(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
文字・絵柄等による画像を含んで構成された画像表示シートであって、レンズアレイが形成されたレンズシートと、当該レンズシートに対応するレンズ対応画像とにより構成された前記画像表示シートを有する回転画像表示体であって、回転力付与体から回転力を付与されて回転する前記回転画像表示体において、
一対の板状の支脚板と、
少なくとも2つ以上の板状の支持板と、を有し、
前記支脚板は、前記支持板と係合する係合溝を有し、
前記支持板は、前記支脚板と係合する係合溝と、前記画像表示シートを含む回転部を載置する載置部を有し、
前記支脚板が立設するよう、前記支脚板と前記支持板を、前記係合溝により係合して井桁状に組み立て、
前記支持板の載置部に前記回転部を載置して組み立てられることを特徴とする組立式回転画像表示体。
文字・絵柄等による画像を含んで構成された画像表示シートであって、レンズアレイが形成されたレンズシートと、当該レンズシートに対応するレンズ対応画像とにより構成された前記画像表示シートを有する回転画像表示体であって、回転力付与体から回転力を付与されて回転する前記回転画像表示体において、
一対の板状の支脚板と、
一対の板状の支持板と、を有し、
前記支脚板は、前記支持板と係合する係合溝と、各前記支脚板を互いに係合する係合溝を有し、
前記支持板は、前記支脚板と係合する係合溝と、前記画像表示シートを含む回転部を載置する載置部を有し、
各前記支脚板を前記係合溝により互いに交差させて組み付け、かつ、前記支脚板が立設するよう、前記支脚板と前記支持板を、前記係合溝により係合して組み立て、
前記支持板の載置部に前記回転部を載置して組み立てられることを特徴とする組立式回転画像表示体。
文字・絵柄等による画像を含んで構成された画像表示シートであって、レンズアレイが形成されたレンズシートと、当該レンズシートに対応するレンズ対応画像とにより構成された前記画像表示シートを有する回転画像表示体であって、回転力付与体から回転力を付与されて回転する前記回転画像表示体において、
一枚の平板状の板状体から、所定の折り線に沿って折り曲げられることにより立設体に組み立てられ、かつ、立設体に組み立てられている状態から前記一枚の平板状の板状体に戻すことが可能な載置台を有し、
前記板状体は、前記載置台を組み立てた際に前記画像表示シートを含む回転部を載置する載置部を有し、
当該載置部に前記回転部を載置して組み立てられることを特徴とする組立式回転画像表示体。
文字・絵柄等による画像を含んで構成された画像表示シートであって、レンズアレイが形成されたレンズシートと、当該レンズシートに対応するレンズ対応画像とにより構成された前記画像表示シートを有する回転画像表示体であって、回転力付与体から回転力を付与されて回転する前記回転画像表示体において、
一枚の平板状の板状体から、所定の折り線に沿って折り曲げられることにより箱体に組み立てられ、かつ、箱体に組み立てられている状態から前記一枚の平板状の板状体に戻すことが可能な前記箱体と、
少なくとも2つ以上の板状の支持板と、によって構成される載置台を有し、
前記箱体は、各前記支持板を挿嵌する挿嵌孔を有し、
前記支持板は、前記箱体の挿嵌孔に挿嵌する挿嵌部と、前記画像表示シートを含む回転部を載置する載置部を有し、
前記箱体の前記挿嵌孔に各前記支持板の挿嵌部を挿嵌して前記載置台を構成し、
前記支持板の載置部に前記回転部を載置して組み立てられることを特徴とする組立式回転画像表示体。
前記回転部は、前記画像表示シートと、前記画像表示シートを取り外し可能に両端から保持する一対の板状の保持部と、前記保持部を回転可能に支持する支持部と、を有し、
前記支持部を前記載置部に載置して組み立てることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組立式回転画像表示体。
組み立てる際には、前記回転力付与体が備える回転力付与部の当接部を、前記支持部の被当接部に当接させて動力伝達可能に軸継ぎすることにより、前記回転力付与体から回転力を受けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組立式回転画像表示体。
