(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理サーバは、前記公開サーバから受け渡された前記来客者情報を来客者の個人情報とそれ以外の一般情報とに分離して前記データベース上で管理することを特徴とする請求項1に記載の来客者情報管理システム。
前記情報送信手段は、前記データベースに記憶された前記来客者情報を暗号化処理して、前記来客者の訪問先である前記テナントの前記情報管理手段へ送信するものであることを特徴とする請求項1に記載の来客者情報管理システム。
前記公開サーバは、前記来客者の訪問先である前記テナントの前記情報管理手段に送信された来客者情報を、前記公開サーバにアクセスして復号化して表示する復号化手段と、
前記復号化手段によって表示された来客者情報を変更する情報管理変更手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の来客者情報管理システム。
来客者情報管理システムは、前記情報管理手段と前記公開サーバとの来客者情報のhttp又はhttpsによる送受信、前記公開サーバから前記管理サーバへの来客者情報の受け渡しと、前記管理サーバから前記情報管理手段への来客者情報の送信とを電子メールにより行うことを特徴とする請求項1に記載の来客者情報管理システム。
来客者情報管理システムの前記来客受付手段を通過するために必要な受付情報である入館用コードは、前記来客者情報を表すバーコード又は2次元コードであることを特徴とする請求項1に記載の来客者情報管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、テナントビルには、複数のテナントが入居しており、その規模も様々である。例えば、1つのフロアに1つのテナントが入居していたり、1つのフロアに複数のテナントが入居している場合もある。また、通常のテナントビルでは、異なるテナント間を接続したLAN等のネットワークは存在せず、テナントビル全体としての来客者の管理は行われていない。このため、テナントビルにおける来客者の管理は、入居しているテナント毎に行っており、来客者管理システム等の導入は、費用やメンテナンス等の面から多大な負荷となる。さらに、来客者の個人情報の外部への流出を防止するためのセキュリティー体制の確立も必要となる。
【0006】
そこで本発明は、入居する複数のテナント間等に内部ネットワーク接続が存在しないテナントビル等おいて、入居する複数のテナントが同時に利用可能なテナントビル全体としての来客者管理を、インターネット等のネットワークを利用した場合であっても、入館する来客者の利便性を保ちつつ、来客者の個人情報を安全に管理することが可能な来客者情報管理システム及び来客者情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る来客者情報管理システムは、入居する複数のテナント間で共有して利用可能な内部ネットワークが存在しない建物への来客者の情報を管理する来客者情報管理システムであって、前記建物に入居するテナントへの来客を管理する来客受付手段と、外部ネットワークにより受け付けた前記テナントへの来客者情報の受け渡しを行う公開サーバと、前記公開サーバを経由して前記来客者情報を受け付けて管理する管理サーバと、を有し、前記管理サーバは、前記公開サーバを経由して受け付けた前記来客者情報を記憶するデータベースと、前記データベースに記憶された来客者情報を前記来客者の訪問先である前記テナントの情報処理装置からなる情報管理手段へ送信するとともに、前記データベースに記憶された前記来客者情報に含まれる来客者の連絡先に前記来客受付手段を通過するために必要な受付情報を送信する情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る来客者情報管理システムの前記公開サーバは、前記管理サーバからの
来客者情報取得要求に応じて前記管理サーバに受け渡し、当該来客者情報を受け渡し終了後に、前記公開サーバから前記来客者情報を削除して、前記公開サーバは一切の前記来客者情報を所有しないことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る来客者情報管理システムの前記管理サーバは、前記公開サーバから受け渡された前記来客者情報を来客者の個人情報とそれ以外の一般情報とに分離して前記データベース上で管理することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る来客者情報管理システムの前記情報送信手段は、前記データベースに記憶された前記来客者情報を暗号化処理して、前記来客者の訪問先である