特許第6598269号(P6598269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598269
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】導波管ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20191021BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   H04N5/64 511A
【請求項の数】24
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-518628(P2018-518628)
(86)(22)【出願日】2016年10月4日
(65)【公表番号】特表2018-533069(P2018-533069A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】GB2016000181
(87)【国際公開番号】WO2017060665
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】62/284,603
(32)【優先日】2015年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/285,275
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509325972
【氏名又は名称】ディジレンズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴィッチ, ミラン モムシロ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルダーン, ジョナサン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】グラント, アラステア ジョン
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0132914(US,A1)
【文献】 特表2015−523586(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0300966(US,A1)
【文献】 特開2014−132328(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/167864(WO,A1)
【文献】 特開2013−235256(JP,A)
【文献】 特開2015−172713(JP,A)
【文献】 特表2000−511306(JP,A)
【文献】 特開2000−261706(JP,A)
【文献】 特開2015−053163(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0132474(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00−27/64
G02B 5/18
G02B 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学ディスプレイであって、前記光学ディスプレイは、
第1の表面および第2の表面を有する第1の導波管と、
入力カプラと、
折畳格子と、
出力格子と、
入力画像ノード(IIN)と
ユーザの眼を位置付けるためのアイボックスと
を備え、
前記光学ディスプレイは、前記第1の導波管の長手軸方向に沿って延びるX軸と、前記X軸および前記アイボックスの平面に対して垂直であるZ軸とを画定し、
前記入力カプラは、コリメートされた第1の波長の画像変調光を受信することと前記第1の表面と前記第2の表面との間の全内部反射を介して前記折畳格子まで前記第1の導波管内を前記光が進行するようにすることとを行うように構成されており、
前記折畳格子は、第1の方向における瞳拡張を提供することと、前記第1の表面と前記第2の表面との間の全内部反射を介して前記出力格子に前記光が向かうようにすることとを行うように構成されており、
前記出力格子は、前記第1の方向と異なる第2の方向における瞳拡張を提供することと前記第1の表面または前記第2の表面から前記第1の導波管から前記光が出射するようにすることとを行うように構成されており、
前記入力カプラ、前記折畳格子、または前記出力格子のうちの少なくとも1つは、前記格子の格子平面に対して垂直である複数のベクトルを有し、各ベクトルは、前記X軸および前記Z軸によって画定される平面内の別のベクトルに対して傾斜されている、光学ディスプレイ。
【請求項2】
前記IINは、光源と、画像ピクセルを表示するためのマイクロディスプレイと、コリメーション光学とを備え、前記IINは、各画像ピクセルが前記第1の導波管内で別の画像ピクセルから変換された角度方向とは異なる角度方向に変換されるように、前記マイクロディスプレイパネル上に表示される画像を投影する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記格子のうちの少なくとも1つは、回折状態と非回折状態との間で切り替え可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第1の表面および第2の表面を有する第2の導波管と、入力カプラと、折畳格子と、出力格子とさらに備え、前記第1の導波管と前記第2の導波管とは、積層されており、前記第2の導波管のための前記入力カプラは、コリメートされた第2の波長光を前記IINから受信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記入力カプラ、前記折畳格子前記出力格子のうちの少なくとも1つは、液晶ベースの格子である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記入力カプラは、格子またはプリズムのうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の方向は、前記第2の方向に直交する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の方向は、水平であり、前記第2の方向は、鉛直である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
眼トラッカをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記IIN内に配置されている動的焦点レンズをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の導波管の前記第1の表面または前記第2の表面に近接して配置されている動的焦点レンズをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の導波管は、第1の光学インターフェースをさらに備え、前記IINは、第2の光学インターフェースをさらに備え、前記第1の光学インターフェースが前記第2の光学インターフェースから分断されることが可能であるように、前記第1の光学インターフェースは、機械的機構または磁気機構を介して前記第2の光学インターフェースに接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の導波管は、前記IINから除去されるように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の表面および前記第2の表面は、平面表面である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の表面および前記第2の表面は、湾曲している、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記IINは、レーザスキャナを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記ディスプレイは、HMD、HUD、眼追従ディスプレイ、動的焦点ディスプレイ、または明視野ディスプレイのうちの1つを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記入力カプラ、前記折畳格子、前記出力格子のうちの少なくとも1つは、色または角度のうちの少なくとも1つを多重化する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
ビームホモジナイザをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ディスプレイは、前記IINと前記第1の導波管との間で画像成分を中継するための屈折率勾配波誘導コンポーネントをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の導波管の前記入力カプラの領域と前記第2の導波管の前記入力カプラの領域との間に配置されているダイクロイックフィルタをさらに備えている、請求項4に記載の装置。
【請求項22】
前記IINは、空間変動開口数コンポーネントをさらに備え、前記空間変動開口数コンポーネントは、前記X軸に沿って開口数変動を提供する、請求項2に記載の装置。
【請求項23】
前記空間変動開口数コンポーネントは、回折、複屈折、屈折、または散乱特性のうちの少なくとも1つを有する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
空間変動開口数は、平面の法線ベクトルが前記X軸を含む平面において最高ディスプレイ画角と平行に整列させられるように、前記平面を傾斜させることによって提供される、請求項2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、米国仮出願第62/284,603号(2015年10月5日出願、名称「WAVEGUIDE DISPLAY」)および米国仮出願第62/285,275号(2015年10月23日出願、名称「WAVEGUIDE DISPLAY」)からの優先権を主張し、上記出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(関連出願の引用)
以下の特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に引用される:
