(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0032】
<1.第1実施形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態における物品収容装置1について説明する。物品収容装置1は、内部において保持される袋91の袋口91dを広げて、その袋口91dを通じて袋91内部に物品が投入されて、その物品を袋91に収容させるものである。そのような物品収容装置1は、例えば、開袋機構10と物品投入開口16と、物品搬送路17とを備える。なお、物品収容装置1は、開袋機構10を開袋装置と見做し、その開袋装置に物品投入開口16を設けたものと見做してもよい。
【0033】
開袋機構10は、複数の袋が分離可能に積層される袋束90における袋91の積層方向先頭に配置される袋91の袋口91dを広げるものである。なお、以下において、袋束における袋91の積層方向を袋積層方向と呼ぶこととする。また、袋束90の高さ方向、及び袋91の高さ方向を袋高さ方向と呼び、袋束90の幅方向、及び袋91の幅方向を袋幅方向と呼ぶ。また、袋高さ方向の袋口91d側を袋高さ方向袋口側又は上側、袋高さ方向の袋底91h側を袋高さ方向袋底側又は下側と呼ぶ。
【0034】
<1−1.袋について>
図2に示すように、袋束90は、複数の袋口91d付きの袋91が分離可能に積層されるものである。袋91は、
図2(b)に示すように、正面袋片91aと、背面袋片91bと、延長片91cと、袋口91dとにより構成される。正面袋片91a及び背面袋片91bは、略長方形状のビニール片により構成されている。正面袋片91a及び背面袋片91bは、互いに重ねて、それぞれの幅方向両端辺同士及び、高さ方向の一端辺同士(袋底91h)を封着された構造になっている。正面袋片91a及び背面袋片91bの高さ方向の他端辺同士は封着されず、その部分は袋口91dになっている。これにより、袋口91dを有する袋構造が形成される。
【0035】
延長片91cは、袋91の高さ方向袋口側へ所定の長さ分背面袋片91bから延長された部分である。延長片91cは、略長方形状のビニール片により構成されている。延長片91cの幅方向の長さは、背面袋片91bの幅方向の長さと同じになっている。
【0036】
延長片91cは、延長片91cの幅方向に設けられる分離線91eを境界として、蓋片91fと結合片91gとに分けられる。分離線91eは、結合片91gを蓋片91fから分離し得る線状の分離可能構造である。分離線91eは、例えば、延長片91cの途中に設けられる延長片91cの幅方向へ延びるミシン目の切り取り線により構成されるが、これに限定されるものではなく、その他の形態の分離可能構造(例えば、両端切れ込み等)であってもよい。
【0037】
蓋片91fは、袋91の高さ方向袋口側へ所定の長さ分背面袋片91bから延長された部分である。蓋片91fは、袋口91dを閉じる蓋としての役割を果たし得る。結合片91gは、袋91を積層する際に袋積層方向で前後し合う袋91同士を接着、熱溶着等により結合させる部分である。なお、結合片91g同士において接着、熱溶着等する領域は、結合片91g同士の一部領域のみであってもよいし、結合片91g同士全体領域であってもよい。
【0038】
以上のような、袋91を積層させて結合片91gの所定領域で結合させたものが、
図2(a)に示す袋束90である。袋束90から袋91を分離させる場合、分離線91eで分離させる。そして、袋束90から袋91を分離させた場合、蓋片91fは分離するが、結合片91gは、
図2(c)に示すように、分離せずに結合した状態のまま残る。
【0039】
そして、袋束90には、
図2(a)に示すように、袋束90の結合片91g相当する部分に袋束90の袋積層方向を貫通する2つの取付孔92が設けられる。
【0040】
また、
図2(d)に示すように、分離線91eを設けない袋91で袋束90を構成してもよい。取付孔92を通じて所定箇所に取り付けられる袋99は、例えば、手等で引っ張って袋束90から袋99を分離させることが想定される。手等で引っ張って袋束90から袋99を分離させる場合、取付孔92のところで切れて袋束90から袋99が分離する。
【0041】
<1−2.開袋機構について>
次に、
図1及び
図2を参照して開袋機構10について説明する。開袋機構10は、例えば、袋保持部11と、開袋部15とを備える。
【0042】
<1−2−1.袋保持部について>
袋保持部11は、袋束90を固定して保持する袋保持構造を有するものである。そして、その袋保持構造は、
図1に示すように、例えば、袋束90の幅方向両端付近が袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90における袋積層方向先頭側に凸となるように袋束90を固定して保持するが一例として想定される。すなわち、袋保持部11は、袋束90の幅方向両端面が袋束90における袋積層方向先頭側を向くように袋束90を固定して保持する。なお、袋保持構造は、以下において、上記説明した態様のものとして説明するが、上記説明した態様は一例であり、本発明は上記態様に限定されるものではなく、袋束90を幅方向に直線状に固定して保持する態様であってもよい。袋保持部11は、案内部12と、袋束90を案内部12に取り付ける取付部13とを備える。
【0043】
案内部12は、袋束90と係合して、袋束90の幅方向両端付近が袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋積層方向先頭側に凸となるように案内する構造を有するものである。案内部12は、例えば、本体部120と、案内板121とを備える。
【0044】
案内板121は、袋束90における袋積層方向の最後尾面に係合して、袋束90の両端が袋束90の幅方向中央付近と比較して、凸となるように案内する末尾側案内面121aを有するものである。ここで、
図3を参照して案内板121について説明する。案内板121は、例えば、
図3(a)に示すように、板状部材の幅方向中央付近を構成する中央片124から板状部材の幅方向両端へ進むに従って、板状部材の前後方向前方へ屈曲する形状の板状部材が一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、その他の態様であってもよい。
【0045】
袋束90を案内板121に取り付ける場合、袋束90における袋積層方向の最後尾面を案内板121の正面に相当する末尾側案内面121aに係合(当接)させる。そして、袋束90を案内板121の末尾側案内面121aに係合(当接)させる際に、袋束90における2つの取付孔92に取付部13を通す。また、袋束90を案内板121に取り付ける場合、袋束90の高さ方向が案内板121の高さ方向と一致するように取り付ける。
【0046】
取付部13は、
図3(a)に示すように、例えば、中央片124の高さ方向一端(袋高さ方向袋口側端部)付近において案内板121の末尾側案内面121aの前後方向前方(面垂直方向前方)へ向かって立設された2つのL字型部材とすることが想定されるが、これに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上のL字型部材、その他の態様であってもよい。2つのL字型部材は、案内板121の幅方向へ所定間隔離して末尾側案内面121aの前後方向前方(面垂直方向前方)へ立設される。
【0047】
上記に習って袋束90を案内板121に取り付けると、
図3(b)に示すように、案内板121の末尾側案内面121aに袋束90における袋積層方向の最後尾面が係合する態様になる。また、案内板121の高さ方向は、袋高さ方向と一致する。これにより、袋束90の幅方向両端付近が袋束90の幅方向中央付近と比較して袋束90における袋積層方向先頭側に凸となるように案内される。
【0048】
なお、2つのL字型部材をはじめとする取付部13は、案内板121の幅方向中央付近(例えば、中央片124内)に設けることが好ましい。袋束90を案内板121に取り付けやすくするためである。取付部13を案内板121の幅方向中央付近に設けた場合、袋束90の両端付近を案内板121に沿わせにくい場合もある。その場合、
図3(c)に示すように、袋束90の結合片91gに相当する袋束先端部分と案内板121とを積層方向において挟み込む2つの挟持部材128を用いて、袋束90の両端付近を案内板121に沿わせるようにしてもよい。なお、挟持部材128は、1つ又は3つ以上あってもよい。
【0049】
次に、
図1及び
図4を参照して本体部120について説明する。本体部120は、
図1に示すように、基台122と、立設部123とにより構成される。基台122は、案内板121に取り付けた袋91を基準とした場合、袋高さ方向袋底側に配設される。また、基台122は、物品収容装置1の設置面を基準とした場合、物品収容装置1の設置面と平行になる。立設部123は、例えば、所定形状の板状部材により形成される。そして、立設部123は、案内板121に取り付けた袋91を基準とした場合、基台122の一端から袋高さ方向袋口側へ向かって立設される。また、立設部123は、物品収容装置1の設置面1bを基準とした場合、物品収容装置1の設置面1bと所定の傾斜角θを有する態様で基台122から立設される。すなわち、立設部123は、物品収容装置1の設置面1bに対して傾斜する。
【0050】
立設部123における袋高さ方向袋口側の端部には、
図4(a)に示すように、筐体152が配設される。筐体152は、例えば、
図4(a)に示すような底面の少なくとも1部領域が開口しており、天井面に物品投入開口16が形成された箱形のものが一例として想定されるが、これに限定されるものではない。筐体152は、筐体152の高さ方向が袋高さ方向と一致するような態様で配設される。また、筐体152の底面の一辺152aと、立設部123における袋高さ方向袋口側の端部と、両者の幅方向へ延びる軸152bとでヒンジ機構152cを構成する。この場合、筐体152は、
