特許 6598210 電子機器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6598210

(24)【登録日】2019年10月11日

(45)【発行日】2019年10月30日

(54)【発明の名称】電子機器

(51)【国際特許分類】

   G07G 1/01 20060101AFI20191021BHJP

   G07G 1/12 20060101ALI20191021BHJP

   G06F 3/0482 20130101ALI20191021BHJP

   G06F 3/0488 20130101ALI20191021BHJP

【ＦＩ】

   G07G1/01 301E

   G07G1/12 361C

   G06F3/0482

   G06F3/0488

【請求項の数】4

【全頁数】12

(21)【出願番号】特願2016-43233(P2016-43233)

(22)【出願日】2016年3月7日

(65)【公開番号】特開2017-161974(P2017-161974A)

(43)【公開日】2017年9月14日

【審査請求日】2018年8月1日

(73)【特許権者】

【識別番号】313006647

【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100165179

【弁理士】

【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡

(74)【代理人】

【識別番号】100126664

【弁理士】

【氏名又は名称】鈴木 慎吾

(74)【代理人】

【識別番号】100161207

【弁理士】

【氏名又は名称】西澤 和純

(74)【代理人】

【識別番号】100064908

【弁理士】

【氏名又は名称】志賀 正武

(72)【発明者】

【氏名】澁谷 浩志

【審査官】 渡邉 洋

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１２−０３８０６７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１２−１６８５８３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００８−１５８７２３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１３−１１７６９０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１４−１９７２６７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００４−３２６４０２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１６−０３３７１１（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１２−１７４１０９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許出願公開第２０１６／００３４１７３（ＵＳ，Ａ１）

【文献】 特開２０１４−１４９８６０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｇ０７Ｇ １／００− １／１４

Ｇ０６Ｑ３０／００−５０／３４

Ｇ０６Ｆ ３／００− ３／１８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

文字情報が表示された複数の操作ボタンを並べて表示する表示部と、
自機器の動きを検出する検出部と、
前記検出部の検出出力に基づいて、前記表示部の長手方向が重力方向となる基準方向から、前記表示部の短手方向が重力方向となる方向への自機器の変位を検出した場合には、前記基準方向において前記操作ボタンに表示される文字の大きさよりも大きい拡大文字で前記操作ボタンに文字情報を表示するとともに、前記基準方向において表示される複数の前記操作ボタンのうちから選択される表示対象ボタンの種類を、前記変位の方向に応じて互いに異ならせて、前記表示対象ボタンを表示するように表示制御を行う表示制御部と
を備える電子機器。

【請求項2】

前記表示制御部は、
前記変位の方向が第１の方向である場合には、前記基準方向において表示される複数の前記操作ボタンのうち上位側から表示可能件数だけ選択された前記操作ボタンを前記表示対象ボタンとして表示させ、前記変位の方向が前記第１の方向とは異なる第２の方向である場合には、前記基準方向において表示される複数の前記操作ボタンのうちの下位側から表示可能件数だけ選択された前記操作ボタンを前記表示対象ボタンとして表示させる
請求項１に記載の電子機器。

【請求項3】

前記表示部は、機能ボタンを操作可能に表示し、
前記表示制御部は、前記表示部の短手方向が重力方向となる方向に自機器が位置されたことを検出した場合においても、前記機能ボタンの配置は固定して表示させる
請求項１または２に記載の電子機器。

【請求項4】

前記文字情報は、メニュー情報である
請求項１から３のいずれか１項に記載の電子機器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、電子機器に関する。

【背景技術】

【0002】

近年、レストラン、居酒屋、カラオケ店など飲食物を提供する店舗では、スタッフが客から受けた注文をハンディターミナルと称される注文端末装置に入力し、入力された注文を注文端末装置から注文管理装置に送信する注文管理システムが提案されている。このような注文端末装置では、タッチパネル表示部が注文端末装置本体に設けられており、このタッチパネル表示部にメニュー名のボタンが表示される。スタッフは、客からの注文を聞いて、オーダーに応じたメニュー名のボタンをタッチすることで、注文メニューを登録する。通常、注文端末装置は、持ちやすさを考えて、縦長方向に持つことを基本として、画面デザインが考えられている。また、選択可能なメニューを多く表示できることを考慮し、メニュー名を横書きにして、メニュー名のボタンを縦に一列に並べる方式が多く採用されている。

