(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された車載機と、車両の利用者が携帯する携帯機との間で送受信される無線信号に基づいて、車両のドアの施解錠などのような、車両に搭載された対象物の作動が許可または禁止される車両通信システムがある。この車両通信システムは、自動車などの車両における防犯性と利用者の利便性を向上させるためのものである。
【0003】
車載機と携帯機には、無線信号を送受信する送信部および受信部がそれぞれ備わっている。車載機の送信部は、車両の外部や内部に応答要求信号を送信する。携帯機が通信可能な距離まで車両に近づくと、車載機の送信部により送信された応答要求信号が、携帯機の受信部により受信され、携帯機の送信部から応答信号が返信される。そして、その応答信号が車載機の受信部により受信されると、車載機が、応答信号に含まれるID(識別情報)を用いて携帯機の認証を行い、該認証が成立すると、車両のドアの施解錠などを行う。
【0004】
ところで、車載制御装置から送信された応答要求信号を中継器により中継して、遠方にある携帯機に受信させ、該携帯機が車両の近傍にあるかのように偽装する不正な通信行為が行われることがある。この中継器を用いた不正な通信行為は、リレーアタックと呼ばれている。リレーアタックにより、車両の所有者でない悪意の第三者が、車両のドアを解錠したり、エンジンを始動したりして、窃盗などの犯罪を行うおそれがある。
【0005】
そこで、リレーアタックへの防犯対策として、たとえば特許文献1では、車載機から信号強度の異なる2つの無線信号を送信し、両無線信号の受信強度を携帯機で検出する。そして、その2つの無線信号の受信強度の差が閾値より大きい場合に、対象物の制御を許可し、該受信強度の差が閾値以下の場合に、中継器を用いた不正な通信であると判断して、対象物の制御を禁止する。リレーアタックで用いられる中継器では、車載機から送信された2つの無線信号を中継するが、それらの無線信号の強度までは再現することができない。このため、リレーアタックが行われた場合は、携帯機で検出した2つの無線信号の受信強度に差が生じず、該差が閾値以下となるので、中継器を用いた不正な通信であると判断し、対象物の制御を禁止することができる。
【0006】
しかし、車載機から強度の異なる2つの無線信号を送信する際に、携帯機が移動すると、リレーアタックが行われているにも関わらず、携帯機で検出した2つの無線信号の受信強度に差が生じ、防犯性が低下してしまう。この対策として、特許文献1では、車載機からの2つの無線信号の送信時間間隔を、両無線信号の強度の差が閾値以下になるように設定している。
【0007】
また、携帯機で検出する無線信号の受信強度は、携帯機が車載機に近づく程大きくなるが、ある値で飽和してしまう。つまり、携帯機で検出可能な受信強度には上限があるので、携帯機が車載機に所定距離より近くまで接近すると、車載機から強度の異なる2つの無線信号を送信しても、携帯機で検出した2つの無線信号の受信強度に差が生じなくなる。このため、対象物の制御が許可されず、利用者の利便性が低下してしまう。
【0008】
それに対して、特許文献2では、強度が「大」の第1測定用信号と、強度が「中」の第2測定用信号とを車載機から送信して、携帯機で検出した両測定用信号の受信強度差が閾値以下である場合は、第1測定用信号と、強度が「小」の第3測定用信号とを車載機から送信する。この第3測定用信号の強度を、携帯機で検出可能な受信強度の上限より小さくすることで、第1測定用信号と第3測定用信号の受信強度に確実に差が生じるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来は、リレーアタックに対する防犯性の向上に加えて、車載機と携帯機との接近時の利用者の利便性の向上のため、強度の異なる2つの無線信号の送信、各無線信号の強度の検出、および該強度の差と閾値との比較といった処理を、一旦行った後、再度行っている。しかし、このように各処理をリトライすると、時間を要して、車載機と携帯機の通信応答性が低下してしまう。
【0011】
本発明の課題は、車載機と携帯機から成る車両通信システムにおいて、リレーアタックに対する防犯性と、利用者の利便性および通信応答性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による車両通信システムは、車両に搭載される車載機と、車両の利用者が携帯する携帯機とから構成され、車載機と携帯機との間で送受信された無線信号に基づいて、車両に搭載された対象物の制御が許可または禁止される。車載機と携帯機の一方に、第1無線信号、該第1無線信号より強度の弱い第2無線信号、および該第2無線信号より強度の弱い第3無線信号
の全てを連続して送信する送信部が設けられ、他方に、送信部から
連続して送信された
