【文献】
3GPP,Architecture Enhancements for Dedicated Core Networks; Stage 2 (Release 13),3GPP TR 23.707 V13.0.0 (2014-12),2014年12月17日,pp.9-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グループは、少なくとも一つの移動管理装置(MME)及び/又は少なくとも一つの加入者パケット交換機(SGSN)を備える専用コアネットワークを含み、前記専用コアネットワークは前記第1のメッセージを送信する通信機器のタイプに対応する、請求項1または2に記載の通信方法。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格では、モバイル機器がコアネットワークに接続し、他のモバイル機器又はリモートサーバと通信する際に、基地局である「NodeB」(又はLTEにおける「eNB」)を介する。これを可能とするために、モバイル機器は、接続する基地局との間で、いわゆる無線リソース制御(RRC)接続を確立する。簡単のため、本出願では、前述のモバイル機器が接続する基地局などを単に基地局という。ここで用いられる通信機器としては、例えば、移動電話機、スマートフォン、ユーザ機器、携帯情報端末、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、Internet of Things(IoT)デバイス、ラップトップコンピュータ、ウェブブラウザ等の移動通信機器であってもよい。3GPP規格では、(通常)固定式の機器の一部として実装され得る、Wi−Fiルータ、モデム等の移動しないユーザ機器をネットワークに接続することも可能である。簡単のため、本出願は、明細書において移動通信機器(又はモバイル機器)に言及するが、記載の技術は、コアネットワークに接続することができる任意の移動機器及び「移動しない」機器においても実施されえる。
【0003】
3GPP規格では、基地局は、コアネットワーク(LTEにおいて発展型パケットコア(EPC)ネットワークと呼ばれる)に接続する。モバイル機器を追跡し、異なる基地局間の移動を容易にするために、コアネットワークは、コアネットワークに接続する基地局と通信する複数の移動管理装置(Mobility Management Entity;MME)を含む。モバイル機器とそれらに関連付けられているMMEとの間の通信は、(接続する基地局を介した)非アクセス層(Non-Access Stratum;NAS)シグナリングを用いて行われる。あるコアネットワークでは、モバイル機器によって用いられる無線アクセス技術(RAT)に応じて、加入者パケット交換機(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Supporting Node;SGSN)がMMEの代わりに用いられてもよい。
【0004】
最近の3GPP規格(例えば、LTE、及び、ごく最近のLTE-Advancedすなわち「LTE−A」規格)では、モバイル機器等のユーザ機器(UE)が、専用コアネットワークノード(専用のMME/SGSN等)を用いてコアネットワークに効率的に接続することが可能である。このいわゆる「専用コアネットワーク」(DECOR)の特徴の詳細は、3GPP技術報告(TR)23.707(V13.0.0)において論じられており、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0005】
要約すると、DECORの機能は、ネットワーク事業者が、そのネットワーク内に共通の(すなわち、非専用の)コアネットワークとともに、複数の専用コアネットワーク(DCN)を配置することができる、というものである。DECORの機能の目的は、同一の又は同様の特性を有する加入者(UE)専用のDCNの配置を可能にすることである。
【0006】
したがって、各DCNは、一以上の特定のタイプの加入者及び/又は一以上の特定のタイプのサービスを扱うことに専用されてもよい。DCNは任意機能であるので、GERAN(GSM EDGE無線アクセスネットワーク)、UTRAN及び/又はE−UTRAN等の様々なタイプの無線アクセス技術(RAT)毎に選択的に配置されうる。例えば、ネットワーク事業者は、(E−UTRANをサポートするために)専用のMMEを配置するが、専用のSGSNを配置しなくてもよい(つまり、GERAN/UTRANをサポートしない)し、逆もまた同様である。DECORを配置する動機は、特に、特定の特性/機能を有し、又はスケーリング機能を有するDCNを提供することで、特定のUE又は加入者(例えば、machine to machine(M2M)の加入者、特定の企業又は別個の管理ドメインに属する加入者、仮想移動体通信事業者(MVNO)に属する加入者等)を、他のUE又は加入者等から分離することである。
【0007】
しかし、そのような顧客や機器の様々なグループには、特徴、トラフィック特性、利用可能性、輻輳管理、シグナリング及びユーザプレーンデータ使用等の観点において、異なる要件を有することがある。専用/特殊コアネットワーク要素/リソースを含むDCNは、事業者がそのような機器/顧客グループの要件を満たすのを助けることができる。DCNは、ネットワーク利用可能性及び/又は冗長性要件を満たすことに寄与してもよく、特定のユーザ又はトラフィックタイプのための独立したスケーリング又は特殊機能の提供、並びに様々なタイプのユーザ及びトラフィックを互いに分離することを容易にする。
【0008】
各DCNは1つ又は複数のMME/SGSNを備え、適宜、1つ又は複数のサービングゲートウェイ(S−GW)、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P−GW)及び/又はポリシー及び課金ルール機能(PCRF)を備えてもよい。以下の説明において、「専用コアネットワーク」/「DCN」という用語を用いて、(1)MME又はSGSN等の制御プレーン機能、(2)S−GW、P−GW、Gateway GPRS Support Node(GGSN)等のユーザプレーンネットワーク機能、及び(3)制御プレーン及びユーザプレーン機能の組、を備える1つ又は複数のネットワーク機能をカバーする。
【0009】
各加入者は、それぞれの加入者情報及び/又はオペレータの構成に基づいて、特定のDCNに割り当てられ、この特定のDCNによって扱われてもよい。DCNが配置されるネットワークは、DCNが利用可能でない及び/又は特定のDCNにUEを割り当てるために十分な情報が利用可能でない場合にUEを管理するためのデフォルトDCN(又は共通コアネットワークのデフォルトコアネットワークノード)を有してもよい。1つ又は複数のDCNは、全てが同じRANを共有するデフォルトDCN(又はデフォルトコアネットワークノード)と共に配置されてもよい。
【0010】
各UEがDECORをサポートするエリアにあるとき(又は、DCNが配置されるエリアにあるとき)、UEは、そのUEを扱う基地局によって、任意の/ランダムなMME又はデフォルトのMMEに最初に割り当てられる。その基地局は、UEのNASメッセージ(少なくともUEの初期NASメッセージ)を、前述の割り当てられたMMEに転送する。そして、前述の割り当てられたMME(このMMEもDCNの一部を形成してもよい)は、特定のUEがそのUEに専用の異なるコアネットワーク(すなわち、前述の割り当てられたMMEが属するコアネットワーク以外のコアネットワーク)によって扱われるべきであるか否かを判断する。
【0011】
現在UEに割り当てられているMMEは、UEが異なる(専用の)コアネットワークによって扱われるべきであると判断すると、適切なDCNを選択し、そのUEを扱っている基地局に、UEのNASメッセージをそのDCNにリルート(リダイレクト)するように要求する。また、現在UEに割り当てられているMMEは、そのMMEのリルート要求に、選択されたDCNに属するMME(又はSGSN)を識別する情報を含める。UEを扱う基地局は、選択されたMME/DCNを識別する情報に基づいて、いわゆるNASノード選択機能(NNSF)を用いて新たなMMEを選択し、UEのNASメッセージを、その選択されたMMEに送信する。
【0012】
しかしながら、本発明者らは、DECOR機能におけるMME/SGSN(再)選択及び/又はNASメッセージリルートの現状の手続が不十分であり、結果として、あるUEにとって不要なシグナリング及び/又は不十分なサービス継続性が生じる場合があることを認識している。例えば、ある場合、DCN(又は、MME若しくはSGSN等の専用コアネットワークノード)は、リルート/リダイレクトされたUEを扱うことができない場合があるので、(現在割り当てられているMMEによって提供される情報に基づいて選択された)専用のノード又は機能に対して要求されるNASメッセージのリルートを完了することができない場合がある。これは、例えば、DCN及び/又は専用コアネットワークノードの(例えば、所定の閾値を上回る)過負荷/高負荷、専用ネットワークリソースの一時的な不具合又は切断(及び/又は、そのほかの点で、少なくともネットワークの一部において利用可能でないこと)に起因して起こり得る。
