(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中継可否情報は、各前記通信状態情報に基づいて決定された、前記データの中継を行うべき所定数の前記中継装置を認識可能な情報である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線センサシステム。
前記管理装置は、各前記通信状態情報に基づいて、前記対象端末ごとの、前記データの中継を行うべき前記中継装置の数を決定する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線センサシステム。
前記管理装置は、1または複数の前記通信状態情報が所定条件を満たす前記中継装置へ、前記中継可否情報を送信しない、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の無線センサシステム。
前記管理装置は、前記通信状態情報の受信時刻に基づいて、前記中継可否情報の作成または更新に前記通信状態情報を用いるか否かを決定する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の無線センサシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示が解決しようとする課題]
無線アドホックネットワークを介して通信装置間でパケットがやり取りされる場合、パケットは、パケットの中継を行う1または複数の中継装置を経由する伝送経路を通って通信装置間を伝送される。
【0012】
このようなマルチホップ通信は、無線アドホックネットワークに限らず、有線のネットワークにおいても用いられ、たとえば電力計測のスマートメータ等の単一のアプリケーションに利用されることが多い。
【0013】
これに対して、今後利用が進むと予想されるM2M(Machine to Machine)システムにおいて、センサによる計測結果を管理装置が集約する構成が考えられる。このような構成では、無線端末装置から送信されたパケットが、1または複数の中継装置を経由して管理装置へ伝送される。
【0014】
たとえば、複数の中継装置が同じセンサからデータを受信する場合、システムにおけるトラフィックが増大してしまう。
【0015】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することが可能な無線センサシステム、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することである。
【0016】
[本開示の効果]
本開示によれば、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0017】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0018】
(1)本発明の実施の形態に係る無線センサシステムは、センサによる計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の無線端末装置と、管理装置と、前記無線端末装置から受信した前記データを前記管理装置または他の中継装置へ中継する複数の中継装置とを備え、前記複数の中継装置は、1または複数の前記無線端末装置から自己への通信の状態を示す通信状態情報を前記管理装置宛に送信し、前記管理装置は、各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、1または複数の前記無線端末装置である対象端末ごとに、前記対象端末からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信する。
【0019】
このように、複数の中継装置が無線端末装置との通信状態情報を管理装置宛に送信し、管理装置が各通信状態情報に基づいて各中継装置におけるデータの中継可否を無線端末装置ごとに決定する構成により、通信状態が相対的に良い中継装置を無線端末装置ごとに選択してデータを中継することができる。したがって、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0020】
(2)好ましくは、前記中継装置は、前記中継可否情報に関わらず、他の前記中継装置から受信した前記データを中継する。
【0021】
このよう構成により、通信状態の良い中継装置において受信されたデータが他の中継装置において廃棄されることを防ぐことができるため、管理装置へデータをより確実に到達させることができる。
【0022】
(3)好ましくは、前記対象端末は、前記中継装置において前記データが受信された前記無線端末装置である。
【0023】
このような構成により、通信状態を管理装置に通知すべき無線端末装置を適切に選択し、無線センサシステムにおけるトラフィックを抑制することができる。
【0024】
(4)好ましくは、前記中継可否情報は、前記データの中継を行うべきでない前記無線端末装置を示す。
【0025】
このような構成により、たとえば、無線センサシステムに新たな無線端末装置が追加された場合において、当該無線端末装置からのデータの中継が許可された中継装置が識別可能となるまでは、当該無線端末装置からのデータを受信した中継装置は当該データを中継することができる。これにより、中継可否情報の内容が不十分な初期状態においてもデータを管理装置へ到達させることができる。
【0026】
(5)より好ましくは、前記中継可否情報は、前記データの中継を行うべきでない前記無線端末装置と前記中継装置との組み合わせを示す。
【0027】
このような構成により、中継可否情報をマルチキャストにより各中継装置へ送信することで、各中継装置における中継可否情報を一度に更新することができる。
【0028】
(6)好ましくは、前記中継可否情報は、前記データの中継を行うべき前記無線端末装置を示す。
【0029】
このような構成により、たとえば、無線センサシステムに新たな無線端末装置が追加された場合において、当該無線端末装置からのデータの中継が許可された中継装置のみが当該データの中継を行うことから、複数の中継装置が受信した新たな無線端末装置からのデータが中継されることを防ぐことができ、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0030】
(7)より好ましくは、前記中継可否情報は、前記データの中継を行うべき前記無線端末装置と前記中継装置との組み合わせを示す。
【0031】
このような構成により、中継可否情報をマルチキャストにより各中継装置へ送信することで、各中継装置における中継可否情報を一度に更新することができる。
【0032】
(8)好ましくは、前記中継可否情報は、各前記通信状態情報に基づいて決定された、前記データの中継を行うべき所定数の前記中継装置を認識可能な情報である。
【0033】
このように、中継を許可する中継装置の数を固定化する構成により、中継装置の選択処理を簡単にすることができる。
【0034】
(9)好ましくは、前記管理装置は、各前記通信状態情報に基づいて、前記対象端末ごとの、前記データの中継を行うべき前記中継装置の数を決定する。
【0035】
このような構成により、たとえば、通信品質が良い場合は中継を許可する中継装置の数を少なくしてトラフィックを抑制し、通信品質が悪い場合は中継を許可する中継装置の数を多くして管理装置までデータが到達する可能性を上げることができる。
【0036】
(10)好ましくは、前記管理装置は、1または複数の前記通信状態情報が所定条件を満たす前記中継装置へ、前記中継可否情報を送信しない。
【0037】
このような構成により、中継可否情報が送信される頻度を下げることができるため、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0038】
(11)好ましくは、前記管理装置は、前記通信状態情報の受信時刻に基づいて、前記中継可否情報の作成または更新に前記通信状態情報を用いるか否かを決定する。
【0039】
このような構成により、たとえば無線端末装置が移動して、中継を許可されている中継装置において当該無線端末装置からのデータを受信できなくなった場合に、中継可否情報の内容を適切に更新することができる。
【0040】