前記テナントの前記情報管理手段へ送信するものであることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る来客者情報管理システムの前記公開サーバは、前記来客者の訪問先である前記テナントの前記情報管理手段に送信された来客者情報を、前記公開サーバにアクセスして復号化して表示する復号化手段と、前記復号化手段によって表示された来客者情報を変更する情報管理変更手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る来客者情報管理システムは、前記情報管理手段と前記公開サーバとの来客者情報のhttp又はhttpsによる送受信、前記公開サーバから前記管理サーバへの来客者情報の受け渡しと、前記管理サーバから前記情報管理手段への来客者情報の送信とを、電子メールにより行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る来客者情報管理システムは、前記公開サーバから前記管理サーバへの来客者情報の受け渡しを、専用回線により行うことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る来客者情報管理システムの前記来客受付手段を通過するために必要な受付情報である入館用コードは、前記来客者情報を表すバーコード又は2次元コードであることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る来客者情報管理方法は、入居する複数のテナント間で共有して利用可能な内部ネットワークが存在しない建物への来客者の情報を管理する来客者情報管理方法であって、前記建物に入居するテナントへの来客を管理する来客受付手段を有し、外部ネットワークにより公開サーバが受け付けた前記テナントへの来客者情報を、前記公開サーバを経由して管理サーバに受け渡し、前記管理サーバが、前記来客者情報を前記来客者の訪問先である前記テナントの情報処理装置からなる情報管理手段へ送信するとともに、前記来客者の連絡先に前記来客受付手段を通過するために必要な受付情報を送信することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る来客者情報管理方法の前記公開サーバは、前記管理サーバからの
来客者情報取得要求に応じて前記管理サーバに受け渡し、当該来客者情報を受け渡し終了後に、前記公開サーバから前記来客者情報を削除して、前記公開サーバは一切の前記来客者情報を所有しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、インターネット等の通信網に公開された公開サーバで来客者情報の登録を行い、その情報は電子メール等の手段で直ちに安全なテナントビル内の管理サーバに渡される。管理サーバは、インターネット等の通信網による外部からのアクセスができないように構成されているため、内部にある管理サーバ側から公開サーバにアクセスして情報取得が可能な電子メール等の手段を用いる。また、公開サーバは来客者情報が管理サーバに渡された後、当該来客者情報を自動的に消去するため、又は管理サーバが取得後その来客者情報を自動的に消去するため、公開サーバ上には個人情報等を含む来客者情報が一切蓄積されることがなく、高いセキュリティーを維持することができる。
【0018】
また、管理サーバは、来客者情報を訪問日時・来客会社名等の一般情報と、来客者自身の個人情報とで分割して管理し、個人情報を暗号化した暗号化個人情報ファイルを、申請者本人の情報管理手段へ送付する来客者情報メールに添付して送るため、個人情報が外部に漏れることを防止することができる。
【0019】
また、申請者本人やその代理者(例えば、同一テナントのアシスタント)が、来客者情報を変更する際には、来客者情報メールを指定して、公開サーバにアクセスする。その際、公開サーバにより、来客者情報メールの暗号化した個人情報ファイルが復号化され、情報管理手段のモニター画面に表示される。このため、管理サーバは、インターネット等の通信網による外部からのアクセスができないように構成されていても、来客者情報の変更が可能となり、来客者情報管理システムのセキュリティーを確保することができる。
【0020】
これにより、テナントビルに入居する複数のテナントは、独自に来客者情報管理システム等を導入する必要はなく、インターネット等の通信網経由で自らのテナントに来訪する来客者情報を高いセキュリティーを維持しながら管理することが可能となる