前記当接部と前記被当接部とのうち一方には、他方と対向する箇所に嵌合凸部が形成されるとともに、前記他方には、前記一方と対向する箇所に、前記嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の組立式回転画像表示体。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その効果を奏する限りにおいて種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態である組立式回転画像表示体の斜視図である。
図2は、組立式回転画像表示体の斜視図であり、組立式回転画像表示体の構成をわかりやすく示すため画像表示シートを省略して図示している。
図3は、組立式回転画像表示体の要部分解図である。
【0020】
本発明において、画像表示シートとは、文字・絵柄等による画像を表示させるシートを意味する。画像表示シート10a、10b、10d、10dは、看板、掲示板、写真等様々な画像表示シートに対応可能である。特に、(1)マイクロレンズアレイが形成されたレンズシートや、(2)半円筒形状のシリンドリカルレンズアレイが並列配置されたレンズシートの一例としてのレンチキュラーシートと、シリンドリカルレンズの表面と反対側の面にレンチキュラーシートに対応するレンズ対応画像としてのレンチキュラー画像が配置されて構成される画像表示シートを用いれば、観察者の視線の移動に頼らず絵柄が動くように見せることができる組立式回転画像表示体200を実現することができ、有用である。本実施形態では、画像表示シートとしてレンチキュラーシートを用いたものを使用する。なお、レンチキュラーシートによる画像表示シートの構成は、従来公知の構成を採用することができ、その説明を省略する。各図において、画像表示シート10a、10b、10c、10dに表される像は図示を省略している。
【0021】
本実施形態の組立式回転画像表示体200は、文字・絵柄等による画像を含んで構成された画像表示シート10a、10b、10d、10dであって、レンズアレイが形成されたレンズシートと、当該レンズシートに対応するレンズ対応画像とにより構成された画像表示シート10a、10b、10d、10dを有する回転画像表示体であって、回転力付与体100から回転力を付与されて回転する回転画像表示体において、一対の板状の支脚板223と、少なくとも2つ以上の板状の支持板221、222と、を有する。そして、支脚板223は、支持板221、222と係合する係合溝223aを有し、支持板221、222は、支脚板223と係合する係合溝221a、222aと、画像表示シート10a、10b、10d、10dを含む回転部210を載置する載置部221b、222bを有する。そして、支脚板223が立設するよう、支脚板223と支持板221、222を、係合溝221a、222a、223aにより係合して井桁状に組み立て、支持板221、222の載置部221b、222bに回転部210を載置して組み立てる。
【0022】
組立式回転画像表示体200を組み立てる際に、支持板221及び222と一対の支脚板223を井桁状に組み立てることにより、回転部210を載置する載置台を組み立てる。回転部210とは、回転力付与体100から回転力を受けて回転する部分であり、少なくとも画像表示シート10a、10b、10d、10dを含む。本実施形態の例では、一対の保持部211、回転軸212、支持部の一例としての第1支持部213及び第2支持部214を回転部210に含む。
【0023】
図4は、支持板221の説明図であり、
図5は、支持板222の説明図である。
図6は、支脚板223の説明図である。
図4(A)は支持板221の背面図であり、(B)は支持板221の平面図である。
図5(A)は支持板222の平面図であり、(B)は支持板222の背面図である。
図6(A)は支脚板223の背面図であり、(B)は支脚板223の平面図である。
【0024】
支持板221及び222は、一対の支脚板223と井桁状に組み立てられ、組立式回転画像表示体200の回転部210を載置する載置台となる。
支持板221は、支脚板223と係合する係合溝221aを備え、支持板222は、支脚板223と係合する係合溝222aを備える。
支脚板223は、支持板221及び222と係合する係合溝223aを備える。
また、支持板221、222は、回転部210を載置するU字状の載置部221b、222bを備える。
【0025】
支持板221及び222、及び、支脚板223を組み立てる際には、
図1乃至