(12)好ましくは、前記無線端末装置は、前記データを含む無線信号であって第1の周波数帯における無線信号を片方向通信により送信し、前記中継装置は、前記データを含む無線信号であって前記第1の周波数帯とは一部または全部が異なる第2の周波数帯における無線信号を送信する。
【0041】
このように、無線端末装置が無線信号の送信に用いる第1の周波数帯と、中継装置が無線信号の送信に用いる第2の周波数帯とが異なる構成により、中継装置および無線端末装置間における電波干渉を抑制することができる。これにより、入念な調査を行わずに無線端末装置および中継装置を多数設ける場合においても、干渉によるデータロスの増加を防ぐことができる。
【0042】
(13)本発明の実施の形態に係る管理装置は、管理装置であって、センサによる計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の無線端末装置から、受信した前記データを前記管理装置または他の中継装置へ中継する中継装置への通信の状態を示す通信状態情報を、複数の前記中継装置から受信する受信処理部と、各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、1または複数の前記無線端末装置である対象端末ごとに、前記対象端末からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信する送信処理部とを備える。
【0043】
このように、複数の中継装置が無線端末装置との通信状態情報を管理装置宛に送信し、管理装置が各通信状態情報に基づいて各中継装置におけるデータの中継可否を無線端末装置ごとに決定する構成により、通信状態が相対的に良い中継装置を無線端末装置ごとに選択してデータを中継することができる。したがって、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0044】
(14)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、管理装置における通信制御方法であって、センサによる計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の無線端末装置から、受信した前記データを前記管理装置または他の中継装置へ中継する中継装置への通信の状態を示す通信状態情報を、複数の前記中継装置から受信するステップと、各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、1または複数の前記無線端末装置である対象端末ごとに、前記対象端末からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信するステップとを含む。
【0045】
このように、複数の中継装置が無線端末装置との通信状態情報を管理装置宛に送信し、管理装置が各通信状態情報に基づいて各中継装置におけるデータの中継可否を無線端末装置ごとに決定する構成により、通信状態が相対的に良い中継装置を無線端末装置ごとに選択してデータを中継することができる。したがって、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0046】
(15)本発明の実施の形態に係る通信制御プログラムは、管理装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータを、センサによる計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の無線端末装置から、受信した前記データを前記管理装置または他の中継装置へ中継する中継装置への通信の状態を示す通信状態情報を、複数の前記中継装置から受信する受信処理部と、各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、1または複数の前記無線端末装置である対象端末ごとに、前記対象端末からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信する送信処理部、として機能させるためのプログラムである。
【0047】
このように、複数の中継装置が無線端末装置との通信状態情報を管理装置宛に送信し、管理装置が各通信状態情報に基づいて各中継装置におけるデータの中継可否を無線端末装置ごとに決定する構成により、通信状態が相対的に良い中継装置を無線端末装置ごとに選択してデータを中継することができる。したがって、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0048】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0049】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムの構成を示す図である。
【0050】
図1を参照して、無線センサシステム301は、複数のセンサモジュール1と、複数の中継装置151と、管理装置161とを備える。
【0051】
なお、無線センサシステム301は、複数のセンサモジュール1を備える構成に限らず、1つのセンサモジュール1を備える構成であってもよい。また、無線センサシステム301は、複数の中継装置151を備える構成に限らず、1つの中継装置151を備える構成であってもよい。
【0052】
中継装置151は、たとえばアクセスポイントである。管理装置161は、たとえばサーバである。
【0053】
センサモジュール1は、たとえば電池によって動作する。中継装置151および管理装置161は、たとえば系統からの電力によって動作する。
【0054】
無線センサシステム301では、複数の中継装置151は、センサモジュール1から管理装置161へ伝送される情報を中継する。
【0055】
センサモジュール1および中継装置151間の通信は、片方向の無線通信により行われる。中継装置151間の通信は、無線によるマルチホップ通信により行われる。
【0056】
管理装置161および中継装置151間の通信は、たとえば有線通信により行われる。なお、管理装置161および中継装置151間の通信は、無線通信により行われてもよい。
【0057】
たとえば、無線センサシステム301がM2Mシステムに用いられる場合、複数の中継装置151は、センサを含むセンサモジュール1の計測結果を示すセンサ情報を中継して管理装置161へ送信する。
【0058】
[課題]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおけるトラフィックの増大を説明するための図である。
【0059】
図2を参照して、中継装置151である中継装置151A,151B,151C,151Dと、センサモジュール1とが設けられている状況を想定する。
【0060】
センサモジュール1から送信される無線信号には、たとえば、中継装置151Aが受信して中継すべきパケットが含まれる。センサモジュール1は、定期的または不定期に無線信号を送信する。
【0061】
図2に示す例では、センサ情報が、センサモジュール1から管理装置161へ到達するまでの経路として、4つの経路が存在する。
【0062】
より詳細には、センサ情報が、中継装置151Aを経由して管理装置161へ到達する経路、中継装置151Bおよび中継装置151Aを経由して管理装置161へ到達する経路、151Cおよび中継装置151Aを経由して管理装置161へ到達する経路、ならびに中継装置151D、151Bおよび中継装置151Aを経由して管理装置161へ到達する経路が存在する。
【0063】
このため、センサモジュール1から送信される無線信号を複数の中継装置151が受信する場合、無線センサシステム301におけるトラフィックが増大する。
【0064】
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
【0065】
[センサモジュール1の構成]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおけるセンサモジュールの構成を示す図である。
【0066】
図3を参照して、センサモジュール1は、センサ21と、無線端末装置101とを備える。無線端末装置101は、データ作成部22と、送信処理部23とを含む。
【0067】