【0013】
したがって、そのような場合、専用コアネットワークに対し特定のNASメッセージをリルート/リダイレクトする基地局の試みが失敗する場合があり、これにより、結果として、ネットワークが、NASメッセージを送信したUEのためのサービスを確立/維持することができない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
概要
図1は、モバイル機器3A〜3Dのユーザが、E−UTRA無線アクセス技術(RAT)を用いたE−UTRAN基地局5A、5B及びコアネットワーク7を介して互いに及び他のユーザと通信することができる、移動(セルラ又は無線)通信ネットワーク1を概略的に示す図である。当業者であればわかるように、説明のため、
図1には4つのモバイル機器3及び2つの基地局5が示されているが、システムが、実施時に通常、他の基地局及びモバイル機器を含んでもよい。
【0023】
よく知られているように、モバイル機器3は、通信
ネットワーク1によってカバーされている地理的エリア内で動き回っているときに、基地局5が扱うエリア(すなわち、無線セル)を出入りしてもよい。モバイル機器3を追跡し、異なる基地局5の間の移動を容易にするために、コアネットワーク7は、複数の移動管理装置(MME)9A〜9Dを含み、そのうちのMME9A〜9Cが共通のMMEであり(すなわち、いかなる特定のモバイル機器3にも関連付けられていないか、又は全てのモバイル機器3に関連付けられている)、MME9Dは専用のMMEである(すなわち、1つ又は複数の特定のモバイル機器3に関連付けられている)。したがって、図に示されるように、MME9Dは、専用コアネットワーク(DCN)部分7Dの一部を形成する一方、他のMME9A〜9Cは、メインの(又は共通の)コアネットワーク7の一部を形成する。さらに、MME9Aは、(例えば、初めてコアネットワーク7に接続するとき、及び/又は他のMMEが利用可能でないとき、)モバイル機器3のためのデフォルトのMMEとして動作するように構成される。
【0024】
複数のMME9は、コアネットワーク7と接続する基地局5と通信する。また、コアネットワーク7は、HSS11、並びにサービングゲートウェイ(S−GW)18及び/又はパケットデータネットワークゲートウェイ(P−GW)19等の1つ又は複数のゲートウェイも備える。
【0025】
モバイル機器3及びそれらをそれぞれ扱う基地局5は、LTE無線インターフェース、いわゆる「Uu」インターフェースを介して接続される。基地局5は、いわゆる「X2」インターフェースを介して互いに接続される。各基地局5は、いわゆる「S1」インターフェースを介してコアネットワーク7内のノード(すなわち、MME9及びS−GW18)にも接続される。コアネットワーク7から、インターネット等の外部IPネットワーク20への接続も、P−GW19を介して提供される。
図1には示されていないが、MME9は、それぞれの3GPPインターフェースを介してHSS11及びゲートウェイ18、19にも接続される。
【0026】
あるモバイル機器3は、(少なくとも、専用のMME及び/又は専用のゲートウェイを備える)特定の専用コアネットワークに関連付けられてもよい。例えば、HSS11は、3GPP網の加入者がネットワーク1にアクセスするのに必要とされる設定及び加入者データ、関連する一または複数のサービスタイプ及びプリファレンス、対応する一または複数の加入者グループを識別する情報等の、モバイル機器3ごとのそれぞれの加入者データを記憶するように構成されてもよい。この加入者データに基づいて、特定のモバイル機器3と、その機器と対応するコアネットワーク7又は7Dとの間の関連付けを識別することが可能である。特定の専用コアネットワーク(例えば、DCN7D)に関連付けられている複数のモバイル機器(例えば、
図1におけるモバイル機器3D)について、HSS11(及び/又はデフォルトのMME9A)は、その加入者のための適切な専用コアネットワーク(専用のMME9)の選択において用いられえる情報を記憶するように構成されてもよい。
【0027】
このシステムにおいて、モバイル機器3Dは、DCN7D/MME9Dに関連付けられる。換言すれば、MME9Dは、モバイル機器3Dの専用コアネットワーク7Dの一部を形成するコアネットワークノードである(ただし、専用コアネットワーク7Dは、適宜、複数の他のコアネットワークノードを有してもよい)。以上より、コアネットワーク7は、可能な場合はいつでも、モバイル機器3Dがこの専用コアネットワーク7Dによって確実に扱われることになる。これを行うために、モバイル機器3のNASメッセージは、モバイル機器3Dに関連付けられ、ステータス(例えば、モバイル機器3Dの取り扱いにおける利用可能性)が事前にチェックされた、専用のMME9Dに(例えば、以前のMME9及び/又は基地局5によって)有益にリルートされる。例えば、モバイル機器3Dを扱っている基地局5Bが、モバイル機器3Dのための正しいMMEでないMME9(デフォルトのMME9A等)を(最初に)選択するとき、基地局5Bはモバイル機器3DのNASメッセージを正しいMME9Dにリルートすることを可能とする情報を得ることができ、この情報に基づいて、モバイル機器3DのNASメッセージを正しいMME9Dにリルートすることが可能である。
【0028】
より具体的には、古い(最初の又はデフォルトの)MME9が、別の(専用の)コアネットワークにモバイル機器3DのNASメッセージをリルートすることを決定するとき、古いMME9は、そのNASメッセージを転送した基地局5に対し(NASメッセージリルート要求等の)要求を生成し、これを送信する。また、MME9は、この要求に、NASメッセージがリルートされるべき「ターゲット」のコアネットワーク/MMEを識別するための情報を含める。例えば、コアネットワーク/MMEを識別するための情報は、選択された専用コアネットワークに属するMME/SGSNに対応するMMEGI(E−UTRANの場合)及び/又はNull−NRI(UTRAN及びGPRSの場合)を含んでもよい。MME/SGSNは、MMEGI/Null−NRIと、モバイル機器3Dのための、及び/又は、モバイル機器3Dによって用いられる追跡エリア識別子(TAI)のための、専用コアネットワークとのマッピングによって構成されてもよい。
【0029】
1つの例において、基地局5は、接続された各MME9(又は、少なくとも接続されたMMEのサブセットの各々)の利用可能性/動作状態に関する情報を得るように有益に構成される。得られた情報は、特定のMME9の(例えば、所定の閾値を上回る)高負荷、特定のMME9の(別のMME9と比較した)相対負荷、特定のMME9の過負荷、ネットワーク障害、特定のMME9の(少なくとも一時的な)不具合、及び専用リソース/DCNがサポートされていないこと、のうちの少なくとも1つを識別する情報を含んでもよい。例えば、複数の基地局5は、特定の基地局5とMME9とのペアの間のS1接続を構成する初期セットアップ手続の間、及び/又は、MME9が再構成される以降に、適切なS1シグナリング(「S1セットアップ応答」メッセージ、「MME構成更新」メッセージ等)を用いて、この情報を得てもよい。
【0030】
以上より、接続された各MME9の利用可能性に関する情報に基づいて(及び、古いMME9の要求に含まれるターゲットコアネットワーク/MMEを識別する情報に基づいて)、基地局5は、古いMME9のNASリルート要求に応じることが可能であるか否か(例えば、ターゲットMME9Dが利用可能/動作中であるか否か)を判断することができる。
【0031】
より具体的には、基地局5が、ターゲットのMME9Dが利用可能/動作中であると判断する場合、基地局5は、モバイル機器3DのNASメッセージを選択された(専用の)コアネットワーク(この例では、MME9D)に送信(リルート)する。
【0032】
一方、基地局5が、ターゲットのMME9Dが利用可能/動作中でないと判断する場合、基地局5は、古いMME9に対し適切な応答を生成し、これを送信することによって、古いMME9のリルート要求を拒否する。実際上は、基地局5は、リルート要求を拒否することによって、古いMME9に、専用コアネットワーク(例えば、MME9D)を(少なくともモバイル機器3Dのために)用いることができないことを通知することができる。基地局5は、古いMME9に対する応答に、古いMME9のリルート要求を拒否するための理由(又は原因)を識別する情報も含めることが好ましい。例えば、基地局5は、高負荷(所定の閾値を上回る負荷)、過負荷、ネットワーク障害、MME/SGSNの不具合、及び専用リソース/DCNがサポートされていないこと、のうちの少なくとも1つを識別する拒否原因を識別する情報を含めるように構成されてもよい。
【0033】
