特許第6597660号(P6597660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6597660
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】カードコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/73 20110101AFI20191021BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   H01R12/73
   G06K7/00 021
   G06K7/00 052
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-18196(P2017-18196)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2018-125226(P2018-125226A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2018年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【弁理士】
【氏名又は名称】多原 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153349
【弁理士】
【氏名又は名称】武山 茂
(72)【発明者】
【氏名】江尻 孝一郎
(72)【発明者】
【氏名】米山 一暢
(72)【発明者】
【氏名】近藤 晴彦
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−124262(JP,U)
【文献】 特開平10−083434(JP,A)
【文献】 特開2000−029580(JP,A)
【文献】 特開2014−107045(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0075719(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0255252(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0233924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/73
H01R 31/06
G06K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード型の記憶媒体を着脱自在に収容するトレイと、
前記トレイをスライド自在に収納する本体部と、
前記本体部に設けられ、前記本体部に前記トレイが収納された際に前記トレイに収容された前記記憶媒体の端子に接続する導電性を有する第1のコンタクトと、
を有し、
前記トレイは、
導電性を有する第2のコンタクトを有し、
前記本体部は、
導電性を有する第3のコンタクトを有し、
前記第2のコンタクトは、
前記トレイの前面に露出して相手側コネクタの導電部と接続する第1の端子部と、前記トレイが前記本体部に収納された際に前記第3のコンタクトに接続する第2の端子部と、を備える、
ことを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
前記第2のコンタクトは、
接続した前記相手側コネクタの導電部を介して電源に接続する、
ことを特徴とする請求項1記載のカードコネクタ。
【請求項3】
前記第2のコンタクトは、
接続した前記相手側コネクタの導電部を介して信号を伝送する、
ことを特徴とする請求項1記載のカードコネクタ。
【請求項4】
前記第1の端子部は、
前記前面に沿って平坦であると共に前記相手側コネクタの導電部に押し当てられて接続する平坦面を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のカードコネクタ。
【請求項5】
前記第2のコンタクトは、
前記トレイが前記本体部に収容された際に前記トレイの前記本体部と対向する対向面に露出して前記第3のコンタクトに押し当てられて接続する平坦面を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のカードコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型の記憶媒体と接続するカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音量ボタン、ジャック、内蔵の二次電池を充電するために外部電源に接続される電源端子、及び外部記憶媒体が挿入されて接続されるカードコネクタを備えた携帯電話等の携帯端末が知られている(例えば、特許文献1)。かかる電源端子及びカードコネクタ等は、一般に、ユーザにより接続又は挿入等の操作がなされるため、携帯端末の筐体外面に露出して設けられている。
【0003】
上記構成の携帯端末では、筐体外面にジャック及び電源端子等の端子を露出させるための孔が多数設けられているために、全体の小型化又は薄型化に伴って強度の低下を招くと共に、筐体のデザインに制約を受けることとなる。従って、従来の携帯端末に対しては、筐体の強度及び筐体のデザインの自由度を向上させる要求が高まっている。また、従来の携帯端末では、電源端子等の端子が劣化した際には、筐体を分解して劣化した端子を交換している。従って、従来の携帯端末に対しては、腐食等により劣化した部品を容易に交換可能にする要求も高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−214605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のカードコネクタにおいては、記憶媒体に接続する機能のみを有しているため、携帯端末に対する種々の要求に対して十分に貢献していないという課題を有する。