センサ21は、たとえば、温度、湿度、電流、加速度、ジャイロおよび圧力等の物理量の少なくともいずれか1つを測定し、測定した物理量を示すアナログ信号をデータ作成部22へ送信する。
【0068】
データ作成部22は、センサ21による計測結果を示すセンサ情報と、たとえばセンサモジュール1における無線端末装置101固有のID(以下、センサIDとも称する。)とを含むセンサデータを作成し、作成したセンサデータを含むパケットを送信処理部23へ出力する。
【0069】
送信処理部23は、データ作成部22から受けたパケットを含む無線信号を生成し、片方向通信により送信する。
【0070】
[中継装置151の構成]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継装置の構成を示す図である。
【0071】
図4を参照して、中継装置151は、センサ側通信処理部41と、上位側通信処理部42と、記憶部43と、データ処理部44とを備える。
【0072】
中継装置151は、無線端末装置101から受信した無線信号に含まれるセンサデータを管理装置161または他の中継装置151へ定期的または不定期に送信する。
【0073】
また、中継装置151は、無線端末装置101から自己への通信の状態を示す通信状態情報を管理装置161または他の中継装置151へ定期的または不定期に送信する。
【0074】
より詳細には、中継装置151におけるセンサ側通信処理部41は、センサモジュール1から無線信号を受信すると、無線信号の計測結果の一例である、当該無線信号の品質を示す受信時のLQI(Link Quality Indication)を計測する。
【0075】
LQIは、0から255の値をとり、数値が大きいほど無線信号の品質が高いことを表している。
【0076】
センサ側通信処理部41は、受信した無線信号に含まれるパケットからセンサデータを取得し、取得したセンサデータを記憶部43に保存する。
【0077】
また、センサ側通信処理部41は、センサデータに含まれるセンサIDと、たとえば計測したLQIとを対応付け、通信状態情報として記憶部43に保存する。
【0078】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る中継装置におけるLQIテーブルの一例を示す図である。
【0079】
図5を参照して、LQIテーブルは、通信状態情報の一例であり、センサIDとLQIとの対応関係を示す。具体的には、たとえば、中継装置151において、センサIDが0001であるセンサモジュール1のLQIは180であり、センサIDが0002であるセンサモジュール1のLQIは110であり、センサIDが0003であるセンサモジュール1のLQIは200である。
【0080】
再び
図4を参照して、上位側通信処理部42は、センサモジュール1からのセンサデータの中継可否を識別可能な情報(以下、中継可否情報とも称する)を管理装置161から受信すると、記憶部43に保存する。中継可否情報は、たとえば、センサデータの中継を行うべきでない当該センサデータの送信元のセンサモジュール1、すなわち無線端末装置101を示す。以下、このような中継可否情報を、中継可否情報A1とも称する。
【0081】
具体的には、たとえば、中継装置151Cの上位側通信処理部42は、中継可否情報A1として0001および0003のセンサIDが含まれたパケットを受信し、受信したパケットに含まれるセンサIDを記憶部43に保存する。上位側通信処理部42は、保存した中継可否情報A1に基づいてセンサモジュール1からのセンサデータの中継可否を判別する。
【0082】
データ処理部44は、記憶部43に保存されたセンサデータのセンサIDが、記憶部43に保存された中継可否情報A1の示すセンサIDと一致する場合、当該センサデータを削除する。
【0083】
具体的には、たとえば、中継装置151Cのデータ処理部44は、センサIDが0001であるセンサデータおよびセンサIDが0003であるセンサデータを削除する。
【0084】
再び
図4を参照して、上位側通信処理部42は、センサデータおよび通信状態情報を記憶部43から取得し、取得したセンサデータおよび通信状態情報を含む無線信号であって第1の周波数帯とは重複しない、すなわち第1の周波数帯とは全部が異なる第2の周波数帯における無線信号を生成し、送信する。
【0085】
具体的には、上位側通信処理部42には、920メガヘルツ帯における所定の送信チャネル(以下、中継チャネルとも称する。)がたとえばユーザによって設定されている。上位側通信処理部42の中継チャネルは、センサモジュール1の使用するチャネル(以下、端末チャネルとも称する。)とは異なる。
【0086】
また、中継装置151は、他の中継装置151からセンサデータおよび通信状態情報を含む無線信号を受信する。この場合、中継装置151は、中継可否情報A1に関わらず、受信したセンサデータおよび通信状態情報を含む無線信号を中継する。
【0087】
具体的には、上位側通信処理部42は、他の中継装置151からセンサデータおよび通信状態情報を含む中継チャネルの無線信号を受信すると、受信した無線信号に含まれるセンサデータおよび通信状態情報を取得し、取得したセンサデータおよび通信状態情報を含む中継チャネルの無線信号を再び生成し、送信する。
【0088】
[変形例]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継可否情報の一例を示す図である。
【0089】
図6を参照して、中継可否情報は、センサIDと当該センサIDを有するセンサモジュール1からのセンサデータの中継を行うべきでない中継装置151との対応関係、すなわち組み合わせを示すものであってもよい。以下、このような中継可否情報を、中継可否情報A2とも称する。
【0090】
上位側通信処理部42は、
図6に示す中継可否情報A2を管理装置161から受信すると、中継可否情報A2を記憶部43に保存し、保存した中継可否情報A2に基づいてセンサモジュール1からのセンサデータの中継可否を判別する。
【0091】
この場合、データ処理部44は、中継可否情報A2において自己の中継装置151の組み合わせが存在する場合、記憶部43に保存されたセンサデータのセンサIDが、当該組み合わせのセンサIDと一致するセンサデータを削除する。
【0092】
具体的には、たとえば、中継装置151Cのデータ処理部44は、センサIDが0001であるセンサデータおよびセンサIDが0003であるセンサデータを削除し、また、中継装置151Dのデータ処理部44は、センサIDが0001〜0003であるセンサデータをそれぞれ削除する。
【0093】
なお、上位側通信処理部42は、受信した中継可否情報A2から自己の中継装置151に対応するセンサIDを抽出して中継可否情報A1を作成し、作成した中継可否情報A1を記憶部43に保存する構成であってもよい。この場合、上位側通信処理部42は、保存した中継可否情報A1に基づいてセンサモジュール1からのセンサデータの中継可否を判別する。
【0094】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0095】
図7を参照して、中継装置151は、CPU(Central Processing Unit)81と、無線モジュール82A,82B,82C,82Dと、アンテナ83A,83B,83C,83Dとを備える。以下、無線モジュール82A,82B,82C,82Dの各々を無線モジュール82と称する場合がある。
【0096】
CPU81は、センサ側通信処理部41および上位側通信処理部42を実現する。
【0097】
無線モジュール82Aおよび82Bは、それぞれ対応のアンテナ83Aおよび83Bを介して、他の中継装置151から送信された無線信号を受信する。このとき、無線モジュール82Aおよび82Bは、LQIを計測する。
【0098】
無線モジュール82Cおよび82Dは、それぞれ対応のアンテナ83Cおよび83Dを介して、センサモジュール1から送信された無線信号を受信する。このとき、無線モジュール82Cおよび82Dは、LQIを計測する。
【0099】
無線モジュール82は、受信した無線信号に含まれるセンサデータおよび計測したLQIをCPU81へ出力する。
【0100】
