特許第6598168号(P6598168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

<>
  • 特許6598168-コイル部品 図000002
  • 特許6598168-コイル部品 図000003
  • 特許6598168-コイル部品 図000004
  • 特許6598168-コイル部品 図000005
  • 特許6598168-コイル部品 図000006
  • 特許6598168-コイル部品 図000007
  • 特許6598168-コイル部品 図000008
  • 特許6598168-コイル部品 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598168
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20191021BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20191021BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   H01F17/04 F
   H01F27/29 123
   H01F27/29 P
   H01F27/28 104
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-127333(P2018-127333)
(22)【出願日】2018年7月4日
(65)【公開番号】特開2019-62182(P2019-62182A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2018年7月4日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0122568
(32)【優先日】2017年9月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ス ボン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ミン キ
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スン ヒー
【審査官】 田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0207018(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0032057(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0032056(KR,A)
【文献】 特開2016−119385(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0042858(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0371757(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0089279(KR,A)
【文献】 特開2009−194364(JP,A)
【文献】 特開2013−38392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F17/00−21/12
27/00
27/02
27/06
27/08
27/23
27/26−27/30
27/32
27/36
27/42
38/42−41/04
41/08
41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部及び第2端部を有する内部コイルを含み、厚さ方向において互いに向かい合う上面及び下面、長さ方向において互いに向かい合う第1端面及び第2端面、幅方向において互いに向かい合う第1側面及び第2側面を有する本体と、
前記第1及び第2端部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、を含むコイル部品であって、
前記第1外部電極は、前記下面からそれと直交する前記第1端面に延びる第1基礎部と、前記第1基礎部から厚さ方向に沿って延びる第1延長部と、を含み、前記第2外部電極は、前記下面からそれと直交する前記第2端面に延びる第2基礎部と、前記第2基礎部から厚さ方向に沿って延びる第2延長部と、を含み、
前記幅方向を基準として、前記第1端面上において前記第1基礎部が配置される幅は、前記第1延長部が配置される幅よりも広く、前記第2端面上において前記第2基礎部が配置される幅は、前記第2延長部が配置される幅よりも広く、
前記第1延長部の端面は、厚さ方向に平行し、且つ前記第1端面の中央に該当する第1中央線を基準として線対称であり、前記第2延長部の端面は、厚さ方向に平行し、且つ前記第2端面の中央に該当する第2中央線を基準として線対称であり、
前記内部コイルの前記第1端部は、前記下面に露出する第1下面露出部と、それに連結される第1連結部と、を含み、
前記内部コイルの前記第2端部は、前記下面に露出する第2下面露出部と、それに連結される第2連結部と、を含み、
前記第1連結部は、前記本体の下面に垂直であり、前記本体の前記第1端面から所定の間隔だけ内側に配置され、
前記第2連結部は、前記本体の下面に垂直であり、前記本体の前記第2端面から所定の間隔だけ内側に配置される、コイル部品。
【請求項2】