米国特許第9,075,184号、名称COMPACT EDGE ILLUMINATED DIFFRACTIVE DISPLAY」、米国特許第8,233,204号、名称「OPTICAL DISPLAYS」、PCT出願第US2006/043938、名称「METHOD AND APPARATUS FOR PROVIDING A TRANSPARENT DISPLAY」、PCT出願第GB2012/000677号、名称「WEARABLE DATA DISPLAY」、米国特許出願第13/317,468号、名称「COMPACT EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」、米国特許出願第13/869,866号、名称「HOLOGRAPHIC WIDE ANGLE DISPLAY」、米国特許出願第13/844,456号、名称「TRANSPARENT WAVEGUIDE DISPLAY」、米国特許出願第14/620,969号、名称「WAVEGUIDE GRATING DEVICE」、米国仮特許出願第62/176,572号、名称「ELECTRICALLY FOCUS TUNABLE LENS」、米国仮特許出願第62/177,494号、名称「WAVEGUIDE DEVICE INCORPORATING A LIGHT PIPE」、米国仮特許出願第62/071,277、名称「METHOD AND APPARATUS FOR GENERATING INPUT IMAGES FOR HOLOGRAPHIC WAVEGFUIDE DISPLAYS」、米国仮特許出願第62/123,282号、名称「NEAR EYE DISPLAY USING GRADIENT INDEX OPTICS」、米国仮特許出願第62/124,550号、名称「WAVEGUIDE DISPLAY USING GRADIENT INDEX OPTICS」、米国仮特許出願第62/125,064号、名称「OPTICAL WAVEGUIDE DISPLAYS FOR INTEGRATION IN WINDOWS」、米国仮特許出願第62/125,066号、名称「OPTICAL WAVEGUIDE DISPLAYS FOR INTEGRATION IN WINDOWS」、米国仮特許出願第62/125,089号、名称「HOLOGRAPHIC WAVEGUIDE LIGHT FIELD DISPLAYS」、米国特許第8,224,133号、名称「LASER ILLUMINATION DEVICE」、米国特許第8,565,560号、名称「LASER ILLUMINATION DEVICE」、米国特許第6,115,152号、名称「HOLOGRAPHIC ILLUMINATION SYSTEM」、PCT出願第PCT/GB2013/000005号、名称「CONTACT IMAGE SENSOR USING SWITCHABLE BRAGG GRATINGS」、PCT出願第PCT/GB2012/000680号、名称「IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICES」、PCT出願第PCT/GB2014/000197号、名称「HOLOGRAPHIC WAVEGUIDE EYE TRACKER」、PCT/GB2013/000210、名称「APPARATUS FOR EYE TRACKING」、PCT出願第GB2013/000210号、名称「APPARATUS FOR EYE TRACKING」、PCT/GB2015/000274、名称「HOLOGRAPHIC WAVEGUIDE OPTICALTRACKER」、米国特許第8,903,207号、名称「SYSTEM AND METHOD OF EXTENDING VERTICAL FIELD OF VIEW IN HEAD UP DISPLAY USING A WAVEGUIDE COMBINER」、米国特許第8,639,072号、名称「COMPACT WEARABLE DISPLAY」、米国特許第8,885,112号、名称「COMPACT HOLOGRAPHIC EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」。
【0003】
本開示は、限定ではないが、ニアアイディスプレイを含むディスプレイに関し、より具体的には、ホログラフ導波管ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0004】
導波管光学は、現在、複数の光学機能を薄くて透明な軽量基板の中に統合する導波管の能力が非常に重要であるある範囲のディスプレイおよびセンサ用途のために検討されている。この新しいアプローチは、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)のためのニアアイディスプレイ、航空および道路交通のためのコンパクトヘッドアップディスプレイ(HUD)、および、バイオメトリックおよびレーザレーダ(LIDAR)用途のためのセンサを含む新しい製品開発を促している。レンズサイズを縮小しながら、回折格子を使用して、アイボックスサイズを保存する導波管ディスプレイが、提案されている。Leger Searleに発行された米国特許第4,309,070号(特許文献1)およびUpatnieksに発行された米国特許第4,711,512号(特許文献2)は、基板導波管ヘッドアップディスプレイを開示しており、コリメート光学システムの瞳は、導波管構造によって効果的に拡張される。米国特許出願第13/869,866号は、ホログラフ広角ディスプレイを開示しており、米国特許出願第13/844,456号は、上側および下側視野を有する導波管ディスプレイを開示している。
【0005】
導波管光学における共通の要件は、2つの直交方向におけるビーム拡張を提供することである。ディスプレイ用途では、これは、大型のアイボックスを意味する。ホログラフ導波管におけるビーム拡張の原理は、十分に確立されているが、2軸拡張は、別個の垂直および水平拡張を提供するために、別個の格子層を要求する。通常、第2の軸拡張を与える格子のうちの一方が、ディスプレイのニアアイコンポーネントも提供し、回折光学の高透過性かつ薄くて軽量の形状因子が、効果を最大化するために使用されることができる。フルカラーおよび広視野を要求する、実践的ディスプレイ用途では、2軸拡張を実装するために要求される層の数は、容認しがたく多くなり、厚さ、重量、およびサイズの増加をもたらす。2つまたは3つの格子を単一層内で多重化することに基づく層の数を低減させるためのソリューション、または2軸拡張(所与の角度範囲および波長に対して)を単一層内で行うことができる折畳格子が、現在開発中である。2軸拡張は、眼追跡およびLIDAR等のセンサ用途のための導波管においても問題となる。低コスト、効率的、かつコンパクトな2軸拡張導波管の要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,309,070号
【特許文献2】米国特許第4,711,512号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の目的は、低コスト、効率的、かつコンパクトな2軸拡張導波管を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、本発明の第1の実施形態において達成され、第1の表面および第2の表面を備えている第1の導波管と、入力カプラと、折畳格子と、出力格子とを備えている光学ディスプレイが、提供される。入力カプラは、入力画像ノード(IIN)からコリメートされた第1の波長光を受信し、折畳格子までの第1の表面と第2の表面との間の全内部反射を介して、光を第1の導波管内に進行させるように構成される。折畳格子は、第1の方向における瞳拡張を提供し、第1の表面と第2の表面との間の全内部反射を介して、光を出力格子に向かわせるように構成される。出力格子は、第1の方向と異なる第2の方向における瞳拡張を提供し、第1の表面または第2の表面から第1の導波管を出射させるように構成される。入力カプラ、折畳格子、または出力格子のうちの少なくとも1つは、回転kベクトル格子である。光は、折畳格子との二重相互作用を受ける。
【0009】
いくつかの実施形態では、IINは、光源と、画像ピクセルを表示するためのマイクロディスプレイと、コリメーション光学とを備えている。IINは、各画像ピクセルが、第1の導波管内で独特な角度方向に変換されるように、マイクロディスプレイパネル上に表示される画像を投影する。
【0010】
いくつかの実施形態では、格子のうちの少なくとも1つは、回折状態と非回折状態との間で切り替え可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、光学ディスプレイはさらに、第1の表面および第2の表面と、入力カプラと、折畳格子と、出力格子とを備えている第2の導波管を備え、入力カプラは、コリメートされた第2の波長光をIINから受信するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、入力カプラ、折畳格子、および出力格子のうちの少なくとも1つは、液晶ベースの格子である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の方向は、第2の方向に直交する。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の方向は、水平であり、第2の方向は、鉛直である。
【0015】
いくつかの実施形態では、光学ディスプレイはさらに、眼トラッカを備えている。
【0016】
いくつかの実施形態では、光学ディスプレイはさらに、IIN内に配置されている動的焦点レンズを備えている。
【0017】
いくつかの実施形態では、光学ディスプレイはさらに、第1の導波管の第1または第2の表面に近接して配置されている動的焦点レンズを備えている。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の導波管は、第1の光学インターフェースをさらに備え、IINは、第2の光学インターフェースをさらに備え、第1および第2の光学インターフェースは、機械的機構または磁気機構のうちの1つによって分断されることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の導波管は、消耗品である。いくつかの実施形態では、第1の表面および第2の表面は、平面表面である。いくつかの実施形態では、第1の表面および第2の表面は、湾曲表面である。いくつかの実施形態では、IINは、レーザスキャナを備えている。
【0020】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、HMD、HUD、眼追従ディスプレイ、動的焦点ディスプレイまたは明視野ディスプレイのうちの1つを提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、入力カプラ、折畳格子、および出力格子のうちの少なくとも1つは、色または角度のうちの少なくとも1つを多重化する。
【0022】
いくつかの実施形態では、光学ディスプレイはさらに、ビームホモジナイザを備えている。
【0023】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、屈折率勾配画像転送導波管を横断する少なくとも1つの光学を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、光学ディスプレイはさらに、第1の導波管の入力格子の領域と第2の導波管の入力格子の領域との間に配置されているダイクロイックフィルタを備えている。
