(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部は、前記少なくとも1つのスイッチング素子における、オン状態およびオフ状態の少なくとも一方へのスイッチング毎に、前記出力電流がゼロクロスしたか否か、またはゼロクロスするか否かを検出する請求項11に記載の検出装置。
前記取得部は、前記少なくとも1つのスイッチング素子に対するオン指示から予め定められた時間が経過したタイミングで前記観測値をサンプリングする請求項1から12のいずれか一項に記載の検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るインバータ装置1を交流電源5および負荷6と共に示す。
【0027】
交流電源5は、インバータ装置1に交流電力(本実施形態では一例として3相交流電力)を供給可能となっている。例えば交流電源5は、200Vまたは400Vの商用電源であってよい。
【0028】
負荷6は、インバータ装置1から電力供給を受ける電子部品である。本実施形態では一例として、負荷6は三相モータである。
【0029】
インバータ装置1は、整流回路10と、平滑コンデンサ11と、1または複数(本実施形態では一例として相ごとの計3つ)のスイッチ回路2と、1または複数(本実施形態では一例として相ごとの計3つ)の制御装置3とを備える。
【0030】
整流回路10は、交流電源5から供給される交流電流を整流する。整流回路10は、多相の全波整流回路でよく、本実施形態では一例として、三相の全波整流回路である。整流回路10は、ハイ側電線14およびロー側電線13の間にUVWの相ごとに直列に接続された2つの整流ダイオードを有する。整流回路10は、整流により得られた直流電力をハイ側電線14およびロー側電線13に供給する。
【0031】
平滑コンデンサ11は、ハイ側電線14およびロー側電線13の間に並列に接続され、ハイ側電線14およびロー側電線13の間の電圧を平滑化する。
【0032】
各スイッチ回路2は、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22を有する。第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22は、第1スイッチング素子21をロー側、第2スイッチング素子22をハイ側としてハイ側電線14およびロー側電線13の間に直列に接続されている。第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22の間には出力端子25が設けられて負荷6に接続され、UVW相のうち何れかの相の電力を出力するようになっている。
【0033】
第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22は、本実施形態では一例としてIGBTであるが、MOSFET、バイポーラトランジスタ等の他の素子でもよい。第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22には、ハイ側がカソードである還流ダイオード210,220がそれぞれ設けられてよい。第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22の動作周波数は、例えば10kHz等の高周波数である。第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22は、ワイドバンドギャップ半導体を含んでよい。ここで、ワイドバンドギャップ半導体とは、シリコン半導体よりもバンドギャップが大きい半導体であり、例えばSiC、GaN、ダイヤモンド、AlN、AlGaN、または、ZnOなどの半導体である。
【0034】
各制御装置3は、UVW相のうち、対応する相のスイッチ回路2に接続されている。各制御装置3は、制御部30と、ゲート駆動回路31と、検出装置4と、判定部33と、補償部34とを備える。
【0035】
制御部30は、スイッチ回路2のスイッチングを制御する。例えば、制御部30は、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22の少なくとも1つを、出力端子25からの出力電流I
cの変動周期の間に複数回スイッチングする。一例として、制御部30は、PWM制御によりスイッチ回路2を制御する。
【0036】
また、制御部30は、出力端子25の出力値を目標値に近付けるようにフィードバック制御を行う。本実施形態では一例として、出力値および目標値は電流値である。例えば、制御部30は、出力端子25と負荷6との間に設けられた電流センサ300によって測定された出力電流I
cを、制御装置3に入力される目標電流I