3つの無線信号の強度をそれぞれ検出する検出部が設けられる。さらに、車載機または携帯機に、検出部により検出された各無線信号の強度のうち、いずれか2つの無線信号の強度差が閾値より大きいか否かを判断する判断部が設けられる。
また、第2無線信号の受信強度が上限値で飽和する時点の車載機と携帯機の離間距離より、第3無線信号の受信強度が検出部で検出され始める時点の離間距離の方が長くなるように、第2無線信号と第3無線信号の送信強度が設定されている。そして、第1無線信号と第2無線信号の強度差が第1閾値より大きいという第1条件、第2無線信号と第3無線信号の強度差が第2閾値より大きいという第2条件、および第1無線信号と第3無線信号の強度差が第3閾値より大きいという第3条件のうち、いずれかの条件が満たされた場合に、対象物の制御が許可される。
【0013】
上記によると、車載機と携帯機の一方から、強度が順に弱くなる第1無線信号、第2無線信号、および第3無線信号を
連続して送信し、他方でその
3つの無線信号の強度を検出する。そして、いずれか2つの無線信号の強度差が閾値より大きい場合に、対象物の制御が許可される。このため、リレーアタックが行われた場合は、いずれか2つの無線信号の強度に差が生じないので、対象物の制御が許可されることはなく、防犯性を向上させることができる。また、携帯機が車載機に接近した場合でも、第1無線信号、第2無線信号、および第3無線信号のうち、いずれか2つの無線信号の強度に差が生じて、該強度差が閾値より大きくなるので、対象物の制御を許可して、利用者の利便性を向上させることができる。さらに、第1無線信号、第2無線信号、および第3無線信号を送信してから、該無線信号の強度を検出して、いずれか2つの無線信号の強度差を閾値と比較するので、これら一連の処理を一旦行った後、再度行う(リトライする)必要がなく、車載機と携帯機の通信応答性を向上させることができる。
【0014】
本発明では、上記車両通信システムにおいて、判断部は、まず、第1無線信号と第2無線信号の強度差が第1閾値より大きいか否かの判断を行い、第1無線信号と第2無線信号の強度差が第1閾値より大きくなければ、次に、第2無線信号と第3無線信号の強度差が第2閾値より大きいか否かの判断、または第1無線信号と第3無線信号の強度差が第3閾値より大きいか否かの判断を行ってもよい。
【0015】
また、本発明では、上記車両通信システムにおいて、判断部は、第1無線信号と第2無線信号の強度差が第1閾値より大きくないと判断すると、次に、第2無線信号と第3無線信号の強度差が第2閾値より大きいか否かの判断を行い、第2無線信号と第3無線信号の強度差が第2閾値より大きくないと判断すると、次に、第1無線信号と第3無線信号の強度差が第3閾値より大きいか否かの判断を行ってもよい。
【0016】
本発明による車載機は、車両に搭載され、車両の利用者に携帯される携帯機との間で送受信した無線信号に基づいて、車両に搭載された対象物の制御を許可または禁止する。車載機には、第1無線信号、第1無線信号より強度の弱い第2無線信号、および第2無線信号より強度の弱い第3無線信号
の全てを連続して送信する車載機送信部と、携帯機が
連続して送信された3つの無線信号を受信して検出した当該3つの無線信号の強度を含む応答信号を、携帯機から受信する車載機受信部と、応答信号に含まれる各無線信号の強度のうち、いずれか2つの無線信号の強度差が閾値より大きいか否かを判断する判断部とが設けられる。
また、第2無線信号の受信強度が上限値で飽和する時点の車載機と携帯機の離間距離より、第3無線信号の受信強度が携帯機で検出され始める時点の離間距離の方が長くなるように、第2無線信号と第3無線信号の送信強度が設定されている。車載機は、第1無線信号と第2無線信号の強度差が第1閾値より大きいという第1条件、第2無線信号と第3無線信号の強度差が第2閾値より大きいという第2条件、および第1無線信号と第3無線信号の強度差が第3閾値より大きいという第3条件のうち、いずれかの条件が満たされた場合に、対象物の制御を許可する。
【0017】
本発明では、上記判断部は携帯機に備わっていてもよい。この場合、車載機は、携帯機から送信された判断部の判断結果を車載機受信部により受信する。
【0018】
本発明による携帯機は、車両の利用者に携帯されるものであって、車両に搭載された対象物の作動を許可または禁止するための無線信号を、車両に搭載された車載機との間で送受信する。携帯機は、車載機から
連続して送信された第1無線信号、第1無線信号より強度の弱い第2無線信号、および第2無線信号より強度の弱い第3無線信号
を全て受信して、
当該3つの無線信号の強度を検出する検出部と、第1無線信号と第2無線信号の強度差が第1閾値より大きいという第1条件、第2無線信号と第3無線信号の強度差が第2閾値より大きいという第2条件、および第1無線信号と第3無線信号の強度差が第3閾値より大きいという第3条件のうち、いずれかの条件が満たされた場合に対象物の制御を許可するための情報を含んだ応答信号、または検出部の検出結果を含んだ応答信号を車載機へ送信する携帯機送信部とを備える。