また、管理サーバは、インターネット等の通信網に接続された来客者の情報端末に招待メール等を発送するようにする。招待メール等には、申請者の入居するテナントビル等に設置されたゲート等を通過するために必要な情報(例えば、バーコード又は2次元コード)が添付されており、来客者への通知、来客許可証の発行を同時に行うことができる。
【0021】
管理サーバをテナントビル側に配置することにより、インターネット等の通信網上の公開サーバの障害や公開サーバとのデータ受け渡しに遅延等が発生しても、管理サーバが動作可能であれば、テナントビル内のゲート開閉に係る来客者情報管理システムは動作可能なため、来客者の受付等を継続して行うことができ、システムの信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明による来客者情報管理システム及び来客者情報管理方法を実施するための形態について説明する。尚、本発明による来客者情報管理システム及び来客者情報管理方法は、入居する複数のテナント間で共有して利用可能な内部ネットワークがテナントビルに存在せず、テナントビルに入居するテナント等への来客者管理をインターネット等の通信網経由で行った場合であっても、入館する来客者の利便性を保ったまま、来客者の個人情報を安全に管理できるようにしたものである。
【0024】
[来客者情報管理システムの構成]
図1は、本発明による来客者情報管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明による来客者情報管理システム1は、少なくとも、データセンタ3と、管理サーバ12と、情報管理手段22と、通信網50とを備える。
以下に、テナントビルにおける来客者管理を行う来客者情報管理システムの一例について説明する。なお、本発明は、テナントビルにおける来客者管理に限定されるものではなく、テナントビル以外の来客者管理に対しても用いることができる。例えば、イベントの来客者管理、ホテルの予約管理等に対しても適用することができる。
【0025】
図1に示すデータセンタ3は、テナントビル10に入居するテナントからの来客者の登録を受け付けるものであり、外部ネットワークであるインターネット等の通信網50に接続された公開サーバ4とメールサーバ6を有している。公開サーバ4は、情報管理手段22からの来客者情報の登録、変更、削除等をするためのメニューを備え、また、暗号化された来客者情報を復号化するための復号化手段5を備えている。更に、公開サーバ4は、情報管理手段22からの来客者情報をメールサーバ6に出力し、来客者情報をメールサーバ6に出力後に、来客者情報を自動的にメモリ上から削除する。
【0026】
このように、データセンタ3の公開サーバ4は、情報管理手段22からの来客者情報の登録、変更、削除等を行うことができる。なお、データセンタ3の設置場所は、限定するものではなく、通信網50に接続できる環境であればよい。また、この接続にはセキュアな通信(例えば、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等)を用いると良い。
【0027】
データセンタ3のメールサーバ6は、来客者情報を管理サーバ12からの要求があった際に受渡し可能とするものである。これにより、メールサーバ6と管理サーバ12との来客者情報の受渡しは、管理サーバ12からの要求があったときのみ行われるため、メールサーバ6は、管理サーバ12のスレーブサーバとして機能する。なお、データセンタ3のメールサーバ6と管理サーバ12との接続は、例えば、専用線で接続する。また、メールサーバ6と管理サーバ12との来客者情報の受渡しは、電子メールにより行われる。
図1に示す管理サーバ12は、通信網50の外部からはアクセス不可なテナントビル10内に設置されており、データを暗号化する暗号化手段14を有する情報送信手段13と、来客者情報を記憶するデータベース15とを有している。
【0028】
管理サーバ12の設置場所は、来客受付手段30と遅延なくデータ送受信が可能なテナントビル10内が望ましいが、設置場所をテナントビル10内に限定するものではなく、十分にセキュリティーが確保されている場所であれば、テナントビル外であってもよい。管理サーバ12の情報送信手段13は、来客者情報データの入力、出力を行い、データベース15の制御を行う。また、管理サーバ12は、メールサーバ6から来客者情報を取得する。
【0029】
管理サーバ12の情報送信手段13は、データセンタ3のメールサーバ6から取得した来客者情報の内容を一般情報と個人情報とに分けて、データベース15に記憶する。
【0030】
また、情報送信手段13は、暗号化手段14によって来客者情報の個人情報を暗号化して、一般情報と暗号化した個人情報からなる来客者情報を、電子メールの添付ファイルとしてテナント20内の情報管理手段22に送信する。なお、情報送信手段13から情報管理手段22への一般情報と暗号化した個人情報の送信は、電子メールに限定するものではなく、他の送信手段であってもよい。