図3に示すように、支持板221及び支持板222の係合溝221a、222aと、支脚板223の係合溝223aとを互いに係合させて、支脚板223が立設するよう井桁状に組み立てる。図示のように、支脚板223が八の字状となるよう立設させて組み立てることにより、安定した載置台を構成することができる。
【0026】
次いで、載置台に載置される回転部210について説明する。
図7は、保持部211の平面図である。
図8は、
図7に示す保持部211の平面図の破線で囲まれた部分Bの拡大図である。
画像表示シート10a、10b、10c、10dは、一対の板状の保持部211により、両端を挟んで取り外し可能に保持されている。本実施形態に示す例では、画像表示シート10a、10b、10c、10dを保持部211で筒状に保持して構成している。
保持部211の中央には、回転軸212を貫通させるための孔211bが設けられている。
また、保持部211は、画像表示シート10a、10b、10c、10dを差し込んで嵌める複数の嵌挿溝211aが設けられている。わかりやすさのため、
図8中、保持部211の嵌挿溝211aを縞模様で示した。
【0027】
図9は、第2支持部214の説明図である。
図9(A)は第2支持部214の平面図である。
図9(B)は
図9(A)に示す第2支持部214の概略断面図である。
図9(C)は第2支持部214に具備する磁性体203の一例を示す図である。
【0028】
組立式回転画像表示体200の第2支持部214は、回転力付与体100が当接される被当接部202に磁石に引き寄せられる磁性体203を備える。例えば、第2支持部214の被当接部202内部に、磁性体203としての鉄板、磁石等を備える。
図9(C)は、被当接部202のうち、磁性体203を備える箇所の一例であり、同図の例では、被当接部202のうち、内部に磁性体203を具備する領域を網状で示した。
【0029】
第2支持部214の中央には、回転軸212を差し込んで、回転軸212を第2支持部214に固定する軸受穴205が設けられている。
磁性体203が回転することにより、第2支持部214が回転し、当該第2支持部214に軸継された回転軸212も回転する。そして、一対の保持部211、及び当該保持部211に保持された画像表示シート10a、10b、10c、10dが回転するよう構成されている。
【0030】
次に、組立式回転画像表示体200に回転力を付与する回転力付与体について説明する。
図10は、回転力付与体の正面図であり、
図11及び
図12は回転力付与体の背面図である。
回転力付与体100は、回転力付与部110を有する。回転力付与部110は、回転力付与体100に備えた動力発生装置から動力を得る。
本実施形態の回転力付与体100は、動力発生装置の一例として、回転力付与体100内部に渦巻バネを利用して動力とするゼンマイスプリング機構(不図示)を備える。ゼンマイスプリング機構は、薄い帯状の金属を渦状に巻いた渦巻ばね(スプリング)を巻き締めて弾性エネルギーを蓄え、弛もうとする力を利用して動力とし、従来公知のゼンマイスプリング機構を採用することができる。
【0031】
回転力付与体100は、筐体外部に渦巻バネを巻き締める操作部101を備え、操作部101を回転させることにより、筐体内部に備えた渦巻バネを巻き締めることができる。回転力付与部110の、組立式回転画像表示体200との当接部102には、磁石103が備えられている。本実施形態の例では、当接部102の内側の2箇所に磁石103が備えられている。磁石103は、例えば、永久磁石、フェライトマグネット等である。
【0032】
操作部101を回転させて、回転力付与体100内部に備えたゼンマイスプリング機構の渦巻バネを巻き締めた後に手を放すと、回転力付与部110が回転する。
図11及び
図12に示す例において、矢印方向に回転力付与部110が回転し、当接部102の磁石103が回転するよう構成されている。
【0033】
本実施形態では、回転力付与部110の当接部102と、組立式回転画像表示体200の被当接部202のうち一方には、他方と対向する箇所に嵌合凸部を形成した。そして、他方には、一方と対向する箇所に、嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部を形成した。
具体的には、
図9(A)乃至
図9(C)等に示す如く、組立式回転画像表示体200の被当接部202には、円形凸状の嵌合凸部204を形成した。また、
図14等に示す如く、回転力付与部110の当接部102には、円形凹状の嵌合凹部104を形成した。