図4(b)に示すように、本体部120の蓋として開閉する。
【0051】
筐体152の天井面の物品投入開口16付近に、筐体152の高さ方向底面側へ向かって延びる押さえ込み板部材129が設けられる。押さえ込み板部材129は、案内板121と共に袋束90を挟み込むものである。押さえ込み板部材129は、
図4(a)に示すように、案内板121と同様に、板状部材の幅方向中央付近を構成する中央片129aから幅方向両端へ進むに従って、板状部材の正面垂直方向前方(前後方向前方)へ屈曲するようになっている。
【0052】
袋91を案内板121に取り付けた場合に、押さえ込み板部材129の高さ方向が筐体152の高さ方向と一致し、かつ、押さえ込み板部材129が袋口91dよりも袋高さ方向袋口側に配置されるように押さえ込み板部材129は設けられる。
【0053】
また、押さえ込み板部材129の高さ方向底面側の端部129bと、案内板121の高さ方向袋口側端部121cとは、例えば、高さ方向において、
図4の一点鎖線楕円領域Rに示す所定の領域だけ重なるように配設される。この重なる部分が、袋束90を挟み込む部分になる。
【0054】
図4(b)に示すように、筐体152をヒンジ機構152cにより立設部123に対して反時計周りに回動させたとする。筐体152の上記反時計周りの回動に従って、筐体152の天井面に設けられた押さえ込み板部材129も移動する。そして、案内板121に袋束90を取り付けた後に、筐体152をヒンジ機構152cにより立設部123に対して時計周りに回動させると、押さえ込み板部材129は案内板121と共に、上記重なる部分において袋束90を挟み込むように移動する。袋束90が挟み込まれる部分(一点鎖線楕円領域R)は、袋口91dが挟み込まれないよう、少なくとも袋口91dよりも袋高さ方向袋口側である必要があり、それを満たすいずれの部分(例えば、袋束90の結合片91gに相当する領域)も本発明の範囲に含まれる。
【0055】
図1に戻って説明する。押さえ込み板部材129は、立設部123と略平行になるように設けられる。立設部123は、物品収容装置1の設置面1b(つまり水平方向)に対して90°未満で傾斜しているため、押さえ込み板部材129も同様に物品収容装置1の設置面1bに対して傾斜している。換言すると、立設部123及び押さえ込み板部材129は、鉛直下方向に対して90°未満で傾斜している。案内板121は、立設部123の前後方向正面部分(袋積層方向先頭側面)に設けられる。案内板121は、案内板121の袋積層方向、又は/及び、幅方向が、それぞれ立設部123の袋積層方向、又は/及び、幅方向と一致するよう立設部123の正面123aに案内板121の背面が配置されるように設けられる。したがって、案内板121は、水平方向又は鉛直方向に対して傾斜する。
【0056】
案内板121は、立設部123から着脱可能な態様で設けられていてもよい。この場合、取付部13(L字型部材)は、例えば、立設部123の正面123aの面垂直方向前方(袋積層方向先頭側)へ向かって立設されるよう、立設部123の正面123aに設けられる。そして、案内板121の中央片124における袋高さ方向袋口側の端部121c付近に2つの取付孔121bは設けられる。この2つの取付孔121bに取付部13(L字型部材)を通すように、案内板121は取り付けられる。そして、案内板121を立設部123から取り外す場合は、取付部13(L字型部材)から取付孔121bを外す。
【0057】
以上のような袋保持部11により袋束90を保持させると、袋束90は、物品収容装置1の設置面1bと所定の傾斜角θを有するように保持される。
【0058】
<1−2−2.開袋部について>
開袋部15は、袋保持部11で保持される袋束90の積層方向先頭に配置される袋91の袋口91dを広げるものである。開袋部15は、例えば、固定軸151と、伸縮アーム160と、先端アーム155とを少なくとも備える。
【0059】
固定軸151は、例えば、筐体152に設けられる。伸縮アーム160と、先端アーム155は、固定軸151を通じて、筐体152に保持される。固定軸151は、筐体152中において袋保持部11における案内板121と対向する位置に配設される。そして、固定軸151は、案内板121の幅方向(袋束90の幅方向)へ延びる。
【0060】
伸縮アーム160は、自身の幅方向と固定軸151が延びる方向とが一致するように固定軸151に軸着される。伸縮アーム160は、力を加えない状態では、
図1に示すように、筐体152の高さ方向へ延びるような態様で保持される。また、伸縮アーム160は、伸縮アーム160の中間部160a(固定軸151との軸着部分)と、伸縮アーム160の他端160bとを直接結ぶ直線距離(以下において、この直線距離を伸縮アーム直線距離と呼ぶ。)を伸縮させることができる伸縮機構を有する。
【0061】
伸縮アーム160における伸縮機構は、レバーアーム153と、中間アーム154とで構成させることが一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、さらに多くのアームにより構成させてもよい。
【0062】
レバーアーム153は、レバーアーム153の幅方向へ延びる固定軸151を介して自身の中間部分において筐体152に軸着される。すなわち、レバーアーム153は、固定軸151を中心点として回動可能な状態で筐体152に保持される。レバーアーム153は、力を加えない状態では、
図1に示すように、筐体152の高さ方向へ延びるような態様で保持される。
【0063】
固定軸151を中心点としてレバーアーム153を、時計回りに(矢印A方向)所定角度回動させるように倒すと、中間アーム154と先端アーム155とは、固定軸151を中心として案内板121の方(矢印B方向)へ向かって時計回りに回動する。
【0064】
中間アーム154の一端は、軸156を介してレバーアーム153の一端に軸着される。そして、軸156は、案内板121の幅方向(袋束の幅方向)へ延びる。このような中間アーム154は、軸156を中心として回動可能である。また、中間アーム154の他端は、軸157及び戻りバネ158を介して先端アーム155の一端に軸着される。そして、軸157は、案内板121の幅方向(袋束の幅方向)へ延びる。このような先端アーム155は、軸157を中心として回動可能である。戻りバネ158は、先端アーム155を回動させた場合、先端アーム155の長さ方向が中間アーム154の長さ方向と一致するよう復元させる回動力を発生させる弾性バネ部材である。
【0065】
ここで、
図5を参照して開袋部15の動作について説明する。開袋部15を動作させる前は、
図5(a)に示すように、伸縮アーム160(レバーアーム153及び中間アーム154)と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢を維持するよう伸縮アーム160(レバーアーム153及び中間アーム154)と、先端アーム155とは保持される。この時の伸縮アーム直線距離は、距離L0である。
【0066】
図5(b)に示すように、固定軸151を中心点としてレバーアーム153を時計周り(矢印C方向)に回動させると、中間アーム154及び先端アーム155は共に、袋高さ方向袋口側へ向かって移動する。なお、
図5における袋91は、袋束90の積層方向先頭にあるものとする。
【0067】
図5(c)に示すように、さらに固定軸151を中心点としてレバーアーム153を回動させると、中間アーム154が自重で軸156を中心点として回動する。これにより、レバーアーム153と中間アーム154とは上方(袋高さ方向袋口側)へ屈曲する態様になっていく。この際、伸縮アーム直線距離は距離L1(<L0)である。
図5(b)及び
図5(c)に状態においては、レバーアーム153と中間アーム154とは上方へ屈曲する態様になっているため、伸縮アーム直線距離は縮む。
【0068】
図5(d)に示すように、レバーアーム153のさらなる回動に従って、先端アーム155は、さらに上方(袋高さ方向袋口側)へ移動すると共に、当接面125に当接する。先端アーム155が当接面125に当接すると、先端アーム155は軸157を中心に回動して先端アーム155表面全体が当接面125に当接する。
【0069】
当接面125は、袋口91dよりも袋高さ方向袋口側の面である。そして、当接面125は、先端アーム155が当接面125上に沿って高さ方向袋底方向へ移動した場合、先端アーム155が袋口91dを経由して袋91の内部へ移動することができればどのような態様のものであってもよい。また、当接面125上には、例えば、袋91の延長片91cが配置されていたり、押さえ込み板部材129(
図4参照)が配置されていたりする。
図5(d)において先端アーム155は、当接面125上の延長片91cが配置された部分に当接しているが、これは一例であって、これに限定されるものではない。先端アーム155を最初に当接面125上のどの部分に当接させるように移動させるかは設計事項である。
【0070】
なお、先端アーム155を当接面125上に当接させずに、袋口91dに直接移動させるようにしてもよい。この場合、先端アーム155は、例えば、袋91内部の背面袋片91bの内部面に一旦当接して袋高さ方向袋底側へ移動する。
【0071】
次に、レバーアーム153を離すと、固定軸151を境界として中間アーム154及び先端アーム155側の方が重いため、
図5(d)に示すように、固定軸151を中心として反時計回り(矢印D方向)へレバーアーム153は回動し、先端アーム155は当接面125(延長片91cの正面)に当接して当接面125(延長片91cの正面)に沿って袋高さ方向袋底側へ移動する。その過程で、
図5(e)に示すように、先端アーム155は袋口91dを経由して袋91の内部へ入り込む。