【0031】
図2は、来客者情報管理システムにおける来客者情報のデータベース上での構成を示す図であり、
図2(a)は来客者の個人情報を含まない来客者情報の構成を示す図、
図2(b)は来客者の個人情報を含む来客者個人情報の構成を示す図、図(c)は申請者情報の構成を示す図である。
【0032】
図2(a)に示すように、来客者情報の一般情報は、訪問日時、来客会社名、訪問目的等で構成されている。また、
図2(b)に示すように、来客者情報の個人情報は、来客者氏名、来客者メールアドレス、来客者電話番号等で構成されている。また、
図2(c)に示すように、申請者情報は、申請者氏名、申請者メールアドレス等で構成されている。
【0033】
また、
図1に示す情報管理手段22は、テナントビル10に入居する来客者情報管理システムを利用するテナント20等が有する情報処理装置であるPC(Personal Computer)等で構成されている。
【0034】
情報管理手段22は、通信網50経由でデータセンタ3の公開サーバ4に対して来客者情報の登録、変更、削除等を行うものである。また、情報管理手段22は、管理サーバ12から来客者情報を電子メール等により来客者情報メール23として受信し、来客者情報メール23で受け取った来客者情報の一般情報と暗号化された個人情報を暗号化個人情報ファイル24として記憶する記憶装置を有している。
【0035】
申請者本人やその代理者(例えば、同一テナントのアシスタント)が使用する情報管理手段(PC)22は、通信網50と接続されており、申請者は、情報管理手段(PC)22のブラウザ等を起動してデータセンタ3の公開サーバ4にアクセスして、入力用の画面でユーザ登録番号、パスワード等を入力する。入力後に、情報管理手段(PC)22には来客者情報入力用メニューがモニター上に表示される。申請者は、モニター上に表示された入力用の画面で来客者の訪問日時、来客会社名、訪問目的等を入力する。尚、後述する
図5に情報管理手段22のモニター(表示装置)に表示されるメニューの一例を示す。
【0036】
なお、管理サーバ12から受信した来客者情報の暗号化された個人情報の復号化手段はデータセンタ3の公開サーバ4のみにあるため、万が一、来客者情報の暗号化された個人情報が情報管理手段22から外部に流出しても、暗号化された個人情報は復号化しないと読み出すことができないため、高いセキュリティーを維持することができる。
【0037】
図1に示すように、更に、管理サーバ12は、通信網50に接続された来客者の情報端末40に招待メール41を発送する。招待メール41には、後述する来客受付手段30のゲートを通過するための入館用コード42、例えば、2次元コードからなるQRコード(登録商標)等又は、入館用コード42を受付端末より発券するためのバーコードの情報を添付するようにする。
【0038】
また、
図1に示す来客者情報管理システム1には、来客者の入退館の管理を行い、ゲートを開閉するゲート開閉器を備えた来客受付手段30を設けるようにしてもよい。来客受付手段30のゲート開閉器は、来客者がゲートを通過するために必要な入館用コード42を読み取るリーダ(図示せず)が設けられており、管理サーバ12でゲート開閉器を制御するようにする。これにより、来客者情報管理システムは、来客者情報の登録から来客者の入退館の管理までを一体で行うことができる。
【0039】
[来客者情報管理システムにおける来客通知]
次に、来客者情報管理システムによる来客者情報の登録の流れを
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、来客者情報管理システムにおける来客者情報を登録する処理の流れを示す図である。
図4は、来客者情報管理システムにおける来客者情報を登録し、来客者の情報端末に通知するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
テナント20等の申請者本人やその代理者(例えば、同一テナントのアシスタント)は、情報管理手段22を用いて来客者情報の登録を行う。例えば、テナント20への来客者、イベント等の招待者である。
【0041】
情報管理手段22は、データセンタ3に対して通信網50を介して来客者情報の登録を行う。
図3及び
図4に示すように、最初に、データセンタ3の公開サーバ4は、情報管理手段22からのユーザ登録番号、パスワード等を確認して、情報管理手段22の認証を行う(ステップS1)。
【0042】
来客者情報を入力するためのメニューを情報管理手段22のモニター(表示装置)に表示する(ステップS2)。