【0034】
これら嵌合凸部204と嵌合凹部104により、回転力付与体100と組立式回転画像表示体200との位置合わせをより簡単に行うことができる。位置合わせとは、具体的には、組立式回転画像表示体200の被当接部202の磁性体203と、回転力付与部110の当接部102の磁石103との位置合わせである。
【0035】
図13は、組立式回転画像表示体の要部の概略断面図であり、
図14は、
図13に示す概略断面図の破線で囲まれた部分Bの拡大図である。
図15及び
図16は、画像表示シートの回転の様子を示す説明図である。
図15及び
図16は、回転力付与体を装着した組立式回転画像表示体200を、側面から観た図である。言い換えれば、回転力付与体100の側から観た図である。
【0036】
組立式回転画像表示体200を組み立てる際には、支持部の一例としての第1支持部213及び第2支持部214により保持部211を回転可能に支持する。具体的には、まず、一対の保持部211の孔211bに、回転軸212を貫通させる。次に、各保持部211の外側に突出した回転軸212の一端に第1支持部213を嵌め、他端に第2支持部214を嵌める。
次に、第1支持部213及び第2支持部214を、支持板221、222の載置部221b、222bに載置させる。
【0037】
そして、画像表示シート10a、10b、10c、10dを保持部211の嵌挿溝211aに挿しこんで嵌める。
【0038】
組立式回転画像表示体200を組み立てて、画像表示シートによる像を観察する際には、操作部101により渦巻バネを巻き上げた後に、回転力付与体100を組立式回転画像表示体200に当接させる。すると、回転部210全体が回転する。すなわち、回転力付与体100の回転力付与部110の回転により、磁石103が回転し、この回転力が、磁石103に引き寄せられた被当接部202の磁性体203に与えられ、第2支持部214が回転し、画像表示シート10a、10b、10c、10dが回転する(
図15、
図16)。
【0039】
本実施形態では、被当接部202に磁性体203を設け、当接部102に磁石103を設けたが、被当接部202に磁石を設け、当接部102に磁性体を設けてもよい。
【0040】
画像表示シートは一枚でも複数でもよい。本実施形態のように、複数の画像表示シート10a、10b、10c、10dを回転させる場合には、回転を安定して行うために、各画像表示シート10a、10b、10c、10dは、略同じ重量であることが好ましい。
また、画像表示シートの枚数に合わせて保持部を設計変更することも可能である。
図17は他の例による保持部の平面図である。
図17に示す保持部を1対(2つ)用いることにより、3枚の画像表示シートの両端を挟んで筒状に保持することができる。
【0041】
さらに、回転力付与体100は、組立式回転画像表示体200に対して、しっかりと止着させないほうがよい。上述したように、当接部102と被当接部202を、磁石103と磁性体203による引き付けあう磁力程度に緩く固定することにより、組立式回転画像表示体200の回転の揺らぎを吸収して滑らかに回転させることができる。
【0042】
磁石103と磁性体203による磁力により、回転力付与体100を組立式回転画像表示体200に取り付けているが、回転力付与体100の重量、又は、組立式回転画像表示体200の頑丈性等に応じて、他の掛着手段を設けてもよい。
例えば、嵌合凸部204と嵌合凹部104によれば、位置合わせのみならず、回転力付与体100を組立式回転画像表示体200に掛着させる掛着手段としても機能している。嵌合凸部204と嵌合凹部104により、磁力のみの場合と比べて、回転力付与体100を安定的に取り付けることができる。
【0043】
さらに、回転力付与体100の重心を、当接部102より重力方向下部に位置させてもよい。より一層、組立式回転画像表示体200の回転の揺らぎを吸収して滑らかに回転させることができる。回転力付与体100の重心を
図10及び
図11中下方向(重力方向下)に位置させると、回転力付与体100が組立式回転画像表示体200の被当接部202にぶら下がるように揺れて、組立式回転画像表示体200の回転の揺らぎを吸収して、さらに滑らかに回転させることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の組立式回転画像表示体200によれば、組立分解可能に構成したので、使用の際にのみ組立てて使用することができる。使用しないときには分解することができる。