また、第2無線信号の受信強度が上限値で飽和する時点の車載機と携帯機の離間距離より、第3無線信号の受信強度が検出部で検出され始める時点の離間距離の方が長くなるように、第2無線信号と第3無線信号の送信強度が設定されている。
【0019】
本発明では、上記携帯機において、前記各条件の成否を判断する判断部をさらに備え、該判断部の判断結果を応答信号に含めて携帯機送信部により車載機へ送信してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、車載機と携帯機から成る車両通信システムにおいて、リレーアタックに対する防犯性が向上するとともに、車載機と携帯機との接近時の利用者の利便性および通信応答性も向上する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0023】
まず、実施形態の車両通信システム100の構成を、
図1〜
図4を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、車両通信システム100の構成図である。
図2は、車両通信システム100を搭載した車両30の無線通信範囲を示した図である。
【0025】
車両通信システム100には、車両30に搭載された車載機10と、利用者が携帯する携帯機20とが備わっている。車両30は、
図2に示すような自動四輪車から成る。
【0026】
車両通信システム100では、車載機10と携帯機20との間で送受信される無線信号に基づいて、車両30に搭載された対象物の制御が許可または禁止される。具体的には、対象物として、車両30のドアを施解錠するドアロック装置5(
図1)の制御が許可または禁止される。
【0027】
車載機10は、制御部1、車載機送信部2、および車載機受信部3を備えている。制御部1は、CPUとメモリなどから構成されている。制御部1には、信号強度検出部1bが備わっている。
【0028】
車載機送信部2には、送信アンテナ2aとLF信号送信回路2bが含まれている。車載機送信部2は、車両30に複数設置されている(
図1では1つのみ図示)。
【0029】
車載機送信部2の送信アンテナ2aは、たとえば
図2に示すように、車両30の運転席のドア31、助手席のドア32、バックドア35、および車室内にそれぞれ設置されている。
【0030】
そのうち、送信アンテナ2aがドア31、32、35に設置された車載機送信部2は、LF信号送信回路2bでLF(Low Frequency;長波)帯域の無線信号を生成して、各送信アンテナ2aから車室外にある携帯機20へ無線信号を送信する。送信アンテナ2aが車室内に設置された車載機送信部2は、LF信号送信回路2bでLF帯域の無線信号を生成して、送信アンテナ2aから車室内にある携帯機20へ無線信号を送信する。
【0031】
車載機送信部2により送信する無線信号には、携帯機20からの応答を要求する応答要求信号が含まれる。応答要求信号には、車載機10の固有のID(識別情報)などのデータが含まれている。
【0032】
図1の制御部1は、応答要求信号の強度を「大」「中」「小」の3段階に切り替える。制御部1は、強度が「大」の第1応答要求信号、強度が「中」の第2応答要求信号、および強度が「小」の第3応答要求信号を、各車載機送信部2により送信する。つまり、第1応答要求信号が最も強度が高く、第2応答要求信号が第1応答要求信号より強度が弱く、第3応答要求信号が第2応答要求信号より強度が弱い。
【0033】
このため、
図2に示すように、車両30の車室外において、携帯機20が第1応答要求信号を受信可能な範囲A1より、第2応答要求信号を受信可能な範囲A2の方が狭くなっている。また、携帯機20が第2応答要求信号を受信可能な範囲A2より、第3応答要求信号を受信可能な範囲A3の方が狭くなっている。
【0034】
車載機送信部2は、本発明の「送信部」の一例である。第1応答要求信号は、本発明の「第1無線信号」の一例である。第2応答要求信号は、本発明の「第2無線信号」の一例である。第3応答要求信号は、本発明の「第3無線信号」の一例である。
【0035】
車載機受信部3には、受信アンテナ3aとRF信号受信回路3bが含まれている。車載機受信部3は、携帯機20から送信されたRF(Radio Frequency;高周波)帯域の無線信号を、受信アンテナ3aとRF信号受信回路3bにより受信する。制御部1の信号強度検出部1bは、車載機受信部3により受信した無線信号の強度を検出する。
【0036】
制御部1は、車載機送信部2と車載機受信部3とを制御して、携帯機20と無線通信し、携帯機20に対して信号や情報の送受信を行う。また、制御部1は、各車載機送信部2により送信する応答要求信号の強度を切り替える。
【0037】