【0043】
図5は、情報管理手段22のモニター(表示装置)に表示されるメニューの一例を示す図である。
図5に示すように、モニターの左上のエリアには、来客者申請、来客者情報変更等の処理メニューが表示される。来客者申請のメニューは、訪問日時、来客者情報に関する来客会社名、来客者氏名、来客者メールアドレス等からなる。
テナント20の申請者は情報管理手段22を用いて、表示されたメニューに基づいて、必要な来客者情報を入力する。入力された来客者情報はデータセンタ3の公開サーバ4に送信される(ステップS3)。
【0044】
公開サーバ4は、情報管理手段22からの来客者情報の記入漏れ等のチェックを行った後、当該来客者情報に基づいて電子メールを作成し、メールサーバ6に蓄積する(ステップS4)。
【0045】
公開サーバ4は、当該来客者情報に基づいて作成した電子メールをメールサーバ6に蓄積後に、来客者情報に関する全てのデータを自動で消去するようにする(ステップS5)。これにより、公開サーバ4は、来客者情報に関するデータを有していないため、通信網50に公開されている公開サーバ4に不正アクセスがあった場合でも、来客者情報の漏洩を防止することが出来る。
【0046】
通信網50の外部からはアクセスが不可能なテナントビル10の内部に設置された管理サーバ12側から、メールサーバ6にアクセスして来客者情報を取得する(ステップS6)。
【0047】
管理サーバ12の情報送信手段13は、メールサーバ6経由で取得した来客者情報を一般情報と個人情報とに分けて、データベース15に格納する(ステップS7)。
【0048】
情報送信手段13は、暗号化手段14によって個人情報を暗号化し、暗号化した個人情報を電子メールの添付ファイル等で情報送信手段13から情報管理手段22に送信する(ステップS8)。なお、情報管理手段22に送信される電子メールに添付される来客者情報は一般情報及び暗号化した個人情報である。
【0049】
また、管理サーバ12は、来客者情報に含まれる来客者の電子メールアドレス宛てに招待メール41を作成し、情報送信手段13から送信する。来客者の情報端末40等で受信される招待メール41には、テナント20を訪問する際にゲート等を通過するときに必要となる入館用コード42を受付端末より発券するためのバーコード又は2次元コード等からなる入館用コード42が添付されている(ステップS9)。
【0050】
このように、通信網50上の公開サーバで来客者情報の登録を行い、その情報は直ちに安全なテナントビル内の管理サーバ12に送られて、公開サーバ上には個人情報等を含む来客者情報が蓄積されない。管理サーバ12は、インターネット等の通信網50による外部からのアクセスができないように構成されており、このため、情報漏洩防止のために高いセキュリティーを維持することができる。
【0051】
また、管理サーバ12は、来客者情報を訪問日時、来客会社名、訪問目的等の一般情報と、来客者自身の個人情報とを分割して管理し、個人情報は暗号化して、申請者本人に暗号化した個人情報ファイルを来客者情報メールに添付されて情報管理手段22に送られるため、個人情報が外部に漏れることを防止することができる。
【0052】
[来客者情報管理システムにおける来客者情報の変更]
以下に、来客者情報の変更について
図6を用いて説明する。
図6は、来客者情報管理システムにおける来客者情報の変更における処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
来客者情報の変更が必要になったときには、テナント20の申請者本人やその代理者(例えば、同一テナントのアシスタント)は、情報管理手段22を用いて来客者情報の変更を行う。情報管理手段22は、データセンタ3の公開サーバ4に対して通信網50を介して来客者情報の変更を行う。
図6に示すように、最初に、データセンタ3の公開サーバ4は、情報管理手段22からのユーザ登録番号、パスワード等を確認して、情報管理手段22の認証を行う(ステップS20)。
【0054】
来客者情報を変更するためのメニューを情報管理手段22のモニター(表示装置)に表示する(ステップS21)。
【0055】
テナント20の申請者は情報管理手段22を用いて、モニターに表示された処理メニューから来客者情報変更を選択して、変更すべき来客者情報に関する暗号化個人情報ファイル24を指定する(ステップS22)。
【0056】
変更すべき来客者情報の暗号化個人情報ファイル24を指定することにより、暗号化された個人情報がデータセンタ3の公開サーバ4に送信される(ステップS23)。
【0057】