targetに近づけるようにスイッチ回路2を制御してよい。制御部30は、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のオン/オフの制御信号をゲート駆動回路に供給する。
【0037】
ゲート駆動回路31は、入力される制御信号に基づいて第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のゲートをそれぞれ駆動する。ゲート駆動回路31と第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のゲートとの間には、ゲート抵抗310(
図2参照)があってもよい。
【0038】
検出装置4は、出力電流I
cのゼロクロスを検出する。例えば、検出装置4は、出力電流I
cがゼロまたはゼロ近傍であるか否かを検出してよい。検出装置4は、取得部41と、検出部42とを有する。
【0039】
取得部41は、第1スイッチング素子21におけるミラー期間中のゲート電圧V
gに基づく観測値V
icを取得する。ここで、ミラー期間とは、スイッチング素子がターンオンされる場合にドレインゲート間のミラー容量が充電される期間である。ミラー期間では、ミラー効果によりゲート電圧V
gが一定値(ミラー電圧、ゲートプラトー電圧、ゲートクランプ電圧)にクランプされる。ミラー期間中のゲート電圧V
gに基づく観測値V
icとは、ゲート電圧V
gの大小により観測される値であり、本実施形態では一例としてミラー期間中のゲート電圧V
gそのものである。ここで、ゲート電圧V
gはミラー期間において出力電流I
cと線形関係にあるため、ミラー期間中のゲート電圧Vgに基づく観測値V
icも出力電流I
cと線形関係にある。取得部41は、取得した観測値V
icを検出部42に供給する。
【0040】
検出部42は、観測値V
icに基づいて出力電流I
cのゼロクロスを検出する。観測値V
icに基づいて出力電流I
cのゼロクロスが検出可能であるのは、観測値V
icと出力電流I
cとが線形関係にあるためである。
【0041】
検出部42は、出力電流I
cの変動周期において複数回のスイッチングが行われる場合には、そのうち2以上のスイッチングのそれぞれにおいて、出力電流I
cがゼロクロスしたか否かを検出してよい。一例として検出部42は、第1スイッチング素子21におけるオン状態および/またはオフ状態へのスイッチング毎に、出力電流I
cがゼロクロスしたか否かを検出してよい。なお、検出部42は、出力電流I
cがゼロクロスするか否かを検出してもよい。
【0042】
検出部42は、検出結果を判定部33に供給する。例えば、検出部42は、ゼロクロスが検出された場合にハイとなる検出信号を判定部33に供給してよい。
【0043】
判定部33は、検出装置4が検出したゼロクロスのタイミングに応じて、出力電流I
cの正負を判定する。例えば、判定部33は、ゼロクロスが検出される毎に出力電流I
cを交互に正または負と判定する。判定部33は、電流センサ300の測定結果から正負を判定してもよい。なお、本実施形態では一例として、出力端子25から負荷6に向かって流れる出力電流I
cを正とする。判定部33は、判定結果を補償部34に供給する。
【0044】
補償部34は、出力電流I
cの正負に応じて、スイッチ回路2のデッドタイムを補償する。ここで、デッドタイムとは、ショートスルー電流を防止するべく第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22の両方を一時的にオフにする時間である。
【0045】
例えば、補償部34は、出力電流I
cが正と判定されたことに応じて第1スイッチング素子21のオン期間および第2スイッチング素子22のオフ期間をより長くするように調整し、出力電流I
cが負と判定されたことに応じて第1スイッチング素子21のオフ期間および第2スイッチング素子22のオン期間をより長くするように調整する。また、補償部34は、出力電流I
cが正と判定されたことに応じて、制御装置3に入力される目標電流I
targetを出力電流I
cに対してデッドタイム補償値分だけ相対的に増加させ、出力電流I
cが負と判定されたことに応じて、目標電流I
targetを出力電流I
cに対してデッドタイム補償値分だけ相対的に減少させて制御部30に供給する。これにより、デッドタイムを設けることによる出力波形の歪みが補償される。ここで、デッドタイム補償値とは、デットタイムを設けたことに伴う出力波形の歪みを解消するための出力電流Icの補償値である。デッドタイム補償値としては、例えば上述の特許文献1に記載の値など、従来より公知の手法で算出された値を用いてよい。
【0046】
以上のインバータ装置1によれば、ミラー期間中の第1スイッチング素子21のゲート電圧V
gに基づく観測値V
icに基づいて出力電流I
cのゼロクロスを検出するので、カレントトランスにより出力電流I