古いMME9(例えば、MME9A又は9C)が、NASメッセージをモバイル機器3Dから対応する専用のMME9Dへリルートするように試みる場合であっても、基地局5Bは、要求側のMME9A又は9Cに、(例えば、過負荷に起因して)専用のMME9Dが(依然として)利用可能でないことを有益に応答することができる。これより、専用ネットワークにモバイル機器3Dをリルートすることに失敗する場合、要求側のMME9A又は9Cは、i)モバイル機器3DからのNASメッセージ(例えば、専用コアネットワークにリルートすることができなかったNASメッセージ)を受け付け、モバイル機器3Dの取り扱いを継続するか、又は、ii)(例えば、モバイル機器3Dに対し適切なエラーメッセージを生成し、これを送信することによって)モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するように構成されてもよい。MMEは、モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するとき、拒否メッセージにおいてモビリティ管理バックオフタイマを返し、モバイル機器3Dが、バックオフタイマが満了するまで戻ってこないようにしてもよい。
【0034】
要約すると、この例において、基地局は、(例えば、リルートに失敗したときに)MMEのリルート要求を有益に拒否でき、それによって、MMEに、専用のMMEが過負荷であること(又はその他の点で利用不可能であること)を有益に通知することができる。例えば、基地局が、専用のMMEが過負荷であることをデフォルトの(現在選択されている)MMEに示すとき、デフォルトのMMEは、モバイル機器を扱うか又は(例えば、モバイル機器に対し適切な応答を送信することによって、)NASメッセージを拒否するように試みてもよい。MMEは、モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するとき、モバイル機器3DがいつNASメッセージの再送を試みるべきかを制御するために、モビリティ管理バックオフタイマをモバイル機器3Dに返すことができるとより好ましい。
【0035】
別の例では、(基地局5に加えて、又は基地局5の代わりに)MME9は、接続された(他の)各MME9の利用可能性/動作中の状態に関する情報を得るように構成されてもよい。例えば、近隣のMME9は、他のMME9の利用可能性/動作中の状態に関する情報を得るために(及び、MME9自身の利用可能性/動作中の状態に関する情報を他のMME9に提供するために)、適切なシグナリングメッセージ(例えば、3GPP TS29.060 V12.7.0に従ったエコー要求/エコー応答メッセージ)を交換してもよい。デフォルトで割り当てられたMME9は、基地局5から他のMMEの利用可能性/動作中の状態に関する情報を得るように構成されてもよい。
【0036】
以上より、接続された各MME9の利用可能性に関する情報に基づいて、現在のMME9は、(例えば、MME9Dが利用可能/動作中であるか否かに基づいて)モバイル機器3DのNASメッセージを別の(専用の)コアネットワーク(この例では、MME9D)にリルートすることが可能であるか否かを判断することができる。
【0037】
現在のMME9が、専用の(ターゲット)MME9D(又はDCN7D)が利用可能/動作中でない(すなわち、専用のターゲットMMEへのモバイル機器3Dのリルートが失敗した)と判断する場合、現在のMME9は、i)少なくとも一時的に、モバイル機器3DからのNASメッセージを(専用コアネットワークにリルートする代わりに)受け付け、モバイル機器3Dの取り扱いを継続するか、又は、ii)(例えば、モバイル機器3Dに対し適切なエラーメッセージを生成し、これを送信することによって)モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するように有益に構成されてもよい。MMEは、モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するとき、拒否メッセージにおいてモビリティ管理バックオフタイマを返し、モバイル機器3Dが、バックオフタイマが満了するまで戻ってこないようにしてもよい。
【0038】
以上より、現在モバイル機器3Dを扱っているMME9が、(基地局5又は専用のMME/DCN自体からの専用のMMEの利用可能性に関する情報に基づいて)モバイル機器3Dの取り扱いを継続することを決定する場合、モバイル機器3Dが不適切な(すなわち、専用でない)MME9に対し現在登録されている場合であっても、モバイル機器3Dのためのサービス継続性を確保することが可能である。
【0039】
適切な専用ネットワーク(ネットワークノード)へのリルートが失敗した(例えば、高負荷、過負荷、一時的な障害等の理由で可能でない)とき、NASリルート要求を、(例えば、上記の一つ目の例のように)有益に拒否されえるか、又は(例えば、上記の二つ目の例におけるように)有益に回避されえて、モバイル機器は、古い(共通の)MME/SGSNによって有益に扱われえるか、又は、モバイル機器は、(適切なNAS応答を返すことによって)デフォルトのMMEによって有益に拒否されえる。MMEは、モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するとき、拒否メッセージにおいてモビリティ管理バックオフタイマを返し、モバイル機器3Dが、バックオフタイマが満了するまで戻ってこないようにしてもよい。以上より、このシステムにおいて、専用ネットワークノードが過負荷及び/又は利用不可能であることにより生じるモバイル機器のサービス失敗を回避することが可能である。
【0040】
モバイル機器
図2は、
図1に示される複数のモバイル機器3のうちの1つの主要な構成要素を示すブロック図である。図に示されるように、モバイル機器3は、1つ又は複数のアンテナ33を介して、基地局5から信号を送受信するように動作可能であるトランシーバ回路31を有する。モバイル機器3は、モバイル機器3の動作を制御するコントローラ37を有する。コントローラ37はメモリ39と接続し、トランシーバ回路31と接続している。
図2には必ずしも示されていないが、モバイル機器3は当然ながら、従来のモバイル機器3の全ての通常機能(ユーザインターフェース35等)を有し、これは適宜、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせによって提供されてもよい。ソフトウェアはメモリ39にプレインストールされてよく、及び/又は、例えば、通信ネットワークを介して又は取り外し可能なデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされてもよい。
【0041】
コントローラ37は、この例では、メモリ39内に記憶されたプログラム命令又はソフトウェア命令によってモバイル機器3の全体動作を制御する。図に示されるように、これらのソフトウェア命令は、特に、オペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43と、RRCモジュール44と、NASモジュール45と、(任意選択で)専用コアネットワーク関連付けモジュール49とを含む。
【0042】
通信制御モジュール43は、モバイル機器3と基地局5との間の通信を制御する。また、通信制御モジュール43は、基地局5、及び(基地局5を介して)MME9及び/又はS−GW18等の他のノードに送信される制御データ及びユーザデータの(アップリンク及びダウンリンクのための)個々のフローを制御する。
【0043】
RRCモジュール44は、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、及び送受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージは、モバイル機器3と、それを扱う基地局5との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、ランダムアクセス手続に関するメッセージ及び/又は基地局5を中継してMME9に送られる制御データ(例えば、NASメッセージ)を含むRRCメッセージを含んでよい。
【0044】
NASモジュール45は、NASプロトコルに従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、及び送受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージは、モバイル機器3とMME9との間で(基地局5を介して)交換される。NASメッセージは、例えば、モバイル機器3のモビリティに関連する制御データ、例えば、モバイル機器3をMME9に登録するための制御データを含むNASメッセージを含んでよい。
【0045】
専用コアネットワーク関連付けモジュール49は、もし存在すれば、このモバイル機器3に関連付けられている専用コアネットワークに関する情報を記憶する。例えば、専用コアネットワーク関連付けモジュール49は、UE IDパラメータ、UEタイプパラメータ、DCNタイプパラメータ、DCN IDパラメータ、MME IDパラメータ(例えば、MMEGI)等の形式で、関連するDCNを識別する情報を記憶してもよい。
【0046】
基地局
図3は、