【0025】
いくつかの実施形態では、IINはさらに、入力カプラによって回折される視野座標に対応する方向に沿って開口数変動を提供するための空間変動開口数コンポーネントを備えている。
【0026】
いくつかの実施形態では、空間変動開口数コンポーネントは、回折、複屈折、屈折、または散乱特性のうちの少なくとも1つを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、視野座標は、ディスプレイの水平視野である。
【0028】
いくつかの実施形態では、空間変動開口数は、その法線ベクトルが入力カプラによって回折される視野座標を含む平面において最高ディスプレイ画角と平行に整列させられるように、停止平面を傾斜させることによって提供される。
【0029】
本開示の一例示的実施形態は、ニアアイ光学ディスプレイに関する。ニアアイ光学ディスプレイは、第1の表面および第2の表面と、入力カプラと、折畳格子と、出力格子とを備えている導波管を含む。入力カプラは、コリメートされた光をディスプレイ源から受信し、折畳格子までの第1の表面と第2の表面との間の全内部反射を介して、光を導波管内で進行させるように構成される。折畳格子は、第1の方向における瞳拡張を提供し、第1の表面および第2の表面との間の全内部反射を介して、光を出力格子に向かわせるように構成される。出力格子は、第1の方向と異なる第2の方向における瞳拡張を提供し、光を導波管を第1の表面または第2の表面から出射させるように構成される。
【0030】
本開示の別の例示的実施形態は、情報を表示する方法に関する。方法は、第1の表面および第2の表面を有する導波管内にコリメートされた光を受信することと、コリメートされた光を折畳格子までの第1の表面と第2の表面との間の全内部反射を介して提供することと、折畳格子を使用して、第1の方向における瞳拡張を提供し、第1の表面と第2の表面との間の全内部反射を介して、光を出力格子に向かわせることと、第1の方向と異なる第2の方向における瞳拡張を提供し、光を第1の表面または第2の表面から導波管に出射させることとを含む。
【0031】
以下は、情報を表示するための本発明の光学ディスプレイおよび方法に関連する種々の概念および実施形態のより詳細な説明である。上記に導入され、以下により詳細に議論される種々の概念は、多数の方法のいずれかで実装され得、本開示の概念は、実装の任意の特定の様式に限定されないことを理解されたい。具体的実装および用途の実施例は、主に、例証目的で提供される。本発明のより完全な理解は、付随の図面と併せて以下に詳述される説明を考慮することによって得られることができ、類似指示数字は、類似部分を示す。明確性の目的のために、本発明に関連する技術的分野で公知である技術的材料に関連する詳細は、詳細に説明されない。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
光学ディスプレイであって、前記光学ディスプレイは、
第1の表面および第2の表面を有する第1の導波管と、
入力カプラと、
折畳格子と、
出力格子と、
入力画像ノード(IIN)と
を備え、
前記入力カプラは、コリメートされた第1の波長の画像変調光を受信することと、前記折畳格子までの前記第1の表面と前記第2の表面との間の全内部反射を介して、前記光に前記第1の導波管内で進行させることとを行うように構成され、
前記折畳格子は、第1の方向における瞳拡張を提供することと、前記第1の表面と前記第2の表面との間の全内部反射を介して、前記光を前記出力格子に向かわせることとを行うように構成され、
前記出力格子は、前記第1の方向と異なる第2の方向における瞳拡張を提供することと、前記光に前記第1の導波管を前記第1の表面または前記第2の表面から出射させることとを行うように構成され、
前記入力カプラ、前記折畳格子、または前記出力格子のうちの少なくとも1つは、回転kベクトル格子であり、
前記光は、前記折畳格子との二重相互作用を受ける、光学ディスプレイ。
(項目2)
前記IINは、光源と、画像ピクセルを表示するためのマイクロディスプレイと、コリメーション光学とを備え、前記IINは、各画像ピクセルが前記第1の導波管内で独特な角度方向に変換されるように、前記マイクロディスプレイパネル上に表示される画像を投影する、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記格子のうちの少なくとも1つは、回折状態と非回折状態との間で切り替え可能である、項目1に記載の装置。
(項目4)
第1の表面および第2の表面と、入力カプラと、折畳格子と、出力格子とを備えている第2の導波管をさらに備え、前記入力カプラは、コリメートされた第2の波長光を前記IINから受信するように構成されている、項目1に記載の装置。
(項目5)
前記入力カプラ、前記折畳格子、および前記出力格子のうちの少なくとも1つは、液晶ベースの格子である、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記入力カプラは、格子またはプリズムのうちの1つである、項目1に記載の装置。
(項目7)
前記第1の方向は、前記第2の方向に直交する、項目1に記載の装置。
(項目8)
前記第1の方向は、水平であり、前記第2の方向は、鉛直である、項目1に記載の装置。
(項目9)
眼トラッカをさらに備えている、項目1に記載の装置。
(項目10)
前記IIN内に配置されている動的焦点レンズをさらに備えている、項目1に記載の装置。
(項目11)
前記第1の導波管の前記第1または第2の表面に近接して配置されている動的焦点レンズをさらに備えている、項目1に記載の装置。
(項目12)
前記第1の導波管は、第1の光学インターフェースをさらに備え、前記IINは、第2の光学インターフェースをさらに備え、前記第1および第2の光学インターフェースは、機械的機構または磁気機構のうちの1つによって分断されることができる、項目1に記載の装置。
(項目13)
前記第1の導波管は、消耗品である、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記第1の表面および前記第2の表面は、平面表面である、項目1に記載の装置。
(項目15)
前記第1の表面および前記第2の表面は、湾曲している、項目1に記載の装置。
(項目16)
前記IINは、レーザスキャナを備えている、項目1に記載の装置。
(項目17)
前記ディスプレイは、HMD、HUD、眼追従ディスプレイ、動的焦点ディスプレイ、または明視野ディスプレイのうちの1つを提供する、項目1に記載の装置。
(項目18)
前記入力カプラ、折畳格子、および出力格子のうちの少なくとも1つは、色または角度のうちの少なくとも1つを多重化する、項目1に記載の装置。
(項目19)
ビームホモジナイザをさらに備えている、項目1に記載の装置。
(項目20)
前記ディスプレイは、屈折率勾配画像転送導波管を横断する少なくとも1つの光学を含む、項目1に記載の装置。
(項目21)
前記第1の導波管の前記入力格子の領域と前記第2の導波管の前記入力格子の領域との間に配置されているダイクロイックフィルタをさらに備えている、項目4に記載の装置。
(項目22)
前記IINは、空間変動開口数コンポーネントをさらに備え、前記空間変動開口数コンポーネントは、前記入力カプラによって回折される視野座標に対応する方向に沿って開口数変動を提供する、項目2に記載の装置。
(項目23)
前記空間変動開口数コンポーネントは、回折、複屈折、屈折、または散乱特性のうちの少なくとも1つを有する、項目22に記載の装置。
(項目24)
前記視野座標は、前記ディスプレイの水平視野である、項目22に記載の装置。
(項目25)
空間変動開口数は、停止平面の法線ベクトルが前記入力カプラによって回折される視野座標を含む平面において最高ディスプレイ画角と平行に整列させられるように、前記停止平面を傾斜させることによって提供される、項目2に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、一実施形態における、導波管ディスプレイの概略断面図である。
図2図2は、一実施形態における、1つの格子層内の格子の配置を示す導波管ディスプレイの概略平面図である。
図3図3は、一実施形態における、2つの格子層内の格子の配置を示す導波管ディスプレイの概略平面図である。
図4図4は、一実施形態における、色あたり1つの導波管と、各導波管内の2つの格子層を使用するカラー導波管ディスプレイの概略断面図である。
図5図5は、一実施形態における、色あたり1つの導波管と、各導波管内の1つの格子層を使用するカラー導波管ディスプレイの概略断面図である。
図6図6は、一実施形態における、入力格子と、折畳格子と、出力格子とを示す導波管ディスプレイの概略平面図である。
図7図7は、一実施形態における、本発明の原理による眼追跡ニアアイディスプレイの断面図である。
図8図8は、一実施形態における、動的焦点レンズを組み込む眼追跡ニアアイディスプレイの断面図である。
図9図9は、一実施形態における、動的焦点レンズを組み込む眼追跡ニアアイディスプレイの断面図である。
図10A図10Aは、一実施形態における、IINから分断され得る導波管を備えている第1の動作状態ディスプレイの概略平面図である。
図10B図10Bは、一実施形態における、IINから分断され得る導波管を備えている、第2の動作状態ディスプレイの概略平面図である。
図11A図11Aは、一実施形態における、kベクトル方向に段階的変化を提供する回転kベクトル格子である。
図11B図11Bは、一実施形態における、kベクトル方向に連続変化を提供する回転kベクトル格子である。
図12A図12Aは、一実施形態における、導波管ディスプレイ接眼レンズの正面図である。
図12B図12Aは、一実施形態における、導波管ディスプレイ接眼レンズの平面図である。
図12C図12Aは、一実施形態における、導波管ディスプレイ接眼レンズの側面図である。
図12D図12Aは、一実施形態における、導波管ディスプレイ接眼レンズの3次元図である。
図13A図13Aは、一実施形態における、オートバイ用ヘルメット内に実装される導波管ディスプレイの3次元図である。
図13B図13Bは、一実施形態における、オートバイ用ヘルメット内に実装される導波管ディスプレイの別の3次元図である。
図14図14は、一実施形態における、空間可変開口数コンポーネントを含むマイクロディスプレイ入力画像ノードの概略断面図である。
図15図15は、一実施形態における、空間可変開口数コンポーネントを含む反射マイクロディスプレイ入力画像ノードの概略断面図である。
図16図16は、一実施形態における、空間可変開口数コンポーネントを含む透過マイクロディスプレイ入力画像ノードの概略断面図である。
図17図17は、一実施形態における、空間可変開口数コンポーネントを含む放射マイクロディスプレイ入力画像ノードの概略断面図である。
