(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0009】
〔捺染インク組成物〕
本実施形態の捺染インク組成物は、分散染料と、第1の溶剤と、水溶性染料と、分散剤と、を含み、前記分散染料のIOB値Aと、前記第1の溶剤のIOB値B1と、前記水溶性染料のIOB値Cと、が、下記式(1)を満たし、前記IOB値B1が、1.0〜4.0であり、前記第1の溶剤の含有量が、5.0質量%超過である。
A<B1<C (1)
【0010】
2種以上の繊維を混紡等した複合素材(被記録媒体)を染色する場合、それぞれの繊維に適応した染料を用いることが好ましい。このような場合、2種以上の染料、例えば、分散染料を含むインク組成物と水溶性染料を含むインク組成物とを別々に収納した複数のヘッドを使用して染色する方法が挙げられる。しかしながら、この場合、ヘッド数を増加させることとなるため、記録装置の大型化やコスト高といった問題点が発生する。
【0011】
そのため、分散染料及び水溶性染料を共に含むインク組成物を用いることが、記録装置の観点、及び、高画質な記録物を得る観点の両方から好ましい。
【0012】
しかしながら、分散染料及び水溶性染料を共に含むインク組成物においては、分散染料の分散系が崩れて安定性が得られないという問題が生じる。さらに、分散染料の分散系を安定させる観点から分散剤を用いることが考えられる。しかし、それのみでは、動的表面張力の調整が困難であり、間欠印字安定性、及び連続印字安定性が低下する傾向にある。
【0013】
これに対し、本実施形態のインク組成物では、上記構成を有することにより、分散安定性を維持しつつ、インク濾過性、間欠印字安定性、及び連続印字安定性に優れるインク組成物となる。特に、所定の溶剤を所定量含むことにより、動的表面張力を調整しやすく、間欠印字安定性及び連続印字安定性がより向上する。
【0014】
「IOB値」とは、有機概念図に基づく無機性値(IV;Inorganic Value)を有機性値(OV;Organic Value)で除した値である。有機概念図とは、炭素数に基づく有機性(共有結合性)と、置換基に基づく無機性(イオン結合性)の2因子に分け、有機軸と無機軸と名づけた直交座標上にマッピングしたものであり、有機化合物の性状を予測する指標のひとつとして知られているものである。
【0015】
IOB値は、黒木宣彦著、槇書店発行「染色理論化学」第66〜70頁に記載された方法に基づき計算を行うことができる(第3.3表「無機性基の数値」等を活用し、「計算例」に準じて数値を求めた)。有機性値は炭素原子1個の値を20、無機性値は水酸基1個の値を100とし、これらを基礎としてその他の置換基等の有機性値と無機性値とが定められている。なお、本明細書においてHLB値は、「界面活性剤の合成と其応用」(小田,寺村,槙書店(1957),501頁)による次式を用いて算出される値をいう。
HLB値=[(Σ無機性値)/(Σ有機性値)]×10
【0016】
〔分散染料〕
分散染料とは、インク組成物中で溶解せず分散状態で存在する染料をいう。
【0017】
分散染料のIOB値Aは後述する第1の溶剤のIOB値B1よりも小さい。このような関係を有することにより、インク濾過性、間欠印字安定性、及び連続印字安定性がより向上する。
【0018】
IOB値Aは、好ましくは0.70〜1.6であり、より好ましくは0.80〜1.5であり、さらに好ましくは0.90〜1.25である。IOB値Aがこの範囲であることにより、分散性がより向上する傾向にある。
【0019】
本実施形態で用い得る分散染料としては、以下のようなものが挙げられる。
【0020】
イエロー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Yellow3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232等が挙げられる。
【0021】
オレンジ分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Orange1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142等が挙げられる。
【0022】
マゼンタ分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Red1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、167:1、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、266、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328等が挙げられる。
【0023】
バイオレット分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Violet1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77等が挙げられる。
【0024】
グリーン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Green9等が挙げられる。
【0025】
ブラウン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Brown1、2、4、9、13、19等が挙げられる。
【0026】
ブルー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispers Blue3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、134、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、266、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、359、360等が挙げられる。
【0027】
ブラック分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Dispersブラック1、3、10、24等が挙げられる。
【0028】
分散染料の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.5〜10.0質量%であり、より好ましくは1.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは1.5〜5.0質量%である。分散染料の含有量が0.5質量%以上であることにより、発色性がより向上する傾向にある。また、分散染料の含有量が10.0質量%以下であることにより、分散染料の凝集に由来する異物や、気液界面の異物がより生じにくい傾向にある。
【0029】
〔第1の溶剤〕
第1の溶剤のIOB値B1は、1.0〜4.0であり、好ましくは1.1〜3.5であり、より好ましくは1.3〜2.8である。IOB値B1がこの範囲であることにより、分散染料の分散安定性がより向上する。
【0030】
