特許第6598386号(P6598386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6598386-ごみ取り用粘着テープロール 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598386
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】ごみ取り用粘着テープロール
(51)【国際特許分類】
   A47L 25/00 20060101AFI20191021BHJP
   C09J 7/00 20180101ALI20191021BHJP
【FI】
   A47L25/00 A
   C09J7/00
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-90002(P2017-90002)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-186906(P2018-186906A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2019年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】505052906
【氏名又は名称】株式会社HMH
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】卯原 義夫
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−107774(JP,U)
【文献】 特開2017−171849(JP,A)
【文献】 実開平05−001454(JP,U)
【文献】 特開2003−061884(JP,A)
【文献】 特開2004−089288(JP,A)
【文献】 特開2006−006514(JP,A)
【文献】 特開2006−116168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 25/00
C09J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープがロール状に多層に巻かれたごみ取り用粘着テープロールにおいて、
ロールの軸方向一端側の巻き層構造が、外側層の横端部が内側層の横端部よりも外側に突出する階段状である、
ことを特徴とするごみ取り用粘着テープロール。
【請求項2】
請求項1記載のごみ取り用粘着テープロールにおいて、
階段状の横端部が、巻き芯の一端よりも外側まで突出して、階段状の横端部の内側が芯無し部である、
ことを特徴とするごみ取り用粘着テープロール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のごみ取り用粘着テープロールにおいて、
粘着テープに、粘着テープを切り取り可能な切り取り部がある、
ことを特徴とするごみ取り用粘着テープロール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のごみ取り用粘着テープロールにおいて、
横幅が長さ方向一端側から他端側に斜めに広い粘着テープを、横幅が狭い方を内側にし、横幅が広い方を外側層にして多層にロール状に巻き、外側層である横幅の広い端部が内側層である横幅の狭い端部よりも外側にはみ出て、外側層の横端部が内側層の横端部よりも外に突出する階段状である、
ことを特徴とするごみ取り用粘着テープロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ取り用粘着テープロールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カーペット、畳、床、テーブル、その他の箇所のごみ取りに使用される粘着テープロールが普及している。ごみ取り用粘着テープロールには特許文献1〜5に開示のものがある。それら粘着テープロールは粘着テープがロール状に重ね巻きされており、ごみ取りする箇所(掃除する箇所)の上を転がして、ごみを粘着面に付着させるものである。粘着面にごみが付着して汚れると、汚れた面を一層分だけ剥がして切り取り、新たな層の粘着面を露出させて使用できるようにしてある。従来の粘着テープロールには、汚れたテープを剥がし易くする工夫がされており、汚れた層を切り取るための切り取り箇所(切り取り線)もある。
【0003】
従来のごみ取り用粘着テープロールでは、粘着テープを一枚ずつ剥がしにくいとか、一度に二層以上が剥がれて、未使用の層まで剥がれてしまうことがあり、粘着テープが無駄になる、不経済であるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平05−001454号公報
【特許文献2】特開2003−061884号公報
【特許文献3】特開2004−089288号公報
【特許文献4】特開2006−006514号公報
【特許文献5】特開2006−116168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、汚れた粘着テープを一枚ずつ剥がし易くして、未使用の巻き層まで剥がれることがなく、粘着テープの無駄を解消して、不経済にならないようにしたごみ取り用粘着テープロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のごみ取り用粘着テープロールは、粘着テープを多層に巻いたロールであって、ロールの軸方向一端側の外側層の横端部を内側層の横端部よりも長くして階段状にした。また、階段状の横端部(巻き端部)の内側は巻き芯のない芯無し部として、階段状の巻き端部を中心側に押すと潰れ易くなるようにもした。前記階段状にするためには、横幅が長さ方向一端側から他端側に斜めに広くなっている粘着テープを、横幅の狭い方を内側にして横幅の広い方に巻いて多層のロール状にし、外側層の横端部を内側層の横端部よりも外に突出すようにする。前記芯無し部を作るには、前記のように横幅が斜めに横広がりである粘着テープを、横幅の狭い方を内側にして巻き芯の外周に巻いて、横幅の広い方を巻き芯の一端よりも外側にはみ出させて巻くことにより作ることができる。いずれの場合も、粘着テープには汚れた層を切り取るための切り取り部を設けた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば次のような効果がある。
