(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開閉部材は、前記当接部に前記押圧力が付与された場合に、前記第1分力を受けて前記下方向へ変位して前記シール部材を圧縮させつつ、前記第2分力を受けて前記開方向へ移動する請求項2に記載のトナー受入装置。
前記弾性部材は、一方端が前記開閉部材における前記開位置側の係止部に取り付けられ、他方端が前記係止部よりも下方であって前記閉位置側に定められた固定部に取り付けられた引張コイルバネである請求項1から3のいずれかに記載のトナー受入装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下の説明では、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が平坦な設置面に置かれた状態(
図1に示す状態)を基準として上下方向6を定義する。また、
図1の紙面に対して左側を画像形成装置10の正面側(前面側)として前後方向7を定義する。また、
図1の画像形成装置10を正面から見て左右方向8(
図1の紙面に垂直な方向)を定義する。したがって、
図1の紙面に対して手前側が右側であり奥側が左側である。
【0012】
[画像形成装置10]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた画像形成装置である。
図1に示すように、画像形成装置10は、所謂タンデムタイプのカラープリンターである。この画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート状の印刷用紙に画像を印刷する。なお、画像形成装置10は、カラー画像を形成するものに限られず、単一色の画像を形成するものであってもよい。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置10は、主として、4つの画像形成部21と、中間転写ユニット22と、給紙装置25と、定着装置26と、二次転写装置27と、露光装置24と、4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)と、を備える。これらの構成要素は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレーム(不図示)などを構成する筐体としての装置本体28に取り付けられている。なお、トナーコンテナ50は、画像形成装置10におけるトナー容器の一例である。
【0014】
4つの画像形成部21は、装置本体28の内部において、中間転写ユニット22の下方に配置されている。各画像形成部21は、前後方向7に沿って並設されている。各画像形成部21は、感光体ドラム11にトナー像を形成し、中間転写ユニット22が備える転写ベルト23にトナー像を順次重ね合わせて転写する。転写ベルト23は、矢印19の方向へ移動しており、その移動中の転写ベルト23にトナー像が順次転写される。
図1に示す例では、装置本体28の内部において転写ベルト23の移動方向(矢印19方向)の下流側(
図1の右側)から順に、ブラック色、イエロー色、シアン色、マゼンタ色に対応する画像形成部21が一列に配置されている。
【0015】
画像形成部21は、所謂電子写真方式に基づいて印刷用紙に画像を形成する画像形成処理を実行する。画像形成部21は、感光体ドラム11、帯電装置(不図示)、現像装置12、一次転写装置13等を備えている。現像装置12は、感光体ドラム11にトナー像を現像する。詳細には、現像装置12は、感光体ドラム11上の静電潜像にトナーを付着させて、前記静電潜像をトナーによって現像して可視像としてのトナー像を感光体ドラム11の表面に形成する。
【0016】
中間転写ユニット22は、画像形成部21の上方に配置されている。中間転写ユニット22の前後方向7の両端に駆動プーリー31及び従動プーリー32が設けられている。転写ベルト23は、駆動プーリー31及び従動プーリー32それぞれに掛け渡すように支持されている。これにより、ベルト面が水平な状態で前後方向7に延在している。また、転写ベルト23が駆動プーリー31及び従動プーリー32に支持されることにより、転写ベルト23は、矢印19の方向へ回動可能となる。転写ベルト23は、例えばゴムやウレタン等の素材からなる無端環状のベルトである。
【0017】
駆動プーリー31及び従動プーリー32によって支持されることにより、転写ベルト23は、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら移動(走行)可能となる。そして、転写ベルト23は、その表面が感光体ドラム11と一次転写装置13との間を通過する際に、感光体ドラム11からトナー像が順に重ね合わせて転写される。これにより、カラーのトナー像が転写ベルト23の表面に形成される。
【0018】
二次転写装置27は、装置本体28の後方側に配置されている。二次転写装置27は、転写ベルト23に転写された複数色からなるトナー像を給紙装置25の給紙トレイから搬送されてきた印刷用紙に転写する。これにより、印刷用紙上にカラーのトナー像が形成される。トナー像が転写された印刷用紙は、定着装置26に搬送される。定着装置26は、印刷用紙に転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙に定着させる。定着装置26による定着後、印刷用紙は、装置本体28の上部に設けられた排紙トレイ29に排出される。
