(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598148
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-78195(P2015-78195)
(22)【出願日】2015年4月7日
(65)【公開番号】特開2016-201173(P2016-201173A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2018年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】北川 厚
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 香苗
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−260569(JP,A)
【文献】
特開2012−084349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02 − 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の共通線と2本の個別線との合計3本の配線によって電源部に接続される発光部を有し、この発光部内に、上記共通線と一方の個別線との間に接続されるLEDと、上記共通線と他方の個別線との間に接続される抵抗とを設け、さらに、この抵抗を短絡させるスイッチとを設けたものにおいて、上記電源部側に、上記他方の個別線に抵抗を設け、発光部側の抵抗と電源部側の抵抗との間の分圧点をコンパレータの比較電圧入力部に接続し、コンパレータの基準電圧入力部に入力される基準電圧を生成する分圧抵抗を、上記共通線に接続して、共通線の電圧を基に基準電圧を生成することを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源部と発光部とに分かれており、発光部内に光源としてLEDを内蔵した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源部と発光部とを別個に分離した照明器具では、発光部での発光のオンオフを制御するためのスイッチを発光部に設ける方が使い勝手がよい。一方、このスイッチのオンオフによって電源部の出力を変化させる必要があるので、スイッチのオンオフを電源部側で検知する必要がある。
【0003】
このような場合、一般にコンパレータを用いた回路を採用する。コンパレータに設けられた基準電圧入力部に基準電圧を入力すると共に、スイッチのオンオフによって変化する電圧を比較電圧入力部に入力する。そしてコンパレータ内で、比較電圧入力部の電圧が基準電圧入力部に入力されている電圧より高くなるとスイッチがオンしたものと判断される。
【0004】
このように基準電圧入力部に入力される基準電圧は環境によって変化しないことが望まれるので、固定された電圧を基にして分圧抵抗によって生成される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−105482号公報(
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LEDを発光させるためには、LEDの両端に順方向降下電圧(以下、VFという)以上の電圧を印加する必要がある。一方、LEDを消灯する際には、このVFより低い電圧まで降圧すればよいが、電圧をゼロにすると、点灯用のスイッチをオンした際の分圧を上記コンパレータに入力することができない。そのため、LED消灯時にはLEDに印加する電圧をゼロにするのではなく、VFより低い電圧を印加する必要がある。
【0007】
ところが、このように分圧を生成するための基となる電圧が、LEDの点灯時ではVF以上の電圧であるのに対してLEDの消灯時ではVFより低い電圧になる。このため、コンパレータに入力される比較電圧がLEDの点灯時と消灯時とで大きく変化して、スイッチのオンオフを検知することができなくなる。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、LEDが点灯時であっても消灯時であっても確実にスイッチのオンオフを検知することでのできる照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明による照明装置は、1本の共通線と2本の個別線との合計3本の配線によって電源部に接続される発光部を有し、この発光部内に、上記共通線と一方の個別線との間に接続されるLEDと、上記共通線と他方の個別線との間に接続される抵抗とを設け、さらに、この抵抗を短絡させるスイッチとを設けたものにおいて、上記電源部側に、上記他方の個別線に抵抗を設け、発光部側の抵抗と電源部側の抵抗との間の分圧点をコンパレータの比較電圧入力部に接続し、コンパレータの基準電圧入力部に入力される基準電圧を生成する分圧抵抗を、上記共通線に接続して、共通線の電圧を基に基準電圧を生成することを特徴とする。
【0010】
一般にコンパレータに入力する基準電圧は変動しない電圧を基に分圧して生成するが、本発明では比較電圧を生成する基となる電圧の変動に合わせて基準電圧を生成する基となる電圧が変化するようにした。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、比較電圧を生成する基となる電圧の変動に合わせて基準電圧を生成する基となる電圧を変化するようにしたので、LEDの点灯時および消灯時共にスイッチのオンオフを確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】電源部の2次側と発光部との接続状態を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、1は本発明による照明装置の一部である電源部である。この電源部1は比較的大型になるので、外部から隠れるように吊り戸棚HC内に設置した。一方、この吊り戸棚HCの底板下面には、照明装置の構成部分である発光部2が取り付けられている。また、この発光部2には点消灯用のスイッチ21が設けられており、このスイッチ21をオンオフ操作することにより、発光部2内のLEDが点消灯する。
【0014】
上記電源部1には外部の商用電源からの電力を給電するための電灯線11が接続されている。また、この電源部1と発光部2とは3本の導線12を介して相互に接続されている。
【0015】
図2を参照して、3本の導線12の内、1本は共通線12aであり、他の2本は各々個別線12b、12cである。発光部2内には上記スイッチ21の他に複数個のLEDが直列に接続されたLEDユニット22と、スイッチ21に対して並列に接続された分圧抵抗23が設けられている。なお、3は電源部1と発光部2とを連結するハーネスである。
【0016】
スイッチ21と分圧抵抗23は共通線12aと個別線12bとの間に接続されている。この個別線12bは電源部1内で2個の分圧抵抗61,62に接続されており、コンパレータ4の比較電圧入力部42に入力される分圧はスイッチ21のオンオフによって分圧抵抗23が短絡されるか否かによって変化する。
【0017】
一方、コンパレータ4の基準電圧入力部41には2個の分圧抵抗51,52によって生成される分圧が入力されるが、両分圧抵抗51,52による分圧の基となる電圧は共通線12aの電圧とした。
【0018】
スイッチ21のオンオフを検知するコンパレータ4の基準電圧を共通線12aの電圧による点が本発明の特徴で有り、他のコンパレータ7では基準電圧は電圧値が固定された電源「A」を基に生成している。
【0019】
なお、このコンパレータ7はトランジスタ73をオンにすることにより、2個のツェナーダイオード71,72からなるシャントレギュレータ部分による制御電圧値を高低に切り替える。この高低2種類の電圧は、上記VFを挟んで、一方の電圧がVFよりも高く、他方がVFより低くなるように設定されている。
【0020】
従って、スイッチ21がオンになると、共通線12aの電圧をVFより高い電圧にすることによりLEDユニット22を発光させ、スイッチ21がオフになると共通線12aの電圧をVFより低い電圧にすることによってLEDユニットを消灯させる。
【0021】
共通線12aの電圧がVFより低くなってLEDユニット22が消灯しても、共通線12aには電圧が印加されているので、コンパレータ4の比較電圧入力部42には、スイッチ21のオンオフによって高低2種類の電圧が切り替わって入力されることになり、LEDユニット22が消灯状態であってもスイッチ21のオンオフを検知することができる。
【0022】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0023】
1 電源部
2 発光部
4 コンパレータ
7 コンパレータ
12a 共通線
12b 個別線
12c 個別線
21 スイッチ
22 LEDユニット
23 分圧抵抗
41 基準電圧入力部
42 比較電圧入力部
71 ツェナーダイオード
72 ツェナーダイオード