パッシブリクエストスイッチ4は、車載機10の制御部1に接続されている。パッシブリクエストスイッチ4は、車両30に複数設けられている。具体的には、パッシブリクエストスイッチ4は、
図2に示すように、車両30の運転席のドア31の外ノブ、助手席のドア32の外ノブ、およびバックドア35の外ノブに設けられている。車両30の利用者がいずれかのドア31、32、35の外ノブに接近または接触することで、パッシブリクエストスイッチ4が操作される(オフからオンへ切り替わる)。
【0038】
他の例として、車両30の後部座席の右側ドア33や左側ドア34にも、パッシブリクエストスイッチ4を設けてもよい。
【0039】
図1のドアロック装置5は、車載機10の制御部1に接続されている。ドアロック装置5は、車両30の各ドア31〜35の施解錠を行うための機構と、該機構の駆動回路から成る。制御部1がドアロック装置5を制御することで、各ドア31〜35の施解錠が行われる。
【0040】
エンジンスイッチ6とエンジン装置7は、車載機10の制御部1に接続されている。エンジンスイッチ6は、車両30の車室内の運転席の近傍に設置されている。エンジン装置7は、エンジンスイッチ6の操作に基づいて、車両30のエンジンの始動と停止を行う。
【0041】
携帯機20は、キーFOBから成る。携帯機20は、制御部21、携帯機受信部22、携帯機送信部23、およびドアスイッチ24を備えている。制御部21は、CPUとメモリなどから構成されている。制御部21には、信号強度検出部21bが備わっている。この信号強度検出部21bは、携帯機受信部22に設けられていてもよい。
【0042】
携帯機受信部22には、受信アンテナ22aとLF信号受信回路22bとが含まれている。携帯機受信部22は、LF帯域の無線信号を、受信アンテナ22aとLF信号受信回路22bにより受信する。携帯機受信部22により受信する無線信号には、前述した第1応答要求信号、第2応答要求信号、および第3応答要求信号が含まれる。
【0043】
制御部21の信号強度検出部21bは、携帯機受信部22により受信した各応答要求信号の強度(RSSI値)を検出する。信号強度検出部21bは、本発明の「検出部」の一例である。
【0044】
図3は、携帯機20の信号強度検出部21bで検出する応答要求信号の受信強度を示した図である。たとえば、車載機送信部2により第1応答要求信号LF1、第2応答要求信号LF2、および第3応答要求信号LF3が順に送信される。この場合、その順で各応答要求信号が携帯機受信部22により受信され、各応答要求信号の受信強度が信号強度検出部21bにより検出される。
【0045】
前述したように、車載機送信部2により送信する各応答要求信号の強度は、第1応答要求信号、第2応答要求信号、第3応答要求信号の順で弱くなっている。このため、携帯機20で検出される各応答要求信号の受信強度も、
図3に示すように、最初に受信される第1応答要求信号LF1、次に受信される第2応答要求信号LF2、最後に受信される第3応答要求信号LF3の順で弱くなる。
【0046】
図4は、携帯機20と車載機送信部2の送信アンテナ2aとの距離と、携帯機20の信号強度検出部21bで検出する応答要求信号の受信強度との関係を示した図である。
【0047】
図4に示すように、各応答要求信号LF1、LF2、LF3が携帯機受信部2により受信されて、それらの強度が信号強度検出部21bで検出され始めるタイミングは、携帯機20と車載機送信部2の送信アンテナ2aとの距離(以下、「離間距離」という。)に応じて異なる。具体的には、第1応答要求信号LF1の強度が信号強度検出部21bで検出され始める離間距離D1より、第2応答要求信号LF2の強度が信号強度検出部21bで検出され始める離間距離D2の方が短い(D1>D2)。また、第2応答要求信号LF2の強度が信号強度検出部21bで検出され始める離間距離D2より、第3応答要求信号LF3の強度が信号強度検出部21bで検出され始める離間距離D4の方が短い(D2>D4)。
【0048】
そして、信号強度検出部21bで検出する各応答要求信号LF1、LF2、LF3の強度は、携帯機20が送信アンテナ2aに接近するに連れて強くなる。然るに、信号強度検出部21bで検出可能な無線信号の強度には上限がある。このため、携帯機20が送信アンテナ2aに
離間距離D3以下まで近づくと、携帯機20で検出する第1応答要求信号LF1の受信強度は上限値で飽和する。さらに、携帯機20が送信アンテナ2aに
離間距離D5以下まで近づくと、携帯機20で検出する第2応答要求信号LF2の受信強度も上限値で飽和する。
離間距離D3は
離間距離D5より長い(D3>D5)。
【0049】
携帯機20で検出する第1応答要求信号LF1の受信強度が上限値で飽和する
時点の離間距離D3より、第2応答要求信号LF2の強度が信号強度検出部21bで検出され始める
時点の離間距離D2の方が長くなるように、車載機送信部2により送信する第1応答要求信号LF1と第2応答要求信号LF2の送信強度が設定されている。