【0019】
4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)は、中間転写ユニット22の上方に配置されている。4つのトナーコンテナ50は、装置本体28の内部において、転写ベルト23に沿って前後方向7に沿って一列に並んで設けられている。トナーコンテナ50は、トナー搬送部30(トナー受入装置の一例)を介して、対応する色の現像装置12にトナーを供給するように構成されている。
【0020】
図2に示すように、装置本体28の内部には、複数のトナーコンテナ50を装着するためのコンテナ装着部34(装着部の一例)が設けられている。具体的には、コンテナ装着部34は、中間転写ユニット22の上部に設けられている。コンテナ装着部34は、中間転写ユニット22の上部に一体に形成されている。
【0021】
装置本体28の上部にトップカバー33が設けられている。トップカバー33は、装置本体28に設けられた支軸33A(
図1参照)を中心に開閉可能に支持されている。支軸33Aは、4つのトナーコンテナ50よりも後方位置に設けられている。トップカバー33が上方(開方向)へ回動されると、コンテナ装着部34が露出される。コンテナ装着部34は、各トナーコンテナ50を収納可能な複数の収容部を有している。各収容部にトナーコンテナ50が収納されるように装着される。なお、コンテナ装着部34は中間転写ユニット22の上部に一体に形成されたものに限られず、中間転写ユニット22とは別部材として装置本体28に取り付けられたものであってもよい。
【0022】
各トナーコンテナ50には、画像形成部21の各色に対応する色のトナーが収容されている。具体的には、各トナーコンテナ50(50A〜50D)それぞれには、ブラック色、イエロー色、シアン色、マゼンタ色のトナーが個別に収容されている。
図2及び
図3に示すように、4つのトナーコンテナ50のうち、最も後方に位置するトナーコンテナ50Aは他のトナーコンテナ50B〜50Dよりも大容量タイプのものであり、このトナーコンテナ50Aにブラック色のトナーが収容されている。また、トナーコンテナ50B〜50Dはいずれも同じ形状であり同じ容量のものである。トナーコンテナ50Bにイエロー色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Cにシアン色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Dにマゼンタ色のトナーが収容されている。
【0023】
[トナーコンテナ50の構成]
以下、トナーコンテナ50の構成について説明する。ここで、大容量タイプのトナーコンテナ50Aと他のトナーコンテナ50B〜50Dとは、トナー収容部のサイズが異なる以外は同じ構成である。また、トナーコンテナ50B〜50Dは配置位置が異なる以外は同じ構成である。そのため、以下の説明では、トナーコンテナ50A〜50Dをトナーコンテナ50として説明する。
【0024】
トナーコンテナ50は、現像装置12に供給されるトナーを収容するものである。
図3及び
図4に示すように、トナーコンテナ50は、筐体51と、トナー排出口52(
図6参照)と、回転シャッター61(
図6参照)と、操作レバー67と、を備えている。筐体51は、画像形成装置10のコンテナ装着部34に着脱可能に装着される。
図6に示すように、トナー排出口52は筐体51に形成されている。トナー排出口52は、筐体51の底面の右端部に形成されている。また、
図4に示すように、操作レバー67は、ユーザーによって操作可能なように筐体51に設けられている。
【0025】
筐体51は、樹脂材料からなり、
図3に示すように、左右方向8に長い箱状に形成されている。つまり、筐体51の長手方向が、
図1に示す画像形成装置10の左右方向8に一致する。なお、
図3では、中間転写ユニット22が装置本体28に装着された状態で、上下方向6、前後方向7、及び左右方向8が定義されている。筐体51の内部には、トナーを撹拌する撹拌パドル(不図示)や、内部に収容されたトナーをトナー排出口52(
図6参照)に搬送するスパイラル軸(不図示)などが設けられている。
【0026】
図6に示すように、トナー排出口52は、筐体51の底部の側壁を下方へ貫通するように形成されている。具体的には、
図6に示すように、筐体51の右端部には、右方に突出して延びる略円筒状の突出部55Aが形成されている。そして、トナー排出口52は、突出部55Aの周壁を下方に貫通するように形成されている。回転シャッター61は、突出部55Aの内部に回動可能に設けられている。トナー排出口52は、突出部55Aの内部に設けられた回転シャッター61によって開閉される。回転シャッター61は、トナーコンテナ50がコンテナ装着部34に定められた装着位置に装着されると、ユーザーによる操作レバー67の手動操作によって、トナー排出口52を閉塞する位置からトナー排出口52を開放する位置まで回転される。これにより、トナー排出口52からトナーが外部へ排出可能となる。
【0027】
以下、トナー排出口52が開放される回転シャッター61の位置(
図6に示す位置)を第1開位置と称する。また、トナー排出口52が閉塞される回転シャッター61の位置を第1閉位置と称する。
