特許第6598413号(P6598413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 6598413-テーピング装置および張力検出装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6598413
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】テーピング装置および張力検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/10 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
   G01L5/10 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-112961(P2019-112961)
(22)【出願日】2019年6月18日
【審査請求日】2019年6月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000161231
【氏名又は名称】宮▲崎▼機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】西林 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】後藤 洋紀
(72)【発明者】
【氏名】高岡 伸樹
【審査官】 大森 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−038665(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/019395(WO,A1)
【文献】 特開平08−152369(JP,A)
【文献】 特開2012−247246(JP,A)
【文献】 特開2001−006461(JP,A)
【文献】 特開2013−247055(JP,A)
【文献】 特開2006−306508(JP,A)
【文献】 米国特許第5111646(US,A)
【文献】 米国特許第3669370(US,A)
【文献】 国際公開第2011/098625(WO,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−0496446(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/04−5/10,
H01B 13/08,
B65H 81/06−81/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材が進行する軸線方向を中心にして回転するテーピングヘッドと、テーピングヘッドの前側に回転可能に取り付けられたテープパッドと、テープパッドから引き出されたテープを線材に導く複数のテープガイドと、テープパッドから繰り出されるテープの張力を調整するためにテープパッドに制動を与えるブレーキと、ブレーキの制動力を制御する制御装置とを備え、テーピングヘッドと一体的に回転するテープガイドの1つがテープの張力に応じた荷重を受けるように設けられた測定用テープガイドとされ、測定用テープガイドは、テープパッドの外周上に引き出されたテープをテーピングヘッドの中心側に向けて折り返し、テープの通過方向とは異なる方向であって、軸線方向と平行な方向に直線移動可能とされ、テーピングヘッドに、測定用テープガイドが受ける荷重に基づいてテープの張力を検出する張力検出器と、張力検出器の出力を無線通信によってテーピングヘッドの外部に設置された制御装置に送信する送信機とが設けられ、制御装置は、張力検出器の出力に応じてテープの張力が一定になるようにブレーキの制動力を制御することを特徴とするテーピング装置。
【請求項2】
テーピングヘッドの外周側に取り付けられた測定用テープガイドよりも前側に、テープパッドから外周上に引き出されたテープをテーピングヘッド上の測定用テープガイドに向けて折り返す前ガイドローラが設けられ、テーピングヘッドの中心側に、測定用テープガイドによって折り返されたテープを線材に巻き付ける巻付ローラが設けられたことを特徴とする請求項1記載のテーピング装置。
【請求項3】
前ガイドローラと測定用テープガイドとの間に、テープを通す鞘が前側から後側に向けて設けられたことを特徴とする請求項2記載のテーピング装置。
【請求項4】