【0050】
また、携帯機20で検出する第2応答要求信号LF2の受信強度が上限値で飽和する
時点の離間距離D5より、第3応答要求信号LF3の強度が信号強度検出部21bで検出され始める
時点の離間距離D4の方が長くなるように、車載機送信部2により送信する第2応答要求信号LF2と第3応答要求信号LF3の送信強度が設定されている。
【0051】
さらに、携帯機20が送信アンテナ2aに極近距離(ほぼ0)まで接近しても、携帯機20で検出する第3応答要求信号LF3の受信強度が上限で飽和しない(上限に達しない)ように、車載機送信部2により送信する第3応答要求信号LF3の送信強度が設定されている。
【0052】
図1において、携帯機送信部23には、送信アンテナ23aとRF信号送信回路23bとが含まれている。携帯機送信部23は、RF信号送信回路23bで生成したRF帯域の無線信号を、送信アンテナ23aから車載機10へ送信する。携帯機送信部23が送信する無線信号(RF信号)には、前述した応答要求信号に対して応答する応答信号と、後述する遠隔操作信号が含まれる。
【0053】
ドアスイッチ24は、車両30のドア31〜35を施解錠するために、利用者により操作される。ドアスイッチ24が操作されると、制御部21がその操作に応じた遠隔操作信号を生成し、該遠隔操作信号を携帯機送信部23により車載機10へ送信する。
【0054】
制御部21は、携帯機受信部22と携帯機送信部23とを制御して、車載機10と無線通信し、車載機10に対して信号や情報の送受信を行う。
【0055】
携帯機20が携帯機送信部23により車載機10に対して送信する遠隔操作信号や応答信号には、携帯機20の固有のID(識別情報)などのデータが含まれる。また、応答信号には、上述したように受信強度検出部21bにより検出した各応答要求信号の受信強度の値も含まれる。
【0056】
携帯機20から送信された遠隔操作信号が車載機受信部3により受信されると、車載機10の制御部1は、該遠隔操作信号に含まれる携帯機20のIDに基づいて、携帯機20の認証を行う。詳しくは、遠隔操作信号に含まれる携帯機20のIDと、予め記憶された車載機10のIDとの照合を行う。そして、両IDが一致すると、制御部1は、携帯機20の認証が成功したと判断し、上記遠隔操作信号に基づいてドアロック装置5の制御を許可して、車両30のドアを施解錠する(キーレスエントリ方式)。
【0057】
また、携帯機20を携帯した利用者が車両30に接近して、いずれかのパッシブリクエストスイッチ4が操作されると、車載機10の制御部1が、たとえば各車載機送信部2により第1応答要求信号、第2応答要求信号、および第3応答要求信号をこの順で送信する。各応答要求信号が携帯機受信部22により受信されると、携帯機20の制御部21が、その都度受信強度検出部21bにより各応答要求信号の強度(RSSI値)を検出する。そして、制御部21は、その検出した各強度値と携帯機20のIDとを含んだ応答信号を、携帯機送信部23により車載機10へ送信する。車載機受信部3により応答信号が受信されると、車載機10の制御部1が、該応答信号に含まれる各応答要求信号の強度値のうち、いずれか2つの強度差と所定の閾値との大小関係を判断する。また、制御部1は、応答信号に含まれる携帯機20のIDに基づいて、携帯機20の認証を行う。そして、制御部1は、上記大小関係の判断結果と、携帯機20の認証結果とに基づいて、ドアロック装置5の制御を許可して、車両30のドアの施解錠を実行したり、ドアロック装置5の制御を禁止して、ドアの施解錠状態を維持したりする(パッシブエントリ方式)。制御部1は、本発明の「判断部」の一例である。
【0058】
次に、車載機10と携帯機20の動作を、
図5を参照しながら詳しく説明する。以下では、パッシブエントリ方式の場合の動作を例に挙げる。
【0059】
図5は、第1実施形態による車載機10と携帯機20の動作を示したフローチャートである。携帯機20が車両30の車室外にあるときに、利用者によりいずれかのパッシブリクエストスイッチ4が操作されると、車載機10の制御部1が該操作を検出する(ステップS1:YES)。そして、制御部1は、車載機送信部2により第1応答要求信号、第2応答要求信号、および第3応答要求信号を順に送信する(ステップS2)。
【0060】
携帯機20では、携帯機受信部22により第1応答要求信号、第2応答要求信号、および第3応答要求信号を受信すると(ステップS3)、信号強度検出部21bにより各応答要求信号の強度を検出する(ステップS4)。そして、制御部21は、その検出した各応答要求信号の強度値と携帯機20のIDとを含んだ応答信号(RF信号)を携帯機送信部23により送信する(ステップS5)。
【0061】