図1に示される複数の基地局5のうちの1つの主要な構成要素を示すブロック図である。図に示されるように、基地局5は、1つ又は複数のアンテナ53を介してモバイル機器3に対し信号を送受信するためのトランシーバ回路51と、他の基地局に対し信号を送受信するための基地局インターフェース(X2)54と、コアネットワークエンティティ(例えば、MME9及びS−GW18)に対し信号を送受信するためのコアネットワークインターフェース(X1)55とを有する。基地局5は、基地局5の動作を制御するコントローラ57を有する。コントローラ57はメモリ59に接続している。
図3には必ずしも示されていないが、基地局5は当然ながら、携帯電話ネットワークにおける基地局の全ての通常機能を有し、これは適宜、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせによって提供されてもよい。ソフトウェアはメモリ59にプレインストールされてよく、及び/又は、例えば、通信ネットワーク1を介して又は取り外し可能なデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされてもよい。コントローラ57は、この例では、メモリ59内に記憶されたプログラム命令又はソフトウェア命令によって、基地局5の全体動作を制御するように構成される。図に示されるように、これらのソフトウェア命令は、特に、オペレーティングシステム61と、通信制御モジュール63と、RRCモジュール64と、S1APモジュール67と、MME利用可能性情報モジュール69とを備える。
【0047】
通信制御モジュール63は、基地局5と、基地局5に接続された複数のモバイル機器3及び他のネットワークエンティティ(例えば、MME9)との間の通信を制御する。通信制御モジュール63は、ユーザトラフィックと、例えばNASメッセージをリルートするための制御データを含む、基地局5に関連付けられているモバイル機器3のため制御データと、のアップリンク/ダウンリンクの個々のフローも制御する。
【0048】
RRCモジュール64は、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、及び送受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージは、基地局5と、この基地局5に接続するモバイル機器3との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、モバイル機器3と、それを扱うMME9との間で中継する制御データ(例えば、NASメッセージ)を含むRRCメッセージを含んでよい。
【0049】
S1APモジュール67は、S1アプリケーションプロトコル(S1AP)規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、及び送受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージは、基地局5と、この基地局5に接続されたMME9との間で交換される。そのS1APメッセージは、例えば、NASシグナリングのリルートに関連するメッセージ(NASメッセージリルート要求、NASメッセージリルート拒否等)、S1セットアップメッセージ及び関連する応答を含んでよい。
【0050】
MME利用可能性情報モジュール69は、特定のMME/SGSN(又はMME/SGSN群)の利用可能性に関する情報を記憶し、そのようなMME/SGSNが任意のDCN(及び/又はモバイル機器)に関連付けられているか否かの情報も記憶してもよい。MME利用可能性情報モジュール69は、この情報を、他のモジュール、例えば、NASメッセージのリルートにおいて用いるためのS1APモジュール67に提供する。
【0051】
移動管理装置
図4は、
図1に示される複数のMME9のうちの1つの主要な構成要素を示すブロック図である。図に示されるように、MME9は、トランシーバ回路71と、基地局5に対し信号を送受信するための基地局インターフェース(S1)74と、(他のMME9等の)他のコアネットワークノードに対し信号を送受信するためのコアネットワークインターフェース75とを備える。MME9は、MME9の動作を制御するためのコントローラ77を有する。コントローラ77は、メモリ79に接続している。
【0052】
ソフトウェアは、メモリ79に事前にインストールされてよく、及び/又は、例えば、通信ネットワーク1を介して若しくは取り外し可能なデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされてもよい。コントローラ77は、この例では、メモリ79に記憶されたプログラム命令又はソフトウェア命令によってMME9の全体動作を制御するように構成される。図に示されるように、これらのソフトウェア命令は、特にオペレーティングシステム81と、通信制御モジュール83と、NASモジュール85と、S1APモジュール87と、DCNモジュール89とを備える。
【0053】
通信制御モジュール83は、MME9と、MME9に接続された他のネットワークエンティティ(例えば、基地局5、他のMME9、及び基地局5のうちの1つに接続されるときの任意のモバイル機器3)との間の通信を制御する。
【0054】
NASモジュール85は、NASプロトコルに従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、及び送受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージは、MME9と、このMME9に関連付けられているモバイル機器3との間で(基地局5を介して)交換される。NASメッセージは、例えば、モバイル機器3のモビリティに関連する制御データ、例えば、モバイル機器3をMME9に登録するための制御データを含むNASメッセージを含んでよい。
【0055】
S1APモジュール87は、S1アプリケーションプロトコル(S1AP)規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、及び送受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージは、MME9と、このMME9に接続された基地局5との間で交換される。そのS1APメッセージは、例えば、NASシグナリングのリルートに関連するメッセージ(NASメッセージリルート要求、NASメッセージリルート拒否等)、S1セットアップメッセージ、及び関連する応答を含んでよい。
【0056】
DCNモジュール89は、MME9が特定のDCNに関連付けられているか否かの情報及びそのDCNを識別する情報を(例えば、MMEGI及び/又はCNタイプの形式で)記憶する。DCNモジュール89は、近隣のMME/SGSNがどのDCN(及び/又はモバイル機器)に関連付けられているか否かの情報も記憶し、ある実施態様では、特定のMME/SGSN(又はMME/SGSNグループ)の状態/利用可能性/負荷に関する情報を記憶する。DCNモジュール89は、この情報を、他のモジュール、例えば、NASメッセージをリルートする(例えば、適切なターゲットMMEを選択する)際に用いるためのS1APモジュール87に提供する。
【0057】
上記の説明において、理解を容易にするために、モバイル機器3、基地局5、及びMME9は、複数の個別のモジュール(通信制御モジュール、RRC/NASモジュール、及びS1APモジュール等)を有するものとして説明した。これらのモジュールは、ある応用例の場合、例えば、本発明を実施するために既存のシステムが変更された場合には、このようにして提供されてもよいが、他の応用例、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されるシステムでは、これらのモジュールはオペレーティングシステム又はコード全体の中に組み込まれてよく、これらのモジュールは別個の実体として区別可能でない場合もある。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにおいて実施されてもよい。
【0058】
ここで、上記のモバイル機器3、基地局5、及びMME9を用いて、本発明の様々な態様をどのように実施することができるのかを例示する複数の異なる実施形態を説明する。その実施形態を、
図5〜
図7に示すシグナリング(又は「タイミング」)図を参照して説明する。
【0059】
動作−第1の実施形態(基地局により制御されるリルート)
図5は、NASメッセージをリルートするための要求を取り扱うための手続を示す例示的なタイミング図である。具体的には、この例では、モバイル機器3Dを扱う基地局5は、リルートが可能であるか否かを判断する。
【0060】
まず、ステップS500a及びS500dにおいて概略的に示されているように、基地局5は、コアネットワーク7内の幾つかの(又は全ての)MME9(この例では、MME9A及びMME9D)との間にそれぞれのS1接続を(MMEのS1APモジュール67を用いて)確立する。
【0061】
基地局5は、MME利用可能性モジュール69に記憶されているエントリのリストに、基地局に接続されているMME9ごとのエントリを、そのMMEが現在接続されているか否かを示す適切な情報と共に、追加するように構成される。