【0072】
一方で、レバーアーム153と中間アーム154とは、先端アーム155が当接面125(延長片91cの正面)から受ける反力に応じて伸縮アーム直線距離を伸縮させる。そして、レバーアーム153の回動に従って、中間アーム154は、
図5(e)に示すように、先端アーム155と共に、袋口91dを経由して袋91の内部の奥に入り込む。
【0073】
レバーアーム153と中間アーム154とは、袋91の内部の奥に入り込むにつれて軸156を中心として回動して伸縮アーム直線距離を伸ばすように動作する。それと同時に、レバーアーム153の袋91から離れる方向の回動に従って、先端アーム155は、段々、軸157を中心に背面袋片91bの内部面から離脱するよう回動しながら、袋91から離れる方向へ移動する。また、レバーアーム153の袋91から離れる方向の回動に従って、中間アーム154も袋91から離れる方向へ移動する。
【0074】
以上のような中間アーム154及び先端アーム155の動作により、正面袋片91aは、袋91の内部側から袋口91dが広がる方向へ引っ張られる。最終的に、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とは、
図5(f)に示すような、略直線上になった態様の姿勢(初期状態)に戻っていくように動作する。これにより、袋口91dが大きく広がった状態になる。
【0075】
従来の開袋アームは、袋口91d付近に先端を引っ掛けて袋口91dを広げていたため、袋口91dを広げる際に袋91にかかる力は袋口91d付近にのみ大きな力がかかっていた。これにより、袋91の分離線91eにかかる力が大きくなり、袋91を広げる過程で袋91は分離線91eから切断・分離しやすくなっていた。以上のような伸縮アーム160によれば、先端アーム155が袋91内部の奥に入り込むにつれて伸びていくため、結果として先端アーム155及び伸縮アーム160の一部(中間アーム154)は、袋91内部の奥深くまで入り込んだ状態で袋口91dを広げる。このため、上記開袋部15なら袋口91dを広げる際に袋91にかかる力を、袋91全体に分散させることができ、袋91の分離線91eにかかる力を低減させることができる。これにより、袋口91dを広げる過程で、分離線91eから袋91を切断・分離することを防ぐことができる。
【0076】
また、従来の開袋アームは、回動の軌道が決まっているため、袋束90の先頭面の袋がその軌道上にセットされた状態で袋91の開袋を行う必要があった。このため、袋束90の袋91が次々と切断・分離されて
図2(c)のような態様になった場合、袋束90を背面から押して、袋束90の先頭面の袋を決まった位置にセットしていた。一方、開袋部15ならば、袋束90の先頭面が後退していってもその分、伸縮アーム160が伸びるため、以上のような問題を回避することができる。
【0077】
なお、中間アーム154及び先端アーム155が
図5(a)及び
図5(f)に示すレバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢(初期状態)になった場合、袋91の正面袋片91aを手前側へ引っ張ることにより、袋91が袋束90から切断・分離しない程度の力になるように調整する。
【0078】
以上の2つの効果は、以下において説明する他の実施の形態においても共通する効果である。
【0079】
<1−3.物品搬送路>
図1を参照して物品搬送路17について説明する。物品収容装置1において物品は、物品投入開口16から投入されると物品搬送路17を通じて移動し、最終的に終着領域としての基台122に到着する。したがって、物品収容装置1における物品搬送路17は、押さえ込み板部材129と、案内部12と、基台122とで形成される。物品収容装置1において押さえ込み板部材129は、物品収容装置1の設置面1b(つまり水平方向)に対して傾斜角θだけ傾斜する。換言すると、鉛直下方向に対して(90°−θ)だけ傾斜する。また、案内部12は、物品収容装置1の設置面1bに対して傾斜角θだけ傾斜する。また、基台122は、物品収容装置1の設置面1bに対して平行な平面部材である。結果として、物品搬送路17は、少なくともその一部において、鉛直下方向に対して90°未満の角度を有する傾斜路17kを有することになる。
【0080】
また、物品搬送路17の袋積層方向先頭側に相当する位置に開袋部15が配設され、物品搬送路17の袋積層方向最後尾側に相当する位置に袋束90及び案内部12が配設される。したがって、傾斜路17kは、袋積層方向において開袋部15と、袋束90及び案内部12とに挟まれる態様で形成される。物品収容装置1が設置面1bに設置された場合、傾斜路17kよりも鉛直方向上側に開袋部15が配設され、鉛直方向下側に袋束90及び案内部12が配設される。
【0081】
物品投入開口16を介して投入される物品80は、傾斜路17kを通って終着領域としての基台122に到着する。このため、物品80は、傾斜路17kを通過する際に自重が水平方向に分散されるので、落下速度が低減されて、終着領域としての基台122に到着する過程で、傷が付きにくく、又は、パック詰めされた内容物が一方向に寄りにくくなる。
【0082】
<1−4.物品収容動作>
次に、
図6を参照して物品収容動作について説明する。
図6(a)に示すように、開袋部15を動作させて袋91を開いた場合に、物品投入開口16は、袋口91dの袋高さ方向袋口側に配置するよう設けられる。物品投入開口16から物品80を投入すると、投入された物品80は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、物品搬送路17を構成する押さえ込み板部材129及び案内板121を通って袋91の内部に収容される。
【0083】
このとき、物品80は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、物品搬送路17を構成する傾斜路17kを転がって、又は、滑って移動していくため、傾斜面との摩擦で移動速度が低減される。これにより、物品80が所定箇所と衝突して受ける衝撃を低減させることができる。
【0084】
また、従来のような鉛直方向から物品を落下させるものと異なって物品は傾斜路17kを移動するため、物品がパック詰めされた惣菜の場合、惣菜をパックの一方に寄らせないように搬送することができる。惣菜をパックの一方に寄らせないようにするためには、物品収容装置1の設置面1bとの傾斜角θを小さくすることが好ましい。物品収容装置1の設置面1bとの傾斜角をどのような大きさに設定するかは、物品収容装置1において袋詰めしようとする物品の種類によって様々であり、本発明では、様々な要素によって決定される全ての傾斜角を含む。
【0085】
この時、袋91は、物品80から下方へ力を加えられる。この力により、袋91は、
図6(c)に示すように、袋束90から切断・分離して落下する。このとき、袋91の袋束90からの切断・分離動作により物品80は移動速度が低減される。この動作も物品80を保護することに資する。なお、袋91が物品80の自重で自然に切断されない態様の場合は、作業者が、開口部77を介して手で袋90を掴んで、取り出すようにしても良い。
【0086】
袋91が離脱すると、
図6(d)に示すように、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とは、更に回動して、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢(初期姿勢)に戻る。
【0087】
そして、再度、
図5で説明したようにレバーアーム153を回動させて、袋91を開かせて、物品投入開口16から物品80を投入する。以上を繰り返して行うことにより、物品80の袋詰め作業が容易になる。
【0088】
また、物品搬送路17が傾斜路17kを有するため、例えば球状の物品80の場合、傾斜路17kを転がって移動でき、又は、非球状の物品80の場合は滑って移動できる。このため、傾斜路17kが物品80の自重の一部を受け止めることができるので、物品80の移動速度が減速される。これにより、物品80が最終領域で停止する際の衝撃を低減させることができる。
【0089】
また、物品収容装置1に取り付ける袋束90を袋91ではなく、
図2(d)に示す袋99で構成させた場合、物品収容動作は、
図6(c)及び
図6(d)のようにならず、
図6(b)で止まる。すなわち、物品80の移動による衝突力では、袋束90から袋99は切断・分離せず、袋99が袋束90に結合した状態で物品80は袋99内部に収容される。この場合、所望の物品80が袋99内部に収容されたことを確認した上で手等により、物品80が収容された袋99を引っ張って袋束90から切断・分離する。このような態様も本発明の範囲に含まれる。
【0090】
なお、物品80が収容された袋99を手等で引っ張って袋束90から切断・分離する場合、袋99の外周周辺を覆うよう物品収容装置1を構成すると、袋99を手等で引っ張れない。袋99を手等で引っ張る部分を確保するため、少なくとも袋99の袋底外周周辺領域を、袋99の面直角方向に向かって外部に開放するよう開口部77を備えることが好ましい。開口部77によって、物品80を収容した袋99の周囲が開放されるので、作業者が容易に手で袋を掴んで取り出すことができる。
【0091】
<2.第2実施形態>
次に、
図7を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置2について説明する。物品収容装置2は、例えば、
図7(a)に示すように、物品搬送路17にストッパ18を設けたものである。
【0092】
ストッパ18は、
図7(a)に示すように、物品搬送路17(傾斜面)において袋91が配置される位置よりも下流側に設けられる。ストッパ18は、袋99に収容された後の物品80と係合して、物品80の移動を停止させたり、または移動方向を変更したりすることができる。