CPU81は、たとえば、無線モジュール82Aおよび82Bから受けたセンサデータおよび計測したLQIのうち、計測したLQIの大きい方を選択し、選択したLQIから上記通信状態情報を生成する。
【0101】
そして、CPU81は、生成した上記通信状態情報と対応のセンサデータとを記憶部43に保存する。
【0102】
また、CPU81は、たとえば、無線モジュール82Cおよび82Dから受けたセンサデータのうち、計測したLQIの大きい方を選択し、選択したLQIから上記通信状態情報を生成する。
【0103】
そして、CPU81は、生成した上記通信状態情報と対応のセンサデータとを記憶部43に保存する。
【0104】
また、CPU81は、センサデータおよび上記通信状態情報を記憶部43から取り出し、無線モジュール82Aおよび82Bへ出力する。
【0105】
無線モジュール82Aおよび82Bは、CPU81から受けた選択したセンサデータおよび上記通信状態情報を含む無線信号を生成し、それぞれ対応のアンテナ83Aおよび83Bを介して他の中継装置151または管理装置161へ送信する。
【0106】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継装置のハードウェア構成の他の例を示す図である。
【0107】
図8を参照して、中継装置151は、CPU81と、無線モジュール82E,82Fと、アンテナ83E,83F,83G,83Hとを備える。
【0108】
無線モジュール82Eは、対応のアンテナ83Eおよび83Fを介して、他の中継装置151から送信された無線信号を受信する。このとき、無線モジュール82Eは、LQIを計測する。
【0109】
無線モジュール82Fは、対応のアンテナ83Gおよび83Hを介して、センサモジュール1から送信された無線信号を受信する。このとき、無線モジュール82Fは、LQIを計測する。
【0110】
無線モジュール82Eは、たとえば、計測したLQIの大きい方を選択し、選択した無線信号に含まれるセンサデータおよび計測したLQIをCPU81へ出力する。
【0111】
無線モジュール82Fは、たとえば、計測したLQIの大きい方を選択し、選択した無線信号に含まれるセンサデータおよび計測したLQIをCPU81へ出力する。
【0112】
CPU81は、無線モジュール82Eまたは82Fから受けたセンサデータおよびLQIのうちLQIから上記通信状態情報を生成し、センサデータおよび上記通信状態情報を記憶部43に保存する。
【0113】
CPU81は、センサデータおよび上記通信状態情報を記憶部43から取り出し、無線モジュール82Eへ出力する。
【0114】
無線モジュール82Eは、CPU81から受けたセンサデータおよび上記通信状態情報を含む無線信号を生成し、対応のアンテナ83Eおよび83Fを介して他の中継装置151または管理装置161へ送信する。
【0115】
[管理装置161の構成]
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムにおける管理装置の構成を示す図である。
【0116】
図9を参照して、管理装置161は、受信処理部71と、送信処理部72と、記憶部73と、データ処理部74とを備える。
【0117】
管理装置161は、各中継装置151から受信した通信状態情報に基づいて、センサモジュール1のうちの一部または全部のセンサモジュール1ごとに中継可否情報を対象の中継装置151へ送信する。
【0118】
より詳細には、管理装置161において、受信処理部71は、各中継装置151からの通信状態情報を受信して記憶部73に保存する。
【0119】
データ処理部74は、記憶部73における各通信状態情報に基づいて、すなわち各中継装置151において作成された通信状態情報に基づいて、センサモジュール1からのセンサデータの、中継装置151における中継可否を識別可能な中継可否情報を作成または更新し、記憶部73に保存する。
【0120】
中継可否情報を作成または更新する対象となる対象端末は、たとえば、中継装置151がセンサデータを受信した無線端末装置101である。
【0121】
データ処理部74は、作成または更新した中継可否情報を送信処理部72へ出力する。
【0122】
送信処理部72は、データ処理部74から受けた中継可否情報を対象の中継装置151へ送信する。
【0123】
[動作の流れ]
無線センサシステム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0124】
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置が中継可否情報を更新して各中継装置へ送信する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0125】
図9および
図10を参照して、まず、管理装置161において、受信処理部71は、たとえば、中継装置151から通信状態情報を受信すると(ステップS101でYES)、受信した通信状態情報に受信時刻を示すタイムスタンプを付して記憶部73に保存する(ステップS102)。
【0126】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置における管理テーブルの一例を示す図である。
【0127】
図11を参照して、管理テーブルは、センサID、中継装置151、およびLQIの対応関係を示す。具体的には、たとえば、管理テーブルにおいて、センサIDが0001であるセンサモジュールの、中継装置151AにおけるLQIは180であり、中継装置151BにおけるLQIは150であり、中継装置151CにおけるLQIは50であり、中継装置151DにおけるLQIは40である。
【0128】
再び
図9および
図10を参照して、次に、データ処理部74は、記憶部73に新たに保存された通信状態情報を用いて管理テーブルを更新する(ステップS103)。
【0129】
このとき、管理装置161は、通信状態情報の受信時刻に基づいて、中継可否情報の更新に当該通信状態情報を用いるか否かを決定する。
【0130】
具体的には、データ処理部74は、一定期間タイムスタンプの変更がない通信状態情報を記憶部73から削除する。
【0131】
次に、データ処理部74は、更新した管理テーブルから中継可否情報の更新処理を行う(ステップS104)。
【0132】
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置による中継可否情報の更新処理の手順を定めたフローチャートの一例を示す図である。
【0133】
管理装置161は、各通信状態情報に基づいて、センサモジュール1ごとの、センサデータの中継を行うべき中継装置151の数を決定する。
【0134】
具体的には、
図12を参照して、まず、データ処理部74は、中継可否情報の更新処理の対象となるセンサIDを選択する(ステップS201)。
【0135】
次に、データ処理部74は、選択したセンサIDのデータの中から、LQIの最大値を検索する(ステップS202)。
【0136】
次に、データ処理部74は、検索した最大値をLQItotalとして基準値との比較を行う。(ステップS203)。
【0137】
データ処理部74は、LQItotalが基準値以上の場合(ステップS203でYES)、LQItotalに対応する1または複数の中継装置151を許可中継装置として設定する(ステップS204)。
【0138】
次に、データ処理部74は、管理テーブルにおいて、選択したセンサIDに対応する中継装置151の中から許可中継装置以外の中継装置151を中継可否情報に追加する(ステップS205)。
【0139】
一方、データ処理部74は、LQItotalが基準値より小さい場合(ステップS203でNO)、次に大きいLQIであるLQInextを検索する(ステップS206)。
【0140】
次に、データ処理部74は、LQInextが存在する場合(ステップS206でYES)、LQItotalにLQInextを加算し、新たなLQItotalとする(ステップS207)。
【0141】
次に、データ処理部74は、新たなLQItotalと基準値とを比較する。(ステップS203)。
【0142】
一方、データ処理部74は、LQInextが存在しない場合(ステップS206でNO)、許可中継装置を設定しない(ステップS208)。
【0143】