【0062】
本手続は、ステップS501において、モバイル機器3Dが(NASモジュール45を用いて)NASメッセージを生成し、このNASメッセージを、(適切なMMEへNASメッセージを中継するために)モバイル機器3Dを扱う基地局5に送信することから開始する。NASメッセージは、アタッチ要求、追跡エリア更新(TAU)、ルーティングエリア更新(RAU)等を含んでもよい。モバイル機器3Dは(RRCモジュール44を用いて)、このNASメッセージを適切なRRCメッセージに入れ、このRRCメッセージを(必要な場合、適切なランダムアクセス手続を実行した後に)基地局5に送信する。
【0063】
ステップS503において、基地局5は、モバイル機器3DのNASメッセージの受信に応じて、基地局5に接続されたMME9の中から、モバイル機器3DのためのMME9(この例では、基地局5はモバイル機器のDCNタイプ/加入者に関する情報を有しないので、デフォルトのMME9A)を選択する。ステップS505において、基地局5は(RRCモジュール64を用いて)、受信したRRCメッセージからNASメッセージを取得し、(例えば、NASメッセージを適切にフォーマットされたS1メッセージに入れることによって)そのNASメッセージを選択された(デフォルトの)MME9Aに転送する。
【0064】
次に、ステップS507に概略的に示されるように、デフォルトのMME9Aは、モバイル機器3DのNASメッセージの取り扱いを、別のMME(例えば、このモバイル機器3Dに関連付けられているDCN7Dに属するMME)に移すことを決定する。現在選択されている(デフォルトの)MME9Aは、この決定を、例えば、モバイル機器を識別する情報、モバイル機器の位置を識別する情報、及び/又はモバイル機器に関連付けられているコアネットワークを識別する情報に基づいて行ってもよい。これらの情報は、NASメッセージ自体に含められてよく、及び/又は、そのほかの方法で(例えば、複数のMME9のうちの1つ、HSS11、又は複数の基地局5のうちの1つ、から)得られてもよい。
【0065】
ステップS509において、現在選択されている(デフォルトの)MME9Aが、NASメッセージを別のMMEにリルートすることを決定するとき、MME9Aは、(モバイル機器3Dによって送信された)NASメッセージを別のMME(この場合、DCN7Dの一部を形成するMME9D)にリルートするように基地局5に要求する、適切にフォーマットされたメッセージを(例えば、S1APモジュール87を用いて)生成し、これを送信する。この例において、デフォルトのMME9Aは、「NASメッセージリルート要求」を生成し、NASメッセージを転送した基地局5に対しこのNASメッセージリルート要求を送信する。
【0066】
図5に示されるように、このNASメッセージリルート要求は、モバイル機器3Dからのオリジナルの(変更されていない)NASメッセージ、リルートパラメータを識別する情報(例えば、NASメッセージがリルートされるべき宛先を示すMMEグループ識別子(「MMEGI」)及び/又は「Null−NRI」)、モバイル機器3Dに関連付けられているGlobally Unique Temporary Identifier(「GUTI」)を含む。MME9Aは、(例えば、追跡エリアごとの)MMEGI/Null−NRIと専用コアネットワーク/コアネットワークタイプとのマッピングを識別する情報を(例えば、DCNモジュール89内に)記憶し、このマッピングに基づいて適切なMMEGI/Null−NRIを選択してもよい。基地局5は、例えば、NNSF機能を用いて、MMEGI/Null−NRIに対応する新たなMME(又は新たなSGSN)を選択することができる。
【0067】
この例では、モバイル機器3Dは、(ステップS509におけるMMEGIによって識別されるグループに属する)専用のMME9Dによってサポートされる。しかしながら、ステップS511において概略的に示されるように、基地局5は、NASメッセージをリルートする前に、(MME利用可能性情報モジュール69を用いて)、(ステップS509においてデフォルトのMME9Aによって提供される)MMEGI/Null−NRIパラメータに対応するMME9Dのステータスを確認する。
【0068】
より具体的には、この例では、基地局5は、
−選択されたMME9Dの(例えば、所定の閾値を上回る)高負荷、
−(別のMME9、例えば、デフォルトのMME9Aと比較した)選択されたMME9Dの相対負荷、
−選択されたMME9Dの過負荷、
−ネットワーク障害、
−選択されたMME9Dの(少なくとも一時的な)不具合、
−専用リソース/DCN7Dが(例えば、この基地局5を介して及び/又はモバイル機器3Dの現在の位置において)サポートされていないこと、及び
−上記のいずれでもないもの、
のうちの少なくとも1つを識別する情報を用いて、MME9Dのステータスを確認する。
【0069】
基地局5は、基地局5とMME9Dとの間のそれぞれのS1接続を構成する初期セットアップ手続の間、及び/又は、MME9Dが再構成される以降に、適切なS1シグナリング(「S1セットアップ応答」メッセージ、「MME構成更新」メッセージ、「過負荷開始」メッセージ等)を用いて、そのような情報を得てもよい。
【0070】
以上より、ステップS511の結果に応じて、基地局5における処理には以下の選択肢(
図5において選択肢「A」及び「B」として表される)がある。
【0071】
基地局5が、新たに選択されたMME9Dが利用可能/動作中であると判断する場合(
図5における選択肢「A」)、基地局5は、ステップS512aに進み、NASメッセージを(例えば、NASメッセージを適切にフォーマットされたS1メッセージに入れることによって)新たに選択された(専用の)MME9Dに転送(リルート)する。基地局5は、MME9Dに関連付けられているMMEGI(E−UTRANの場合)に基づいて正しいMME9Dを選択/識別する(及び/又は、そのSGSNに関連付けられているNull−NRI(UTRAN及びGPRSの場合)に基づいて正しいSGSNを選択/識別する)ことができる。
【0072】
一方、基地局5が、新たに選択されたMME9Dが利用可能/動作中でないと判断する場合(
図5における選択肢「B」)、基地局5は、ステップS512bに進み、ステップS512bにおいて、基地局5は(例えば、S1APモジュール67を用いて)、デフォルトのMME9Aのリルート要求を拒否する、適切にフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、これを送信する。この例では、基地局5は、デフォルトのMME
9Aに対し、「NASメッセージリルート拒否」メッセージを生成し、これを送信する(ただし、任意の他の適切な(既存の又は新たな)メッセージ又はパラメータが、専用のネットワークリソースに対しNASメッセージをリルート/リダイレクトするMMEの要求を拒否するために用いられてもよい)。基地局5は、このメッセージに、(現在選択されている)デフォルトのMME9のリルート要求を拒否する理由(又は原因)を識別する情報(例えば、専用のMME9Dが過負荷であること等を示す「拒否原因」パラメータ)も含めることが好ましい。例えば、拒否原因は、「高負荷」、「過負荷」、専用リソースの「不具合」、「ネットワーク障害」等のうちの少なくとも1つを識別する情報を含んでよい。拒否原因の上記のリストは上記に限られるものではなく、基地局5は、任意の他の理由でDCN7Dへのモバイル機器3Dのリルートを拒否又は回避してもよい。
【0073】
以上のようにして、基地局5は、デフォルトのMME9Aに、(少なくとも専用のMME9Dが過負荷/利用不可能のままである間)NASメッセージを再びリルートしないよう要求すること、及びモバイル機器3Dの取り扱いを試みるよう要求することが効果的にできる。
【0074】
ステップS515a及びS515bに概略的に示されるように、デフォルトのMME9Aは、i)モバイル機器3DからのNASメッセージを(専用コアネットワークにリルートする代わりに)受け付け、(デフォルトのMME9Aがその特定のNASメッセージのリルートを試みた場合であっても)モバイル機器3Dの取り扱いを継続し、ステップS501において送信されたNASメッセージを取り扱うか、又は、ii)(例えば、モバイル機器3Dに対し適切なエラーメッセージを生成し、これを送信することによって)モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するように有益に構成されてもよい。MMEは、モバイル機器3DからのNASメッセージを拒否するとき、拒否メッセージにおいてモビリティ管理バックオフタイマを返し、モバイル機器3Dが、バックオフタイマが満了するまで再送してこないようにすることができる。
【0075】
動作−第2の実施形態(MMEにより制御されるリルート)
図6は、NASメッセージをリルートするための手続を示す例示的なタイミング図である。より具体的には、この例において、現在モバイル機器3Dが割り当てられているMME9は、リルートが可能であるか否かを判断する。これを判断するために、複数のMME9は、互いにそれぞれの負荷レベル、利用可能性等に関する情報を交換するように構成されてもよい。