【0093】
また、ストッパ18を物品搬送路に沿って往復移動自在に配置しておくようにし、更にストッパ18が、物品80が袋91へ収容された際に、物品80が袋91に加える物品搬送路17(傾斜路17k)に沿う方向の力を吸収する付勢部を備えても良い。そのような付勢部として、例えば、
図7(b)に示すように、バネ等の弾性体18aにより形成されるものが一例として挙げられる。バネ等の弾性体18aによれば、ストッパ18を、物品80の自重方向に対して反対方向に付勢することができる。結果、物品80が自重によって落下する際、物品80と係合するストッパ18が物品80と共に追従移動しつつ、物品80に対して反対方向の力を付与することができるので、物品80の移動を滑らかに停止させることができる。
【0094】
なお、ストッパ18の待機位置としては、物品80が袋91へ収容された際に、物品80が袋91に対して自重を加えて、袋91が袋束90又は案内板121(袋保持部11)から分離してしまう前に、ストッパ18が物品80と係合して物品の移動を停止させても良い。一方で、物品80の自重により袋91が袋束90してから、その物品80をストッパ18で受け止めても良い。これは、物品80の質量や物品投入開口16から袋91までの距離、袋91における分離線91eの強度など様々な要素に基づいて適宜決定される。
【0095】
<3.第3実施形態>
次に、
図8を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置3について説明する。物品収容装置3は、パック詰めされたお惣菜等のパック詰め物品を袋詰めすることを主な用途にするものである。すなわち、物品収容装置3は、厚みが薄い立体形状のものを主たる対象とする。
【0096】
物品収容装置3が物品収容装置1と相違する点は、物品投入開口16aの形状である。物品収容装置3では、厚みが薄い立体形状のものを投入しやすいよう、物品投入開口16aの形状を略長方形状にしている。
図9を参照してさらに物品投入開口16aについて説明する。
図9の物品収容装置3の上方から見た平面図に示すように、物品投入開口16aは、お惣菜等のパック詰め物品を投入しやすいように、筐体152の天井面において袋幅方向両端側へ向かってできる限り広く延びている。すなわち、物品投入開口16aの袋幅方向の長さは、幅の広いパック詰め物品にも対応できるよう筐体152において可能な限り、長くするようにしてもよい。
【0097】
また、物品投入開口16aの袋積層方向の長さは、目的とする物品に合わせてそれほど長くする必要はない。物品投入開口16aの袋積層方向の長さは、例えば、袋91の袋幅方向の長さをWとした場合、その1/2W以下の長さであることが好ましく、より好ましくはその1/3W以下の長さであることが好ましい。一方、物品投入開口16aの袋幅方向の長さは、2/3W以上、より好ましくは3/4W以上、更に好ましくは4/5W以上に設定される。また、このような構成に好適な袋91の幅は10cm以上、望ましくは15cm以上、更に望ましくは20cm以上となる。
【0098】
また、上記説明したように、物品収容装置3は袋91に収容するパック詰め物品は厚みが薄いものを主たる対象とすることから、物品収容装置3全体の袋積層方向の長さを短くすることができる。これにより、物品収容装置3は装置全体をコンパクトなものにすることができ、様々な場所で用いることができる。
【0099】
図8に戻って説明する。また、物品収容装置3においては、物品投入開口16aよりも袋高さ方向袋口側に物品セット部材19が設けられる。物品セット部材19は、物品投入開口16aにパック詰め物品を投入する前に、パック詰め物品を置く台である。物品セット部材19の載置面19aは、物品搬送路17における物品投入開口16aの下流近傍の搬送面17bを袋高さ方向袋口側に延長した搬送延長面となる。また、この載置面19aは、周囲が開放されているので、物品を簡単に載置できる。
【0100】
パック詰め物品をいきなり物品投入開口16aを通じて物品搬送路17の搬送面17bに挿入する場合、パック詰め物品の大きさによっては挿入しづらいことが想定される。このような場合、物品セット部材19があれば、載置面19aは周囲に露出しているので、パック詰め物品をこの載置面19aに置いた後に、利用者が、このパック詰め物品を載置面19aから物品投入開口16a側に押すだけで、滑り台のようにして、容易に物品投入開口16aを通じてパック詰め物品を物品搬送路17の搬送面17bに挿入することができる。
【0101】
なお、一般的に、パック詰め物品において袋幅方向の長さが長いものが相当数存在する。したがって、袋幅方向の長さが長いパック詰め物品を袋91に収容するために、袋口91dは、袋91の袋幅方向中央付近だけでなく、袋幅方向両端に亘って広げられることが好ましい。このため、物品収容装置3における先端アーム155aは、袋幅方向に対応する長さがなるべく長いほうが好ましい。先端アーム155aがなるべく袋幅方向両端に亘って袋口91dを広げられるようにするためである。先端アーム155aの袋幅方向に対応する長さ(幅)は、例えば、
図9(b)に示すように、袋91の袋幅方向の長さをWとした場合、その1/3W以上が好ましく、より好ましくは1/2W以上とし、更に望ましくは2/3W以上とする。
【0102】
<3−1.物品収容動作>
次に、
図10を参照して物品収容装置3における物品収容動作について説明する。まず、
図10(a)に示すように、開袋部15を動作させて袋91を開いた状態にしてから、パック詰め物品80aを物品セット部材19の載置面19aに置く。そして、パック詰め物品80aを物品搬送路17へ向かって押す。
【0103】
パック詰め物品80aは、上記状態から押されると、
図10(b)に示すように、物品投入開口16aを経由し、物品搬送路17の搬送面17bに沿って袋91内部に収容される。そして、パック詰め物品80aが袋91の袋底91hに衝突すると、袋91は分離線91eから切断・分離される。
【0104】
パック詰め物品80aが収容された袋91は、
図10(c)に示すように、そのまま物品搬送路17の搬送面17bに沿ってさらに物品搬送路17の下流側に移動していく。そして、パック詰め物品80aが収容された袋91は、
図10(d)に示すように、最終的に、終着領域である基台122へ到着して停止する。なお、パック詰め物品80aが収容された袋91を基台122で確実に停止させるため、基台122の表面には摩擦係数の高い素材で形成されるマットを設けてもよい。摩擦係数の高い素材として、例えば、ゴム等の素材が挙げられるが、これに限定されるものではなく、その他の公知の摩擦係数の高い素材であってもよい。
【0105】
<4.第4実施形態>
次に、
図11を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置4について説明する。物品収容装置4は、物品収容装置1における物品搬送路17とその形態が異なるものである。物品収容装置1における物品搬送路17は、物品収容装置1の設置面1bに対して傾斜角θだけ傾斜する傾斜面により形成されていた。一方、物品収容装置4における物品搬送路17は、物品収容装置4の設置面4aに対して鉛直方向の物品搬送路41と、物品搬送路41から移動してきた物品80の衝撃力を受けて回動する回動傾斜板43により形成される傾斜路42とにより形成される。傾斜路42は、鉛直方向に対して傾斜し得るように構成されている。
【0106】
物品搬送路41は、物品収容装置4の設置面4aを基準とした場合、物品収容装置1における立設部123に相当する立設部423を設置面4aに対して略垂直に立設させたものである。すなわち、物品収容装置4における立設部423は、物品収容装置4の設置面4aに対して垂直方向へ立設されており、鉛直方向と平行する(鉛直方向に対して傾斜していない)。
【0107】
また、物品収容装置4における案内板421は、案内板421の袋積層方向、又は/及び、幅方向が、それぞれ立設部423の袋積層方向、又は/及び、幅方向と一致する。したがって、物品収容装置4における案内板421は、鉛直方向に沿っている。
【0108】
回動傾斜板43の表面は、
図11に示すように、基端側となるヒンジ側と比較して、板状部材の揺動端側が板の厚み方向(袋高さ方向の袋口側(
図11における上方向))へ凸となるように形成される。すなわち、回動傾斜板43は、板状部材の揺動端が板状部材の厚み方向へ向かって湾曲するように形成される。
【0109】
結果、回動傾斜板43は、平面板部43aと、ストッパ部43bとに分けられる。平面板部43aは略平面状の板で形成される。ストッパ部43bは、平面板部43aの揺動端側において平面板部43aの面外方向(袋高さ方向袋口側)へ立設する板状部材である。ストッパ部43bは、後述するように、物品の移動を制限するストッパとしての役割を果たす。平面板部43aが傾斜路42を形成する。
【0110】
図12に示すように、回動傾斜板43には、回動機構44が設けられている。回動機構44は、物品投入開口16から投入される物品が自身に載る際に加えられる力に応じてその力を逃がす方向へ回動傾斜板43を回動させる。回動機構44は、バネ部材45と、軸46と、バネ回動制限部材48aと、部材支持部48bと、支持位置調整部48cと、ヒンジ部49とを備える。
【0111】
バネ部材45は、
図12(a)に示すように、自身の軸方向が回動傾斜板43の幅方向と一致するように回動傾斜板43の厚み方向底面側に配設される。バネ部材45として、例えば、
図12(a)に示すように、コイルバネが想定されるが、これに限定されるものではない。そして、バネ部材45の両端は、コイルバネ巻部分から直線状に延びるストレートタイプや、一段曲げタイプ、二段曲げタイプ、フックタイプのいずれの形状であってもよい。バネ部材45は、自身の一端が回動傾斜板43の底面に当接され、他端がバネ回動制限部材48aに当接される。