【0045】
また、観察者側が所定方向に目を動かさなくても、レンチキュラーによる動く画像を観察できるため、動く画像を簡単に観察することができる。特に、店舗の広告物としてより有用である。
画面が動くだけでなく、組立式回転画像表示体200の回転部210が回転するため、より一層人々の注意を惹きつけることができる。
さらに、各部材は紙、木材・金属材・プラスチックいずれの材料でも構成できるが、特に、紙、MDFその他の木材や、プラスチック複合材等を用いれば、比較的安価に製造できる。
【0046】
4つの板状体、すなわち、支持板221及び222、一対の支脚板223があれば、載置台を組み立てることができる。そのため、分解して収納する際に嵩張らない。また、これら、支持板221及び222と、一対の支脚板223とを井桁状に嵌めて組み立てるだけで載置台を構成できるため、誰でも、例えば子どもでも、簡単に組立て分解が可能である。
【0047】
さらに、支脚板223の横方向サイズを変更するだけで、種々のサイズの画像表示シートにも対応できる。
図18及び
図19は他の例による支脚板の説明図である。
図18(A)は支脚板224の平面図であり、
図18(B)は支脚板224の背面図である。例えば、
図6に示した支脚板223が、回転部210を組み立てた際に、葉書きサイズの画像表示シート10a、10b、10c、10dが横方向に嵌るよう設計されたものである場合(
図1参照)、
図18の支脚板224を用いれば、葉書きサイズの画像表示シート10a、10b、10c、10dを縦方向に嵌めることができ、縦方向に回転させることができる。
【0048】
また、
図19(A)は支脚板225の平面図であり、
図19(B)は支脚板225の背面図である。例えば、横長のサイズの画像表示シート10a、10b、10c、10d嵌めて回転させることができる。
このように、支脚板のサイズを変更するだけで、種々の画像表示シートに対応できる。
【0049】
なお、本実施形態では、2枚の支持板221及び222を用いたが、3枚以上でもよい。2枚の支持板221及び222の間に、他の支持板を井桁状に嵌め設ければ、より丈夫な載置台を構成できる。特に、横方向に大きなサイズの支脚板を用いる場合に、3枚以上の支持板を用いれば、横方向に大きくとも丈夫な載置台を構成でき、有用である。
【0050】
また、支持板221及び支持板222の係合溝221a、222a付近、支脚板223の係合溝223a付近に、井桁状に組み立てる際の組立て対応情報を明示してもよい。組立て対応情報は、例えば、文字、数字、絵柄、色等で表すことができる。対応する係合溝を区別できればよい。また、組立て対応情報は、井桁状に組み立て載置台を構成したときに目立たない位置に明示することが好ましい。
図20は、組立て対応情報を明示した支持板及び支脚板の説明図である。(A)は組立て対応情報を明示した支持板221の背面図、(B)は組立て対応情報を明示した支持板222の背面図、(C)は組立て対応情報を明示した一方の支脚板223の背面図、(D)は組立て対応情報を明示した他方の支脚板223の背面図である。
【0051】
図20(A)の例では、支持板221の2つの係合溝221a付近には、組立て対応情報「A」と「B」が明示されており、
図20(B)の例では、支持板222の2つの係合溝222a付近には、組立て対応情報「C」と「D」が明示されている。また、
図20(C)の例では、一方の支脚板223の2つの係合溝223a付近には、組立て対応情報「D」と「A」が明示されており、
図20(D)の例では、他方の支脚板223の2つの係合溝223a付近には、組立て対応情報「B」と「C」が明示されている。
【0052】
これら組立て対応情報を参照しながら、組立て対応情報「A」が明示された支持板221の係合溝221aと、組立て対応情報「A」が明示された支脚板223の係合溝223aとを嵌めて組立てる。組立て対応情報「B」、「C」、「D」も同様に、組立て対応情報を参照して同じ対応情報同士を嵌めて組み立てることにより、迷うことなく容易に井桁に組み立て載置台を構成できる。
【0053】
さらに、本実施形態の回転力付与体100によれば、組立式回転画像表示体200に対し着脱自在に構成できる。よって、画像表示シートによる像を観察する際に、回転力付与部110の当接部102を、組立式回転画像表示体200の被当接部202に当接させて動力伝達可能に軸継ぎし、回転力を組立式回転画像表示体200に付与して、画像表示シート10a、10b、10d、10dを回転させることができる。