データセンタ3の公開サーバ4は、受信した暗号化された個人情報を復号化手段5を用いて復号化し、復号化された来客者情報は情報管理手段22のモニターに表示される(ステップS24)。テナント20の申請者は、情報管理手段22のモニターに表示された来客者情報の変更を行い、公開サーバ4に送信する(ステップS25)。
このとき、復号化手段5を用いなければ、来客者情報の内容を表示、変更することが出来ないので、メールの誤送信や、第三者による不正取得による来客者情報の漏洩が生じた場合でも、来客者情報の秘密保持をすることができる。
【0058】
公開サーバ4は、情報管理手段22からの来客者情報の記入漏れ等のチェックを行った後、変更された来客者情報に基づいて電子メールを作成し、メールサーバ6に蓄積する(ステップS26)。
【0059】
公開サーバ4は、変更された来客者情報に基づいて作成した電子メールをメールサーバ6に蓄積後に、来客者情報に関する全てのデータを自動で消去するようにする(ステップS27)。これにより、公開サーバ4は、来客者情報に関するデータを有していないため、通信網50に公開されている公開サーバ4に不正アクセスがあった場合でも、来客者情報の漏洩を防止することが出来る。管理サーバ12側から、メールサーバ6にアクセスして変更された来客者情報を取得する(ステップS28)。
【0060】
管理サーバ12の情報送信手段13は、取得した来客者情報を一般情報と個人情報とに分けて、変更された来客者情報をデータベース15に格納する(ステップS29)。
【0061】
情報送信手段13は、暗号化手段14によって個人情報を暗号化し、暗号化した個人情報を電子メールの添付ファイル等で情報管理手段22に送信する(ステップS30)。なお、情報管理手段22に送信される変更された来客者情報は一般情報と暗号化した個人情報である。
【0062】
また、管理サーバ12は、変更された来客者情報の電子メールアドレスから来客者の情報端末40に招待メール41の再送信を行う。招待メール41には、テナント20を訪問する際にゲート等を通過するときに必要となる入館用コード42を受付端末より発券するためのバーコード又は2次元コードからなる入館用コード42が添付されている(ステップS31)。
【0063】
このように、通信網50上の公開サーバでの来客者情報の変更は、情報管理手段22から暗号化された個人情報を送信し、公開サーバで復号化されて情報管理手段のモニターに表示されるため、高いセキュリティーを維持することができる。
【0064】
また、来客者情報の登録と同様に、管理サーバ12は、来客者情報を訪問日時、来客会社名、訪問目的等の一般情報と、来客者自身の個人情報とを分割して管理し、個人情報は暗号化して、申請者本人に暗号化した個人情報ファイルを来客者情報メールに添付して情報管理手段22に送られるため、個人情報が外部に漏れることを防止することができる。
【0065】
[来客者情報管理システムにおける来客の受付]
次に、来客者情報管理システムにおける来客の受付について
図7を用いて説明する。
図7は、来客者情報管理システムにおける来客の受付の流れを示すフローチャートである。 来客者の招待メール41に、入館用コードを受付端末より発券するためのバーコードが添付されている場合には、
図7に示すように、最初に、来客者はバーコードを(無人/有人)受付端末にかざし、表示された自分の名前をチェックする。受付端末は、2次元コードからなる入館用コード42が記載された入館証を発券する。その入館証を持って来客者は、来訪先のテナントビル10の1階の受付エリアに設置されている来客受付手段30のゲート開閉器のリーダ(図示せず)にQRコード(登録商標)等の2次元コードからなる入館用コード42を読み取らせる(ステップS40)。一方、来客者の招待メール41に2次元コードからなる入館用コード42が添付されている場合には、受付端末を介さずに来客受付手段30のゲート開閉器のリーダ(図示せず)に入館用コード42を読み取らせる。
【0066】
来客受付手段30のゲート開閉器のリーダは、読み出した入館用コード42のデータを管理サーバ12に出力する(ステップS41)。
【0067】
管理サーバ12は、前もって登録されている来客者情報と受付端末で発券した入館証又は招待メール41から読み出した入館用コード42に含まれる来客者情報のデータとの照合を行う(ステップS42)。照合結果が一致したとき(ステップS43でYes)には、来客受付手段30のゲート開閉器を開いて、来客者の入館を許可するようにする。また、入館日時等を記録する(ステップS44)。
【0068】
また、管理サーバ12は、来客を受け付けたことを、該当する情報管理手段22に電子メール等で通知してもよい(ステップS45)。
【0069】