【0076】
例えば、複数のMME9は、
−特定のMMEに関連付けられているコアネットワークタイプ(コアネットワークタイプ(専用であるか否か)、コアネットワーク名、及び/又はコアネットワークのタイプ及び目的を定義するのに適した任意の情報)、及び/又は、
−特定のMMEに関連付けられている負荷レベル(例えば、いわゆる重み係数、及び/又は負荷レベルを示す任意の他の情報)、
を識別する情報を交換してもよい。
【0077】
そのような情報は、複数のMME間のそれぞれの接続を構成する初期セットアップ手続の間、及び/又は、近隣のMMEが再構成される以降に、(例えば、適切な「MME構成更新」シグナリング、「MMEステータス更新」シグナリング、及び/又は、直接若しくは間接的に、複数のMME間で関連する専用ネットワークタイプ及び負荷レベルに関する情報を交換するのに適した任意の既存の若しくは新たに定義されたシグナリングを用いて)得られてもよい。
【0078】
図6のステップS600a及びS600bに概略的に示される特に好適な事例では、デフォルトのMME9A及びその近隣の(専用の)MME9Dは、エコー要求/エコー応答メッセージ(3GPP TS29.060 V12.7.0、セクション7.2に詳細に記載されている)を交換するように構成されてもよい。
【0079】
明らかにこの場合、専用のMME9Dは、(ステップS600aにおいて)近隣のMME9Aに対し、適切にフォーマットされたエコー要求メッセージを生成し、これを送信する。専用のMME9Dは、そのメッセージに、MME9Dが属するDCNのタイプを識別する情報(例えば、「CNタイプ」パラメータ)と、MME9Dの負荷を識別する情報(例えば、「重み係数」パラメータ)とを含ませる。これに応答して、MME9Aは、(ステップS600bにおいて)MME9Dに対し、ステップS600aにおけるエコー要求メッセージの受信を確認する、適切にフォーマットされたエコー応答メッセージを生成し、これを返す。
図6には示されていないが、MME9Aは、例えば、ステップS600bにおけるエコー応答メッセージにおいて、及び/又は別個のエコー要求メッセージにおいて、専用のMME9Dに対し、自身のDCNタイプ(もしあれば)を識別する情報及び自身の負荷を識別する情報を提供してもよい。
【0080】
ステップS601〜S605は、それぞれ
図5のステップS501〜S505に対応し、このため、それらの説明を、単純にするためにここでは省く。
【0081】
共通の/デフォルトのMME9は、モバイル機器3からNASメッセージを受信するとき、正しい専用コアネットワークタイプ(例えば、そのモバイル機器3のネットワークタイプと同じもの)の近隣のMME/SGSNを探し、(例えば、ステップS600a及びS600bにおいて)近隣の複数のMME間で交換される情報に基づいて、そのようなMME/SGSNの利用可能性/負荷(重み係数)を確認する。
【0082】
この例では、モバイル機器3Dは、専用のMME9Dに関連付けられている(このため、この専用のMME9Dによって扱われるはずである)。したがって、ステップS611に概略的に示されるように、NASメッセージをリルートする前に、(現在選択されている)デフォルトのMME9Aは(DCNモジュール89を用いて)そのMME9Dのステータスを確認する。
【0083】
より具体的には、この例において、MME9Aは、
−選択されたMME9Dのコアネットワークタイプ、
−選択されたMME9Dの重み係数、
−選択されたMME9Dの(例えば、所定の閾値を上回る)高負荷、
−(別のMME9、例えば、デフォルトのMME9Aと比較した)選択されたMME9Dの相対負荷、
−選択されたMME9Dの過負荷、
−ネットワーク障害、
−選択されたMME9Dの(少なくとも一時的な)不具合、
−専用リソース/DCN7Dが(例えば、この基地局5を介して及び/又はモバイル機器3Dの現在の位置において)サポートされていないこと、及び
−上記のいずれでもないもの、
のうちの少なくとも1つを識別する情報を用いて、MME9Dのステータスを確認する。
【0084】
以上より、ステップS611の結果に応じて、MME9Aの処理には以下の選択肢(
図6において選択肢「A」及び「B」として表される)がある。
【0085】
現在選択されているMME9Aが、適切な専用のMME9Dが利用可能/動作中でない(及び、現在選択されているMME9Aがモバイル機器3Dを扱うことができない)と判断する場合、MME9Aは、ステップS614aに進み(
図6における選択肢「A」)、ステップS614aにおいて、MME9Aは、モバイル機器3Dに対して、(例えば、NASモジュール85を用いて)適切にフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、(S1APモジュール87を用いて基地局5を介して)これを送信する。このシグナリングメッセージにおいて、MME9Aは、ステップS601において送信されたNASメッセージを拒否する。
【0086】
一方、現在選択されているMME9Aが、適切な専用のMME9Dが利用可能/動作中であると判断する場合(
図6における選択肢「B」)、MME9Aは、ステップS614bに進み、基地局5に、NASメッセージを(MMEGI(又はSGSNの場合、Null−NRI)によって識別される)(専用の)MME9Dに転送(リルート)するよう要求する。ステップS614b及びS615bはそれぞれ、
図5のステップS509及び
S512aに対応し、このため、それらの説明を単純にするためにここでは省く。
【0087】
動作−第3の実施形態
図7は、NASメッセージをリルートするための手続を示す別の例示的なタイミング図である。この例では、基地局5は、DCNへのリルートが可能であるか否かを判断する際にデフォルトのMME9Aを支援する。
【0088】
ステップS701〜S703は、それぞれ
図5のステップS501〜S503に対応し、このため、それらの説明を、単純にするためにここでは省く。
【0089】
概ねステップS505に対応するステップS705において、基地局5は(RRCモジュール64を用いて)受信したRRCメッセージからNASメッセージを取得し、このNASメッセージを(例えば、NASメッセージを、「NASメッセージ要求」等の適切にフォーマットされたS1メッセージに入れることによって)選択された(デフォルトの)MME9Aに転送する。この実施形態においては、基地局5は、このメッセージに、リルートすることができる(又は関連付けられているDCNが展開されている)一または複数のコアネットワークタイプを識別する情報も含める。例えば、この情報は、リルート可能なCNタイプのリスト、リルート可能な専用リソース(MME/SGSN)のリスト等の形態で提供されてもよい。
【0090】
この情報は、基地局5のメッセージ内の1つ又は複数の適切な情報エレメント(IE)に含められてもよい。1つ又は複数の情報エレメントは、例えば、「リルート可能なCNタイプ」IE等を含んでもよく、基地局5に接続されている、(現在)リルート可能な各専用リソースがリスト化されたものでもよい。特定の専用リソース(MME/SGSN)がリルート可能である(このため、IEに含まれるべき)か否かを判断する際、基地局5は、その専用リソースが、
−所定の閾値(この閾値は、事業者によって構成可能であってもよい)未満の負荷レベル(重み係数及び/又は任意の他の負荷情報)を有するか否か、
−過負荷でないか(例えば、その専用リソースに関して過負荷を示す情報を受信していないか又は過負荷の終了を示す情報を受信したか)否か、及び/又は、
−ネットワーク障害を受けているか又は任意の他の理由で一時的に利用不可能であるか否か、
を確認するように構成されてもよい。
【0091】
ステップS711において、共通の/デフォルトのMME9は、モバイル機器3からNASメッセージを受信するとき、受信したIEについて、モバイル機器3Dのコアネットワークタイプにマッチするタイプの何らかのリルート可能なMME/SGSNを含むか否かを確認する。
【0092】
以上より、ステップS711の結果に応じて、共通の/デフォルトのMME9Aの処理には以下の選択肢(
図7において選択肢「A」及び「B」として表される)がある。
【0093】
共通の/デフォルトのMME9Aが、ステップS705におけるメッセージにおいて示されるリルート可能なMME/SGSNのいずれもモバイル機器3Dに関連付けられていない(モバイル機器3Dのコアネットワークタイプにマッチするタイプの適切な専用のMME9D(又はSGSN)のいずれもが利用可能でない)と判断する場合、デフォルトのMME9AはステップS712aに進み(
図7の選択肢「A」)、モバイル機器3Dの扱いを継続し、(デフォルトのMME9Aがそのモバイル機器3Dに関連付けられているコアネットワークタイプに関連付けられていない場合であっても)ステップS701において送信されたNASメッセージを取り扱う。
【0094】