【0054】
また、ゼンマイスプイング機構の渦巻バネを巻き上げた後に当接部102を組立式回転画像表示体200の被当接部202に当接させるよう構成したので、一方の手で、渦巻バネを巻き締めるときに、他方の手で組立式回転画像表示体200本体を持ち上げる等の煩わしい動作を行う必要がなく、手元で渦巻バネの巻き上げ作業を行うことができ、簡単、かつ、安全に、渦巻バネを巻き上げて回転力を受けることができる。
【0055】
さらに、回転力付与部110の当接部102を、組立式回転画像表示体200の被当接部202に当接させて磁力により軸継ぎしたので、仮に回転している組立式回転画像表示体200に不用意に触っても、磁石面がクラッチ効果を持つため、安全であり、組立式回転画像表示体200を損傷することもない。また、他のクラッチ機構を必要とすることもないため、コストダウンの効果もある。
【0056】
なお、画像表示シートは、レンチキュラーシートを用いるものに限定されない。各種マイクロレンズアレイが形成されたレンズシートを用いれば、各種レンズシートによって観察できる像を楽しむことができる。
また、本実施形態では、回転力付与部110の当接部102に嵌合凹部104を設け、組立式回転画像表示体200の被当接部202に嵌合凸部204を設けたが、回転力付与部110の当接部102に嵌合凸部を設け、組立式回転画像表示体200の被当接部202に嵌合凹部を設けてもよい。
【0057】
さらに、回転力付与体100に備える動力発生装置は、ゼンマイスプリング機構に限定されない。例えば、電動モータ・アクチュエータ、玩具で使用するプッシュバック等によるフリクション、ロウソクなどの上昇気流を利用した風力等を用いてもよい。
【0058】
さらに、回転力付与体100の形状に制限はない。但し、回転力付与体100の重心を、当接部102より重力方向下部に位置させることが好ましい。
図21に他の例による回転力付与体の説明図を示す。回転力付与体100の重心を、当接部102より重力方向下部に位置させることにより、組立式回転画像表示体200の回転の揺らぎを吸収してより滑らかに回転させることができる。
【0059】
さらに、本実施形態では、組立式回転画像表示体200に回転力を与える際、一方の保持部211から他方の保持部211に貫通させた回転軸212を利用したが、回転軸212はなくともよい。他の例として、組立式回転画像表示体200の保持部211から、左右に突き出ている形状でシャフトを形成してもよい。
また、画像表示シート10a、10b、10c、10dに所定の強度があり、回転軸等のシャフトがなくとも組立式回転画像表示体200を回転させることが可能である場合も、回転軸212は不要である。画像表示シート10a、10b、10c、10dを通じて一方の保持部211から他方の保持部211へ回転力が伝達され、組立式回転画像表示体200が回転すればよい。
【0060】
さらにまた、支持板221及び222と一対の支脚板223を井桁状に組み立てることにより、回転部210を載置する載置台を組み立てたが、載置台の構成もこの構成に限定されない。他の例による載置台の構成について以下に説明する。
【0062】
図22は、他の例による載置台240の斜視図である。同図の例による載置台240は、一対の板状の支脚板243、244を交差させて構成したものである。
図23(A)は、支脚板243の平面図であり、
図23(B)は支脚板244の平面図である。
図24は、支持板241(及び支持板242)の平面図である。支持板241と支持板242は同様の構成である。
載置台240による組立式回転画像表示体の回転部210の構成は上述した実施形態と同様である。
【0063】
載置台240による組立式回転画像表示体は、一対の板状の支脚板243、244と、一対の板状の支持板241、242と、を有し、支脚板243、244は、支持板241、242と係合する係合溝243a、244aと、各支脚板を互いに係合する係合溝243b、244bを有し、支持板241、242は、支脚板243と係合する係合溝241a、242aと、画像表示シートを含む回転部210を載置する載置部241b、242bを有し、各支脚板243、244を係合溝243b、244bにより互いに交差させて組み付け、かつ、支脚板243、244が立設するよう、支脚板243、244と支持板241、242を、係合溝243a、244a、241a、242aにより係合して組み立てる。そして、支持板241、242の載置部241b、242bに上述した回転部210を載置して組立式回転画像表示体を組み立てる。