【0006】
本発明の目的は、複数のコネクタ機能を備えることにより多機能化することができると共に、コンタクトを容易に交換することができるカードコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカードコネクタは、カード型の記憶媒体を着脱自在に収容するトレイと、前記トレイをスライド自在に収納する本体部と、前記本体部に設けられ、前記本体部に前記トレイが収納された際に前記トレイに収容された前記記憶媒体の端子に接続する導電性を有する第1のコンタクトと、を有し、前記トレイは、導電性を有する第2のコンタクトを有し、前記本体部は、導電性を有する第3のコンタクトを有し、前記第2のコンタクトは、前記トレイの前面に露出して相手側コネクタの導電部と接続する第1の端子部と、前記トレイが前記本体部に収納された際に前記第3のコンタクトに接続する第2の端子部と、を備える。
【0008】
記憶媒体を収容したトレイを本体部に収納することにより、トレイに収容された記憶媒体の端子を第1のコンタクトに接続するコネクタ機能と、相手側コネクタの導電部と第3のコンタクトとを第2のコンタクトにより接続するコネクタ機能と、を備え、トレイを交換することにより第2のコンタクトを交換可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のコネクタ機能を備えることにより多機能化することができると共に、コンタクトを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係るカードコネクタの分解斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るカードコネクタの平面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るカードコネクタに大型記憶媒体を挿入した状態の一部の構成を省略した断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るカードコネクタに小型記憶媒体を挿入した状態の一部の構成を省略した断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る大型記憶媒体の底面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る小型記憶媒体の底面図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係るカードコネクタの平面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係るカードコネクタに大型記憶媒体を挿入した状態の一部の構成を省略した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態に係るカードコネクタにつき、詳細に説明する。図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、y軸の正方向を前方向、y軸の負方向を後ろ方向、x軸方向を左右方向、z軸の正方向を上方向、及びz軸の負方向を下方向として説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
<カードコネクタの構成>
本発明の第1の実施形態に係るカードコネクタ1の構成につき、図1から図6を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0013】
カードコネクタ1は、携帯端末等の機器に取り付けられ、ケース10と、トレイ20と、カバー30と、コンタクト40と、コンタクト50と、コンタクト60と、コンタクト70と、を有している。ケース10とカバー30とは、トレイ20をスライド自在に収納する本体部を構成している。
【0014】
ケース10は、絶縁性を有する材料により形成されており、トレイ20をスライド自在に収納する。ケース10は、前方開口部11と、後方開口部12と、トレイ収納部13と、後壁14と、側壁15と、底壁16と、係合突起17と、ガイド部18と、を備えている。
【0015】
前方開口部11は、底壁16の前方側に設けられている。前方開口部11は、底壁16を上下に貫通する貫通孔である。前方開口部11は、大型記憶媒体200の端子201と同一数及び同一配置となるように設けられている。本実施形態では、前方開口部11を左右方向に2列及び前後方向に4列設けている。
【0016】
後方開口部12は、底壁16の後方側であって前方開口部11の後方に設けられている。後方開口部12は、底壁16を上下に貫通する貫通孔である。
【0017】
トレイ収納部13は、後壁14及び左右の側壁15により周囲が囲まれることにより形成されている。
【0018】
後壁14には、前面に凹設された凹部141が左右に一対設けられている。
【0019】
側壁15は、底壁16の左右方向の両端に立設されており、ケース10の前端から後壁14まで前後方向に沿って延設されている。
【0020】
底壁16は、トレイ収納部13の下方を塞いでいる。
【0021】
係合突起17は、左右の側壁15の外壁面から外部側方に突出して設けられている。
【0022】
ガイド部18は、左右の側壁15の内壁面からトレイ収納部13に各々突出して設けられている。ガイド部18の上面は、前後方向に沿って平坦になっている。左右のガイド部18の間隔は、トレイ20の左右方向の幅よりも小さい。
【0023】