車載機10において、車載機送信部2から各応答要求信号を送信した後、所定時間内に応答信号を車載機受信部3により受信したとする(ステップS6:YES)。この場合、制御部1は、応答信号に含まれる各応答要求信号の強度値のうち、第1応答要求信号と第2応答要求信号の強度差を算出し、該差が所定の閾値T1より大きいか否かを判定する(ステップS7)。
【0062】
このとき、第1応答要求信号と第2応答要求信号の強度差が閾値T1以下であれば(ステップS7:NO)、制御部1は、第2応答要求信号と第3応答要求信号の強度差を算出し、該差が所定の閾値T2より大きいか否かを判定する(ステップS8)。このとき、第2応答要求信号と第3応答要求信号の強度差が閾値T2以下であれば(ステップS8:NO)、制御部1は、第1応答要求信号と第3応答要求信号の強度差を算出し、該差が所定の閾値T3より大きいか否かを判定する(ステップS9)。
【0063】
そして、第1応答要求信号と第3応答要求信号の強度差が閾値T3以下であれば(ステップS9:NO)、制御部1は、ドアロック装置5の制御を禁止して、ドア31〜35の施解錠を実行することはない(ステップS13)。
【0064】
一方、第1応答要求信号と第2応答要求信号の強度差が閾値T1より大きいという第1条件(ステップS7:YES)、第2応答要求信号と第3応答要求信号の強度差が閾値T2より大きいという第2条件(ステップS8:YES)、または第1応答要求信号と第3応答要求信号の強度差が閾値T3より大きいという第3条件(ステップS9:YES)のうち、いずれか1つが成立したとする。この場合、制御部1は、携帯機20から受信した応答信号に基づいて携帯機20の認証を行う。
【0065】
このとき、制御部1は、受信した応答信号に含まれる携帯機20のIDと、予め記憶された車載機10のIDとの照合を行う。そして、両IDが一致すると、制御部1は、携帯機20の認証が成功したと判断し(ステップS11:YES)、ドアロック装置5の制御を許可して、ドア31〜35の施解錠を実行する(ステップS12)。
【0066】
他方、車載機送信部2による応答要求信号の送信後に、応答信号を受信することなく(ステップS6:NO)、所定時間が経過したとする(ステップS10:YES)。または、応答信号を受信しても(ステップS6:YES)、該応答信号に含まれる携帯機20のIDと車載機10のIDとが一致しないため、携帯機20の認証が成功することなく(ステップS11:NO)、所定時間が経過したとする(ステップS10:YES)。これらの場合、制御部1は、ドアロック装置5の制御を禁止して、ドア31〜35の施解錠を実行することはない(ステップS13)。
【0067】
次に、上述した車両通信システム100の効果を、
図6〜
図8を参照しながら説明する。
【0068】
図6〜
図8は、車載機10と携帯機20の通信状態と、携帯機20で検出する応答要求信号の受信強度とを示した図である。
【0069】
上述した車両通信システム100では、車載機10から、強度が順に弱くなる第1応答要求信号、第2応答要求信号、および第3応答要求信号を送信し、携帯機20で各応答要求信号の強度を検出する。そして、いずれか2つの応答要求信号の強度差が対応する閾値より大きい場合に、車載機10によりドアロック装置5の制御が許可され、車両30のドア31〜35が施解錠される。
【0070】
このため、たとえば
図6に示すように、携帯機20が車両30に近づいて、携帯機20と車載機10の送信アンテナ2aとの距離が、
離間距離D1より短く、かつ
離間距離D4より長くなって、第1応答要求信号LF1と第2応答要求信号LF2の強度差が閾値T1より大きくなったとする。この場合は、ドアロック装置5の制御が許可され、車両30のドア31〜35が施解錠される。
【0071】
また、たとえば
図7に示すように、携帯機20が車両30に一層近づいて、携帯機20と車載機10の送信アンテナ2aとの距離が、
離間距離D4より短くなって、第1応答要求信号LF1と第2応答要求信号LF2の強度差が閾値T1以下になったとする。然るに、第2応答要求信号LF2と第3応答要求信号LF3、または第1応答要求信号LF1と第3応答要求信号LF3のうち、いずれか2つの応答要求信号の強度に差が生じるので、該強度差が閾値T2、T3より大きくなる。このため、車載機10と携帯機20との接近時にも、ドアロック装置5の制御が許可され、車両30のドア31〜35が施解錠され、利用者の利便性を向上させることができる。
【0072】
また、車載機10から第1応答要求信号LF1、第2応答要求信号LF2、および第3応答要求信号LF3を連続して送信してから、携帯機20で各応答要求信号の強度を検出し、該検出結果を受信した車載機10でいずれか2つの応答要求信号の強度差を閾値と比較する。このため、これら一連の処理を一旦行った後、再度行う(リトライする)必要がなく、車載機10と携帯機20の通信応答性を向上させることができる。
【0073】
また、たとえば