図18A図18Aは、一実施形態における、ウェッジプリズムに基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図18B図18Bは、一実施形態における、1つの湾曲表面を伴うウェッジプリズムに基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図18C図18Cは、一実施形態における、プリズムの並びに基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図18D図18Dは、一実施形態における、レンズの並びに基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図19A図19Aは、一実施形態における、散乱要素の並びに基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図19B図19Bは、一実施形態における、連続可変散乱機能を伴う基板に基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図19C図19Cは、一実施形態における、連続可変複屈折テンソルを伴う基板に基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図19D図19Dは、一実施形態における、格子要素の並びに基づく空間可変開口数コンポーネントの概略断面図である。
図20図20は、一実施形態における、傾斜瞳面を使用して瞳全体に渡り可変開口数を提供するための光学配列の概略断面図である。
図21A図21Aは、一実施形態における、後退可能導波管を備えているウェアラブルディスプレイの第1の動作状態の3次元図である。
図21B図21Bは、一実施形態における、後退可能導波管を備えているウェアラブルディスプレイの第2の動作状態の3次元図である。
図21A図21Cは、一実施形態における、後退可能導波管を備えているウェアラブルディスプレイの第3の動作状態の3次元図である。
図22A図22Aは、一実施形態における、入力、折畳、出力格子を示す導波管コンポーネントの正面図である。
図22B図22Bは、一実施形態における、入力、折畳、出力格子を示す導波管コンポーネントの正面図である。
図23図23は、一実施形態における、入力、折畳、出力格子を示す導波管コンポーネントの正面図である。
図24図24は、一実施形態における、IINからの光線トレースと、アイボックスまでの導波管コンポーネントとを示すニアアイディスプレイの3次元図である。
図25A図25Aは、一実施形態における、オートバイ用ディスプレイの第1の動作状態の3次元図である。
図25B図25Bは、一実施形態における、オートバイ用ディスプレイの第2の動作状態の3次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、ここで、例としてのみ添付の図面を参照して、さらに説明されるであろう。本発明は、以下の説明に開示されるような本発明の一部または全部を用いて実践され得ることが、当業者に明白であろう。本発明を説明する目的のために、光学設計および視覚的ディスプレイの当業者に公知の光学技術の周知の特徴は、本発明の基本原理を曖昧にしないために、省略または簡略化されている。別様に述べられない限り、光線またはビーム方向に関連する用語「軸上」は、本発明に関連して説明される光学コンポーネントの表面に法線の軸と平行な伝搬を指す。以下の説明では、用語「光」、「光線」、「ビーム」、および「方向」は、同義的かつ互いに関連付けて使用され、直線軌道に沿った電磁放射の伝搬方向を示し得る。用語「光」および「照明」は、電磁放射スペクトルの可視および赤外線帯域に関連して使用され得る。以下の説明の一部は、光学設計の当業者によって一般に採用される用語を使用して提示されるであろう。以下の説明では、語句「一実施形態では」の反復使用は、必ずしも、同一実施形態を指すわけではないことにも留意されたい。
【0034】
概して、図面を参照すると、ニアアイディスプレイまたはヘッドアップディスプレイシステムに関連するシステムおよび方法が、種々の実施形態に従って示される。ホログラフ導波管技術が、有利には、軍事用途および消費者用途(例えば、拡張現実グラス)を含む、多くの用途のために、ヘルメット搭載型ディスプレイまたは頭部搭載型ディスプレイ(HMD)およびヘッドアップディスプレイ(HUD)のための導波管において使用されることができる。切り替え可能ブラッグ格子(SBG)が、導波管において使用されることにより、余分な層を排除し、HMD、HUD、および他のニアアイディスプレイを含む現在のディスプレイシステムの厚さを低減させ、マイクロディスプレイ上に順次提示される画像をタイル化することによって視野を増加させ得る。より大きい射出瞳は、従来の格子と共に折畳格子(fold grating)を使用して、水平および垂直の両方向において瞳拡張を単一導波管上に提供することによって、生成され得る。本明細書に開示されるシステムおよび方法を使用して、単一光学導波管基板が、現在の導波管システムにおいて見出されるものより広い視野を発生させ得る。回折格子が、光線を異なる方向に進行するいくつかのビームに分割および回折し、それによって、光線を分散させるために使用され得る。
【0035】
本発明において使用される格子は、望ましくは、ブラッグ格子である(体積格子とも称される)。ブラッグ格子は、高効率を有し、光は、高次にほとんど回折されない。回折され、ゼロ次における光の相対的な量は、大きな瞳に対して光を抽出するための損失性導波管格子を作製するために使用される性質である格子の屈折率変調を制御することによって変動させられることができる。格子の1つの重要な種類は、切り替え可能ブラッグ格子(SBG)として公知である。SBGは、最初に、光重合可能モノマーおよび液晶材料の混合物の薄膜を平行ガラスプレート間に設置することによって製作される。一方または両方のガラスプレートが、電場を膜全体に渡り印加するために、典型的には透明酸化インジウムスズである、電極を支持する。体積位相格子が、次いで、液晶材料(多くの場合、シロップと称される)を2つの互いにコヒーレントなレーザビームを用いて照明することによって記録され、それらは、干渉し、傾斜フリンジ格子構造を形成する。記録プロセス中、モノマーが、重合し、混合物が、位相分離を受け、クリアポリマーの領域が介在する、液晶微小液滴が高密度に集まった領域を生成する。交互する液晶豊富および液晶欠乏領域が、格子のフリンジ面を形成する。結果として生じる体積位相格子は、非常に高い回折効率を示し得、それは、膜全体に渡り印加される電場の大きさによって制御され得る。電場が、透明電極を介して格子に印加されると、LC液滴の自然な向きが変化させられ、フリンジの屈折率変調が低減し、ホログラム回折効率が非常に低レベルに降下することをもたらす。典型的には、SBG要素は、30μs以内にクリアに切り替えられる。オンに切り替えるために、より長い緩和時間を伴う。デバイスの回折効率は、ある連続した範囲にわたって印加される電圧によって調節されることができることに留意されたい。デバイスは、電圧が印加されないと約100%効率を示し、十分に高い電圧が印加されると本質的にゼロ効率を示す。あるタイプのHPDLCデバイスにおいて、磁場が、LC向きを制御するために使用され得る。あるタイプのHPDLCにおいて、ポリマーからのLC材料の位相分離は、判別可能液滴構造が生じないような程度に達成され得る。SBGは、受動格子としても使用され得る。このモードにおいて、その主な利点は、比類なく高い屈折率変調である。
【0036】
SBGは、自由空間用途のための透過または反射格子を提供するために使用され得る。SBGは、HPDLCが導波管コアまたは導波管に近接して一時的に結合される層のいずれかを形成する導波管デバイスとして実装され得る。HPDLCセルを形成するために使用される平行ガラスプレートは、全内部反射(TIR)光誘導構造を提供する。光は、切り替え可能な格子がTIR条件を越える角度で光を回折すると、SBGの外部で結合される。導波管は、さまざまなディスプレイおよびセンサ用途において現在着目されている。HPDLCに関する以前の研究の多くは、反射ホログラムを対象としていたが、透過デバイスが、光学システム構築ブロックとしてはるかに多用途であることを証明しつつある。典型的には、SBGにおいて使用されるHPDLCは、液晶(LC)、モノマー、光開始剤染料、および開始剤を備えている。混合物は、多くの場合、界面活性剤を含む。特許および科学文献は、SBGを製作するために使用され得る材料、システムおよびプロセスの多くの例を含む。2つの基本特許は、Sutherlandによる米国特許第5,942,157号およびTanaka、他による米国特許第5,751,452号である。両願とも、SBGデバイスを製作するために好適なモノマーおよび液晶材料の組み合わせを説明する。
【0037】
透過SBGの公知の属性のうちの1つは、LC分子が格子フリンジ平面に対して法線に整列する傾向にあることである。LC分子整列の効果は、透過SBGがP偏光された光(すなわち、入射面内の偏光ベクトルを伴う光)を効率的に回折するが、S偏光された光(すなわち、入射面に対して法線の偏光ベクトルを伴う光)に対してほぼゼロ回折効率を有することである。透過SBGは、入射光と反射光との間の狭角が小さいとき、P偏光に対する任意の格子の回折効率がゼロまで降下するので、ほぼすれすれ入射では使用されないこともある。
【0038】
本発明の目的は、2軸拡張導波管ディスプレイ100が提供される図1に図示される第1の実施形態において達成され、2軸拡張導波管ディスプレイ100は、光源101と、マイクロディスプレイパネル102と、2つの格子層104A、104Bを備えている導波管104に光学的に結合される入力画像ノード(IIN)103とを備えている。いくつかの実施形態では、導波管は、スタックを形成するためのガラスまたはプラスチック基板間に挟まれた格子層によって形成され、その中で、全内部反射が、外側基板と空気との界面において生じる。スタックは、ビーム分割コーティングおよび環境保護層等の追加の層をさらに備え得る。各格子層は、入力格子105A、105Bと、折畳格子射出瞳エクスパンダ106A、106Bと、出力格子107A、107Bとを含み、文字AおよびBは、それぞれ、導波管層104A、104Bを指す。入力格子、折畳格子、および出力格子は、切り替え可能または切り替え不可能なSBG等のホログラフィック格子である。本明細書で使用される場合、用語「格子」は、いくつかの実施形態では、格子の組から成る格子を包含し得る。一般に、IINは、光源と、マイクロディスプレイパネルと、光学コンポーネントとを統合し、光学コンポーネントは、ディスプレイパネルを照明すること、反射された光を分離すること、それを要求されるFOVの中にコリメートすることとを行うために必要とされる。図1の実施形態および以下に説明される実施形態では、入力、折畳、および出力格子のうちの少なくとも1つは、電気的に切り替え可能であり得る。多くの実施形態では、全3つの格子タイプは、受動的、すなわち、非切り替え式であることが望ましい。IINは、いくつかの実施形態によると、各ディスプレイピクセルが基板導波管内で独特な角度方向に変換されるように、マイクロディスプレイパネル上に表示されている画像を投影する。IIN内に含まれるコリメーション光学は、レンズと、ミラーとを備え得、いくつかの実施形態は、それは、回折レンズおよびミラーであり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、IINは、HOLOGRAPHIC WIDE ANGLE DISPLAYと題された米国特許出願第13/869,866号およびTRANSPARENT WAVEGUIDE DISPLAYと題された米国特許出願第13/844,456号に開示される実施形態および教示に基づき得る。いくつかの実施形態では、IINは、光をマイクロディスプレイ上に向かわせ、反射された光を導波管に向かって透過するためのビームスプリッタを含む。一実施形態では、ビームスプリッタは、HPDLCにおいて記録される格子であり、そのような格子の固有の偏光選択性を使用して、ディスプレイを照明する光とディスプレイから反射された画像変調された光とを分離する。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタキューブである。いくつかの実施形態では、IINは、デスペックラを組み込む。有利には、デスペックラは、LASER ILLUMINATION DEVICEと題された米国特許第8,565,560号の実施形態および教示に基づくホログラフィック導波管デバイスである。