cのゼロクロスを検出する従来の場合と異なり、リップルの影響により検出誤差が生じるのが防止される。従って、ゼロクロスを正確に検出することができる。
【0047】
また、正確なゼロクロスタイミングを用いてデッドタイム補償を行うので、デッドタイムを設けることによる出力波形の歪みを確実に補償することができる。
【0048】
図2は、検出装置4の取得部41および検出部42を示す。
取得部41は、バッファ回路410と、微分部411と、特定部412と、サンプリング部413とを有する。
【0049】
バッファ回路410は、ゲート電圧V
gをバッファして、微分部411およびサンプリング部413に供給する。バッファ回路410のゲインは1でもよいし、1以外の値でもよい。
【0050】
微分部411は、ゲート電圧V
gを微分する。例えば、微分部411はゲート電圧V
gを時間で微分してよい。この場合、微分値は、ゲート電圧V
gの経時的変化を示すグラフの傾きを示す。微分部411は、ゲート電圧V
gの微分値を特定部412に供給してよい。
【0051】
特定部412は、ゲート電圧V
gの微分値に基づいて、ミラー期間を特定する。例えば、特定部412は、微分値がゼロであるか否かに応じてミラー期間を特定してよい。特定部412は、特定結果をサンプリング部413に供給する。例えば、特定部412は、ミラー期間中にハイとなる信号をサンプリング部413に供給してよい。
【0052】
サンプリング部413は、ミラー期間中に観測値V
icをサンプリングする。例えば、サンプリング部413は、ミラー期間中の少なくとも一時点でのゲート電圧V
gを観測値V
icとしてサンプリングしてよい。サンプリング部413は、サンプリングした観測値V
icを次回のサンプリングまでホールドしてよい。サンプリング部413は、サンプリングした観測値V
icを検出部42に供給する。
【0053】
検出部42は、比較回路420を有する。比較回路420は、観測値V
icを閾値V
refと比較した結果に基づいて、出力電流I
cのゼロクロスを検出する。例えば、比較回路420は、観測値V
icが閾値V
ref以下であることに応じて、ゼロクロスが生じたものとしてよい。
【0054】
閾値V
refは、出力電流I
cをゼロとみなし得るときに予めサンプリングされた電圧値V
ic@Ic=0Aでもよいし、これに許容マージンKを加えた電圧値V
ic@Ic=0A+Kでもよい。許容マージンKの値は、試行錯誤により任意に設定されてよい。本実施形態では、検出部42はロー側の第1スイッチング素子21からの観測値V
icに基づいてゼロクロスを検出するので、ハイ側の第2スイッチング素子22からの観測値V
icに基づいてゼロクロスを検出する場合と比較して、閾値V
refとして低い電圧値が用いられる。
【0055】
以上の検出装置4によれば、ミラー期間に観測値V
icをサンプリングするので、出力電流I
cと線形関係にある観測値V
icをサンプリングすることができる。従って、出力電流I
cのゼロクロスを正確に検出することができる。
【0056】
図3は、サンプリング部413を示す。サンプリング部413は、サンプリングコンデンサ4130と、サンプリングスイッチ4131と、出力バッファ4132とを有する。
【0057】
サンプリングコンデンサ4130は、観測値V
icを蓄積する。本実施形態では一例として、サンプリングコンデンサ4130は、バッファ回路410および検出部42を結ぶ配線と、グラウンドとの間に設けられる。
【0058】
サンプリングスイッチ4131は、サンプリングコンデンサ4130とバッファ回路410との間に設けられる。サンプリングスイッチ4131は、観測値V
gを出力する端子(本実施形態では一例としてバッファ回路410の出力端子)とサンプリングコンデンサ4130との間をミラー期間の間に接続し、当該出力端子とサンプリングコンデンサ4130との間をミラー期間以外において遮断する。例えば、サンプリングスイッチ4131は、特定部412により特定されたミラー期間の少なくとも一時点で閉状態となり、ミラー期間以外で開状態となってよい。
【0059】
出力バッファ4132は、サンプリングコンデンサ4130と検出部42との間に設けられる。出力バッファ4132は、サンプリングコンデンサ4130に蓄積された観測値V
icを検出部42に出力する。
【0060】
以上のサンプリング部413によれば、ミラー期間中にサンプリングコンデンサ4130に観測値V
icを示す電圧が蓄積され、ミラー期間の終了時には当該電圧がホールドされる。
【0061】
図4は、ターンオン時の出力電流I
cと、ゲート電圧V
gとの関係を示す。図中、縦軸は電圧(V)であり、横軸は時間(秒)である。
【0062】
ゲート電圧V
gは、ミラー期間では一定値にクランプされる。ミラー期間のゲート電圧V