【0003】

また、特許文献１には、携帯電話機の筐体の姿勢が変化した場合に、これを重力センサにより検知し、その検知結果に基づいてＬＣＤパネルに表示する情報の配列方向を常に適正な状態に変更するものが記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０００−３３２８６６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上述のように、通常、注文端末装置は、縦長方向で操作することを基本としており、メニュー名を横書きにして、メニュー名ボタンを縦に一列に並べる方式が採用されている。注文端末装置の大きさには制限があることから、選択可能なメニューを多く表示するためには、メニュー名ボタンを小さくすることが有利である。

【0006】

しかしながら、メニュー名ボタンを小さくすると、メニュー名ボタンの文字が小さくなり、表示が見づらくなるという問題が生じてくる。特に、遠視や老眼等、目の障害を持つ使用者にとって、小さい文字は読みにくい。このような使用者からは、メニュー名の文字を大きくしてほしいという要望が強い。そこで、注文端末装置に表示する文字のフォントを変更可能にすることが考えられる。ところが、単純にメニュー名の文字を拡大フォントに変更すると、表示できる文字数が制限されてしまう。メニュー名ボタンに表示できる文字数が例えば通常フォントでは１２文字であっても、拡大フォントに変更すると、例えば８文字に制限されてしまう。この場合、８文字の「グレープフルーツジュース」のメニュー名は、通常フォントでは、正しく「グレープフルーツジュース」と表示されるが、拡大フォントに変更すると、「グレープフルーツ」の表示となってしまう。この場合、飲み物の「グレープフルーツジュース」なのか、果物の「グレープフルーツ」なのかの区別がつかなくなる。メニュー名は、例えば、生ビール（大）、生ビール（中）のように、メニューの末尾にメニューを区別する文字を置くことが多いため、後半部の文字が表示できなくなるのは問題が多い。メニュー名を略名してメニュー名を短くしてしまうことも考えられるが、その場合、フロア担当者は、メニュー名のほかにメニューの略名を覚えるという負荷が発生する。

【0007】

なお、このような問題は、注文入力装置に限らず起こり得る。例えば、多くの情報から入力したい情報を選択して入力させる機能を搭載した電子機器や、入力ボタン等の入力部の数が少ない電子機器や、タッチパネル等の入力部の面積が小さい電子機器等で同様な問題が起こり得る。

【0008】

上述の課題を鑑み、本発明は、必要な情報を失うことなく、操作ボタンの文字表示の大きさを拡大して表示できる電子機器を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上述の課題を鑑み、本発明の一態様に係る電子機器は、文字情報が表示された複数の操作ボタンを並べて表示する表示部と、自機器の動きを検出する検出部と、前記検出部の検出出力に基づいて、前記表示部の長手方向が重力方向となる基準方向から、前記表示部の短手方向が重力方向となる方向への自機器の変位を検出した場合には、前記基準方向において前記操作ボタンに表示される文字の大きさよりも大きい拡大文字で前記操作ボタンに文字情報を表示するとともに、前記基準方向において表示される複数の前記操作ボタンのうちから選択される表示対象ボタンの種類を、前記変位の方向に応じて互いに異ならせて、前記表示対象ボタンを表示するように表示制御を行う表示制御部とを備える。

【0010】

また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記表示制御部は、前記変位の方向が第１の方向である場合には、前記基準方向において表示される複数の前記操作ボタンのうち上位側から表示可能件数だけ選択された前記操作ボタンを前記表示対象ボタンとして表示させ、前記変位の方向が前記第１の方向とは異なる第２の方向である場合には、前記基準方向において表示される複数の前記操作ボタンのうちの下位側から表示可能件数だけ選択された前記操作ボタンを前記表示対象ボタンとして表示させる。

【0011】

また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記表示部は、機能ボタンを操作可能に表示し、前記表示制御部は、前記表示部の短手方向が重力方向となる方向に自機器が位置されたことを検出した場合においても、前記機能ボタンの配置は固定して表示させる。

【0012】

また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記文字情報は、メニュー情報である。

【発明の効果】

【0013】

本発明によれば、操作ボタンの文字表示の大きさを拡大して表示できる。また、本発明によれば、操作ボタンの文字表示を大きくしても、必要な文字情報の表示領域を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】本発明の実施形態に係る注文管理システムの概略構成図である。

