15A,15Bは、それぞれ、第1方向に相当する図面横方向に並ぶ複数のI/Oセル15を備えている。そして、I/Oセル列15AとI/Oセル列15Bとの間に、内部論理回路40が配置されている。この内部論理回路40は、コア領域2に含まれるべき内部論理回路の一部が、I/Oセル列15A,15B間の領域に配置されたものである。
図3の半導体集積回路装置において、第1I/Oセル列としてのI/Oセル列15Bは、内部論理回路40よりも内側にあり、第2I/Oセル列としてのI/Oセル列15Aは、内部論理回路40よりも外側にある。なお、半導体集積回路装置には外部接続パッドが配置されているが、
図3では図示を省略している。
【0027】
I/Oセル列15Aは、電源電位(VDD)供給用のI/Oセル16Aおよび接地電位(VSS)供給用のI/Oセル17Aを含み、I/Oセル列15Bは、VDD供給用のI/Oセル16BおよびVSS供給用のI/Oセル17Bを含む。これら電源電位や接地電位を供給するためのI/Oセル16A,16B,17A,17Bは、それぞれ、MOSトランジスタやダイオード等で構成されるESD保護回路を有している。その他のI/Oセル15は主に信号用であり、例えば、I/Oセル列15Aは信号用I/Oセル18aを含み、I/Oセル列15Bは信号用I/Oセル18b,18cを含む。信号用I/Oセル18a,18b,18cはそれぞれ、信号端子41a,41b,41cを有しており、信号端子41a,41b,41cはそれぞれ、信号配線43,44,45によって内部論理回路40と接続されている。
【0028】
VDD供給用のI/Oセル16A,16B(
図3で同種のハッチを付している)は、図面横方向において、同一サイズであり、かつ、同じ位置に配置されている。同様に、VSS供給用のI/Oセル17A,17B(
図3で同種のハッチを付している)は、図面横方向において、同一サイズであり、かつ、同じ位置に配置されている。そして、
図3の構成は、VDD供給用のI/Oセル16A,16Bを互いに接続する電源供給配線35と、VSS供給用のI/Oセル17A,17Bを互いに接続する電源供給配線36とを備えている。電源供給配線35,36はいずれも、第1方向と垂直をなす第2方向に相当する図面縦方向に延びる配線であり、さらに図示しない配線、ヴィア等によって、対応するI/Oセルと接続されている。
【0029】
図3の構成はさらに次のような特徴を有している。I/Oセルは一般に、ESD回路や半導体集積回路装置外部へ信号を出力するための出力バッファ等を含む高電源電圧領域と、半導体集積回路装置内部へ信号を入出力するための回路部等を含む低電源電圧領域とを有している。そして、
図3の各I/Oセルは、図面縦方向において、高電源電圧領域(
図3において「H」と示す部分)と、低電源電圧領域(
図3において「L」と示す部分)とに分かれている。信号用I/Oセル18a,18b,18cの内部論理回路40への信号端子41a,41b,41cは、低電源電圧領域に設けられている。ここで、通常は、主として外部との入出力に用いられる高電源電圧領域は半導体集積回路装置外側に、主として内部コア領域との入出力に用いられる低電源電圧領域は半導体集積回路装置内側になるように、I/Oセルが配置される。これに対して
図3の構成では、I/Oセル列15Bは、高電源電圧領域が半導体集積回路装置内側に、低電源電圧領域が半導体集積回路装置外側になるように配置されている。すなわち、I/Oセル列15A,15Bはいずれも、低電源電圧領域が内部論理回路40側にあるように配置されている。
【0030】
図3の構成によると、2列のI/Oセル列15A,15Bにおいて、VDD供給用のI/Oセル16A,16Bが電源共有配線35によって互いに接続されており、VSS供給用のI/Oセル17A,17Bが電源共有配線36によって互いに接続されている。このため、I/Oセル列15A,15Bはそれぞれ、他方の列から電源供給を受けたり、他方の列のESD保護機能を活用したりすることが可能になる。したがって、各I/Oセル列15A,15BについてI/Oセルを増やすことなく、すなわち、半導体集積回路の面積を増加させることなく、電源供給能力やESD保護能力が強化される。
【0031】
また、VDD供給用のI/Oセル16A,16B、および、VSS供給用のI/Oセル17A,17Bは、図面横方向において位置がそろっている。このため、電源共有配線35,36として図面縦方向に延びる配線を配置できる。これにより、電源共有配線のために必要となる配線リソースの増加を抑制できるとともに、配線抵抗を小さく抑えることができる。なお、この効果を得るためには、互いに接続されるI/Oセルの位置が図面横方向において一致している必要はなく、図面横方向において重なりを持って並んでいればよい。
【0032】
さらに、I/Oセル列15A,15Bは、各I/Oセル15の低電源電圧領域が内部論理回路40側にあるように配置されている。これにより、半導体集積回路装置の内側にあるI/Oセル列15Bにおける第1I/Oセルとしての信号用I/Oセル18b,18cと、内部論理回路40とを接続する信号配線44,45の長さを短くすることができる。したがって、信号伝達の高速化や低消費電力化が可能になる。また、I/Oセル列15Aに関しても、第2I/Oセルとしての信号用I/Oセル18aと内部論理回路40とを接続する信号配線43の長さを短くすることができる。
【0033】
なお、本実施形態の構成において、I/Oセル列15Bと内部論理回路40とを接続する信号配線は、少なくとも1本あればよい。また、I/Oセル列15Aと内部論理回路40とを接続する信号配線は、なくてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本開示によると、半導体集積回路装置について、半導体集積回路の面積の増加を招くことなく、I/Oセル列について電源供給能力およびESD保護能力を十分に確保可能なので、例えば、入出力信号数が多い大規模LSIの小型化に有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 半導体集積回路装置
10 I/Oセル
10A,10B I/Oセル列
11A,11B VDD1供給用I/Oセル(第1I/Oセル)
12A,12B VDD2供給用I/Oセル(第1I/Oセル)
13A,13B VSS供給用I/Oセル(第1I/Oセル)
15 I/Oセル
15A I/Oセル列(第2I/Oセル列)
15B I/Oセル列(第1I/Oセル列)
16A,16B VDD供給用I/Oセル
17A,17B VSS供給用I/Oセル
18a 信号用I/Oセル(第2I/Oセル)
18b,18c 信号用I/Oセル(第1I/Oセル)
20 外部接続パッド
21a,21b VDD1供給用パッド(第1パッド)
22 VDD2供給用パッド(第1パッド)
23 VSS供給用パッド(第1パッド)
31,32,33,35,36 電源共有配線
40 内部論理回路
41a,41b,41c 信号端子
43,44,45 信号配線