【0112】
軸46は、
図12(a)に示すように、両端が回動傾斜板43の幅方向両端から立設される立設部423で固定される。また、軸46は、バネ部材45の中心軸と一致するように配設される。
【0113】
バネ回動制限部材48aは、バネ部材45の他端と当接してバネ部材45の回動を制限するものである。バネ回動制限部材48aは、
図12(a)に示すように、軸46を軸として回動自在に吊るされるような態様で軸46に軸着される。また、バネ回動制限部材48aは、
図12(b)に示すように、バネ回動制限部材48aの前後方向背面側から部材支持部48bに支持される。これにより、バネ回動制限部材48aは、バネ回動制限部材48aの前後方向前面側へは回動可能であるが、バネ回動制限部材48aの前後方向背面側への回動は制限される。
【0114】
部材支持部48bは、
図12(b)に示すように、バネ回動制限部材48aの前後方向背面側に配設され、バネ回動制限部材48aの前後方向へ延びる部材である。支持位置調整部48cは、部材支持部48bをバネ回動制限部材48aの前後方向に移動させるものである。すなわち、支持位置調整部48cは、部材支持部48bのバネ回動制限部材48aの前後方向前方側端部の位置を調整して、バネ回動制限部材48aの前後方向背面側への回動範囲を調整する。
【0115】
ヒンジ部49は、
図12(b)に示すように、回動傾斜板43の袋積層方向最後尾側の端部(基端部)に相当する位置に設けられるヒンジ軸49aを軸として回動傾斜板43を回動させるものである。ヒンジ軸49aは、袋幅方向へ延びる。回動傾斜板43の袋積層方向最後尾側の端部は、このヒンジ軸49aに軸着される。
【0116】
ここで、
図13を参照して、物品収容装置4の動作について説明する。開袋部15により、袋口91dが広げられた状態で、物品投入開口16から物品が投入されると、物品80は物品搬送路41に沿って垂直降下して、袋91に収容される。そして、物品80は、
図13(a)に示すように、袋91内部に収容された状態で回動傾斜板43上に落下する。回動傾斜板43は、
図13(b)に示すように、袋91に収容された物品80からの落下による自重を受けると、ヒンジ部49により時計回りに回動する。
【0117】
この回動をバネ部材45が受け止めると、バネ部材45は、付勢部材となって、バネ弾性により回動傾斜板43に対して反時計回りへ回動する方向への力(復元力)を加える。回動傾斜板43は、袋91に収容された物品80の落下方向と同方向に揺動しつつ、物品80に対して自重と反対方向の復元力を加える。更に、傾斜板43は、鉛直方向に対して次第に傾斜するので、物品80に対して、水平方向に移動させる力を付与する。
【0118】
結果、袋91に収容された物品80は、回動傾斜板43の追従動作により、係合時の衝撃が吸収される。
【0119】
回動傾斜板43が、
図13(c)に示すように傾斜をすると、袋91に収容された物品80は、回動傾斜板43によって構成される傾斜路42に沿って下流側へ移動する。最終的に、袋91に収容された物品80は、ストッパ部43bに衝突して、その移動が制限されて停止する。なお、物品80の移動が停止すると、バネ部材45によって物品80に付与する付勢力と、物品80の自重が平行した状態となる。つまり、この回動傾斜板43の傾斜角度(移動量)は、物品80の重さによって変化する。従って、この回動機構44と回動傾斜板43は、いわゆる量りと同様に、物品80の重さの指標を提示することができる。例えば、回動傾斜板43の停止角度に対応した目盛を設置することで、物品80の重さをはかったり、所望の規格サイズ(例えば農作物であればS・M・L等)にふるい分けしたりすることができる。
【0120】
以上のように、物品収容装置4は、物品を投入する前は、物品収容装置4の設置面4aに対して傾斜する傾斜路を物品搬送路17は有していない。しかしながら、物品収容装置4は、物品80を投入されてその物品が袋に収容された後に、物品収容装置4の設置面4aに対して傾斜する傾斜路42を有する。その傾斜路42により、袋91に収容された物品80を物品搬送路17下流側へ向かって移動させる。
【0121】
<5.第5実施形態>
次に、
図14を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置5について説明する。物品収容装置5は、物品収容装置4における回動傾斜板43の回動態様を変形させたものである。すなわち、物品収容装置4における回動傾斜板43は袋幅方向へ延びるヒンジ軸49aを軸に回動するが、物品収容装置5における回動傾斜板53は袋積層方向へ延びるヒンジ軸59aを軸に回動する。
【0122】
回動傾斜板53には、回動機構54が設けられている。回動機構54は、袋積層方向へ延びる軸を中心に回動傾斜板53を回動させる。
【0123】
回動傾斜板53の袋幅方向の端部に相当する位置には、ヒンジ部59が設けられる。ヒンジ部59は、
図14に示すように、回動傾斜板53の袋幅方向の端部に相当する位置に設けられるヒンジ軸59aを軸として回動傾斜板43を回動させるものである。ヒンジ軸59aは、袋積層方向へ延びる。回動傾斜板53の袋幅方向の端部は、このヒンジ軸59aに軸着される。
【0124】
なお、回動機構54及び回動機構44は、回動傾斜板の回動軸の方向、及び、それに伴う各部の配置が異なるのみで、動作は同様のものである。したがって、回動機構44の内容及び動作を表す
図12及び
図13は、回動機構54を袋積層方向から見た平面図として使用可能であり、回動機構44の内容及び動作の説明を回動機構54にも適宜適用することができる。
【0125】
物品80は、物品搬送路51に沿って垂直降下して袋91に収容される。回動傾斜板53に対して、袋91に収容された物品が落下すると、回動傾斜板53は、
図14の点線で描かれ方向に回動して、鉛直方向に対して傾斜する傾斜路52を形成する。結果、物品80は、傾斜路52に沿って、袋91の幅方向に移動しながら落下して停止する。このような態様の物品収容装置5は、例えば、袋幅方向へ作業員が列状に並んで作業を行う際に有効である。すなわち、袋幅方向へ列状に並ぶ作業員A及び作業員Bがいて、作業員Aが物品収容装置5に物品を投入して、隣の作業員Bが、回動傾斜板53から送り出される物品80を取り出して、袋91の封をする作業をする場合等に有効である。
【0126】
<6.第6実施形態>
次に、
図15を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置6について説明する。物品収容装置6は、固定傾斜板63を備える。この固定傾斜板63は、物品収容装置4における回動傾斜板43から回動機構を取り除き、回動傾斜板43を初期状態から斜面状態で固定設定したものに相当する。物品収容装置6における固定傾斜板63は、
図15(a)に示すように、板状部材の一端が板状部材の他の部分に比べて、板の厚み方向へ凸となるように湾曲状態に形成される。
【0127】
以上のような態様の固定傾斜板63は、鉛直方向に対する傾斜角αが、下流側に進むにつれて徐々に大きくなるように湾曲した傾斜路62を形成する。物品投入開口から投入される物品は、袋91に収容された状態で、固定傾斜板63に落下する。鉛直方向に移動する物品80は、湾曲した傾斜路62に沿って自重が徐々に水平方向に変換されて、最後は略水平方向の移動となって、最終到着領域へ移動する。
【0128】
図15(b)に示すように、物品収容装置6における固定傾斜板64を平面形状としても良い。このようなものも本発明の範囲に含まれる。なお、以上の固定傾斜板63及び64にも可能なかぎり、物品収容装置4における回動傾斜板43で説明する回動機構を設けてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
【0129】
以上の物品収容装置1〜6等の物品収容装置において説明したように、物品搬送路17には様々な態様が想定される。
図16に示すように、物品収容装置における物品搬送路17は、鉛直方向に対して様々な角度を有する傾斜路を組み合わせて形成させてもよい。
【0130】
例えば、
図16(a)に示すように、物品搬送路17は、下流側に向かって異なる2つの傾斜角を有する傾斜路17k1、17k2を含むようにしてもよい。また
図16(b)に示す物品搬送路17のように、傾斜路17k1と、水平路17sを含むようにしても良い。更に
図16(c)に示す物品搬送路17のように、傾斜角が90°未満の傾斜路17k1と、傾斜角が90°以上の傾斜路17k2を組み合わせても良い。
【0131】
なお、上記第1実施形態〜第6実施形態の物品収容装置に関して、
図7(b)に示すストッパ18及び弾性体18a、
図11に示す回動傾斜板43及び回動機構44、
図14に示す回動傾斜板53及び回動機構54のように、袋に収容された後の物品80と係合する係合部が、移動機構によって往復移動自在に配置する構造を採用する場合、この係合部及び移動機構を有効活用して、開袋機構を動作させることができる。この例について次に説明する。
【0132】
<7.第7実施形態>
次に、
図17を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置7について説明する。物品収容装置7は、物品収容装置4における回動傾斜板43(本発明における係合部に相当する)と開袋部15の間に動作伝達部70を備えている。動作伝達部70は、回動傾斜板43の動作を開袋部15に伝達して、解体部15を動作させる。この動作伝達部70は、レバーアーム153及び回動傾斜板43と回動自在に連結されるリンク機構となる。動作伝達部70の一端は、軸71によって、レバーアーム153と回動自在に連結される。軸71は、袋幅方向(物品搬送路の幅方向)へ延びる。また、動作伝達部70の他端は、軸72によって、回動傾斜板43(ストッパ部43b)と回動自在に連結される。軸72は、袋幅方向(物品搬送路の幅方向)へ延びる。