【図2】本実施形態に係る注文端末装置の概略のブロック図である。

【図3】本実施形態に係る注文端末装置の外観構成を示す図である。

【図4】本実施形態に係る注文端末装置の外観構成を示す図である。

【図5】本実施形態でのメニュー画面での表示の説明図である。

【図6】本実施形態での表示制御を示すフローチャートである。

【図7】本実施形態での注文確認画面での表示を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図１は、本実施形態に係る注文管理システム１の概略構成図である。図１に示すように、注文管理システム１は、注文端末装置１０−１〜１０−ｎ（ｎは１以上の整数）、無線中継装置２０−１〜２０−ｍ（ｍは１以上の整数）、注文管理装置４０、及び伝票出力装置５０−ｏ（ｏは１以上の整数）を備えている。無線中継装置２０と注文管理装置４０とは、ネットワーク３０を介して接続されている。ここで、ネットワーク３０は、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等の有線ネットワークである。なお、ネットワーク３０は、無線ネットワークであってもよい。

【0016】

以下の説明において、注文端末装置１０−１〜１０−ｎを特定しない場合、注文端末装置１０という。無線中継装置２０−１〜２０−ｍを特定しない場合、無線中継装置２０という。伝票出力装置５０−ｏを特定しない場合、伝票出力装置５０という。

【0017】

注文端末装置１０は、無線中継装置２０、ネットワーク３０を介して注文管理装置４０と通信を行う。注文端末装置１０は、スタッフが各種の入力キーにより入力又は選択された情報を検出し、検出した情報を無線中継装置２０、ネットワーク３０を介して注文管理装置４０へ送信する。注文端末装置１０が送信する情報は、客の人数や卓の情報、および、注文された商品番号、商品名、その数量等の情報である。無線中継装置２０は、注文端末装置１０が送信した情報を受信し、受信した情報を、ネットワーク３０を介して注文管理装置４０に送信する。また、無線中継装置２０は、ネットワーク３０を介して注文管理装置４０が送信した調理指示伝票や、会計伝票情報を受信し、受信した伝票情報を伝票出力装置５０に送信する。

【0018】

注文管理装置４０は、無線中継装置２０及びネットワーク３０を介して、注文端末装置１０からの情報を受信する。注文管理装置４０は、受信した情報を自装置内に記憶させる。

【0019】

伝票出力装置５０は、注文管理装置４０から受信した情報に応じて、調理を行ための調理指示伝票情報や、お客が支払いを行うための会計伝票を発行する。伝票出力装置５０は、例えばプリンタやディスプレイ装置である。

【0020】

図２は、本実施形態に係る注文端末装置１０の概略のブロック図である。図２に示すように、注文端末装置１０は、ＣＰＵ（中央演算処理装置）１０１、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）１０２、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）１０３、不揮発性メモリ１０４、表示部１０５、タッチパネル入力部１０６、通信制御部１０７、及び加速度センサ１０８を備えている。

【0021】

ＣＰＵ１０１は、ＲＯＭ１０２が記憶する制御プログラムと、ＲＡＭ１０３及び不揮発性メモリ１０４が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。また、ＣＰＵ１０１は、必要な情報をＲＡＭ１０３及び不揮発性メモリ１０４に記憶させる。ＣＰＵ１０１は、バスを介して注文端末装置１０が備える各部と互いにデータの入出力が可能な状態で接続している。

【0022】

ＲＯＭ１０２は、ＣＰＵ１０１が用いる制御プログラムを記憶する記憶領域である。ＲＡＭ１０３は、ＣＰＵ１０１が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。不揮発性メモリ１０４は、ＣＰＵ１０１が用いる情報を記憶する記憶領域である。不揮発性メモリ１０４としては、フラッシュメモリ等が用いられる。

【0023】

表示部１０５は、ＣＰＵ１０１の制御に応じて各種情報を表示する。表示部１０５は、例えば液晶ディスプレイ、有機ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）ディスプレイである。タッチパネル入力部１０６は、表示部１０５上に積層配置されている。タッチパネル入力部１０６は、使用者が押下した座標位置や動きを検出して、各種の入力を行う。表示部１０５及びタッチパネル入力部１０６により、タッチパネル表示部１１０が構成される。