一方、デフォルトのMME9Aが、ステップS705におけるメッセージにおいて示されるリルート可能なMME/SGSNのうちの(少なくとも)1つがモバイル機器3Dに関連付けられている(モバイル機器3Dのコアネットワークタイプにマッチするタイプの適切な専用のMME9D(又はSGSN)が利用可能である)と判断する場合、デフォルトのMME9Aは、適切な専用リソース(この場合、専用のMME9D)を選択し、ステップS712b(
図7における選択肢「B」)に進む。ステップS712b及びS713bは、それぞれ、
図5のステップS509及びS512bに対応し、このため、それらの説明を、単純にするためにここでは省く。
【0095】
変更形態及び代替形態
上記で、幾つかの詳細な実施形態を説明した。当業者であればわかるように、上記の実施形態において具現される発明から依然として利益を享受しながら、上記の実施形態に対して複数の変更形態及び代替形態を実施することができる。単に例示として、ここで、これらの代替形態及び変更形態のうちの幾つかを説明する。
【0096】
上記の実施形態では、モバイル機器は携帯電話機である。上記の実施形態は、例えば、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、ウェブブラウザ等の移動電話機以外の機器を用いて実施され得る。上記の実施形態は、非移動型又は概ね固定式のユーザ機器にも適用可能である。
【0097】
実施形態の上記の説明において、例示されているネットワークノードは、基地局及びMMEである。しかしながら、無線ネットワークコントローラ(RNC)を(LTE)基地局の代わりに用いてよく、SGSNをMMEの代わりに用いてもよい。
【0098】
上記の実施形態を、例示の目的のみでMMEを用いて説明したが、いかなる形においても、本発明は、MME及び/又はLTEコアネットワークを必要とするように限定されるものではない。例えば、SGSNがMMEの代わりに用いられてもよい。この場合、適切なSGSNグループ識別子(又はNull−NRI)が、上記のステップS509/S614b/S712bにおいて説明されたMMEGIの代わりに用いられてもよい。RNCが基地局の代わりに用いられてもよい。本発明の実施形態は、ユーザ機器が専用ネットワークノードに接続することが必要とされる他の(3GPP及び/又は非3GPP)規格によるシステムにも適用可能である。
【0099】
実施形態の上記の説明において、基地局は、専用のMMEが過負荷/利用不可能である場合にMMEのリルート要求を拒否している(及び/又はMMEがNASメッセージを拒否している)。しかしながら、この場合、基地局(又はMME)は、事業者の設定に応じて、過負荷/利用不可能である専用のMMEの代わりに、異なるMME(例えば、共通のMME)を選択するように構成されてもよい。そのような選択の設定は、ユーザ/UE/MMEGI/MME等ごとに適用されてもよい。
【0100】
専用のMME/SGSNが(例えば、
図5のステップ
S515a及び
図7のステップ
S712aに示されるように)利用不可能であるために、古い(デフォルトの)MMEがモバイル機器の取り扱いを継続する場合、古いMMEは、例えば、モバイル機器をデフォルトのMMEに登録した後、(例えば、事前設定されたタイマに基づく)所定の時間が経過したとき、及び/又はそのモバイル機器から(例えば、同じ追跡エリア及び/又は異なる追跡エリアから)の後続のNASメッセージの受信に応じて、モバイル端末(及び/又は任意の関連するNASメッセージ)を専用のMME/SGSNにリルートするように後で試みてもよい。
【0101】
専用のMME/SGSNが利用不可能であるとき(例えば、
図5の選択肢「B」及び
図7の選択肢「A」)、現在選択されているMMEは、(例えば、ステップ
S515a又はS712aの代わりにステップS614aを実行することによって、)モバイル機器のNASメッセージを拒否するように構成されてもよい。MMEは、モバイル機器からのNASメッセージを拒否するとき、モバイル機器に対するその拒否メッセージにおいて、いわゆるモビリティ管理バックオフタイマを返し、モバイル機器が、バックオフタイマが満了するまで戻ってくる(NASメッセージをMMEに再送信する)ことを試みないようにしてもよい。
【0102】
古い(デフォルトの)及び新たな(専用の)MME/SGSNは、物理的に分離(例えば、異なる位置に配置)されてもよく、又は同じ位置に一体配置されてもよい(ただし、論理的に別個のエンティティとして配置される)。
【0103】
選択されたDCN(又は専用コアネットワークノードである、MME/SGSN)は、以下のシナリオのうちの1つ又は複数において、リルート/リダイレクトされたモバイル機器を扱うことができない場合がある(このため、リルート/リダイレクト要求は、そのようなDCNについて拒否される場合があるか又はトリガされない場合がある)。
1)高負荷の専用ネットワークリソース
この場合、各MME及び/又はSGSNは、接続された基地局(及び/又はRNC)に、そのMME/SGSNに関連付けられている現在の負荷のレベルを、例えば、適切な「MME構成更新」メッセージ(これについては、3GPP TS36.413 V12.4.0、セクション8.7.5において詳細に記載されている)及び/又は適切な「S1セットアップ応答」メッセージ(これについては、3GPP TS36.413、セクション9.1.8.5において詳細に記載されている)を用いて定期的に示すように構成されてもよい。現在の負荷のレベルは、いわゆる「重み係数」(すなわち、MME/SGSNがどの程度ビジーであるか/負荷がかかっているかであり、MME/SGSNの完全に負荷がかかった状態のパーセンテージで測定される)として与えられてもよい。この場合、基地局(又はRNC)は、モバイル機器のための適切なMME/SGSNを選択するときに、接続された各MME/SGSNの関連付けられている重み係数(その値が利用可能である場合)を考慮するように構成されてもよい。換言すれば、基地局(又はRNC)は、特定のNASメッセージを適切なMME/SGSNにリルートする間、負荷分散処理を実行するように構成されてもよい。MME/SGSNの負荷レベル(重み係数を用いて示される)が一定の閾値(ネットワーク事業者によって設定及び構成されてもよい)よりも高い場合、基地局(又はRNC)は、そのような高負荷の専用リソースへのNASメッセージのリルートを回避又は拒否するように構成されてもよい(ただし、他の、例えばより負荷の低い、専用リソースへのリルートは依然として許可されてもよい)。
2)過負荷の専用ネットワークリソース
各MME及び/又はSGSNは、MME/SGSNが過負荷状態にあるときに(そして、結果として、その特定のMME/SGSNがこれ以上移動デバイスを受け入れるか又はサービングすることができないときに)接続された基地局(及び/又はRNC)に知らせるように構成されてもよい。過負荷状態を示す情報は、例えば、適切な「過負荷開始」メッセージ(3GPP TS23.401 V12.7.0、セクション4.3.7.4に詳細に記載されている)を用いて提供されてもよい。この場合、基地局(及び/又はRNC)は、MME/SGSNが過負荷状態である間(例えば、少なくとも適切な「過負荷停止」メッセージ等の受信まで)その特定のMME/SGSNを選択しないように構成されてもよい。これにより、上記で説明した高負荷のシナリオと同様に、過負荷の専用リソースへのNASメッセージのリルートは、拒否又は回避されてもよい(一方、他の専用リソースへのリルートは依然として許可されてもよい)。
3)専用ネットワークリソースの一時的な不具合
基地局(又はRNC)は、専用のMME/SGSNが一時的に不具合であるときを示す情報を(例えば、適切なエラーを示す情報及び/又は構成情報を受信することによって、及び/又は特定の専用のMME/SGSNとの通信が、例えばタイムアウト等により失敗したと判断することによって、)得てもよい。これにより、上記で説明した高負荷及び過負荷のシナリオと同様に、基地局(又はRNC)は、そのような不具合のあるリソースに対するNASメッセージのリルートを拒否又は回避するように構成されてもよい。
4)利用不可能な専用ネットワークリソース
基地局(又はRNC)は、専用のMME/SGSNが任意の他の理由(例えば、ネットワーク/通信障害、モバイル機器が、専用リソースが配置されていないエリアに位置すること、専用リソースが特定のタイプのモバイル機器/サービスに関連付けられていないこと等)から利用可能でないと判断してもよい。これにより、他の3つのシナリオと同様に、基地局(又はRNC)は、利用不可能な専用リソースに対するNASメッセージのリルートを拒否又は回避するように構成されてもよい。
【0104】
ステップS512b及び
S515aの上記の説明において、現在選択されているMMEは、基地局からの、要求されたNASリダイレクトを拒否するメッセージの受信に応じて、モバイル機器の扱いを継続するように説明されている。しかしながら、例えば、事業者のプリファレンス(専用及び非専用ネットワーク相互運用ポリシー構成等)に基づいて、ステップS512bにおける、上記で列挙した拒否原因の値のうちの1つを有する「NASメッセージリルート拒否」メッセージの受信に応じて、現在の(デフォルトの)MMEは、