次に、データ処理部74は、許可中継装置として設定される中継装置151が存在しないため、選択したセンサIDに対応するすべての中継装置151を中継可否情報に追加する(ステップS205)。
【0144】
次に、データ処理部74は、管理テーブルに存在するすべてのセンサIDについて中継可否情報の更新処理を行ったかを判断する(ステップS209)。
【0145】
次に、データ処理部74は、管理テーブルに存在するすべてのセンサIDについて中継可否情報の更新処理を行った場合(ステップS209でYES)、中継可否情報の更新処理を終了する。
【0146】
一方、データ処理部74は、管理テーブルにおいて中継可否情報の更新処理を行っていないセンサIDがある場合(ステップS209でNO)、次のセンサIDを選択する(ステップS201)。
【0147】
たとえば、データ処理部74は、
図11に示す管理テーブルを用いて上記中継可否情報の更新処理を行い、
図6に示す中継可否情報A2を生成する。この場合、データ処理部74は、たとえば、センサIDが0001であるセンサモジュール1についてセンサデータの中継を行うべき中継装置151の数を2に決定したことになる。
【0148】
なお、中継可否情報は、各中継装置151からの通信状態情報に基づいて決定された、センサデータの中継を行うべき所定数の中継装置151を認識可能な情報であってもよい。すなわち、データ処理部74は、各通信状態情報に基づいて、所定数の中継装置151を許可中継装置として設定する構成であってもよい。
【0149】
具体的には、たとえば、データ処理部74は、各センサIDにおいてLQIが大きい上位2つの中継装置151を許可中継装置として設定し、許可中継装置以外の中継装置151を中継可否情報に追加する。
【0150】
再び
図9および
図10を参照して、管理装置161は、更新した中継可否情報を各中継装置151へ送信する(ステップS105)。
【0151】
具体的には、管理装置161におけるデータ処理部74は、記憶部73における中継可否情報を更新し、更新した中継可否情報A2を送信処理部72へ出力する。
【0152】
送信処理部72は、データ処理部74から受けた中継可否情報A2を送信対象の中継装置151ごとに分割し、分割した中継可否情報A1および送信対象の中継装置151のIDをパケットに含め、対象となる中継装置151へ無線送信する。
【0153】
たとえば、送信処理部72は、送信対象が中継装置151Bの場合、
図6に示す中継可否情報A2のうち、中継装置151Bに対応する0003のセンサIDを、中継可否情報A1としてパケットに含めて中継装置151Bへ無線送信する。
【0154】
また、たとえば、送信処理部72は、送信対象が中継装置151Cの場合、
図6に示す中継可否情報A2のうち、中継装置151Cに対応する0001および0003のセンサIDを、中継可否情報A1としてパケットに含めて中継装置151Cへ無線送信する。
【0155】
また、たとえば、送信処理部72は、送信対象が中継装置151Dの場合、
図6に示す中継可否情報A2のうち、中継装置151Dに対応する0001,0002および0003のセンサIDを、中継可否情報A1としてパケットに含めて中継装置151Cへ無線送信する。
【0156】
また、たとえば、送信処理部72は、
図6に示す中継可否情報A2に含まれない中継装置151Aへ、中継を許可されないセンサIDが存在しない旨の情報を無線送信する。
【0157】
なお、管理装置161は、対象となる中継装置151が中継可否情報A2に含まれているか否かに関わらず、中継可否情報A2を含むパケットを生成し、生成したパケットを含む無線信号を、たとえばマルチキャストによりすべての中継装置151へ送信する構成であってもよい。
【0158】
[変形例]
管理装置161は、更新した中継可否情報の変更部分を各中継装置151へ送信する構成であってもよい。この場合、管理装置161は、更新処理前後で中継可否情報の内容に変化がない場合、中継可否情報に関する各中継装置151への送信動作を行わない。
【0159】
具体的には、
図9を参照して、管理装置161におけるデータ処理部74は、記憶部73における中継可否情報を更新し、変更部分を送信処理部72へ出力する。
【0160】
たとえば、更新後の中継可否情報が
図6に示す中継可否情報A2であり、かつ新たに中継装置151Dに対応するセンサIDとして0003が追加された場合、データ処理部74は、中継装置151Dに対応するセンサIDが0003である旨の情報を送信処理部72へ出力する。
【0161】
送信処理部72は、データ処理部74から受けた中継可否情報A2の当該変更部分を含むパケットを生成し、生成したパケットを含む無線信号を対象となる中継装置151へ送信する。
【0162】
より詳細には、たとえば、送信処理部72は、送信対象の中継装置151のIDおよび当該変更部分を含むパケットを生成して無線送信する。
【0163】
なお、送信処理部72は、当該変更部分から送信対象の中継装置151に対応する部分を抽出し、パケットに含めて無線送信する構成であってもよい。
【0164】
また、管理装置161は、対象となる中継装置151が中継可否情報A2の変更部分に含まれているか否かに関わらず、中継可否情報A2の変更部分を、たとえばマルチキャストによりすべての中継装置151へ送信する構成であってもよい。
【0165】
また、管理装置161が中継可否情報を最初に作成する動作は、上述のような中継可否情報を更新する動作と同様である。具体的には、
図10および
図12において、更新する動作を新たに作成する動作に置き換え、中継可否情報の変更部分の代わりに、作成した中継可否情報を送信すればよい。
【0166】
この場合、たとえば、管理装置161は、通信状態情報の受信時刻に基づいて、中継可否情報の作成に当該通信状態情報を用いるか否かを決定する。
【0167】
具体的には、たとえば、データ処理部74は、記憶部73における各通信状態情報のうち、所定時間以上前の受信時刻の通信状態情報を除外して中継可否情報を作成する。
【0168】
また、管理装置161は、1または複数の通信状態情報が所定条件を満たす場合、中継可否情報に変更があっても中継可否情報を中継装置151へ送信しない構成であってもよい。所定条件は、たとえば、許可中継装置のLQIが、他の中継装置151に比べて十分に大きいことである。
【0169】
具体的には、たとえば、管理装置161は、ある時刻において
図11の管理テーブルである場合に、センサIDが0001であるセンサモジュール1の中継装置151CにおけるLQIが190である通信状態情報を中継装置151Cから受信したとする。この場合、中継装置151Bは、更新後の中継可否情報において中継を許可されない中継装置151となる。
【0170】
しかしながら、中継装置151BのLQIが150と十分大きいため、管理装置161は、更新後の中継可否情報を、中継装置151Bおよび中継装置151Cへ送信しない。
【0171】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継装置151は、中継可否情報に関わらず、他の中継装置151から受信したセンサデータを中継する構成であるとしたが、これに限定するものではない。中継装置151は、たとえば、中継可否情報に従い、中継装置151から受信したセンサデータを中継しない構成であってもよい。
【0172】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継可否情報を作成または更新する対象となる対象端末は、中継装置151がセンサデータを受信したセンサモジュール1である構成としたが、これに限定するものではない。中継可否情報の対象となる端末は、たとえば、管理装置161により事前に設定された1または複数の端末であってもよい。
【0173】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、1または複数の通信状態情報が所定条件を満たす中継装置151へ、中継可否情報を送信しない構成であるとしたがこれに限定するものではない。管理装置161は、たとえば、所定条件が設定されず、中継可否情報が変更されれば当該中継可否情報を送信する構成であってもよい。