【0024】

通信制御部１０７は、ＣＰＵ１０１から出力された入力情報を無線中継装置２０に送信する。また、通信制御部１０７は、無線中継装置２０から受信した信号をＣＰＵ１０１に出力する。

【0025】

加速度センサ１０８は、例えば、三軸加速度センサからなり、注文端末装置１０の三方向の動きを検出し、この検出情報をＣＰＵ１０１に出力する。また、加速度センサ１０８は、重力方向の加速度を検出することで、重力方向に対する機器の方向を検知できる。

【0026】

図３は、注文端末装置（電子機器）１０の外観構成を示す。図３に示すように、注文端末装置１０は、使用者が持ちやすいように、矩形で小型の形状をしている。注文端末装置１０の前面の略全面に渡って、タッチパネル表示部１１０が設けられる。タッチパネル表示部１１０は、表示部１０５にタッチパネル入力部１０６を積層配置して構成されている。タッチパネル表示部１１０には、各種の文字やアイコン、ボタン等が表示され、使用者がタッチパネル表示部１１０をタッチすることで、各種の入力が行える。

【0027】

レストランや居酒屋のスタッフは、注文端末装置１０を携帯して客のテーブルに行き、客からの注文を聞き、注文端末装置１０に注文を入力する。手順としては、スタッフは、まず、テーブル番号、人数等のヘッダー情報を入力する。そして、お客からの注文を聞き、メニューを入力する。メニュー入力を行ったら、スタッフは、注文の確認を行い、注文管理装置４０に、データを転送する。これらの操作は、上述のように、タッチパネル表示部１１０に各種の文字やアイコン、ボタン等を表示し、タッチパネル表示部１１０を指で操作することで行うことができる。

【0028】

図４は、本実施形態でのメニュー入力画面での表示を示すものである。なお、タッチパネル表示部１１０の形状は、注文端末装置１０の前面の形状に対応しており、その縦方向の長さと、横方向の長さが異なっている。以下の説明では、図４に示すように、注文端末装置１０を縦長で使用したときの上側をＡ側、下側をＢ側、左側をＣ側、右側をＤ側としている。Ａ側に沿って延びる方向及びＢ側に沿って延びる方向に平行な方向が短手方向、Ｃ側に沿って延びる方向及びＤ側に沿って延びる方向に平行な方向が長手方向となる。すなわち、タッチパネル表示部１１０の長手方向は、Ｃ側に沿って延びる方向及びＤ側に沿って延びる方向に平行な方向であり、Ａ側からＢ側（Ｂ側からＡ側）の方向である。また、タッチパネル表示部１１０の短手方向は、Ａ側に沿って延びる方向及びＢ側に沿って延びる方向に平行な方向であり、Ｃ側からＤ側（Ｄ側からＣ側）の方向である。

【0029】

図４に示すように、注文端末装置１０は、通常、縦長方向で使用される。このときの状態は、Ａ側からＢ側の向きが重力方向となり、長手方向が重力方向となる。以下、このように、Ａ側からＢ側の向きが重力方向となる方向（縦長方向）をＡ−Ｂ方向と称する。

【0030】

また、注文端末装置１０を左側に９０度傾けて横長方向としたときには、Ｄ側からＣ側の向きが重力方向となり、短手方向が重力方向となる。このような方向をＤ−Ｃ方向と称する（図５（Ｂ）参照）。

【0031】

また、注文端末装置１０を右側に９０度傾けて横長方向としたときには、Ｃ側からＤ側の向きが重力方向となり、短手方向が重力方向となる。このような方向をＣ−Ｄ方向と称する（図５（Ｃ）参照）。

【0032】

図４に示すように、メニュー入力画面では、タッチパネル表示部１１０には、戻るボタン１２１、メニューボタン１２２、編集ボタン１２３、分類ボタン１２４、メニュー名ボタン１２５、確認ボタン１２６が表示される。戻るボタン１２１は、前の画面に戻るボタンである。メニューボタン１２２は、メニュー入力画面を表示するボタンである。編集ボタン１２３は、編集を行うときのボタンである。分類ボタン１２４は、メニューの分類を選択するボタンである。メニュー名ボタン１２５は、注文を行う各メニューに対応するボタンである。確認ボタン１２６は、注文確認画面を表示するボタンである。