【0040】
光源は、レーザまたはLEDであることができ、照明ビーム角度特性を修正するための1つ以上のレンズを含むことができる。画像源は、マイクロディスプレイまたはレーザベースのディスプレイであることができる。LEDは、レーザより均一性を提供するであろう。レーザ照明が、使用される場合、照明帯域固定が導波管出力に生じるリスクがある。いくつかの実施形態では、導波管内のレーザ照明帯域固定は、METHOD AND APPARATUS FOR GENERATING INPUT IMAGES FORHOLOGRAPHIC WAVEGFUIDE DISPLAYと題された米国仮特許出願第62/071,277号に開示される技法および教示を使用して克服されることができる。いくつかの実施形態では、光源101からの光は、偏光される。1つ以上の実施形態では、画像源は、液晶ディスプレイ(LCD)、マイクロディスプレイ、または液晶オンシリコン(LCoS)マイクロディスプレイである。
【0041】
IINを介した源から導波管までの光経路は、光線1000−1003によって示される。各格子層の入力格子は、一度、光の一部を導波管内のTIR経路の中に結合し、そのような経路は、光線1004−1005によって表される。出力導波管107A、107Cは、眼108による視認のために、導波管からの光を、それぞれ、コリメートされた光1006、1007の角度範囲の中に回折する。ディスプレイの視野に対応するその角度範囲は、IIN光学によってのみ画定される。いくつかの実施形態では、導波管格子は、出力のコリメーションを調節するために、屈折力をエンコードされ得る。いくつかの実施形態では、出力画像は、無限遠にある。いくつかの実施形態では、出力画像は、アイボックスから数メートルの距離に形成され得る。典型的には、眼は、ディスプレイの射出瞳またはアイボックス内に位置付けられる。
【0042】
図1に示されるものに類似する、いくつかの実施形態では、各格子層は、総視野の半分に対処する。典型的には、折畳格子は、45°でクロックされ(すなわち、導波管平面内で傾けられ)、折畳された光のための適正な角度帯域幅を確実にする。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態は、他のクロック角度を使用し、ディスプレイの人間工学的設計において生じ得る格子の位置付けに対する空間的制約を満たし得る。いくつかの実施形態では、入力および出力格子のうちの少なくとも1つは、回転kベクトルを有する。kベクトルは、格子平面(またはフリンジ)に対して法線に整列させられたベクトルであり、それは、入力および回折される角度の所与の範囲にわたる光学効率を決定する。kベクトルを回転させることは、導波管厚を増加させる必要なく、格子の角度帯域幅が拡張されることを可能にする。
【0043】
いくつかの実施形態では、折畳格子角度帯域幅は、誘導される光の格子との二重相互作用を提供する格子規定を設計することによって向上させられることができる。二重相互作用折畳格子の例示的実施形態は、WAVEGUIDE GRATING DEVICEと題された米国特許出願第14/620,969号に開示される。
【0044】
2つ以上のホログラフィック規定が単一ホログラフィック層の中に記録されることができることは、ホログラフィの文献で十分に立証されている。そのような多重化されたホログラムを記録するための方法は、当業者に周知である。いくつかの実施形態では、入力、折畳、または出力格子のうちの少なくとも1つは、2つ以上の角度回折規定を組み合わせ、角度帯域幅を拡張させ得る。同様に、いくつかの実施形態では、入力、折畳、または出力格子のうちの少なくとも1つは、2つ以上のスペクトル回折規定を組み合わせ、スペクトル帯域幅を拡張させ得る。例えば、色多重化された格子が、使用され、原色の2つ以上のものを回折し得る。
【0045】
図2は、図1に使用されるものに類似する単一格子層の平面図110である。IIN 112に光学的に結合される格子層111は、入力格子113と、第1のビームスプリッタ114と、折畳格子115と、第2のビームスプリッタ116と、出力格子117とを備えている。ビームスプリッタは、複数の反射経路を導波管内に提供することによって、波誘導光を均質化する部分的透過コーティングである。各ビームスプリッタは、2つ以上のコーティング層を備え得、各コーティング層は、透明基板に塗布される。IINから眼118までの典型的ビーム経路は、光線1010−1014によって示される。
【0046】
図3は、図1に使用されるものに類似する2つの格子層構成の平面図110である。IIN 122に光学的に結合される格子層121A、121Bは、入力格子123A、123Bと、第1のビームスプリッタ124A、124Bと、折畳格子125A、125Bと、第2のビームスプリッタ126A、126Bと、出力格子127A、127Bとを備え、文字A、Bは、第1および第2の格子層を指し、2つの層の格子およびビームスプリッタは、実質的に重複する。
【0047】
大部分の導波管構成では、入力折畳および出力格子は、透明基板によって挟まれる単一層内に形成される。図1の実施形態は、スタックされた2つのそのような層を有する。いくつかの実施形態では、導波管は、1つのみの格子層を備え得る。基板は、図1に図示されず、切り替え式透明電極である格子は、切り替え式格子を挟む基板層の対向表面に適用される。いくつかの実施形態では、セル基板は、ガラスから製作され得る。例示的ガラス基板は、標準的Corning Willowガラス基板(屈折率1.51)であり、それは、50ミクロンまでの厚さにおいて利用可能である。他の実施形態では、セル基板は、光学プラスチックであり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、格子層は、別個の層に分解され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の層は、折畳格子を含む一方、第2の層は、出力格子を含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、入力格子を含むことができる。その層の数は、次いで、単一導波管基板に一緒に積層され得る。いくつかの実施形態では、格子層は、一緒に積層され、単一基板導波管を形成する入力カプラと、折畳格子と、出力格子(またはその一部)とを含むいくつかの部品から成る。部品は、部品のそれに合致する屈折率の光学糊または他の透明材料によって分離され得る。別の実施形態では、格子層は、入力カプラ、折畳格子、および出力格子の各々のための所望の格子厚のセルを生成し、各セルをSBG材料で真空充填することによるセル作製プロセスを介して、形成され得る。一実施形態では、セルは、入力カプラ、折畳格子、および出力格子のための所望の格子厚を画定する、ガラスのプレート間の間隙を伴って、ガラスの複数のプレートを位置付けることによって形成される。一実施形態では、1つのセルは、別個の開口がSBG材料の異なるポケットで充填されるように、複数の開口を伴って作製され得る。任意の介在空間が、次いで、分離材料(例えば、糊、油等)によって分離され、別個のエリアを画定し得る。一実施形態では、SBG材料は、基板上にスピンコーティングされ、次いで、材料の硬化後、第2の基板によって覆われ得る。折畳格子を使用することによって、導波管ディスプレイは、いくつかの実施形態によると、有利には、情報を表示する以前のシステムおよび方法より少ない層を要求する。加えて、折畳格子を使用することによって、光は、二重瞳拡張を達成しながら、導波管外側表面によって画定される単一長方形プリズム内の導波管の中を全内部反射によって進行することができる。別の実施形態では、入力カプラ、折畳格子、および出力格子は、2つの光の波を基板内である角度で干渉させ、ホログラフィック波面を生成し、それによって、所望の角度で導波管基板101内に設定される明暗フリンジを生成することによって、生成されることができる。いくつかの実施形態では、所与の層内の格子は、格子エリアにわたって記録レーザビームを走査またはステッピングすることによって、段階的方式で記録される。いくつかの実施形態では、格子は、ホログラフィック印刷産業において現在使用されているマスタリングおよび接触複写プロセスを使用して記録される。
【0049】
一実施形態では、SBGとして具現化される入力カプラ、折畳格子、および出力格子は、ホログラフィックポリマー分散液晶(HPDLC)(例えば、液晶液滴のマトリクス)において記録されるブラッグ格子であることができるが、SBGはまた、他の材料において記録され得る。一実施形態では、SBGは、液体ポリマー内に分散される固体液晶のマトリクスを有するPOLICRYPSまたはPOLIPHEM等の均一変調材料において記録される。SBGは、性質上、切り替えまたは非切り替え式であることができる。その非切り替え形態では、SBGは、従来のホログラフィックフォトポリマー材料に対する利点を有し、その液晶コンポーネントに起因して高屈折率変調を提供可能である。例示的均一変調液晶ポリマー材料系は、Caputo、他による米国特許出願公開第US2007/0019152号およびStumpe、他によるPCT出願第PCT/EP2005/006950号(両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。均一変調格子は、高屈折率変調(故に、高回折効率)および低散乱によって特徴付けられる。
【0050】