図8に示すように、中継器を用いたリレーアタックが行われた場合は、中継器が車載機10と携帯機20との間で3つの応答要求信号LF1〜LF3を中継しても、各応答要求信号の強度までは再現することができない。このため、3つの応答要求信号LF1〜LF3のうち、いずれの2つの応答要求信号についても、強度に差が生じず、ドアロック装置5の制御が禁止されて、ドア31〜35が施解錠されることはない。よって、車両30の防犯性を向上させることができる。
【0074】
また、車載機10において、第1応答要求信号LF1と第2応答要求信号LF2の強度差が閾値T1より大きいと判断した場合は、他の2つの組み合わせの応答要求信号(LF2とLF3、LF1とLF3)の強度差と閾値T2、T3との大小比較を行うことなく、ドアロック装置5の制御を許可し、ドア31〜35を施解錠する。さらに、第1応答要求信号LF1と第2応答要求信号LF2の強度差が閾値T1以下であっても、第2応答要求信号LF2と第3応答要求信号LF3の強度差が閾値T2より大きいと判断した場合は、第1応答要求信号LF1と第3応答要求信号LF3の強度差と閾値T3との大小比較を行うことなく、ドアロック装置5の制御を許可し、ドア31〜35を施解錠する。このため、強度差と閾値との大小比較および判断の処理を減少させて、車載機10と携帯機20の通信応答性を一層向上させることができる。
【0075】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、車載機10から送信した3つの応答要求信号(第1〜第3応答要求信号)の強度を携帯機20で検出し、そのうちいずれか2つの応答要求信号の強度差と閾値との大小比較を車載機10で行った例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば
図9に示す第2実施形態のように、第1〜第3応答要求信号の強度を携帯機20の信号強度検出部21bにより検出した(ステップS4)後、2つの応答要求信号の強度差と閾値との大小比較を携帯機20の制御部21で行ってもよい(ステップS4a〜S4c)。制御部21は、本発明の「判断部」の一例である。
【0076】
図9の第2実施形態では、携帯機20の制御部21は、いずれか2つの応答要求信号の強度差が閾値より大きいと判断した場合(ステップS4a:YES、ステップS4b:YES、またはステップS4c:YES)、該判断結果を示す条件成立情報を含んだ応答信号を携帯機送信部23により車載機10へ送信する(
図8のステップS5a)。また、制御部21は、いずれの2つの応答要求信号の強度差も閾値以下であったと判断した場合(ステップS4a:NO、ステップS4b:NO、およびステップS4c:NO)、該判断結果を示す条件不成立情報を含んだ応答信号を携帯機送信部23により車載機10へ送信する(ステップS5b)。
【0077】
そして、車載機10では、車載機受信部3により受信した応答信号に条件成立情報が含まれていなければ(ステップS7a:NO)、制御部1が、ドアロック装置5の制御を禁止して、ドア31〜35の施解錠を実行することはない(ステップS13)。一方、車載機受信部3により受信した応答信号に条件成立情報が含まれていれば(ステップS7a:YES)、制御部1は、さらに携帯機20の認証が成功したことを確認した(ステップS11:YES)後、ドアロック装置5の制御を許可して、ドア31〜35の施解錠を実行する(ステップS12)。つまり、携帯機20から送信される上記条件成立情報は、本発明の「対象物の制御を許可するための情報」の一例である。
【0078】
上記第2実施形態によっても、リレーアタックが行われた場合は、いずれか2つの応答要求信号の強度に差が生じないので、車両30のドア31〜35が施解錠されることはなく、防犯性を向上させることができる。また、携帯機20が車載機10に接近した場合でも、いずれか2つの応答要求信号の強度に差が生じて、該差が閾値より大きくなり、ドア31〜35が施解錠されて、利用者の利便性を向上させることができる。さらに、強度の異なる3つの応答要求信号を車載機10から連続して送信した後、各応答要求信号の強度を検出して、いずれか2つの応答要求信号の強度差を閾値と比較するので、これら一連の処理を一旦行った後、再度行う必要がなく、車載機10と携帯機20の接近時の通信応答性を向上させることができる。
【0079】
以上の実施形態では、車載機10から強度の異なる3つの応答要求信号LF1、LF2、LF3を送信し、各応答要求信号の強度を携帯機20で検出した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、以下で述べる第3実施形態(
図10)のように、携帯機20の携帯機送信部23から強度の異なる3つの応答信号RF1、RF2、RF3を送信し、各応答信号の強度を車載機10の信号強度検出部1bで検出してもよい。携帯機送信部23は、本発明の「送信部」の一例である。信号強度検出部1bは、本発明の「検出部」の一例である。
【0080】