【0133】
なお、動作伝達部70は、
図17では1つのリンク部材と2つのジョイント(軸71及び軸72部分)で構成されるが、これに限定されるものではない。動作伝達部70は、複数のリンク部材、及び3つ以上のジョイントを有するリンク機構や、そのリンク機構にプーリー等をも含めた機械的な機構で構成してもよいし、レバーアーム153及び回動傾斜板43の回動に関する軸を動作させるモーター等をマイクロコンピュータで制御するような電気的な構成でもよいし、機械的な機構及び電気的な構成の両者を含むものであってもよい。
【0134】
この動作伝達部70は、回動傾斜板43が、物品80の移動に連動して、袋高さ方向袋底側へ向かって回動した際に(
図13参照)、それ回動力を開袋部15に伝達して、開袋部15が袋91の袋口91dを広げる前の準備状態とする(
図5(c)及び
図5(d)参照)。そして、回動傾斜板43から物品が取り除かれて、回動機構44により、回動傾斜板43が逆回動(復帰)すると、動作伝達部70がその動作を開袋部15に伝達して、開袋部15が袋91の袋口91dを広げる(
図5(d)及び
図5(e)参照)。
【0135】
以上の一連の動作ついて以下
図17を参照して説明する。まず、
図17(a)に示すように、初期状態において袋91の袋口91dは広がった状態にある(開袋状態)。この時、回動傾斜板43は物品収容装置7における設置面と略平行な状態にある。また、レバーアーム153、中間アーム154及び先端アーム155は、直線上になった状態にある。なお、レバーアーム153は、固定軸151のところで屈曲した態様になっている。
【0136】
そこに、物品80を投入すると、物品80は袋91に収容された状態で、回動傾斜板43に落下する。袋91に収容された物品80が回動傾斜板43に落下すると、
図17(b)に示すように、回動傾斜板43は、(図示しない)回動機構44(
図12及び
図13参照。)により、物品80の落下に連動して同一方向(時計回り)に回動する。
【0137】
動作伝達部70は、
図17(b)(c)(d)に示すように、回動傾斜板43の回動に伴ってレバーアーム153を(時計回りに)揺動させて、中間アーム154及び先端アーム155が袋口91dに近づく状態にする。結果、
図17(d)に示すように、先端アーム155の突端は、袋91の袋口91dの直上の場所で停止する(開袋前準備状態)。
【0138】
図17(e)に示すように、袋91に収容された物品80を回動傾斜板43から取り出すと、回動傾斜板43は、(図示しない)回動機構44の復元力により、物品80の移動方向の反対方向(時計回りとは逆方向)へ回動する。これに伴って、中間アーム154及び先端アーム155は、袋91の袋口91dを経由して、袋91の内部へ進入していく。
【0139】
そして、(図示しない)回動機構44により、
図17(f)に示すように、回動傾斜板43は物品収容装置7における設置面と略平行な状態に戻っていく。回動傾斜板43が物品収容装置7における設置面と略平行な状態になると、レバーアーム153、中間アーム154及び先端アーム155は直線上になった状態になって、袋91の袋口91dを広げた状態になる。結果、次の物品80を投入可能な開袋状態となる。
【0140】
<8.第8実施形態>
次に、
図18を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置8について説明する。物品収容装置8は、袋91の背面に配置される物品搬送路部材17d自体が、揺動軸17fによって、袋91と一緒に揺動自在に配置される。即ち、この物品搬送路部材17d自体が、物品80に対して自重方向に係合して、往復移動する係合部となる。物品搬送路部材17dの袋積層方向最後尾側にはバネ部材89(本発明における付勢部に相当)が設けられる。バネ部材89は、袋積層方向で物品搬送路部材17dを支持している。物品収容装置4は、更に、レバーアーム153と物品搬送路部材17dの互いの動作をリンクさせる動作伝達部86を備える。動作伝達部86の一端は、軸87を介して例えば、レバーアーム153と回動自在に連結される。軸87は、袋幅方向(物品搬送路17の幅方向)へ延びる。また、動作伝達部86の他端は、軸88を介して、物品搬送路部材17dと回動自在に連結される。軸88は、袋幅方向(物品搬送路17の幅方向)へ延びる。
【0141】
なお、動作伝達部86は、
図18では1つのリンク部材と2つのジョイント(軸87及び軸88部分)で構成されるが、これに限定されるものではない。動作伝達部86は、複数のリンク部材、及び3つ以上のジョイントを有するリンク機構や、そのリンク機構にプーリー等をも含めた機械的な機構で構成してもよいし、レバーアーム153及び物品搬送路部材17dの回動及び傾斜に関する軸を動作させるモーター等をマイクロコンピュータで制御するような電気的な構成でもよいし、機械的な機構及び電気的な構成の両者を含むものであってもよい。
【0142】
この動作伝達部86は、物品搬送路部材17dが物品80の重さにより傾いた際に、その移動動作を開袋部15に伝達し、開袋部15に対して、袋91の袋口91dを広げる動作をさせるものである。
【0143】
以上の動作ついて以下
図18を参照して説明する。まず、
図18(a)に示すように、初期状態において袋91の袋口91dは広がった状態にある(開袋状態)。この時、レバーアーム153、中間アーム154及び先端アーム155は、直線上になった状態である初期状態にある。そこに、
図18(a)に示すように、物品搬送路17に沿って物品80を投入する。
【0144】
物品80は、袋口91dを経由して袋91内部に入る。そして、物品搬送路部材17dは、
図18(b)に示すように、物品80の重みで水平方向から鉛直方向に向かって傾斜する。この物品搬送路部材17dの傾斜動作を、動作伝達部86がレバーアーム153に伝達することで、固定軸151を中心に中間アーム154及び先端アーム155が袋口91dへ近づく方向(時計周り)に回動し始める。
【0145】
図18(c)に示すように、物品搬送路部材17dが、水平方向を基準に最も傾斜すると、先端アーム155の突端は、袋91の袋口91dの直上の場所で停止する(開袋前準備状態)。
【0146】
図18(d)に示すように、物品80が袋91と共に作業者によって取り出されたり、又は、物品80の自重により更に自然落下したりして、物品搬送路部材17d上から離反すると、
図18(e)に示すように、バネ部材89の付勢力によって、物品搬送路部材17dが水平方向に向かって復帰しようとうする。この復帰動作に連動して、先端アーム155が袋91内部に徐々に入っていく。
【0147】
結果、
図18(f)に示すように、レバーアーム153、中間アーム154及び先端アーム155は初期状態に戻り、袋口91dを広げた状態になる(開袋状態)。
【0148】
以上のように、物品収容装置8では、物品80を投入して袋91に収容させて終着領域まで送り出す過程での物品搬送路部材17dの往復動作に応じて、レバーアーム153、中間アーム154及び先端アーム155は、袋口91dを開く動作を行うことができる。
【0149】
なお、ここでは、物品搬送路部材17d側をバネ部材89が付勢して、物品搬送路部材17dを復帰させる場合を示すが、レバーアーム153側又は固定軸151側に戻りバネを設けることで、レバーアーム153及びこれに連動する物品搬送路部材17dを復帰させても良い。また、上記実施形態では、袋91に収容された後の物品80と係合する係合部が、鉛直方向に対して傾斜する方向に揺動する場合を例示したが、例えば、係合部が鉛直方向又は水平方向に直線的に往復移動する場合も本発明は含む。
【0150】
次に、物品収容装置1〜8等の物品収容装置における物品搬送路の設置面に対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構について説明する。以下において、物品収容装置1〜8等の物品収容装置における一例である物品収容装置1aに傾斜角変更機構を適用した場合について説明するが、上記傾斜角変更機構は、物品収容装置1a以外の物品収容装置1〜8等にも同様に適用可能である。なお、物品収容装置1aは、
図1に示す物品収容装置1における基台122と立設部123との成す角度が90°になったものであり、その他は物品収容装置1と同様である。以降の
図19〜24についても同様である。
【0151】
<9.傾斜角変更機構について>
<9−1.第9実施形態>
図19を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置940について説明する。物品収容装置940は、物品収容装置1aにおける物品搬送路17の設置面940aに対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構940を物品収容装置1aに加えたものである。傾斜角変更機構940は、支持アーム941及び942と、装置固定機構943とを備える。
【0152】
支持アーム941及び942は、物品収容装置1aの幅方向両端側(物品搬送路17の幅方向両端側)から物品収容装置1aを挟み込んで支持するものである。支持アーム941及び942は、基部941a及び942aと、アーム部941b及び942bとを備える。基部941a及び942aは、設置面940aに載置されるものである。アーム部941b及び942bは、設置面940aから基部941a及び942aの上面へ向かう方向へ延びるものである。
【0153】
このような支持アーム941及び942は、例えば、