【0028】
トナーコンテナ50がコンテナ装着部34に装着されると、トナー排出口52は後述のトナー受入口38(
図5参照)に対向する位置に配置されるとともに、トナー受入口38に密着する。このような位置関係となるように、コンテナ装着部34におけるトナーコンテナ50の装着位置が定められている。操作レバー67は、トナーコンテナ50がコンテナ装着部34に装着された状態で、トナー排出口52を開閉するために用いられる。操作レバー67は、
図4に示すように、筐体51の右端部に設けられている。
図6に示すように、操作レバー67は、筐体51に回転可能に支持された軸部66に垂直であり、上方へ向けて延出されている。
【0029】
本実施形態では、操作レバー67は、前方へ傾倒した第1姿勢(
図8(C)に示す姿勢)と、操作レバー67が後方へ傾倒した第2姿勢(
図6及び
図8(D)に示す姿勢)との間で変位可能である。ここで、前記第1姿勢は、回転シャッター61の前記第1閉位置に対応する姿勢である。具体的には、回転シャッター61を前記第1閉位置に維持させる場合に、操作レバー67が操作されて前記第1姿勢に配置される。一方、前記第2姿勢は、回転シャッター61の前記第1開位置に対応する姿勢である。具体的には、回転シャッター61を回転させて前記第1開位置まで変位させる場合に、操作レバー67が操作されて前記第2姿勢に配置される。
【0030】
操作レバー67と回転シャッター61との間には、ギヤなどの駆動伝達機構(不図示)が設けられている。このため、操作レバー67が前記第1姿勢から前記第2姿勢まで操作されると、回転シャッター61が前記第1閉位置から前記第1開位置まで回動する。これにより、トナー排出口52が開けられる。また、操作レバー67が前記第2姿勢から前記第1姿勢まで操作されると、回転シャッター61が前記第1開位置から前記第1閉位置まで回動する。これにより、トナー排出口52が閉じられる。
【0031】
図4に示すように、筐体51の右端部には、カバー72が取り付けられている。カバー72は、操作レバー67の基端側の部分などを覆うように取り付けられている。カバー72の上面には円弧形状のスリット72Aが形成されており、このスリット72Aから操作レバー67が上方へ突出している。
【0032】
なお、本実施形態では、前記駆動伝達機構がトナーコンテナ50の右端部に取り付けられた例について説明するが、操作レバー67の操作時に伝達される駆動力が装置本体28に設けられた駆動伝達機構を介して回転シャッター61に伝達する構成を適用してもよい。
【0033】
[中間転写ユニット22の構成]
以下、中間転写ユニット22の構成について説明する。
図6は、操作レバー67が取り付けられた位置を通る前後方向7の切断面(
図3の切断面VI−VI)で中間転写ユニット22を切断した断面図である。
図6では、中間転写ユニット22に加えて、トナーコンテナ50及び現像装置12が図示されている。
【0034】
図3に示すように、中間転写ユニット22は、筐体としてのユニット本体80を有する。ユニット本体80は、前後方向7及び左右方向8に長く、上下方向6のサイズが前後方向7及び左右方向8に比べて短い直方体形状に形成されている。ユニット本体80の前後方向7の両端部に駆動プーリー31及び従動プーリー32が回転可能に支持されており、これらに転写ベルト23が支持されている。ユニット本体80は、上面を構成する上面部80A(
図3参照)と、下面を構成する下面部80B(
図6参照)と、を有する。コンテナ装着部34は、ユニット本体80の上部、つまり、上面部80Aに設けられている。
【0035】
図6に示すように、中間転写ユニット22の右端部には、トナー搬送部30が一体に設けられている。具体的には、ユニット本体80の右端部が転写ベルト23よりも右方へ突出しており、この突出部分がトナー搬送部30である。トナー搬送部30は、本発明のトナー受入装置の一例である。トナー搬送部30の内部には、トナーを搬送するためのトナー搬送路36が形成されている。トナー搬送路36は、ユニット本体80の内部に形成されている。トナー搬送路36は、トナーコンテナ50から供給されたトナーを現像装置12へ搬送するための通路である。本実施形態では、トナー搬送路36は、後述のトナー受入口38から後述のトナー供給部39の開口39Aに至る部分に形成されている。トナー搬送路36は、ユニット本体80において前後方向7へ延びている。トナー搬送路36は、4つのトナーコンテナ50それぞれに対応して4つの通路に区分されており、各色のトナーがトナー搬送路36内で混在しないように仕切り部材37によって仕切り分けられている。
【0036】
トナー搬送路36の内部には、トナー搬送路36におけるトナーを搬送するためのスパイラル軸36Aが設けられている。スパイラル軸36Aは、スパイラル状の羽根が回転軸に設けられたものである。駆動力を受けてスパイラル軸36Aが回転することにより、トナー搬送路36に沿ってトナーを搬送する。本実施形態では、スパイラル軸36Aは、トナーコンテナ50から後述するトナー受入口38を通じて供給されたトナーを後述するトナー供給部39に搬送する。トナー供給部39に搬送されたトナーは、下方へ落下して、その下端の開口39Aからトナー補給口12Aを経て現像装置12に入る。
【0037】
図5及び