一実施形態では、入力カプラ、折畳格子、および出力格子は、反転モードHPDLC材料。反転モードHPDLCは、格子が、電場が印加されないとき、受動的であり、電場の存在下、回折性となるという点において、従来のHPDLCと異なる。反転モードHPDLCは、IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICESと題されたPCT出願第PCT/GB2012/000680号に開示されるレシピおよびプロセスのいずれかに基づき得る。格子は、前述の材料系のいずれかにおいて記録されるが、受動(非切り替え)モードにおいて使用され得る。製作プロセスは、切り替え式のために使用されるそれと同じであるが、電極コーティング段階は、省略される。LCポリマー材料系は、その高屈折率変調に照らして非常に望ましい。いくつかの実施形態では、格子は、HPDLCにおいて記録されるが、切り替えられない。
【0051】
いくつかの実施形態では、入力格子は、プリズムまたは反射表面等の別のタイプの入力カプラによって置換され得る。いくつかの実施形態では、入力カプラは、切り替え可能または非切り替え可能SBG格子等のホログラフィック格子であることができる。入力カプラは、コリメートされた光をディスプレイ源から受信し、第1の表面と第2の表面との間の全内部反射を介して、光に導波管内で折畳格子まで進行させるように構成される。入力カプラは、直接折畳格子に向かって、またはそれに対してある角度において、向けられ得る。例えば、一実施形態では、入力カプラは、折畳格子に対して若干の傾斜に設定され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、折畳格子は、対角線方向に向けられ得る。折畳格子は、いくつかの実施形態では、第1の方向における瞳拡張を提供し、導波管の内側の全内部反射を介して、光を出力格子に向かわせるように構成される。
【0053】
一実施形態では、各折畳格子の縦方向縁は、入力カプラの整列軸に対して斜めであり、各折畳格子は、ディスプレイ光の伝搬方向に対して対角線上に設定される。折畳格子は、入力カプラからの光が出力格子に向け直されるように角度付けられる。一例では、折畳格子は、ディスプレイ画像が入力カプラから放出される方向に対して45の度の角度に設定される。この特徴は、折畳格子に沿って伝搬するディスプレイ画像が出力格子に向けられるようにする。例えば、一実施形態では、折畳格子は、画像が90度出力格子に向けられるようにする。このように、単一導波管は、2軸瞳拡張を水平および垂直方向の両方に提供する。一実施形態では、折畳格子の各々は、部分的回折構造を有し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、折畳格子の各々は、完全回折構造を有し得る。いくつかの実施形態では、異なる格子構成および技術が、単一導波管内に組み込まれ得る。
【0055】
出力格子は、瞳拡張を第1の方向と異なる第2の方向に提供し、光に第1の表面または第2の表面から導波管を出射させるように構成される。出力格子は、全内部反射を介して、ディスプレイ画像を折畳格子から受信し、瞳拡張を第2の方向に提供する。いくつかの実施形態では、出力格子は、基板の複数の層から成り、それによって、出力格子の複数の層を備えている。故に、格子が導波管内の1つの平面内にあるべきという要件は存在せず、格子は、互いの上にスタックされ得る(例えば、互いの上にスタックされた格子のセル)。
【0056】
いくつかの実施形態では、基板導波管上の4分の1波プレートが、偏光を回転させ、SBGとの効率的結合を維持する。4分の1波プレートは、基板導波管101の表面に結合または接着され得る。例えば、一実施形態では、4分の1波プレートは、基板導波管に塗布されるコーティングである。4分の1波プレートは、光波偏光管理を提供する。そのような偏光管理は、導波管内の歪波を補償することによって、光線が意図される視認軸との整列を保持することに役立ち得る。4分の1波プレートは、いくつかの実施形態では、随意であり、光学設計の効率を増加させることができる。いくつかの実施形態では、導波管は、4分の1波プレート142を含まない。4分の1波プレートは、多層コーティングとして提供され得る。
【0057】
図1の実施形態は、通常、モノクロで動作されるであろう。カラーは、図1におけるものと類似設計のモノクロ導波管のスタックを備えているであろう。設計は、示されるような赤色、緑色、および青色導波管層、または代替として、赤色および青色/緑色層を使用し得る。図5の実施形態では、2軸拡張導波管ディスプレイ130は、光源132と、マイクロディスプレイパネル131と、入力画像ノード(IIN)133とを備え、IIN 133は、各々が2つの格子層を備えている赤色、緑色、および青色導波管134R、134G、134Bに光学的に結合されている。波誘導が各導波管内で生じ得るために、3つの導波管は、空隙によって分離される。いくつかの実施形態では、導波管は、ナノ多孔性フィルム等の低屈折率材料によって分離される。Rによって標識される赤色格子層は、入力格子135R、136Rと、折畳格子射出瞳エクスパンダ137R、138Rと、出力格子139R、140Rとを含む。青色および緑色導波管の格子要素は、同一数字を使用して標識され、B、Gは、青色および赤色を指定する。赤色、緑色、および青色導波管の各々におけるIINおよび導波管を通る光経路は、図1に図示されるものに類似するので、それらは、図4に示されない。いくつかの実施形態では、入力、折畳、および出力格子は全て、受動的であり、すなわち、非切り替え式である。いくつかの実施形態では、格子のうちの少なくとも1つは、切り替え式である。いくつかの実施形態では、各層内の入力格子は、切り替え可能であり、導波管層間の色クロストークを回避する。いくつかの実施形態では、色クロストークは、ダイクロイックフィルタ141、142を赤色と青色および青色と緑色導波管の入力格子領域間に配置することによって回避される。
【0058】
いくつかの実施形態では、色導波管ベースは、各モノクロ導波管内で1つのみの格子層を使用し得る。図4のうちの1つに類似する、図5に示される実施形態では、2軸拡張導波管ディスプレイ150は、光源132と、マイクロディスプレイパネル131と、入力画像ノード(IIN)133とを備え、IIN 133は、各々が1つの格子層を備えている赤色、緑色、および青色導波管151R、151G、151Bに光学的に結合されている。Rによって標識される赤色格子層は、入力格子152Rと、折畳格子射出瞳エクスパンダ153Rと、出力格子154Rとを含む。青色および緑色導波管の格子要素は、同一数字を使用して標識され、B、Gは、青色および赤色を指定する。ダイクロイックフィルタ155、156が、赤色と青色および青色と緑色導波管の入力格子領域間に配置され、色クロストークを制御する。赤色、緑色、および青色導波管の各々におけるIINならびに導波管を通る光経路は、図1に図示されるそれらに類似するので、それらは、図5に示されない。
【0059】
図6は、導波管ディスプレイ内の格子層160の平面図であり、入力格子163と、折畳格子162と、出力格子163とを備えているレイアウトを示す。格子は、線を使用して陰影され、格子フリンジの向きを示し、入力格子フリンジは、示されるデカルト基準フレームのX座標に対して90度に整列させられ、折畳格子フリンジは、45度に整列させられ、出力格子フリンジは、0度に整列させられる。
【0060】
図7に示される本発明の一実施形態では、本発明の原理による導波管ディスプレイと、眼トラッカとを備えている眼追跡ディスプレイが、提供される。1つの好ましい実施形態では、眼トラッカは、HOLOGRAPHIC WAVEGUIDE EYE TRACKERと題された第PCT/GB2014/000197号、HOLOGRAPHIC WAVEGUIDE OPTICALTRACKERと題された第PCT/GB2015/000274号、およびAPPARATUS FOR EYE TRACKINGと題されたPCT出願第GB2013/000210号の実施形態および教示に基づく導波管デバイスである。再び図7に目を向けると、眼追跡ディスプレイ170は、前述の実施形態のいずれかに基づく2軸拡張導波管ディスプレイを備え、入力折畳および出力格子を組み込む少なくとも1つの格子層を含む導波管171と、IIN 173と、導波管173を備えている眼トラッカと、赤外線検出器174と、赤外線源175とを備えている。眼トラッカおよびディスプレイ導波管は、空隙または低屈折材料によって分離される。前述の参考文献に説明されるように、眼トラッカは、別個の照明と、検出器導波管とを備え得る。赤外線源から眼までの光学経路は、光線1033−1035によって示され、眼から後方散乱された信号は、光線1036−1037によって示される。ディスプレイは、導波管966と、入力画像ノード968とを備えている。入力画像ノードからディスプレイ導波管を通してアイボックスまでの光学経路は、光線1030−1032によって示される。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態では、二重拡張導波管ディスプレイは、動的集束要素をさらに備えている。図8に示されるもの等のいくつかの実施形態では、二重拡張導波管ディスプレイ180は、導波管ディスプレイの主表面に近接して配置される動的集束要素181と、眼トラッカとをさらに備えている。有利には、動的集束要素は、LCデバイスである。いくつかの実施形態では、LCデバイスは、LC層と回折光学要素とを組み合わせる。いくつかの実施形態では、回折光学要素は、電気的に制御可能なLCベースのデバイスである。いくつかの実施形態では、動的集束要素は、導波管ディスプレイと眼トラッカとの間に配置される。いくつかの実施形態では、動的集束要素は、眼から遠いほうのディスプレイ導波管の表面に近接して配置され得る。図9に図示されるもの等のいくつかの実施形態では、二重拡張導波管ディスプレイ190は、IIN内に配置される動的集束要素191を含む。動的焦点デバイスの効果は、複数の画像表面1040を提供することである。明視野ディスプレイ用途では、少なくとも4つの画像表面が、要求される。動的集束要素は、ELECTRICALLY FOCUS TUNABLE LENSと題された米国仮特許出願第62/176,572号の実施形態および教示に基づき得る。いくつかの実施形態では、動的集束要素と、眼トラッカとをさらに備えている二重拡張導波管ディスプレイは、HOLOGRAPHIC WAVEGUIDE LIGHT FIELD DISPLAYSと題された米国仮特許出願第62/125,089号に開示される実施形態および教示に基づく明視野ディスプレイを提供し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、導波管ディスプレイは、導波管がIINアセンブリから容易に後退させられることを可能にする光学−機械インターフェースによって、IINに結合される。基本原理は、入力格子202、折畳格子203、および出力格子204を含む、導波管201と、IIN205とを備えている2軸拡張導波管ディスプレイ200を示す、図10Aに図示される。装置は、導波管に接続される光学リンク206と、光学リンクで終端する第1の光学インターフェース207と、IINの出射光学ポートを形成する第2の光学インターフェース208とをさらに備えている。第1および第2の光学インターフェースは、図10Bに示される間隙209によって示されるように、分断されることができる。いくつかの実施形態では、光学リンクは、導波管である。いくつかの実施形態では、光学リンクは、湾曲される。いくつかの実施形態では、光学リンクは、GRIN画像中継デバイスである。いくつかの実施形態では、光学接続は、機械的機構を使用して確立される。いくつかの実施形態では、光学接続は、磁気機構を使用して確立される。ヘルメット搭載型ディスプレイ用途における導波管をIINから分断する利点は、使用されないとき、ディスプレイのニアアイ(near eye)部分が除去されることである。導波管が受動格子を備えている、いくつかの実施形態では、ニアアイ光学は、消耗品であることができる。