gは出力電流I
cと線形関係にあり、出力電流I
cが大きいほど、ミラー期間のゲート電圧V
gは大きくなる。
【0063】
図5は、ターンオン時の出力電流I
cと、ゲート電流I
gとの関係を示す。図中、縦軸は電流(A)であり、横軸は時間(秒)である。
【0064】
ゲート電流Igは、ミラー期間では一定値にクランプされる。ミラー期間のゲート電流Igは出力電流I
cと線形関係にあり、出力電流I
cが大きいほど、ミラー期間のゲート電流Igは小さくなる。
【0065】
図6は、出力電流I
cと観測値V
icとの関係を示す。上側のグラフは出力電流I
cの経時変化を示す。このグラフでは、縦軸は電流(A)であり、横軸は時間(秒)である。下側のグラフはロー側の第1スイッチング素子21およびハイ側の第2スイッチング素子22のミラー期間中のゲート電圧V
gに基づく観測値V
icの計時変化を示す。このグラフでは、縦軸は電圧(V)であり、横軸は時間(秒)である。なお、ハイ側の第2スイッチング素子22のゲート電圧V
gに基づく観測値V
icは、第2スイッチング素子22に取得部41が設けられた場合に取得される観測値V
icである。
【0066】
本実施形態では一例として、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22が制御されることにより、出力電流I
cが正弦波の波形で周期変動する。
【0067】
そして、出力電流I
cが正のときには、ハイ側の第2スイッチング素子22と、ロー側の第1スイッチング素子21の還流ダイオード210とに電流が流れる。そのため、第2スイッチング素子22の観測値V
icは出力電流I
cと線形関係にある値となる。また、第1スイッチング素子21の観測値V
icは、出力電圧I
cがゼロのときの電圧値V
ic@Ic=0Aになる。
【0068】
一方、出力電流I
cが負のときには、ロー側の第1スイッチング素子21と、ハイ側の第2スイッチング素子22の還流ダイオード220とに電流が流れる。そのため、第1スイッチング素子21の観測値V
icは出力電流I
cと線形関係にある値となる。また、第2スイッチング素子22の観測値V
icは、出力電圧I
cがゼロのときの電圧値V
ic@Ic=0Aになる。
【0069】
このように、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のそれぞれの観測値V
icは、出力電流I
cのゼロクロス点で電圧値V
ic@Ic=0Aとなり、その前後で変動パターンが異なる。よって、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22の少なくとも一方の観測値V
icが閾値V
ref、例えば電圧値V
ic@Ic=0Aまたは電圧値V
ic@Ic=0A+K以下となるか否かにより、出力電流I
cのゼロクロスを検出することができる。
【0070】
図7は、検出装置4の動作波形を示す。上側のグラフはロー側の第1スイッチング素子21のゲート電圧V
gおよび観測値V
icの計時変化を示す。このグラフでは、縦軸は電圧(V)であり、横軸は時間(秒)である。中央のグラフはPWM制御による第1スイッチング素子21の制御信号を示す。この制御信号は、ハイの場合に第1スイッチング素子21がオンとなり、ローの場合に第1スイッチング素子21がオフとなる。下側のグラフは検出部42から出力される検出信号を示す。この検出信号は、ハイの場合にゼロクロスが検出されていることを示し、ローの場合にゼロクロスが検出されていないことを示す。
【0071】
まず、制御信号が立ち上がると、第1スイッチング素子21がターンオンされてミラー期間が開始する。次に、ミラー期間が特定部412によって特定され、その期間中のサンプルホールドタイミングでゲート電圧V
gがサンプリング部413によりサンプリングおよびホールドされ、観測値V
icとして検出部42に供給される。そして、検出部42により観測値V
icが閾値V
refと比較される。
【0072】
これにより、観測値V
icが閾値V
ref以下である時点t0までの期間では、ゼロクロスが生じたものとして検出信号がハイとなる。また、観測値V
icが閾値V
refより大きい時点t0〜t1の期間では、ゼロクロスが生じていないものとして検出信号がローとなる。また、観測値V
icが閾値V
ref以下となる時点t1からの期間ではゼロクロスが生じたものとして検出信号がハイとなる。以上のようにして出力電流I
cのゼロクロスが検出される。
【0073】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る検出装置4Aを示す。なお、
図1に示されたインバータ装置1と略同一の構成には同一の符号を付け、説明を省略する。検出装置4Aは、AD変換部43および検出部42Aを有する。