図6に示すように、トナー搬送部30は、各トナーコンテナ50から供給されるトナーを受ける複数のトナー受入口38を有する。複数のトナー受入口38は、上面部80Aの右端部に設けられている。上面部80Aには、その上面から上方へ突出する前後方向7に長い矩形状の台部81(
図5参照)が形成されている。台部81の前方側の内部に凹陥部が形成されている。台部81の外周には4つの側壁82が設けられている。本実施形態では、台部81の前記凹陥部の底面にトナー受入口38が形成されている。トナー受入口38は、4つのトナーコンテナ50に対応して、4つのトナー受入口38が設けられている。各トナー受入口38は、上面部80Aにおいて前後方向7に沿う直線上に配置されている。各トナー受入口38は矩形状に形成されており、上面部80Aを下方へ貫通してトナー搬送路36に連通している。また、各トナー受入口38は、対応するトナーコンテナ50がコンテナ装着部34に装着された状態(以下、コンテナ装着状態ともいう。)で、トナーコンテナ50に形成されたトナー排出口52に連通可能な位置に設けられている。つまり、前記コンテナ装着状態で、トナー排出口52の下方にトナー受入口38が設けられている。なお、トナー排出口52及びトナー受入口38の周辺のトナー漏れを防止するために、トナー受入口38は、前記コンテナ装着状態においてトナー排出口52と密着するように構成されている。
【0038】
トナー搬送部30は、複数のトナー供給部39を有する。複数のトナー供給部39は、下面部80Bの右端部に設けられている。4つのトナーコンテナ50に対応して、4つのトナー供給部39が設けられている。各トナー供給部39は、下面部80Bにおいて前後方向7に沿う直線上に配置されている。各トナー供給部39は、上下方向6に延びる管状に形成されており、その上端の開口がトナー搬送路36に連通している。トナー供給部39の下端の開口39Aは、トナーを現像装置12に供給するためのトナー供給口である。この開口39Aは、現像装置12が有するトナー補給口12Aに連通している。このため、トナー搬送路36は、トナー受入口38から供給されたトナーを開口39Aに搬送可能である。
【0039】
図5に示すように、トナー受入口38の周縁には、弾性を有するシール部材38Aが設けられている。シール部材38Aは、例えば、スポンジや不織布などの弾性部材で構成されており、シート状に形成されている。シール部材38Aの中心には、トナー受入口38に対応した矩形状の開口が形成されている。シール部材38Aは、後述するスライドシャッター35がトナー受入口38を閉塞する閉位置(以下、第2閉位置と称する。)に配置されたときに、スライドシャッター35によって下方へ押圧されて、圧縮される。
【0040】
トナー搬送部30は、トナー受入口38を開閉するためのスライドシャッター35(開閉部材の一例)を有する。スライドシャッター35は、トナー受入口38を閉塞する前記第2閉位置(
図7(A)に示す位置)と、トナー受入口38を開放する開位置(
図7(B)に示す位置。以下、第2開位置と称する。)との間で移動して、トナー受入口38を開閉可能に構成されている。スライドシャッター35は、上面部80A上を前後方向7へスライド可能なように、後述するスライド支持機構60(支持機構の一例、
図9及び
図10参照)によって支持されている。スライドシャッター35は、前記第2開位置から前記第2閉位置にスライド移動する際に、シール部材38Aに接触して圧縮させつつ、トナー受入口38を閉塞する。
【0041】
スライドシャッター35には、上面部80Aの台部81の上面に面接触して配置される板状のベース部35Aと、ベース部35Aの上面から前方斜め上方へ突出する断面扇形の当接部35Bと、ベース部35Aの前方部35A1の左右方向8の両端から下方へ延びるガイド部35Cとを有する。ガイド部35Cは、台部81(
図8参照)の左右方向8の両側壁82を外側から覆うように配置されている。ベース部35Aの後方部35A2の中央部には、前後方向7に延びる開口42(
図7(A)参照)が形成されている。
【0042】
図7(A)に示すように、スライドシャッター35には、引張コイルバネ43(弾性部材の一例)が取り付けられている。引張コイルバネ43は、スライドシャッター35が前記第2開位置から前記第2閉位置へ向かう閉方向の弾性付勢力F1をスライドシャッター35に付与する。スライドシャッター35の後方側(第2開位置側)の後端部44には、後端部44の下面から下方へ突出した突出片44A(係止部の一例)が形成されている。突出片44Aに引張コイルバネ43の一方端が取り付けられている。また、突出片44Aよりも水平に前方側(第2閉位置側)へ隔てられた固定片44B(固定部の一例)に引張コイルバネ43の他方端が取り付けられている。固定片44Bは、スライドシャッター35に設けられておらず、上面部80Aの内部側で、上面部80Aと一体に形成されている。このように引張コイルバネ43がスライドシャッター35に取り付けられているため、スライドシャッター35に引張コイルバネ43による前記弾性付勢力F1以外の外力が加えられていないときは、スライドシャッター35は、引張コイルバネ43の弾性付勢力F1によって前記第2閉位置に配置された状態を維持する。一方、引張コイルバネ43の前記弾性付勢力F1を超える力が後方へ向けてスライドシャッター35に付与されると、スライドシャッター35は、前記弾性付勢力F1に抗して前記第2閉位置から前記第2開位置へスライドし、前記第2開位置に配置される(