トレイ20は、絶縁性を有する材料により形成されており、カード型の記憶媒体である図5に示す大型記憶媒体100又は図6に示す小型記憶媒体200を着脱自在に収容する。トレイ20は、ケース10のトレイ収納部13に対して後方にスライドして収納され、トレイ収納部13から前方にスライドして取り出される。トレイ20は、接続部21と、挿入部22と、を備えている。
【0024】
接続部21は、トレイ20がトレイ収納部13に収納された際に、トレイ収納部13に収納されずにケース10から前方に突出する。接続部21の前面は、カードコネクタ1が取り付けられる機器の筐体の外部表面に露出する。接続部21には、接続部21の前面に露出する磁石211が設けられている。磁石211は、相手側コネクタ300に設けられている磁石302の極性と逆極性になっている。
【0025】
挿入部22は、接続部21の後方に接続部21と一体に設けられている。挿入部22は、記憶媒体挿入凹部221と、記憶媒体挿入凹部222と、露出孔223と、係合凹部224と、を備えている。
【0026】
記憶媒体挿入凹部221は、端子101及び端子102を下方に向けて挿入される大型記憶媒体100と互いに相補形状になっている。記憶媒体挿入凹部221の一部は、記憶媒体挿入凹部222の一部を構成している。
【0027】
記憶媒体挿入凹部222は、端子201を下方に向けて挿入される小型記憶媒体200と互いに相補形状になっている。記憶媒体挿入凹部222の一部は、記憶媒体挿入凹部221の一部を構成している。
【0028】
露出孔223は、記憶媒体挿入凹部221及び記憶媒体挿入凹部222に設けられていると共に、挿入部22の板厚方向(上下方向)に貫通する貫通孔であり、記憶媒体挿入凹部221に収容された大型記憶媒体100の端子101及び端子102、又は記憶媒体挿入凹部222に収容された小型記憶媒体200の端子201を下方に露出させる。
【0029】
カバー30は、前方から見てコ字状となるように金属板材を折り曲げ加工して形成されており、コンタクト40、コンタクト50及びコンタクト70と絶縁された状態でケース10に取り付けられている。カバー30は、窓孔31と、ロック部32と、係合凹部33と、を備えている。
【0030】
窓孔31は、ロック部32を形成するために金属板材を板厚方向に打ち抜くことにより形成された貫通孔であり、前後方向に沿って延設されていると共に左右に一対設けられている。
【0031】
ロック部32は、金属板材を打ち抜いて下方に折り曲げ加工して形成され、後方に延設されていると共に、窓孔31から外部に露出している。ロック部32には、前後方向の中央において内方に突出してトレイ収納部13に位置するロック凸部322が形成されている。
【0032】
係合凹部33は、カバー30の左右方向の両端の折り曲げられた部分に形成されていると共に、カバー30の板厚方向に貫通する貫通孔である。係合凹部33は、係合突起17に係合してケース10にカバー30を固定する。
【0033】
コンタクト40は、導電性を有する材料により形成されており、ケース10と一体成型等することによりケース10に複数設けられている。コンタクト40は、接続部41と、端子部42と、を備えている。
【0034】
接続部41は、後方開口部12から上方に突出すると共に上下方向に弾性変形して可動可能であり、トレイ20がトレイ収納部13に収納された際に、露出孔223より露出する大型記憶媒体100の端子101及び端子102に圧接する。
【0035】
端子部42は、後壁14から後方に突出しており、カードコネクタ1が実装される図示しない基板の導電部に接続する。
【0036】
コンタクト50は、導電性を有する材料により形成されており、ケース10と一体成型等することによりケース10に複数設けられている。コンタクト50は、接続部51と、端子部52と、を備えている。
【0037】
接続部51は、前方開口部11の各々から上方に突出すると共に上下方向に弾性変形して可動可能であり、露出孔223より露出する小型記憶媒体200の端子201に圧接する。
【0038】
端子部52は、後壁14から後方に突出しており、カードコネクタ1が実装される図示しない基板の導電部に接続する。
【0039】
コンタクト60は、導電性を有する材料により形成されており、トレイ20と一体成型又はトレイ20に印刷等することによりトレイ20に一対設けられている。コンタクト60は、端子部61と、端子部62と、接続部63と、を備えている。
【0040】
端子部61は、トレイ20の接続部21の前面に露出している。端子部61は、前面に沿って平坦であると共に相手側コネクタ300の導電部301に押し当てられて接続する平坦面61aを備えている。ここで、端子部61は、前方から視認可能な状態で接続部21の前面に露出していれば、必ずしも接続部21の前端面に露出していなくてもよい。例えば、接続部21の前面が凹凸を有する形状の場合には、端子部61は前面の凸部に露出していてもよいし前面の凹部に露出していてもよい。また、接続部21の前面の上下方向の両端または、いずれか一方が後方に向かって傾斜する傾斜面である場合には、端子部61はこの傾斜面に露出していてもよい。
【0041】
端子部62は、トレイ20をトレイ収納部13に収納した際にケース10と対向する対向面である挿入部22の後端面23に露出している。端子部62は、挿入部22の後端面23に沿って平坦であると共に、トレイ20がトレイ収納部13に収納された際に、コンタクト70の接続部71に押し当てられて接続する平坦面62aを備えている。
【0042】
接続部63は、トレイ20の露出孔223の左右側方に設けられると共に、端子部61と端子部62とを接続している。接続部63は、図3に示すように、トレイ20の底面に露出している。なお、接続部63は、トレイ20の底面に露出する構成に限らず、トレイ20の側面若しくは上面に露出する構成、又はトレイ20の外面に露出しないようにトレイ20に設けられる構成であってもよい。
【0043】