【0063】
図11は、本発明との使用のための回転kベクトル格子を図示する。最初に、図11Aを参照すると、いくつかの実施形態では、回転kベクトル格子220は、kベクトル1050−1053を有する個別的な格子要素212−215を含む、導波管部分として実装される。次に、図11Bを参照すると、いくつかの実施形態では、回転kベクトル格子220は、kベクトルが図示される方向1050−1053を含む方向になめらかな単調変動を受ける格子要素222を含む導波管部分として実装される。
【0064】
図12A−12Dは、一実施形態における、オートバイ用ヘルメット搭載型ディスプレイ内で使用される2軸拡張ディスプレイの1つの接眼レンズの正面、平面、側面、および3次元図を図示する。ディスプレイは、導波管231と、入力格子232と、折畳格子233と、出力格子234と、ディスプレイをヘルメットに取り付けるためのヒンジ機構235と、導波管結合機構236とを備えている。図13A−13Bは、オートバイ用ヘルメット内に統合される接眼レンズの3次元図を示す。
【0065】
本発明の実践的実施形態では、IINが導波管に光学的に合致させられることを確実にするように配慮されなければならない。導波管は、従来の光学システムが、遭遇しない光学インターフェース問題、特に、入力画像角度成分を導波管および入力格子の角度容量に合致させるという光学インターフェース問題を生じさせる。光学設計の課題は、画角の関数としてのIIN開口変動を回転kベクトル入力格子回折方向に合致させることである。望ましくは、導波管は、入力格子上の任意の所与の点における画角の広がりを最大化しながら、導波管厚を可能な限り薄くするように設計されるべきであり、入力格子は、入力格子の角度帯域幅と導波管の角度搬送容量とによって課される制限にさらされる。先願の前述の説明および教示の考慮から、コリメートされた角度画像成分を全視野に対して、瞳全体に渡る照明分布の有意な非均一性を伴わずに結合することは、マイクロディスプレイの片側の高NAから他の側における低NAに平滑に低下する開口数(NA)変動を要求することを理解されたい。本発明を説明する目的のために、NAは、マイクロディスプレイの法線軸に対してマイクロディスプレイ表面上の点からの画像光線円錐の最大角度の正弦に比例するものとして定義される。他の同等の評価基準が、導波管結合に対する最適なIINを決定する目的のために使用され得る。NAをこのように制御することは、LED照明ディスプレイの場合、高光学効率ならびに低減された帯域固定および他の照明非均質性を確実にするであろう。レーザ照明ディスプレイは、特に均質性に関して、マイクロディスプレイ全体に渡るNA変動の制御からも利益を享受するであろう。
【0066】
以下の実施形態は、NAの変動の問題に対処する。一実施形態は、角度選択的コーティング、格子ウェッジ、マイクロ要素、自由形態要素等をIINの内側で使用する。図面に示されるXYZデカルト座標系を参照されたい。本発明を説明する目的のために、Z軸は、導波管およびアイボックス平面に対して垂直である。YおよびX軸は、それぞれ、鉛直および水平である。回転kベクトル格子は、X−Z平面内で傾斜されたそれらのkベクトルを有する。導波管内の画像光は、略X−方向に伝搬する。以下の段落では、NAをX−方向に沿ったマイクロディスプレイの水平軸全体に渡り高から低(またはその逆)に変動させるためのスキームが説明される。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイは、LCoSデバイスである。
【0067】
図14に示される一実施形態では、IIN250は、マイクロディスプレイパネル251と、空間変動NAコンポーネント252と、マイクロディスプレイ光学253とを備えている。マイクロディスプレイ光学は、光1060を図示されない照明源から受け取り、光をマイクロディスプレイ上に光線1061によって示される方向に偏向させる。マイクロディスプレイから反射された光は、発散光線対1062−1064によって示され、NA角度は、X軸に沿って変動する。図14に基づく実施形態では、空間変動NAコンポーネントは、マイクロディスプレイ光学とマイクロディスプレイとの間に配置される。いくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネントは、図15に図示されるように、マイクロディスプレイ光学の出力表面に隣接して配置され、図15は、マイクロディスプレイ261と、照明コンポーネント262と、空間変動NAコンポーネント263とを示し、光線1070、1071によって示されるように、入力照明およびマイクロディスプレイ光学からマイクロディスプレイ上に放射される照明を伴う。マイクロディスプレイから反射された光は、発散光線対1072−1074によって示され、NA角度は、X軸に沿って変動する。
【0068】
図14−15の実施形態では、マイクロディスプレイは、反射デバイスである。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイは、透過デバイス、典型的には、透過LCoSデバイスである。図16の実施形態では、IIN260は、バックライト261と、マイクロディスプレイ262と、可変NAコンポーネント263とを備えている。典型的にはバックライト全体に渡り均一NAを有する、光線1071−1073によって示されるバックライトからの光は、マイクロディスプレイの後表面を照明し、可変NAコンポーネントを通した伝搬後、発散光線対1072−1074によって示される出力画像変調光に変換され、NA角度は、X軸に沿って変動する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明の原理は、放射ディスプレイに適用され得る。本発明との使用のための放射ディスプレイの例は、LEDの並びおよび発光ポリマーの並びに基づくものを含む。図17の実施形態では、IIN265は、放射マイクロディスプレイ266と、空間変動NAコンポーネント267とを備えている。典型的には、ディスプレイの放射表面全体に渡り均一NAを有する、光線1077−1079によって示される、マイクロディスプレイからの光は、空間変動NAコンポーネントを照明し、発散光線対1080−1082によって示される出力画像変調光に変換され、NA角度は、X軸に沿って変動する。
【0070】
本発明は、マイクロディスプレイ光学のためのどんな特定の設計も仮定しない。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、偏光ビームスプリッタキューブを備えている。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、ビームスプリッタコーティングが塗布されている、傾斜されたプレートを備えている。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、HOLOGRAPHIC WIDE ANGLE DISPLAYと題された米国特許出願第13/869,866号およびTRANSPARENT WAVEGUIDE DISPLAYと題された米国特許出願第13/844,456号の実施形態のうちのいくつかに基づく偏光選択的ビームスプリッタとしての役割を果たすSBGを備えている導波管デバイスを備えている。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、照明光の開口数を制御するために、屈折コンポーネントおよび湾曲反射表面のうちの少なくとも1つ、または回折光学要素を含む。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、照明光の波長特性を制御するために、スペクトルフィルタを含む。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、迷光を制御するために、開口と、マスクと、フィルタと、コーティングとを含む。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ光学は、バードバス光学を組み込む。
【0071】
次に、空間変動NAコンポーネントの例示的実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネントは、均一に変動するNA特性を有する。いくつかの実施形態では、段階的方式において提供される。空間変動NAコンポーネントの種々の例示的実施形態は、例証にすぎず、多くの修正が、可能である(例えば、種々の要素のサイズ、寸法、構造、形状、および割合、パラメータの値、搭載配列、材料の使用、向き等の変動)。例えば、要素の位置は、逆転または別様に変動させられ得、個別的な要素または位置の性質もしくは数は、改変または変動させられ得る。
【0072】
図18Aに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント270は、ウェッジ271を備えている。図18Bに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント272は、湾曲表面273を有するウェッジを備えている。図18Cに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント274は、要素275、276等の異なるプリズム角度を有するプリズム要素の並びを備えている。図18Dに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント277は、278、279によって示されるレンズ要素等の異なる開口および屈折力を有するレンズの並びを備えている。
【0073】