図7(B)参照)。
【0043】
当接部35Bは、トナーコンテナ50がコンテナ装着部34の装着位置に装着される装着動作中に、トナーコンテナ50の底部が当接する部分である。具体的には、
図8に示されるように、スライドシャッター35が前記第2閉位置にある状態でトナーコンテナ50がコンテナ装着部34に挿入されると、その挿入過程において、トナーコンテナ50の底部の後方側に位置する突出部55Aが当接部35Bへ向かって進入する(
図8(A)参照)。その後、トナーコンテナ50が更に進入すると、突出部55Aが当接部35Bの湾曲部に当接する(
図8(B)参照)そして、更にトナーコンテナ50が挿入されると前記装着位置に到達する(
図8(C)参照)。このとき、トナーコンテナ50が当接部35Bの湾曲部に当接してから前記装着位置に到達するまでの間、突出部55Aは、当接部35Bに、後方へ向かう開方向の押圧力を付与する。この押圧力を受けて、スライドシャッター35が前記第2閉位置から前記第2開位置へスライド移動し、トナー受入口38が開放される。その後、操作レバー67が前記第1姿勢から前記第2姿勢まで操作されると、トナー排出口52が開放される(
図8(D)参照)。これにより、トナー排出口52からトナー受入口38にトナーを排出可能となる。
【0044】
ところで、トナー受入口38のシール性を高めるために、トナー受入口38の周縁に、弾性を有するスポンジなどのシール部材38Aが設けられている場合、トナー受入口38を閉じる前記第2閉位置にスライドシャッター35が配置されると、シール部材38Aはスライドシャッター35とトナー受入口38の周縁とによって挟まれつつ圧縮される。これにより、トナー受入口38のシール性が良好となる。しかしながら、トナー搬送部30の内部のトナー搬送路36には、トナーが収容されているため、トナー受入口38からトナー搬送路36に至る空間には浮遊トナーが存在している。このため、トナーコンテナ50がコンテナ装着部34に装着されておらず、スライドシャッター35が前記第2閉位置に配置されている状態が続くと、前記浮遊トナーがシール部材38A及びトナー受入口38の内面38B(
図7(B)参照)に付着する。この場合、トナーコンテナ50がコンテナ装着部34に装着される過程でトナーコンテナ50が当接部35Bに当接してスライドシャッター35が前記第2閉位置から前記第2開位置に移動されると、当接部35Bへの当接時の衝撃によって、内面38Bに付着していたトナーが剥がれて、トナーコンテナ50の装着が完了する前にトナー受入口から外部に飛散するおそれがある。このため、本実施形態では、後述するスライド支持機構60がトナー搬送部30に設けられている。このスライド支持機構60が設けられているため、トナーコンテナ50の装着にともないスライドシャッター35が開けられたときに、内面38Bに付着していたトナーがトナー受入口38から外部に飛散することを防止できる。
【0045】
以下、
図9乃至
図11を参照して、スライド支持機構60について説明する。
【0046】
図9は、
図3において、スライドシャッター35の右端部を通る鉛直切断面IX−IXの断面を示す拡大図であり、
図10は、
図9の断面図においてスライドシャッター35の周辺を示す部分拡大図である。
図9及び
図10には、トナー受入口38、シール部材38A、ガイド部35Cは他の部材で隠れているため示されていない。
【0047】
図9及び
図10に示されるように、スライド支持機構60は、上面部80Aに設けられたガイドレール62と、スライドシャッター35に設けられたガイド片64,65とによって構成されている。ガイドレール62は、上面部80Aに形成された台部81の左右方向8の両側壁82(
図5参照)それぞれに形成されている。ガイドレール62は、スライドシャッター35の移動方向(開閉方向の一例)、つまり、前後方向7へ延びている。ガイド片64,65は、スライドシャッター35のガイド部35Cの内側面に一体に形成されている。ガイド片64,65は、ガイド部35Cの内側面に垂直に立設した矩形状の突起である。ガイド部35Cの内側面の上側には、前後方向7に所定間隔を隔てられた3つの上側ガイド片64が設けられている。ガイド部35Cの内側面の下側には、前後方向7に所定間隔を隔てられた2つの下側ガイド片65が設けられている。上側ガイド片64及び下側ガイド片65は、上下方向6に隔てられており、互いに対をなしている。つまり、上側ガイド片64及び下側ガイド片65は、上下方向6に隔てられた一対のガイド片である。ガイド片64,65の間に、ガイドレール62が挿通される。これにより、スライド支持機構60は、スライドシャッター35を前記第2閉位置と前記第2開位置との間で前後方向7へ移動可能に支持することができる。
【0048】
図10に示すように、ガイドレール62は、前方側の第1レール部62Aと、後方側の第2レール部62Bと、を有する。第1レール部62Aは、スライドシャッター35が前記第2閉位置に位置するときにガイド片64,65の間に挿通される部分である。また、第2レール部62Bは、スライドシャッター35が前記第2開位置に位置するときにガイド片64,65の間に挿通される部分である。
【0049】