コンタクト70は、導電性を有する材料により形成されており、ケース10と一体成型等することによりケース10の後壁14に一対設けられている。コンタクト70は、凹部141から前方に突出してトレイ収納部13に位置する接続部71と、後壁14から後方に突出してカードコネクタ1が実装される図示しない基板の導電部に接続する端子部72と、を備えている。
【0044】
<カードコネクタの動作>
本発明の第1の実施形態に係るカードコネクタ1の動作につき、以下に詳細に説明する。
【0045】
最初に、カードコネクタ1に大型記憶媒体100を挿入及び接続する際のカードコネクタ1の動作について説明する。
【0046】
まず、ケース10のトレイ収納部13からトレイ20を前方に引き出して、トレイ20の記憶媒体挿入凹部221を外部に露出させる。
【0047】
次に、記憶媒体挿入凹部221に大型記憶媒体100を上方から挿入して装着する。この際、記憶媒体挿入凹部221は大型記憶媒体100の形状と相補形状となるように形成されているため、記憶媒体挿入凹部221に大型記憶媒体100をガタツキなく確実に装着することができる。
【0048】
次に、トレイ20を後方に押圧して移動させることにより、ケース10のトレイ収納部13にトレイ20を収納する。
【0049】
トレイ20は、後方に移動することによりカバー30のロック部32のロック凸部322を左右外方に押圧してロック部32を左右外方に弾性変形させる。そして、トレイ20の係合凹部224は、ロック凸部322の位置に到達した際にロック凸部322に係合する。これにより、トレイ20は、トレイ収納部13から前方への移動が規制されてトレイ収納部13に収納された状態を維持する。
【0050】
また、記憶媒体挿入凹部221に装着された大型記憶媒体100は、トレイ20の後方への移動に伴ってコンタクト40の接続部41を下方に押圧して接続部41を下方に弾性変形させる。そして、記憶媒体挿入凹部221に装着された大型記憶媒体100の端子101及び端子102は、トレイ20の後方への移動に伴って接続部41の位置に到達した際に接続部41に圧接する。なお、この際、大型記憶媒体100は、カバー30により上方への移動を規制される。
【0051】
更に、コンタクト60の接続部62は、トレイ20の後方への移動に伴ってコンタクト70の接続部71に押し当てられると共に接続部71を後方に弾性変形させる。そして、係合凹部224とロック凸部322とが係合した際に、接続部62は所定の押圧力で接続部71に圧接する。
【0052】
コンタクト60の端子部61に平坦面61aを設けると共に端子部62に平坦面62aを設けることにより、トレイ20をトレイ収納部13に収納する過程において、端子部61及び端子部62がケース10又はカバー30に引っ掛かる等により破損又は変形することを防ぐことができる。
【0053】
この状態において、大型記憶媒体100に記憶されている情報は、端子101、端子102、コンタクト40及びカードコネクタ1が実装されている基板の導電部を介してこの基板を収容している携帯端末に内蔵されているCPU等の制御装置に伝送される。または、制御装置から出力される情報は、カードコネクタ1が実装されている基板の導電部、コンタクト40及び端子101、102を介して大型記憶媒体100に書き込まれる。
【0054】
カードコネクタ1から大型記憶媒体100を取り出す際には、ロック部32の弾性力に抗してトレイ20を前方に引っ張ることによりロック凸部322と係合凹部224との係合が解除されて、トレイ20がトレイ収納部13から前方に取り出される。
【0055】
また、記憶媒体挿入凹部221に装着された大型記憶媒体100の端子101及び端子102は、トレイ20の前方への移動に伴って接続部41との接続が解除される。そして、記憶媒体挿入凹部221に装着された大型記憶媒体100は、トレイ20の前方への移動に伴ってコンタクト40の接続部41に対する押圧を解除する。これにより、接続部41は、コンタクト40の弾性復帰力により上方に復帰する。
【0056】
更に、コンタクト60の接続部62は、トレイ20の前方への移動に伴って接続部71に対する押圧を解除する。これにより、接続部71は、コンタクト70の弾性復帰力により前方に復帰する。
【0057】
そして、記憶媒体挿入凹部221が外部に露出するまでトレイ20を前方に引き出すことにより、記憶媒体挿入凹部221に収容されている大型記憶媒体100を取り出すことが可能になる。
【0058】
次に、カードコネクタ1に小型記憶媒体200を挿入及び接続する際のカードコネクタ1の動作について説明する。
【0059】
まず、ケース10のトレイ収納部13からトレイ20を前方に引き出して、トレイ20の記憶媒体挿入凹部222を外部に露出させる。
【0060】
次に、記憶媒体挿入凹部222に小型記憶媒体200を上方から挿入して装着する。この際、記憶媒体挿入凹部222は小型記憶媒体200の形状と相補形状となるように形成されているため、記憶媒体挿入凹部222に小型記憶媒体200をガタツキなく確実に装着することができる。
【0061】
次に、トレイ20を後方に押圧して移動させることによりケース10のトレイ収納部13に収納する。
【0062】
トレイ20は、後方に移動することによりカバー30のロック部32のロック凸部322を左右外方に押圧してロック部32を左右外方に弾性変形させる。そして、トレイ20の係合凹部224は、ロック凸部322の位置に到達した際にロック凸部322に係合する。これにより、トレイ20は、トレイ収納部13から前方への移動が規制されてトレイ収納部13に収納された状態を維持する。
【0063】
また、記憶媒体挿入凹部222に装着された小型記憶媒体200は、トレイ20の後方への移動に伴ってコンタクト50の接続部51を下方に押圧して接続部51を下方に弾性変形させる。そして、記憶媒体挿入凹部222に装着された小型記憶媒体200の端子201は、トレイ20の後方への移動に伴って接続部51の位置に到達した際に接続部51に圧接する。なお、この際、小型記憶媒体200は、カバー30により上方への移動を規制される。