【0174】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、通信状態情報の受信時刻に基づいて、中継可否情報の作成に通信状態情報を用いるか否か決定する構成であるとしたがこれに限定するものではない。管理装置161は、たとえば、通信状態情報の受信時刻に関係なく、記憶部43に保存されている通信状態情報を用いて中継可否情報を作成する構成であってもよい。
【0175】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、通信状態情報のLQIの上位1台または複数台の合計値を用いて中継可否情報を作成する(ステップS207)構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理装置161は、たとえば、通信状態情報のLQIの上位1台または複数台の平均値を用いて中継可否情報を作成する構成であってもよい。
【0176】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、中継可否情報の作成において、通信状態情報のLQIを指標としたが、これに限定するものではない。管理装置161は、たとえば、中継可否情報の作成において、センサモジュール1から送信されるパケットの中継装置151におけるロス率を指標とする構成であってもよい。
【0177】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置による中継可否情報の更新処理の手順を定めたフローチャートの他の例を示す図である。
【0178】
管理装置161は、センサモジュール1から送信されるパケットの中継装置151におけるロス率を指標として中継可否情報の作成を行う。
【0179】
具体的には、
図13を参照して、まず、データ処理部74は、中継可否情報の更新処理の対象となるセンサIDを選択する(ステップS301)。
【0180】
次に、データ処理部74は、選択したセンサIDのデータの中から、ロス率の最小値を検索する(ステップS302)。
【0181】
次に、データ処理部74は、検索した最大値をLOSStotalとして基準値との比較を行う。(ステップS303)。
【0182】
データ処理部74は、LOSStotalが基準値以下の場合(ステップS303でYES)、LOSStotalに対応する1または複数の中継装置151を許可中継装置として設定する(ステップS304)。
【0183】
次に、データ処理部74は、管理テーブルにおいて、選択したセンサIDに対応する中継装置151の中から許可中継装置以外の中継装置151を中継可否情報に追加する(ステップS305)。
【0184】
一方、データ処理部74は、LOSStotalが基準値より大きい場合(ステップS303でNO)、次に小さいロス率であるLOSSnextを検索する(ステップS306)。
【0185】
次に、データ処理部74は、LOSSnextが存在する場合(ステップS306でYES)、LOSStotalにLOSnextを乗算し、新たなLOSStotalとする(ステップS307)。
【0186】
次に、データ処理部74は、新たなLOStotalと基準値とを比較する。(ステップS303)。
【0187】
一方、データ処理部74は、LOSSnextが存在しない場合(ステップS306でNO)、許可中継装置を設定しない(ステップS308)。
【0188】
次に、データ処理部74は、選択したセンサIDに対応するすべての中継装置151を中継可否情報に追加する(ステップS305)。
【0189】
次に、データ処理部74は、管理テーブルに存在するすべてのセンサIDについて中継可否情報の更新処理を行ったかを判断する(ステップS309)。
【0190】
次に、データ処理部74は、管理テーブルに存在するすべてのセンサIDについて中継可否情報の更新処理を行った場合(ステップS309でYES)、中継可否情報の更新処理を終了する。
【0191】
一方、データ処理部74は、管理テーブルにおいて中継可否情報の更新処理を行っていないセンサIDがある場合(ステップS309でNO)、次のセンサIDを選択する(ステップS301)。
【0192】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、第1の周波数帯と第2の周波数帯とは、一部または全部が異なる構成であるとしたが、これに限定するものではない。第1の周波数帯と第2の周波数帯とは、全部が重複、すなわち同じ周波数帯であってもよい。この場合、中継装置151は、たとえば、無線信号に含まれるパケットのヘッダ情報によりセンサモジュール1から送信されたパケットであるか、中継装置から送信されたパケットであるかを判断する。
【0193】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線端末装置は、無線信号を片方向通信により送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線端末装置101は、あるチャネルにおいて片方向通信を行うとともに、他のチャネルにおいて双方向通信により他の情報を中継装置と送受信する構成であってもよい。
【0194】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継装置151における中継チャネルおよびセンサモジュール1における端末チャネルとして920メガヘルツ帯における所定の送信チャネルが設定される構成としたが、これに限定するものではない。無線センサシステム301において、中継チャネルおよび端末チャネルとして、ある程度互いに離れた複数の周波数帯の各々における所定の送信チャネルが設定される構成であってもよい。
【0195】
具体的には、たとえば、中継装置151における中継チャネルとして920メガヘルツ帯における所定の送信チャネルが設定され、センサモジュール1における端末チャネルとして2.4ギガヘルツ帯または5ギガヘルツ帯における所定の送信チャネルが設定されてもよい。また、たとえば、中継装置151における中継チャネルとして2.4ギガヘルツ帯または5ギガヘルツ帯における所定の送信チャネルが設定され、センサモジュール1における端末チャネルとして920メガヘルツ帯における所定の送信チャネルが設定されてもよい。
【0196】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161が、1つの中継装置151と直接的に情報を送受信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理装置161は、複数の中継装置151と直接的に情報を送受信する構成であってもよい。
【0197】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161および中継装置151は別個の装置であるとしたが、これに限定するものではない。管理装置161は、中継装置151の一部または全部を備える構成であってもよい。この場合、管理装置161は、自己の外部に設けられた1つの中継装置151と直接的に情報を送受信する構成であってもよいし、自己の外部に設けられた複数の中継装置151と直接的に情報を送受信する構成であってもよい。
【0198】
ところで、無線アドホックネットワークを介して通信装置間でパケットがやり取りされる場合、パケットは、パケットの中継を行う1または複数の中継装置を経由する伝送経路を通って通信装置間を伝送される。
【0199】
このようなマルチホップ通信は、無線アドホックネットワークに限らず、有線のネットワークにおいても用いられ、たとえば電力計測のスマートメータ等の単一のアプリケーションに利用されることが多い。
【0200】
これに対して、今後利用が進むと予想されるM2Mシステムにおいて、センサによる計測結果を管理装置が集約する構成が考えられる。このような構成では、無線端末装置から送信されたパケットが、1または複数の中継装置を経由して管理装置へ伝送される。
【0201】
たとえば、無線端末装置および中継装置を多数設ける場合、無線通信装置および中継装置間における電波干渉によりデータのロスが増加する。このような干渉の原因を突き止めて干渉を除去することが求められるが、原因を突き止めるためには入念な調査を行う必要があり、多大な手間がかかってしまう。無線通信ネットワークにおいて無線端末装置および中継装置を多数設けても、データを良好に伝送することが可能な技術が求められる。