図19Aに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント280は、要素281A、281B等の散乱要素の並びを備え、それらは、それぞれ、282A、282Bによって示されるもの等の異なる散乱光線角度分布を提供する。いくつかの実施形態では、散乱性質は、基板に適用される表面テクスチャによって提供され得る。いくつかの実施形態では、散乱性質は、基板のバルク性質によって提供され得る。いくつかの実施形態では、基板は、粒子材料のそれと異なる屈折率のマトリクス内に懸濁された粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、基板は、PDLC材料であり得る。図19Bに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント283は、散乱光線角度分布285A、285Bによって示されるように、連続的に変動する散乱特性を有する基板284を備えている。散乱性質は、表面またはバルク媒体特性によって提供され得る。
【0074】
図19Cに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント286は、1軸結晶指数関数288A、288Bによって表される、空間的に変動する複屈折を有する複屈折基板287を備えている。いくつかの実施形態では、基板は、複屈折の連続した変動を提供する。いくつかの実施形態では、基板は、個別的な要素を備え、各々、独特の複屈折を有する。いくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネントは、複屈折性質を伴う散乱基板である。いくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネントは、複屈折基板を使用して実装する、図18A−18Dの実施形態のいずれかに基づく。いくつかの実施形態では、視野全体に渡るNA変動は、Reactive Mesogen材料でコーティングされた薄い基板を備えている、複屈折層を使用して行われる。Reactive Mesogensは、光開始剤および指向性UV光の存在下で互いに重合し、剛体網状体を形成する、例えば、反応性アクリレート末端基を含む液晶性モノマーを備えている重合可能液晶である。液晶分子の末端の相互重合は、その向きを3次元パターンに凍結させる。例示的Reactive Mesogen材料は、Merck KgaA(ドイツ)によって製造されている。
【0075】
図19Dに図示されるもの等のいくつかの実施形態では、空間変動NAコンポーネント286は、回折要素の並びを備え、回折要素の各々は、独特のkベクトルおよび回折効率角度帯域幅によって特徴付けられる。例えば、コンポーネントの一端における要素289Aは、高NAを提供するように構成されるkベクトルkおよび帯域幅Δθとを有する一方、他端における要素289Bは、低NAを提供するように構成される、kベクトルkおよび帯域幅Δθを有する。いくつかの実施形態では、格子特性は、基板全体に渡り持続的に変動する。いくつかの実施形態では、格子は、HPDLC材料において記録されるブラッグホログラムである。いくつかの実施形態では、格子は、表面起伏格子である。いくつかの実施形態では、格子は、コンピュータ生成ホログラム(CGH)等のコンピュータ生成回折構造である。
【0076】
いくつかの実施形態では、IIN設計は、少なくとも部分的に、停止平面の法線ベクトルが最高水平画角と平行に整列させられる(光学軸と平行にではなく)ように、停止平面を傾斜させることによって、NA変動問題に対処する。図20に図示されるように、IIN287は、光学軸1087を中心として対称に配置される限定光線1086、1086Bによって画定された半角θの出力視野を提供するように構成される。停止平面1088は、限界光線1086Bに対して法線である。図示されない導波管入力格子は、水平視野を導波管(図示せず)に結合すると仮定される。
【0077】
前述のように、図10に図示されるもの等のいくつかの実施形態では、導波管ディスプレイは、導波管がIINアセンブリから容易に後退させられることを可能にする光学−機械インターフェースによって、IINに結合される。図21Aは、ニアアイ導波管コンポーネントと、IINとを備えている取り外し可能ニアアイディスプレイ290を示す。導波管コンポーネントは、IINに結合するための光学−機械インターフェースを含む。導波管は、IINアセンブリから後退させられて示される。図21Bは、HMD296の第2の3D図を示し、導波管コンポーネントは、後退させられている。図21Cは、HMD297の3D図を示し、導波管コンポーネントとIINとが接続され、使用のための準備ができている。
【0078】
図22は、本発明によって提供され得る2つの導波管格子レイアウトの概略正面図を示す。図22Aの実施形態では、導波管300は、1086によって示される単一層内に、入力格子302と、折畳格子303と、出力格子304とを備えている成形された導波管を備えている。各格子の内側に示されるフリンジに対して法線ベクトルである3つの格子のkベクトルは、1083−1084によって示される。各例では、kベクトルは、図面の平面に投影されていることに留意されたい。導波管の全体的寸法は、60mm水平×47mm鉛直である。図22Bの実施形態では、導波管310は、1090によって示される単一層内に、入力格子313と、折畳格子314と、出力格子315とを備えている成形された導波管を備えている。各格子の内側に示されるフリンジに対して法線ベクトルである3つの格子のkベクトルは、1087−1089によって示される。各例では、kベクトルは、図面の平面に投影される。導波管の全体的寸法は、75mm水平×60mm鉛直である。図23は、本発明によって提供され得る、さらに一般的導波管格子レイアウトを示す。導波管320は、単一層内に、入力格子322と、折畳格子323と、出力格子324とを備えている長方形導波管を備えている。各格子の内側に示されるフリンジに対して法線ベクトルである3つの格子のkベクトルは、1091−1093によって示される。各例では、kベクトルは、図面の平面に投影される。折畳格子は、この場合、格子の平面に45度に整列させられるブラッグフリンジを有する。
【0079】
図24は、一実施形態における、IINと、導波管コンポーネントとを備えている近接ディスプレイの3D例証である。ディスプレイ330は、IIN 331と、単一層内に、入力格子33および折畳格子334と、出力335とを含む導波管332とを備えている。入口瞳2000から、入力格子、折畳格子、および出力格子を通して、アイボックス2005までの導波管経路は、光線2001−2004によって表される。
【0080】
図25は、オートバイ用HMD340が提供される一実施形態の3D例証であり、HMD340は、ヘルメットの一部を形成するIIN 345に結合するための光学−機械インターフェース344と共にニアアイ導波管343を使用する。装置は、図21に図示されるものに類似する。図25Aは、第1の動作状態341を示し、導波管コンポーネントは、IINアセンブリから完全に後退させられている。図25Bは、その動作状態342におけるディスプレイを示し、導波管コンポーネントは、IINに接続されている。
【0081】
いくつかの実施形態では、本発明の原理による二重拡張導波管ディスプレイは、窓内に統合され得、例えば、道路車両用途のためのフロントガラス統合型HUDである。いくつかの実施形態では、窓統合型ディスプレイは、OPTICAL WAVEGUIDE DISPLAYS FOR INTEGRATION IN WINDOWSと題された米国仮特許出願第62/125,064号およびOPTICAL WAVEGUIDE DISPLAYS FOR INTEGRATION IN WINDOWSと題された米国仮特許出願第62/125,066号に開示される実施形態および教示に基づき得る。いくつかの実施形態では、二重拡張導波管ディスプレイは、IINと導波管との間で画像成分を中継するための屈折率勾配(GRIN)波誘導コンポーネントを含んでもよい。例示的実施形態は、NEAR EYE DISPLAY USING GRADIENT INDEX OPTICSと題された米国仮特許出願第62/123,282号およびWAVEGUIDE DISPLAY USING GRADIENT INDEX OPTICSと題された米国仮特許出願第62/124,550号に開示される。いくつかの実施形態では、二重拡張導波管ディスプレイは、WAVEGUIDE DEVICE INCORPORATING A LIGHT PIPEと題された米国仮特許出願第62/177,494号に開示される実施形態に基づいて、ビーム拡張を1つの方向に提供するための光パイプを組み込み得る。いくつかの実施形態では、IIN内の入力画像源は、COMPACT EDGE ILLUMINATED DIFFRACTIVE DISPLAYと題された米国特許第9,075,184号に開示されるようなレーザスキャナであり得る。本発明の実施形態は、ARおよびVRのためのHMD、ヘルメット搭載型ディスプレイ、投影ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドダウンディスプレイ、(HDD)、オートステレオスコピックディスプレイ、ならびに他の3Dディスプレイを含む、広範囲のディスプレイ内で使用され得る。
【0082】
本開示の実施形態および教示のうちのいくつかは、例えば、眼トラッカ、指紋スキャナ、およびLIDARシステム等、導波管センサにおいて適用され得る。
【0083】
図面は、例示的であり、寸法は、誇張されていることを強調されたい。例えば、SBG層の厚さは、大幅に誇張されている。前述の実施形態のいずれかに基づく光学デバイスは、IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICESと題されたPCT出願第PCT/GB2012/000680号に開示される材料およびプロセスを使用するプラスチック基板を使用して、実装され得る。いくつかの実施形態では、二重拡張導波管ディスプレイは、湾曲され得る。
【0084】
種々の例示的実施形態に示されるようなシステムおよび方法の構造および配列は、例証にすぎない。いくつかの実施形態のみが、本開示に詳細に説明されているが、多くの修正が、可能性として考えられる(例えば、種々の要素のサイズ、寸法、構造、形状、および割合、パラメータの値、搭載配列、材料の使用、色、向き等の変動)。例えば、要素の位置は、逆転または別様に変動させられ得、個別的な要素または位置の性質もしくは数は、改変または変動させられ得る。故に、全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。任意のプロセスまたは方法ステップの順序もしくはシーケンスは、代替実施形態に従って、変動させられる、または並べ替えられ得る。他の代用、修正、変更、および省略は、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態の設計、動作条件、および配列に行われ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18A-18D】
図19A-19D】
図20
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図23
図24
図25A
図25B