【0064】
図23(A)に示すように、支脚板243は、支持板241及び242と係合する係合溝243aを備える。さらに、支脚板243は、支脚板244と係合する係合溝243bを備える。
図23(B)に示すように、支脚板244は、支持板241及び242と係合する係合溝244aを備える。さらに、支脚板244は、支脚板243と係合する係合溝244bを備える。
図24に示すように、支持板241は、支脚板243及び支脚板244と係合する係合溝241aを備える。さらに、支持板241は、回転部210を載置するU字状の載置部241bを備える。支持板242も同様の構成である(
図22)。
【0065】
支持板241及び242、及び、支脚板243、244を組み立てる際には、
図22に示すように、各支脚板243、244を係合溝243b、244bにより互いに交差させて組み付ける。そして、支脚板243、244の係合溝243a、244aと、支持板241、242の係合溝241a、242aとを互いに係合させて、支脚板223、244が立設するよう組み立てる。
このような構成の載置台240によれば、支脚板243、244を交差させたことにより、よりぐらつきのない安定した載置台240を実現できる。特に、軽量材料で構成した場合であっても、ぐらつきを防いで安定した組立式回転画像表示体を実現できる。
【0066】
図25は、他の例による載置台250の斜視図である。
図26は、載置台250を構成する板状体251の平面図である。載置台250による組立式回転画像表示体の回転部210の構成は上述した実施形態と同様である。
載置台250による組立式回転画像表示体は、一枚の平板状の板状体251から、所定の折り線251aに沿って折り曲げられることにより立設体に組み立てられ、かつ、立設体に組み立てられている状態から一枚の平板状の板状体251に戻すことが可能な載置台250を有し、板状体251は、載置台250を組み立てた際に画像表示シートを含む回転部210を載置する載置部251bを有する。
【0067】
載置台250は、一枚の平板状の板状体251を折り線251aに沿って折り曲げて立設体を組み立てることにより成る。折り曲げを元に戻すことにより、一枚の平板状の板状体251に戻すこともできる。
なお、折り曲げた後に立設体を維持するために、折り曲げた際に接する接面(
図26において左端辺及び右端辺)同士を接着すればよい。例えば、折り曲げた際に接する、板状体251の厚み方向の面同士を接着すればよい。又は、板状体251の折り曲げた際に接する一方の端辺にのりしろ部(不図示)を備えて、当該のりしろ部を他方の端辺に貼り着け接着してもよい。立設体を構成した後に、貼り紙等によりくるみ貼して立設体を固定し載置台250を構成してもよい。
【0068】
さらに、折り線251aの谷面側にVカット溝を形成してもよい。Vカット溝は、山面側の板状体251を切らない深さに形成する。例えば、板状体251の折り目の谷面側をその内角に対して略補角をなす断面V字状に切除してなるVカット溝とすることが好ましい。板状体251を折る際に、予定された内角通りに正確かつ容易に折ることができるからである。載置台250の例では、板状体251を折り曲げた際の谷面側の内角は90度であるため、該内角に対して補角すなわち90度をなすVカット溝を形成する。
【0069】
そして、載置台250を組み立てた際に、載置部251bに画像表示シートを含む回転部210を載置して組立式回転画像表示体を構成する。このような構成の載置台250によれば、予め載置部251aを形成した板状体251を折り線251aに沿って折り曲げるだけで載置台250を構成できる。
【0070】
図27は、他の例による載置台260の組立て説明図、
図28は斜視図である。同図の例による載置台260は、箱体263に支持板261、262を挿嵌させて構成したものである。
図29は板状体264の平面図である。
図30は支持板261(及び支持板262)の平面図である。支持板261と支持板262は同様の構成である。
また、載置台260による組立式回転画像表示体の回転部210の構成は上述した実施形態と同様である。
【0071】