【0202】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、1または複数の無線端末装置101は、センサ21による計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する。複数の中継装置151は、無線端末装置101から受信したセンサデータを管理装置161または他の中継装置151へ中継する。複数の中継装置151は、各無線端末装置101のうちの1または複数の無線端末装置101から自己への通信の状態を示す通信状態情報を管理装置161へ送信する。管理装置161は、各中継装置151から受信した通信状態情報に基づいて、1または複数の無線端末装置101である対象端末ごとに、対象端末からのセンサデータの中継装置151における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の中継装置151へ送信する。
【0203】
このように、複数の中継装置151が無線端末装置101との通信状態情報を管理装置161へ送信し、管理装置161が各通信状態情報に基づいて各中継装置151におけるセンサデータの中継可否を無線端末装置101ごとに決定する構成により、通信状態が相対的に良い中継装置151を無線端末装置101ごとに選択してセンサデータを中継することができる。したがって、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0204】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継装置151は、中継可否情報に関わらず、他の中継装置151から受信したセンサデータを中継する。
【0205】
このような構成により、通信状態の良い中継装置151において受信されたデータが他の中継装置151において廃棄されることを防ぐことができるため、管理装置161へセンサデータをより確実に到達させることができる。
【0206】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、対象端末は、中継装置151においてセンサデータが受信された無線端末装置101である。
【0207】
このような構成により、通信状態を管理装置161に通知すべき無線端末装置101を適切に選択し、無線センサシステム301におけるトラフィックを抑制することができる。
【0208】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継可否情報は、センサデータの中継を行うべきでない無線端末装置101を示す。
【0209】
このような構成により、たとえば、無線センサシステム301に新たな無線端末装置101が追加された場合において、当該無線端末装置101からのデータの中継が許可された中継装置151が識別可能となるまでは、当該無線端末装置101からのデータを受信した中継装置151は当該データを中継することができる。これにより中継可否情報の内容が不十分な初期状態においてもデータを管理装置161へ到達させることができる。
【0210】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継可否情報は、センサデータの中継を行うべきでない無線端末装置101と中継装置151との組み合わせを示す。
【0211】
このような構成により、中継可否情報をマルチキャストにより各中継装置151へ送信することで、各中継装置151における中継可否情報を一度に更新することができる。
【0212】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継可否情報は、各通信状態情報に基づいて決定された、センサデータの中継を行うべき所定数の中継装置151を認識可能な情報である。
【0213】
このように、中継を許可する中継装置151の数を固定化する構成により、中継装置151の選択処理を簡単にすることができる。
【0214】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、各通信状態情報に基づいて、対象端末ごとの、センサデータの中継を行うべき中継装置151の数を決定する。
【0215】
このような構成により、たとえば、通信品質が良い場合は中継を許可する中継装置151の数を少なくしてトラフィックを抑制し、通信品質が悪い場合は中継を許可する中継装置151の数を多くして管理装置161までセンサデータが到達する可能性を上げることができる。
【0216】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、1または複数の通信状態情報が所定条件を満たす中継装置151へ、中継可否情報を送信しない。
【0217】
このような構成により、中継可否情報が送信される頻度を下げることができるため、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0218】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、管理装置161は、通信状態情報の受信時刻に基づいて、中継可否情報の作成または更新に当該通信状態情報を用いるか否かを決定する。
【0219】
このような構成により、たとえば無線端末装置101が移動して、中継を許可されている中継装置151において当該無線端末装置101からのセンサデータを受信できなくなった場合に、中継可否情報の内容を適切に更新することができる。
【0220】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムでは、無線端末装置101は、センサデータを含む無線信号であって第1の周波数帯における無線信号を片方向通信により送信する。中継装置151は、センサデータを含む無線信号であって前記第1の周波数帯とは一部または全部が異なる第2の周波数帯における無線信号を送信する。
【0221】
このように、無線端末装置101が無線信号の送信に用いる第1の周波数帯と、中継装置151が無線信号の送信に用いる第2の周波数帯とが異なる構成により、中継装置151および無線端末装置101間における電波干渉を抑制することができる。これにより、入念な調査を行わずに無線端末装置101および中継装置151を多数設ける場合においても、干渉によるデータロスの増加を防ぐことができる。
【0222】
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、受信処理部71は、センサ21による計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の無線端末装置101から、受信したセンサデータを管理装置161または他の中継装置151へ中継する中継装置151への通信の状態を示す通信状態情報を、複数の中継装置151から受信する。送信処理部72は、各中継装置151から受信した通信状態情報に基づいて、1または複数の無線端末装置101である対象端末ごとに、対象端末からのセンサデータの中継装置151における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の中継装置151へ送信する。
【0223】
このように、複数の中継装置151が無線端末装置101との通信状態情報を管理装置161へ送信し、管理装置161が各通信状態情報に基づいて各中継装置151におけるセンサデータの中継可否を無線端末装置101ごとに決定する構成により、通信状態が相対的に良い中継装置151を無線端末装置101ごとに選択してセンサデータを中継することができる。したがって、無線端末装置から送信されるデータが1または複数の中継装置を介して伝送される構成において、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0224】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0225】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理装置および中継装置と比べて中継可否情報の内容が異なる管理装置および中継装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理装置および中継装置と同様である。