図19(a)に示すように、くの字形状の部材が一例として挙げられるが、これに限定されるものではない。支持アーム941及び942は、物品収容装置1aを安定して支持できる形状であれば、いずれの形状であってもよく、そのような支持アームは全て本発明に含まれる。
【0154】
装置固定機構943は、軸944を中心に回動可能に物品収容装置1aをアーム部941b及び942bに固定解除可能に取り付けて固定するものである。装置固定機構943は、例えば、軸944と、取付孔945と、固定部946及び947とを備える。
【0155】
軸944は、物品搬送路17の幅方向(物品収容装置1aの幅方向)へ延びるものである。取付孔945は、物品収容装置1aに設けられる孔であり、軸944を通す。そして、軸944は、物品収容装置1aの幅方向両端面から突出するよう設けられる。
【0156】
軸944の両端は、物品収容装置1aの両側面に配置されるアーム部941b及び942bに取り付けられる。固定部946及び947は、固定部946と固定部947との間にある物品収容装置1aと、アーム部941b及び942bとに対して軸944の軸方向内側へ向かう力を加えることにより物品収容装置1a、アーム部941b及び942bを挟持して固定するものである、固定部946及び947は、それぞれ軸944の両端と係合する。
【0157】
軸944、固定部946及び947として、例えば、外周面に雄ねじが形成されるネジ部材と、内周面に雌ねじが形成されるナット部材とが一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、その他の固定機構であってもよい。すなわち、軸944、固定部946及び947は、固定部946及び947により軸944の両端側からその間にあるものを挟み込んで固定、及び、固定解除可能な構造であれば、どのような構造であってもよい。
【0158】
物品収容装置1aの物品搬送路17を設置面940aに対して傾斜させる場合、例えば、
図19(a)に示す状態において、固定部946及び947によるアーム部941b及び942bと物品収容装置1aとの固定を解除する。固定部946及び947による固定を解除した状態で、
図19(b)に示すように、物品収容装置1aを所望の傾斜角だけ回動させて、設置面940aに対して物品搬送路17を傾斜させる。そして、物品搬送路17を所望の傾斜角だけ傾斜させたら、固定部946及び947により物品収容装置1a及び、アーム部941b及び942bを挟持して固定する。
【0159】
なお、上記において物品収容装置1aを支持アーム941及び942で支持したが、支持アーム941及び942のうちいずれか一方で支持するような態様であってもよい。また、装置固定機構943は、支持アーム941及び942と、物品収容装置1aとを物品搬送路17の傾斜角を変更可能に固定解除可能な態様で固定できれば、上記説明した態様に限定されない。
【0160】
<9−2.第10実施形態>
次に、
図20を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置950について説明する。物品収容装置950は、物品収容装置1aにおける物品搬送路17の設置面950aに対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構950を物品収容装置1aに加えたものである。傾斜角変更機構950は、物品収容装置1aを支持する支持アーム951〜954と、装置固定機構955とを備える。
【0161】
支持アーム951〜954は、一端が設置面950a上に当接され、他端が軸956に回動自在に軸着される。支持アーム951及び952の組と、支持アーム953及び954の組とで物品収容装置1aを物品収容装置1aの幅方向両端側から挟み込むようにして支持する。支持アーム951及び952の組は、軸956を中心に鉛直方向を基準に逆方向へ広がるように回動可能に軸956に軸着されている。このため、支持アーム951及び952の組は、
図20(a)に示すように、支持アーム951と支持アーム952とを鉛直方向を基準にハの字になるように軸956を中心にして回動することができる。支持アーム953及び954の組も同様である。
【0162】
装置固定機構955は、軸956を中心に回動可能に物品収容装置1aを支持アーム951〜954に固定解除可能に取り付けて固定するものである。装置固定機構955は、例えば、軸956と、取付孔957と、固定部958及び959とを備える。
【0163】
軸956は、物品搬送路17の幅方向(物品収容装置1aの幅方向)へ延びる。取付孔957は、物品収容装置1aに設けられる孔であり、軸956を通す。そして、軸956は、物品収容装置1aの幅方向両端面から突出するよう設けられる。軸956の両端は、物品収容装置1aの幅方向両端に配置される支持アーム951〜954に軸着される。
【0164】
固定部958及び959は、固定部958と固定部959との間にある物品収容装置1aと、支持アーム951〜954とに対して軸956の軸方向内側へ向かう力を加えることにより物品収容装置1a、支持アーム951〜954を挟持して固定するものである。固定部958及び959は、それぞれ軸956の両端と係合する。
【0165】
軸956、固定部958及び959として、例えば、外周面に雄ねじが形成されるネジ部材と、内周面に雌ねじが形成されるナット部材とが一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、その他の固定機構であってもよい。すなわち、軸956、固定部958及び959は、固定部958及び959により軸956の両端側からその間にあるものを挟み込んで固定、及び、固定解除可能な構造であれば、どのような構造であってもよい。
【0166】
物品収容装置1aの物品搬送路17を設置面6aに対して傾斜させる場合、例えば、
図20(a)に示す状態において、固定部958及び959による支持アーム951〜954及び物品収容装置1aの固定を一旦解除する。固定部958及び959による固定を解除した状態で、
図20(b)に示すように、物品収容装置1aを所望角度だけ回動させて、設置面950aに対して物品搬送路17を傾斜させる。そして、物品搬送路17を所望の傾斜角度に傾斜させたら、固定部958及び959により物品収容装置1a、案内部材61及び62を挟持して固定する。
【0167】
また、支持アーム951〜954の場合、支持アーム951と支持アーム952、並びに、支持アーム953と支持アーム954との成す角度を変化させると、その角度に応じて軸956の設置面950aからの高さが変わる。すなわち、支持アーム951と支持アーム952、並びに、支持アーム953と支持アーム954との成す角度を大きくしていくと、軸956の設置面950aからの高さが低くなっていく。一方で、支持アーム951と支持アーム952、並びに、支持アーム953と支持アーム954との成す角度を小さくしていくと、軸956の設置面950aからの高さが高くなっていく。
【0168】
傾斜角変更機構950によれば、設置面950aに対する物品搬送路17の傾斜角を変化させるだけでなく、設置面からの高さをも変化させることができる。
【0169】
なお、上記において物品収容装置1aを支持アーム951〜954で支持したが、支持アーム951及び952の組と、支持アーム953及び954の組とのうちいずれか一方で支持するような態様であってもよい。また、装置固定機構955は、支持アーム951及び952の組、支持アーム953及び954の組と、物品収容装置1aとを物品搬送路17の傾斜角を変更可能に固定解除可能な態様で固定できれば、上記説明した態様に限定されない。また、1組を構成する支持アームの数も2つに限るものではなく、3つ以上であってもよい。
【0170】
<9−3.第11実施形態>
次に、
図21を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置960について説明する。物品収容装置960は、物品収容装置1aにおける物品搬送路17の設置面960aに対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構960bを物品収容装置1aに加えたものである。傾斜角変更機構960bは、案内部材961及び962と、装置固定機構963とを備える。
【0171】
案内部材961及び962は、案内溝961a及び962aが設けられた案内板である。案内部材961及び962は、物品収容装置1aの幅方向両端面において設置面960aに設置される。案内溝961a及び962aは、
図21(a)に示すように、案内部材961及び962の高さ方向から設置面960aに近づくにつれて設置面960aとの成す角度が小さくなる所定幅の曲線形状をしている。なお、所定幅の曲線形状は、所定幅の屈曲線形状であってもよい。
【0172】
装置固定機構963は、物品収容装置1aを案内部材961及び962に固定解除可能に取り付けて固定するものである。装置固定機構963は、例えば、軸964及び965と、取付孔966及び967と、固定部968及び969とを備える。
【0173】
軸964及び965は、物品収容装置1aの幅方向(物品搬送路17の幅方向)へ延びる。取付孔966及び967は、物品収容装置1aに設けられる孔であり、軸964及び965を通す。そして、軸964及び965は、物品収容装置1aの幅方向両端面から突出するよう設けられる。そして、軸964及び965の両端は、それぞれ物品収容装置1aの幅方向両端に配置される案内溝961a及び962aと案内溝961a及び962aに沿って移動可能に係合する。
【0174】
固定部968は、固定部材968a及び968bにより構成される。固定部材968a及び968bは、固定部材968aと固定部材968bとの間にある物品収容装置1aと、案内部材961及び962とに対して軸964の軸方向内側へ向かう力を加えることにより物品収容装置1a、案内部材961及び962を挟持して固定する。固定部材968a及び968bは、それぞれ軸964の両端と係合する。