【0074】
AD変換部43は、取得部41により取得されるアナログ値の観測値V
icをデジタル値の観測値V
ic(観測値V
ic(D)とも称する)に変換して検出部42Aに供給する。AD変換部43は、パイプライン型、フラッシュ型、逐次比較型およびデルタシグマ型の何れでもよい。
【0075】
検出部42Aは、デジタル値の観測値V
ic(D)を、内部に記憶する閾値と比較した結果に基づいて、出力電流I
cのゼロクロスを検出する。閾値は検出装置4Aを備えるインバータ装置1において出力電流I
cをゼロとみなし得るときに予めサンプリングされたアナログ値の電圧値V
ic(A)
@Ic=0Aに対応するデジタル値の観測値V
ic(D)
@Ic=0Aでもよいし、これに許容マージンKを加えた電圧値V
ic(D)
@Ic=0A+Kでもよい。閾値は個別の検出装置4Aに対して別々に設定されてよい。これにより検出装置4Aの製品ごとの特性のばらつきの影響が低減されて出力電流I
cのゼロクロスが正確に検出される。
【0076】
以上の検出装置4Aによれば、アナログ値からデジタル値に変換された観測値が検出部42Aに供給されるので、デジタル回路を検出部42Aとして用いることができる。
【0077】
また、内部に記憶される閾値と比較した結果に基づいて出力電流I
cのゼロクロスが検出されるので、入力される基準電圧などを閾値として比較に用いる場合と異なり、ノイズの影響による閾値のばらつきを防止して、出力電流I
cのゼロクロスを正確に検出することができる。
【0078】
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係る検出装置4Bを示す。検出装置4Bは、検出部42Bを有する。
【0079】
検出部42Bは、過去のデジタル値の観測値V
ic(D)の履歴から次のデジタル値の観測値V
ic(D)の予測値V
ic(D
x)を算出する予測部420Bを有し、予測値V
ic(D
x)を閾値と比較した結果に基づいて出力電流I
cのゼロクロスを検出する。閾値は上記第2の実施形態と同様に設定されてよい。
【0080】
以上の検出装置4Bによれば、観測値V
ic(D)の予測値V
ic(D
x)を用いて出力電流I
cのゼロクロスが検出されるので、実測された観測値V
ic(D)に基づいて出力電流I
cのゼロクロスを検出する場合と比較して、ゼロクロスの検出タイミングを早めることができる。また、観測値V
ic(D)の履歴から予測値V
ic(D
x)が算出されるので、予測値V
ic(D
x)の算出に用いる観測値V
ic(D)の数を増やすことで、観測値V
ic(D)の測定誤差による影響を低減し、出力電流I
cのゼロクロスを正確に検出することができる。
【0081】
図10は、予測部420Bによる予測値V
ic(D
x)の算出例を示す。なお、本実施形態では観測値V
ic(D)はスイッチング素子21(またはスイッチング素子22)に対してPWM制御を行うパルス信号の立ち上がり後のミラー期間において測定されており、各パルス信号の立ち上がりタイミングt
n−1,t
n,t
n+1,…の間隔T
n−1,T
n,T
n+1,…は一定となっている。
【0082】
予測部420Bは、直近の複数のデジタル値の観測値V
ic(D
n),…(但し、添え字の「n」は観測値V
ic(D
n)の取得された順番を示す自然数)と、各観測値V
ic(D
n)の取得タイミングt
n,…との関係の近似関数から、次の観測値V
ic(D)の予測値V
ic(D
x)を算出してよい。近似関数は非線形関数でもよいし、線形関数でもよい。一例として、予測部420Bは、直近の2つのデジタル値の観測値V
ic(D
n),V
ic(D
n+1)の時間変化率aを、直近のデジタル値の観測値V
ic(D
n+1)から予測値V
ic(D
x)への時間変化率として用いて予測値V
ic(D
x)を算出してよい。
【0083】
ここで、n番目の観測値V
ic(D
n)から直近の(n+1)番目の観測値V
ic(D
n+1)への時間変化率aが、(n+1)番目の観測値V
ic(D
n)から予測値V
ic(D
x)への時間変化率として用いられる場合には次の式(1)が成立する。
a={V
ic(D
n)−V
ic(D
n+1)}/(t
n+1−t
n)
={V
ic(D
n+1)−V
ic(D
x)}/(t
x−t
n+1) …(1)
【0084】
t
n+1−t
n=t
x−t
n+1であるから、式(1)は次の式(2)のように変形される。予測部420Bは、この式(2)によって予測値V
ic(D
x)を算出してよい。
V
ic(D
x)=2V
ic(D
n+1)−V
ic(D
n) …(2)
【0085】
以上の算出例によれば、直近の複数の観測値V
ic(D
n),…と、各観測値の取得タイミングt