テーピングヘッドと一体的に回転するテープパッドから引き出されたテープをテーピングヘッドに設けられた複数のテープガイドを介して進行する線材に導いて、線材にテープを巻き付けるテーピング装置において、テープの張力を検出するために用いられる張力検出装置であって、テープの通過方向とは異なる方向にテープを折り返すテープガイドを支持する支持体と、支持体が取り付けられる直線移動する直動体と、直動体を保持するケースと、テープの張力に応じた直動体からの荷重を検出する張力検出器と、テーピング装置の外部に設置された制御装置と無線通信する送信機とを備え、直動体の移動方向は線材が進行する軸線方向と平行な方向とされ、張力検出器は直動体に対向するようにケースに装着され、ケースがテーピングヘッドに着脱可能とされたことを特徴とする張力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進行する線材にテープを巻き付けるテーピング装置およびテーピング装置において、テープの張力を検出するために用いられる張力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
進行する線材にテープを巻き付けるテーピング装置では、テープパッドから引き出されたテープが複数のテープガイドにより線材に導かれ、所定の張力でテープが線材に巻き付けられる。このとき、テープの張力が一定であることが製品品質上望まれる。テープが満巻されたテープパッドからテープが引き出されると、テープの巻径が小さくなり、テープの張力が大きくなっていく。そこで、特許文献1では、テープパッドの回転数を検出して、テープパッドの回転数と繰り出し速度に基づいてテープの巻径を計算し、テープの巻径に応じてヒステリシスブレーキのブレーキトルクを制御して、このブレーキトルクをテープパッドの回転軸に付与する。テープの巻径にかかわらず常に一定のテープ張力でテープを繰り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−11173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記では、テープの巻径からテープの張力が推測されることになり、実際の張力ではない。高速回転するテープパッドから引き出されたテープは線材に達するまでに風圧や遠心力の影響を受け、実際の張力が変動する。そのため、一定の張力でテープが巻き付けられていないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑み、線材に巻き付けられる直前のテープの張力を検出することができる張力検出装置を用いて、実際のテープの張力に基づいてブレーキを制御して、一定の張力でテープを巻き付けることができるようにしたテーピング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテーピング装置は、線材が進行する軸線方向を中心にして回転するテーピングヘッドと、テーピングヘッドに回転可能に取り付けられたテープパッドと、テープパッドから引き出されたテープを線材に導く複数のテープガイドと、テープパッドから繰り出されるテープの張力を調整するためにテープパッドに制動を与えるブレーキと、ブレーキの制動力を制御する制御装置とを備え、テープガイドの1つがテープの張力に応じた荷重を受けるように設けられた測定用テープガイドとされ、テーピングヘッドに、測定用テープガイドが受ける荷重に基づいてテープの張力を検出する張力検出器と、張力検出器の出力を無線通信によってテーピングヘッドの外部に設置された制御装置に送信する送信機とが設けられる。制御装置は、張力検出器の出力に応じてテープの張力が一定になるようにブレーキの制動力を制御する。
【0007】
測定用テープガイドは、テープの張力に応じた荷重を受ける。そのため、この測定用テープガイドを通じてテープに巻き付けられる直前のテープの張力を実測することができる。
【0008】
測定用テープガイドは、テーピングヘッドに設けられ、テープパッドの外周上に引き出されたテープを線材に向けて折り返し、テープの通過方向とは異なる方向であって、軸線方向と平行な方向に直線移動可能とされる。テープの張力の変動に応じて測定用テープガイドを移動させる荷重が生じる。この荷重を検出することにより、テープの張力の変動を実測できる。
【0009】
テープパッドから引き出されたテープをテープガイドを介して進行する線材に導いて、線材にテープを巻き付けるテーピング装置において、テープの張力を検出するために用いられる張力検出装置は、テープを線材に導くテープガイドを支持する支持体と、支持体が取り付けられる直線移動する直動体と、直動体を保持するケースと、テープの張力に応じた直動体からの荷重を検出する張力検出器とを備え、張力検出器は直動体に対向するようにケースに装着され、ケースがテーピング装置に着脱可能とされる。これにより、張力検出装置がユニット化され、ケースをテーピング装置に取り付けることにより、張力測定機能を簡単に付加できる。
【0010】