IOB値B1とIOB値Aの差は、好ましくは0.30〜2.2であり、より好ましくは0.50〜2.0であり、さらに好ましくは0.70〜1.80である。IOB値B1とIOB値Aの差が2.2以下であることにより、分散染料の分散安定性がより向上する傾向にある。また、IOB値B1とIOB値Aの差が1.0以下であることにより、印刷安定性(間欠)がより向上する傾向にある。
【0031】
第1の溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール(2.7)、1,4−ブタンジオール(2.5)、1,5−ペンタンジオール(2.0)、3−メチル―1,5−ペンタンジオール(1.8)、1,2−ヘキサンジオール(1.7)、1,6−ヘキサンジオール(1.7)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(1.4)、及び2−ピロリドン(1.8)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。このなかでも、トリエチレングリコール(2.7)、1,2−ヘキサンジオール(1.7)、1,6−ヘキサンジオール(1.7)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(1.4)が好ましい。なお、カッコ内はIOB値を示す。
【0032】
第1の溶剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、5.0質量%超過であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは10〜25質量%である。第1の溶剤の含有量が5.0質量%超過であることにより、保存安定性がより向上する。
【0033】
〔第2の溶剤〕
本実施形態のインク組成物は、第2の溶剤をさらに含んでもよい。第2の溶剤のIOB値B2は、好ましくは4.0超過であり、より好ましくは5.0以上である。このような溶剤を用いることにより、インク保存安定性がより向上する傾向にある。
【0034】
第2の溶剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール(5.0)及びグリセリン(5.0)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。なお、カッコ内はIOB値を示す。
【0035】
IOB値B1とIOB値B2の差は、好ましくは1.5〜4.0であり、より好ましくは1.9〜3.7であり、さらに好ましくは2.1〜3.5である。IOB値B1とIOB値B2の差が1.5以上であることにより、水溶性染料の溶解性(安定性)がより向上する傾向にある。また、IOB値B1とIOB値B2の差が2.0以上であることにより、分散染料の分散性がより向上する傾向にある。
【0036】
第2の溶剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、3.0〜10質量%であり、より好ましくは3.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは4.0〜7.0質量%である。第2の溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク保存性がより向上する。
【0037】
〔水溶性染料〕
水溶性染料とは、インク組成物中で溶解して存在する染料をいい、この点において分散染料とは区別される。水溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
【0038】
イエロー水溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Reactive Yellow2、3、7、13、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176等の反応性染料;C.I.Acid Yellow1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、40:1、42、44、49、59、59:1、61、65、67、72、73、79、99、104、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、219:1、220、230、232、235、241、242、246等の酸性染料が挙げられる。
【0039】
マゼンタ水溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Reactive Red2、3、3:1、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、226、228、235等の反応性染料;C.I.Acid Red1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、97:1、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415等の酸性染料が挙げられる。
【0040】
シアン水溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Direct Blue87が挙げられる。
【0041】
オレンジ水溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Reactive Orange1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107等の反応性染料;C.I.Acid Orange3、7、8、10、19、22、24、51、51S、56、67、74、80、86、87、88、89、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168等の酸性染料が挙げられる。
【0042】
ブルー水溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Reactive Blue2、3、4、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、C.I.Reactive Violet1、2、4、5、6、22、23、33、36、38等の反応性染料;C.I.Acid Blue 1、7、9、15、23、25、40、61:1、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、127:1、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、258、260、264、277:1、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、C.I.Acid Vioret17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126等の酸性染料が挙げられる。
【0043】
水溶性染料の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1.0〜6.0質量%であり、さらに好ましくは1.5〜5.0質量%である。水溶性染料の含有量が0.5質量%以上であることにより、発色性がより向上する傾向にある。また、水水溶性染料の含有量が10.0質量%以下であることにより、保存性がより向上する傾向にある。