n,…との関係の近似関数から予測値V
ic(D
x)が算出されるので、予測値V
ic(D
x)を正確に算出することができる。また、直近の2つの観測値V
ic(D
n),V
ic(D
n+1)の時間変化率aを、直近の観測値V
ic(D
n+1)から予測値V
ic(D
x)への時間変化率として用いて予測値V
ic(D
x)を算出するので、簡易な計算により予測値V
ic(D
x)を算出することができる。
【0086】
[第3の実施形態の変形例]
本変形例に係る検出装置4Bにおける検出部42Bの予測部420Bは、過去のデジタル値の観測値V
ic(D)の時間変化率a
n,…の履歴から次の時間変化率の予測値a
xを算出する。例えば、予測部420Bは、直近の複数の観測値V
ic(D),…と、各観測値V
ic(D
n)の取得タイミングt
n,…とから時間変化率a
n,…とタイミングt
n,…との関係の近似関数を算出してよく、この近似関数から次の取得タイミングでの観測値V
ic(D)の時間変化率の予測値a
xを算出してよい。検出部42Bは、予測値a
xを閾値と比較した結果に基づいて出力電流I
cのゼロクロスを検出してよい。閾値は、検出装置4Bを備えるインバータ装置1において出力電流I
cのゼロクロス点で予め連続して取得されたデジタル値の電圧値V
ic(D
n−1),V
ic(D
n)
@Ic=0Aの時間変化率a
nでもよいし、これに許容マージンKを加えた時間変化率a
n+Kでもよい。本変形例においては一例として、検出部42Aはデジタル値の観測値V
ic(D)の時間変化率aの最大値および最小値の少なくとも一方を閾値として用いる。閾値は個別の検出装置4Bに対して別々に設定されてよい。一例として、検出装置4Bの製造時の特性試験において予め測定される最大値および/または最小値が検出装置4Bに設定されてよい。これに加えて/代えて、検出装置4Bは、V
ic(D)の時間変化率の履歴を記憶して、内部に記憶される最大値および/または最小値を逐次更新してよい。
【0087】
以上の検出装置4Bによれば、時間変化率の予測値a
xを用いて出力電流I
cのゼロクロスが検出されるので、実測値に基づいて出力電流I
cのゼロクロスを検出する場合と比較して、ゼロクロスの検出タイミングを早めることができる。また、過去の観測値V
ic(D)の時間変化率から次の時間変化率の予測値が算出されるので、予測値の算出に用いる観測値V
ic(D)の数を増やすことで、観測値V
ic(D)の誤差による影響を低減し、出力電流I
cのゼロクロスを正確に検出することができる。
【0088】
図11は、出力電流I
cおよび観測値V
icと、観測値V
icの時間変化率aとの関係を示す。上段および中段のグラフは
図6と同じである。下段のグラフは観測値V
icの時間変化率aの経時変化を示す。このグラフでは縦軸は観測値V
icの時間変化率aであり、横軸は時間(秒)である。このグラフに示されるように、出力電流I
cのゼロクロス点では、ハイサイドおよびローサイドのそれぞれにおいて観測値V
icの時間変化率aが最大値または最小値から0に、あるいは0から最大値または最小値に変化する。従って、観測値V
ic(D)の時間変化率aの最大値および最小値の少なくとも一方を閾値として用いることにより、出力電流I
cのゼロクロスが検出される。
【0089】
[その他の変形例]
なお、上記の実施形態および変形例では、取得部41は特定部412によりミラー期間を特定して、その期間中に観測値V
icをサンプリングすることとして説明したが、第1スイッチング素子21に対するオン指示から予め定められた時間が経過したタイミングで観測値V
icをサンプリングしてもよい。予め定められた時間は、オン指示からミラー期間が開始するまでの時間であってよい。取得部41は、オン指示の入力から当該時間だけ遅延を生じさせる遅延回路を用いて、サンプリングのタイミングをミラー期間中にしてよい。
【0090】
また、取得部41は、ゲート電圧V
gに基づく観測値V
icを取得することとして説明したが、ゲート電流I
gに基づく観測値を取得してもよい。
図12は、取得部41の変形例を示す。取得部41は、ゲート抵抗310でゲート電流I
gを変換した電圧V
gを観測値V
icとして取得してもよい。
【0091】
また、第1スイッチング素子21をロー側、第2スイッチング素子22をハイ側として説明したが、逆の配置としてもよい。
【0092】
また、取得部41は、ロー側の第1スイッチング素子21のゲート電圧V
gまたはゲート電流I
gに基づく観測値V
icを取得することとして説明したが、これに代えて/加えて、ハイ側の第2スイッチング素子22のゲート電圧V
gまたはゲート電流I
gに基づく観測値V
icを取得してもよい。この場合に検出部42は、第2スイッチング素子22におけるオン状態および/またはオフ状態へのスイッチング毎に、出力電流I