【0033】

レストランや居酒屋のスタッフは、注文端末装置１０を持って客のテーブルに行き、テーブル番号や人数等のヘッダー情報を入力する。そして、メニューボタン１２２を押して、分類の一覧を表示し、分類ボタン１２４により特定の分類を選択して、図４に示すような、メニュー入力画面を表示させる。なお、この例は、分類として、飲み物を選択したときの表示例である。

【0034】

図５は、本実施形態でのメニュー画面での表示の説明図である。図５（Ａ）に示すように、注文端末装置１０を縦長方向で使用するときには、複数のメニュー名ボタン１２５は、縦に一列に並べて配置され、各メニュー名ボタン１２５は、「オレンジジュース」、「グレープフルーツジュース」、「アップルジュース」等、注文するメニューに対応する文字が横書きで表示される。スタッフは、メニュー名ボタン１２５から、お客の注文に応じてメニュー名ボタン１２５をタッチすることで、メニュー入力が行える。

【0035】

ここで、メニュー名ボタン１２５上に表示されているメニュー名のフォントは、通常フォントになっている。使用者によっては、通常フォントでは文字が小さすぎて、メニュー名を認識することが難しい場合がある。本実施形態では、注文端末装置１０を横長方向にすることで、メニュー名ボタン１２５に表示されるメニュー名のフォントを拡大フォントに変更することができる。

【0036】

つまり、図５（Ｂ）に示すように、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けて横長方向（Ｄ−Ｃ方向）にすると、９０度傾けて適正方向となるように、表示方向が変更されると共に、各メニュー名ボタン１２５のメニュー名が拡大フォントに変更される。縦長方向の状態のままで、単純に、メニュー名を拡大フォントにすると、文字数の制限を超えてしまい、メニュー名の末尾が表示されなくなることがあるが、本実施形態では、注文端末装置１０を横長方向にして、メニュー名ボタン１２５の領域を横方向に拡大しているので、末尾の文字まで、メニュー名を表示することが可能となる。例えば、縦長方向のままの表示領域で表示できる文字数が通常フォントで１２文字で、拡大フォントに変更した場合に表示できる文字数が８文字であったとする。この場合、「グレープフルーツジュース」は１２文字なので、縦長方向のまま拡大フォントに変更すると、メニュー名ボタン１２５の表示領域に収まらなくなる。これに対して、本実施形態では、注文端末装置１０を横長方向にしているので、メニュー名ボタン１２５の領域を横方向に拡大でき、図５（Ｂ）に示すように、拡大フォントに変更しても、「グレープフルーツジュース」とそのまま表示できる。

【0037】

また、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けて横長方向（Ｄ−Ｃ方向）としたときには、複数のメニュー名ボタン１２５のうち、上側のメニューから横長方向で表示可能件数だけ、メニュー名が表示される。すなわち、図５（Ａ）に示したように、注文端末装置１０を縦長方向で使用するときには、「オレンジジュース」から「紅茶」までの８個のメニュー名が表示されている。ここで、横長方向で表示できるメニュー名の数が６個であるとすると、図５（Ｂ）に示すように、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けて横長方向としたときには、「オレンジジュース」から「コーヒー」までの６個のメニュー名が表示されるが、「アイスコーヒー」から「紅茶」までの２個のメニュー名が表示できない。

【0038】

図５（Ｃ）に示すように、注文端末装置１０を右方向に９０度傾けて横長方向にすると（Ｃ−Ｄ方向）、９０度傾けて適正方向となるように、表示方向が変更されると共に、各メニュー名ボタン１２５のメニュー名が拡大フォントに変更される。また、注文端末装置１０を右方向に９０度傾けて横長方向としたときには、複数のメニュー名ボタン１２５のうち、下側のメニューから横長方向で表示可能件数だけ、メニュー名が表示される。すなわち、図５（Ａ）に示したように、注文端末装置１０を縦長方向で使用するときには、「オレンジジュース」から「紅茶」までの８個のメニュー名が表示されている。ここで、横長方向で表示できるメニュー名の数が６個であるとすると、図５（Ｃ）に示すように、注文端末装置１０を右方向に９０度傾けて横長方向としたときには、「アップルジュース」から「紅茶」までの６個のメニュー名が表示される。これにより、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けた状態では表示できなかった「アイスコーヒー」及び「紅茶」のメニュー名が表示できる。なお、この場合、図５（Ｄ）に示すように、フリック操作により上スクロールさせることで、最上位の「オレンジジュース」メニューから表示させることができる。