図10の第3実施形態では、パッシブリクエストスイッチ4が操作されたことを検出すると(ステップS1:YES)、車載機10の制御部1が応答要求信号を送信する(ステップS2a)。携帯機20では、携帯機受信部22により応答要求信号を受信すると(ステップS3a)、制御部21が、第1応答信号RF1、第1応答信号より強度の弱い第2応答信号RF2、および第2応答信号より強度の弱い第3応答信号RF3を、携帯機送信部23により順に送信する(ステップS5c)。このとき、少なくともいずれか1つの応答信号には、携帯機20のIDが含まれている。第1応答信号は、本発明の「第1無線信号」の一例であり、第2応答信号は、本発明の「第2無線信号」の一例であり、第3応答信号は、本発明の「第3無線信号」の一例である。
【0081】
車載機10において、各応答信号RF1〜RF3を車載機受信部3により受信すると(ステップS6a:YES)、制御部1が、各応答信号RF1〜RF3の強度を信号強度検出部1bにより検出する(ステップS6b)。さらに、制御部1は、2つの応答信号の強度差を算出し、該差が所定の閾値T1’、T2’、T3’より大きいか否かを判定する(ステップS7a、S8a、S9a)。そして、制御部1は、いずれか2つの応答信号の強度差が閾値より大きいと判断した場合(ステップS7a:YES、ステップS8a:YES、またはステップS9a:YES)、携帯機20の認証を行う。そして、制御部1は、携帯機20の認証が成功したことを確認すると(ステップS11:YES)、ドアロック装置5の制御を許可して、ドア31〜35の施解錠を実行する(ステップS12)。一方、制御部1は、いずれの2つの応答信号の強度差も閾値以下であったと判断した場合(ステップS7a:NO、ステップS8a:NO、およびステップS9a:NO)、ドアロック装置5の制御を禁止して、ドア31〜35の施解錠を実行することはない(ステップS13)。
【0082】
以上の実施形態では、第1応答要求信号LF1と第2応答要求信号LF2の強度差が第1閾値T1より大きいという第1条件が不成立の場合に、第2応答要求信号LF2と第3応答要求信号LF3の強度差が第2閾値T2より大きいという第2条件の成否を確認した例を示した。また、第2応答要求信号LF2と第3応答要求信号LF3の強度差が第2閾値T2より大きいという第2条件が不成立の場合に、第1応答要求信号LF1と第3応答要求信号LF3の強度差が第3閾値T3より大きいという第3条件の成否を確認した例を示した。然るに、本発明はこれのみに限定するものではなく、たとえば上記3つの条件の成否を一度にまたは連続して確認してもよい。
【0083】
また、以上の実施形態では、車載機10において、携帯機20で検出した応答要求信号の強度差と閾値との大小比較を行った後、携帯機20の認証を行った例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、携帯機の認証が成功したことを確認した後、応答要求信号の強度差と閾値との大小比較を行うようにしてもよい。
【0084】
また、以上の実施形態では、パッシブリクエストスイッチ4が操作されたことに起因して、車載機10から応答要求信号を送信するパッシブエントリ方式を例に挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、スイッチ操作に関係なく、車載機送信部2から所定の周期で間欠的に応答要求信号を送信するポーリング方式にも、本発明を適用することは可能である。
【0085】
また、他の例として、携帯機20がドアスイッチ24の操作に基づいて遠隔操作信号を送信した後、該遠隔操作信号を受信した車載機10が携帯機20に応答するために無線信号(LF信号)を送信する場合にも、本発明を適用することは可能である。
【0086】
また、以上の実施形態では、車外にある携帯機20に対して、3つの送信アンテナ2aにより応答要求信号を送信した例を示したが(
図2)、本発明はこれのみに限定するものではない。送信アンテナの設置数や設置箇所は、適宜設定すればよい。
【0087】
また、以上の実施形態では、車両通信システム100において制御を許可・禁止する対象物として、車両30のドアを施解錠するドアロック装置5を例に挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、車両の走行駆動源(エンジンなど)を始動・停止する走行駆動装置、車両のエアコンを駆動するエアコン装置、オーディオシステム、またはドアなどの開閉体の自動開閉装置などのような、他の車載対象物の作動を許可・禁止してもよい。
【0088】
さらに、以上の実施形態では、自動四輪車用の車両通信システム100、車載機10、および携帯機20に本発明を適用した例を挙げたが、たとえば自動二輪車や大型自動車などの他の車両用の車両通信システム、車載機、および携帯機に対しても、本発明を適用することは可能である。