【0064】
更に、コンタクト60の接続部62は、トレイ20の後方への移動に伴ってコンタクト70の接続部71に押し当てられると共に接続部71を後方に弾性変形させる。そして、係合凹部224とロック凸部322とが係合した際に、接続部62は所定の押圧力で接続部71に当接する。
【0065】
この状態において、小型記憶媒体200に記憶されている情報は、端子201、コンタクト50、カードコネクタ1が実装されている基板の導電部及びこの基板を収容している携帯端末に内蔵されているCPU等の制御装置に伝送される。または、制御装置から出力される情報は、カードコネクタ1が実装されている基板の導電部、コンタクト50及び端子201を介して小型記憶媒体200に書き込まれる。
【0066】
カードコネクタ1から小型記憶媒体200を取り出す際には、ロック部32の弾性力に抗してトレイ20を前方に引っ張ることにより、ロック凸部322と係合凹部224との係合が解除されてトレイ20がトレイ収納部13から前方に取り出される。
【0067】
また、記憶媒体挿入凹部222に装着された小型記憶媒体200は、トレイ20の前方への移動に伴ってコンタクト50の接続部51に対する押圧を解除し、接続部51は自身の弾性復帰力により上方に復帰する。そして、記憶媒体挿入凹部222に装着された小型記憶媒体200の端子201は、トレイ20の前方への移動に伴って接続部51との接続が解除される。
【0068】
更に、コンタクト60の接続部62は、トレイ20の前方への移動に伴って接続部71に対する押圧を解除する。これにより、接続部71は、コンタクト70の弾性復帰力により前方に復帰する。
【0069】
そして、記憶媒体挿入凹部222が外部に露出するまでトレイ20を前方に引き出すことにより、記憶媒体挿入凹部222に収容されている小型記憶媒体200を取り出すことが可能になる。
【0070】
ここで、大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を収容したトレイ20がトレイ収納部13に収納されている状態において、トレイ20の接続部21に対して、図示しない電源に接続されている相手側コネクタ300を前方から近づけることにより、接続部21の磁石211と相手側コネクタ300の磁石302とが磁力により接続し、これに伴ってコンタクト60の接続部61に相手側コネクタ300の導電部301が押し当てられて接続部61と導電部301とが接続する。なお、導電部301は、図示を省略するが後方に向けて所定の付勢力で付勢されていると共に前方に移動可能であり、接続部61に押し当てられた際に前方に移動して所定の押圧力で接続部61に接続する。
【0071】
トレイ20と相手側コネクタ300とを磁力により接続するため、トレイ20と相手側コネクタ300とを容易に接続することができると共に、トレイ20と相手側コネクタ200とを嵌合するための凹凸を接続部21の前面に設けることを不要にすることができる。また、相手側コネクタ300の導電部301に押し当てられて接続する平坦面61aを設けることにより、カードコネクタ1を取り付ける携帯端末の筐体の外部表面に露出する接続部61を、凹凸の無い形状にすることができる。
【0072】
この状態において、一対のコンタクト60の一方が一対の導電部301の一方を介して外部電源の+極に接続し、一対のコンタクト60の他方が一対の導電部301の他方を介して外部電源の−極に接続する。そして、外部電源から、相手側コネクタ300の導電部301、コンタクト60、コンタクト70及びカードコネクタ1が実装されている基板の導電部を介して、携帯端末に内蔵されている二次電池に電力が供給される。これにより、大型記憶媒体100の端子101及び端子102、又は小型記憶媒体200の端子201をカードコネクタ1に挿入及び接続する際に、並行して外部電源と携帯端末の二次電池とを接続することができる。
【0073】
接続部61と導電部301との接続を解除する場合には、磁石302と磁石211との互いに引き合う磁力に抗して相手側コネクタ300を前方に引っ張ることにより、導電部301と接続部61との接続が解除される。これにより、外部電源から携帯端末に内蔵されている二次電池に対する電力の供給が停止する。
【0074】
コンタクト60が腐食等して劣化した場合には、トレイ20を交換することにより新たなコンタクト60に交換することができ、専門知識を有さないユーザ自身によりコンタクト60を容易に交換することができる。また、電源端子を外部に露出させるために携帯端末の筐体に形成する孔を、カードコネクタ1を携帯端末に設けるために携帯端末の筐体に形成する孔と共用することができる。更に、電源端子であるコンタクト60をカードコネクタ1に集約することができるため、基板の占有面積を削減することができると共に、カードコネクタ1を自動実装する基板に対するコンタクト40及びコンタクト50の半田付け作業と並行して、カードコネクタ1を自動実装する基板に対するコンタクト70の半田付け作業を行うことができ、容易に製造することができると共に製造コストの上昇を抑制することができる。
【0075】
このように、本実施形態によれば、トレイ20にコンタクト60を設けると共にケース10にコンタクト70を設け、コンタクト60は、トレイ20の前面に露出して相手側コネクタ300の導電部301と接続する端子部61と、トレイ20が本体部に収容された際にコンタクト70に接続する端子部62と、を備えることにより、複数のコネクタ機能を備えるため、取り付け対象機器の筐体の強度及びデザイン性を向上させることができると共に、容易に交換することができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、コンタクト40、コンタクト50及びコンタクト70をケース10との一体成型等によりケース10に一括で設けることができるため、容易に製造することができると共に製造コストの上昇を抑制することができる。