テーピング装置の外部に設置された制御装置と無線通信する送信機を備え、送信機は、張力検出器の出力を制御装置に送信する。テーピング装置のテーピングヘッドが回転しても、確実に測定した張力を出力することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、線材に巻き付けられる直前のテープの張力を実測することができ、運転中テープの張力を常時監視することが可能になるとともに、張力が変化したときにすぐに対応でき、テープの張力を常に一定に維持できる。また、張力検出装置をユニット化することにより、テーピング装置に簡単に着脱でき、張力検出装置の後付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るテーピング装置のテープの通過経路を示す図
図2】テーピング装置の側面図
図3】テーピング装置のテーピングヘッドの反対側の側面図
図4】張力検出装置を示す図
図5】張力検出装置の断面図
図6】テーピング装置の張力検出にかかる制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るセンタ式テーピング装置を図1〜3に示す。進行する線材にテープ1を巻き付けるテーピング装置は、線材が進行する軸線方向を中心にして回転するテーピングヘッド2と、テープ1を供給するテープパッド3と、テープパッド3から引き出されたテープ1を線材に導く複数のテープガイドとを備えている。そして、図4に示すように、テーピング装置は、テープパッド3から繰り出されるテープ1の張力を調整するためにテープパッド3に制動を与えるブレーキ5と、テープパッド3から引き出されたテープ1の張力を検出する張力検出装置6と、検出されたテープ1の張力に応じてブレーキ5の制動力を制御する制御装置7とを備えている。
【0014】
テーピングヘッド2は、モータを搭載した駆動装置10の前側から突出した中空軸11に取り付けられる。中空軸11は、モータによって回転駆動され、テーピングヘッド2が高速回転(Max1500rpm)する。テーピングヘッド2に支持棒12を介してパッドホルダ13が取り付けられ、パッドホルダ13はテーピングヘッド2と一体的に回転する。前後一対の前板14と後板15とによって構成されるパッドホルダ13にテープパッド3が取り付けられる。後板15に回転可能に支持された取付筒16の前側にテープパッド3が取り付けられ、取付筒16の後側は後板15に取り付けられたブレーキ5に連結されている。線材は、取付筒16の内部を進行する。なお、ブレーキ5として、ヒステリシスブレーキが用いられる。これにより、テープパッド3は、テーピングヘッド2に相対的に回転可能に取り付けられる。
【0015】
複数のテープガイドは、テープパッド3からテープ1を外周上に引き出す引出ローラ20、引き出したテープ1をテーピングヘッド2に向けて案内する前ガイドローラ21、前ガイドローラ21から鞘22を通って案内されたテープ1をテーピングヘッド2の中心に向けて案内する後ガイドローラ23、テープ1を所定の角度で線材に巻き付ける巻付ローラ24とされる。
【0016】
引出ローラ20は前板14に取り付けられ、前ガイドローラ21は前板14と後板15を連結するバー25に取り付けられる。後ガイドローラ23は、テーピングヘッド2の外周側に取り付けられる。鞘22は、後板15に取り付けられ、後板15を貫通している。巻付ローラ25は、テーピングヘッド2の中心側に取り付けられる。巻付ローラ24は傾斜角度を変えることができ、テープ1の巻付角度を変更できる。
【0017】
図5、6に示すように、後ガイドローラ23は、テープパッド3の外周上に引き出されたテープ1をテーピングヘッド2上において線材に向けて折り返す。そして、後ガイドローラ23は、直線移動可能とされ、テープ1の張力6に応じた荷重を受ける測定用テープガイドとされる。後ガイドローラ23の移動方向は、テープ1の通過方向Yとは異なる方向かつテーピングヘッド2の回転方向Zとも異なる方向であって、軸線方向Xと平行な方向とされる。テープ1が後ガイドローラ23で折り返すときに発生する張力の分力により、後ガイドローラ23は軸線方向Xの荷重を受ける。このような後ガイドローラ23は、風圧や遠心力の影響を受けて移動することはない。
【0018】
張力検出装置6は、後ガイドローラ23を回転可能に支持する支持体30と、支持体30が取り付けられる直線移動する直動体であるスライドウェイ31と、スライドウェイ31を保持するケース32と、テープ1の張力に応じたスライドウェイ31からの荷重を検出する張力検出器33と、張力検出器33の検出信号を制御装置7に送信する送信機34とを備えている。
【0019】
後ガイドローラ23は、スライドウェイ31に一体的に設けられる。テープ1の張力によって後ガイドローラ23が荷重を受けると、同じ荷重をスライドウェイ31が受ける。張力検出装置6は、スライドウェイ31が受ける荷重を検出することにより実際のテープ1の張力を測定できる。
【0020】