スライドシャッター35が円滑にスライド移動可能なように、スライド支持機構60によってスライドシャッター35が支持されたときに、ガイドレール62とガイド片64,65との間に、上下方向6の遊びが設けられている。本実施形態では、スライドシャッター35が前記第2閉位置に配置されたときの前記遊び(以下、閉側遊びと称する。)が、スライドシャッター35が前記第2開位置に配置されたときの前記遊び(以下、開側遊びと称する。)よりも大きくなるように、第1レール部62Aは第2レール部62Bよりも薄く形成されている。
【0050】
また、ガイドレール62には、傾斜部62Cが形成されている。傾斜部62Cは、ガイドレール62の上下面それぞれに形成された傾斜面によって実現されている。傾斜部62Cは、第1レール部62Aと第2レール部62Bとの間に形成されている。傾斜部62Cは、スライドシャッター35が前記第2閉位置から前記第2開位置へスライドする際に、厚みが薄い第1レール部62Aから厚みが厚い第2レール部62Bにガイド片64,65を円滑に案内する。これにより、スライドシャッター35がスムーズに移動可能となる。
【0051】
このようにスライド支持機構60が構成されているため、スライドシャッター35が前記第2閉位置にある状態では、圧縮されたシール部材38Aが復元しようとする力F10(
図10参照)を受ける。この力F10を受けることによって、
図10に示されるように、スライドシャッター35は、前記閉側遊び分だけ上方へ持ち上げられる。一方、トナーコンテナ50がコンテナ装着部34の装着位置に装着される装着動作中に突出部55Aが当接部35Bに当接して、当接部35Bに押圧力F20が付与される。この場合、押圧力F20は、突出部55Aが当接部35Bに当接してから前記装着位置に装着される間、トナー受入口38に向かう下方向の第1分力F21と、前記第2開位置に向かう開方向の第2分力F22とに分かれてスライドシャッター35に作用する。このとき、前記第1分力F21は、シール部材38Aを圧縮させるように作用する(
図11(A)参照)。また、前記第2分力F22は、スライドシャッター35を前記第2閉位置から前記第2開位置へ向けてスライドさせるように作用する(
図11(B)参照)。これにより、スライドシャッター35は、前記第1分力F21を受けて下方向へ前記閉側遊び分だけ変位してシール部材38Aを圧縮させ、その後、前記第2分力F22を受けて前記開方向へ移動する。前記第1分力F21を受けてシール部材38Aが圧縮されると、内面38Bに付着していたトナーが内面38Bから剥がされるが、前記閉側遊び分だけ変位した直後にトナー受入口38は開いていないため、剥がされたトナーがトナー受入口38から外部へ飛散することなく、下方へ落ちる。このように、本実施形態に係るスライド支持機構60であれば、トナーコンテナ50の装着にともないスライドシャッター35が開けられたときに、内面38Bに付着していたトナーがトナー受入口38から外部に飛散することを防止できる。
【0052】
また、上述したように、第2レール部62Bは、第1レール部62Aよりも厚く形成されているため、前記開側遊びは前記閉側遊びに比べて小さい。そのため、スライドシャッター35が前記第2開位置に到達すると、ガイド片64,65と第2レール部62Bとによって、スライドシャッター35はがたつくことなく支持される。このため、遊びによるがたつきに起因してスライドシャッター35が外れたり、前後方向7に対して傾斜して動かなくなることが防止できる。
【0053】
[他の実施形態]
なお、上述の実施形態では、スライド支持機構60が
図10に示すガイドレール62を有する例について説明した。しかしながら、スライド支持機構60は、上述のガイドレール62とは異なる形状の後述のガイドレール621(
図12(A)参照)、或いはガイドレール622(
図12(B)参照)を有するものであってもよい。このようなガイドレール621,622を有するスライド支持機構60であっても、トナーコンテナ50の装着にともないスライドシャッター35が開けられたときに、内面38Bに付着していたトナーがトナー受入口38から外部に飛散することを防止できる。以下、ガイドレール621,622について説明する。ここで、上述の実施形態と共通する部分については、上述の実施形態の説明で使用した符号と同じ符号を付し示すことにより、共通する部分の説明を省略する。
【0054】
図12(A)に示すように、ガイドレール621は、第1レール部621Aと、第2レール部62Bと、傾斜部62Cとを有する。第1レール部621Aは、上述した第1レール部62Aと同様に、スライドシャッター35が前記第2閉位置に位置するときにガイド片64,65の間に挿通される部分である。ガイドレール621とガイド片64,65との間に、上下方向6の遊びが設けられている。具体的には、スライドシャッター35が前記第2閉位置に配置されたときの前記閉側遊びが、スライドシャッター35が前記第2開位置に配置されたときの前記開側遊びよりも大きくなるように、第1レール部621Aは第2レール部62Bよりも薄く形成されている。より詳細には、第1レール部621Aは、傾斜部62Cから前記第2閉位置へ向けて先細り形状に形成されている。
【0055】
また、