前記第1端面上に配置される前記第1基礎部の端面の形状は四角形であって、前記第1端面の下部端の全体から厚さ方向に沿って所定の厚さだけ延び、
前記第2端面上に配置される前記第2基礎部の端面の形状は四角形であって、前記第2端面の下部端の全体から厚さ方向に沿って所定の厚さだけ延びる、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記内部コイルの中心コアが、前記下面に対して平行に整列される、請求項1または2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1下面露出部は前記第1外部電極と直接的に接触し、前記第2下面露出部は前記第2外部電極と直接的に接触する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1及び第2連結部は、互いに向い合い、幅方向を基準として所定の間隔だけずれて配置される、請求項からのいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1延長部は、前記第1基礎部から前記本体の上面よりも低い位置まで延び、
前記第2延長部は、前記第2基礎部から前記本体の上面よりも低い位置まで延びる、請求項1からのいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1延長部は、幅方向に互いに離隔する第1接着部及び第2接着部を含み、
前記第2延長部は、幅方向に互いに離隔する第3接着部及び第4接着部を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1及び第2接着部の端面は多角形であり、前記第3及び第4接着部の端面は多角形である、請求項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第1及び第2接着部の1つ以上は、前記第1端面に露出し、前記内部コイルから離隔したダミー電極と直接的に接触し、
前記第3及び第4接着部の1つ以上は、前記第2端面に露出し、前記内部コイルから離隔したダミー電極と直接的に接触する、請求項またはに記載のコイル部品。
【請求項10】
前記ダミー電極は導電性物質を含む、請求項に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第1及び第2外部電極の表面上には屈曲部が形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第1端面上において前記第1基礎部が延びる最小厚さは、前記第1端部が前記第1端面上に露出する最大厚さよりも厚く、
前記第2端面上において前記第2基礎部が延びる最小厚さは、前記第2端部が前記第2端面上に露出する最大厚さよりも厚い、請求項1から11のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項13】
内部コイルを含む本体と、
前記内部コイルの互いに向かい合う端部と連結され、前記本体の互いに向かい合う第1及び第2端面に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、
第1幅を有する第1部分と、
前記第1幅よりも狭い第2幅を有し、前記第1部分と連結され、且つ前記第1及び第2端面のそれぞれの端から離隔している第2部分と、を含み、
前記第1部分及び前記第2部分の端面は、厚さ方向に平行し、且つ前記第1部分及び前記第2部分の中央に該当する第1中央線及び第2中央線を基準として線対称である、コイル部品。
【請求項14】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記本体の第3端面上にさらに配置され、前記第3端面から前記本体の前記第1及び第2端面のうち一つに延びる、請求項13に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記第1部分が、前記第1及び第2端面のうち一つと前記第3端面との間の共通の端と接し、
前記第2部分はそれぞれ前記第2幅を有し、
前記第2幅は、前記第1及び第2端面のうち一つと前記第3端面との間の共通の端と平行な幅方向に沿って測定され、前記第2幅と平行な幅方向に沿って測定される前記第1幅よりも狭く、
前記第2部分はそれぞれ、前記第1及び第2端面上において前記幅方向の中央に位置する、請求項14にコイル部品。
【請求項16】
内部コイルを含む本体と、
前記内部コイルの互いに向かい合う端部と連結され、前記本体の互いに向かい合う第1及び第2端面に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、
第1幅を有する第1部分と、
前記第1幅よりも狭い第2幅を有し、前記第1部分と接し、且つ互いに離隔している第2及び第3部分と、を含み、
前記端部は、厚さ方向から本体の下面に露出する下面露出部と、前記下面露出部に連結される連結部と、を含み、前記下面露出部及び前記連結部は、前記第1及び第2外部電極と直接的に接触し、
前記連結部は、前記本体の下面に垂直であり、前記本体の前記第1及び第2端面から所定の間隔だけ内側に配置される、コイル部品。
【請求項17】
前記第1部分の端面は、厚さ方向に平行し、且つ前記第1部分の中央に該当する第1中央線を基準として線対称であり、
前記第2部分及び前記第3部分の端面は、厚さ方向に平行し、且つ前記第2部分及び前記第3部分の中央に該当する第2中央線を基準として線対称である、請求項16に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記本体の第3端面上にさらに配置され、前記本体の前記第3端面から前記第1及び第2端面のそれぞれに延びる、請求項16または17に記載のコイル部品。