【0226】
本発明の第2の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継可否情報は、たとえば、センサデータの中継を行うべき当該センサデータの送信元のセンサモジュール1、すなわち無線端末装置101を示す。
【0227】
本発明の第1の実施の形態に係る無線センサシステムと同様に、管理装置161における送信処理部72は、送信対象の中継装置151ごとに中継可否情報A4を分割し、分割した中継可否情報A3をパケットに含めて無線送信する。
【0228】
たとえば、中継装置151Bにおいて、上位側通信処理部42が中継可否情報A3として0001および0002のセンサIDが含まれたパケットを受信した場合、上位側通信処理部42は、受信したパケットに含まれるセンサIDを記憶部43に保存する。上位側通信処理部42は、保存した中継可否情報A3に基づいてセンサモジュール1からのセンサデータの中継可否を判別する。
【0229】
データ処理部44は、記憶部43に保存されたセンサデータのセンサIDが、記憶部43に保存された中継可否情報A3の示すセンサIDと一致しないセンサデータを削除する。
【0230】
具体的には、たとえば、中継装置151Bのデータ処理部44は、記憶部43において、センサIDが0001,0002であるセンサデータを残し、センサIDが0001,0002以外のセンサデータを削除する。
【0231】
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置による中継可否情報の作成処理の手順を定めたフローチャートである。
【0232】
図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置による中継可否情報の作成処理は、
図12に示す本発明の第1の実施の形態に係る管理装置による中継可否情報の作成処理と比べて、中継装置151を中継可否情報に追加する動作(ステップS405)が異なる。
【0233】
より詳細には、データ処理部74は、LQItotalが基準値以上の場合(ステップS403でYES)、LQItotalに対応する1または複数の中継装置151を許可中継装置として設定する(ステップS404)。
【0234】
次に、データ処理部74は、設定した許可中継装置を中継可否情報に追加する(ステップS405)。
【0235】
一方、データ処理部74は、LQItotalが基準値より小さく(ステップS403でNO)、次に大きいLQIであるLQInextが存在しない場合(ステップS406でNO)、許可中継装置を設定せず(ステップS408)、管理テーブルに存在するすべてのセンサIDについて中継可否情報の更新処理を行ったかを判断する(ステップS409)。
【0236】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継可否情報の一例を示す図である。
【0237】
図15を参照して、中継可否情報は、センサIDと対応のセンサモジュール1からのセンサデータの中継を行うべき中継装置151との対応関係、すなわち組み合わせを示すものであってもよい。このような中継可否情報が、前述の中継可否情報A4である。
【0238】
図15に示す中継可否情報A4は、
図11に示す管理テーブルを用いて、本発明の第2の実施の形態に係る無線センサシステムにおける中継可否情報の作成処理を行ったものである。
【0239】
中継装置151において、データ処理部44は、中継可否情報A4において自己の中継装置151の組み合わせが存在する場合、記憶部43に保存されたセンサデータのセンサIDが、当該組み合わせのセンサIDと一致しないセンサデータを削除する。
【0240】
たとえば、中継装置151Bのデータ処理部44は、記憶部43において、センサIDが0001,0002であるセンサデータを残し、センサIDが0001,0002以外のセンサデータを削除する。
【0241】
なお、中継装置151において、上位側通信処理部42は、受信した中継可否情報A4から自己の中継装置151に対応するセンサIDを抽出して中継可否情報A3を作成し、作成した中継可否情報A3を記憶部43に保存する構成であってもよい。この場合、上位側通信処理部42は、保存した中継可否情報A3に基づいてセンサモジュール1からのセンサデータの中継可否を判別する。
【0242】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継可否情報は、センサデータの中継を行うべき無線端末装置101を示す。
【0243】
このような構成により、たとえば、無線センサシステム301に新たな無線端末装置101が追加された場合において、当該無線端末装置101からのデータの中継が許可された中継装置151のみが当該データの中継を行うことから、複数の中継装置151が受信した新たな無線端末装置101からのデータが中継されることを防ぐことができ、トラフィックの増大を抑制することができる。
【0244】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線センサシステムでは、中継可否情報は、センサデータの中継を行うべき無線端末装置101と中継装置151との組み合わせを示す。
【0245】
このような構成により、中継可否情報をマルチキャストにより各中継装置151へ送信することで、各中継装置151における中継可否情報を一度に更新することができる。
【0246】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線センサシステムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0247】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0248】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
センサによる計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の無線端末装置と、
管理装置と、
前記無線端末装置から受信した前記データを前記管理装置または他の中継装置へ中継する複数の中継装置とを備え、
前記複数の中継装置は、1または複数の前記無線端末装置から自己への通信の状態を示す通信状態情報を前記管理装置宛に送信し、
前記管理装置は、各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、1または複数の前記無線端末装置である対象端末ごとに、前記対象端末からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信し、
前記管理装置は、各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、前記各無線端末装置のうちの一部または全部の前記無線端末装置ごとに、前記無線端末装置からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信し、
前記中継装置は、前記通信状態情報を定期的または不定期に前記管理装置宛に送信し、
前記管理装置は、前記通信状態情報を受信するごとに、新たに受信した前記通信状態情報に基づいて、前記中継可否情報を更新する、無線センサシステム。
【0249】
[付記2]
管理装置であって、
センサによる計測結果を示すセンサ情報を含むデータを送信する1または複数の前記無線端末装置から、受信した前記データを前記管理装置または他の中継装置へ中継する中継装置への通信の状態を示す通信状態情報を、複数の前記中継装置から受信する受信処理部と、
各前記中継装置から受信した前記通信状態情報に基づいて、1または複数の前記無線端末装置である対象端末ごとに、前記対象端末からの前記データの前記中継装置における中継可否を識別可能な中継可否情報を対象の前記中継装置へ送信する送信処理部とを備え、
前記受信処理部は、各前記中継装置が定期的または不定期に送信した前記通信状態情報を受信し、
前記管理装置は、さらに、
前記通信状態情報を受信するごとに、新たに受信した前記通信状態情報に基づいて、前記中継可否情報を更新するデータ処理部を備える、管理装置。