張力検出器33は、ロードセルとされ、ケース32に装着される。張力検出器33は、軸線方向Xにおいてスライドウェイ31よりも前側に対向するように配置される。テープ1の張力が後ガイドローラ23に作用すると、スライドウェイ31は移動しようとするが、スライドウェイ31は張力検出器33に当接しているので移動できず、スライドウェイ31は張力検出器33を押圧する。したがって、張力検出器33は、テープ1の張力に応じた荷重をスライドウェイ31から受ける。テープ1の張力が一定のとき、スライドウェイ31に一定の荷重がかかる。テープ1の張力が変動すると、スライドウェイ31にかかる荷重も変動する。張力検出器33では、スライドウェイ31からの荷重を受けると、この荷重に応じた微小な出力電圧が得られ、出力電圧をアナログ変換した検出信号が出力される。このように、張力検出器33は、テープ1の張力に応じた検出信号を出力する。
【0021】
ケース32は、後ガイドローラ23を搭載したスライドウェイ31とともに張力検出器33を収容している。ケース32は、テーピングヘッド2にねじによって着脱可能に取り付けられる。このように、張力検出装置6は、ユニット化され、テーピング装置に着脱可能とされる。
【0022】
送信機34は、テーピングヘッド2に取り付けられ、ケース32から離れた位置に配置される。送信機34は、内蔵の電源あるいは駆動装置10から供給される電源によって駆動され、駆動装置10に設けられた制御装置7と無線通信を行う。張力検出器33と送信機34が接続ケーブルによって接続される。接続ケーブルを通じて、張力検出器33から送信機34に検出信号が伝送される。
【0023】
制御装置7は、受信機40、アイソレーションアンプ41、A/Dコンバータ42、制御部43、D/Aコンバータ44、張力制御用アンプ45を有する。受信機40は、送信機34と無線LAN、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信を行い、送信機34から検出信号を受信する。アイソレーションアンプ41は、微小電圧である検出信号を増幅する。A/Dコンバータ42は、アナログの検出信号をデジタル信号に変換して、制御部43に出力する。制御部43は、検出信号に基づいてテープ1の張力を演算し、一定の張力になるように張力の変化分に対応する補正値を加味した張力制御信号を出力する。D/Aコンバータ44は、デジタルの張力制御信号をアナログ信号に変換する。張力制御用アンプ45は、アナログの張力制御信号を増幅する。制御装置7は、この張力制御信号をブレーキ5に出力する。ここで、測定した張力をディスプレイなどに表示して、可視化を図ってもよい。
【0024】
張力制御信号は、スリップリングを介してブレーキ5に伝送される。ブレーキ5の出力トルクは、張力制御信号に応じて制御される。ブレーキ5は、回転している取付筒16に対して出力トルクを付与して、テープパッド3の回転に制動をかける。
【0025】
テープパッド3の巻径が小さくなると、テープ1の張力が大きくなる。張力検出装置6はこの張力を実測できる。測定された張力に応じてブレーキ5の出力トルクが制御されるので、テープパッド3の巻径が変わってもテープ1の張力を一定に維持できる。また、テープ1に風圧や遠心力が影響して張力が変動しても、この張力の変動をすぐに検出してフィードバックすることにより、張力の変動に応じてブレーキ5の制動力が制御される。これにより、テープ1の張力の変動をすばやく抑制することができ、常に一定の張力を維持できる。
【0026】
張力検出装置6はユニット化されているので、簡単にテーピング装置に取り付けることができる。そのため、張力検出装置6を備えていないテーピング装置に対して、張力検出装置6を容易に後付けすることができる。
【0027】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。スライドウェイ31とケース32との間にばねを設け、テープ1の張力による荷重に抗するようにスライドウェイ31を荷重がかかる方向との逆方向に付勢してもよい。テープ1の張力の変動に応じてスライドウェイ31が軸線方向Xに移動する。張力検出器33がスライドウェイ31の移動を検出する。張力検出器33として、変位センサを用いる。直動体として、リニアガイドを用いてもよい。また、ケース32に送信機34を装着してもよい。送信機34も一体化され、張力検出装置6の利用価値が高まる。
【符号の説明】
【0028】
1 テープ
2 テーピングヘッド
3 テープパッド
5 ブレーキ
6 張力検出器
7 制御装置
23 後ガイドローラ
30 支持体
31 スライドウェイ
32 ケース
33 張力検出器
34 送信機
【要約】
【課題】線材に巻き付けられる直前のテープの張力を測定できるようにする。
【解決手段】テープパッド3から引き出されたテープ1を線材に導く複数のテープガイドの1つである後ガイドローラ23がテープ1の張力に応じた荷重を受けるように移動可能に設けられる。テーピングヘッド2に、後ガイドローラ23が受ける荷重に基づいてテープ1の張力を検出する張力検出器33と、張力検出器33の出力を無線通信によってテーピングヘッド2の外部に設置された制御装置7に送信する送信機34が設けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6