図12(B)に示すように、ガイドレール622は、第1レール部622Aと、第2レール部62Bと、傾斜部622Cとを有する。第1レール部622Aは、スライドシャッター35が前記第2閉位置に位置するときにガイド片64,65の間に挿通される部分である。スライドシャッター35が前記第2閉位置に配置されたときの前記閉側遊びが、スライドシャッター35が前記第2開位置に配置されたときの前記開側遊びよりも大きくなるように、第1レール部622Aは第2レール部62Bよりも薄く形成されている。より詳細には、第1レール部622Aの上面は第2レール部62Bの上面と連続した水平な平坦面であり、第1レール部622Aの下面は第2レール部62Bの下面よりも上側に位置する水平な平坦面である。傾斜部622Cは、ガイドレール62の下面に形成された傾斜面である。
【0056】
また、上述の実施形態では、前後方向7だけに弾性付勢力を生じさせる引張コイルバネ43がスライドシャッター35に取り付けられた構成を例示した。しかしながら、上述の引張コイルバネ43に代えて、
図13(A)、(B)に示す引張コイルバネ431(弾性部材の一例)がスライドシャッター35に取り付けられた構成であってもよい。
【0057】
トナー受入口38のシール性を高めるために、トナー受入口の周縁部にシール部材38Aが設けられた構成においては、前記第2開位置から前記第2閉位置にスライドシャッター35が弾性付勢力を受けて移動する際に、スライドシャッター35の前方端の下部がシール部材38Aに接触して、接触時の衝撃又は振動によって、シール部材38Aに付着していたトナーがまき散らされる。このまき散らされたトナーは、閉まりきっていないトナー受入口38から外部に飛散するおそれがある。このような飛散は、引張コイルバネ431を設けることによって、防止することができる。
【0058】
図13(A)に示すように、スライドシャッター35には、引張コイルバネ431が取り付けられている。引張コイルバネ431は、スライドシャッター35が前記第2開位置から前記第2閉位置へ向かう閉方向の付勢力をスライドシャッター35に付与する。スライドシャッター35の後方側の後端部44には、後端部44の上面から上方へ突出した突出片441(係止部の一例)が形成されている。突出片441の上端部に引張コイルバネ431の一方端が取り付けられている。また、突出片441よりも下方であって、突出片441よりも水平に前方側(第2閉位置側)へ隔てられた固定片44Bに引張コイルバネ431の他方端が取り付けられている。この固定片44Bは、スライドシャッター35が前記第2閉位置に配置された状態で、スライドシャッター35の前後方向7の中心部の下方に定められており、より好ましくは、スライドシャッター35において前後方向7の重量バランスが均等となる重心の鉛直下方に定められている。これにより、引張コイルバネ431は、
図13(A)に示すように、前方斜め下方へ傾斜した姿勢となる。本実施形態では、引張コイルバネ431の傾斜度は、スライドシャッター35が前記第2閉位置又は前記第2開位置のいずれに配置されているかによって多少変動するが、スライドシャッター35がいずれの位置に配置されていても、引張コイルバネ431の水平に対する傾斜角が、10度以上30°未満の範囲内に収まるように取り付け位置や自然長などが定められている。
【0059】
このように引張コイルバネ431が取り付けられているため、前記押圧力F20を受けていない状態では、
図13(A)に示すように、スライドシャッター35に対して、突出片441から固定片44Bへ向かう傾斜方向、つまり、前記閉方向へ向かって斜め下方の弾性付勢力F30をスライドシャッター35に付与する。この弾性付勢力F30は、下方へ向かう第3分力F31と、前記閉方向(前方向)へ向かう第4分力F32とに分かれてスライドシャッター35に作用する。前記第3分力F31は、スライドシャッター35を下方へ付勢し、前記第4分力F32はスライドシャッター35を前記閉方向へ付勢する。
【0060】
したがって、スライドシャッター35に引張コイルバネ431による前記弾性付勢力F30以外の外力が加えられていないときは、スライドシャッター35は、引張コイルバネ43の前記第4分力F32によって前記第2閉位置に配置された状態を維持する。また、スライドシャッター35が前記第2閉位置に配置された状態では、シール部材38Aがスライドシャッター35によって下方へ押圧されて圧縮されているため、トナー受入口38のシール性が保たれている。
【0061】
上述したように、引張コイルバネ431の一方端が突出片441の先端に取り付けられ、他方端が突出片441よりも前方斜め下方に位置する固定片44Bに取り付けられた構成においては、前記第4分力F32は、固定片44Bを中心としてスライドシャッター35を
図13(A)における反時計回転方向に回転させる回転力として作用する場合がある。しかし、本実施形態では、スライドシャッター35の位置にかかわらず、前記回転力よりも前記第3分力F31が常に大きくなるように、引張コイルバネ431の傾斜角、バネ係数、取り付け位置、自然長などが定められている。このため、スライドシャッター35の位置に関係無く、スライドシャッター35には、スライドシャッター35の後端に作用している前記第3分力F31によって、
図13(A)の矢印D11(時計回転方向)にスライドシャッター35を回転させる力が常に作用している。なお、前記回転力は、回転中心となる固定片44Bが