載置台260による組立式回転画像表示体は、一枚の平板状の板状体264から、所定の折り線263aに沿って折り曲げられることにより箱体263に組み立てられ、かつ、箱体263に組み立てられている状態から一枚の平板状の板状体264に戻すことが可能な箱体263と、少なくとも2つ以上の板状の支持板261、262と、によって構成される載置台260を有し、箱体263は、各支持板261、262を挿嵌する挿嵌孔263s、263tを有し、支持板261、262は、箱体263の挿嵌孔263s、263tに挿嵌する挿嵌部261s、261t、262s、262tと、画像表示シートを含む回転部を載置する載置部261b、262bを有し、箱体263の挿嵌孔263s、263tに各支持板261、262の挿嵌部261s、261t、262s、262tを挿嵌して載置台260を構成する。そして、支持板261、262の載置部261bを262bに回転部210を載置して組立式回転画像表示体を組み立てる。
【0072】
図30に示すように、支持板261は、箱体263に挿嵌する挿嵌部261s、261tを備える。さらに、支持板261は、回転部210を載置するU字状の載置部261bを備える。支持板262も同様の構成である(
図27)。
図27乃至
図29に示すように、箱体263は、一枚の平板状の板状体264から、所定の折り線263aに沿って折り曲げられることにより構成される。箱体263は、各支持板261、262を挿嵌する挿嵌孔263s、263tを有する。
【0073】
なお、折り曲げた後に箱体を維持するために、折り曲げた際に接する接面同士を接着すればよい。また、板状体264の折り曲げた際に接する一方の端辺にのりしろ部(不図示)を備えて、当該のりしろ部を他方の端辺に貼り着け接着してもよい。箱体263を構成した後に、貼り紙等によりくるみ貼して固定してもよい。
さらに、折り線263aの谷面側にVカット溝を形成してもよい。Vカット溝の説明は上述した板状体251の折り線251aと同様であるためここでの説明は省略する。
【0074】
箱体263の例では、箱体263の底面に、各支持板を挿嵌する複数の挿嵌孔263tを有し、箱体263の平面に、底面の挿嵌孔263tに対向する各箇所に挿嵌孔263sを有するよう構成した。そして、各支持板261、262は、箱体263の底面の挿嵌孔263tに挿嵌する挿嵌部261t、262tと、箱体263の平面の挿嵌孔263sに挿嵌する挿嵌部261s、262sを有するよう構成した。
【0075】
支持板261の挿嵌部261s及び支持板262の挿嵌部262sは、その断面形状が、箱体263の平面の挿嵌孔263sの形状と略一致しており、挿嵌部261s及び挿嵌部262sを挿嵌孔263sに、略ぴったりと挿嵌させることができる。また、支持板261の挿嵌部261t及び支持板262の挿嵌部262tは、その断面形状が、箱体263の底面の挿嵌孔263tの形状と略一致しており、挿嵌部261t及び挿嵌部262tを挿嵌孔263tに、略ぴったりと挿嵌させることができる。このように箱体263の平面と底面の2箇所で各支持板261及び262を安定させることができるため、ぐらつきのない安定した載置台260を実現できる。
【0076】
なお、載置台260は、2枚の支持板261及び262を用いたが、3枚以上でもよい。2枚の支持板261及び262の間に、他の支持板を設けてもよい。この場合、箱体263の底面及び平面に、他の支持板を挿嵌させる挿嵌孔をそれぞれ設ければよい。3枚以上の支持板を用いればより丈夫な載置台を構成できる。
【0077】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、レンズアレイが形成されたレンズシートと、当該レンズシートに対応するレンズ対応画像とにより構成された画像表示シートを有し、組立・分解可能に構成された組立式回転画像表示体に対し、広く適用することができる。
【解決手段】画像表示シート10a〜10dを有する回転画像表示体であって、回転力付与体100から回転力を付与されて回転する回転画像表示体において、一対の板状の支脚板223と、少なくとも2つ以上の板状の支持板221、222とを有する。支脚板223は、支持板221、222と係合する係合溝を有し、支持板221、222は、支脚板223と係合する係合溝と、回転部210を載置する載置部を有する。支脚板223が立設するよう、支脚板223と支持板221、222を、係合溝により係合して井桁状に組み立て、支持板221、222の載置部に回転部210を載置して組み立てられる。