【請求項19】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記第1部分が、前記第1及び第2端面のうち一つと前記第3端面との間の共通の端と接し、
前記第2及び第3部分はそれぞれ同一の前記第2幅を有し、
前記第2幅は、前記第1及び第2端面のうち一つと前記第3端面との間の共通の端と平行な幅方向に沿って測定され、前記第2幅と平行な幅方向に沿って測定される前記第1幅よりも狭く、
前記第2及び第3部分はそれぞれ、前記第1及び第2端面のそれぞれと前記第3端面との間の共通の端と平行な前記第1部分の端と接する、請求項18に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関するものであって、具体的には、高周波用インダクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品の1つであるインダクターは、抵抗、キャパシターとともに電子回路を成し、ノイズ(noise)を除去する代表的な受動素子であって、その電磁気的特性を用いて、キャパシターと組み合わせて特定周波数帯域の信号を増幅させる共振回路、フィルター回路などの構成に用いられている。特に、最近のスマートフォンの場合、LTEマルチバンド(multi band)の適用により、多くの周波数帯域の信号を用いる。そのため、高周波信号の送/受信のためのRFシステムにおいてインピーダンス(Impedance)整合回路として主に用いられており、かかる高周波インダクターの使用が増加しつつある。セットの実装面積の減少及び付加機能の追加による実装空間の不足が問題となっており、受動素子の小型化/薄型化の要求が大きくなっている。また、高周波用チップインダクターの場合、小型化に加え、高周波数帯域のSRF、低比抵抗により、100MHz以上の高周波で使用可能となることが求められている。また、アプリケーション(Application)周波数での損失を低減するために、高いQ(High−Q)特性が求められているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第1999−0049588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする様々な課題のうちの一つは、高周波の環境で高いQ特性を有するコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一例によるコイル部品は、第1端部及び第2端部を有する内部コイルを含み、厚さ方向において互いに向かい合う上面及び下面、長さ方向において互いに向かい合う第1端面及び第2端面、幅方向において互いに向かい合う第1側面及び第2側面を有する本体と、上記本体の上記第1端面及び第2端面にそれぞれ配置される第1及び第2外部電極と、を含む。上記第1外部電極は、上記下面からそれと直交する上記第1端面に延びる第1基礎部と、上記第1基礎部から厚さ方向に沿って延びる第1延長部と、を含み、上記第2外部電極は、上記下面からそれと直交する上記第2端面に延びる第2基礎部と、上記第2基礎部から厚さ方向に沿って延びる第2延長部と、を含む。この際、上記幅方向を基準として、上記第1端面上において上記第1基礎部が配置される幅は、上記第1延長部が配置される幅よりも広く、上記第2端面上において上記第2基礎部が配置される幅は、上記第2延長部が配置される幅よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の様々な効果のうちの一効果は、外部電極の形状を制御することで、高いQ特性を有するコイル部品を提供することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一例によるコイル部品の概略的な斜視図である。
図2図1のA方向から見た概略的な断面図である。
図3図1のI−I'線に沿って切断した概略的な断面図である。
図4図3の一変形例による概略的な断面図である。
図5図1のコイル部品において、外部電極の外側部形状を変更した概略的な斜視図である。
図6図1のコイル部品の変形例によるコイル部品の概略的な斜視図である。
図7図6のC方向から見た概略的な断面図である。
図8図6のII−II'線に沿って切断した概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0009】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0010】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0011】
以下では、本発明の一例によるコイル部品、特に、高周波用インダクターについて説明する。
【0012】
図1は本発明の一例によるコイル部品100の概略的な斜視図であり、図2は、図1のA方向から見た概略的な断面図であって、コイル部品の第1外部電極の形状の一例を示す。一方、図2に関連する、第1外部電極についての説明は第2外部電極にもそのまま適用可能であるため、第2外部電極についての別の説明は省略する。また、図3図1のI−I'線に沿って切断した概略的な断面図であり、図4図3の一変形例による断面図を示す。
【0013】
先ず、図1から図3を参照すると、本発明の一例によるコイル部品100は、本体1と、第1及び第2外部電極21、22と、を含む。