【0077】
なお、本実施形態において、トレイ20の挿入部22の後端面23にコンタクト60の端子部62を露出させたが、トレイ20の挿入部22の左右側面にコンタクト60の端子部62を露出させてもよい。この場合には、ケース10の左右の側壁15の内壁面にコンタクト70の接続部71を露出させ、左右側壁15の内壁面に露出した接続部71とトレイ20の挿入部22の左右側面に露出した端子部62とを接続するようにする。
【0078】
また、本実施形態において、カードコネクタ1に大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を接続したが、カードコネクタを大型記憶媒体100及び小型記憶媒体200以外のカード型の記憶媒体が接続される構成にしてもよい。
【0079】
また、本実施形態において、ケース10とカバー30とにより本体部を構成したが、ケース10とカバー30とを一体化した1つの部材により本体部を構成してもよい。
【0080】
また、本実施形態において、大型記憶媒体100と小型記憶媒体200との両方をトレイ20に収容可能にしたが、大型記憶媒体100及び小型記憶媒体200の何れか一方のみをトレイ20に収容可能にしてもよい。
【0081】
また、本実施形態において、カバー30に設けたロック部32によりトレイ20の前方への移動を規制したが、ロック部32以外のトレイの前方への移動を規制するイジェクト機構等の他の構成を用いてもよい。
【0082】
また、本実施形態において、磁石211と磁石302との磁力により接続部21と相手側コネクタ300とを接続したが、接続部21と相手側コネクタ300とを嵌合して接続するようにしてもよい。この場合であっても、カードコネクタ1に電源端子であるコンタクト60及びコンタクト70を設けることにより、電源端子を外部に露出させるために携帯端末の筐体に形成する孔を削減することができる。
【0083】
また、本実施形態において、端子部61と接続する相手側コネクタ300の導電部301が前後方向に弾性変形可能な構成にしたが、端子部61が前後方向に弾性変形可能な構成にしてもよい。
【0084】
(第2の実施形態)
<カードコネクタの構成>
本発明の実施形態に係るカードコネクタ2の構成につき、図7及び図8を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0085】
なお、図7及び図8において、図1から図6と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0086】
カードコネクタ2は、携帯端末等の機器に取り付けられ、カバー30と、コンタクト40と、コンタクト50と、ケース110と、トレイ120と、コンタクト160と、コンタクト170と、を有している。
【0087】
ケース110は、絶縁性を有する材料により形成されており、トレイ120をスライド自在に収納する。具体的には、ケース110は、前方開口部11と、後方開口部12と、トレイ収納部13と、側壁15と、底壁16と、係合突起17と、ガイド部18と、後壁114と、を備えている。
【0088】
トレイ収納部13は、後壁114及び左右の側壁15により周囲が囲まれることにより形成されている。
【0089】
ガイド部18は、左右の側壁15の内壁面からトレイ収納部13に各々突出して設けられ、前後方向に沿って平坦になっている。左右のガイド部18の間隔は、トレイ120の左右方向の幅よりも小さい。
【0090】
後壁114には、前面に凹設された凹部1141が左右に一対設けられている。
【0091】
側壁15は、ケース110の前端から後壁114まで前後方向に沿って延設されている。
【0092】
トレイ120は、ケース110のトレイ収納部13に対して後方にスライドして収納され、トレイ収納部13から前方にスライドして取り出される。
【0093】
トレイ120は、絶縁性を有する材料により形成されており、大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を着脱自在に収容する。トレイ120は、ケース110のトレイ収納部13に対して後方にスライドして収納され、トレイ収納部13から前方にスライドして取り出される。具体的には、トレイ120は、挿入部22と、接続部121と、を備えている。
【0094】
接続部121は、トレイ120がトレイ収納部13に収納された際に、トレイ収納部13に収納されずにケース110から前方に突出する。接続部121の前面は、カードコネクタ2が取り付けられる機器の筐体の外部表面に露出する。接続部121には、接続部121の前面に露出する磁石1211が設けられている。磁石1211は、相手側コネクタ400に設けられている磁石402の極性と逆極性になっている。
【0095】
挿入部22は、接続部121の後方に接続部121と一体に設けられている。
【0096】
コンタクト40は、導電性を有する材料により形成されており、ケース110との一体成型等によりケース110に複数設けられている。コンタクト40は、接続部41と、端子部42と、を備えている。
【0097】
端子部42は、後壁114から後方に突出しており、カードコネクタ2が実装される図示しない基板の導電部に接続する。
【0098】
コンタクト50は、導電性を有する材料により形成されており、ケース110との一体成型等によりケース110に複数設けられている。コンタクト50は、接続部51と、端子部52と、を備えている。
【0099】
端子部52は、後壁114から後方に突出しており、カードコネクタ2が実装される図示しない基板の導電部に接続する。