cがゼロクロスしたか否か(またはゼロクロスするか否か)を検出してよい。なお、ハイ側ではゲート電圧V
gの基準電位が高いため、取得部41は絶縁トランス等を用いて基準電位を変換してから観測値V
icを取得してもよい。
【0093】
また、取得部41は、バッファ回路410を有することとして説明したが、これに代えて積分回路を有してもよい。この積分回路は、特定部412により特定されたミラー期間の少なくとも一部でゲート電圧V
gを積分してサンプリング部413に供給してよい。積分回路はバンドパスフィルタであってよい。この場合には、ゲート電圧V
gのノイズの影響を低減することができる。
【0094】
また、制御部30のフィードバック制御に用いられる出力値および目標値を電流値として説明したが、電圧値としてもよい。
【0095】
まあ、制御装置3がUVWの相ごとに1つ設けられることとして説明したが、3相の全体に対して1つ設けられてもよい。
【0096】
また、スイッチ回路2に三相交流電力が供給されることとして説明したが、単相の交流電力が供給されてもよいし、直流電力が供給されてもよい。
【0097】
また、検出装置4,4A,4Bがインバータ装置1に具備されることとして説明したが、コンバータ装置など、他の装置に具備されてもよい。
【0098】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、およびコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサの少なくとも1つによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよびアナログの少なくとも一方のハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)およびディスクリート回路の少なくとも一方を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0099】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0100】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0101】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0102】
図13は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、これに加えて、またはこれに代えて、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0103】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
【0104】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0105】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、これに加えて、またはこれに代えてプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0106】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、およびコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムの少なくとも1つを格納する。入出力チップ2240はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
【0107】
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0108】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0109】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0110】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索,置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0111】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0112】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0113】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。