【0014】
上記本体1は実質的にコイル部品の外観を決定するものであって、厚さ(T)方向において互いに向かい合う上面及び下面、長さ(L)方向において互いに向かい合う第1端面及び第2端面、幅(W)方向において互いに向かい合う第1側面及び第2側面を含んで実質的に六面体形状を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0015】
上記本体1を構成する材質は、コイル部品が実現しようとする特性値を考慮して当業者が適宜選択することができ、特に、上記コイル部品を高周波インダクターに適用する場合には、誘電体材料を用いた閉磁路を形成すべきであるため、セラミック粉末などが使用可能である。また、上記本体1を形成する製造方式も制限されず、例えば、複数の誘電体シートを積層し、各シート上に内部コイルのための導電性物質を配置した後、ビアを介して連結する積層方式を用いてもよく、予め製造されたスパイラル状の内部コイルを誘電体材料などで封止して埋め込ませる方式を用いてもよいなど、特に限定されない。
【0016】
上記本体の内部には内部コイル11が配置される。上記内部コイルは、上記本体の下面、すなわち、コイル部品が印刷回路基板などへ実装される際の実装面に対して水平方向に形成される中心コアCを含む。この場合、インダクタンスを高めることができ、自己共振周波数を上昇させることができる。
【0017】
上記内部コイル11は第1端部111及び第2端部112を含み、上記第1及び第2端部を連結して本体を構成する。上記第1及び第2端部111、112は、内部コイルを外部電極及び外部電子部品と連結させる機能を果たす。上記第1端部111は、第1下面露出部111aと、上記第1下面露出部と実質的に垂直に連結される第1連結部111bと、を含む。第1端部が実際に第1外部電極と連結される際には、第1下面露出部111aが第1外部電極と直接的に接触し、第1連結部は本体の内側に埋め込まれて外部に露出しない構造を有する。
【0018】
一方、図4図3の一変形例を示す。図4を参照すると、第1連結部が本体の第1端面に露出するようにして、第1外部電極と直接的に接触するように構造を設計変更することができる。これは、要求される内部コイルの仕様(例えば、内部コイルの巻取数)を考慮して当業者が選択することができる。図4の第1連結部の構造は、図3に示された内部コイルの第1連結部の構造と比較して、第1下面露出部だけでなく第1連結部も第1外部電極と直接的に接触することができるため、内部コイルと外部電極との接触面積が増大し、結果として、接触力及びコイル部品のRdc特性を改善させることができる。
【0019】
さらに、図1から図3を参照すると、第1外部電極21は、本体の下面から第1端面まで延びる。この際、本体の下面から第1外部電極が延びる長さは、内部コイルの第1下面露出部が本体の下面に露出した長さよりは長いことが好ましく、本体の第1端面上において第1外部電極が延びる長さは、外部電極を半田付けする際の接着力を強化することができる程度であれば十分であって、本体の上面と第1端面との角に当接しないように配置することが好ましい。これは、本体の上面と第1端面が成す角と当接する場合、外部電極が「コ」字状に構成される場合と同様に、外部電極の導体から発生する誘導電流による磁束の遮断が原因でQ値が損失するおそれがあるためである。したがって、本体の第1端面上において第1外部電極が延びる長さを最小化することが好ましいが、下面電極のみからなる場合に比べて、外部電極の半田付けに有利な程度の長さは確保することが好ましい。例えば、第1端面の半分よりは低い位置まで第1外部電極が延びるようにすることが好ましい。
【0020】
第1外部電極21は、概略的にアルファベットのL字状を有するが、通常のL字状の電極とは具体的な構造が異なる。本体の下面から第1端面に延びる際に、通常のL字状の電極は同一の幅で構成されるのに対し、第1外部電極21は、第1端面の所定の厚さT1までは同一の幅を維持し、その後にはより狭い幅で構成される。その結果、第1端面上に配置された第1外部電極は、概略的に「T」字状の構造を有する。このように、第1外部電極21は、本体の下面から第1端面の所定の厚さまで延び、且つ相対的に大きい幅を有する第1基礎部211と、上記第1端面上に相対的に狭い幅で構成される第1延長部212と、で構成される。一方、説明の便宜のために、上記第1基礎部と第1延長部を構造上別の構成要素として区別して示したが、実際に第1基礎部と第1延長部との間に境界があるものではなく、外観上第1基礎部と第1延長部との境界が必須ではない。上記第1基礎部の端面は実質的に四角形であり、その一角の長さは、本体の下面が幅方向に延びる長さと実質的に同一である。実際に、第1基礎部は、内部コイルの第1端部の第1下面露出部の全体及び第1連結部の少なくとも一部と直接的に接触するのに対し、第1延長部は、選択的に、第1連結部の少なくとも一部と直接的(図4参照)または間接的(図3参照)に連結される。また、第1外部電極21は、厚さ方向に平行し、且つ第1端面の中央に該当する第1中央線L1を基準として、線対称の端面構造を有することが好ましい。線対称の端面構造を有する場合、外部電極への半田付けの際に安定して接着させることができ、コイル部品の電気的特性の面でも磁束遮断の不均衡が起こらないため、Q損失を防止することができる。このように、コイル部品100の第1及び第2外部電極21、22のそれぞれが実質的に凹凸構造を有するように構成されるため、通常のC字状の電極に比べて優れた通常の下面電極の効果(高いQ値特性)を有しながらも、通常の下面電極の問題(実装不良及び外観検査の困難さなど)を解決することができる。具体的に、コイル部品100は、下面電極を有する高周波インダクターと実質的に同等水準のQ値を有しながらも、L字状の電極を有する高周波インダクターに比べて著しく優れたQ値を有する。尚、下面電極を有する高周波インダクターに比べて、実装不良、及び外部電極と内部コイルの接触力を改善させ、SMT後の外観検査を容易に行うなどという効果を奏することができる。