【0039】

このように、本実施形態では、メニュー入力画面で注文端末装置１０を横長方向にすると、各メニュー名ボタン１２５の領域が横方向に拡大され、そのメニュー名が拡大フォントに変更される。これにより、小さい文字を見づらい使用者であっても、メニュー名を容易に認識できるようになる。また、注文端末装置１０を横長方向に使用した場合、注文端末装置１０を縦長方向に使用した場合に比べて、メニュー名ボタン１２５の横方向の長さを長くすることができる。このため、拡大フォントを使っても、所望の文字数の表示を維持することができる。

【0040】

また、本実施形態では、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けて横長方向としたときには（Ｄ−Ｃ方向）、上側のメニューから横長方向で表示可能件数だけ、メニュー名が表示され、注文端末装置１０を右方向に９０度傾けて横長方向としたときには（Ｃ−Ｄ方向）、下側のメニューから横長方向で表示可能件数だけ、メニュー名が表示される。これにより、注文端末装置１０を横長方向としても、必要なメニュー名の情報を取得できる。

【0041】

なお、本実施形態では、注文端末装置１０を横長方向にしたとき、各メニュー名ボタン１２５は横方向に拡大され、メニュー名が拡大フォントに変更されるが、縦方向には拡大されていない。このため、注文端末装置１０を横長方向で使用したときも、表示領域全体での情報量の低下が防げる。

【0042】

また、本実施形態では、注文端末装置１０の向きを変更しても、機能を特定するボタン（機能ボタン）の位置を変更せずに固定配置とする。なお、図示する例では、機能ボタンは、「戻る」、「メニュー」、「編集」、「確認」の各ボタンである。図５に示すように、機能ボタンを固定配置にすることで、機能ボタンの認識性や操作性の容易性を低下させることを防ぐことができる。例えば、注文端末装置１０の向きを変更したときにメニュー名と一緒に機能ボタンの配置が変わると、機能ボタンの形状が変形し、操作性が悪化してしまう。また、機能ボタンの形状が変形した場合には、表示できるメニュー数も少なくなる。しかしながら、本実施形態のように機能ボタンを固定配置にした場合、注文端末装置１０の向きを変更しても機能ボタンは同じ位置および面積で配置されるため、操作者がボタンを探す必要が無く、タッチしやすい。

【0043】

図６は、本実施形態での表示制御を示すフローチャートである。
（ステップＳ１０１）ＣＰＵ１０１は、加速度センサ１０８の値を取得し、その後、ステップＳ１０２の処理に進む。
（ステップＳ１０２）ＣＰＵ１０１は、加速度センサ１０８の検出値から、注文端末装置１０の向きを検出し、ステップＳ１０３の処理に進む。
（ステップＳ１０３）ＣＰＵ１０１は、注文端末装置１０の向きがＡ−Ｂ方向が重力方向となる向き（縦長方向）であるか否かを判定する。ステップＳ１０３で、注文端末装置１０の向きがＡ−Ｂ方向が重力方向となる向きである場合には（ステップＳ１０３：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０１は、ステップＳ１０４の処理に進む。注文端末装置１０の向きがＡ−Ｂ方向が重力方向となる向きではない場合には（ステップＳ１０３：Ｎｏ）、ＣＰＵ１０１は、ステップＳ１０５の処理に進む。
（ステップＳ１０４）ＣＰＵ１０１は、通常フォントを使って、メニュー名ボタン１２５にメニュー名を表示させる。その後、ステップＳ１０１の処理に戻る。

【0044】

（ステップＳ１０５）ＣＰＵ１０１は、注文端末装置１０の向きがＤ−Ｃ方向が重力方向となる向き（左回転の横長方向）であるか否かを判定する。ステップＳ１０５で、注文端末装置１０の向きがＤ−Ｃ方向が重力方向となる向きである場合には（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０１は、ステップＳ１０６の処理に進む。注文端末装置１０の向きがＤ−Ｃ方向が重力方向となる向きではない場合には（ステップＳ１０５：Ｎｏ）、ＣＰＵ１０１は、ステップＳ１０７の処理に進む。
（ステップＳ１０６）ＣＰＵ１０１は、９０度傾けて適正方向となるように表示方向を変更すると共に、メニュー名ボタン１２５の領域を横方向に広げ、上位側から数えて横長方向で表示可能件数だけ、拡大フォントを使ってメニュー名ボタン１２５にメニュー名を表示させる。その後、ステップＳ１０１の処理に戻る。