a)モバイル機器からのNASメッセージ(例えば、最初の「アタッチ要求」、「TAU要求」及び/又は「RAU要求」)を受け付け、(例えば、
図5のステップ
S515aを参照して上記で示されたように)モバイル端末の扱いを継続するか否か、
b)モバイル機器からのNASメッセージを一時的に受け付け、(例えば、事前構成されたタイマに基づく)ある時間後にモバイル機器を専用のMME/SGSNにリルートするように試みるか否か、又は、
c)(例えば、
図6のステップS614aを参照して上記で説明したような適切な応答を返すことによって)モバイル機器からのNASメッセージを拒否するか否か、
を判断するように構成されてもよい。
【0105】
いずれかの実施形態において、現在選択されている(デフォルトの)MMEが、(例えば、「NASメッセージ拒否要求」を送信することによって)モバイル機器の扱いを拒否するように決定する場合、デフォルトのMMEは、自身のメッセージに、
−3GPP TS23.401 V12.7.0、セクション4.3.7.4.2において記載されている、関連するモビリティ管理バックオフタイマ値を示すパラメータ、及び、
−3GPP TS24.301 V12.7.0、セクション9.9.3.9において記載されている、関連する発展型パケットシステム(EPS)モビリティ管理(EMM)原因を示すパラメータ(例えば、「追跡エリア不許可」、「輻輳」、「ネットワーク障害」等)、
のうちの一方又は双方を含ませてもよい。
【0106】
図6の上記の説明において、ステップS600a〜S600b及びステップS611は別個の手続として説明されている。しかしながら、デフォルトのMMEは、(例えば、適切なエコー要求(等)を送信し、専用のMMEに関連付けられているCNタイプ及び重み係数を含む、要求に対応するエコー応答を受信することによって)ステップS611の一部として専用のMMEのためのCNタイプ及び重み係数を得るように構成されてもよい。
【0107】
ステップS705の上記の説明において、基地局は、リルート可能な専用リソースのリストを含むように説明されている。しかしながら、基地局は、このメッセージに、(リルート可能な専用リソースのリストに加えて、又はその代わりに)リルート不可能な専用リソースのリスト、例えば、現在利用不可能なMME/SGSNのリストを含ませるように構成されてもよい。この場合、デフォルトのMMEは、リルート不可能な専用リソースも考慮に入れることによって、(ステップS711において)ターゲットMMEを選択するように構成されてもよい。
【0108】
基地局及び/又はMMEは、特定の専用のMMEの過負荷を回避するために、リルート手続の数又はレート(例えば、秒/分等あたりにリルートされるNASメッセージ数)をカウントするように構成されてもよい。換言すれば、リルートのレートは制御されてよく、所定の数を超過した場合、基地局及び/又はMMEは、そのMMEに更なるNASメッセージをリルートすることを試みる前に、ターゲットMMEのステータスを確認するように構成されてもよい。
【0109】
上記の実施形態は、DCNが幾つかの(ただし全てではない)RATについてのみ、及び/又はネットワーク内の特定のエリア(追跡/ルーティングエリア)についてのみ配置されているとき、異種の/部分的なDCNの配置にも適用されてもよい。この場合、基地局及びMMEは、モバイル機器が特定のサービスエリアの中にあるか又は外にあるか、及び/又は(そのモバイル機器のための)DCN機能をサポートするRATを考慮に入れるように構成されてもよい。
【0110】
上記で説明したNASメッセージリダイレクト(及び/又はMME/SGSN再選択)は、(例えば、過負荷を有するMME/SGSNから、又は比較的高い負荷を有するMME/SGSNから、比較的低い負荷を有する別の一または複数のMME/一または複数のSGSNに加入者を移動させるための)負荷分散目的で実行されてもよい。
【0111】
上記の実施形態では、複数のソフトウェアモジュールを説明した。当業者であればわかるように、それらのソフトウェアモジュールは、コンパイル済みの形式又は未コンパイルの形式において与えられてよく、コンピュータネットワークを介して信号として、又は記録媒体において基地局又はMMEに供給されてもよい。さらに、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用のハードウェア回路を用いて実行されてもよい。しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用によって、基地局、MME、及びモバイル機器の機能を更新するために当該基地局、MME、及びモバイル機器を更新することが容易になるため、ソフトウェアモジュールの使用が好ましい。
【0112】
少なくとも1つのコアネットワークノードのグループを識別する情報を含むメッセージは、通信接続を確立するためのシグナリングを送信した通信機器のタイプに対応するタイプの、少なくとも1つの専用モビリティ管理エンティティ(MME)及び/又は少なくとも1つの専用のSGSNを識別する情報を含んでもよい。
【0113】
通信接続を確立するためのシグナリングは、非アクセス層(NAS)メッセージ(例えば、アタッチ要求メッセージ、追跡エリア更新メッセージ、又はロケーションエリア更新メッセージ)を含んでもよい。
【0114】
複数のコアネットワークノードは、複数の移動管理装置(MME)及び/又は加入者パケット交換機(SGSN)を含んでもよい。この場合、第1のコアネットワークノードはデフォルトのMME又はデフォルトのSGSNを含んでもよい。
【0115】
通信装置は、基地局及び無線ネットワークコントローラ(RNC)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0116】
通信装置における判断手段は、グループのコアネットワークタイプ、グループのコアネットワークノードの重み係数、グループのコアネットワークノードのステータス、グループのコアネットワークノードの高負荷(例えば、所定の閾値を上回る負荷)、グループのコアネットワークノードの(例えば、別のコアネットワークノードと比較した)相対負荷、グループのコアネットワークノードの過負荷、ネットワーク障害、グループのコアネットワークノードの(少なくとも一時的な)不具合、専用コアネットワークリソース及び/又は専用コアネットワークがサポートされていないこと、のうちの少なくとも1つを識別する情報に基づいて、グループの少なくとも1つのコアネットワークノードが利用可能であるか否かを判断するように動作可能であってもよい。
【0117】
グループの一部を形成していないデフォルトコアネットワークノードへの通信接続をセットアップするためのシグナリングをリルートするとき、通信装置におけるリルート手段は、NASメッセージをコアネットワークノードにリルートするための理由を識別する情報(例えば、「拒否原因」)を含めるように動作可能であってもよい。通信装置におけるリルート手段は、MMEグループ識別子(MMEGI)、ネットワークリソース識別子(例えば、「Null−NRI」)、加入者パケット交換機(SGSN)グループ識別子、及びGlobally Unique Temporary Identifier(GUTI)のうちの少なくとも1つに基づいて(例えば、NASノード選択機能を用いて)デフォルトコアネットワークノードを選択するように動作可能であってもよい。デフォルトコアネットワークノードは、第1のコアネットワークノードを含んでもよい。
【0118】
デフォルトコアネットワークノードへの通信接続をセットアップするためにシグナリングをリルートするとき、通信装置におけるリルート手段は、デフォルトコアネットワークノードに、「NASメッセージリルート拒否」メッセージ、「NASメッセージ転送」メッセージ、及び「初期UEメッセージ」のうちの少なくとも1つを送信するように動作可能であってもよい。少なくとも1つのコアネットワークノードのグループを識別する情報を含むメッセージは、NASメッセージリルート要求を含んでもよい。
【0119】
コアネットワークノードは、受信手段が、シグナリングをコアネットワークノードにリルートするメッセージを受信すると、コアネットワークノードと通信機器との間の通信接続をセットアップするように構成されてもよい。コアネットワークノードは、受信手段が、シグナリングをコアネットワークノードにリルートするメッセージを受信すると、コアネットワークノードと通信機器との間の通信接続をセットアップするためのシグナリングを拒否するように構成されてもよい。この場合、コアネットワークノードは、通信機器に、i)バックオフタイマ値、及びii)コアネットワークノードと通信機器との間の通信接続をセットアップするためのシグナリングの拒否原因(例えば、追跡エリア不許可、輻輳、ネットワーク障害)のうちの少なくとも一方を識別する情報を提供するように更に構成されてもよい。
【0120】
コアネットワークノードは、移動管理装置(MME)又は加入者パケット交換機(SGSN)を含んでもよい。
【0121】
種々の他の変更形態は当業者には明らかであり、ここでは、これ以上詳しくは説明しない。