【0100】
コンタクト160は、導電性を有する材料により形成されており、トレイ120と一体成型又はトレイ120に印刷等することによりトレイ120に複数設けられている。具体的には、コンタクト160は、端子部161と、端子部162と、接続部163と、を備えている。
【0101】
端子部161は、トレイ120の接続部121の前面に露出している。端子部161は、前面に沿って平坦であると共に相手側コネクタ400の導電部401に押し当てられて接続する平坦面161aを備えている。ここで、端子部161は、前方から視認可能な状態で接続部121の前面に露出していれば、必ずしも接続部121の前端面に露出していなくてもよい。例えば、接続部121の前面が凹凸を有する形状の場合には、端子部161は前面の凸部に露出していてもよいし前面の凹部に露出していてもよい。また、接続部121の前面の上下方向の両端または、いずれか一方が後方に向かって傾斜する傾斜面である場合には、端子部161はこの傾斜面に露出していてもよい。
【0102】
端子部162は、トレイ120をトレイ収納部13に収納した際にケース110と対向する対向面である挿入部22の後端面23に露出している。端子部162は、挿入部22の後端面23に沿って平坦であると共に、トレイ120がトレイ収納部13に収納された際に、コンタクト170の接続部171に押し当てられて接続する平坦面162aを備えている。
【0103】
接続部163は、トレイ120の露出孔223の左右側方に設けられると共に、端子部161と端子部162とを接続している。接続部163は、図8に示すように、トレイ120の底面に露出してトレイ120に設けられている。なお、接続部163は、トレイ120の底面に露出する構成に限らず、トレイ120の側面若しくは上面に露出する構成、又はトレイ120の外面に露出しないようにトレイ120に設けられる構成であってもよい。
【0104】
なお、コンタクト160の数は必要に応じて任意にすることができる。
【0105】
コンタクト170は、導電性を有する材料により形成されており、ケース110と一体成型等することによりケース110の後壁114に設けられている。コンタクト170は、コンタクト160と同一数設けられている。具体的には、コンタクト170は、凹部1141から前方に突出してトレイ収納部13に位置する接続部171と、後壁114から後方に突出してカードコネクタ2が実装される図示しない基板の導電部に接続する端子部172と、を備えている。
【0106】
<カードコネクタの動作>
本発明の第2の実施形態に係るカードコネクタ2の動作につき、以下に詳細に説明する。
【0107】
カードコネクタ2に大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を挿入及び接続する際において、コンタクト160の接続部162は、トレイ120の後方への移動に伴ってコンタクト170の接続部171に押し当てられると共に接続部171を後方に弾性変形させる。そして、係合凹部224とロック凸部322とが係合した際に、接続部162は所定の押圧力で接続部171に圧接する。
【0108】
カードコネクタ2から大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を取り出す際において、コンタクト160の接続部162は、トレイ120の前方への移動に伴って接続部171に対する押圧を解除する。これにより、接続部171は、コンタクト170の弾性復帰力により前方に復帰する。
【0109】
コンタクト160の端子部161に平坦面161aを設けると共に端子部162に平坦面162aを設けることにより、トレイ120をトレイ収納部13に収納する過程において、端子部161及び端子部162がケース110又はカバー30に引っ掛かる等により破損又は変形することを防ぐことができる。
【0110】
ここで、大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を収容したトレイ120がトレイ収納部13に収納されている状態において、トレイ120の接続部121に対して、相手側コネクタ400を前方から近づけることにより、接続部121の磁石1211と相手側コネクタ400の磁石402とが磁力により接続し、これに伴ってコンタクト160の接続部161に相手側コネクタ400の導電部401が押し当てられることにより接続部161と導電部401とが接続する。なお、導電部401は、図示を省略しているが後方に向けて所定の付勢力で付勢されていると共に前方に移動可能であり、接続部161に押し当てられた際に前方に移動して所定の押圧力で接続部161に圧接する。
【0111】
トレイ120と相手側コネクタ400とを磁力により接続するため、トレイ120と相手側コネクタ400とを容易に接続することができると共に、トレイ120と相手側コネクタ400とを嵌合するための凹凸を接続部121の外部表面に設けることを不要にすることができる。また、相手側コネクタ400の導電部401に押し当てられて接続する平坦面161aを設けることにより、カードコネクタ2を取り付ける携帯端末の筐体の外部表面に露出する接続部161を、凹凸の無い形状にすることができる。
【0112】
この状態において、パーソナルコンピュータ等の外部接続機器から、相手側コネクタ400の導電部401、コンタクト160、コンタクト170及びカードコネクタ2が実装されている基板の導電部を介して、携帯端末に内蔵されているCPU等の制御装置に信号が伝送される。または、制御装置から出力される信号は、カードコネクタ2が実装されている基板の導電部、コンタクト170、コンタクト160及び相手側コネクタ400の導電部401を介して外部接続機器に伝送される。これにより、大型記憶媒体100の端子101及び端子102、又は小型記憶媒体200の端子201をカードコネクタ2に挿入及び接続する際に、並行して外部接続機器と携帯端末の制御装置とを接続することができる。