【0175】
固定部969は、固定部材969a及び969bにより構成される。固定部材969a及び969bは、固定部材969aと固定部材969bとの間にある物品収容装置1aと、案内部材961及び962とに対して軸965の軸方向内側へ向かう力を加えることにより物品収容装置1a、案内部材961及び962を挟持して固定する。固定部材969a及び969bは、それぞれ軸964の両端と係合する。
【0176】
軸964、固定部材968a及び968bとして、例えば、外周面に雄ねじが形成されるネジ部材と、内周面に雌ねじが形成されるナット部材とが一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、その他の固定機構であってもよい。すなわち、軸964、固定部材968a及び968bは、固定部材968a及び968bにより軸964の両端側から間にあるものを挟み込んで固定し、及び、固定解除可能な構造であれば、いずれの構造であってもよい。軸965、固定部材969a及び969bも同様である。
【0177】
物品収容装置1aの物品搬送路17を設置面960aに対して傾斜させる場合、例えば、
図21(a)に示す状態において、固定部968及び969による案内部材961及び962及び物品収容装置1aの固定を一旦解除する。固定部968及び969による固定を解除した状態で、
図21(b)に示すように、物品収容装置1aの幅方向に貫通する軸964及び965と共に、物品収容装置1aを案内溝961a及び962aに沿って移動させる。これにより、物品収容装置1aにおける物品搬送路17は、設置面5aに対して傾斜するようになる。なお、物品搬送路17の設置面5aに対して傾斜角は、どの位置に物品収容装置1aを移動させるかにより決定される。そして、物品搬送路17を所望の傾斜角度に傾斜させたら、固定部968及び969により物品収容装置1a、案内部材961及び962を挟持して固定する。
【0178】
なお、上記において物品収容装置1aを案内部材961及び962で支持したが、案内部材961及び962のうちいずれか一方で支持するような態様であってもよい。また、装置固定機構963は、案内部材961及び962と、物品収容装置1aとを物品搬送路17の傾斜角を変更可能に固定解除可能な態様で固定できれば、上記説明した態様に限定されない。
【0179】
<9−4.第12実施形態>
次に、
図22を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置970について説明する。物品収容装置970は、物品収容装置1aにおける物品搬送路17の設置面970aに対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構970bを物品収容装置1aに加えたものである。傾斜角変更機構970bは、所定の案内溝が設けられる案内部材971及び972と、装置固定機構973とを備える。案内部材971及び972で物品収容装置1aを物品収容装置1aの幅方向両端側から挟み込むようにして支持する。
【0180】
案内部材971は、
図22(a)に示すように、レール溝710が表面に形成されるレール部材711と、レール溝712が表面に形成されるレール部材713と、レール溝710及び712と係合して移動する移動部材714とを備える。
【0181】
レール溝710及び712は直線状に延びるよう形成される。レール部材711及び713は、例えば、レール溝710及び712が互いに直交するように互いの端部同士が連結される。
図22(a)においてレール溝710は、設置面970aに対して垂直な方向へ延びる。また、
図22(a)においてレール溝712は、設置面970aに対して平行な方向へ延びる。このとき、レール溝710及び712が形成される面が同一平面上になるようにレール部材711及び713は配置される。
【0182】
移動部材714には、例えば、両端にレール溝710及び712と係合するレール溝係合部715及び716が設けられる。レール溝係合部715及び716をそれぞれレール溝710及び712に沿って移動させると、それに応じて移動部材714は移動する。
【0183】
なお、案内部材972は、案内部材971と同様の構造をしており、上記案内部材971の説明をそのまま案内部材972にも適用できるため、その説明を省略する。
【0184】
装置固定機構973は、レール溝710及び712の両者と直交する方向と、物品搬送路17の幅方向とが一致するように、移動部材714に物品収容装置1aを固定するものである。なお、装置固定機構973は、装置固定機構963と同様の構造をしており、装置固定機構963における説明を適宜適用できるため、その説明を省略する。装置固定機構973で物品収容装置1aの側面の2箇所を移動部材714に取り付ける。なお、装置固定機構973における取付は、固定解除ができてもできなくてもよい。
【0185】
物品収容装置1aの物品搬送路17を設置面960aに対して傾斜させる場合、例えば、
図21(a)に示す状態から
図21(b)に示す状態まで移動部材714をレール溝710及び712に沿って移動させる。移動部材714をレール溝710及び712に沿って移動させると、移動部材714は、設置面970aに対する傾斜角度を変えながら移動する。したがって、移動部材714に物品収容装置1aを取り付けると、物品収容装置1aにおける物品搬送路17も設置面970aに対する傾斜角度を変えながら移動する。
【0186】
<9−5.第13実施形態>
次に、
図23を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置980について説明する。物品収容装置980は、物品収容装置1aにおける物品搬送路17の設置面に対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構980bを物品収容装置1aに加えたものである。傾斜角変更機構980bは、物品収容装置1aの背面に物品搬送路17の移動方向に沿って列状に複数形成される係合溝981と、物品収容装置1aの背面側から物品収容装置1aを支持する支持部材982とを備える。
【0187】
支持部材982は、
図23に示すように、一端が設置面980aと当接し、他端が係合溝981と係合するように配設される。この場合、支持部材982の一端は、滑らないようにする必要がある。支持部材982の一端が滑るのを防止するものとして、例えば、基台983を設置面980aに設置することが想定される。基台983は、その表面に沿って列状に複数の係合溝984が形成されたものである。
【0188】
物品収容装置1aの物品搬送路17を設置面980aに対して傾斜させる場合、
図23に示すように、係合溝984が並ぶ方向と物品収容装置1aの前後方向とが一致するよう基台983を物品収容装置1aの背面側の設置面980aに設置する。次に、物品収容装置1aの物品搬送路17が設置面980aに対して傾斜するよう物品収容装置1aを背面側に所定角度傾斜させる。そして、支持部材982の一端を係合溝981に係合させ、他端を基台983の係合溝984に係合させるように、支持部材982を物品収容装置1aを背面側に配置させる。これにより、物品収容装置1aの物品搬送路17は、設置面980aに対して所定の傾斜角度を持つようになる。
【0189】
<9−6.第14実施形態>
次に、
図24を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置990について説明する。物品収容装置990は、物品収容装置1aにおける物品搬送路17の設置面に対する傾斜角を変更可能な傾斜角変更機構997を物品収容装置1aに加えたものである。傾斜角変更機構997は、ラチェット機構996により構成される。
【0190】
ラチェット機構996は、例えば、物品収容装置1aの基台122と立設部123が連結される部分に設けられる。ラチェット機構996は、回動軸995と、ラチェット歯車993と、歯止め994とを備える。回動軸995は、基台122と立設部123が連結する側の立設部123の端部に設けられる。回動軸995は、立設部123の幅方向(物品収容装置1aの幅方向)へ延びる。立設部123は、回動軸995に軸着される。
【0191】
ラチェット歯車993は、歯止め994と共にラチェット機構を形成するものである。ラチェット歯車993は、例えば、歯が歯車の一方の周方向へ傾いた歯車が一例として想定される。ラチェット歯車993の回動軸が回動軸995と一致するように、ラチェット歯車993は回動軸995の外周に設けられる。
【0192】
歯止め994によりラチェット歯車993は、特定の方向へしか回動することができないようになっている。
図24では、ラチェット歯車993は、反時計周りにしか回動できないようになっている。ラチェット歯車993を時計回りに回動させるには、例えば、歯止め994をラチェット歯車993から一旦外せばよい。歯止め994をラチェット歯車993から一旦外す機構として、例えば、歯止め994を回動軸995の軸方向(紙面に垂直な方向)へスライド移動させる機構が一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、その他の全ての公知の機構のいずれかであってもよい。
【0193】
物品収容装置1aの物品搬送路17を設置面990aに対して傾斜させる場合、立設部123を反時計回りに倒せばよい。また、傾斜角を戻したい場合、上記歯止め994をラチェット歯車993から一旦外して、立設部123を時計回りに回動させて、上記歯止め994をラチェット歯車993に戻せばよい。
【0194】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。