(1)ロール状に巻いた多層の粘着テープの、外側層の横端部を内側層の横端部よりも外側に突出させて階段状にしてあるため、外側層の横端部が内側層の横端部よりも常に外層になり、しかも、最外層の巻き層の横幅が最も長いため、最外層の横端部を一枚ずつ摘まんで、一層分ずつ確実に剥がして切り取ることができ、剥がしも、切り取りも容易になる。
(2)一層分ずつ剥がして切り取り易いため、一度に二層以上が剥がれて、未使用の層まで剥がれることがなく、粘着テープの無駄がなく、経済的になる。
(3)横幅が長さ方向一端側から他端側に斜めに広くなっている粘着テープを、多層にロール状に巻くだけで階段状の巻き端部を作ることができるため、階段状にするための切断加工が不要であり、製造工程が複雑にならず、製造装置や製造工程を大幅に変更する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のごみ取り用粘着テープロールにハンドルを装着した状態の斜視図。
図2】本発明のごみ取り用粘着テープロールの剥がし始めの状態を示す斜視図。
図3】(a)はロールの階段状の巻き端部の説明図、(b)は(a)の矢印箇所の部分断面図。
図4】(a)はロール状に巻く前の粘着テープの平面図、(b)は粘着テープの巻き方の説明図。
図5】(a)は粘着テープをロール状に巻き始めた状態の説明図、(b)は巻き進んだ途中の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のごみ取り用粘着テープロールの実施形態の一例を図面に基づいて説明する。図示した本発明のごみ取り用粘着テープロール(ロール)1の基本構成は、粘着テープ2を多層に巻いてロール状にしてある。具体的には次のようにしてある。
【0010】
表面が粘着性のある粘着テープ2(図4(a))を、図4(b)のように巻き芯3の外周に多層に巻いてロール1にしてある。多層に巻いたロール1の軸方向(長手方向)一端側4(図1)は、外側層の横端部5を内側層の横端部6よりも長くして階段状にしてあり、最外層の横端部7が常にロールの表面(最外層)に出るようにしてある。また、ロールの軸方向一端側(階段状の巻き端部)4の内側は巻き芯のない芯無し部にして、その巻き端部4を内側に押すと、巻き端部4が潰れるようにもしてある。何れの場合も粘着テープ2には汚れた粘着テープ2を切り取るための切り取り部8(図4(a)(b)、図5(a)(b))を設けてある。
【0011】
切り取り部8はロール1の横幅方向一端から他端まで横断して設けてある。切り取り部8はミシン目とか、その他の切り取り易い構造である。切り取り部8は各巻層の一周分ごとの間隔で設けて、ごみが付着した層ごとに切り取り可能としてある。
【0012】
巻き芯3はボール紙製、樹脂製、その他の材質製等とすることができる。巻き芯3は円筒状が適するが、角筒状とか、他の構造であってもよい。
【0013】
粘着テープ2の材質、粘着剤の性質(特性)等は、既存の粘着テープのそれらと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
【0014】
多層に巻いたロール1の軸方向一端側4を階段状にするには、例えば、図4(a)の粘着テープ2を使用する。この粘着テープ2は横幅の一端側2aが長手方向に次第に広くなっており、狭い方の横幅を巻き芯3の長さ(横幅)と同じにし、広い方の横幅を巻き芯3の長さよりも長くしてある。この粘着テープ2の上に、図4(b)のように巻き芯3を置き、その巻き芯3の外周に図4(b)、図5(a)(b)のように粘着テープ2を多層に巻く。この場合、その粘着テープ2を横幅の狭い方から巻き芯3の外周に巻き始め、横幅の広い方に巻き進むにつれて、粘着テープ2のうち、巻き芯3の長さよりも長い方の一端側2aが巻き芯3の外側にはみ出す(突出する)。はみ出した部分の内側は巻き芯のない芯無し部となる。また、ロール状に巻き重ねるにつれて、図1図3(a)(b)のように、外側層の横端部5が内側層の横端部6よりも幅の広い分だけ外側に突出して自動的に階段状になる。巻き終えると、階段状の最外層の横端部7が最も外側(表面)になる。
【0015】
ロールの中心部の巻き芯3内には、ハンドルH(図1)を取り付けて使用することができる。ごみが付着した巻き層は、図2のように、階段状の最外層の横端部7を摘まんで剥がし、切り取り部8から切り取って除去して、未使用の巻き層を露出させて使用する。使い切ったらロール1はハンドルHから外して新規のロールに交換して使用する。ハンドルHは既存のハンドルと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。使い易いハンドルを使用することができる。
【0016】
前記実施形態はあくまでも一例である。ロールの巻き層数、巻き径、横幅、粘着力の強度等は、ごみの種類、大きさ等に合わせて設計することができる。
【0017】
本発明では、課題を解決することができれば、前記構造、形状、材質等を変更することもできる。巻き芯3はあってもなくてもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 ごみ取り用粘着テープロール(ロール)
2 粘着テープ
2a (粘着テープの)横幅の一端側
3 巻き芯
4 (ロールの)軸方向一端側(巻き端部)
5 外側層の横端部
6 内側層の横端部
7 最外層の横端部
8 切り取り部
H ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5