【0113】
接続部161と導電部401との接続を解除する場合には、磁石402と磁石1211との互いに引き合う磁力に抗して相手側コネクタ400を前方に引っ張ることにより、導電部401と接続部161との接続が解除される。これにより、外部接続機器から携帯端末に内蔵されている制御装置に対する信号の伝送、又は携帯端末に内蔵されている制御装置から外部接続機器に対する信号の伝送が停止する。
【0114】
コンタクト160が腐食等して劣化した場合には、トレイ120を交換することにより新たなコンタクト160に交換することができ、専門知識を有さないユーザ自身によりコンタクト160を容易に交換することができる。また、信号端子を外部に露出させるために携帯端末の筐体に形成する孔を、カードコネクタ1を携帯端末に設けるために携帯端末の筐体に形成する孔と共用することができる。更に、信号端子であるコンタクト160をカードコネクタ2に集約することができるため、基板の占有面積を削減することができると共に、カードコネクタ2を自動実装する基板に対するコンタクト40及びコンタクト50の半田付け作業と並行して、カードコネクタ2を自動実装する基板に対するコンタクト170の半田付け作業を行うことができ、容易に製造することができると共に製造コストの上昇を抑制することができる。
【0115】
なお、本実施形態における上記以外の動作はカードコネクタ1の動作と同一動作であるので、その説明を省略する。
【0116】
このように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、コンタクト160により相手側コネクタ400の導電部401に接続して信号を伝送することにより、コンタクト40又はコンタクト50を用いた大型記憶媒体100の端子101及び端子102又は小型記憶媒体200の端子201と接続するコネクタ機能と、コンタクト160を用いた相手側コネクタ400の導電部401と接続するコネクタ機能と、の複数のコネクタ機能をカードコネクタ2に集約することができる。
【0117】
なお、本実施形態において、トレイ120の挿入部22の後端面23にコンタクト160の端子部162を露出させたが、トレイ120の挿入部22の左右側面にコンタクトの端子部を露出させてもよい。この場合には、ケース110の左右の側壁15の内壁面にコンタクトの接続部を露出させ、左右側壁15の内壁面に露出した接続部とトレイ20の挿入部22の左右側面に露出した端子部とを接続するようにする。
【0118】
また、本実施形態において、カードコネクタ2に大型記憶媒体100又は小型記憶媒体200を接続したが、カードコネクタを大型記憶媒体100及び小型記憶媒体200以外のカード型の記憶媒体が接続される構成にしてもよい。
【0119】
また、本実施形態において、ケース110とカバー30とにより本体部を構成したが、ケース110とカバー30とを一体化した1つの部材により本体部を構成してもよい。
【0120】
また、本実施形態において、大型記憶媒体100と小型記憶媒体200との両方をトレイ120に収容可能にしたが、大型記憶媒体100及び小型記憶媒体200の何れか一方のみをトレイ120に収容可能にしてもよい。
【0121】
また、本実施形態において、カバー30に設けたロック部32によりトレイ120の前方への移動を規制したが、ロック部32以外のトレイの前方への移動を規制するイジェクト機構等の他の構成を用いてもよい。
【0122】
また、本実施形態において、磁石1211と磁石402との磁力により接続部121と相手側コネクタ400とを接続したが、接続部121と相手側コネクタ400とを嵌合して接続するようにしてもよい。この場合であっても、カードコネクタ2に電源端子であるコンタクト160及びコンタクト170を設けることにより、電源端子を外部に露出させるために携帯端末の筐体に形成する孔を削減することができる。
【0123】
また、本実施形態において、端子部161と接続する相手側コネクタ400の導電部401が前後方向に弾性変形可能な構成にしたが、端子部161が前後方向に弾性変形可能な構成にしてもよい。
【0124】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明に係るカードコネクタは、カード型の記憶媒体と接続するのに好適である。
【符号の説明】
【0126】
1 カードコネクタ
2 カードコネクタ
10 ケース
11 前方開口部
12 後方開口部
13 トレイ収納部
14 後壁
15 側壁
16 底壁
17 係合突起
18 ガイド部
20 トレイ
21 接続部
22 挿入部
23 後端面
30 カバー
31 窓孔
32 ロック部
33 係合凹部
40 コンタクト
41 接続部
42 端子部
50 コンタクト
51 接続部
52 端子部
60 コンタクト
61 端子部
61a 平坦面
62 端子部
62a 平坦面
63 接続部
70 コンタクト
71 接続部
72 端子部
100 大型記憶媒体
101 端子
102 端子
120 トレイ
121 接続部
131 押圧部
132 係合部
141 凹部
160 コンタクト
161 端子部
161a 平坦面
162 端子部
162a 平坦面
163 接続部
170 コンタクト
171 接続部
172 端子部
200 小型記憶媒体
201 端子
211 磁石
221 記憶媒体挿入凹部
222 記憶媒体挿入凹部
223 露出孔
224 係合凹部
300 相手側コネクタ
301 導電部
302 磁石
322 ロック凸部
400 相手側コネクタ
401 導電部
402 磁石
441 切欠部
1141 凹部
1211 磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8