一方、照合結果が一致しないとき(ステップS43でNo)には、入館を許可しない。例えば、来客受付手段30のゲート開閉器を閉じたままにして、ゲート開閉器に設けた音声装置にメッセージを出力して音声案内で管理事務所等に連絡するように案内してもよい(ステップS46)。
【0070】
また、退館時にも来客受付手段30のゲート開閉器のリーダに入館証又は招待メール41の入館用コード42を読み取らせる。来客受付手段30のゲート開閉器のリーダは、読み出した入館用コード42のデータを管理サーバ12に出力し、ゲート開閉器のゲートを開く。このとき退館日時等も記録する(ステップS47)。
【0071】
以上により、前もって発行した入館用コード42付き入館証に基づいて。来客者の入退館の管理を行うことができる。
【0072】
[来客者情報管理システムにおける蓄積データの集計]
管理サーバ12のデータベース15は、来客者情報のみならず、来客者の入退館の管理データもデータベース(DB)形式で記憶している。データベース15から月別の来客状況、テナント別、個人別の訪問の集計することも可能である。
例えば、テナント別に集計した訪問者数などから、テナントビルに入居する各テナントの来客者情報システムの利用料(課金情報)を算出してもよい。
【0073】
管理サーバ12は、集計用のプログラムを記憶装置に内蔵している。管理サーバ12にPC等を接続して、集計用のプログラムを起動して、データベース15のデータを読み出して、月毎のテナント別の訪問者数、訪問時間帯等の集計が可能となる。
【0074】
また、イベント開催における来客者情報から来場者数、年齢層、滞在時間等の集計も可能となり、以後のイベント開催の検討データとして活用することができる。
【0075】
[その他の実施例]
上記では、管理サーバ12とメールサーバ6間の来客者情報の受け渡しを、管理サーバ12がデータセンタ3のメールサーバ6から取得する記載をしたが、例えば、インターネット等の通信網50による外部からはアクセスが不可となっている管理サーバ12の方から、データセンタ3にアクセスして情報を取得することが可能な形式であれば、電子メール以外を用いても良い。
【0076】
以上述べたように、本発明によれば、インターネット等の通信網に公開された公開サーバで来客者情報の登録を行い、その情報は電子メール等の送信手段で直ちに安全なテナントビル内の管理サーバに送信される。公開サーバは来客者情報を送信後、当該来客者情報を自動的に消去するため、公開サーバ上には個人情報等を含む来客者情報が一切蓄積されることがない。
また、本発明によれば、管理サーバは、インターネット等の通信網による外部からのアクセスができないように構成されており、高いセキュリティーを維持することができる。
【0077】
また、管理サーバは、来客者情報を訪問日時、来客会社名等の一般情報と、来客者自身の個人情報とを分割して管理し、個人情報は暗号化して、申請者本人に暗号化した個人情報ファイルを来客者情報メールに添付して情報管理手段に送られるため、個人情報が外部に漏れることを防止することができる。
【0078】
更に、申請者本人やその代理者(例えば、同一テナントのアシスタント)が、来客者情報を変更する際には、来客者情報メールを指定して、公開サーバにアクセスする。公開サーバにより、来客者情報メールの暗号化した個人情報ファイルが復号化され、情報管理手段のモニター画面に表示される。このため、テナントビル側の来客者情報管理システムのデータベースへのアクセスが不要となり、来客者情報を安全に管理することができ、更に、来客者情報管理システムのセキュリティーを確保することができる。
【0079】
これにより、テナントビルに入居する複数のテナント、独自に来客者情報管理システム等を導入する必要はなく、通信網経由で自社のテナントビルに来訪する来客者情報を高いセキュリティー強度を保ちながら管理することが可能となる。
【0080】
また、管理サーバは、通信網に接続された来客者の情報端末に招待メール等を発送するようにする。招待メール等には、申請者の入居するテナントビル等に設置されたゲート等を通過するために必要な情報(例えば、入館用コードを受付端末より発券するためのバーコード又は2次元コードからなる入館用コード)が添付されており、来客者への通知、来客許可証の発行を同時も行うことができる。
【0081】
管理サーバをテナントビル側に配置することにより、通信網上の公開サーバに障害が発生しても、管理サーバが動作可能であれば、テナントビル等のゲート開閉に係る来客者情報管理システムは動作可能なため、来客者の受付等を継続して行うことができ、システムの信頼性を向上させることができる。
【0082】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。