図13(A)に示す位置よりも前方側に配置されていると小さくなり、スライドシャッター35よりも前側に配置されていれば生じない。したがって、上記回転力を生じさせず、且つ、弱いバネ力でも前記矢印D11の力を生じさせるために、固定片44Bは、スライドシャッター35が前記第2閉位置にある状態で、スライドシャッター35の前端の下方に設けられていることが好ましい。この場合、引張コイルバネ431の傾斜角を変動させないように、突出片441も前方側に設けることが好ましい。
【0062】
トナーコンテナ50がコンテナ装着部34の装着位置に装着される装着動作中に当接部35Bに前記押圧力F20が付与されると、突出部55Aが当接部35Bに当接してから前記装着位置に装着される間、前記押圧力F20の下方への前記第1分力F21がスライドシャッター35に作用する。これにより、スライドシャッター35は、前記第1分力F21を受けて下方向へ前記閉側遊び分だけ変位してシール部材38Aを圧縮させて高いシール性を維持しつつ、その後、前記第2分力F22を受けて前記開方向へ移動する。このとき、引張コイルバネ431は更に伸張される(
図13(B)参照)。そして、上述したように、前記第1分力F21を受けてシール部材38Aが圧縮されると、内面38Bに付着していたトナーが内面38Bから剥がされるが、前記閉側遊び分だけ変位した直後にトナー受入口38は開いていないため、剥がされたトナーがトナー受入口38から外部へ飛散することなく、下方へ落ちる。
【0063】
スライドシャッター35が前記第2開位置に配置された状態では、
図14(A)に示すように、スライドシャッター35には、伸張された引張コイルバネ431によって、前記第2閉位置に配置されたときよりも大きな前記弾性付勢力F30が付与される。また、前記第4分力F32の大きさは、前記第2閉位置に配置されたときよりも大きくなる。一方、このときの前記第3分力F31の大きさは変わらない。
【0064】
トナーコンテナ50が取り外されると、スライドシャッター35に前記押圧力F20が付与されなくなる。このとき、
図14(A)に示すように、スライドシャッター35に対する前記第1分力F21も付与されなくなり、下方への力は前記第3分力F31だけとなる。上述したように、引張コイルバネ431の一方端が突出片441の先端に取り付けられ、他方端が前方斜め下方に位置する固定片44Bに取り付けられることによって、前記第3分力F31は、固定片44Bを中心として、スライドシャッター35を
図14(A)の矢印D11(時計回転方向)に回転させる力として作用する。このため、前記第3分力F31によってスライドシャッター35の前方端が上方へ持ち上げられる。なお、ガイドレール62がガイド片64,65の間に挿通されているため、前記第3分力F31を受けたとしても、スライドシャッター35の前方端は、第2レール部62Bとガイド片64,65との間の前記開側遊びの分だけ持ち上げられることになる。そして、前方端が持ち上げられた状態で、前記第4分力F32を受けることにより、スライドシャッター35は、前記第2開位置から前記第2閉位置まで一気に閉じられることになる。
【0065】
このようにスライドシャッター35が動作して、トナー受入口38が閉じられるため、シール部材38Aは、スライドシャッター35の下面によって斜めに押さえられながら圧縮される。このため、スライドシャッター35の前方端がシール部材38Aに接触する力が弱められるため、前記閉方向への移動時にシール部材38Aに前記前方端が接触したときの衝撃や振動が抑制される。その結果、シール部材38Aに付着していたトナーがまき散らされなくなり、トナー受入口38から外部へトナーが飛散することが軽減する。また、スライドシャッター35が前記第2閉位置に到達すると、シール部材38Aの周縁にスライドシャッター35が密着し、トナー受入口38のシール性を高めつつトナー受入口38を閉じることができる。
【0066】
なお、引張コイルバネ431が設けられた構成においては、スライド支持機構60のガイドレール62は、第1レール部62Aが設けられていなくても良い。例えば、ガイドレール62は、前後方向7に延びる上下方向6の厚さが一定のレール部材であってもよい。つまり、ガイドレール62は、スライドシャッター35が前記第2閉位置と前記第2開位置との間をスライド移動するように支持可能な形状のものであればよい。このような構成であっても、トナーコンテナ50が取り外されると、前方端が持ち上げられた状態で前記第4分力F32を受けることにより、スライドシャッター35は、前記第2開位置から前記第2閉位置まで一気に閉じられることになる。その結果、前記閉方向への移動時に、シール部材38Aに付着していたトナーがまき散らされなくなり、トナー受入口38から外部へトナーが飛散することが軽減する。
【0067】
また、引張コイルバネ431が、スライドシャッター35の下方に設けられた固定片44Bと、スライドシャッター35の後端部44の上面に設けられた突出片441とによって取り付けられた構成を例示したが、引張コイルバネ431の取り付けはこの例に限られない。例えば、トナー受入口38よりも前方に設けられた固定部(不図示)と、当接部35Bの上部に設けられた係止部(不図示)とに取り付けられたものであってもよい。なお、この場合、スライドシャッター35の移動を妨げないように、前記固定部及ぶ係止部は、スライドシャッター35の移動範囲から左右方向8の外側へ離間した位置に設けられることが好ましい。また、この場合は、引張コイルバネ431が、スライドシャッター35の左右方向8の両端部それぞれの外側に1つずつ設けられることが好ましい。