【0045】

（ステップＳ１０７）ＣＰＵ１０１は、注文端末装置１０の向きがＣ−Ｄ方向が重力方向となる向き（右回転の横長方向）であるか否かを判定する。ステップＳ１０７で、注文端末装置１０の向きがＣ−Ｄ方向が重力方向となる向きである場合には（ステップＳ１０７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０１は、ステップＳ１０８の処理に進む。注文端末装置１０がＣ−Ｄ方向が重力方向となる向きではない場合には（ステップＳ１０７：Ｎｏ）、ステップＳ１０１の処理に戻る。
（ステップＳ１０８）ＣＰＵ１０１は、９０度傾けて適正方向となるように表示方向を変更すると共に、メニュー名ボタン１２５の領域を横方向に広げ、下位側から数えて横長方向で表示可能件数だけ、拡大フォントを使ってメニュー名ボタン１２５にメニュー名を表示させる。その後、ステップＳ１０１の処理に戻る。

【0046】

次に、注文確認画面について説明する。前述したように、本実施形態では、メニュー入力画面で、注文端末装置１０を横長方向にすることで、メニュー名が拡大フォントに変更される。注文確認画面でも、同様に、注文端末装置１０を横長方向にすることで、メニュー名が拡大フォントに変更される。

【0047】

図７は、本実施形態での注文確認画面での表示を示すものである。図７（Ａ）に示すように、注文確認画面では、タッチパネル表示部１１０には、戻るボタン１３１、注文確認ボタン１３２、編集ボタン１３３、ヘッダー情報ボタン１３４、メニュー名ボタン１３５、送信ボタン１３６が表示される。戻るボタン１３１は、前の画面に戻るボタンである。注文確認ボタン１３２は、注文確認画面を表示させるボタンである。編集ボタン１３３は、編集を行うときのボタンである。ヘッダー情報ボタン１３４は、テーブル番号や人数等のヘッダー情報を表示するボタンである。メニュー名ボタン１３５は、入力したメニューを表示するボタンである。送信ボタン１３６は、入力情報を注文管理装置４０に送信するボタンである。

【0048】

図７（Ａ）に示すように、注文端末装置１０を縦長方向で使用するときには、複数のメニュー名ボタン１３５は、縦に一列に並べて配置され、各メニュー名ボタン１３５は、「和風ハンバーグ」、「グレープフルーツジュース」、「サーロインステーキ」等、注文入力したメニューに対応する文字が横書きで表示される。また、注文確認画面では、注文入力したメニューの個数が表示される。

【0049】

図７（Ｂ）に示すように、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けて横長方向にすると、各メニュー名ボタン１３５のメニュー名が拡大フォントに変更される。なお、注文端末装置１０を左方向に９０度傾けて横長方向としたときには、上位側から数えて横長方向で表示可能件数だけ、メニュー名が表示される。

【0050】

図７（Ｃ）に示すように、注文端末装置１０を右方向に９０度傾けて横長方向にすると、各メニュー名ボタン１３５のメニュー名が拡大フォントに変更される。なお、注文端末装置１０を右方向に９０度傾けて横長方向としたときには、下位側から数えて横長方向で表示可能件数だけ、メニュー名が表示される。

【0051】

このように、本実施形態では、注文確認画面で注文端末装置１０を横長方向にすると、各メニュー名ボタン１３５のメニュー名が拡大フォントに変更される。これにより、小さい文字を見づらい使用者であっても、メニュー名を容易に認識できるようになる。

【0052】

なお、注文管理システム１の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、ＯＳや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ＷＷＷシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境（あるいは表示環境）も含むものとする。

【0053】

また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＣＤ−ＲＯＭ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。

【0054】

以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。

【符号の説明】

【0055】

１・・・注文管理システム、１０・・・注文端末装置、４０・・・注文管理装置、５０・・・伝票出力装置、１０１・・・ＣＰＵ、１１０・・・タッチパネル表示部、１２５・・・メニュー名ボタン

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】