【0021】
ちなみに、図5図1のコイル部品100と実質的に同一の構造を有するが、第1及び第2外部電極21'、22'の露出面に屈曲を有するという点で異なる。上記第1及び第2外部電極の露出面(表面)に屈曲を形成することで、半田付け可能な総接着面積を増加させることができ、接着力を改善させることができる。
【0022】
次に、図6図1に示されたコイル部品100の一変形例によるコイル部品200の概略的な斜視図である。また、図7図6のコイル部品をC方向から見た概略的な断面図であり、図8図6のII−II'線に沿って切断した概略的な断面図である。
【0023】
図6から図8に示されたコイル部品200は、上述のコイル部品100と比較して、外部電極及び内部コイルの端部の構造が異なる。以下では、説明の便宜のために、図1から図5で説明したコイル部品と重複される説明は省略する。
【0024】
図6から図8を参照すると、コイル部品200は、本体3と、上記本体の外部面上の第1及び第2外部電極41、42と、を含む。上記本体3は、誘電体材料や磁性材料の封止材と、上記封止材により封止される内部コイル31と、を含む。さらに、上記本体3は、第1端面及び第2端面にそれぞれ露出する第1ダミー電極51及び第2ダミー電極を含む。上記第2ダミー電極は、上記本体3の上記第2端面における中央地点に露出し、且つ第1ダミー電極51とは対称的な位置に配置される。上記第1ダミー電極51及び第2ダミー電極は、内部コイルとは物理的に離隔し、且つ第1及び第2外部電極の本体に対する接着力を向上させるための機能を果たす。このように、第1ダミー電極51及び第2ダミー電極は、第1及び第2外部電極の本体に対する接着力を向上させる機能を果たすことができれば十分であるため、その具体的な端面形状は特に制限されず、例えば、長方形であってもよく、曲線部のみからなってもよい。また、上記第1ダミー電極51及び第2ダミー電極は、第1及び第2外部電極とそれぞれ連結されなければならないため、導電性物質を含むことが好ましい。
【0025】
上記内部コイル31は第1端部311及び第2端部312を含み、上記第1及び第2端部のそれぞれが第1及び第2外部電極41、42と連結されるようにする。内部コイルの第1端部を中心として説明すると、第1端部311は、本体の下面に露出する第1下面露出部311aと、上記第1下面露出部と直交する第1連結部311bと、を含み、上記第1下面露出部及び第1連結部は両方とも第1外部電極と直接的に接触する。
【0026】
上記第1外部電極41が上記第1下面露出部及び第1連結部の一部と直接的に接触する部分を第1基礎部411とし、上記第1基礎部から厚さ方向に沿って延び、且つ上記第1連結部の一部と直接的に接触する部分を第1延長部412とする。上記第1基礎部及び上記第1延長部を含む第1外部電極において、上記第1延長部の端面は、第1端面の中央に該当する第1中央線L2を基準として線対称の位置にある。具体的に、上記第1延長部は、幅方向に沿って互いに離隔している第1接着部412a及び第2接着部412bを含み、上記第1接着部と第2接着部が、上記第1中央線L2を基準として互いに線対称の位置にある。
【0027】
また、上記第1接着部412aは内部コイルの第1端部と直接的に接触するのに対し、上記第2接着部412bは、内部コイルから物理的に離隔し、本体の第1端面に露出するダミー電極51と直接的に接触する。上記第1外部電極が第1接着部及び第2接着部を含むことで、コイル部品を外部部品に半田付けする際に、半田付けの面積を増加させることができ、本体との接着力も改善させることができる。
【0028】
一方、具体的な説明は省略するが、第2外部電極42にも、上述の上記第1外部電極41についての説明がそのまま適用可能である。
【0029】
上述のコイル部品100、200によると、コイル部品を実装する時に、外部電極と外部部品との接触力が改善するとともに、高周波インダクターにおいて重要な特性値であるQ値が下面電極と同一の水準に維持されることができる。尚、コイル部品を実装した後、外観検査を行っても、下面電極を有するコイル部品で問題となっていた識別の困難さを解消することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【0031】
一方、本発明で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実施される場合を排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対の説明がされているかその事項と矛盾する説明がされていない限り、他の一例に関連する説明であると解釈することもできる。
【0032】
また、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【符号の説明】
【0033】
100 コイル部品
1 本体
21、22 第1及び第2外部電極
211、212 第1基礎部、第1延長部
11 内部コイル
111、112 第1端部、第2端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8