【0044】
IOB値Cは、好ましくは4.0〜6.0であり、より好ましくは4.1〜5.5であり、さらに好ましくは4.3〜5.2である。IOB値Cがこの範囲であることにより、保存性がより向上する傾向にある。
【0045】
IOB値CとIOB値B2の差(IOB値C−IOB値B2の差の絶対値)は、好ましくは1.0〜0.10であり、より好ましくは0.70〜0であり、さらに好ましくは0.60〜0である。IOB値CとIOB値Bの差が1.0以下であることにより、水溶性染料の溶解性(インク保存性)がより向上する傾向にある。
【0046】
〔分散剤〕
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、高分子分散剤が挙げられる。このなかでもアニオン系分散剤が好ましい。このような分散剤を用いることにより、保存性がより向上し、被記録媒体として布帛を用いた場合の染着効率がより向上する傾向にある。
【0047】
アニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物が挙げられる。
【0048】
上記芳香族スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、リグニンスルホン酸のようなベンゼンスルホン酸化合物;β−ナフトールスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸との混合物、クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸との混合物のようなナフタレンスルホン酸化合物等が挙げられる。
【0049】
このなかでも、リグニンスルホン酸のホルマリン縮合物及びナフタレンスルホン酸化合物のホルマリン縮合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。このような分散剤を用いることにより、保存性がより向上する傾向にある。
【0050】
ノニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0051】
高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物等が挙げられる。
【0052】
分散剤の含有量は、インク組成物に含まれる分散染料の総量に対して、好ましくは0.5〜5.0質量%であり、より好ましくは1.0〜4.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜4.0質量%である。分散剤の含有量が上記範囲であることにより、保存性がより向上する傾向にある。
【0053】
分散剤のIOB値Dは、好ましくは5.0〜6.0であり、より好ましくは5.1〜5.9であり、さらに好ましくは5.3〜5.7である。IOB値Dがこの範囲であることにより、保存性がより向上する傾向にある。
【0054】
IOB値DとIOB値Aの差は、好ましくは3.8〜5.0であり、より好ましくは4.0〜4.8であり、さらに好ましくは4.2〜4.6である。
【0055】
IOB値CとIOB値Dの差(IOB値C−IOB値Dの差の絶対値)は、好ましくは2.0〜0であり、より好ましくは1.6〜0であり、さらに好ましくは1.0〜0である。IOB値CとIOB値Dの差がこの範囲であることにより、インクの濾過がより向上する傾向にある。
【0056】
〔その他の成分〕
本実施形態のインク組成物は、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
【0057】
〔被記録媒体〕
本実施形態のインク組成物を適用し得る被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、布帛が挙げられる。布帛としては、特に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、レーヨン等の天然繊維又はナイロン、ポリエステル、ジアセテート、トリアセテート等の合成繊維単独で構成されるもの、又は、2種以上の天然繊維を混紡して構成されるもの、2種以上の合成繊維を混紡して構成されるもの、1種以上の天然繊維及び1種以上の合成繊維を混紡して構成されるものが挙げられる。このなかでも、2種以上の天然繊維を混紡して構成されるもの、2種以上の合成繊維を混紡して構成されるもの、1種以上の天然繊維及び1種以上の合成繊維を混紡して構成されるものが好ましい。このような混紡布帛は染色性の異なる2種以上の繊維を含み、高度な画像を得るためには複数種のインク組成物を用いることが好ましい。そのため、本実施形態のインク組成物が特に有用である。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0059】
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔分散染料〕
Y114 (C.I.Dispers Yellow 114)
B165 (C.I.Dispers Blue 165)
R167:1(C.I.Dispers Red 167:1)
〔溶剤〕
溶剤1(トリエチレングリコールモノブチルエーテル、IOB値:1.40)
溶剤2(1,2−ヘキサンジオール、IOB値:1.70)
溶剤3(トリエチレングリコール、IOB値:2.70)
溶剤4(グリセリン、IOB値:5.00)
〔水溶性染料〕
Y2 (C.I.Reactive Yellow 2)
Y13(C.I.Reactive Yellow 13)
B49(C.I.Reactive Blue 49)
R24(C.I.Reactive Red 24)
〔分散剤〕
分散剤1:下記式参照(Ph=フェニル基)
分散剤2:下記式参照
【化1】
〔pH調整剤〕
トリエタノールアミン
〔界面活性剤〕
BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミージャパン社製)
【0060】
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
【0061】
【表1】
【0062】
〔インク濾過性〕
インク材料を混合、撹拌後に10μメンブレンフィルター(ミリポア社、オムニポアフィルター。型番JCWP)にて吸引濾過。下記評価基準によりインク濾過性を評価した。
(評価基準)
○:濾過可能
×:濾過不能
【0063】
〔間欠印字安定性〕
40℃環境下にてインク充填済みのヘッドを3秒間空走させた後、吐出させた際のノズル抜け本数をカウントした。下記評価基準により間欠印字安定性を評価した。
(評価基準)
○:ノズル抜け無し
△:ノズル抜け20%未満
×:ノズル抜け20%以上
【0064】
〔連続印字安定性〕
セイコーエプソン社プリンタ(製品名PX−G930)を用いて、写真用紙(製品名写真用紙<光沢>)に対し室温にて各インク組成物を付着させて、720dpi×720dpiの解像度でベタパターンを形成した。同様にして計20枚を連続印字した後、ドット抜けを目視により観察し、ドット抜けの割合を算出して、下記評価基準により連続印字安定性を評価した。
(評価基準)
○:ノズル抜け無し
△:ノズル抜け20%未満
×:ノズル抜け20%以上